JP2008181027A - 熱可塑性透明樹脂粉体、その製造方法及び塗布方法並びにそれを用いた圧着印刷物作製方法 - Google Patents

熱可塑性透明樹脂粉体、その製造方法及び塗布方法並びにそれを用いた圧着印刷物作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】実用性のある熱可塑性透明粉体接着剤、製造方法、塗布方法、圧着印刷物作製方法を安価に提供する。
【解決手段】熱可塑性透明粉体接着剤は純正トナーよりも1/2法溶融温度が10度以上低く、流出開始温度も低く、軟化点温度も低く構成されている。製法はポリエステル樹脂95質量%、帯電制御剤2質量%、WAX3質量%をヘンシェルミキサーで混合し、二軸連続混練機で混練し、粗砕、粉砕、分級の後、疎水性シリカと混合して中心粒径9μmの透明粉体とする。塗布方法は透明粉体をプリンタのトナー容器に交換装填し可変情報印字済みの紙面に重ねてべた印字し、折り装置で用紙を二つ折り又は三つ折りし、圧着装置で熱圧着して圧着印刷物が出来上がる。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性透明樹脂粉体、その製造方法及び塗布方法並びにそれを用いた圧着印刷物作製方法に関する。
従来、特定の個人のみへ文字情報を伝達するために、一般に、文字記載物を封書の形態にし、開封後に始めて当該個人が文字情報を確認できるようにしていた。
近年、個人情報保護が厳しく問われるようにもなり、各種事業所等では、例えば、個人の各種データ、成績表、給与明細書等の個人情報は、これを文字記載物の内部の印字箇所に記録して、印字箇所の周縁部もしくは文字記載物の全面を接着や圧着により封筒状やカード状にして配布したりしている。
このうち、はがきサイズのカード状のものは圧着はがきと呼ばれており、通常の郵便はがきと同じ料金で利用できることから、情報提供者側の利便性が高い印字(印刷)情報秘匿システムとして、広告宣伝のダイレクトメール等にも汎用されている。
このような圧着はがき等による印字情報秘匿システムを利用するには、従来、専門の製造業者に委託するか、高価な圧着はがき等製造・印刷装置を導入するかして秘匿情報を作成していた。
これらの圧着はがき等製造・印刷装置を用いて秘匿情報を作成するには、接着剤を情報印字の後に塗布する方法や、情報印字の前に塗布する方法等があるが、いずれにしても秘匿情報を大量に作成するという前提が必須であり高価であった。
また、そのような製造業者への委託は、個人情報の流出の問題も潜在的に存在しており好ましい秘匿情報の作成方法とはいえない。
ところで、近年、パソコンやプリンタの発達と相侯って、小規模事業所や個人でも利用できるように、少量単位でも簡易に圧着はがきを作成できるようにしたものも提案されている。
例えば、感圧接着剤を予め塗布した剥離紙付きはがき用紙が販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、感圧接着剤部分を圧着して投函用の圧着はがきを完成させるものである。
また、例えば、粘着フイルムとはがき用紙を一組にしたものが販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、2つ折り内部に粘着フイルムを挟むようにして圧着して、投函用の圧着はがきを作成できるようにしたものである。
しかしながら、これでもコスト高は避けられず、取り扱いが煩雑であり、個人的に数枚の圧着はがきを作成するのなら良いが、ある程度の枚数単位で、安価で、迅速に、且つ対需要即応体制で作成できるものではない。
そこで、粘着剤を内包したマイクロカプセルから成るトナー状粘着剤を静電印刷法により基材の表面に転写してフラッシュ定着させ、接着時には圧力によりマイクロカプセルを破壊しカプセル内の粘着剤を浸出させるようにして、圧着はがきを容易に作成できるとする提案がなされている。また、この提案では、粘着剤を溶融、混練、粉砕した粉砕トナーも示唆されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、事務用プリンタや複写機の交換用の印字用カートリッジに圧着用物質を入れて、それら事務用プリンタ又は複写機による印字作業と同様の操作で圧着用物質を官製はがきや封筒に塗布し、その後、圧着専用機にかけるようにし、圧着専用機にかけるところまでを1台のプリンタ又は複写機で出来るとする提案がなされている。また、この提案では、二つ折りの片面、三つ折の中央両面に圧着用物質を塗布することが示唆されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、感熱接着剤を含むトナーを用い、電子写真方式により画像を対需要即応式で作成する方法が提案されている。この提案では、感熱接着剤の軟化温度は電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高くなるように構成し、また、感熱接着剤の電子写真方式用トナーに占める割合を5〜60重量%とし、また、感熱接着剤の組成は熱接着性樹脂、ホットメルト及びワックス類からなる群より選ばれる1種類以上を含むようにすることが提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開平09−104849号公報(段落0005、0014、図1、図3、図6) 特開2000−006553号公報(要約、図なし) 特開2004−126231号公報(段落0085〜0087、図なし)
しかしながら、特許文献1の技術は、マイクロカプセル式のトナーについては構成及び組成について記載されてはいるが、粉砕トナーについては単なる思い付き程度に示唆されているのみであり、具体的な組成、製法、及び用法についての記載がなく、これでは、この分野の当業者といえども有用な粉砕トナーを作成することは勿論、試作することさえ出来ない。
また、特許文献2の技術は、圧着専用機にかける前までの官製はがきや封筒による印字情報秘匿書類を作成するものであり、投函用に完成するには圧着専用機にかけなければならない点で利便性と経済性に欠けるものであり、また対需要即応性には程遠いものと言わざるを得ない。
また、特許文献3の技術では、単に感熱接着剤の軟化温度が電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高く設定されているというのみで、感熱接着剤を含むトナーの詳細な処方等の説明はない。
ところで、対需要即応性のある圧着はがきの作成方法としては、個人的にも使用できる小型の電子写真式プリンタのトナーカートリッジに収容して使用可能な粉体接着剤を具体的に実現し、その粉体接着剤を現像、転写及び定着によって同プリンタで可変情報を印字(又は印刷、以下同様)した紙面に塗布できればよいと考えられる。
但し、そのように印字後の用紙に対する接着剤の塗布を電子写真式プリンタを用いて行うものとすると、粉体接着剤は通常のトナーとほぼ同様の形態のものでないと、接着剤として塗布(現像、転写、及び定着)は出来ないと考えられる。
しかしながら、トナー状の圧着はがき用粉体接着剤は、従来の提案技術である上記の各特許文献には思い付き程度に示唆されてはいるものの、既に述べたように具体的な材料処方も具体的な用法も開示されていない。
また、そのようなトナー状の圧着はがき用粉体接着剤は今日まで市場に流通もしていない。流通している圧着はがき用粉体接着剤は液状または粘着シート状のものだけである。
そこで、本発明者は、上記従来の提案技術が示唆するところに基づいて、プリンタを用いて塗布できることを前提としたトナー状の接着剤を試作してみることにした。
図12は、プリンタ又は複写機を用いて塗布できることを前提として試作されたトナー状接着剤の材料処方を示す図表である。同図に示すように、トナー状接着剤の材料処方では、結着樹脂として、ポリエステルを約95%、帯電制御剤として、LR147を約2%、ワックスとして、ppを約2%とした。
