JP2003241555A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置

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JP2003241555A
JP2003241555A JP2002036650A JP2002036650A JP2003241555A JP 2003241555 A JP2003241555 A JP 2003241555A JP 2002036650 A JP2002036650 A JP 2002036650A JP 2002036650 A JP2002036650 A JP 2002036650A JP 2003241555 A JP2003241555 A JP 2003241555A
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roller
toner
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Masahiko Sato
雅彦 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、簡易な構成により、トナーの回転
体へのオフセットを防止し、さらには、用紙の回転体へ
の巻き付きを防止する定着装置及びこれを有する画像形
成装置の提供。 【解決手段】 回転体59と、回転体59に当接する加
圧部材60とを有し、回転体59と加圧部材60との当
接領域16にトナー像Tを担持した記録媒体Pを通して
トナー像Tを記録媒体Pに定着する定着装置1におい
て、回転体59の帯電量を、加圧部材60の帯電量より
大きくした定着装置1及びこれを有する画像形成装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、定着ベルト、定着
ローラ等の回転体と、この回転体に当接する加圧ロー
ラ、加圧ベルト等の加圧部材とを有する定着装置及びこ
れを有する複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形
成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画
像形成装置においては、電子写真方式等の作像プロセス
機構により、シート状の記録媒体である用紙上に未定着
トナー像を転写方式または直接方式で形成担持させるよ
うになっている。この未定着トナー像のトナーは簡単に
剥がれ落ちるので、トナーに熱あるいは圧力あるいは熱
と圧力の両方を加えることによりトナーを融解させ変形
させた後、冷却凝固させて、用紙表面に永久的に固着さ
せることが必要となる。この工程は定着プロセスと呼ば
れ、かかる画像形成装置に備えられた定着装置によって
行われる。
【0003】定着プロセスを実現するには色々な方法が
あるが、熱と圧力の両方を加える方法が最も普及してお
り、その際の加熱方式として、従来から、熱ローラ定着
方式、ベルト加熱定着方式、サーフ加熱定着方式などの
接触加熱定着方式が一般に用いられている。
【0004】例えば熱ローラ定着方式にて定着プロセス
を実行する定着装置としては、加熱手段としてのヒータ
により加熱される回転体としての定着ローラ、この定着
ローラに当接し定着ローラとの当接領域であるニップ部
において定着ローラと同方向に回転する加圧部材として
の加圧ローラ等を構成要素とし、かかるニップ部に、両
ローラの回転により、トナーを定着される用紙を搬送し
て通過させ、加熱及び加圧してトナー像を定着するもの
が一般的である。
【0005】また例えばベルト加熱定着方式にて定着プ
ロセスを実行する定着装置としては、トナーを定着され
る用紙を搬送するための回転体としての無端の定着フィ
ルム、定着フィルムに対向して配置される加圧部材とし
ての加圧ローラ、定着フィルムの内側の加圧ローラに対
向する位置に配設された、加熱手段としての平板状のセ
ラミックヒータ等を構成要素とし、定着ベルトと加圧ロ
ーラとによって形成される当接領域であるニップ部に、
これらの回転により、トナーを定着される用紙を搬送し
て通過させ、加熱加圧してトナー像を定着するするもの
が一般的である。
【0006】また例えばサーフ加熱定着方式にて定着プ
ロセスを実行する定着装置としては、加熱手段としての
平板状のセラミックヒータ等のヒータにより加熱され、
トナーを定着される用紙を搬送するための回転体として
の無端の定着ベルト、定着ベルトを巻き掛けられた加熱
ローラ及び定着ローラ、定着ベルトを介して定着ローラ
に対向して配置される加圧部材としての加圧ローラ等を
構成要素とし、定着ベルトと加圧ローラとによって形成
される当接領域であるニップ部に、これらの回転によ
り、トナーを定着される用紙を搬送して通過させ、加熱
加圧してトナー像を定着するするものが一般的である。
