JP3972160B2 - 受像シート及びそれを用いる画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ、その他の画像形成装置及びそれに適用される受像シートに関する。特に、透明性に優れ画質が向上すると共に耐ブロッキング性に優れ、高速印字への対応を可能とする画像形成装置及びそれに適用されるOHP用、または光沢性受像シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法を用いた画像形成装置は、像担持体上に形成されたトナー画像を受像シートに転写し、さらに受像シート上に転写されたトナー画像を定着するものである。これまで主流であったモノクロ画像を出力する画像形成装置やそれに適用される受像シートにおいては、トナーによる画像が受像シートから脱落しないように充分な強度で定着されることのみが必要とされていた。しかしながら、多色画像を出力する画像形成装置やそれに適用される受像シートにおいては、モノクロ画像を出力する画像形成装置とは異なり、高画質な多色画像を得るために、受像シート上に定着されたトナーによる画像が、発色性、透明性に優れていることが要求されている。
【0003】
発色性、透明性に優れた画像を得るためには、定着後のトナーによる画像が光の散乱を生じさせないことが重要であり、そのためには、定着後の画像においてその表面を充分に平滑にすることと、定着後の画像においてトナーとトナーとの問に、また、トナーと受像シートとの間に界面が生じないようにすることが重要である。近年においては、各色成分に対応したトナーによる画像を形成し、このトナーによる画像を重ね合わせることにより多色画像を出力することが可能な画像形成装置が求められており、多色画像を出力するのに適した画像形成装置やそれに適用される受像シートが提案されている。
【0004】
例えば、特開平2−263642号公報にあっては、トナー定着温度における、受像シートにおける透明樹脂とトナーを構成する結着樹脂の相互の相溶性や貯蔵弾性率を規定することにより、色調再現性に優れ、高温オフセットを生じさせないものとできることが開示され、また、特開平5−88400号公報にあっては、受像シートにおける透明樹脂とトナーを構成する結着樹脂の相互の相溶性を規定すると共にトナー定着温度における、受像シートにおける透明樹脂の見掛けの溶融粘度をトナーを構成する結着樹脂のそれより低くすることにより、彩度が高く、明るい、色調再現性の良好な、疑似輪郭の発生しないカラー画像が得られると開示されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来技術における受像シートにあっては、いずれもトナー画像を定着する受像層はポリエステル樹脂を使用するが、単に、ポリエステル樹脂の溶融粘度を低下させても、画像の乱れや定着時のオフセットや定着器へのシートが巻付くといった問題があり、また、受像シートを重ね保管する際にブロッキングが生じやすいといった問題がある。また、近年においては、低温度で定着される高速印字に際して、画像表面が平滑でかつ透明性が高く、高光沢な高画質の画像を得ることが求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、多色画像を出力する画像形成装置やそれに適用される受像シートであって、該受像シートがOHP用、または光沢性受像シートにおいて、画像表面が平滑でかつ透明性が高く、高光沢な高画質の画像を得ると共に、画像の乱れや定着時のオフセットや定着器へのシートが巻付くといった問題がなく、さらに、受像シートを重ね保管する際にブロッキングが生じない画像形成装置及びそれに適用される受像シートの提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の受像シートは、基材上にトナーによる画像を定着可能な受像層を有する受像シートにおいて、前記受像層が透明な熱可塑性樹脂からなると共に、該受像層中に画質向上剤として分子量170〜650で、かつ、2価脂肪酸のアルキルエステルを3重量%〜6重量%の割合で含有させたことを特徴とする。
【0008】
上記の基材がポリエチレンテレフタレートからなると共に、透明な熱可塑性樹脂が飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
【0009】
上記の画質向上剤の沸点が200℃〜400℃、融点が−100℃〜0℃であることを特徴とする。
【0010】
上記の受像層を構成する飽和ポリエステル樹脂が、その構造式中に芳香族環を有する飽和ポリエステル樹脂であり、且つ該飽和ポリエステル樹脂が、重量平均分子量が10,000未満の飽和ポリエステル樹脂と重量平均分子量が10,000を越える飽和ポリエステル樹脂との混合樹脂であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の受像シートの断面図であり、図中41は基材、42はトナーによる画像を転写可能な受像層を示す。
【0014】
