JP2006078545A - 画像構造及び記録媒体並びに画像形成装置及び後処理装置 - Google Patents

画像構造及び記録媒体並びに画像形成装置及び後処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 手間がかからず、安価な方法で再剥離可能な接着層をトナー像面に形成し、この接着層を再剥離可能に接着し、内部情報を隠蔽し、必要なときに再剥離して記載された情報が読めるような画像構造、及び、この画像構造を備えた記録媒体、更に、前記画像構造を作製する画像形成装置や、その後処理を施す後処理装置を提供する。
【解決手段】 画像支持体1上に形成される通常トナー像2と、この通常トナー像2上若しくはその周辺に形成される再剥離可能な接着層となる接着トナー像3とを備えた画像構造であって、前記接着トナー像3を形成するトナー粒子が30℃〜50℃にガラス転移点Tgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmを持つようにした。また、通常作像手段5に加えて接着トナー像を作製可能な接着作像手段6を具備した画像形成装置、更に、画像構造を備えた記録媒体4及びその記録媒体4に対する後処理装置7を対象とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像支持体上に形成されるトナー像による画像構造に係り、特に、通常画像情報に基づく通常トナー像が形成された画像支持体上の任意の場所に再剥離可能な接着層となる接着トナー像が形成される画像構造及びこの画像構造を備えた記録媒体、更には、この画像構造を形成する画像形成装置、更にまた、前記画像構造を備えた記録媒体に対して後処理を施す後処理装置の改良に関する。
従来、各自治体,社会保険庁・国税庁,水道局等やNTT,電力・ガス会社等の公的及び準公的機関からの使用量通知,請求通知,受領書通知、又は銀行,生命保険会社,証券会社等の金融機関からの利用金額案内,残高通知,督促状、更には学校等からの成績通知や受験合否通知書等の個人的プライバシーに係わる書類の郵送が多く、それらは発送者の判断により封書又は葉書の何れかで郵送されていた。しかし、最近、このようなプライバシーに係わる書類の郵送にはプライバシー保護の観点より、また、「プライバシー保護法」の施行と相まって封書が使用されるケースが増えてきた。
封書は葉書と比較し、情報の隠蔽化と多量伝達する事が可能ではあるが、封書の郵送料金は葉書に比べて高いことから、多くのプライバシー書類を扱う公的及び準公的機関金融機関,学校法人関係等で多額の郵送料金費用が掛かる問題があった。その問題の郵送料金を葉書の形態で行なえるようにし、しかも、情報の隠蔽化が可能なようにする種々の葉書用紙が提案されている。その一つに、例えば透明フィルムを介した粘着二つ折り接着葉書(特許文献1〜3参照)や、例えば接着剤含有層上のエッジ部分の全部若しくは一部を除く全面に接着抑制インキ層を設け、接合部のエッジ部分の全部或いは一部を非エッジ部分より強く接着させるようにした再剥離性の感圧接着性葉書(特許文献4参照)や、葉書基材上に記載された情報を剥離可能な隠蔽ラベルで隠蔽するようにした隠蔽ラベル付き葉書(特許文献5参照)等がある。
このような再剥離可能な接着層をもつ文書を作成する方法として、例えば特許文献5を例に挙げると以下のようなものが知られている。
隠蔽ラベルは、表面基材と、表面基材の片面に形成されたポリエチレン層と、ポリエチレン層に積層されたポリエステルフィルムと、ポリエステルフィルムの表面に塗布された接着層とからなり、剥離紙を剥離して葉書基材の表面に貼付する。この隠蔽ラベルを剥離する場合には、表面基材の上向きに剥ぎ取り力を加えると、結合力の弱いポリエチレン層とポリエステルフィルムとの間から剥離され、ポリエステルフィルムが葉書基材上に残されるので、葉書基材上の秘匿情報や表面基材上の公開情報を毀損することはない。
特開昭64−16691号公報(実施例,第2図) 特開平5−58083号公報(実施例,図1〜図4) 特開2003−96411号公報(発明の実施の形態) 特開平2−289393号公報(課題を解決する為の手段,作用,第1図) 特開平5−131781号公報(実施例,図1〜図3) 実開平3−64770号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図) 実開平3−116974号公報(実用新案登録請求の範囲,第1図) 特開2001−255700号公報(発明の実施の形態) 特開2002−91220号公報(発明の実施による形態,図1,図9) 特開2002−341619号公報(発明の実施の形態,図1,図2)
しかしながら、このような従来の再剥離性の接着性葉書にあっては、剥離接着可能な透明フィルムを用いたり、あるいは、接着剤含有層を塗布するようにしたり、あるいは、隠蔽ラベルを別途貼着するようにする等、接着機能部材が別途必要不可欠であり、その分、接着性葉書のコストが嵩むという技術的課題がある。
また、この種の再剥離性の接着性葉書(特許文献1〜5)にあっては、再剥離性の接着機能部材を葉書基材の片面にのみ設けるようにしているため、紙等のシート状のものによく見られる両端が持ち上がるというカール現象が発生し、印刷加工並びにフォーム加工において作業性の効率を妨げるという技術的課題もある。
このとき、前記カール現象を防止するためには、葉書基材の両面に再剥離性の接着機能部材を設けるようにする葉書もあるが、過度の温度又は湿度条件下において、接着機能部材を巻き取った際に葉書の表裏が接着するというブロッキング現象を起こす懸念がある。
更に、これらの再剥離性の接着性葉書は剥離面に記載された情報の隠蔽化を行うことを目的とするが、基材及び接着層のみでは隠蔽力が不足する場合があり、それを補う為に、不透明シートの接着層の介在(特許文献6参照)や地紋印刷加工(特許文献7参照)等を行う必要があり、ますます接着性葉書のコストが嵩む要因になっている。
ところで、機密性の高い葉書を大量に送付する場合には、オフセット印刷などで作製した文書の表面に前述のような隠蔽加工処理、つまり、再剥離可能に接着された樹脂フィルム等の隠蔽ラベルをラミネート処理等の方法で大量処理すればよいが、少量の場合にはそのような作業は一枚当たりの加工コストが非常に高くなってしまうという技術的課題がある。
このため、個人が作製して郵送する年賀状、引越し届、誕生葉書といったものに、このような隠蔽加工を施すことは現実的ではなかった。一方で、このような葉書には、家族の写真、名前、住所、電話番号、e-mailアドレスなど個人的な情報が数多く記載されていることが多く、何等隠蔽加工を施さない場合には個人情報の流出が懸念されていた。
また、近年の電子写真の高画質化、デジタルカメラやフイルムスキャナの普及に伴い、従来は銀塩写真でプリントしていたような写真画像を電子写真方式で出力することも可能となっており、写真のように高画質を目指した小粒径トナーについての報告(特許文献8参照)や、高い光沢をもった出力技術についての報告(特許文献9,10参照)がある。
ここで、電子写真方式でトナー画像を作るには以下のような方法を採用していた。
すなわち、原稿に照明を当て、その反射光をカラースキャナにより色分解したデジタルカラー画像データをもとに、画像処理装置で画像処理、色補正を施して得られる複数色の画像信号を、色別に、例えば半導体レーザなどを用いて変調されたレーザ光線とする。このレーザ光線を、Se、アモルファスシリコンなどの無機感光体、又は、フタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料などを電荷発生層として用いた有機感光体に一色ずつ複数回照射することで、複数個の静電潜像を形成する。この後、これら複数個の静電潜像を例えば、帯電されたY(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の四色のカラートナーで順番に現像する。そして、現像されたカラートナー像を無機または有機感光体から紙やフィルム等の画像支持体に転写し、例えば加熱加圧方式の定着装置にて定着する。こうして、画像支持体上にカラー画像を形成していた。
このような作像方式において、前記カラートナーは、例えばポリエステル樹脂、スチレン/アクリル共重合体、スチレン/ブタジエン共重合体等などの結着樹脂中に、着色剤を分散させてなる平均粒径1〜15μmの粒子に、平均粒径が5〜100nm程度の微粒子、例えば酸化けい素、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機微粒子、又は、PMMA、PVDF等の樹脂微粒子を付着させたものである。また、前記着色剤は、例えば、Y(イエロ)としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、M(マゼンタ)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等である。
また、前記画像支持体としては、パルプ原料を主成分とする普通紙、普通紙の上に樹脂に白色顔料等を混ぜ合わせたコート紙、ポリエステルなどの樹脂に白色顔料を混ぜ合わせた白色フィルムなどを使っていた。例えば特許文献10に記載されているように、特に銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を作る場合には、普通紙、コート紙又は白色フィルムをベースとして、その上に熱可塑性樹脂からなる層を設けた画像支持体が好ましいことが知られている。
更に、前記定着工程では、例えば互いに圧接する一対の定着ロールに白熱ランプなどの加熱源を内蔵させ、この一対の定着ロール間にカラートナー像が転写された画像支持体を通過させることで、前記カラートナーを熱溶融して画像支持体に定着する加熱加圧定着方式、あるいは、シリコンゴムなどの離型層が表面に形成された定着ベルトを複数の張架ロールに掛け渡し、この定着ベルトを挟んで一対の定着ロールを対向配置すると共に、前記定着ロールに白熱ランプなどの加熱源を内蔵させ、カラートナー像が転写された画像支持体に前記定着ベルトを重ね合わせた状態で、一対の定着ロール間に前記画像支持体を通過させてトナー画像を加熱加圧定着し、トナー画像が冷却された後に定着ベルトとカラートナー像とを分離することで、前記カラートナー像を画像支持体に定着する冷却剥離定着方式などが知られている。
特に、銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を作成する場合には、後者の定着方式が好ましいことが知られている。更に、後者の定着方式と前記の熱可塑性樹脂層を設けた画像支持体とを組み合わせることで、画像濃度によらず一様な高光沢が得られる。
このように、近年においては、電子写真技術にて簡単に高光沢のトナー像を作製することが可能になり、この種のトナー像を年賀状等の葉書にして郵送するケースが増えつつある。
この場合、葉書のトナー像に記載された情報を隠蔽することが好ましいが、再剥離可能に接着することは前述のようにそのような目的を果たす隠蔽ラベル等を葉書基材表面に接着する必要があった。しかし、このような作業は手間がかかり、一枚当たりのコストも非常に高く、現実的には隠蔽したい情報を隠さないまま、郵送しているのが実情である。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、年賀状や引越し届などの個人情報や写真などが印刷されたトナー像面を隠蔽するために、手間がかからず、安価な方法で再剥離可能な接着層をトナー像面に形成し、この接着層を再剥離可能に接着し、内部情報を隠蔽し、必要なときに再剥離して記載された情報が読めるような画像構造を提供すること、また、このような画像構造を備えた記録媒体、更には、そのような画像構造を作製するための画像形成装置、あるいは、この種の画像構造を備えた記録媒体に対する後処理装置を提供するものである。
すなわち、本発明は、図1(a)に示すように、画像支持体1上に形成される通常トナー像2と、この通常トナー像2上若しくはその周辺に形成される再剥離可能な接着層となる接着トナー像3とを備えた画像構造であって、前記接着トナー像3を形成するトナー粒子が30℃〜50℃にガラス転移点Tgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmを持つことを特徴とするものである。
このような技術的手段において、画像支持体1上に傾城される通常トナー像2としては、電子写真画像(電子写真方式によって形成される画像)に限定されるものではなく、一般的なトナー(ポリエステル系、スチレンアクリル系などのトナー)を使用するものであれば例えば静電記録画像(静電記録方式により形成される画像)等をも含む。
また、接着トナー像3としては、再剥離可能な接着層を形成するものであればよく、通常トナー像2の上に全部又は一部積層される態様であってもよいし、通常トナー像2の上には積層されずに画像支持体1上に直接積層される態様であってもよいが、例えば画像支持体1を折り曲げた際、あるいは、画像支持体1を重ね合わせた際に接着トナー像3同士が接着することが必要である。
このような画像構造は、例えば接着層を内側に二重に折り曲げた後、Tgより10℃〜20℃程度高い温度で加熱加圧処理することで接着が可能になり、かつ、融点を超えていないために接着層同士が混ざり合って剥離不能となることがない。
また、Tgが30℃未満の場合、折り曲げる前に裏面と重ねて保管した時などにブロッキングといった問題を起こす。また、Tgが50℃を超えると、接着過程において融点を作る成分が動き出し、再剥離できなくなる。
更に、Tmが70℃未満の場合、接着過程において融点を作る成分が動き出し、再剥離できなくなる。Tmが110℃を超えると低温定着ができなくなる上に、定着過程でトナー像を形成する樹脂が過剰に溶融することからトナー像が乱れることになり、粒状性、解像度などの観点から高画質画像を得ることができない。
また、このような画像構造において、接着トナー像3を形成するトナー粒子の熱可塑性樹脂は、示差熱分析で、30℃〜50℃にガラス融点Tgに基づく吸熱Qgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmに基づく吸熱Qmを持ち、0.1<Qg/Qm<0.4を満たすことが好ましい。
このような画像構造は接着条件が多少変動しても再剥離を安定的に行うことができる。
つまり、Qg/Qmが0.1以下の場合、安定的に良好な接着性が得られないし、また、Qg/Qmが0.4以上の場合、安定的に良好な剥離性が得られないが、0.1<Qg/Qm<0.4であれば再剥離を安定的に行うことが可能になる。
更に、この種の画像構造においては、接着トナー像3を形成するトナー粒子の熱可塑性樹脂は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを備え、ガラス転移点Tgが非晶性樹脂単体のガラス転移点Tg’より10℃以上低いことが好ましい。
このような画像構造は接着も良好で、かつ、表面の欠損なく再剥離することができる。
このとき、接着トナー像を形成するトナー粒子(以下必要に応じて接着トナー粒子という)の熱可塑性樹脂を結晶性ポリエステル樹脂及び非晶性樹脂とで構成するようにすれば、溶融温度をある程度低くしつつ機械的強度を向上でき、低温でのブロッキングを防ぐことができる。このため、画像支持体1上に接着トナー像3が形成された段階で倉庫や自動車内等の高温環境下に重ねて保存したときも互いにくっついてしまうという事態を有効に回避することができる。尚、結晶性ポリエステル樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる結晶性ポリエステル樹脂を混合したものでも差し支えなく、また、非晶性樹脂も一種類でもよいが、複数の異なる非晶性樹脂を混合したものであってもよい。
そして、温度条件を上述したように設定した理由は、TgがTg′−10℃を超える場合、融点を作る結晶性ポリエステル樹脂成分とTgを作る非晶性樹脂成分とが一様に混合していないため、非晶性樹脂成分が接着時に混ざり合ってしまい、再剥離において表面欠損を起こすことがあることに基づく。
更にまた、上述した接着トナー粒子の熱可塑性樹脂構造においては、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲であることが好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂が35%未満の場合、再剥離において表面の欠損が起こることがあり、65%を超えると接着性が低下する。
更に、上述した接着トナー粒子の熱可塑性樹脂構造において、両者の樹脂の特性を生かし、安定的に接着、再剥離を可能にするという観点からすれば、接着トナー粒子の熱可塑性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合して得られた樹脂であることが好ましい。
更にまた、これらの樹脂の溶融混合条件としては以下のものが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合する条件として、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを時間t(分)間、溶融混合して得た樹脂を20μmのフィルムにしたとき、このフィルムの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)とし、溶融混合における温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、T(℃)が、T〜T+20の範囲であり、t(分)が、t〜10×tの範囲に設定されることが好ましい。
このような溶融混合条件によれば、安定的に接着、再剥離が可能である。
