JP4760354B2 - 圧着はがきの接着剤塗布方法、塗布装置及び圧着はがき作成装置 - Google Patents
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近年、個人情報保護が厳しく問われるようにもなり、各種事業所等では、例えば、個人の各種データ、成績表、給与明細書等の個人情報は、これを文字記載物の内部の印字箇所に記録して、印字箇所の周縁部もしくは文字記載物の全面を接着や圧着により封筒状やカード状にして配布したりしている。
ところで、近年、パソコンやプリンタの発達と相侯って、小規模事業所や個人でも利用できるように、少量単位でも簡易に圧着はがきを作成できるようにしたものも提案されている。
また、事務用プリンタや複写機の交換用の印字用カートリッジに圧着用物質を入れて、それら事務用プリンタ又は複写機による印字作業と同様の操作で圧着用物質を官製はがきや封筒に塗布し、その後、圧着専用機にかけるようにし、圧着専用機にかけるところまでを1台のプリンタ又は複写機で出来るとする提案がなされている。また、この提案では、二つ折りの片面、三つ折の中央両面に圧着用物質を塗布することが示唆されている。(例えば、特許文献2参照。)
また、感熱接着剤を含むトナーを用い、電子写真方式により画像を対需要即応式で作成する方法が提案されている。この提案では、感熱接着剤の軟化温度は電子写真方式用のトナーの結着樹脂の軟化温度よりも高くなるように構成し、また、感熱接着剤の電子写真方式用トナーに占める割合を5〜60重量%とし、また、感熱接着剤の組成は熱接着性樹脂、ホットメルト及びワックス類からなる群より選ばれる1種類以上を含むようにすることが提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
そこで、本発明者は、上記従来の提案技術が示唆するところに基づいて、プリンタを用いて塗布できることを前提としたトナー状の接着剤(熱可塑性樹脂粉体)を試作してみることにした。
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、実用性のある粉体接着剤の製造方法を確立したうえで、その粉体接着剤を圧着はがき等の用紙に能率よく塗布する圧着はがきの接着剤塗布方法、塗布装置及び圧着はがき作成装置を提供することである。
(実施形態1)
前述したトナー状の熱可塑性樹脂粉体からなる接着剤において、接着力が強すぎて紙破れが発生したり文字移りがするなどの不具合を防ぐためには、可変情報印字トナー(以下、単に印字用トナーという)と接着剤が溶融の際に一体化しないようにすることが必要であると考えられる。
先ず、発明者は、3種類の粉体接着剤を作製例1、作製例2及び作製例3として作成した。材料としては、ポリエステル樹脂、シリカ粉、帯電制御剤、ポリエチレンワックス、アクリル樹脂、及び微粒シリカを、それぞれ含有比率(質量%)を異ならせて作成した。
次に、作製例2では、先ず、結着樹脂としてポリエステル樹脂70質量%、非接着樹脂としてアクリル樹脂30質量%、帯電制御剤1質量%、及びポリエチレンワックス3質量%を用意する。
そして、作製例3では、印字用トナーと同様に、ポリエステル樹脂100質量%、帯電制御剤1質量%、ポリエチレンワックス3質量%を用い、上記の作成例1又は2と同様にして、平均体積粒径9μmの粉体粒子を作製したのち、この粉体粒子100質量%と微粒シリカ1質量%をへンシェルミキサーによって混合し、その混合物を篩別して、所望の圧着はがき用粉体接着剤を得た。
上記の粉体接着剤塗布装置2は、用紙搬送装置6、接着剤塗布部7、定着器8、及び両面印刷反転装置9を備えている。
また、特には図示していないが、塗布ローラ12に対し用紙搬送装置6の搬送ベルト13を介して対向配置された転写器が設けられている。
粉体接着剤塗布装置2においては、粉体接着剤容器11の塗布ローラ12が、その周表面に均一な粉体接着剤層を形成しながら回転している。塗布ローラ12は、不図示の転写器と協働して、塗布ローラ12の直下を通過する用紙14の表面の一方の端部頁の面P1に、同図(c) に示すように、粉体接着剤15を静電的に転写(塗布)する。
