JP4307346B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の現像器を有し、それらの現像器のうちに、同一色相で明度の異なる現像剤を収容した現像器の組み合わせが含まれる画像形成装置に関するものである。
従来、特に電子写真方式の画像形成装置において、最近の進歩とともに、ニーズのレベルも高くなり、従来の4色の現像剤を使用する画像形成装置に対して現像剤の色数を増やしたものが提案、一部実現されている。それらは、従来の一般的なシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色に加え、例えば赤、青、緑や金、銀、蛍光色等の特色に対応するものが提案され、インクジェット方式では、既に一般的な淡いシアン(淡シアン)、淡いマゼンタ(淡マゼンタ)等を備えたもの等、さまざまなものが提案されている。この色数追加の目的としては、それぞれに画質的に差別化された画像を提供することが主に上げられる。
そして、特に、現像剤として淡シアンや淡マゼンタ等の淡い色のトナー(淡色トナー)が含まれたものを付加する系は、一般に粒状性の低減を目的とし、写真的な高画質を訴求する画像形成装置として使用されている。
例えば、従来のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(濃色トナー)の4色に淡シアン、淡マゼンタ(淡色トナー)の2色を加えた6色の現像剤を使用する多色の画像形成装置を考えると、一般的には、図11に示すようなタンデム型、あるいは図2に示すような1像担持体型が考えられる。
図11に示すタンデム型の画像形成装置は、6つのそれぞれの像担持体1に、像担持体1毎に異なる分光特性の現像剤を装填した現像器4を対応させ、それらを直列に配置したものである。この構成は、4色の画像装置をベースに考えた場合においても画像の出力速度を同じにすることが可能なため、生産性重視のタイプである。
一方で、図2に示すような、1つの像担持体1に対して6個の現像器41〜46を対応させ、それらの現像器41〜46を搭載したロータリ部4aを回転することによって、像担持体1に対向する現像器41〜46を切り替えながら現像を行う画像形成装置がある。
又、図2、図11に示した画像形成装置は、中間転写方式を採用し、各色ごとに中間転写体5aに一次転写し、中間転写体5a上で多重転写を行い、6色すべて転写し終わった段階で転写材に二次転写する構成をとっている。このようにすることで、スペースを最小限にしながら6色画像を出力することが可能になっている。
ここで、現像剤の色と画質に関して述べる。
ここで使用されるカラー現像剤の色であるシアン、マゼンタ、イエローは、一般的に、減法混色の場合における色の3原色といわれており、それらを3色加えるとグレー(無彩色)になる性質がある。そして、すべての色は基本的にはこのシアン、マゼンタ、イエローのバランスを変えて組み合わせることで表現されている。
従って、これら3原色のバランスが崩れないように各色を安定して再現するさまざまな工夫がなされている。例えば、特許文献1に示されるような、像担持体上に形成した各現像器によって形成される複数の濃度の画像制御用現像剤像(パッチ)に対して検知される画像濃度によって、画像形成条件となる画像形成用データを変換する画像濃度制御(キャリブレーション)を定期的に実行し、更にこのキャリブレーションに使用する画像形成用データの変換特性を制御する画像制御方式を採用することにより、より安定した色再現が可能となっている。
しかしながら、特に図2に示すような1つの像担持体1に対して複数色の現像器41〜46を備えた画像形成装置において、像担持体の感度変動で静電潜像の電位が低下し、現像コントラストが増加することがある。その場合、淡シアン、淡マゼンタ、イエローの各現像器によって現像されるトナー量の変化率はほとんど同じであるが、トナーそもそもの濃度が異なるために、淡シアン、淡マゼンタ、イエローの3色を混色して形成した淡いグレーはイエローが他の2色よりもより濃くなるために、グレーのバランスがイエロー方向に変動してしまうという問題が発生する。
逆に、像担持体の感度変更で現像コントラストが減少した際には、グレーバランスがブルー側へ変動してしまう。
つまり、シアンと淡シアン、マゼンタと淡マゼンタのように、同一色相で濃度の異なる2次色以上の色を構成する2色以上の現像剤の彩度のバランスが異なると、画像形成条件の変動に対して色相変化を発生させやすいという問題が発生する。
この現象は、特許文献1に示されるような画像制御を実行することで、比較的早いタイミングで各色の濃度が制御され、色相変化も収まるが、電位変動後暫くはこの色相変化が現れてしまう。