ここで、視感反射率Yとは、物体面から反射する光束と物体面に入射する光束との比を表し、この視感反射率Yが1.5より大きい場合には十分に溶融混合されていない状態であるため、機械的強度等が低下する。よって、視感反射率Yが1.5%になる条件(溶融混合時の好ましい温度と時間の条件)で、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合させることにした。
また、上述したような溶融混合条件を選定した理由は、TがT℃未満、あるいは、tがt未満の場合、樹脂同士の混合が充分でなく、再剥離時に表面欠損の懸念があり、T+20℃を超える、あるいは、tが10×tを超える場合、樹脂が可塑化してブロッキングを起こしやすくなり、再剥離ができなくなる懸念があることに基づく。
また、接着トナー粒子の好ましい態様としては、結晶性ポリエステル樹脂の乳化液と非晶性樹脂の乳化液とに基づく二種類の乳化粒子を凝集、合一させて作製したトナー粒子であることが好ましい。本態様によれば、このようなトナー粒子からなる画像は、二つの成分の分散度合いが適度であり、安定的に接着、再剥離が可能である。
更にまた、接着トナー粒子の好ましい態様としては、5〜30重量%の無機微粒子又は有機微粒子を含むことが好ましい。このような画像構造は安定的に接着、再剥離が可能な上に、定着過程において固化の速度が速く、接着前の画像がブロッキングするといった問題を回避することができる。
また、通常トナー像を形成するトナー粒子(以下必要に応じて通常トナー粒子という)、接着トナー粒子、画像支持体1の好ましい粘度条件としては、通常トナー粒子の定着温度における粘度が10Pa・s以上、10Pa・s以下であり、かつ、接着トナー粒子の定着温度における粘度が10Pa・s以下であり、かつ、画像支持体1は、白色顔料と熱可塑性樹脂とが少なくとも含まれる光散乱層を有し、定着温度における光散乱層の熱可塑性樹脂の粘度が、10Pa・s以上であることが好ましい。
このような画像構造は定着過程におけるトナー像の乱れが小さく、かつ、白色度も高く、高画質画像となる。
ここで、通常トナー粒子の定着温度における粘度が10未満の場合、トナー粒子の溶融が過剰で粒状性や解像性が低く、10を超えるとトナー画像部の強度が不足するので、再剥離においてトナー像が欠損することがある。
また、接着トナー粒子の定着温度における粘度が10Pa・sを超えると、トナー像の乱れが大きく、高画質が得られないことがある。
更に、画像支持体1において、光散乱層の熱可塑性樹脂の粘度が10Pa・s未満だと、この層が過剰に溶融するため、ブリュスタを起こすことがある。
更に、接着トナー粒子に関し、非晶性樹脂の好ましい態様としては、スチレン系樹脂とアクリル系樹脂との共重合体が80重量%以上含む樹脂である態様が挙げられる。
このような画像構造は、接着層を作る接着トナー粒子の帯電性が良好で、接着層が均一な厚みになりやすく、かつ、強度も高い点で好ましい。
また、接着トナー粒子に関し、非晶性樹脂の別の好ましい態様としては、非晶性樹脂の80重量%以上がポリエステル系樹脂である態様が挙げられる。
このような画像構造は、接着層を作る接着トナー粒子の分散単位が適度であり、再剥離が安定な接着層を提供することができる点で好ましい。
この種の接着トナー粒子の更に好ましい態様としては、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とは共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を備えている態様が挙げられる。
このような画像構造は、接着層を作る接着トナー粒子の分散単位が更に適度であり、再剥離が安定な接着層を提供することができる。
ここで、上述した接着トナー粒子(結晶性ポリエステル樹脂+非晶性ポリエステル樹脂とが共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を具備)の好ましい態様としては、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分である炭素数6〜12の直鎖脂肪族と同じ直鎖脂肪族を含み、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、前記非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分は、テレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲である態様が挙げられる。
このような画像構造は、接着層を作る接着トナー粒子の分散単位が更に適度であり、再剥離が安定な接着層を提供することができる上に、低温定着が可能である点で好ましい。
ここで、非晶性ポリエステル樹脂の直鎖脂肪族成分が10モル%未満の場合、定着温度が高く、接着性がやや低く、30モル%を超えると再剥離性にやや劣る。また、非晶性ポリエステル樹脂の芳香族成分が90モル%未満の場合、二つの樹脂の分散単位が大きくなり、再剥離性にやや劣る。
また、上述した接着トナー粒子の別の好ましい態様としては、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が2〜15モル%の範囲であり、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が70〜90モル%の範囲である態様が挙げられる。
このような画像構造は、接着層を作る接着トナー粒子の分散単位が更に適度であり、再剥離が安定な接着層を提供することができる上に、低温定着が可能である点で好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の直鎖脂肪族成分が85モル%未満の場合、分散単位が小さくなり、再剥離性にやや劣り、98モル%を超えると混合性が下がり、分散単位が大きくなり、再剥離性にやや劣る。
また、芳香族系ジオール由来成分が2モル%未満の場合、混合性が下がり、分散単位が大きくなり、再剥離性にやや劣り、15モル%を超えると、分散単位が小さくなり、再剥離性にやや劣る。
更に、非晶性ポリエステル樹脂が結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ成分を含む場合、直鎖脂肪族成分が10モル%未満の場合、定着温度が高く、接着性がやや低くなり、30モル%を超えると再剥離性にやや劣る。これに対し、芳香族系ジオール由来成分が70モル%未満であると、再剥離性に劣り、90モル%を超えると、定着温度が上昇し、接着性も低い点で好ましくない。
更に、上述した接着トナー粒子の熱可塑性樹脂の好ましい分子量条件としては、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が17000〜30000であり、非晶性樹脂の重量平均分子量が8000〜30000である態様が挙げられる。
いずれかの樹脂の分子量が下限値を割ると、接着層の強度がやや低く、再剥離時に表面欠損を起こす懸念があり、上限値を超えると低温定着性にやや劣る懸念がある。
また、本発明は、上述した画像構造そのものを対象とするが、これに限られるものではなく、上述した所定の画像構造(通常トナー像2+接着トナー像3)を備えた記録媒体4自体をも対象とする。
ここで、記録媒体4としては、通常トナー像2及び接着トナー像3を形成したものであればよく、接着トナー像3を再剥離可能な接着層として用いる前段階のものであってもよいし、勿論、接着トナー像3を最剥離可能な接着層として用いた後段階のものであってもよい。
そして、記録媒体4のうち、接着トナー像3を再剥離可能な接着層として用いた後段階の代表的態様としては、接着トナー像3を介して再剥離可能に画像支持体1を折曲した態様が挙げられる。尚、他の態様としては、二枚の画像支持体1を接着トナー像3を介して接着するという態様もある。
更に、本発明は、上述した画像構造を作製する画像形成装置をも対象とする。
この場合、本発明としては、図1(b)に示すように、画像支持体1上に所定の画像構造(通常トナー像2+接着トナー像3)を形成する画像形成装置において、画像支持体1上に通常トナー像2を形成する通常作像手段5と、画像支持体1上の通常トナー像2の上若しくは周辺に接着トナー像3を形成する接着作像手段6とを備えたものが挙げられる。
本態様において、通常作像手段5と接着作像手段6とは別個独立に設けても差し支えないが、装置構成を簡略化するという観点からすれば、一部を兼用する態様が好ましい。
このような画像形成装置において、通常作像手段5,接着作像手段6の代表的態様としては、少なくとも画像支持体1上の通常トナー像2及び接着トナー像3を定着する定着装置を備えている態様が挙げられる。
本態様において、定着装置の好ましい態様としては、画像支持体1上の画像を挟んで密着する定着部材を有し、画像支持体1上の通常トナー像2及び接着トナー像3を加熱加圧する加熱加圧手段と、この加熱加圧された通常トナー像2及び接着トナー像3を冷却して定着部材から剥離する冷却剥離手段とを備えた態様が挙げられる。
本態様によれば、加熱加圧工程後に冷却剥離すると、画像支持体1上の画像表面部には定着部材の表面性がそのまま転写されるため、定着部材の表面性が良好であれば好ましい画像構造が得られる。
また、この種の画像形成装置において、接着作像手段6の代表的態様としては、画像支持体1上に接着トナー像3を転写した後に定着装置に導く態様が挙げられる。
この場合、定着装置の前段にて画像支持体1上に接着トナー像3を形成し、しかる後に、定着装置にて定着処理を施すことになるが、定着部材による定着過程において、接着層が平滑で、接着時に良好な接着性が得られる。
更に、接着作像手段6の別の代表的態様としては、定着装置の定着部材上に接着トナー像3を形成し、定着装置の定着ニップ域にて画像支持体1上の通常トナー像2と接着トナー像3とを定着させる態様が挙げられる。
この場合には、定着装置の定着部材上に接着トナー像3を形成し、定着ニップ域にて定着処理を施すことになるが、未定着の通常トナー像2上若しくはその周辺に接着層となる接着トナー像3を静電気的に転写する必要がないので、通常トナー像2を乱すことなく、接着層を形成することができる。
更に、本発明は、図1(b)に示すように、上述した画像構造が形成された記録媒体4に対し所定の後処理を施す後処理装置7をも対象とする。
この場合、本発明に係る後処理装置7としては、画像支持体1上に所定の画像構造(通常トナー像2+接着トナー像3)が形成され且つ通常トナー像2及び接着トナー像3が内側になるように折り曲げられた記録媒体4(図1(a)参照)を接着トナー像3を介して再剥離可能に接着する接着装置を備え、この接着装置としては、加熱搬送部材とこれに加圧された状態で接触転動する加圧搬送部材とを有し、両搬送部材にて折曲された記録媒体4をニップ搬送し、記録媒体4ニップ搬送時に接着トナー像3温度がガラス転移点Tg+20℃以上、融点Tm−10℃以下である態様が挙げられる。
ここで、後処理装置7としては、接着装置を備えていればよく、折曲機構については特に備えておらず、例えば手動や別の装置にて折曲処理されたものについて後処理する態様も含む。
また、接着装置の温度条件としては、記録媒体4ニップ搬送時に接着トナー像3温度がガラス転移点Tg+10〜Tg+20℃、かつ、融点Tm−10℃以下であることが必要である。
この場合、Tgより10℃〜20℃程度高い温度で加熱加圧処理することで接着が可能になり、かつ、融点を超えていないために接着層同士が混ざり合って剥離不能となることがない。
また、この種の後処理装置7の代表的態様としては、画像支持体1上に所定の画像構造が形成された記録媒体4を通常トナー像2及び接着トナー像3が内側になるように折り曲げる折り機構と、この折り機構にて折曲された記録媒体4を接着トナー像3を介して再剥離可能に接着する接着装置とを備えたものが挙げられる。
更に、本発明に係る画像形成装置は、上述した後処理装置7を組み込んだものであってもよい。
本態様によれば、「画像形成+後処理(折り曲げ接着処理)」を一連の工程で行うことができる。
ここで、画像形成装置に後処理装置7を組み込んだ態様のうち、装置構成を簡略化するには、通常作像手段5及び接着作像手段6が、少なくとも画像支持体1上の通常トナー像2及び接着トナー像3を定着する定着装置を備えている態様において、前記定着装置が接着装置を兼用する態様が好ましい。
本態様においては、定着時と接着時とで加熱条件を変更しても差し支えない。
本発明に係る画像構造によれば、画像支持体上に通常トナー像とは別に接着トナー像を形成し、この接着トナー像を形成するトナー粒子のガラス転移点、融点に関して最適化を図り、前記接着トナー像を再剥離可能な接着層として働くようにしたので、隠蔽ラベル等の接着機能部材を別途用いることなく、画像支持体上に再剥離可能な接着層を簡単に形成することができ、その分、通常トナー像による情報を隠蔽した記録媒体を簡単に作製することができる。
更に、この種の記録媒体によれば、画像支持体上の通常トナー像による情報を隠蔽でき、必要なときに、接着トナー像による接着層を再剥離することにより、画像支持体上に記載された情報を読み取ることが可能になるため、個人情報等の秘密情報の流出を確実に回避しながら、安価な構造にて個人情報等の秘密情報を特定のユーザーのみに確実に伝達することができる。
また、この種の画像構造を作製する画像形成装置によれば、画像支持体上に通常トナー像の外に再剥離可能な接着層となる接着トナー像を形成可能としたので、個人情報等の秘密情報が隠蔽可能な記録媒体を、少ないエネルギ消費量にて、安価且つ簡単に得ることができる。
更に、この種の記録媒体に所定の後処理を施す後処理装置によれば、例えば画像支持体を折り曲げ、再剥離可能な接着トナー像を介して画像支持体を接着するようにしたので、画像支持体上の通常トナー像の情報が隠蔽された状態の記録媒体を、少ないエネルギ消費量にて、安価且つ簡単に得ることができる。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2(a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1(図4以降参照)にて得られる画像構造を示し、同図(b)はその断面説明図である。
本実施の形態では、図2(a)(b)に示すように、画像支持体11上には、通常の色成分トナー、例えばイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分トナーから形成されるカラートナー像(通常トナー像に相当)12と、このカラートナー像12の上若しくはその周辺(本例では記録支持体11のエッジ部を除く全域)に形成される再剥離可能な接着層となる接着トナー像13とが設けられ、情報を記録した記録媒体10が形成される。
ここで、カラートナー像12は例えば年賀状や他の個人情報通知書等の各種情報(本文、氏名、住所、電話番号等)を表示するものとして作製されるものであり、一方、接着トナー像13は画像支持体11を例えば図2(a)に示す点線にて折り曲げた際に画像支持体11を再剥離可能に接着し、画像支持体11上のカラートナー像12による各種情報を隠蔽すると共に、必要時に接着層を再剥離することにより、画像支持体11を折り曲げ姿勢から開放姿勢に戻し、画像支持体11上の各種情報を目視可能とするものである。
−画像支持体−
本実施の形態において、画像支持体11は、例えば原紙そのもの、すなわち普通紙であってもよいが、その上に10〜50wt%の白色顔料を分散した樹脂からなる光散乱層を設けた樹脂コート紙であることが好ましい。また、PETなどの熱可塑性の樹脂に20〜40wt%の白色顔料を分散したプラスチックフイルムでもよい。
ここで、前記原紙は、印刷用紙や電子写真用紙に一般的に用いられる材料から選ばれる。すなわち、針葉樹や広葉樹から選ばれる天然パルプや合成パルプを主原料に、必要に応じ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、尿素樹脂微粒子等の填料、ロジン、アルキルケテンダイマー、高級脂肪酸、エポキシ化脂肪酸アミド、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイズ剤、澱粉、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性ポリマー等の定着剤等を添加したものが用いられる。
前記原紙は平滑性及び平面性を付与する目的で、マシンカレンダー、スーパーカレンダー等の装置を用いて熱及び圧力を加えて表面処理していることが好ましい。
また、前記光散乱層に含まれる白色顔料には、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの公知の白色顔料の微粒子を使うことができる。白色度を高めるという観点から酸化チタンを主成分とすることが好ましい。
更に、前記光散乱層に含まれる樹脂は、写真用支持体に用いるようなポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体などの熱可塑性樹脂、また印刷用支持体に用いるようなブタジエンゴムなどの公知の樹脂を使ってよい。写真画像を作る場合には、ポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体が好ましく、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などを好ましく用いる事ができる。
更に、光散乱層には紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光増白剤を添加することが好ましい。このような画像支持体11は白色度が高く、色が鮮やかな画像を提供することができる。
−カラートナー−
