JP2008068505A - 圧着はがき作成装置 - Google Patents

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雄一郎 家垣
Toshiaki Kanemura
俊明 金村
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Goshi Mitsui
郷史 三井
Katsumi Maeda
克己 前田
Hideyoshi Niinuma
英好 新沼
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Abstract

【課題】粉体接着剤塗布前の仮折りしたZ折り圧着はがき用紙に折り部分と非折り部分に均等に粉体接着剤を塗布することができる圧着はがき作成装置を提供する。
【解決手段】給紙部16から仮紙折部17に給紙されて仮折りされた用紙25bが接着剤塗布部18へと搬送されている間に、紙厚みセンサ(不図示)で二枚重ねに仮折りされている先頭部分の紙厚みを測定する。本体の記憶装置には上質紙127.9g/m^2を使用した場合の、ばらつきを加味した1枚及び2枚のときの紙厚みと、その紙厚みに対応する適正な転写バイアス値がテーブルとして記憶されている。このテーブルに基づいて、折り重ね部分には強い電圧、非折り重ね部分には弱い電圧というように異なる転写バイアスが印加される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、圧着はがき作成装置に係わり、更に詳しくは秘匿情報を印刷した三枚折り(Z折り)圧着はがき用紙に接着剤を塗布して秘匿情報印刷面を圧着する圧着はがき作成装置に関する。
従来、特定の個人のみへ文字情報を伝達するために、一般に、文字記載物を封書の形態にし、開封後に始めて当該個人が文字情報を確認できるようにしていた。
近年、個人情報保護が厳しく問われるようにもなり、各種事業所等では、例えば、個人の各種データ、成績表、給与明細書等の個人情報は、これを文字記載物の内部の印字箇所に記録して、印字箇所の周縁部もしくは文字記載物の全面を接着や圧着により封筒状やカード状にして配布したりしている。
このうち、はがきサイズのカード状のものは圧着はがきと呼ばれており、通常の郵便はがきと同じ料金で利用できることから、情報提供者側の利便性が高い印字(印刷)情報秘匿システムとして、広告宣伝のダイレクトメール等にも汎用されている。
このような圧着はがき等による印字情報秘匿システムを利用するには、従来、専門の製造業者に委託するか、高価な圧着はがき等製造・印刷装置を導入するかして秘匿情報を作成していた。
これらの圧着はがき等製造・印刷装置を用いて秘匿情報を作成するには、接着剤を情報印字の後に塗布する方法や、情報印字の前に塗布する方法等があるが、いずれにしても秘匿情報を大量に作成するという前提が必須であり高価であった。
また、そのような製造業者への委託は、個人情報の流出の問題も潜在的に存在しており好ましい秘匿情報の作成方法とはいえない。
ところで、近年、パソコンやプリンタの発達と相侯って、小規模事業所や個人でも利用できるように、少量単位でも簡易に圧着はがきを作成できるようにしたものも提案されている。
例えば、感圧接着剤を予め塗布した剥離紙付きはがき用紙が販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、感圧接着剤部分を圧着して投函用の圧着はがきを完成させるものである。
また、例えば、粘着フイルムとはがき用紙を一組にしたものが販売されている。これは、2つ折り内部の印字面に所定の文字情報等を印字後に、2つ折り内部に粘着フイルムを挟むようにして圧着して、投函用の圧着はがきを作成できるようにしたものである。
しかしながら、これでもコスト高は避けられず、取り扱いが煩雑であり、個人的に数枚の圧着はがきを作成するのなら良いが、ある程度の枚数単位で、安価で、迅速に、且つ対需要即応体制で作成できるものではない。
そこで、粘着剤を内包したマイクロカプセルから成るトナー状粘着剤を静電印刷法により基材の表面に転写してフラッシュ定着させ、接着時には圧力によりマイクロカプセルを破壊しカプセル内の粘着剤を浸出させるようにして、圧着はがきを容易に作成できるとする提案がなされている。また、この提案では、粘着剤を溶融、混練、粉砕した粉砕トナーも示唆されている。(例えば、特許文献1参照。)
また、事務用プリンタや複写機の交換用の印字用カートリッジに圧着用物質を入れて、それら事務用プリンタ又は複写機による印字作業と同様の操作で圧着用物質を官製はがきや封筒に塗布し、その後、圧着専用機にかけるようにし、圧着専用機にかけるところまでを1台のプリンタ又は複写機で出来るとする提案がなされている。また、この提案では、二つ折りの片面、三つ折の中央両面に圧着用物質を塗布することが示唆されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、感熱接着剤を含むトナーを用い、電子写真方式により画像を対需要即応式で作成する方法が提案されている。この提案では、感熱接着剤の軟化温度は電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高くなるように構成し、また、感熱接着剤の電子写真方式用トナーに占める割合を5〜60重量%とし、また、感熱接着剤の組成は熱接着性樹脂、ホットメルト及びワックス類からなる群より選ばれる1種類以上を含むようにすることが提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
特開平09−104849号公報(段落0005、0014、図1、図3、図6) 特開2000−006553号公報(要約、図なし) 特開2004−126231号公報(段落0085〜0087、図なし)