特開2003−228201号公報
本発明の目的は、複数の現像器のうち同一色相で明度の異なる現像剤を収容する現像器の組み合わせが少なくとも一組以上ある画像形成装置において、像担持体等の画像形成手段の状態の変動が生じても、色相変化を抑え、高画質画像形成を常に維持する画像形成装置を提供することである。
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明の一態様によれば、
感光体と、
前記感光体に形成された静電潜像を現像すべく、同一色相で互いに明度の異なる濃マゼンタトナーと淡マゼンタトナー、濃シアントナーと淡シアントナー、及び、イエロートナー、ブラックトナーをそれぞれ収容した複数の現像器と、
前記複数の現像器によりそれぞれ形成されたテストパターンの濃度を検知する濃度センサと、
前記濃度センサによる検出結果に応じて画像濃度制御を行う制御部と、
淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を操作者により設定させるための操作部と、を有し、
前記制御部は、濃マゼンタトナー、濃シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を、淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度よりも高くなる所定の関係を維持するように、前記操作部にて設定された実行頻度に基づき算出することを特徴とする画像形成装置が提供される
本発明の他の態様によれば、
複数の感光体と、
前記複数の感光体に形成された静電潜像を現像すべく前記複数の感光体に対応して設けられ、同一色相で互いに明度の異なる濃マゼンタトナーと淡マゼンタトナー、濃シアントナーと淡シアントナー、及び、イエロートナー、ブラックトナーをそれぞれ収容した複数の現像器と、
前記複数の現像器によりそれぞれ形成されたテストパターンの濃度を検知する濃度センサと、
前記濃度センサによる検出結果に応じて画像濃度制御を行う制御部と、
淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を操作者により設定させるための操作部と、を有し、
前記制御部は、濃マゼンタトナー、濃シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を、淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度よりも高くなる所定の関係を維持するように、前記操作部にて設定された実行頻度に基づき算出することを特徴とする画像形成装置が提供される。
本発明の画像形成装置は、複数の現像器を有し、それらに同一色相で明度の異なる現像剤を収容する現像器の組み合わせを含む画像形成装置において、収容される現像剤の明度が高い現像器にて行われる画像形成動作に対してと、低い現像器にて行われる画像形成動作に対してと、では画像濃度制御を実施する頻度、もしくは画像濃度制御が実行される画像制御用現像剤像の数が異なるので、感光体等の画像形成手段の状態の変動が生じても、色相変化を抑え、高画質画像形成を常に維持することが可能となる。
特に、複数の現像器によりそれぞれ形成されたテストパターンの濃度を検知する濃度センサと、濃度センサによる検出結果に応じて画像濃度制御を行う制御部と、淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を操作者により設定させるための操作部と、を有し、制御部は、濃マゼンタトナー、濃シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を、淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度よりも高くなる所定の関係を維持するように、操作部にて設定された実行頻度に基づき算出する構成とすることにより、必要最小限のパッチ数つまり最小限のランニングコストで色み変動を低減することが可能である。
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
実施例1
本実施例では、図2に示す、1個の像担持体1と、像担持体1の周囲に備えられた複数の現像器4(現像器41〜46)を搭載したロータリ4aを使用したカラー画像形成装置に本発明を適用する。