尚、上記の材料処方は、圧着はがき用接着剤であること、及びプリンタを用いて塗布できること(つまりトナーと類似した粉体性質を持っていること)の両条件を満たすものとの考えに基づいて処方したものであり、ポリエステルは現在プリンタのトナーとして主に使用されている結着樹脂材料である。
次に、これらの材料を、三井鉱山製へンシェルミキサーFM20にて混合し、二軸連続混練機により混練した。その後、粗砕、粉砕、分級、を経て、最後にへンシェルミキサーにて疎水性シリカと混合し、中心粒径9μmのトナーと類似の粉体を得た。
この粉体を、粉体接着剤として感光体ドラムに現像し、往復はがきの折り合わせ面に転写し、定着させて、用紙を取り出し、圧着専用機にかけて貼り合わせた。このとき、貼り合わせる貼り付けローラの設定温度を、120℃、130℃、140℃、150℃の4段階に分けて設定し、それぞれの設定温度において貼り合わせた圧着はがきを作成した。
この圧着はがきの貼り付けに上記のように圧着専用機を用い、貼り付けローラの温度設定に通常のトナーの溶融温度よりも高い温度が含まれているのは、それぞれ従来の提案技術の示唆に応じたものである。
図13は、上記設定温度ごとに作成された圧着はがきを評価した結果を示す図表である。尚、同図表に示す剥離力は、圧着はがきの貼り付け部を剥離する際の力の強さであり、文字オフセット性は、圧着はがきの貼り付け部を開封(剥離)したとき、可変情報印字トナーが、もともと印字されていた面から脱離して接着対面へ転移して付着してしまうという現象を示している。また、「×」は評価結果が悪かったことを示している。
同図表から明らかなように、上記のように作成された接着剤では、はがきが貼りつく接着力(=剥離力)の温度設定領域(140℃、150℃)においては、文字オフセットが発生するという問題があることが判明した。
つまり、先行技術が示唆する範囲で作成された接着剤(軟化温度がトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高い接着剤)では、通常トナーで可変情報を印字後に接着剤単体で印字面に塗布を行った場合、又は感熱接着剤を含むトナーで可変情報の画像を形成した場合、その後の接着剤による接着を実現するための加熱によって、紙面に定着されていたトナーが再溶融してしまい、文字オフセットが発生する。
この文字オフセット現象は、熱圧着で軟化溶融した可変情報印字トナーと接着剤の両者が共に強く結着し、はがきを開封するとき可変情報印字トナーが対向面の接着剤に強く引っ張られ、その力が紙と可変情報印字トナーとの接着力を凌いで、可変情報印字トナーが対向面側に転移することによって起こると考えられる。
従って、十分な接着力(=剥離力)を持ち、かつ文字オフセットのない粉体接着剤の作成に当たっては接着剤の熱特性に関して何らかの制御が必要である、ということが判明する。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、実用性のある粉体接着剤としての熱可塑性樹脂粉体と、その製造方法及び塗布方法並びにそれを用いた圧着印刷物作成方法を安価に提供することである。
先ず、第1の発明の熱可塑性透明樹脂粉体は、電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体による可変情報を印刷された圧着印刷物用シートの接着面に上記電子写真式画像形成方法による現像により塗布が可能な熱可塑性透明樹脂粉体であって、1/2法溶融温度が上記熱可塑性樹脂粉体の1/2法溶融温度よりも10度以上低いように構成される。
この熱可塑性透明樹脂粉体は、例えば、昇温法における流出開始温度が上記熱可塑性樹脂粉体の流出開始温度よりも低いように構成され、また、例えば、昇温法における軟化点温度が上記熱可塑性樹脂粉体の軟化点温度よりも低いように構成される。
次に、第2の発明の熱可塑性透明樹脂粉体の製造方法は、電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体による可変情報を印刷された圧着印刷物用シートの接着面に上記電子写真式画像形成方法による現像により透明トナーとして塗布が可能な熱可塑性透明樹脂粉体の製造方法であって、軟化点120℃のポリエステル樹脂100質量%と帯電制御剤2質量%とをケミカルミキサーで混合し、該混合物を2軸押出機により溶融混練を行った後冷却し、該冷却した混練物をハンマーミルで粗砕し、該粗砕物をロートプレックスにより1〜3mmの大きさに作成し、該作成物をジェットミル粉砕機により粉砕し、該粉砕物を分級して2〜20μmの平均粒径の粉体粒子とし、該粉体粒子100質量%と平均粒径40nmのシリカ1質量%とをケミカルミキサーで混合して上記粉体粒子の表面に上記シリカを付着させて透明トナーとしての熱可塑性透明樹脂粉体を作成する各工程を少なくとも含んで構成される。
更に、第3の発明の熱可塑性透明樹脂粉体の塗布方法は、はがきの整数倍面積の接着剤無加工の圧着印刷物用シートに電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体を用いて可変情報を印刷し、上記電子写真式画像形成方法にて網点印字により印字率を調節して請求項4記載の熱可塑性透明樹脂粉体を現像し、該現像された熱可塑性透明樹脂粉体を上記可変情報を印刷した上記接着剤無加工の圧着印刷物用シートに転写し定着器により定着する各工程を含んで構成される。
上記熱可塑性透明樹脂粉体の塗布方法において、上記網点印字による印字率は、例えば10%であるように構成される。また、例えば、上記可変情報の印刷時の定着温度よりも、上記熱可塑性透明樹脂粉体の転写後の定着温度のほうが低いように構成される。
そして、第4の発明の圧着印刷物作製方法は、圧着印刷物用シートの接着面に電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体にて可変情報を画像形成する可変情報画像形成工程と、該画像形成工程により上記可変情報を画像形成された上記圧着印刷物用シートの接着面に電子写真式画像形成方法により熱可塑性透明樹脂粉体にて印字率10%の網点形態に設定した接着型を画像形成する接着型画像形成工程と、上記可変情報を画像形成後または上記接着型を画像形成後の上記圧着印刷物用シートに上記可変情報または上記接着型を定着する定着工程と、該定着工程により上記接着型を定着された上記圧着印刷物用シートを上記接着型の定着面を内側にして所定の形状に折り畳む折り畳み工程と、該折り畳み工程により折り畳まれた上記圧着印刷物用シートの上記接着型の定着面と対向面とを圧着する圧着工程と、を含んで構成される。
本発明よれば、接着剤に用いるトナー状の熱可塑性透明樹脂粉体が可変情報の印字に用いる同じくトナー状の熱可塑性樹脂粉体に比べて、より低い温度で軟化し流動化する熱特性をもつように構成されているので、可変情報印字後における熱可塑性透明樹脂粉体の塗布後の定着で熱可塑性透明樹脂粉体と可変情報印字用のトナーが混じり合うことがなく、また、塗布された熱可塑性透明樹脂粉体による熱圧着後の剥離操作で反対側接着面に可変情報が転移することがなく、安定した状態の可変情報を維持することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
前述した文字オフセット現象を防ぐためには、接着剤を塗布したはがきを加圧および加熱により貼りつける工程において、可変情報印字トナー及び接着剤がそれぞれ可変情報印字トナーが軟化しない状態で接着剤が軟化し始めて接着できる状態、つまり接着剤が可変情報印字トナーに対して低い温度で軟化し始めるという熱特性を持つことが必要であると考えられる。
そして、実用的な具体的組成を有するトナー状の接着剤を実現するためには、第1には、上記の考え方が正しいものであるか否かを検証する、第2には、上記の考え方が正しいとすれば可変情報印字トナーの熱特性と接着剤の熱特性との相対的な差が具体的にどの程度のものかを検証する、ことが重要であると考えられる。