しかしながら、特許文献1の技術は、マイクロカプセル式のトナーについては構成及び組成について記載されてはいるが、粉砕トナーについては単なる思い付き程度に示唆されているのみであり、具体的な組成、製法、及び用法についての記載がなく、これでは、この分野の当業者といえども有用な粉砕トナーを作成することは勿論、試作することさえ出来ない。
また、特許文献2の技術は、圧着専用機にかける前までの官製はがきや封筒による印字情報秘匿書類を作成するものであり、投函用に完成するには圧着専用機にかけなければならない点で利便性と経済性に欠けるものであり、また対需要即応性には程遠いものと言わざるを得ない。
また、特許文献3の技術では、単に感熱接着剤の軟化温度が電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高く設定されているというのみで、思い付き程度に示唆されてはいるものの感熱接着剤を含むトナーの具体的な材料処方も具体的な用法も開示されていない。
また、そのようなトナー状の圧着はがき用粉体接着剤は今日まで市場に流通もしていない。流通している圧着はがき用粉体接着剤は液状または粘着シート状のものだけである。
そこで、本発明者は、上記従来の提案技術が示唆するところに基づいて、プリンタを用いて塗布できることを前提としたトナー状の接着剤(熱可塑性樹脂粉体)を試作してみることにした。
プリンタ又は複写機を用いて塗布できることを前提として試作されたトナー状接着剤の材料処方は、結着樹脂として、ポリエステルを約95%、帯電制御剤として、LR147を約2%、ワックスとして、ppを約2%とした。
尚、上記の材料処方は、圧着はがき用接着剤であること、及びプリンタを用いて塗布できること(つまりトナーと類似した粉体性質を持っていること)の両条件を満たすものとの考えに基づいて処方したものであり、ポリエステルは現在プリンタのトナーとして主に使用されている結着樹脂材料である。
次に、これらの材料を、三井鉱山(株)製へンシェルミキサーFM20にて混合し、二軸連続混練機により混練した。その後、粗砕、粉砕、分級を経て、最後にヘンシェルミキサーにて疎水性シリカと混合し、中心粒径9μmのトナーと類似の粉体を得た。
この粉体を、粉体接着剤として感光体ドラムに現像し、往復はがきの折り合わせ面に転写し、定着させて、用紙を取り出し、圧着専用機にかけて貼り合わせた。このとき、貼り合わせる貼り付けローラの設定温度を、120℃、130℃、140℃、150℃の4段階に分けて設定し、それぞれの設定温度において貼り合わせた圧着はがきを作成した。
この圧着はがきの貼り付けに上記のように圧着専用機を用い、貼り付けローラの温度設定に通常のトナーの溶融温度よりも高い温度が含まれているのは、それぞれ従来の提案技術の示唆に応じたものである。
そして、特には図示しないが、上記設定温度ごとに作成された圧着はがきを評価してみることにした。この評価では、剥離力(圧着はがきの貼り付け部を剥離する際の力の強さ)、文字オフセット(圧着はがきの貼り付け部を開封(剥離)したとき、可変情報印字トナーが、もともと印字されていた面から脱離して接着対面へ転移して付着してしまうという現象)について視認により良し悪しを決定した。
結果としては、上記のように作成された接着剤では、はがきが貼りつく接着力(=剥離力)の温度設定領域(140℃、150℃)においては、文字オフセットが発生するという問題があることが判明した。
つまり、先行技術が示唆する範囲で作成された接着剤(軟化温度がトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高い接着剤)では、通常トナーで可変情報を印字後に接着剤単体で印字面に塗布を行った場合、又は感熱接着剤を含むトナーで可変情報の画像を形成した場合、その後の接着剤による接着を実現するための加熱によって、紙面に定着されていたトナーが再溶融してしまい、文字オフセットが発生する。
この文字オフセット現象は、熱圧着で軟化溶融した可変情報印字トナーと接着剤の両者が共に強く結着し、はがきを開封するとき可変情報印字トナーが対向面の接着剤に強く引っ張られ、その力が紙と可変情報印字トナーとの接着力を凌いで、可変情報印字トナーが対向面側に転移することによって起こると考えられる。
従って、十分な接着力(=剥離力)を持ち、かつ文字オフセットのない粉体接着剤の作成に当たっては更なる何らかの工夫が必要である、ということが判明する。
また、上記の実験では、接着剤のオフセット性を調べるために行ったものであるから圧着専用機を用いて圧着しているが、プリンタを用いて接着剤を塗布できるようにするとなると、圧着装置もプリンタに連結又は組み込み可能な程度の小型装置でなければ利便さに欠ける憾みがある。
しかし、上記の特許文献1、2及び3には、そのようなプリンタに連結又は組み込み可能な程度の小型の圧着装置については、開示も示唆もされていない。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、実用性のある粉体接着剤の製造方法を確立したうえで、その粉体接着剤を秘匿情報を印刷した三枚折り(Z折り)圧着はがき用紙に塗布して秘匿情報印刷面を圧着する圧着はがき作成装置を提供することである。
本発明の圧着はがき作成装置は、三枚折り(Z折り)圧着はがき用シートに粉体接着剤を電子写真方式による転写により塗布して、該粉体接着剤を塗布された秘匿情報印刷面を圧着する圧着はがき作成装置であって、上記粉体接着剤を塗布前の仮折りした三枚折り用の圧着はがき用シートの折り重ね部分と非折り重ね部分を識別する折部分識別手段と、該折部分識別手段により識別された圧着はがき用シートの折り重ね部分と非折り重ね部分に異なる転写電圧を印加する転写電圧印加手段と、を備えて構成される。
上記折部分識別手段は、例えば、上記圧着はがき用シートを上記粉体接着剤の塗布部に搬送する搬送量制御手段で構成されてもよく、また、例えば、厚さ検知センサであってもよい。この場合、上記厚さ検知センサは、例えば、超音波センサであってもよい。
