JP2005338144A - 画像構造及び情報媒体並びに画像形成装置及び後処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 額縁等のシート状被着体を画像支持体上の任意の位置に接着することが大量且つ簡単にできる画像構造、この画像構造を形成する画像形成装置等を提供する。
【解決手段】 画像支持体2上に形成され且つ少なくとも熱可塑性樹脂を含む通常画像情報に基づく通常トナー像1と、この通常トナー像1の上若しくはその周辺に形成され少なくとも熱可塑性樹脂を含み且つシート状被着体3を接着可能にするヒートシールトナー像4とを備えた画像構造であって、通常トナー像1を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像4を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、Tt≧Th+10を満足するように設定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、通常画像情報に基づく通常トナー像が形成された画像支持体上の任意の場所に画像支持体以外の部材を接着するためのヒートシールトナー像が形成される画像構造及びこの画像構造上にシート状被着体を接着した情報媒体の改良に関し、更に、これらの画像構造を形成するための画像形成装置及び後処理装置の改良に関する。
従来、トナー像が定着された画像支持体上に、例えば紙片、フィルム及び段ボール等からなるシート状被着体(額縁状等)を貼付しようとすると、以下のような工程が採られていた。
第一の画像支持体へのトナー像形成に対しては、例えば電子写真方式を採用したカラー画像を形成する態様を例に挙げると、次のような作像工程が採られていた。
すなわち、原稿に照明を当て、その反射光をカラースキャナにより色分解し、画像処理装置で画像処理、色補正を施して得られる複数色の画像信号に対応して、色別に、例えば半導体レーザ等を用いて変調されたレーザー光を照射させる。セレンやアモルファスシリコン等の無機感光体、または、電荷輸送層とフタロシアニン顔料等を電荷発生材料とした電荷発生層との積層構造をした有機感光体等からなる像担持体上に、レーザー光を一色ずつ複数回照射することで、複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像を、例えば帯電されたY(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)及びK(ブラック)の四色のカラートナーで順番に現像する。そして、現像されたカラートナー画像を像担持体から紙やフィルム等の画像支持体上に転写し、例えば加熱加圧定着方式の定着装置にて定着する。こうして、画像支持体上にカラー画像を形成するようにしていた。
上述のような方式では、カラートナーとしては、例えばポリエステル樹脂、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体等の結着樹脂中に、着色剤を分散させた平均粒径1〜15μmの粒子に、平均粒径が5〜100nm程度の微粒子、例えば酸化けい素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子、または、PMMA、PVdF等の樹脂微粒子を付着させたものが使用される。
また、着色剤としては、例えば、Y(イエロ)としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、M(マゼンタ)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等が使用される。
更に、定着工程では、例えば白熱ランプ等の加熱源を内蔵した一対の定着ロールを使用し、この定着ロール間にカラートナー画像が転写された画像支持体を通過させることで、カラートナーを熱溶融して画像支持体に定着する加熱加圧定着方式が知られている。
また、シリコーンゴム等の離型層を表面に備えた定着ベルトを複数の張架ロールに架け渡し、この定着ベルトを挟んで白熱ランプ等の加熱源を内蔵した一対の定着ロールを対向配置させ、この定着ロール間にカラートナー画像が転写された画像支持体を通過させ、これが冷却された後に定着ベルトと画像支持体とを分離する冷却剥離定着方式が知られている。特に、銀塩写真プリントと同等の高光沢の画像を作成する場合には、後者の定着方式(冷却剥離定着方式)が好ましいことが知られている。尚、例えば普通紙、コート紙又は白色フィルムをベースとして、その上に所定厚の樹脂層を設けた画像支持体を使用することで、画像濃度によらず一様な高光沢を更に得ようとする方式が提示されている(例えば特許文献1,2参照)。
以上のように、画像支持体上にカラートナー画像が形成されるが、更に、この画像支持体上にシート状の被着体(例えば額縁状シート等)を貼付する場合には、以下のような方法が採られていた。
すなわち、被着体の裏面や画像支持体上の貼付位置に、接着剤を塗布したり、あるいは、両面粘着テープを貼付することで接着面を設け、被着体を位置合わせした後加圧接着するようにしていた。
特開平5−197184号公報(課題を解決するための手段) 特開2001−117259号公報(課題を解決するための手段) 特開2002−287426号公報(発明の実施の形態) 特開2003−167380号公報(発明の実施の形態、図1) 特開平4−242752号公報(実施例) 特公昭53−37920号公報(発明の詳細な説明)
ところで、上述のような接着作業で画像支持体上に被着体を貼付しようとすると、接着作業を多量に行う場合は非常に多くの時間が必要となり手間がかかる。また、接着剤のはみ出し等による画像支持体への汚れ付着や、接着剤が塗布された画像支持体をそのまま重ねて置いておくとお互いがくっ付いてしまう(最悪な場合は固着される)という問題がある。
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、額縁等のシート状被着体を画像支持体上の任意の位置に接着することが、大量且つ簡単にできる画像構造及びこの画像構造上にシート状被着体が接着された情報媒体、また、この画像構造を形成する画像形成装置及びこの画像構造上にシート状被着体を接着する接着装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、図1(a)(b)に示すように、画像支持体2上に形成され且つ少なくとも熱可塑性樹脂を含む通常画像情報に基づく通常トナー像1と、この通常トナー像1の上若しくはその周辺に形成され少なくとも熱可塑性樹脂を含み且つシート状被着体3を接着可能にするヒートシールトナー像4とを備えた画像構造であって、通常トナー像1を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像4を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、Tt≧Th+10を満足するように設定されることを特徴とするものである。
このような技術的手段において、画像支持体2上に形成される通常トナー像1としては、電子写真画像(電子写真方式によって形成される画像)に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂を含むトナーを使用するものであれば、例えば静電記録画像(静電記録方式により形成される画像)やインクジェット画像等であってもよい。
また、本発明における画像構造は、画像支持体2上に通常トナー像1を形成した後に、シート状被着体3を接着するためのヒートシールトナー像4を形成する構成のため、通常トナー像1の通常トナーは画像支持体2上で一旦固着され、その上からヒートシールトナー像4が固着される構成を採っている。このとき、ヒートシールトナー像4は、通常トナー像1の上に全部又は一部積層される態様であってもよいし、通常トナー像1の上には積層されずに画像支持体2上に直接積層される態様であってもよい。
そして、シート状被着体3を接着する際のヒートシールトナー像4の溶融にあたっては、ヒートシールトナー像4のヒートシールトナーの粘度状態と通常トナー像1の通常トナーの粘度状態に差を持たせることで、ヒートシールトナーが溶融したときに通常トナーの軟化を抑え、画像乱れを防ぐことが可能になる。
そのため、通常トナー像1を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度Tt(℃)を、ヒートシールトナー像4を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度Th(℃)より10℃以上大きくすることで、上述の粘度状態の差が確保される。仮に、この温度差が小さい場合、ヒートシールトナーの溶融時に通常トナーが軟化しすぎるため、通常トナー像1の画像乱れが起こり易くなる。尚、通常トナーとしては、少なくとも熱可塑性樹脂を含んでいればよく、一般的に使用されるポリエステル系、スチレンアクリル系等のトナー(カラートナーを含む)であればよい。
更に、本態様にあっては、Ttが105℃未満の場合は、ヒートシールトナー溶融時に通常トナーが一層軟化し易くなり、画像乱れが起こり易くなる。また、Thが95℃を超えると、通常トナーとの差が小さくなり、ヒートシールトナー溶融時に通常トナー像1へ影響を及ぼし易くなる。そのため、Ttを105℃以上、Thを95℃以下とすることが好ましい。
更に、ヒートシールトナーの熱可塑性樹脂を結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性樹脂とで構成することで、溶融温度をある程度低くしつつ機械的強度を向上でき、低温でのブロッキングを防ぐことが可能になる。そのため、ヒートシールトナー像4が形成された段階で倉庫や自動車等の高温環境下に重ねて保存したときにも互いにくっついてしまうという問題を軽減できる。尚、結晶性ポリエステル樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる結晶性ポリエステル樹脂を混合したものでも差し支えなく、また、非晶性樹脂も一種類でもよいが、複数の異なる非晶性樹脂を混合したものであっても差し支えない。
このとき更に、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲になるようにすることで、シート状被着体3との低温接着が更に可能になり、機械的強度も一層高くすることができる。
尚、全熱可塑性樹脂の重量に対して、非晶性樹脂の重量比率が35%未満である場合は耐熱性を悪化させる懸念がある。また、この重量比率が65%を超えると、機械的強度が低下する上に、二つの樹脂を溶融混合する際の溶融混合性が低下して、溶融温度を高めたり、溶融時間を長くしたりする必要があり、製造性を損なうのみならず、ヒートシールトナーの耐熱性も低下させる懸念がある。
更にまた、これらの樹脂を溶融混合してヒートシールトナーを作製するようにすれば、夫々の樹脂の利点を生かすことができ、機械的強度、低温定着性、耐熱保存性が高まる。
そして、ヒートシールトナーの結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との溶融混合に際し、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とをt分間溶融混合して得られた樹脂を20μmのフィルムにしたときのフィルムの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)としたときに、溶融混合時の温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、T≦T≦T+20及びt≦t≦10×tの関係を満たすように設定することが好ましく、機械的強度、低温定着性、耐熱保存性が更に高まるようになる。尚、TがT未満、あるいは、tがt未満の場合、混合性が不十分で機械的強度の低下、耐熱性の悪化が懸念される。TがT+20を超える、あるいは、tが10×tを超える場合、樹脂の可塑化が起こり、耐熱性の悪化が懸念される。
更に、耐熱性、機械的強度の観点から、より好ましくは、これらのT及びtがT+5℃≦T≦T+10及びt≦t≦3×tを満足するように設定すればよい。
ここで、視感反射率とは、物体面から反射する光束と物体面に入射する光束との比を表し、この視感反射率Yが1.5%より大きい場合は十分に溶融混合されていない状態のため、機械的強度等が低下する。よって、この視感反射率Yが1.5%より小さくなる条件(溶融混合時の好ましい温度と時間の条件)で、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合することで、所望の安定した特性を備えたヒートシールトナーが可能になる。
また、本発明においては、ヒートシールトナーのブロッキングを防ぎ、定着工程での接触部材と固着することやヒートシールトナー像4形成後に積載されても互いに固着することを防ぐ観点から、ヒートシールトナーの固化速度を速めることが好ましく、そのため、ヒートシールトナーに5〜30wt%の無機微粒子又は有機微粒子を含むことがよい。
尚、無機微粒子や有機微粒子の代表的態様としては、例えば平均粒径が5〜100nmの酸化チタン、PMMA等が挙げられる。
更に、本発明では、ヒートシールトナーの非晶性樹脂として、樹脂の機械的強度を向上させヒートシールトナーとしての機械的強度、低温定着性、耐熱保存性を向上させる観点から、スチレン系樹脂とアクリル系樹脂との共重合体を80wt%以上含むことが好ましい。
更にまた、ヒートシールトナーの非晶性樹脂を、結晶性樹脂と同様のポリエステル系樹脂を80wt%以上含む樹脂とすることで、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との相溶性が高まり、ヒートシールトナーとしての機械的強度、低温定着性、耐熱保存性を向上するようになる。
そして、ヒートシールトナーとして、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とが含まれる態様にあっては、重縮合されるポリエステル中のアルコール由来構成成分若しくは酸由来構成成分の少なくとも一方は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とで共通の由来構成成分であることが好ましく、このことにより、相溶性が更によくなり、機械的強度、低温定着性、耐熱保存性が向上する。
特に、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とで共通のアルコール由来構成成分を備えた態様にあっては、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂と同じ炭素数が6〜12の直鎖脂肪族を含み、更に、全アルコール由来構成成分に対しこの直鎖脂肪族が10〜30モル%に範囲に設定され、酸由来構成成分は、テレフタル酸、イソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸のいずれかに由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成分に対して芳香族成分が90モル%以上になるように設定することで、溶融混合性が高められ、機械的強度、低温定着性、耐熱保存性が一層高まる。このとき、全アルコール由来構成成分に対し、直鎖脂肪族成分が10モル%を下回ると、低温定着性と機械的強度を同時に満たすことが困難となる。また、30モル%を超えると、耐熱性が低下する。更に、酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%を下回ると、耐熱性と機械的強度が低下するようになる。
