JP2621449B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2621449B2
JP2621449B2 JP63318097A JP31809788A JP2621449B2 JP 2621449 B2 JP2621449 B2 JP 2621449B2 JP 63318097 A JP63318097 A JP 63318097A JP 31809788 A JP31809788 A JP 31809788A JP 2621449 B2 JP2621449 B2 JP 2621449B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複写機・レーザビームプリンタ・ファクシ
ミリ・マイクロフィルムリーダプリンタ・画像表示(デ
ィスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置における定
着装置に関する。
更に詳しくは、電子写真・静電記録・磁気記録等の適
宜の画像形成プロセス手段により加熱溶融性の樹脂等よ
り成るトナーを用いて記録材(エレクトロファックスシ
ート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の
面に直接方式もしくは間接(転写)方式で目的の画像情
報に対応した未定着のトナー画像を形成担持させ、該未
定着のトナー画像を該画像を担持している記録材面に永
久固着画像として加熱定着処理する方式の画像形成装置
における定着装置に関する。
(従来の技術) 従来、この種の画像形成装置に用いられている定着装
置は、所定の温度に維持された加熱ローラと、弾性層を
有して該加熱ローラに圧接する加圧ローラとによって、
未定着のトナー画像が形成された記録材を挟持搬送しつ
つ加熱するローラ定着方式が多用されている。
又米国特許第3,578,797号明細書に開示のようなベル
ト定着方式も知られている。これは .トナー像を加熱体ウエブに接触させてその融点へ加
熱して溶融し、 .溶融後、そのトナーを冷却して比較的高い粘性と
し、 .トナーの付着する傾向を弱めた状態で加熱体ウェブ
から剥す、 という過程を経ることによって、オフセットを生ぜずに
定着する方式である。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら上述のような従来の熱ロール定着方式、
及びベルト定着方式には次のような問題があった。
熱ロール定着方式 .所定温度に立ち上がるまでにかなり時間がかかり、
その間は画像形成作動禁止の時間となる。即ち所謂ウエ
イトタイムがある。
.熱容量が必要な為大きな電力が必要である。
.回転ローラでローラ温度が高温の為に耐熱性特殊軸
受けが必要。
.ローラに直接手が触れる構成となり、危険があった
り、保護部材が必要。
.ローラの定温度及び曲率により記録材がローラに巻
き付き記録材のジャム(Jam)トラブルをみやすい。
ベルト定着方式 この方式の場合も上記熱ローラ定着方式の項や項
と同様のウエイトタイム、大電力消費等の問題がある。
本発明は、上述の従来装置の有していた問題点を解決
し、定着不良やオフセットを生じさせることなく加熱体
の熱容量を小さくすることを可能とし、その結果待機時
間や消費電力、更には機内昇温の小さい、またその立に
も顕著な特長を有する画像形成装置を提供することを目
的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明は下記の構成を特徴とする定着装置である。即
ち、フィルムと、このフィルムとニップを形成する加圧
部材と、を有し、前記ニップで未定着画像をフィルム側
に担持した記録材を挟持搬送し定着を行う定着装置にお
いて、前記フィルムの加圧部材側の表面には充填剤が混
入されており、この充填剤によりフィルムのこの表面の
粗さRz(十点平均粗さ)は、 0.3μm≦Rz≦10μm であることを特徴とする定着装置、である。
(作 用) (1)記録材の搬送方向と同一速度で同一方向に走行駆
動状態の定着フィルムと加圧部材との間に導入された画
像定着すべき記録材は、定着フィルム面に未定着トナー
画像担持側の面が密着して定着フィルムと一緒の重なり
状態で加熱体と加圧部材との相互圧接部(定着ニップ
部)を挟圧力を受けつつ互いに速度差による面ズレを生
じたり、しわ寄ったりすることなく一体的に重なり密着
