JP2009265506A - 画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス速度が1000mm/秒を超える高速機においても、定着性、高画質を維持しつつ、定着エネルギーの低減が可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供する。
【解決手段】トナーを含む現像剤を用いて記録媒体16上にトナー像を形成するトナー像形成手段37と、前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給手段35と、を有し、前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下である画像形成装置である。
【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法などによる静電潜像形成を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法では、帯電、露光工程で感光体表面に静電潜像を形成し、トナーを含む静電潜像現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある)で上記静電潜像をトナー画像として現像し、転写、定着工程を経て画像が可視化される。
近年、プロセス速度が1000mm/秒を超える超高速のオンデマンドの印刷が可能な電子写真方式の印刷機に関し、新聞やダイレクトメールを印刷することを目的とし、オフセット印刷を置き換えるべく検討が進められている。電子写真方式での取り組みとしては、用紙の幅広化対応とともに、速度をアップすることで、実質の印刷ボリュームの向上を図る試みがなされている。
前記定着工程に用いられる加熱式定着装置としては、熱ロール定着方式が一般的であるが、プロセス速度が1000mm/秒を越える高速カラープロセスにおいては、定着の際、定着温度が低いと十分に定着できず、また定着温度が高温になりすぎると、用紙(記録媒体)が伸びたりカールしたりすることが大きな課題となり、十分な定着マージンが得られない場合がある。
これに対し、光を照射することで定着を行うフラッシュ定着では、非接触のため用紙が伸びたりカールが発生したりする心配はないが、高速化によりより大きな定着エネルギーが必要になる。したがって、さらなる高速化のために、省エネルギー化(1ページ定着当りのエネルギー低減)が大きな課題となっている。
この問題に対しては、光エネルギーの低減を図るため、例えば、トナー層を積層した後フラッシュ光により一括で定着させる定着方式において、最上層となる層を形成するトナーのPAS強度が、他のトナー 層を形成するトナー のPAS強度より大きくなるように設定する定着方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、用紙に転写されたトナー像を、その厚みが小さくなるように圧接ローラによって圧接した後に、フラッシュ定着装置からのフラッシュ光を照射して定着させる方法も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−295497号公報 特開2005−241830号公報
本発明の目的は、プロセス速度が1000mm/秒を超える高速機においても、定着性、高画質を維持しつつ、定着エネルギーの低減が可能な画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち本発明の請求項1に係る発明は、トナーを含む現像剤を用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給手段と、を有し、
前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下である画像形成装置である。
請求項2に係る発明は、プロセス速度が1000mm/秒以上であり、前記記録媒体への水分の供給量が500mg/m以上10000mg/m以下である請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る発明は、さらに、光によりトナーを定着する光定着手段を有する請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る発明は、前記水溶性樹脂の水に対する25℃における溶解度が、25g/100g以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る発明は、前記水溶性樹脂が、下記構造式(I)で示される構造単位を含む重合体である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
Figure 2009265506
請求項6に係る発明は、前記重合体の重量平均分子量が8万以上110万以下である請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、トナーを含む現像剤を用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、
前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給工程と、を有し、
前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下である画像形成方法である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、プロセス速度が1000mm/秒を超える超高速機においても、定着性、高画質を維持しつつ、定着エネルギーの低減が可能な画像形成装置が得られる。
請求項2に係る発明によれば、高速機において定着エネルギーを低減しつつより安定した定着性が得られる。
請求項3に係る発明によれば、高速機において定着エネルギーを低減しつつ画質の低下を生じることなく定着性がより向上する。
請求項4に係る発明によれば、高速機において定着エネルギーを低減しつつより確実な定着性が得られる。
請求項5に係る発明によれば。高速機において定着エネルギーを低減しつつより確実な定着性が得られる。
請求項6に係る発明によれば、高速機において定着エネルギーを低減しつつ定着後の画像耐久性も向上する。
請求項7に係る発明によれば、プロセス速度が1000mm/秒を超える高速機においても、定着性、高画質を維持しつつ、定着エネルギーの低減が可能な画像形成方法が得られる。
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
本実施形態の画像形成装置(画像形成方法)は、トナーを含む現像剤を用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段(トナー像形成工程)と、前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給手段(水分供給工程)と、を有し、前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であることを特徴とする。
本実施形態では、トナーの結着樹脂として水溶性樹脂を含む樹脂を用い、このトナーを用いて紙などの記録媒体上に形成されたトナー像に対し、加湿や水噴霧により水分を供給して記録媒体に定着させる。この場合、前記水分供給のみで定着を完了させてもよいし、さらに熱供給や光照射により定着を促進させてもよい。
