JP2008003236A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 濃淡トナーを用いた画像形成装置における色味変動を抑制する。
【解決手段】 トナーとキャリアを備える複数の現像器と、複数の現像器を選択的に用いて形成された検知用トナー像の濃度を検知する濃度検知動作を行なう濃度検知手段と、濃度検知手段の検知結果に応じて対応する現像器にトナーを補給する補給手段と、を有し、複数の現像器のうち少なくとも2つの現像器は同一色相で互いに色の深さが異なるトナーを用いる画像形成装置において、色が淡いトナーを用いた現像器における濃度検知動作の頻度は、色が深いトナーを用いた現像器における濃度検知動作の頻度よりも高いことを特徴とする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば複写機あるいはプリンタなどとされる電子写真方式の画像形成装置に関する。
従来、複写機、レーザビームプリンタ等の電子写真方式により画像を形成する画像形成装置の一例として、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、Bk(ブラック)の各色成分画像を重ね合わせて画像を形成するようにしたフルカラー画像形成装置がある。
そして、複数の像担持体と複数の現像装置を備え、複数の現像手段のうち少なくとも1つには同一分光特性をもつ淡色トナーと、残る前記現像手段のうち少なくとも1つには濃色トナーが装填され、濃淡2種類のトナーを使用するものがある。図3に示すような淡色トナー用ルックアップテーブルと濃色トナー用ルックアップテーブルを使用し、1種類の分光特性をもつ色を表現する画像形成方法が提案されている(特許文献1)。これは、低濃度部においては淡色トナーを積極的に使用し、中間濃度部においては淡色トナーと濃色トナーを混合させ、高濃度部においては濃色トナーを積極的に使用するものである。これにより、低濃度部でのドットの粗さを目立ちにくくし、高濃度部でのトナー量を抑えることができる。そして、特に低濃度部における粒状感を低減し、画質の向上を達成することができ、また、再現色範囲を広げる効果が得られる。
一方、上述したようにして形成されたカラートナーによるカラー画像は、加熱定着の際にその表面が平滑化されるため、用紙表面と異なった光沢度を有している。また、カラートナーにおける結着樹脂の種類、加熱定着の方式等により、加熱定着の際のトナーの粘度が変化し、カラー画像の光沢度が変化することが知られている。
ところで、カラー画像の光沢度に対する好みは、画像の種類、使用目的等によって異なり多様であるが、人物や風景などの写真原稿の場合には、鮮明な画像を得る観点から高光沢な画像が好まれている。例えば、特許文献2、特許文献3、等には、カラー複写機を用い、トナーの材質、定着条件等を選択することにより、高光沢な画像を得る旨が記されている。しかし、これらの公報に記載された技術の場合、トナーによる画像部の光沢度は高くできるものの、非画像部の光沢度は高くできず、転写材上の光沢度を均一にすることはできない。
上記問題を解決するために、例えば、特許文献4、特許文献5、等には、カラートナーの他に透明トナーを転写材に転写、定着する方法が提案されている。また、非画像部に白色のトナーを転写材に転写、定着する方法も同様に提案されている。
また上記カラートナー、透明トナーを扱う現像装置は、安定性等の観点から、2成分現像装置が多く用いられている。また、このようなフルカラー画像形成装置においては、画質安定化のために、現像剤濃度T/D比(現像剤に対するトナーの重量比率)を一定に保つために、T/D比を検知し、その検知結果に基づいて、トナーの補給タイミングを決定する等の制御が行われている。このT/D比を、現像器に設けられた、インダクタンスセンサや光学的に現像剤濃度を検知するセンサ等の自動トナー補給センサ(ATRセンサ)を用いて検知する方法が一般的である。また、像担持体である感光ドラム上に参照用画像用潜像を形成し、該参照トナー像(パッチ)の画像濃度を濃度センサにて検知し、この画像濃度より前記T/D比を求める方法も種々提案されている。
更に、特許文献6には、淡トナー現像装置と濃トナー現像装置を用い、検知用トナー像を形成して画像制御を行う装置で、濃トナー現像装置における検知用トナー像の形成頻度の方を高くする構成が記載されている。これは、濃トナー現像装置の方が濃度が高い分、濃度変動が大きくなる事に着目して、補正制御を頻繁に行なおうというものである。
特開2000−231279号公報 特開平5−142963号公報 特開平3−2765号公報 特開昭63−58374号公報 特開平4−278967号公報 特開2006−47789号公報
しかしながら、同一色相で互いに色の深さが異なるトナー、すなわち、淡(色が淡い)トナー現像装置と、濃(色が深い)トナー現像装置とで画像形成を続けた場合、以下のような問題が生じる。それは、淡トナー現像装置によって主に形成される濃度領域において許容し難い色味変動が発生するという問題である。又、上記の透明トナー現像装置と、濃トナー現像装置とで画像形成を続けた場合、透明トナーによって形成された非画像部の光沢が、非常に不安定となる問題が生じる。以下にこれらの現象の要因について詳細に説明する。
上述したように、淡トナーと濃トナーを用いた現像では、図3のルックアップテーブルで画像形成を行なっている。一般に良く用いられる平均使用濃度、例えば入力信号が100〜140(100以上140以下)程度の時、淡トナー現像装置の画像出力信号は200〜255(200以上255以下)程度、つまりベタ相当の高濃度現像をすることになる。一方、濃トナー現像時は平均濃度付近では低濃度現像領域になっている。つまり平均的な濃度の画像を形成する場合、淡トナー現像時に消費するトナー量は、濃トナー現像時に比較して数倍増えていることになる。
2成分現像装置の場合、上記の通り現像剤濃度を一定に保つため、何らかの検知手段を用いて消費したトナー量を算定し、それに応じたトナーを補給する。しかしながら、消費するトナー量が極端に多いと、下記の理由により、現像器内でトナー濃度にばらつきが生じてしまう。以下に詳細に説明する。
2成分現像装置は、図13に示すように、内部に非磁性トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤を収容している。そして、この現像剤を現像剤撹拌搬送手段123、124によって現像剤担持体である現像スリーブ121の表面に供給する。そしてその表面に現像スリーブ121内の磁界発生手段であるマグネットローラの磁力によって磁気ブラシの状態で保持する。そして保持された現像剤を、現像スリーブ121の回転に基づいて感光ドラム101との対向部(現像領域)に搬送する。そして現像剤返し部材126および穂高規制部材127で上記の現像剤の磁気ブラシを穂切りして、現像領域に搬送される現像剤の量を適正に維持している。
現像装置132の内部は、図の紙面に対し垂直方向に延在する隔壁128によって現像室(第1室)129および撹拌室(第2室)130とに区画され、これら現像室129および撹拌室130に、上記の第1、第2の撹拌搬送手段23、24が配置されている。
第1の撹拌搬送手段23は、現像室内の下方に現像スリーブ121の軸線方向に沿ってほぼ並行に配置されており、回転軸の周りに羽根部材をスパイラル形状に設けたスクリュー構造とされ、回転して現像室129内の現像剤を現像スリーブ121の軸線方向に沿って一方向に搬送する。
第2の撹拌搬送手段124も、第1の撹拌搬送手段123と同様のスクリュー構造に形成され、ただし、その回転軸の周りの羽根部材は、第1の撹拌搬送手段123と逆向きのスパイラル形状に設けられている。第2の撹拌搬送手段124は、撹拌室130内の下方に第1の撹拌搬送手段123とほぼ平行に配置され、撹拌搬送手段123と同方向に回転して、撹拌室130内の現像剤を撹拌搬送手段123とは反対の方向に搬送する。
隔壁128の手前側と奥側の端部には、図14に示すように、現像室129と撹拌室130とを相互に連通する現像剤通路128a、128bが形成されている。撹拌搬送手段123、124の搬送により、現像室129内の現像剤が隔壁128の一方の通路128aを通って撹拌室130内に送り込まれる。また撹拌室130内の現像剤が隔壁128の他方の通路128bを通って現像室129内に送り込まれ、かくして現像剤が現像室129と撹拌室130との間で循環される。
現像装置132には図示しない補給槽が取り付けられており、現像剤濃度制御装置の制御のもとでトナー補給槽からトナーが、撹拌室130内に第2の撹拌搬送手段124の上流側の位置において供給される。現像によってトナーが消費されてトナー濃度が低下した現像室129内の現像剤は、第1の撹拌搬送手段123によって撹拌室130内に送り込まれる。そして現像室129内に既にある現像剤とトナー補給槽から供給されたトナーとともに、第2の撹拌搬送手段124により撹拌混合されて、現像剤のトナー濃度が均一化された後、現像室129内に送り込まれる。
