JP2000221812A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000221812A
JP2000221812A JP2174599A JP2174599A JP2000221812A JP 2000221812 A JP2000221812 A JP 2000221812A JP 2174599 A JP2174599 A JP 2174599A JP 2174599 A JP2174599 A JP 2174599A JP 2000221812 A JP2000221812 A JP 2000221812A
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Yusuke Nakazono
祐輔 中園
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フィルム加熱方式や熱ローラ方式等の接触加熱
型の定着装置20を備えた画像形成装置について、記録
材Pの含水分量が多い状態時でも即ち記録材の抵抗を考
慮しなくても、1ドットを忠実に再現でき、また定着装
置の定着ニップ部Nに導入される記録材上のトナー像t
の記録材上での静電的保持力が十分に保持されるように
して、尾引き、トナーオフセット現象による画像不良、
加圧ローラ汚れ等の発生を防止し、高品位、高精細な画
像形成を可能にすること。 【解決手段】現像装置の現像剤担持体上の、現像領域で
の現像剤のコート量が1.5mg/cm2 以下であり、
定着装置20は定着部材23または加圧部材24の少な
くとも一方にバイアス電圧を印加する手段S4を有す
る。バイアス電圧による電流が記録材Pを介して流れる
ように記録材に当接する電極25が設けられ、該電極は
接地されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子写真複
写機・電子写真プリンター等の画像形成装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、転写式電子写真方式のレーザー
ビームプリンターや複写機といった画像形成装置では、
像担持体としての、回転ドラム型を一般的とする電子写
真感光体の面に、帯電手段、露光手段により目的の画像
情報の静電潜像を形成し、その静電潜像を現像手段によ
り現像剤像として現像・可視化する。
【0003】現像剤は熱定着性・有色・荷電微粉体(以
下、トナーと記す)であり、感光体面の静電潜像の画像
部或は非画像部に静電的に付着して(正規現像或は反転
現像)静電潜像をトナー像として現像・可視化する。
【0004】その感光体面のトナー像が転写手段により
記録材(転写材)上に転写される。感光体面側から記録
材面側に転写された未定着のトナー像は、トナーの有す
る電荷と転写時に記録材に与えられた転写電荷により記
録材上に静電的保持力にて拘束されて担持される。
【0005】感光体面からトナー像の転写を受けた記録
材は加熱手段を有する定着手段に導入されてトナー像の
加熱定着処理を受け、画像形成物(プリント、コピー)
として排紙される。
【0006】記録材に対するトナー像転写後の感光体面
はクリーニング手段で転写残トナーの除去を受けて清掃
されて繰り返して作像に供される。
【0007】記録材上に形成担持させた未定着のトナー
像を記録材上に熱定着させる定着装置としては、熱ロー
ラ方式やフィルム加熱方式などの接触加熱型の定着装置
が現在広く用いられている。
【0008】熱ローラ方式の定着装置は、互いに圧接し
て回転する一対の定着ローラ(熱ローラ)と加圧ローラ
とのニップ(定着ニップ部)に未定着トナー像を担持す
る記録材を導入して挟持搬送させてトナー像を記録材面
に熱と圧力で定着させるものである。
【0009】フィルム加熱方式の定着装置は、加熱体
と、この加熱体と摺動する耐熱性の定着フィルムと、こ
の定着フィルムを介して加熱体とニップ(定着ニップ
部)を形成する加圧ローラを有し、ニップで未定着トナ
ー像を担持する記録材を挟持搬送してトナー像を記録材
面に熱と圧力で定着させるものである(特開昭63−3
13182号公報、特開平2−157878、4−44
075〜44083、4−204980〜204984
号公報等)。
【0010】フィルム加熱方式の定着装置は、熱ローラ
方式等の他の接触加熱型の定着装置との対比において、
加熱体として昇温の速い低熱容量のセラミックヒータな
どを、また伝熱部材として薄肉の定着フィルムを用いる
ことができるため、短時間に加熱部である定着ニップ部
温度が所定に上昇するので、スタンバイ時に加熱体への
通電加熱(予熱)を行なう必要がなく記録材をすぐに通
紙しても記録材が定着ニップ部に到達するまでに加熱体
を所定温度まで十分に昇温させることができ、省電力化
やウエイトタイムの短縮化(クイックスタート性、オン
デマンド)が可能となる、画像形成装置等の本機の機内
昇温を低めることができる等の有利点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年の画像形成装置に
おいては、高精細、高解像度化が要求されるようになっ
てきた。そのため1ドットや細線を忠実に再現でき、画
像不良の発生しないものが必須になっている。
【0012】しかしながら、前記従来の画像形成装置に
おいては、現像装置の現像剤担持体上で規制されるトナ
ーの塗布量が多いために、現像剤担持体上すべてのトナ
ーに対して良好な摩擦帯電が行なわれず、トナーに付与
されるトナー単位質量あたりの電荷量Q/Mが小さい。
【0013】また定着装置では高温高湿環境下、紙など
の記録材の含水分量が多い状態では、転写部で記録材の
裏面に供給される転写電荷が記録材沿面を伝達してリー
クしやすく、現像剤担持体上で付与されるトナー単位質
量あたりの電荷量Q/Mが小さいために記録材上に転写
形成されたトナー像の静電的保持力を失いやすい。また
含水分量が多いと、定着ニップ部で発生する蒸気量が増
え、特に横線画像で「尾引き」と呼ばれる蒸気の圧力に
よるトナー飛散が発生していた。
【0014】また、記録材裏面の転写電荷のリークで記
録材上でのトナー像の静電的保持力が弱まるためにトナ
ー像が記録材に定着されずに、フィルム加熱方式の定着
装置にあっては定着フィルム面に、または熱ローラ方式
の定着装置にあっては定着ローラ面にトナーが付着する
オフセット現象を生じ、定着フィルムまたは定着ローラ
の1回転後に付着していたトナーが記録材に再付着して
定着されてしまう画像不良が発生しやすかった。
【0015】また、定着フィルムや定着ローラにオフセ
ット現象によりトナーが付着し、定着フィルムや定着ロ
ーラに対向して圧接される加圧ローラに転移し加圧ロー
ラ汚れを発生させる要因となっていた。
【0016】そこで本発明は、フィルム加熱方式や熱ロ
ーラ方式等の接触加熱型の定着装置を備えた画像形成装
置について、記録材の含水分量が多い状態時でも即ち記
録材の抵抗を考慮しなくても、1ドットを忠実に再現で
き、また定着装置の定着ニップ部に導入される記録材上
のトナー像の記録材上での静電的保持力(拘束力)が十
分に保持されるようにして、尾引き、トナーオフセット
現象による画像不良、加圧ローラ汚れ等の発生を防止
し、高品位な画像形成を可能にすることを目的とする。
【0017】また、プロセススピードが速くなっても、
部品点数を減少させても、いかなる大きさの記録材にお
いても、高品位な画像形成を可能にすることを目的とす
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする画像形成装置である。
【0019】(1)少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
イアスを印加して現像する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
に形成された現像剤像を担持する記録材を、加熱体と、
前記加熱体と摺動するフィルムと、前記フィルムを介し
て前記加熱体とニップを形成する加圧回転体を有し、前
記ニップで挟持搬送して前記現像剤像を前記記録材に定
着させる定着装置と、を備える画像形成装置において、
前記現像装置の現像剤担持体上における、前記規制部材
により規制後の現像領域での現像剤の塗布量が1.5m
g/cm2 以下であり、前記定着装置は前記フィルムと
加圧回転体の少なくとも一方にバイアス電圧を印加する
手段を有し、バイアス電圧による電流が前記記録材を介
して流れるように前記記録材に当接する電極が設けら
れ、該電極は接地されていることを特徴とする画像形成
装置、である。
【0020】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ等の発生を防止して、高品
位な画像形成が可能になる。
【0021】(2)少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
イアスを印加して現像する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
に形成された現像剤像を担持する記録材を、少なくとも
一方が加熱され、互いにニップを形成して回転する定着
回転体と加圧回転体のニップで挟持搬送して前記現像剤
像を前記記録材に定着させる定着装置と、を備える画像
形成装置において、前記現像装置の現像剤担持体上にお
ける、前記規制部材により規制後の現像領域での現像剤
の塗布量が1.5mg/cm2 以下であり、前記定着装
置は前記定着回転体と前記加圧回転体のいずれか一方に
バイアス電圧を印加する手段を有し、バイアス電圧によ
る電流が前記記録材を介して流れるように前記記録材に
当接する電極が設けられ、該電極は接地されていること
を特徴とする画像形成装置、である。
【0022】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ等の発生を防止して、プロ
セススピードが速くなっても高品位な画像形成が可能に
なる。
【0023】(3)定着回転体と加圧回転体の少なくと
も一方に加熱体を内包していることを特徴とする(2)
に記載の画像形成装置である。
【0024】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ等の発生を防止して、プロ
セススピードが速くなっても高品位な画像形成が可能に
