JP2008030276A - 圧着シート作製装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】可変情報の印字と粉体接着剤の塗布とその塗布面の圧着とを行う小型で性能のよい圧着シート作成装置を提供する。
【解決手段】Z折りはがき2通分が縦に連続したサイズの用紙40bは、給紙部31からインクジェット印刷機構部32に給紙され、インクジェットヘッド43と両面印刷反転装置44により両面印刷が行われ、予備紙折部33で用紙の一部が折り込まれ、第1面のA頁と第2面のF頁が一面に並んだ状態で粉体接着剤塗布機構部34へ搬送されて粉体接着剤15を塗布され、定着機構部35で粉体接着剤15を仮定着され、用紙折機構部36では予備紙折部33で折られた面が広げられ更にZ折りにされ、再び定着機構部35の今度は本定着部でZ折り定着され、形状整頓部59で斜行の矯正と搬送幅方向の位置合わせをされ、切断分離部38で2通に裁断されて独立した2通のZ折り圧着はがき40cとして完成し、排紙収納部39に収納される。
【選択図】 図5

Description

本発明は、所謂圧着はがきに代表される圧着シートの作成装置に関する。
従来、特定の個人のみへ文字情報を伝達するために、一般に、文字記載物を封書の形態にし、開封後に始めて当該個人が文字情報を確認できるようにしていた。
近年、個人情報保護が厳しく問われるようにもなり、各種事業所等では、例えば、個人の各種データ、成績表、給与明細書等の個人情報は、これを文字記載物の内部の印字箇所に記録して、印字箇所の周縁部もしくは文字記載物の全面を接着や圧着により封筒状やカード状にして配布したりしている。
このうち、はがきサイズのカード状のものは圧着はがきと呼ばれており、通常の郵便はがきと同じ料金で利用できることから、情報提供者側の利便性が高い印字(印刷)情報秘匿システムとして、広告宣伝のダイレクトメール等にも汎用されている。
このような圧着はがき等による印字情報秘匿システムを利用するには、従来、専門の製造業者に委託するか、高価な圧着はがき等製造・印刷装置を導入するかして秘匿情報を作成していた。
これらの圧着はがき等製造・印刷装置を用いて秘匿情報を作成するには、接着剤を情報印字の後に塗布する方法や、情報印字の前に塗布する方法等があるが、いずれにしても秘匿情報を大量に作成するという前提が必須であり高価であった。
また、そのような製造業者への委託は、個人情報の流出の問題も潜在的に存在しており好ましい秘匿情報の作成方法とはいえない。
ところで、近年、パソコンやプリンタの発達と相侯って、小規模事業所や個人でも利用できるように、少量単位でも簡易に圧着はがきを作成できるようにしたものも提案されている。
例えば、感圧接着剤を予め塗布した剥離紙付きはがき用紙が販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、感圧接着剤部分を圧着して投函用の圧着はがきを完成させるものである。
また、例えば、粘着フイルムとはがき用紙を一組にしたものが販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、2つ折り内部に粘着フイルムを挟むようにして圧着して、投函用の圧着はがきを作成できるようにしたものである。
しかしながら、これでもコスト高は避けられず、取り扱いが煩雑であり、個人的に数枚の圧着はがきを作成するのなら良いが、ある程度の枚数単位で、安価で、迅速に、且つ対需要即応体制で作成できるものではない。
そこで、粘着剤を内包したマイクロカプセルから成るトナー状粘着剤を静電印刷法により基材の表面に転写してフラッシュ定着させ、接着時には圧力によりマイクロカプセルを破壊しカプセル内の粘着剤を浸出させるようにして、圧着はがきを容易に作成できるとする提案がなされている。また、この提案では、粘着剤を溶融、混練、粉砕した粉砕トナーも示唆されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、事務用プリンタや複写機の交換用の印字用カートリッジに圧着用物質を入れて、それら事務用プリンタ又は複写機による印字作業と同様の操作で圧着用物質を官製はがきや封筒に塗布し、その後、圧着専用機にかけるようにし、圧着専用機にかけるところまでを1台のプリンタ又は複写機で出来るとする提案がなされている。また、この提案では、二つ折りの片面、三つ折の中央両面に圧着用物質を塗布することが示唆されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、感熱接着剤を含むトナーを用い、電子写真方式により画像を対需要即応式で作成する方法が提案されている。この提案では、感熱接着剤の軟化温度は電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高くなるように構成し、また、感熱接着剤の電子写真方式用トナーに占める割合を5〜60重量%とし、また、感熱接着剤の組成は熱接着性樹脂、ホットメルト及びワックス類からなる群より選ばれる1種類以上を含むようにすることが提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開平09−104849号公報(段落0005、0014、図1、図3、図6) 特開2000−006553号公報(要約、図なし) 特開2004−126231号公報(段落0085〜0087、図なし)
しかしながら、特許文献1の技術は、マイクロカプセル式のトナーについては構成及び組成について記載されてはいるが、粉砕トナーについては単なる思い付き程度に示唆されているのみであり、具体的な組成、製法、及び用法についての記載がなく、これでは、この分野の当業者といえども有用な粉砕トナーを作成することは勿論、試作することさえ出来ない。
また、特許文献2の技術は、圧着専用機にかける前までの官製はがきや封筒による印字情報秘匿書類を作成するものであり、投函用に完成するには圧着専用機にかけなければならない点で利便性と経済性に欠けるものであり、また対需要即応性には程遠いものと言わざるを得ない。