この検証のため、本発明者は、可変情報印字トナーの熱特性を基準として、種々の熱特性をもつ4つの接着剤を作成し、その接着力と文字オフセット性について評価した。
以下、その接着剤の処方、接着剤の製造方法、接着剤の評価試験方法、結果及び考察を述べる。
図1は、実施形態1において作成された4つの接着剤の組成を示す図表である。同図表には、横欄には左から右へ、4つの接着剤を実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例4として示し、縦欄には上から下へ、上記実施例ごとについて、それぞれ結着樹脂、帯電制御剤、及びワックス(WAX)の組成割合を示している。
尚、これらの実施例1〜4の作成に当っては、結着樹脂材料として、現在プリンタおよび複写機で主に使用されているポリエステルおよびスチレンアクリルのうち、ポリエステルを使用している。
同図表に示すように、実施例1では、結着樹脂にはポリエステルAが用いられ、その混合割合は約95%、帯電制御剤にはLR147が用いられ、その混合割合は約2%、そして、ワックスにはpp(ポリプロピレン樹脂)が用いられ、その混合割合は約3%である。
また、実施例2では、結着樹脂にはポリエステルBが用いられ、その混合割合は約95%、帯電制御剤及びワックスについては、実施例1と同様である。
また、実施例3では、結着樹脂にはポリエステルCが用いられ、その混合割合は約95%、帯電制御剤及びワックスについては、実施例1と同様である。
そして、実施例4では、結着樹脂にはポリエステルDが用いられ、その混合割合は約95%、帯電制御剤及びワックスについては、実施例1と同様である。
上記結着樹脂、帯電制御剤、及びワックスの3種類の材料を、それらに含まれるポリエステルの種類別ごとに、つまり実施例別ごとに、それぞれ、三井鉱山製へンシェルミキサーFM20にて混合し、二軸連続混練機により混練した。
その後、粗砕、粉砕、及び分級、を経て、最後にへンシェルミキサーにて疎水性シリカと混合し、中心粒径9μmの透明の粉体接着剤、すなわち熱可塑性透明樹脂粉体(透明トナー)を得た。
(実施形態2)
図2は、紙面に可変情報を印字し、その紙面の印字面に重ねて、透明トナーから成る上記の実施例1〜4の粉体接着剤を電子写真式で塗布(転写・定着)し、その塗布面を圧着して圧着印刷物を作製する圧着印刷物作製装置である。尚、同図は、電子写真方式の画像形成装置に、シート折り装置と圧着装置を組み込んだ状態を示している。
また、本例においては、圧着はがき等の秘匿情報面を内側にして圧着した圧着郵便物や給料明細書等の秘匿情報を内側にして圧着封印した圧着印刷物を総称して圧着印刷物ということにする。
また、このような圧着印刷物に用いることのできる用紙等の被記録用部材は、接着剤無加工の専用紙に限ることなく、電子写真方式で現像する印字用トナーを転写・定着でき且つ本例の粉体接着剤の転写・定着・圧着が可能であれば、普通紙、不織布、フィルム等からなる枚葉紙状のシートであれば何でも良い。勿論、枚葉紙状と限ることなく、ロール状の長尺シートを裁断しながら用いるようにしても良い。
同図に示す圧着印刷物作製装置1は、ケーブルによって不図示のパーソナルコンピュータ等のホスト機器に接続されている。そして、装置本体下部にシート供給カセット2を着脱自在に備えている。シート供給カセット2には多枚数の圧着印刷物用シート3が載置・収容されている。
また、装置本体の上部左方には、シート排出用トレー4が形成され、そこには上部シート排出口5から排出される投函前の完成した圧着印刷物が積載される。尚、この圧着印刷物作製装置1はモノクロの通常の画像記録装置としても使用可能である。
この圧着印刷物作製装置1の上面側部には、特には図示しないが蓋部の開閉スイッチや液晶表示装置、電源スイッチ、複数のデータ入力キー等からなる操作パネルが配設されている。
また、装置本体内部のシート供給カセット2の上方には、シート搬送ベルト(以下、単に搬送ベルトという)6が偏平なループ状に配置され、その両端部を駆動ローラ7と従動ローラ8に保持されて、図の矢印aで示す反時計回り方向に循環移動する。
搬送ベルト6の上方に、第1の画像形成ユニット9−1と、第2の画像形成ユニット9−2が、シート搬送方向(図の右から左方向)に並設されている。上記第1の画像形成ユニット9−1の現像器10内には黒トナーが収容され、第2の画像形成ユニット9−2の現像器10内には実施形態1で作製された粉体接着剤が収容されている。
上記第1の画像形成ユニット9−1と第2の画像形成ユニット9−2は、現像器10内に黒トナーを収容しているか粉体接着剤を収容しているかの違いだけで、いずれも同一の構造である。
代表的に第2の画像形成ユニット9−2について各部に符号を付して説明する。先ず、搬送ベルト6の上循環部に当接して感光体ドラム11が配置され、この感光体ドラム11を取り囲むようにしてクリーナ12、初期化帯電器13、光書込ヘッド14、現像器10の現像ローラ16及び搬送ベルト6を挟んで帯電転写ローラ17が配置されている。
上記の搬送ベルト6は、下循環部の下流側裏面に押接するテンションローラ18によって常に下方に付勢されて適度の張力を保っている。この搬送ベルト6の上循環部の搬送方向上流側には、待機ローラ対19が配置され、その右方には、下方から左に反転する形状に屈曲したシート案内路21が形成されている。
シート案内路21の先端部には、搬送ローラ対22が配置され、シート供給カセット2のシート供給口の上部には、最上部の圧着印刷物用シート3の先端部に圧接して供給ローラ23が配設されている。この供給ローラ23と上記の搬送ローラ対22との間で、供給ローラ23に近接して分離ローラ対24が配置されている。
また、搬送ベルト6の下流側には、第1の定着案内路25が形成されており、この第1の定着案内路25の下流に2つの加熱加圧ローラ26と27から成る第1の定着部28が配置されている。
この第1の定着部28の下流側には、上方から右に反転する形状に屈曲した給送案内路29が形成されている。給送案内路29の先端部には、搬送ローラ対31が配置されている。この搬送ローラ対31に続く下流側に中間転写ローラ32と帯電転写ローラ33が上下に対向して配置されている。
中間転写ローラ32の上部には、第3の画像形成ユニット9−3の感光体ドラム11が対向して配置されている。上記の中間転写ローラ32と帯電転写ローラ33の下流側には第2の定着案内路34が形成されており、この第2の定着案内路34の下流に、上述した加熱加圧ローラ27と他の加熱加圧ローラ35から成る第2の定着部36が配置されている。
第2の定着部36から下流側は、搬送案内路37及び38が上方左右に分岐している。その分岐点には、切り替えフラップ39が配置されている。左の搬送案内路37の上端には第2の折り装置39が配置され、この第2の折り装置39の排出路は、右の搬送案内路38に合流する。
合流搬送路41は、ほぼ水平に右方に延在し上に曲がる上部に第1の折り装置42が配置されている。第1の折り装置42と第2の折り装置39は、それぞれ、一次搬送ローラ43、一次二次搬送ローラ44、折込板45を備えた折込装置46を備え、更に、引き込み路47、二次搬送ローラ48を備えている。
上記第1の折り装置42の排出路は、圧着部49に連結されている。圧着部49は右端のシート搬入部から左端のシート排出部まで、下無端熱ベルト51と上無端熱ベルト52が対向して配置されている。そして、これら下無端熱ベルト51と上無端熱ベルト52の対向部をベルト内側から挟むようにして複数の加圧ローラが配置されている。
圧着部49の左端のシート排出部より下流には、上部排出口5の内側に近接して、排出ローラ対53が配置されている。
尚、図で一見してわかるように、第1又は第2の定着部の1組の加熱加圧ローラの対向部からなるシート搬送部に比べて、圧着部49では、上下の無端熱ベルトが対向するシート搬送部が長く形成されている。