なお本実施形態において、前記水溶性樹脂とは、常温(25℃)において水に対する溶解度が10g/100g以上である樹脂を意味する。より具体的に、前記溶解度とは、当該樹脂を最大径が0.1mm以下の粒子とし、この粒子を25℃で純水中に投入して 10分以内で水100g当たりに溶解する(目視で液が透明になる)最大樹脂量をいう。本実施形態における以下の溶解度も同様である。
一方、本実施形態における前記非水溶性樹脂とは、水に溶解しない樹脂であり、この場合「溶解しない」とは加熱した温水にも全く溶解しない樹脂を意味する。
本実施形態では、上記水溶性に優れた樹脂と非水溶性樹脂とを特定の比率で配合した樹脂を結着樹脂として用いることにより、高速プロセスにおいても実効的な定着が可能であることが見出された。ここで、上記実効的な定着とは、完全な定着のみを意味するものではなく該完全な定着を補完するものでもよく、少なくとも形成されたトナー像を損傷(画質低下)させることなく記録媒体への密着性(接着性)が向上することをいう。
特に、従来超高速プロセスにおいて採用されてきた光定着方式を組み合わせて用いた場合には、光定着単独の場合に比べて光源のエネルギーを低減させることができるだけでなく、ドット画像や細線画像といった光定着で定着が不十分となりやすい画像部分も十分に定着させることができる。
本実施形態の画像形成装置(画像形成方法)は、帯電工程、潜像形成工程、現像工程、転写工程等といったトナー像形成工程を実施するための各手段(帯電手段、潜像形成手段、現像手段、転写手段等)と、水分供給工程を実施するための手段(水分供給手段)とを含むものである。前記トナー像形成のため各手段は、色ごとの各種類のトナー毎に別個に設けられてもよく、共通の1つないし2つ程度の手段を設けてもよい。各手段を共通して一本化するか各種類のトナー毎に各々別個に設けるかは、装置の小型化、画像形成速度の確保、画質等を考慮して適宜選択することができる。
本実施形態では、高速の画像形成を行うことが好適であるため、各種類のトナー(現像剤)に対応した画像形成ユニットを備えたいわゆるタンデム方式の画像形成装置とすることが望ましい。
前記画像の形成は、像保持体として電子写真感光体を利用した場合、例えば、以下のように行うことができる。まず、電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電荷像を形成する。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーを付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(トナー像形成工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の記録媒体表面に転写される。さらに、記録媒体表面に転写されたトナー像は、記録媒体に供給される水分(必要によりさらに定着器)により定着され、記録媒体に画像が形成される。
本実施形態の画像形成装置に用いられる像保持体(感光体)としては、特に制限はなく従来公知のものが問題なく採用され、単層構造のものであってもよいし、多層構造で機能分離型のものであってもよい。また、材質としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機感光体であってもよいし、有機感光体(いわゆるOPC)であってもよいが、高速・高耐久用としては長寿命であるアモルファスシリコンが望ましい。
帯電手段としては、例えば、導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電装置、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などの非接触型の帯電装置等、それ自体公知の手段を使用することができる。
潜像形成手段としては、半導体レーザー及び走査装置の組み合わせ、光学系からなるレーザーROS、あるいは、LEDヘッドなど、従来公知の露光手段を使用することができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい態様を実現させるためには、レーザーROSまたはLEDヘッドを使うことが好ましい。
画像信号形成装置としては、トナー像を記録媒体表面の所望の位置に形成し得るような信号を形成できる限り、従来公知のいずれの手段を使うこともできる。
現像手段としては、前記感光体表面の静電潜像に、均一で解像度の高いトナー像を形成できるといった機能を有する限り、一成分系、二成分系を問わず従来公知の現像装置を使用することができる。粒状性が良好で滑らかな再現ができ、高速に対応できるという観点から、二成分系の現像装置が好ましい。
転写手段としては、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のローラー、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、感光体と記録媒体または中間転写体との間に電界を作り、帯電した透明トナー粒子からなるトナー像を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで記録媒体または中間転写体の裏面をコロナ帯電して、帯電した透明トナー粒子からなるトナー像を転写する手段など、従来公知の手段を使用することができる。
前記水分供給手段としては、トナー像が形成された記録媒体全面に一定量の水分を供給できる手段であれば特に制限されず、加湿器、スプレーガンなどの水噴霧器、インクジェットノズルなどの液滴飛翔装置、塗布ロールなどの接触供給器等が挙げられるが、本実施形態では、トナー像に対して供給部分が接触することなく水分を供給できることが望ましく、その観点からは、加湿器、水噴霧器などの非接触方式の水分供給手段が好適である。市販装置としては、ローター式加湿機WEKO−RFDi(WEKO製:日本代理店ニッカ株式会社)などがある。本装置は水を約75μmの大きさに噴霧できる。
本実施形態においては、前述のプロセス速度が1000mm/秒以上の高速機においても記録媒体に所定量の水分を供給できることが望ましい。ここで、プロセス速度とは、用紙等の記録媒体が画像を形成する時の記録媒体の移動速度を意味する。
具体的には、プロセス速度が1000mm/秒以上での画像形成において、記録媒体への水分供給量を500mg/m以上10000mg/m以下とすることが望ましく、1000mg/m以上5000mg/m以下とすることがより好適である。
水分供給量が500mg/mに満たないと、該水分がトナー像の定着にほとんど寄与できない場合がある。10000mg/mを超えると、用紙が寄れたり画像が乱れてしまったり記録媒体の取り扱いに支障を来たしたりする場合がある。
なお、本実施形態において水分供給、すなわち水により定着を行っているのは、特に、プロセス速度が1000mm/秒以上の高速機においては、定着液として水を用いて行わないと、高速の記録媒体の搬送にともなって定着液が機内に舞い、装置搬送部を汚したり、液供給後の記録媒体同士の接着が問題になってしまう場合があるからである。
本実施形態における水分供給手段としては、記録媒体への水分供給量を前記好適な範囲とするため、水分を供給された記録媒体の水分量を検出し、それに基づいて水分供給装置における供給量を調整するものであることが望ましい。
具体的には、例えば水分供給装置の下流側に記録媒体の水分量を検出する水分量検出手段を設け、該水分量検出手段の検出情報に基づいて、水分供給量算出手段により用紙などの記録媒体に与えるべき水分量を算出し、算出された水分量を記録媒体に供給するように、水分量供給装置の供給量を調節する。
前記水分量検知手段としては、短時間で検知可能なものが望ましく、電気抵抗方式を用いた含水分量検知手段、マイクロ波透過方式の含水分量検知手段、静電容量方式の含水分量検知手段、さらには水分による赤外線を吸収する検知手段などを採用することができる。