また、特許文献3の技術では、単に感熱接着剤の軟化温度が電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高く設定されているというのみで、思い付き程度に示唆されてはいるものの感熱接着剤を含むトナーの具体的な材料処方も具体的な用法も開示されていない。
また、そのようなトナー状の圧着はがき用粉体接着剤は今日まで市場に流通もしていない。流通している圧着はがき用粉体接着剤は液状または粘着シート状のものだけである。
そこで、本発明者は、上記従来の提案技術が示唆するところに基づいて、プリンタを用いて塗布できることを前提としたトナー状の接着剤(熱可塑性樹脂粉体)を試作してみることにした。
プリンタ又は複写機を用いて塗布できることを前提として試作されたトナー状接着剤の材料処方は、結着樹脂として、ポリエステルを約95%、帯電制御剤として、LR147を約2%、ワックスとして、ppを約2%とした。
尚、上記の材料処方は、圧着はがき用接着剤であること、及びプリンタを用いて塗布できること(つまりトナーと類似した粉体性質を持っていること)の両条件を満たすものとの考えに基づいて処方したものであり、ポリエステルは現在プリンタのトナーとして主に使用されている結着樹脂材料である。
次に、これらの材料を、三井鉱山(株)製へンシェルミキサーFM20にて混合し、二軸連続混練機により混練した。その後、粗砕、粉砕、分級を経て、最後にヘンシェルミキサーにて疎水性シリカと混合し、中心粒径9μmのトナーと類似の粉体を得た。
この粉体を、粉体接着剤として感光体ドラムに現像し、往復はがきの折り合わせ面に転写し、定着させて、用紙を取り出し、圧着専用機にかけて貼り合わせた。このとき、貼り合わせる貼り付けローラの設定温度を、120℃、130℃、140℃、150℃の4段階に分けて設定し、それぞれの設定温度において貼り合わせた圧着はがきを作成した。
この圧着はがきの貼り付けに上記のように圧着専用機を用い、貼り付けローラの温度設定に通常のトナーの溶融温度よりも高い温度が含まれているのは、それぞれ従来の提案技術の示唆に応じたものである。
そして、特には図示しないが、上記設定温度ごとに作成された圧着はがきを評価してみることにした。この評価では、剥離力(圧着はがきの貼り付け部を剥離する際の力の強さ)、文字オフセット(圧着はがきの貼り付け部を開封(剥離)したとき、可変情報印字トナーが、もともと印字されていた面から脱離して接着対面へ転移して付着してしまうという現象)について視認により良し悪しを決定した。
結果としては、上記のように作成された接着剤では、はがきが貼りつく接着力(=剥離力)の温度設定領域(140℃、150℃)においては、文字オフセットが発生するという問題があることが判明した。
つまり、先行技術が示唆する範囲で作成された接着剤(軟化温度がトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高い接着剤)では、通常トナーで可変情報を印字後に接着剤単体で印字面に塗布を行った場合、又は感熱接着剤を含むトナーで可変情報の画像を形成した場合、その後の接着剤による接着を実現するための加熱によって、紙面に定着されていたトナーが再溶融してしまい、文字オフセットが発生する。
この文字オフセット現象は、熱圧着で軟化溶融した可変情報印字トナーと接着剤の両者が共に強く結着し、はがきを開封するとき可変情報印字トナーが対向面の接着剤に強く引っ張られ、その力が紙と可変情報印字トナーとの接着力を凌いで、可変情報印字トナーが対向面側に転移することによって起こると考えられる。
従って、十分な接着力(=剥離力)を持ち、かつ文字オフセットのない粉体接着剤の作成に当たっては更なる何らかの工夫が必要である、ということが判明する。
また、上記の実験では、接着剤のオフセット性を調べるために行ったものであるから圧着専用機を用いて圧着しているが、プリンタを用いて接着剤を塗布できるようにするとなると、圧着装置もプリンタに連結又は組み込み可能な程度の小型装置でなければ利便さに欠ける憾みがある。
しかし、上記の特許文献1、2及び3には、そのようなプリンタに連結又は組み込み可能な程度の小型の圧着装置については、開示も示唆もされていない。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、実用性のある粉体接着剤の製造方法を確立したうえで、可変情報の印字と、粉体接着剤の塗布と、その塗布面の圧着とを行う小型で性能のよい圧着シート作成装置を提供することである。
本発明の圧着シート作成装置は、はがきサイズとして許容されている面積の略整数倍の面積の用紙に秘匿すべき秘密情報を含む印刷情報を印刷するインクジェット印刷機構部と、用紙の秘密情報が印刷される面を内側に折り畳んだ際の互いに対向する面の少なくとも一方の面に粉体接着剤を塗布する粉体接着剤塗布機構部と、上記用紙を折り畳む用紙折機構部と、折り畳んだ用紙を上記粉体接着剤を介して圧着させる圧着機構部と、を少なくとも備えて構成される。
この圧着シート作成装置において、上記インクジェット印刷機構部は、例えば、上記粉体接着剤塗布機構部よりも用紙搬送方向上流側に配置され、また、例えば、上記粉体接着剤塗布機構部よりも用紙搬送方向下流側に配置されるように構成される。
また、この圧着シート作成装置において、例えば、上記粉体接着剤は熱溶融性の粉体接着剤であり、上記圧着機構部は通過対象物に熱と圧力を付与する熱定着機構を備えて構成される。
また、この圧着シート作成装置において、上記インクジェット印刷機構部は、例えば、ライン型インクジェットヘッドを備えて構成してもよく、また、例えば、シリアル型インクジェットヘッドを備えて構成するようにしてもよい。
また、この圧着シート作成装置においては、例えば、上記用紙の上記粉体接着剤塗布機構部により上記粉体接着剤を塗布された面を上記圧着機構部により熱と圧力を付与して熱溶融により上記粉体接着剤をコート層として上記用紙に定着させ、該コート層に上記インクジェット印刷機構部により可変情報を印字し、上記コート層に上記可変情報を印字した上記用紙を上記用紙折機構部により折り畳み、該折り畳んだ上記用紙を再び上記圧着機構部を通して折り畳みの圧着定着を行うように構成することもできる。