なる。
【0025】(4)前記ニップよりも記録材搬送方向上
流側に配置され、現像剤像を静電的に担持する記録材を
前記ニップに導くための案内部材が前記接地電極を兼ね
ることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の
画像形成装置である。
【0026】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ等の発生を防止して、部品
点数を減少させても高品位な画像形成が可能になる。
【0027】(5)前記ニップよりも記録材搬送方向下
流側に配置され、ニップから出た記録材を案内する排紙
案内部材が前記接地電極を兼ねることを特徴とする
(1)から(3)の何れかに記載の画像形成装置であ
る。
【0028】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、更には定着前画像の現像
剤像乱れ等の発生を防止して、部品点数を減少させても
高品位な画像形成が可能になる。
【0029】(6)前記接地電極が、前記ニップよりも
記録材搬送方向上流側と下流側の両方に少なくとも1つ
ずつ配置されることを特徴とする(1)から(3)の何
れかに記載の画像形成装置である。
【0030】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、更には画像全域に渡って
定着前画像の現像剤像乱れ等の発生を防止して、高品位
な画像形成が可能になる。
【0031】(7)前記ニップから前記接地電極までの
距離が搬送方向の長さが最短である記録材の搬送方向長
さ以下である(1)から(6)の何れかに記載の画像形
成装置である。
【0032】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、更にはいかなる大きさの
記録材においても高品位な画像形成が可能になる。
【0033】(8)前記加圧回転体の弾性体は電気的絶
縁性を有し、前記フィルムの導電層の一部は前記加圧回
転体の芯金と電気的に導通があり、前記加圧回転体の芯
金に給電することで前記フィルムの導電層にバイアスを
印加することを特徴とする(1)に記載の画像形成装置
である。
【0034】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、更には定着前画像の現像
剤像乱れ等の発生を防止し、部品点数を減少させても高
品位な画像形成が可能になる。
【0035】(9)前記フィルムにバイアスが印加さ
れ、前記加圧回転体の芯金から表面まで電気的導通性を
有し、該加圧回転体が接地電極であることを特徴とする
(1)に記載の画像形成装置である。
【0036】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、更には部品点数を減少さ
せ、記録材の抵抗を考慮しなくても高品位な画像形成が
可能になる。
【0037】(10)前記加圧回転体の芯金から表面ま
で電気的導通性を有し、該加圧回転体にバイアスが印加
され、前記フィルムが接地電極であることを特徴とする
(1)に記載の画像形成装置である。
【0038】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、更には部品点数を減少さ
せ、記録材の抵抗を考慮することなく、プロセススピー
ドが速くなっても高品位な画像形成が可能になる。
【0039】(11)少なくとも、a.像担持体と、
b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
イアスを印加して現像する現像装置と、c.前記像担持
体上から現像剤像の転写を受けて静電的に形成された現
像剤像を担持する記録材を、加熱体と、前記加熱体と摺
動するフィルムと、前記フィルムを介して前記加熱体と
ニップを形成する加圧回転体を有し、前記ニップで挟持
搬送して前記現像剤像を前記記録材に定着させる定着装
置と、を備える画像形成装置において、前記現像装置の
現像剤担持体上における、前記規制部材により規制後の
現像領域での現像剤の塗布量が1.5mg/cm2 以下
であり、前記定着装置は前記ニップよりも記録材搬送方
向下流側で記録材の一部と接触するように配置された電
極と、該電極にバイアス電圧を印加する手段とを備え、
前記電極に印加されたバイアス電圧による電流が前記記
録材及び前記フィルムを介して流れるように前記フィル
ムは接地されていることを特徴とする画像形成装置、で
ある。
【0040】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、記録材定着案内部材のト
ナー汚れを防止して高品位な画像形成が可能になる。
【0041】(12)少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
像剤担持体と、該現像 剤担持体上に対する前記現像剤の塗布量を規制する規制
部材とを有し、前記現像剤担持体が現像剤を担持して前
記現像領域へ搬送し、前記像担持体上に形成された静電
潜像を前記現像剤担持体に現像バイアスを印加して現像
する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
に形成された現像剤像を担持する記録材を、少なくとも
一方が加熱され、互いにニップを形成して回転する定着
回転体と加圧回転体のニップで挟持搬送して前記現像剤
像を前記記録材に定着させる定着装置と、を備える画像
形成装置において、前記現像装置の現像剤担持体上にお
ける、前記規制部材により規制後の現像領域での現像剤
の塗布量が1.5mg/cm2 以下であり、前記ニップ
よりも記録材搬送方向下流側で記録材の一部と接触する
ように配置された電極と、該電極にバイアス電圧を印加
する手段とを備え、前記電極に印加されたバイアス電圧
による電流が前記記録材及び前記定着回転体を介して流
れるように前記定着回転体は接地されていることを特徴
とする画像形成装置、である。
【0042】上記の画像形成装置構成により、1ドット
を忠実に再現でき、尾引き、トナーオフセット現象によ
る画像不良、加圧ローラ汚れ、記録材定着案内部材のト
ナー汚れを防止して、プロセススピードが速くなっても
高品位な画像形成が可能になる。
【0043】
【発明の実施の形態】〈第一の実施例〉(図1〜図5) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像
形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザービー
ムプリンターである。
【0044】1は像担持体としてのドラム型の電子写真
感光体である。この感光体1は、アルミニウム製の導電
性基体の表面に光導電性の感光層を積層して構成してあ
り、矢印aの時計方向に所定のプロセススピード(周速
度)をもって回転駆動される。
【0045】感光体1はその回転過程において、帯電ロ
ーラ2により負極性の均一帯電を受ける。
【0046】帯電ローラ2は、芯金とその外周のローラ
状に被覆された中抵抗弾性ゴム層で構成されていて、芯
金の両端を軸受けで回転可能に、かつ帯電ローラ2が常
時感光体1に当接するように支持されており、感光体1
の回転に従動して回転している。そして帯電ローラ2の
芯金と、DCバイアスとACバイアスを重畳できる帯電
バイアス印加電源S1とを電気的に接続しており、この
芯金を介して帯電ローラ2に所定の帯電バイアス印加す
ることで感光体1表面を所定の電位に接触帯電処理す
る。
【0047】次いで、その感光体1の均一帯電処理面
に、感光ビデオコントローラ(不図示)から送られる画
像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して変調さ
れてレーザースキャナ3より出力されるレーザー光Lに
よる走査露光がなされる。これにより、回転感光体1面
に画像情報の静電潜像が形成される。4はミラーであ
り、レーザースキャナ3より出力されるレーザー光Lを
感光体1の露光部位に偏向する。
【0048】次いで上記感光体1の静電潜像は反転現像
装置5によりトナー像として反転現像される。
【0049】感光体1面に形成されたトナー像は、感光
体1と転写ローラ6とで形成される転写ニップ部Tにお
いて、給紙部から該転写ニップ部Tに所定の制御タイミ
ングにて給送された記録材(転写材)Pに対して順次に
転写される。感光体1上のトナー像は転写ローラ6に転
写バイアス印加電源S3からトナーの帯電極性とは逆極
性(本実施例では正極性)の転写バイアスが印加される
ことで、転写ニップ部Tにおいて記録材P面に順次に静
電転写される。
【0050】8は給紙部に装着の記録材積載カセットで
あり、このカセット8内に記録材Pが積載収納されてい
る。このカセット8内の記録材Pが給紙ローラ9と不図
示の1枚分離部材とにより1枚分離給送され、ガイド板
や搬送ローラ対等から構成されるシートパス10を通っ
て転写ニップ部Tに所定の制御タイミングにて給送され
る。
【0051】転写ニップ部Tにてトナー像の転写を受け
た記録材Pは感光体1面から順次に分離されてシートパ
ス11を通って定着装置20へ導入され該定着装置でト
ナー像の加熱定着処理を受ける。
【0052】定着装置20を出た画像定着済みの記録材
Pはシートパス12を通ってプリンター上面の排紙トレ
イ部13に排出される。
【0053】一方、転写ニップ部Tにて記録材Pに対す
るトナー像転写後(記録材分離後)の感光体1上に残留
する転写残トナーや紙粉等の汚染付着物はクリーニング
装置7のクリーニングブレード71によって除去され、
表面清掃された感光体1は繰り返して作像に供される。
【0054】(2)現像装置5 本実施例で用いた現像装置5は、磁性一成分ネガトナー
使用の、非接触現像方式(ジャンピング現像方式)の現
像装置である。
【0055】5aは現像容器、tはこの現像容器5a内
に収容の現像剤としてのトナー、5bは現像剤担持体と
しての現像スリーブ、5cは現像スリーブ5b内に挿通
した固定のマグネトローラ、5dは現像剤層厚規制部材
としてのシリコンゴム製のドクターブレード、5eはこ
のドクターブレードを支持させた板金、5fはトナー攪
拌部材、S2は現像スリーブ5bに対する現像バイアス
印加電源である。板金5eは現像容器5aの内壁に固定
されており、ドクターブレード5dは現像スリーブ5b
