JP2004309721A - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像全面に一様な高光沢をもち、平滑な表面を有する画像を長期間の使用を通じて安定に作製でき、かつ、連続使用時においても透明トナーの飛散による装置内の汚れを有効に回避する。
【解決手段】各色成分毎にカラートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、各色成分毎のカラートナー像Tを形成するカラー現像装置2と、透明トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、透明トナー像Tを形成する透明現像装置3とを備え、カラー現像装置2及び透明現像装置3が、いずれもトナー、キャリアが攪拌、混合せしめられる攪拌混合手段4を有し、これらの攪拌混合手段4の攪拌混合能力についてはカラー現像装置2に比べて透明現像装置3の方が大きく設定されている。攪拌混合能力に代えて現像剤重量を用いる態様もある。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ等のカラー画像形成装置に係り、特に、電子写真方式などでカラートナー像及び透明トナー像からなる画像を形成する際に有効なカラー画像形成装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のカラー画像形成装置として、例えば電子写真方式を採用した態様を例に挙げると、カラー画像を形成する場合、例えばカラーコピーを取る場合には、以下のような作像工程が採られていた。
すなわち、原稿に照明を当て、その反射光をカラースキャナにより色分解し、画像処理装置で画像処理、色補正を施して得られる複数色の画像信号を、色別に、例えば半導体レーザなどを用いて変調されたレーザ光線とする。このレーザ光線を、Se、アモルファスシリコンなどの無機感光体又はフタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料などを電荷発生層として用いた有機感光体等からなる像担持体に一色ずつ複数回照射することで、複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像を例えば、帯電されたY(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の四色のカラートナーで順番に現像する。そして、現像されたトナー像を無機または有機感光体からなる像担持体から用紙等の基材(転写材)に転写し、例えば加熱加圧定着方式の定着装置にて定着する。こうして、基材上にカラー画像を形成するようにしていた。
【0003】
なお、上記場合において、前記カラートナーは、例えばポリエステル樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体等などの結着樹脂中に、着色剤を分散させてなる平均粒径1〜15μmの粒子に、平均粒径が5〜100μm程度の微粒子、例えば酸化けい素、 酸化チタン、 酸化アルミニウム等の無機微粒子、または、PMMA、PVDF等の樹脂微粒子を付着させたものである。
また、前記着色剤は、例えば、Y(イエロ)としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、M(マゼンタ)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等である。
【0004】
前記基材としては、パルプ原料を主成分とする普通紙、普通紙の上に樹脂に白色顔料等を混ぜ合わせたコート紙、ポリエステルなどの樹脂に白色顔料を混ぜ合わせた白色フィルムなどを使っていた。例えば特許文献1などに記載されているように、特に銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を作る場合には、普通紙、コート紙または白色フィルムをベースとして、その上に熱可塑性樹脂からなる所定の層を設けた基材が好ましいことが知られている。
【0005】
前記転写工程では、例えば感光体等からなる像担持体に対向して予め誘電体などで形成される転写ロール又は転写ベルトを配設し、この転写ロールにバイアスを印加し、あるいは、転写ベルトの背面に所定の転写部材(転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール、バイアスを印加した転写ブラシ等)を配設することで、転写ロール又は転写ベルトの背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与し、基材に対しトナー像を一色ずつ静電気的に転写する方法が知られている。
また、前記転写工程では、例えば感光体等からなる像担持体に対向して誘電体などで形成される例えばベルト状の中間転写体を配設し、所定の一次転写部材(転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を使って、中間転写体背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与することで、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に一色ずつ転写し、中間転写体上にいったんカラートナー像を形成した後で、所定の二次転写部材(例えば転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を使って、基材背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与することで、カラートナー像を基材に静電気的に転写する方法も知られている。
【0006】
更に、前記定着工程では、例えば互いに圧接する一対の定着ロールに白熱ランプなどの加熱源を内蔵させ、この一対の定着ロール間にカラートナー像が転写された基材を通過させることで、前記カラートナーを熱溶融して基材に定着する加熱加圧定着方式、あるいは、シリコンゴムなどの離型層が表面に形成された定着ベルトを複数の張架ロールに掛け渡し、この定着ベルトを挟んで一対の定着ロールを対向配置すると共に、前記定着ロールに白熱ランプなどの加熱源を内蔵させ、カラートナー像が転写された基材に前記定着ベルトを重ね合わせた状態で、一対の定着ロール間に前記基材を通過させてトナー像を加熱加圧定着し、トナー像が冷却された後に定着ベルトとカラートナー像とを分離することで、前記カラートナー像を基材に定着する冷却剥離定着方式などが知られている。
特に、銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を作成する場合には、後者の定着方式が好ましいことが知られている。更に、後者の定着方式と前記の熱可塑性樹脂層を設けた基材とを組み合わせることで、画像濃度によらず一様な高光沢が得られる。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−197184号公報(課題を解決するための手段)
【特許文献2】
特開2002−341623号公報(発明の実施の形態,図1)
【特許文献3】
特開2002−341619号公報(発明の実施の形態,図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のカラー画像形成装置にあっては、前記の熱可塑性樹脂層を設けた基材をベースと考えた場合、白色のPETフィルム又はコート紙を用いると画質は良好なものの、基材が極めて高価になってしまうこと、一方、価格は安価な普通紙を用いると良好な画質が得られないという技術的課題が生じてしまう。
そこで、本発明者は、基材上にカラートナー像に加えて熱可塑性樹脂からなる透明トナー像を形成することで、高い光沢、かつ、良好な画質を達成する技術を提案した(例えば特許文献2,3参照)。
【0009】
上述した先行技術において、カラー画像のうち高濃度部のトナー層の厚みは、最大で単色ソリッドのカラートナー像の3倍程度に及ぶ。上記のように、基材上にカラートナー像に加えて、その一部又は全面に透明トナー像を形成して、銀塩写真プリントのような画像全面に一様な高光沢を持ち、平滑な表面を得るためには、単色ソリッドのカラートナー像に対して最低でも3倍程度の厚みをもつ透明トナー像を形成する必要がある。
ところが、上述した先行技術にあっては、このような厚みの厚い透明トナー像を長期間に亘って安定的に形成することが困難になる虞れがあり、また、連続使用時には透明トナーが飛散して、装置内が汚れ易いという技術的課題が新たに見出された。