また、上記転写電圧印加手段は、例えば、上記圧着はがき用シートの上記折り重ね部分に印加する転写電圧を上記非折り重ね部分に印加する転写電圧よりも高い電圧を印加するように構成され、また、例えば、上記圧着はがき用シートの厚さに適合する転写電圧のテーブルを記憶する記憶装置を有し、計測された上記圧着はがき用シートの厚さに対応して上記記憶装置のテーブルが読み出した転写電圧を上記圧着はがき用シートに印加するように構成され、また、例えば、演算装置を備え、上記圧着はがき用シートから得られた非折り重ね部分の厚さに基づき上記演算装置により上記圧着はがき用シートの折り重ね部分の厚さを演算して、上記圧着はがき用シートの折り重ね部分と非折り重ね部分にそれぞれ厚さに最適の転写電圧を印加するように構成してもよい。
また、上記圧着はがき用シートは、例えば、普通紙または高分子樹脂等から成るフイルムである。
本発明によれば、粉体接着剤塗布前の仮折りした三枚折り(Z折り)圧着はがき用紙の折り部分と非折り部分を識別して、粉体接着剤の転写電圧を加減するので、折り部分と非折り部分に差別なく均等に粉体接着剤を塗布することができ、これにより、量的に粉体接着剤の無駄が無く且つ接着性の安定した圧着はがきを作成することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
前述したトナー状の熱可塑性樹脂粉体からなる接着剤において、接着力が強すぎて紙破れが発生したり文字移りがするなどの不具合を防ぐためには、可変情報印字トナー(以下、単に印字用トナーという)と接着剤が溶融の際に一体化しないようにすることが必要であると考えられる。
そして、そのためには、接着剤の構成を可変情報印字トナーの構成と異ならせることが必要であると考えられる。この考えのもとに、本発明者は、印字用トナーの組成と異なる組成のトナー状粉体と、これらと比較のために、印字用トナーとほぼ同様の組成からなるトナー状粉体、ただし染料や顔料等の着色材を含まない透明粉体、を作成して、それらの接着力と文字オフセット性について評価した。
以下、そのトナー状粉体すなわち粉体接着剤の、組成、製造方法、評価の結果について述べる。
先ず、発明者は、3種類の粉体接着剤を作製例1、作製例2及び作製例3として作成した。材料としては、ポリエステル樹脂、シリカ粉、帯電制御剤、ポリエチレンワックス、アクリル樹脂、及び微粒シリカを、それぞれ含有比率(質量%)を異ならせて作成した。
これらの材料処方のうち、ポリエステル樹脂は結着樹脂である。圧着はがき用の粉体接着剤としては、トナーに用いられる結着樹脂を用いることが可能であり、このような結着樹脂としては、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
特にポリエステル樹脂は、他の樹脂に比較して軟化点が低く、図に示すように軟化点110℃に設定でき、本例で接着力調整のために用いられる非粘着材とし有機物を混合したときに、軟化点の温度差を大きく設定できる利点がある。
また、粒径3μmのシリカ粉は、無機の非粘着材料の代表として選択されたものであり、接着強度調整剤として用いられている。また、粒径4μmで軟化点200℃以上のアクリル樹脂は、有機の非粘着材料の代表として選択されたものであり、他の接着強度調整剤として用いられている。
また、帯電制御剤である日本カーリット(株)製の帯電制御剤LR−147、ワックスとしての三井化学(株)製のポリエチレンワックスNP−056、及び流動性改良剤としての外添剤である日本アエロジル(株)製の微粒シリカRY−50は、印字用トナーと同様に電子写真法を用いて粉体接着剤を用紙に塗布するために用いられている。
上記の作製例1では、先ず、結着樹脂としてポリエステル樹脂70質量%、非接着樹脂としてシリカ粉30質量%、帯電制御剤1質量%、及びポリエチレンワックス3質量%を用意する。
これらをケミカルミキサーで混合し、その混合物を二軸押出機によって溶融混練した後に粗砕し、更に、その粗砕物をI式ジェットミルによって粉砕し、その粉砕物を分級して、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製する。
そして、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をヘンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着はがき用粉体接着剤を得た。
次に、作製例2では、先ず、結着樹脂としてポリエステル樹脂70質量%、非接着樹脂としてアクリル樹脂30質量%、帯電制御剤1質量%、及びポリエチレンワックス3質量%を用意する。
そして、上記同様に、これらをケミカルミキサーで混合し、その混合物を二軸押出機によって溶融混練した後に粗砕し、更に、その粗砕物をI式ジェットミルによって粉砕し、その粉砕物を分級して、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製する。
そして、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をヘンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着はがき用粉体接着剤を得た。
そして、作製例3では、印字用トナーと同様に、ポリエステル樹脂100質量%、帯電制御剤1質量%、ポリエチレンワックス3質量%を用い、上記の作成例1又は2と同様にして、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製したのち、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をヘンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着はがき用粉体接着剤を得た。
このようにして作成された接着剤は、接着剤塗布機で用紙に塗布される。この接着剤は粉体接着剤であり、常温では固体である。そして、加熱されることにより溶融され、加圧されることにより接着性が発揮される。