【0007】何れのタイプの定着装置においても、トナ
ー像は、回転体の回転により搬送される用紙上に所定温
度の加熱による溶融及び所定の大きさの圧力によって定
着され、これによりかかる定着装置を備えた画像形成装
置における画像形成の一工程である定着工程が行われる
ようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、用紙上に定
着されるトナー像を構成するトナーは、上述した作像プ
ロセス機構に備えられた像担持体としての感光体に静電
吸着されるものであるため、感光体を現像する際に帯電
しており、感光体から用紙上に転写された後も帯電して
いる。また、用紙の、トナー像を担持する側の面はトナ
ーと逆の極性に帯電する。
【0009】一方、定着ローラ、定着ベルト等の回転体
と、加圧ローラ等の加圧部材とは、互いに接触して摩擦
を生じているため、摩擦帯電する。したがって、トナー
と回転体との帯電極性が異極性である場合、トナー像
は、用紙上に定着される前の状態においては、静電気力
により、回転体にオフセットすることとなり、画像形成
に支障をきたすこととなる。
【0010】しかし、一般的に、トナーは負の帯電特性
を有しており、また、回転体及び加圧部材の表面に一般
的に備えられたフッ素系の離型層は負の帯電極性を有し
ている。すなわち、一般的な画像形成装置においては、
トナーと回転体との帯電極性は同極性である。なお、離
型層は定着の際に溶けたトナーの張りつきを防止するた
めに設けられるものである。
【0011】ところが、加圧部材は、ニップ部に定着に
適した幅を持たせること、及び溶けたトナーに定着に適
した圧力をかけることを目的として、離型層の内側に弾
性層を有しており、この弾性層は他の部材との絶縁性が
高く、摩擦帯電による帯電量が大きくなりがちであるた
め、ニップ部に進入した負に帯電したトナーは、大きく
負に帯電した加圧部材によってはじかれ、回転体側にオ
フセットする。
【0012】このようなオフセットを防止するため、回
転体を電気的にフロートとすることも考えられるが、こ
れでは回転体の負の帯電量が大きくなり過ぎて、トナー
が負に帯電するために正に帯電する用紙が、回転体に静
電的に吸着され、定着が終わった後、用紙を回転体から
剥離することが困難となり、剥離不良による紙詰まりが
生じてしまう。
【0013】一般に回転体から用紙を剥がすため部材と
して、分離爪等の分離部材が設けられているが、かかる
剥離不良を防止するために分離部材による剥離を無理に
行おうとすると、回転体や用紙を傷つけるおそれがあ
り、また用紙に汚れが付着してしまう。また、かかるオ
フセットを防止するため、回転体に負の帯電を強制的に
起こさせるための電圧印加装置を設けることも考えられ
るが、これには大掛かりな電圧印加装置が必要で、定着
装置の大型化、複雑化、高価格化を招いてしまう。
【0014】本発明は、簡易な構成により、トナーの回
転体へのオフセットを防止し、さらには、用紙の回転体
への巻き付きを防止する定着装置及びこれを有する画像
形成装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、回転体と、この回転体に当
接する加圧部材とを有し、上記回転体と上記加圧部材と
の当接領域にトナー像を担持した記録媒体を通してトナ
ー像を記録媒体に定着する定着装置において、上記回転
体の帯電量が、上記加圧部材の帯電量より大きいことを
特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の定
着装置において、上記回転体の帯電極性がトナー像を構
成するトナーの帯電極性と同極性であることを特徴とす
る。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の定着装置において、上記回転体の表面抵抗率が1
×10Ω/□〜9×1012Ω/□であり、上記加圧
部材の表面抵抗率が9×10Ω/□以下であることを
特徴とする。
【0018】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
の何れか1つに記載の定着装置において、上記回転体の
帯電量が−500V〜−2kVであり、上記加圧部材の
帯電量が100V〜−500Vであることを特徴とす
る。
【0019】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか1つに記載の定着装置において、上記回転体
が、トナー像を定着される記録媒体を加熱するとともに
搬送するための定着ローラであり、上記加圧部材が、上
記定着ローラに圧接される加圧ローラであることを特徴
とする。
【0020】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
の何れか1つに記載の定着装置を有する画像形成装置に
ある。
【0021】