更にまた、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来構成成分を含み且つ全アルコール由来構成成分に対し直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、更に芳香族系ジオール由来構成成分が2〜15モル%の範囲に設定され、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来構成成分を含み、全アルコール由来構成成分に対し直鎖脂肪族成分及び芳香族ジオール由来構成成分を含み、更に芳香族系ジオール由来構成成分が70〜90モル%の範囲とすることで、溶融混合性が高められ、ヒートシールトナーの機械的強度、低温定着性、耐熱保存性が更に高まる。
このとき、結晶性ポリエステル樹脂の全アルコール由来構成成分に対し、直鎖脂肪族性成分が85モル%を下回ると耐熱性が低下する。また、98モル%を超えると非晶性ポリエステル樹脂との混合性が低下し、機械的強度、固化速度、耐熱性が低下する。更に、芳香族系ジオール由来構成成分が2モル%を下回ると、混合性が低下し、機械的強度、固化速度、耐熱性が低下する。更にまた、15モル%を超えると、耐熱性が低下する。
そして、非晶性ポリエステル樹脂の全アルコール由来構成成分に対して、芳香族系ジオール由来構成成分が70モル%を下回ると耐熱性が低下する。また、90モル%を超えると低温定着性と機械的強度を同時に満たすことが困難となる。
更に、ヒートシールトナーの熱可塑性樹脂を結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とで構成される態様において、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量を17000〜30000の範囲であり、非晶性樹脂の重量平均分子量が8000〜30000の範囲に設定することで、機械的強度、低温定着性が向上する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が17000未満では機械的強度が若干低下し、30000を超えると低温定着性が劣る。また、非晶性樹脂の重量平均分子量が8000未満の場合は機械的強度が若干低下し、30000を超えると低温定着性が劣る。
また、本発明においては、少なくとも白色顔料と熱可塑性樹脂とを含む光散乱層を備え、この熱可塑性樹脂の粘度がTh(℃)において10Pa・s以上の画像支持体2上に上述の画像構造を備えることで、画像の白色度が高まり、高画質の通常トナー像1が得られる視認性の向上した情報媒体とすることができる。この場合、例えば写真画像等の高画質、高光沢を要する画像に対して特に有効となる。
更に、上述した画像構造上に、ヒートシールトナー像4によってシート状被着体3を接着することで、一層視認性の高い情報媒体をなすことが可能となる。尚、シート状被着体3は、画像支持体2と別体に設けられることが取り扱い性等から好ましいが、例えば画像支持体2の一部を折り曲げて、ヒートシールトナー像4による接着を行うような態様も可能である。
また、本発明は、上述した画像構造のみならず、この画像構造を可能とする画像形成装置をも対象とする。
この場合、本発明に係る画像形成装置の態様としては、画像支持体2上に通常トナー像1を形成する通常作像手段と、画像支持体2上の通常トナー像1の上若しくは周辺にヒートシールトナー像4を形成する特殊作像手段とを備えることを特徴とする。尚、この場合、通常作像手段と特殊作像手段とはその一部を兼用しても差し支えない。
更に、通常作像手段及び特殊作像手段は、少なくとも画像支持体2上の通常トナー像1及びヒートシールトナー像4を定着する定着手段を備えることがよい。
また、本態様における定着手段は、画像支持体2上の画像を挟んで密着する定着部材を有し、画像支持体2上の通常トナー像1及びヒートシールトナー像4を加熱加圧する加熱加圧手段と、この加熱加圧された通常トナー像1及びヒートシールトナー像4を冷却して定着部材から剥離する冷却剥離手段とを備えるように構成されてもよい。この場合、定着手段に加熱加圧手段と冷却剥離手段とを備えることで、通常トナー像1やヒートシールトナー像4の画像支持体2への密着性が向上し、定着部材側へのオフセットを防止することができる。そして、定着部材は熱容量を小さくできる観点からベルト状部材が好ましい。
また、特殊作像手段の代表的態様としては、形成されたヒートシールトナー像4を画像支持体2上に転写した後、定着手段に導くようにする態様が挙げられる。
特に、特殊作像手段としては、定着手段の定着部材上にヒートシールトナー像4を形成し、定着手段の定着ニップ域にて画像支持体2上の通常トナー像1とヒートシールトナー像4とを定着させることが好ましく、この場合、通常トナー像1を転写して表面の電荷密度が高まった画像支持体2上にも容易にヒートシールトナー像4を形成することができる。また、この方式では、ヒートシールトナー像4のみを単独に処理するような方式にも有効となる。
そして、本発明は、上述の画像構造が形成された画像支持体2上にシート状被着体3を接着させる後処理装置(接着装置)も可能で、このような後処理装置の態様としては、画像支持体2とシート状被着体3とがニップ搬送される対構成の搬送部材を有し、この搬送部材の少なくとも一方には加熱源を設け、通常トナー像1を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像4を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、前記ニップ部位における温度がTh以上且つTt以下の条件にて加熱するようにすればよい。
そして、このような後処理装置によれば、シート状被着体3を画像支持体2上に好適に接着できる上、短時間に大量の処理が可能になる。尚、ニップ部位の温度がTh(℃)未満では、接着性が低くなり、Tt(℃)を超えると通常トナー像1が搬送部材にオフセットし、画像乱れを生じる。
更に、この後処理装置を、通常作像手段と特殊作像手段とを備えた前述の画像形成装置に組み込むことも可能で、この画像形成装置の態様としては、画像支持体2上に通常トナー像1を形成する通常作像手段と、画像支持体2上の通常トナー像1の上若しくは周辺にヒートシールトナー像4を形成する特殊作像手段と、前記画像支持体2と前記シート状被着体3とがニップ搬送される対構成の搬送部材を有し、この搬送部材の少なくとも一方には加熱源を設け、通常トナー像1を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像4を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、前記ニップ部位における温度がTh以上且つTt以下の条件にて加熱する後処理装置とを備えるようにすればよい。そのことにより、短時間に大量の処理を容易に行うことができる。
この後処理装置の態様としては、画像形成装置に一体的に組み込まれる態様であってもよいし、単独の装置の態様であっても差し支えない。
更にまた、後処理装置としては、加熱加圧手段と冷却剥離手段とを備える定着手段を備えた画像形成装置における定着手段を使用することも可能で、この場合、例えば定着時と接着時での加熱加圧条件や冷却剥離条件を変更する態様であっても差し支えない。
また、本態様においては、定着手段が前述の加熱加圧手段及び冷却剥離手段を有し、通常トナー像1を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像4を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、定着手段の加熱加圧手段による作用部位温度が、Th以上且つTt以下に設定され、冷却剥離手段後端部の作用部位温度が、(Th−10)以下に設定されるようにすることで、シート状被着体3を画像支持体2上に好適に接着できる上、短時間に大量の処理が可能になる。また、ヒートシールトナー像4がシート状被着体3からはみ出しても、オフセットすることが防止され、更に、汚れの問題も防ぐことができる。
ここで、作用部位温度とは、シート状被着体3接着時のヒートシールトナーの温度を意味する。
そして、作用部位温度がTh(℃)未満では、シート状被着体3の接着性が低く、Tt(℃)を超えると通常トナー像1が定着部材にオフセットし、画像乱れを生じる。更に、冷却剥離手段後端部での作用部位温度が(Th−10)(℃)を超えると、ヒートシールトナーがシート状被着体3からはみ出したときに定着部材にヒートシールトナーがオフセットする懸念がある。
本発明によれば、画像支持体上に通常トナー像とヒートシールトナー像を形成し、このヒートシールトナー像を使用することで、画像支持体上にシート状被着体を容易に接着することができる画像構造を提供できる。
また、通常トナー像を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、Tt≧Th+10を満足するように設定したので、画像定着時及びシート状被着体接着時の通常トナー像の画像乱れを防ぐことができる。
また、上述の画像構造を画像支持体上に形成することで、視認性の高い情報媒体が提供でき、更に、画像構造上にシート状被着体を接着することで、ヒートシールトナー像とシート状被着体とが接着され、視認性を一層向上させた情報媒体が可能になる。
更に、本発明による画像形成装置を使用することで、通常トナー像とヒートシールトナー像とで構成される画像構造を容易に且つ短時間に形成することができ、大量の処理も可能となる。
更にまた、本発明の後処理装置によれば、ヒートシールトナー像によるシート状被着体の接着が容易となり、通常トナー像の画像乱れも防ぐことができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2は、本発明に係る画像形成装置の実施の形態1を示すブロック図である。
本実施の形態における画像形成装置は、通常トナー画像信号を形成する通常トナー画像信号形成ユニット12とヒートシールトナー画像信号を形成するヒートシールトナー画像信号形成ユニット13とを備え、これらによって形成された画像信号に基づいて、夫々通常トナー像形成ユニット14及びヒートシールトナー像形成ユニット15とで画像支持体16上に像形成を行うようになっている。尚、本実施の形態では、通常トナー像形成ユニット14とヒートシールトナー像形成ユニット15とが後述するように、同一の画像形成ユニット11で行うように構成されている。
図3は、図2のブロック図を具現化したカラー画像形成装置を示す。
同図において、本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、画像支持体16上に、例えばイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分からなるカラートナー像(通常トナー像)と、本件の特徴点であるヒートシールトナー像とを形成する画像形成ユニット30と、この画像形成ユニット30にて形成された画像支持体16上の通常トナー像やヒートシールトナー像を定着させる定着装置40と、この定着装置40に画像支持体16を搬送する搬送装置50とを備えている。
本実施の形態において、画像支持体16は、例えば原紙そのもの、すなわち普通紙であってもよいが、この普通紙の上に白色顔料が10〜50wt%分散された熱可塑性樹脂を10〜50μmの厚さでコーティングし、このコーティング層を光散乱層としたコート紙を使うことで、画像の白色度が高まり、高画質なカラー画像が得られる。また、この熱可塑性樹脂の粘度が、ヒートシールトナーの粘度が10Pa・sになる時の温度(Th)で、10Pa・s以上であれば、ヒートシールトナーに影響されず、一層高画質なカラー画像が得られることから好ましい。
尚、普通紙の代わりに、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂に白色顔料を20〜40wt%分散させた樹脂フィルムを使用することも可能である。また、光散乱層に含まれる白色顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の公知の白色顔料微粒子を使うことができ、白色度を高めるという観点から酸化チタンを主成分とすることが好ましい。
また、光散乱層に含まれる樹脂は、写真用支持体に用いられるようなポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体等の熱可塑性樹脂や、印刷用支持体に用いられるようなブタジエンゴム等の公知の樹脂を使ってもよい。写真画像を形成しようとする場合は、ポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を用いることが好ましい。
更にまた、光散乱層に紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光増白剤を添加することが好ましく、この場合、白色度が更に高くなり、発色の鮮やかな画像を得ることができる。
ここで、普通紙に用いられる原紙は、印刷用紙やコピーペーパーに一般的に用いられる材料から選ばれる。すなわち、針葉樹や広葉樹から選ばれる天然パルプや合成パルプを主原料に、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものが用いられる。
そして、原紙は平滑性及び平面性を付与する目的で、マシンカレンダー、スーパーカレンダー等の装置を用いて熱及び圧力を加えた表面処理が施されていることが好ましい。
ここで、本実施の形態における視感反射率Yは、図4に示す装置によって測定した。
同図において、先ず、表面と裏面の散乱成分を除くため、測定対象となる樹脂フィルム123を、顕微鏡観察用の二枚の透明なカバーガラス121,122で挟み込み、夫々のカバーガラス121,122と樹脂フィルム123との間は屈折率マッチング液(テトラデカン)で満たされたものを試料120とする。この試料120をライトトラップ125の載置台132上に載置し、光源126からの光を前記試料120に照射すると共に、0/45度の幾何学的測色条件を満たす測色器127(例えばX−rire968等)で反射測定する。尚、ライトトラップ125としては、例えば一端が開口した筒体131の開口側に載置台132を設けると共に、筒体131の内壁は黒塗り等の光吸収部133となっている。そのため、光源126から試料120を透過した光は、この光吸収部133でトラップされ、ここからの反射は抑止される。
このようにして測ったCIE XYZ表色系におけるYの値が、視感反射率Yと一致する。測定すべき樹脂フィルム123が透明で、かつ、カバーガラス121,122も透明な場合、Yは殆ど0となる。すなわち、Yの値は樹脂フィルム123内部の光散乱成分の強さ(散乱強度)に対応する。
仮に、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との溶融混合が不十分だと、混合された樹脂からなる樹脂フィルム123の散乱強度は強くなり、Yは大きな値を示すことになる。一方、溶融混合が好適になされた場合は、樹脂フィルム123からの光散乱は減少し、Yの値は小さくなる。したがって、視感反射率Yは樹脂同士の溶融混合性の指標となる。
また、測定する樹脂フィルム123の厚みは、20μmであることが好ましいが、光散乱が2%以下の場合には、Yの値はフィルムの厚みに略比例するので、樹脂フィルム123の厚みが正確に20μmでない場合には、厚みで換算してYを算出してもよい。
ここで、樹脂フィルム123の作製方法としては、均質で均一な厚みのフィルムを作製するという目的を損なわない限り、特に限定されない。但し、溶剤に溶解させた液を金属プレート等に塗布する方式では、溶剤による樹脂の分離を生じ、均質なフィルムが得られないことがある。そこで、ホットプレート等の上に平滑で離型性がよい基材を置き、この基材上で熱により樹脂を溶かしてエリクセンやバーコータ等で塗布した後、基材からフィルムを剥離する方法で所望の樹脂フィルム123を得ることができる。この際、ホットプレートの温度が溶融混合温度を超えると混合状態が変化するので、ほっとプレートの温度設定を溶融混合温度に対して20℃程度低い温度に設定する必要がある。