ところで、粉体接着剤の塗布では、例えばトナーを用いて印字(または印刷、以下同様)を行う電子写真式画像形成装置を用い、その画像形成ユニットにトナーの代わりに粉体接着剤を収容して、圧着はがきの接着剤塗布面に選択的に粉体接着剤を塗布する方法が考えられる。
そして、このような、粉体接着剤の塗布では、通常はベタに塗布する方が簡便である。そして、ベタに塗布するとなると、画像形成ユニットにおいて選択的な画像形成に用いられる感光体ドラムを介さずとも、現像装置の現像ローラだけで直接塗布しても支障がないと考えられる。
図1(a) は、そのような考えに基づいて構成された実施形態1としての粉体接着剤塗布装置を含む圧着はがき作成システムの構成原理図であり、同図(b),(c),(d) は、粉体接着剤の塗布手順を示す図であり、同図(e) は圧着時の折り方を示す図である。尚、同図(c),(d) には、粉体接着剤を転写された状態を示す平面図と後側面図を示している。
尚、この圧着はがき作成システムでは、圧着はがき用紙の紙面に予め印字用トナーで可変情報を印字し、その紙面の印字面に重ねて、上述した作製例1〜3の粉体接着剤が塗布された。
また、本例においては、近年ページ数が多いほど秘密の情報量をより多く記載できるということで、Z折りの圧着はがきが広く用いられていることに鑑み、Z折り圧着はがきを例にとって説明することにする。
同図(a) において、圧着はがき作成システムは、右から左へ、給紙装置1、粉体接着剤塗布装置2、折り装置3、圧着装置4、出来上がり圧着はがき収容装置5から成る。
上記の粉体接着剤塗布装置2は、用紙搬送装置6、接着剤塗布部7、定着器8、及び両面印刷反転装置9を備えている。
上記の接着剤塗布部7は粉体接着剤が収容されている粉体接着剤容器11と、その粉体接着剤容器11の下端開口部に回転可能に配設された塗布ローラ12とを備えている。
また、特には図示していないが、塗布ローラ12に対し用紙搬送装置6の搬送ベルト13を介して対向配置された転写器が設けられている。
同図(a) において、先ず、給紙装置1にはZ折り圧着はがき用の用紙14が収容される。次に、不図示の給紙コロ等により給紙装置1から用紙14が一枚ずつ取り出されて粉体接着剤塗布装置2に矢印aで示すように給送される。
同図(b) は、上記給紙装置1から粉体接着剤塗布装置2に給送される用紙14を上から見た図である。
粉体接着剤塗布装置2においては、粉体接着剤容器11の塗布ローラ12が、その周表面に均一な粉体接着剤層を形成しながら回転している。塗布ローラ12は、不図示の転写器と協働して、塗布ローラ12の直下を通過する用紙14の表面の一方の端部頁の面Aに、同図(c) に示すように、粉体接着剤15を静電的に転写(塗布)する。
ここで、Z折り圧着はがき用の用紙14の面構成を定義する。同図(c),(d) に示すように、本例において、用紙14の面は、Z折りする前の表紙の一方の端部頁面を面A、他方の端部頁面を面C、中央の頁面を面Bとする。
そして、表紙の面Aの裏面頁面を面D、表紙の面Bの裏面頁面を面E、表紙の面Cの裏面頁面を面Fとする。
同図(b) のように面Aに粉体接着剤を転写(塗布)された用紙14は、同図(a) の矢印bで示すように定着器8に向けて搬送される。用紙14は、定着器8により熱と圧力を加えられて、面Aに転写された粉体接着剤15を紙面に溶融定着される。
その後、用紙14は、同図(a) の矢印c及び矢印d示すように両面印刷反転装置9に向けて搬送される。用紙14は両面印刷反転装置9により表裏を反転されて前後が入れ替わった状態となり、矢印e、f、gで示すように最初の給紙方向に搬送され、反転により裏面を上に向けて再び矢印aで示すように粉体接着剤塗布装置2に給送される。
粉体接着剤塗布装置2で裏面に粉体接着剤15を塗布された用紙14は、転写された粉体接着剤15を定着器8により紙面に定着された後、矢印hで示すように折り装置3に向けて搬送される。
同図(d) は、用紙14の裏面の面6に粉体接着剤15を転写された状態を示す平面図と後側面図を示している。すなわち、同図(d) に示すように、用紙14表面の面Aと裏面の面Fとに粉体接着剤15が塗布されている。
この状態で、折り装置3に搬入された用紙14は、折り装置3によりZ折りされて(同図(e) 参照)、圧着装置4に搬送され、圧着装置4により面A面と面B、及び面Eと面Fが圧着されて、投函可能な圧着はがきが完成する。なお、Z折り装置は、一般に知られているZ折り装置を用いることができる。
図2(a) は、参考のため、上記折り装置3によりZ折りされた用紙14の状態を示す図であり、同図(b) は、Z折りされた用紙14が矢印Hで示すように圧着装置4に挿通される状態を示す図である。折り装置3によってZ折りされた用紙14は、圧着装置4によって、接着されて1枚のはがきとなる。尚、この塗布処理は、秘匿情報を印字済みの所定枚数の用紙に対して実行された。
続いて、オペレータにより、作製例1の粉体接着剤15を収容した粉体接着剤容器11が、作製例2の粉体接着剤15´を収容した粉体接着剤容器11に交換される。そして、上記と同様の粉体接着剤15´の塗布処理が行われた。
更に、オペレータにより、作製例2の粉体接着剤15´を収容した粉体接着剤容器11が作製例3の粉体接着剤15″を収容した粉体接着剤容器11に交換される。そして、上記と同様の粉体接着剤15″の塗布処理が行われた。
ここで、上記のようにして作成された圧着はがきの剥離性と可変情報の字移りの状態(文字オフセット性)を評価する。
尚、この評価において、剥離性の評価は、圧着後のはがき判用紙の接着部を、手で開いて確認した。また、可変情報の字移り状態の評価は、接着部を開封したときの字移りの有無を目視で確認した。
評価の結果は、作製例1の粉体接着剤は、剥離が良好にでき(評価が○)、また開いた面を見ると字移りがなかった(評価が○)。同様に、作製例2の粉体接着剤も、剥離が良好にでき(評価が○)、また開いた面を見ると、これも字移りがなかった(評価が○)。