しかしながら、トナー消費量が極端に多い場合、現像スリーブ上から消費されるトナー量も必然的に多くなる。従って、現像室29内の現像剤は、トナーが極端に消費されたことから極度にトナー濃度が低下した状態のまま、第1の攪拌搬送手段123によって攪拌室130内に送り込まれる。よって、第2の攪拌搬送手段124による攪拌混合をうけても、トナー濃度が均一化されにくく、結果として現像装置132内のトナー濃度が不均一となる不具合が生じる。トナー濃度が変化すると、トナー帯電量も同時に変化し、結果として画像濃度も変化するという不具合が生じる。従って、現像器の循環によっては、トナー消費量が極端に多い場合に、現像容器内でのトナー濃度均一化の作用が間に合わず、現像容器内のトナー濃度不均一を誘発する。この結果として濃度変動が発生するため、画像毎に色味の異なった低品位な画像となってしまう場合がある。
これに対し、淡トナー用ルックアップテーブルの淡トナーの中間画像信号レベルの出力レベルを下げることにより、平均濃度における淡トナーの現像必要トナー量を下げられ、淡トナー現像装置でのトナー消費量を減らすことは可能である。但し、この場合、従来の技術で述べたとおり、低濃度部での粒状感を低減するというそもそもの淡トナーの利点を損なってしまう。
また透明トナーは、上述したように有色トナーが存在しない領域に画像形成することで画像面内の凹凸を無くすことが目的に採用されている。よってその使用状況から透明トナー現像では、複数の有色トナーで形成されたトナー量と同等以上の現像トナー量が必要となるために、上記淡トナー現像同様の課題を有している。
従って、第1の目的は、同一色相で濃度の異なるトナーを用いて現像を行なう画像形成装置において、色味変動を抑制することにある。また、第2の目的は、無色トナーを用いて現像を行なう画像形成装置において、均一な画像光沢を持った画像を安定して供給することにある。
上記第1の目的は、以下の発明に係る画像形成装置にて達成される。即ち、トナーとキャリアを備える現像剤を用いて静電像を現像する複数の現像器と、前記複数の現像器を選択的に用いて検知用トナー像を形成し、該形成された検知用トナー像の濃度を検知する濃度検知動作を行なう濃度検知手段と、該濃度検知手段の検知結果に応じて、対応する現像器にトナーを補給する補給手段と、を有し、前記複数の現像器のうち少なくとも2つの現像器は、同一色相で互いに色の深さが異なるトナーを用い、これら2つの現像器によって前記同一色相の画像を形成可能な画像形成装置において、前記2つの現像器のうち色が淡い方のトナーを用いた現像器における前記濃度検知動作の頻度は、前記2つの現像器のうち色が深い方のトナーを用いた現像器における前記濃度検知動作の頻度よりも高いことを特徴とする画像形成装置によって達成される。
また、上記第2の目的は、以下の発明に係る画像形成装置にて達成される。即ち、トナーとキャリアを備える現像剤を用いて静電像を現像する複数の現像器と、前記複数の現像器を選択的に用いて検知用トナー像を形成し、該形成された検知用トナー像の濃度を検知する濃度検知動作を行なう濃度検知手段と、該濃度検知手段の検知結果に応じて、対応する現像器にトナーを補給する補給手段と、を有し、前記複数の現像器のうち少なくとも1つの現像器は、無色トナーを用いる画像形成装置において、前記無色トナーを用いた現像器における前記濃度検知動作の頻度は、その他の現像器における前記濃度検知動作の頻度よりも高いことを特徴とする画像形成装置によって達成される。
第1の発明によれば、同一色相で濃度の異なるトナーを用いて現像を行なう画像形成装置において、色味変動を抑制することができる。また、第2の発明によれば、無色トナーを用いて現像を行なう画像形成装置において、均一な画像光沢を持った画像を安定して供給することができる。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として、実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、転写媒体として中間転写ベルト(中間転写体)51を使用した、電子写真方式の画像形成装置である。また中間転写ベルト51の回転方向(移動方向:矢印R51方向)に沿っての上流側から下流側にかけて以下の順にプロセスユニットが配置されている。すなわち、第1のプロセスユニットPa,第2のプロセスユニットPb,第3のプロセスユニットPc,第4のプロセスユニットPd,第5のプロセスユニットPe,第6のプロセスユニットPfの順番である。
本実施の形態では、第1〜第6のプロセスユニットPa〜Pfの順に、淡色マゼンタ(ML),淡色シアン(CL),イエロー(Y),濃色マゼンタ(MH),濃色シアン(CH),ブラック(K)のトナー像を形成するプロセスユニットである。各プロセスユニットPa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pfは、それぞれ像担持体としてドラム形の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という。)1a,1b,1c,1d,1e,1fを有しており、それぞれ駆動手段(不図示)によって矢印方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。プロセスユニットPa〜Pbには、それぞれ淡シアン、淡マゼンタが、転写材上のトナー量が0.5mg/cmのときに定着後の光学濃度が0.8になるように設計されている。また、プロセスユニットPc〜Pfには、Y,MH,CH,Kの各色について、転写材上のトナー量が0.5mg/cmのときに、定着後の光学濃度が1.6になるように設計されている。
淡色トナーと濃色トナーとは、同一色相で色の深さが異なる関係にある。すなわち、淡色トナーの方が、色が淡い状態にある。なお、上記淡色トナーは、転写材上でのトナー量が0.5mg/cmにつき光学濃度が1.0未満であるように顔料を調整しているトナーとし、上記濃色トナーは、転写材上でのトナー量が0.5mg/cmにつき光学濃度が1.0以上であるように顔料を調整しているトナーとしてもよい。
上記各プロセスユニットに用いられる現像装置には、非磁性のトナーと磁性キャリアとを有する2成分現像剤が用いられる。
次に本画像形成装置の基本動作を示す。まず、原稿台ガラス上(不図示)に載置された原稿をスキャン、或いはPCによりデータ転送された原稿情報をCCD(不図示)により電気的信号に変換し、A/D変換装置によりデジタル信号化する。デジタル信号化されたデータを画像処理ブロックで加工し、RGB信号をCMYK信号に色変換した後、ガンマ補正、濃色トナー、淡色トナー用ルックアップテーブル(以下、「LUT」という)変換処理を行ない、最後に2値化を行なう。図3のAに淡色トナー用LUTを、図3のBに濃色用LUTをそれぞれ示す。その2値化された画像データを画像メモリとして、D/A変換し、露光用ドライバに転送し、露光装置を駆動させ画像形成を行なう。このように、淡色トナー用LUT変換処理を行なうことにより、読み取り画像信号の低濃度部においては、淡色トナーを積極的に用いることになる。つまり、低濃度部においては、1ドットの濃度が低くなり、2値画像の欠点である1ドットの粒状度を低減することが可能となる。このように、本実施例においては、同一色相で互いに色の深さが異なるトナー、すなわち、色が淡いトナーと色が深いトナーとを用いて画像形成を行うものである。
画像信号の流れについて更に詳細に説明する。図18にそのときの画像信号の流れを示す。
先ず、不図示の原稿台ガラス上に載置された原稿Gをスキャンし(S11)、原稿情報を不図示のCCDにより電気的信号に変換し(S12)、A/D変換装置(不図示)によりデジタル信号化する(S13)。デジタル信号化されたデータを画像処理ブロックで加工し(S14)、RGB信号をCMYK信号に色変換した後(S15)、ガンマ補正(S16)、淡色トナー用ルックアップテーブル(LUT)変換処理を行い(S17)、最後に2値化を行う(S18)。その2値化された画像データを画像メモリとして(S19)、D/A変換し(S20)、LEDドライバーに転送し(S21)、LEDを駆動させ画像形成を行う。LED露光により作られた静電潜像に、淡色トナー用であるPa,Pbによりトナー像を現像する。
こうして形成されたトナー像を1次転写装置5a,5bにより、中間転写ベルトに1次転写する。このように、淡色トナー用LUT変換処理を行うことにより、読み取り画像信号の低濃度部においては、淡色トナーを積極的に用いることになる。つまり、低濃度部においては、1ドットの濃度が低くなり、2値画像の欠点であった1ドットの粒状度を低減することが可能となる。
次に、2回目の原稿スキャンを行う(S22)。2回目の画像形成時には、メモリの都合上、再度リーダースキャンを行う必要がある。2回目のスキャン時の画像信号は、1回目とガンマ補正までは同様に処理される(S23〜S27)。その次に、濃度トナー用LUT変換処理を行い(S28)、2値化する(S29)。その2値化された画像データを画像メモリとして(S30)、D/A変換し(S31)、LEDドライバに転送し(S32)、LEDを駆動させ画像形成を行う。LED露光により作成された静電潜像に、濃トナー現像装置Pc〜Pfによりトナー像を現像する。
こうしてできたトナー像を1次転写装置5a〜5fにより、中間転写ベルト上に1次転写し、給紙カセットから給紙されてきた転写材に2次転写装置によって2次転写し、定着装置により定着し、排紙する。