また、基材上に作製された樹脂フィルム123を、そのままPETフィルム等の透明フィルムに重ね、加熱加圧した後に基材を剥離して、透明フィルム側に樹脂フィルム123が転写されたものを使って、視感反射率Yを測定してもよく、この試料の反射率Yから転写フィルム(透明フィルム)自体の反射率Yを引き算すると、測定されるべき樹脂フィルム123に対する視感反射率Yが算出できる。
次に、ヒートシールトナー像を構成するヒートシールトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂、非晶性樹脂について説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂]
結晶性ポリエステル樹脂は融点が90℃以下であり、好ましくは70〜80℃である。重量平均分子量は15000〜40000であり、低温定着性、機械的強度の観点からより好ましくは17000〜30000である。尚、本実施の形態において、前記ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の吸熱ピークのトップの値を用いた。
また、本実施の形態において、「結晶性ポリエステル樹脂」の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。また、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が少量であり、示差走査熱量測定(DSC)において明確な吸熱ピークを有するならば、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
樹脂の柔軟性を高めるため、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数2から14の直鎖脂肪族であることが好ましい。
アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。定着性と耐熱性の観点から、これらのうち炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系ジオールであることが好ましく、炭素数が9のノナンジオールを用いることがより好ましい。
溶融混合性、低温定着性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、上記炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系ジオールを85〜98モル%の範囲で含むことが好ましい。
また、結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分となるための酸としては、脂肪族系または芳香族系の種々のジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
また、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸がこれにあたる。
そして、低温定着性、機械的強度の点で好適であり、溶融混合性も良好に保つという観点からすれば、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることが好ましい。
また、溶融混合性を高めるため、2〜12.5モル%の範囲で第三成分を共重合することが好ましい。第三成分の比率が減ると溶融混合性が低下し、混合温度を高めたり、混合時間を長くすることが必要になり、製造性が悪化するのに加えて、耐熱性を悪化させることになる。また、第三成分の比率がこの範囲を超えると、溶融混合性は高まる一方で、結晶性が低下して耐熱性が悪くなる。耐熱性が悪化すると、ヒートシールトナーが被着体(詳細は後述するが、ヒートシールトナーによって画像支持体16に接着される部材)からはみ出した場合、ヒートシールトナー像が形成されたままのシートを高温の倉庫や車内に放置した状態にしておくと、ブロッキングやオフセット等の問題を起こす懸念がある。
この第三成分としては、溶融混合性を高める観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のジオール成分を用いることが好ましく、 また、耐熱性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、アルコール由来の第三成分が2〜15モル%の範囲にあることが好ましく、より好ましくは3〜8モル%の範囲である。
更に、第三成分として、溶融混合性の観点から酸由来構成成分を加えてもよい。酸由来構成成分を二種類以上加えることで結晶性が低下して溶融混合性が高まる。結晶性が低下することによる耐熱性悪化をなくすには、全酸由来構成成分に対するこの第三成分の比率は10%以下であるのが好ましい。
第三成分としては、主成分が脂肪族ジカルボン酸の場合には、芳香族ジカルボン酸が挙げられ、主成分が芳香族ジカルボン酸の場合には、脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。すなわち、二塩基酸と二価アルコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応させることによりオリゴマーを得て、次いで真空下で重縮合反応を行って合成することができる。また、例えば特許文献5に記載のように、ポリエステルの解重合法によっても得ることができる。また、二塩基酸としては、ジカルボン酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステル交換反応を行なった後、重縮合反応を行なっても、ジカルボン酸を用いて直接エステル化、次いで重縮合反応を行なってもよい。
例えば、二塩基酸と二価アルコールを大気圧下180〜200℃で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を1Torr以下の高真空にすると共に、200〜230℃に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱して結晶性ポリエステル樹脂を得る。
[非晶性樹脂]
非晶性樹脂は、ガラス転移点が45〜80℃であることがよく、より好ましくは55〜65℃である。また、非晶性樹脂としては、スチレンアクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂が好ましい。非晶性スチレンアクリル系樹脂の重量平均分子量は20000〜40000の範囲が好ましく、非晶性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は8000〜20000の範囲が好ましい。
そして、低温定着性、混合性の観点から、第三成分を共重合してもよい。
また、非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様、特に制限はなく、前述のような一般的なポリエステル重合法で製造することができる。
更に、非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた芳香族系及び脂肪族系の種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。 また、アルコール由来構成成分としては、種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。尚、非晶性ポリエステル樹脂の場合は酸由来構成成分、アルコール由来構成成分とも複数の成分を含んでもよい。
また、ヒートシールトナーには、熱可塑性樹脂以外に、ワックス、無機微粒子、有機微粒子等を添加することも好ましい。但し、この場合、熱可塑性樹脂は80wt%以上の比率で構成されることが好ましく、80wt%未満の場合、粘度が高くなったり、耐熱性が低下する等の問題を生じる懸念がある。
そして、特に、無機微粒子を3〜15wt%添加することが好ましい。
無機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。また、樹脂への分散性を考慮し、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて無機微粒子を疎水化処理したものも使用できる。
無機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを超えたときには十分な接着性を得ることが困難になる。
この無機微粒子の添加は、ヒートシールトナー定着後の樹脂の固化を速める。尚、無機微粒子の添加量が3wt%を下回ると固化を速める効果が殆どなく、15wt%を超えると定着時の粘度が高くなりすぎるため、所望の定着温度において十分な接着性を得ることが困難になる。
更に、無機微粒子としては、その主成分が粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカであることが好ましい。このような無機微粒子は白色度を損なうことがない上に、添加量が少量であっても固化を早めることができる。
また、有機微粒子を添加しても定着後の樹脂の固化を速めることができる。
有機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、タルク、カオリンクレー、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集が起こり均質な樹脂を得られず、一方、1μmを超えたときには十分な接着性を得ることが困難になる。
ワックスの組成としては、本実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、ワックスとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックス等が挙げられる。尚、融点80℃以上110℃以下のワックスが0.2wt%以上8wt%未満の比率で添加されていることが好ましい。
また、樹脂中に、上述の無機微粒子等の添加物を添加する方法は、樹脂中に均一分散するという目的を満たせば、特に限定する必要はなく、公知の混合方法を使うことができる。
例えば、押出し式混練機を使って、溶融した樹脂中に白色顔料等の添加物を混合していく方法、また、樹脂と添加物(無機微粒子等)、更に界面活性剤を水中に入れて、高速撹拌して水分散して混合する方法がある。特に、樹脂中に添加物を均一に分散するという観点から、溶融混合することが好ましい。
更に、ヒートシールトナーの粒子作製方法は、ヒートシールトナー像を画像支持体16上の任意の位置に形成できる目的を満たす限り特に限定する必要はなく、通常のトナー作製方法が使用できる。
例えば、予め、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを所定の条件下にて溶融混合しておき、この樹脂と添加物とを混ぜて溶融押し出し法等で混合し、粉砕機で所望の粒子サイズに粉砕し、粒度分布を整えるために分級する方法を採ることができる。
また、樹脂と添加物を溶融押し出し法等で混合し、これをクレアミックス等の加熱可能な分散機でトナー粒子サイズの粒子を水中に分散させた水分散物を作り、真空乾燥して粒子にする方法を採ることができる。
また、樹脂をクレアミックス等の加熱可能な分散機を用いて水中に分散されたサブミクロンサイズの水分散物を作り、無機微粒子等の添加物を分散した水分散物と混合した後、凝集剤を添加して所望の粒子サイズに凝集させる乳化凝集法を使うこともできる。
また、本実施の形態において、カラートナー画像を形成するためのカラートナーは、少なくとも熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有してなる絶縁性の粒子で、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が挙げられる。
この結着樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体が挙げられる。これらの中でも、低温定着性、定着強度、保存性等のトナー特性を満足し得る点でポリエステル系又はスチレンアクリル共重合体からなる樹脂が好ましい。
また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000以上40000以下、かつ、ガラス転移点が50℃以上75℃未満であることが好ましい。
一方、着色剤には一般にカラー画像形成用に使われる色材を使うことができる。そのため、染料系、顔料系の何れも使うことが可能であるが、耐光性の観点から顔料系の着色剤が好ましい。この顔料系着色剤としては、例えば、イエロ用としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、マゼンタ用としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、シアン用としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、ブラック用としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等が挙げられる。
また、好ましくは、色再現範囲を広めるためには、着色剤の顔料と結着樹脂との界面での乱反射を抑えることが重要であり、例えば特許文献5にて提示される小粒径の顔料を高分散した着色剤との組合せが有効である。
また、カラートナー中の色材量については、その種類により分光吸収特性や発色が異なるのでその最適量も夫々異なり、一般的な範囲である3〜10wt%の間で色再現領域を考慮して適宜決定することが好ましい。
更に、カラートナーにはワックスが添加されていることが好ましい。ワックスの組成としては、本実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、ワックスとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として、例えばポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックス等が挙げられる。尚、融点80〜110℃の範囲のワックスが2wt%以上8wt%未満の比率で添加されていることが好ましい。
また、カラートナーの粒径は、特に限定する必要はないが、粒状性や階調性の良好な画像を得るという観点から4μm〜8μmが好ましい。
尚、粒状性や階調性の良い画像を得るためには、トナーの流動性と帯電性の制御が必要になる。この観点から、カラートナーの表面に、無機微粒子又は樹脂微粒子の少なくともいずれか一方を外添若しくは付着させることが好ましい。
この場合、無機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデン等が挙げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
一方、有機微粒子としては、本実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
ここで、無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。平均粒径が0.005μm未満であると、トナーの表面に無機微粒子又は有機微粒子の少なくともいずれか一方を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある。また、1μmを超えるとより高画質な画像を得ることが困難になる。
そして、本実施の形態において、カラートナー画像を構成するカラートナーは、粘度が10Pa・sとなる温度Tt(℃)が105℃〜120℃の範囲になっている。
