JP2542079B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2542079B2
JP2542079B2 JP1160271A JP16027189A JP2542079B2 JP 2542079 B2 JP2542079 B2 JP 2542079B2 JP 1160271 A JP1160271 A JP 1160271A JP 16027189 A JP16027189 A JP 16027189A JP 2542079 B2 JP2542079 B2 JP 2542079B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフイルムを介して記録材上のトナー像を溶融
して定着を行う定着装置に関する。
〔従来技術〕 従来、この種の装置に用いられている定着装置は、所
定の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を有して該
加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、トナー像
が形成された記録材を挟持搬送しつつ加熱するローラ定
着方式が多用されている。
又、米国特許第3,578,797号明細書に開示のようなベ
ルト定着方式も知られている。これは、 トナー像を加熱体ウエブに接触させてその融点へ加
熱して溶融し、 溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性と
し、 トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウエブ
から剥す、 という過程を経ることによって、オフセツトを生ぜずに
定着する方式である。
さらに、出願人は先に特開昭63−313182号で、固定発
熱体に圧接摺動する薄肉の耐熱シートを介して未定着ト
ナー像に熱エネルギーを附与して軟化・溶融せしめ定着
を行う装置を提案した。
〔発明が解決する問題点〕
しかしながら上述のような従来の熱ロールを定着方
式、及びUSP3578797号に記載のベルト定着方式には次の
ような問題があった。
熱ロール定着方式 所定温度に立ち上がるまでにかなり時間がかかり、
その間は画像形成作動禁止の時間となる。即ち所謂ウエ
イトタイムがある。
熱容量が必要な為大きな電力が必要である。
回転ローラでローラ温度が高温の為に耐熱性特殊軸
受けが必要。
ローラに直接手が触れる構成となり、危険があった
り、保護部材が必要。
ローラの定温度及び曲率により記録材がローラに巻
き付き記録材のジヤム(Jam)トラブルをみやすい。
ベルト定着方式 この方式の場合もやはり、トナーのオフセツトは防止
しきれず、定着回数が重むにつれてオフセツトが発生し
てくる問題がある。
また、特開昭63−313182号に記載の方式で用いられ
る、記録材と接するシートには、引っ張り強度、耐熱性
が要求される。
しかしながら、この要求を満足させても、シートに若
干量のトナーがオフセツトすることがあった。また、シ
ートにゴミ等が付着し定着性が劣化したり、シートを損
傷したりすることがあった。
〔問題点を解決する手段〕
上記問題点を解決するため本発明は、加熱体と、一方
の面がこの加熱体と摺動し他方の面が未定着トナー像を
担持した記録材と接して共に移動するフィルムと、を有
し、前記フィルムを介して前記加熱体からの熱により未
定着トナー像を記録材上に定着しトナーの溶融中にフィ
ルムと記録材を分離する定着装置において、前記フィル
ムは複数の樹脂層からなり、少なくとも一層は耐熱層で
あり、トナー像と接する層はフッ素樹脂からなる離型層
であることを特徴とするものである。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
第2図は本発明の実施例の定着装置を適用した電子写
真装置の断面図である。
第2図において、100は装置機筺、1は該機筺の上面
板100a上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往
復動型の原稿載置台であり、機筺上面板100a上を図面上
右方a、左方a′に夫々所定の速度で往復移動駆動され
る。
Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下向きにして
原稿載置台1の上面に所定の載置基準に従って載置し、
その上に原稿圧着板1aをかぶせて押え込むことによりリ
セツトされる。
100bは機筺上面板100a面に原稿載置台1の往復移動方
向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長手として開
