JPH10239889A - 受像シート及びそれを用いる画像形成装置 - Google Patents

受像シート及びそれを用いる画像形成装置

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JPH10239889A
JPH10239889A JP9046480A JP4648097A JPH10239889A JP H10239889 A JPH10239889 A JP H10239889A JP 9046480 A JP9046480 A JP 9046480A JP 4648097 A JP4648097 A JP 4648097A JP H10239889 A JPH10239889 A JP H10239889A
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Shuhei Mori
周平 毛利
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐オフセット性に優れ、高画質で高い表面平
滑性を持つ画像を形成することのできる受像シート及び
画像形成装置を提供する。 【解決手段】 基材41上にトナーによる画像を定着可
能な受像層42を有する受像シート及びそれを用いる画
像形成装置において、前記受像層42の熱的特性を前記
トナーの定着温度において、貯蔵弾性率(G’)が1×
102Pa〜1×105Paであり、かつ損失弾性率
(G”)が1×102Pa〜1×105Paとすることに
より、画像のつぶれが無く鮮明であり、かつ優れた定着
性、耐オフセット性、耐巻付き性を有する受像シート及
び画像形成装置を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受像シート及びそ
れを用いる画像形成装置に関し、更に詳しくは、電子写
真用の受像シート及びそれを用いる画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、プレゼンテーション等において高
画質なカラー画像は必須であり、電子写真においても色
再現性、画像密度などいかに画質を改善するかが、開発
の課題となっている。これらのカラー画像の彩度、画像
密度、光沢を補うために、専用紙として光沢紙等の受像
シートがある。これらの受像シートは、シート上に受像
層として樹脂層を設ける事により、熱によるトナーの定
着時にドットのつぶれやずれ、ぬけといった画質の劣化
を防ぎ、普通紙に対して画像が鮮明に再現される。そし
て、更にトナーの定着後の画像表面の平滑性を高める事
により、銀塩写真の様な光沢性や耐光性、耐水性を得る
事ができる。
【0003】このような受像シートは、基材に透明なシ
ートを用いる事で、オーバーヘッドプロジェクター(O
HP)に使用される投影用のOHPシートとしても有効
である。そして、OHPシートとして用いた場合には、
特に表面平滑性の差が投影画像の発色性に顕著に現れ
る。
【0004】更に、電子写真プリンターとしては、特に
フルカラーの画像形成装置では小型化や省電力化、また
インクジェットプリンターとの差別化を謀る意味で更な
る高速化が望まれている。この点から、トナーを加熱溶
融して記録紙上に定着を行なう定着手段は、より少ない
熱量での定着が必要とされている。しかし、一般的に光
沢性のある画像を出すためには、定着手段でトナーを十
分に溶融して画像表面を平滑にする事から、定着には高
い熱量が必須である。もし、低い熱量で画像表面を平滑
にしようとすると、トナー、又は受像シートの受像層と
して、かなり低軟化点の樹脂を用いる必要がある。更
に、平滑性とともに耐オフセット性、耐ブロッキング性
も考慮しなければならず、樹脂として複雑な熱特性の設
計が必要となる。
【0005】その他にも定着手段として見たとき、シー
トの巻付き、搬送性等も考慮しなければならず、光沢性
も含めた高画質が要求されている画像形成装置では、受
像シートのみでなく、トナー、定着手段についても最適
化する必要がある。
【0006】このような要求を満たすために、特開平2
−263642号公報では、溶解度パラメータが9.5
〜12.5であり、160℃における貯蔵弾性率
(G’)が100〜10000dyn/cm2の透明樹
脂層を形成した透明ラミネートフィルムが開示されてい
る。更にこの公報では、トナーの定着温度において、ト
ナーの結着樹脂よりも貯蔵弾性率(G’)の大きな樹脂
を透明樹脂層として用いる事により透光性を高めてい
る。
【0007】また、特開平8−194394号公報で
は、溶解度パラメータが10〜13であり、150℃に
おけるトナー自体の貯蔵弾性率(G’1)に対して、転
写紙表面の樹脂の貯蔵弾性率(G’2)がG’1−15
〜G’1+150の範囲が好ましいと開示されている。
【0008】また、特開平4−212168号公報で
は、トナー又はトナー用樹脂より被覆層樹脂の損失正接
が大である事が開示されている。
【0009】また、表面の平滑性を出すという点で、特
開平4−125567号公報ではカラートナーより低軟
化点の熱可塑性樹脂を含有するトナー像保持層を形成
し、トナーが保持層中に埋め込まれ凹凸の少ない印字物
を得る事により上記問題の解決を図っている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平2−2
63642号公報記載の透明樹脂層は、貯蔵弾性率のみ
で定着時の粘弾性特性を議論しているが、レオロジーの
観点からすれば、主に粘性体としての特性を表す損失弾
性率(G”)や、弾性変形から粘性変形への状態の変化
を表す損失正接等のパラメータを加味しなければ高度な
設計、最適化はできない。同様の事は特開平8−194
394号公報、特開平4−125567号公報記載の方
法でも言える。更にトナーの結着樹脂よりも貯蔵弾性率
の大きな樹脂を透明樹脂層として用いる場合、上記で述
べた様な低熱量での定着を行うためには、軟化点、溶融
粘度の低いトナーとなってしまい、トナー自体の流動性
や耐ブロッキング性が低くなり、定着した際にトナー粒
子の変形量が大きく、ドットや細線がつぶれて広がるた
め、シャープな画像が得られない。また、画像形成装置
全体としてみた場合、フィルミング等の影響を受けるプ
ロセスが多く、その結果として総合的な負荷も大きくな
る。
【0011】また、特開平4−212168号公報記載
のトナー又はトナー用樹脂と被覆層樹脂の損失正接の値
を議論しているが、損失正接は損失弾性率と貯蔵弾性率
の比(G”/G’)であるため、実際の定着性に対して
は、樹脂の状態変化を表す損失性接のピークの、定着温
度に対する、或はトナーが示す損失性接のピークに対す
る関係が大きく影響する。つまり損失正接は、ある温度
での比較よりも、ピークを示す温度が重要である。
【0012】そして、特開平4−125567号公報記
載の様な低軟化点の樹脂層を受像シート上に塗布する
と、溶融時の樹脂の凝集力が弱いため、定着時にトナー
層、及びトナー像保持層の定着ローラへのオフセットが
発生しやすく、また保存時にもブロッキング等による受
像シートの融着が問題となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来技
術に鑑みてなされたものであり、基材上にトナーによる
