JP2004205536A - 転写体の端部処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】電子写真方法等によって作製した画像において、転写体の表面からはみ出した透明樹脂を容易に除去することが可能な転写体の端部処理装置を提供することを課題とする。
【解決手段】互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のう ち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されるように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のう ち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されるように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式や静電記録方式等のような画像形成方法によって、粉体トナーを用いて転写体上に画像を形成する複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置において、当該画像形成装置によって画像が作製された転写体の端部に処理を施す転写体の端部処理装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特開平04−278967号公報
【特許文献2】特開平04−362960号公報
【特許文献3】特開平09−200551号公報
【特許文献4】特開平10−213942号公報
【特許文献5】特開昭63−92964号公報
【特許文献6】特開昭63−92965号公報
【特許文献7】特開平02−91051号公報
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の電子写真方式や静電記録方式等によって、カラー画像を形成するカラー画像形成装置において、記録用紙等の転写体上にカラー画像を形成する場合、例えば、カラーコピーをとる場合には、次のような画像形成処理が行われる。まず、カラー原稿に照明を当て、その反射光像をカラーCCDにより色分解して読み取り、画像処理装置で所定の画像処理や色補正を施し、得られる複数色の画像信号に基づいて、例えば半導体レーザーなどを変調し、当該半導体レーザーから画像信号に応じて変調されたレーザー光線を出射する。このレーザー光線を、Se、アモルファスシリコンなどの無機感光体、またはフタロシアニン顔 料、ビスアゾ顔料などを電荷発生層として用いた有機感光体上に、一色ずつ複数回照射することで、複数の静電潜像を形成する。これら無機または有機感光体上に形成される複数の静電潜像を、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒(K)の4色のカラートナーで順次現像する。そして、現像されたトナー像を無機または有機感光体から記録用紙等の転写体上に転写し、熱定着ロール等からなる定着装置で加熱定着することにより、転写体上にカラー画像の形成が行われる。
【0004】
このようなカラー画像形成装置で用いられるカラートナーは、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体等からなるバインダー樹脂中に、着色剤としての顔料を分散させてなる平均粒径1〜15μmの粒子に、平均粒径が5〜100nm程度の微粒子、例えば、酸化けい素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子、またはPMMA、PVDF等の樹脂微粒子を付着させたものである。また、上記着色剤は、例えば、イエロー(Y)としてベンジジンイエロー、キノリンイエロー、ハンザイエロー等、マジェンタ(M)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、シアン(C)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー 等、黒(K)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等が用いられている。
【0005】
上記の如く構成されるカラー画像形成装置を用いて、例えば、銀塩写真を原稿として上述のような電子写真方式で画像を作製した場合には、銀塩写真原稿の濃度に応じて、トナー付着量の増減が行われていることから、濃度が高い部分は、トナー付着量が多いので、光沢度が高くなってしまい、逆に濃度が低い部分はトナー付着量が少ないので、光沢度が低くなってしまうことから、光沢の度合い は、カラー原稿の画像濃度と比例していることになり、原稿とした銀塩印画紙写真とは異なる表面を持つ画像となってしまうという問題点を有していた。
【0006】
そこで、上記のような問題点を解決するため、定着時のトナーの加熱温度を上昇させて、定着時のトナー溶融粘度を低くして定着することや、定着時の圧力を上昇させて画像表面を平滑化することが行われている。
【0007】
さらに、カラートナーに加えて透明トナーを転写体上に転写、定着することによって、画像表面の光沢性や平滑化を向上させる方法が、特開平04−278967号公報、特開平04−362960号公報、特開平09−200551号公報、特開平10−213942号公報等に開示されている。
【0008】
このような方法で定着を行った場合には、トナーが溶けすぎて転写体(例え ば、非塗工紙)への染み込みが起こることで、画像表面の光沢度が一様にならないという問題点を有している。
【0009】
また、トナーの染み込みによる問題を解決するため、上質紙や中質紙の表面に白色粒子を塗工した塗工紙を転写体として用いる方法や、樹脂層を塗工した転写体を用いる方法が、特開昭63−92964号公報や特開昭63−92965号公報等に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわ ち、上記の如く塗工紙や樹脂層を塗工した転写体を使用して画像を作製すると、トナーの染み込みはなくなるため、画像表面が平滑となり、光沢度は均一となるが、図7に示すように、定着器の熱及び圧力で転写体表面の端縁部から50〜500μm程度の幅で透明樹脂がはみ出してしまう。このように転写体表面の端縁部からはみ出した透明樹脂は、厚さが数十μmと薄いため、当該転写体の搬送路と接触したり、人間の手で複数枚の画像を束ねるといった作業により、容易に脱落して粉体状となり、搬送路や作業場所を汚損したり、さらに画像表面や裏面に付着して汚損してしまうという問題点を有していた。
【0011】
そこで、かかる問題点を解決し得る技術としては、本出願人の提案に係る特開2002−91051号公報に開示されているように、転写シートの端縁部の形状を加工したシートが提案されているが、この場合には、転写シートの端縁部に特殊な加工を施す必要があるため、市販の用紙を使用した場合には、透明樹脂のはみ出しを防止するという効果を得ることができない。
【0012】
また、上記の問題点を解決するためには、粉体トナーを転写する転写体表面の領域を、定着後の樹脂のはみ出し量を見込んで転写体の端縁部より内側となるように、転写体の面積よりも小さくして転写することも考えられるが、この場合には、画像を作製する装置の精度、用紙の寸法精度、温湿度が変化したときの用紙寸法の変化量を考慮すると、実現することが困難であるという問題点を有している。
【0013】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電子写真方法等によって作製した画像におい て、転写体の表面からはみ出した透明樹脂を容易に除去することが可能な転写体の端部処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置において、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されていることを特徴とする転写体の端部処理装置である。
【0015】
また、請求項2に記載された発明は、前記転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、導電性を有する材質によって形成され、かつ接地されていることを特徴とする請求項1記載の転写体の端部処理装置である。
【0016】
さらに、請求項3に記載された発明は、回転可能に配設された潜像担持体と、前記潜像担持体上に画像情報に応じて静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記潜像担持体上に形成された静電潜像を、少なくともサイアン、マゼンタ、イエローのカラートナー及び透明トナーを用いて、トナー像を順次形成する現像手段と、前記潜像担持体上に形成されたトナー像を、転写体上に転写する転写手段と、前記転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、前記画像形成装置は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置を備え、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
本発明は、電子写真方式で作製した画像の転写体からはみ出した樹脂を除去する方法として、隙間無く接触した2本のロール間に画像を通過させ、内部に空洞を有する該2本のロールの一方のロールは、少なくとも画像が通過する部分のロール表面にロール内部の空洞まで貫通する孔を有し、かつ空洞内が負圧であり、他方のロールは表面に弾性体層を設けたロールを用いることで上述の課題を解決した。
【0018】
また、転写体上に設けた画像表面と接するロールは表面に弾性体層を設けたロールであると好適である。
【0019】
さらに、表面に孔を有するロールは、ロール表面が接地されているとさらに、好適である。
【0020】
転写体からはみ出した樹脂は、画像を構成するトナーや転写体上に形成した透明樹脂からなり、転写体からのはみ出し量は、画像作製条件にもよるが、おおむね転写体の縁を基点として長さ50〜500μm、厚さが数十μmである。図7は転写体からはみ出した樹脂の模式図及び模式断面図である。図7において、20は転写体、21は転写画像、22は転写体からはみ出した樹脂、23は定着方向、24は前端部、25は後端部、26は側端部をそれぞれ示している。
【0021】
トナーや転写体上の透明樹脂がはみ出した樹脂は、通常のオフィスの温湿度環境では非常にもろいため、はみ出した樹脂にわずかな外力が作用しただけで容易に脱落し、粉状になる。
【0022】
そこで、本発明の画像後処理装置では、はみ出した樹脂を画像から脱落させるロールと、段落した樹脂を回収するロールの2本のロールから構成されている。そして、2本のロールは隙間なく接触させることで、2本のロール間に樹脂がはみ出した画像を通過した際、転写体からはみ出した樹脂を脱落させることができる。