本実施の形態において、カラートナー像12を作製するためのトナーとしては、少なくとも熱可塑性の結着樹脂と着色剤とを含有してなる絶縁性の粒子で、イエロトナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が挙げられる。
前記結着樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体があげられる。これらの中でも、低温定着性、定着強度、保存性などのトナー特性を満足し得る点でポリエステル系またはスチレン−アクリル共重合体からなる樹脂が好ましい。
また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000以上40000以下、かつ、ガラス転移点が50℃以上75℃未満であることが好ましい。
前記着色剤には一般にカラー画像作製用に使われる色材を使うことができる。
染料系、顔料系の何れも使うことが可能であるが、耐光性の観点から顔料系の着色剤が好ましい。例えば、Y(イエロ)用としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、M(マゼンタ)用としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)用としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)用としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等である。
好ましくは、色再現範囲を広めるためには、着色剤の顔料とバインダーとの界面での乱反射を抑えることが重要であり、例えば特開平4−242752号公報に示された小粒径の顔料を高分散した着色剤との組合せが有効である。
また、トナー中の色材量については、その種類により分光吸収特性や発色が異なるので最適量も異なる。一般的な範囲である3〜10wt%程度の間で、色再現域を考慮して適宜決定することが好ましい。
前記カラートナーにはWAXが添加されていることが好ましい。
WAXの組成としては実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、WAXとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックスなどが挙げられる。ここで、融点80〜110℃の範囲のWAXが2wt%以上8wt%未満の比率で添加されていることが好ましい。
また、前記カラートナーの粒径は、特に限定する必要はないが、粒状性や階調性の良好な画像を得るという観点から、4μm以上8μm以下が好ましい。
尚、粒状性や調子再現性の良い画像を得るためには、トナーの流動性と帯電性の制御が必要になる。この観点から、前記カラートナーの表面に、無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
前記無機微粒子としては、本実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデンなどが上げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
前記有機微粒子としては、本実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、トナーの表面に該無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高画質な画像を得ることが困難になる。
また、カラートナー像12を形成するトナー粒子は、定着温度における粘度が10以上、10Pa・s以下であることが好ましい。
尚、前記カラートナー像12を形成するトナー粒子は、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて二成分現像剤として使用されるほか、一成分現像剤として、現像スリーブ又は帯電部材との間で摩擦帯電し、静電潜像を現像するように使用することもできる。
−接着トナー−
再剥離可能な接着層となる接着トナー像13を形成するトナー(以下必要に応じて接着トナーという)粒子としては、少なくとも熱可塑性樹脂を含むものであることが必要である。
ここで、熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂の二種類を含むことが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる結晶性ポリエステル樹脂を混合したものでもよい。また、非晶性樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる非晶性樹脂を混合したものでもよい。
本実施の形態において、接着トナー粒子は、30℃〜50℃にガラス転移点Tgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmをもつことが必要となる。
また、30℃〜50℃にガラス転移点Tgに基づく吸熱Qgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmに基づく吸熱Qmを持ち、0.1<Qg/Qm<0.4であることが好ましい。
更に、接着トナー粒子の熱可塑性樹脂のガラス転移点Tgが、非晶性樹脂単体のガラス転移点Tg′よりも10℃以上低いことが好ましい。
また、接着トナー粒子の定着温度における粘度が10Pa・s以下であることが好ましい。
また、接着トナー粒子の熱可塑性樹脂において、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲であることが好ましい。全熱可塑性樹脂の重量に対して、非晶性樹脂の重量比率が35%未満である場合、耐熱性を悪化させる懸念がある。この比率が65%を超えると、機械強度が低下する上に、二つの樹脂を溶融混合して混ぜる場合、溶融混合性が低下して、溶融温度を高める、溶融時間を長くするなどが必要となり、製造性を損なうのみならず、耐熱性も低下する。
前記の結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合する場合において、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを時間t(分)間、溶融混合して得たポリエステル系樹脂を20μmのフィルムにしたとき、このフィルムの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)とすると、溶融混合における温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、Tが、T(℃)〜T+20(℃)の範囲であり、tが、t(分)〜10×t(分)の範囲に設定されることが好ましい。TがT未満、あるいは、tがt未満の場合、混合性が不十分で機械強度の低下、耐熱性の悪化が懸念される。TがT+20を超える、あるいは、tが10×tを超える場合、樹脂の過疎化が起こり、耐熱性の悪化が懸念される。
耐熱性、機械強度の観点から、更に好ましくは、前記Tが、T+5〜T+10(℃)の範囲であり、tが、t(分)〜3×t(分)の範囲に設定するとよい。
また、本実施の形態において、上述した視感反射率Yの測定は、例えば図3に示すように行われる。
同図において、先ず、表面と裏面の散乱成分を除くため、測定する樹脂フィルム(ポリエステル系樹脂からなるフィルム)123を、顕微鏡観察用の透明なカバーガラス121,122で挟み、ガラス121,122と樹脂フィルム123との間を図示外の屈折率マッチング液(テトラデカン)で満たす。この試料120をライトトラップ125上に載置し、光源126からの光を前記試料120に照射すると共に、0/45度の幾何学的測色条件を満たす測色器127(例えばX−rire968など)で反射測定する。尚、ライトトラップ125としては、例えば一端が開口した筒体131の開口側に載置台132を設けると共に、筒体131の内壁を黒塗り等の光吸収部133として構成し、試料120を透過した光をトラップするものであれば適宜選定して差し支えない。
このようにして測ったCIE XYZ表色系におけるYの値が、視感反射率Yと一致する。測定すべき樹脂フィルム123が透明で、かつ、カバーガラス121,122も透明な場合、Yはほとんど0となる。つまり、Yの値は樹脂フィルム123内部の散乱成分の強さと対応する。このとき、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との溶融混合が不十分だと、この樹脂からなるフィルム123の散乱強度は強く、大きなYの値を示す。一方、前記両樹脂の混合性が高まると散乱が減り、この樹脂フィルム123のYは小さくなる。従って、Yは溶融混合性の指標となる。
また、測定する樹脂フィルム123の膜の厚みは20μmであることが好ましいが、散乱が2%以下の場合には、Yの大きさは膜の厚みに略比例するので、樹脂フィルム123の厚みが正確に20μmでない場合には、厚みで換算してYを算出してもよい。
ここで、樹脂フィルム123の作製方法は、均質で均一な厚みの膜を形成するという目的を損なわない限り、特に限定しない。但し、溶剤に溶かして塗ると混合した樹脂が分離して、均質な膜ができないことがある。そこで、ホットプレートなどの上に平滑で離形性がよい基材をおき、この基材上で樹脂を溶かしてエリクセンやバーコーターなどで塗布し、基材から膜を剥離する方法で膜を得ることができる。この際にホットプレートの温度が溶融混合温度を超えると混合状態が変化するので、混合温度に対して20℃程度は低い温度に設定する必要がある。
また、基材上に作った膜(樹脂フィルム123)をPETフィルムなどの透明フィルムに重ね、加熱加圧した後に基材を剥離して透明フィルムに転写したものを使って、Yを測定してもよく、この試料の反射率Yから転写フィルム自体の反射率Yを引き算すると、測定されるべき樹脂フィルム123に対するYが算出できる。
次に、接着トナー粒子に用いられる結晶性ポリエステル樹脂、非晶性樹脂について説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂]
前記結晶性ポリエステル樹脂は融点が70℃〜110℃以下であり、好ましくは80℃〜100℃である。また、重量平均分子量は15000〜40000であり、低温定着性、機械強度の観点からより好ましくは17000以上、30000以下である。尚、本実施の形態において、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の吸熱ピークのトップの値を用いる。
また、本実施の形態において、「結晶性ポリエステル樹脂」の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。また、前記結晶性ポリエステル樹脂に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が少量であり、示差走査熱量測定(DSC)において明確な吸熱ピークを有するならば、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
樹脂の柔軟性を高めるため、前記結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数2から14の直鎖脂肪族であることが好ましい。
前記アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-エイコサンジオール、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。定着性と耐熱性の観点から、これらのうち炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールであることが好ましく、炭素数が9のノナンジオールを用いることがより好ましい。
溶融混合性、低温定着性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、上記炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールを85〜98モル%の範囲で含むことが好ましい。
前記酸由来構成成分となるための酸としては、脂肪族系または芳香族系の種々のジカルボン酸が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4'-ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸がこれにあたる。
低温定着性、機械強度の点で好ましく、溶融混合性を良好に保つという観点からすれば、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることが好ましい。
また、溶融混合性を高めるため、2〜12.5モル%の範囲で第三成分を共重合することが好ましい。第三成分の比率が減ると溶融混合性が低下し、混合温度を高める、あるいは、混合時間を長くしなければならず、製造性が悪化するのに加えて、耐熱性を悪化させることになる。また、第三成分の比率がこの範囲を超えると、溶融混合性は高まる一方で、結晶性が低下して耐熱性が悪くなる。耐熱性が悪化すると、接着前の画像自体を高温の倉庫や車内に放置した状態での保管において、接着層トナー部がブロッキング、オフセットなどの問題点を起こす。
第三成分としては、溶融混合性を高める観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のジオール成分を用いることが好ましい。耐熱性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、アルコール由来の第三成分が2〜15モル%の範囲にあることが好ましく、更に好ましい範囲は3〜8モル%の範囲である。
また、第三成分として、溶融混合性の観点から酸由来構成成分を加えてもよい。酸由来構成成分を二種類以上加えることで結晶性が低下して溶融混合性が高まる。結晶性が低下することによる耐熱性悪化をなくすには、全酸由来構成成分に対するこの第三成分の比率は10%以下であるのが好ましい。
第三成分としては、主成分が脂肪族ジカルボン酸の場合には、芳香族ジカルボン酸が挙げられ、主成分が芳香族ジカルボン酸の場合には、脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。すなわち、二塩基酸と二価アルコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応させることによりオリゴマーを得、次いで真空下で重縮合反応を行って合成することができる。また、例えば特公昭53−37920号公報に記載のように、ポリエステルの解重合法によっても得ることができる。また、二塩基酸としては、ジカルボン酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステル交換反応を行なった後、重縮合反応を行なっても、ジカルボン酸を用いて直接エステル化、次いで重縮合反応を行なってもよい。
例えば、二塩基酸と二価アルコールを、大気圧下180〜200℃で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を1mmHg以下の高真空にすると共に、200〜230℃に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱して結晶性ポリエステル樹脂を得る。
[非晶性樹脂]
前記非晶性樹脂はガラス転移点が好ましくは55〜65℃である。
非晶性樹脂はスチレンアクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂が好ましい。
非晶性スチレンアクリル系樹脂の重量平均分子量は20000〜40000の範囲が好ましい。また、非晶性ポリエステル系樹脂の重量平均分子量は8000〜30000の範囲が好ましい。
そして、低温定着性、混合性の観点から、第三成分を共重合してもよい。
また、非晶性ポリエステル系樹脂の場合、前記結晶性ポリエステル樹脂と共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を持つことが溶融混合性を高める上で好ましい。
特に、非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分が直鎖脂肪族成分で、酸由来構成成分の主成分が芳香族系成分である場合、同じ直鎖脂肪族のアルコール由来構成成分を全ジオールに対して10〜30モル%の範囲で含み、同じ酸由来構成成分の芳香族系成分を全酸由来構成成分に対して90モル%以上含むことで、低温定着性を満たす上に、溶融混合性が高められ、低温で溶融混合でき、耐熱性の良好な混合物を得ることができる。
更に、非晶性ポリエステル樹脂の第三成分としてアルコール由来構成成分である芳香族系成分を含む場合、同じ芳香族系成分を非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分として、全アルコール由来構成成分に対してこの芳香族系成分を70〜90モル%の範囲で含むことが、溶融混合性、耐熱性、低温定着性の観点から特に好ましい。
前記非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様、特に制限はなく、前述のような一般的なポリエステル重合法で製造することができる。
前記酸由来構成成分としては、結晶性ポリエステルに関して挙げた芳香族系、および脂肪族系の種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。前記アルコール由来構成成分としては、種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステルに関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。また、非晶性ポリエステル樹脂の場合は酸由来構成成分、アルコール由来構成成分とも複数の成分を含んでもよい。