に腹当たりに当接している。
【0056】トナーtは磁性一成分ネガトナーであり、
高精細・高画質化を狙うために、重量平均粒径が例えば
3.5〜7μmの超迅速溶融微粒子トナーを使用すると
よい。
【0057】ここで、トナーtの重量平均粒径は、トナ
ーの粒度分布を測定し、体積分布と個数分布を算出して
から求めるものである。トナーの粒度分布はコールター
マルチサイザーII(コールター社製)を用いて次のご
とく測定する。すなわち、コールターマルチサイザーを
用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス
(日科機製)およびPC9801パーソナルコンピュー
ター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウ
ムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、
ISOTON R−II(コールターサイエンティフィ
ックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前
記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面
活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)
を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加
える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3
分間分散処理を行ない前記コールターマルチサイザーに
よりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い
てトナー粒子の体積,個数を測定して体積分布と個数分
布とを算出する。それから、トナーの重量平均粒径を求
める。
【0058】攪拌部材5fは矢印eの時計方向に回転し
て現像容器5a内のトナーtを攪拌するとともに、現像
スリーブ5b方向に送る役目をする。
【0059】現像スリーブ5bは不図示の軸受けによっ
て回転自在に支持されており、感光体1に対して所定の
僅少な離間間隔(数百μm)を存して非接触に対向させ
てある。そしてこの現像スリーブ5bは感光体1からギ
ヤ(不図示)を介して回転駆動を受けて矢印bの反時計
方向に回転する。
【0060】この現像スリーブ5bの現像容器内の面に
は現像容器内の収容トナーtが接触してそのスリーブ面
にスリーブ内マグネットローラ5cの磁界によりトナー
tの磁気付着層が形成される。
【0061】そのトナーの磁気付着層が現像スリーブ5
bの回転に伴い搬送され、現像スリーブ5bとドクター
ブレード5dとの当接部を通過することでトナーの磁気
付着層の層厚が所定の薄層に規制される。またドクター
ブレード5dは摩擦帯電によりトナーに適正なトリボを
与えている。
【0062】現像剤層厚規制部材としてのドクターブレ
ード5dは、ゴム硬度JISA(JIS K6301の
A型硬度計により規定される硬度)で40°のシリコン
ゴムを、現像剤担持体としての現像スリーブ5bに対し
て現像スリーブ長手方向について1cmあたりの当接荷
重gf/cmを35gf/cmの当接力で当接させて設
置している。本実施例においてはこのドクターブレード
5dによって層厚規制を受けた後の現像スリーブ5b上
の現像領域でのトナー量は1.5mg/cm2である。
【0063】そのトナー薄層が引き続く現像スリーブ5
bの回転で現像容器外に持ち出されて感光体1と現像ス
リーブ5bの非接触対向部である現像領域に搬送され
る。
【0064】現像スリーブ5bには現像バイアス印加電
源S2よりDCバイアスとACバイアス重畳の所定の現
像バイアスが印加されていて、この現像バイアスにより
現像領域において現像スリーブ5b側のトナー薄層のト
ナーが感光体1の潜像面に選択的に飛翔して静電的に付
着し、感光体1の潜像面がトナーで反転現像される。
【0065】現像領域で潜像の現像に供されないで現像
スリーブ5b面に残ったトナーは引き続く現像スリーブ
5bの回転で再び現像容器5a内へ搬送されて戻され
る。
【0066】5gは現像スリーブ5bの下部に対応する
現像容器5aの内側に設けたトナー吹き出し防止シート
であり、現像スリーブ下部からのトナー漏れを防いでい
る。
【0067】現像スリーブ5bは、素管上にカーボンを
分散させた塗料をコートしたものであり、非磁性であっ
て、その素管はアルミニウム、ステンレス鋼等で構成さ
れている。また塗料コートによって現像スリーブ5bの
表面上は粗さをもっており、その粗さは現像スリーブ5
bのトナー搬送に寄与する。
【0068】現像スリーブ5b内のマグネットローラ5
cは4つの磁極S1・S2・N1・N2を持っている。
【0069】この4つの磁極のうち、感光体1に対向し
て配設してあるのがS1極(現像極)であり、現像領域
において、現像スリーブ5b側のトナー薄層のトナーが
感光体1上に飛翔して潜像の現像がなされるときに、カ
ブリの要因となるトナーを現像スリーブ5b上に付着さ
せておくために必要である。
【0070】S1極の反対側に配設されているのがS2
極であり、現像容器5aのトナーtを現像スリーブ5b
に吸着させ、現像スリーブ5bの回転に伴いその近傍で
トナーtを循環させる機能がある。この循環はトナーt
のトリボ付与に寄与する。
【0071】N1極とN2極は共に現像スリーブ5b上
にコートされているトナーの搬送及びトリボ付与に寄与
する。
【0072】本実施例では、上記の4極構成のマグネッ
トローラ5cを用いたが、上記機能を果たす極が存在す
れば4極に限ることはない。
【0073】(3)定着装置20 図2は本実施例で使用の定着装置20の概略構成模型図
である。本実施例で使用の定着装置20は、特開平4−
44075号〜44083号公報等に開示の、円筒状の
定着フィルムを用いたフィルム加熱方式、加圧ローラ駆
動式、テンションレスタイプの装置である。
【0074】21は加熱体としてのセラミックヒータで
あり、記録材Pの搬送方向と直交する方向(図面に垂直
方向)を長手とする、横長で低熱容量の部材である。即
ち、セラミックヒータ21は、アルミナ(Al2O3) ・窒化
アルミニウム(AlN) ・炭化ケイ素(SiC) 等の電気絶縁性
・良熱伝導性・低熱容量のセラミック板(ヒータ基板)
と、このセラミック基板上に設けた通電発熱抵抗体層を
基本構成体とするもので、ヒータ全体に低熱容量であ
る。不図示の電源より抵抗体層へ給電されることで該抵
抗体が発熱してセラミック板を含むヒータ全体が迅速に
昇温する温度立ち上がり特性と、通電が断たれると速や
かに降温する温度立ち下がり特性を有している。通電発
熱抵抗体層はセラミック基板面に導電ペーストの所望パ
ターンをスクリーン印刷等で形成して焼成処理すること
で形成される。ヒータ21の温度を検知する素子が配設
され、その検知温度情報が通電制御部に入力してヒータ
21の温度が所定に温調されるように抵抗体層へ給電が
制御される。
【0075】22は横断面略半円弧状樋型のヒータ支持
体であり、上記ヒータ21はこのヒータ支持体22の下
面の略中央部に支持体長手に沿って設けた溝部22a内
に加熱面側を下向きに露呈させて嵌入して固定支持させ
てある。ヒータ支持体22は、耐熱性、電気絶縁性で、
高い加重に耐えられる剛性材料、例えばPPS(ポリフ
ェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミ
ド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエ
ーテルケトン)等で構成される。
【0076】23は円筒状の耐熱性の定着フィルムであ
り、上記のようにヒータ21を支持させたヒータ支持体
22にルーズに外嵌させてある。この円筒状の定着フィ
ルム23は例えば全体的に厚さ40μm〜100μm程
度の耐熱性の単層あるいは複合層フィルムである。
【0077】本実施例におけるこの定着フィルム23は
図3に層構成を示す断面模型図のように3層構造になっ
ている。即ち、もっとも内側の第1層23aはベース層
であり、定着フィルム23のねじれ強度、平滑性などの
機械的特性を担う層であり、ポリイミドなどの樹脂でで
きている。
【0078】次の第2層23bは導電プライマ層であ
り、カーボンブラックなどの導電性粒子が分散された導
電層であり、第3層23cと第1層23aであるベース
層の接合を行う接着剤の役目も担っている.もっとも外
側の第3層23cがトップ層であり、さまざまな画像不
良を引き起こさないよう最適な抵抗値と膜厚になるよう
に設計される。
【0079】24は加圧回転体としての弾性加圧ローラ
であり、アルミニウム、鋳鉄などで作られる芯金をシリ
コンゴムなど耐熱性がある絶縁の弾性体で覆っている。
加圧ローラの表層はトナーとの離型性があるフツ素樹脂
などがコートされている。芯金の両端部はそれぞれ装置
の手前側と奥側の側板間に軸受けを介して回転自由に支
持させてある。
【0080】そしてヒータ21を下面側に支持させ、円
筒状の定着フィルム23を外嵌させたヒータ支持体22
を弾性加圧ローラ24の上側にヒータ21の部分を弾性
加圧ローラ24の上面に対向させて位置させ、ヒータ支
持体22を加圧バネ等の加圧手段にて弾性加圧ローラ2
4の上面に対して所定の押圧力をもって圧接させた状態
に保持させる。これによりヒータ21の下面と弾性加圧
ローラ24の上面との間に定着フィルム23を挟んで所
定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0081】弾性加圧ローラ24は駆動手段Mにより矢
印の反時計方向に回転駆動される。この弾性加圧ローラ
24の回転駆動による該弾性加圧ローラ24の外面と定
着フィルム23の外面との、定着ニップ部Nにおける圧
接摩擦力で円筒状定着フィルム23に回転力が作用し
て、該定着フィルム23がその内面が定着ニップ部Nに
おいてヒータ21の下面に密着して摺動しながら矢印の
時計方向に弾性加圧ローラ24の回転周速度に略対応し
た周速度をもってヒータ支持体22の外回りを回転状態
になる(加圧ローラ駆動方式)。ヒータ支持体22はヒ
ータ21を保持するとともに定着フィルム23の円滑な
回転を促す案内部材としての役割も持つ。
【0082】弾性加圧ローラ24が回転駆動され、それ