画像を定着可能な受像層を有する受像シートにおいて、
受像層はトナーの定着温度において、貯蔵弾性率
(G’)が1×102Pa〜1×105Paであり、かつ
損失弾性率(G”)が1×102Pa〜1×105Paで
ある事を特徴とする。
【0014】更に、受像層は、損失弾性率(G”)と貯
蔵弾性率(G’)の比である損失正接(G”/G’)
が、トナーの定着温度において、0.01〜10である
事を特徴とする。
【0015】更に、受像層の樹脂は、損失弾性率
(G”)と貯蔵弾性率(G’)の比である損失正接
(G”/G’)が50〜150℃の範囲で少なくとも一
つのピークを有する事を特徴とする。
【0016】更に、基材上に受像層を有する受像シート
の受像層上にトナーによる画像を形成した後、熱及び圧
力による定着手段により画像を定着する画像形成装置に
おいて、受像層はトナーの定着温度において、貯蔵弾性
率(G’)が1×102Pa〜1×105Paであり、か
つ損失弾性率(G”)が1×102Pa〜1×105Pa
である事を特徴とする。
【0017】更に、受像層は損失弾性率(G”)と貯蔵
弾性率(G’)の比である損失正接(G”/G’)が、
トナーの定着温度において、0.01〜10である事を
特徴とする。
【0018】更に、受像層の樹脂は、損失弾性率
(G”)と貯蔵弾性率(G’)の比である損失正接
(G”/G’)が50〜150℃の範囲で少なくとも一
つのピークを有する事を特徴とする。
【0019】また、受像層の貯蔵弾性率(G’)が、ト
ナーの定着温度において、トナーの貯蔵弾性率(G”
t)より小さい事を特徴とする。
【0020】更に、受像層の損失弾性率(G”)が、ト
ナーの定着温度において、トナーの損失弾性率(G”
t)より小さい事を特徴とする。
【0021】更に、受像層及びトナーの損失正接(G”
/G’)が少なくとも一つのピーク値を有し、かつ受像
層及びトナーの最も低温側のピーク値の温度をそれぞれ
Ts、Ttとした場合、Ts<Ttを満たす事を特徴と
する。
【0022】また、定着手段が加熱部材と加圧部材によ
る圧接部を有し、この圧接部に、トナーによる画像を形
成した受像シートを通過させる事により、画像を定着す
るとともに、定着手段の圧接部の圧力をPkgf/cm
2としたとき、 1kgf/cm2≦P≦20kgf/cm2 である事を特徴とする。
【0023】更に、受像シート搬送方向に対する圧接部
の長さをLmmとしたとき、 0.5mm≦L≦10mm である事を特徴とする。
【0024】更に、受像シート搬送方向に対する圧接部
の長さをLmm、圧接部の圧力をPkgf/cm2とし
たとき、 0.5P≦L≦0.5P+4 である事を特徴とする。
【0025】また、定着手段が圧接部を有し、この圧接
部にトナーによる画像を形成した受像シートを通過させ
る事により、画像を定着するとともに、圧接部で受像層
に接する部材の平均山間隔(Sm)が20μm以上であ
る事を特徴とする。
【0026】更に、圧接部で受像層に接する部材の表面
粗さである中心線平均粗さ(Ra)をrμm、平均山間
隔(Sm)をsμm、またトナーの平均粒径をdμmと
したとき、 sr≦2d である事を特徴とする。
【0027】また、定着手段が圧接部を有し、この圧接
部にトナーによる画像を形成した受像シートを通過させ
る事により、画像を定着する画像形成装置において、定
着手段の圧接部が少なくとも2ヶ所ある事を特徴とす
る。
【0028】更に、定着手段の複数の圧接部で、最も大
きな圧力を有する圧接部(N1)が、受像シートの搬送
方向に対して、第2に大きな圧力を有する圧接部(N
2)より、下流側にある事を特徴とする。
【0029】更に、定着手段の複数の圧接部が、加熱部
材に複数の加圧部材を圧接する事により形成され、受像
シートの搬送方向に対して、最上流部の圧接部(Ns)
と最下流部の圧接部(Ne)間であり、受像シートが移
動した距離をKse、最上流部の圧接部(Ns)と最も
大きな圧力を有する圧接部(N1)間であり、受像シー
トが移動した距離をKs1としたとき、 Kse/2≦Ks1 である事を特徴とする。
【0030】また、定着手段の複数の圧接部のうち、受
像シート搬送方向に対して、最下流部の圧接部を形成す
る加熱又は加圧部材であり、受像層側に接する部材のJ
ISA硬度(Mf)が他方の部材のJISA硬度(M
b)に対して Mf≦Mb である事を特徴とする。
【0031】また、受像層にトナーを埋没させる事によ
り画像を形成する事を特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の受像シートを図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明の受像シートの基本的構
成であり、基材41上に受像層42を形成したものであ
る。
【0033】本発明の受像シートで用いられる基材41
としては、周知の樹脂や紙等が用いられる。例えば、ポ
リエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル
フィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィ
ルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネイトフ
ィルム、トリアセテートフィルム、ポリエーテルサルフ
ォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン
(PEEK)フィルム、塩化ビニルフィルム、メチルメ
タアクリレートをはじめとする各種のアクリルフィルム
またはセロファンフィルムなどがある。なかでもポリエ
ステルフィルム、が機械的、熱的強度、コスト等で好ま
しい。この用途に供する基材シートの厚さは、記録手
段、要求される強度等により適宜に決定するものではあ
るが、通常は50〜300μm、好ましくは80〜12
0μmのものが用いられる。
【0034】基材41上に設ける受像層42を形成する
樹脂は、透明な樹脂を主成分とするものであり、透明性
を大きく阻害しない範囲で添加剤として、帯電防止剤、
界面活性剤、分散剤、滑剤、マット剤、可塑剤等を含ん
でいても良い。また、ベースとなる樹脂の粘弾性特性を
大きく阻害しなければ、受像層の他に帯電防止層、ブロ
ッキング防止層、接着層等を設けても良い。
【0035】ベースとなる透明な樹脂としては、塗膜形
成ができればよく、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン
系樹脂、ポリアクリル酸エステル、スチレン−メタクリ
ル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、酢酸セルロー
ス等のセルロース系樹脂、ポリカーボネイト系樹脂、ポ
リオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル
モノマーとの共重合体、アイオノマー、エチルセルロー
スなどがある。中でもトナーとの相溶性、ぬれ性等を考
えるとトナーの樹脂と同系統の樹脂が最も好ましい。
【0036】本発明の受像シートは上記記載の材料を用
い、更に必要に応じて各種助剤を添加して適当な溶剤に
溶解あるいは分散して調製した組成物を、基材上にバー