して通過していく。
加熱工程 この相互圧接部通過過程で記録材面の未定着トナー画
像が定着フィルムを介して加熱体によって加熱軟化・溶
融される。この場合加熱体と加圧部材と相互圧接部にお
いて加熱体・定着フィルム・トナー画像・記録材は加圧
部材によって良好に押圧密着されて効果的に熱伝達され
ることにより、短い時間の加熱によってトナーは十分に
軟化・溶融されて良好な定着性が得られる。
ここで本発明で記述されるトナーの軟化・溶融に関し
て注記する。トナーの「融点」と便宜的に表現している
温度は、トナーが定着するために最低必要な温度を意味
しており、その定着下限温度で、溶融といえる程粘度が
低下する場合や、軟化といった程度の粘度低下の場合が
ある。したがって定着する際に溶融と便宜的に表現して
いる場合でも、実際には軟化といった程度の粘度低下を
示している場合がある。本発明ではこのような場合も含
む。同様に、トナーが冷却固定したと便宜的に表現して
いる場合も、トナーによっては固化とはいえず高粘度化
といった方が適切である場合がある。本発明ではこのよ
うな場合も含む。
冷却工程 定着フィルム面に密着して加熱体と加圧部材との相互
圧接部を順次に通過するトナー画像加熱軟化・溶融済み
の記録材部分は圧接部通過後も定着フィルム面に密着さ
せたままの搬送を引続きしばらく続行させ、この間を冷
却工程として前記加熱工程で軟化・溶融させたトナーの
熱を放熱させてトナーを冷却固定させる。この冷却固化
でトナーの凝集力は非常に大きくなって一団となって挙
動することになり、又記録材側に対する粘着・固着力が
増大する一方、定着フィルム側に対するそれは極めて低
下していく。記録材に対してはトナーは前記加熱工程で
加熱軟化・溶融された際加圧部材によって加圧されるた
め、少なくともトナー画像の一部は記録材表面層に浸透
し、その浸透分の冷却固化によるアンカー効果で冷却固
化トナーの記録材側に対する粘着・固着力が増大する。
離反(分離)工程 上記の冷却工程によりトナー画像の冷却固化がなされ
た後、定着フィルム面から記録材を順次に離反させる。
この離反時にはトナー画像は冷却固化で記録材に対する
粘着・固着力が十分に大きく、定着フィルムに対するそ
れは極めて小さい状態となっているから、画像定着済み
の記録材部分は定着フィルムに対するトナーオフセット
を発生することなく容易に順次に分離されていく。
かくして走行する定着フィルム面に未定着トナー画像
担持面が面するように画像定着すべき記録材を同一速度
で上記定着フィルムに密着走行せしめ、該定着フィルム
を介して加熱体によりトナー画像を加熱溶融せしめ、ト
ナー像が冷却固定化した後に記録材と定着フィルムとを
離反させているので定着フィルムに対するトナーオフセ
ットを発生することがなく、かつ熱容量の小さい発熱体
を用い、その発熱体への給電を簡素な構成のもとに行な
うことが可能となり、定着するためにトナーを昇温させ
るべき温度(融点または軟化点)に対して、十分に高い
温度の加熱体を維持することによってトナー画像を効率
的に加熱することが可能となり、少ないエネルギーで定
着不良のない十分良好な定着が可能となり、その結果、
装置使用時の待機時間や、消費電力、さらには機内昇温
の小さな画像形成装置を得るという効果を奏する。
なお、上記加熱・冷却・分離の3つの工程のう
ち、トナーが高温で十分に溶融するものであれば(トナ
ーの加熱溶融時の粘度が十分高ければ)加熱工程でトナ
ーを十分に高温溶融させたら直ちに(トナー温度が融点
以上のときに)記録材を定着フィルム面から分離させて
加熱工程後の冷却工程は廃止する構成にしてもよく、本
発明の範ちゅうに属するものである。
(2)前記したように記録材上の定着すべき未定着トナ
ー画像は加熱体と加圧部材との圧接部(定着ニップ部)
を定着フィルムと共に通過していく加熱工程で定着フィ
ルムを介して加熱体により加熱されて軟化溶融(低粘
化)され、加熱体と加圧部材間の印加圧力にて定着フィ
ルム面と密着化し、その密着状態のまま冷却工程で固化
(粘度増大)されてから定着フィルムとの分離がなされ
るので、定着フィルムとの分離がなされた定着済みのト
ナー画像の外面形状は定着フィルムのトナー画像と接す
る側の面の表面形状にならう。そのため定着フィルムの
トナー画像と接する側の面があまりに平滑であると定着
トナー画像の表面がそれにならって平滑面となって光沢
を持ち、画質・画像品位を低める。