に伴って円筒状定着フィルム23がヒータ支持体22の
外回りを回転し、ヒータ21に通電がなされて該ヒータ
21の発熱で定着ニップ部Nが所定の温度に立ち上がっ
て温調された状態において、定着ニップ部Nに未定着ト
ナー像tを担持した記録材Pが導入され、定着ニップ部
Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着フィルム
23の外面に密着して回転定着フィルム23と一緒に定
着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程
において、ヒータ21の熱が定着フィルム23を介して
記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像tが
加熱加圧定着される。記録材Pは定着ニップ部Nを通過
すると回転定着フィルム23の外面から曲率分離して搬
送される。
【0083】(4)トナーオフセット現象による画像不
良、加圧ローラ汚れ、尾引き等の発生防止手段 前記したように、感光体1面側から記録材P面側に転写
された未定着のトナー像tは、トナーの有する電荷と転
写時に記録材に与えられた転写電荷により記録材P上に
静電的保持力で拘束されて担持されており、このように
トナー像tを静電的に担持している記録材Pが定着装置
20の定着ニップ部Nに導入されるのであるが、定着装
置において、高温高湿環境下、紙などの記録材Pの含水
分量が多い状態では、転写部Tで記録材Pの裏面に供給
される転写電荷が記録材沿面を伝達してリークしやす
く、記録材P上に転写形成されたトナー像tの静電的保
持力を失いやすい。そして、記録材裏面の転写電荷のリ
ークで記録材P上でのトナー像tの静電的保持力が弱ま
るためにトナー像が記録材に定着されずに、フィルム加
熱方式の定着装置にあっては定着フィルム23面にトナ
ーが付着するオフセット現象を生じ、定着フィルム23
の1回転後に付着していたトナーが記録材Pに再付着し
て定着されてしまう画像不良が発生しやすかった。ま
た、定着フィルム23にオフセット現象によりトナーが
付着し、定着フィルム23に対向して圧接される加圧ロ
ーラ24に転移し加圧ローラ汚れを発生させる要因とな
っていた。
【0084】また記録材含水分量が多いと、定着ニップ
部で発生する蒸気量が増え、また記録材上でのトナー像
の静電的保持力が弱まることから、特に横線画像で尾引
きと呼ばれる蒸気の圧力によるトナー飛散が発生してい
た。
【0085】また、小粒径化トナーを用いる高解像度化
画像形成装置においては、記録材の含水分量が多い状態
時のトナー像の記録材上での静電的保持力が更に弱いも
のとなり、上述のような、トナーオフセット現象による
画像不良、加圧ローラ汚れ、尾引きの問題が更に顕著化
している。
【0086】ここで、図4の模型図により、定着ニップ
部Nで発生する尾引きと呼ばれるトナー飛び散り現象を
説明する。
【0087】定着フィルム23と弾性加圧ローラ24と
の当接部である定着ニップ部Nは加熱体21により20
0℃弱の温度に達しており、定着ニップ部Nに通紙中は
記録材Pの含有水分が常に蒸発して、その蒸気61が発
生している。その蒸気61の圧力により、定着ニップ部
Nから記録材搬送方向上流側の記録材P上のトナー像t
の一部taが吹き飛ばされる。吹き飛ばされたトナーt
aは記録材搬送方向上流側に0.1〜1mmずれ、画像
が尾を引いているように見えることから尾引きと呼ばれ
るひげ状の画像不良を引き起こす。
【0088】本実施例においては、上述のようなトナー
オフセット現象による画像不良、加圧ローラ汚れ、尾引
き等の発生を防止するために、図2の模型図のように、
定着フィルム23の導電プライマ層21bに電圧を印加
する手段(高圧電源)S4を設け、バイアス電圧による
電流が記録材Pを介して流れるように記録材Pに当接す
る電極25を設け、この電極25を接地した。
【0089】定着フィルム23の導電プライマ層21b
には高圧電源S4よりトナーtの帯電電荷と同極性の電
圧が印加給電されている。本実施例では、トナーは負の
帯電極性を示すことから、定着フィルム21の導電プラ
イマ層21bに印加される電圧も負であり、−600V
である。
【0090】電極25は定着ニップ部Nよりも記録材搬
送方向上流側に配設してあり、アルミニウム基板25a
に導電性繊維25bをブラシ状に植毛処理したものであ
り、転写部Tから定着装置20の定着ニップ部Nに導入
される記録材Pの裏面に電極25のブラシ状の導電性繊
維25bの先端部が接触して記録材Pと摺擦するよう配
置されている。アルミニウム基板25aは電気的に接地
されている。
【0091】導電性繊維25bは記録材Pと当接し、記
録材Pの搬送の抵抗となってはならないので、柔らかい
材質でできている。トナー保持力を増やすために接地電
極25の導電性繊維25bには低抵抗の材質が求められ
る。また記録材Pの抵抗分による電圧降下を最小にする
ため定着ニップ部Nになるべく近い位置で記録材Pとの
接点をもつことが好ましい。
【0092】図5は図2に示した定着装置の電気的な等
価回路模型図である。定着フィルム23の導電プライマ
層23bには高圧電源S4により−Vの電圧が印加され
ている。Rfpは高圧電源S4の出力端から定着フィル
ム23の導電プライマ層23bの定着ニップ部近傍まで
の抵抗を表している。この抵抗Rfpには定着フィルム
23の導電プライマ層23bに対する給電接点の接触抵
抗、導電プライマ層23bの抵抗等が含まれている。
【0093】定着フィルム23のトップ層23cは、1
×108 〜1×1013Ωcm程度の比較的高抵抗で離型
性の良いフッ素樹脂が分散された厚さ10μm程度のコ
ート層である。Rftはこのトップ層23cの抵抗を表
すが、この抵抗Rftの値はトップ層23cの材質と膜
の均一性、つまりピンホールリークの密度によって影響
を受け、数kΩ〜数百MΩまで変化する。
【0094】定着ニップ部Nの近傍では紙などの記録材
Pが加熱され蒸気61(図4)が常に発生している。定
着ニップ部Nが蒸気源とみなせ、定着ニップ部近傍の記
録材部分Pdは水蒸気により著しく抵抗が下がり、等価
回路上直列に挿入される他の抵抗に較べて無視できるは
ど小さくなる。この記録材部分Pdの領域では等価的に
等電位とみなすことができる。
【0095】紙の体積抵抗は定着ニップ部Nから離れる
に従って増加し、距離に対しての記録材Pの抵抗値の変
化の割合は定着ニップ部Nから記録材搬送方向上流側と
下流側では蒸気量と記録材の温度の違いから大きく違
い、下流側のほうが抵抗値が低い。定着ニップ部Nから
若干離れると記録材Pの抵抗は無視できなくなり、定着
ニップ部近傍から接地電極25までの記録材Pの抵抗は
Rpで示されている。接地電極25は記録材Pのトナー
像tが乗っている面の裏面に当接するように配置されて
いる。接地電極25の記録材Pとの接点から接地までの
抵抗がRgとして表されている。
【0096】本実施例ではVは600Vであり、定着フ
ィルム23の導電プライマ層23bに印加される電圧は
−600Vである。
【0097】定着フィルム23の導電プライマ層23b
に電圧が印加され、この導電プライマ層23bからトッ
プ層23c→記録材P→接地電極25を介して電流が流
れるとそれぞれの抵抗の両端に電圧降下による電圧が生
じる。抵抗Rftの両端に生じる電圧をVftとする
と、導電プライマ層23bと記録材Pの等電位部分Pd
との間に電界Eftが図の向きに生じる。本実施例では
トナーtは負の帯電極性を持っているので、上記の生じ
る電界Eftにより、トナーtに記録材Pに対する拘束
力Ftが生じる。この拘束力Ftによりトナーtが記録
材P面に押しつけられ、尾引き、オフセットなど、定着
不良を防止する。
【0098】上記の拘束力Ftを大きくするためには a)電圧Vの絶対値を大きくする b)抵抗Rftの相対値を大きくするの2通りの方法が
ある。
【0099】a)の方法において、電圧Vを大きくする
と効果がより大きくなっていくが、定着フィルム23の
トップ層23cにかかる電界が大きくなり、絶縁破壊に
よる劣化が進む。劣化を考慮すると定着フィルム23に
かかる電界は1×108 V/m以下が好ましい。本構成
では−200Vから効果が出始め、一3000Vで定着
フィルム23の劣化が顕著になったことから、印加電圧
Vは−200Vから−3000Vの範囲内が好ましい。
本実施例においては印加電圧を−600Vとした。
【0100】以上のような構成を用いて表1の実験を行
った。
【0101】表1は、解像度600dpi、プロセスス
ピード60mm/sの画像形成装置を用いて、電極25
を接地した場合と、フロートにした場合とで、尾引き現
象、オフセット現象、加圧ローラ汚れの発生状況を確認
したものである。また画質の確認として600dpiの
1ドット再現性の確認を行った。
【0102】 条件…… 環 境:23℃ 60%R.H.(以下N/N環境とする) 記録材:普通紙 含水分量7% 比較例1…現像スリーブ上の現像領域でのトナー量:2mg/cm2 Q/M(現像スリーブ上で付与されるトナー単位質量あたりの 電荷量):7μC/g 電極25:フロート 比較例2…現像スリーブ上の現像領域でのトナー量:2mg/cm2 Q/M:7μC/g 電極25:接地 比較例3…現像スリーブ上の現像領域でのトナー量:1.5mg/cm2 Q/M:15μC/g 電極25:フロート 実施例1…現像スリーブ上の現像領域でのトナー量:1.5mg/cm2 Q/M:15μC/g 電極25:接地
【0103】
【表1】
【0104】表1は100000枚まで耐久した結果で
ある。
【0105】表1中の、尾引き、フィルムオフセット、
加圧ローラ汚れはレベルを5段階に分けて評価を行っ
た。5は全く発生せずOKレベル、3は実用上問題ない
レベル、1はNGレベル、4は5と3の間のレベルであ
りこれも実用上問題ないレベル、2はNGレベルである
が1と3の間のレベルである。
【0106】の比較例1に関して、まず尾引きは発生
しランク1でNGレベルである。これは記録材上にバイ
アスが印加されていないため、トナーの記録材上での保
持力がなく、前述記録材から発生する蒸気などの圧力に
より飛ばされ発生してしまう。また現像スリーブ上の層
圧規制後の現像領域でのトナーの量が多く良好に摩擦帯
電ができないためにトナー自体のQ/Mが小さくなって
いる。よって電気的な保持力も少なく非常に飛ばされや
すい状態である。
【0107】フィルムオフセットに関しては初期から発