口された原稿照明部としてのスリツト開口部である。原
稿載置台1上に載置セツトした原稿Gの下向き画像面は
原稿載置台1の右方aへの往復移動過程で右辺側から左
辺側にかけて順次にスリツト開口部100bの位置を通過し
ていき、その通過過程でランプ7の光Lをスリツト開口
部100b、透明な原稿載置台1を通して受けて照明走査さ
れる。その照明走査光の原稿面反射光が短焦点小径結像
素子アレイ2によって感光ドラム3面に結像露光され
る。
感光ドラム3は例えば酸化亜鉛感光層・有機半導体感
光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸3aを中心に所
定の周速度で矢印bの時計方向に回転駆動され、その回
転過程で帯電器4により正極性又は負極性の一様な帯電
処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿画像の結像露
光(スリツト露光)を受けることにより感光ドラム3面
には結像露光した原稿画像に対応した静電潜像が順次に
形成されていく。
この静電潜像は現像器5により加熱で軟化溶融する樹
脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、該顕像たる
トナー画像が転写部としての転写放電器8の配設部位へ
移行していく。
Sは記録材としての転写材シートPを積載収納したカ
セツトであり、該カセツト内のシートが給送ローラ6の
回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレジストロー
ラ9により、ドラム3上のトナー画像形成部の先端が転
写放電器8の部位に到達したとき転写材シートPの先端
も転写放電器8と感光ドラム3との間位置に丁度到達し
て両者一致するようにタイミングどりされて同期給送さ
れる。そしてその給送シートの面に対して転写放電器8
により感光ドラム3側のトナー画像が順次に転写されて
いく。
転写部でトナー画像転写を受けたシートは不図示の分
離手段で感光ドラム3面から順次に分離されて搬送ガイ
ド10によって後述する定着装置11に導かれて担持してい
る未定着トナー画像の加熱定着処理を受け、画像形成物
(コピー)として機外の排紙トレイ12上に排出される。
一方、トナー画像転写後の感光ドラム3の面はクリー
ニング装置13により転写残りトナー等の付着汚染物の除
去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
次に本発明の実施例の定着装置について詳細に説明す
る。
第1図は定着装置の拡大図である。
24はエンドレスベルト状の定着フイルムであり、左側
の駆動ローラ25と、右側の従動ローラ26と、駆動ローラ
25と従動ローラ26間の下側に配置した加熱体としての低
熱容量線状加熱体20の互いに並行な該4部材25・26・27
・20間に懸回張設してある。この定着フイルム24につい
ては、後に詳述する。
従動ローラ26はエンドレスベルト状の定着フイルム24
のテンシヨンローラを兼ねさせており、該定着フイルム
24は駆動ローラ25の時計方向回転駆動に伴ない時計方向
に所定に周速度、即ち画像形成部8側から搬送されてく
る未定着トナー画像Taを上面に担持した転写材シートP
の搬送速度と同じ周速度をもってシワや蛇行、速度遅れ
なく回動駆動される。
28は加圧部材としての、シリコンゴム等の離型性の良
いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、前記のエンド
レスベルト状定着フイルム24の下行側フイルム部分を挟
ませて前記加熱体20の下面に対して不図示の付勢手段に
より例えば総圧4〜7kgの当圧接をもって対向圧接させ
てあり、転写材シートPの搬送方向に順方向の反時計方
向に回転する。
加熱体としての低熱容量線状加熱体20は本例のもの
は、定着フイルム横断方向(定着フイルム25の走行方向
に直角な方向)を長手とする横長の剛性・高耐熱性・断
熱性を有するヒータ支持体27と、この支持体の下面側に
下面長手に沿って一体に取付け保持させた、発熱体22・
検温素子23等を具備させたヒータ基板21を有してなる。
ヒータ支持体27は加熱体20を定着装置11及び複写装置
全体に対し断熱支持するもので、例えばPPS(ポリフエ
ニレンサルフアイド)、PAI(ポリアミドイミド)、PI
(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケト
ン)、液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂
とセラミツクス、金属、ガラス等との複合材料などで構
成できる。
ヒータ基板21は一例として厚み1.0mm,巾10mm,長さ240