一方、水分量供給装置における供給量の調節方法としては、例えば加湿器を用いて、該加湿器のONとOFFとを切り替えるものや、前記加湿器のON期間とOFF期間との比率を変化させるもの、さらには、水を高速回転するローターによって細かい霧にする装置などが挙げられる。
本実施形態の画像形成装置には、前記水分供給手段に加えて、追加で加熱・加圧あるいは光によりトナー像を定着できる定着手段を併用してもよい。該定着手段としては、従来のトナーを用いた画像形成装置に利用されている公知の定着手段が使用できる。この場合、定着手段において必要とされる定着エネルギーは、前記水分供給手段と併せて用いることにより、単独の定着手段として用いる場合に比べ、20%乃至60%のエネルギーを削減できる。
本実施形態における画像形成に、トナーとして光定着用トナーを用いる場合には、前記定着手段として光定着器(フラッシュ定着器)が用いられるが、その他の場合には、熱ロール定着器、オーブン定着器等が好ましく用いられる。
なお、上記定着手段は、画像形成工程において前記水分供給手段の上流側、下流側のいずれに設けてもよいが、下流側に設けた場合には記録媒体への水分供給後すぐに記録媒体を加熱することとなり、水分が蒸発して水分供給による定着効果が得られにくいため、上流側に設けることが望ましい。
前記熱ロール定着器としては、一般的に一対の定着ロールが対向して圧接された加熱ロール型定着装置が用いられる。一対の定着ロールとしては、加熱ロール及び加圧ロールが対向して設けられ、圧接してニップが形成されている。加熱ロールは、内部にヒーターランプを有する金属製の中空芯金コアに耐油耐熱性弾性体層(弾性層)及びフッ素樹脂等よりなる表面層が順次形成されてなり、加圧ロールは、必要により内部にヒーターランプを有する金属製の中空芯金コアに耐油耐熱性弾性体層および表面層が順次形成されてなる。これらの加熱ロールと加圧ロールとが形成するニップ域に、例えば未定着トナー像が形成された記録媒体を通過させることで、未定着トナー像をある程度定着させることができる。
一方、前記光定着器に用いられる光源としては、通常のハロゲンランプ、水銀ランプ、フラッシュランプ、赤外線レーザ等がある。フラッシュランプの場合の発光エネルギーは、光単独にて定着させる場合には、2J/cm2乃至5J/cm2の範囲が好ましいが、本実施形態では前記水分供給による定着と併用するため、定着エネルギーは1J/cm2以上3J/cm2以下とすることが望ましく、1.2J/cm2以上2.5J/cm2以下とすることがより好適である。
ここで、キセノンのランプ強度を示すフラッシュ光の単位面積当りの発光エネルギーは以下の式(1)で表される。
S=((1/2)×C×V2)/(u×L)×(n×f) ・・・ 式(1)
上記式(1)中、nは一度に発光するランプ本数(本)、fは点灯周波数(Hz)、Vは入力電圧(V)、Cはコンデンサ容量(F)、uはプロセス搬送速度(cm/s)、Lはフラッシュランプの有効発光幅(通常は最大用紙幅、cm)、Sはエネルギー密度(J/cm2)を表す。
光定着の方式としては、複数のフラッシュランプを時間差を設けて発光させるディレイ方式であることが好ましい。このディレイ方式は、複数のフラッシュランプを並べ、各々のランプを0.01ms乃至100ms程度ずつ遅らせて発光を行い、同じ箇所を複数回照らす方式である。これにより一度の発光でトナー像に光エネルギーを供給するのではなく分割して供給できるため、急激な温度上昇を制御することができ耐ボイド性と定着性とを両立することができるものである。
ここで、複数回トナーに対しフラッシュ発光を行う場合、前記フラッシュランプの発光エネルギーは、発光1回ごとの前記単位面積に与える発光エネルギーの総和量を指すこととする。
本実施形態においては、フラッシュランプの本数は1本乃至20本の範囲であることが好ましく、2本乃至10本の範囲であることがより好ましい。また、複数のフラッシュランプ間の各々の時間差は0.1msec乃至20msecの範囲であることが好ましく、1msec乃至3msecの範囲であることがより好ましい。
さらに、フラッシュランプ1本の1回の発光による発光エネルギーは、0.1J/cm2以上2J/cm2以下の範囲であることが好ましく、0.4J/cm2以上0.8J/cm2以下の範囲であることより好ましい。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例として、加熱ロール型定着装置、光定着装置(光定着器)を備えた画像形成装置について図面を用いて説明する。
図1は、前記水分供給手段として水噴霧装置を備えた画像形成装置の一例を示す概略模式図である。この画像形成装置100はプロセス速度(用紙の搬送速度)が1000mm/秒以上の高速機であり、記録媒体としてはロール紙(連続紙)を使用している。図に示すように、画像形成装置100にはロール紙供給部12が配置されている。ロール紙供給部12にセットされたロール紙(連続紙)16は、フィードロール21とピンチロール22により、画像形成部(トナー像形成手段)37へ搬送される。
画像形成部37における現像器38には、後述する本実施形態におけるトナーを用いた現像剤が装填されており、搬送されたロール紙16には、画像形成部37の現像器38で感光体40の上に形成されたトナー像が、転写部42で転写される。次に、ロール紙16に転写されたトナー像は、定着器(定着手段)44によって仮定着され、搬送部39に搬送される。
搬送部39には、水噴霧装置35がロール紙16のトナー像形成側に水噴霧可能なように配置されており、仮定着されたトナー像有無のタイミングに合わせて、あるいは、連続的にロール紙16に水噴霧を行う。この場合、水噴霧はロール紙16の片面側からだけでなく両面側から行ってもよい。
搬送部39には、カッター(後処理手段)33とさらにその下流側に、ロール紙16の先端の通過を検知する用紙センサ46が設けられている。また、用紙センサ46の下流側には、エンコーダ48が設けられており、ロール紙を搬送するロール47に連れ回りして、回転時に一定間隔のパルス信号を出力する。
さらに、用紙センサ46がロール紙16の先端を検知すると、図示しない制御装置へ検知信号を出力するようになっている。次に、制御装置は、エンコーダ48から出力されたパルス信号を受けて、カッター33の駆動タイミングを図り、指定されたサイズの出力紙Pとなるようにロール紙16を切断させる構成である。このように切断された後、出力紙Pは排出トレイ60上に排出される。
本実施形態では、用紙センサ46の位置にはロール紙16の水分量を検知する水分量検知センサも設けられており、ここで検知した情報に基づいて水分量を算出し、図示しない制御回路を介して水噴霧装置35にフィードバックし、水分供給量が所望の範囲となるように噴霧量を変更する。
なお、上記画像形成装置のプロセス速度は、1145mm/秒以上であることがより好ましい。
次に、本実施形態の他の画像形成装置について説明する。
図2は、前記水分供給手段としての水噴霧装置と光定着装置とを備えた画像形成装置の一例について示す概略模式図である。図2に示す画像形成装置は、シアン、マゼンタ、イエローの3色にブラックを加えたトナーによりトナー像形成を行うものを示す。また、この画像形成装置におけるプロセス速度も1000mm/秒以上に設定されている。
図2中、2a〜2dは帯電手段、3a〜3dは感光体(静電潜像保持体)、4a〜4dは現像手段、1a〜1dはクリーニング手段、10はロール媒体15から矢印方向に送り出される記録用紙(記録媒体)、20はシアン現像ユニット、30はマゼンタ現像ユニット、40はイエロー現像ユニット、50はブラック現像ユニット、70a〜70dは転写ロール(転写手段)、71、72はロール、80は転写電圧供給手段、90は光定着器(定着手段)、92は水噴霧装置(水分供給手段)を各々表す。