また、接着トナー粒子は熱可塑性樹脂以外に、WAX、無機微粒子、有機微粒子などを添加することも好ましい。
但し、熱可塑性樹脂80wt%以上の比率で構成されることが好ましい。80wt%未満の場合、粘度が高くなる、耐熱性が低下するなどの問題点を生ずる懸念があることによる。
また、無機微粒子を3〜15wt%添加することが特に好ましい。
前記無機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。また、樹脂への分散性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
無機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときには十分な接着性を得ることが困難になる。
無機微粒子を添加することで、定着後の樹脂の固化が早まる。
添加量が3wt%を下回ると固化を早める効果がほとんどなく、15wt%を超えると定着温度における粘度があがるため、所望の定着温度において十分な接着性を得ることが困難になる。
更に、無機微粒子としては、その主成分が粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカであることが好ましい。このような無機微粒子は白色度を損なうことがない上に、添加量が少量であっても固化を早めることができる。
また、有機微粒子を添加しても定着後の樹脂の固化を早めることができる。
前記有機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、タルク、カオリンクレー、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときには十分な接着性を得ることが困難になる。
WAXの組成としては、本実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、WAXとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックスなどが挙げられる。ここで、融点80℃以上110℃以下のWAXが0.2重量%以上8重量%未満の比率で添加されていることが好ましい。
また、樹脂中に、無機微粒子、その他の添加物を混合する方法は、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散するという目的を満たせば、特に限定する必要はなく、公知の混合方法を使うことができる。
例えば、押出し式混練機を使って、溶融した樹脂のなかに、白色顔料とその他の添加物を混合していく方法、また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物、さらに界面活性剤を水中に入れて、高速攪拌して水分散して混合する方法がある。特に、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散するという観点から、溶融混合することが好ましい。
更に、接着トナー粒子の作製方法は、再剥離可能な接着層となる接着トナー像13を画像支持体11上の任意の位置に形成できる目的を満たす限り特に限定されるものではない。
例えば、予め、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを所定の条件下にて溶融混合しておき、この樹脂とその他の添加物とを混ぜて溶融押し出し法などで混合し、粉砕機で所望の粒子サイズに粉砕し、粒度分布を整えるために分級する方法をとることができる。
また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物を溶融押し出し法などで混合し、これをクレアミックスなどの加熱可能な分散機で水中にトナー粒子サイズに分散した水分散物を作り、真空乾燥して粒子にする方法をとることができる。
更に、接着トナー粒子は、結晶性ポリエステル樹脂の乳化液と非晶性樹脂の乳化液とに基づく二種類の乳化粒子を凝集、合一させて作製したトナー粒子であることも好ましい。
すなわち、樹脂をクレアミックスなどの加熱可能な分散機で水中にサブミクロンサイズで分散した水分散物を作り、無機微粒子、その他の添加物を分散した水分散物と混合した後、凝集剤を添加してトナーサイズの粒子に凝集させる乳化凝集法を使うことが好ましい。
このようにして二つの樹脂からできた接着トナー粒子のTgは、非晶性樹脂のTg’よりも10℃以上低いことが好ましい。
−画像形成装置−
本実施の形態において、画像形成装置20は、例えば図4に示すように、画像支持体11上にカラートナー像12及び再剥離可能な接着層となる接着トナー像13(図2参照)を形成する画像形成ユニット21と、この画像形成ユニット21にて形成された記録媒体10(画像支持体11+カラートナー像12,接着トナー像13)に対し所定の後処理(本例では折り曲げ処理と接着処理)を施す後処理ユニット23と、前記画像形成ユニット21と後処理ユニット23とを接続する接続ユニット22とを備えている。
本実施の形態において、画像形成ユニット21は、図4及び図5に示すように、画像支持体11にカラートナー像12及び接着トナー像13を形成する作像エンジン30と、この作像エンジン30にて形成された画像支持体11上のカラートナー像12及び接着トナー像13を定着させる定着装置40とを備えている。尚、符号38,39は画像支持体11を供給する供給トレイを示す。
[作像エンジン]
本実施の形態において、作像エンジン30としては、カラートナー像12のみならず、接着トナー像13をも作製するものであり、公知の電子写真方式の画像形成装置が挙げられる。ここで、作像エンジン30の作像方式としては、各色成分トナー像及び接着トナー像の作像サイクルを複数回繰り返す複数サイクル作像方式に限らず、各トナー像に対応して作像ユニットを複数具備させ、一回のサイクルにて各トナー像を順次作像するタンデム型作像サイクルなど適宜選定して差し支えない。但し、任意の位置に接着トナー像13を形成するための構成要素を付設することが好ましい。
より具体的に述べると、作像エンジン30としては、例えば複数サイクル作像方式を例に挙げると、例えば感光体(例えば感光体ドラム)31の周囲に、図示外の帯電装置と、各色成分トナー像及び接着トナー像に対応する静電潜像を露光書込みする露光装置33と、感光体ドラム31上の各静電潜像を対応するカラートナー又は接着トナーにて現像する現像装置34と、感光体ドラム31上の各トナー像を画像支持体11上に転写する転写装置とを備えたものがある。
そして、転写装置としては、感光体ドラム31上のトナー像を直接画像支持体11に転写する方式もあるが、本例では、感光体ドラム31に対向する中間転写体(例えば中間転写ベルト)35を有し、一次転写装置36にて感光体ドラム31上のトナー像を中間転写ベルト35に一旦転写した後、二次転写装置37にて中間転写ベルト35から画像支持体11上にトナー像を転写する方式が用いられる。
また、接着トナー像13を作製するための構成要素としては適宜選定して差し支えなく、例えば装置の小型化という観点からすれば、同一の感光体ドラム31に対して接着トナー像を作製することが好ましい。
ここで、感光体としては、特に制限はなく公知のものでよく、単層構造のものであってもよいし、多層構造で機能分離型のものであってもよい。また、材質としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機ものであってもよいし、有機のものであってもよい。
また、帯電装置には、例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などのそれ自体公知の手段を使うことができる。
更に、露光装置33には、半導体レーザ、走査装置及び光学系からなるレーザ走査装置(ROS:Raster Output Scanner)、そして、LEDヘッドなどの公知の露光手段を使うことができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい実施の形態を考えると、ROS又はLEDヘッドを使うことが好ましい。
本例では、露光装置33は、原稿32に照明ランプ331からの光を照射し、原稿32からの反射光をカラースキャナ332にて色分解し、これを画像処理装置333にて画像処理した後、ROS334を通じて感光体ドラム31の露光ポイントに静電潜像書込光を照射するようになっている。
また、本実施の形態では、ROS334には接着トナー像作製用の画像信号形成装置25が付設されており、接着トナー像13を形成する場合には、画像信号形成装置25からの画像信号でROS334を通じて感光体ドラム31の露光ポイントに静電潜像書込光を照射するようにすればよい。このとき、画像支持体11上の所望の位置に形成すべき接着トナー像13に対応した領域に静電潜像を形成するようにすることが必要である。
また、本実施の形態において、現像装置34としては、例えばイエロ、シアン、マゼンタ、ブラックの各色成分トナー及び接着トナー(接着層となる接着トナー像を形成するトナー)が収容された現像器34a〜34eを搭載したロータリ型現像装置が用いられる。
ここで、現像装置34に搭載された各現像器34a〜34eは、感光体ドラム31上に均一で且つ解像度の高いトナー像を形成できるという目的を満たす限り、一成分、二成分を問わず公知の現像器を使うことができるが、粒状性が良好で且つ滑らかな画像再現が可能であるという観点からすれば、二成分現像方式の現像器が好ましい。尚、本例では、ロータリ型現像装置34を用いたが、これに限られるものではなく、例えば感光体ドラム31の周囲に各現像器34a〜34eを選択的に使用できるように併設してもよいことは勿論である。
また、中間転写体35には、絶縁性または半導電性のベルト材料、絶縁性または半導電性の表面を持つドラム形状のものを使うことができるが、連続した画像作製時において安定的に転写性を維持し、装置を小型化できるという観点から、半導電性のベルト材料が好ましい。このようなベルト材料としては、カーボンファイバーなどの導電性のフィラーを分散した樹脂材料からなるベルト材料が知られている。この樹脂としては、例えばポリイミド樹脂が好ましい。
更に、一次転写装置36及び二次転写装置37としては、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、感光体ドラム31と中間転写ベルト35又は中間転写ベルト35と画像支持体11との間に電界を作り、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段、あるいは、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで画像支持体11又は中間転写ベルトの裏面をコロナ帯電して、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段など、公知の手段を使うことができる。
本例では、一次転写装置36としては、中間転写ベルト35のうち感光体ドラム31の対向部位に転写コロトロンを配設したものが用いられ、また、二次転写装置37としては、中間転写ベルト35及び画像支持体11を挟む一対の転写ロール37a及びバックアップロール37bを配設し、転写ロール37a及びバックアップロール37b間に転写電界を作用させるようにしたものが用いられる。
尚、感光体ドラム31及び中間転写ベルト35には残留トナーを清掃するためのクリーナが通常設けられている。
[定着装置]
また、本実施の形態において、定着装置40としては適宜選定して差し支えないが、ベルト状定着部材(定着ベルト41)を有し、このベルト状定着部材にて画像支持体11上の画像を加熱加圧する加熱加圧装置と、加熱加圧された後に画像支持体11を冷却剥離する冷却剥離装置とを備えることが好ましい。
ここで、ベルト状定着部材には、ポリイミド等の樹脂フィルム、ステンレスなどの金属フィルムを用いることができる。耐熱温度が高く、離型性が良いことが求められるため、耐熱性のベース基材に離型層を積層したものが好ましい。ベース基材としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂フィルム、ステンレスベルトなどの金属ベルトを使うことが好ましい。また、離型層にはシリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などを使うことが好ましい。
安定な剥離性を維持したり、ほこりなどによる汚れを軽減するためには、導電性カーボン粒子や導電性ポリマー等の導電性の添加剤を分散する等により抵抗値が調整されていることが好ましい。
また、形状はシート状のものであってもよいが、無端ベルト形状のものを使うことも好ましい。また、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上であることが好ましい。
また、前記加熱加圧装置には、公知のものを使うことができる。
例えば一定速度で駆動された一対のロールの間にベルト状定着部材41及び画像が形成された画像支持体11を挟んで駆動するものが挙げられる。
ここで、このロールの一方または両方ともに、例えば内部に熱源を備える等の装置で、その表面が透明トナーの溶融する温度に加熱されており、かつ、二つのロールは圧接されている。好ましくは、一方または両方のロール表面にはシリコンゴムまたはフッ素ゴム層が設けられていて、加熱加圧される領域の長さが1〜8mm程度の範囲にあることがよい。
また、定着における加熱ロール、加圧ロールの表面温度は、両ロールが圧接する領域の後端部(定着ニップ域出口側)におけるカラートナー像の粘度が104Pa・s以下となるように調節されていることが好ましい。
更に、前記冷却剥離装置としては、ベルト状定着部材にて加熱加圧された画像支持体11を冷却した後に剥離部材にて画像支持体11を剥離するものが挙げられる。
このとき、冷却手段としては、自然冷却でもよいが、装置の大きさの観点から、ヒートシンクまたはヒートパイプ等の冷却部材を使って冷却速度を速めることが好ましい。また、剥離部材としては、剥離爪をベルト状定着部材と画像支持体11の間に挿入する態様や、剥離位置に曲率の小さなロール(剥離ロール)を設けて剥離させる態様が好ましい。
特に、本例では、定着装置40は、適宜数(本例では3つ)の張架ロール42〜44に掛け渡される定着ベルト(例えば表面にSiゴムが塗布されたベルト材を使用)41と、この定着ベルト41の入口側に位置する張架ロールを加熱可能に構成した加熱ロール42と、この定着ベルト41の出口側に位置する張架ロールを画像支持体11が剥離可能となるように構成する剥離ロール44と、前記加熱ロール42に対向して定着ベルト41を挟んで圧接配置される加圧ロール(必要に応じて熱源を付加して差し支えない)46と、定着ベルト41の内側に設けられ且つ加熱ロール42から剥離ロール44に至る途中で定着ベルト41を冷却する冷却部材としてのヒートシンク47とを備えている。
尚、定着装置40と作像エンジン30の画像支持体11への画像転写部位との間には例えば搬送ベルトからなる搬送装置50が配設されている。
−接続ユニット−
本実施の形態において、接続ユニット22は、図4に示すように、ユニット筐体の上部にインサータ74を有し、ユニット筐体の内部には画像形成ユニット21から排出された記録媒体10(画像支持体11にカラートナー像12及び接着トナー像13を形成したものに相当)を搬送する第1搬送路71と、前記インサータ74から挿入された記録媒体を搬送する第2搬送路72とを出口付近で合流するように配設し、第1搬送路71の途中には記録媒体のカールが調整可能なデカーラ73を配設すると共に、両搬送路71,72の合流部分には図示外の排出ロールを設けたものである。
ここでいうインサータ74は、画像形成ユニット21以外で処理された記録媒体あるいは別の種類の記録媒体を後処理ユニット23に導くためのものである。
−後処理ユニット−
本実施の形態において、後処理ユニット23は、図4に示すように、ユニット筐体内部の側方に開設された記録媒体入口と記録媒体出口とを略直線的に結ぶ直線搬送路81と、この直線搬送路81の途中から分岐して下方側に迂回して配置される迂回搬送路82とを備え、この迂回搬送路82の途中に折り機構90を配設すると共に、この折り機構90の下流側に位置する迂回搬送路82から分岐した分岐搬送路83には接着装置100を配設したものである。
尚、直線搬送路81と迂回搬送路82との分岐部位には切替ゲート84が、また、迂回搬送路82と分岐搬送路83との分岐部位には切替ゲート85が夫々配設されており、直線搬送路81及び分岐搬送路83の出口部位には夫々排出トレイ86,87が設けられている。
[折り機構]
ここで、折り機構90は、後処理ユニット23に取り込まれた記録媒体10を少なくとも二つ折りする機構であれば適宜選定して差し支えなく、例えば図6に示すように、迂回搬送路82の途中に設けられて記録媒体10の先端を受け止め且つ記録媒体10の大きさに応じて上下動可能なエンドガイド91と、このエンドガイド91に受け止められた記録媒体10の中央部に対応した折り位置に配設される一対の折りロール92と、迂回搬送路82の折り位置の直前に配設されるニップリリース可能なスキュー補正ロール(搬送ロールを兼用)93とで構成されている。尚、図6中、符号88は直線搬送路81、迂回搬送路82中に配設される適宜数の搬送ロールである。
[接着装置]
本実施の形態において、接着装置100は、折り機構90にて折り曲げられた記録媒体10を接着トナー像13を介して再剥離可能に接着するものであり、公知の加熱加圧装置を使うことができる。その一例を図7に示す。