【0010】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、画像全面に一様な高光沢をもち、平滑な表面を有する画像を長期間の使用を通じて安定に作製でき、かつ、連続使用時においても透明トナーの飛散による装置内の汚れを有効に回避することができるラー画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述した技術的課題を解析したところ、透明トナー像を形成するための現像装置として、カラートナー像を形成するための現像装置と略同様な構成のものをそのまま採用した結果、消費量の多い透明トナーに対する帯電不良が発生したという知見を得、本発明を案出する至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、図1に示すように、基材1上にカラートナー像T及び透明トナー像Tからなる画像Gを形成するカラー画像形成装置において、各色成分毎にカラートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、各色成分毎のカラートナー像Tを形成するカラー現像装置2と、透明トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、透明トナー像Tを形成する透明現像装置3とを備え、カラー現像装置2及び透明現像装置3が、いずれもトナー、キャリアが攪拌、混合せしめられる攪拌混合手段4(具体的には4A,4B)を有し、これらの攪拌混合手段4の攪拌混合能力についてはカラー現像装置2に比べて透明現像装置3の方が大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
このような技術的手段において、本件は、透明現像装置3の現像能力を高める態様として、攪拌混合手段4Bに着目したものである。
本件では、基材1上にカラートナー像T及び透明トナー像Tを形成するには、通常作像ユニット6が設けられる。この作像ユニット6には、カラー現像装置2、透明現像装置3が組み込まれるが、これらはいずれも二成分現像方式(二成分現像剤を使用した方式)であることを要する。
このとき、透明トナーの体積平均粒径としても、各カラートナーの体積平均粒径の最小値に対して1.3倍以上4倍以下であることが好ましい。
また、カラー現像装置2は各色成分(例えばイエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)毎に別個に設けてもよいし、例えばロータリ型現像ユニットとして、各色成分のカラー現像装置2を一体的に組み込むようにしてもよい。
【0014】
更に、各現像装置2,3には、攪拌混合手段4(4A,4B)が設けられるが、これは、トナーとキャリアとを攪拌混合してトナーの帯電性を確保する働きをするものであれば、スクリューオーガーを始め適宜選定して差し支えない。
そして、攪拌混合手段4(4A)の攪拌混合能力を大きく設定することは、その分、多くの透明トナーの帯電性を良好に保つことができる点で好ましい。
ここで、攪拌混合能力を大きく設定する代表的な態様としては、攪拌混合時間に着目したものが挙げられる。
これは、カラー現像装置2の攪拌混合手段4Aにおけるトナー補給口からカラートナーが現像域に到達するまでの攪拌混合時間をt1、透明現像装置3の攪拌混合手段4Bにおけるトナー補給口から透明トナーが現像域に到達するまでの攪拌混合時間をt2とした場合に、t2/t1が1.5倍以上6倍以下であればよい。
【0015】
更に、攪拌混合能力を大きく設定する他の代表的態様としては、攪拌混合搬送部材の搬送路長に着目した態様も挙げられる。
すなわち、カラー現像装置2、透明現像装置3の攪拌混合手段4は、トナー補給口から現像域までトナーがキャリアと攪拌混合しながら搬送せしめられる攪拌混合搬送部材(図示せず)を有し、カラー現像装置2の攪拌混合搬送部材の搬送路長をs1、透明現像装置3の攪拌混合搬送部材の搬送路長をs2とした場合に、s2/s1が1.5倍以上6倍以下であればよい。
このような数値範囲は、いずれの態様にあっても、1.5倍未満であると、補給トナーが十分に帯電しないし、また、6倍を超えると、装置の大型化、過剰攪拌による現像剤の劣化につながることによる。
【0016】
また、透明現像装置3の現像能力を高める他の代表的態様としては、図1に示すように、基材1上にカラートナー像T及び透明トナー像Tからなる画像Gを形成するカラー画像形成装置において、各色成分毎にカラートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、各色成分毎のカラートナー像Tを形成するカラー現像装置2と、透明トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、透明トナー像Tを形成する透明現像装置3とを備え、カラー現像装置2及び透明現像装置3の現像剤重量5(具体的には5A,5B)については、カラー現像装置2に比べて透明現像装置3の方が大きく設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
本態様において、現像剤重量5Bを大きく設定するということは、その分、多くの透明トナーの帯電性を良好に保つことが可能になる点で好ましい。また、長期に亘って連続的に使用するには、各現像装置2,3には夫々補給トナー容器を備えていることが好ましい。
更に、本態様においても、透明トナーの体積平均粒径としても、各カラートナーの体積平均粒径の最小値に対して1.3倍以上4倍以下であることが好ましい。
【0018】
また、現像剤重量5の好ましい範囲としては、カラー現像装置2の現像剤重量5AをM1、透明現像装置3の現像剤重量5BをM2とした場合に、M2/M1が2倍以上10倍以下である態様が挙げられる。
一方、補給トナー量に着目すれば、カラー現像装置2、透明現像装置3は夫々トナー補給容器(図示せず)を有し、カラー現像装置2のトナー補給容器に充填される補給トナー量をN1、透明現像装置3のトナー補給容器に充填される補給トナー量をN2とした場合に、N2/N1が2倍以上10倍以下である態様が好ましい。
これらの数値範囲は、2倍未満であると、現像剤に占めるトナー濃度が透明トナーの補給により急激に変化し過ぎ、帯電不良を起こし易いし、また、10倍を超えると、装置の大型化、重量過多により現像剤の交換作業が面倒であることによる。
【0019】
また、カラー画像形成装置の代表的態様としては、図1に示すように、基材1上に画像Gを形成する作像ユニット6と、この作像ユニット6にて形成された画像Gを基材1上に定着する定着装置7とを備えたものが挙げられる。
本態様において、作像ユニット6の代表的態様としては、像担持体(図示せず)上でカラー現像装置2及び透明現像装置3による可視像化を行うものがあり、例えば、像担持体(図示せず)上に形成された静電潜像を可視像化するカラー現像装置2及び透明現像装置3を含み、像担持体上に形成されたカラートナー像T及び透明トナー像Tを基材1に静電転写するようにすればよい。
【0020】
また、作像ユニット6の他の代表的態様としては、基材1に対し、カラートナー像形成装置と透明トナー像形成装置とを前後に配置した態様があり、例えば、像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するカラー現像装置2が含まれ、像担持体上に形成されたカラートナー像Tを基材1に静電転写するカラートナー像形成装置と、このカラートナー像形成装置の後段に設けられ、基材1上に透明現像装置3による透明トナー像Tを形成する透明トナー像形成装置とを備えるようにすればよい。
本態様において、透明トナー像形成装置は任意の部位に設けて差し支えないが、例えば透明トナー像Tを効率的に溶融させるという観点からすれば、基材1上にカラートナー像Tを形成し、定着過程で透明トナー像Tを積層する態様が好ましい。
この場合、透明トナー像形成装置は、定着装置7の定着部材7aに透明トナー像Tを形成し、前記定着部材7aと基材1とのニップ部にて基材1のカラートナー像T上に透明トナー像Tを積層するものであればよい。
【0021】
また、定着装置7の好ましい態様としては、基材1上の画像Gであるトナー像T(T,T)を挟んで密着する定着部材7aと、基材1上のトナー像Tを加熱加圧する加熱加圧手段7bと、加熱加圧されたトナー像Tを冷却して定着部材7aから剥離する冷却剥離手段7cとを備えているものが挙げられる。
本態様においては、加熱加圧定着後に冷却剥離すると、基材1上の画像G(トナー像T)表面部は定着部材7aの表面性がそのまま転写されるため、定着部材7aの表面性が良好であれば好ましい画像Gが得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2に本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態1を示す。
本実施の形態において、カラー画像形成装置は、熱可塑性樹脂と着色剤を少なくとも含む、少なくともシアン、マゼンタ、イエロのカラートナー像、及び、熱可塑性樹脂を少なくとも含む透明トナー像を、基材11上の全面または一部に形成する電子写真方式のカラー画像形成装置である。
【0023】
本実施の形態において、前記基材11は特に制限する必要はない。画像全面に亘って一様により高い光沢を得るという観点から、坪量100〜200g/mの原紙上に、白色顔料と熱可塑性樹脂を少なくとも含む厚さ10μm以上50μm以下の光散乱層を、備えてなることが好ましい。