mmのアルミナ基板である。発熱体22は例えば基板21の下
面の略中央部に長手に沿って、例えばAg/Pd(銀、パラ
ジウム)等の電気抵抗材料を厚み約10μm,巾1〜3mmに
スクリーン印刷等により塗工、その上に表面保護層とし
て耐熱ガラス21aを約10μmコートする。検温素子23は
一例として基板21の上面(発熱体22を設けた面とは反対
側の面)の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して
具備させたPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。検温
素子としては、他に低熱容量のサーミスタ等、基板21に
当接配置する構成にしてもよい。
本例の場合は、線状又は帯状をなす発熱体22に対し、
その長手方向両端部より通電し、発熱体22を略全長にわ
たって発熱させる。通電はAC100Vであり、検温素子23の
検知温度に応じてトライアツクを含む不図示の通電制御
回路により通電する位相角を制御することにより、通電
電力を制御している。
定着フイルム24はエンドレスベルト状に限らず、第3
図のように送り出し軸30にロール巻に巻回した有端の定
着フイルム24を加熱体20と加圧ローラ28との間、巻取り
軸31に係止させて、送り出し軸30側から巻取り軸31側へ
転写材シートPの搬送速度と同一速度をもって走行させ
る構成であってもよい。
次に、本実施例の定着装置の動作について説明する。
画像形成スタート信号により装置が画像形成動作して
転写部8から定着装置11へ搬送された、未定着のトナー
画像Taを上面に担持した転写材シートPはガイド29に案
内されて加熱体20と加圧ローラ28との圧接部Nの定着フ
イルム24と加圧ローラ28との間に進入して、未定着トナ
ー画像面がシートPの搬送速度と同一速度で同方向に回
動状態の定着フイルム24の下面に密着して面ズレやしわ
寄りを生じることなく定着フイルム24と一緒の重なり状
態で加熱体20と加圧ローラ28との相互圧接部N間を挟圧
力を受けつつ通過していく。
加熱体20は画像形成スタート信号により所定のタイミ
ングで通電加熱されるので、トナー画像Taは圧接部Nに
おいて加熱を受けて軟化・溶融像Tbとなる。
定着フイルム24は、支持体27の曲率の大きい(曲率半
径が約2mm)エツジ部Sにおいて、急角度(屈曲角度θ
が略45゜)で走行方向が転向する。従って、定着フイル
ム24と重なった状態で圧接部Nを通過して搬送されたシ
ートPは、エツジ部Sにおいて定着フイルム24から曲率
分離し、排紙トレイ12へ排紙されてゆく。排紙される時
までにはトナーは十分冷却固化し、シートPに完全に定
着した状態(トナー画像Tc)となっている。
本実施例で用いたトナーは加熱溶融時の粘度が十分高
いので、定着フイルム24と分離する際のトナー温度がト
ナーの融点以上であっても、トナー同志の固着力が定着
フイルムに対するトナーの粘着力より極めて大きい。従
って、定着フイルム24とシートPの離反に際し、定着フ
イルム24に対するトナーオフセツトは実質的に発生する
ことはない。
またトナーの溶融中にフイルムを分離しているため、
トナー像に光たくを生じることがない。このトナーの溶
融中というのはトナーの粘度がガラス転移点より大であ
る状態である。
また、本実施例において、加熱体20のうち発熱体22及
び基板21の熱容量が小さく、かつこれらが支持体27によ
り断熱支持されているので、圧接部Nにおける加熱体20
の表面温度は短時間にトナーの融点(又はシートPへの
定着可能温度)に対して十分な高温に昇温するので、加
熱体をあらかじめ昇温させておく(いわゆるスタンバイ
温調)必要がなく、省エネルギーが実現でき、しかも機
内昇温も防止できる。
なお、本実施例では加熱体への通電として、ACを用い
たが、DCのパルス状通電を用いてもよい。
次に本発明の定着装置に用いられる定着フイルムにつ
いて詳述する。
前述した通りこの定着フイルムには強度、耐熱性が要
求される。
この強度、耐熱性に優れた材質、例えばポリイミドを
使用した場合、ポリイミドのフイルムに対するトナーの
離型性が悪く若干のオフセツトが見られた。
そこで、本発明で使用される定着フイルム24の実施例
について、以下説明する。
〔実施例1a〕 第1図に示すように、定着フイルム24は、シームレス
の円筒形状をなす。円筒の直径は50mmであり、面長は23
0mmである。
第5図は定着フイルム24の層構成断面模式図である。
24aは強度的にも優れた耐熱層で、定着フイルム24の基
層(ベースフイルム)であり、この層の下面が加熱体20
と接する。24bは該耐熱層の外面(トナー画像に対面す
る側の面)に積層した離型層である。