この問題を回避するために、加熱工程で加熱されて軟
化溶融した低粘度状態のトナー画像が十分な冷却固化が
なされず実質的に軟化溶融直後時の低粘度状態であると
きに定着フィルムとの分離を行なうと所謂高温オフセッ
ト現象を生じやすいという別の問題を生じる。
本発明は、フィルムの表面粗さRzが0.3μm以上であ
るのでトナーがフィルム表面にならうことで生じる光沢
を防止することができ、またフィルム表面の粗さRzは10
μm以下であるのでトナーがフィルムに付着するオフセ
ットを防止することができる。
定着フィルムの上記粗面の具体的度合は後記実施例の
実験により粗度0.3μm≦Rz≦10μmであることが、定
着トナー画像の光沢による画質低下はないか、小さくて
実用範囲内となることがわかった。
また本発明は、フィルムの表面側に充填剤が混入さ
れ、これによりフィルムの表面が粗面化されて、サンド
ブラスト加工などの別途の粗面化加工を必要とせずに画
像の光沢を防止することができる。
(実施例) 本例装置は原稿載置台往復動型・回転ドラム型・転写
式の電子写真複写装置である。
(1)装置の全体的概略構成(第1図) 第1図において、100は装置機筺、1は該機筺の上面
板100a上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往
復動型の原稿載置台であり、機筺上面板100a上を図面上
右方a、左方a′に夫々所定の速度で往復移動駆動され
る。
Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下向きにして
原稿載置台1の上面に所定の載置基準に従って載置し、
その上に原稿圧着板1aをかぶせて押え込むことによりセ
ットされる。
100bは機筺上面板100a面に原稿載置台1の往復移動方
向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長手として開
口された原稿照明部としてのスリット開口部である。原
稿載置台1上に載置セットした原稿Gの下向き画像面は
原稿載置台1の右方aへの往動移動過程で右辺側から左
辺側にかけて順次にスリット開口部100bの位置を通過し
ていき、その通過過程でランプ7の光Lをスリット開口
部100b、透明な原稿載置台1を通して受けて照明走査さ
れる。その照明走査光の原稿面反射光が短焦点小径結像
素子アレイ2によって感光ドラム3面に結像露光され
る。
感光ドラム3は例えば酸化亜鉛感光層・有機半導体感
光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸3aを中心に所
定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動され、その回
転過程で帯電器4により正極性又は負極性の一様な帯電
処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿画像の結像露
光(スリット露光)を受けることにより感光ドラム3面
には結像露光した原稿画像に対応した静電潜像が順次に
形成されていく。
この静電潜像は現像器5により加熱で軟化溶融する樹
脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、該顕像たる
トナー画像が転写部としての転写放電器8の配設部位へ
移行していく。
Sは記録材としての転写材シートPを積載収納したカ
セットであり、該カセット内のシートが給送ローラ6の
回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレジストロー
ラ9により、ドラム3上のトナー画像形成部の先端が転
写放電器8の部位に到達したとき転写材シートPの先端
も転写放電器8と感光ドラム3との間位置に丁度到達し
て両者一致するようにタイミングどりされて同期給送さ
れる。そしてその給送シートの面に対して転写放電器8
により感光ドラム3側のトナー画像が順次に転写されて
いく。
転写部でトナー画像転写を受けたシートは不図示の分
離手段で感光ドラム3面から順次に分離されて搬送ガイ
ド10によって後述する定着装置11に導かれて担持してい
る未定着トナー画像の加熱定着処理を受け、画像形成物
(コピー)として機外の排紙トレイ12上に排出される。
一方、トナー画像転写後の感光ドラム3の面はクリー
ニング装置13により転写残りトナー等の付着汚染物の除