コート法等の公知の方法により塗布、乾燥して形成され
る。
【0037】受像層の厚さはトナー粒子径の50%を上
回る厚さとする事が好ましい。これを下回るとトナーが
埋まったときに、画像表面の凹凸やトナーの間隙を十分
に埋める事ができなくなるからである。現在、一般に使
用されているトナーの平均最小粒子径は約6〜7μmで
ある。したがって、受像層の厚さは3μm以上、より好
ましくは10μm以上である。また、逆に受像層が厚す
ぎると定着時に画像のずれや歪みが生じ、画質に悪影響
を与えるので受像層の厚さは約100μm以下、特に5
0μm以下とする事が好ましい。
【0038】次に、本発明の実施の形態について、カラ
ー画像を形成する装置を例にとって図面を参照して説明
する。
【0039】図2は本発明の画像形成装置を示す装置断
面図であり、ベルト状の中間転写体を用いたカラー画像
形成装置である。
【0040】図2を用いて、本装置の全体構成と作用を
説明する。
【0041】図2において、ドラム状の感光体1(像担
持体)は、図示しないモータ等の駆動源により矢印D方
向に回転駆動される。感光体1の外周には帯電ローラ等
の帯電手段2が配置され、感光体1に当接回転しながら
感光体1の表面が一様に帯電される。
【0042】表面が一様に帯電された感光体1は、レー
ザー走査光学系等の潜像形成手段3によって第一色目と
して例えばイエローの画像情報に応じて選択的に走査露
光され、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0043】静電潜像が記録された感光体1の回転方向
下流側には、現像剤としてそれぞれイエロー、マゼン
タ、シアン、ブラックのトナーを貯蔵し、感光体1に対
して離接自在な現像手段4、5、6、7が配置され、形
成されたイエロー用の静電潜像はイエロー現像手段4の
みが感光体1と当接して現像する事でイエローのトナー
像が形成される。
【0044】トナー像が形成された感光体1の回転方向
下流側には、感光体1に隣接して中間転写ベルト8が配
置される。中間転写ベルト8は、駆動ローラ9、バック
アップローラ10、テンションローラ11、皺取りロー
ラ12に掛け回されており、感光体1の周速度と同一速
度で駆動されている。また、感光体1の駆動力を駆動ロ
ーラ9に伝達する事により、感光体1と中間転写ベルト
8とを同期駆動させている。
【0045】また、一次転写ローラ13は中間転写ベル
ト8を介して感光体1側に付勢されており、中間転写ベ
ルト8が感光体1と一次転写ローラ13によって挟持さ
れる一次転写位置において、図示しない高圧電源から一
次転写ローラ13へ電圧が供給される事で前述の手順で
形成されたイエローのトナー像が中間転写ベルト8の表
面に転写される。
【0046】中間転写ベルト8にイエローのトナー像を
転写した感光体1は更に矢印D方向へ回転し、クリーナ
ーブレード等で構成された感光体クリーナ14によって
感光体1の表面に残留するトナーが掻き取られ、再び画
像形成が可能となる。
【0047】同様の手順を第二色目から第4色目の画像
(マゼンタ、シアン、ブラック)に対して繰り返し行う
事で中間転写ベルト8上に4色のトナー像が順次重ね合
わせて記録される。
【0048】中間転写ベルト8へ4色のトナー像の重ね
合わせが終了すると、給紙ローラ20、紙搬送ローラ対
15および16によって紙カセット80(記録材収納手
段)から記録材17が給送され、これと同期して図示し
ないクラッチ機構とカム機構によって二次転写ローラ1
8が二次転写支点軸19を中心として矢印E方向に回転
して中間転写ベルト8を介してバックアップローラ10
と当接し、記録材17及び中間転写ベルト8がバックア
ップローラ10と二次転写ローラ18によって挟持され
る二次転写位置において、図示しない高圧電源から電圧
が二次転写ローラ18へ印加される事で中間転写ベルト
8上の4色のトナー像が記録材17へ一括して転写され
る。二次転写を終えた中間転写ベルト8にはクリーナー
ブレード等で構成された中間転写体クリーナ21が図示
しないクラッチ機構とカム機構によって矢印F方向へ回
動して当接し、中間転写ベルト8の表面に残留したトナ
ーが掻き取られ、掻き取りが終了すると中間転写体クリ
ーナ21は矢印Fとは逆方向に回動して退避する。
【0049】4色のトナー像が転写された記録材17
は、二次転写位置から記録材17を装置本体と略平行に
搬送する第一の記録材搬送路を経て定着手段22へ至
り、定着手段22で加熱加圧しながら挟持搬送されてト
ナー像が定着される。トナー像が定着された記録材17
は、定着手段22を通過後に紙送りローラ32により装
置本体の上面方向へとその搬送方向を変えられ、定着手
段22から記録材17を装置本体と略垂直に搬送し装置
上面へ至る第二の記録材搬送路に設置された排紙ローラ
対23および24によって装置上面へと排出され、カラ
ー画像記録が完了する。
【0050】カラー画像の彩度、画像密度、光沢を受像
シートで補うためには、画像表面の平滑化が重要であ
り、低い軟化点の受像層を用いる必要がある。しかし、
軟化点が低い受像層は、定着時に定着ローラへのトナー
や受像層自身のオフセットが問題となる。ゆえに受像層
の樹脂としては、平滑性と耐オフセット性という相反す
る特性を合わせ持つ必要がある。つまり、定着でかかる
熱での溶融時に、粘性体としての動的な動きを示し、か
つ弾性体としてのある程度の弾力性を維持できる特定な
レオロジー的特性を有する樹脂が優れていると考えられ
る。
【0051】本発明の受像シートの受像層は、トナーの
定着温度において、貯蔵弾性率(G’)が1×102
a〜1×105Paであり、かつ損失弾性率(G”)が
1×102Pa〜1×105Paである。
【0052】本発明の検討によれば、貯蔵弾性率
(G’)は弾性体としての弾力性を示し、1×105
aを超える場合には弾力性が強く、定着時にトナーが受
像層に埋まらずにトナーと受像層の段差ができる。ま
た、1×102Pa未満となる場合、復元力が弱くな
り、定着器を通過する際に、受像層表面に微細な波状の
紙送り皺である“波打ち痕”が生じ、表面の平滑性が悪
化する。
【0053】また、損失弾性率(G”)は粘性体として
の動的な動きを示し、1×105Paを超える場合に
は、受像層を溶融変形させるのに高い圧力などの力が必
要となり、1×102Pa未満となる場合は、流動性が
高くなり受像層の定着部材へのオフセットが生じる。
【0054】本発明において、受像層は損失弾性率
(G”)と貯蔵弾性率(G’)の比である損失正接
(G”/G’)が、トナーの定着温度において、0.0
1〜10である。上記した様に、損失弾性率(G”)と
貯蔵弾性率(G’)はそれぞれ粘性体、弾性体としての
性質を示し、その比である損失正接(G”/G’)は弾
性変形時の応力の緩和時間に対応すると考えられる。こ
の値が0.01未満となる場合は緩和時間が長く、復元
力が強く、定着後の画像表面の平滑性が悪い。また、1
0を超える場合には緩和時間が短く、変形し易いが凝集
力が弱く、波打ち痕が生じ易い。
【0055】本発明において受像層の樹脂は、損失弾性
率(G”)と貯蔵弾性率(G’)の比である損失正接
(G”/G’)が50〜150℃の範囲で少なくとも一
つのピークを有する。損失正接がピークを示す点では、
樹脂の主たる特性が弾性体から粘性体への性質へ移行す