基材41としては、耐熱温度が100℃以上の樹脂フィルム、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネイトフィルム、トリアセテートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリメチルメタアクリレート等のアクリルフィルム等の樹脂フィルムが例示される。樹脂フィルムとしては、PETフイルムが機械的、熱的強度、コスト等で好ましい。また、これらの樹脂中に酸化チタン等の白色の顔料を分散させた加工フィルム、また、セロファンフィルム、セルロース紙等が挙げられる。受像シートを透明性が要求されるOHP用とする場合には、上記の樹脂フィルムにおいて透明性の高いものが使用される。また、受像シートを光沢フィルムとする場合には、光沢性に優れる反射性基材が使用される。
【0015】
基材の厚さは、定着手段や適用される画像形成装置により要求される強度等が異なるため適宜に決定されるものではあるが、通常は50μm〜300μm、好ましくは80μm〜120μmである。
【0016】
受像層42は、トナー画像を受容する層であり、塗膜形成が可能な透明樹脂を使用して形成される。例えばポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、スチレンーメタクリル酸エステル系共重合樹脂、ポリアミド系樹脂、酢酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニルモノマーとの共重合樹脂、アイオノマー、エチルセルロース等を用いることができる。なお、熱硬化前の熱硬化性樹脂(例えぱ熱可塑性樹脂に架橋剤を配合した混合物)であっても使用することができるが、熱可塑性樹脂よりも定着後の画像表面の耐摩耗性に優れるものの、未定着時の保存安定性(環境温度による自然硬化や架橋剤の不活化)等の点で問題があり、そのため、上述した熱可塑性樹脂を用いるほうが好ましい。
【0017】
また、トナー定着時にあっては、トナー粒子が受像層に界面や受像層表面に凹凸を形成することなく定着されることが画質(透明性)向上の観点から重要であり、そのためにはトナー樹脂と受像層形成樹脂の相溶性、親和性が必要である。トナー樹脂としては、熱可塑性飽和ポリエステル樹脂が使用されることが多く、そのため、受像層形成用樹脂としては、トナー樹脂と同系統の樹脂を使用するのが好ましい。そのため、上述した熱可塑性樹脂のなかでも、シャープメルト性、透明性の観点から熱可塑性飽和ポリエステル樹脂が好ましく、また、後述するように画質向上剤を受像層表面に滲出する現象を生じさせることができる。
【0018】
熱可塑性飽和ポリエステル樹脂としては、多価アルコールと多価カルボン酸とを蒸留塔を備えた反応容器に投入し、全酸成分に対して0.05重量%の三酸化アンチモン触媒の存在下、窒素気流中で加熱攪拌し、所望の分子量が得られるよう重縮合反応せしめて得られる樹脂である。多価アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、4,4−イソプロピリデンジフェノール等が挙げられる。
【0019】
多価カルボン酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸等のベンゼンジカルボン酸、また、それらの無水物である無水フタル酸、また、こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類、またはこれらの酸無水物、また、これらのアルキルジカルボン酸類におけるアルキル基がさらに炭素数6〜18のアルキル基、またはアルケニル基で置換されたもの等、さらにトリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸類、またはこれらの酸無水物が挙げられる。
【0020】
熱可塑性飽和ポリエステル樹脂における多価アルコール成分量は、45モル%〜55モル%、多価カルボン酸成分量は55モル%〜45モル%である。
【0021】
中でも、その構造式中に芳香族環を有する熱可塑性飽和ポリエステル樹脂が、シャープメルト性の観点から特に好ましい。芳香族環は、4,4−イソプロピリデンジフェノール等の多価アルコール由来のものでも、また、テレフタル酸等の多価カルボン酸由来のものでもあってもよく、また、その両者に由来するものであってもよい。構造式中に芳香族環を含有する熱可塑性飽和ポリエステル樹脂においては、芳香族環の配列により結晶化が促進され、これによりシャープメルト性に優れるものと考えられる。
【0022】
通常、トナー樹脂としては、重量平均分子量が10,000程度の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂からなるものが使用されているが、熱可塑性樹脂のGPC換算の重量平均分子量としては、トナー樹脂の分子量に相応するものとするとよい。熱可塑性飽和ポリエステル樹脂の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置に、カラムを装着して装置を用いて温度20℃において1ml/min.の流速で測定して得られるもので、測定に使用されるカラムとしては、市販のポリスチレンゲルカラムを複数組み合わせ使用するのが好ましく、例えば、Waters製のμ-styragel 500,103,104,105 の組み合わせや、昭和電工製の shodex KF-801,803,804,805の組み合わせ、KA-802,803,804,805のちみあわせ、或いは東ソー社製の TSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMH の組み合わせが好ましい。また、測定試料は、テトラヒドロフラン(THF)に0.2重量%の濃度で溶解され、0.45μmのフィルターでろ過したものが使用される。なお、試料の分子量分布の測定に際しては、試料の有する分子量が数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の分子量の対数とカウント数が直線となる範囲内に包含される測定条件が選択される。このGPC測定による分子量曲線から得られるピーク値が分子量とされるものである。