去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
(2)定着装置(第1・2図) 24はエンドレスベルト状の定着フィルムであり左側の
駆動ローラ25と、右側の従動ローラ26と、駆動ローラ25
の下方に配置した分離ローラ27と、駆動ローラ25と従動
ローラ26間の下方に配置した加熱体としての低熱容量線
状加熱体20の互いに平行な該4部材25・26・27・20間に
懸回張設してある。
従動ローラ26はエンドレスベルト状の定着フィルム24
のテンションローラを兼ねさせており、該定着フィルム
24は駆動ローラ25の時計方向回転駆動に伴ない時計方向
に所定の周速度、即ち画像形成部8側から搬送されてく
る未定着トナー画像Taを上面に担持した転写材シートP
の搬送速度と同じ周速度をもってシワや蛇行、速度遅れ
なく回動駆動される。
28は加圧部材としての、シリコンゴム等の離型性の良
いゴム弾性層を有する加圧ローラであり、前記のエンド
レスベルト状定着フィルム24の下行側フィルム部分を挟
ませて前記加熱体20の下面に対して不図示の付勢手段に
より例えば総圧4〜7kgの当圧接をもって対向圧接させ
てあり、転写材シートPの搬送方向に順方向の反時計方
向に回転する。
回動駆動されるエンドレスベルト状の定着フィルム24
はその外周面、即ち記録材としての転写材シートPのト
ナー画像と接する側の面を粗面化してある。この定着フ
ィルム24については後記(4)項で詳述する。
加熱体としての低熱容量線状加熱体20は例えば、厚み
1.0mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板21の下面の略
中央部分に長手に沿って例えばTa2N等の電気抵抗材料を
巾1.0mmに塗工して線状もしくは帯状の発熱体22を具備
させてなるものである。本例の場合はこの線状もしくは
帯状の発熱体22に対してその長手両端部より通電して発
熱体22を全長にわたって発熱させる。通電はDC100Vの周
期20msecのパルス状波形で、検温素子23によりコントロ
ールされた所望の温度、エネルギ放出量に応じたパルス
をそのパルス巾を変化させて与える通電制御回路構成に
してあり、パルス巾は略0.5〜5msecの範囲で制御され、
発熱体22はパルスが入力される都度瞬時に200〜300℃前
後まで昇温する。又本例では定着装置11よりも転写材シ
ート搬送方向上流側の定着装置寄りにシートの先端・後
端検知センサ(不図示)を設けてあり、該センサのシー
ト検知信号により発熱体22に対する通電期間をシートP
が定着装置11を通過している必要期間だけに制御してい
る。
定着フィルム24はエンドレスベルト状に限らず、第3
図例のように送り出し軸30にロール巻に巻回した有端の
定着フィルム24を加熱体20と加圧ローラ28との間、分離
ローラ27の下を経由させて巻取り軸31に係止させて、送
り出し軸30側から巻取り軸31側へ転写材シートPの搬送
速度と同一速度をもって走行させる構成であってもよ
い。
(3)定着実行動作 画像形成スタート信号により装置が画像形成動作して
転写部8から定着装置11へ搬送された、未定着のトナー
画像Taを上面に担持した転写材シートPの先端が定着装
置寄りに配設した前述のセンサ(不図示)により検知さ
れると定着フィルム24の回動(又は走行)が開始され、
転写材シートPはガイド29に案内されて加熱体20と加圧
ローラ28との圧接部Nの定着シート24と加圧ローラ22と
の間に進入して、未定着トナー画像面がシートPの搬送
速度と同一速度で同方向に面移動状態や定着フィルム24
の下面に密着して面ズレやしわ寄りを生じることなく定
着フィルム24と一緒の重なり状態で加熱体20と加圧ロー
ラ28との相互圧接部N間を挟圧力を受けつつ通過してい
く。
この相互圧着部通過過程を加熱工程として前記(作
用)の(1)−項に述べたトナー画像の加熱軟化・溶
融が行なわれる。本実施例における加熱工程は前述のご
とく、加熱体20に線状の発熱体22を設け、加熱体21と一
体的に形成された低熱容量の上記発熱体22にパルス状に
通電し発熱を繰り返すように構成された加熱体21によっ
て行なわれている。即ち所定の搬送速度で搬送されたシ
ートP上のトナー画像TaはシートPの搬送される定着フ
ィルム24とともに、順次加熱体20の発熱体22の幅に応じ
て決定される線状の加熱部の有効幅内Wに送り込まれて