これに対して、作製例3の粉体接着剤は、剥離が旨くいかず、紙が破れたりする(評価が×)。また、開いた面を見ると、字移りが発生していた(評価が×)。
このように上記の評価によれば、作製例1、及び2では剥離性が良好で、且つ字移りが発生せず、極めて良好な圧着はがき用接着剤となることが判明した。
そして、作製例3では、接着力が強すぎて、剥離がうまくいかず、部分的に剥離したところも字移りがあって、結果として圧着はがき用の接着剤としては実用にならないことが判明した。
圧着はがき用粉体接着材としてトナーを用いることは既に提案されているが、前述したように、作製例3の粉体接着剤はトナーと殆ど同一材料で構成されており、トナーの主成分である結着樹脂の粘着性が強く、粉体接着剤として用いた場合は剥離強度が強すぎて容易に開封することができず、紙破れを生じたり、部分的な開封部分も字移りが発生して、実用にならないことが明白となった。
これに対して、作製例1又は2のように、接着強度のあるポリエステル系の樹脂に対し定着時に溶融しない非接着成分のシリカ又はアクリル樹脂等の無機又は有機の樹脂を混合して接着力を低減させたものは、剥離性が良好で且つ字移りが発生しない良好な圧着はがき用の接着剤として実用になることが実証された。
尚、上記の実施形態1では、接着力の強い結着樹脂に非粘着性物質を添加して、接着力を弱めるようにしているが、逆に接着力の弱い結着樹脂に接着力の強い物を添加して接着力を調整するようにしてもよい。
例えば、接着力の弱いワックス系を主体として、接着成分を混合して接着力を増強させることにより、良く圧着する接着剤を構成することができ、混合の調整によって、剥離性が良好で且つ字移りが発生しない接着剤とすることができる。
また、上記の実施形態では、非接着成分のシリカ又はアクリル樹脂を、初めから微細粒子にして、結着樹脂に添加しているが、非接着成分の形状は粒子に限るものではない。例えば、アクリル樹脂を添加したのち、結着樹脂と溶融混練すると、アクリル樹脂が微細化されて分散される。
(実施形態2)
ところで、上記の実施形態1では、両面印刷反転装置9によって用紙14の表裏を反転させて、表面と裏面への粉体接着剤の塗布を行っている。
このように同一の粉体接着剤塗布機によりZ折り圧着はがき用の用紙14に粉体接着剤15を塗布すると、つまり用紙14の両面に粉体接着剤15を塗布する処理時間は、V折り圧着はがきのように片面のみに粉体接着剤を塗布すればよい場合に比較して、時間的には反転搬送の分も含めると2倍以上かかる。
すなわち、最も普及しているZ折りはがきの場合、V折りはがきに比べて用紙一枚当りの粉体接着剤の塗布処理が遅くなり、圧着はがきの作製能率が低下する。
この問題は、一回の用紙搬送で粉体接着剤を表裏に塗布することができれば解消される。この一回の用紙搬送で粉体接着剤を表裏に塗布する粉体接着剤塗布装置について、第2の実施形態として以下に説明する。
図3は、第2の実施形態としての圧着はがき作成装置の構成ブロック図である。同図に示すように、圧着はがき作成装置20は、用紙搬送方向上流側(図では右側)から下流側(図の左側)へ、給紙部16、仮紙折部17、接着剤塗布部18、仮定着部・本定着部19、本紙折部21、形状整頓部22、切断分離部23、及び排紙収納部24から成る。
図4は、上記の圧着はがき作製装置において圧着はがき用として用いられる用紙のサイズを示す図である。同図はA3判の用紙25を示している。本例では、用紙25の長手方向の一方の端部を10.5cmの長さ部分25aだけ予め切り捨て、残る部分を用紙25bとして用いる。
そうすると、同図に示すように、裁断線26に沿って裁断し、二本の折り線27に沿って山折りと谷折りで3つに折ると、それぞれ縦14.85cm、横10.5cmの2通のZ折り圧着はがきを作製することが出来る。この圧着はがきの縦横の寸法は、郵政法で承認されているはがきの寸法の許容範囲の寸法である。
本例の図3に示した圧着はがき作製装置は、塗布可能な最大サイズの用紙をA3判の用紙としてあるので、搬送及び処理が可能な最大用紙幅はA3判用紙の横幅すなわち29.7cmである。図3に示した給紙部16には、図4に示す用紙25bが多枚数収容されている。
尚、図5(a) 〜(f) には、圧着はがき作製装置20における用紙25bの搬送方向を矢印dで示している。すなわち、用紙25bは、矢印d方向に搬送されながら、仮折り、接着剤塗布、仮定着、展開、三つ折り、圧着、切断分離の処理を経て三つ折り(Z折り)圧着はがきとして完成される。
また、図5(a) 〜(f) には、第1面(表紙面)及び第2面(裏面)の各単面を、図1(c),(d),(e) と同一の面記号A〜Fで示している。
以下、図3乃至図5を用いて、本例の圧着はがき作製装置20における圧着はがきの接着剤塗布方法を含む圧着はがきの作製方法について説明する。
先ず、給紙部16から用紙25bが矢印iで示すように仮紙折部17に給紙される(長手方向に搬送される)。
仮紙折部17において、用紙25bは、図5(b) に示すように、用紙の一部(表裏で面Cと面Fの部分)が矢印jで示すように折り込まれる。この用紙の一部が折り込まれた用紙25bは、接着剤塗布部18へと搬送される。
接着剤塗布部18は、粉体接着剤収容部28と、この粉体接着剤収容部28の下端開口部に設けられた接着剤塗布ローラ29と、転写ローラ31と、クリーナ32等で構成されている。転写ローラ31には高圧電源33が接続されている。
接着剤塗布部18に搬入された用紙25bは、接着剤塗布ローラ29と転写ローラ31とにより挟持されて搬送されながら、上記折られた面(図5(c) の面F参照)とこの折られた面に並んで露出する折られなかった面(図5(c) の面A参照)とに、一度に粉体接着剤15を塗布される(図5(d) 参照)。
このとき、上記折られた面(折り重ね部分)と、この折り重ね部分に並んで露出する折られなかった面(非折り重ね部分)には、不図示の制御部からの制御のもとに、転写ローラ31から異なる転写バイアスが印加されるが、これについては後述する。