【0023】
また、本発明においては、特に、受像層における熱可塑性飽和ポリエステル樹脂として、重量平均分子量が10,000未満、好ましくは3,000〜8,000の樹脂と重量平均分子量が10,000を越え、好ましくは50,000〜90,000の樹脂との混合樹脂とするとよい。
【0024】
熱可塑性飽和ポリエステル樹脂の重量平均分子量が10,000未満の樹脂としては、例えば、三菱レーヨン(株)製「ダイヤクロンFC−051、重量平均分子量8,000」、三井東圧化学(株)製「アルマテックスXPEタイプ4、重量平均分子量9,000」を例示することができる。重量平均分子量が10,000を越える樹脂としては、例えば、三菱レーヨン(株)製「ダイヤクロンFC−611、重量平均分子量20,000」、三井東圧化学(株)製「アルマテックスXPEタイプ1、重量平均分子量78,000」を例示することができる。
【0025】
トナー樹脂より重量平均分子量が小の樹脂は、受像層中40重量%〜60重量%、大の樹脂は60重量%〜40重量%の割合で含有させるとよい。
【0026】
受像層を形成する樹脂として、混合樹脂を使用することにより、トナー定着温度において、重量平均分子量が小の樹脂によりトナー樹脂に対する親和性を向上させ、透明性等の画質を向上させると共に大の樹脂により耐オフセット性や定着器への巻きつき防止性、さらに受像シートを積み重ねた際の耐ブロッキング性を向上させることができるものと考えられる。
【0027】
次に、受像層中に含有させる画質向上剤は、分子量170〜650の脂肪酸アルキルエステルである。脂肪酸アルキルエステルにおける脂肪酸成分としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等が例示される二価の脂肪酸である。また、アルコール成分としては、メチルアルコール、エチルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、イソノニルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、イソデシルアルコール等が例示される。
【0028】
分子量としては170〜650とするとよいが、好ましくは200〜450であり、分子量が低すぎると蒸発性が高く、また、高すぎると受像層表面への滲出性が低く好ましくない。本発明においては分子量を170〜650のものとすることにより、画像定着時の加熱によりその殆どを蒸発除去することができる。
【0029】
また、画質向上剤の融点としては−100℃〜0℃、好ましくは−70℃〜−20℃であるとよく、更に、沸点としては200℃〜400℃、好ましくは200℃〜350℃のものとするとよい。
【0030】
このような画質向上剤としては、具体的にはアジピン酸ジエチル(融点−22℃、沸点245℃)、アジピン酸−ジ−n−オクチル(融点−70℃、沸点335℃)、アジピン酸−ジ−イソデシル(融点−64℃、沸点246℃/4mmHg)、アジピン酸オクチルデシル(融点−60℃、沸点232℃/4mmHg)、アゼライン酸−ジ−2−エチルヘキシル(融点−60℃、沸点245℃/4mmHg)、セバシン酸−ジ−ブチル(融点−97℃、沸点345℃)、セバシン酸−ジ−n−オクチル(融点−62℃、沸点377℃)等が例示される。
【0031】
画質向上剤は、受像層中2重量%〜10重量%、好ましくは3重量%〜6重量%の割合で含有されるとよい。
【0032】
本発明における画質向上剤は、それ自体粘性が低く、粘着性を有しないものであり、受像層中に添加されると構成樹脂の溶融粘度を低下させる機能を有するものと考えられる。また、受像層がその構造式中に芳香族環を有する熱可塑性飽和ポリエステル樹脂から構成される場合、受像層表面に滲出し、トナー定着(加熱)時には圧接部表面との間で離型剤として機能してオフセット(樹脂が圧接部に付着する)現象や定着器への受像シートの巻きつき等のないものとできるものと考えられる。また、受像シートは、保管時に多数枚重ねた状態で保管されるが、夏期等の高温時には、画質向上剤が滲出することによるブロッキングが生じることがあるが、基材としてPETフイルムを使用する場合、画質向上剤は、PETフイルムに対して移行しにくく、耐ブロッキング剤として機能するものと考えられる。
【0033】
画質向上剤の含有量が2重量%未満であると、溶融粘度の低下が不充分であり、トナー樹脂粒子が受像層中に十分に埋め込まれなく、透明性が不充分となり、画質を向上させることができなく、また、10重量%を越えると、溶融粘度が下がりすぎ、オフセット(樹脂が圧接部に付着する)現象や定着器への受像シートの巻きつきが生じ、また、耐ブロッキング性が不充分となる。