各感光ドラム1a,1b,1c,1d,1e,1fの周囲には、その回転方向に沿って上流側からほぼ順に以下のものが配置されている。まず、帯電ローラ(帯電手段)2a,2b,2c,2d,2e,2f、露光装置(露光手段)3a,3b,3c,3d,3e,3f。次に現像器(現像手段)4a,4b,4c,4d,4e,4f。次に転写部材(一次転写手段)としての一次転写ローラ5a,5b,5c,5d,5e,5f。次にクリーニング装置(クリーニング手段)6a,6b,6c,6d,6e,6fの順番である。
図2を参照して、プロセスユニットPa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pfについて説明する。なお、これら6個のプロセスユニットPa,Pb,Pc,Pd,Pe,Pfは、同一の構成であるので、以下では、a,b,c,d,e,fの符号を省略して説明するものとする。
図2に示すように、プロセスユニットPは、画像形成装置本体(不図示)によって回転自在に支持された像担持体である感光ドラム1を有している。感光ドラム1は、アルミニウム等の導電性基体11と、その外周に形成された光導電層12とを基本構成とする円筒状のOPC感光体である。その中心には支軸13を有し、この支軸13を中心として矢印R1方向に、駆動手段(不図示)によって所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動されるようになっている。
感光ドラム1の上方には、帯電手段としての帯電ローラ2が配置されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に接触するように配置されており、感光ドラム1表面を所定の極性・電位に一様均一に帯電するものであり、全体としてローラ状に構成されている。帯電ローラ2は、中心に配置された導電性の芯金21と、その外周に形成された低抵抗導電層22と中抵抗導電層23からなり、芯金21の両端部が軸受部材(不図示)によって回転自在に支持されるとともに、感光ドラム1に対して平行に配置されている。これら両端部の軸受部材は押圧部材(不図示)によって感光ドラム1に向けて付勢されており、これにより、帯電ローラ2は、感光ドラム1表面に所定の押圧力を持って圧接されている。帯電ローラ2は、感光ドラム1の矢印R1方向の回転に伴って矢印R2方向に従動回転する。帯電ローラ2は、電源24によって帯電バイアス電圧が印加され、これにより、感光ドラム1表面を一様均一に接触帯電するようになっている。
感光ドラム1の回転方向についての帯電ローラ2の下流側には、露光手段としての露光装置3が配設されている。露光装置3は、例えば画像情報に基づいてレーザ光をOFF/ONしながら、帯電済みの感光ドラム1表面を走査露光するものであり、露光部分の電荷を除去して画像情報に応じた静電像を形成するものである。
露光装置3の下流側に配設された現像器4は、二成分現像剤を収容した現像容器41を有している。その現像容器41の感光ドラム1に面した開口部内には、現像剤担持体である現像スリーブ42が回転自在に設置されている。この現像スリーブ42内には現像スリーブ42上に現像剤を担持させるマグネットローラ43が、現像スリーブ42の回転に対して非回転に固定配置されている。現像容器41の現像スリーブ42の下方位置には、現像スリーブ42上に担持された現像剤を規制して薄層の現像剤層に形成する規制ブレード44が設置されている。さらに現像容器41内には、区画された現像室45及び撹拌室46が設けられ、その上方には補給用のトナーを収容した補給室47が設けられている。薄層の現像剤層に形成された現像剤は、感光ドラム1と対向した現像領域へ搬送されると、マグネットローラ43の現像領域に位置された現像主極の磁気力によって穂立ちし、現像剤の磁気ブラシが形成される。この磁気ブラシで感光ドラム1の面上を擦るとともに、現像スリーブ42に、電源48によって現像バイアス電圧を印加することにより、磁気ブラシの穂を構成するキャリヤに付着しているトナーが静電潜像の露光部に付着して現像し、感光ドラム1上にトナー像が形成される。
現像器4の下流側の感光ドラム1の下方には、一次転写ローラ5が配設されている。一次転写ローラ5は、電源54によってバイアス印加される芯金52と、その外周面に円筒状に形成された導電層53によって構成されている。一次転写ローラ5は、両端部がスプリング等の押圧部材(不図示)によって感光ドラム1に向けて付勢されている。これにより一次転写ローラ5の導電層53は、所定の押圧力で中間転写ベルト51を介して感光ドラム1表面に圧接され、感光ドラム1と中間転写ベルト51との間には一次転写部(一次転写ニップ部)T1が形成される。一次転写部T1には、中間転写ベルト51が挟まれており、電源54によってトナーの極性と逆極性の転写バイアス電圧が印加され、これによって感光ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト51表面に転写(一次転写)される。
トナー像転写後の感光ドラム1は、クリーニング装置6によって残留トナー等の付着物が除去される。クリーニング装置6は、クリーナブレード61及び搬送スクリュー62を有しており、クリーナブレード61は、感光ドラム1に対して、所定の角度及び圧力で加圧手段(不図示)により当接されていて、感光ドラム1表面に残留したトナー等を回収する。回収された残留トナー等は搬送スクリュー62により搬送排出され、廃トナーボックス62に収容される。
図1において、各感光ドラム1a〜1fの下方には、中間転写ユニット59が配設されている。中間転写ユニット59は、中間転写ベルト51、この中間転写ベルト51が掛け渡される駆動ローラ55,従動ローラ58,二次転写対向ローラ56、上述の一次転写ローラ5a〜5f、二次転写ローラ57、ベルトクリーナ60等によって構成されている。上述の二次転写ローラ(二次転写手段)57は、二次転写対向ローラ56との間に中間転写ベルト51を挟持しており、これにより、二次転写ローラ57と中間転写ベルト51との間には、二次転写部(二次転写ニップ部)T2が形成される。
上述構成の画像形成装置において、感光ドラム上に形成された各色のトナー像は、各一次転写部T1において、中間転写ベルト51を挟んで対向する一次転写ローラからの転写バイアスを受けて、順次に中間転写ベルト51上に転写(一次転写)される。そして、中間転写ベルト51の矢印R51方向の回転とともに二次転写部T2まで搬送される。一方、このときまでに、給紙カセット8に格納されていた記録材Sは、給紙ローラ81によって給紙され、搬送ローラ82によって搬送される。さらにレジストローラ83によって、所定のタイミング、すなわち中間転写ベルト51上のトナー像とタイミングをあわせるようにして、二次転写部T2に供給される。記録材Sは、二次転写部T2において、二次転写ローラ57と二次転写対向ローラ56との間に印加される二次転写バイアスによって、表面にトナー像が一括で転写(二次転写)される。このとき記録材Sに転写されないで中間転写ベルト51上に残ったトナー(二次残留トナー)等は、ベルトクリーナ60によって除去され、前述の通り廃トナーボックス62に回収される。
定着装置7は、回転自在に配設された定着ローラ71と、定着ローラ71に圧接しながら回転する加圧ローラ72とを有している。そして、定着ローラ71の内部には、ハロゲンランプ等のヒータ73が配設されていて、ヒータ73への電圧等を制御することにより定着ローラ71の表面の温度調節を行っている。この状態において、記録材Sが搬送されてくると、定着ローラ71と加圧ローラ72とは一定速度で回転し、記録材Sが定着ローラ71と加圧ローラ72の間を通過する際に表裏両面からほぼ一定の圧力、温度で加圧、加熱される。これにより、記録材S表面上の未定着トナー像は溶融して定着され、記録材S上にフルカラー画像が形成される。
なお、中間転写ベルト51は、PC、PET、PVDFのような誘電体樹脂によって構成される。本実施の形態では、体積抵抗率10Ω・cm(JIS−K6911法準拠プローブを使用、印加電圧100V、印加時間60sec、23℃,50%RH)、厚みt=100μmのPI樹脂を採用したが、他の材料、体積抵抗率、及び厚みのものでもよい。
また、一次転写ローラ5は、直径8mmの芯金52と、その外周を囲繞する導電層53としての厚さ4mmの導電性ウレタンスポンジ層とを有している。抵抗値は、500g重の荷重の下で接地に対して一次転写ローラ5を50mm/secの周速で回転させ、芯金に500Vの電圧を印加して測定された電流の関係から求められ、その値は約10Ω(23℃,50%RH)であった。
次に、本実施例における参照用パッチ画像と濃度センサーの働きについて、説明する。
プロセスユニットPa〜Pfに対する帯電条件,露光条件,現像条件,転写条件を、所定条件にして参照画像(トナーパッチ画像)を形成する参照画像形成手段が備えられている。この参照画像形成手段は、例えばコントローラがROM等に記憶される濃度パターンデータを読み出して発生させる事により、トナーパッチ画像を形成するものである。このように形成されたトナーパッチ画像を、中間転写ベルト51に1次転写する。そして、2次転写部T2よりも中間転写ベルト搬送方向上流に中間転写ベルト51に対向して備えられた濃度センサ221がトナーパッチ画像の濃度レベル状態を検出する。これら参照画像発生手段と濃度センサ(検知手段)とにより、パッチ画像の濃度を検知する濃度検知動作を行なうものを、濃度検知手段と呼ぶ。