尚、カラートナー画像は、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブ又は帯電部材と摩擦帯電して、帯電トナーを形成して、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
本実施の形態における画像形成装置としては、図2に示すように、公知の電子写真方式の画像形成ユニット11が用いられる。但し、任意の位置にヒートシールトナー像を形成するための画像信号を制御するヒートシール画像信号形成ユニット13を備える必要がある。
画像形成ユニット11としては、例えば感光体、感光体に対向する帯電装置、感光体を露光する露光装置感光体に対向する現像装置、感光体上のトナー画像を画像支持体16に転写する転写装置からなる態様が挙げられる。
また、中間転写体を備え、感光体上の通常トナー像を一旦中間転写体上に転写した後、中間転写体から画像支持体16に通常トナー像を二次転写装置で転写する態様もある。
ここで、感光体としては、特に制限はなく公知のものでよく、単層構造のものであってもよいし、多層構造で機能分離型のものであってもよい。また、材質としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機のものであってもよいし、有機のものであってもよい。
また、帯電装置には、例えば導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電等のそれ自体公知の手段を使うことができる。
更に、露光装置には、半導体レーザ、走査装置及び光学系からなるレーザ走査装置(ROS:Raster Output Scanner)、そして、LEDヘッド等の公知の露光手段を使うことができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい観点から、本実施の形態ではROSを使用している。
更にまた、ヒートシールトナー画像信号形成ユニット13には、画像支持体16上の所望の位置にヒートシールトナー像を形成するように、信号を形成するものであれば公知の手段を適宜使うことができる。
また、現像装置は、感光体上に均一で、解像度の高いヒートシールトナー像を形成できるという目的を果たす限り、一成分、二成分を問わず公知の現像装置を使うことができるが、粒状性が良好で、滑らかな調子再現ができるという観点から、二成分現像方式の現像装置が好ましい。
更に、転写装置(中間転写型では一次転写装置)には、例えば、電圧を印加した導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、感光体と画像支持体16又は中間転写体との間に電界を作り、帯電したトナー粒子からなる通常トナー像を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器等で画像支持体16又は中間転写体の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナー粒子からなる通常トナー像を転写する手段など、公知の手段を使うことができる。
また、中間転写体には、絶縁性又は半導電性のベルト材料、絶縁性又は半導電性の表面を持つドラム形状のものを使うことができる。連続した画像形成時において安定的に転写性を維持し、装置を小型化できるという観点から、半導電性のベルト材料が好ましい。このようなベルト材料としては、カーボンファイバー等の導電性フィラーを分散した樹脂材料からなるベルト材料が知られている。この樹脂としては、例えばポリイミド樹脂が好ましい。
また、二次転写装置には、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、中間転写体と画像支持体16との間に電界を作り、帯電したトナー粒子からなるトナー画像を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで中間転写体の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナー粒子からなるトナー画像を転写する手段など、公知の手段を使うことができる。
そして、ヒートシールトナー像とカラートナー画像を同一の感光体上に形成することが装置を小さくする観点から好ましい。同一の感光体上にヒートシールトナー像形成ユニット15とトナー画像形成ユニット14を並べて配置し、多重転写方式、中間体ベルト方式又は1パス2色方式等の公知の方式でヒートシールトナー像とカラートナー画像を画像支持体16上に転写する装置を使うことができる。
また、ヒートシールトナー像とカラートナー画像を別々の感光体上に形成することも画像形成の速度を高める観点から好ましい。
更に、ヒートシールトナー像を後述する定着装置の定着部材上に形成するようなヒートシールトナー像形成装置を別途配置することも可能である。
以下、図3に示す画像形成装置をより具体的に説明する。
同図において、画像形成ユニット30としては、感光体ドラム31の周囲に、図示外の帯電器と、原稿32を露光走査して感光体ドラム31上に静電潜像を形成する露光装置33と、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分トナーとヒートシールトナーが収容された現像器34a〜34eを搭載したロータリ型現像装置34と、感光体ドラム31上の画像を一時的に保持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム31上の残留トナーを清掃する図示外のクリーニング装置とを配設し、前記中間転写ベルト35のうち感光体ドラム31の対向部位には一次転写装置(例えば転写コロトロン)36を配設すると共に、中間転写ベルト35のうち画像支持体16の通過部位には二次転写装置(本例では中間転写ベルト35及び画像支持体16を挟む一対の転写ロール37a及びバックアップロール37bを配設したもの)37が用いられる。
ここで、露光装置33は、原稿32に照明ランプ331からの光を照射し、原稿32からの反射光をカラースキャナ332にて色分解し、これを通常トナー画像信号形成ユニット333にて画像処理した後、ROS334を通じて感光体ドラム31の露光ポイントに静電潜像書込光を照射するものである。また、ヒートシールトナー像を形成する場合には、ヒートシールトナー画像信号形成ユニット335からの画像信号で、同様にROS334から静電潜像書込光を照射するようになっている。
また、本実施の形態において、二次転写装置37の下流側には、図5に示すように、例えば搬送ベルトからなる搬送装置50を介して、定着装置40が配設されている。
画像支持体16上の画像G(通常トナー像G1及びヒートシールトナー像G2)を定着する定着装置40は適宜選定して差し支えないが、画像支持体16上の画像Gを挟んで密着する定着ベルト41を有し、画像支持体16上の画像Gを加熱加圧する加熱加圧部と、加熱加圧された画像Gを冷却して定着ベルト41から剥離する冷却剥離部とを備えている。
同図において、定着装置40は、適宜数(本例では3つ)の張架ロール42〜44に掛け渡される定着ベルト(例えば表面にシリコーンゴムが塗布されたベルト材を使用)41と、この定着ベルト41の入口側に位置する張架ロールを加熱可能に構成した加熱ロール42と、この定着ベルト41の出口側に位置する張架ロールを画像支持体16が剥離可能となるように構成する剥離ロール44と、前記加熱ロール42に対向して定着ベルト41を挟んで圧接配置される加圧ロール(必要に応じて熱源を付加して差し支えない)46と、定着ベルト41の内側に設けられ且つ加熱ロール42から剥離ロール44に至る途中で定着ベルト41を冷却する冷却部材としてのヒートシンク47とを備えている。
本実施の形態においては、定着装置40の加熱加圧部としては、加熱ロール42と加圧ロール46とのロール対で構成され、また、冷却剥離部としては、ヒートシンク47と剥離ロール44とで構成されている。
ここで、定着ベルト41には、ポリイミド等の樹脂フィルム、ステンレス等の金属フィルムを用いることができる。また、耐熱温度が高く、離型性が良いことが求められるため、耐熱性のベース基材に離型層を積層したものが好ましい。このときのベース基材としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の樹脂フィルム、ステンレスベルト等の金属ベルトを使うことが好ましい。また、離型層にはシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等を使うことが好ましい。
更に、定着ベルト41が、安定した剥離性を維持し、ほこり等の汚れを軽減するためには、導電性カーボン粒子や導電性ポリマー等の導電剤を分散することで抵抗値が調整されていることが好ましい。
また、本実施の形態では、定着ベルト41は無端ベルト形状を使用し、また、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上のものとした。
また、前記加熱加圧部には、公知のものを使うことができる。
例えば一定速度で駆動された一対のロールの間に定着ベルト41及び画像が形成された画像支持体16を挟んで駆動するものが挙げられる。
ここで、このロールの一方又は両方に、例えば内部に熱源を備えたもので、その表面が各種トナーの溶融する温度に加熱されており、かつ、二つのロールは圧接されている。好ましくは、一方又は両方のロール表面にはシリコーンゴム層又はフッ素ゴム層が設けられていて、加熱加圧される領域の長さが1〜8mm程度の範囲にあることがよい。
また、定着における加熱ロール42、加圧ロール46の表面温度は、両ロールが圧接する領域の後端部(定着ニップ域出口側)において、ヒートシールトナー像G2の粘度が10Pa・s以下で、通常トナー像G1の粘度が104Pa・s以下となるように調節されている。
更に、前記冷却剥離部としては、定着ベルト41にて加熱加圧された画像支持体16を冷却した後に、剥離部材にて画像支持体16を剥離するものが挙げられる。
このとき、冷却手段としては、自然冷却でもよいが、装置の大きさの観点から、ヒートシンク47又はヒートパイプ等の冷却部材を使って冷却速度を速めることが好ましい。また、剥離部材としては、剥離爪を定着ベルト41と画像支持体16の間に挿入する態様や、剥離位置に曲率の小さなロール(本実施の形態では剥離ロール44が相当)を設けて剥離させる態様が好ましい。
更に、本実施の形態では、通常トナー像G1及びヒートシールトナー像G2が形成された画像支持体16と、この上にヒートシールトナー像G2によって接着される、例えば厚紙等の被着体とを接着する後処理装置としての接着装置として、前述の定着装置40(図5参照)を利用している。
画像G(通常トナー像G1及びヒートシールトナー像G2)が形成された画像支持体16上のヒートシールトナー像G2に位置合わせされた被着体を載置し、搬送装置50上に載せる。その後、定着装置40を通過させて、被着体をヒートシールトナーによって画像支持体16上に接着する。
尚、定着装置40を接着装置として使用する場合、剥離ロール44位置でのヒートシールトナー像G2の温度がTh−10(℃)以下になるように設定することで、被着体の接着を一層確実に行うことができる。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
図3に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置を用いてカラーコピーをとる場合には、先ずヒートシールを行う領域のデジタルデータをヒートシールトナー画像信号形成ユニット335に入力する。次に、コピーをとる原稿32に照明ランプ331からの光を照射し、その反射光をカラースキャナ332により色分解し、通常トナー画像信号形成ユニット333で画像処理して色補正を施した複数色の通常トナー画像データを得る。そして、ヒートシールトナー画像信号形成ユニット335で画像処理されたヒートシールトナーの画像データと、通常トナー画像信号形成ユニット333で画像処理された通常トナーの画像データとを、夫々ROS334にて変調されたレーザ光として出射させる。
このレーザ光を感光体ドラム31に1色ずつ複数回照射して複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像については、ヒートシールトナー、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のカラートナーを用い、これらをヒートシールトナー現像器34e、イエロ現像器34a、マゼンタ現像器34b、シアン現像器34c、ブラック現像器34dにて順番に現像する。
そして、現像されたヒートシールトナー像及び通常トナー像は、感光体ドラム31上から中間転写ベルト35上に一次転写装置36にて順次転写され、中間転写ベルト35上に転写された4色の通常トナー像(カラートナー像)及びヒートシールトナー像は、二次転写装置37にて画像支持体16に一括転写される。
そして、通常トナー像とヒートシールトナー像が転写された画像支持体16は、搬送装置50を経て定着装置40に搬送される。
図6(a)(b)は、本件の画像構造の一例として、画像支持体16上に形成された通常トナー像G1及びヒートシールトナー像G2の平面図及び断面図を示す。したがって、本実施の形態において画像支持体16上には、通常トナー像G1の上にヒートシールトナー像G2が形成されるようになる。
次に、定着装置40の作動について、図5を基に説明すると、加熱ロール42及び加圧ロール46は共にトナーの溶融温度に予め加熱されている。また、これら二つのロール42,46間には例えば荷重100kg重(約980N)の力が加えられている。
本実施の形態では、二つのロール42,46は回転駆動されており、これに追従して定着ベルト41も駆動されている。
そして、定着ベルト41は、加熱ロール42と加圧ロール46とのニップ部で、通常トナー像G1とヒートシールトナー像G2が転写された画像支持体16の表面と接触し、通常トナー像G1とヒートシールトナー像G2とが共に加熱溶融される(加熱加圧部)。
次に、画像支持体16と定着ベルト41とは溶融した通常トナー層及びヒートシールトナー層を介して接着された状態で剥離ロール44まで運ばれるが、この間にヒートシンク47で冷却される(冷却剥離部の一部)。
このため、画像支持体16が剥離ロール44に到達すると、剥離ロール44の曲率によって、通常トナー像G1とヒートシールトナー像G2とは画像支持体16と一体になって定着ベルト41から剥離される(冷却剥離部の一部)。
本実施の形態での通常トナー及びヒートシールトナーの粘度変化について説明する。図
7は、本実施の形態で使用した通常トナー(図中の実線部分)とヒートシールトナー(図
中破線部分)の粘度と温度との関係を示している。そして、通常トナーの粘度が10
a・sになるときの温度をTt(℃)、ヒートシールトナーの粘度が10Pa・sにな
るときの温度をTh(℃)とすると、図のような関係に調整されている。
このため、定着装置40の加熱加圧部での温度を、ThとTtの間に設定することで、
加熱加圧時には通常トナー像G1よりヒートシールトナー像G2の方が低い粘性となる。通常トナー像G1の方は、粘度が比較的高く保つことができ、画像の乱れを防ぐことが可能になる。
また、定着装置40の出口側(剥離ロール44の位置)では、温度を前述のThより低くすることで、ヒートシールトナーの固化が促進され、ヒートシールトナーの定着ベルト41への付着を防いでいる。
更に、このことは、接着装置としてこの定着装置40を利用する場合にも、ヒートシールトナーによって被着体を接着する際に有用である。
以上により、通常トナー(カラートナー)像G1とヒートシールトナー像G2が定着された画像支持体16が形成される。
このような性能については後述する実施例にて裏付けられる。