ここで、光散乱層の熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂からなることが好ましい。そして、白色顔料には酸化チタン、炭酸カルシウムなどの公知の白色顔料の微粒子を使うことができる。白色度を高めるという観点から酸化チタンを主成分とすることが好ましい。また、白色顔料の重量比率は、熱可塑性樹脂100重量部に対して20〜50重量部の比率であることが好ましい。このようにして表面が平滑で光沢も高く、裏面に画像を作った場合でも裏写りせず、かつ色が鮮やかで、滑らかな粒状感の良い画像を提供することができる。
また、光散乱層には紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光増白剤を添加することが好ましい。このような基材11は白色度が高く、色が鮮やかな画像を提供することができる。
また、前述の基材11の上に、更にゼラチン層を積層してなる基材が好ましい。このような基材は白色度が高く、表面が平滑で光沢も高く、また、カラートナーの転写性もよく、裏面に画像を作った場合でも裏写りせず、かつ色が鮮やかで、滑らかな粒状感の良い画像を提供することができる上に、カラートナーや透明トナーとの接着性が良いという特徴をもつ。
前記の基材11が、裏面にポリエチレン樹脂層、更に帯電防止層を備えてなる基材であることが好ましい。このような基材は白色度が高く、表面が平滑で光沢も高く、裏面に画像を作った場合でも裏写りせず、かつ色が鮮やかで、滑らかな粒状感の良い画像を提供することができる上に、シートの搬送性が良く、ほこり汚れが着きにくいという利点をもつ。
【0024】
また、カラートナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる絶縁性の粒子で、シアントナー、マゼンタトナー、イエロトナー等が挙げられる。
前記カラートナーの組成、体積平均トナー粒径等については、本発明の目的を害しない範囲の中から適宜選択される。但し、基材11との密着性、低温定着性の観点から熱可塑性樹脂はポリエステルであることが好ましい。また、帯電性や流動性の観点からトナー粒子の周りにはシリカ粒子、酸化チタン粒子などの無機微粒子が付着されることが好ましい。更に、なめらかな調子再現、解像性、粒状性などの観点から体積平均トナー粒径は3〜7μmであることが好ましい。
カラートナーにはシアン、マゼンタ、イエロの3種類のものを少なくとも用いる。また、これに加えてブラックトナーを使ってもよい。
【0025】
前記結着樹脂としては、透明トナーにおける結着樹脂として後に例示したものが挙げられる。また、結着樹脂は、重量平均分子量10000〜30000のポリエステルであることが好ましい。前記着色剤としては、トナー用として通常用いられている着色剤であれば特に制限はなく、それ自体公知のシアン顔料または染料、マゼンタ顔料または染料、イエロ顔料または染料、ブラック顔料または染料の中から選択できる。好ましくは、高光沢が得られる効果を高めるためには、着色剤の顔料とバインダーの界面での乱反射を抑えることが重要であり、例えば特開平4−252752号公報に示すように、粒径の顔料を高分散した着色剤との組合せが有効である。
本発明において、前記カラートナーは適宜作製したものであってもよいし、市販品であってもよい。
なお、前記カラートナーは、一成分現像剤としても使用可能であるが、本件では、静電潜像に忠実な高画質画像を形成するという観点から、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて二成分現像剤とされた後で使用される。
【0026】
また、本実施の形態において、透明トナーは少なくとも熱可塑性の結着樹脂を含有してなる。
このとき、『透明トナー』とは、光吸収や光散乱による着色を目的とした色材(着色顔料、着色染料、黒色カーボン粒子、黒色磁性粉など)を含まないトナー粒子であることを意味する。
また、本実施の形態における透明トナーは、通常、無色透明であるが、その中に含まれる流動化剤や離型剤の種類や量によっては、透明度が若干低くなっていることがあるが、実質的に無色透明であれば全て適用可能である。
更に、透明トナー像は必ずしも基材11の全面に設けなくてもよいが、光沢の均一性の観点からすれば、基材11の全面に使うことが好ましい。
【0027】
前記結着樹脂としては、実質的に透明であればよく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。これらの中でも、低温定着性、定着強度、保存性などのトナー特性を同時に満足し得る点でポリエステル系樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000以上40000以下、かつ、ガラス転移点が55度以上75度未満であることが好ましい。
【0028】
更に、前記透明トナーにおいて、高い光沢度をムラなく均一に得るためには、トナーの流動性と帯電性の制御が必要になる。前記透明トナーの流動性と帯電性を制御する観点から、前記透明トナーのトナー表面に、無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
前記無機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデンなどが上げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
前記有機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、透明トナーの表面に該無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μm越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
【0029】
前記透明トナーにはWAX(ワックス)が添加されていることが好ましい。WAXの組成としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、WAXとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックスなどが挙げられる。ここで、融点80度以上110度以下のWAXが0.2重量%以上8重量%未満の比率で添加されていることが好ましい。
なお、前記透明トナーは、一成分現像剤としても使用可能であるが、均一な透明トナー層を形成するという観点からすれば、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて二成分現像剤とされた後に使用される。
【0030】
特に、本実施の形態では、シアン、マゼンタ、イエロのカラートナーの夫々の体積平均粒径の最小値に対して、透明トナーの体積平均粒径が1.3倍以上4倍以下のものが使用されている。
透明トナーの体積平均粒径の絶対値は特に限定する必要はないが、カラートナーの体積平均粒径に対して、1.3倍以上4倍以下の範囲であることを要する。
ここで、1.3倍未満の場合、カラートナー像の3倍程度の現像量が必要な透明トナーを安定的、かつ、一様に基材11上に転写することができず、高濃度部や文字周りに光沢変動を生ずる。すなわち、銀塩写真同様に高い光沢を画像全面に亘って一様な画像を、かつ、連続使用、長期使用や機械の設置環境によらず安定的に作製することが困難である。一方、4倍を超えると、一様な透明トナー像を形成しても、定着後においても画像の表面に粒子の凹凸が残ってしまうという不具合が生ずる虞れがある。
【0031】
そして、本実施の形態において、カラー画像形成装置は、図2に示すように、基材11にカラー画像(カラートナー像、透明トナー像)を形成する作像ユニット30と、この作像ユニット30にて形成された基材11上の各トナー像を定着させる定着装置40と、定着装置40に基材11を搬送する搬送装置50とを備えている。
本実施の形態において、作像ユニット30としては、公知の電子写真方式のものが用いられる。
本例において、作像ユニット30としては、感光体ドラム31の周囲に、図示外の帯電器(例えば帯電ロール)と、原稿32を露光走査して感光体ドラム31上に静電潜像を形成する露光装置33と、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー及び透明トナーが収容された現像装置34a〜34eを搭載したロータリ型現像装置34と、感光体ドラム31上の画像を一時的に保持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム31上の残留トナーを清掃する図示外のクリーニング装置とを配設し、前記中間転写ベルト35のうち感光体ドラム31の対向部位には一次転写装置(例えば転写コロトロン)36を配設すると共に、中間転写ベルト35のうち基材11の通過部位には二次転写装置37(本例では中間転写ベルト35及び基材11を挟む一対の転写ロール37a及びバックアップロール37bを配設したものが用いられる。
【0032】
ここで、露光装置33は、原稿32に照明ランプ331からの光を照射し、原稿32からの反射光をカラースキャナ332にて色分解し、これを画像処理装置333にて画像処理した後、例えばレーザダイオード334及び光学系335を通じて感光体ドラム31の露光ポイントに静電潜像書込光を照射するものである。