加熱を受けて軟化・溶融像Tbとなる。
加熱体20と加圧ローラ28との相互圧接部Nを通過した
シート部分は分離ローラ27の位置へ到達するまでの間は
加熱体20と分離ローラ27間で展張して正走行している定
着フィルム部分に引き続き密着したまま搬送されてい
く。
この搬送過程を冷却工程として前記(作用)の(1)
−項に述べたように軟化・溶融トナーTbの熱が放熱さ
れてトナーの冷却固化Tcがなされる。
そして分離ローラ対27の位置へ到達すると、定着フィ
ルム24は曲率の大きい分離ローラ27の面に沿ってシート
P面から離れる方向に走行方向が転向されて定着フィル
ム24とシートPとが互いに離反(分離)してシートPは
排紙トレイ11へ排紙されていく。この離反時点までには
トナーは十分に冷却固化して前記(作用)の(1)−
項に述べたようにシートPに対するトナーの粘着・固着
力が十分に大きく、定着フィルム24に対するそれは極め
て小さい状態となっているから定着フィルム24とシート
Pの離反は定着フィルム24に対するトナーオフセットを
実質的に発生することなく容易に順次になされる。
本実施例においては加熱体20の線状の発熱体22は通電
により短時間にトナーの融点(ないし定着可能温度)に
対して充分な高温に昇温するので、加熱体の予備加熱が
不要である。
かかる構成の本実施例装置にあっては、シートP上の
加熱融性のトナーより成るトナー画像は先ず、定着フィ
ルム24を介して加熱体20によって加熱溶融され、特に、
その表層部は完全に軟化溶融する。この際、加圧ローラ
28によって加熱体、定着フィルム、トナー画像、シート
は良好に密着されており、効率的に熱伝達される。これ
によりシートP自体の加熱は極力抑えてトナー画像を効
率的に加熱溶融させることができ、特に、通電発熱時間
を限定することにより、省エネルギー化を図ることがで
きる。
加熱体は小型もので十分でありそのため熱容量が小さ
くなり、予め加熱体を昇温させる必要がないので、非画
像形成時の消費電力も小さくすることができ、また機内
昇温も防止できることになる。
(4)定着フィルム24について 定着フィルム24は耐熱性・離型性・耐久性等のある、
一般に100μm以下、好ましくは40μm以下の単層或は
複合層フィルムを使用できる。
第4図は複合層フィルムの一例の層構成断面模式図で
あり、24aは定着フィルムの基層(ベースフィルム)と
しての耐熱層、24bは該耐熱層24aの外面(トナー画像に
対面する側の面)に積層した離型層であり、この離型層
の自由面を粗面化24cとしてある。この粗面化離型層面
が該定着フィルムの、トナー画像に接する側の面であ
る。
耐熱層24aは例えばポリイミド、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポ
リエーテルイミド(PEI)、パリパラバン酸(PPA)、PF
Aなどの高耐熱性樹脂フィルムや、Ni・SUS・Al等の金属
など、強度・耐熱性に優れたものが使用できる。
離型層24bは例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)・PFA・FEP等のフッ素樹脂や、シリコン樹脂などが
好ましい。耐熱層24aに対する離型層24bの積層形成は離
型層フィルムの接着ラミネート、離型層材料の静電塗装
(コーティング)・蒸着・CVD等の成膜技術による積
層、耐熱層材料と離型層材料の共押し出しによる2層フ
ィルム化などで行なうことができる。
本実施例においては、離型層24bに充填剤を混入する
ことでフィルムの加圧部材側の表面を前記の表面粗さ範
囲の粗面化24c状態にしてある。具体的には、 耐熱層24a …厚さ20μmのポリイミドフィルム 離型層24b …充填剤として平均粒径0.3μmのSiO2微粒子を配合混
入した厚さ10μmのPTFEフィルム 離型層24bの焼成後のサンドブラスト加工はなし。し
かし充填剤の混入により離型層24bの外表面はRz=0.6μ
m、深さ0.3μm以上の凹凸の平均距離1μmの粗面化
状態になっている。Rzは充填剤の平均粒径(本実施例で
は0.3μm)を選択することで設定可能である。従って
この例の特有の効果としてはサンドブラスト加工などの
別途の粗面化加工を必要としないことである。
充填剤はSiO2以外に、例えばアルミナ・酸化チタン・
チッ化チタン等でもよいし、金属粒子やカーボンブラッ
ク粒子等の低抵抗物質を用いることもできる。