これは圧着印刷物用シートが定着部で1枚の状態で定着されるときよりも、折り畳まれた状態では厚さが厚いため、搬送速度を落とすことなく熱を内部まで浸透させるために、このように構成されたものである。ただし、後述するように圧着の温度そのものは定着部よりも低く設定されている。
また、この圧着印刷物作製装置1の内部には、シート供給カセット2の後方に、所定枚数の回路基盤を装着可能な電装部54が配設されている。この電装部54に配設される回路基盤には複数の電子部品からなる制御装置が搭載されている。
図3は、上記制御装置の回路構成を示すブロック図である。同図に示すように、この制御装置55は、インターフェイスコントローラ(以下、I/Fコントローラという)56と、このI/Fコントローラ56に接続するプリンタコントローラ(PR_CONT)57を備え、I/Fコントローラ56には、不図示のホストコンピュータが接続され、プリンタコントローラ57には、画像形成部58が接続されている。
I/Fコントローラ56とプリンタコントローラ57には、CPU59が接続され、CPU59は、ROM61に格納されているシステムプログラムに従って、I/Fコントローラ56とプリンタコントローラ57を制御する。
I/Fコントローラ56は、ホストコンピュータから出力される印字情報又は塗布情報に従って、シートの1頁分に対応するパターンデータを各画像形成ユニット毎に作成する。
これら印字トナーの印字パターンデータ又は接着剤の塗布パターンデータはI/Fコントローラ56内に配設されるフレームメモリ62の上記接着剤又は印字トナーの各記憶領域62−1、62−2、62−3に記憶される。
また、これらのパターンデータはCPU59の制御によりプリンタコントローラ57に出力され、黒の印字トナー(K)、粉体接着剤(B)毎に画像形成部58に出力される。
尚、CPU59には、図1には示さなかった操作パネル63が接続されている。この操作パネル63を介して外部からの各種操作信号がCPU59に入力する。
また、CPU59には、EEPROM64が接続されている。このEEPROM64には、例えば不図示のシートセンサによって検出されたシートサイズや、V折り又はZ折りの指示とタイミングデータ、接着剤塗布の指示データ等が記憶される。
続いて上記構成の圧着印刷物作成装置1の動作を説明する。
(圧着印刷物作製装置の動作、二つ折り(V折り)圧着印刷物の場合)
図4(a) 〜(d) は、二つ折り圧着印刷物を作製する場合のシートの状態を処理工程順に示す図である。再び図2、図3及び上記の図4を参照しながら、二つ折り圧着印刷物を作製する圧着印刷物作成装置1の動作を説明する。
尚、二つ折り(V折り)の場合は、処理開始前に、オペレータにより、第1の画像形成ユニット9−1には印字トナーの入った現像器10、第2の画像形成ユニット9−2には粉体接着剤の入った現像器10、第3の画像形成ユニット9−3には印字トナーが入った現像器10が、それぞれ装着される。
そして、オペレータにより、所定の印字トナーの印字パターンと粉体接着剤の印字パターン(本例では全面塗布、つまり、べた印字)による印字処理の実行が指示される。
先ず、図1に示す本体装置に電源が投入され、使用するシートの材質、枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると可変情報の印字(印刷)とそれに続く粉体接着剤の塗布が開始される。
先ず、供給ローラ23が回転し、シート供給カセット2に載置収容されている二つ折り(V折り)用のシート3(3v)の最上部の一枚を取り出し、搬送ローラ対22に向けて給送する。分離ローラ対24は、上ローラが順方向、下ローラが逆方向に回転して、シートの連れ送り(重送)を防止する。搬送ローラ対22は、シート3をシート案内路21を介して待機ローラ対19へ給送する。
待機ローラ対19は回転を一時停止して、その挟持部にシート3の先端を当接させてシート3の進行を制止し、搬送タイミングを待機する。
駆動ローラ7が反時計回り方向に回転し、従動ローラ8が従動して同じく反時計回り方向に回転する。これにより搬送ベルト6は、上循環部が第1の画像形成ユニット9−1及び第2の画像形成ユニット9−2の感光体ドラム11に当接して全体が反時計回り方向へ循環移動する。
これと共に感光体ドラム11を中心に配置された諸装置が印字タイミングに合わせて順次駆動される。感光体ドラム11は時計回り方向に回転し、初期化帯電器13は、感光体ドラム11周面に一様な高マイナス電荷を付与し、光書込ヘッド14は、その感光体ドラム11周面に画像信号に応じて露光を行って低電位部を形成する。これにより、上記初期化による高マイナス電位部と、露光による低マイナス電位部からなる静電潜像が形成される。
現像ローラ16は、その静電潜像の低電位部に現像器10の印字トナーを転移させて感光体ドラム11周面上に、秘匿情報である印字トナー像を形成(反転現像)する。
第1の画像形成ユニット9−1の感光体ドラム11周面上の印字トナー像の先端が搬送ベルト6との対向部に回転搬送されてくるタイミングで、その対向部にシート3の印字開始位置が一致するように、待機ローラ対21が回転を開始してシート3をシート搬入部へ給送する。このとき、シート3は、裏面(秘匿情報が印字される面)を上向きにして搬送される。
搬送ベルト6は給送されたシート3を搬送し、これにより、シート3は第1の画像形成ユニット9−1の感光体ドラム11と帯電転写ローラ17により形成されている1番目の転写部へ搬送される。
帯電転写ローラ17は、不図示の転写バイアス電源から出力される転写電流(又は転写電圧)を搬送ベルト6を介してシート3に印加する。これにより、感光体ドラム11上の秘匿情報である印字トナー像がシート3に転写される。
図4(a) は、このときのシート3(3v)の状態を示している。すなわち、シート3(3v)の裏面である面Cと面Dに秘匿情報65が印字されている。
続いて、第2の画像形成ユニットの感光体ドラム11と帯電転写ローラ17により形成されている2番目の転写部において、上記秘匿情報の転写面に粉体接着剤像が転写(塗布)される。
図4(b) は、このときのシート3(3v)の状態を示している。すなわち、シート3(3v)の面Cと面Dの秘匿情報65に重ねて、粉体接着剤66が転写されている。
尚、この粉体接着剤像(粉体接着剤66)は、本例においてはベタ印字画像である。また、この粉体接着剤66の塗布は、本例では、図4(b) に示すように、シート3の面Cと面Dの2面ともに塗布される。
続いて、このように粉体接着剤を転写されたシート3は、搬送ベルト6から分離され、第1の定着案内路25を通過し、第1の定着部28に搬入される。第1の定着部28は、2つの加熱加圧ローラ26と27によりシート3を押圧挟持し、下流方向に搬送しながら、シート3に熱と圧力とを加えて、シート3に上記の秘匿情報を定着すると共に粉体接着剤を仮定着し、下流側へ排出する。
このように裏面に秘匿情報65を定着され、粉体接着剤66を仮定着されたシート3は、この後、給送案内路29から成る搬送機構を通過して反転しながら搬送され、中間転写ローラ32と帯電転写ローラ33が対向配置されている3番目の転写部を通過する。
ここで、シート3への帯電転写ローラ33からの転写バイアスの印加により、第3の画像形成ユニット9−3の感光体ドラム11に現像されている宛名や差出人等の可変情報が、中間転写ローラ32を介し、シート3の表面に転写される。
図4(c) は、このときのシート3(3v)の状態を示している。すなわち、シート3(3v)は上と下に分けて宛名情報67と差出人情報68の可変情報が印字され、面Aには宣伝用等の公開可変情報69が印字されている。勿論、面Aに差出人情報68を印字するようにしても良い。
このように、表面に宛名や差出人等の可変情報を転写されたシート3は、第2の定着案内路34を介して第2の定着部36に給送される。第2の定着部36は、2つの加熱加圧ローラ27と35によりシート3を押圧挟持し、下流方向に搬送しながら、シート3に熱と圧力とを加えて、シート3に上記の可変情報を定着して、下流側へ排出する。