【0034】
また、受像層には、必要に応じて、透明性を阻害しない範囲でマット剤や帯電防止剤、界面活性剤、分散剤、滑剤、可塑剤等を添加することができる。
【0035】
マット剤としては、受像層の透明性を阻害しない粒径のシリカ、澱粉、アルミナ、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレングリコールビスメタクリレート等の微粒子が例示され、樹脂に対して0.1重量%〜10重量%の添加量とされる。また、帯電防止剤としてはアルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩、カルボン酸スルホンエステル、リン酸エステルの他、四塩化珪素部分加水分解物、ステアラミドプロピルジメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムナイトレート等が挙げられる。
【0036】
受像層を基材上に形成するには、中間接着層を介するか、または介さないで直接基材上に層形成される。中間接着層は、基材と受像層の両者に親和性を有し、且つ耐熱性が高く、トナー定着時の加熱で溶融しない樹脂を使用して形成されるとよい。このような樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、メタクリル酸エステル樹脂、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられ、乾燥膜厚0.05μm〜0.5μmとされる。
【0037】
受像層を基材上、または中間接着層上に形成するには、受像層形成材料をメタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロルエチレン等の塩素化炭化水素類の1種或いは2以上の混合溶媒に溶解、または分散させ、バーコート法、ディップ法、スプレー法、スピンコート法等により塗布形成するとよい。受像層の膜厚は、トナー粒子径の50%を上回る厚さとすることが好ましく、これを下回るとトナー定着時に画像表面の凹凸や、トナー相互間の間隙を十分に埋めることができなく、透明性に影響し、画像性が悪化する。現在使用されているトナー粒子径は6μm〜7μmであるので、受像層の乾燥後膜厚は2μm〜100μm、好ましくは5μm〜20μmとされる。受像層が厚すぎるとトナー定着時に画像のずれや歪みが生じ、画質に悪影響を与えるので好ましくない。
【0038】
なお、本発明の受像シートにおいて、受像層自体が支持性を有するものである場合には基材は不要であり、受像層単層としてもよく、また、基材を複数層からなるものとし、受像層を複層基材上に積層した構造のものとしてもよい。
【0039】
次に、本発明の画像形成装置に使用されるトナーについて説明する。トナーとしては、定着時において溶融性、混色性に優れることが必要で、軟化点が低く、定着温度における溶融粘度が低く、シャープメルト性が要求される。トナーは、結着樹脂としてポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等の樹脂を使用することができるが、好ましくは、受像シートにおける受像層と同系の熱可塑性飽和ポリエステル樹脂であり、更に好ましくは芳香族環を有する熱可塑性飽和ポリエステル樹脂である。
【0040】
トナーは、結着樹脂、顔料、染料等の着色剤、荷電制御剤、離型剤等のトナー形成材料を溶融混練、粉砕、分級した後、流動性付与剤が外添されて製造される。
【0041】
流動付与剤としては、着色剤含有樹脂粒子に外添されることにより流動性が外添前後で増加するものであれば使用できるが、例えば、フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子等のフッ素系樹脂微粒子、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等のシリカ微粒子、また、これらのシリカ微粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等の処理剤で処理した処理シリカ等、また、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化クロム等金属酸化物の微粉末、窒化珪素等窒化物の微粉末、炭化珪素等炭化物の微粉末、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等金属塩の微粉末、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等脂肪酸金属塩の微粉末、PMMA、フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等樹脂の微粉末、カーポンブラック、フッ化カーボンの微粉末が挙げられる。
【0042】