特に、本実施の形態では、カラートナー(本例では、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラック)が収容されるカラー現像装置34a〜34dと、透明トナーが収容される透明現像装置34eとは異なる構成を有している。
【0033】
本実施の形態において、カラー現像装置34a〜34dは、図3及び図5(a)に示すように、カラー現像剤(所定の色成分のカラートナー及びキャリア)が収容される現像ハウジング81を有し、この現像ハウジング81には現像用開口82を開設すると共に、この現像用開口82に面した部位には現像ロール83(本例では、内部に所定の磁極が配列された磁極ロールを固定し、この周囲に非磁性スリーブを回転自在に設けた態様)を配設し、この現像ロール83の近傍には現像ロール83上の現像剤の層厚が規制せしめられる層厚規制部材92を配設したものである。
そして、現像ハウジング81の現像ロール83の背面側には一つの仕切壁84が設けられると共に、この仕切壁84の両側には連通口85,86が開設されており、現像ハウジング81内に現像剤循環経路87が形成され、この現像剤循環経路87には二つの攪拌混合部材88(具体的には88a,88b)が矢印で示す方向に現像剤を搬送すべく配設されている。
尚、図中、符号89は現像ハウジング81の頂部の長手方向一側に開設されたトナー補給口であり、このトナー補給口89にはトナーカートリッジ(トナー補給容器)90が連通接続されており、トナーカートリッジ90からのトナーが補給搬送されるようになっている。
【0034】
一方、透明現像装置34eは、図4及び図5(b)に示すように、透明現像剤(透明トナー及びキャリア)が収容される現像ハウジング101を有し、この現像ハウジング101には現像用開口102を開設すると共に、この現像用開口102に面した部位には現像ロール103(本例では、内部に所定の磁極が配列された磁極ロールを固定し、この周囲に非磁性スリーブを回転自在に設けた態様)を配設し、更に、この現像ロール103の近傍には現像ロール103上の現像剤の層厚が規制せしめられる層厚規制部材115を配設したものである。
そして、本実施の形態では、カラー現像装置34a〜34d(図3参照)と異なり、現像ハウジング101の現像ロール103の背面側には複数(本例では三つ)の仕切壁104〜106が設けられると共に、この各仕切壁104〜106の両側若しくは片側には連通口107〜110が開設されており、現像ハウジング101内に現像剤循環経路111が形成され、この現像剤循環経路111には四つの攪拌混合部材112(具体的には112a〜112d)が矢印で示す方向に現像剤を搬送すべく配設されている。
尚、図中、符号113は現像ハウジング101の頂部の長手方向一側に開設されたトナー補給口であり、このトナー補給口113にはトナーカートリッジ(トナー補給容器)114が連通接続されており、トナーカートリッジ114からのトナーが補給搬送されるようになっている。
【0035】
ここで、攪拌混合部材88,112を備えた攪拌混合装置は、夫々の現像装置34a〜34eにおいてトナー補給口89,113から補給されたトナーが現像ロール83,103の現像域に達するまでキャリア粒子と攪拌混合するものであれば、適宜選定して差し支えない。
本例では、攪拌混合部材88,112としては、回転することにより現像剤を攪拌混合しながら搬送するスクリューオーガーが用いられている。このスクリューオーガーは、現像剤循環経路87,111に沿って現像剤を搬送すべく複数配設されるが、現像剤循環経路87,111の直線部分についても、例えば連通口85,86,107〜110付近での搬送性を確保するために、一部現像剤の搬送方向の向きを変えるように設計してもようことは勿論である。
【0036】
また、トナーカートリッジ90,114は、トナーを各現像装置のトナー補給口89,113から現像装置34a〜34e内部に供給するという目的を達する限り、適宜選定して差し支えない。安定的に同じ程度のトナー量を供給するという目的を考えると、内部のトナーを攪拌するための攪拌装置を有することが好ましい。また、トナーにキャリア粒子を加えた現像剤を充填し、現像剤を補給することでトナー補給を行うようにしてもよい。
【0037】
更に、本実施の形態において、高光沢で平滑な画像表面を得るためには、単位面積当たりの透明トナーの現像量は、単色のカラートナーソリッド部の現像量の3倍程度必要となる。また、標準的な写真画像では基材11上の透明トナーの現像面積はカラートナーに比べて2倍以上に及ぶ。このため、標準的な写真画像を連続的に作製するときの透明トナーの消費量はカラートナーの5倍以上に相当する。このため、透明トナーの補給量はカラートナーの補給量に比べて5倍以上必要となる。この消費量が多いことで、安定的に均一な高光沢画像を提供することが困難になり易いが、本実施の形態では、カラー現像装置34a〜34dと透明現像装置34eとの間で以下のような工夫がなされている。
【0038】
透明現像装置34eにおいては、図4及び図5(b)に示すように、トナー補給口113から補給された透明トナーが現像ロール103に達するまでにキャリア粒子と混合する攪拌混合装置(攪拌混合部材112を具備)を備えている。この攪拌混合装置は、カラー現像装置34a〜34dに搭載される攪拌混合装置に比べて攪拌混合能力が高く設定されている。
具体的には、透明現像装置34eの攪拌混合装置は、カラー現像装置34a〜34dの攪拌混合装置の攪拌混合時間(カラートナーを現像ロール83に達するまでにキャリア粒子と混合する時間)t1に対して、補給する透明トナーを現像ロール103に達するまでにキャリア粒子と混合する攪拌混合時間t2が1.5倍以上6倍以下に設定されている。
1.5倍未満の場合、現像ロール103上に搬送された補給トナーが十分に帯電しておらず、連続して画像を作製する場合において、銀塩写真同様に高い光沢を画像全面に亘って一様な画像を安定的に作製することが困難であるし、透明現像装置34eから透明トナーが飛散して、画像形成装置内に汚れを生ずる虞れがある。また、6倍を超えると、透明現像装置34eの大きさが大きくなる上に、補給トナーが現像ロール103上に搬送されるまでに帯電が安定した後も過剰に攪拌されるために現像剤の劣化が早まるという不具合がある。
【0039】
また、本実施の形態においては、透明現像装置34eの拡販混合能力を以下のように設定することもできる。
すなわち、透明現像装置34eの攪拌混合装置(攪拌混合部材112)は、その攪拌混合部材112の総搬送路長s2が、カラー現像装置34a〜34dの攪拌混合装置における攪拌混合部材88の総搬送路長s1に対し、1.5倍以上6倍以下に設定されている。ここで、攪拌搬送部材88,112の総搬送路長s1,s2とは、各現像装置34a〜34e中の攪拌搬送部材88,112の長さを足し合わせた長さに相当する。
このとき、数値範囲の上限、下限については、攪拌混合装置の攪拌混合時間の設定と略同様の理由による。
【0040】
本実施の形態において、透明現像装置34eに充填される現像剤重量(キャリア重量とトナー重量との和)M2が、カラー現像装置34a〜34dに充填される各色成分毎のカラー現像剤重量M1に対して2倍以上10倍以下であることが好ましい。
ここで、2倍未満の場合、現像剤に占めるトナー濃度が透明トナーの補給により急激に変化するため、現像ロール103上に搬送された補給トナーが十分に帯電しておらず、連続して画像を作製する場合において、銀塩写真同様に高い光沢を画像全面に渡って一様な画像を安定的に作製することが困難であるし、しかも、透明現像装置34eから透明トナーが飛散して、画像形成装置内が汚れる虞れがある。また、10倍を超えると、装置の大きさが大きくなる上に、重量が重いために現像剤の交換作業が手間取るという不具合がある。
【0041】
また、本実施の形態では、 長期に亘って連続的に使用することを可能にするためには、使用して減った分に相当するトナーを各現像装置34a〜34e内に安定的に補給する必要がある。このため、本実施の形態では、補給用トナーを充填しておくトナー補給容器(トナーカートリッジに相当)90,114を備えているが、この透明現像装置34eにおけるトナー補給容器114に充填する透明トナー量N2は、カラー現像装置34a〜34dにおけるトナー補給容器90に充填するカラートナー量N1に比べて2倍以上10倍以下であることが好ましい。
このとき、数値範囲の上限、下限については、透明現像装置34eの現像剤重量の設定と略同様の理由による。
【0042】
前記定着装置40は、図2に示すように、カラートナー像および透明トナー像を基材11上に溶融定着するための装置である。カラートナー像および透明トナー像を基材11上に溶融定着するという目的を達する限り、公知の定着装置を使うことができる。