本実施例は、上部にデジタルカラー画像リーダ部101、下部にデジタルカラー画像プリンタ部102を有する。リーダ部101にて、外部から画像情報を読み込み、画像信号に変換して、プリンタ部102に送信する。プリンタ部102では、この画像情報に基づいて、各画像形成手段を制御し、所望の画像が得られる。
リーダ部101において、外部情報としての原稿30を原稿台ガラス31上に載せ、露光ランプ32により露光走査することにより、原稿30からの反射光像をレンズ33により、フルカラーCCDセンサ34に集光し、カラー色分解画像信号を得る。カラー色分解画像信号は不図示の増幅回路を経て、不図示のビデオ処理ユニットにて画像処理を施され不図示の画像メモリを介してプリンタ部102に送出される。
プリンタ部102には、リーダ部101からの信号のほか、コンピュータからの画像信号、FAXからの画像信号等も同様に送出されてくる。
リーダ部101からの信号に基づいて、プリンタ部102において画像形成動作が実施される。プリンタ部102において、像担持体である感光ドラム1は、図中矢印方向に回転自在に担持され、感光ドラム1の周りに、画像形成手段としての前露光ランプ11、コロナ一次帯電器2、レーザ露光光学系3、電位センサ12、回転式現像器保持部(ロータリ)4a、及び保持部4aに搭載されている、分光特性の異なるトナーを装填された6個の現像器4(41〜46)、転写装置5、クリーニング器6が配置されている。本明細書では、各現像器41〜46を総称する時は現像器4と称するものとする。
現像器4には、現像剤として濃シアントナーが収容されたシアン現像器41、濃マゼンタトナーが収容されたマゼンタ現像器42、イエロートナーが収容されたイエロー現像器43、ブラックトナーが収容されたブラック現像器44、淡シアントナーが収容された淡シアン現像器45、淡マゼンタトナーが収容された淡マゼンタ現像器46がある。
つまり、本実施例の画像形成装置は、マゼンタ、シアンについて、同一色相で明度の異なる組み合わせを有し、明度の低いトナー(濃色トナー)として、濃マゼンタ、濃シアンと、明度の高いトナー(淡色トナー)として、淡マゼンタ、淡シアンをそれぞれ収容した濃色トナー現像器41、42と、淡色トナー現像器45、46との2種類を具備している。ここでは、同一色相で明度の異なる組み合わせのない、イエロー現像器43とブラックトナー現像器44も濃色トナー現像器とする。
尚、同一色相で明度の異なる現像剤とは、通常、樹脂と発色成分(顔料)とを基体とするトナーの中に含まれる発色成分(顔料)の分光特性が等しく、その量が異なるトナーをいう。明度の高いトナーとは、同一色相で明度の異なるトナーの組み合わせの中、濃度が相対的に低い方のものをいう。
又、同一色相とは、上述のように、発色成分(顔料)の分光特性が同一であるものを言うが、厳密に同一でなくても、一般的にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック等のように、通常の色概念上同一色と呼べる範囲とする。
本発明にて、同一色相で明度の高いトナーは転写材上でのトナー量が0.5mg/cm2につき、定着後の光学濃度が1.0未満であり、低いトナーとは転写材上でのトナー量が0.5mg/cm2につき、定着後の光学濃度が1.0以上である。
本実施例では、濃色トナーである、濃シアン、濃マゼンタ、イエロー、ブラックは、トナーの転写材上での載り量が0.5mg/cm2の際に定着後光学濃度が1.6となるように顔料の量を調整している。又、淡色トナーである、淡シアン、淡マゼンタは載り量0.5mg/cm2で定着後の光学濃度が0.9となるように設計されている。この濃淡2種類のトナーをうまく混合させて、それぞれの色のトナーの階調を再現している。
又、本実施例で各現像器4に収容されている現像剤は、トナーとキャリアを混合させて用いる二成分現像剤であるが、トナーのみの一成分現像剤でも問題はない。又、トナーの種類として、明度の異なる組み合わせをシアンとマゼンタの2色に関して備えているが、その2種類に限るわけではなく、シアンのみ、マゼンタのみ、イエローのみ等でも、全色に明度の異なる組み合わせを備えても、かまわない。つまり、どの色相に明度の異なる組み合わせを備えても良い。又、それにより、現像器4の数は本実施例では6個であるが、これに限るものではない。