本発明によれば、可変情報の印字と、粉体接着剤の塗布と、その塗布面の圧着とを行う小型で性能のよい圧着シート作成装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
前述したトナー状の熱可塑性樹脂粉体からなる接着剤において、接着力が強すぎて紙破れが発生したり文字移りがするなどの不具合を防ぐためには、可変情報印字トナー(以下、単に印字用トナーという)と接着剤が溶融の際に一体化しないようにすることが必要であると考えられる。
そして、そのためには、接着剤の構成を可変情報印字トナーの構成と異ならせることが必要であると考えられる。この考えのもとに、本発明者は、印字用トナーの組成と異なる組成のトナー状粉体と、これらと比較のために、印字用トナーとほぼ同様の組成からなるトナー状粉体、ただし染料や顔料等の着色材を含まない透明粉体、を作成して、それらの接着力と文字オフセット性について評価した。
以下、そのトナー状粉体すなわち粉体接着剤の、組成、製造方法、評価の結果について述べる。
先ず、発明者は、3種類の粉体接着剤を作製例1、作製例2及び作製例3として作成した。材料としては、ポリエステル樹脂、シリカ粉、帯電制御剤、ポリエチレンワックス、アクリル樹脂、及び微粒シリカを、それぞれ含有比率(質量%)を異ならせて作成した。
これらの材料処方のうち、ポリエステル樹脂は結着樹脂である。圧着はがき用の粉体接着剤としては、トナーに用いられる結着樹脂を用いることが可能であり、このような結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
特にポリエステル樹脂は、他の樹脂に比較して軟化点が低く、図に示すように軟化点110℃に設定でき、本例で接着力調整のために用いられる非粘着材とし有機物を混合したときに、軟化点の温度差を大きく設定できる利点がある。
また、粒径3μmのシリカ粉は、無機の非粘着材料の代表として選択されたものであり、接着強度調整剤として用いられている。また、粒径4μmで軟化点200℃以上のアクリル樹脂は、有機の非粘着材料の代表として選択されたものであり、他の接着強度調整剤として用いられている。
また、帯電制御剤である日本カーリット(株)製の帯電制御剤LR−147、ワックスとしての三井化学(株)製のポリエチレンワックスNP−056、及び流動性改良剤としての外添剤である日本アエロジル(株)製の微粒シリカRY−50は、印字用トナーと同様に電子写真法を用いて粉体接着剤を用紙に塗布するために用いられている。
上記の作製例1では、先ず、結着樹脂としてポリエステル樹脂70質量%、非接着樹脂としてシリカ粉30質量%、帯電制御剤1質量%、及びポリエチレンワックス3質量%を用意する。
これらをケミカルミキサーで混合し、その混合物を二軸押出機によって溶融混練した後に粗砕し、更に、その粗砕物をI式ジェットミルによって粉砕し、その粉砕物を分級して、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製する。
そして、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をヘンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着シート用粉体接着剤を得た。
次に、作製例2では、先ず、結着樹脂としてポリエステル樹脂70質量%、非接着樹脂としてアクリル樹脂30質量%、帯電制御剤1質量%、及びポリエチレンワックス3質量%を用意する。
そして、上記同様に、これらをケミカルミキサーで混合し、その混合物を二軸押出機によって溶融混練した後に粗砕し、更に、その粗砕物をI式ジェットミルによって粉砕し、その粉砕物を分級して、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製する。
そして、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をヘンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着はがき用粉体接着剤を得た。
そして、作製例3では、印字用トナーと同様に、ポリエステル樹脂100質量%、帯電制御剤1質量%、ポリエチレンワックス3質量%を用い、上記の作成例1又は2と同様にして、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製したのち、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をヘンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着はがき用粉体接着剤を得た。
このようにして作成された接着剤は、接着剤塗布機で用紙に塗布される。この接着剤は粉体接着剤であり、常温では固体である。そして、加熱されることにより溶融され、加圧されることにより接着性が発揮される。
ところで、粉体接着剤の塗布では、例えばトナーを用いて印字(または印刷、以下同様)を行う電子写真式画像形成装置を用い、その画像形成ユニットにトナーの代わりに粉体接着剤を収容して、圧着はがきの接着剤塗布面に選択的に粉体接着剤を塗布する方法が考えられる。
このような、粉体接着剤の塗布では、通常はベタに塗布する方が簡便である。そして、ベタに塗布するとなると、画像形成ユニットにおいて選択的な画像形成に用いられる感光体ドラムを介さずとも、現像装置の現像ローラだけで直接塗布しても支障がないと考えられる。
図1(a) は、そのような考えに基づいて構成された実施形態1における粉体接着剤塗布装置を含む圧着シート作成システムの構成原理図であり、同図(b),(c),(d) は、粉体接着剤の塗布手順を示す図であり、同図(e) は圧着時の折り方を示す図である。尚、同図(c),(d) には、粉体接着剤を転写された状態を示す平面図と後側面図を示している。
尚、この圧着シート作成システムでは、圧着シートの紙面に予め適宜の画像形成装置(例えば、トナーを用いた電子写真式プリンタ)で可変情報を印字し、その紙面の印字面に重ねて、上述した作製例1〜3の粉体接着剤が塗布された。
また、本例においては、近年ページ数が多いほど秘密の情報量をより多く記載できるということで、Z折りの圧着はがきが広く用いられていることに鑑み、Z折り圧着はがきを例にとって説明することにする。