例えば、加熱源を内部に配したロール2本を対向させ、その間に圧力を加えてニップさせ、その間に未定着のカラートナー像と透明トナー像が形成された基材11を搬送し、カラートナー像および透明トナー像を加熱、加圧して基材11に定着する加熱加圧定着方式の定着装置を使うことができる。画像全面に亘り一様で高い光沢を得るという観点から、好ましくは、未定着のカラートナー像と透明トナー像が形成された基材11を定着領域に運ぶ搬送装置50、未定着画像表面に定着領域で接触する定着ベルト41、透明トナー像とカラートナー像が形成された基材11に定着ベルト41を接触させ、加熱及び加圧させるための加熱/加圧装置、定着ベルト41から透明トナー像をカラートナー像側に剥離する剥離装置を備えた冷却剥離定着装置であることが好ましい。
【0043】
ここで、具体的に述べると、定着装置40は、適宜数(本例では4つ)の張架ロール42〜45に掛け渡される定着ベルト41(例えば表面にSiゴムが塗布されたベルト材を使用)と、この定着ベルト41の入口側に位置する張架ロールを加熱可能に構成した加熱ロール42と、この定着ベルト41の出口側に位置する張架ロールを基材11が剥離可能となるように構成する剥離ロール45と、前記加熱ロール42に対向して定着ベルト41を挟んで圧接配置される加圧ロール46(必要に応じて熱源を付加して差し支えない)と、定着ベルト41の内側に設けられ且つ加熱ロール42から剥離ロール45に至る途中で定着ベルト41を冷却する冷却部材としてのヒートシンク47とを備えている。
【0044】
前記定着ベルト41には、ポリイミド等のポリマーフィルム、ステンレスなどの金属フィルムを用いることができる。耐熱温度が高く、離けい性が良いことが求められる。耐熱性のベース基材に離けい層を積層したものが好ましい。べース基材としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂フィルム、ステンレスベルトなどの金属ベルトを使うことが好ましい。また、離型層にはシリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などを使うことが好ましい。剥離を容易にするという観点から、導電性カーボン粒子や導電性ポリマー等の導電性の添加材を分散するなどにより抵抗値が調節されていることが好ましい。
また、形状はシート状のものであってもよいが、無端ベルト形状のものを使うことも好ましい。また、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上であることが好ましい。
【0045】
更に、定着装置40と作像ユニット30の画像形成部位との間には例えば搬送ベルト52からなる搬送装置50が配設されている。
この搬送装置50には、それ自体公知の搬送装置を使うことができる。搬送速度が一定であることが好ましいので、例えば、一定の回転数で回る一対のゴムロールの間に前記支持体を挟んで駆動する装置、あるいは一方がモーター等で一定速度に駆動された一対のロールに、ゴム等でできたベルトを巻いて、このベルトの上に前記支持体をおいて定速駆動する装置を使うことができる。未定着のトナー像を乱さないという観点から後者の装置が好ましい。
【0046】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
図2に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置を用いてカラーコピーをとる場合には、まずコピーをとる原稿330に照明ランプ331からの光を照射し、その反射光をカラースキャナ332により色分解し、画像処理装置333で画像処理して色補正を施して得られる複数色のカラートナーの画像データと透明トナーの画像データとを色別にレーザダイオード334を用いて、変調されたレーザ光線とする。
このレーザ光線を感光体ドラム31に一色ずつ複数回照射して複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像については、透明トナー及びイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のカラートナーを用い、これらを透明現像装置34e、カラー現像装置、具体的には、イエロ現像装置34a、マゼンタ現像装置34b、シアン現像装置34c、ブラック現像装置34dにて順番に現像する。
【0047】
そして、現像されたカラートナー像及び透明トナー像は、感光体ドラム31上から中間転写ベルト35上に一次転写装置(転写コロトロン)36にて順次転写され、中間転写ベルト35上に転写された透明トナー像及び四色のカラートナー像は、二次転写装置37にて基材11に一括転写される。
この後、カラートナー像12、更には透明トナー像13が形成された基材11は、図6に示すように、搬送装置50を経て定着装置40に搬送される。
【0048】
次に、この定着装置40の作動について説明すると、加熱ロール42及び加圧ロール46は共にトナーの溶融温度に予め加熱されている。また、二つのロール42,46間には例えば荷重100kg重の力が加えられている。更に、二つのロール42,46は回転駆動されており、これに追従して定着ベルト41も駆動されている。
そして、定着ベルト41は、加熱ロール42と加圧ロール46とのニップ部で、カラートナー像12と透明トナー像13が形成された基材11の表面と接触し、カラートナー像12及び透明トナー像13が加熱溶融される(加熱加圧工程)。
このとき、基材11上の光散乱層及び透明トナー像13、更にはカラートナー像12の溶融特性を好ましい範囲に選定しておけば、定着ベルト41の表面形状が基材11上の画像Gにそのまま転写される。
【0049】
すると、基材11と定着ベルト41とは溶融したトナー層を介して接着された状態で剥離ロール45まで運ばれるが、この間に、定着ベルト41、透明トナー像13、カラートナー像12及び基材11はヒートシンク47で冷却される(冷却工程)。
このため、基材11が剥離ロール45に到達すると、剥離ロール45の曲率によって、透明トナー像13、カラートナー像12及び基材11は一体となって定着ベルト41から剥離する(剥離工程)。
以上により、基材11上に高光沢のカラー画像が形成される。
このような作像課程において、透明現像装置34eの現像能力(攪拌混合装置の攪拌混合能力や現像剤重量など)がカラー現像装置34a〜34dのそれよりも高く設定されているため、透明現像装置34eにおける透明トナーの帯電性は常時良好に保たれ、連続画像作製時にあっても、透明現像装置34eによる現像性能は良好に保たれることから、画像全面に亘って均一で光沢が高い好ましい画像Gが得られる。
このような性能については後述する実施例にて裏付けられる。
【0050】
◎実施の形態2
次に、本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態2を示す。
本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、例えば図7に示すように、白色顔料と熱可塑性樹脂を少なくとも含む光散乱層を少なくとも有する基材11に、カラートナー像12及び透明トナー像13からなる写真画像(図8参照)を形成する作像ユニット30と、この作像ユニット30にて形成された基材11上の各トナー像を定着させる定着装置40と、画像が形成された基材11を定着装置40に搬送する搬送装置50とを備えているが、実施の形態1と異なり、作像ユニット30は、ロータリ型現像装置34の透明現像装置34eに代えて、定着装置40のベルト状定着部材(定着ベルト41)上に透明トナー像が形成せしめられる透明トナー像形成装置60を具備したものである。
【0051】
本実施の形態において、作像ユニット30、定着装置40及び搬送装置50の基本的構成は実施の形態1と略同様であり、同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
特に、本実施の形態では、透明トナー像形成装置60は、透明トナー像担持体61(ドラム状又はベルト状を問わない)を有し、この透明トナー像担持体61上に透明トナー像が形成せしめられる各デバイスを備えたものである。
【0052】
ここで、透明トナー像担持体61としては、ポリイミド等のポリマフィルムを用いることができる。安定に一定量の透明トナー像13を形成するためには、導電性カーボン粒子や導電性ポリマー等の導電性の添加材を分散するなどにより抵抗値が調節されていることが好ましい。
また、形状はシート状のものであってもよいが、無端ベルト状のものを使うことも好ましい。また、剥離性の観点から、前記ベルト表面が、シリコン樹脂、及び/またはフッ素系樹脂によって被覆されていることが好ましい。また、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上であることが好ましい。
【0053】
更に、透明トナー像13を形成するためのデバイスとしては適宜選定して差し支えなく、それ自体公知の現像装置を使うことができる。
例えば、透明トナー像担持体61の裏面に接地またはバイアス電圧を印加したロールが接触した状態にある位置で、一成分現像装置や二成分現像装置を対向させて透明トナー層を透明トナー像担持体61に直接現像する態様がある。
ここで、透明現像装置65の位置における前記透明トナー像担持体61の温度が60度以下であることが好ましい。
【0054】