同図において、接着装置100は、例えば一定速度で駆動された一対の接着ロール101,102の間に折り曲げられた記録媒体10を挟んで駆動するものである。
ここで、この接着ロール101,102の一方または両方ともに、例えば内部に熱源103を備える等の装置で、その表面が接着トナー(透明トナー)の溶融する温度に加熱されており、かつ、二つの接着ロール101,102は圧接されている。好ましくは、一方または両方の接着ロール101,102表面にはシリコンゴムまたはフッ素ゴム層が設けられていて、加熱加圧される領域の長さが1〜8mm程度の範囲にあることがよい。
また、両接着ロール101,102表面温度は、両ロールが圧接するニップ領域出口側端部における接着トナー像13の粘度が103Pa・s以下となるように調節されていることが好ましい。また、この部分における接着トナー像13の温度が融点Tm℃以上であることが好ましい。
−制御系−
本実施の形態において、図8(a)に示すように、画像形成ユニット21には作像操作パネル111が設けられ、作像制御装置112が前記作像操作パネル111からの操作指示に応じて作像制御処理を実行するようになっている。
また、後処理ユニット23には後処理操作パネル113が設けられ、後処理制御装置114が前記後処理操作パネル113の操作指示に応じて後処理制御処理を実行するようになっている。
特に、本実施の形態では、作像操作パネル111には、図8(b)に示すように、選択可能な作像モードとして、通常作像モード(単色モード、二色モード、フルカラーモード……)、接着作像モード(接着トナー像13を作製するモード)、後処理モード(折曲処理モード、接着処理モード……)が設けられており、作像制御装置112は画像形成ユニット21のみならず、後処理制御装置114を介して接続ユニット22、後処理ユニット23をも制御可能になっている。
例えば図2に示すように、画像支持体11上にフルカラーによるカラートナー像12と接着トナー像13とを設け、かつ、画像支持体11を折曲げた後再剥離可能に接着するような場合には、フルカラーモード+接着作像モード+後処理モード(折曲処理モード+接着処理モード)を選択するようにすればよい。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
今、作像操作パネル111にて、フルカラーモード+接着作像モード+後処理モード(折曲処理モード+接着処理モード)を選択したと仮定し、作像スタートスイッチを操作すると、図4及び図5に示すように、先ず、コピーをとる原稿32に照明ランプ331からの光を照射し、その反射光をカラースキャナ332により色分解し、画像処理装置333で画像処理して色補正を施して得られる複数色のカラートナーの画像データ及び接着層形成トナー(接着トナー)の画像データとを色別にROS334を用いて、変調されたレーザ光線とする。
このレーザ光線を感光体ドラム31に一色ずつ複数回照射して複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像については、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの四色のカラートナー、及び、接着トナーを用い、これらをイエロ現像器34a、マゼンタ現像器34b、シアン現像器34c、ブラック現像器34d、接着トナー現像器34eにて順番に現像する。
そして、現像されたカラートナー像12及び再剥離可能な接着層となる接着トナー像13は、感光体ドラム31上から中間転写ベルト35上に一次転写装置(転写コロトロン)36にて順次転写され、中間転写ベルト35上に転写された4色のカラートナー画像12及び接着トナー像13は、二次転写装置37にて画像支持体11に一括転写される(図9(a)参照)。
この後、カラートナー像12と接着トナー像13が転写された画像支持体11は、搬送装置50を経て定着装置40に搬送される。
このとき、カラートナー像12と接着トナー像13は、画像支持体11上に未定着の状態で保持されている。
次に、この定着装置40の作動について説明すると、図10に示すように、加熱ロール42及び加圧ロール46は共にトナーの溶融温度に予め加熱されている。また、二つのロール42,46間には例えば荷重100kg重の力が加えられている。更に、二つのロール42,46は回転駆動されており、これに追従して定着ベルト41も駆動されている。
そして、定着ベルト41は、加熱ロール42と加圧ロール46とのニップ部で、カラートナー像12と再剥離可能な接着層となる接着トナー像13が転写された画像支持体11の表面と接触し、カラートナー画像12と再剥離可能な接着層となる接着トナー像13が加熱溶融される(加熱加圧工程)。
すると、画像支持体11と定着ベルト41とは溶融したカラートナー層及び接着トナー層を介して接着された状態で剥離ロール44まで運ばれるが、この間に、定着ベルト41、カラートナー画像12及び画像支持体11はヒートシンク47で冷却される(冷却工程)。
このため、画像支持体11が剥離ロール44に到達すると、剥離ロール44の曲率によって、カラートナー像12と接着トナー像13とは画像支持体11と一体になって定着ベルト41から剥離される(剥離工程)。
以上により、定着装置40による定着工程が終了し(図9(a)参照)、画像支持体11上にカラートナー像12と再剥離可能な接着トナー像13とが定着された記録媒体10が形成される。
しかる後、画像形成ユニット21にて作像された記録媒体10は、図4に示すように、接続ユニット22のデカーラ73を経て後処理ユニット23へと搬送され、後処理ユニット23内の折り機構90、接着装置100を経て排出トレイ87へと排出される。
今、後処理ユニット23内に搬入された記録媒体10は、図6に示すように、折り機構90のエンドガイド91にて受け止められ、スキュー補正ロール93をリリースした状態で折りロール92に引き込まれ、カラートナー像12及び接着トナー像を内側にして二つ折りされる(折曲処理工程)。
この後、二つ折りされた記録媒体10は、図11に示すように、接着装置100の接着ロール101,102のニップ域に挿入される。このとき、両接着ロール101,102のニップ部の温度条件としては、接着トナー像13は軟化するが、流動しない粘度になるように、接着トナー像13のガラス転移点Tgより10℃から20℃程度高く、かつ、融点Tmより10℃〜20℃程度低く設定されている。また、両ロール101,102のニップ荷重は例えば荷重100kg重にて押圧されている。このため、両ロール101,102のニップ域には、接着トナー像13同士が重ねられた状態で軟化し、接着面13aにて接着する(接着処理工程)。
◎実施の形態2
図12は本発明に係る画像形成装置の実施の形態2を示す。
同図において、画像形成装置は、実施の形態1と略同様に構成されるが、実施の形態1と異なる接着トナー像の作製方式を採用したものである。尚、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施の形態では、画像形成ユニット21は、図12に示すように、作像エンジン30側に接着トナー像の作製要素(画像信号形成装置25,接着トナー用現像器34e)を設けるのではなく、定着装置40側に接着トナー像作製装置60を独自に設けるようにしたものである。
ここで、接着トナー像作製装置60は、定着装置40の定着ベルト41と対向する部位に例えば接着トナー像形成用の感光体ドラム61を有している。この感光体ドラム61の周囲には、感光体ドラム61を帯電する帯電装置62と、帯電された感光体ドラム62上に静電潜像を形成する露光装置63と、この露光装置63に対して接着トナー像の形成領域信号を送出する画像信号形成装置64と、感光体ドラム61上に形成された静電潜像を接着トナーにて現像する接着現像装置65と、感光体ドラム61上の接着トナー像を定着ベルト41上に転写する転写装置としての転写ロール66とを備えている。
尚、この接着トナー像作製装置60は通常の電子写真方式の作像方式をそのまま適用することが可能である。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動について説明する。
図12及び図13に示すように、作像エンジン30にて画像支持体11には通常トナー像、例えばカラートナー像12のみが形成され、搬送装置50を経由して定着装置40に搬送される(図9(b)参照)。
一方、接着トナー像作製装置60は、画像信号形成装置64からの画像信号に基づいて感光体ドラム61上に静電潜像を形成し、接着現像装置65にて感光体ドラム61上の静電潜像を接着トナーにて現像し、転写ロール66に転写電界を作用させることにより、感光体ドラム61上の接着トナー像13を定着ベルト41上に転写させる。
この後、定着ベルト41上に転写された接着トナー像13は、加熱ロール42と加圧ロール46とのニップ域で、カラートナー像12が形成された画像支持体11上に位置合わせされ、加熱加圧される。そして、画像支持体11上に各トナー像12,13が形成された記録媒体10は、定着装置40のヒートシンク47にて冷却された後、剥離ロール44にて定着ベルト41から剥離され、画像支持体11上にカラートナー像12及び接着トナー像13が定着される(図9(b)参照)。
このように形成された記録媒体10は、実施の形態1と同様に、接続ユニット22を介して後処理ユニット23に搬送され、折り機構90による折曲処理工程、接着装置100による接着処理工程を経て排出トレイ87へと排出される。
◎実施の形態3
図14は発明が適用された画像形成装置の実施の形態3を示す。
同図において、画像形成装置20は、実施の形態1の画像形成ユニット21のみを備えたものであり、作像エンジン30及び定着装置40を経た記録媒体10(画像支持体11にカラートナー像12及び接着トナー像13を形成した態様)を排出トレイ55に一旦排出するようになっている。
また、本実施の形態では、画像形成装置20とは別に後処理装置150が設けられている。この後処理装置150は、実施の形態1の後処理ユニット23と略同様に折り機構90及び接着装置100を備えている。ここで、図中符号151は後処理装置筐体の上部にインサータ151を有し、後処理装置筐体内部には前記インサータ151から挿入された記録媒体10を搬入搬送路89を経て直線搬送路81へと導くようになっている。尚、実施の形態1と同様な構成要素については同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態によれば、画像形成装置20にて画像支持体11にカラートナー像12及び接着トナー像13が形成された記録媒体10を一旦出力し、別の後処理装置150のインサータ151から前記記録媒体10を取り込み、所定の後処理(折り機構90による折曲処理、接着装置100に接着処理)を施すようにしたものである。
◎実施の形態4
図15は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態4を示す。
本実施の形態において、画像形成装置20は、実施の形態1の画像形成ユニット21のみを備えたものであり、作像エンジン30及び定着装置40を経た記録媒体10(画像支持体11にカラートナー像12及び接着トナー像13を形成した態様)を排出トレイ55に一旦排出するようになっている。
特に、本実施の形態では、前記定着装置40は通常の定着処理とは別に、接着処理モードを選択したときに接着処理を単独で行うようになっている。
この場合において、作像制御装置では、例えば図16に示すような作像条件設定処理が行われるようになっている。
つまり、作像制御装置は、作像モードをチェックし、接着処理モードが選択されている場合には、トナー像の作製処理を停止し、記録媒体搬送系を駆動すると共に、定着装置の定着条件を接着可能条件に設定する一方、接着処理モードが選択されていない場合にはトナー像の作製処理を実行し、定着装置40を作像定着可能条件に設定するようになっている。
また、本実施の形態では、画像形成装置20とは別に後処理装置150が配設されているが、この後処理装置150は実施の形態3と異なり、接着装置100を有しておらず、例えば折り機構90のみを備えている。
従って、本実施の形態によれば、最初に、画像支持体11にカラートナー像12及び接着トナー像13が形成された記録媒体10を一旦出力し、この記録媒体10を例えば後処理装置150の折り機構90にて折曲処理した後、折り曲げられた記録媒体10’を画像形成装置20の例えば手差しトレイ56から取り込み、接着処理モードを選択することにより、定着装置40を接着装置として機能させ、折曲された記録媒体10を接着トナー像13を介して再剥離可能に接着させるようにすることができる。
ここで、接着処理モード時において、加熱ロール42及び加圧ロール46の温度条件は、接着トナー像13が軟化するが、流動しない程度になるように、接着トナー像13のガラス転移点Tgより10℃〜20℃程度高く、かつ、融点Tmより10℃〜20℃低くなるように設定すればよい。
尚、本実施の形態では、折り機構90を有する後処理装置150にて折曲処理を行っているが、例えば画像形成装置20から出力された記録媒体10を手動にて折曲した後に画像形成装置20にて接着処理を行うようにしても差し支えない。
次に、以下の実施例1〜7及び比較例1〜9における接着トナー及びカラートナーで用いられる結晶性ポリエステル樹脂A〜L、並びに、非晶性樹脂M〜Qについて予め説明する。
[結晶性ポリエステル樹脂の作製]
○結晶性ポリエステル樹脂A:セバシン酸/ND/BPA=100/95/5(モル比)
ここで、NDはノナンジオール、BPAはビスフェノールAエチレンオキサイド付加物である。
加熱乾燥した3口フラスコに、セバシン酸202重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は72℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂B:ドデカンジオイック酸/ND/BPS
=100/95/5(モル比)
ここで、BPSはビスフェノールSエチレンオキサイド付加物である。
加熱乾燥した3口フラスコに、ドデカンジオイック酸230重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物16.9重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は23000であり、数平均分子量(Mn)は12000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Bの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は74℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂C:セバシン酸/エチレングリコール/BPS
=100/95/5(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、セバシン酸202重量部と、エチレングリコール62重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Cの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は72℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂D:セバシン酸/ブタンジオール=100/100(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、セバシン酸202重量部と、1,6−ブタンジオール90重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Dとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は13000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Dの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は68℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂E:ドデカンジオイック酸/ヘキサンジオール
=50/50(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、ドデカンジオイック酸230重量部と、1,6−ヘキサンジオール90重量部と、エチレングリコール136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Eとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量(Mw)は30000であり、数平均分子量(Mn)は14000であった。