同図(a) において、圧着シート作成システムは、右から左へ、給紙装置1、粉体接着剤塗布装置2、折り装置3、圧着装置4、出来上がり圧着シート収容装置5から成る。
上記の粉体接着剤塗布装置2は、用紙搬送装置6、接着剤塗布部7、定着器8、及び両面印刷反転装置9を備えている。
上記の接着剤塗布部7は粉体接着剤が収容されている粉体接着剤容器11と、その粉体接着剤容器11の下端開口部に回転可能に配設された塗布ローラ12とを備えている。
また、特には図示していないが、塗布ローラ12に対し用紙搬送装置6の搬送ベルト13を介して対向配置された転写器が設けられている。
同図(a) において、先ず、給紙装置1にはZ折り圧着はがき用の用紙14が収容される。次に、不図示の給紙コロ等により給紙装置1から用紙14が一枚ずつ取り出されて粉体接着剤塗布装置2に矢印aで示すように給送される。
同図(b) は、上記給紙装置1から粉体接着剤塗布装置2に給送される用紙14を上から見た図である。
粉体接着剤塗布装置2においては、粉体接着剤容器11の塗布ローラ12が、その周表面に均一な粉体接着剤層を形成しながら回転している。塗布ローラ12は、不図示の転写器と協働して、塗布ローラ12の直下を通過する用紙14の表面の一方の端部頁の面P1に、同図(c) に示すように、粉体接着剤15を静電的に転写(塗布)する。
ここで、Z折り圧着はがき用の用紙14の面構成を定義する。同図(c),(d) に示すように、本例において、用紙14の面は、Z折りする前の表紙の一方の端部頁面を面P2、他方の端部頁面を面P3、表紙の面P1の裏面頁面を面P4、表紙の面P2の裏面頁面を面P5、表紙の面P3の裏面頁面を面P6とする。
同図(b) のように面P1に粉体接着剤を転写(塗布)された用紙14は、同図(a) の矢印bで示すように定着器8に向けて搬送される。用紙14は、定着器8により熱と圧力を加えられて、面P1に転写された粉体接着剤15を紙面に溶融定着される。
その後、用紙14は、矢印c及び矢印d示すように両面印刷反転装置9に向けて搬送される。用紙14は両面印刷反転装置9により表裏を反転されて前後が入れ替わった状態となり、矢印e、f、gで示すように最初の給紙方向に搬送され、反転により裏面を上に向けて再び矢印aで示すように粉体接着剤塗布装置2に給送される。
粉体接着剤塗布装置2で裏面に粉体接着剤15を塗布された用紙14は、転写された粉体接着剤15を定着器8により紙面に定着された後、矢印hで示すように折り装置3に向けて搬送される。
同図(d) は、用紙14の裏面の面6に粉体接着剤15を転写された状態を示す平面図と後側面図を示している。すなわち、同図(d) に示すように、用紙14表面の面P1と裏面の面P6とに粉体接着剤15が塗布されている。
この状態で、折り装置3に搬入された用紙14は、折り装置3によりZ折りされて(同図(e) 参照)、圧着装置4に搬送され、圧着装置4により面P1面と面P2、及び面P5と面P6が圧着されて、投函可能な圧着はがきが完成する。なお、Z折り装置は、一般に知られているZ折り装置を用いることができる。
図2(a) は、参考のため、上記折り装置3によりZ折りされた用紙14の状態を示す図であり、同図(b) は、Z折りされた用紙14が矢印Hで示すように圧着装置4に挿通される状態を示す図である。折り装置3によってZ折りされた用紙14は、圧着装置4によって、接着されて1枚のはがきとなる。尚、この塗布処理は、秘匿情報を印字済みの所定枚数の用紙に対して実行された。
続いて、オペレータにより、作製例1の粉体接着剤15を収容した粉体接着剤容器11が、作製例2の粉体接着剤15´を収容した粉体接着剤容器11に交換される。そして、上記と同様の粉体接着剤15´の塗布処理が行われた。
更に、オペレータにより、作製例2の粉体接着剤15´を収容した粉体接着剤容器11が作製例3の粉体接着剤15″を収容した粉体接着剤容器11に交換される。そして、上記と同様の粉体接着剤15″の塗布処理が行われた。
ここで、上記のようにして作成された圧着はがきの剥離性と可変情報の字移りの状態(文字オフセット性)を評価する。
尚、この評価において、剥離性の評価は、圧着後のはがき判用紙の接着部を、手で開いて確認した。また、可変情報の字移り状態の評価は、接着部を開封したときの字移りの有無を目視で確認した。
評価の結果は、作製例1の粉体接着剤は、剥離が良好にでき(評価が○)、また開いた面を見ると字移りがなかった(評価が○)。同様に、作製例2の粉体接着剤も、剥離が良好にでき(評価が○)、また開いた面を見ると、これも字移りがなかった(評価が○)。
これに対して、作製例3の粉体接着剤は、剥離が旨くいかず、紙が破れたりする(評価が×)。また、開いた面を見ると、字移りが発生していた(評価が×)。
このように上記の評価によれば、作製例1、及び2では剥離性が良好で、且つ字移りが発生せず、極めて良好な圧着はがき用接着剤となることが判明した。
そして、作製例3では、接着力が強すぎて、剥離がうまくいかず、部分的に剥離したところも字移りがあって、結果として圧着はがき用の接着剤としては実用にならないことが判明した。
圧着はがき用粉体接着材としてトナーを用いることは既に提案されているが、前述したように、作製例3の粉体接着剤はトナーと殆ど同一材料で構成されており、トナーの主成分である結着樹脂の粘着性が強く、粉体接着剤として用いた場合は剥離強度が強すぎて容易に開封することができず、紙破れを生じたり、部分的な開封部分も字移りが発生して、実用にならないことが明白となった。
これに対して、作製例1又は2のように、接着強度のあるポリエステル系の樹脂に対し定着時に溶融しない非接着成分のシリカ又はアクリル樹脂等の無機又は有機の樹脂を混合して接着力を低減させたものは、剥離性が良好で且つ字移りが発生しない良好な圧着はがき用の接着剤として実用になることが実証された。
尚、上記の実施形態1では、接着力の強い結着樹脂に非粘着性物質を添加して、接着力を弱めるようにしているが、逆に接着力の弱い結着樹脂に接着力の強い物を添加して接着力を調整するようにしてもよい。