上記のように表裏の所定の面(面Fと面A)に一度に粉体接着剤15を塗布された用紙25bは、仮定着部・本定着部19へと搬送される。仮定着部・本定着部19の用紙搬入部には下無端熱ベルト34と、この下無端熱ベルト34を上下内外から挟むようにして加圧ローラ35と36が配置されて仮定着部を形成している。
下無端熱ベルト34の下面(外側)に位置する加圧ローラ35は常時下無端熱ベルト34の下面に当接しており、加圧ローラ35に対向配置された加圧ローラ36は、仮定着のときは下方に移動して下無端熱ベルト34を加圧ローラ35に向けて押圧する。
これにより、用紙25bは、下無端熱ベルト34と加圧ローラ35によって挟持されて搬送されながら、熱と圧力を加えられて、粉体接着剤15が紙面に仮定着される。
この粉体接着剤15を紙面に仮定着された用紙25bは、続いて紙折部21へと搬送される。紙折部21に搬入された用紙25bは、先ず一旦上記折られた面が広げられる。
図5(e) は、そのように広げられた用紙25bの表面(面A、面B、面C)を示している。面Aには上記の粉体接着剤15が仮定着されている。また、図5(e) では、面Cの陰になって見えないが、面Fにも同図(d) で示した粉体接着剤15が定着され仮定着されている。
この後、本紙折部21において、図5(f) に示すように、面Fが面E側に折り込まれ、続いていま折り込まれて面Fと二重になった面Bが面A側に折り込まれる。これにより、用紙25bがZ折りにされる。
このZ折りにされた用紙25bは、再び仮定着部・本定着部19へと搬送される。ただし、今度は用紙25bは、下無端熱ベルト34と上無端熱ベルト37とが対向配置されている本定着部に搬入される。
下無端熱ベルト34の内部には上述した加圧ローラ36を含む3個の加圧ローラが配設されており、上無端熱ベルト37の内部にも、下無端熱ベルト34内部の上記3個の加圧ローラと対になって対向する位置に3個の加圧ローラが配設されている。
これらの加圧ローラは、それぞれ無端熱ベルトを対向部方向へ押圧する。これによりZ折りにされた用紙25bは、下無端熱ベルト34と上無端熱ベルト37とにより挟持されて搬送されながら、粉体接着剤15の塗布面(面A、面F)とその対向面(面B、面E)とが圧着される。
続いて用紙25bは、形状整頓部22へと搬送され、斜行を矯正され、搬送幅方向を位置合わせされて、更に、切断分離部23へと搬送される。切断分離部23ではスプリッタにより、図4に示した裁断線26に沿って裁断され、独立した2通のZ折り圧着はがき25cとして完成する。この完成した2通のZ折り圧着はがき25cは、排紙収納部24に収納される。
(実施形態3)
ところで、前述したように、用紙25bは部分的に仮折りされた状態で接着剤塗布部18に搬入されてくる。そして接着剤塗布部18では、高圧電源33に接続されている転写ローラ31によって、用紙25bの折り重ね部分と非折り重ね部分とに異なる転写バイアスを印加している。これについて第3の実施形態として以下に説明する。
すなわち、本例では、折り重ね部分は厚い分だけ電気抵抗値が大きいので、折り重ね部分に印加する転写バイアスは、非折り重ね部分に印加する転写バイアスよりも高い電圧にする必要があるという考えで転写バイアスの印加処理が行われる。
これにより、折り重ねられて二枚に重なっている厚い部分も、折り重ねられずに一枚のままの薄い部分も、上層の塗布面に伝達される転写バイアスの強さがほぼ同等になり、同じ厚さのほぼ均等な粉体接着剤15が塗布されるようになる。
先ず、図4に示したように、Z折り用紙25bの二連の縦方向の寸法は、14.85cm×2=29.7cm(297mm)である。そして、横方向(矢印iで示す搬送方向)の寸法は、10.5cm×3=31.5cm(315mm)である。
この用紙25bが、図5(b) に示すように面Bと面Cとが折り重ねられて、図5(c) に示すように、面Fと面Aが隣接した状態では、矢印dで示す送り方向の寸法は、10.5cm×2=21.0cm(210mm)となる。
ここで、毎分当りの処理枚数を30ppm、送り紙間距離30mmとれば、用紙25bの搬送時の線速は、「(210+30)×30÷60=120」mm/秒となる。
つまり、接着剤塗布部18を通過する用紙25bの通過時間は、210÷120=1.750秒、このうち塗布面が面Fとなってい二枚重ね部分の通過時間は、105÷120=0.875秒、塗布面が面Aとなってい一枚部分の通過時間も同じく、105÷120=0.875秒である。
したがって、図5(c) に示す先端を仮折りした用紙25bに対して、用紙25bの先端を検知した時刻を0秒として、0〜0.875秒間だけ印加する転写DCバイアスを比較的高い電圧とし、続く0.875〜1.750秒間に印加する転写DCバイアスを比較的低い電圧とすると、折り重ね部分にはより高い転写DCバイアスを印加し、非折り重ね部分にはより低い転写DCバイアスを印加することができることになる。
本例では、折り重ね部分に対応して印加する転写DCバイアスを1600Vとし、非折り重ね部分に対応して印加する転写DCバイアスを1200Vとしている。
図6は、上記の折り重ね部分と非折り重ね部分とで異なる転写DCバイアスをかけた状態を示すグラフである。同図は横軸に接着剤塗布部18における用紙25bの通過経過時間を秒(sec)単位で示し、縦軸に用紙25bに対して印加された転写バイアスをボルト(V)単位で示している。
同図の破線矢印38で示す時点が、用紙25bの先端を検出してから0.875秒間経過した時点であり、この0〜0.875秒間は、図5(c) に示した面Fに粉体接着剤15を塗布(転写)する時間帯である。
すなわち、折り重ね部分で用紙が厚くなっている(電気抵抗値が高い)部分であるため転写バイアスが1600Vと高く設定されている。