これらの流動付与剤は、平均の一次粒径が0.001μm〜2μm、好ましくは0.005μm〜0.2μmのものが使用されるが、平均一次粒径が0.02μm〜0.06μmの大粒径のものと、平均一次粒径が0.005μm〜0.01μmの小粒径のものの混合物を使用するとよい。外添量としては、結着樹脂に対して、大粒径の流動付与剤の外添量を0.5重量%〜4重量%、小粒径の流動付与剤の外添量を1.5重量%〜4重量%の割合とするとよい。大粒径の外添剤は、主としてトナーの耐久安定性を向上させるが、4重量%を越えるとトナーの流動性を悪化させ、中抜け等が生じ好ましくない。また、小粒径の外添剤は、主として受像シートがセルロース紙等のラフ紙のような場合にトナーの転写性を向上させるが、4重量%を越えると浮遊シリカが発生し、感光体や中間転写ベルトがフィルミングしやすくなり、好ましくない。
トナー粒径としては、コールカウンター法で測定される体積平均粒径で、4μm〜20μm、好ましくは5μm〜15μmとされるとよい。
【0043】
図2は、本発明の画像形成装置の一実施例を示す装置断面図であり、本実施の形態では、ベルト状の中間転写体を用いるカラー画像形成装置を示す。図2を用いて、本装置の全体構成と作用を説明する。
【0044】
図2において、ドラム状の感光体1は、図示しないモータ等の駆動源により矢印D方向に回転駆動される。感光体1の外周には帯電ローラ等の帯電手段2が配置され、感光体1に当接回転しながら感光体1の表面が一様に帯電される。表面が一様に帯電された感光体1は、レーザー走査光学系等の潜像形成手段3によって第1色目として例えぱイエローの画像情報に応じて選択的に走査露光され、イエロー用の静電潜像が形成される。
【0045】
静電潜像が記録された感光体1の回転方向下流側には、現像剤としてそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを貯蔵し、感光体1に対して離接自在な現像手段4,5,6,7が配置され、形成されたイエロー用の静電潜像はイエロー現像手段4のみが感光体1と当接して現像することでイエローのトナー像が形成される。
【0046】
トナー像が形成された感光体1の回転方向下流側には、感光体1に隣接して中間転写ベルト8が配置される。中間転写ベルト8は、駆動ローラ9、バックアップローラ10、テンションローラ11、皺取りローラ12に掛け回されており、感光体1の周速度と同一速度で駆動されている。また、感光体1の駆動力を駆動ローラ9に伝達することにより、感光体1と中間転写ベルト8とを同期駆動させている。
【0047】
また、一次転写ローラ13は中間転写ベルト8を介して感光体1側に付勢されており、中間転写ベルト8が感光体1と一次転写ローラ13によって挟持される一次転写位置において、図示しない高圧電源から一次転写ローラ13へ電圧が供給されることで前述の手順で形成されたイエローのトナー像が中間転写ベルト8の表面に転写される。
【0048】
中間転写ベルト8にイエローのトナー像を転写した感光体1は更に矢印D方向へ回転し、クリーナーブレード等で構成された感光体クリーナ14によって感光体1の表面に残留するトナーが掻き取られ、再び画像形成が可能となる。
【0049】
同様の手順を第2色目から第4色目の画像(マゼンタ、シアン、ブラヅク)に対して繰り返し行うことで中間転写ベルト8上に4色のトナー像が順次重ね合わせて記録される。
【0050】
中間転写ベルト8へ4色のトナー像の重ね合わせが終了すると、給紙ローラ20、紙搬送ローラ対15および16によって紙カセット80から記録材17(受像シート)が給送され、これと同期して図示しないクラッチ機構とカム機構によって二次転写ローラ18が二次転写支点軸19を中心として矢印E方向に回転して中間転写ベルト8を介してバックアッブローラ10と当接し、記録材(受像シート)17及び中間転写ベルト8がバックアップローラ10と二次転写ローラ18によって挟持される二次転写位置において、図示しない高圧電源から電圧が二次転写ローラ18へ印加されることで中間転写ベルト8上の4色のトナー像が記録材(受像シート)17へ一括して転写される。二次転写を終えた中間転写ベルト8にはクリーナーブレード等で構成された中間転写体クリーナ21が図示しないクラッチ機構とカム機構によって矢印F方向へ回動して当接し、中間転写ベルト8の表面に残留したトナーが掻き取られ、掻き取りが終了すると中間転写体クリーナ21は矢印Fとは逆方向に回動して退避する。
【0051】
4色のトナー像が転写された記録材(受像シート)17は、二次転写位置から記録材(受像シート)17を装置1本体と略平行に搬送する第一の記録材搬送路を経て定着手段22へ至り、定着手段22で加熱加圧しながら挟持搬送されてトナー像が定着される。トナー像が定着された記録材17は、定着手段22により装置本体の上面方向へとその搬送方向を変えられ、定着手段22から記録材17を装置本体と略垂直に搬送し装置上面へ至る第二の記録材搬送路に設置された排紙ローラ対23および24によって装置上面へと排出され、カラー画像記録が完了する。
【0052】
更に、図2における、本装置の幾つかの構成について補足して説明する。画像形成装置を制御するための指示や画像形成装置の状態を表示するための制御パネル31が装置本体の前面カバーに設置されている。現像手段4,5,6,7は、フレーム25に着脱可能に支持されており、さらに、フレーム25はフレーム支点軸26を中心に回転可能に支持される構成となっている。
【0053】