濃度センサ221は図4に示すように、ホルダー222に、LEDなどの発光素子223、およびフォトダイオード、CdSなどの受光素子224を組み込んで形成されている。濃度センサ221は、発光素子223から光を転写ベルト51上のトナーパッチ画像Tに照射し、トナーパッチ画像Tからの拡散光を受光素子224で受け取ることにより、パッチTの濃度を測定するものである。一般的に、参照光を照射したときに反射してくる反射光には正反射光と拡散光があるが、本実施例において、濃度センサ221には拡散光型濃度センサを使用し、入射角θ=15°、反射角ψ=45°に設定したものを使用した。本実施例における濃度センサ221による淡色トナーと濃色トナーの出力を図5に示す。
次に、本実施例中における、現像剤へのトナー補給制御について述べる。本実施例では、濃度制御装置として、中間転写ベルト51上に参照用パッチ画像(中間調の濃度に対応する)を作像し、その画像濃度を中間転写ベルト51に対向設置した、上述の濃度センサー221により検知してトナー補給制御する方式を備えている。この制御方式を、パッチ検ATR(Auto Toner Replenish)制御と呼ぶ。このように、本実施例では、参照用のパッチ画像の濃度が適正化するように現像器へのトナー補給量を制御することで、その後に形成される中間調(ハーフトーン)の画像の濃度が適正化することを目的としている。
パッチ検ATRでは、得られたパッチ画像(トナー像)に、濃度センサ発光部からの光を照射し、その反射光を光電変換素子などの受光部で受光し、パッチ画像の実際のパッチ濃度を検知する。
上記の受光部からの実際のパッチ画像濃度を検知した出力信号は、比較器(不図示)の一方の入力に供給される。この比較器の入力には、基準電圧信号源からパッチ画像の規定濃度(初期濃度)に対応する基準信号が入力されている。比較器はパッチ画像濃度と初期画像濃度とを比較してその濃度差を求め、濃度差の出力信号をCPU(不図示)に供給する。この濃度差の出力信号は、図6に従って現像器41内の現像剤へトナー補給室47より適正量のトナーが補給される。
ここで、上記のパッチ検ATR制御は、パッチ画像濃度の検知結果に大きく依存している。このことから、上記パッチの形成頻度が高いほど、いち早くトナー濃度の変化に対応でき、トナー補給制御に対してよりきめ細かく、正確にフィードバックすることが可能であり、結果的にトナー濃度が安定化する。しかしながら、参照用画像は、トナーが成果物として使用されること無く廃棄されてしまうため、その形成頻度があまりにも高いと、コスト等の面で非常に好ましくない。
そこで本実施例では、上記の問題も鑑み、パッチ画像形成によるトナー消費を適切に抑えつつ、高品位な画像を安定して供給できる画像形成装置を、以下の手法によって提供する。
では、本実施例における参照用画像の形成手順について述べる。
本実施例では、参照用パッチ画像の形成を、ML(淡マゼンタ)、MC(淡シアン)の2色で形成するモードと、ML(淡マゼンタ)、MC(淡シアン)、Y、MH、CH、Kの6色で形成する2種類のパッチ形成モードを設けることに特徴がある。図7にその概略図を示す。
中間転写ベルト51に対向して設けられた濃度センサ221は、中間転写ベルト長手方向中央部に配置しているため、参照用画像は図7に示す様に、長手方向の幅20mm、搬送方向の幅30mmとし、各色について順番に形成している。図7(A)は、参照用画像を淡の2色で形成する2色パッチモードである。本実施例では、A4サイズ紙で5枚毎にこの2色パッチモードを動作させる。一方、図7(B)は、参照用画像を6色で形成する6色パッチモードである。本実施例では、A4サイズ紙で10枚毎にこの6色パッチモードを動作させる。すなわち本実施例中の画像形成装置は、6色すべての現像装置を稼動させながら画像形成を行う場合において、A4サイズ紙で5枚毎に、2色分の参照用画像形成モードと、6色分の参照用画像形成モードとを交互に繰り返している。
以上の流れを、図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。
画像形成をスタートし、画像形成枚数の積算カウント値が、A4換算で10の倍数枚の場合は、6色モードの参照用画像形成(図7の(B)参照)を行う。又、積算カウント値が10の倍数ではなく、5の倍数であれば、2色モードの参照画像形成(図7の(A)参照)を行う。積算カウント値が、いずれの倍数でもない場合は、次の画像形成に移る。
以上の動作により、淡マゼンタ、淡シアンの各トナーについては、A4サイズ紙で5枚毎に参照用パッチが形成され、トナー補給にフィードバックされる。一方で、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーについては、A4サイズ紙で10枚毎に参照用パッチが形成され、トナー補給にフィードバックされる。これにより、淡トナーの参照用パッチ画像の作成頻度が増加する。
上記の通り、パッチ検ATR制御においては、トナー濃度安定性は、参照用画像であるパッチ画像の形成頻度に大きく依存する。一方で、前記の通り、本実施例中の淡マゼンタ、淡シアンは、他のイエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーに比べて消費量が格段に多い。よって、トナー濃度が現像容器内で不均一になりやすいため、他のトナーと同様のパッチ画像形成頻度では、淡トナーにとっては濃度変動が発生しやすい状況にある。
しかしながら本実施例では、上記の様に、6色全てのパッチ検を行うモード(図7の(B))の他に、淡トナーのみでパッチ画像を形成するモード(図7の(A))を別途設けている。このようにそれぞれのパッチ画像形成モードを交互に行うことによって、淡トナーでのパッチ画像形成頻度を、他のトナーの2倍とした。これにより、トナー消費がそもそも多い淡トナーは、より多くのパッチ画像形成を行うことにより、トナー濃度不均一を是正し、結果的に安定した画像濃度を形成することが可能となる。一方で、他の淡トナー以外のトナーは、過剰にパッチ画像を形成することで必要以上にトナーを消費することなく、必要十分なパッチ検頻度を保つことにより、淡トナー同様に安定した画像濃度を形成可能となる。
なお、本明細書では、明度値・濃度値は、X−Rite社製の分光濃度計MODEL:528を使用して測定した値を用いている。また、L*,a*,b*の値は、X−Rite社製の分光濃度計MODEL:528を使用して、観測光源D50,観測視野2°の測定条件下で測定した値を用いている。
次に、上記の濃トナーおよび淡トナーを作製するための方法について詳しく説明する。
淡色シアントナー、及び、濃色シアントナーに用いることのできるシアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1,7,15,15:1,15:2,15:3,15:4,60,62,66が特に好適に利用できる。これら着色剤と、後述のイエロー着色剤やマゼンタ着色剤等とを混合し、好ましい好適なa*,b*,L*の値を有するシアントナーとしても良い。これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
トナーに含有される樹脂成分としては、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)の分子量分布において、分子量600〜50000の範囲にピークを有することが好ましい。
トナーに用いられる結着樹脂としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)の分子量分布において、低分子量のピークが3000〜15000の範囲にあることが、粉砕法で生成したトナーの形状を熱と機械的衝撃力でコントロールする上で好ましい。
低分子量のピークが15000を超えると、形状係数SF−1及びSF−2を好ましい範囲に制御しにくく、転写効率の向上が十分ではない。分子量3000未満では、トナー粒子の表面処理時に融着を生じやすい。
なお、形状係数SF−1,SF−2は以下のように求められるパラメータである。日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い倍率500倍に拡大したトナー像を100個無作為にサンプリングする。その画像情報をインターフェースを介してニコレ社製画像解析装置(Luzex3)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値によって定義される。
Figure 2008003236
トナーの形状係数SF−1はトナー粒子の丸さの度合を示し、球形から徐々に不定形となる。SF−2はトナー粒子の凹凸度合を示し、トナー表面の凹凸が顕著となる。
分子量は、GPCにより測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いテトラヒドロフラン(THF)で20時間抽出を行ったサンプルを用い、カラム構成は昭和電工製A−801,802,803,804,805,806,807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率(Mw/Mn)は、2〜100を示す樹脂が好ましい。