低抵抗物質を用いることによる特有の効果として該物
質の混入で離型層の体積抵抗率を1011Ω・cm以下、好ま
しくは107Ω・cm以下とすることで、定着フィルムのト
ナー像接触面の帯電防止による、トナーの静電気オフセ
ット防止が可能となる。
耐熱層24aと離型層24bの接合を強化するために、耐熱
層24aの、離型層24bを形成する側の面を放電処理して離
型層24bを形成する、耐熱層24aと離型層24bの間のフッ
素樹脂等の接着層を設ける等の処置をするとよい。接着
層の厚さは定着フィルムの熱容量を低減させるために薄
い方が好ましく、5μm以下が望ましい。
この定着フィルム24を用いて得られる定着トナー画像
の表面形状は、第5図に模式的に示したように定着フィ
ルム24の粗面化24cした離型層24bの表面形状にならい、
Rzは約0.6μm、凹凸の平均距離は0.3μm以下となっ
た。これにより定着トナー画像の画質低下は小さく、実
用範囲内であった。
定着フィルム24は強度・離型性を両立できれば単層フ
ィルムであってもよく、その外表面の粗面化は前述の離
型層24bの場合と同様に充電剤を混入することで行うこ
とができる。例えば充電剤で強化したPFA等が使用可能
である。
比較例1 上記の定着フィルムで、離型層表面の粗面加工をしな
い場合、定着フィルムのトナー画像側表面(離型層表
面)のRzは0.1μm以下である。
このような定着フィルムを用いて得た定着トナー画像
は第6図例のようにその表面形状が平滑で光沢を持ち、
画質上問題であった。
本発明者らが行なった実験によると、定着フィルムの
トナー画像側表面のRzが0.3μm以上で、かつ深さ0.3μ
m以上の凹凸の平均間隔が50μm以下、好ましくは20μ
m以下であれば定着画像の光沢が実用上問題なかった。
比較例2 上記の定着フィルムにおいて離型層24bの厚さを20μ
mにし、粗面化度のRzを12μmにした定着フィルムを用
いて定着動作を行なった場合、 .定着フィルムの凹凸がそのまま定着フィルムの厚さ
ムラとなり、場所による定着性のムラが発生した。
.定着フィルムへのトナーの物理的接着力が増し、オ
フセットトナー量が増加した。
本発明者らの実験によると、このような問題が許容さ
れるRzの上限は10μmであるが、好ましくは3μm以下
である。
(5)その他 前述第3図のように定着フィルム24として有端のもの
を用いる場合、送出し軸側の定着フィルムが巻取り軸側
にほとんど全て巻取られて使用されたら新しいロール巻
フィルムと交換する方式にすることもできる(巻取り交
換式)。
このような巻取り交換式の場合は定着フィルムの耐久
性に関係なく薄肉化が可能となり、低電力化することが
できる。例えば定着フィルムとしてPET(ポリエステ
ル)フィルムなどの安価な基材を用い、耐熱処理を施し
た例えば12.5μm程度又はそれ以下の薄肉のものを用い
ることができる。
或は定着フィルム面へのトナーオフセットは前述した
ように実質的に生じないので定着フィルムの使用に伴な
う熱変形や劣化が小さければ巻取り軸側へ巻取られた使
用済みのシートを適時に送出し軸側へ巻戻し制御して、
或は巻取り軸側と送出し軸側とを反転交換するなどして
複数回繰返して使用することもできる(巻戻し繰返し使
用式)。
巻戻し繰返し使用式では定着フィルムとしては例え
ば、耐熱性・機械的強度等に優れた基材として25μm厚
のポリイミド樹脂フィルムを用いてその面に離型性の高
いフッ素樹脂等よりなる離型層を設けた複合層フィルム
を用いることができ、巻戻し逆走行時は圧力解除機構を
自動制御させて加熱体と加圧ローラとの当圧接を解除状
態に保持させるのがよい。
巻戻し繰返し使用式やエンドレスベルト型のように複
数回使用する場合は、フィルム面クリーニグ用にフェル
トパッドを設けると共に若干の離型剤、例えばシリコン
オイルを含浸させて該パッドをフィルム面に当接するさ
せるなどしてフィルム面のクリーニングと離型性の更な
る向上を行なうようにしてもよい。定着フィルムが絶縁
性のフッ素樹脂処理品の場合などではトナー画像を撹乱
する静電気がフィルムに発生し易いので、その対処のた
めに接地した除電ブラシで除電処置するのもよい。接地
せずにブラシにバイアス電圧を印加してトナー画像を撹
乱しない範囲でフィルムを帯電させても良い。さらにフ
ッ素樹脂に導電性の粉体繊維、例えばカーボンブラック
等を添加して、上述の静電気による画像乱れを防止する
のも一策である。また、加圧ローラの除帯電及び導電化