本例のように、二つ折り圧着印刷物を作製する場合においては、切り替えフラップ39は、シート3を右側の搬送案内路38に案内する。シート3は、搬送案内路38の先にある第1の折り装置42の一次搬送ローラ43と一次二次搬送ローラ44により給送されて、引き込み路47に前半分のところまで引き込まれる。
シート3の面Aと面Bの境界線が一次搬送ローラ43と一次二次搬送ローラ44の対抗部に向く位置までシート3が引き込み路47に引き込まれてきたタイミングで、折込装置46の折込板45が、一次二次搬送ローラ44と二次搬送ローラ48との対抗部方向に突き出される。
これにより、シート3の面Cと面Dの境界線部分が谷折りされ、一次二次搬送ローラ44と二次搬送ローラ48との対抗部により挟持される。
図4(d) は、このときのシート3(3v)の状態を示している。すなわち、シート3(3v)は、面Cと面Dの境界線部分が谷折りされたことにより、矢印cで示すように、山折りとなった面Aと面Bの境界線を搬送方向に向けて、圧着部49に搬入される。
圧着部49は、二つ折りされたシート3を、下無端熱ベルト51と上無端熱ベルト52の対向部により挟持して搬送しながら、シート3の裏面の粉体接着剤66の仮定着面を熱と圧力により本定着して圧着させる。
(圧着印刷物作製装置の動作、三つ折り(Z折り)圧着印刷物の場合)
続いて、三つ折り(Z折り)圧着印刷物を作製する場合の圧着印刷物作成装置1の動作を説明する。
図5(a) 〜(d) は、三つ折り圧着印刷物を作製する場合のシート3(3z)の状態を処理工程順に示す図である。
図5(a) に示すように、このシート3(3z)は、面A、面B、及び面Cの連続した3面からなる表面と、前記面A、面B、及び面Cにそれぞれ対応する面D、面E、及び面Fの連続した3面からなる裏面とからなる三つ折り圧着印刷物用シートである。
また、三つ折り圧着印刷物を作製する場合、面A、面B、及び面Cの連続した3面からなるシート表面は無地であって良いが、面A、面B、及び面Cにそれぞれ対応する面D、面E、及び面Fの連続した3面からなるシート裏面には、図5(c) に示すように、予め面D及び面Eには秘匿情報65が印刷され、面Fには公開可変情報69又は表面の面Aの下方に印刷しても良い差出人情報68が印刷されていなければならない。
上記の予め面D及び面Eに印刷される秘匿情報65及び面Fに印刷される公開可変情報69又は差出人情報68等は、圧着印刷物作製装置1を印字専用モードに設定して印字しても良いし、他の画像形成装置を用いて予め印刷して置いても良い。
また、この三つ折り圧着印刷物を作製する場合は、シート3(3z)は、面A、面B、及び面Cからなる表面を下向きにしてシート供給カセット2に収容される。再び図2及び上記の図5を参照しながら、三つ折り圧着印刷物を作製する圧着印刷物作成装置1の動作を説明する。
先ず、図2に示す本体装置に電源が投入され、使用するシートの材質、枚数、印字モード、その他の指定がキー入力あるいは接続するホスト機器からの信号として入力されると可変情報の印字(印刷)とそれに続く粉体接着剤の塗布が開始される。
先ず、供給ローラ23が回転し、シート供給カセット2に載置収容されているシート3(3Z)の一枚を取り出し、搬送ローラ対22に向けて給送する。分離ローラ対24は、上ローラが順方向、下ローラが逆方向に回転して、シートの連れ送り(重送)を防止する。搬送ローラ対22は、シート3をシート案内路21を介して待機ローラ対19へ給送する。
このとき、シート案内路21が反転していることにより、面A、面B、及び面Cの表面を下向きにしてシート供給カセット2に収容されていたシート3(3z)は、その表面を上向きにして待機ローラ対19へ給送される。
以下、二つ折りの場合と同様にして、シート3(3z)は、第1の画像形成ユニット9−1の感光体ドラム11から印字トナー像を転写される。すなわち、シート3(3z)は、図5(a) に示すように、矢印aで示すように搬送されながら、第1の画像形成ユニット9−1により、面Aに宛名情報67(上に宛名情報67、下に差出人情報68としてもよい)が転写されると共に面B及び面Cには秘匿情報65が転写される。
続いて、シート3(3z)は、第2の画像形成ユニットの感光体ドラム11から粉体接着剤像を転写される。すなわち、シート3(3z)は、図5(b) に示すように、面Bと面Cの秘匿情報65に重ねて、粉体接着剤66が転写される。
尚、この粉体接着剤66の転写像は、本例においてもベタ印字画像である。また、この粉体接着剤66の塗布は、図5(b) に示すように、シート3(3z)の面Bと面Cの2面ともに塗布される。
続いて、シート3(3z)は、二つ折りの場合と同様に、第1の定着部28により
宛名情報67、差出人情報68、及び秘匿情報65からなる可変情報を定着されると共に粉体接着剤66を仮定着される。
そして、給送案内路29を通過して反転し、矢印bで示すように搬送されながら、第3の画像形成ユニット9−3の感光体ドラム11から、粉体接着剤を転写される。すなわちシート3(3z)は、図5(c) に示すように、予め秘匿情報65が印字されている裏面の面Eと面Dに粉体接着剤66が転写される。
この後、シート3(3z)は、第2の定着部36で裏面の粉体接着剤66を仮定着されて、分岐路に向かう。
本例のように、三つ折りを行う場合は、切り替えフラップ39は、シート3(3z)を左側の搬送案内路37に案内する。シート3(3z)は、搬送案内路37の先にある第2の折り装置39の一次搬送ローラ43と一次二次搬送ローラ44により給送されて、引き込み路47に前半分のところまで引き込まれる。
シート3(3z)の面Aと面Bの境界線が一次搬送ローラ43と一次二次搬送ローラ44の対抗部に向く位置までシート3(3z)が引き込み路47に引き込まれてきたタイミングで、折込装置46の折込板45が、一次二次搬送ローラ44と二次搬送ローラ48との対抗部方向に突き出される。
これにより、シート3(3z)の面Dと面Eの境界線部分が谷折りされ、一次二次搬送ローラ44と二次搬送ローラ48との対抗部により挟持されて、後方へ排出される。
続いて、シート3(3z)は、合流搬送路41に案内され、第1の折り装置42の一次搬送ローラ43と一次二次搬送ローラ44により搬送を引き継がれて、引き込み路47に搬送先端部を引き込まれる。
シート3(3z)の面Dと面Eの二枚重なり部分(面A)と面Fの境界線が一次搬送ローラ43と一次二次搬送ローラ44の対抗部に向く位置までシート3(3z)が引き込み路47に引き込まれてきたタイミングで、折込装置46の折込板45が、一次二次搬送ローラ44と二次搬送ローラ48との対抗部方向に突き出される。
これにより、シート3(3z)の、面Dと面Eの二枚重なり部分(面B)と面Cの境界線部分が谷折りされ、一次二次搬送ローラ44と二次搬送ローラ48との対抗部により挟持されて、後方へ排出される。
図5(d) は、このときのシート3(3z)の状態を模式的に示している。すなわち、シート3(3z)は、面Cと面Bの境界線部分が谷折りされ、更に面Dと面Eの境界線部分が谷折りされて、三つ折り(Z折り)形状になっている。
この状態で、シート3(3z)は、矢印cで示すように排出され、圧着部49に搬入される。圧着部49は、三つ折りされたシート3(3z)を、下無端熱ベルト51と上無端熱ベルト52の対向部により挟持して搬送しながら、シート3(3z)の粉体接着剤55の仮定着面を熱と圧力により本定着して圧着させる。
これにより、面Aに宛名情報62(又は差出人情報63も)印刷され、面Fに差出人情報63(又は公開可変情報69のみ)が印刷され、面B、C、E、及びDに秘匿情報65が印刷された三つ折り圧着印刷物が出来上がる。
(実施形態3)
ここで、実施形態1で作製した実施例1、2、3及び4の粉体接着剤を上記圧着印刷物作製装置1の第2の画像形成ユニット9−2に用いて、二つ折り(V折り)圧着印刷物を作製してみた実験について実施形態3として説明する。