次に、接着装置の作動について説明する。
通常トナー像G1とヒートシールトナー像G2が定着された画像支持体16上にシート状の被着体を重ねて、搬送装置50のところから、接着装置(本実施の形態では定着装置40に相当)の加熱加圧部に挿入する。このとき、加熱ロール42及び加圧ロール46は共にトナーの溶融温度に予め加熱されている。そして、ヒートシールトナー像G2は加熱溶融するが、通常トナー像G1は変形しない程度の粘度になるように加熱加圧部の温度は設定されている。このとき、二つのロール42,46間には、例えば荷重100kg重(約980N)の力が加えられている。更に、二つのロール42,46は回転駆動されており、これに追従して定着ベルト41も駆動されている。
そして、定着ベルト41は、加熱ロール42と加圧ロール46とのニップ域で、被着体が重ねられた状態で、通常トナー像G1とヒートシールトナー像G2が転写された画像支持体16の表面と接触し、実質的にヒートシールトナー像G2が加熱溶融される(加熱加圧部)。
次に、画像支持体16と定着ベルト41とは通常トナー層、ヒートシールトナー層及び被着体を介して一体となった状態で剥離ロール44まで運ばれるが、この間にヒートシンク47で冷却される(冷却剥離部の一部)ため、ヒートシールトナー層が固化し、被着体を画像形成体16上に接着させる。
更に、画像支持体16が剥離ロール44に到達すると、剥離ロール44の曲率によって、被着体が接着された画像支持体16が一体になって定着ベルト41から剥離される(冷却剥離部の一部)。
以上により、通常トナー像G1とヒートシールトナー像G2が定着された画像支持体16上に被着体を接着することが可能になる。また、このような装置を使うことでヒートシールトナー像G2が被着体からはみ出してもオフセットすることなく接着できる。
本実施の形態では、通常トナー像G1としてカラートナー像を使用したが、カラートナー像ではなく、モノクロトナー像においても同様にすることが可能である。
また、本実施の形態では、定着装置40の設定条件を、定着装置として使用する際と接着装置として使用する際とで、同じ条件としたが、例えば、上述の条件を接着装置として使用する際にのみ行うことも可能で、この場合、一層画像乱れを少なくすることができる。
更に、本実施の形態で示した画像形成装置により、通常トナー像G1が形成された画像支持体16を、例えば図示外の手差し搬送路等から搬入し、この上にヒートシールトナー像G2を形成することも可能である。
更にまた、画像支持体16上に形成するヒートシールトナー像G2を、本実施の形態における原稿32の代わりに、例えば色紙等で画像信号入力を行うことであっても差し支えない。
また、本実施の形態では接着装置として定着装置40を使用したが、例えば、図8に示すような構成の後処理装置(接着装置)を使用することも差し支えない。
同図において、一定速度で駆動された一対のロール71(具体的には71a,71b)には、夫々内部に熱源72(具体的には72a,72b)を備えている。一対のロール61は互いに圧接されており、少なくとも一方のロール表面には、シリコーンゴム層又はフッ素ゴム層が設けられており、加熱加圧される領域の長さが1〜8mm程度の範囲にあることがよい。
このとき、一対のロール61の表面温度は、両ロールが圧接する領域の後端部(定着ニップ域出口側)におけるヒートシールトナー像の粘度が103Pa・s以下となるように調節されている。また、この部分におけるヒートシールトナー像の温度がTh℃以上、Tt℃以下であることが必要である(図7参照)。
そして、画像支持体16上に形成された画像G(通常トナー像とヒートシールトナー像とで構成)の上に載置した被着体Sを、そのまま一対のロール61に通すことで、被着体Sの画像支持体16への接着が行われる。
◎実施の形態2
図9は、本発明に係る画像形成装置の実施の形態2を示す。
同図において、本実施の形態は、実施の形態1の画像形成装置と略同様に構成されるが、ヒートシールトナー像を同一の画像形成ユニット30で行う態様ではなく、定着装置40の定着ベルト41上に直接形成する点が、実施の形態1と異なる。より具体的には、本実施の形態では、ロータリ型現像装置34は通常トナー(カラートナー)像を形成するための四個の現像器34a〜34dのみで構成されている点とヒートシールトナー像を形成するためのヒートシールトナーユニット60を備えている点が異なる。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施の形態におけるヒートシールトナーユニット60は、定着装置40の定着ベルト41と対向する位置にヒートシールトナー像を形成する感光体61を配設している。この感光体61の周囲には、感光体61を帯電する帯電装置62と、帯電された感光体上に潜像を形成するための露光装置63と、静電潜像を可視像化するためのヒートシールトナー現像装置65とが配設されている。そして、露光装置63は、ヒートシールトナー画像形成信号を形成するためのヒートシールトナー画像信号形成ユニット64(実施の形態1の335に相当)によって制御され、感光体61を露光するようになっている。
更に、感光体61上に形成されたヒートシールトナー像を定着ベルト41上に転写するための転写装置として、感光体61と定着ベルト41を挟んで対向する位置にバックアップロール66を備えている。
尚、本実施の形態における帯電装置62や露光装置63は、実施の形態1と同様のものを使用しても差し支えない。
次に、本実施の形態における作動について、図9及び図10に基づいて、特に、ヒートシールトナー像G2の形成方法を中心に説明する。
画像形成ユニット30にて通常トナー像G1が形成された画像支持体16は、搬送装置50を経由して定着装置40に搬送される。尚、本実施の形態における定着装置40の条件設定は、実施の形態1と同様に実施されている。
この搬送される画像支持体16の位置情報に同期して、ヒートシールトナー画像信号形成ユニット64からの画像信号により、露光装置63による感光体61への静電潜像書き込みが開始される。そして、感光体61上の静電潜像はヒートシールトナー現像装置65にて現像され、顕像化される。この顕像化されたヒートシールトナー像G2は、感光体61とバックアップロール66との間の転写電界にて定着ベルト41上に転写される。
その後、定着ベルト41上を搬送されたヒートシールトナー像G2は、加熱加圧部(加熱ロール42と加圧ロール46との定着ニップ域)で、通常トナー像G1が形成された画像支持体16上に合わせられる。そして、定着装置40の冷却剥離部を構成しているヒートシンク47や剥離ロール44の位置を通過することで、通常トナー像G1上にヒートシールトナー像G2が定着される。
また、本実施の形態においては、ヒートシールトナー像G2が形成された画像支持体16の上に、被着体(図8のSに相当)を接着する場合、実施の形態1と同様に、定着装置40を利用することでもよいし、図8に示す接着装置を使用することでもよい。尚、定着装置40を接着装置として使用する際、ヒートシールトナー像G2の形成はなされていないことは勿論である。
次に、以下の実施例及び比較例で用いられるヒートシールトナー及び通常トナーの成分である結晶性ポリエステル樹脂A〜L、並びに、非晶性樹脂M〜Qについて予め説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂の作製]
○結晶性ポリエステル樹脂A:セバシン酸/ND/BPA=100/95/5(モル比)
ここで、NDはノナンジオール、BPAはビスフェノールAである。
加熱乾燥した3口フラスコに、セバシン酸202重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は72℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂B:ドデカンジオイック酸/ND/BPS=100/95/5
ここで、BPSはビスフェノールSである。
加熱乾燥した3口フラスコに、ドデカンジオイック酸230重量部と、1,9−ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物16.9重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は23000であり、数平均分子量(Mn)は12000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Bの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は74℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂C:セバシン酸/エチレングリコール/BPS=100/95/5
加熱乾燥した3口フラスコに、セバシン酸202重量部と、エチレングリコール62重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Cの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は72℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂D:セバシン酸/ブタンジオール=100/100
加熱乾燥した3口フラスコに、セバシン酸202重量部と、1,6-ブタンジオール90重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Dとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は13000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Dの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は68℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂E:ドデカンジオイック酸/ヘキサンジオール=50/50
加熱乾燥した3口フラスコに、ドデカンジオイック酸230重量部と、1,6−ヘキサンジオール90重量部と、エチレングリコール136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Eとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量(Mw)は30000であり、数平均分子量(Mn)は14000であった。
また、結晶性ポリエステルEの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は75℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂F:コハク酸/エチレングリコール=50/50(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、コハク酸118重量部と、エチレングリコール62重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Fとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Fの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Fの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は102℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂G:アジピン酸/キシリレングリコール=50/50(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸146重量部と、キシリレングリコール138重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Gとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Gの重量平均分子量(Mw)は19000であり、数平均分子量(Mn)は9000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Gの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は86℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂H:TPA/ND/BPA=50/47.5/2.5(モル比)
ここで、TPAはテレフタル酸、NDはノナンジオール、BPAはビスフェノールAである。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Hの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Hの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は94℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂I:TPA/ND/BPS=50/47.5/2.5
ここで、BPSはビスフェノールSである。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物16.9重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Iとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Iの重量平均分子量(Mw)は23000であり、数平均分子量(Mn)は12000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Iの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は92℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂J:TPA/ND/BPS=50/45/5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール144重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物31.6重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Jの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Jの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は90℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂K:TPA/ND=50/50
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール160重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Kとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Kの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は13000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Kの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は95℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂L:TPA/ND/BPA=50/47.5/2.5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンレンオキサイド付加物15.8重量部と、エチレングリコール136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Lとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Lの重量平均分子量(Mw)は43000であり、数平均分子量(Mn)は22000であった。