【実施例】図1に本発明を適用した画像形成装置の概略
を示す。画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリン
タ等周知のものであれば何れでもよいが、本実施例にお
ける画像形成装置はプリンタである。本実施例の画像形
成装置は単色の画像を形成するものであるが、カラー画
像を形成するものであっても良い。
【0022】画像形成装置100は、一般にコピー等に
用いられる普通紙と、OHPシートや、カード、ハガキ
といった90K紙、坪量約100g/m相当以上の厚
紙や、封筒等の、普通紙よりも熱容量が大きないわゆる
特殊シートとの何れをもシート状の記録媒体としてトナ
ー像を定着するものとして用いることが可能である。記
録媒体の大きさは、A4サイズやA3サイズ等の一般的
な規格をなす大きさが一般的であるが、規格外の大きさ
であっても良く、カットされること等により形成され
る。
【0023】画像形成装置100は、矢印A方向に回転
駆動される円筒状に形成された像担持体としての光導電
性の感光体ドラム(以下、「感光体」という。)101
と、感光体101を帯電する帯電手段としての帯電装置
102と、帯電後の感光体101に潜像を形成するレー
ザー光を発して光走査を行う露光手段としての露光装置
108と、露光後の感光体101上の潜像を現像する現
像手段としての現像装置104を有している。
【0024】画像形成装置100はまた、現像装置10
4による現像によって得られた感光体101上のトナー
像をシート状の記録媒体としての用紙Pに転写する転写
手段としての転写装置105と、転写後の感光体101
上をクリーニングするクリーニング手段としてのクリー
ニング装置106と、帯電装置102で帯電を行う前に
感光体101の除電を行う除電手段としての図示しない
除電装置とを有している。
【0025】画像形成装置100はまた、用紙Pを積載
している図示しない給紙トレイと、給紙トレイに積載し
た用紙Pを感光体101と転写装置104との対向部で
ある転写領域107に向けて送り出す給紙手段としての
図示しない給紙ローラと、給紙ローラによって給紙トレ
イから送られてきた用紙Pを所定のタイミングで転写領
域107に搬送するレジストローラ103とを有してい
る。
【0026】画像形成装置100はまた、転写装置10
4により感光体101上のトナー像を転写された用紙P
に、かかるトナー像の定着を行う定着手段としての定着
装置1と、転写装置104により感光体101上のトナ
ー像を転写された用紙Pを定着装置1に向けて搬送する
用紙搬送手段としての搬送装置109とを有している。
【0027】図2に示すように、定着装置1は、トナー
を定着される用紙Pを加熱するとともに搬送するための
回転体としての加熱ローラである定着ローラ59と、定
着ローラ59に当接し定着ローラ59との当接領域であ
るニップ部としてのトナー像定着部である定着部16に
おいて定着ローラ59の回転方向Fと同方向Gに回転す
る加圧部材としての加圧ローラ60と、定着ローラ59
をF方向に回転駆動する図示しない駆動手段とを有す
る、熱ローラ定着方式で定着を行うものである。
【0028】加圧ローラ60は、駆動手段によりF方向
に回転駆動される定着ローラ59に従動回転すること
で、G方向に回転するようになっている。定着ローラ5
9と加圧ローラ60とは、図示していない付勢手段とし
てのばね等を備えた圧接機構により、定着部16が一定
の幅すなわちニップ幅になるように圧接してある。
【0029】この定着装置1においては、画像形成装置
100本体側から搬送されてくる、トナー像Tを担持し
た用紙Pを、定着部16においてヒータ6によって加熱
された定着ローラ59と加圧ローラ60との間に通し、
加熱・加圧することでトナー像Tを用紙P上に溶融し定
着するようになっている。
【0030】定着装置1はまた、定着ローラ59の内部
に備えられた加熱手段としてのハロゲンランプである7
00W〜800Wのヒータ6と、定着ローラ59の温度
を検知する温度検知手段としての図示しないサーミスタ
と、このサーミスタが検知した定着ローラ59の温度に
応じてヒータ6を明滅させる図示しない制御手段とを有
している。ヒータ6は、制御手段により、サーミスタを
用いたフィードバック制御で定着部16の温度を150
℃〜200℃とするように制御される。
【0031】定着装置1はまた、トナー像を担持した用
紙Pを定着部16に向けて案内する案内手段としての入
り口ガイド部材52と、定着部16を通過した用紙Pを
定着ローラ59から分離することで用紙Pが定着ローラ
59に巻き付くことを防止するための分離爪である分離
部材70と、分離部材70によって定着ローラ59から
分離された用紙Pを定着装置1本体外部に向けて案内す
る、定着装置1の筐体73の一部からなる出口ガイド板
53等を有している。
【0032】定着ローラ59は、外径40mm、厚さが
3.0mmの、金属製の芯金層90と、芯金層90の表