る温度であり、ピークを示す温度が50℃未満の場合に
は、耐オフセット性、耐ブロッキング性ともに低下し、
150℃を超える場合には受像層を溶融変形させるのに
高い熱量と圧力が必要となる。
【0056】本発明のトナーの製造方法としては、結着
樹脂、顔料、必要に応じて用いられる荷電制御剤、離型
剤等を混合し、次いで、溶融混練、粉砕、分級する方法
を用いる事ができる。
【0057】本発明のトナーを構成する結着樹脂として
は特に限定されず、従来公知の種々の樹脂が用いられ
る。例えば、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アク
リル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂等が挙げられ
る。
【0058】更に、構成する着色剤としては特に限定さ
れず、従来公知の種々の材料が使用される。例えばカー
ボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カル
コイルブルー、ウルトラマリンブルー、キノリンイエロ
ー、クロムイエロー、メチレンブルークロライド、デュ
ポンオイルレッド、フタロシアニンブルー、マラカイト
グリーンオクサレート、ローズベンガル等が挙げられ
る。
【0059】また、流動性付与等の観点から、無機微粒
子を添加してもよい。無機微粒子としてはシリカ、チタ
ニア、アルミナ等の無機酸化物粒子が好ましく、更に、
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカッ
プリング剤等によって疎水化処理されていてもよい。
【0060】また、本発明のトナーは非磁性一成分トナ
ー、二成分現像剤、磁性一成分現像剤の何れとしても用
いる事ができる。
【0061】また、本発明に於けるトナーの平均粒径は
体積平均粒径であり、4〜20μm、好ましくは5〜1
5μmである。なお、体積平均粒径はコールターカウン
ターで測定された値を示す。
【0062】画像の光沢性には画像表面の平滑化が必要
という点では、一般的にトナーの弾性力、粘性力を低下
させるという事が行われている。しかし前述した様に、
トナーとしては、フィルミング等の影響を受けるプロセ
スが多く、総合的に見たとき望ましくない。
【0063】本発明の画像形成装置では、受像層の貯蔵
弾性率(G’)が、トナーの定着温度において、トナー
の貯蔵弾性率(G”t)より小さく、弾性力が高いトナ
ーを用いる事ができる。つまり、定着時にトナーの溶融
変形で平滑を得るのではなく、トナーを受像層に埋める
事により平滑化する。また、この事によりトナーの粒子
自体が大きく変形しないため、微細なドットや細線等が
つぶれず、シャープで高密度な画像が得られる。
【0064】本発明において、受像層の損失弾性率
(G”)が、トナーの定着温度において、トナーの損失
弾性率(G”t)より小さい。定着時にトナー間の間隙
を受像層で埋める事により平滑化するためには、弾性力
とともに粘性力も重要であり、特にトナーの間隙に空気
が残ると、特にOHPシート等の透過光で見た場合、空
気の泡との屈折率の変化による乱反射が生じ、彩度、明
度が得られない。またトナー粒子の大きな変形を防ぐた
めには、受像層の溶融変形により隙間を埋める必要があ
り、トナーの損失弾性率より小さい受像層を用いる事が
有効となる。
【0065】本発明において、受像層及びトナーの損失
正接(G”/G’)が少なくとも一つのピーク値を有
し、かつ受像層及びトナーの最も低温側のピーク値の温
度をそれぞれTs、Ttとした場合、Ts<Ttを満た
す。前述した様に、損失正接がピークを示す点では、樹
脂の主たる特性が弾性体から粘性体への性質へ移行する
温度であり、トナーの粒子を変形させないためには、ト
ナー粒子の変形が始まる前に、受像層が溶融変形する必
要がある。つまり、ピークを示す温度が、Ts<Ttを
満たす事である。
【0066】更に、図2における、本装置の定着手段の
構成について補足して説明する。
【0067】定着手段22は、ハロゲンランプ等の加熱
手段を内蔵した加熱部材27、加圧部材と、加熱部材2
7にシリコーンオイル等の離型剤を塗布するためのある
いは加熱部材27の表面を清掃するためのパッド状のあ
るいはローラ状の離型剤塗布手段30と、からなる。
【0068】定着手段は、加熱部材と加圧部材を押圧す
るため、弾性体の部材を用いれば容易に圧接部を形成で
きると同時に、圧接部での圧力分布も持たせる事ができ
る。加圧部材が弾性を有する場合は、JISA硬度が1
5°未満である場合には、変形量が過大となり、受像シ
ートの搬送性に問題が生じる。JISA硬度が80°を
超える場合には表面の変形が小さくなる為に、圧接部へ
の加圧が集中し、受像シートのしわ、カールといった永
久変形を生じる。
【0069】また、受像層上のトナーが直接接触する側
の部材として加熱部材に弾性体を使用する場合は、未定
着のトナー画像表面の凹凸に対して表面自身が変形して
押圧する為に、トナー画像の均一な加熱、加圧が可能と
なり光沢性の均一な画像を得る事ができる。この際に、
JISA硬度が15°未満である場合には、変形量が過
大となり、トナーを押圧する場合に十分に圧力が伝わら
ず、平滑性に問題が生じる。JISA硬度が80°を超
える場合には表面の変形が不充分となる為に、トナーへ
の均一な加熱が困難であり光沢ムラを生じる。また、J
ISA硬度は、JISK6301に基づいて測定した硬
度である。
【0070】加熱部材と加圧部材にこの様な適当な硬度
の弾性を付与するには、シリコンゴム、フッ素ゴム等か
らなる弾性ゴム層を表面に設ければ良い。更に、耐オフ
セット性向上の目的で離型性を付与するために、表面に
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、
テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体等から成る低表面エネルギーな被覆層
を設ける事が好ましい。
【0071】高画質を追求する画像形成装置では、定着
プロセスでの受像シートとのマッチングも重要である。
また、定着手段としては、受像シートが特定の熱特性を
持った熱可塑性樹脂からなる受像層を有している事か
ら、カラー画像の高画質化だけでなく、受像シートの巻
付き、搬送性等も考慮しなければならない。これらの点
から、定着手段としての最適な条件が定まる。
【0072】本発明の画像形成装置において、受像シー
トが貯蔵弾性率(G’)が1×102Pa〜1×105
aであり、かつ損失弾性率(G”)が1×102Pa〜
1×105Paである受像層を有し、受像シートを通過
させる定着手段の圧接部の圧力をPkgf/cm2とし
たとき、1kgf/cm2≦P≦20kgf/cm2であ
る。 受像層にトナーを固定するとき、1kgf/cm
2未満の場合は、圧接力が弱く、受像層に強固に定着で
きず、表面の擦過等により画像が剥がれ落ちる。圧力が
20kgf/cm2を超える場合には、受像シートの圧
接部材への巻付きが生じる。
【0073】本発明の画像形成装置において、受像シー
トの搬送方向に対する圧接部の長さをLmmとしたと
き、0.5mm≦L≦10mmである。圧接部では加熱
とともに圧力をかけ、軟化している受像層にトナーを定
着するが、この際に圧接部は圧力の分布を持っている。