【0023】
画像前端部では、ロール表面に転写体からはみ出した樹脂部が接触した時に、樹脂部が脱落する。図8はこれを説明する前端部の模式図である。
【0024】
画像と接触するロールは、表面に弾性体層を設け、隙間なく接触させたロールの接触部分に画像を通過させることで、ロール上に被覆した弾性体層が変形し、変形した弾性体層が転写体からはみ出した樹脂部に接触することで、樹脂部が脱落する。
【0025】
段落した樹脂は、一方のロールの内部が負圧となるようにしかつ、ロール表面からロール内部の空隙まで通じた孔に吸引されることで一方のロール内部の空隙に収集される。一度脱落した樹脂は、除去処理した画像に再び付着することはない。
【0026】
ここで、本発明でロール表面からロール内部の空洞まで貫通する孔と記載しているが、転写体からはみ出した樹脂を吸引できる形状であれば円形に限らず、矩形等を用いても良い。
【0027】
画像表面と接触するロール表面を弾性体とすることで、画像表面を傷つけることもない。
【0028】
さらに、表面に孔を有するロールは、ロール表面を接地することで、転写体からはみ出した樹脂が転写体からの脱落時に静電気を帯びても、速やかに序電されるため、ロール表面等に付着せず、効率的に吸引除去が可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】
実施の形態1
このカラー画像形成装置は、基材上にカラー画像を形成するとともに、当該カラー画像が形成された基材上に、透明トナーからなるトナー像を転写定着することにより、光沢が付与されたカラー画像を形成するように構成されている。
【0031】
図2は、この発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置を適用したカラー画像形成装置を示す構成図である。
【0032】
このカラー画像形成装置1は、大別して、カラー原稿の画像を読み取る原稿読取装置2と、この原稿読取装置2で読み取られたカラー画像や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置3と、この画像出力装置3から出力されるカラー画像が形成された転写体に光沢を付与した状態で定着する定着装置とを備えるように構成されてい る。
【0033】
上記原稿読取装置2は、図示しないプラテンガラス上に載置された原稿5を、照明ランプ6によって照明し、原稿からの反射光像をカラースキャナー7によって、所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るように構成されている。
【0034】
上記原稿読取装置2によって読み取られた原稿の反射光像は、例えば、赤 (R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置8に送られ、この画像処理装置8では、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、サイアン(C)(各8bit)の3色の画像信号に色分解され、隣接する画素同士のトナー現像量の差を検出した後、画像信号に対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理を加えて、各色ごとに一色ずつ順番に、後述するROS9に出力される。
【0035】
上記カラー画像形成装置1の内部には、色の異なる複数のトナー像を形成可能な画像出力装置3が配設されている。この画像出力装置3は、主として、画像露光手段としてのROS9と、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム10と、前記感光体ドラム10上に形成された静電潜像を現像して色の異なる複数のトナー像を形成可能な現像手段としてのロータリー方式の現像装置11とから構成されている。
【0036】
上記の如く画像処理装置8で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)(各8bit)の3色の画像データとしてROS9(Raster Output Scanner)に送られる。
【0037】
上記ROS9は、図2に示すように、レーザーダイオード12を画像データに応じて変調し、このレーザーダイオード12からは、画像データに応じて変調されたレーザー光LBが出射される。このレーザーダイオード12から出射されたレーザー光LBは、図示しない回転多面鏡によって偏向走査され、f・θレンズや反射ミラー等からなる光学系を介して像担持体としての感光体ドラム10上に走査露光される。
【0038】
上記ROS9によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム10は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム10の表面は、予め一次帯電用のスコロトロン帯電器13によって、所定の極性(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、画像データに応じてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の各色に対応したレーザー光LBが、順次、走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム10上に形成された静電潜像は、イエロー (Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の3色の現像器11Y、11M、11Cを備えたロータリー方式の現像装置11によって、例えば、感光体ドラム10の帯電極性と同極性のマイナス極性に帯電したトナーによって反転現像され、所定の色のトナー像Tとなる。尚、上記感光体ドラム10上に形成されたトナー像Tは、必要に応じて図示しない転写前帯電器によって所定極性の帯電を受け、電荷量が調整されるようになっている。
【0039】
そして、上記感光体ドラム10上には、上述したように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の各色のトナー像が、順次形成される。
この実施の形態では、上記ロータリー方式の現像装置11が、透明トナーを収容した透明トナー現像器11Tを備えており、例えば、カラートナー像が転写された転写体の全面に、透明トナー像を形成するように構成されている。この透明トナー像は、カラートナー像とまったく同様のプロセスによって形成される。
なお、上記ロータリー方式の現像装置11は、上記の構成以外に、黒(K)の現像器(合計5つの現像器)をも備えるように構成しても良い。
【0040】
上記現像装置11で使用されるカラートナーとしては、例えば、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる絶縁性の粒子で、サイアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー等が挙げられる。このカラートナーの組成や平均粒径等については、本発明の目的を害しない範囲の中から適宜選択される。
【0041】
上記結着樹脂としては、後述する透明トナーにおける結着樹脂として例示したものが挙げられる。上記着色剤としては、トナー用として通常用いられている着色剤であれば特に制限はなく、それ自体公知のサイアン顔料または染料、マジェンタ顔料または染料、イエロー顔料または染料、ブラック顔料または染料の中から選択できる。好ましくは、高光沢が得られる効果を高めるためには、着色剤の顔料とバインダーの界面での乱反射を抑えることが重要であり、特開平4−242752号公報に示された小粒径の顔料を高分散した着色剤との組み合わせが有効である。
【0042】
また、上記カラートナーの粒径は、特に限定する必要はないが、前記露光器による静電潜像を忠実に再現できる機能を有することを考えると、4μm以上、8μm以下が望ましい。
【0043】
本発明において、前記カラートナーは適宜作製したものであってもよいし、市販品であってもよい。
【0044】
なお、上記カラートナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブまたは帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
【0045】
上記感光体ドラム10上に順次形成された各色のトナー像は、当該感光体ドラム10の下部に配置された転写体担持体としての転写ドラム14の表面に担持された転写用紙等の転写体16上に転写コロトロン15によって、互いに重ね合わせた状態で転写される。上記転写ドラム14上に担持された転写体16上に転写されるトナー像の順番は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)等のカラートナー像が先に転写され、透明トナー像が最後に、つまり最上層に転写される。なお、上記透明トナー像は、転写体16上の全面を覆うように形成される。
【0046】
なお、この実施の形態では、転写体担持体としての転写ドラム14を用いているが、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いても勿論よい。
【0047】
上記の如く透明トナー像を最上層にして、下層にイエロー(Y)、マゼンタ (M)、サイアン(C)等のカラートナー像が転写された転写体16は、転写ドラム14から分離され、後述する定着装置に搬送されて、トナー像が転写体16上に定着される。
【0048】
ところで、この実施の形態で使用される透明トナーは、少なくとも熱可塑性の結着樹脂を含有するように構成されている。
【0049】
この発明において、『透明トナー』とは、光吸収や光散乱による着色を目的とした色材(着色顔料、着色染料、黒色カーボン粒子、黒色磁性紛など)を含まないトナー粒子であることを意味する。この発明における透明トナーは、通常、無色透明であるが、その中に含まれる流動化剤や離型剤の種類や量によっては、透明度が若干低くなっていることがあるが、実質的には無色透明である。
【0050】
また、上記結着樹脂としては、実質的に透明であればよく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。これらの中で も、低温定着性、定着強度、保存性などのトナー特性を同時に満足し得る点で、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、定着速度を速くするとともに、定着温度を下げるため、重量平均分子量が5000以上40000以下、かつガラス転移点が55℃以上75℃未満であることが好ましい。
【0051】