図2に示す画像形成装置は、帯電手段、露光手段、感光体、および現像手段を含む符号20、30、40、50で示される各色の現像ユニット(トナー像形成手段)と、記録用紙10に接して配置され、記録用紙10を搬送するロール71、72と、各現像ユニットの感光体を押圧するように記録用紙10を介してその反対側に接するように配置された転写ロール70a、70b、70c、70dと、これら3つの転写ロールに電圧を供給する転写電圧供給手段80と、感光体と転写ロールとのニップ部分を図中の矢印方向に通過する記録用紙10の感光体と接触する側に光を照射する光定着器90と、水噴霧装置92と、から構成されている。
なお、シアン現像ユニット20は、感光体3aの周囲には時計回りに帯電手段2a、現像手段4a、クリーニング手段1aが配置された構成を有する。また、感光体3aの現像手段4aが配置された位置から時計回りに帯電手段2aが配置されているまでの間の感光体3a表面に接するように、記録用紙10を介して転写ロール70aが対向配置されている。このような構成は他の色の現像ユニットも同様である。なお、本実施形態の画像形成装置においては、シアン現像ユニット20の現像手段4a内に前記シアントナーを含む現像剤が収納され、他の現像ユニットの現像手段には、各々の色に対応した光定着用のトナーを含む現像剤が収納される。
次に、この画像形成装置を用いた画像形成について説明する。まず、ブラック現像ユニット50において、感光体3dを時計回り方向に回転させつつ、帯電手段2dにより感光体3dの表面を一様に帯電する。次に帯電された感光体3dの表面を露光手段により露光することにより、複写しようとする元の画像のイエロー色成分の画像に対応した潜像が感光体3d表面に形成される。さらに、この潜像上に現像手段4d内に収納されたブラックトナーを付与することによりこれを現像してブラックトナー像を形成する。このプロセスは、イエロー現像ユニット40、マゼンタ現像ユニット30、シアン現像ユニット20においても同様に行なわれ、それぞれ現像ユニットの感光体表面にそれぞれの色のトナー像が形成される。
感光体表面に形成された各色のトナー像は、転写ロール70a乃至70dによる転写電位の作用により、矢印方向に搬送される記録用紙10上に順次転写され、元の画像情報に対応するように記録用紙10の表面に積層されて、最上層からシアン、マゼンタ及びイエローの順に積層されたフルカラーの積層トナー画像が形成される。
次に、この記録用紙10上の積層トナー画像が、光定着器90のところまで搬送され、そこで光定着器90から光の照射を受けて溶融し、記録用紙10にトナー像が仮定着される。続いて、水噴霧装置92により、前記図1に示した画像形成装置の場合と同様に、仮定着されたトナー像有無のタイミングに合わせて、あるいは、連続的に記録用紙10に水噴霧を行う。またこの場合、水噴霧は記録用紙10の片面側からだけでなく両面側から行ってもよい。こうしてフルカラー画像が形成される。
その後、図1に示す画像形成装置と同様に、図示しないカッターや封入封緘装置などの後処理機(後処理手段)による処理を経て、各種の用途に応じた画像として適宜使用される。
<トナー>
次に、本実施形態に用いられるトナーの詳細について、その製造方法と併せて説明する。
本実施形態における水溶性樹脂とは、前述のように常温における水に対する溶解度が一定以上の樹脂であり、水に再溶解しやすく、接触する用紙などの記録媒体に対しわずかな水分で十分な密着性を示す樹脂である。
(水溶性樹脂)
前記水溶性樹脂としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ビニルカプロラクタムポリマー、水溶性アクリル樹脂、水溶性ウレタン樹脂、水溶性エステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂、ポリカルボン酸ナトリウム、ポリカルボン酸アンモニウム、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、アルギン酸ソーダ、スルホン酸ソーダ、ポリビニルピロリドンやピロリドン骨格を含む共重合体、及びその一部に疎水性のアルキル基(例えば炭素数1〜3のアルキル基:メチル基、エチル基、プロピル基等)をグラフトさせたもの等が挙げられる。
本実施形態に用いる水溶性樹脂としては、高速プロセスでのトナーの定着を完全とするため、水に対する25℃における溶解度が、25g/100g以上60g/100g以下であることが望ましく、30g/100g以上50g/100g以下であることがより好適である。
溶解度が25g/100gに満たないと、1000mm/秒以上の高速機で十分な定着が得られない場合がある。60g/100gを超えると、形成されたトナー像が水分で乱れやすくなったり帯電安定性が悪くなったりする場合がある。
上記観点から、前記列記した樹脂の中では、ポリビニルピロリドン、ビニルカプロラクタムポリマーなどが好ましく、特に下記構造式(I)で示される構造単位を含む重合体、すなわちピロリドン骨格を含む重合体であることが好適である。
Figure 2009265506
上記構造式(I)を含む重合体としては、これらの単独重合体であるポリビニルピロリドンであることが望ましいが、この構造単位を含む共重合体であってもよい。該共重合体の場合には、構造式(I)で示される構造単位Aとそれ以外の構造単位Bとの共重合比(A/B)は、100/1乃至100/30の範囲とすることが望ましく、100/1乃至100/5の範囲とすることがより好適である。
なお、前記それ以外の構造単位Bとしては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;などが挙げられる。
また、これらの重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは8万以上110万以下であり、より好ましくは60万以上110万以下である。
重量平均分子量が8万以下であると、分子量が低いため樹脂強度が弱く定着後のこすりに対する画像強度が低下する場合がある。また110万を超えると、水への溶解性が低下するため十分な定着性が得られない場合がある。重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定できる。
上記重量平均分子量の測定には、装置として「GPC−150C(ウォーターズ社製)」を用い、カラムは「GMH−HT(東ソー(株)社製)」を2本用い、溶離液としてo−ジクロロベンゼン(0.1%アイオノール添加)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.15質量%、流速1.0ml/min、サンプル注入量0.4ml、測定温度135℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
以下の各種成分の分子量測定も同様である。
前記のように、本実施形態において、前記水溶性樹脂のトナー中の含有量は0.5質量%以上50質量%以下である。含有量が0.5質量%未満では、前記水分供給を含む定着プロセスで十分な定着性を得ることができない。50質量%を超えると、特に高温高湿環境下で帯電量が低下して使用できない。
前記含有量は5質量%以上50質量%以下であることが望ましく、5質量%以上10質量%以下であることがより好適である。
(非水溶性樹脂)
本実施形態における非水溶性樹脂としては、公知のバインダー樹脂を使用することができる。なお該非水溶性樹脂は、トナーにおける結着樹脂の主成分となるものである。