先ず、オペレータにより、第2の画像形成ユニット9−2の現像器10として実施例1の粉体接着剤を収容した現像器10が設定される。また、定着温度は実施例1の粉体接着剤に対応する温度が設定される。
これにより、実施例1の粉体接着剤による全面印字画像が現像され、上記のように印字トナーによる可変情報が形成されているシートの可変情報形成面に重ねて転写され、定着されて、実施例1の粉体接着剤の塗布が完了する。尚、この印字処理(塗布処理)は、所定枚数の上記印字済みシートに対して実行される。
続いて、オペレータにより、第2の画像形成ユニット9−2の実施例1の粉体接着剤を収容した現像器10が、実施例2の粉体接着剤を収容した現像器10に交換される。そして、上記と同様のべた印字パターンによる印字処理の実行指示と、実施例2の透明トナーに対応する定着温度の設定とが行われる。
これにより、上記と同一のべた印字パターンによる実施例2の粉体接着剤の現像画像が、上記と同一の印字トナーによる可変情報が形成されているシートの可変情報形成面に重ねて転写され、定着されて、実施例2の塗布が完了する。尚、この印字処理(塗布処理)も上記と同一の所定枚数の上記印字済みシートに対して実行される。
そして、上記と同様にして、実施例3及び実施例4についても、上記と同一の条件で塗布処理が実行された。
図6は、上記のようにして作成された圧着はがきの剥離力(接着力)と可変情報文字の文字オフセット性の評価を示す図表である。
尚、この評価において、可変情報文字の文字オフセット性の評価は、圧着印刷物の接着部を開封し、文字オフセットの有無を目視確認した。
また、剥離力(接着力)の評価では、測定器には島津製作所製引っ張り試験機AGS−20NJを用い、測定条件として試験紙巾25mm、試験スピード300mm/minでT字試験を行い、剥離力(接着力)を確認した。剥離力の適性値は、約0.3Nから1.5Nであった。
同図表に示すように、実施例1の粉体接着剤は、120℃と130℃の熱圧着温度では剥離力(接着力)が無く、したがって、文字オフセット性も特定できなかった(斜線で示す)。そして、140℃では有効な剥離力(接着力)を示したが(0.3N)、文字オフセットが発生した(×)。また、150℃でも有効な剥離力(接着力)を示したが(1.0N)、文字オフセットが発生した(×)。
実施例2の粉体接着剤も、120℃と130℃の熱圧着温度では剥離力(接着力)が無く、したがって、文字オフセット性も特定できなかった(斜線で示す)。そして、140℃では剥離力(接着力)が弱く(0.2N)、且つ文字オフセットが発生した(×)。また、150℃では剥離力(接着力)が十分であったが(1.0N)、文字オフセットが発生した(×)。
実施例3の粉体接着剤も、120℃と130℃の熱圧着温度では剥離力(接着力)が無く、したがって、文字オフセット性も特定できなかった(斜線で示す)。そして、140℃では有効な剥離力(接着力)を示したが(0.3N)、文字オフセットが発生した(×)。また、150℃では強力な剥離力(接着力)を示したが(1.3N)、文字オフセットが発生した(×)。
続いて、実施例4の粉体接着剤では、120℃では弱い剥離力(接着力)があり(0.2N)、文字オフセットは発生しなかった(○)。また、130℃の熱圧着温度では有効な剥離力(接着力)を示し(0.7N)、且つ文字オフセットが発生しなかった(○)。そして、140℃では強い剥離力(接着力)を示したが(1.5N)、文字オフセットが発生した(×)。また、150℃では剥離力(接着力)が強すぎて紙破れを生じ、部分的に剥離した箇所には文字オフセットが発生していた(×)。
このように上記の評価によれば、実施例1〜3では、いずれの熱圧着温度においても、剥離力(接着力)が無いか、又は剥離力(接着力)があっても文字オフセットが発生し、したがって圧着印刷物の接着剤としては実用にならないことが判明した。
そして、実施例4では、130℃の熱圧着温度で、「剥離力(接着力)良好(0.7N)」と「文字オフセット発生せず(○)」の評価を示し、その他の熱圧着温度では不可であった。
ここで、評価の良かった実施例及び評価の悪かった実施例と、可変情報の印字に用いた純正トナーとの間における熱特性の関係を調べることにした。
この熱特性の関係調査においては、島津製作所製のフローテスターCFT−500Dを用いて、それぞれの熱特性を測定した。
また、上記の装置では、一定温度のもとで試験を行う定温法と、試験時間の経過と共に昇温しながら試料の流動性を連続的に測定する昇温法の2種類の試験モードを選択できるが、本例では昇温法による測定を行った。
昇温法は、上記のように試験時間の経過と共に一定の割合いで昇温しながら試験する方法であり、試料の固体域から遷移域、ゴム状弾性域を経て流動域に至る広い温度範周のレオロジー的性質を一度の測定で連続的に求まる利点がある。
図7は、上記フローテスターCFT−500Dのシリンダ部の構造を模式的に示す図である。同図に示すように、シリンダ部は、ピストン71、シリンダ72、ヒータ73、ダイ74、ダイ押さえ75からなり、シリンダ72の内部に試料76が封入される。
同図において、Aはピストン面積(1cm^2)を示し、Lはダイ長さ(mm)を示し、Dはダイ穴直径(mm)を示し、Xは測定間隔(mm)を示し、Pは試験荷重/ピストン断面積を示している。
この装置は、溶融物が細管を通過するときの粘性抵抗を測定する細管式レオメータであり、シリンダ72に充填された試料76を、ヒータ73により周囲から熱して溶融させ、上部からピストン71によって一定の圧力Pを加える。
これにより、溶融した試料76は、細い穴を持ったダイ74を通して押出される。このフローレート(cm^3/sec)から、試料76の流動性すなわち溶融粘度が求められ、実用性の高いデータを得ることができる。また、回転型粘度計では測定できない高粘度の試料の測定を精度よく行うことができる。
また、この試験では、各試料(実施例1〜4、純正トナー)ごとに、軟化温度、流出開始温度、及び1/2法溶融温度を求めた。
図8(a),(b) は、軟化温度、流出開始温度、及び1/2法溶融温度を求めるための、ピストン71が昇降するピストンストロークと昇温との関係を示す流動曲線を示す図である。
図8(a) に示す軟化温度Tsは、内部空隙が消失し、不均一な応力の分布をもったまま外観均一な1個の透明体あるいは相になる温度であり、時おり、試料内部に小さな気泡がはいっている場合もある温度である。この軟化温度は、試料の遅延及び緩和弾性的性質と昇温速度、圧縮荷重によって決まるものである。
また、流出開始温度Tfbは、試料76の熱膨張によるピストン71のわずかな上昇が行われた後、再びピストン71が明らかに降下しはじめる温度である。試料76の熱膨張と熱伝導の遅れを無視すれば、流出開始温度Tfbは、荷重Pやダイ74の寸法などの規定された測定条件下における各試料の等粘度温度とほぼみなすことができる。
1/2法溶融温度の算出方法は、図8(b) に示す流動曲線において、流出終了点Smaxと最低値Sminの差の1/2の値Xを求め((X=Smax−Smin)/2)、XとSminを加えた点Aの位置における温度、すなわち1/2法における溶融温度を求めることによって算出される。
この1/2法溶融温度は、従来からフローテスターでの昇温法において試料の溶融特性を評価する目安として、プリンタや複写機に使用されるトナー材などの温度特性の測定に
利用されているものである。
図9は、上記のようにして測定された各試料76(実施例1〜4、純正トナー)ごとの熱特性(軟化温度、流出開始温度、及び1/2法溶融温度のフローテスター測定値)を示す図表である。
図9において、図6に示した剥離力(接着力)と可変情報文字の文字オフセット性の評価で悪い評価を示した実施例1〜3は、軟化温度では純正トナーの軟化温度78℃に対して、それに近接する温度(77℃)又はそれ以上(78℃、83℃)を示している。