生しランク1でNGレベルとなる。これは記録材上にバ
イアスが印加されず、またトナー自体のQ/Mも低いた
めに電気的な保持力も少なくフィルム上にトナーが転移
してしまうのである。
【0108】加圧ローラ汚れに関しても2600枚付近
で発生し、ランク1でNGレベルとなる。これはフィル
ムオフセットしたトナーが紙間で加圧ローラに転移し固
着し、加圧ローラからとれたトナーの塊が画像上に欠陥
となって現れるのである。
【0109】1ドット再現性に関してはランク1でNG
レベルである。これも現像スリーブ上の層厚規制後の現
像領域でのトナーの量が多く良好に摩擦帯電ができない
ためにQ/Mが小さくなっている。つまり1ドットの潜
像に対して転移するトナーの数は多くなりすぎ潰れぎみ
になってしまうのである。また記録材上にバイアスが印
加されていないためトナーが崩れてしまう。つまり1ド
ットを忠実に再現するには不利になるのである。
【0110】の比較例2に関しては、尾引き、フィル
ムオフセット、加圧ローラ汚れのいずれをとっても若干
発生はするがランク3であり実用上問題ないレベルであ
る。これは記録材上にバイアスが印加されるため、トナ
ーの記録材上での保持力は高まる。しかしながら現像ス
リーブ上の層厚規制後の現像領域でのトナーの量が多く
良好に摩擦帯電ができないためにトナー自体のQ/Mが
小さく、トナー自体が電界から受ける力は若干小さくな
り、記録材上で完全には保持することができなくなる。
その結果若干のトナーが崩れる、又はフィルム上に転移
してしまうためである。
【0111】1ドット再現性に関してはランク1でNG
レベルである。これは現像スリーブ上の層厚規制後の現
像領域でのトナーの量が多く、結果的にQ/Mが小さく
なっているために1ドットの潜像に対して転移するトナ
ーの数は多くなりすぎ、潰れぎみになってしまうのであ
る。つまり1ドットを忠実に再現するには不利になるの
である。
【0112】の比較例3に関しては、尾引きはランク
2レベルである。これは記録材上にバイアスが印加され
ていないため、トナーの記録材上での保持力がなくトナ
ーが崩れてしまうのである。ただし比較例1に比べれば
若干レベルはよい。これは現像スリーブ上の層厚規制後
の現像領域でのトナーの量が少なく、トナーに対して良
好な摩擦帯電ができるためQ/Mが大きくなっている。
つまりトナー自体のQ/Mが大きいために引き合う力が
強くなるからである。
【0113】フィルムオフセットに関してはランク2レ
ベルである。これは記録材上にバイアスが印加されてい
ないため、トナーの記録材上での保持力がなくトナーが
崩れる、またフィルムに転移しでしまうなどで発生して
しまう。ただしトナーのQ/Mは大きいために引き合う
力は大きくの比較例1の結果よりは良くなるのであ
る。
【0114】加圧ローラ汚れはランク1でNGレベルで
ある。これは記録材上にバイアスが印加されていないた
め、トナーの記録材上での保持力がなくトナーが崩れ
る、またフィルムに転移してしまうなどで発生してしま
う。トナー自体のQ/Mは大きく、フィルムオフセット
は若干良くなったが、加圧ローラ汚れは耐久での蓄積が
効くため結果的にレベルは変わらなかった。
【0115】1ドット再現性に関しては完全ではないの
だがランク3で実用上問題ないレベルである。これは現
像スリーブ上の層厚規制後の現像領域でのトナーの量が
少なく、結果的にQ/Mが大きくなっているために1ド
ットの潜像に対して転移するトナーの数は多くなりすぎ
ず、潰れてしまうようなことがないのである。ただし記
録材上にバイアスが印加されていないためトナーが若干
崩れてしまうが実用上問題ないレベルになった。
【0116】の実施例1に関しては、尾引き、フィル
ムオフセット、加圧ローラ汚れのいずれをとっても全く
発生せずランク5でOKレベルである。
【0117】これは現像スリーブ上の層厚規制後の現像
領域でのトナーの量が少なく良好に摩擦帯電ができるた
めにトナー自体のQ/Mが大きくなっているからであ
る。
【0118】更には記録材上にバイアスが印加されるた
め、トナーの記録材上での保持力が高まり、トナーが崩
れる、又はフィルム上に転移してしまうことがないため
である。
【0119】また1ドットの再現性に関してもランク5
でOKレベルである。
【0120】これは現像スリーブ上の層厚規制後の現像
領域でのトナーの量が少なく、トナー自体のQ/Mが大
きくなっているために1ドットの潜像に対して転移する
トナーの数は多くなりすぎず、潰れぎみになることがな
く、更には記録材上にバイアスが印加されているためト
ナーの保持力高まり崩れてしまうことがないのである。
【0121】表1の結果より尾引き、フィルムオフセッ
ト、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性のどれをとっても
満足するものは現像スリーブ上の現像領域でのトナー量
1.5mg/cm2 、電極接地で記録材にバイアスを印
加したときである。
【0122】上記と同様に現像スリーブ上の現像領域で
のトナー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電
極接地で記録材にバイアスを印加したときも実施例1と
同様の効果が得られた。
【0123】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極接地で記録材にバ
イアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフセッ
ト、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足できるので
ある。
【0124】〈第二の実施例〉(図6) 本実施例は定着装置20が熱ローラ方式の装置である場
合のものである。
【0125】図6において、31は定着回転体としての
定着ローラ、32はこの定着ローラの内部に挿入して配
設した熱源としてのハロゲンヒータランプである。33
は定着ローラ31と互いに圧接して定着ニップ部Nを形
成する加圧回転体としての弾性加圧ローラである。上記
の定着ローラ31と弾性加圧ローラ33は矢印の方向に
回転駆動される。定着ローラ31は内部のハロゲンヒー
タランプ32の発熱により加熱され、不図示の温度検知
手段を含む温調系により所定の温度に制御される。
【0126】定着ニップ部Nに未定着トナー像tを担持
させた記録材Pが導入されて挟持搬送されることで未定
着トナー像tが記録材P面に加熱定着される。
【0127】定着ローラ31は、素管31aと、その周
面に設けた離型層31bからなる。本実施例において、
素管31aは外径30mm・肉厚3mmのアルミニウム
の中空ローラである。離型層31bはPFAなどのフッ
素樹脂の厚さ20〜100μmの層である。本実施例に
おいては離型層31bは厚さ60μmとした。離型層3
1bの抵抗率は1×109 〜1×1014Ωcm程度の絶
縁層である。本実施例では1×107 Ωcmである。
【0128】加圧回転体としての弾性加圧ローラ33
は、アルミニウム、鋳鉄などで作られる芯金をシリコン
ゴムなど耐熱性がある絶縁の弾性体で覆っている。加圧
ローラの表層はトナーとの離型性があるフツ素樹脂など
がコートされている。芯金の両端部はそれぞれ装置の手
前側と奥側の側板間に軸受けを介して回転自由に支持さ
せてある。
【0129】本実施例においては、トナーオフセット現
象による画像不良、加圧ローラ汚れ、尾引き等の発生を
防止するために、定着ローラ31のアルミニウム素管3
1aに電圧を印加する手段(高圧電源)S4を設け、バ
イアス電圧による電流が記録材Pを介して流れるように
記録材Pの裏面に当接する電極25を設け、この電極2
5を接地した。
【0130】定着ローラ31のアルミニウム素管31a
には高圧電源S4よりトナーtの帯電電荷と同極性の電
圧が印加給電されている。
【0131】電極25は、前記第一の実施例と同様に、
定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向上流側に配設して
あり、アルミニウム基板25aに導電性繊維25bをブ
ラシ状に植毛処理したものである。
【0132】トナーtヘ働く拘束力の発生メカニズムは
第一の実施例で説明したと同様である。電流は、定着ロ
ーラ31のアルミニウム素管31aから離型層31b→
記録材P→接地電極25へと流れる。記録材Pと離型層
31bとの間に生じる電界の強度を強くすることで、ト
ナーtに働く拘束力を強くすることが可能となる。
【0133】定着ローラ31の表層の離型層31bの絶
縁度はなるべく高い方がよく、かつピンホール等の欠陥
によりリーク電流が多くならないように膜の均一性も要
求される。絶縁度を確保しピンホール欠陥を少なくする
には膜厚をあげるのが有効であるが、記録材への熱伝達
能力が落ちるので定着性が悪くなる。定着性を満足する
範囲でなるべくリーク電流が少なくなる膜厚の選定が重
要である。
【0134】上記の構成を用いて第一の実施例の表1と
同様の実験を行った。その結果、表1と同様の効果が得
られた。また、プロセススピードを表1の3倍の180
mm/sでも行った。この場合も同様の効果が得られ
た。
【0135】また上記と同様に現像スリーブ上の現像領
域でのトナー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/
g、電極接地で記録材にバイアスを印加したときも実施
例1と同様の効果が得られた。
【0136】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極接地で記録材にバ
イアスを印加したときには尾引き、フィルムオフセッ
ト、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、更に
はプロセススピードをアップしても前記の効果が得られ
るのである。
【0137】〈第三の実施例〉(図7〜図10) 本実施例は第一の実施例のフィルム加熱方式の定着装置
20において、定着入口ガイド、即ち定着ニップ部より
も記録材搬送方向上流側に配置され、未定着トナー像を
静電的に担持する記録材Pを定着ニップ部Nに円滑に導
くための案内部材に前記接地電極を兼ねさせたものであ
る。
【0138】図7・図8において、26が上記の定着入
口ガイドである。この定着入り口ガイド26は体積抵抗
値が1×1010〜1×1012Ωcmであり、接地されて