プリンタ部102における画像形成動作を説明すると、先ず、感光ドラム1を矢印方向に回転させ、前露光ランプ11で除電した後の感光ドラム1表面を一次帯電器2により一様に帯電させる(帯電工程)。レーザ露光光学系3において、リーダ部102からの画像信号は、不図示のレーザ出力部にて光信号に変換され、光信号に変換されたレーザ光がポリゴンミラー3aで反射され、レンズ3b及び各反射ミラー3cを経て感光ドラム1の面に投影される。そのことにより、それぞれの分解色毎に、レーザ露光光学系3により露光し、感光ドラム1上に静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次に、ロータリ4aを回転させ、所定の現像器4を感光ドラム1上の現像位置に移動させ、現像器4を作動させて、感光ドラム1上の潜像を現像し、感光ドラム1上に樹脂と顔料を基体とした現像剤像(トナー像)を形成する(現像工程)。
又、現像器4内のトナーは、図2に示すようにレーザ露光光学系3の間及び横に配置された各色毎のトナー収容部(ホッパー)61〜66から各現像器4内のトナー比率(あるいはトナー量)を一定に保つように所望のタイミングにて随時補給される。
尚、感光ドラム1上には、濃度検知手段であるフォトセンサ100が配置され、感光ドラム1上のトナー量を検知することが可能となっている。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置5において、それを構成する中間転写体(中間転写ベルト)5aに一次転写される(一次転写工程)。一次転写工程後に残留したトナーは、感光ドラム1周辺に配置されたクリーニング器6によって除去され、ロータリ4aが回転し、次の色のトナーが収容された現像器4を感光ドラム1との対向部まで移動させ、上記の帯電工程から一次転写工程までが再び実行され、前に中間転写ベルト5a上に一次転写されたトナー像の上に重ねて次の色のトナー像が転写される。尚、ここでは、中間転写ベルト5aとその巻架ローラ、及びその周囲に部材で転写装置5を構成しており、感光ドラム1からの一次転写工程と転写材への二次転写工程を実施している。
そして、各色毎に帯電工程から一次転写工程が実施され、この中間転写ベルト5a上にそれぞれのトナー像が順次重ねられる。転写装置5を構成する中間転写ベルト5aは、駆動ローラ51によって駆動され、中間転写ベルト5aを挟んだ対向位置に転写クリーニング装置50を駆動ローラ51に対して接離可能に構成する。
又、転写装置5において、従動ローラ52の対向には、それぞれの感光ドラム1から転写された画像の位置ズレおよび濃度の検知を行う検知センサ53が配置されており、検知センサ53の検知結果により画像形成装置本体制御部(不図示)にて、随時画像濃度、トナー補給量、画像書き込みタイミング、及び画像書き込み開始位置等に対して補正を行っている。
転写クリーニング装置50は中間転写ベルト5a上に必要色だけ画像を重ね終えた後に、駆動ローラ51に加圧され、転写材に転写した後の中間転写ベルト5a上の残トナーをクリーニングする。
一方、転写材は各収納部71、72、73、74から各々の給紙手段81、82、83、84によって1枚ずつ搬送され、レジストローラ85にて斜行を補正し、転写装置5において、所望のタイミングにて中間転写ベルト5a上のトナー像を転写材に転写する二次転写部54に搬送される。
二次転写部54にて転写材上にトナー像が転写され(二次転写工程)、転写材は搬送部86を通り、熱ローラ定着器9にてトナー像を定着され(定着工程)、排紙トレーあるいは後処理装置に、画像形成物として排出される。
他方、二次転写後の中間転写ベルト5aは、前述のように転写残トナーを転写クリーニング装置50にてクリーニングされ、再び各色のトナー像の一次転写工程に供する。
又、転写材の両面に画像を形成する場合には、定着器9を転写材が通過後すぐに搬送パスガイド91を駆動し、転写材を搬送パス75を経て反転パス76にいったん導いた後、反転ローラ87の逆転により、送り込まれた際の後端を先頭にして、送り込まれた方向と反対向きに退出させ、両面搬送パス77へと送られる。その後、両面搬送パス77を通過し両面搬送ローラ88にて斜行補正とタイミング取りを行い、所望のタイミングにてレジストローラ85へと搬送され、再び上述した画像形成工程によってもう一方の面に画像を転写する。
ここで、上記の本画像形成装置の画像処理部200のブロック図を図3に示す。画像処理部200には、入力信号200aとして、リーダ部102からや不図示のネットワーク上にて読み取られた、外部から送られてくる画像信号が送信されてくる。又、この画像処理部200はリーダ部101に設けられることも、プリンタ部102に設けられることもある。この入力信号をダイレクトマッピング色変換処理部201で濃シアン、濃マゼンタ、イエロー、淡シアン、淡マゼンタ、ブラックの6色に色分解し、その画像データをガンマ変換処理部202にて、画像濃度に対応して信号変換し、ハーフトーン処理部203にてハーフトーン処理を行ってから、プリンタ部102の潜像形成手段であるレーザ光学系3を駆動するレーザドライバ204を経由し、プリンタ部102にて画像露光を行い、画像形成が開始される。