トナーのガラス転移点(Tg)は定着性、保存性の点から50℃〜75℃(さらに好ましくは、52℃〜70℃)が好ましい。
トナーのガラス転移点の測定にはたとえば、パーキンエルマー社製のDSC−7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定を行う。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本実施形態においては、試料を1回昇温させ前履歴をとった後、急冷し、再度温度速度10℃/min、温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。
本実施形態に使用される結着樹脂は、例えば以下がある。ポリスチレン;ポリ−p−クロルスチレン,ポリビニルトルエンの如きスチレン置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体,スチレン−ビニルトルエン共重合体。スチレン−ビニルナフタリン共重合体,スチレン−アクリル酸エステル共重合体,スチレン−メタクリル酸エステル共重合体,スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体。スチレン−アクリロニトリル共重合体,スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体,スチレン−ビニルメチルケトン共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体。スチレン−イソプレン共重合体,スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体の如きスチレン系共重合体。ポリ塩化ビニル,フェノール樹脂,天然変性フェノール樹脂,天然樹脂変性マレイン酸樹脂,アクリル樹脂,メタクリル樹脂,ポリ酢酸ビニール,シリコーン樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,フラン樹脂,エポキシ樹脂。キシレン樹脂,ポリビニルブチラール,テルペン樹脂,クマロンインデン樹脂,石油系樹脂等が使用できる。架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、以下がある。アクリル酸,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,アクリル酸ドデシル,アクリル酸オクチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,アクリル酸フェニル,メタクリル酸,メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル。メタクリル酸ブチル,メタクリル酸オクチル,アクリロニトリル,メタクリロニトリル,アクリルアミドのような二重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体。マレイン酸,マレイン酸ブチル,マレイン酸メチル,マレイン酸ジメチルのような二重結合を有するジカルボン酸及びその置換体。塩化ビニル,酢酸ビニル,安息香酸ビニルのようなビニルエステル類。エチレン,プロピレン,ブチレンのようなエチレン系オレフィン類;ビニルメチルケトン,ビニルヘキシルケトンのようなビニルケトン類。ビニルメチルエーテル,ビニルエチルエーテル,ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類。等のビニル単量体が挙げられる。これらは、単独もしくは組み合わせて用いられる。
架橋剤としては、2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。例えば、ジビニルベンゼン,ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物。エチレングリコールジアクリレート,エチレングリコールジメタクリレート,1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル。ジビニルアニリン,ジビニルエーテル,ジビニルスルフィド,ジビニルスルホンの如きジビニル化合物。3個以上のビニル基を有する化合物;が挙げられる。これらは単独もしくは混合して使用される。
定着時の定着部材からの離型性の向上、定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナー粒子中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス及びその誘導体,マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体,フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体,ポリオレフィンワックス及びその誘導体,カルナバワックス及びその誘導体である。誘導体には酸化物や、ビニル系モノマーとのブロック共重合体,グラフト変性物が挙げられる。
その他、長鎖アルコール,長鎖脂肪酸,酸アミド,エステルワックス,ケトン,硬化ヒマシ油及びその誘導体,植物系ワックス,動物系ワックス,鉱物系ワックス,ペトロラクタム等も場合により使用しても良い。
トナーを作製するには、結着樹脂,ワックス,着色剤としての顔料,染料,又は磁性体,必要に応じて荷電制御剤の如き添加剤をヘンシェルミキサー,ボールミルの如き混合器により十分混合する。その後、加熱ロール,ニーダー,エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂を溶融せしめる。そしてその溶融樹脂の中に顔料,染料又は磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕,分級を行なってトナーを得ることが出来る。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
さらに、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法がある。また、特公昭36−10231号公報,特開昭59−53856号公報,特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合方法を用いて直接トナーを生成する方法もある。また、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナーを生成する分散重合方法でもよい。又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナーを生成するソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法を用いてトナー粒子を製造しても良い。
上述した濃トナーと淡トナーは、それぞれ着色剤を異ならせることによって、濃度レベルおよび色相角を適宜異ならせたものである。または、同一の着色剤を用い、かつ、その含有量を異ならせることによっても、濃度レベルおよび色相角を適宜異ならせることもできる。この場合、淡トナーの着色剤の含有量を、濃トナーの着色剤の含有量の1/5以下にすることで、好ましい濃度レベルに設定することができる。
一方、本発明に用いられるキャリアは、結着樹脂中に磁性粉を分散させた球状磁性粉分散型キャリアであり、後述の現像剤の見掛密度あるいは圧縮度を達成するものが挙げられる。
キャリアについて更に詳しく説明する。
キャリアとしては、キャリアの重量平均粒径が15〜60μm、好ましくは20〜60μm、より好ましくは20〜45μmである。キャリアの重量平均粒径が60μmより大きい場合には、ベタ画像の均一性及び微小ドットの再現性が低下する傾向にある。キャリアの重量平均粒径が15μm未満であると、現像用キャリアが感光体へ付着し易くなり、感光体に傷等が発生し、画像劣化の原因となる。
キャリアの重量平均粒径の測定は、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所株式会社製)により計測した。
本発明に用いられるキャリアの体積抵抗値は、10〜1015Ωcmである。キャリアの体積抵抗値が10Ωcm未満の場合には、抵抗が低いために、現像領域で現像バイアスが注入されて潜像が乱されてしまう。キャリアの体積抵抗値が1015Ωcmを超える場合には、キャリア自身がチャージアップしてしまい、補給トナーへの帯電付与能が低下しやすくなる。
現像用磁性キャリアの体積抵抗値の測定であるが、図8に示すセルを用いて測定した。すなわち、セルAにサンプル33を充填し、該充填サンプル33に接するように下部電極31及び上部電極32を配し、該電極間に1000Vの直流電圧を印加し、その時流れる電流を電流計で測定することにより求めた。尚、34は絶縁物である。測定条件は、充填されたサンプル33のセルとの接触面積S=2cm,厚みd=3mm,上部電極の荷重147N(15kg重)とする。