また、結晶性ポリエステルLの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は96℃であった。
ここで、作製した結晶性ポリエステルA〜Lの一覧を図11に示す。
[非晶性ポリエステル樹脂の作製]
○非晶性樹脂M:TPA/ND/BPA=50/12.5/37.5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール40重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物237重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Mとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Mの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Mの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は58℃であった。
○非晶性樹脂N:TPA/ND/BPA=50/7.5/42.5
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール47重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Nとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Nの重量平均分子量(Mw)は12000であり、数平均分子量(Mn)は5600であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Nの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は62℃であった。
○非晶性樹脂O:TPA/BPA=50/50
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物316重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Oとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Oの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステルOの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は82℃であった。
○非晶性樹脂P:TPA/BPA/CHDM=50/40/10
ここで、CHDMはシクロヘキサンジメタノールである。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物253重量部と、シクロヘキサンジメタノール28.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間撹拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Pとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Pの重量平均分子量(Mw)は10000であり、数平均分子量(Mn)は4500であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Pの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は62℃であった。
○非晶性樹脂Q:スチレン-ブチルアクリレート共重合樹脂
スチレン 328重量部
nブチルアクリレート 72重量部
アクリル酸 6重量部
ドデカンチオール 6重量部
四臭化炭素 4重量部
上記成分を混合した溶液と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま重合を行った。
得られたラテックスを真空乾燥して非晶性樹脂Qを得た。
示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ58℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ33000であった。
作製した非晶性ポリエステル樹脂M〜Qの一覧を図12に示す。
また、作製したカラートナー現像剤a〜cについて説明する。
○カラートナー現像剤a:
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62℃、Mn=6000、Mw=12000)を用い、これを100重量部に対して、イエロートナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロー5重量部、マゼンタトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部、をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、D50=7μmの微粒子を作製した。
この微粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子a及びbを高速混合機で付着させた。
無機微粒子aはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子bはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
このトナーのTtは110℃となった。
Acolor635(富士ゼロックス社製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
○カラートナー現像剤b:
予め、次の方法で樹脂粒子分散液、離型剤分散液及び顔料分散液を製造した。
・樹脂粒子分散液(1)
スチレン 340重量部
nブチルアクリレート 65重量部
アクリル酸 6重量部
ドデカンチオール 6重量部
四臭化炭素 4重量部
上記成分を混合した溶液と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと撹拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから撹拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま重合を行った。
得られたラテックスは、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂微粒子(有機微粒子)の体積平均粒子径(D50)を測定したところ200nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ60℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ33000であった。
・離型剤分散液(1)
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR) 3重量部
イオン交換水 150重量部
上記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、離型剤微粒子の体積平均粒子径(D50)が200nmの離型剤分散液を得た。
・顔料分散液(1)
銅フタロシアニン顔料(BASF社製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR) 8重量部
イオン交換水 150重量部
上記成分を超音波分散機(ホンダW−113)で20分間分散し、体積平均粒子径(D50)が180nmの青色顔料分散液を得た。
・顔料分散液(2)
ピグメントレッド122(大日精化社製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンRK) 8重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、超音波分散機(ホンダ社製、W−113)で30分間分散し、体積平均粒子径(D50)が150nmの赤色顔料分散液を得た。
・顔料分散液(3)
ピグメントイエロー180(クラリアント社製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンRK) 8重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、超音波分散機(ホンダ社製、W−113)で30分間分散し、体積平均粒子径(D50)が200nmの黄色顔料分散液を得た。
・顔料分散液(4)
カーボンブラック(キャボット社製、モーガルL) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンRK) 6重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を超音波分散機(ホンダ社製、W−113)で20分間分散し、体積平均粒子径(D50)が200nmの黒色顔料分散液を得た。
次に、上述の樹脂粒子分散液、離型剤分散液及び顔料分散液を使い、以下のステップでカラートナー現像剤bを作製した。
・凝集粒子の調製
樹脂粒子分散液(1) 260重量部
離型剤分散液(1) 40重量部
顔料分散液(1)〜(4)の何れか 40重量部
ポリ塩化アルミニウム 3重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら50℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を52℃まで上げてその温度を保持して凝集粒子を得た。この凝集粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ5.0μmであり、体積平均粒子分布係数(GSDv)は1.24であった。
・樹脂微粒子の付着
前記の凝集粒子分散液に樹脂粒子分散液(1) を70重量部穏やかに加え、そのまま30分間加熱撹拌を行って、凝集粒子表面に樹脂微粒子を付着させた。この付着粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ5.5μmであり、GSDvは1.23であった。
・融合・合一
この付着粒子分散液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5.0に調整しで粒子の分散を安定化した後90℃になるまで加熱して、加熱融合合一した。
・アルカリ処理
融合合一粒子分散液を70℃まで冷却した後、水酸化ナトリウムを加えてpHを10に調整し、そのまま1時間加熱処理を行って界面活性剤を除去した。
・第一の純水による洗浄
アルカリ処理後の融合合一粒子分散液をろ過して母液を取り除いた後、トナー粒子に対し6倍量の純水で洗浄しろ過し、この操作を3回行った。3回目のろ液の電導度を測定したところ78uS/cmであった。また、そのときのトナー粒子を乾燥してXPSにより測定したところ、粒子表面のナトリウム量は炭素と酸素の合計量に対して1.3%であった。
・酸性溶液による洗浄
第一の純水による洗浄を終了した後、粒子を再び6倍量の純水に分散させ、硝酸を加えてpHを5に調整して撹拌した後ろ過を行った。
・第二の純水による洗浄
更に、粒子を再び6倍量の純水に分散して洗浄しろ過した。その後、乾燥してカラートナー現像剤bの4色のトナー粒子を得た。
そして、この各色のトナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンターで測定したところ5.4〜5.6μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.23〜1.25であった。なお、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minでトナーのガラス転移点を測定したところ57℃であった。
これらのトナー粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子a及びbを高速混合機で付着させた。
無機微粒子aはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.5重量部)である。無機微粒子bはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.5重量部)である。
このトナーのTtは110度となった。
これらのトナー7重量部とDocuCentre Color 500(富士ゼロックス社製)用の各色の現像剤と同じキャリア100重量部とを混合して、シアン、マゼンタ、イエロ及びブラックの二成分現像剤を作製した。
○カラートナー現像剤c:
予め、次の方法で樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を作製した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂H150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
・着色剤分散液(1)の調製
シアン顔料250部(大日精化社製:ECB−301)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
・着色剤分散液(2)の調製
マゼンタ顔料250部(大日精化社製:ECR−186Y)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、着色剤分散液(1)と同様の方法で溶解、分散し、着色剤(マゼンタ顔料)を分散させてなる着色剤分散液(2)を調製した。
・着色剤分散液(3)の調製
イエロー顔料250部(クラリアントジャパン社製:Hansa Brill.Yellow 5GX03)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、着色剤分散液(1)と同様の方法で溶解、分散し、着色剤(イエロー顔料)を分散させてなる着色剤分散液(3)を調製した。
・着色剤分散液(4)の調製
カーボンブラック250部(キャボット社製:リーガル330)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、着色剤分散液(1)と同様の方法で溶解、分散し、着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液(4)を調製した。
・離型剤分散液の調製
離型剤350部(理研ビタミン社製:リケマールB−200、融点:68℃)、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水635部を混合し、ウォータ−バス上にて90℃に加熱させたままホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、離型剤分散液を調製した。
次に、上述の樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を使い、以下のようにしてカラートナー現像剤cを作製した。