また、流出開始温度では、純正トナーの流出開始温度91℃に対して、それ以上の温度(92℃、91℃、91℃)を示しており、1/2法溶融温度では、純正トナーの1/2法溶融温度120℃に対して、温度差が±10℃以内の温度(121℃、119℃、110℃)を示している。
これに対して、図6に示した剥離力(接着力)と可変情報文字の文字オフセット性の評価で良い評価を示した実施例4は、軟化温度では純正トナーの軟化温度78℃に対して、極めて低い温度(71℃)を示している。
また、流出開始温度では、純正トナーの流出開始温度91℃に対して、極めて低い温度(81℃)を示しており、1/2法溶融温度では、純正トナーの1/2法溶融温度120℃に対して、これも極めて低い温度(100℃)を示している。
このように、図6に示した剥離力(接着力)と可変情報文字の文字オフセット性の評価で悪い評価を示した実施例1〜3と、良い評価を示した実施例4とでは、軟化温度、流出開始温度、及び1/2法溶融温度で示される温度特性において顕著な差があることが判明した。
ここで、上記の測定結果を考察すると、貼りつけ工程の加熱ローラ44の温度と圧着印刷物の特性との関連性において、実施例1、2、及び3では、剥離力(接着力)が十分で且つ文字オフセットが無い、という適性領域は無い。
実施例4では、130℃前後の領域で、剥離力(接着力)及び文字オフセット性において、ともに適性である。
次に、上記の適性・不適性の結果と、各接着剤及び可変情報印字トナーの熱特性とを関連付けて考察すると、接着剤の熱特性と可変情報印字トナーの熱特性の大小関係において、以下のことが判明する。
すなわち、接着剤が可変情報印字トナーに対し、低い温度において軟化し始めるという熱特性を持つことが必要である。そして、その熱特性の差は具体的に以下の関係にある。
(イ)1/2法溶融温度において「接着剤の1/2法溶融温度≪可変情報印字トナーの1/2法溶融温度(但し、Δ=10℃を越える)」の関係がある。
(ロ)流出開始温において「度接着剤の流出開始温度<可変情報印字トナーの流出開始温度」の関係がある。
(ハ)軟化点温度において「接着剤の軟化点温度<可変情報印字トナーの軟化点温度」の関係がある。
このような関係が可変情報印字トナーとの間にあるような熱特性を有する粉体接着剤が好ましい粉体接着剤であるということができる。
そして、このような粉体接着剤を用いることにより、手近にあるプリンタを用いて対需要即応体制で、十分な接着力で貼り付き且つ開封の際に文字オフセットが発生しない圧着印刷物の作成が可能となる。
(実施形態4)
ところで、上述した実施形態3では、粉体接着剤をべた印字で塗布しているが、べた印字では、粉体接着剤の使用量として多いのではないかという考えもある。
そこで、使用量が少なくて済む接着剤としての粉体接着剤の製造方法とその用法を実施形態4として以下に説明する。
先ず、粉体接着剤の作製方法では、基礎材料として、ポリエステル樹脂(軟化点120℃)100質量%と、帯電制御剤LR−147(日本カーリット社)2質量%を用意し、これらの材料をケミカルミキサーで混合した後、二軸押出機によって溶融混練を行い、冷却した。
こののち、ハンマーミルで粗砕し、さらにロートプレックスにより1〜3mm程度の大きさにした。その後、ジェットミル粉砕機により粉砕し、分級をして、平均粒径10μmの粉体粒子を得た。
この平均粒径10μmの粉体粒子100質量%と、平均粒径40nmのシリカ1質量%とを、ケミカルミキサーで混合し、粉体粒子の表面にシリカ微粒子を付着させた粒子状の透明な粉体接着剤を得た。
このようにして得られた粉体接着剤を、実施形態1の場合と同様に、プリンタ1の第2の黒(K)トナー用の画像形成ユニット9−2に充填し、予め用意したA5判の普通紙に、種々の印字率の網点で印字(現像、転写、定着)を行った。
そして、その普通紙を、プリンタ1本体より取り出し、取り出した普通紙を半分に折り曲げて、はがきサイズにし、プリンタ1の定着ユニット43により圧着させて、再びプリンタ1本体より取り出した。
この取り出した圧着印刷物サイズの普通紙を調べたところ、印字率10%の網点で印字したものが、通常の状態では接着しており、2枚重なった端を引き離すと剥離することが判明した。すなわち、再剥離性接着剤として圧着印刷物に使用することが出来ることが判明した。
尚、電子写真式プリンタで現像、転写、定着を行うという観点からすると、上記の粉体接着剤の平均粒径は、10μmと限ることなく、5〜20μmの範囲で分級して用いるようにしてもよい。
また、上記の粉体接着剤の特徴としては、上記のように粒径が5〜20μmの範囲でよいことの他に、粉体微粒子が有機物で出来ていること、粉体微粒子の表面に粉体微粒子より細かい超微粒子が付着していること、などが挙げられる。
(実施形態4)
次に、特には特定しないが、ある組成で試作した粉体接着剤を用い、複数種類(本例では4種類)の印字パターンと定着温度との関係を調べて見ることにした。
図10(a) は、実施形態4における可変情報印字トナーによる印字画像を示し、同図(b) 〜(e) は、それぞれ上記の印字画像の上に塗布された粉体接着剤の印字パターンを示している。
同図(a) は、上質紙(127.9g/m^2)を14.9cm×21.0cmに裁断し、そのシートに、プリンタ1を用い、厚紙印字モードにより印字した画像を示している。
そして、同図(b) は、上記の印字画像の上に、普通紙印字モードにより、べた印字で粉体接着剤を塗布した場合の印字パターンを示し、同図(c) は、上記の印字画像の上に、普通紙印字モードにより、印字率75%で粉体接着剤を塗布した場合の印字パターンを示し、同図(d) は、上記の印字画像の上に、普通紙印字モードにより、印字率50%で粉体接着剤を塗布した場合の印字パターンを示し、そして、同図(e) は、上記の印字画像の上に、普通紙印字モードにより、印字率25%で粉体接着剤を塗布した場合の印字パターンを示している。
上記のように可変情報印字トナーによる印字画像の上に粉体接着剤を塗布したはがきサイズシートを、図5(c) 〜(d) に示した手順で、それぞれ投函用の圧着印刷物見本として作成した。
上記圧着時に定着ユニットでの定着では、定着ユニットのローラ線速度を14.25mm/sec(プリンタ1のOHPモードに相当)とし、温度は100℃から10℃刻みで150℃まで昇温して、各温度で見本を作成した。
このように作成した圧着印刷物見本の温度を十分冷ましてから、その貼り合わせを剥がして接着力と文字オフセット性の具合を評価した。
図11は、圧着印刷物見本の接着力と文字オフセット性の評価結果を示す図表である。同図表は、横に粉体接着剤を塗布した印字パターンごとに試料番号を示している。すなわち、図10(b) の印字パターンによる圧着印刷物見本を試料1、図10(c) の印字パターンによる圧着印刷物見本を試料2、図10(d) の印字パターンによる圧着印刷物見本を試料3、図10(e) の印字パターンによる圧着印刷物見本を試料4としている。
そして、図11の図表の下から上へ、100℃から10℃刻みで150℃までの各温度における上記の各試料1〜4の接着力と文字オフセット性の評価を示している。
図11の図表の評価に示すように、試料1においては120℃の定着温度のとき接着力と文字オフセット性の評価が共に良好であり、その他の定着温度では不可であった。
また、試料2においては、110℃、120℃、及び130℃の定着温度のときにおいて接着力と文字オフセット性の評価が共に良好であり、その他の定着温度では不可であった。
そして、試料3及び試料4では、いずれの定着温度においても、接着力と文字オフセット性のいずれか又は両方が不可であり、接着力が十分で且つ文字オフセットが無いという適性領域は存在しなかった。
このように、粉体接着剤の使用では、印字パターンすなわち塗布パターンと定着時の定着温度によって、良好な圧着印刷物の作成条件が決定されることが判明した。