なお、上記透明トナーにおいて、高い光沢度をムラなく均一に得るためには、トナーの流動性と帯電性を制御するのが望ましい。この透明トナーの流動性と帯電性を制御する観点から、前記透明トナーのトナー表面に、無機微粒子及び/又は有機微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
【0052】
上記無機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデンなどが挙げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
【0053】
また、上記有機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はな く、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
【0054】
上記無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は、0.005〜1μmであるのが特に好ましい。この平均粒径が0.005μm未満であると、透明トナーの表面に無機微粒子及び/又は有機微粒子を付着させたときに凝集がおこり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
【0055】
また、上記透明トナーの粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、15μm程度のものであっても良い。
【0056】
なお、上記透明トナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブまたは帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用することができる。
【0057】
図3は上記定着装置としてのベルト式定着装置を示すものである。
【0058】
このベルト式定着装置58は、図3に示すように、加熱ロール61と、当該加熱ロール61を含む複数のロール62、63により回動可能に支持された定着ベルト64と、前記加熱ロール61に定着ベルト64を介して圧接する加圧ロール65とを備えている。
【0059】
上記加熱ロール61としては、例えば、図4に示すように、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コア66の表面に、ゴム硬度が20〜60°のシリコンゴム等からなる弾性体層67を厚さ1〜3mm程度被覆し、更に当該弾性体層67の表面にPFAチューブ等からなる離型層68を被覆して、所定の外径(例えば、50mm)に形成したものが用いられる。この加熱ロール61の内部に は、加熱源として300〜350Wのハロゲンランプ69が配設されており、当該加熱ロール61の表面温度が所定の温度(130℃〜195℃程度)となるように内部から加熱される。
【0060】
また、上記加圧ロール65としては、例えば、図4に示す加熱ロール65と同様に構成したものが用いられ、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コア66の表面に、ゴム硬度が20〜60°のシリコンゴム等からなる弾性体層67を厚さ1〜3mm程度被覆し、更に当該弾性体層67の表面にPFAチューブ等からなる離型層68を被覆して、所定の外径(例えば、50mm)に形成したものが用いられる。この加圧ロール65の内部には、加熱源として300〜350Wのハロゲンランプ69が配設されており、当該加圧ロール65の表面温度が所定の温度(80℃〜180℃程度)となるように内部から加熱される。
【0061】
そして、上記加熱ロール61と加圧ロール65は、定着ベルト64を介して、図示しない加圧手段により、75kg〜200kgの荷重で互いに圧接するように構成されている。
【0062】
さらに、上記定着ベルト64は、加熱ロール61と、剥離ロール62と、ウオーク制御ロール63からなる複数のロールにより回動可能に支持されており、図示しない駆動源によって回転駆動される加熱ロール61により、所定の移動速度(30〜100mm/sec)で回転駆動される。この定着ベルト64として は、例えば、厚さ80μmのポリイミド製の無端状フィルム上に、厚さ50μmのシリコンゴム層を被覆したものが用いられる。
【0063】
また、上記定着ベルト64の内面側には、加熱ロール61と剥離ロール62との間に、当該定着ベルト64を強制的に冷却する冷却用のヒートシンク70が配設されており、この冷却用ヒートシンク70によって転写シート16の冷却及びシート16の搬送を行う冷却・シート搬送部が構成されている。そして、上記定着ベルト64は、剥離ロール62付近において、50℃〜80℃程度まで冷却される。
【0064】
なお、上記冷却用ヒートシンク70と加熱ロール61との間には、定着ベルト64に一定のテンションを付与する小径のテンションロール71が配設されている。
【0065】
そして、上記ベルト式定着装置58では、図5に示すように、表面にカラートナー画像Tが転写・定着された電子写真用被転写紙16が、加熱ロール61と当該加熱ロール61に定着ベルト64を介して圧接する加圧ロール65との圧接部72(ニップ部)に、カラートナー画像Tが加熱ロール61側に位置するようにして導入され、上記加熱ロール61と加圧ロール65との圧接部72を通過する間に、図8に示すように、カラートナー画像Tが電子写真用被転写紙16上に加熱溶融されて定着される。その際、上記電子写真用被転写紙16の表面に受像層として透明樹脂層を設けた電子写真用被転写紙16を用いた場合には、表面に形成された受像層43(透明樹脂層)も、加熱されて軟化し、定着ベルト64の表面に密着した状態となる。
【0066】
その後、上記加熱ロール61と加圧ロール65との圧接部72において、加熱溶融され、カラートナー画像Tが被転写層41上に定着された電子写真用被転写紙16は、その表面の被転写層41が定着ベルト64の表面に密着したまま状態で、当該定着ベルト64と共に搬送される。その間、上記定着ベルト64は、冷却用のヒートシンク71によって強制的に冷却され、カラートナー画像T及び被転写層41が冷却して固化した後、剥離ロール62によって転写シート16自身の腰(剛性)によって剥離される。
【0067】
なお、剥離工程が終了した後の定着ベルト64の表面は、クリーナ73によって残留トナー等が除去され、次の定着工程に備えるようになっている。
【0068】
図6は上記定着装置として使用されるロール式定着装置を示すものである。
【0069】
このロール式定着装置は、図6に示すように、加熱ロール201と加圧ロール202とでその主要部が構成されている。加熱ロール201は、内部に500Wのコルツランプ203を備えた、外径43mmのアルミニウム製コア材で形成された基質ロール204と、その上に設けられたシリコーンコンパウンド(東レ社製:SH841U)100重量部に対して、結晶性シリカ100重量部と加硫剤(東レ社製:RC−4)0.8部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0017cal/cm・sec・degで、そのゴム硬度がJIS硬度において60°、おおよその厚みtが3.0mmの内側弾性体205と、この内側弾性体205上に設けられた、バイトンゴム(デュポン社製:E−60C)100重量部とカーボン(東京材料社製)2重量部と酸化マグネシウム(協和化学社製MgO:#30)10重量部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0005cal/cm・sec・degで、厚みtが20μmの外側弾性体206とより構成されている。
【0070】
一方、加圧ロール202は、内部に500Wのコルツランプ218を備えた、外径49mmのアルミニウム製コア材で形成された基質ロール207と、その上に設けられたシリコーンコンパウンド(東レ社製:SH841U)100重量部に対して、結晶性シリカ50重量部と加硫剤(東レ社製:RC−4)0.8部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0015cal/cm・sec・degで、そのゴム硬度がJIS硬度において70°、おおよその厚みtが 1.0mmの内側弾性体208と、この内側弾性体208上に設けられた、バイトンゴム(デュポン社製:E−60C)100重量部とカーボン(東京材料社 製)2重量部と酸化マグネシウム(協和化学社製MgO:#30)10重量部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0005cal/cm・sec・degで、厚みtが20μmの外側弾性体209とより構成されている。
【0071】
また、上記加熱ロール201と加圧ロール202とは、図示されない加圧機構により圧接されて、中央部で6.0mmのニップ幅が形成され、かつ加熱ロール201の表面温度が155℃、加圧ロール202のの表面温度が150℃に各々設定されており、互いに矢印方向に所定の表面速度で回転するようになってい る。なお、図中、213は離型剤供給手段であって、加熱ロール201にシリコーン組成物214を塗布するためのものである。なお、215はオイルパン、216は供給ロール、217は塗布ロールである。トナー像211を担持した転写体210は、加熱ロール201と加圧ロール202の間に挿入され、定着が行われる。
【0072】
以上のような画像形成装置及び定着装置で、定着画像17を作製し、転写体の端部処理装置77へ搬送するように構成されている。
【0073】
転写体状のトナー量は、各色転写後、未定着画像部分を転写体ごと切り出し、未定着画像を圧縮空気で除去する前後の転写体の重量差を転写量とした。
【0074】
画像からはみ出した樹脂の長さは、転写体長辺部を光学顕微鏡で観察し、測長した10箇所の平均値を用いた。
【0075】
転写体は、白色粒子を塗工した塗工紙は、王子製紙社製ミラーコート紙(坪量203g/m2 )を使用し、透明樹脂層を塗工した用紙は、富士ゼロックス社製デジタルコート紙光沢タイプ(坪量170g/m2 )をそれぞれA6サイズ(105×148mm)に裁断して使用した。
【0076】
トナーは、富士ゼロックス社製Acolor用のサイアン、マゼンタ、イエロートナーを用いた。
トナーを作製した結着樹脂は、下記樹脂を用いた。
結着樹脂:テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(Tg=62℃、Mn=4000、Mw=35000、比重1.2)
【0077】
○画像作製1
図2に示した画像形成装置を用いて王子製紙社製ミラーコート紙上にトナー転写量22.1(g/m2 )の粉体トナー画像を得、図3に示すベルト式定着装置で加熱ロール温度170℃、加圧ロール温度170℃、定着速度30mm/sec、定着荷重240kgで加圧して画像1を得た。この画像のはみ出し量は252μmであった。