ここで、本画像形成装置での現像コントラスト電位(潜像電位と現像バイアス電圧の直流成分値との差分)を横軸にとり、縦軸に出力される画像濃度をとった所謂ガンマ特性は図4に示すように、緩やかなカーブを描くようなグラフの関係になっている。尚、淡色トナーである淡シアン、淡マゼンタは、同じ現像コントラストでも画像濃度が低くなっている。具体的には、上記にも記載したように、濃シアン、濃マゼンタ、イエローである濃色トナーはトナー量0.5mg/cm2で濃度1.6となるように調整されている。又、淡色トナーである淡シアン、淡マゼンタはトナー量0.5mg/cm2で濃度0.9となるように調整されている。
このガンマ特性は、様々な因子により変化しやすく、それによって色みの変化を発生させ、画像の安定性を損なう原因となりやすい。例として画像濃度に対する現像バイアス電圧が20V変動してしまい、現像コントラスト電位が20V増えた場合を想定すると、図5に示すように、それぞれの濃度のトナー像において、そのガンマ特性を示すグラフが上方にシフトする。図5では、実線で示されるグラフが上方にシフトし、点線で示されるグラフとなる。そして、この変化量は現像コントラストによって異なり、ここに示す変動前との差分濃度ΔC(ΔC1(濃色トナー)、ΔC2(淡色トナー))のみを現像コントラスト電位に対してグラフで表すと図6に示すように、ある現像コントラストまではゆるやかに増え、そこから現像コントラストが上昇すると緩やかに減少するような変化が見られる。
そして、例えば現像コントラスト電位が変動すると、淡色トナーである淡シアン、淡マゼンタの濃度変動量ΔC2は、濃色トナーである濃シアン、濃マゼンタ、イエローの濃度変動量ΔC1よりも少なくなり、より安定した特性を示すこととなる。しかしながら、淡シアンと濃マゼンタやイエロー、淡マゼンタと濃シアンやイエロー、のような、淡色トナーと濃色トナーとの混色で表現される色は、それぞれの濃度変化量ΔCが異なるために色相が大きくずれて再現されてしまうこととなる。
そこで、画像形成装置にては、上記に説明したような、通常画像形成工程が実行される通常画像形成時以外のタイミングに、感光ドラム1や中間転写ベルト5a上に画像制御用現像剤像(パッチ)が形成され、その画像濃度を濃度検知手段にて検知して、その検知結果に基づいて、ガンマ変換に使用される濃度信号を適正化する画像濃度制御、つまり、図3に示した画像処理部200におけるガンマ変換部202に備えられた濃度信号と画像濃度との関係テーブルであるLUTを補正する制御が実行される。そして、この場合、パッチとしては、低い濃度から高い濃度まで複数の濃度部分を有する階調パッチを形成し、本実施例では、この階調パッチを感光ドラム1上に形成し、それを濃度検知手段としてのフォトセンサ100によって検知する階調制御が行われている。
尚、パッチは、画像形成装置制御部の記憶手段に記憶されたテストパターン、本実施例では階調パッチパターンに基づいた画像情報が信号処理され、レーザドライバ204に送信され、レーザ露光光学系3を駆動し、感光ドラム1上に形成された画像制御用潜像(パッチ潜像)を現像器4にて現像して形成される。
本実施例では、図7に示すフローチャートに従った工程にてLUT補正、階調制御を行っている。即ち、複数枚連続画像形成する際の、感光ドラム1における画像部と画像部の間の非画像領域、もしくは1枚の画像形成の場合にはその画像形成直後の非画像領域、つまり転写材に転写される画像領域外の非画像形成領域にパッチを形成し、そのトナー量である画像濃度をフォトセンサ100により検知し(S101、S102)、その検知量と目標値との差分Δcを算出し(S103)、その検知量と目標値とのずれ量に基づき、ガンマ変換部202でのLUT情報を補正し(S104)、濃度を安定に保つ制御を行っている。尚、この制御は、不図示の画像形成装置本体制御部であるCPUにて行われている。
ここで、S103にて、目標値を予め定め、それとの濃度差分Δcを求めることで、画像形成装置の環境に応じて適切な制御ができ、ノイズ等の外乱に対して影響を受けにくく、色味の安定化を高い精度で実行することができるが、必ずしも濃度差分Δcを求める処理を行わなくても良く、フォトセンサ100の検知結果と濃度信号との関係から直接LUTを補正しても良い。
ここで、本実施例のように、同一色相で明度の異なる現像剤を有する画像形成装置においては、特許文献1に記載されたような方法では、即ち、全色を同じ頻度で階調制御(画像濃度制御)する方法では、色相の変化が発生してしまう。