耐熱層24aは厚さ18μmのポリイミドであるが、他に
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサ
ルフオン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリパ
ラバン酸(PPA)などの高耐熱性樹脂フイルムなど、強
度,耐熱性にも優れたものが使用できる。耐熱層24は、
本実施例のポリイミドの場合、同筒形の型を用いたキヤ
ステイング法によりシームレス円筒状のフイルムを得て
いるが、シームレス円筒を得る方法はこれに限定され
ず、例えばシート状のポリイミドフイルムを貼り合わせ
て円筒状にした後、貼り合わせ面を研磨してシームレス
化してもよい。また、PES等の熱可塑性の樹脂の場合、
インフレーシヨン法等によりシームレス円筒を得ること
ができる。またNi等の金属を用いた場合は、電鋳法等に
よりシームレス円筒を得ることができる。
離型層24bは厚さ7μmのポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)からなるが、他にPFA,FEP等のフツ素樹脂な
ど、トナーに対する離型性が良いものが使用可能であ
る。
本実施例における、耐熱層24aに対する離型層24bの積
層形成法を以下に示す。耐熱層24aの表面にPTFE粒子を
含む分散液をスプレー法により均一に塗布し、風乾の後
焼成する。この焼成の際にPTFEから成る離型層24bが熱
収縮し、定着フイルム24が歪む可能性がある。この問題
を回避するために耐熱層24aの厚さを離型層24bの厚さよ
り大とすることが好ましい。
離型層24bの形成方法は上記の方法に限らず、次の方
法等も可能である。例えば、PTFE粒子を含む分散液を塗
布する方法としては、他にデイツピング法やロールコー
ト法や、静電塗装法を使用可能である。また、PTFE粒子
を含む分散液を用いず、CVDや真空蒸着等の方法で離型
層24bを成膜してもよい。
また、耐熱層24aの表面に離型層フイルムをラミネー
ト接着してもよい。この場合、シームレス円筒状の耐熱
層24aの外面に同じくシームレス円筒状の離型層24bをか
ぶせて熱接着してもよいし、シームレス円筒状の耐熱層
24aの外面をシート状の離型層24bでおおい、熱接着して
もよい。後者の場合、離型層24の継ぎ目の部分は、離型
層材料として熱可塑性で、しかも溶融粘度の低い材料を
用いることによりシームレス化できる。また、シート状
の耐熱層24aとシート状の離型層24bをあらかじめラミネ
ート接着した後に円筒状に貼り合わせ、その後接合部を
処理しシームレス円筒としてもよい。
なお、本実施例の定着フイルム24の厚さは、加熱体か
らの熱伝達をさまたげないよう薄い方が好ましく、100
μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。ただ
し、あまり薄くすると定着フイルムをシワなく駆動する
のが困難になるため、耐熱層の厚さを6μm以上、さら
に好ましくは12.5μm以上とするとよい。
また、本発明の定着フイルム24において、離型層の鉛
筆硬度は、JISK5400(ただし荷重は500g)測定法にて、
常温において4B〜9H、好ましくはHB〜9Hである。また、
200℃において5B〜9H、好ましくは2B〜9Hである。この
ような接着強度を得るために、耐熱層の表面をあらかじ
めアルカリ等の薬品や、コロナ放電等により粗面処理す
ることが好ましい。
次に定着フイルムの比較例及び更なる実施例について
説明する。
〔比較例1a〕 ポリイミド単体からなる定着フイルムを用いた場合、
ポリイミドの表面エネルギーが大きいため微量のトナー
が定着フイルムにオフセツトした。
特に、トナーの溶融中に記録材とフイルムの分離を行
っているため、ポリイミド単体のフイルムの場合オフセ
ツトは多い。
〔比較例1b〕 定着フイルムをPFA,PTFE等フツ素樹脂のみで形成した
場合、定着フイルムが加熱体による加熱で熱収縮した。
また、加熱状態で定着フイルムが加熱体と摺動するた
め、シートの摩耗が大きく、耐久性が得られなかった。
〔実施例1b〕 定着フイルム24を複数層で構成する場合、層と層の密
着性が悪いと、浮きやはがれが生じることがある。
そこで、第6図実施例では耐熱層24aと離型層24bの間
にフツ素樹脂系の接着層24cを設けている。
耐熱層24aに厚さ18μmのポリイミド、離型層24bに厚
さ7μmのPTFEを用いた例において、鉛筆硬度が前記の
テスト方法においてHBであった。これに対しフツ素樹脂
を含む接着層24cを1μm以上、好ましくは3μm以上
設けた例では、前記鉛筆硬度が3Hに向上した。
なお、離型層24bの材料としてPFA等のフツ素樹脂フイ