上記非水溶性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂が好ましいが、スチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂、ポリエーテルポリオール樹脂等などを単独または併用することができる。
これらの中では、分解温度を高くしやすく、また前記水溶性樹脂との相溶性がよく結着樹脂全体としての定着性が向上できる等の点から、ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。
本実施形態に好ましく用いられるポリエステル樹脂についてさらに説明すると、かかるポリエステル樹脂において用いられる酸成分は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、又はこれらの無水物等を包含し、好ましくはテレフタル酸/イソフタル酸である。これらの酸成分は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。なお、フラッシュ定着時の臭いが問題にならない範囲で、他の酸成分を上記酸成分に組み合わせて使用できる。他の酸成分として、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸等が挙げられ、更には、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等のアルキルまたはアルケニルコハク酸、またはこれらの酸の無水物、低級アルキルエステル、その他の二価のカルボン酸も挙げられる。また、ポリエステル樹脂に架橋を施すためには、三価以上のカルボン酸成分も同様に他の酸成分として混合使用可能である。三価以上のカルボン酸成分としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、その他のポリカルボン酸、及びこれらの無水物を挙げることができる。
また、このようなポリエステル樹脂は、通常、アルコール成分中の80モル%以上がビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物からなるものであり、好ましくは、90モル%以上、さらに好ましくは、95モル%である。ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物の量が80モル%未満であると、相対的に臭いの発生原因となるモノマー使用量が多くなるため、好ましくない。
上記ビスフェノールAアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態で非水溶性樹脂として使用するポリエステル樹脂において、必要に応じて、他のアルコール成分を上記のアルコール成分に組み合わせて使用してもよい。他のアルコール成分として、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等、その他の二価のアルコールを挙げることができる。
また、他のアルコール成分として、三価以上のアルコールも好適である。かかるアルコール成分としては、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、その他の三価以上のアルコールを挙げることができる。
さらに、かかるポリエステル樹脂を合成する反応の際には、その反応を促進せしめるため、通常使用されているエステル化触媒、例えば酸化亜鉛、酸化第一錫、ジブチル錫オキシド、ジブチル錫ジラウレート等を有利に使用することができる。
なお、以上述べたトナーに使用される非水溶性樹脂のTg(ガラス転移温度)は、好ましくは50℃以上80℃以下の範囲である。
また、本実施形態のトナーが光定着用として用いられる場合には、非水溶性樹脂として軟化温度の異なる2種のポリエステル樹脂を含むことが望ましい。具体的には、軟化温度Tspが120℃以上170℃未満で1質量部乃至25質量部のクロロホルム不溶分を含有する非線状の第1ポリエステル樹脂と、Tspが80℃以上110℃未満の線状の第2ポリエステル樹脂とを、80:20乃至20:80の質量比で混合したポリエステル樹脂を含むことが望ましい。
上記ポリエステル樹脂を含むことにより、特に高速での良好な光定着性が確保され、耐スミヤ性等に対してもより有効となるため好適である。
(着色剤)
本実施形態におけるトナーに用いられる着色剤としては、下記に示すものをトナーの色彩に対応させて適宜選択して用いることができる。
例えばシアントナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6、同16、同17、同23、同60、同65、同73、同83、同180、C.I.バットシアン1、同3、同20等や、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルーの部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBCのシアン顔料、C.I.ソルベントシアン79、162等のシアン染料などを用いることができる。これらの中では、C.I.ピグメントブルー15:3が有効である。
また、マゼンタトナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同48、同49、同70、同51、同52、同53、同54、同55、同57、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同163、同184、同202、同206、同207、同209等、ピグメントバイオレット19のマゼンタ顔料や、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40等のマゼンタ染料等、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッド、カルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロータミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3Bなどを用いることができる。
また、イエロートナーにおいては、その着色剤として、例えば、C.I.ピグメントイエロー2、同3、同15、同16、同17、同74、同97、同180、同185、同139等のイエロー顔料などを用いることができる。
また、ブラックトナーにおいては、その着色剤として、例えば、カーボンブラック、活性炭、チタンブラック、磁性粉、Mn含有の非磁性粉などを用いることができる。また、イエロー、マゼンタ、シアン、レッド、グリーン、ブルー顔料を混合したブラックトナーを含めることができる。
本実施形態におけるトナーにおける各着色剤の添加量は、結着樹脂等との混合により作製された最終的なトナー中で1質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましい。
(その他の成分)
また、本実施形態におけるトナーには、必要に応じてワックスや帯電制御剤を用いることができる。
本実施形態におけるトナーに含有させるワックスとしては、エステルワックス、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリエチレンとポリプロピレンの共重合物が最も好ましいが、ポリグリセリンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス、脱酸カルナバワックス、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和脂肪酸アミド類;