樹脂粒子分散液(1)800部、樹脂粒子分散液(2)800部、着色剤分散液(1)〜(4)の何れかを52部、離型剤分散液66部、塩化カルシウム5部(和光純薬社製)、イオン交換水100部を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH4.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで撹拌しながら加熱した。65℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が作製されていることが確認された。
更に1時間、65℃で加熱撹拌を保持した後光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである凝集粒子が作製されていることが確認された。
この凝集粒子分散液のpHは3.8であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5wt%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した。この凝集粒子分散液を撹拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の降温速度で30℃まで温度を下げて粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより電子写真用トナー粒子cを得た。
得られたトナー粒子cについて、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径5.5μm、個数平均粒子径は4.6μmであった。この粒子を光学顕微鏡で観察したところ、形状は球形であった。
電子写真トナー粒子cに、表面疎水化処理した、平均1次粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)0.8wt%と、メタチタン酸100重量部にイソブチルトリメトキシシラン40重量部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部で処理した反応生成物である平均1次粒子径20nmのメタチタン酸化合物微粒子1.0wt%とを、ヘンシェルミキサーにて5分間添加混合した。その後45μmの篩分網で篩分して電子写真用トナーcを作製した。
これらのトナーのTtは80℃となった。
これらのトナー7重量部とDocuCentre Color 500(富士ゼロックス社製)用の各色の現像剤と同じキャリア100重量部とを混合して、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの二成分現像剤を作製した(カラートナー現像剤c)。
作製したカラートナー現像剤a〜cの一覧を図13に示す。
◎実施例1
本実施例は、以下の条件にて行った。
○トナー画像形成装置
画像形成装置として、実施の形態1のカラー画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度は160mm/sである。ソリッド画像部分でのカラートナーの現像量が各色とも0.5mg/cmとなるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。
○カラートナー現像剤
カラートナー現像剤aを使った。
○ヒートシールトナー現像剤
本実施例で使用したヒートシールトナーは、予め、樹脂粒子分散液及び離型剤分散液を次の方法で作製した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂A150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂M150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
・離型剤分散液の調製
離型剤350部(理研ビタミン社製:リケマールB−200、融点:68℃)、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水635部を混合し、ウォータ−バス上にて90℃に加熱させたままホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、離型剤分散液を調製した。
上述の樹脂粒子分散液及び離型剤分散液を使用して、次のようにしてヒートシールトナーを作製した。
樹脂粒子分散液(1)800部、樹脂粒子分散液(2)800部、離型剤分散液66部、塩化カルシウム5部(和光純薬社製)、イオン交換水100部を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH4.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで撹拌しながら加熱した。65℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が作製されていることが確認された。
更に1時間、65℃で加熱撹拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである凝集粒子が作製されていることが確認された。
この凝集粒子分散液のpHは3.8であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5wt%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した。この凝集粒子分散液を撹拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の降温速度で30℃まで温度を下げて粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより電子写真用トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径5.5μmであった。この粒子を光学顕微鏡で観察したところ、形状は球形であった。
更に、得られた電子写真トナー粒子に、表面疎水化処理した、平均一次粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)0.8wt%と、メタチタン酸100重量部にイソブチルトリメトキシシラン40重量部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部で処理した反応生成物である平均1次粒子径20nmのメタチタン酸化合物微粒子1.0wt%とを、ヘンシェルミキサーにて5分間添加混合した。その後45μmの篩分網で篩分して電子写真用トナーを作製した。
このトナーのThは75℃となった。
これらのトナー7重量部とDocuCentre Color 500(富士ゼロックス社製)用の各色の現像剤と同じキャリア100重量部とを混合して、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの二成分現像剤を作製した。
○画像支持体
画像支持体には、坪量157GSMのミラーコートプラチナ紙を使った。
○定着装置
定着ベルトは、厚さ80μmの導電性カーボンが分散されたポリイミドフイルムに、50μm厚みのKE4895シリコーンRTVゴム(信越化学工業社製)を塗布したものを用いた。
また、二つの加熱ロール(加熱ロール及び加圧ロール)は、アルミニウム製の芯材の上に2mm厚みのシリコーンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール表面の温度は双方ともに90℃から150℃の間で変化させた。
定着速度は30mm/秒とした。
剥離位置(剥離ロール位置)での画像支持体の温度は60℃となっている。
以上の装置で、ポートレート写真トナー画像とヒートシールトナー像が定着された画像支持体を出力した。
この画像支持体上のヒートシールトナー像部に坪量108GSMのOK特アート紙(王子製紙社製)を3×3cmに切り抜いた紙片を重ね、図8の接着装置の加熱部に挿入した。接着ロール表面の速度は30mm/sとし、また、接着温度は80℃から160℃の範囲で変化させ、ヒートシールトナー像部にOK特アート紙とを接着した。ここで、ヒートシールトナー像部は紙片に対して各辺が2mmはみ出すように形成されている。
また、使用したトナー材料の評価は以下のように行った。
分子量の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィを用いた。溶剤にはTHFを用いた。
トナーの平均粒径はコールターカウンタを用いて測定して、重量平均のD50を適用した。
更に、樹脂の粘度は、回転平板型レオメータ(レオメトリックス社製:RDAII)を用いて、角速度1rad/sのもとで測定した。
視感反射率Yの測定は以下の手順で実施した(図4参照)。
ヒートシールトナー像のトナー粒子を富士ゼロックス社製のカラー用OHPシート上に、通常のヒートシールトナー像と同じ厚みで現像して、透明画像を作った。
この透明画像の表面と裏面(OHPシート面)に顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たした。
これをライトトラップ上において、X−rite968で測色してY’を測定した。
熱可塑性樹脂を塗布していないOHPフィルムの表面と裏面に顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たし、同様の手順でYを測定した。そして、視感反射率YはY’−Yで算出した。
◎実施例2
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bと非晶性樹脂Nの2種類に変更したこと以外は実施例1と同様にしてカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂N150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Thは78℃である。
◎実施例3
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cと非晶性樹脂Mの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂C150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂M150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Thは75℃である。
◎実施例4
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bと非晶性樹脂Mの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂M150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Thは76℃である。
◎実施例5
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Gと非晶性樹脂Oの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂G150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂O150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Thは90℃である。
◎実施例6
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bと非晶性樹脂Qの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂Q150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Thは80℃である。
◎実施例7
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Eと非晶性樹脂Pの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂E150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂P150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Thは78℃である。
◎実施例8
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Hと非晶性樹脂Mの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂H150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂M150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Thは94℃である。
◎実施例9
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Iと非晶性樹脂Nの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂I150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂N150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Thは93℃である。
◎実施例10
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Jの1種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂J150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Thは91℃である。
◎実施例11
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bの1種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Thは76℃である。
尚、実施例1〜11の一覧を図14に示す。
◎比較例1
ヒートシールトナーの樹脂を非晶性樹脂Pの1種類に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
非晶性樹脂P150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Thは105℃である。
◎比較例2
ヒートシールトナーの樹脂を非晶性樹脂Mの1種類に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
非晶性樹脂M150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Thは115℃である。
◎比較例3
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Fと非晶性樹脂Oの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂F150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂O150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Thは110℃である。
◎比較例4