いる。本実施例では1×1011Ωcmである。
【0139】定着入口ガイド26の入射側(記録材進入
側)には定着ニップ部Nに向かって上り勾配がつけられ
ており、記録材Pの先端が定着ニップ部Nに導かれると
きこの入口ガイド26の上り勾配の中程にまず当たり、
上り勾配に沿って定着ニップ部Nに導かれる。
【0140】図8に記録材Pの搬送状態を示した。記録
材Pは上流側の転写部Tから搬送されて来るが、記録材
Pが定着ニップ部Nに突入する前は記録材Pが若干たわ
んで図8において実線示のP2の状態になる。そしてい
ったん定着ニップ部Nに記録材Pが突入して該定着ニッ
プ部Nで記録材の搬送がなされると、通常定着装置20
での記録材搬送速度のほうが転写部Tでの記録材搬送速
度よりも速いので記録材Pのたわみが無くなってきて、
転写部Tと定着ニップ部Nとの間で記録材Pにテンショ
ンがかかるため図8において破線示のたわみのないPl
の状態に近づく。
【0141】図9に、接地電極を兼ねさせた定着入口ガ
イド26に流れる電流をモニタした結果を示す。Aは記
録材(紙)Pが定着ニップ部Nに突入した瞬間であり、
定着フィルム23→記録材P→定着入口ガイド26とい
う電流パスができて電流が流れる。電流量は系が同じで
あれば記録材Pと定着入口ガイド26との接触抵抗に依
存している。
【0142】記録材Pが定着ニップ部Nに突入する瞬間
は上述した図8の実線示のP2の状のように記録材Pが
たわんだ状態であるので、定着入口ガイド26がそのた
わみを支えるように記録材Pの裏面と接触することから
接触面積が増え電流が流れる。
【0143】記録材Pの搬送が進むと、転写部Tと定着
ニップ部Nとの間で記録材Pにテンションがかかるため
記録材Pは図8において破線示のたわみのないPlの状
態に近づき、記録材Pが定着入口ガイド26から浮いて
くるために接触面積が減るので、図9の区間BCのよう
に定着入口ガイド26に流れる電流が減少する。
【0144】記録材Pが転写部Tを抜けて定着ニップ部
Nだけによる搬送になると再び転写部Tと定着ニップ部
Nとの間における記録材Pのテンションが無くなり、記
録材Pが自重でたわんで図8において実線示のP2の状
態に戻る。定着入口ガイド26に流れる電流は図9の区
間CDのように電流は増加する。
【0145】第一の実施例で説明した本発明のメカニズ
ムによれば、記録材Pとアースとの間の抵抗が増えると
相対的にトナーに働く保持力が減少する。つまり、記録
材Pと定着入口ガイド26との接触抵抗の変動によって
記録材Pを流れる電流量が変動し、電流が減少すればト
ナー保持力が減少し、電流が増えればトナー保持力が増
大する。
【0146】図10に、定着入口ガイド26の抵抗値と
流れる電流の関係を示した。定着入口ガイド26の抵抗
値が上がると、流れる電流が減少している。定着フィル
ム23に印加される電圧が−600Vの時に尾びき現象
の防止に効果があったのは電流が1μA以上の場合であ
り、定着入口ガイド26の抵抗値は400MΩ以下であ
ることが好ましい。
【0147】本実施例で使用した定着入口ガイド26の
先端から接地点までの抵抗値は40MΩであった。
【0148】定着入口ガイド26の材質を金属とすると
接地抵抗を非常に小さくすることができるが、低温低湿
環境など記録材の帯電電荷量が大きい環境では記録材裏
面の帯電電荷が定着入口ガイド26に放電することによ
り、記録材上のトナー像が乱れるという現象が生じ易く
なる。
【0149】上記の構成を用いて第一の実施例の表1と
同様の実験を行った。その結果、表1と同様の効果が得
られた。
【0150】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた.つまり現像スリーブ上の現像領域
でのトナー量1.5mg/cm2 以下、定着入り口ガイ
ド26を電極として接地し、記録材にバイアスを印加し
たときには尾引き、フィルムオフセット、加圧ローラ汚
れ、1ドット再現性を満足でき、更には定着入口ガイド
26が紙Pに当接して接地する電極の役目を兼ねること
で、案内部材と接地電極を別部材にする必要が無くな
り、部品点数の減少、低コストに貢献することもできる
のである。
【0151】また、以上は耐熱性フィルム23を用いる
フィルム加熱方式の定着装置20について説明したが、
第二の実施例のような熱ローラ方式の定着装置20で
も、定着ローラ31にバイアスを印加し、定着入口ガイ
ド26に導電性をもたせ接地することで同様の効果を得
ることができた。
【0152】〈第四の実施例〉(図11) 本実施例は第一の実施例のフィルム加熱方式の定着装置
20において、排紙ガイド、即ち定着ニップ部Nよりも
記録材搬送方向下流側に配置され、定着ニップ部から排
紙される記録材をスムーズに送り出すための案内部材に
前記接地電極を兼ねさせたものである。図11におい
て、27が上記の排紙ガイドである。
【0153】第一の実施例で説明した本発明のメカニズ
ムによれば、定着フィルム23に電圧を印加してフィル
ムからアースに流れる電流パスを構成することでトナー
に対する拘束力を発生させることができる。第三の実施
例では記録材Pが定着ニップNに到達する前に記録材と
の接地接点を配置する構成としたが、本実施例のように
定着ニップ部Nを通過したあとに記録材Pとの接点を設
けることでも同様の効果がある。また定着後の記録材に
当接することから、電極の当接によって記録材上のトナ
ー像が乱される恐れが少なくなる。
【0154】排紙ガイド27の記録材Pと当接する面は
板金で構成することにより記録材とアース間の接地抵抗
がほぼ0になり、トナー拘束力が増す。
【0155】また定着ニップ部Nの前後3cmでは定着
ニップ部前より定着ニップ部後の方が水蒸気量が多く記
録材の表面抵抗が小さくなっていると推測されているた
め、同じ接地抵抗では定着ニップ部後に接地点を設けた
方が流れる電流量が多くなり、定着フィルム23のトッ
プ層23cでの電圧降下が大きくなるのでトナー保持力
が強まる。
【0156】排紙ガイド27のみならず、定着ニップ部
Nよりも記録材搬送方向下流側に配設の、排紙ローラ、
排紙トレーを切り替えるために設けられている排紙フラ
ッパーなどの記録材に触れる部材を導電性にしてアース
に落とすことにより同様の効果がある。
【0157】定着装置からの発生蒸気が及ぶ範囲に接地
点を設けることで効果が得られるので、定着入口ガイ
ド、排紙ガイド、排紙ローラなどで接地する場合は定着
ニップ部Nの前後3cm以内であることが好ましい。
【0158】また、本実施例では記録材先端が排紙ガイ
ド27に触れるまでは記録材Pに電流が流れずトナー拘
束力が働かない。よって定着ニップ部Nにより近いとこ
ろに記録材と接するポイントを配置することが好まし
い。本実施例においては排紙ガイド27を前記のことを
考慮し定着ニップ部Nから2cmのところに設置した。
【0159】上記の構成を用いて第一の実施例の表1と
同様の実験を行った。その結果、表1と同様の結果が得
られた。
【0160】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた.つまり、現像スリーブ上の現像領
域でのトナー量1.5mg/cm2 以下、排紙ガイド2
7を電極として接地し、記録材Pにバイアスを印加した
ときには、尾引き、フィルムオフセット、加圧ローラ汚
れ、1ドット再現性を満足でき、更には排紙ガイド27
が紙に当接して接地する電極の役目を兼ねることで、案
内部材と接地電極を別部材にする必要が無くなり、部品
点数の減少、低コストに貢献することもできるのであ
る。更には定着前画像のトナー像の乱れも防止すること
ができた。
【0161】〈第五の実施例〉(図12) 本実施例は第一の実施例のフィルム加熱方式の定着装置
20において、図12のように定着入口ガイド26と排
紙ガイド27の両方に前記接地電極を兼ねさせたもので
ある。
【0162】本実施例の場合は、記録材Pの先端が定着
ニップ部Nに突入した時点から、記録材Pの後端が定着
ニップ部Nを抜け時点までトナー拘束力を働かすことが
できる。
【0163】第一の実施例の表1と同様の実験を行っ
た。その結果、表1と同様の結果が得られた。
【0164】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0165】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更には定着入口ガイド26、排紙ガイド27の両方が紙
Pに当接して接地する電極の役目を兼ねることで、案内
部材と接地電極を別部材にする必要が無くなり、部品点
数の減少、低コストに貢献することもできるのである。
更には記録材の先端から後端までトナー拘束力を働かす
ことが可能となり画像全域に渡ってトナー像の乱れも防
止し、高品位な画像形成が可能となった。
【0166】〈第六の実施例〉本実施例の特徴とすると
ころは、第一から第五の実施例で説明した接地電極を画
像形成装置の許容する最小サイズの記録材の搬送方向長
さ以内に定着ニップ部Nと接地点の距離を設定する構成
とする点である。
【0167】本実施例では第一の実施例から第五の実施
例までの構成で電極の設置位置を定着ニップ部Nから2
cmとし、第一の実施例の表1と同様の実験を行った。
【0168】本実施例で使用する画像形成装置の使用可
能最小紙であるハガキサイズ紙を用いた。結果は表1と
同様であった。
【0169】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0170】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更にはいかなる大きさの記録材においても高品位な画像
形成が可能となった。
【0171】尚、本実施例において電極の設置位置を定
着ニップ部から2cmとしたが、画像形成装置が変わっ
たり、同様の効果が得られればこれに限定されるもので
はない。
【0172】〈第七の実施例〉(図13) 本実施例の特徴とするところは、第一の実施例において
定着フィルム23に印加されるバイアスは加圧ローラ2
4側から給電される点である。
【0173】図13にその実施形態例の構成模型図を示
した。即ち円筒状の定着フィルム23の一端部側におい
てトップ層23cを無くして、中間層である導電プライ
マ層32bの環状露出部Wを設けた。
【0174】また弾性加圧ローラ24の一端部側には上
記定着フィルム23の一端部側に設けた導電プライマ層