m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
本実施形態では、これらのワックスは1種類または2種類以上併用して用いることができる。
また、本実施形態におけるトナーには、必要に応じて帯電制御剤を含ませることができる。
帯電制御剤としては、公知のカリックスアレン、ニグロシン系染料、四級アンモニウム塩、アミノ基含有のポリマー、含金属アゾ染料、サリチル酸の錯化合物、フェノール化合物、アゾクロム系、アゾ亜鉛系などが使用できる。 その他、トナーには鉄粉、マグネタイト、フェライト等の磁性材料を混合し磁性トナーでも使用できる。特に、カラートナーの場合には公知の白色の磁性粉(例えば日鉄鉱業社製)を用いることができる。
さらに、本実施形態におけるトナーを、前記水分供給と光定着とを併用して定着させる場合には、通常、前記着色剤と共に赤外線吸収剤を含有させることができる。ここで赤外線吸収剤とは、分光光度計等により測定した際に800nm乃至2000nmの近赤外領域に少なくとも1つ以上の強い光吸収ピークを有する材料を指し、有機物であっても無機物であって使用可能である。
上記赤外線吸収剤としては公知の材料を用いることが可能であるが、具体例としては、例えば、シアニン化合物、メロシアニン化合物、ベンゼンチオール系金属錯体、メルカプトフェノール系金属錯体、芳香族ジアミン系金属錯体、ニッケル錯体化合物、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クロコニウム化合物、アミニウム化合物、ジイモニウム化合物等を用いることができる。
より具体的には、シアニン系赤外線吸収剤(富士写真フイルム社製、商品名:CTP−1、IRF−106、IRF−107)、シアニン化合物(日本化薬社製、商品名:CY−2、CY−4、CY−9)、ニッケル金属錯体系赤外線吸収剤(三井化学社製、商品名:SIR−130、SIR−132)、ビス(ジチオベンジル)ニッケル(みどり化学社製、商品名:MIR−101)、ビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製、商品名:MIR−102)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス(シス−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジチオレート)ニッケル(みどり化学社製、商品名:MIR−1011)、テトラ−n−ブチルアンモニウムビス[1,2−ビス(p−メトキシフェニル)−1,2−エチレンジチオレート]ニッケル(みどり化学社製、商品名:MIR−1021)、ビス(4−tert−1,2−ブチル−1,2−ジチオフェノレート)ニッケル−テトラ−n−ブチルアンモニウム(住友精化社製、商品名:BBDT−NI)、可溶性フタロシアニン(日本触媒社製:TX−305A)、ナフタロシアニン(山陽色素社製、SnNc FT−1)、無機材料系(信越化学社製、商品名:イッテルビウムUU−HP;住友金属社製、インジュームチンオキサイド)などが挙げられる。これらは2種以上併用することができる。
上記赤外線吸収剤の添加量は、トナー全体中の0.01質量%以上5質量%以下の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1質量%以上5質量%以下の範囲である。添加量が0.01質量%未満では、フラッシュを用いた光定着の場合にトナーを定着させることができない場合がある。また、5質量%を超えると、トナーの色が濁ってしまう場合がある。
次に、本発明の電子写真用トナーの製造方法について、より具体的に説明する。
本実施形態のトナーは、粉砕法等の公知のトナー製造方法と同様の方法で作製することが可能である。
粉砕法を利用する場合には、例えば、まず、上述の水溶性樹脂及びバインダ樹脂(結着樹脂)に、必要に応じて着色剤、ワックス組成物、赤外線吸収剤、帯電制御剤などの成分を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練する。この後、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る。更には、その後工程として、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフュージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)等を用いて、機械的外力を加えることで粉砕後のトナー形状を変化させることができる。また、熱風による球形化も挙げることができる。さらには、風力分級機等により分級処理を施してトナー粒度分布を調整しても良い。
その後、必要に応じてこのトナー粒子に外添剤を添加して、本実施形態のトナーを得ることができる。
以上のようにして作製されるトナーは、その体積平均粒径D50vが3μm以上10μm以下の範囲が好ましく、4μm以上8μm以下の範囲内であることがより好ましく、その個数平均粒径D50pに対する体積平均粒径D50vの比(D50v/D50p)が1.0以上1.25以下の範囲であることが好ましい。そして、このように小粒径で粒径の揃ったトナーを使用することにより、トナーの帯電性能のバラツキが抑制されて、形成される画像におけるカブリが低減されると共に、トナーの定着性も向上する。また、形成される画像における細線再現性やドット再現性も向上する。
また、トナーの平均円形度を0.9以上とすることが好ましく、0.960以上とすることがより好ましく、円形度の標準偏差を0.040以下とすることが好ましく、0.038以下にすることがより好ましい。このようにすることで、記録媒体上に各トナーを密な状態で重ね合わせることができるので、記録媒体上のトナーの層厚が薄くなり、定着性を向上させることができる。また、このようにトナーの形状を揃えることにより、形成される画像におけるカブリ、細線再現性及びドット再現性も向上する。
なお、上記トナー平均円形度は、フロー式粒子像解析装置(シメックス社製、FPIA2000)を用い、水分散系でトナー粒子の投影像の周囲長(周囲長)と、トナー粒子の投影面積に等しい円の円周長(円相当周囲長)とを求め、(円相当周囲長/周囲長)により計算される。
一方、前記湿式造粒法によりトナー粒子を作製した場合には、該トナー粒子の形状係数SF1は110以上135以下の範囲であることが好ましい。
上記トナー形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナー粒子、またはトナーの光学顕微鏡像を、ビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と投影面積を求め、下記式(2)によって計算し、その平均値を求めることにより得られるものである。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
また、上記トナー粒子の体積粒度分布指標GSDvは1.25以下であることが好ましい。
本実施形態におけるトナー体積平均粒径、及び粒径分布指標等は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定した。