また、透明トナー像形成装置60として電子写真方式を採用すれば、透明トナー像担持体61として例えば感光体ドラムを用い、この感光体ドラム61に対向する帯電装置62、感光体ドラム61を露光する露光装置63、カラー画像上の透明トナー像13の形成領域を制御するための透明領域信号形成装置64、感光体ドラム61に対向する透明現像装置65、感光体ドラム61上の透明トナー像13をベルト状定着部材(定着ベルト)41に転写する転写装置66とからなることが好ましい。尚、符号67は透明現像装置65に透明トナーを補給するトナー補給容器(トナーカートリッジ)である。
【0055】
ここで、感光体ドラム61としては、特に制限はなく公知のものでよく、単層構造のものであってもよいし、多層構造で機能分離型のものであってもよい。また、材質としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機ものであってもよいし、有機のものであってもよい。
また、帯電装置62には、例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などのそれ自体公知の手段を使うことができる。
更に、露光装置63には、半導体レーザ、走査装置及び光学系からなるレーザ走査装置(ROS:Raster Output Scanner)、LEDヘッド、ハロゲンランプなどの公知の露光用光源を使うことができる。
本例では、露光装置63には透明領域信号形成装置64が付設されており、透明領域信号に基づいて露光像の領域、すなわち、透明トナー像13で被覆する基材11上の位置を所望範囲に変化させるという好ましい実施形態を考えると、レーザ走査装置またはLEDヘッドを使うことが好ましい。
【0056】
透明現像装置65は、感光体ドラム61上に均一な透明トナー像13を形成できるという目的を果たす限り、一成分、二成分を問わず公知の現像装置を使うことができるが、本実施の形態では、均一な透明トナー像13を形成するという観点から、二成分現像装置が用いられている。
特に、本実施の形態では、実施の形態1と略同様に、透明現像装置65の現像能力(攪拌混合装置の攪拌混合能力[攪拌混合時間,攪拌混合部材の総搬送路長など]や現像装置内での現像剤重量やトナー補給容器内での補給トナー量など)が、カラー現像装置34a〜34dのそれに比べて高く設定されている。
尚、本例では、透明領域信号形成装置64からの信号に基づいて透明トナー層の形成範囲を制御するようにしているが、特に、基材11全面に渡って透明トナー層を形成するようにしても差し支えない。
【0057】
また、転写装置66には、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、感光体ドラム61と定着ベルト41との間に電界を作り、荷電の透明トナー粒子を転写する態様や、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などを用い、定着ベルト41の裏面をコロナ帯電して荷電の透明トナー粒子を転写する態様など、公知の手法を使うことができる。尚、図7では、張架ロール43を転写装置66としての機能部材とした態様が示されている。
【0058】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
図7に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置を用いてカラーコピーをとる場合には、まずコピーをとる原稿330に照明ランプ331からの光を照射し、その反射光をカラースキャナ332により色分解し、画像処理装置333で画像処理して色補正を施して得られる複数色のカラートナーの画像データと透明トナーの画像データとを色別にレーザダイオード334を用いて、変調されたレーザ光線とする。
このレーザ光線を感光体ドラム31に一色ずつ複数回照射して複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像については、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のカラートナーを用い、イエロ現像装置34a、マゼンタ現像装置34b、シアン現像装置34c、ブラック現像装置34dにて順番に現像する。
【0059】
そして、現像されたカラートナー像12(図8参照)は、感光体ドラム31上から中間転写ベルト35上に一次転写装置36(転写コロトロン)にて順次転写され、中間転写ベルト35上に転写された四色のカラートナー像12は、二次転写装置37にて基材11に一括転写される。
このようにして、カラートナー像12が形成された基材11は、図8に示すように、搬送ベルト52を経て定着装置40に搬送される。
【0060】
次に、定着装置40及び透明トナー像形成装置60の作動について説明する。
加熱ロール42及び加圧ロール46し共にトナーの溶融温度に予め加熱されている。また、二つのロール42,46間には例えば荷重100kg重の力が加えられている。更に、二つのロール42,46は回転駆動されており、これに追従して定着ベルト41も駆動されている。
そして、基材11の搬送に同期して、透明トナー像形成装置60の透明トナー像担持体である感光体ドラム61が回転し、帯電装置(例えば帯電ロール)62にバイアス電圧が加えられて感光体ドラム61が一様帯電する。この感光体ドラム61には、透明領域信号形成装置64からの画像信号に基づき、露光装置63による露光が行われる。
【0061】
このとき、露光部は電位が低下するが、この部分が透明現像装置65で現像される。この後、バイアス電圧が印加されている転写装置(転写ロール)66により、図8に示すように、感光体ドラム61上の透明トナー像13が定着ベルト41側に転写される。
すると、透明トナー像13の転写された定着ベルト41は、加熱ロール42及び加圧ロール46のニップ部で、カラートナー像12が形成された基材11の表面と接触し、カラートナー像12及び透明トナー像13は加熱溶融される(加熱加圧工程)。
このとき、基材11上の光散乱層及び透明トナー像13、更にはカラートナー像12の溶融特性を好ましい範囲に選定しておけば、定着ベルト41の表面形状が基材11上の画像にそのまま転写される。
【0062】
すると、基材11と定着ベルト41とは溶融したトナー像を介して接触された状態で剥離ロール45まで運ばれるが、この間に、定着ベルト41、透明トナー像13、カラートナー像12及び基材11はヒートシンク47で冷却される(冷却工程)。
このため、剥離ロール45に到達すると、剥離ロール45の曲率によって、透明トナー像13、カラートナー像12及び基材11は一体となって定着ベルト41から剥離する(剥離工程)。
以上により、基材11上に高光沢のカラー画像が形成される。
このような作像課程において、透明現像装置65の現像能力はカラー現像装置34a〜34dのそれに比べて十分に高く設定されているため、実施の形態1と同様に、透明現像装置65における透明トナーの帯電性は常時良好に保たれ、連続画像作製時にあっても、透明現像装置65による現像性能は良好に保たれることから、画像全面に亘って均一で光沢が高い好ましい画像が得られる。
【0063】
また、本実施の形態にあっては、透明トナー像形成装置60は、定着ベルト41上に透明トナー像13を形成するものであるが、これに限られるものではなく、例えば図9に示すように、搬送装置50に対応した箇所に透明トナー像形成装置60を配設し、搬送装置50上に搬送される基材11上に直接透明トナー像13を形成するようにしてもよい。このとき、本変形態様では、転写装置66は搬送装置50内に組み込まれ、感光体ドラム61との間に転写電界を形成するようになっている。
尚、図9において、図7と同様な構成要素については同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0064】
【実施例】
以下に、本発明の具体的な実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
◎実施例1
− 有色トナー現像剤 −
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用い、これを100重量部に対して、イエロトナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロ5重量部、マゼンタトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部、をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、体積平均粒径7μmの微粒子を作製した。
この微粒子100重量部に、下記の2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。
無機微粒子AはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子BはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量1.0重量部)である。
Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
【0065】