実施形態1において作成された4つの接着剤の組成を示す図表である。 実施形態2としての可変情報の印字と接着剤塗布と圧着の3処理を行う圧着印刷物作製装置の内部構成を示す断面図である。 実施形態2の圧着印刷物作製装置における制御装置の回路構成を示すブロック図である。 (a) 〜(d) は実施形態2の圧着印刷物作製装置において二つ折り圧着印刷物を作製する場合のシートの状態を処理工程順に示す図である。 (a) 〜(d) は実施形態2の圧着印刷物作製装置において三つ折り圧着印刷物を作製する場合のシートの状態を処理工程順に示す図である。 実施形態3において試作された圧着印刷物の剥離力(接着力)と可変情報文字の文字オフセット性の評価を示す図表である。 実施形態1において作製された各接着剤と純正トナーの熱特性を測定するため測定装置のシリンダ部の構造を模式的に示す図である。 (a),(b) は熱特性を測定するための測定装置のピストンが昇降するピストンストロークと昇温との関係を示す流動曲線図である。 測定装置で測定された実施形態1における4つの実施例と純正トナーごとの熱特性としての軟化温度、流出開始温度、及び1/2法溶融温度の測定値を示す図表である。 (a) は第4の実施形態における可変情報印字トナーによる印字画像を示す図、(b) 〜(e) はそれぞれ印字画像の上に塗布された粉体接着剤の印字パターンを示す図である。 第4の実施形態における圧着印刷物見本の接着力と文字オフセット性の評価結果を示す図表である。 従来技術の示唆に基づきプリンタ又は複写機を用いて塗布できることを前提として試作されたトナー状接着剤の材料処方を示す図表である。 試作されたトナー状接着剤により設定温度ごとに作成された圧着はがきを評価した結果を示す図表である。
符号の説明
1 圧着印刷物作製装置
2 シート供給カセット
3(3v、3z) 圧着印刷物用シート
4 シート排出用トレー
5 上部シート排出口
6 シート搬送ベルト(搬送ベルト)
7 駆動ローラ
8 従動ローラ
9−1 第1の画像形成ユニット
9−2 第2の画像形成ユニット
9−3 第3の画像形成ユニット
10 現像器
11 感光体ドラム
12 クリーナ
13 初期化帯電器
14 光書込ヘッド
16 現像ローラ
17 帯電転写ローラ
18 テンションローラ
19 待機ローラ対
21 シート案内路
22 搬送ローラ対
23 供給ローラ
24 分離ローラ対
25 第1の定着案内路
26、27 加熱加圧ローラ
28 第1の定着部
29 給送案内路
31 搬送ローラ対
32 中間転写ローラ
33 帯電転写ローラ
34 第2の定着案内路
35 加熱加圧ローラ
36 第2の定着部
37、38 搬送案内路
39 第2の折り装置
41 合流搬送路
42 第1の折り装置
43 一次搬送ローラ
44 一次二次搬送ローラ
45 折込板
46 折込装置
47 引き込み路
48 二次搬送ローラ
49 圧着部
51 下無端熱ベルト
52 上無端熱ベルト
53 排出ローラ対
54 電装部
55 制御装置
56 I/Fコントローラ
57 プリンタコントローラ
58 画像形成部
59 CPU
61 ROM
62 フレームメモリ
62−1、62−2、62−3 記憶領域
63 操作パネル
64 EEPROM
65 秘匿情報
66 粉体接着剤
67 宛名情報
68 差出人情報
69 公開可変情報
71 ピストン
72 シリンダ
73 ヒータ
74 ダイ
75 ダイ押さえ
76 試料

Claims (8)

  1. 電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体による可変情報を印刷された圧着印刷物用シートの接着面に前記電子写真式画像形成方法による現像により塗布が可能な熱可塑性透明樹脂粉体であって、
    1/2法溶融温度が前記熱可塑性樹脂粉体の1/2法溶融温度よりも10度以上低いことを特徴とする熱可塑性透明樹脂粉体。
  2. 昇温法における流出開始温度が前記熱可塑性樹脂粉体の流出開始温度よりも低いことを特徴とする請求項1記載の熱可塑性透明樹脂粉体。
  3. 昇温法における軟化点温度が前記熱可塑性樹脂粉体の軟化点温度よりも低いことを特徴とする請求項1又は2記載の熱可塑性透明樹脂粉体。
  4. 電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体による可変情報を印刷された圧着印刷物用シートの接着面に前記電子写真式画像形成方法による現像により透明トナーとして塗布が可能な熱可塑性透明樹脂粉体の製造方法であって、
    軟化点120℃のポリエステル樹脂100質量%と帯電制御剤2質量%とをケミカルミキサーで混合し、
    該混合物を2軸押出機により溶融混練を行った後冷却し、
    該冷却した混練物をハンマーミルで粗砕し、
    該粗砕物をロートプレックスにより1〜3mmの大きさに作成し、
    該作成物をジェットミル粉砕機により粉砕し、
    該粉砕物を分級して2〜20μmの平均粒径の粉体粒子とし、
    該粉体粒子100質量%と平均粒径40nmのシリカ1質量%とをケミカルミキサーで混合して前記粉体粒子の表面に前記シリカを付着させる
    上記各工程を少なくとも含んで成ることを特徴とする熱可塑性透明樹脂粉体の製造方法。
  5. はがきの整数倍面積の接着剤無加工の圧着印刷物用シートに電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体を用いて可変情報を印刷し、
    前記電子写真式画像形成方法にて網点印字により印字率を調節して請求項4記載の熱可塑性透明樹脂粉体を現像し、
    該現像された熱可塑性透明樹脂粉体を前記可変情報を印刷した前記接着剤無加工の圧着印刷物用シートに転写し定着器により定着する、
    ことを特徴とする熱可塑性透明樹脂粉体の塗布方法。
  6. 前記網点印字による印字率は10%である、ことを特徴とする請求項5記載の熱可塑性透明樹脂粉体の塗布方法。
  7. 前記可変情報の印刷時の定着温度よりも、前記熱可塑性透明樹脂粉体の転写後の定着温度のほうが低いことを特徴とする請求項5記載の熱可塑性透明樹脂粉体の塗布方法。
  8. 圧着印刷物用シートの接着面に電子写真式画像形成方法により熱可塑性樹脂粉体にて可変情報を画像形成する可変情報画像形成工程と、
    該画像形成工程により前記可変情報を画像形成された前記圧着印刷物用シートの接着面に電子写真式画像形成方法により熱可塑性透明樹脂粉体にて印字率10%の網点形態に設定した接着型を画像形成する接着型画像形成工程と、
    前記可変情報を画像形成後または前記接着型を画像形成後の前記圧着印刷物用シートに前記可変情報または前記接着型を定着する定着工程と、
    該定着工程により前記接着型を定着された前記圧着印刷物用シートを前記接着型の定着面を内側にして所定の形状に折り畳む折り畳み工程と、
    該折り畳み工程により折り畳まれた前記圧着印刷物用シートの前記接着型の定着面と対向面とを圧着する圧着工程と、
    を含むことを特徴とする圧着印刷物作製方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011191401A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Casio Electronics Co Ltd シート作成方法及びシート作成装置
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US20220035296A1 (en) * 2020-07-31 2022-02-03 Canon Kabushiki Kaisha Image forming apparatus
US11840417B2 (en) 2021-06-30 2023-12-12 Canon Kabushiki Kaisha Sheet bonding apparatus

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