また、結晶性ポリエステルEの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は75℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂F:コハク酸/エチレングリコール=50/50(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、コハク酸118重量部と、エチレングリコール62重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Fとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Fの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Fの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は102℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂G:アジピン酸/キシリレングリコール=50/50(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、アジピン酸146重量部と、キシリレングリコール138重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて250℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Gとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Gの重量平均分子量(Mw)は19000であり、数平均分子量(Mn)は9000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Gの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は86℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂H:TPA/ND/BPA=50/47.5/2.5(モル比)
ここで、TPAはテレフタル酸である。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Hの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Hの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は94℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂I:TPA/ND/BPS=100/95/5(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物16.9重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Iとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Iの重量平均分子量(Mw)は23000であり、数平均分子量(Mn)は12000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Iの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は92℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂J:TPA/ND/BPS=100/90/10(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール144重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物31.6重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Jとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Jの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Jの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は90℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂K:TPA/ND=100/100(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール160重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Kとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Kの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は13000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Kの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は95℃であった。
○結晶性ポリエステル樹脂L:TPA/ND/BPA=100/95/5(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンレンオキサイド付加物15.8重量部と、エチレングリコール136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Lとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Lの重量平均分子量(Mw)は43000であり、数平均分子量(Mn)は22000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Lの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は96℃であった。
ここで、作製した結晶性ポリエステルA〜Lの一覧を図17に示す。
[非晶性樹脂の作製]
○非晶性樹脂M:TPA/ND/BPS=100/25/75(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール40重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物237重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Mとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Mの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Mの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は58℃であった。
○非晶性樹脂N:TPA/ND/BPS=100/15/85(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9−ノナンジオール47重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Nとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Nの重量平均分子量(Mw)は12000であり、数平均分子量(Mn)は5600であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Nの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は62℃であった。
○非晶性樹脂O:TPA/BPA=100/100(モル比)
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物316重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Oとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Oの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Oの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は82℃であった。
○非晶性樹脂P:TPA/BPA/CHDM=100/80/20(モル比)
ここで、CHDMはシクロヘキサンジメタールである。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物253重量部と、シクロヘキサンジメタノール28.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Pとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶性ポリエステル樹脂Pの重量平均分子量(Mw)は10000であり、数平均分子量(Mn)は4500であった。
また、非晶性ポリエステル樹脂Pの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は62℃であった。
○非晶性樹脂Q:スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸
=100/57/3(モル比)
スチレン 320重量部
nブチルアクリレート 75重量部
アクリル酸 8重量部
ドデカンチオール 6重量部
四臭化炭素 4重量部
上記成分を混合した溶液と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま重合を行った。
得られたラテックスを真空乾燥して非晶性樹脂Qを得た。
示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点(Tg)を測定したところ53℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ33000であった。
ここで、作製した非晶性樹脂M〜Qの一覧を図18に示す。
[カラートナー現像剤]
カラートナー現像剤a:
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62℃、Mn=6000、Mw=12000)を用い、これを100重量部に対して、イエロートナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロー5重量部、マジェンタトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部、をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=7μmの微粒子を作製した。
この微粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子x及びyを高速混合機で付着させた。
無機微粒子xはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子yはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
このトナーのTtは110度となった。
Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
カラートナー現像剤b:
予め、次の方法で樹脂微粒子分散液、顔料分散液、及び離型剤粒子分散液を製造した。
・樹脂微粒子分散液(1)
スチレン 340重量部
nブチルアクリレート 65重量部
アクリル酸 6重量部
ドデカンチオール 6重量部
四臭化炭素 4重量部
上記成分を混合した溶液と、非イオン性界面活性剤(三洋化成社製、ノニポール400)6重量部、及びアニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR)10重量部をイオン交換水550重量部に溶解した溶液をフラスコ中に入れて分散、乳化し、10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウム4重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入した。その後、フラスコ内を窒素で充分に置換してから攪拌しながらオイルバスで系内が70℃になるまで加熱し、5時間そのまま重合を行った。
得られたラテックスは、レーザー回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で樹脂微粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ200nmであり、示差走査熱量計(島津制作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minで樹脂のガラス転移点を測定したところ60℃であり、分子量測定器(東ソー社製、HLC−8020)を用い、THFを溶媒として重量平均分子量(ポリスチレン換算)を測定したところ33000であった。
・離型剤微粒子分散液(1)
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR) 3重量部
イオン交換水 150重量部
上記成分をホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で95℃に加熱しながら十分に分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーに移して分散処理を行い、離型剤微粒子の体積平均粒子径(D50)が200nmの離型剤微粒子分散液を得た。
・顔料分散液(1)
銅フタロシアニン顔料(BASF社製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンR) 8重量部
イオン交換水 150重量部
上記成分を超音波分散機(ホンダW−113)で20分間分散し、体積平均粒子径(D50)が180nmの青色顔料分散液を得た。
・顔料分散液(2)
ピグメントレッド122(大日精化社製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンRK) 8重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、超音波分散機(ホンダ社製、W−113)で30分間分散し、体積平均粒子径(D50)が150nmの赤色顔料分散液を得た。
・顔料分散液(3)
ピグメントイエロー180(クラリアント社製) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンRK) 8重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で10分間分散し、超音波分散機(ホンダ社製、W−113)で30分間分散し、体積平均粒子径(D50)が200nmの黄色顔料分散液を得た。
・顔料分散液(4)
カーボンブラック(キャボット社製、モーガルL) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンRK) 6重量部
イオン交換水 200重量部
上記成分を超音波分散機(ホンダ社製、W−113)で20分間分散し、体積平均粒子径(D50)が200nmの黒色顔料分散液を得た。
−凝集粒子の調製−
樹脂微粒子分散液(1) 260重量部
離型剤分散液(1) 40重量部
顔料分散液(1)〜(4)の何れか 40重量部
ポリ塩化アルミニウム 3重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に入れてホモジナイザー(LKA社製、ウルトラタラックスT50)で十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら50℃まで加熱し、その温度で30分間保持した後、さらに加熱用オイルバスの温度を52℃まで上げてその温度を保持して凝集粒子を得た。この凝集粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンター(日科機社製、TAII)を用いて測定したところ5.0μmであり、体積平均粒子径分布(GSDv)は1.24であった。
−樹脂微粒子の付着−
前記の凝集粒子分散液に樹脂微粒子分散液(1)を70重量部穏やかに加え、そのまま30分間加熱攪拌を行って、凝集粒子表面に樹脂微粒子を付着させた。この付着粒子の体積平均粒子径(D50)を測定したところ5.5μmであり、GSDvは1.23であった。
−融合・合一−
この付着粒子分散液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを5.0に調整しで粒子の分散を安定化した後90℃になるまで加熱して、加熱融合合一した。
−アルカリ処理−
融合合一粒子分散液を70℃まで冷却した後、水酸化ナトリウムを加えてpHを10に調整し、そのまま1時間加熱処理を行って界面活性剤を除去した。
−第一の純水による洗浄−
アルカリ処理後の融合合一粒子分散液をろ過して母液を取り除いた後、トナー粒子に対し6倍量の純水で洗浄しろ過し、この操作を3回行った。3回目のろ液の電導度を測定したところ78uS/cmであった。また、そのときのトナー粒子を乾燥してXPSにより測定したところ、粒子表面のナトリウム量は炭素と酸素の合計量に対して1.3%であった。
−酸性溶液による洗浄−
第一の純水による洗浄を終了した後、粒子を再び6倍量の純水に分散させ、硝酸を加えてpHを5に調整して攪拌した後ろ過を行った。
−第二の純水による洗浄−
さらに、粒子を再び6倍量の純水に分散して洗浄しろ過した。その後、乾燥してカラートナー現像剤bの4色のトナー粒子を得た。
この各色のトナー粒子の体積平均粒子径(D50)をコールターカウンターで測定したところ5.4〜5.6μmであり、体積平均粒度分布係数(GSDv)は1.23〜1.25であった。尚、示差走査熱量計(島津製作所社製、DSC−50)を用いて昇温速度10℃/minでトナーのガラス転移点を測定したところ57℃であった。