尚、この評価において、剥離性の評価は、圧着後のはがき判用紙の接着部を、手で開いて確認した。また、可変情報の字移り状態の評価は、接着部を開封したときの字移りの有無を目視で確認した。
このように上記の評価によれば、作製例1、及び2では剥離性が良好で、且つ字移りが発生せず、極めて良好な圧着はがき用接着剤となることが判明した。
ところで、上記の実施形態1では、両面印刷反転装置9によって用紙14の表裏を反転させて、表面と裏面への粉体接着剤の塗布を行っている。
この問題は、一回の用紙搬送で粉体接着剤を表裏に塗布することができれば解消される。この一回の用紙搬送で粉体接着剤を表裏に塗布する粉体接着剤塗布装置について、第2の実施形態として以下に説明する。
尚、図5(a) 〜(d) 及び図6(a) 〜(d) (図4も同様)には、圧着はがき作製装置における用紙25bの搬送方向を矢印iで示している。すなわち、用紙25bは、矢印i方向に搬送されながら、特殊な中間工程を含む接着剤塗布、三つ折り、圧着、切断・分離の処理を経てZ折り圧着はがきとして完成される。
先ず、給紙部16から用紙25bが予備紙折部17に給紙される。尚、この給紙では、図5(a) には、図示の煩雑さを避けるため、矢印i方向に搬送される圧着はがき用紙を1通分しか示していないが、実際には、図4に示したように、未だ裁断線26で連続したままの圧着はがき2通分の用紙25bが矢印iで示すように長手方向に搬送される。
この粉体接着剤15を紙面に仮定着された用紙25bは、続いて紙折部21へと搬送される。紙折部21に搬入された用紙25bは、先ず一旦上記折られた面が広げられる。
次に、上記のZ折り圧着はがきの作製と同一の工程を用いてV折り圧着はがきを作製することもできる。これを、以下に実施形態3として説明する。
尚、V折り圧着はがきの場合は、上記のようにZ折り圧着はがきの場合と同一の工程を用いなくても、接着剤の塗布を一度で能率よく行う方法がある。
2 粉体接着剤塗布装置
3 折り装置
4 圧着装置
5 出来上がり圧着はがき収容装置
6 用紙搬送装置
7 接着剤塗布部
8 定着器
9 両面印刷反転装置
11 粉体接着剤容器
12 塗布ローラ
13 搬送ベルト
14 Z折り圧着はがき用の用紙
15 粉体接着剤
16 給紙部
17 予備紙折部
18 接着剤塗布部
19 仮定着部・本定着部
21 紙折部
22 形状整頓部
23 切断分離部
24 排紙収納部
25 A3判の用紙
25a 用紙(切捨て部分)
25b 用紙(使用部分)
25c 完成したZ折り圧着はがき
26 裁断線
27 折り線
28 粉体接着剤収容部
29 接着剤塗布ローラ
31 転写ローラ
33 クリーナ
34 下無端熱ベルト
35、36 押圧ローラ
37 上無端熱ベルト
Claims (3)
- 接着剤が塗布されていない圧着はがき用の用紙を給紙部から取り出して搬入する工程と、
搬入された前記用紙の裏面の面Fが表面の面Aと面一で並ぶように一部を折り込む工程と、
前記並ぶように裏面の面Fと表面の面Aが折り込まれた状態で搬入された前記用紙に対して前記面Fと面Aとに一度に前記接着剤を塗布する工程と、
により前記圧着はがき用の用紙の表裏の所定の面に一度に前記接着剤を塗布することを特徴とする圧着はがきの接着剤塗布方法。 - 給紙部から取り出されて搬入され接着剤が塗布されていない圧着はがき用の用紙の裏面の面Fが表面の面Aと面一で並ぶように一部を折り込む用紙折部と、
前記並ぶように裏面の面Fと表面の面Aが折り込まれた状態で搬入された前記用紙に対して前記面Fと面Aとに一度に前記接着剤を塗布する接着剤塗布部と、
を備えて前記圧着はがき用の用紙の表裏の所定の面に一度に前記接着剤を塗布することを特徴とする圧着はがきの接着剤塗布装置。 - 給紙部から取り出されて搬入され接着剤が塗布されていない圧着はがき用の用紙の裏面の面Fが表面の面Aと面一で並ぶように一部を折り込む用紙折部と、
前記並ぶように裏面の面Fと表面の面Aが折り込まれた状態で搬入された前記用紙に対して前記面Fと面Aとに一度に前記接着剤を塗布する接着剤塗布部と、
を備えて前記圧着はがき用の用紙の表裏の所定の面に一度に前記接着剤を塗布した後に圧着して圧着はがきを作成することを特徴とする圧着はがき作成装置。
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