測定された粒度分布を、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数それぞれについて小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を、体積平均粒子径D16v及び個数平均粒子径D16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積平均粒子径D50v(既述のトナーの体積平均粒径はこれを指す)及び個数平均粒子径D50pと定義する。同様に、累積84%となる粒径を、体積平均粒子径D84v及び数平均粒子径D84p定義する。これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)1/2として算出される。
本実施形態におけるトナーは、流動性向上剤等のためトナー粒子に無機粒子や樹脂粒子を混合して用いることもできる。トナー粒子に混合される割合はトナー粒子100質量部に対し0.01質量部乃至5質量部の範囲であり、好ましくは0.01質量部乃至2.0質量部の範囲である。
前記無機粒子としては例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカが特に好ましい。
前記樹脂粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂等の樹脂粒子などが利用できる。さらにクリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の微粒子粉末を添加してもよい。
上記無機粒子や樹脂粒子、さらに必要に応じ所望の添加剤を、ヘンシェルミキサー等の混合機により充分混合し、本実施形態におけるトナーを得ることができる。
<現像剤>
本実施形態に用いる現像剤は、前記トナーからなる1成分現像剤、あるいは、キャリアと前記トナーとからなる2成分現像剤のいずれであってもよい。
以下、本実施形態に用いる現像剤が二成分現像剤である場合について詳細に説明する。
上記二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。またこれらの樹脂の中でも、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品が特に好ましい。トナー内に水溶性樹脂を含有することからトナーは含水分量が多くなる場合があり、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品は疎水性が高いためトナーのキャリアへの付着を抑制できるためである。
キャリアのコート剤に用いる導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10μm以上500μm以下であり、好ましくは20μm以上60μm以下である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
前記二成分現像剤における前記トナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100乃至30:100程度の範囲であり、3:100乃至20:100程度の範囲がより好ましい。
本実施形態の画像形成装置は、例えばトナーとして光定着用カラートナーを用いる場合には、新聞、サービスビューロー、バーコード印刷、ラベル印刷、タグ印刷、カールソン方式あるいはイオンフロー方式等のプリンター及びコピー等の各種の用途に好適に使用できるものであり、特にカラー化した実施形態においても安価にて良好なフラッシュ定着性を発揮する製品を提供できるために、これらの用途における画像のカラー化の要望に容易に対応できるものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下において、「%」及び「部」は特に断りのない限り「質量%」及び「質量部」を意味する。
<用いた水溶性樹脂の特性>
実施例等のトナーに用いた水溶性樹脂の特性は以下の通りである。
・ポリカルボン酸ナトリウム(PCPa)(ポリスターOMP、日油社製、25℃における溶解度:10g/100g)
・ポリカルボン酸アンモニウム(PCAM)(クインフロー543、日本ゼオン社製、25℃における溶解度:15g/100g)
・ポリビニルピロリドン(K−30、日本触媒社製、Mw:8万、25℃における溶解度:50g/100g)
・ポリビニルピロリドン(K−90、日本触媒社製、Mw:110万、25℃における溶解度:35g/100g)
・ポリビニルピロリドン(K−30及びK−90混合品(質量比1:1)、日本触媒社製、Mw:60万、25℃における溶解度:40g/100g)
<電子写真用トナーの製造>
表1に示した組成に基づき、各トナー原料を、ヘンシェルミキサーに投入し、予備混合を行った後、エクストルーダー(池貝社製、PCM−30)により140℃、250rpmにて混練した。次いでハンマーミルにて粗粉砕し、ジェットミルにて微粉砕した後、気流分級機にて分級を行い、体積平均粒径が6.0μm乃至6.5μmの各トナー粒子を得た。
次いで、これらの各トナー粒子98.0部に対し、疎水性シリカ粒子 TG820(キャボットジャパン社製)2.0部をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機社製)により外添処理して、各実施例及び比較例に用いたトナーYT−1〜YT−13、MT−1、CT−1、KT−1を得た。
Figure 2009265506
<現像剤の作製>
得られたトナーを用い2成分現像剤を作製した。上記の各トナーと混合させるキャリア1としては、シリコーン樹脂(東レ−ダウコーニングシリコーン社製、SR2411)をフェライト粒子(パウダーテック社製)に1%コーティングした汎用の体積平均粒径が60μmキャリアを用いた。なお、該キャリアのシリコーン樹脂の硬化条件は150℃で2時間であり、冷却後105μmの篩を通過したものを用いた。
またキャリア2としては、ポリメチルメタクリル酸メチル(綜研化学社製、Mw:80000)をトルエンに溶解させたものを用い、硬化させなかった以外は、キャリア1と同様に1%コーティングした体積平均粒径が60μmのものを用いた。
各トナー4.5部に対しキャリアを95.5部混合し、2時間、10Lのボールミルにて混合し、各現像剤3.5kgを作製した。この様にして得られた現像剤を用い、以下のような方法によって定着性、帯電特性に関して評価を行った。
<実施例A1〜A10、比較例A1〜A2>
トナーYT−1〜YT−12を含む前記各現像剤を用い、実機による帯電特性含めた画像評価を行った。なおキャリアとしては、キャリア1を用いた。
評価装置としては、富士ゼロックス社製CF1100プリンタ改造機(プロセス速度:1145mm/秒、A4で毎分400枚相当)を用いた。具体的には、光定着装置を取り外し、トナー像形成後の用紙搬送路にローター式加湿器WEKO−RFDi(WEKO製:日本代理店ニッカ株式会社)を設置して、通過直後に用紙に約2000mg/m程度の水分が供給されるように制御した。
以上の条件で、記録媒体として普通紙(NIP−1500LT、小林記録紙)を用い、以下の評価を行った。
(定着性)
−ベタ面画定着性−
定着率の測定は、1インチ角のベタ黒画像を定着率測定用画像から採取し、「スコッチメンディングテープ」(住友3M株式会社製)を貼り付け、1kgの重りを載せた後、剥離し剥離前後の画像濃度を測定し、下記式(3)から求めた。
定着率(%)=(剥離後の画像濃度/剥離前の画像濃度)×100:式(3)
なお、画像濃度はマクベス株式会社製の反射濃度計RD−938を用いて測定した。
上記により求めた定着率より、以下の基準により定着性の評価を行った。
◎:定着率が90%以上である(非常に良好)。
○:定着率が80%以上、90%未満である(定着性は良好、許容の範囲内)。
△:定着率が70%以上、80%未満である(定着性は劣るが、許容の範囲内)。
×:定着率が70%未満である(定着性が悪く、許容範囲外である)。