【0078】
○画像作製2
図2に示した画像形成装置を用いて富士ゼロックス社製デジタルコート紙上にトナー転写量14.0(g/m2 )の粉体トナー画像を得、図6に示すロール式定着装置で加熱ロール温度155℃、加圧ロール温度150℃、定着速度60mm/sec、定着荷重140kgで加圧して画像2を得た。この画像のはみ出し量は90μmであった。
【0079】
ところで、この実施の形態に係る転写体の端部処理装置は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置において、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されているように構成したものである。
【0080】
また、この実施の形態に係る転写体の端部処理装置は、前記転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材が、導電性を有する材質によって形成され、かつ接地されるように構成したものである。
【0081】
すなわち、この実施の形態に係る転写体の端部処理装置77は、図1に示すように、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材80、90を備えており、2本のロール状部材80、90間に、表面に透明樹脂層21が定着された転写体16を通過させることにより、当該転写体16の端部からはみ出した透明樹脂層21を除去する処理を行うように構成されている。なお、図1では、便宜上、転写体16が拡大して図示されている。この転写体16は、図7に示す転写体20と同一のものを示している。
【0082】
上記2本のロール状部材80、90のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材80は、アルミニウム製の金属パイプ81の表面に、ゴム硬度が20度のシリコンゴムからなる弾性体層82を厚さ2mmに被覆し、外径を50mmに形成したものである。
【0083】
一方、上記2本のロール状部材80、90のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材90は、その内部にアルミニウム製の金属パイプ91を備え、当該金属パイプ91は、ロール状部材80と対向する位置の上流側及び下流側が、ロール状部材80と接触するニップ部を除いて、大きく開口部92が設けられている。上記ロール状部材90は、図示しないロール支持体に固定した状態で取り付けられている。また、このロール状部材90の外周には、図1(b)に示すように、その軸方向のベアリング93を介して、ステンレス製のメッシュ部材によって円筒状に形成された回収ロール94が回転自在に配設されている。このステンレス製のメッシュ部材としては、例えば、目94aの開きが500μmのものが用いられる。さらに、上記ステンレス製のメッシュ部材からなる回収ロール94の表面には、その軸方向の両端部にシリコンゴム層95が表面に露出するように塗布されており、当該シリコンゴム層がロール状部材80に接触することによって、回収ロールがロール状部材80に従動回転するように構成されている。
【0084】
また、上記ステンレス製のメッシュ部材によって円筒状に形成された回収ロール94と、アルミニウム製の金属パイプ91は、当該アルミニウム製の金属パイプ91の開口部の両エッジ部に設けられたPFAブロック96を介して接触することで、回収ロール94は、安定した回転が可能となっている。
【0085】
さらに、上記アルミニウム製の金属パイプ91に設けられた開口部92は、上述したように、ロール状部材80との接触する位置から回転方向へ前後にずらした位置に設けられており、ステンレス製のメッシュ部材を通過した物体が開口部92を通って、負圧にした金属パイプ91内部の空隙97に達するようになっている。上記金属パイプ91内部を負圧にする手段としては、当該金属パイプ91の一方の端部に接続された図示しない吸引装置が用いられる。
【0086】
また、この実施の形態では、上記ステンレス製のメッシュ部材によって円筒状に形成された回収ロール94が、導線98を介して接地されていることで、転写体から脱落した樹脂が静電気を帯び、メッシュを構成する金属線に付着しても、当該ステンレス製のメッシュ部材からなる回収ロール94が接地されているた め、樹脂が除電され、速やかに吸引除去することが可能となっている。
【0087】
この転写体の端部処理装置77は、図1に示すように、画像導入部99から転写体16が導入されると、ロール状部材80の表面に設けられた弾性体層82の変形によって、図8に示すように、転写体16からはみ出した透明樹脂22が、転写体16から脱落され、この脱落した樹脂22は、回収ロール94のステンレス製のメッシュ部材の目94aから、更にアルミニウム製の金属パイプ91の開口部92を介して、空隙97内に回収され、吸引装置によって吸引除去される。なお、図8においては、図示の関係上、ロール状部材80が転写体16(20)及び回収ロール94から離間して示されているが、当該ロール状部材80は、転写体16(20)及び回収ロール94にある程度の力で当接しているものであ る。また、図8(a)はロール状部材80等の回転方向の断面を、同図(b)はロール状部材80等の軸方向の断面をそれぞれ示している。
【0088】
そのため、電子写真方法等によって作製した画像において、転写体16の表面からはみ出した透明樹脂22を容易に除去することが可能となる。
【0089】
実施の形態2
図9はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、回収ロールの構成が前記実施の形態と異なっている。
【0090】
すなわち、この実施の形態2では、図9に示すように、ステンレス製のメッシュ部材に代えて、アルミニウム製の金属パイプ100が使用されている。このアルミニウム製の金属パイプ100は、外径50mm、厚さ5mmのアルミニウム製金属パイプに、直径2mmの円形の孔102を、円の中心間距離が3mmとなるように、且つアルミニウム製金属パイプ100の内部まで貫通するように形成したものである。
【0091】
上記アルミニウム製金属パイプ100は、当該パイプの両端部に取り付けたベアリング101を介して図示しない支持体に担持して構成され、実施の形態1と同様の構成とした。
【0092】
実施の形態3
図10はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、回収ロールの構成が前記実施の形態と異なっている。
【0093】
すなわち、この実施の形態3では、図10に示すように、実施の形態2のアルミニウム製の金属パイプ103に、円形の孔に代えて幅2mm、長さ300mmの矩形のスリット105を溝間距離が1mmで、アルミニウム製金属パイプ103の内部まで貫通するように形成したものである。
【0094】
上記アルミニウム製金属パイプ103は、当該パイプの両端部に取り付けたベアリング104を介して図示しない支持体に担持して構成され、実施の形態2と同様の構成とした。
【0095】
実施の形態4
この発明の実施の形態4では、実施の形態1〜3で作製した転写体の端部処理装置77に、画像1及び画像2を速度60mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂を除去することができた。
【0096】
実施の形態5
この発明の実施の形態5では、実施の形態1〜3で作製した転写体の端部処理装置77に、画像1及び画像2を、画像を形成していない面が弾性体層を有するロール状部材に接触するようにして、速度60mm/secで通過させたとこ ろ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂が残留したが、速度30mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂を除去することができた。
【0097】
実施の形態6
この発明の実施の形態6では、実施の形態1〜3で作製した転写体の端部処理装置77の表面に孔を有するロール状部材の表面を接地させずに、画像1及び画像2を送り速度60mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2とも に、はみだした樹脂が残留したが、速度30mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂を除去することができたが、2本のロール状部材の表面に脱落した樹脂が付着した。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電子写真方法等によって作製した画像において、転写体の表面からはみ出した透明樹脂を容易に除去することが可能な転写体の端部処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置を示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置と組み合わせて使用される画像形成装置を示す構成図である。
【図3】図3はベルト式定着装置を示す構成図である。
【図4】図4は加熱ロールを示す断面構成図である。
【図5】図5はベルト式定着装置における定着状態を示す説明図である。
【図6】図6はロール式定着装置を示す構成図である。
【図7】図7は透明樹脂がはみだした転写体を示す説明図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置の動作を示す断面構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態2に係る転写体の端部処理装置の要部を示す構成図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態3に係る転写体の端部処理装置の要部を示す構成図である。
【符号の説明】
16(20):転写体、22:はみだした透明樹脂、77:転写体の端部処理装置、80、90:ロール状部材、81:金属パイプ、82:弾性体層、93:回収ロール。
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子写真方式や静電記録方式等のような画像形成方法によって、粉体トナーを用いて転写体上に画像を形成する複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置において、当該画像形成装置によって画像が作製された転写体の端部に処理を施す転写体の端部処理装置に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特開平04−278967号公報