32bの環状露出部wに対応位置する導電ゴムリング2
4bを設けてある。
【0175】導電ゴムリング24bはカーボンブラック
などの導電粒子を分散させたゴムでできており竹輪状の
形状をしている。この導電ゴムリング24bを加圧ロー
ラ24の一端部側の芯金24aに嵌着支持させてあり、
導電ゴムリン24bグの内周は加圧ローラ芯金24aと
直に接している。加圧ローラ24の芯金24aはアルミ
ニウムなどの良導電性を有する材質でできている。そし
て装置の組み立て状態において、この加圧ローラ24側
の導電ゴムリング24bの外周面と円筒状定着フィルム
23の導電プライマ層32bの環状露出部Wが当接して
電気的な接点を構成している。
【0176】高圧電源S4のバイアスは加圧ローラ24
の芯金24aに印加され、導電ゴムリング24bを介し
て定着フィルム23の導電プライマ層23bに印加され
ている。
【0177】加圧ローラ24の弾性ローラ部分はシリコ
ンゴムなどの弾性体に離型性を有するフッ素樹脂等をコ
ートしたものである。加圧ローラの弾性ゴム層と定着フ
ィルム23のトップ層23cの間で記録材が狭持搬送さ
れる。
【0178】定着フィルム23のトップ層23cの抵抗
値が高いほどトナー拘束力が増えるので尾引き現象に対
して効果が大きくなる。
【0179】本発明の効果を得るためには記録材と定着
フィルムの間に電位差を設けることが肝要であるため記
録材の裏面と接するシリコンゴムの電気的絶縁性が重要
となる。導電ゴムリング24bがない状態で定着フィル
ム23と加圧ローラ芯金24aの間が1×1010Ω以上
ないとトナー拘束力が減少する。
【0180】本実施例においては定着フィルム23と加
圧ローラ芯金24aの間が1×10 11Ωのものを用い
た。
【0181】前記構成を用いて第一の実施例の表1と同
様の実験を行った。その結果、表1と同様の結果が得ら
れた。
【0182】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0183】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更には加圧ローラ側から定着フィルムにバイアスを印加
できることにより、構成を単純化でき、部品点数の減
少、低コストに貢献することもでき、高品位な画像形成
が可能となった。
【0184】〈第八の実施例〉(図14) 本実施例の特徴とするところは、第一の実施例において
接地される電極を加圧ローラが兼ねる点である。
【0185】即ち、図14において、加圧ローラ24
は、アルミニウム芯金24aと、そのまわりに設けた導
電性の粒子を分散させたシリコンゴム等の弾性体層24
cと、さらにそのまわりに設けた表層としての導電性の
離型層24dからなる。芯金24aから表層24dまで
は導電性がある。
【0186】定着フィルム23と加圧ローラ24は別々
に導通経路が設けられている。定着フィルム23の導電
プライマ層23bに高圧電源S4から電圧が印加され、
定着フィルム23のトップ層23c、加圧ローラ24の
導電ゴム層24d・24c、芯金24aを介してアース
ヘの電流経路ができる。
【0187】記録材Pには加圧ローラ表層24cと定着
フィルムプライマ層23bの電位差に起因する電界が生
じ、トナー拘束力が生まれる。
【0188】これにより加圧ローラ24が接地電極を兼
ねることができ、記録材上にバイアスを印加することが
可能になる。
【0189】また、定着部で電極が接地されていること
により、記録材の抵抗を考慮せずにバイアスを印加する
ことが可能になる。
【0190】更には記録材の先端から後端までバイアス
が印加され続けるので記録材全域に渡ってトナーの拘束
力が働くのである。
【0191】上記構成を用いて第一の実施例の表1と同
様の実験を行った。その結果、表1と同様の結果が得ら
れた。
【0192】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0193】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更には加圧ローラ24が接地電極を兼ねることにより、
記録材の抵抗を考慮せずにバイアスを印加することがで
き、画像全域に渡って高品位な画像形成が可能となっ
た。
【0194】〈第九の実施例〉(図15) 本実施例の特徴とするところは、第一の実施例におい
て、加圧ローラ側からバイアスが印加され、定着フィル
ム側が接地電極を兼ねる点である。
【0195】図15において、定着フィルム23はアー
ス、加圧ローラ24には高圧電源S4からバイアスが印
加されている。
【0196】第一の実施例で示した本発明のメカニズム
によれば、加圧ローラ24と定着フィルム23の絶対電
位ではなく電位差がトナー拘束力を生む要因である。そ
こで定着フィルムにバイアスを印加して記録材の裏面を
接地する構成のみならず記録材の裏面にバイアスを印加
し定着フィルムを接地する構成でも同様の効果が得られ
る。
【0197】本実施例の場合、加圧ローラ24に電圧が
印加され、加圧ローラ24の導電ゴム層、定着フィルム
23のトップ層24cを介してアースヘの電流経路がで
きる。記録材には加圧ローラ表層とフィルムプライマ層
の電位差に起因する電界が生じ、トナー拘束力が生まれ
る。
【0198】これにより定着フィルム23が接地電極を
兼ねることができ、記録材上にバイアスを印加すること
が可能になる。
【0199】また、定着ニップ部で電極が接地されてい
ることにより、記録材の抵抗を考慮せずにバイアスを印
加することが可能になる。
【0200】更には記録材の先端から後端までバイアス
が印加され続けるので記録材全域に渡ってトナーの拘束
力が働くのである。
【0201】上記構成を用いて第一の実施例の表1と同
様の実験を行った。その結果、表1と同様の結果が得ら
れた。
【0202】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0203】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更には加圧ローラ24が接地電極を兼ねることにより、
記録材の抵抗を考慮せずにバイアスを印加することがで
き、画像全域に渡って高品位な画像形成が可能となっ
た。
【0204】〈第十の実施例〉(図16) 本実施例の特徴とするところは、第一の実施例におい
て、記録材の裏面からバイアスを印加し、定着フィルム
が接地電極を兼ねる点である。
【0205】第一の実施例で示した本発明のメカニズム
によれば、加圧ローラと定着フィルムの絶対電位ではな
く電位差がトナー拘束力を生む要因である。そこで定着
フィルムにバイアスを印加して記録材の裏面を接地する
構成のみならず、記録材の裏面にバイアスを印加し定着
フィルムを接地する構成でも同様の効果が得られる。
【0206】この場合、給電電極部材に電圧が印加され
るので、給電電極部材にトナー付着が起こる恐れがある
ことから、定着ニップ部を通過した後の記録材に給電接
点を配置するのが好ましい。
【0207】本実施例においては図16のように排紙ガ
イド27を給電部とした。
【0208】上記構成を用いて第一の実施例の表1と同
様の実験を行った。その結果、表1と同様の効果が得ら
れた。
【0209】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0210】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更には排紙ガイドが給電電極、定着フィルムが接地電極
を兼ねることにより、記録材定着案内部材のトナー汚れ
を防止して高品位な画像形成が可能となった。
【0211】〈第十一の実施例〉本実施例の特徴とする
ところは、第二の実施例の熱ローラ方式の定着装置にお
いて、記録材の裏面からバイアスを印加し、定着ローラ
31が接地電極を兼ねる点である。
【0212】具体的には上記第十の実施例の定着フィル
ム23が定着ローラ31に変更されただけであるので、
装置の図、構成の説明は省略する。
【0213】上記構成を用いて第一の実施例の表1と同
様の実験を行った。プロセススピードは3倍の180m
m/sとして実験を行った。その結果、表1と同様の効
果が得られた。
【0214】また、現像スリーブ上の現像領域でのトナ
ー量1mg/cm2 、Q/M=18μC/g、電極接地
で記録材にバイアスを印加したときも第一の実施例と同
様の効果が得られた。
【0215】つまり、現像スリーブ上の現像領域でのト
ナー量1.5mg/cm2 以下、電極を接地し、記録材
にバイアスを印加したときには、尾引き、フィルムオフ
セット、加圧ローラ汚れ、1ドット再現性を満足でき、
更には排紙ガイド27(図16)が給電電極、定着ロー
ラが接地電極を兼ねることにより、記録材定着案内部材
のトナー汚れを防止し、プロセスピードが速くなっても
高品位な画像形成が可能となった。
【0216】〈その他〉 1)定着回転体、加圧回転体はローラ体に限られない。
【0217】2)定着部材の加熱方式や加熱原理は任意
である。例えば、外部加熱方式や、電磁誘導加熱方式に
することもできる。
【0218】3)加圧部材も加熱する構成にすることも
できる。
【0219】4)記録材に対する現像剤像の形成原理・
方式は任意である。
【0220】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、フ
ィルム加熱方式や熱ローラ方式等の接触加熱型の定着装
置を備えた画像形成装置について、記録材の含水分量が
多い状態時でも即ち記録材の抵抗を考慮しなくても、1
ドットを忠実に再現でき、また定着装置の定着ニップ部
に導入される記録材上のトナー像の記録材上での静電的
保持力(拘束力)が十分に保持され、尾引き、トナーオ
フセット現象による画像不良、加圧ローラ汚れ等の発生
が防止されて、また、プロセススピードが速くなって
も、部品点数を減少させても、いかなる大きさの記録材
においても、高品位な画像形成が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一の実施例における画像形成装置の概略構
成図
【図2】 定着装置(フィルム加熱方式)の概略構成図
【図3】 定着フィルムの層構成を示す断面模型図
【図4】 尾引き画像の発生メカニズムの説明図
【図5】 図2の装置における電路の等価回路図
【図6】 第二の実施例における定着装置(熱ローラ方