この現象を図8を用いて説明する。これは、現像コントラスト電位が連続的に変化する場合に、通常画像形成による8枚の画像形成に1回の頻度で階調制御した場合の各色の濃度変動量ΔCを示している。このように淡シアン、淡マゼンタの淡色トナーと、濃シアン、濃マゼンタ、イエローの濃色トナーが同一の頻度で階調制御を行うと、現像コントラストに対して画像濃度変化量ΔCが濃色トナーに関しては高いため、その階調制御周期内での濃度変化に色毎の差が発生し、色味変動が生じてしまう。
そこで、本発明の特徴として、階調制御周期内での濃度変動量ΔCが等しくなるように制御している。
具体的には、濃色トナーの階調制御周期を淡色トナーの1/2の、4枚に1回としている。尚、本実施例における構成においては、感光ドラム1上にフォトセンサ100があるため、パッチは最大各色1枚に1回形成することが可能である。
ここで、淡色トナーの階調制御周期である8枚に1回という間隔は、画像形成装置内のCPUに連結した不図示の操作部よりオペレータが任意に設定でき、オペレータの求める最適な色味安定性とランニングコストのバランスにより調整することが可能となっている。
階調制御の頻度を上げると、安定性は向上するものの、形成するパッチ量が増えるため廃トナー量の増加となり、トナーのランニングコストや不図示の廃トナー収容器のコストに影響を与えてしまう。
こうした問題も考慮して、8枚という数値は初期設定値としてバランスのよいであろう値を採用している。画像形成装置制御部にて、そのオペレータの設定値である淡色トナーの階調制御周期に対して、1/2したものが濃色トナー階調制御の周期となる。ここで1/2としている理由は、トナーの濃度特性の比率から求めている。前記したように濃シアン、濃マゼンタ、イエローに対して淡シアン、淡マゼンタは同じトナー載り量で半分の濃度特性となるため、その比率から算出している。
従って、濃トナーの濃度特性と淡トナーの濃度特性の比率が異なれば、その比率での階調制御周期比とすることが望ましい。最低限としては、各色の濃度特性と階調制御周期比の関係が、「濃度の濃い色の階調制御周期>濃度の薄い色の階調制御周期」となっていれば、色み変化量を低減させる目的は達成できるため、その関係を満たしていれば良い。
本実施例における連続画像形成時に階調制御を実施した場合の、制御工程を図1のフローチャートに示す。
画像形成開始から、1枚毎に画像形成枚数をカウントする画像形成装置本体制御部に備えられた枚数カウンタ(不図示)のカウント値が4になると(S1)、濃色トナー像である濃シアン、濃マゼンタ、イエロートナー像に関して階調制御を実施する(S2)。
濃色トナー像の階調制御の後、更に続けて画像形成毎に枚数をカウントし、カウント値が8になると(S3)、淡色トナー像である淡シアン、淡マゼンタの階調制御を実施する(S4)。淡色トナー像の階調制御が終了すると、枚数カウンタのカウント値を0に戻す(S5)。
その後画像形成毎に(S6)、枚数カウンタが画像形成枚数をカウントし(S7)、4の倍数になった時(S1)に濃色トナー階調制御(S2)を実施し、8の倍数になった時(S3)に、濃色トナー階調制御及び淡色トナー階調制御を実施しながら、指定枚数に達するまで(S8)画像形成を行う。
このような制御をすることで、各色の濃度変動量の推移は図9に示すように、各色の最大変動量が同じになっていることが読み取れる。ただし、階調制御周期内では変動量に差がついているが、階調制御間隔を各現像器4について同周期とした場合(図8)に比べ、その差分の最大値は半分となる。
濃色トナーと淡色トナーについて同一周期で階調制御を行った場合a1と本実施例のように両者で階調制御周期を変えて行った場合a2とで、濃度変動量の差分の推移を図10に示す。図10に示すとおり、濃度変動量の差分が抑えられることで、結果として濃トナーと淡トナーの混色で形成される多次色の色相変動が低減される。
又、フォトセンサ100はこの位置に限定するものではなく、中間転写ベルト5a上にあってもかまわない。その場合には、中間転写ベルト5a上で単色のパッチ画像を形成する必要があるため、その画像形成装置の紙間長内に形成できるパッチ画像の数により階調制御の最大頻度が決まることになる。
つまり、画像制御頻度とは、画像制御の回数であり、形成するパッチ画像の数ともいえる。
本発明により、シアン、マゼンタ、イエローのうち同一色相で明度の異なる現像剤を備える現像器の組み合わせのなかで明度の高い現像剤を備える現像器の濃度制御の頻度は、同一色相で明度の低い現像剤を備える現像器や、同一色相で明度の異なる現像剤を備える組み合わせのない現像器の濃度制御頻度に比べ少なくし、又、その頻度をオペレータが設定できることで、必要最小限のパッチ数つまり最小限のランニングコストで色み変動を低減することが可能となっている。