例えば、接着力の弱いワックス系を主体として、接着成分を混合して接着力を増強させることにより、良く圧着する接着剤を構成することができ、混合の調整によって、剥離性が良好で且つ字移りが発生しない接着剤とすることができる。
また、上記の実施形態では、非接着成分のシリカ又はアクリル樹脂を、初めから微細粒子にして、結着樹脂に添加しているが、非接着成分の形状は粒子に限るものではない。例えば、アクリル樹脂を添加したのち、結着樹脂と溶融混練すると、アクリル樹脂が微細化されて分散される。
ここで、一般に知られているZ折り装置によるZ折りについて説明する。尚、Z折り装置はV折り装置にもそのまま使用できるので、V折り、Z折りの順に説明する。
図3(a) 〜(e) は、V折り(圧着)はがきの折り曲げ方法を示す図である。尚、V折りはがきのV折り前の状態は、表面が図1(b) の面P1、面P2で裏面が同じく面P4、面P5のみから成る用紙の状態である。この用紙をここでは用紙Pvということにする。
まず、図3(a) の矢印eに示すように、用紙Pvは、図1に示した折り装置3の、図3(a) に示す折込搬入口16に搬入される。そこで、一次搬送ローラ17と一次二次搬送ローラ18が一対となって、用紙Pvを把持して回転し、図3(b) に示すように、用紙Pvを一次引き込み路19に送り出すように動作する。
そして、図3(b) に示すように、用紙Pvは、折込搬入口16と一次引き込み路19間に張り渡される。これら折込搬入口16と一次引き込み路19間には、一次折込装置21が配置され、一次折込装置21は折込板22を備えている。
一次折込装置21は、上記のように、折込搬入口16と一次引き込み路19間に張り渡された用紙Pvに対し、その折り目部分を、図3(c) に示すように、折込板22を突き出して、一次二次搬送ローラ18と二次三次搬送ローラ23との対向部に折り込む。
続いて図3(d) に示すように、一次二次搬送ローラ18と二次三次搬送ローラ23が一対となって、用紙Pvの上記折り込まれた先端を把持して回転し、用紙Pvを二次引き込み路24方向に送り出すように動作する。
上記二次引き込み路24と一次二次搬送ローラ18との間には、二次折込装置25が配置され、二次折込装置25は折込み兼案内板26を備えている。
用紙Pvの上記折り込まれた先端が、二次三次搬送ローラ23と三次搬送ローラ27との対向部をやや過ぎたタイミングで、二次折込装置25が折込み兼案内板26を突き出して、用紙Pvの折り込まれて突き出された先端を、二次三次搬送ローラ23と三次搬送ローラ27との対向部方向に案内する。
その用紙Pvの折り込まれて突き出された先端を、二次三次搬送ローラ23と三次搬送ローラ27が一対となって挟持して回転する。これにより、図3(e) に示すように、用紙Pvは、折り込み先端部分から後続部分が二つ折りに重ねられながら、図1に示した圧着装置4への送出路28へ送り出される。
図4(a) 〜(e) は、Z折り(三つ折り)圧着シートの折り曲げ方法を示す図である。尚、ここで説明するZ折り(三つ折り)圧着シートPzは図1に示した用紙14と同様の用紙である。
まず、図4(a) は、図3(a) 〜(d) の場合と同様に2つ折りのところまで進行した状態を示している。
この後、一次搬送ローラ17と一次二次搬送ローラ18が一対となって用紙Pzの後部を送り出し、さらに一次二次搬送ローラ18と二次三次搬送ローラ23が一対となって、紙Pzの上記二つ折り部分を把持して回転し、図4(b) に示すように、用紙Pzを二次引き込み路24方向に送り出す。
その用紙Pzの上記二つに折り込まれた一枚目Pz−1と二枚目Pz−2の合わせ部分Pz−12が二次三次搬送ローラ23と三次搬送ローラ27との対向部にきたタイミングで、図4(c) に示すように、二次折込装置25が折込み兼案内板26を突き出して、用紙Pzの最後部の3枚目Pz−3を折り込む。
二次三次搬送ローラ23と三次搬送ローラ27が一対となって、図4(d) に示すように用紙Pzの最後部の3枚目Pz−3が折り込まれて三重となって突き出された3つ折り部分を挟持して回転する。
これにより、図4(e) に示すように、用紙Pzは、二次三次搬送ローラ23と三次搬送ローラ27とにより三つ折りにされながら、圧着装置4への送出路28へ送り出される。
図1に戻り、上記のように圧着装置4に送り出された二つ折りの用紙Pv又は三つ折りの用紙Pzは、ただちに圧着装置4に搬入され、熱と圧力を加えられて圧着される。
(実施形態2)
ところで、上記の実施形態1では、トナーを用いた電子写真式プリンタを用いて可変情報を印刷した用紙をV折り又はZ折りしているが、可変情報の印刷はこれに限るものではなく、例えば、インクジェットプリンタを用いても良いことは言うまでもない。
また、上記の実施形態1では、両面印刷反転装置9によって用紙14(用紙Pz)の表裏を反転させて、表面と裏面への粉体接着剤の塗布を行っている。
このように同一の粉体接着剤塗布機によりZ折り圧着はがき用の用紙14に粉体接着剤15を塗布すると、つまり用紙14の両面に粉体接着剤15を塗布する処理時間は、V折り圧着はがきのように片面のみに粉体接着剤を塗布すればよい場合に比較して、時間的には反転搬送の分も含めると2倍以上かかる。
すなわち、最も普及しているZ折りはがきの場合、V折りはがきに比べて用紙一枚当りの粉体接着剤の塗布処理が遅くなり、圧着はがきの作製能率が低下する。この問題は、一回の用紙搬送で粉体接着剤を表裏に塗布することができれば解消される。
上記のように印刷をインクジェットプリンタで行い且つ一回の用紙搬送で粉体接着剤を表裏に塗布する圧着シート作製装置について、第2の実施形態として以下に説明する。
尚、本例においては、印刷面が電子写真式のトナー画像ではなくインクジェットによる液体インクの画像であることを考慮して、使用される粉体接着剤としては、実施形態1の場合よりも組成をやや変更してある。
すなわち本例の粉体接着剤の結着樹脂材料としては、ポリオレフイン樹脂を50〜70部、水添化石油炭化水素樹脂30〜50部、帯電制御剤、及びワックスを原料としてへンシェルミキサーにて混合し、更に2軸スクリュー混練装置にて混練を行った。
これを、2mmに粗砕後、ジェット式粉砕装置を用いて9μm粒径に微粉砕し、CV値20になるように分級を行った。さらに、上記のようにして得られた微粒子を疎水性シリカ1〜3%とへンシェルミキサーで混合して、疎水性シリカの外添を行った。