【0074】本発明の検討によれば、この圧力分布も重
要であり、特に画像表面の平滑性を得るためには、圧接
部である程度加熱して受像層を軟化させた後に、一気に
強い圧力でトナーを押し込む事が有効であると解った。
つまり、圧接部の長さが0.5mm未満の場合は、圧力
分布がシャープであり、受像層が十分に軟化する前にト
ナーを押し込む事になり、圧接部通過後にトナーが受像
層に押し戻され、十分な表面の平滑性が得られない。ま
た、10mmを超える場合は、圧力分布がブロードにな
り、トナーが強く受像層へ押し込まれず、かといって高
い圧力にすると受像シートの巻付きが発生してしまう。
【0075】また、受像シートの搬送方向に対する圧接
部の長さをLmm、圧接部の圧力をPkgf/cm2
したとき、0.5P≦L≦0.5P+4である。圧接部
の圧力と長さの関係が上記を満たすと、微細なドットや
細線がつぶれず、更に高画質な画像が得られ、受像シー
トの巻付き、カールも発生しない本発明の画像形成装置
において、圧接部で受像層に接する部材の平均山間隔
(Sm)が20μm以上である。ここで、平均山間隔
(Sm)とは、基準長さ内における表面粗さを示す断面
曲線の、凹凸の間隔の平均値である。これは、圧接部の
部材の平均山間隔が20μm以上であれば、トナーを押
圧する場合にドットを形成するトナーの集合体が、圧接
部表面の凹部に入り込んだとしても、圧力が十分にかか
り、均一な平滑性が得られる。また、画質として要求さ
れている最小のドット径より大きい事が好ましい。
【0076】本発明の画像形成装置において、圧接部で
受像層に接する部材の表面粗さである中心線平均粗さ
(Ra)をrμm、平均山間隔(Sm)をsμm、また
トナーの平均粒径をdμmとしたとき、sr≦2dであ
る。定着時に圧接部でトナーを受像層に押圧する場合
に、トナーの間隙に存在している空気まで取り込んでし
まうと、気泡が生じ、特に透過光では顕著に画像に現れ
る。そこで、圧接部での空気の逃げ場所として、ある程
度の表面の粗さが有効となる。しかし、上記の範囲を超
える場合は定着後の平滑性に影響が現れる。また、表面
粗さはJIS−B−0601に定義された平均山間隔
(Sm)、中心線平均粗さ(Ra)であり、公知の触針
式の表面粗さ計で測定した値を示す。
【0077】次に本発明の画像形成装置であり、高速対
応、省電力化を考慮した定着手段を有する装置の構成に
ついて、図3により補足して説明する定着手段22は、
ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した加熱部材27に
対して、第一の加圧部材28、第二の加圧部材29とが
設けられ、加熱部材27にシリコーンオイル等の離型剤
を塗布するためのあるいは加熱部材27の表面を清掃す
るためのパッド状のあるいはローラ状の離型剤塗布手段
30と、からなる。それぞれの加圧部材は、バネ等の加
圧手段によって、加熱部材27に押しあてられ2つの圧
接部を形成している。更に、加圧部材を増やす事で容易
に複数の圧接部が得られる。また、圧接部間に記録材の
17の搬送路としてガイドを設けてもよい。
【0078】本発明の画像形成装置において、定着手段
の圧接部が少なくとも2ヶ所ある事により、圧接部でト
ナーの受像層への押圧を複数回行う事ができ、画像表面
の高い平滑性が得られる。また、圧接部を増やす事によ
り、高速対応、省電力化にも有利な画像形成装置とな
る。
【0079】また、定着手段の複数の圧接部で、最も大
きな圧力を有する圧接部(N1)が、受像シートの搬送
方向に対して、第2に大きな圧力を有する圧接部(N
2)より、下流側にある。圧接部の圧力分布については
前述した様に、分布がシャープでもブロードでもなく、
受像層を加熱して軟化させるための部分と、トナーを受
像層に一気に押圧する部分とに分れている事が望まし
い。この点から、上流側の圧接部で加熱をしておいて、
最も大きな圧力を有する圧接部で押圧する事により、効
率的に平滑性の高い画像が得られる。
【0080】また、受像シートの搬送方向に対して、最
上流部の圧接部(Ns)と最下流部の圧接部(Ne)間
であり、受像シートが移動した距離をKse、最上流部
の圧接部(Ns)と最も大きな圧力を有する圧接部(N
1)間であり、受像シートが移動した距離をKs1とし
たとき、Kse/2≦Ks1である。複数の圧接部を形
成するとき、1つの加熱部材に複数の加圧部材を圧接す
る事が容易である。この際に、加熱部材に接触したまま
次の圧接部に搬送すると、熱を有効に使う事ができる。
更に、加熱された状態での移動距離に対して中央より後
半側に、最も大きな圧力を有する圧接部を設け、トナー
を受像層に押圧する事で、より効率的に熱を利用でき
る。
【0081】また、受像シート搬送方向に対して、最下
流部の圧接部を形成する加熱又は加圧部材であり、受像
層側に接する部材のJISA硬度(Mf)が他方の部材
のJISA硬度(Mb)に対してMf≦Mbである。受
像シートを圧接部から剥がす場合にも、画質の劣化は起
きるため、十分に考慮しなければならない。特に、最下
流部の圧接部の形状が、冷却して固化した後の形状、つ
まり定着後の画像表面の平滑性に影響を及ぼす。この圧
接部の形状としては、軟化した受像層やトナーが圧接部
に粘着した事による波打ち痕が生じない様に、素早く圧
力を開放する事が必要である。そのために、受像層側に
接する部材の硬度を他方の部材より小さくする事で、圧
接部の形状が、受像シートの受像層が圧接部より剥がれ
る方向に反る形状となり、波打ち痕が生じない、平滑性
のある画像表面が形成できる。またこの事は、受像シー
トが剥がれる方向にある事で、受像シートの巻付きに対
しても有利である。
【0082】本発明の画像形成装置において、受像層に
トナーを埋没させる事により画像を形成する。これによ
り、トナーの定着後の画像表面の平滑性が高まり、銀塩
写真の様な光沢性や耐光性、耐水性を得る事ができる。
【0083】また、本発明において記載されている諸物
性値の測定、及び評価は以下の手法により測定された値
である。
【0084】〔受像層樹脂及びトナーの粘弾性測定〕 粘弾性測定装置:レオメーターRDA−II型(レオメ
トリックス社製) 測定治具:弾性率が高い場合には直径7.9mm、弾性
率が低い場合には直径25mmのパラレルプレートを使
用する。
【0085】測定試料:受像層樹脂又はトナーを加熱、
溶融後に直径約8mm、高さ2〜5mmの円柱状試料ま
たは直径約25mm、厚さ2〜3mmの円盤状試料に成
型して使用する。
【0086】測定周波数:6.28ラジアン/秒 測定歪の設定:初期値を0.1%に設定し、自動測定モ
ードにて測定を行う。
【0087】試料の伸長補正:自動測定モードにて調
整。
【0088】測定温度:25℃より180℃まで毎分1
℃の割合いで昇温する。
【0089】〔定着画像の透明性(ヘーズ値)測定〕ヘ
ーズメーター(日本電色工業(株)NDH−1001D
P)にて、定着後のマゼンタのベタ画像(シート上のト
ナー付着量0.5mg/cm2以上)について評価を行
った。また、オフセットによる画像の欠落の甚だしい
物、シートの巻付きの発生等により測定不能の物は×と
した。
【0090】〔耐オフセット性評価〕受像シートの耐オ
フセット性、すなわち、受像シートの受像層が定着手段
にどの程度付着し難いかについての評価は下記のように