−線画定着性−
10cm×10cmの領域に「A」の文字を1000個印刷し、「スコッチメンディングテープ」(住友3M株式会社製)を貼り付け、1kgの重りを載せた後、剥離し剥離前後の画像を、目視観察により以下の基準により評価した。
◎:A文字がテープに移らず、文字も全く欠けない(非常に良好)。
○:A文字が若干、テープに移るが、文字は欠けない(定着性は良好、許容の範囲内)。
△:A文字がテープに移り、文字の若干欠けるが十分に判読可能(定着性は劣るが、許容の範囲内)。
×:A文字として判読できない文字がある(定着性が悪く、許容範囲外である)。
(帯電環境安定性)
帯電の環境安定性の評価は、高温高湿(28℃、85%RH)及び低温低湿(10℃、15%RH)環境で、各1万枚画像出力を行った後の現像剤をサンプリングし、各現像剤について帯電量の測定を行った。その結果から、各環境での帯電量比(高温高湿/低温低湿)を算出し、以下の基準により評価した。なお帯電量は、帯電量測定装置(東芝社製、TB200)にてブローオフ法によりトナー帯電量を測定した。
◎:帯電量比が1.0±0.1
○:帯電量比が0.8以上0.9未満。
△:帯電量比が0.6以上0.8未満。
×:帯電量比が0.6未満。
結果をまとめて表2に示す。
<実施例A−11>
実施例A−6において、ローター式加湿器による水分供給量を400mg/mと制御した以外は、実施例A−6と同様にして評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
<実施例A−12>
実施例A−6において、ローター式加湿器による水分供給量を12000mg/mと制御した以外は、実施例A−6と同様にして評価を行った。
結果をまとめて表2に示す。
Figure 2009265506
<実施例B1〜B5>
トナーYT−5、YT−13、MT−1、CT−1及びKT−1を含む前記各現像剤を用い、実機による帯電特性含めた画像評価を行った。なおキャリアとしては、キャリア1を用いた。
評価装置としては、富士ゼロックス社製CF1100プリンタ改造機(プロセス速度:1145mm/秒、A4で毎分400枚相当)を用いた。具体的には、光定着装置の下流側にトナー像形成後の用紙搬送路にローター式加湿機WEKO−RFDi(WEKO製:日本代理店ニッカ株式会社)を設置して、通過直後に用紙に約2000mg/m程度の水分が供給されるように制御した。なお、フラッシュランプの発光エネルギーは1.5J/cm、ディレイ時間は0.5msecとした。
上記評価装置を用い、実施例A1等と同様の評価を行った。結果をまとめて表3に示す。
<比較例B1〜B4>
YT−13、MT−1、CT−1及びKT−1を含む前記各現像剤を用い、実機による帯電特性含めた画像評価を行った。
評価装置としては、富士ゼロックス社製CF1100プリンタ改造機(プロセス速度:1145mm/秒、A4で毎分400枚相当)を用いた。具体的には、ローター式加湿器を使用せず、光定着装置のフラッシュランプの発光エネルギーは1.5J/cm、ディレイ時間は0.5msecとした。
上記評価装置を用い、実施例A1等と同様の評価を行った。結果をまとめて表3に示す。
<比較例B5>
比較例B−1において、フラッシュランプの発光エネルギーを3.2J/cmに変更した以外は、比較例B−1と同様にして評価を行った。その結果、線画、ベタ面画の定着性は比較例B−1に比べ向上したが、同一のトナーを用いた実施例B−2の画像と比較すると、ベタ面画像において細かいボイドが発生しており、やや荒れた画像が得られた。
Figure 2009265506
<実施例C1〜C5>
トナーYT−5、YT−13、MT−1、CT−1及びKT−1をキャリア2を用いて現像剤とした以外は、実施例B1〜B5と同様の評価を用い、実機による帯電特性含めた画像評価を行った。
結果をまとめて表4に示す。
Figure 2009265506
<参考例>
画像形成装置として、熱定着器としてヒートローラを備えたDocucentre402FS(富士ゼロックス製)を用い、トナーYT−13を含む現像剤を使用して、縦2.8mm、横3.1mmの「願」という文字を印字した(画像D)。一方、前記実施例B−2の現像剤、画像形成装置で上記同様の「願」という文字の出力を行った(画像E)。
両者の画像を「願」の文字のつぶれを目視で確認し、細線再現性を比較すると、画像Eが細線の再現性が良好であるのに対し、画像Dではやや文字のつぶれが見られた。
表2〜表4に示すように、水溶性樹脂を所定の割合で含むトナーを使用し、定着に加湿器を用いた実施例では、加湿器のみ、光定着及び加湿器ともに良好な定着性が得られた。しかも、熱ロール定着に比べても細線の再現性が良好であった。一方、加湿器を使用せず、定着エネルギーを減少した場合には、前記評価の少なくともいずれかにおいて問題が発生した。
実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 実施形態の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1a,1b,1c,1d クリーニング手段
2a,2b,2c,2d 帯電手段
3a,3b,3c,3d 感光体
4a,4b,4c,4d 現像手段
10 記録用紙(記録媒体)
16 ロール紙(連続紙)
20 シアン現像ユニット
30 マゼンタ現像ユニット
33 カッター(後処理手段)
35、92 水噴霧装置(水分供給手段)
37 画像形成部(トナー像形成手段)
40 イエロー現像ユニット
44 定着装置
46 用紙センサ
48 エンコーダ
50 ブラック現像ユニット
60 排出トレイ
70a,70b,70c,70d 転写手段
71,72 ローラ
80 転写電圧供給手段
90 光定着手段(定着手段)

Claims (7)

  1. トナーを含む現像剤を用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給手段と、を有し、
    前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であることを特徴とする画像形成装置。
  2. プロセス速度が1000mm/秒以上であり、前記記録媒体への水分の供給量が500mg/m以上10000mg/m以下であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. さらに、光によりトナーを定着する光定着手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記水溶性樹脂の水に対する25℃における溶解度が、25g/100g以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記水溶性樹脂が、下記構造式(I)で示される構造単位を含む重合体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
    Figure 2009265506
  6. 前記重合体の重量平均分子量が8万以上110万以下であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. トナーを含む現像剤を用いて記録媒体上にトナー像を形成するトナー像形成工程と、
    前記トナー像が形成された記録媒体に水分を供給することによりトナーの定着を行う水分供給工程と、を有し、
    前記トナーが、非水溶性樹脂、水溶性樹脂及び着色剤を含み、該水溶性樹脂のトナー中の含有量が0.5質量%以上50質量%以下であることを特徴とする画像形成方法。
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