また、本体の接着剤は、THF不溶解分が15〜30%であるポリエチレン樹脂を70〜90部、帯電制御剤、ワックスを原料としてへシシェルミキサーにて混合し、2軸スクリユー混練装置にて混練を行った。
これを、2mmに粗砕後、ジェット式粉砕装置を用いて9μm粒径に微粉砕しCV値20になるように分級を行なった。さらに、上記のようにして得られた微粒子を、疎水性シリカ1〜3%とへンシェルミキサーで混合して外添をした。
図5は、第2の実施形態としての圧着シート作成装置の構成ブロック図である。同図に示すように、圧着シート作成装置30は、用紙搬送方向上流側(図では右側)から下流側(図の左側)へ、給紙部31、インクジェット印刷機構部32、予備紙折部33、粉体接着剤塗布機構部34、定着機構部35、用紙折機構部36、形状整頓部37、切断分離部38、及び排紙収納部39から成る。
図6は、上記の圧着シート作製装置においてZ折り(三つ折り)圧着はがき用として用いられる用紙のサイズを示す図である。同図はA3判の用紙40を示している。本例では、用紙40の長手方向の一方の端部を10.5cmの長さ部分40aだけ予め切り捨て、残る部分を用紙40bとして用いる。
そうすると、同図に示すように、裁断線41に沿って裁断し、二本の折り線42に沿って山折りと谷折りで3つに折ると、それぞれ縦14.85cm、横10.5cmの2通のZ折り圧着はがきを作製することが出来る。この圧着はがきの縦横の寸法は、郵政法で承認されているはがきの寸法の許容範囲の寸法である。
本例の図5に示した圧着シート作製装置は、塗布可能な最大サイズの用紙をA3判の用紙としてあるので、搬送及び処理が可能な最大用紙幅はA3判用紙の横幅と同じ29.7cmである。図5に示した給紙部31には、図6に示す用紙40bが多枚数収容されている。
図7(a) 〜(d) 及び図8(a) 〜(d) は、図5に示す圧着シート作製装置30における圧着はがきの作製工程順に、用紙40bの状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図である。
尚、図7(a) 〜(d) 及び図8(a) 〜(d) (図6も同様)には、圧着シート作製装置における用紙40bの搬送方向を矢印iで示している。すなわち、用紙40bは、矢印i方向に搬送されながら、印刷処理、特殊な中間工程を含む接着剤塗布、三つ折り、圧着、切断・分離の処理を経てZ折り圧着はがきとして完成される。
以下、図5乃至図8を用いて、本例の圧着シート作製装置における圧着シートの接着剤塗布方法を含む圧着シートの作製方法について説明する。
先ず、給紙部31から用紙40bがインクジェット印刷機構部32に給紙される。尚、この給紙では、図5(a) には、図示の煩雑さを避けるため、矢印i方向に搬送される圧着はがき用紙を1通分しか示していないが、実際には、図6に示したように、未だ裁断線41で連続したままの圧着はがき2通分の用紙40bが矢印iで示すように長手方向に搬送される。
インクジェット印刷機構部32は、インクジェットヘッド43と両面印刷反転装置44を備えている。インクジェットヘッド43としては、印刷速度の速さから見ればライン式のインクジェットヘッドが好ましく、コストの面から見ればシリアル式のインクジェットヘッドが好ましいといえる。
また、インクジェットヘッドは、インクの吐出方式では、ピエゾ方式と熱バブル方式などあるが、印刷が可能であればインクの吐出方式は、いずれでもよい。
また、印刷色は、モノクロでもよいが、黒、イエロー、マゼンタ、シアンの4色、またはライトマゼンタ、ライトシアン等の中間階調の色を加えた4色以上から成るフルカラーの印刷が可能なインクジェットヘッドであることが好ましいといえる。
このインクジェット印刷機構部32で、インクジェットヘッド43と両面印刷反転装置44とが用いられ、用紙40bへの両面印刷が行われる。
図7(a) に示す例では、第1面の印刷では、面A及び面Bに秘匿情報が印刷され、面Cに宛名が印刷される。そして、両面印刷反転装置44で反転されて、第2面の印刷では、面F及び面Eに秘匿情報が印刷され、面Dに差出人の情報が印刷される。
上記に続いて用紙40bは、図5に示す予備紙折部33に搬送される。予備紙折部33において、用紙40bは、図5(b) に示すように、用紙の一部(表裏でC面とF面の部分)が矢印jで示すように折り込まれる。
この用紙40bの予備的紙折りは、図3(a) 〜(e) に示したと同様の方法で行われる。この用紙の一部が折り込まれた用紙40bは、次に粉体接着剤塗布機構部34へと搬送される。
粉体接着剤塗布機構部34は、粉体接着剤収容部45と、この粉体接着剤収容部45下端開口部に設けられた接着剤塗布ローラ46と、転写ローラ47と、クリーナ48等で構成されている。
粉体接着剤塗布機構部34に搬入された用紙40bは、接着剤塗布ローラ46と転写ローラ47とにより挟持されて搬送されながら、上記折られた面(図5(c) の面F参照)とこの折られた面に並んで露出する折られなかった面(図5(c) の面A参照)とに、一度に粉体接着剤15を塗布される(図5(d) 参照)。
このように表裏の所定の面(面Fと面A)に一度に粉体接着剤15を塗布された用紙40bは、定着機構部35へと搬送される。定着機構部35の用紙搬入部には下無端熱ベルト51と、この下無端熱ベルト51を上下内外から挟むようにして加圧ローラ52と53が配置されて仮定着部を形成している。
下無端熱ベルト51の下面(外側)に位置する加圧ローラ52は常時下無端熱ベルト51の下面に当接しており、加圧ローラ52に対向配置された加圧ローラ53は、仮定着のときは下方に移動して下無端熱ベルト51を加圧ローラ52に向けて押圧する。
下無端熱ベルト51の内側に配置されている加圧ローラ53の下流側(図では左方)には発熱ローラ54が配置されている。この発熱ローラ54には下無端熱ベルト51を挟んで電磁波発生部55が対向配置されている。
電磁波発生部55は、発熱ローラ54に向けて所定の周波数の電磁波を照射する。発熱ローラ対54は、所定の電気抵抗値を有する金属体からなり、電磁波発生部55から照射された電磁波により内部に電磁誘導熱を発生させる。この発生した熱は下無端熱ベルト51に伝達される。