式)の概略構成図
【図7】 第三の実施例における定着装置の概略構成図
【図8】 記録材のたるみ状態とテンション作用状態の
説明図
【図9】 定着装置の特性を説明する図(その1)
【図10】 定着装置の特性を説明する図(その2)
【図11】 第四の実施例における定着装置の概略構成
【図12】 第五の実施例における定着装置の概略構成
【図13】 第七の実施例における定着装置の概略構成
【図14】 第八の実施例における定着装置の概略構成
【図15】 第九の実施例における定着装置の概略構成
【図16】 第十の実施例における定着装置の概略構成
【符号の説明】
1 感光体(像担持体) 5 現像装置 5b 現像スリーブ(現像剤担持体) 5d ドクターブレード(現像剤層規制部材) 20 定着装置(フィルム加熱方式または熱ローラ方
式) 21 加熱体(セラミックヒータ) 22 ヒータ支持体 23 円筒状の定着フィルム 24 弾性加圧ローラ 25 接地電極 26 定着入口ガイド(接地電極兼用) 27 排紙ガイド(接地電極兼用) N 定着ニップ部 P 記録材 t 現像剤(トナー)もしくはトナー像 S4 高圧電源 31 定着ローラ 32 ハロゲンヒータランプ 33 弾性加圧ローラ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
    像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
    塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
    が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
    体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
    イアスを印加して現像する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
    に形成された現像剤像を担持する記録材を、加熱体と、
    前記加熱体と摺動するフィルムと、前記フィルムを介し
    て前記加熱体とニップを形成する加圧回転体を有し、前
    記ニップで挟持搬送して前記現像剤像を前記記録材に定
    着させる定着装置と、 を備える画像形成装置において、 前記現像装置の現像剤担持体上における、前記規制部材
    により規制後の現像領域での現像剤の塗布量が1.5m
    g/cm2 以下であり、 前記定着装置は前記フィルムと加圧回転体の少なくとも
    一方にバイアス電圧を印加する手段を有し、バイアス電
    圧による電流が前記記録材を介して流れるように前記記
    録材に当接する電極が設けられ、該電極は接地されてい
    ることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
    像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
    塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
    が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
    体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
    イアスを印加して現像する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
    に形成された現像剤像を担持する記録材を、少なくとも
    一方が加熱され、互いにニップを形成して回転する定着
    回転体と加圧回転体のニップで挟持搬送して前記現像剤
    像を前記記録材に定着させる定着装置と、 を備える画像形成装置において、 前記現像装置の現像剤担持体上における、前記規制部材
    により規制後の現像領域での現像剤の塗布量が1.5m
    g/cm2 以下であり、 前記定着装置は前記定着回転体と前記加圧回転体のいず
    れか一方にバイアス電圧を印加する手段を有し、バイア
    ス電圧による電流が前記記録材を介して流れるように前
    記記録材に当接する電極が設けられ、該電極は接地され
    ていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】定着回転体と加圧回転体の少なくとも一方
    に加熱体を内包していることを特徴とする請求項2に記
    載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記ニップよりも記録材搬送方向上流側に
    配置され、現像剤像を静電的に担持する記録材を前記ニ
    ップに導くための案内部材が前記接地電極を兼ねること
    を特徴とする請求項1から3の何れかに記載の画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】前記ニップよりも記録材搬送方向下流側に
    配置され、ニップから出た記録材を案内する排紙案内部
    材が前記接地電極を兼ねることを特徴とする請求項1か
    ら3の何れかに記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】前記接地電極が、前記ニップよりも記録材
    搬送方向上流側と下流側の両方に少なくとも1つずつ配
    置されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記
    載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】前記ニップから前記接地電極までの距離が
    搬送方向の長さが最短である記録材の搬送方向長さ以下
    である請求項1から6の何れかに記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】前記加圧回転体の弾性体は電気的絶縁性を
    有し、前記フィルムの導電層の一部は前記加圧回転体の
    芯金と電気的に導通があり、前記加圧回転体の芯金に給
    電することで前記フィルムの導電層にバイアスを印加す
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】前記フィルムにバイアスが印加され、前記
    加圧回転体の芯金から表面まで電気的導通性を有し、該
    加圧回転体が接地電極であることを特徴とする請求項1
    に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】前記加圧回転体の芯金から表面まで電気
    的導通性を有し、該加圧回転体にバイアスが印加され、
    前記フィルムが接地電極であることを特徴とする請求項
    1に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
    像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
    塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
    が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
    体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
    イアスを印加して現像する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
    に形成された現像剤像を担持する記録材を、加熱体と、
    前記加熱体と摺動するフィルムと、前記フィルムを介し
    て前記加熱体とニップを形成する加圧回転体を有し、前
    記ニップで挟持搬送して前記現像剤像を前記記録材に定
    着させる定着装置と、 を備える画像形成装置において、 前記現像装置の現像剤担持体上における、前記規制部材
    により規制後の現像領域での現像剤の塗布量が1.5m
    g/cm2 以下であり、 前記定着装置は前記ニップよりも記録材搬送方向下流側
    で記録材の一部と接触するように配置された電極と、該
    電極にバイアス電圧を印加する手段とを備え、前記電極
    に印加されたバイアス電圧による電流が前記記録材及び
    前記フィルムを介して流れるように前記フィルムは接地
    されていることを特徴とする画像形成装置。
  12. 【請求項12】少なくとも、 a.像担持体と、 b.現像剤と、該現像剤を担持し現像領域へ搬送する現
    像剤担持体と、該現像剤担持体上に対する前記現像剤の
    塗布量を規制する規制部材とを有し、前記現像剤担持体
    が現像剤を担持して前記現像領域へ搬送し、前記像担持
    体上に形成された静電潜像を前記現像剤担持体に現像バ
    イアスを印加して現像する現像装置と、 c.前記像担持体上から現像剤像の転写を受けて静電的
    に形成された現像剤像を担持する記録材を、少なくとも
    一方が加熱され、互いにニップを形成して回転する定着
    回転体と加圧回転体のニップで挟持搬送して前記現像剤
    像を前記記録材に定着させる定着装置と、を備える画像
    形成装置において、前記現像装置の現像剤担持体上にお
    ける、前記規制部材により規制後の現像領域での現像剤
    の塗布量が1.5mg/cm2 以下であり、前記ニップ
    よりも記録材搬送方向下流側で記録材の一部と接触する
    ように配置された電極と、該電極にバイアス電圧を印加
    する手段とを備え、前記電極に印加されたバイアス電圧
    による電流が前記記録材及び前記定着回転体を介して流
    れるように前記定着回転体は接地されていることを特徴
    とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1296783C (zh) * 2002-04-25 2007-01-24 佳能株式会社 图像加热装置

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