尚、本発明は、図2に示すような構成の画像形成装置に限定されず、図11に示すようなタンデム型のものや、感光ドラムから直接転写材に画像を転写する直接転写方式のものにも適用できる。
又、現像器が収容する現像剤の色相や数はこれに限定されず、明度の違う組み合わせを有する色相も、マゼンタやシアンに限らない。
その他、以上に説明した画像形成装置の構成部品の寸法、材質、形状、及びその相対位置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
本発明に係る連続画像形成における画像濃度制御工程の一例を示すフローチャートである。 画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 画像形成における画像処理部の動作の一例を示すブロック図である。 淡色トナー及び濃色トナーのガンマ特性の一例を示すグラフである。 淡色トナー及び濃色トナーのガンマ特性が変化した時を示すグラフである。 淡色トナーと濃色トナーの濃度変動量を示すグラフである。 本発明に係る濃度制御工程の一例を示すフローチャートである。 本発明の比較例における画像形成枚数に対する画像濃度変動量を示すグラフである。 本発明に係る画像形成枚数に対する画像濃度変動量の一例を示すグラフである。 本発明に係る画像形成枚数に対する濃色トナーと淡色トナーとの間の濃度変動量の差分の変化の一例及び比較例を示すグラフである。 画像形成装置の他の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 感光ドラム(像担持体)
4、41〜46 現像器
5 転写装置
100 フォトセンサ(濃度検知手段)

Claims (3)

  1. 感光体と、
    前記感光体に形成された静電潜像を現像すべく、同一色相で互いに明度の異なる濃マゼンタトナーと淡マゼンタトナー、濃シアントナーと淡シアントナー、及び、イエロートナー、ブラックトナーをそれぞれ収容した複数の現像器と、
    前記複数の現像器によりそれぞれ形成されたテストパターンの濃度を検知する濃度センサと、
    前記濃度センサによる検出結果に応じて画像濃度制御を行う制御部と、
    淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を操作者により設定させるための操作部と、を有し、
    前記制御部は、濃マゼンタトナー、濃シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を、淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度よりも高くなる所定の関係を維持するように、前記操作部にて設定された実行頻度に基づき算出することを特徴とする画像形成装置。
  2. 複数の感光体と、
    前記複数の感光体に形成された静電潜像を現像すべく前記複数の感光体に対応して設けられ、同一色相で互いに明度の異なる濃マゼンタトナーと淡マゼンタトナー、濃シアントナーと淡シアントナー、及び、イエロートナー、ブラックトナーをそれぞれ収容した複数の現像器と、
    前記複数の現像器によりそれぞれ形成されたテストパターンの濃度を検知する濃度センサと、
    前記濃度センサによる検出結果に応じて画像濃度制御を行う制御部と、
    淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を操作者により設定させるための操作部と、を有し、
    前記制御部は、濃マゼンタトナー、濃シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度を、淡マゼンタトナーと淡シアントナーを用いてそれぞれ形成されるテストパターンに基づく画像濃度制御の実行頻度よりも高くなる所定の関係を維持するように、前記操作部にて設定された実行頻度に基づき算出することを特徴とする画像形成装置。
  3. 淡マゼンタトナーと淡シアントナーはトナー量が0.5mg/cm2 であるときの定着後の光学濃度が1.0未満であり、濃マゼンタトナー、濃シアントナー、イエロートナー、ブラックトナーはトナー量が0.5mg/cm2 であるときの定着後の光学濃度が1.0以上であることを特徴とする請求項1又は2の画像形成装置。
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