尚、低い転写DCバイアスを1200V、高い転写DCバイアスを1600Vとするに限ることなく、本例では、折り重ね部分に印加する転写DCバイアスを、非折り重ね部分に印加する転写DCバイアスよりも、少なくとも+400V以上とすることで、転写効率が良くなり、粉体接着剤15の均一なべタ画像が得られることが判明している。
また、用紙25bに印加する転写電圧をDCバイアスとしているが、用紙25bへの帯電を均一にするためには、AC重畳DCバイアスを印加電圧とするのも良い方法であるといえる。
また、接着剤塗布ローラから直接用紙25bへ転写しているが、これに限ることなく、中間転写方式を利用しても良い。
また、塗布ローラ方式で粉体接着剤の転写を行っているが、露光ヘッドと感光体ドラムを用いた本格的電子写真方式で転写するようにしてもよい。
また、用紙25bの仮折り部分を搬送方向先端としているが、用紙25bの折り方向や送り方向はこれに限ることなく、仮折り部分を用紙搬送方向の後端部側としてもよい。
また、用紙25bを通常紙として説明しているが、これに限ることなく、高分子樹脂から成るフイルム状部材を用いてもよい。
(実施形態4)
上記実施の形態では、用紙25bの搬送時間によって折り重ね部分と非折り重ね部分の分別をしているが、給紙部16から給紙された用紙25bの紙厚を、紙厚みセンサで測定して、折り重ね部分と非折り重ね部分の変化をリアルタイムで測定して、転写DCバイアスを変更するようにしてもよい。
尚、厚みセンサは、仮紙折部17を通過後から接着剤塗布部18に進入前の区間に設置すれば良い。また、紙厚みセンサには、例えば超音波のように用紙の重送を検知できるセンサを使用すれば良い。
図7(a),(b),(c) は、紙厚みセンサに超音波センサを使用する場合の概念図を示す図である。同図(a) は給紙部16から仮紙折部17に給紙される用紙25b(判りやすく図4のように二連ではなく単体の用紙を示している)を示している。
同図(b) は、仮紙折部17において先端部を二枚重ねに仮折りされて面Fと面Aが隣接した状態になった用紙25bを示している。
同図(c) は、仮紙折部17を通過して接着剤塗布部18に進入するまでの区間において矢印d方向に搬送される用紙35bが、同区間に設置された超音波センサ39(39a、39b)により先端部が検知され更に折り重ね部分が検知されている状態を示している。
超音波センサ39は、超音波発信部39aから発信された超音波41aが、用紙25bを通過後に、減衰した超音波41bとなって超音波受信部39bに受信されるように構成されている。
Z折り用紙として、上質紙127.9g/m^2を使用した場合、用紙の厚さにはムラがあるため、実際に超音波センサ39により、この上質紙の紙厚みを測定してみると、1枚の紙厚みは0.1〜0.2mm、折り重ねられた2枚の紙厚みは0.2〜0.3mmで計測された。
図8は、本例において、圧着はがき作成装置20本体内部の不図示の記憶装置に記憶された紙厚みと転写バイアス設定値の関係を示すテーブルである。このテーブルには、紙厚み(mm)の「0.1以下、0.10〜0.20、0.20〜0.30、0.3以上」の4通りの区分に対して、転写バイアス(V)は「900、1200、1600、1900」の4通りで対応している。
上記のテーブルに基づいて、上質紙127.9g/m^2を使用して検出された用紙の厚みが「2枚の紙厚み0.2〜0.3mm」に対して、転写バイアスは「1600V」、用紙の厚みが「1枚の紙厚み0.1〜0.2mm」に対して、転写バイアスは「1200V」に設定を変更して粉体接着剤15を転写された。いずれも良好な、つまり均一な、転写結果が得られた。
このように、用紙の厚みを紙厚みセンサによって計測することにより、用紙の厚み部分の変化を把握できる。把握した用紙の厚みによって、その厚みに適した転写バイアスを選択し、その選択した転写バイアスを印加する。
これにより、用紙1枚内に用紙の厚みが異なる部分が存在しても、粉体接着剤の転写を効率良く行うことができる。そして、Z折り圧着はがきの接着と再剥離性能を良好に維持することができた。
尚、紙厚みセンサを超音波センサとしたが、紙厚みセンサはこれに限ることなく、紙厚みを測定出来るセンサであればどのような形式のものでもよく、例えば、レーザ変位計であっても良い。
また、転写バイアスとして、予め記憶装置に記憶しておいた、すなわち予め決められた数値を使用しているが、転写バイアスは予め決められた数値と限ることなく、例えば計測された紙厚みによって+α(αは正又は負の値)した転写バイアスを出力するようにしても良い。
また、紙厚みと、さらに紙の種類(例えばコート紙、上質紙、アート紙など)に応じて設定した値を加味して、転写バイアスを決定するようにしても良い。
また、第3の実施形態と同様に、DCバイアスだけでなくAC重畳DCバイアスを印加するようにしてもよい。
(実施形態5)
ところで、Z折り圧着はがき用の用紙において、前述した折り重ね部分と非折り重ね部分とでは、折り重ね部分の紙厚みが非折り重ね部分の厚みの約2倍になる。
そこで、この第5の実施形態では、用紙が給紙部16から仮紙折部17へと搬送されているときに、適宜のセンサで紙厚みを測定し、つまり非折り重ね部分の厚みを測定し、用紙が仮紙折部17から接着剤塗布部18に搬入されるまでに、演算により用紙の折り重ね部分の紙厚みを推測して転写バイアスを設定する。
図9(a),(b),(c) は、第5の実施形態における演算により用紙の折り重ね部分の紙厚みを推測して転写バイアスを設定する工程を示す図である。
同図(a) は給紙部16から仮紙折部17に給紙される用紙25b(判りやすく図4のように二連ではなく単体の用紙を示している)を示している。このときに、紙厚みをセンサによって測定する。
同図(b) は、仮紙折部17において先端部を二枚重ねに仮折りされて面Fと面Aが隣接した状態になった用紙25bを示している。
同図(c) は、同図(b) の状態の用紙25bの面F又は面Aの紙厚みと、その紙厚みの面F又は面Aに印加する転写バイアス設定値との関係を示す図表である。同図表は、圧着はがき作成装置20本体内部の不図示の記憶装置に記憶された紙厚みと転写バイアス設定値の関係を示すテーブルである。