に関しても同様の手段により行なうことができる。ま
た、帯電防止剤等の塗布や、添加を行なっても良い。
定着フィルムはエンドレスベルト式、巻取り交換式、
巻戻し繰返し使用式の何れにしても定着装置11の所定部
所に着脱自在のカートリッジ構成にすることにより定着
フィルムの交換等を容易化することができる。
加熱体20の構成及び発熱体22への通電制御は実施例の
ものに限定されない、加熱体20は熱ローラ型であっても
よいし、発熱体22は厚膜の抵抗体やPTC特性を有するセ
ラミック製チップ・アレイなどであってもよく、通電制
御もパルス状に与えるものではなく通常通電であっても
よい。
加熱工程で加熱溶融されたトナーの冷却固化は自然放
熱で行なってもよいし、送風手段、放熱フインの配設等
で強制冷却で行なうようにすることもできる。
トナーが高温で十分に溶融するものであれば、第7図
例のように加熱工程(定着ニップ部)でトナーを十分に
高温溶融させたら加熱工程後の冷却工程なしに直ちに記
録材(転写材シート)Pを定着フィルム24面から分離さ
せる構成にしてもよい。
以上の実施例装置は転写式の電子複写装置であるが、
画像形成のプロセス・手段はエレクトロファックス紙・
静電記録紙等に直接にトナー画像を形成担持させる直接
式や、磁気記録画像形成式、その他適宜の画像形成プロ
セス・手段で記録材上に加熱溶融性トナーによる画像を
形成し、それを加熱定着する方式の複写機・レーザビー
ムプリンタ・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプ
リンタ・ディスプレイ装置・記録機等の各種の画像形成
装置に本発明は有効に適用できるものである。
(発明の効果) 以上のように本発明はフィルム加熱方式の定着装置に
ついて、定着不良やオフセットを生じさせることなく加
熱手段である加熱体の熱容量を小さくすることが可能
で、待機時間や消費電力、さらには機内昇温の小さい良
好な定着画像画質の画像形成物を常に安定に出力できる
装置を実現できる。又定着フィルムは薄肉のものをシワ
発生の問題なく支障なく長期にわたって繰り返して使用
することができる。
本発明は、フィルムの表面粗さRzが0.3μm以上であ
るのでトナーがフィルム表面にならうことで生じる光沢
を防止することができ、またフィルム表面の粗さRzは10
μm以下であるのでトナーがフィルムに付着するオフセ
ットを防止することができる。
本発明は、フィルム表面の粗面化をフィルムの表面側
に充填材を混入することで行ったので、サンドブラスト
加工などの別途の粗面化加工を必要とせずに画像の光沢
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は一実施例装置の概略構成を示す縦断正面図、第
2図は定着装置部分の拡大図、第3図は定着装置の他の
構成例の概略図、第4図は定着フィルムの一例の層構成
の断面模型図、第5図は定着トナー画像の表面形状を示
す模式図、第6図は光沢を持つ定着トナー画像の表面形
状を示す模式図、第7図は定着装置の他の構成例の概略
図である。 3はドラム型回転感光体、11は定着装置、24は定着フィ
ルム、20は加熱体、28は加圧ローラ、Pは転写材シー
ト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 裕行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−68766(JP,A) 特開 昭60−60671(JP,A) 特開 昭61−32081(JP,A) 特開 平2−72383(JP,A) 特開 昭53−77534(JP,A) 特開 昭53−110842(JP,A) 実開 昭60−49564(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムと、このフィルムとニップを形成
    する加圧部材と、を有し、前記ニップで未定着画像をフ
    ィルム側に担持した記録材を挟持搬送し定着を行う定着
    装置において、 前記フィルムの加圧部材側の表面には充填剤が混入され
    ており、この充填剤によりフィルムのこの表面の粗さRz
    (十点平均粗さ)は、 0.3μm≦Rz≦10μm であることを特徴とする定着装置。
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