【特許文献2】特開平04−362960号公報
【特許文献3】特開平09−200551号公報
【特許文献4】特開平10−213942号公報
【特許文献5】特開昭63−92964号公報
【特許文献6】特開昭63−92965号公報
【特許文献7】特開平02−91051号公報
【0003】
【従来の技術】
従来、この種の電子写真方式や静電記録方式等によって、カラー画像を形成するカラー画像形成装置において、記録用紙等の転写体上にカラー画像を形成する場合、例えば、カラーコピーをとる場合には、次のような画像形成処理が行われる。まず、カラー原稿に照明を当て、その反射光像をカラーCCDにより色分解して読み取り、画像処理装置で所定の画像処理や色補正を施し、得られる複数色の画像信号に基づいて、例えば半導体レーザーなどを変調し、当該半導体レーザーから画像信号に応じて変調されたレーザー光線を出射する。このレーザー光線を、Se、アモルファスシリコンなどの無機感光体、またはフタロシアニン顔 料、ビスアゾ顔料などを電荷発生層として用いた有機感光体上に、一色ずつ複数回照射することで、複数の静電潜像を形成する。これら無機または有機感光体上に形成される複数の静電潜像を、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、及び黒(K)の4色のカラートナーで順次現像する。そして、現像されたトナー像を無機または有機感光体から記録用紙等の転写体上に転写し、熱定着ロール等からなる定着装置で加熱定着することにより、転写体上にカラー画像の形成が行われる。
【0004】
このようなカラー画像形成装置で用いられるカラートナーは、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体等からなるバインダー樹脂中に、着色剤としての顔料を分散させてなる平均粒径1〜15μmの粒子に、平均粒径が5〜100nm程度の微粒子、例えば、酸化けい素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子、またはPMMA、PVDF等の樹脂微粒子を付着させたものである。また、上記着色剤は、例えば、イエロー(Y)としてベンジジンイエロー、キノリンイエロー、ハンザイエロー等、マジェンタ(M)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、シアン(C)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー 等、黒(K)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等が用いられている。
【0005】
上記の如く構成されるカラー画像形成装置を用いて、例えば、銀塩写真を原稿として上述のような電子写真方式で画像を作製した場合には、銀塩写真原稿の濃度に応じて、トナー付着量の増減が行われていることから、濃度が高い部分は、トナー付着量が多いので、光沢度が高くなってしまい、逆に濃度が低い部分はトナー付着量が少ないので、光沢度が低くなってしまうことから、光沢の度合い は、カラー原稿の画像濃度と比例していることになり、原稿とした銀塩印画紙写真とは異なる表面を持つ画像となってしまうという問題点を有していた。
【0006】
そこで、上記のような問題点を解決するため、定着時のトナーの加熱温度を上昇させて、定着時のトナー溶融粘度を低くして定着することや、定着時の圧力を上昇させて画像表面を平滑化することが行われている。
【0007】
さらに、カラートナーに加えて透明トナーを転写体上に転写、定着することによって、画像表面の光沢性や平滑化を向上させる方法が、特開平04−278967号公報、特開平04−362960号公報、特開平09−200551号公報、特開平10−213942号公報等に開示されている。
【0008】
このような方法で定着を行った場合には、トナーが溶けすぎて転写体(例え ば、非塗工紙)への染み込みが起こることで、画像表面の光沢度が一様にならないという問題点を有している。
【0009】
また、トナーの染み込みによる問題を解決するため、上質紙や中質紙の表面に白色粒子を塗工した塗工紙を転写体として用いる方法や、樹脂層を塗工した転写体を用いる方法が、特開昭63−92964号公報や特開昭63−92965号公報等に開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわ ち、上記の如く塗工紙や樹脂層を塗工した転写体を使用して画像を作製すると、トナーの染み込みはなくなるため、画像表面が平滑となり、光沢度は均一となるが、図7に示すように、定着器の熱及び圧力で転写体表面の端縁部から50〜500μm程度の幅で透明樹脂がはみ出してしまう。このように転写体表面の端縁部からはみ出した透明樹脂は、厚さが数十μmと薄いため、当該転写体の搬送路と接触したり、人間の手で複数枚の画像を束ねるといった作業により、容易に脱落して粉体状となり、搬送路や作業場所を汚損したり、さらに画像表面や裏面に付着して汚損してしまうという問題点を有していた。
【0011】
そこで、かかる問題点を解決し得る技術としては、本出願人の提案に係る特開2002−91051号公報に開示されているように、転写シートの端縁部の形状を加工したシートが提案されているが、この場合には、転写シートの端縁部に特殊な加工を施す必要があるため、市販の用紙を使用した場合には、透明樹脂のはみ出しを防止するという効果を得ることができない。
【0012】
また、上記の問題点を解決するためには、粉体トナーを転写する転写体表面の領域を、定着後の樹脂のはみ出し量を見込んで転写体の端縁部より内側となるように、転写体の面積よりも小さくして転写することも考えられるが、この場合には、画像を作製する装置の精度、用紙の寸法精度、温湿度が変化したときの用紙寸法の変化量を考慮すると、実現することが困難であるという問題点を有している。
【0013】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電子写真方法等によって作製した画像におい て、転写体の表面からはみ出した透明樹脂を容易に除去することが可能な転写体の端部処理装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置において、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されていることを特徴とする転写体の端部処理装置である。
【0015】
また、請求項2に記載された発明は、前記転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、導電性を有する材質によって形成され、かつ接地されていることを特徴とする請求項1記載の転写体の端部処理装置である。
【0016】
さらに、請求項3に記載された発明は、回転可能に配設された潜像担持体と、前記潜像担持体上に画像情報に応じて静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記潜像担持体上に形成された静電潜像を、少なくともサイアン、マゼンタ、イエローのカラートナー及び透明トナーを用いて、トナー像を順次形成する現像手段と、前記潜像担持体上に形成されたトナー像を、転写体上に転写する転写手段と、前記転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、前記画像形成装置は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置を備え、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されていることを特徴とする画像形成装置である。
【0017】
本発明は、電子写真方式で作製した画像の転写体からはみ出した樹脂を除去する方法として、隙間無く接触した2本のロール間に画像を通過させ、内部に空洞を有する該2本のロールの一方のロールは、少なくとも画像が通過する部分のロール表面にロール内部の空洞まで貫通する孔を有し、かつ空洞内が負圧であり、他方のロールは表面に弾性体層を設けたロールを用いることで上述の課題を解決した。
【0018】
また、転写体上に設けた画像表面と接するロールは表面に弾性体層を設けたロールであると好適である。
【0019】
さらに、表面に孔を有するロールは、ロール表面が接地されているとさらに、好適である。
【0020】
転写体からはみ出した樹脂は、画像を構成するトナーや転写体上に形成した透明樹脂からなり、転写体からのはみ出し量は、画像作製条件にもよるが、おおむね転写体の縁を基点として長さ50〜500μm、厚さが数十μmである。図7は転写体からはみ出した樹脂の模式図及び模式断面図である。図7において、20は転写体、21は転写画像、22は転写体からはみ出した樹脂、23は定着方向、24は前端部、25は後端部、26は側端部をそれぞれ示している。
【0021】
トナーや転写体上の透明樹脂がはみ出した樹脂は、通常のオフィスの温湿度環境では非常にもろいため、はみ出した樹脂にわずかな外力が作用しただけで容易に脱落し、粉状になる。
【0022】
そこで、本発明の画像後処理装置では、はみ出した樹脂を画像から脱落させるロールと、段落した樹脂を回収するロールの2本のロールから構成されている。そして、2本のロールは隙間なく接触させることで、2本のロール間に樹脂がはみ出した画像を通過した際、転写体からはみ出した樹脂を脱落させることができる。
【0023】
画像前端部では、ロール表面に転写体からはみ出した樹脂部が接触した時に、樹脂部が脱落する。図8はこれを説明する前端部の模式図である。
【0024】
画像と接触するロールは、表面に弾性体層を設け、隙間なく接触させたロールの接触部分に画像を通過させることで、ロール上に被覆した弾性体層が変形し、変形した弾性体層が転写体からはみ出した樹脂部に接触することで、樹脂部が脱落する。
【0025】
段落した樹脂は、一方のロールの内部が負圧となるようにしかつ、ロール表面からロール内部の空隙まで通じた孔に吸引されることで一方のロール内部の空隙に収集される。一度脱落した樹脂は、除去処理した画像に再び付着することはない。
【0026】
ここで、本発明でロール表面からロール内部の空洞まで貫通する孔と記載しているが、転写体からはみ出した樹脂を吸引できる形状であれば円形に限らず、矩形等を用いても良い。
【0027】
画像表面と接触するロール表面を弾性体とすることで、画像表面を傷つけることもない。
【0028】
さらに、表面に孔を有するロールは、ロール表面を接地することで、転写体からはみ出した樹脂が転写体からの脱落時に静電気を帯びても、速やかに序電されるため、ロール表面等に付着せず、効率的に吸引除去が可能になる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0030】