して行う。
【0091】まず、定着前のトナーの付着量がそれぞれ
異なる画像を形成した受像シートを定着手段に通紙し、
画像を定着する。この時、定着手段(具体的には加熱手
段の表面)を目視観察し、受像シートの受像層が転移し
ているか否か判別し、定着手段への受像層の移行の発生
が観察された時の定着前のトナー付着量に応じて評価す
る。尚、定着前のトナー付着量は、潜像形成時の露光エ
ネルギーや現像手段や転写手段に印加される電圧を制御
することにより調整することが可能であって、また、ト
ナーによる画像は受像シートのほぼ全面に実質的に均一
な状態で付着するように形成される。
【0092】オフセットの発生状況は下記の5段階で評
価される。 レベル5…発生せず(トナーの付着量が0.1mg/c
2以下の画像を形成した時に受像層のオフセットは観
察されない。ハイライト部においても透明度の低下のな
い、非常に良好なフルカラー画像が形成可能である)。 レベル4…ごく軽微(トナーの付着量が0.1mg/c
2を超える画像を形成した時において受像層のオフセ
ットが観察される。ハイライト部において透明度の低下
が若干生じるが、受像シートの基材が透明であって、O
HP用原稿として使用する場合においても実使用上問題
ない画質のフルカラー画像が形成可能である)。 レベル3…軽微(トナーの付着量が0.3mg/cm2
を超える画像を形成した時において受像層のオフセット
が観察される。ハイライト部において透明度の低下が生
じるが、受像シートの基材が不透明、例えば白色であっ
て、紙として使用する場合には、実使用上問題ない画質
のフルカラー画像が形成可能である)。 レベル2…明瞭(トナーの付着量が0.5mg/cm2
を超える画像を形成した時において受像層のオフセット
が観察される。三原色を単独あるいは2色を組み合わ
せ、かつ、各色の画像濃度がほぼ最大値となる領域で画
像を形成する、例えばいわゆるビジネスグラフ等には使
用可能である)。 レベル1…受像層が移行する(トナーの付着量に関わら
ず、受像層のオフセットが観察され、画像が実質的に形
成できない)。
【0093】〔画像つぶれ評価〕受像シート上に定着し
た後の細線、ドットにつぶれや欠落が発生するかを3段
階で評価した。 ○…発生せず、 △…軽微、 ×…甚だしい。
【0094】〔定着性評価〕受像シート上に定着した後
のベタ画像を砂消しゴムで削り、画像の欠落が発生する
かを3段階で評価した。 ○…発生せず、 △…軽微、 ×…甚だしい。
【0095】〔耐巻付き性評価〕トナー画像を受像シー
トに定着する際に、加熱ローラへのシートの巻付きが発
生するかを3段階で評価した。 ○…発生せず、 △…シートのカールが見られる、 ×…巻付き発生。
【0096】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0097】(実施例1)基材シートとして透明なポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ10
0μm)を用い、その上に受像層用のポリエステル樹脂
をメチルエチルケトン:トルエン=1:1溶液で溶解
し、受像層用塗布液とした。この受像層の塗布液を、乾
燥後の受像層の膜厚が10〜15μmとなるようにバー
コーターを使って塗布し、受像シートを得た。この受像
シート上にトナー画像を形成させた後、トナー画像を支
持する受像シートを、定着装置に通す事により熱加圧処
理を行った。定着装置は、JISA硬度で50°のPF
Aのコーティング層(Ra0.1μm、Sm30μm)
を有する加熱ローラ(φ40、長さ25cm)と、JI
SA硬度で70°のシリコンゴム層を有する加圧ローラ
(φ40、長さ25cm)とからなり、バネにより3k
gf/cm2の圧力を加え、圧接部の幅(ニップ長)を
4mmとした。また、離型剤としてシリコーンオイルを
加熱ローラ表面に塗布した。受像シートの搬送速度は線
速で、110mm/secで定着を行い、画像の定着性
(耐オフセット性、耐巻付き性)について評価した。得
られた定着画像については、画質評価及び表面平滑性の
評価を行った。また、表面平滑性は透明性に大きく反映
される事から、透過光の強度を示す濁度(ヘーズ)によ
り評価した。評価に用いたトナーはポリエステル樹脂を
結着樹脂とし顔料を含み、シリカ微粒子を外添した平均
粒径が7μmの粒子である。また、トナーの定着温度で
の貯蔵弾性率(G’)は2.6×104Pa、損失弾性
率(G”)が3.8×104Paの物を用いた。また、
トナーの定着温度とは、定着装置の圧接部から搬出直後
の、受像シートの表面温度を放射温度計で測定した温度
であり、測定の結果120℃であった。
【0098】受像層として用いた樹脂の粘弾性特性と評
価結果を表1に示した。
【0099】
【表1】
【0100】表1に示すように、貯蔵弾性率(G’)が
1×102Pa〜1×105Paであり、かつ損失弾性率
(G”)が1×102Pa〜1×105Paである場合、
耐オフセット性がレベル3以上であり、ヘーズが30%
以下と、共に良好となる。また、特に損失正接(G”/
G’)が、0.01〜10である場合には、ヘーズが2
5%以下となり、OHPシートとして使用できるレベル
の表面の平滑性が得られる。
【0101】(実施例2)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像層として用いた樹脂の粘弾
性特性と評価結果を表2に示した。また、損失正接
(G”/G’)のピーク値の温度は、20〜200℃ま
で測定を行い、この範囲内でのピーク値を示す温度とし
た。
【0102】
【表2】
【0103】表2に示すように、損失正接のピーク値の
温度が、50〜150℃である場合には、耐オフセット
性、ヘーズ共に良好となる。
【0104】(実施例3)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像層として用いた樹脂、及び
トナーの粘弾性特性と評価結果を表3に示した。
【0105】
【表3】
【0106】表3に示すように、貯蔵弾性率(G’)、
損失弾性率(G”)について、トナーより受像層が小さ
い場合には、耐オフセット性、ヘーズが良好であり、ま
た画像のつぶれが生じないシャープな画像となる。
【0107】(実施例4)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像層として用いた樹脂、及び
トナーの粘弾性特性と評価結果を表4に示した。
【0108】
【表4】
【0109】表4に示すように、損失正接のピーク値を
示す温度がトナーより受像層の方が低い場合に画像のつ
ぶれが生じないシャープな画像となる。
【0110】(実施例5)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表4
の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置としては、加熱ローラと加圧ローラの圧接
の圧力を、バネを変える事で調整した。また、評価項目
は、受像シートへのトナーの固着力としての定着性、耐
巻付き性、ヘーズを評価した。定着装置の圧力の条件及
び評価結果を表5に示した。
【0111】
【表5】
【0112】表5に示すように、圧力が1.0〜20.