これらのトナー粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子x及びyを高速混合機で付着させた。
無機微粒子xはSiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.5重量部)である。無機微粒子yはTiO(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.5重量部)である。
このトナーのTtは110度となった。
これらのトナー7重量部とDocuCenter Color 500(富士ゼロックス(株)製)用の各色の現像剤と同じキャリア100重量部とを混合して、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの二成分現像剤を作製した。
カラートナー現像剤c:
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂B 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂H 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
−着色剤分散液(1)の調製−
シアン顔料250部(大日精化社製:ECB−301)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
−着色剤分散液(2)の調製−
マゼンタ顔料250部(大日精化社製:ECR−186Y)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、着色剤分散液(1)と同様の方法で溶解、分散し、着色剤(マゼンタ顔料)を分散させてなる着色剤分散液(2)を調製した。
−着色剤分散液(3)の調製−
イエロ顔料250部(クラリアントジャパン社製:Hansa Brill.Yellow 5GX03)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、着色剤分散液(1)と同様の方法で溶解、分散し、着色剤(イエロー顔料)を分散させてなる着色剤分散液(3)を調製した。
−着色剤分散液(4)の調製−
カーボンブラック250部(キャボット社製:リーガル330)、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水730部を混合し、着色剤分散液(1)と同様の方法で溶解、分散し、着色剤(カーボンブラック)を分散させてなる着色剤分散液(4)を調製した。
−離型剤分散液の調製−
離型剤350部(理研ビタミン社製:リケマールB−200、融点:68℃)、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水635部を混合し、ウォータ−バス上にて90℃に加熱させたままホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、離型剤分散液を調製した。
−電子写真用トナーの調製−
樹脂粒子分散液(1)800部、樹脂粒子分散液(2)800部、着色剤分散液(1)〜(4)の何れかを52部、離型剤分散液66部、塩化カルシウム5部(和光純薬社製)、イオン交換水100部、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH4.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌しながら加熱した。65℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
更に1時間、65℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液のpHは3.8であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した。この凝集粒子分散液を攪拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の速度で30℃まで降温して粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより電子写真用トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径5.5μm、個数平均粒子径は4.6μmであった。この粒子を光学顕微鏡で観察したところ、形状は球形であった。
電子写真トナー粒子に、表面疎水化処理した、平均1次粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)0.8wt%と、メタチタン酸100重量部にイソブチルトリメトキシシラン40重量部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部で処理した反応生成物である平均1次粒子径20nmのメタチタン酸化合物微粒子1.0wt%とを、ヘンシェルミキサーにて5分間添加混合した。その後45μmの篩分網で篩分して電子写真用トナーを作製した。
これらのトナーのTtは80度となった。
これらのトナー7重量部とDocuCenter Color 500(富士ゼロックス(株)製)用の各色の現像剤と同じキャリア100重量部とを混合して、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの二成分現像剤を作製した。
ここで、作像したカラートナー現像剤a〜cの特性一覧を図19に示す。尚。図19において、PESはポリエステルの略、St−BAはスチレン−nブチルアクリレートの略である。
◎実施例1
[トナー画像作製装置]
トナー画像作製装置として、上述した図2のカラー画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度は160mm/sである。ソリッド画像部分でのカラートナーの現像量が各色とも0.5(mg/cm)となるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。
[カラートナー現像剤]
カラートナー現像剤aを使った。
[接着層形成用トナー現像剤]
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂A 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂M 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
−離型剤分散液の調製−
離型剤350部(理研ビタミン社製:リケマールB−200、融点:68℃)、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)、イオン交換水635部を混合し、ウォータ−バス上にて90℃に加熱させたままホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、離型剤分散液を調製した。
−電子写真用トナーの調製−
樹脂粒子分散液(1)800部、樹脂粒子分散液(2)800部、離型剤分散液66部、塩化カルシウム5部(和光純薬社製)、イオン交換水100部、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH4.0に調整した後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で65℃まで攪拌しながら加熱した。65℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
更に1時間、65℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
この凝集粒子分散液のpHは3.8であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した。この凝集粒子分散液を攪拌を継続しながら80℃まで昇温して30分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、合一した球形粒子が観察された。その後イオン交換水を添加しながら10℃/分の速度で30℃まで降温して粒子を固化させた。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより電子写真用トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定したところ、体積平均粒子径5.5μmであった。この粒子を光学顕微鏡で観察したところ、形状は球形であった。
電子写真トナー粒子に、表面疎水化処理した、平均1次粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)0.8wt%と、メタチタン酸100重量部にイソブチルトリメトキシシラン40重量部、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部で処理した反応生成物である平均一次粒子径20nmのメタチタン酸化合物微粒子1.0wt%とを、ヘンシェルミキサーにて5分間添加混合した。その後45μmの篩分網で篩分して電子写真用トナーを作製した。
このトナーのTmは75℃となった。
これらのトナー7重量部とDocuCenter Color 500(富士ゼロクス(株)製)用の各色の現像剤と同じキャリア100重量部とを混合して、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの二成分現像剤を作製した。
[画像支持体]
画像支持体には、坪量157 GSMのミラーコートゴールド紙(王子製(株)製)を使った。
[定着装置]
定着ベルト基材は、厚さ80μmの導電性カーボンが分散されたポリイミドフイルムに、50μm厚みのKE4895シリコンゴム(信越化学工業(株)製)を塗布したものを用いた。
また、二つの加熱ロールは、アルミニウム製の心材の上に2mm厚みのシリコンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール表面の温度は双方ともに90℃から150℃の間で変化させた。
定着速度は30mm/秒とした。
剥離位置での画像支持体の温度は60℃となっている。
[作像手順]
以上の装置で、ポートレート写真トナー像(通常トナー像)と再剥離可能な接着層となる接着トナー像とが定着された画像を出力した。
更に、後処理ユニット23の折り機構90にて、前記画像を中央から二つに折り曲げ、画像支持体上の再剥離可能な接着層同士を重ね、図7の接着装置100の加熱部に挿入した。接着ロール表面の速度は30mm/sec.とし、また、接着温度(接着装置における接着層の最高到達温度)は50℃から120℃の範囲で変化させた。再剥離可能な接着層同士を接着した。このとき、再剥離可能な接着層となるトナー像部は画像支持体の大きさよりも、各辺とも約1mm内側になるように作製した。また、接着層となるトナー像の単位面積当たりの現像量は15g/mとなるように調整している。
[トナー材料の評価]
ここで、使用したトナー材料の評価は以下の通り実施した。
分子量の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィを用いた。溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。
トナーの平均粒径はコールターカウンタを用いて測定して、重量平均のd50を適用した。
尚、樹脂の粘度は、回転平板型レオメータ(レオメトリックス社製:RDAII)を用いて、角速度1rad/sec.のもとで測定した。
[視感反射率Yの測定]
Yの測定は以下の手順で実施した(図4参照)。
再剥離可能な接着層となる接着トナー像のトナー粒子を富士ゼロックス(株)製のカラー用OHPシート上に、通常の再剥離可能な接着層となるトナー像と同じ厚みで現像して、透明画像を作った。
この透明画像の表面と裏面とに顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たした。
これをライトトラップ上において、X−rite968で測色してY′を測定した。
熱可塑性樹脂を塗布していないOHPフィルムの表面と裏面とに顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たし、同様の手順でYを測定した。
YはY′−Yで算出した。
◎実施例2
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bと非晶性樹脂Nとの二種類に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
・樹脂粒子分散液(1)の調製
結晶性ポリエステル樹脂B 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
・樹脂粒子分散液(2)の調製
非晶性樹脂N 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Tmは78℃である。
◎実施例3
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cと非晶性樹脂Mとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂C 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂M 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Tmは75℃である。
◎実施例4
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bと非晶性樹脂Mとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂B 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂M 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Tmは76℃である。
◎実施例5
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bと非晶性樹脂Qとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂B 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂Q 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Tmは80℃である。
◎実施例6
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Hと非晶性樹脂Mとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂H 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂M 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Tmは94℃である。
◎実施例7
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Iと非晶性樹脂Nとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂I 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂N 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Tmは93℃である。
ここで、実施例1〜7の一覧を図20に示す。
◎比較例1
接着層形成用トナーの樹脂を非晶性樹脂Pの1種類に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
非晶性樹脂P 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Tmは105℃である。
◎比較例2
接着層形成用トナーの樹脂を非晶性樹脂Mの1種類に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
非晶性樹脂M 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Tmは115℃である。
◎比較例3
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Fと非晶性樹脂Oとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂F 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂O 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Tmは110℃である。
◎比較例4
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Gと非晶性樹脂Oとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をcに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂G 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂O 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Tmは90℃である。