面に形成された約0.3mmの厚さの絶縁弾性層91
と、絶縁弾性層91の表面に形成され最外層をなすテト
ラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエー
テル(PFA)の厚さ15μmの離型層92とを有して
いる。芯金層90はアルミニウム円管であるが、その他
鉄、ステンレス、真鍮のような、金属製の高熱伝導体を
用いることができる。離型層92としては、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)を用いても良い。
【0033】加圧ローラ60は、金属製の芯金11と、
芯金11の周りに形成された厚さ5mmのシリコーンゴ
ム製の絶縁弾性層12と、絶縁弾性層12の表面に形成
され最外層をなすテトラフルオロエチレン-パーフルオ
ロアルキルビニルエーテル(PFA)を被覆した厚さ5
0μmの離型層13とを有しており、外径は40mmで
ある。上述した圧接機構によって加えられる圧力によ
り、主に加圧ローラ60の絶縁弾性層12が変形し、定
着部16が形成される。
【0034】定着ローラ59の表面をなす離型層92
と、加圧ローラ60の表面をなす離型層13とにはそれ
ぞれ、球状カーボンなどの導電材が含有されており、そ
の含有量は、定着ローラ59の表面抵抗率が1×10
Ω/□〜9×1012Ω/□、加圧ローラ60の表面抵
抗率が9×10Ω/□以下となるように調整されてい
る。なお表面低効率の測定は油化電子製ハイレスタIP
印加電圧10〜500Vで行った。
【0035】これにより、定着ローラ59が上述した駆
動手段により回転駆動され、加圧ローラ60がこれに従
動回転する際、定着ローラ59、加圧ローラ60は互い
に摩擦し、それぞれ摩擦帯電するが、定着ローラ59の
帯電量は−500V〜−2kVとなり、加圧ローラ60
の帯電量は100V〜−500Vとなった。すなわち、
定着ローラ59の帯電量は加圧ローラ60の帯電量以上
となる。
【0036】図3に示すように、離型層92の帯電極性
は、トナー像Tを構成するトナーの帯電極性と同じマイ
ナスであって、定着ローラ59とトナーとは同極性に帯
電する。これに加え、定着ローラ59の帯電量が加圧ロ
ーラ60の帯電量以上であることにより、定着部16に
て定着を行う際、トナーは矢印Hで示すように用紙P側
に押し付けられる静電気力を受け、オフセットが防止さ
れる。
【0037】また、定着ローラ59の表面抵抗率が上記
の値よりも大きいと、定着ローラ59の帯電量が大きく
なり過ぎ、帯電量が−5kV〜−8kVとなると、トナ
ーと逆極性に帯電する用紙Pが定着ローラ59に張り付
いてしまったり、用紙Pが分離部材70に衝突して傷付
いてしまったりする等の不具合があるが、定着ローラ5
9の表面抵抗率が上記の値とされていることで、このよ
うな不具合が防止されている。
【0038】画像形成装置100は以上のような構成で
あるので、操作者による所定の操作により、画像形成装
置100の電源が投入され、又は待機状態から動作状態
に移行した後、操作者が画像形成を開始する周知の操作
を行うと、帯電装置102による帯電工程によって均一
に帯電された感光体101は、矢印A方向の回転によ
り、外部から入力されるデータに応じて露光装置108
によって照射されるレーザ光による露光工程における潜
像形成、現像装置104による反転現像によって行われ
る現像工程、転写装置105による転写工程、クリーニ
ング装置106によるクリーニング工程、除電装置によ
る除電工程を経て再び帯電工程に移る。
【0039】転写工程によって用紙P上に転写されたト
ナー像Tは、定着装置1における定着工程によって用紙
P上に定着される。かかる定着工程においては、トナー
が定着ローラ59側にオフセットすること、及び用紙P
が定着ローラ59に巻き付くことが防止されるので、良
好な定着が行われる。トナー像Tを定着された用紙P
は、機外に排出される。
【0040】以上は本発明を熱ローラ対タイプの定着装
置に適用した場合を説明したが、本発明は、図4に示す
ような、ベルト加熱定着方式で定着を行うベルト定着装
置に適用することもできる。以下、上述の例と同様の構
成については同じ符号を付して詳しい説明を省略し、異
なる部分について主に説明する。
【0041】図4に示すように、定着装置1は、トナー
像Tを定着される用紙Pを加熱するとともに搬送するた
めの回転体としての無端の定着ベルト2と、定着ベルト
2を巻き掛けられた加熱ローラ3及び定着ローラ4と、
定着ベルト2を介して定着ローラ4に対向して配置さ
れ、定着ベルト2との当接領域であるニップ部としての
定着部16において定着ベルト2の回転方向Iと同方向
Jに回転する加圧部材としての加圧ローラ60とを有し
ている。
【0042】定着装置1はまた、加熱ローラ3の内部に
備えられた加熱手段としてのハロゲンランプのヒータ6
と、定着部16を通過した用紙を定着ベルト2から分離