0kgf/cm2の範囲では定着性、耐巻付き性、共に
良好となり、特に2.0〜10.0kgf/cm2の場
合では特に良好な画像形成装置となる。
【0113】(実施例6)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表4
の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置は、圧接部の圧力が3kgf/cm2にな
るように調整し、加熱ローラと加圧ローラの外径を変え
る事で、ニップ長を変化させた。また、評価項目は、受
像シートへのトナーの固着力としての定着性、耐巻付き
性、ヘーズ、画像つぶれについて評価を行った。定着装
置のニップ長の条件及び評価結果を表6に示した。
【0114】
【表6】
【0115】表6に示すように、ニップ長が0.5〜1
0.0mmの範囲では定着性、耐巻付き性と、共にヘー
ズが30%以下となり良好である。更に1.5〜4.5
mmの場合では、表面の平滑性に優れ、画像のつぶれに
よる劣化も無い事から、ニップ長(L)は圧力(P)に
対して、0.5P〜0.5P+4の範囲が特に良好であ
る。
【0116】(実施例7)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表4
の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置は、加熱ローラの表面層であるPFAを研
磨する事により、平均山間隔(Sm)を調整した。ま
た、評価項目は、受像シートへのトナーの固着力として
定着性、ヘーズを評価した。加熱ローラのSmの条件及
び評価結果を表7に示した。
【0117】
【表7】
【0118】表7に示すように、平均山間隔(Sm)が
30μm以上では表面の平滑性が良好となり、特に30
〜100μmの場合では特に良好な画像形成装置とな
る。
【0119】(実施例8)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表4
の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置は、加熱ローラの表面層であるPFAを研
磨する事により、表面粗さ(Sm、Ra)を調整した。
また、トナーは粉砕後に分級の条件を変える事で、異な
る平均粒径を持つ粒子を作製した。加熱ローラの表面粗
さ、トナーの平均粒径の条件及び評価結果を表8に示し
た。
【0120】
【表8】
【0121】表8に示すように、Sm×Ra≦2dであ
る場合に、受像層内部に気泡が生じず、透過性の高い画
像が得られる。
【0122】(実施例9)実施例1同様に受像シートを
作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表4
の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置は図3に示すように、一定の熱量で加熱し
た加熱ローラに、2本の加圧ローラを圧接する事によ
り、2つの圧接部を形成できる。同様に、加圧ローラの
数を増やす事により、圧接部の数を増やした装置を用い
て評価した。また、このn個の圧接部について、定着性
に対する影響を調べるため、圧接の圧力(kgf/cm
2)が大きい圧接部から順にN1、N2、‥‥Nnと
し、受像シートを通過させる順序についても検討を行っ
た。圧接部の条件及び評価結果を表9に示した。
【0123】
【表9】
【0124】表9に示すように、圧接部の数を増やす事
により、同じ熱量を用いた場合には画像表面の平滑性が
高くなる。また、最も大きな圧力を有する圧接部を下流
側に設ける方がより、熱を有効に利用してトナーを受像
層に埋め込む事ができる。
【0125】(実施例10)実施例1同様に受像シート
を作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表
4の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置は、一定の熱量で加熱した加熱ローラに、
複数の加圧ローラを圧接する事により、複数の圧接部を
形成した装置を用いて評価した。このn個の圧接部につ
いて、定着性に対する影響を調べるため、圧接部の位置
関係についても検討を行った。図4に複数の圧接部を有
する定着器として、加熱ローラ51に加圧ローラ52、
53、及び54が圧接する事で、3つの圧接部を形成し
ている定着器の装置断面図を示した。また、加圧ローラ
53は三者の中で最も高い圧力で押圧され、圧接部N1
を形成している。定着時に受像シートは、加熱ローラ5
1と加圧ローラ52で形成する圧接部NsからN1、そ
して加熱ローラ51と加圧ローラ54で形成する圧接部
Neを通過し、排出される。この図に示すように、最上
流部(Ns)と最下流部(Ne)の圧接部の加熱ローラ
表面上の受像シートが移動する長さをKse、最上流部
(Ns)と最も大きな圧力を有する圧接部(N1)の長
さをKs1とした。また、Kse、Ks1の長さは圧接
部の中央からの長さとした。圧接部の条件及び評価結果
を表10に示した。
【0126】
【表10】
【0127】表10に示すように、N1が圧接部の集団
の中においてKse/2≦Ks1の位置、つまり中央よ
り後半側にある場合に、トナーを受像層に深く埋め込む
事ができ、画像表面の平滑性が上がる。
【0128】(実施例11)実施例1同様に受像シート
を作製し、評価を行った。受像シート、トナーとして表
4の1の粘弾性特性を有する受像層、及びトナーを用い
た。定着装置は、受像層に接する部材として加熱ローラ
のJISA硬度をMf、最下流部の圧接部を形成する加
圧ローラのJISA硬度をMbとし、この硬度を変えて
検討を行った。硬度の条件及び評価結果を表11に示し
た。
【0129】
【表11】
【0130】表11に示すように、Mf≦Mbの場合に
は、画像表面の平滑性が高くなる。また、耐巻付き性に
関しても有効に働く。
【0131】
【発明の効果】以上説明したように、基材上にトナーに
よる画像を定着可能な受像層を有する受像シートにおい
て、前記受像層は前記トナーの定着温度において、貯蔵
弾性率(G’)が1×102Pa〜1×105Paであ
り、かつ損失弾性率(G”)が1×102Pa〜1×1
5Paである事により、表面平滑性、及び耐オフセッ
ト性を両立する受像シートができる。
【0132】更に、受像層は損失弾性率(G”)と貯蔵
弾性率(G’)の比である損失正接(G”/G’)が、
トナーの定着温度において、0.01〜10である事に
より、特に表面平滑性、及び耐オフセット性が優れた受
像シートができる。
【0133】更に、受像層の樹脂は、損失弾性率
(G”)と貯蔵弾性率(G’)の比である損失正接
(G”/G’)が50〜150℃の範囲で少なくとも一
つのピークを有する事により、特に表面平滑性、耐オフ
セット性が優れた受像シートができる。
【0134】また、受像層の貯蔵弾性率(G’)が、ト
ナーの定着温度において、トナーの貯蔵弾性率(G”
t)より小さい事により、表面平滑性、耐オフセット性
が良好であり、画像のつぶれが発生しないシャープな画
像となる。
【0135】更に、受像層の損失弾性率(G”)が、ト
ナーの定着温度において、トナーの損失弾性率(G”
t)より小さい事により、表面平滑性、耐オフセット性
が良好であり、画像のつぶれが発生しないシャープな画
像となる。
【0136】更に、受像層及びトナーの損失正接(G”
/G’)が少なくとも一つのピーク値を有し、かつ受像
層及びトナーの最も低温側のピーク値の温度をそれぞれ
Ts、Ttとした場合、Ts<Ttを満たす事により、
画像のつぶれが発生しないシャープな画像となる。
【0137】また、定着手段が加熱部材と加圧部材によ
る圧接部を有し、この圧接部に、トナーによる画像を形
成した受像シートを通過させる事により、画像を定着す
るとともに、定着手段の圧接部の圧力をPkgf/cm
2としたとき、 1kgf/cm2≦P≦20kgf/cm2 である事により、表面平滑性が良好であり、定着性、耐
巻付き性が優れた受像シートができる。
【0138】更に、受像シート搬送方向に対する圧接部
の長さをLmmとしたとき、 0.5mm≦L≦10mm である事により、表面平滑性が良好であり、定着性、耐
巻付き性が優れた受像シートができる。
【0139】更に、受像シート搬送方向に対する圧接部
の長さをLmm、圧接部の圧力をPkgf/cm2とし
たとき、 0.5P≦L≦0.5P+4 である事により、表面平滑性、定着性が良好であり、特
に耐巻付き性が優れ、画像のつぶれが発生しないシャー
プな画像となる。
【0140】また、定着手段が圧接部を有し、この圧接
部にトナーによる画像を形成した受像シートを通過させ
る事により、画像を定着するとともに、圧接部で受像層
に接する部材の平均山間隔(Sm)が20μm以上であ
る事により、表面平滑性が優れた受像シートができる。
【0141】更に、圧接部で受像層に接する部材の表面
粗さである中心線平均粗さ(Ra)をrμm、平均山間
隔(Sm)をsμm、またトナーの平均粒径をdμmと
したとき、 sr≦2d である事により、特に表面平滑性が優れた受像シートが
できる。