− 透明トナー −
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用い、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、体積平均粒子径15μmの透明微粒子を作製した。この透明微粒子100重量部に、下記の2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。
無機微粒子AはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子BはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量1.0重量部)である。
有色トナーと同じキャリア100重量部と、このトナー18重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
【0066】
− カラー画像形成装置 −
画像形成装置として上述した図2のカラー画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度は160mm/sである。画像信号100%部分での有色トナーの現像量が各色とも0.7mg/cmとなるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。
各カラー現像装置34a〜34dへの現像剤の充填量は500gとした。各カラー現像装置34a〜34dは、図3及び図5(a)に示す構成をしており、図3に示すような第一のオーガー(攪拌混合部材88a)、及び第一のオーガー88aと逆向きに回転し、第一のオーガー88aと5mmの間隔をあけて平行に隣接して現像剤を反対方向に搬送する第二のオーガー(攪拌混合部材88b)を備え、現像剤を攪拌搬送している。第一のオーガー88aと第二のオーガー88bの隙間は板状の部材で仕切られている。
連続画像作製時においては、消費したトナー量に応じて第一のオーガー88a端部から10mmの位置にあるトナー補給口89を経てカラートナーはカラー現像装置34a〜34d中に補給され、第一のオーガー88aの回転によりキャリアと攪拌混合されながら反対の端部方向に搬送される。端部近傍に搬送された現像剤は、第二のオーガー88bにより搬送されながら、同時に現像ロール83にも供給される。補給トナーが、第一、第二のオーガー88で攪拌搬送され、現像ロール83上の中央に供給されるまでの平均的な時間は45秒である。この時間は、カラー現像装置34a〜34dに充填されている現像剤中のカラートナーと色の異なるカラートナーを、そのカラー現像装置34a〜34dに補給し、そのトナーが現像ロール83上に現れることが黙視で確認されるまでの時間を測って求めた。
【0067】
− 透明現像装置 −
透明現像装置34eには、二成分現像装置を用いた。透明トナーの現像量が2.0mg/cmとなるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。透明現像装置34eへの現像剤の充填量は1200gとした。現像装置は、図4及び図5(b)に示す構成をしており、図に示すような第一、第二、第三、第四の四組のオーガー(攪拌混合部材112:112a〜112d)を備え、現像剤を攪拌搬送している。連続画像作製時においては、消費したトナー量に応じて第一のオーガー112a端部から10mmの位置にあるトナー補給口113を経てカラートナーは現像装置中に補給され、第一〜第四のオーガー112の回転によりキャリアと攪拌混合されながら反対の端部方向に搬送される。端部近傍に搬送された現像剤は、第二、第三のオーガー112b,112cにより向きを変えながら同様に搬送され、第四のオーガー112dで、搬送されながら同時に現像ロール103にも供給される。補給トナーが、第一〜第四のオーガー112で攪拌搬送され、現像ロール103上に供給されるまでの平均的な時間は120秒である。この時間は、透明現像装置34eに、透明トナーの代わりにY,M,Cのいずれかのカラートナーを補給して、そのカラートナーが現像ロール103に上に現れることが目視で確認されるまでの時間を測って求めた。
【0068】
− カラートナー用補給容器 −
カラートナー用補給容器(トナー補給容器)は、Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のトナーカートリッジ90を使った。カラートナーの充填量はシアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの各色とも300gとした。
− 透明トナー用補給容器 −
透明トナー用補給容器(トナー補給容器)は、ColorDocutech60(富士ゼロックス(株)製)用のトナーカートリッジ114を使った。透明トナーの充填量は1000gとした。
− 基材 −
パルプ原料からなる厚さ150μmの原紙の表面に、ポリエチレン樹脂100重量部に対して、酸化チタンを30重量部の割合で混合した光拡散層を30μmの厚さでラミネート被覆した。また、裏面にはポリエチレン樹脂を30μmの厚さでラミネート被覆し、更に帯電防止剤としてコロイダルシリカを塗布した。
【0069】
− 定着装置 −
定着装置40の定着ベルト41は、厚さ80μmの導電性カーボンが分散されたポリイミドフィルムに、50μm厚みのKE4895シリコンゴム(信越化学工業(株)製)を塗布したものを用いた。
また、二つの加熱ロール42,加圧ロール46は、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール表面の温度は双方ともに140度に調整した。
定着速度は30mm/秒とした。
剥離位置での基材11の温度は70度となっている。
以上の装置で、ポートレート写真画像を出力した。
【0070】
ここで、使用したトナー材料の評価は以下のとおり実施した。
分子量の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィを用いた。溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。
トナーの体積平均粒径はコールターカウンターを用いて測定した。
【0071】
◎実施例2
カラー画像形成装置を図7に示すものに変えたこと以外は実施例1と同様な装置でカラー画像を作製した。
− カラー画像作製装置 −
図2のカラー画像形成装置との違いは、カラー現像装置34a〜34dと、透明トナー像形成装置60である。カラー現像装置34a〜34dについては、ロータリ型現像装置34に、カラー現像装置34a〜34dが四つ配置されたこと以外、現像装置の構成、現像剤の仕込み量などはすべて同じである。
− 透明トナーの現像 −
透明現像装置65には、実施例1と同様の二成分現像装置を用いた。現像剤の充填量も1200gと同じである。透明トナー像13は透明トナー像担持体としての感光体ドラム61上に形成され、この透明トナー像13を定着ベルト41上に転写した。
この透明トナー像担持体61は実施例1の定着ベルト41と同じものを使った。
また、二つの加熱ロール42,加圧ロール46は、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール表面の温度は双方ともに140度に調整した。
定着速度は30mm/秒とした。
剥離位置での基材11の温度は70度に調整した。
【0072】
◎実施例3
透明現像装置65のオーガーとして、ピッチを2倍としたものを使ったこと以外は実施例2と同様の装置でカラー画像を作製した。この結果、現像剤に補給されたトナーが第一〜第四のオーガー112で攪拌搬送され、現像ロール103上の中央に供給されるまでの平均的な時間は160秒となった。
【0073】
◎実施例4
カラートナー現像剤を以下に変更したこと以外は実施例2と同様の装置でカラー画像を作製した。
− カラートナー現像剤 −
現像剤にはDCC500(富士ゼロックス(株)製)用のカラー現像剤を用いた。体積平均トナー粒径は5.8μmだった。
【0074】
◎実施例5
定着装置をAcolor635(富士ゼロックス(株)製)のもの(2ロール方式の定着装置)に変更したこと以外は実施例1と同様の装置でカラー画像を作製した。定着ロールの表面速度は100mm/sとなるように、ロール表面の温度は双方ともに150度に調整した。
定着速度は30mm/秒とした。
剥離位置での基材11の温度は70度となっている。
【0075】
◎実施例6
基材11を富士ゼロックス(株)製 J紙(普通紙)に変更したこと以外は実施例5と同様の装置でカラー画像を作製した。
【0076】
◎比較例1
透明トナー現像剤を以下に変更したこと以外は実施例4と同様の方法で画像を作製した。
− 透明トナー −
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用い、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、体積平均粒子径6μmの透明微粒子を作製した。この透明微粒子100重量部に、下記の2種類の無機微粒子A及びBを高速混合機で付着させた。