これにより、用紙40bは、下無端熱ベルト51と加圧ローラ52によって挟持されて搬送されながら、熱と圧力を加えられて、粉体接着剤15が紙面に仮定着される。
この粉体接着剤15を紙面に仮定着された用紙40bは、続いて用紙折機構部36へと搬送される。用紙折機構部36に搬入された用紙40bは、先ず一旦上記折られた面が広げられる。
図6(a) は、そのように広げられた用紙40bの表面(面A、面B、面C)を示しており、面Aには上記の粉体接着剤15が仮定着されている。また、図6(b) は、上記の広げられた用紙40bの裏面(面D、面E、面F)を示しており、面Fには上記の粉体接着剤15が仮定着されている。
この後、用紙折機構部36において、図6(c) に示すように、面Fが矢印kで示すように面E側に折り込まれ、続いていま折り込まれて面Fと二重になった面Bが矢印mで示すように面A側に折り込まれる。これにより、図6(d) に示すように、用紙40bがZ折りにされる。
このZ折りにされた用紙40bは、再び定着機構部35へと搬送される。ただし、今度は用紙40bは、下無端熱ベルト51と上無端熱ベルト56とが対向配置されている本定着部に搬入される。
下無端熱ベルト51の内部には上述した加圧ローラ53から上流側に加圧ローラ53を含む3個の加圧ローラが配設されており、上無端熱ベルト56の内部にも、下無端熱ベルト51内部の上記3個の加圧ローラと対になって対向する位置に3個の加圧ローラが配設されている。
上無端熱ベルト56の内部には、上記3個の加圧ローラの下流側に発熱ローラ57が配置されている。この発熱ローラ57には上無端熱ベルト56を挟んで電磁波発生部58が対向配置されている。
電磁波発生部58は、発熱ローラ57に向けて所定の周波数の電磁波を照射する。発熱ローラ対57は、所定の電気抵抗値を有する金属体からなり、電磁波発生部58から照射された電磁波により内部に電磁誘導熱を発生させる。この発生した熱は上無端熱ベルト56に伝達される。
上記の合計6個の加圧ローラ群は、それぞれ上無端熱ベルト56と下無端熱ベルト51とを、それぞれ対向部方向へ押圧する。この押圧の作用は、搬送方向上流側から下流側(この本定着では図の左側から右側)に行くに従って徐々に強く作用するように構成されている。
これによりZ折りにされた用紙40bは、下無端熱ベルト51と上無端熱ベルト56とにより挟持されて搬送されながら、粉体接着剤15の塗布面(面A、面F)とその対向面(面B、面E)とが、熱と圧力とで圧着される。
このように、用紙25bを熱圧着する際に、複数の加圧ローラ対により圧力を徐々に強く加えるので、Z折りされた用紙40bの位置ずれや皺の発生を防止することができる。
また、上無端熱ベルト56と下無端熱ベルト51により長時間加熱しながら複数の加圧ローラ対(本例では3対)により加圧するので、接着強度の向上に有効に寄与することができる。
続いて用紙40bは、形状整頓部59へと搬送され、斜行を矯正され、搬送幅方向を位置合わせされて、更に、切断分離部38へと搬送される。切断分離部38ではスプリッタにより、図6に示した裁断線41に沿って裁断され、独立した2通のZ折り圧着はがき40cとして完成する。この完成した2通のZ折り圧着はがき40cは、排紙収納部39に収納される。
このように、本例によれば、インクジェット印刷により可変情報を印刷して、圧着シートを作成することができる。可変情報と圧着シート作成の情報管理が一体型の装置なので操作が簡単になるという利点がある。
(実施形態3)
続いて実施形態3における圧着シート作製装置について述べる。本例における圧着シート作製装置の構成は、図5に示した実施形態2の圧着シート作製装置30において、インクジェット印刷機構部32を配置する位置が、用紙折機構部36の中に変更される。
すなわち、図8に示した圧着はがきの作製工程順において、図8(b) の工程と同図(c) の工程の中間に、インクジェット印刷機構部32が配置される。
つまり、予備紙折部33、接着剤塗布部34、定着機構部35(仮定着)、用紙折機構部36(予備折り面の開成)、インクジェット印刷機構部32、用紙折機構部36(Z折り)、定着機構部35(Z折り定着)の工程順となる。
また、本例では、粉体接着剤には、インクジェットのインクを固定化する樹脂を配合する。例えば、粉体接着剤の樹脂に、第四級アンモニウム基や第三級アミノ基を有するカチオン性化合物、またはカチオン性のポリアミド樹脂などで構成される樹脂を使用する。
これにより、粉体接着剤の塗布後に、その塗布面にインクジェット印刷機構部32で印刷を行ってもインクの定着性を保持することができる。
(実施形態4)
更に、実施形態4における圧着シート作製装置について述べる。本例における圧着シート作製装置の構成は、図1に示した実施形態1の圧着シート作製装置において、接着剤塗布部7と定着器8の中間で且つ用紙搬送装置6の搬送ベルト13に接する位置に、図5で示したインクジェットヘッド43が配置される。
本例では、用紙14に粉体接着剤15を全面ベタで塗布して用紙14の表面をコーティングした後、このコーティング面にインクジェット印刷する。
本例においても、粉体接着剤には、インクジェットのインクを固定化する樹脂として、例えば、第四級アンモニウム基や第三級アミノ基を有するカチオン性化合物、またはカチオン性のポリアミド樹脂などで構成される樹脂を配合する。
また、粉体接着剤には、光沢性のある樹脂、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などを含有させることによって、普通紙でもコート紙のような光沢性を与えることができる。
粉体接着剤は、THF不溶解分が15〜30%であるポリエチレン樹脂を70〜90部、カチオン性のポリアミド樹脂10〜30部、帯電制御剤、及びワックスを原料としてへンシェルミキサーにて混合し、2軸スクリュー混練装置にて混練を行う。
これを2mmに粗砕後、ジェット式粉砕装置を用いて9μm粒径に微粉砕し、CV値20になるように分級する。さらに、この微粒子を疎水性シリカ1〜3%とへンシェルミキサーで混合して、疎水性シリカの外添をする。
図9(a),(b) は、実施形態4における粉体接着剤の塗布とインクジェット印刷の工程を簡略に示す図である。