実施の形態1
このカラー画像形成装置は、基材上にカラー画像を形成するとともに、当該カラー画像が形成された基材上に、透明トナーからなるトナー像を転写定着することにより、光沢が付与されたカラー画像を形成するように構成されている。
【0031】
図2は、この発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置を適用したカラー画像形成装置を示す構成図である。
【0032】
このカラー画像形成装置1は、大別して、カラー原稿の画像を読み取る原稿読取装置2と、この原稿読取装置2で読み取られたカラー画像や、図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる画像データに基づいて画像を出力する画像出力装置3と、この画像出力装置3から出力されるカラー画像が形成された転写体に光沢を付与した状態で定着する定着装置とを備えるように構成されてい る。
【0033】
上記原稿読取装置2は、図示しないプラテンガラス上に載置された原稿5を、照明ランプ6によって照明し、原稿からの反射光像をカラースキャナー7によって、所定のドット密度(例えば、16ドット/mm)で読み取るように構成されている。
【0034】
上記原稿読取装置2によって読み取られた原稿の反射光像は、例えば、赤 (R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の原稿反射率データとして画像処理装置8に送られ、この画像処理装置8では、イエロー(Y)、マゼンタ (M)、サイアン(C)(各8bit)の3色の画像信号に色分解され、隣接する画素同士のトナー現像量の差を検出した後、画像信号に対して、シェーデイング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の所定の画像処理を加えて、各色ごとに一色ずつ順番に、後述するROS9に出力される。
【0035】
上記カラー画像形成装置1の内部には、色の異なる複数のトナー像を形成可能な画像出力装置3が配設されている。この画像出力装置3は、主として、画像露光手段としてのROS9と、静電潜像が形成される像担持体としての感光体ドラム10と、前記感光体ドラム10上に形成された静電潜像を現像して色の異なる複数のトナー像を形成可能な現像手段としてのロータリー方式の現像装置11とから構成されている。
【0036】
上記の如く画像処理装置8で所定の画像処理が施された画像データは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)(各8bit)の3色の画像データとしてROS9(Raster Output Scanner)に送られる。
【0037】
上記ROS9は、図2に示すように、レーザーダイオード12を画像データに応じて変調し、このレーザーダイオード12からは、画像データに応じて変調されたレーザー光LBが出射される。このレーザーダイオード12から出射されたレーザー光LBは、図示しない回転多面鏡によって偏向走査され、f・θレンズや反射ミラー等からなる光学系を介して像担持体としての感光体ドラム10上に走査露光される。
【0038】
上記ROS9によってレーザー光LBが走査露光される感光体ドラム10は、図示しない駆動手段によって矢印方向に沿って所定の速度で回転駆動されるようになっている。この感光体ドラム10の表面は、予め一次帯電用のスコロトロン帯電器13によって、所定の極性(例えば、マイナス極性)及び電位に帯電された後、画像データに応じてイエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の各色に対応したレーザー光LBが、順次、走査露光されることによって静電潜像が形成される。上記感光体ドラム10上に形成された静電潜像は、イエロー (Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の3色の現像器11Y、11M、11Cを備えたロータリー方式の現像装置11によって、例えば、感光体ドラム10の帯電極性と同極性のマイナス極性に帯電したトナーによって反転現像され、所定の色のトナー像Tとなる。尚、上記感光体ドラム10上に形成されたトナー像Tは、必要に応じて図示しない転写前帯電器によって所定極性の帯電を受け、電荷量が調整されるようになっている。
【0039】
そして、上記感光体ドラム10上には、上述したように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)の各色のトナー像が、順次形成される。
この実施の形態では、上記ロータリー方式の現像装置11が、透明トナーを収容した透明トナー現像器11Tを備えており、例えば、カラートナー像が転写された転写体の全面に、透明トナー像を形成するように構成されている。この透明トナー像は、カラートナー像とまったく同様のプロセスによって形成される。
なお、上記ロータリー方式の現像装置11は、上記の構成以外に、黒(K)の現像器(合計5つの現像器)をも備えるように構成しても良い。
【0040】
上記現像装置11で使用されるカラートナーとしては、例えば、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる絶縁性の粒子で、サイアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー等が挙げられる。このカラートナーの組成や平均粒径等については、本発明の目的を害しない範囲の中から適宜選択される。
【0041】
上記結着樹脂としては、後述する透明トナーにおける結着樹脂として例示したものが挙げられる。上記着色剤としては、トナー用として通常用いられている着色剤であれば特に制限はなく、それ自体公知のサイアン顔料または染料、マジェンタ顔料または染料、イエロー顔料または染料、ブラック顔料または染料の中から選択できる。好ましくは、高光沢が得られる効果を高めるためには、着色剤の顔料とバインダーの界面での乱反射を抑えることが重要であり、特開平4−242752号公報に示された小粒径の顔料を高分散した着色剤との組み合わせが有効である。
【0042】
また、上記カラートナーの粒径は、特に限定する必要はないが、前記露光器による静電潜像を忠実に再現できる機能を有することを考えると、4μm以上、8μm以下が望ましい。
【0043】
本発明において、前記カラートナーは適宜作製したものであってもよいし、市販品であってもよい。
【0044】
なお、上記カラートナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブまたは帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
【0045】
上記感光体ドラム10上に順次形成された各色のトナー像は、当該感光体ドラム10の下部に配置された転写体担持体としての転写ドラム14の表面に担持された転写用紙等の転写体16上に転写コロトロン15によって、互いに重ね合わせた状態で転写される。上記転写ドラム14上に担持された転写体16上に転写されるトナー像の順番は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、サイアン(C)等のカラートナー像が先に転写され、透明トナー像が最後に、つまり最上層に転写される。なお、上記透明トナー像は、転写体16上の全面を覆うように形成される。
【0046】
なお、この実施の形態では、転写体担持体としての転写ドラム14を用いているが、中間転写ベルトや中間転写ドラム等の中間転写体を用いても勿論よい。
【0047】
上記の如く透明トナー像を最上層にして、下層にイエロー(Y)、マゼンタ (M)、サイアン(C)等のカラートナー像が転写された転写体16は、転写ドラム14から分離され、後述する定着装置に搬送されて、トナー像が転写体16上に定着される。
【0048】
ところで、この実施の形態で使用される透明トナーは、少なくとも熱可塑性の結着樹脂を含有するように構成されている。
【0049】
この発明において、『透明トナー』とは、光吸収や光散乱による着色を目的とした色材(着色顔料、着色染料、黒色カーボン粒子、黒色磁性紛など)を含まないトナー粒子であることを意味する。この発明における透明トナーは、通常、無色透明であるが、その中に含まれる流動化剤や離型剤の種類や量によっては、透明度が若干低くなっていることがあるが、実質的には無色透明である。
【0050】
また、上記結着樹脂としては、実質的に透明であればよく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。これらの中で も、低温定着性、定着強度、保存性などのトナー特性を同時に満足し得る点で、ポリエステル系樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、定着速度を速くするとともに、定着温度を下げるため、重量平均分子量が5000以上40000以下、かつガラス転移点が55℃以上75℃未満であることが好ましい。
【0051】
なお、上記透明トナーにおいて、高い光沢度をムラなく均一に得るためには、トナーの流動性と帯電性を制御するのが望ましい。この透明トナーの流動性と帯電性を制御する観点から、前記透明トナーのトナー表面に、無機微粒子及び/又は有機微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
【0052】
上記無機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデンなどが挙げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
【0053】
また、上記有機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はな く、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
【0054】
上記無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は、0.005〜1μmであるのが特に好ましい。この平均粒径が0.005μm未満であると、透明トナーの表面に無機微粒子及び/又は有機微粒子を付着させたときに凝集がおこり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
【0055】
また、上記透明トナーの粒径は、特に限定されるものではないが、例えば、15μm程度のものであっても良い。
【0056】
なお、上記透明トナーは、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブまたは帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用することができる。