するための分離部材としての分離板70と、トナー像を
担持した用紙Pを定着部16に向けて案内する案内手段
としての入り口ガイド板52等を有している。定着ベル
ト2に適当な所定の張力を与えるため、加熱ローラ3は
定着ローラ4から離間する向きに付勢されている。
【0043】定着ベルト2は、耐熱性樹脂であるポリイ
ミド樹脂の厚さ100μmの基体の表層上に200μm
の高離型シリコンゴム製の離型層が形成されたものであ
り、熱容量が小さく、熱応答性を良好にされている。基
体は、耐熱性樹脂としては、ポリイミド樹脂のほか、ポ
リアミドイド、ポリエーテルケトン(PEEK)等であ
ってもよく、また、ステンレス製、ニッケル製等の金属
製でも、ゴム製でもよい。可撓性等を考慮すると厚さは
100μm以下のものが望ましい。
【0044】離型層は離型性のほか耐熱性、耐久性に優
れたものが好ましい。よって、離型層は高離型シリコン
ゴムのほかフッ素型樹脂等を用いた耐熱離型層とするこ
とが望ましい。フッ素樹脂の場合は、吹き付け等により
基体表面に塗装した後、加熱融着することで離型層を形
成する。また、高離型シリコンゴム層は、ゴム高度25
〜65度(JIS A硬度計)、厚さが100〜300
umの範囲が良好な定着性及び熱応答性を得る条件とし
て望ましい。
【0045】定着ローラ4は、径を40mmとされ、鋼
性の金属パイプによって構成されている基体としての芯
金9と、この芯金9を被覆し定着部16の幅を十分な広
さにするための、弾性体層10とを有している。弾性体
層10は、耐熱多孔質の発泡シリコンゴム製であって、
柔らかく断熱性のあるものである。
【0046】弾性体層10の材質は、熱伝導率が小さく
断熱作用のある耐熱多孔質の弾性体であるから、ベルト
の熱を奪うことを低減し、立上り後の温度落ち込みを小
さくするとともに温度回復のためのプレ回転時間を短縮
している。また、弾性体層10が比較的低硬度であるた
め、加圧ローラ60の圧接力が小さくても十分なニップ
幅を得ることができ、比較的低温かつ低圧の条件下でも
良好な定着性能を得ることができる。
【0047】加熱ローラ3は、径を50mmとされ、芯
金は熱伝導性の良好なアルミニウム製の薄肉ローラのパ
イプであって長手方向の温度ムラを防止されており、肉
厚を5mmとされている。芯金表面は定着ベルト2との
摩擦による磨耗を防止するためアルマイト処理されてい
る。芯金の中心にヒータ6が内蔵されている。芯金は炭
素鋼やステンレス鋼、銅等であってもよい。
【0048】定着ベルト2の離型層に球状カーボン等の
導電材が含有されていること等により、この離型層の帯
電極性は、トナー像Tを構成するトナーの帯電極性と同
じマイナスであって、定着ベルト2とトナーとは同極性
に帯電するようになっている。また、定着ベルト2の帯
電量は加圧ローラ60の帯電量以上であるようになされ
ており、定着部16にて定着を行う際、トナーは用紙P
側に押し付けられる静電気力を受け、オフセットが防止
されるようになっている。定着ベルト2の帯電量が大き
くなり過ぎることもなく、用紙Pが張り付いてしまった
り、用紙Pが分離板70に衝突して傷付いてしまったり
する等の不具合も防止され、良好な定着が行われるよう
になっている。
【0049】定着ベルト2を加熱するための主な手段と
してハロゲンランプを用いたが、加熱ローラ3の内部空
間に配設したニクロム線ヒータ等のハロゲンランプ以外
のヒータにより加熱してもよいし、加熱ローラ3の一部
を発熱抵抗体で構成して発熱させるなど、発熱抵抗体を
加熱手段として用いてもよい。
【0050】また、サーフ加熱定着方式によるサーフ定
着装置においても、本発明を適用し、その回転体の帯電
量を加圧部材の帯電量以上とすること等によって、トナ
ーのオフセット、用紙の回転体への巻き付きを防止する
ことができる。回転体の帯電極性はその材質の選択によ
りトナーの帯電極性に応じてトナーの帯電極性と逆極性
とすることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明は、回転体と、この回転体に当接
する加圧部材とを有し、上記回転体と上記加圧部材との
当接領域にトナー像を担持した記録媒体を通してトナー
像を記録媒体に定着する定着装置において、上記回転体
の帯電量が、上記加圧部材の帯電量より大きいので、回
転体の帯電量と加圧部材の帯電量との関係を決めること
により、トナーが回転体に向けてオフセットすることを
防止し、良好な定着画像を得ることができる定着装置を
提供することができる。
【0052】回転体の帯電極性がトナー像を構成するト
ナーの帯電極性と同極性であることとすれば、回転体と
トナーとの間に静電的な斥力を作用させることでトナー
が回転体に向けてオフセットすることを防止し、良好な
定着画像を得ることができる定着装置を提供することが
できる。
【0053】回転体の表面抵抗率が1×10Ω/□〜
9×1012Ω/□であり、加圧部材の表面抵抗率が9