同図(a) は、上記のように作成された粉体接着剤15が用紙14に全面塗布され、これを定着器8により定着されて用紙14にインクジェットインクの受像層61が形成され、この受像層61にインクジェットヘッド43によりインク滴62で示すインクジェット印刷による画像が形成された状態を示している。
そして、同図(b) は、定着器8による定着で、インク滴61が粉体接着剤15による受像層61に定着されて、粉体接着剤15による受像層61がインク滴61の保護層となっている。
この後、用紙14は、V折り又はZ折りされて、定着器8により本定着されて、圧着はがきが出来上がる。
本例によれば、粉体接着剤15による受像層61がインクジェット印刷のインクの保護層となり、耐水性が良くなるという利点がある。
また、用紙面に光沢性を持たせることができるので外観性が向上する。また、粉体接着剤15による受像層61がインクの保護層となっているので、圧着はがきを開いた(再剥離)際の字移りの防止作用があり、圧着シートの秘匿情報伝達機能が向上する。
尚、圧着シートに限らず、通常使用目的の用紙に上記同様に粉体接着剤15による受像層61を形成した段階で、インクジェット印刷のインクの定着性が改善された(印刷速度が向上する)コート紙として市場に供給するようにしてもよい。
すなわち、本例の圧着シート作成システムは、用紙プレコート印刷機として使用することができる。
(a) は実施形態1における粉体接着剤塗布装置を含む圧着シート作成システムの構成原理図、(b),(c),(d) は粉体接着剤の塗布手順を示す図、(e) は圧着時の折り方を示す図である。 (a) は参考のため折り装置によりZ折りされた用紙の状態を示す図、(b) はZ折りされた用紙が矢印Hで示すように圧着装置に挿通される状態を示す図である。 (a) 〜(e) はV折り(二つ折り)圧着シートの折り曲げ方法を示す図である。 (a) 〜(e) はZ折り(三つ折り)圧着シートの折り曲げ方法を示す図である。 第2の実施形態としての圧着シート作成装置の構成ブロック図である。 第2の実施形態における圧着シート作製装置においてZ折り(三つ折り)圧着はがき用として用いられる用紙のサイズを示す図である。 (a) 〜(d) は第2の実施形態における圧着シート作製装置における圧着はがきの作製工程順に用紙の状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図(その1)である。 (a) 〜(d) は第2の実施形態における圧着シート作製装置における圧着はがきの作製工程順に用紙の状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図(その2)である。 (a),(b) は実施形態4における粉体接着剤の塗布とインクジェット印刷の工程を簡略に示す図である。
符号の説明
1 給紙装置
2 粉体接着剤塗布装置
3 折り装置
4 圧着装置
5 出来上がり圧着シート収容装置
6 用紙搬送装置
7 接着剤塗布部
8 定着器
9 両面印刷反転装置
11 粉体接着剤容器
12 塗布ローラ
13 搬送ベルト
14 Z折り圧着はがき用の用紙
15 粉体接着剤
Pv V折りはがき用紙
17 一次搬送ローラ
18 一次二次搬送ローラ
19 一次引き込み路
21 一次折込装置
22 折込板
23 二次三次搬送ローラ
24 二次引き込み路
25 二次折込装置
26 折込み兼案内板
27 三次搬送ローラ
28 送出路
31 給紙部
32 インクジェット印刷機構部
33 予備紙折部
34 接着剤塗布部
35 定着機構部
36 用紙折機構部
37 形状整頓部
38 切断分離部
39 排紙収納部
40 A3判の用紙
40a 用紙(切捨て部分)
40b 用紙(使用部分)
40c 完成したZ折り圧着はがき
41 裁断線
42 折り線
43 インクジェットヘッド
44 両面印刷反転装置
45 粉体接着剤収容部
46 接着剤塗布ローラ
47 転写ローラ
48 クリーナ
51 下無端熱ベルト
52、53 加圧ローラ
54 発熱ローラ
55 電磁波発生部
56 上無端熱ベルト
57 発熱ローラ
58 電磁波発生部
59 形状整頓部
61 受像層
62 インクジェット印刷のインク滴

Claims (7)

  1. はがきサイズとして許容されている面積の略整数倍の面積の用紙に秘匿すべき秘密情報を含む印刷情報を印刷するインクジェット印刷機構部と、
    用紙の秘密情報が印刷される面を内側に折り畳んだ際の互いに対向する面の少なくとも一方の面に粉体接着剤を塗布する粉体接着剤塗布機構部と、
    前記用紙を折り畳む用紙折機構部と、
    折り畳んだ用紙を前記粉体接着剤を介して圧着させる圧着機構部と、
    を少なくとも備えたことを特徴とする圧着シート作成装置。
  2. 前記インクジェット印刷機構部が前記粉体接着剤塗布機構部よりも用紙搬送方向上流側にあることを特徴とする請求項1記載の圧着シート作成装置。
  3. 前記インクジェット印刷機構部が前記粉体接着剤塗布機構部よりも用紙搬送方向下流側にあることを特徴とする請求項1記載の圧着シート作成装置。
  4. 前記粉体接着剤は熱溶融性の粉体接着剤であり、前記圧着機構部は通過対象物に熱と圧力を付与する熱定着機構を備えることを特徴とする請求項1記載の圧着シート作成装置。
  5. 前記インクジェット印刷機構部はライン型インクジェットヘッドを備えることを特徴とする請求項1記載の圧着シート作成装置。
  6. 前記インクジェット印刷機構部はシリアル型インクジェットヘッドを備えることを特徴とする請求項1記載の圧着シート作成装置。
  7. 前記用紙の前記粉体接着剤塗布機構部により前記粉体接着剤を塗布された面を前記圧着機構部により熱と圧力を付与して熱溶融により前記粉体接着剤をコート層として前記用紙に定着させ、
    該コート層に前記インクジェット印刷機構部により可変情報を印字し、
    前記コート層に前記可変情報を印字した前記用紙を前記用紙折機構部により折り畳み、
    該折り畳んだ前記用紙を再び前記圧着機構部を通して折り畳みの圧着定着を行う、
    ことを特徴とする請求項1記載の圧着シート作成装置。
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