【0057】
図3は上記定着装置としてのベルト式定着装置を示すものである。
【0058】
このベルト式定着装置58は、図3に示すように、加熱ロール61と、当該加熱ロール61を含む複数のロール62、63により回動可能に支持された定着ベルト64と、前記加熱ロール61に定着ベルト64を介して圧接する加圧ロール65とを備えている。
【0059】
上記加熱ロール61としては、例えば、図4に示すように、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コア66の表面に、ゴム硬度が20〜60°のシリコンゴム等からなる弾性体層67を厚さ1〜3mm程度被覆し、更に当該弾性体層67の表面にPFAチューブ等からなる離型層68を被覆して、所定の外径(例えば、50mm)に形成したものが用いられる。この加熱ロール61の内部に は、加熱源として300〜350Wのハロゲンランプ69が配設されており、当該加熱ロール61の表面温度が所定の温度(130℃〜195℃程度)となるように内部から加熱される。
【0060】
また、上記加圧ロール65としては、例えば、図4に示す加熱ロール65と同様に構成したものが用いられ、アルミニウムやステンレス等からなる金属製コア66の表面に、ゴム硬度が20〜60°のシリコンゴム等からなる弾性体層67を厚さ1〜3mm程度被覆し、更に当該弾性体層67の表面にPFAチューブ等からなる離型層68を被覆して、所定の外径(例えば、50mm)に形成したものが用いられる。この加圧ロール65の内部には、加熱源として300〜350Wのハロゲンランプ69が配設されており、当該加圧ロール65の表面温度が所定の温度(80℃〜180℃程度)となるように内部から加熱される。
【0061】
そして、上記加熱ロール61と加圧ロール65は、定着ベルト64を介して、図示しない加圧手段により、75kg〜200kgの荷重で互いに圧接するように構成されている。
【0062】
さらに、上記定着ベルト64は、加熱ロール61と、剥離ロール62と、ウオーク制御ロール63からなる複数のロールにより回動可能に支持されており、図示しない駆動源によって回転駆動される加熱ロール61により、所定の移動速度(30〜100mm/sec)で回転駆動される。この定着ベルト64として は、例えば、厚さ80μmのポリイミド製の無端状フィルム上に、厚さ50μmのシリコンゴム層を被覆したものが用いられる。
【0063】
また、上記定着ベルト64の内面側には、加熱ロール61と剥離ロール62との間に、当該定着ベルト64を強制的に冷却する冷却用のヒートシンク70が配設されており、この冷却用ヒートシンク70によって転写シート16の冷却及びシート16の搬送を行う冷却・シート搬送部が構成されている。そして、上記定着ベルト64は、剥離ロール62付近において、50℃〜80℃程度まで冷却される。
【0064】
なお、上記冷却用ヒートシンク70と加熱ロール61との間には、定着ベルト64に一定のテンションを付与する小径のテンションロール71が配設されている。
【0065】
そして、上記ベルト式定着装置58では、図5に示すように、表面にカラートナー画像Tが転写・定着された電子写真用被転写紙16が、加熱ロール61と当該加熱ロール61に定着ベルト64を介して圧接する加圧ロール65との圧接部72(ニップ部)に、カラートナー画像Tが加熱ロール61側に位置するようにして導入され、上記加熱ロール61と加圧ロール65との圧接部72を通過する間に、図8に示すように、カラートナー画像Tが電子写真用被転写紙16上に加熱溶融されて定着される。その際、上記電子写真用被転写紙16の表面に受像層として透明樹脂層を設けた電子写真用被転写紙16を用いた場合には、表面に形成された受像層43(透明樹脂層)も、加熱されて軟化し、定着ベルト64の表面に密着した状態となる。
【0066】
その後、上記加熱ロール61と加圧ロール65との圧接部72において、加熱溶融され、カラートナー画像Tが被転写層41上に定着された電子写真用被転写紙16は、その表面の被転写層41が定着ベルト64の表面に密着したまま状態で、当該定着ベルト64と共に搬送される。その間、上記定着ベルト64は、冷却用のヒートシンク71によって強制的に冷却され、カラートナー画像T及び被転写層41が冷却して固化した後、剥離ロール62によって転写シート16自身の腰(剛性)によって剥離される。
【0067】
なお、剥離工程が終了した後の定着ベルト64の表面は、クリーナ73によって残留トナー等が除去され、次の定着工程に備えるようになっている。
【0068】
図6は上記定着装置として使用されるロール式定着装置を示すものである。
【0069】
このロール式定着装置は、図6に示すように、加熱ロール201と加圧ロール202とでその主要部が構成されている。加熱ロール201は、内部に500Wのコルツランプ203を備えた、外径43mmのアルミニウム製コア材で形成された基質ロール204と、その上に設けられたシリコーンコンパウンド(東レ社製:SH841U)100重量部に対して、結晶性シリカ100重量部と加硫剤(東レ社製:RC−4)0.8部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0017cal/cm・sec・degで、そのゴム硬度がJIS硬度において60°、おおよその厚みtが3.0mmの内側弾性体205と、この内側弾性体205上に設けられた、バイトンゴム(デュポン社製:E−60C)100重量部とカーボン(東京材料社製)2重量部と酸化マグネシウム(協和化学社製MgO:#30)10重量部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0005cal/cm・sec・degで、厚みtが20μmの外側弾性体206とより構成されている。
【0070】
一方、加圧ロール202は、内部に500Wのコルツランプ218を備えた、外径49mmのアルミニウム製コア材で形成された基質ロール207と、その上に設けられたシリコーンコンパウンド(東レ社製:SH841U)100重量部に対して、結晶性シリカ50重量部と加硫剤(東レ社製:RC−4)0.8部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0015cal/cm・sec・degで、そのゴム硬度がJIS硬度において70°、おおよその厚みtが 1.0mmの内側弾性体208と、この内側弾性体208上に設けられた、バイトンゴム(デュポン社製:E−60C)100重量部とカーボン(東京材料社 製)2重量部と酸化マグネシウム(協和化学社製MgO:#30)10重量部とを充填混合して形成され、その熱伝導率λが0.0005cal/cm・sec・degで、厚みtが20μmの外側弾性体209とより構成されている。
【0071】
また、上記加熱ロール201と加圧ロール202とは、図示されない加圧機構により圧接されて、中央部で6.0mmのニップ幅が形成され、かつ加熱ロール201の表面温度が155℃、加圧ロール202のの表面温度が150℃に各々設定されており、互いに矢印方向に所定の表面速度で回転するようになってい る。なお、図中、213は離型剤供給手段であって、加熱ロール201にシリコーン組成物214を塗布するためのものである。なお、215はオイルパン、216は供給ロール、217は塗布ロールである。トナー像211を担持した転写体210は、加熱ロール201と加圧ロール202の間に挿入され、定着が行われる。
【0072】
以上のような画像形成装置及び定着装置で、定着画像17を作製し、転写体の端部処理装置77へ搬送するように構成されている。
【0073】
転写体状のトナー量は、各色転写後、未定着画像部分を転写体ごと切り出し、未定着画像を圧縮空気で除去する前後の転写体の重量差を転写量とした。
【0074】
画像からはみ出した樹脂の長さは、転写体長辺部を光学顕微鏡で観察し、測長した10箇所の平均値を用いた。
【0075】
転写体は、白色粒子を塗工した塗工紙は、王子製紙社製ミラーコート紙(坪量203g/m2 )を使用し、透明樹脂層を塗工した用紙は、富士ゼロックス社製デジタルコート紙光沢タイプ(坪量170g/m2 )をそれぞれA6サイズ(105×148mm)に裁断して使用した。
【0076】
トナーは、富士ゼロックス社製Acolor用のサイアン、マゼンタ、イエロートナーを用いた。
トナーを作製した結着樹脂は、下記樹脂を用いた。
結着樹脂:テレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(Tg=62℃、Mn=4000、Mw=35000、比重1.2)
【0077】
○画像作製1
図2に示した画像形成装置を用いて王子製紙社製ミラーコート紙上にトナー転写量22.1(g/m2 )の粉体トナー画像を得、図3に示すベルト式定着装置で加熱ロール温度170℃、加圧ロール温度170℃、定着速度30mm/sec、定着荷重240kgで加圧して画像1を得た。この画像のはみ出し量は252μmであった。
【0078】
○画像作製2
図2に示した画像形成装置を用いて富士ゼロックス社製デジタルコート紙上にトナー転写量14.0(g/m2 )の粉体トナー画像を得、図6に示すロール式定着装置で加熱ロール温度155℃、加圧ロール温度150℃、定着速度60mm/sec、定着荷重140kgで加圧して画像2を得た。この画像のはみ出し量は90μmであった。
【0079】
ところで、この実施の形態に係る転写体の端部処理装置は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置において、前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されているように構成したものである。
【0080】
また、この実施の形態に係る転写体の端部処理装置は、前記転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材が、導電性を有する材質によって形成され、かつ接地されるように構成したものである。
【0081】
すなわち、この実施の形態に係る転写体の端部処理装置77は、図1に示すように、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材80、90を備えており、2本のロール状部材80、90間に、表面に透明樹脂層21が定着された転写体16を通過させることにより、当該転写体16の端部からはみ出した透明樹脂層21を除去する処理を行うように構成されている。なお、図1では、便宜上、転写体16が拡大して図示されている。この転写体16は、図7に示す転写体20と同一のものを示している。
【0082】
上記2本のロール状部材80、90のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材80は、アルミニウム製の金属パイプ81の表面に、ゴム硬度が20度のシリコンゴムからなる弾性体層82を厚さ2mmに被覆し、外径を50mmに形成したものである。