本発明は、キャリアとトナーとを混合して二成分系現像剤を調製するが、その混合比率は二成分系現像剤中のトナー濃度として、1〜15質量%、好ましくは3〜12質量%、更に好ましくは5〜10質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が1質量%未満では画像濃度が低くなり、15質量%を超えるとカブリや機内飛散を増加せしめ、二成分系現像剤の耐用寿命を低下させる。
本発明においては、現像剤のかさ密度が1.2〜2.0g/cmであることが好ましい。かさ密度が上記の範囲内であると、トナーを小粒径化した際も、トナー劣化が抑制され、耐久時にトナー粒子表面に外添剤が埋め込まれることによるかさ密度の変化が減少する。
以上述べたように、本実施例中の画像形成装置においては、6色を用いたフルカラー画像形成中に、淡色トナーのみを用いて参照用パッチ画像形成を行う2色パッチモードと、濃淡トナーを用いて参照用パッチ画像形成を行う6色パッチモードとを交互に行う。これにより、粒状感が少なく色再現範囲の広い高品位な画像を提供しつつ、淡トナーの消費量が多いことに起因する色味変動を引き起こすことなく、安定した画像形成を行うことが可能となった。
つぎに、本発明の実施例2について説明する。
本実施例では、淡マゼンタ、淡シアン、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの全てのトナーに対して、参照用画像を一定にするための補正を含んだインダクタンス検知ATR制御(現像剤の透磁率を利用)を用いる。そして更に淡トナーの参照用画像の形成頻度を濃トナーよりも高く設定することにより、上記の問題を解決した。以下に詳述する。なお、インダクタンス検知ATR制御とは、現像剤の透磁率を検知して、この検知結果をもとにトナー補給を行う制御のことである。
静電像の現像により現像器41内の現像剤濃度が変化するのを補正するために、現像器41にトナーを補給制御を行うことは既に述べた。その補給を実施するために、本実施例では、各現像器41の第一室(現像室)46の底壁に設置したインダクタンスヘッド(不図示)からの出力信号によって、現像室41内の現像剤の実際のトナー濃度を検知する。そして、検知結果と基準値との比較によりトナーを補給するようにしたインダクタンス検知方式の現像剤濃度制御装置が設けられている。
上述したように、二成分現像剤は磁性キャリアと非磁性トナーを主成分としており、現像剤のトナー濃度(キャリアおよびトナーの合計重量に対するトナー重量の割合)が変化すると、磁性キャリアと非磁性トナーの混合比率による見かけの透磁率が変化する。この見かけの透磁率をインダクタンスヘッドによって検出して電気信号に変換すると、図9に示すように、この電気信号、つまり検出信号(V)は、トナー濃度(T/D比(%))に応じてほぼ直線的に変化する。すなわち、インダクタンスヘッドからの出力信号は、現像器41内の二成分現像剤の実際のトナー濃度に対応する。なお、T/D比とは、現像剤中におけるトナーの重量比である。
このインダクタンスヘッドからの出力信号を、不図示の比較器の一方の入力に供給する。この比較器の他方の入力には、基準電圧信号源から、現像剤の規定のトナー濃度(トナー濃度の初期設定値)における見かけの透磁率に対応する基準信号が入力されている。従って、比較器は規定トナー濃度と現像器内の実際のトナー濃度とを比較することになり、両入力信号の比較結果としての、比較器の検出信号が不図示のCPUに供給される。
CPUは、比較器からの検出信号に基づいて、トナー補給時間を制御する。たとえば、インダクタンスヘッドによって検出された現像剤の実際のトナー濃度が規定値よりも小である場合には、つまり、トナーが補給不足である場合には、CPUは不足分のトナーを現像器41に補給するように、トナー補給槽47の搬送スクリューを作動させる。すなわち、比較器からの検出信号に基づいて、不足分のトナーを現像器41に補給するのに要するスクリュー回転時間を算出し、モータ駆動回路を制御してその時間だけモータを回転駆動し、不足分のトナーを現像器41に補給する。
また、インダクタンスヘッドによって検出された現像剤の実際のトナー濃度が規定値よりも大である場合には、つまり、トナーが過剰補給である場合には、CPUは比較器からの検出信号に基づいて現像剤中の過剰トナー量を算出する。そして、その後の原稿による画像形成に際しては、この過剰トナー量が無くなるようにトナーを補給させるか、あるいは過剰トナー量が消費されるまでトナーを補給せずに画像を形成させる。すなわち、トナーの補給なしで画像を形成して過剰トナー量を消費させ、過剰トナー量が消費されたらトナー補給動作を前述の通り行なわせる等の制御を行なう。
図10のフローチャートを参照して上記の補給動作の制御についてさらに説明する。
まず、画像形成動作をスタートさせると(ステップS501)、トナー濃度検出がスタートする(S502)。ついでインダクタンスヘッドからの検出値aを比較器に入力し(S503)、比較器で基準電圧信号源による基準値bと比較し(S504)、その検出電圧差(a−b)をCPUに送って、(a−b)>0かどうかを判断する(S505、S506)。判断が(a−b)>0の場合(YES)、すなわちトナー濃度が基準値より低い場合には、トナー補給時間を決定する(S507)。ついでこの決定されたトナー補給時間だけトナー補給を行わせ(S508)、ステップS502のスタートに戻る。
またステップS506で(a−b)<0の場合(NO)、すなわちトナー濃度が基準値より高い場合には、トナーが補給されずにスタートに戻る。
本実施例で用いているインダクタンス検知ATRでは、最適なトナー濃度における検出信号の基準値を2.5Vになるように調整しており、基準値よりセンサーの検出信号が大きければ(たとえば3.0V)、トナーを補給する。センサーの検出信号が小さければ(たとえば2.0V)、トナー補給を停止することになっている。しかし本発明は当然、上記の信号処理に限定されるものではない。回路の構成を変更して基準値が2.5V以外の値であってもよく、またトナー濃度が最適値より低いときセンサーの検出信号が小さくなるようにし、トナー濃度が最適値より高いとき大きくなるようにしても構わない。なお、本実施例における最適なトナー濃度は6%である。この値より高すぎるとトナーの飛散などが生じ、低すぎると画像濃度が薄くなるなどの問題が生じることがある。
さらに本実施例では、上記のインダクタンス検知制御を用いながら、低湿環境におけるトナーのチャージアップや長期放置によるトナーのチャージダウンなどの影響を抑制するために以下を行なう。すなわち、適宜参照用パッチ画像を形成し、初期剤での参照用パッチ画像と比較した結果に基づいて、参照用パッチ画像濃度が一定となるように図10における基準値bを補正する。このように、インダクタンス検知補給制御に、参照用パッチ検知結果も用いるトナー補給制御を行なっている。
上記の通り、淡トナーは必然的にトナー消費量が多いため、現容器内のトナー濃度も、それに応じて不均一になりやすくなり、結果的にトナー帯電量も同時に変化し、画像濃度も変化するという不具合が生じる。さらに低湿環境におけるトナーのチャージアップや長期放置によるトナーのチャージダウンなどの影響が重なり、消費量の比較的少ない他のトナーに比べ、トナー濃度変動および画像濃度変動はより顕著なものとなる。
そこで本実施例では、淡トナーの参照用画像形成頻度を他の色より高く保つことで、上記問題を解決した。以下図12を用いて詳述する。
図12に従い、画像形成をスタートし、画像形成枚数の積算カウント値が、A4換算で10の倍数枚の場合は、6色モードの参照用画像形成(図7の(B)参照)を行う。又、積算カウント値が10の倍数ではなく、5の倍数であれば、2色モードの参照画像形成(図7の(A)参照)を行う。積算カウント値が、いずれの倍数でもない場合は、次の画像形成に移る。
以上の動作により、淡マゼンタ、淡シアンの各トナーについては、A4サイズ紙で5枚毎に参照用パッチが形成され、インダクタンス制御のターゲット値である基準値bにフィードバックされる。一方で、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーについては、A4サイズ紙で10枚毎に参照用パッチが形成され、これも基準値bにフィードバックされる。これにより、淡トナーの参照用パッチ画像の作成頻度が増加する。
上記の通り、インダクタンスATR制御においても、チャージアップやチャージダウン等を含めた状態でのトナー濃度安定性は、参照用画像であるパッチ画像の形成頻度に大きく依存する。一方で、前記の通り、本実施例中の淡マゼンタ、淡シアンは、他のイエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーに比べて消費量が格段に多い。よって、トナー濃度が現像容器内で不均一になりやすいため、他のトナーと同様の参照用画像形成頻度では、淡トナーにとっては濃度変動が発生しやすい状況にある。
しかしながら本実施例では、上記の様に、6色全てのパッチ検を行うモード(図7の(B))の他に、淡トナーのみでパッチ画像を形成するモード(図7の(A))を別途設けている。これにより、それぞれのパッチ画像形成モードを交互に行うことによって、淡トナーでのパッチ画像形成頻度を、他のトナーの2倍とした。これにより、トナー消費がそもそも多い淡トナーは、より多くのパッチ画像形成を行うことにより、状況に応じた適正なインダクタンスターゲット値を選択することが出来る。よって、トナー濃度不均一を是正し、結果的に安定した画像濃度を形成することが可能となる。一方で、他の淡トナー以外のトナーは、過剰にパッチ画像を形成することで必要以上にトナーを消費することなく、必要十分なパッチ検頻度を保つことにより、淡トナー同様に安定した画像濃度を形成可能となる。