ルム等のシート状フイルム又はシームレスチユーブを用
い、ポリイミド等の耐熱層24aとの間に接着層24cを設
け、離型層24bと耐熱層24cを熱接着してもよい。
フツ素樹脂フイルムは表面の平滑性に優れるためオフ
セツト防止効果を更に高めることができると共に、離型
層の強度も大きくなり、定着スピードの遅いものや、発
熱体の発熱量の大きなものには特に有効である。
〔実施例1c〕 前述した様に、接着層を設けることで層同士の密着性
を高めることができるが、定着フイルムは熱応答性が良
い方が好ましく、熱容量をあまり大きくしたくない。こ
れは特開昭63−313182に示される加熱体をパルス状に通
電発熱させる場合等は特に必要なことである。
第7図実施例は接着層を設けることなく耐熱層24aと
離型層24bとの密着性を向上させている。
即ち、耐熱層24aの表面を粗面化し、この粗面は離型
層24bをコーテイングしている。
このように接着層を設けていないため定着フイルム24
の熱容量を増大することがなく、発熱体をパルス状に通
電発熱させる場合、特に有効である。
〔実施例1d〕 第8図では耐熱層24aの加熱体側にすべり性の良い摺
動層24dを設けている。
この構成により定着フイルムと加熱体の摩擦抵抗が軽
減でき、シートの駆動力低減、シートの走行安定性が実
現できるため発熱体とシートが摺動する場合、特に有効
である。
〔実施例1e〕 前述した様に、シートの熱容量を大きくせずに、シー
トと発熱体との摩擦力を低減させる実施例を第9図に示
す。
即ち、シートの発熱体と摺動する面を粗面とし、シー
トと発熱体の実際の接触面積を減らしている。
〔実施例1f〕 離型層24bや摺動面24dが更に硬度を必要とする場合、
この層に酸化チタン、チツ化チタン等の高硬度物質を混
入しても良い。
以上説明した実施例によれば、定着フイルム全体の強
度耐熱性は耐熱層24bによって確保され、かつ、トナー
との離型性は離型層24dで保障されるため、耐久性、高
いオフセツト防止効果が得られる。
また、強度、耐熱性に優れた耐熱層としてポリイミド
等の高耐熱性樹脂を使用した場合、定着フイルムが帯電
してしまい定着時に未定着のトナー像が静電気力により
乱されたり、トナーと定着フイルムが静電気力により吸
着し、前述した高いオフセツト防止効果を損ねることが
あった。また、定着フイルムが帯電し、表面電位が増大
し、他の部材との間で放電を起こしてノイズを発生し、
装置のマイクロコンピユータ等の制御回路が誤動作する
恐れがあった。
この定着フイルムの帯電をも防止できる実施例を次に
説明する。
耐熱層24a以外の表面層、特に少なくとも離型層24bを
低抵抗化する。
〔実施例1g〕 離型層24bをカーボンブラツク、ケツチエンブラツ
ク、グラフアイト等の炭素系粒子又は繊維を分散したPT
FE層とし、このPTFE層の体積抵抗率を108Ω・cmに低抵
抗化する。
この低抵抗化により定着フイルムの帯電が防止される
ため、静電気力による未定着画像が乱されるのを防止で
きると共に、シートがごみを吸着し、このごみによる離
型性の低下、加圧ローラ28の損傷などを防止できる。
また、定着フイルム24がエンドレスタイプでなく、第
3図実施例に示される巻取りタイプでは、定着フイルム
が重なることにより定着フイルムの低抵抗化されてない
側の表面が低抵抗層と接触することにより帯電電荷が消
散する。即ち、定着フイルム24の一方の表面層を低抵抗
化することにより、定着フイルムのトナー側の表面の帯
電防止効果はある程度得られる。しかし、トナー側の表
面層を低抵抗層とすることが好ましいことはもちろんで
ある。
更に、第1図に示される定着フイルムと加熱体が摺動
する場合、定着フイルムの加熱体側表面の帯電により固
定された加熱体20との間にゴムが介在して加熱体と定着
フイルムを損傷することがある。
本実施例によればこの問題をも解決できる。
更に、定着フイルムの両側表面の帯電防止を確実にす
るために定着フイルムの両側の表面層を低抵抗層とする
ことが好ましい。即ち、第10図実施例のようにシートの
耐熱層の発熱体側に層を設け、この層を低抵抗層とすれ
ば良い。
また、耐熱層にカーボンブラツク等の低抵抗充填材を
混入して、更に帯電防止効果を図っても良いが、耐熱層
の耐熱性強度が低下するため、耐熱層には混入しないこ
とが好ましい。
更には、低抵抗層としては体積抵抗率を1011Ω・cm以
下とすることで帯電防止効果が十分達成された。特には
109Ω・cm以下とすることで帯電防止効果は更に確実で
あった。
また、低抵抗充填材として炭素系材料に限るものでは
なく、チツ化チタン、チタン酸カリウム、銅、ベンガラ
等が使用可能である。
〔比較例〕
定着フイルムの離型層24b及び摺動層24dをカーボンブ
ラツク等の低抵抗物質を充填しない、体積抵抗率1015Ω