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Gと非晶性樹脂Oの2種類に変更したこと、カラートナー現像剤をcに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂G150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂O150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Thは90℃である。
◎比較例5
ヒートシールトナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bの1種類に変更したこと、カラートナー現像剤をcに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を形成した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ社製)にて混合撹拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
このヒートシールトナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Thは76℃である。
尚、比較例1〜5の一覧を図15に示す。
実施例及び比較例での画像評価は次の項目について行った。
−機械的強度−
実施例と比較例において得られたヒートシールトナー像が形成された画像支持体を半径の異なる金属ロールに巻きつけ、ひび割れを発生しない最小半径を調べた。この半径が、
5mm未満の場合:○
5mm以上30mm未満の場合:△
30mm以上の場合:×
とした。
−耐熱性−
実施例と比較例において得られたヒートシールトナー像が形成された画像支持体の表面同士を接触させて重ね(ヒートシールトナー像形成面を接触させた状態)、30g重/cm(約0.294N/cm)荷重を加えた状態で、一定温度に保たれた恒温槽に入れ、3日間経過した後に、約22℃の室温に戻して剥離した。また、恒温槽の温度を変化させながらこの試験を繰り返した。画像表面が破壊した温度が、
55℃以上の場合:○
40℃以上55℃未満の場合:△
40℃以下の場合:×
とした。
−定着温度(低温定着性)−
実施例と比較例で得られたヒートシールトナー像が形成された画像を、画像面が内側になるように折り曲げ、その上を50mmφの銅製のソリッドロールを転がした。この際にトナー画像の欠損幅が1mm以下になったときの定着装置の加熱ロール表面温度が、
110℃未満の場合:○
110℃以上150℃未満の場合:△
150℃以上の場合:×
とした。
−固化速度−
固化の速さは以下のように評価した。
定着装置から出力された画像が完全に固化していて、手で触っても指紋等がつかない場合:○
定着装置から出力された画像が完全に固化していないものの、画像表面に欠陥なく出力でき、次の出力画像が重なっても画像表面の平滑性に問題がなかった場合:△
定着装置から出力された画像が固化しておらず、画像表面にが平滑でなく、光沢ムラを生じていたり、剥離ロールを過ぎてもベルトに画像がくっついていて剥離できなかった場合:×
−接着温度(低温接着性)−
実施例と比較例で得られた画像(接着済みの画像)の被着体(OK特アート紙)の表面にスコッチメンディングテープの粘着面を重ねた。その上を50mmφの銅製のソリッドロールを転がした後、端部からテープを剥離した。この際に被着体とヒートシールトナー像との剥離が見られなくなったときの接着ロールの表面温度が、
90℃未満の場合:○
90℃以上120℃未満の場合:△
120℃以上の場合:×
とした。
−総合画質−
実施例と比較例で得られた画像(接着済みの画像)の被着体表面にスコッチメンディングテープの粘着面を重ね、その上を50mmφの銅製のソリッドロールを転がした後、端部からテープを剥離した。この際に被着体とヒートシールトナー像との剥離が見られなくなったときの接着ロールの表面温度のもとで得られた画像の総合的な好ましさを、以下の5段階のカテゴリー分類させて評価した。
非常に好ましい:5点
好ましい:4点
普通:3点
好ましくない:2点
非常に好ましくない:1点
被験者は10人で、10人の点数の平均点が、
3.5点以上の場合:○
2.5℃点以上3.5点未満の場合:△
2.5点未満の場合:×
とした。
以上の画像評価結果を図16に示す。
図16によれば、実施例1〜実施例11の画像は、機械的強度、耐熱性、低温定着性、固化速度をすべて満たす画像が得られた。また、この画像と被着体との接着性もよく、かつ低温で接着できた。更に、接着後(接着工程を経過した後)の画像においても総合画質も高く、好ましい画像が得られている。
これに対して比較例1〜5では、ヒートシールトナー像と被着体との接着温度が高いか、若しくは接着後の画像においては、トナー画像が乱れており、総合画質として好ましい画像が得られなかった。
本発明が適用された画像構造の概要を示す説明図である。 本発明に係る画像形成工程を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態1で用いられるヒートシールトナー像の溶融混合性の指標である視感反射率の測定装置例を示す説明図である。 実施の形態1の要部を示す説明図である。 (a)は実施の形態1の画像構造を示す平面図であり、(b)は断面図である。 実施の形態1でのカラートナーとヒートシールトナーとの粘度の温度プロファイルを示す説明図である。 実施の形態1の接着装置の変形例を示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態2の要部を示す説明図である。 実施例で用いた結晶性ポリエステル樹脂の一覧を示す説明図である。 実施例で用いた非晶性樹脂の一覧を示す説明図である。 実施例で用いたカラートナー現像剤の一覧を示す説明図である。 実施例の一覧を示す説明図である。 比較例の一覧を示す説明図である。 評価結果の一覧を示す説明図である。
符号の説明
1…通常トナー像,2…画像支持体,3…シート状被着体,4…ヒートシールトナー像,Tt,Th…温度

Claims (25)

  1. 画像支持体上に形成され且つ少なくとも熱可塑性樹脂を含む通常画像情報に基づく通常トナー像と、この通常トナー像の上若しくはその周辺に形成され少なくとも熱可塑性樹脂を含み且つシート状被着体を接着可能にするヒートシールトナー像とを備えた画像構造であって、
    通常トナー像を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、Tt≧Th+10を満足するように設定されることを特徴とする画像構造。
  2. 請求項1記載の画像構造において、
    前記Ttが105℃以上であり且つ前記Thが95℃以下であることを特徴とする画像構造。
  3. 請求項1記載の画像構造において、
    ヒートシールトナーの熱可塑性樹脂は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性樹脂からなることを特徴とする画像構造。
  4. 請求項3記載の画像構造において、
    ヒートシールトナーの熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲内に設定されることを特徴とする画像構造。
  5. 請求項3記載の画像構造において、
    ヒートシールトナーの熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合して形成される樹脂であることを特徴とする画像構造。
  6. 請求項5記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との溶融混合は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とをt分間溶融混合して得られた樹脂を20μmのフィルムにしたときのフィルムの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)としたときに、
    溶融混合時の温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、T≦T≦T+20℃及びt≦t≦10×tの関係を満たすように設定することを特徴とする画像構造。
  7. 請求項6記載の画像構造において、
    溶融混合時の温度T(℃)及び時間t(分)が、T+5℃≦T≦T+10及びt≦t≦3×tを満足するように設定されることを特徴とする画像構造。
  8. 請求項1記載の画像構造において、
    ヒートシールトナーは、少なくとも無機微粒子又は有機微粒子を5〜30重量%の範囲で含むことを特徴とする画像構造。
  9. 請求項3記載の画像構造において、
    非晶性樹脂は、スチレン系樹脂とアクリル系樹脂との共重合体を80重量%以上含むことを特徴とする画像構造。
  10. 請求項3記載の画像構造において、
    非晶性樹脂は、ポリエステル系樹脂を80重量%以上含むことを特徴とする画像構造。
  11. 請求項10記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とは共通のアルコール由来構成成分若しくは共通の酸由来構成成分を備えることを特徴とする画像構造。
  12. 請求項11記載の画像構造のうち、共通のアルコール由来構成成分を備えた態様において、
    非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂と同じ炭素数が6〜12の直鎖脂肪族を含み且つ全アルコール由来構成成分に対し当該直鎖脂肪族が10〜30モル%の範囲に設定され、
    酸由来構成成分は、テレフタル酸、イソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸のいずれかに由来する芳香族と同じ芳香族を含み且つ全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上に設定されることを特徴とする画像構造。
  13. 請求項12記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来構成成分を含み且つ全アルコール由来構成成分に対し直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、更に芳香族系ジオール由来構成成分が2〜15モル%の範囲に設定され、
    非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来構成成分を含み且つ全アルコール由来構成成分に対し直鎖脂肪族成分及び芳香族ジオール由来構成成分を含み、更に芳香族系ジオール由来構成成分が70〜90モル%の範囲であることを特徴とする画像構造。
  14. 請求項3記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が17000〜30000の範囲であり、非晶性樹脂の重量平均分子量が8000〜30000の範囲に設定されることを特徴とする画像構造。
  15. 画像支持体上に請求項1乃至14のいずれかに記載の画像構造を備えた情報媒体において、
    画像支持体は、少なくとも白色顔料と熱可塑性樹脂とを含む光散乱層を備え、当該熱可塑性樹脂の粘度がTh(℃)において10Pa・s以上であることを特徴とする情報媒体。
  16. 画像支持体と、
    請求項1乃至14のいずれかに記載の画像構造と、
    この画像構造のヒートシールトナー像によって当該画像構造上に接着されるシート状被着体とを備えることを特徴とする情報媒体。
  17. 画像支持体上に請求項1記載の画像構造を形成する画像形成装置であって、
    画像支持体上に通常トナー像を形成する通常作像手段と、
    画像支持体上の通常トナー像の上若しくは周辺にヒートシールトナー像を形成する特殊作像手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  18. 請求項17記載の画像形成装置において、
    通常作像手段及び特殊作像手段は、少なくとも画像支持体上の通常トナー像及びヒートシールトナー像を定着する定着手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項18記載の画像形成装置において、
    定着手段は、画像支持体上の画像を挟んで密着する定着部材を有し、画像支持体上の通常トナー像及びヒートシールトナー像を加熱加圧する加熱加圧手段と、この加熱加圧された通常トナー像及びヒートシールトナー像を冷却して定着部材から剥離する冷却剥離手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項18記載の画像形成装置において、
    特殊作像手段は、形成されたヒートシールトナー像を画像支持体上に転写した後、定着手段に導くものであることを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項18記載の画像形成装置において、
    特殊作像手段は、定着手段の定着部材上にヒートシールトナー像を形成し、定着手段の定着ニップ域にて画像支持体上の通常トナー像とヒートシールトナー像とを定着させることを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項1記載の画像構造が形成された画像支持体上にシート状被着体を接着させる後処理装置であって、
    前記画像支持体と前記シート状被着体とがニップ搬送される対構成の搬送部材を有し、
    この搬送部材の少なくとも一方には加熱源を設け、
    通常トナー像を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、前記ニップ部位における温度がTh以上且つTt以下の条件にて加熱することを特徴とする後処理装置。
  23. 画像支持体上に請求項1記載の画像構造を形成し、更にシート状被着体を接着する画像形成装置であって、
    画像支持体上に通常トナー像を形成する通常作像手段と、
    画像支持体上の通常トナー像の上若しくは周辺にヒートシールトナー像を形成する特殊作像手段と、
    前記画像支持体と前記シート状被着体とがニップ搬送される対構成の搬送部材を有し、この搬送部材の少なくとも一方には加熱源を設け、通常トナー像を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、前記ニップ部位における温度がTh以上且つTt以下の条件にて加熱する後処理装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  24. 請求項23記載の画像形成装置において、
    通常作像手段及び特殊作像手段は、少なくとも画像支持体上の通常トナー像及びヒートシールトナー像を定着する定着手段を有し、
    この定着手段が後処理装置を兼用するものであることを特徴とする画像形成装置。
  25. 請求項24記載の画像形成装置において、
    定着手段は、請求項19記載の加熱加圧手段及び冷却剥離手段を有し、
    通常トナー像を構成する通常トナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTt(℃)、ヒートシールトナー像を構成するヒートシールトナーの粘度が10Pa・sとなる温度をTh(℃)とすると、
    定着手段の加熱加圧手段による作用部位温度が、Th以上且つTt以下に設定され、
    冷却剥離手段後端部の作用部位温度が、(Th−10)以下に設定されることを特徴とする画像形成装置。
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