尚、トナー濃度検知は、上記のインダクタンスセンサーのほかに、現像剤接触型光学式検知、現像剤費接触型光学式検知等、種々のやり方がある。いずれのやり方でトナー濃度検知を行っても良い。
以上述べたように、本実施例中の画像形成装置においては、同一色相で互いに色の深さの異なるトナーに対し、参照用画像濃度を一定にするべく補正を加えながらインダクタンス検知ATR制御を行っている。その際、6色を用いたフルカラー画像形成中に、淡色トナーのみを用いて参照用パッチ画像形成を行う2色パッチモードと、濃淡トナーを用いて参照用パッチ画像形成を行う6色パッチモードとを交互に行う。これにより、粒状感が少なく色再現範囲の広い高品位な画像を提供しつつ、淡トナーの消費量が多いことに起因する色味変動を引き起こすことなく、安定した画像形成を行うことが可能となった。
つぎに、本発明の実施例3について説明する。
本実施例では、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの4色の現像剤をパッチ検ATR制御方式を採用するのに加えて、5色目として透明トナー現像剤を配置し、透明トナー現像剤のトナー補給制御に対してもパッチ検ATR制御を採用する。そして、透明トナー現像器に対する参照用画像形成頻度を、他の有色トナー現像器に比べて高く設定することにより、上記問題を解決する。パッチ検ATR制御については、実施例1と同様であるためここでは述べない。
本実施例では、図1におけるプロセスユニットPaを取り外し、Pbに透明トナーを有する現像剤を搭載したプロセスユニットを配置し、Pc〜Pfには、それぞれイエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの順で現像剤を搭載するプロセスユニットを配置する。ここで透明トナーは、画像部の光沢度と非画像部の光沢度との差を埋め、画像全体(記録材表面全体)として均一な光沢度を達成するという目的に使われる。または、記録材表面の凹凸を埋め、凹凸差を緩和させることにより光沢を生み出し、画像全体の光沢度をアップさせるという目的を持つ。さらには、記録材が折り曲げられたりこすられたりした場合に、記録材に溶融定着されたトナー像の割れやひびの発生を防ぐ目的で使用される場合もある。これらの目的を達成するために、透明トナーの他に、白色トナー等でも達成可能であり、透明トナーの代わりに白色トナーを用いても何ら問題ない。
本実施例においては、上記の通り、透明トナー、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの5色の現像剤トナー補給制御についてパッチ検ATR制御方式を採用する。そして透明トナーに対する参照用画像形成頻度を、他の有色トナーの参照用画像形成頻度よりも高く設定することにより、上記問題を解決した。以下詳述する。
本実施例では、参照用パッチ画像の形成を、透明トナーのみの1色で形成するモードと透明トナー、Y、MH、CH、Kの5色で形成する2種類のパッチ形成モードを設けることに特徴がある。図15にその概略図を示す。
中間転写ベルト51に対向して設けられた濃度センサ221は、ベルト長手方向中央部に配置しているため、参照用画像は図15に示す様に、ベルト長手方向の幅20mm、搬送方向の幅30mmとし、各色について順番に形成している。図15(A)は、参照用画像を透明トナー1色で形成する1色パッチモードである。本実施例では、A4サイズ紙で5枚毎にこの1色パッチモードを動作させる。一方、図15(B)は、参照用画像を5色で形成する5色パッチモードである。本実施例では、A4サイズ紙で10枚毎にこの5色パッチモードを動作させる。すなわち本実施例中の画像形成装置は、5色すべての現像装置を稼動させながら画像形成を行う場合において、A4サイズ紙で5枚毎に、1色分の参照用画像形成モードと、5色分の参照用画像形成モードとを交互に繰り返している。
以上の流れを、図16のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図16に従い、画像形成をスタートし、画像形成枚数の積算カウント値が、A4換算で10の倍数枚の場合は、5色モードの参照用画像形成(図15の(B)参照)を行う。又、積算カウント値が10の倍数ではなく、5の倍数であれば、1色モードの参照画像形成(図15の(A)参照)を行う。積算カウント値が、いずれの倍数でもない場合は、次の画像形成に移る。
以上の動作により透明トナーについては、A4サイズ紙で5枚毎に参照用パッチが形成され、トナー補給にフィードバックされる。一方で透明、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーについては、A4サイズ紙で10枚毎に参照用パッチが形成され、トナー補給にフィードバックされる。これにより、透明トナーの参照用パッチ画像の作成頻度が増加する。
上記の通り、パッチ検ATR制御においては、トナー濃度安定性は、参照用画像であるパッチ画像の形成頻度に大きく依存する。一方で、前記の通り、本実施例中の透明トナーは、他のイエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーに比べて消費量が格段に多い。よって、トナー濃度が現像容器内で不均一になりやすいため、他のトナーと同様のパッチ画像形成頻度では、透明トナーにとっては濃度変動が発生しやすい状況にある。
しかしながら本実施例では、上記の様に、5色全てのパッチ検を行うモード(図15の(B))の他に、透明トナーのみでパッチ画像を形成するモード(図15の(A))を別途設けている。そして、それぞれのパッチ画像形成モードを交互に行うことによって、透明トナーでのパッチ画像形成頻度を、他のトナーの2倍とした。これにより、トナー消費がそもそも多い透明トナーは、より多くのパッチ画像形成を行うことにより、トナー濃度不均一を是正し、結果的に安定した画像濃度を形成することが可能となる。一方で、他の透明トナー以外のトナーは、過剰にパッチ画像を形成することで必要以上にトナーを消費することなく、透明トナー同様に安定した画像濃度を形成可能となる。
本発明における透明トナーとは、光吸収や光散乱による着色を目的とした色材(着色顔料,着色染料,黒色カーボン粒子,黒色磁性粉など)を含まない無色のトナー粒子であることを意味し、少なくとも結着樹脂を含有している。また、本発明における透明トナーは、通常、無色透明であるが、その中に含まれる流動化剤や離型剤の種類や量によっては、透明度が若干低くなっていることがあるが、実質的には無色透明である。上述の結着樹脂としては、実質的に透明であればよく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエステル系樹脂,ポリスチレン系樹脂,ポリアクリル系樹脂,その他のビニル系樹脂。ポリカーボネート系樹脂,ポリアミド系樹脂,ポリイミド系樹脂,エポキシ系樹脂,ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体があげられる。これらの中でも、低温定着性,定着強度,保存性などのトナー特性を同時に満足し得る点でポリエステル系樹脂が好ましい。
なお、透明トナーは樹脂自身は透明ではあるが、トナーとして粒子の形状になっている時は、光の乱反射により白く見える。よってパッチ像を形成した場合は、この乱反射により、その載り量をセンサによって検知可能となる。
以上述べたように、本実施例中の画像形成装置においては、5色を用いたフルカラー画像形成中に、透明トナーのみを用いて参照用パッチ画像形成を行う1色パッチモードと、全色を用いて参照用パッチ画像形成を行う5色パッチモードとを交互に行う。これにより、均一な光沢度を達成した高品位な画像を提供しつつ、透明トナーの消費量が多いことに起因する光沢変動を引き起こすことなく、安定した画像形成を行うことが可能となった。
つぎに、本発明の実施例3について説明する。
本実施例では、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの4色の現像剤をパッチ検ATR制御方式を採用するのに加えて、5色目として淡ブラックトナー(KL)現像剤を、6色目として透明トナー現像剤をそれぞれ配置する。そして、淡ブラックトナー現像剤と、透明トナー現像剤のトナー補給制御に対してもパッチ検ATR制御を採用する。更に、透明トナー及び淡ブラックトナーに対する参照用画像形成頻度を、他の有色トナーに比べて高く設定することにより、上記問題を解決する。パッチ検ATR制御については、実施例1と同様であるためここでは述べない。
本実施例では、図1におけるプロセスユニットPaに透明トナーを有する現像剤を搭載したプロセスユニットを、Pbに淡ブラックトナーを有する現像剤を搭載したプロセスユニットを配置する。そして、Pc〜Pfには、それぞれイエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの順で現像剤を搭載するプロセスユニットを配置する。