◎比較例5
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bの1種類に変更したこと、カラートナー現像剤をcに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂B 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Tmは76℃である。
◎比較例6
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Gと非晶性樹脂Oとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂G 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂O 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Tmは90℃である。
◎比較例7
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Eと非晶性樹脂Pとの二種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂E 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
非晶性樹脂P 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、100℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(2)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.0μm、Tmは78℃である。
◎比較例8
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Jの一種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂J 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径5.5μm、Tmは91℃である。
◎比較例9
接着層形成用トナーの樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bの一種類に変更したこと、カラートナー現像剤をbに変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
結晶性ポリエステル樹脂B 150部、アニオン界面活性剤15部(第一工業製薬社製:ネオゲンRK)を蒸留水850部中に入れ、140℃に加熱しながらクレアミックス(オルガノ株製)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
この接着層形成用トナーにおいて、体積平均粒子径6.5μm、Tmは76℃である。
ここで、比較例1〜9の一覧を図21に示す。
(画像評価)
−機械強度−
実施例と比較例とにおいて得られた画像支持体を半径の異なる金属ロールに巻きつけ、ひび割れを発生しない最小半径を調べた。この半径が、
10mm未満の場合:○
10mm以上40mm未満の場合:△
40mm以上の場合:×
とした。
−耐熱性−
実施例と比較例とにおいて得られた画像(接着前)の表面と裏面とを接触させ重ね、30g重/cmの加重を付加した状態で、一定温度に保たれた恒温層に入れ、3日間経過した後に、約22℃の室温に戻して剥離した。温度を変化させながらこの試験を繰り返した。画像表面が破壊した温度が、
55℃以上の場合:○
40℃以上55℃未満の場合:△
40℃以下の場合:×
とした。
−低温定着性−
・定着温度の評価
実施例と比較例で得られた画像を画像面が内側になるように折り曲げ、その上を50mmφの銅製のソリッドロールを転がした。この際にトナー像の欠損幅が1mm以下になったときの定着ロールの表面温度が、
110℃未満の場合:○
110℃以上150℃未満の場合:△
150℃以上の場合:×
とした。
−固化速度−
固化の速さは以下のように評価した。
定着装置から出力された画像の冷却剥離して10秒後の固化状態に置いて、
接着層が完全に固化していて、手で触っても指紋等がつかない場合:○
接着層が完全に固化しておらず指紋は若干残るものの、次の出力画像が重なっても画像表面の平滑性に問題がなかった場合:△
接着層が固化しておらず、画像表面も平滑でなく、光沢ムラを生じている。または剥離ロールを過ぎてもベルトに画像がくっついていて剥離できなかった場合:×
−総合画質−
実施例と比較例とにおいて定着温度(定着過程での接着層の最高到達温度)がTm+10℃のもとで得られた画像の総合的な好ましさを、以下の5段階のカテゴリー分類させて評価した。
非常に好ましい:5点
好ましい:4点
普通:3点
好ましくない:2点
非常に好ましくない:1点
被験者は10人で、10人の点数の平均点が、
3.5点以上の場合:○
2.5℃点以上3.5点未満の場合:△
2.5点未満の場合:×
とした。
−接着可能温度−
実施例と比較例とで得られた接着画像を半径の異なる金属ロールに巻きつけ、接着層が剥離しない最小半径を調べた。この半径が20mmとなった時の接着温度が、
70℃未満の場合:○
70℃以上85℃未満の場合:△
85℃以上の場合:×
とした。
−剥離性の評価−
・剥離可能温度の評価
実施例と比較例とにおいて得られた画像(接着済みの画像)の裏面にスイコッチメンディングテープの接着層を重ねた。その上を50mmφの銅製のソリッドロールを転がした後、端部からテープを引き剥がした。この際に再剥離可能な接着層同士が剥離でき、かつ、接着層には多少のキズは残るものの、トナー像自体の欠損がなくなったときの接着装置における接着層の最高到達温度が、
80℃以上の場合:○
70℃以上80℃未満の場合:△
70℃未満の場合:×
とした。
−接着温度範囲−
・接着-剥離ラティチュードの評価
実施例と比較例とにおいて得られた画像(接着済みの画像)の再剥離可能な接着層同士がφ20mmのロールに巻きつけても接着層の剥離が起きない接着可能温度と、剥離可能温度との範囲が、
20℃以上の場合:○
5℃以上20℃未満の場合:△
5℃以下の場合:×
とした。
以上の画像評価結果を図22に示す。
図22によれば、実施例1〜実施例7は、画像要求特性(機械強度、耐熱性、定着温度、固化速度、接着可能温度、剥離可能温度、温度範囲)をすべて満たす画像が得られた。
これに対して、比較例1〜9は、画像要求特性の少なくとも一つを満たさず、満足いく画像が得られなかった。
(a)は本発明に係る画像構造及び記録媒体を示す説明図、(b)は本発明に係る画像形成装置及び後処理装置を示す説明図である。 (a)は本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1にて得られる画像構造を示す説明図、(b)はその断面説明図である。 実施の形態1で用いられる接着トナー像の溶融混合性の指標である視感反射率の測定装置例を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成を示す説明図である。 実施の形態1で用いられる画像形成ユニットを示す説明図である。 実施の形態1で用いられる後処理ユニット中の折り機構の詳細を示す説明図である。 実施の形態1で用いられる後処理ユニット中の接着装置の詳細を示す説明図である。 (a)は実施の形態1で用いられる制御装置を示す説明図、(b)は作像操作パネルにて選択可能な作像モードの一例を示す説明図である。 (a)は実施の形態1に係る画像形成装置の作像工程の一例を示す説明図、(b)は実施の形態2に係る画像形成装置の作像工程の一例を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の定着工程を示す説明図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の接着工程を示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の画像形成ユニットを示す説明図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の定着工程を示す説明図である。 実施の形態3に係る画像形成装置を示す説明図である。 実施の形態4に係る画像形成装置を示す説明図である。 実施の形態4に係る画像形成装置の作像条件設定処理を示す説明図である。 実施例で用いた結晶性ポリエステル樹脂A〜Lの特性一覧を示す説明図である。 実施例で用いた非晶性樹脂M〜Qの特性一覧を示す説明図である。 実施例で用いたカラートナー現像剤a〜cの特性一覧を示す説明図である。 実施例1〜7の一覧を示す説明図である。 比較例1〜9の一覧を示す説明図である。 実施例1〜7及び比較例1〜9の評価結果一覧を示す説明図である。
符号の説明
1…画像支持体,2…通常トナー像,3…接着トナー像,4…記録媒体,5…通常作像手段,6…接着作像手段,7…後処理装置

Claims (26)

  1. 画像支持体上に形成される通常トナー像と、この通常トナー像上若しくはその周辺に形成される再剥離可能な接着層となる接着トナー像とを備えた画像構造であって、
    前記接着トナー像を形成するトナー粒子は30℃〜50℃にガラス転移点Tgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmを持つことを特徴とする画像構造。
  2. 請求項1記載の画像構造において、
    接着トナー像を形成するトナー粒子の熱可塑性樹脂は、示差熱分析で、30℃〜50℃にガラス転移点Tgに基づく吸熱Qgを、かつ、70℃〜110℃に融点Tmに基づく吸熱Qmを持ち、0.1<Qg/Qm<0.4を満たすことを特徴とする画像構造。
  3. 請求項1記載の画像構造において、
    接着トナー像を形成するトナー粒子の熱可塑性樹脂は、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを備え、
    ガラス転移点Tgが非晶性樹脂単体のガラス転移点Tg’より10℃以上低いことを特徴とする画像構造。
  4. 請求項3記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲であることを特徴とする画像構造。
  5. 請求項3記載の画像構造において、
    接着トナー像を形成するトナー粒子の熱可塑性樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合して得られた樹脂であることを特徴とする画像構造。
  6. 請求項5記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを溶融混合する条件として、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性樹脂とを時間t(分)間、溶融混合して得た樹脂を20μmのフィルムにしたとき、このフィルムの視感反射率Yが1.5%になる温度をT(℃)とし、溶融混合における温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、
    T(℃)が、T〜T+20の範囲であり、t(分)が、t〜10×tの範囲に設定されることを特徴とする画像構造。
  7. 請求項3記載の画像構造において、
    接着トナー像を形成するトナー粒子は、結晶性ポリエステル樹脂の乳化液と非晶性樹脂の乳化液とに基づく二種類の乳化粒子を凝集、合一させて作製したトナー粒子であることを特徴とする画像構造。
  8. 請求項1記載の画像構造において、
    接着トナー像を形成するトナー粒子は、5〜30重量%の無機微粒子又は有機微粒子を含むことを特徴とする画像構造。
  9. 請求項1記載の画像構造において、
    通常トナー像を形成するトナー粒子は、定着温度での粘度が10Pa・s以上10Pa・s以下であり、
    接着トナー像を形成するトナー粒子は、定着温度での粘度が10Pa・s以下であり、
    画像支持体は白色顔料と熱可塑性樹脂とが少なくとも含まれる光散乱層を有し、定着温度での光散乱層の熱可塑性樹脂の粘度が10Pa・s以上であることを特徴とする画像構造。
  10. 請求項7記載の画像構造において、
    非晶性樹脂がスチレン系樹脂とアクリル系樹脂との共重合体が80重量%以上含むことを特徴とする画像構造。
  11. 請求項7記載の画像構造において、
    非晶性樹脂が80重量%以上のポリエステル系樹脂であることを特徴とする画像構造。
  12. 請求項11記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とは共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を備えていることを特徴とする画像構造。
  13. 請求項12記載の画像構造において、
    非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分である炭素数6〜12の直鎖脂肪族と同じ直鎖脂肪族を含み、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、
    前記非晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分は、テレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることを特徴とする画像構造。
  14. 請求項13記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が2〜15モル%の範囲であり、
    非晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が70〜90モル%の範囲であることを特徴とする画像構造。
  15. 請求項7記載の画像構造において、
    結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が17000〜30000であり、非晶性樹脂の重量平均分子量が8000〜30000であることを特徴とする画像構造。
  16. 画像支持体上に請求項1〜15のいずれか記載の画像構造を備えたことを特徴とする記録媒体。
  17. 請求項16記載の記録媒体において、
    接着トナー像を介して再剥離可能に画像支持体を折曲したことを特徴とする記録媒体。
  18. 画像支持体上に請求項1記載の画像構造を形成する画像形成装置において、
    画像支持体上に通常トナー像を形成する通常作像手段と、
    画像支持体上の通常トナー像の上若しくは周辺に接着トナー像を形成する接着作像手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  19. 請求項18記載の画像形成装置において、
    通常作像手段及び接着作像手段は、少なくとも画像支持体上の通常トナー像及び接着トナー像を定着する定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  20. 請求項19記載の画像形成装置において、
    定着装置は、画像支持体上の画像を挟んで密着する定着部材を有し、画像支持体上の通常トナー像及び接着トナー像を加熱加圧する加熱加圧手段と、この加熱加圧された通常トナー像及び接着トナー像を冷却して定着部材から剥離する冷却剥離手段とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項19記載の画像形成装置において、
    接着作像手段は、画像支持体上に接着トナー像を転写した後に定着装置に導くことを特徴とする画像形成装置。
  22. 請求項19記載の画像形成装置において、
    接着作像手段は、定着装置の定着部材上に接着トナー像を形成し、定着装置の定着ニップ域にて画像支持体上の通常トナー像と接着トナー像とを定着させることを特徴とする画像形成装置。
  23. 画像支持体上に請求項1記載の画像構造が形成され且つ通常トナー像及び接着トナー像が内側になるように折り曲げられた記録媒体を接着トナー像を介して再剥離可能に接着する接着装置を備え、
    この接着装置は、加熱搬送部材とこれに加圧された状態で接触転動する加圧搬送部材とを有し、両搬送部材にて折曲された記録媒体をニップ搬送し、記録媒体ニップ搬送時に接着トナー像温度がガラス転移点Tg+10〜Tg+20℃、かつ、融点Tm−10℃以下であることを特徴とする後処理装置。
  24. 請求項23記載の後処理装置において、
    画像支持体上に請求項1記載の画像構造が形成された記録媒体を通常トナー像及び接着トナー像が内側になるように折り曲げる折り機構と、この折り機構にて折曲された記録媒体を接着トナー像を介して再剥離可能に接着する接着装置とを備えることを特徴と後処理装置。
  25. 請求項18記載の画像形成装置において、
    請求項23又は24記載の後処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  26. 請求項25記載の画像形成装置のうち、通常作像手段及び接着作像手段が、少なくとも画像支持体上の通常トナー像及び接着トナー像を定着する定着装置を備えている態様において、
    前記定着装置が接着装置を兼用することを特徴とする画像形成装置。
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