【0142】また、定着手段が圧接部を有し、この圧接
部にトナーによる画像を形成した受像シートを通過させ
る事により、画像を定着する画像形成装置において、定
着手段の圧接部の数を増やす事により、定着時の熱を有
効に使って、表面平滑性の優れた画像の形成ができる。
【0143】更に、定着手段の複数の圧接部で、最も大
きな圧力を有する圧接部(N1)が、受像シートの搬送
方向に対して、第2に大きな圧力を有する圧接部(N
2)より、下流側にある事により、熱をより効率良く利
用してトナーを受像層に埋め込み、表面平滑性の優れた
画像の形成ができる。
【0144】更に、定着手段の複数の圧接部が、加熱部
材に複数の加圧部材を圧接する事により形成され、受像
シートの搬送方向に対して、最上流部の圧接部(Ns)
と最下流部の圧接部(Ne)間であり、受像シートが移
動した距離をKse、最上流部の圧接部(Ns)と最も
大きな圧力を有する圧接部(N1)間であり、受像シー
トが移動した距離をKs1としたとき、 Kse/2≦Ks1 である事により、熱を更に効率良く利用してトナーを受
像層に埋め込み、表面平滑性の優れた画像の形成ができ
る。
【0145】また、定着手段の複数の圧接部のうち、受
像シート搬送方向に対して、最下流部の圧接部を形成す
る加熱又は加圧部材であり、受像層側に接する部材のJ
ISA硬度(Mf)が他方の部材のJISA硬度(M
b)に対して Mf≦Mb である事により、表面平滑性の優れた画像の形成がで
き、耐巻付き性に対しても有効となる。
【0146】また、受像層にトナーを埋没させる事によ
り画像を形成する事により、定着後に表面平滑性が優れ
た受像シートができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した受像シートの要部拡大断面図
である。
【図2】本発明の画像形成装置の全体構成を示す装置断
面図である。
【図3】本発明の画像形成装置で複数の圧接部を形成し
た定着器を有する装置の全体構成を示す装置断面図であ
る。
【図4】本発明の定着器で複数の圧接部を有する装置の
全体構成を示す装置断面図である。
【符号の説明】
22…定着手段 80…記録材収納手段 41…基材 42…受像層

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上にトナーによる画像を定着可能な
    受像層を有する受像シートにおいて、前記受像層は前記
    トナーの定着温度において、貯蔵弾性率(G’)が1×
    102Pa〜1×105Paであり、かつ損失弾性率
    (G”)が1×102Pa〜1×105Paである事を特
    徴とする受像シート。
  2. 【請求項2】 前記受像層は、損失弾性率(G”)と貯
    蔵弾性率(G’)の比である損失正接(G”/G’)
    が、前記トナーの定着温度において、0.01〜10で
    ある事を特徴とする請求項1記載の受像シート。
  3. 【請求項3】 前記受像層は、損失弾性率(G”)と貯
    蔵弾性率(G’)の比である損失正接(G”/G’)が
    50〜150℃の範囲で少なくとも一つのピークを有す
    る事を特徴とする請求項1記載の受像シート。
  4. 【請求項4】 基材上に受像層を有する受像シートの前
    記受像層上にトナーによる画像を形成した後、熱及び圧
    力による定着手段により画像を定着する画像形成装置に
    おいて、前記受像層は前記トナーの定着温度において、
    貯蔵弾性率(G’)が1×102Pa〜1×105Paで
    あり、かつ損失弾性率(G”)が1×102Pa〜1×
    105Paである事を特徴とする画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記受像層は損失弾性率(G”)と貯蔵
    弾性率(G’)の比である損失正接(G”/G’)が、
    前記トナーの定着温度において、0.01〜10である
    事を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記受像層の樹脂は、損失弾性率
    (G”)と貯蔵弾性率(G’)の比である損失正接
    (G”/G’)が50〜150℃の範囲で少なくとも一
    つのピークを有する事を特徴とする請求項4記載の画像
    形成装置。
  7. 【請求項7】 前記受像層の貯蔵弾性率(G’)が、前
    記トナーの定着温度において、前記トナーの貯蔵弾性率
    (G’t)より小さい事を特徴とする請求項4記載の画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記受像層の損失弾性率(G”)が、前
    記トナーの定着温度において、前記トナーの損失弾性率
    (G”t)より小さい事を特徴とする請求項7記載の画
    像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記受像層及び前記トナーの損失正接
    (G”/G’)が少なくとも一つのピーク値を有し、か
    つ前記受像層及び前記トナーの最も低温側のピーク値の
    温度をそれぞれTs、Ttとした場合、Ts<Ttを満
    たす事を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記定着手段が加熱部材と加圧部材に
    よる圧接部を有し、この圧接部に、前記トナーによる画
    像を形成した前記受像シートを通過させる事により、画
    像を定着するとともに、前記定着手段の圧接部の圧力を
    Pkgf/cm2としたとき、 1kgf/cm2≦P≦20kgf/cm2 である事を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記受像シートの搬送方向に対する前
    記圧接部の長さをLmmとしたとき、 0.5mm≦L≦10mm である事を特徴とする請求項10記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 受像シート搬送方向に対する前記圧接
    部の長さをLmm、圧接部の圧力をPkgf/cm2
    したとき、 0.5P≦L≦0.5P+4 である事を特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記定着手段が圧接部を有し、この圧
    接部に前記トナーによる画像を形成した前記受像シート
    を通過させる事により、画像を定着するとともに、前記
    圧接部で前記受像層に接する部材の平均山間隔(Sm)
    が20μm以上である事を特徴とする請求項4記載の画
    像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記圧接部で前記受像層に接する部材
    の表面粗さである中心線平均粗さ(Ra)をrμm、平
    均山間隔(Sm)をsμm、また前記トナーの平均粒径
    をdμmとしたとき、 sr≦2d である事を特徴とする請求項13記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記定着手段が圧接部を有し、この圧
    接部に前記トナーによる画像を形成した前記受像シート
    を通過させる事により、画像を定着する画像形成装置に
    おいて、前記定着手段の前記圧接部が少なくとも2ヶ所
    ある事を特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記定着手段の複数の圧接部のうち、
    最も大きな圧力を有する圧接部(N1)が、前記受像シ
    ートの搬送方向に対して、第2に大きな圧力を有する圧
    接部(N2)より、下流側にある事を特徴とする請求項
    15記載の画像形成装置。
  17. 【請求項17】 前記定着手段の複数の圧接部が、加熱
    部材に複数の加圧部材を圧接する事により形成され、前
    記受像シートの搬送方向に対して、最上流部の圧接部
    (Ns)と最下流部の圧接部(Ne)間であり、前記受
    像シートが移動した距離をKse、最上流部の圧接部
    (Ns)と最も大きな圧力を有する圧接部(N1)間で
    あり、前記受像シートが移動した距離をKs1としたと
    き、 Kse/2≦Ks1 である事を特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 前記定着手段の複数の圧接部のうち、
    受像シート搬送方向に対して、最下流部の圧接部を形成
    する加熱又は加圧部材であり、前記受像層側に接する部
    材のJISA硬度(Mf)が他方の部材のJISA硬度
    (Mb)に対して Mf≦Mb である事を特徴とする請求項15記載の画像形成装置。
  19. 【請求項19】 前記受像層に前記トナーを埋没させる
    事により画像を形成する事を特徴とする請求項4記載の
    画像形成装置。
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