・cm以上のPTFEコーテイング層で形成した。
このシートを用い定着動作を繰り返したところ以下の
理由により定着フイルムが帯電し、定着フイルムにゴミ
が付着したり、記録材上の未定着画像が乱れたり、他の
接地した部材との間で放電を起こし、マイクロコンピユ
ータを含む制御回路が誤動作することがあった。
定着フイルム24が支持材27により記録材と剥離する
際の剥離放電により帯電。
駆動ローラ25及び従動ローラ26により回動される際
のころがり摩擦帯電及び剥離帯電。
定着フイルム24が加熱体20との摺動により摩擦帯
電。
〔実施例1h〕 低抵抗充填材を導電性(体積抵抗率104Ω・cm)の単
結晶繊維である酸化チタンウイスカーを混入した。
この導電性ウイスカーの混入により帯電防止に加えて
ウイスカーは硬度的に優れているため、更に摩耗が低減
し、定着フイルムの耐久性が更に向上した。
〔実施例1i〕 実施例1aにおいて、第10図に示すように、シートを除
電する除電手段50,51(例えばカーボンフアイバー製の
除電ブラシ)を当接させた。
定着フイルムの帯電防止効果が、さらに向上するとと
もに、低抵抗充填材の充填量を少なくしても高い帯電防
止効果は得られた。
この除電手段はシートの両側である必要はなく片側で
あっても良い。
また駆動ローラ25、従動ローラ24を金属等の導電体で
形成することによっても除電効果は向上する。
第4図は本発明の別の実施例の定着装置の断面図であ
る。
第1図に示した第1実施例の加熱体20のかわりに耐熱
ガラス等の透光部材を配し、該部材を介してエンドレス
定着フイルム24の内部に配置したハロゲンランプ等の輻
射源40によりトナー像を加熱する。
この実施例の場合、定着フイルムとして輻射波長に対
し透明なものが好ましい。そこで本実施例では、一例と
してフツ素を含有する透明ポリイミドから成る耐熱層24
aに透明のシリコン樹脂から成る離型層24bを用いてい
る。
本実施例では輻射による加熱であるので、トナーを更
に瞬時に昇温・加熱・溶融可能である。従ってシートP
が圧接部Nにある時のみ加熱すればよいので省電力が可
能であり、また機内昇温も少ない。
また、エンドレスの定着フイルムとしてはシームレス
円筒状に限らず、継ぎ目付の円筒状でもよい。その場
合、円筒の周長を使用するシートPよりも長くし、所定
のタイミングにてシートPが継ぎ目の部分に接触しない
ようにすればよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば定着フイルムの
強度、耐久性、離型性ともに優れ、長期にわたり良好な
定着が得られる。
更には定着フイルムの帯電による悪影響をも防止でき
る。なお、以上電子写真複写装置の定着装置について説
明したが、本発明は定着装置に限定されず、例えば、画
像を担持した記録紙を加熱し、表面性を改質する装置
等、一般に像担持体を加熱する装置に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の定着装置の断面図。 第2図は第1図実施例の定着装置を適用した複写装置の
断面図。 第3図,第4図は夫々本発明の別の実施例の定着装置の
断面図。 第5図乃至第9図は夫々、本発明の定着装置に用いられ
る定着フイルムの断面図。 第10図は本発明の更に別の実施例の定着フイルムの断面
図。 図において、 20……加熱体 24……定着フイルム 28……加圧ローラ P……記録材
フロントページの続き (72)発明者 足立 裕行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 丸田 秀和 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−68766(JP,A) 特開 昭60−143371(JP,A) 特開 昭60−237483(JP,A) 特開 昭49−105535(JP,A) 特開 昭57−100459(JP,A) 特開 昭58−35573(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱体と、一方の面がこの加熱体と摺動し
    他方の面が未定着トナー像を担持した記録材と接して共
    に移動するフィルムと、を有し、前記フィルムを介して
    前記加熱体からの熱により未定着トナー像を記録材上に
    定着しトナーの溶融中にフィルムと記録材を分離する定
    着装置において、 前記フィルムは複数の樹脂層からなり、少なくとも一層
    は耐熱層であり、トナー像と接する層はフッ素樹脂から
    なる離型層であることを特徴とする定着装置。
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