定着手段22は、ハロゲンランプ等の加熱手段を内蔵した加熱部材27、加圧部材28と、加熱部材27にシリコーンオイル等の離型剤を塗布するための、或いは加熱部材27の表面を清掃するためのパッド状のあるいはローラ状の離型剤塗布手段30と、からなる。図2においては2ローラ定着器を図示するが、その他、ベルト定着器、3ローラ定着器としてもよい。すなわち、図2における定着手段22は、加圧部材として複数の加圧ローラを設置してもよく、加圧部材を増やす事で容易に複数の圧接部が得られるので、より高速な定着が可能になり、また高い発色性、高い透明性を有する高画質な画像の形成が可能となる。また、さらに、複数の圧接部問に記録材17の搬送路として板状あるいはコロ状のガイド部材を設けてもよい。
【0054】
加熱部材、加圧部材の一方あるいは両方には、適当な硬度の弾性を付与してもよく、そのためには、シリコーンゴム、フッ素ゴム等からなる弾性ゴム層を表面に設ければ良い。また、加熱部材、加圧部材の表面へのトナーの付着あるいは受像シートにおける受像層の付着(いわゆるオフセット)を防止することを目的として離型性を付与してもよく、そのためには、加熱部材、加圧部材の一方あるいは両方の表面にポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等の表面エネルギーの低く、かつ、耐熱性に優れた樹脂による被覆層を設けるとよい。
【0055】
また、定着手段22における加熱部材としては、JIS−A硬度で15°〜80°、好ましくは30°〜50°とするとよい。15°未満であると加熱部材の変形量が過大となり、トナーを押圧する場合に十分な圧力が伝わらず、受像シートへのトナー定着に際して受像層表面の平滑性に問題が生じる。また、80°を越えると加熱部材の表面の変形が不充分となるために、トナーへの均一な加熱が困難であり、定着が不充分となり、受像層表面の平滑性に問題が生じ、光沢ムラ等の問題が生じる。
【0056】
加熱ローラ表面には、アミノ変性シリコンオイル、フルオロ変性シリコンオイル、フッ素オイル等の耐熱性に優れ、定着ロール表面への濡れ性に優れる剥離剤を塗布するとよい。塗布量は、0.0001g/m2 〜0.008g/m2 であり、0.008g/m2 を越えると、受像シート表面に剥離剤が付着し、加筆性が悪化するので好ましくない。
【0057】
定着温度は、定着器圧接部において、受像シートの受像層側が接する部材の表面温度であり、80℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃とされる。250℃を越えると定着器の耐久性が悪化し、また、80℃より低いとトナーのオフセット現象が生じる。
【0058】
また、像担持体とは、受像シートである記録材17に転写すべきトナーによる画像を担持するものであって、図2に示される画像形成装置においては中間転写ベルト8である。転写手段とは、像担持体から受像シートである記録材17にトナーによる画像を転写するものであって、図2に示される画像形成装置においては二次転写ローラ18である。
【0059】
本発明の画像形成装置は、図2に示される構成に限定されるものではないことはもちろんであって、感光体1から中間転写ベルト8を経由せずに直接的に記録材17にトナーによる画像を順次重ね合わせて多色画像を形成する画像形成装置であってもよく、このような構成の画像形成装置においては、像担持体とは、感光体1となり、同様に転写手段とは一次転写ローラ13である。ちなみにこのような構成の画像形成装置は、感光体上で多色画像を形成し、記録材17に一括して転写する方法と、中間転写ベルト8上に記録材17を担持せしめ、感光体上のトナーによる画像を順次記録材上に転写し、多色画像を形成する方法に大別されるが、いずれの方法も図2に示される画像形成装置とは異なり、通常、二次転写ローラ18は不要である。また、本実施の形態においては、多色画像を形成する画像形成装置を示したが、モノクロ画像を形成する画像形成装置において適用できる。
【0060】
受像シートがOHPシートである場合には、従来は、定着時の紙搬送速度は、通常のセルロース紙とする場合に比してトナーを十分に溶融して表面を平滑にする必要から、定着速度を遅くする必要があるが、近年は、電子写真装置の高速化から100mm/sec以上、好ましくは180mm/sec以上の定着時の紙搬送速度への対応が望まれており、本発明の受像シート及び画像形成装置にあっては、受像層中に、溶融粘度を低下させると共に受像層表面に滲出し、表面離型性を示す画質向上剤を含有させたので高速化への対応が可能と考えられる。
以下、本発明を実施例を用いてさらに詳細に説明する。
【0061】
【実施例】
(実施例1)
透明なPETフイルム(パナック社製、ルミラー#100Tタイプ、縦横2軸延伸フィルム、厚さ100μm)上に、
からなる組成を、メチルエチルケトン:トルエン(1:1容量比)混合溶媒に溶解した後、乾燥後の受像層の膜厚が7μmとなるようにバーコーター塗布し、受像シートを作製した。
【0062】
また、上記の組成におけるアジピン酸−ジ−n−オクチルに代えて、アジピン酸ジエチル(融点−22℃、沸点245℃)、セバシン酸−ジ−n−オクチル(融点−62℃、沸点377℃)、また、比較としてフタル酸−ジ−n−オクチル(融点−35℃、沸点390℃)、フタル酸−ジエチル(融点−3℃、沸点295℃)、リン酸トリオクチルエステル(融点−78℃、沸点240℃/5mmHg)を同様に使用して、それぞれ、受像シートを作製した。得られた各受像シートについて、下記のブロッキング試験を実施した。