【0083】
一方、上記2本のロール状部材80、90のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材90は、その内部にアルミニウム製の金属パイプ91を備え、当該金属パイプ91は、ロール状部材80と対向する位置の上流側及び下流側が、ロール状部材80と接触するニップ部を除いて、大きく開口部92が設けられている。上記ロール状部材90は、図示しないロール支持体に固定した状態で取り付けられている。また、このロール状部材90の外周には、図1(b)に示すように、その軸方向のベアリング93を介して、ステンレス製のメッシュ部材によって円筒状に形成された回収ロール94が回転自在に配設されている。このステンレス製のメッシュ部材としては、例えば、目94aの開きが500μmのものが用いられる。さらに、上記ステンレス製のメッシュ部材からなる回収ロール94の表面には、その軸方向の両端部にシリコンゴム層95が表面に露出するように塗布されており、当該シリコンゴム層がロール状部材80に接触することによって、回収ロールがロール状部材80に従動回転するように構成されている。
【0084】
また、上記ステンレス製のメッシュ部材によって円筒状に形成された回収ロール94と、アルミニウム製の金属パイプ91は、当該アルミニウム製の金属パイプ91の開口部の両エッジ部に設けられたPFAブロック96を介して接触することで、回収ロール94は、安定した回転が可能となっている。
【0085】
さらに、上記アルミニウム製の金属パイプ91に設けられた開口部92は、上述したように、ロール状部材80との接触する位置から回転方向へ前後にずらした位置に設けられており、ステンレス製のメッシュ部材を通過した物体が開口部92を通って、負圧にした金属パイプ91内部の空隙97に達するようになっている。上記金属パイプ91内部を負圧にする手段としては、当該金属パイプ91の一方の端部に接続された図示しない吸引装置が用いられる。
【0086】
また、この実施の形態では、上記ステンレス製のメッシュ部材によって円筒状に形成された回収ロール94が、導線98を介して接地されていることで、転写体から脱落した樹脂が静電気を帯び、メッシュを構成する金属線に付着しても、当該ステンレス製のメッシュ部材からなる回収ロール94が接地されているた め、樹脂が除電され、速やかに吸引除去することが可能となっている。
【0087】
この転写体の端部処理装置77は、図1に示すように、画像導入部99から転写体16が導入されると、ロール状部材80の表面に設けられた弾性体層82の変形によって、図8に示すように、転写体16からはみ出した透明樹脂22が、転写体16から脱落され、この脱落した樹脂22は、回収ロール94のステンレス製のメッシュ部材の目94aから、更にアルミニウム製の金属パイプ91の開口部92を介して、空隙97内に回収され、吸引装置によって吸引除去される。なお、図8においては、図示の関係上、ロール状部材80が転写体16(20)及び回収ロール94から離間して示されているが、当該ロール状部材80は、転写体16(20)及び回収ロール94にある程度の力で当接しているものであ る。また、図8(a)はロール状部材80等の回転方向の断面を、同図(b)はロール状部材80等の軸方向の断面をそれぞれ示している。
【0088】
そのため、電子写真方法等によって作製した画像において、転写体16の表面からはみ出した透明樹脂22を容易に除去することが可能となる。
【0089】
実施の形態2
図9はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、回収ロールの構成が前記実施の形態と異なっている。
【0090】
すなわち、この実施の形態2では、図9に示すように、ステンレス製のメッシュ部材に代えて、アルミニウム製の金属パイプ100が使用されている。このアルミニウム製の金属パイプ100は、外径50mm、厚さ5mmのアルミニウム製金属パイプに、直径2mmの円形の孔102を、円の中心間距離が3mmとなるように、且つアルミニウム製金属パイプ100の内部まで貫通するように形成したものである。
【0091】
上記アルミニウム製金属パイプ100は、当該パイプの両端部に取り付けたベアリング101を介して図示しない支持体に担持して構成され、実施の形態1と同様の構成とした。
【0092】
実施の形態3
図10はこの発明の実施の形態3を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態3では、回収ロールの構成が前記実施の形態と異なっている。
【0093】
すなわち、この実施の形態3では、図10に示すように、実施の形態2のアルミニウム製の金属パイプ103に、円形の孔に代えて幅2mm、長さ300mmの矩形のスリット105を溝間距離が1mmで、アルミニウム製金属パイプ103の内部まで貫通するように形成したものである。
【0094】
上記アルミニウム製金属パイプ103は、当該パイプの両端部に取り付けたベアリング104を介して図示しない支持体に担持して構成され、実施の形態2と同様の構成とした。
【0095】
実施の形態4
この発明の実施の形態4では、実施の形態1〜3で作製した転写体の端部処理装置77に、画像1及び画像2を速度60mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂を除去することができた。
【0096】
実施の形態5
この発明の実施の形態5では、実施の形態1〜3で作製した転写体の端部処理装置77に、画像1及び画像2を、画像を形成していない面が弾性体層を有するロール状部材に接触するようにして、速度60mm/secで通過させたとこ ろ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂が残留したが、速度30mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂を除去することができた。
【0097】
実施の形態6
この発明の実施の形態6では、実施の形態1〜3で作製した転写体の端部処理装置77の表面に孔を有するロール状部材の表面を接地させずに、画像1及び画像2を送り速度60mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2とも に、はみだした樹脂が残留したが、速度30mm/secで通過させたところ、画像1及び画像2ともに、はみだした樹脂を除去することができたが、2本のロール状部材の表面に脱落した樹脂が付着した。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、電子写真方法等によって作製した画像において、転写体の表面からはみ出した透明樹脂を容易に除去することが可能な転写体の端部処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置を示す構成図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置と組み合わせて使用される画像形成装置を示す構成図である。
【図3】図3はベルト式定着装置を示す構成図である。
【図4】図4は加熱ロールを示す断面構成図である。
【図5】図5はベルト式定着装置における定着状態を示す説明図である。
【図6】図6はロール式定着装置を示す構成図である。
【図7】図7は透明樹脂がはみだした転写体を示す説明図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る転写体の端部処理装置の動作を示す断面構成図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態2に係る転写体の端部処理装置の要部を示す構成図である。
【図10】図10はこの発明の実施の形態3に係る転写体の端部処理装置の要部を示す構成図である。
【符号の説明】
16(20):転写体、22:はみだした透明樹脂、77:転写体の端部処理装置、80、90:ロール状部材、81:金属パイプ、82:弾性体層、93:回収ロール。
Claims (3)
- 互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置において、
前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、
前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されていることを特徴とする転写体の端部処理装置。 - 前記転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、導電性を有する材質によって形成され、かつ接地されていることを特徴とする請求項1記載の転写体の端部処理装置。
- 回転可能に配設された潜像担持体と、前記潜像担持体上に画像情報に応じて静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記潜像担持体上に形成された静電潜像を、少なくともサイアン、マゼンタ、イエローのカラートナー及び透明トナーを用いて、トナー像を順次形成する現像手段と、前記潜像担持体上に形成されたトナー像を、転写体上に転写する転写手段と、前記転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段とを備えた画像形成装置において、
前記画像形成装置は、互いに接触した状態で回転可能に設けられた2本のロール状部材を備え、前記2本のロール状部材間に、表面に透明樹脂層が定着された転写体を通過させることにより、当該転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を除去する処理を行う転写体の端部処理装置を備え、
前記2本のロール状部材のうち、転写体の透明樹脂層側に接触するロール状部材は、当該転写体の端部に当接して、転写体の端部からはみ出した透明樹脂層を押圧して除去する弾性体層を表面に有し、
前記2本のロール状部材のうち、転写体の裏面側に接触するロール状部材は、その表面に転写体の端部から除去された透明樹脂層を回収除去する開口部を略全面に有するとともに、その中空に形成された内部は、吸引手段に接続されていることを特徴とする画像形成装置。
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- 2002-12-20 JP JP2002370895A patent/JP2004205536A/ja not_active Withdrawn
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