無機微粒子AはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子BはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、添加量1.0重量部)である。
【0077】
◎比較例2
以下の変更点以外は実施例1と同様の装置でカラー画像を形成した。
透明現像装置を図3に示すカラー用のものとした。各現像装置に充填する現像剤量を500gとした。
透明トナー用補給容器(トナー補給容器)をカラートナー用と同様に、Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のトナーカートリッジとし、透明トナーの充填量もカラートナーと同じ300gとした。
【0078】
実施例1〜実施例4の画像は、画像全面に渡って均一な光沢の高く、光沢仕上げの銀塩写真同等の好ましい画像が得られた。
実施例5、実施例6の画像は、実施例1〜実施例4に比べると光沢はやや低いものの、画像全面に渡って均一で、絹目仕上げの銀塩写真のような好ましい画像が得られた。
また、連続使用時においても画像形成装置内の汚れはなかった。
【0079】
比較例1の画像は、平均的には光沢は高いものの、高濃度部や文字部近傍の光沢が下がってしまっており、光沢ムラが目立った。また、連続使用すると画像形成装置内に透明トナーが飛散して、画像の裏面汚れなどを生じた。
比較例2では、初期的な数十枚の画像は、画像全面に亘って均一な光沢の高い好ましい画像が得られたものの、連続画像作製を続けると高濃度部や文字部近傍の光沢が下がり、光沢ムラが増加し、また、装置内に透明トナーが飛散して、画像の裏面汚れなどを生じるようになった。
【0080】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、透明現像装置の現像能力(攪拌混合能力や現像剤重量)をカラー現像装置のそれよりも高く設定するようにしたので、消費量の多い透明トナーの帯電性を常時良好に保つことができる。
このため、連続画像作製時においても、帯電不良に伴う透明トナーの飛散により、カラー画像形成装置内の汚れを有効に回避でき、かつ、画像全面に渡って均一で光沢が高い好ましい画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカラー画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】本発明に係るカラー画像形成装置の実施の形態1を示す説明図である。
【図3】実施の形態1で用いられるカラー現像装置の構成を示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられる透明現像装置の構成を示す説明図である。
【図5】(a)は図3中X−X線断面説明図、(b)は図4中Y−Y線断面説明図である。
【図6】実施の形態1における画像の定着工程を示す説明図である。
【図7】本発明に係るカラー画像形成装置の実施の形態2を示す説明図である。
【図8】実施の形態2における画像の定着工程を示す説明図である。
【図9】実施の形態2に係るカラー画像形成装置の変形形態3を示す説明図である。
【符号の説明】
1…基材,2…カラー現像装置,3…透明現像装置,4(4A,4B)…攪拌混合手段,5(5A,5B)…現像剤重量,6…作像ユニット,7…定着装置,7a…定着部材,7b…加熱加圧手段,7c…冷却剥離手段,G…画像,T…カラートナー像,T…透明トナー像

Claims (13)

  1. 基材上にカラートナー像及び透明トナー像からなる画像を形成するカラー画像形成装置において、
    各色成分毎にカラートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、各色成分毎のカラートナー像を形成するカラー現像装置と、
    透明トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、透明トナー像を形成する透明現像装置とを備え、
    カラー現像装置及び透明現像装置は、いずれもトナー、キャリアが攪拌、混合せしめられる攪拌混合手段を有し、これらの攪拌混合手段の攪拌混合能力はカラー現像装置に比べて透明現像装置の方が大きく設定されていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
    透明トナーの体積平均粒径は、各カラートナーの体積平均粒径の最小値に対して1.3倍以上4倍以下であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
    カラー現像装置の攪拌混合手段におけるトナー補給口からカラートナーが現像域に到達するまでの攪拌混合時間をt1、透明現像装置の攪拌混合手段におけるトナー補給口から透明トナーが現像域に到達するまでの攪拌混合時間をt2とした場合に、t2/t1が1.5倍以上6倍以下であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 請求項1記載のカラー画像形成装置において、
    カラー現像装置、透明現像装置の攪拌混合手段は、トナー補給口から現像域までトナーがキャリアと攪拌混合しながら搬送せしめられる攪拌混合搬送部材を有し、カラー現像装置の攪拌混合搬送部材の搬送路長をs1、透明現像装置の攪拌混合搬送部材の搬送路長をs2とした場合に、s2/s1が1.5倍以上6倍以下であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 基材上にカラートナー像及び透明トナー像からなる画像を形成するカラー画像形成装置において、
    各色成分毎にカラートナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、各色成分毎のカラートナー像を形成するカラー現像装置と、
    透明トナー及びキャリアからなる二成分現像剤が含まれ、透明トナー像を形成する透明現像装置とを備え、
    カラー現像装置及び透明現像装置の現像剤重量は、カラー現像装置に比べて透明現像装置の方が大きく設定されていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  6. 請求項5記載のカラー画像形成装置において、
    透明トナーの体積平均粒径は、各カラートナーの体積平均粒径の最小値に対して1.3倍以上4倍以下であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  7. 請求項5記載のカラー画像形成装置において、
    カラー現像装置の現像剤重量をM1、透明現像装置の現像剤重量をM2とした場合に、M2/M1が2倍以上10倍以下であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  8. 請求項5記載のカラー画像形成装置において、
    カラー現像装置、透明現像装置は夫々トナー補給容器を有し、カラー現像装置のトナー補給容器に充填される補給トナー量をN1、透明現像装置のトナー補給容器に充填される補給トナー量をN2とした場合に、N2/N1が2倍以上10倍以下であることを特徴とするカラー画像形成装置。
  9. 請求項1又は請求項5記載のカラー画像形成装置において、基材上に画像を形成する作像ユニットと、この作像ユニットにて形成された画像を基材上に定着する定着装置とを備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  10. 請求項9記載のカラー画像形成装置において、
    作像ユニットは、像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するカラー現像装置及び透明現像装置を含み、像担持体上に形成されたカラートナー像及び透明トナー像を基材に静電転写するものであることを特徴とするカラー画像形成装置。
  11. 請求項9記載のカラー画像形成装置において、
    作像ユニットは、像担持体上に形成された静電潜像を可視像化するカラー現像装置が含まれ、像担持体上に形成されたカラートナー像を基材に静電転写するカラートナー像形成装置と、このカラートナー像形成装置の後段に設けられ、基材上に透明現像装置による透明トナー像を形成する透明トナー像形成装置とを備えたことを特徴とするカラー画像形成装置。
  12. 請求項11記載のカラー画像形成装置において、
    透明トナー像形成装置は、定着装置の定着部材に透明トナー像を形成し、前記定着部材と基材とのニップ部にて基材のカラートナー像上に透明トナー像を積層するものであることを特徴とするカラー画像形成装置。
  13. 請求項9記載のカラー画像形成装置において、
    定着装置は、基材上のトナー像を挟んで密着する定着部材と、基材上のトナー像を加熱加圧する加熱加圧手段と、加熱加圧されたトナー像を冷却して定着部材から剥離する冷却剥離手段とを備えていることを特徴とするカラー画像形成装置。
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