【0063】
(ブロッキング試験)
各受像シートをそれぞれ100枚重ねた状態で、50℃の恒温室中に200時間放置する。その後、各受像シートを室温まで放冷し、100枚重ねた状態で、図2に示すプリンターの給紙カセットにセットする。プリンターで連続印字を行ない、この際のピックアップでのジャム、重送の回数をカウントした。
【0064】
本発明におけるアジピン酸−ジ−n−オクチル、アジピン酸ジエチル、セバシン酸−ジ−n−オクチルをそれぞれ画質向上剤として添加した受像シートは、重送の回数は0であったが、比較のフタル酸−ジ−n−オクチル、フタル酸−ジ−n−エチル、リン酸トリオクチルエステルを添加したものは、いずれもシート間の癒着のため評価が不能であるか、または3回以上の重送が見られた。
【0065】
(実施例2)
実施例1と同様の基材シート上に、実施例1で記載する熱可塑性飽和ポリエステル樹脂とアジピン酸−ジ−n−オクチルとからなる組成において、アジピン酸−ジ−n−オクチルの含有量をそれぞれ、1重量%、2重量%、3重量%、6重量%、8重量%、10重量%、15重量%とし、実施例1同様にして、それぞれ受像シートを作製した。
実施例1同様に、各受像シートについてブロッキング試験を実施すると共に、図2で示すプリンターでベタ画像をトナー付着量が0.5mg/cm2 となるように調整して印字し、ベタ画像定着後の透明性(ヘーズ値)を測定した。
図2で示すプリンターで使用したトナー、及び印字条件、ヘーズ値の測定方法を下記に示し、測定結果を表1に示す。
【0066】
(トナー)
の組成を溶融、混練、分級した粒子に、流動性付与剤として、平均一次粒径が0.04μmの大粒径のシリカ微粒子、及び平均一次粒径が0.008μmの小粒径のシリカ微粒子をそれぞれ外添したものであり、分級粒子97.3重量%、大粒径のシリカ微粒子0.7重量%、小粒径のシリカ微粒子2.0重量%からなり、コールカウンター法で測定した体積平均粒径が7μmの微粒子をトナーとした。
【0067】
(印字条件)
・定着器 ・・・・・ 2ローラ定着器
・定着ローラ ・・・・・ 定着手段22として、JISA硬度(JISK6301に準拠)で40°のシリコンゴム層を有する加熱ローラ(φ50mm、長さ35cm)を加熱部材27として使用し、JISA硬度で45°のシリコンゴム層を有する加圧ローラ(φ50mm、長さ35cm)を加圧部材28として使用し、さらに加圧ローラにバネにより2.5kgf/cm2 の圧力を加え、加熱部材と加圧部材の圧接部の幅(ニップ長)を10mmとした。また、剥離剤として、アミノ変性シリコンを加熱ローラ表面に0.0032g/m2 で塗布した。
【0068】
・定着温度 ・・・・・ 受像シートの受像層面が接する加熱ローラの表面温度(定着温度)を180℃とした。
【0069】
・定着紙搬送速度 ・・・・・ 45mm/sec。
【0070】
(ブロッキング試験)
実施例1に記載した試験方法において、○は重送の回数が0、△は1〜2回、×はシート間の融着による測定不能のものである。
【0071】
(ヘーズ)
トナー定着後の画像の透明性(へーズ)は、日本電色工業(株)製へーズメーターNDH−1001DPを使用し、定着後のベタ画像について測定した。
【0072】
【表1】
【0073】
(実施例3)
実施例1で記載するアジピン酸−ジ−n−オクチルを含有する受像シート(1)を用意した。
また、実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(2)を作製した。
【0074】
また、実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(3)を作製した。
【0075】
とした以外は、同様にして受像シート(4)を作製した。
【0076】
得られた受像シート(1)〜(4)について、加速試験としてウエザーメーターを使用して70℃で200時間の光照射を行った後、上記実施例2同様に印字し、透明性評価を行った。
【0077】
本発明における受像シート(1)は、光照射の影響はなく、また、外観上の変化も生じなかったが、比較の受像シート(2)は外観上の変化はないものの、ヘーズが5%悪化した。また、比較の受像シート(3)はトナー定着後、受像層に割れが生じた。更に、比較の受像シート(4)は、光照射の時点で受像層に割れが生じた。
【0078】
(実施例4)
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(1)を作製した。
【0079】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(2)を作製した。
【0080】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(3)を作製した。
【0081】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(4)を作製した。
【0082】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(5)を作製した。