このテーブルには、紙厚み(mm)の「0.1以下、0.10〜0.15、0.15〜20、0.20、0.20〜0.25、0.25〜30、0.3以上」の6通りの区分に対して、転写バイアス(V)は「900、1200、1200、1600、1600、1900」の電圧値が対応付けられている。
尚、このテーブルは、Z折り用紙として、上質紙127.9g/m^2を使用した場合を示している。
本例では、図9(a) に示す計測の段階で、1枚のときの紙厚みは0.10〜0.15mmと計測された。これにより、折り重ね部分(2枚重なっている部分)の厚みは、演算により0.20〜0.30mmと推測された。
そして、紙厚み0.20〜0.25mmに対応して設定されている転写バイアス値である1600Vを選定して、この選定された転写バイアスを図9(b) に示す面Fに印加した。そして、続く面Aには、同図(a) で測定された紙厚み0.10〜0.15mmに対応する転写バイアスである1200Vに電圧を変更して、この1200Vの転写バイアスを印加した。
このように、非折り重ね部分の紙厚みを事前に計測して、折り重ね部分に対する転写バイアスを推測し、関係テーブルを使用して転写バイアスを異ならせて、折り重ね部分と非折り重ね部分に印加することもできる。
(a) は実施形態1としての粉体接着剤塗布装置を含む圧着はがき作成システムの構成原理図、(b),(c),(d) は粉体接着剤の塗布手順を示す図、(e) は圧着時の折り方を示す図である。 (a) は参考のため折り装置によりZ折りされた用紙の状態を示す図、(b) はZ折りされた用紙が矢印Hで示すように圧着装置に挿通される状態を示す図である。 第2の実施形態としての圧着はがき作成装置の構成ブロック図である。 第2の実施形態における圧着はがき作製装置において圧着はがき用として用いられる用紙のサイズを示す図である。 (a) 〜(f) は第2の実施形態における圧着はがき作製装置における圧着はがきの作製工程順に用紙の状態を平面図、斜視図、側断面図等で示す図である。 第3の実施形態における折り重ね部分と非折り重ね部分とで異なる転写DCバイアスをかけた状態を示すグラフである。 (a),(b),(c) は第4の実施形態において紙厚みセンサに超音波センサを使用する場合の概念図を示す図である。 第4の実施形態において圧着はがき作成装置本体内部の記憶装置に記憶された紙厚みと転写バイアス設定値の関係を示すテーブルである。 (a),(b),(c) は第5の実施形態における演算により用紙の折り重ね部分の紙厚みを推測して転写バイアスを設定する工程を示す図である。
符号の説明
1 給紙装置
2 粉体接着剤塗布装置
3 折り装置
4 圧着装置
5 出来上がり圧着はがき収容装置
6 用紙搬送装置
7 接着剤塗布部
8 定着器
9 両面印刷反転装置
11 粉体接着剤容器
12 塗布ローラ
13 搬送ベルト
14 Z折り圧着はがき用の用紙
15 粉体接着剤
16 給紙部
17 仮紙折部
18 接着剤塗布部
19 仮定着部・本定着部
20 圧着はがき作成装置
21 本紙折部
22 形状整頓部
23 切断分離部
24 排紙収納部
25 A3判の用紙
25a 用紙(切捨て部分)
25b 用紙(使用部分)
25c 完成したZ折り圧着はがき
26 裁断線
27 折り線
28 粉体接着剤収容部
29 接着剤塗布ローラ
31 転写ローラ
32 クリーナ
33 高圧電源
34 下無端熱ベルト
35、36 加圧ローラ
37 上無端熱ベルト
39 超音波センサ
39a 超音波発信部
39b 超音波受信部
41a 発信された超音波
41b 減衰した超音波

Claims (8)

  1. 三枚折り(Z折り)圧着はがき用シートに粉体接着剤を電子写真方式による転写により塗布して、該粉体接着剤を塗布された秘匿情報印刷面を圧着する圧着はがき作成装置であって、
    前記粉体接着剤を塗布前の仮折りした三枚折り用の圧着はがき用シートの折り重ね部分と非折り重ね部分を識別する折部分識別手段と、
    該折部分識別手段により識別された圧着はがき用シートの折り重ね部分と非折り重ね部分に異なる転写電圧を印加する転写電圧印加手段と、
    を備えたことを特徴とする圧着はがき作成装置。
  2. 前記折部分識別手段は、前記圧着はがき用シートを前記粉体接着剤の塗布部に搬送する搬送量制御手段である、ことを特徴とする請求項1記載の圧着はがき作成装置。
  3. 前記折部分識別手段は、厚さ検知センサである、ことを特徴とする請求項1記載の圧着はがき作成装置。
  4. 前記厚さ検知センサは、超音波センサである、ことを特徴とする請求項3記載の圧着はがき作成装置。
  5. 前記転写電圧印加手段は、前記圧着はがき用シートの前記折り重ね部分に印加する転写電圧を前記非折り重ね部分に印加する転写電圧よりも高い電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1記載の圧着はがき作成装置。
  6. 前記転写電圧印加手段は、前記圧着はがき用シートの厚さに適合する転写電圧のテーブルを記憶する記憶装置を有し、計測された前記圧着はがき用シートの厚さに対応して前記記憶装置のテーブルが読み出した転写電圧を前記圧着はがき用シートに印加する、ことを特徴とする請求項1記載の圧着はがき作成装置。
  7. 前記転写電圧印加手段は、演算装置を備え、前記圧着はがき用シートから得られた非折り重ね部分の厚さに基づき前記演算装置により前記圧着はがき用シートの折り重ね部分の厚さを演算して、前記圧着はがき用シートの折り重ね部分と非折り重ね部分にそれぞれ厚さに最適の転写電圧を印加する、ことを特徴とする請求項1記載の圧着はがき作成装置。
  8. 前記圧着はがき用シートは普通紙または高分子樹脂等から成るフイルムである、ことを特徴とする請求項1記載の圧着はがき作成装置。
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