×10Ω/□以下であることとすれば、簡易な構成に
より、トナーの回転体へのオフセットを防止し、良好な
定着画像を得ることができるとともに、回転体が過大に
帯電することを抑制して記録媒体の回転体への巻き付
き、記録媒体の汚れ、及び記録媒体の汚れを防止するこ
とができ良好な定着物を得ることができる定着装置を提
供することができる。
【0054】回転体の帯電量が−500V〜−2kVで
あり、加圧部材の帯電量が100V〜−500Vである
こととすれば、トナーの回転体へのオフセットを防止し
て良好な定着画像を得ることができ、さらには、回転体
が過大に帯電することがなく記録媒体の回転体への巻き
付き、記録媒体の汚れ、及び記録媒体の汚れを防止する
ことができ良好な定着物を得ることができる定着装置を
提供することができる。
【0055】回転体が、トナー像を定着される記録媒体
を加熱するとともに搬送するための定着ローラであり、
加圧部材が、定着ローラに圧接される加圧ローラである
こととすれば、一般にシリコーンゴム等の絶縁された弾
性体層を有し、帯電量が回転体よりも大きくなる傾向に
ある加圧ローラを備え、回転体へのトナーのオフセット
が大きな問題となる熱ローラタイプの定着装置において
も、加圧ローラの帯電量よりも回転体の帯電量を大きく
することで上述の各効果を奏することができ、良好な定
着を行うことができる定着装置を提供することができ
る。
【0056】本発明は、請求項1ないし5の何れか1つ
に記載の定着装置を有する画像形成装置にあるので、上
述の各効果を奏する定着装置を備え、良好な定着を行う
ことで、良好な画像形成を行うことができ、ユーザーに
とっても信頼性の高い画像形成装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した定着装置及びこれを有する画
像形成装置の概略を示す側面図である。
【図2】図1に示した画像形成装置に備えられた定着装
置の側視図である。
【図3】図2に示した定着装置に備えられた回転体及び
加圧部材の帯電量と、回転体がトナーに与える力の向き
とを示す概念図である。
【図4】本発明を適用した定着装置の別の例を示す側視
図である。
【符号の説明】
1 定着装置 2 回転体としての定着ベルト 16 回転体と加圧部材との当接領域 20 画像形成装置 59 回転体としての定着ローラ 60 加圧部材としての加圧ローラ P 記録媒体 T トナー像

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転体と、この回転体に当接する加圧部材
    とを有し、上記回転体と上記加圧部材との当接領域にト
    ナー像を担持した記録媒体を通してトナー像を記録媒体
    に定着する定着装置において、 上記回転体の帯電量が、上記加圧部材の帯電量より大き
    いことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の定着装置において、上記回
    転体の帯電極性がトナー像を構成するトナーの帯電極性
    と同極性であることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の定着装置におい
    て、上記回転体の表面抵抗率が1×10Ω/□〜9×
    1012Ω/□であり、上記加圧部材の表面抵抗率が9
    ×10 Ω/□以下であることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れか1つに記載の定
    着装置において、上記回転体の帯電量が−500V〜−
    2kVであり、上記加圧部材の帯電量が100V〜−5
    00Vであることを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れか1つに記載の定
    着装置において、上記回転体が、トナー像を定着される
    記録媒体を加熱するとともに搬送するための定着ローラ
    であり、上記加圧部材が、上記定着ローラに圧接される
    加圧ローラであることを特徴とする定着装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れか1つに記載の定
    着装置を有する画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007286274A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Ricoh Co Ltd 定着装置、およびそれを用いた画像形成装置
JP2015138264A (ja) * 2014-01-24 2015-07-30 株式会社沖データ 定着装置および画像形成装置

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