【0083】
得られた受像シート(1)〜(5)について、実施例2同様にブロッキング試験、透明性(ヘーズ)を測定した。その結果を下記表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
表からわかるように、受像シート(3)は、耐ブロッキング性、透明性共に優れることがわかる。
【0086】
(実施例5)
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(1)を作製した。
【0087】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(2)を作製した。
【0088】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(3)を作製した。
【0089】
実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(4)を作製した。
【0090】
得られた受像シート(1)〜(4)について、実施例2同様にブロッキング試験、透明性(ヘーズ)を測定した。その結果を下記表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】
表からわかるように、受像シート(1)〜(3)は、熱可塑性飽和ポリエステル樹脂の構造式中に芳香族環を有するものであり、耐ブロッキング性、透明性共に優れるが、受像シート(4)は透明性において劣ることがわかる。
【0093】
(実施例6)
実施例1で記載するアジピン酸−ジ−n−オクチルを含有する受像シート(1)を用意した。
また、実施例1の受像シートの作製方法において、受像層組成を、
とした以外は、同様にして受像シート(2)を作製した。
【0094】
また、実施例2で記載するトナーにおいて、結着樹脂として、熱可塑性飽和ポリエステル樹脂(4,4′−イソプロピリデンジフェノール50重量%とテレフタル酸50重量%とからなる重縮合樹脂、重量平均分子量10,000)を使用した以外は、実施例2同様のトナー(A)を作製した。
【0095】
また、実施例2で記載するトナーにおいて、結着樹脂として、熱可塑性飽和ポリエステル樹脂(ジエチレングリコール50重量%とアジピン酸50重量%とからなる重縮合樹脂、重量平均分子量10,000)を使用した以外は、実施例2同様のトナー(B)を作製した。
【0096】
得られた受像シート(1)、(2)とトナー(A)、(B)を下記の組み合わせでそれぞれ使用して、実施例2記載の印字条件で印字した。実施例2同様に透明性(ヘーズ)を測定すると共に、下記の測定方法でトナー定着率(%)を測定した。測定結果を表4に示す。
【0097】
(トナー定着率)
受像シート上に、トナー付着量が0.5mg/cm2 となるように調整したベタ画像を、実施例2記載と同様に定着した後、ライオン(株)製砂消しゴムER−502に1kgの荷重をかけながら10回擦り、擦る前後のベタ画像の画像濃度の変化率を、マクベス社製分光光度計「カラーアイCE2000」を用いて測定した。
【0098】
【表4】
【0099】
表からわかるように、受像層における樹脂がその構造式中に芳香族環を有する飽和ポリエステル樹脂であると、定着率に優れることがわかる。
【0100】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置及びそれに適用される受像シートは、画像表面が平滑でかつ透明性が高く、高光沢な高画質の画像が得られると共に、画像の乱れや定着時のオフセットや定着器へのシートが巻付くといった問題がなく、さらに、受像シートを重ね保管する際にブロッキングが生じないものとできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の受像シートの断面説明図である。
【図2】 本発明の画像形成装置の全体構成を示す装置断面図である。
【符号の説明】
1…感光体、8…中間転写ベルト、18…二次転写ローラ、22…定着手段、41…基材、42…受像層
Claims (4)
- 基材上にトナーによる画像を定着可能な受像層を有する受像シートにおいて、前記受像層が透明な熱可塑性樹脂からなると共に、該受像層中に画質向上剤として分子量170〜650で、かつ、2価脂肪酸のアルキルエステルを3重量%〜6重量%の割合で含有させたことを特徴とする受像シート。
- 画質向上剤の沸点が200℃〜400℃、融点が−100℃〜0℃であることを特徴とする請求項1記載の受像シート。
- 基材がポリエチレンテレフタレートからなると共に、透明な熱可塑性樹脂が飽和ポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1記載の受像シート。
- 受像層を構成する飽和ポリエステル樹脂が、その構造式中に芳香族環を有する飽和ポリエステル樹脂であり、且つ該飽和ポリエステル樹脂が、重量平均分子量が10,000未満の飽和ポリエステル樹脂と重量平均分子量が10,000を越える飽和ポリエステル樹脂との混合樹脂であることを特徴とする請求項3記載の受像シート。
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