また、5色以上が同時に稼働する画像形成モードとして、以下のモードがある。イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラック、淡ブラックの5色を使用するモード。イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラック、淡ブラック、透明トナーの6色を使用するモード。イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラック、透明トナーの5色を使用するモード。
本実施例においては、上記の通り、透明トナー、淡ブラック、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの6色の現像剤トナー補給制御についてパッチ検ATR制御方式を採用する。そして、透明トナー、淡ブラックトナーに対する参照用画像形成頻度を、他の有色トナーの参照用画像形成頻度よりも高く設定することにより、上記問題を解決した。以下詳述する。
尚、以下には透明トナー、淡ブラック、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの6色を用いた6色モードでの実施例を示すが、上記の2種類の5色モードについても以下と同様であることは言うまでも無い。
本実施例では、参照用パッチ画像の形成を、透明トナー、淡ブラックトナーの2色で形成するモードと透明トナー、淡ブラックトナー、Y、MH、CH、Kの6色で形成する2種類のパッチ形成モードを設けることに特徴がある。図17にその概略図を示す。
中間転写ベルト51に対向して設けられた濃度センサ221は、ベルト長手方向中央部に配置しているため、参照用画像は図17に示す様に、ベルト長手方向の幅20mm、搬送方向の幅30mmとし、各色について順番に形成している。図17(A)は、参照用画像を透明トナー、淡ブラックトナー2色で形成する2色パッチモードである。本実施例では、A4サイズ紙で5枚毎にこの2色パッチモードを動作させる。一方、図17(B)は、参照用画像を6色で形成する6色パッチモードである。本実施例では、A4サイズ紙で10枚毎にこの6色パッチモードを動作させる。すなわち本実施例中の画像形成装置は、6色すべての現像装置を稼動させながら画像形成を行う場合において、A4サイズ紙で5枚毎に、2色分の参照用画像形成モードと、6色分の参照用画像形成モードとを交互に繰り返している。
以上の流れを、図11のフローチャートを用いて詳細に説明する。
図11に従い、画像形成をスタートし、画像形成枚数の積算カウント値が、A4換算で10の倍数枚の場合は、6色モードの参照用画像形成(図17の(B)参照)を行う。又、積算カウント値が10の倍数ではなく、5の倍数であれば、2色モードの参照画像形成(図17の(A)参照)を行う。積算カウント値が、いずれの倍数でもない場合は、次の画像形成に移る。
以上の動作により透明トナー、淡ブラックトナーについては、A4サイズ紙で5枚毎に参照用パッチが形成され、トナー補給にフィードバックされる。一方で透明、淡ブラック、イエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーについては、A4サイズ紙で10枚毎に参照用パッチが形成され、トナー補給にフィードバックされる。これにより、透明トナーと淡ブラックトナーの参照用パッチ画像の作成頻度が増加する。
上記の通り、パッチ検ATR制御においては、トナー濃度安定性は、参照用画像であるパッチ画像の形成頻度に大きく依存する。一方で、前記の通り、本実施例中の透明トナーと淡ブラックトナーは、他のイエロー、濃マゼンタ、濃シアン、ブラックの各トナーに比べて消費量が格段に多い。よって、トナー濃度が現像容器内で不均一になりやすいため、他のトナーと同様のパッチ画像形成頻度では、透明トナーや淡ブラックトナーにとっては濃度変動が発生しやすい状況にある。
しかしながら本実施例では、上記の様に、6色全てのパッチ検を行うモード(図17の(B))の他に、透明トナー及び淡ブラックのみでパッチ画像を形成するモード(図17の(A))を別途設けている。そして、それぞれのパッチ画像形成モードを交互に行うことによって、透明トナー及び淡ブラックトナーでのパッチ画像形成頻度を、他のトナーの2倍とした。これにより、トナー消費がそもそも多い透明トナーと淡ブラックトナーは、より多くのパッチ画像形成を行うことにより、トナー濃度不均一を是正し、結果的に安定した画像濃度を形成することが可能となる。一方で、他の透明トナー及び淡ブラックトナー以外のトナーは、過剰にパッチ画像を形成することで必要以上にトナーを消費することなく、透明トナーと淡ブラックトナー同様に安定した画像濃度を形成可能となる。
本発明の実施例1の画像形成装置を示す概略構成図である。 本発明の実施例1の画像形成装置の要部を示す概略構成図である。 本発明の従来例、実施例1の濃淡用ルックアップテーブルの概略図である。 実施例1における拡散光型濃度センサを示す断面図である。 淡色トナーと濃色トナーの載り量に対する濃度センサによる出力の関係を示す図である。 実施例1におけるパッチ検ATRの比較器結果とトナー補給量との関係概略図である。 実施例1における、参照用パッチ画像形成モードの概略図である。 キャリア体積抵抗値の測定に用いたセルの模式図である。 現像器に設置されたインダクタンスヘッドからの検出信号が現像剤のトナー濃度変化によって変化する様子を示す説明図である。 実施例2で行うインダクタンス検知方式によるトナー補給制御の基本動作を説明するフローチャートである。 実施例1の参照用パッチ形成の流れを示すフローチャートである。 実施例2の参照用パッチ形成の流れを示すフローチャートである。 従来の現像器の断面を示す図である。 従来の現像容器を真上から見た図である。 実施例3における、参照用パッチ形成モードの概略図である。 実施例3における、参照用パッチ形成の流れを示すフローチャートである。 実施例4における、参照パッチ形成モードの概略図である。 実施例1における、画像信号の流れを表した図である。
符号の説明
1,1a〜1f 像担持体(感光ドラム)
2,2a〜2f 帯電手段(一次帯電ローラ)
3,3a〜3f 露光手段(露光装置)
4,4a〜4f 現像手段(現像器)
5,5a〜5f 一次転写手段(転写部材、一次転写ローラ)
51 記録媒体(中間転写体、中間転写ベルト)
P,Pa〜Pf プロセスユニット
S 記録媒体(記録材)
T1 転写部(一次転写部)
T2 二次転写部
221 濃度センサ

Claims (4)

  1. トナーとキャリアを備える現像剤を用いて静電像を現像する複数の現像器と、
    前記複数の現像器を選択的に用いて検知用トナー像を形成し、該形成された検知用トナー像の濃度を検知する濃度検知動作を行なう濃度検知手段と、
    該濃度検知手段の検知結果に応じて、対応する現像器にトナーを補給する補給手段と、
    を有し、
    前記複数の現像器のうち少なくとも2つの現像器は、同一色相で互いに色の深さが異なるトナーを用い、これら2つの現像器によって前記同一色相の画像を形成可能な画像形成装置において、
    前記2つの現像器のうち色が淡い方のトナーを用いた現像器における前記濃度検知動作の頻度は、前記2つの現像器のうち色が深い方のトナーを用いた現像器における前記濃度検知動作の頻度よりも高いことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記濃度検知手段は、各現像器毎に事前に決められた画像形成枚数ごとに前記濃度検知動作を行ない、
    前記色が淡い方のトナーを用いた現像器における前記事前に決められた画像形成枚数は、前記色が深い方のトナーを用いた現像器における前記事前に決められた画像形成枚数よりも少ないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. トナーとキャリアを備える現像剤を用いて静電像を現像する複数の現像器と、
    前記複数の現像器を選択的に用いて検知用トナー像を形成し、該形成された検知用トナー像の濃度を検知する濃度検知動作を行なう濃度検知手段と、
    該濃度検知手段の検知結果に応じて、対応する現像器にトナーを補給する補給手段と、
    を有し、
    前記複数の現像器のうち少なくとも1つの現像器は、無色トナーを用いる画像形成装置において、
    前記無色トナーを用いた現像器における前記濃度検知動作の頻度は、その他の現像器における前記濃度検知動作の頻度よりも高いことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記濃度検知手段は、各現像器毎に事前に決められた画像形成枚数ごとに前記濃度検知動作を行ない、
    前記無色トナーを用いた現像器における前記事前に決められた画像形成枚数は、前記その他の現像器における前記事前に決められた画像形成枚数よりも少ないことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
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