JP2019117352A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】視認困難画像の不視認性を高めることのできる画像形成装置を提供することを課題とする。【解決手段】特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、孤立ドットの数が少ない網点画像、空間周波数が低い網点画像、あるいは、粒状度が高い網点画像で形成することで、視認困難画像の不視認性を高めるものである。【選択図】図3

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来、特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置が知られている。
例えば、特許文献1には、特殊記録材料として、僅かな着色を有する赤外線吸収トナーを用い、秘匿画像(視認困難画像)を形成する画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、赤外線を当てるという顕在化処理を施すことにより、秘匿画像の読み取りを行う。
視認困難な視認困難画像は、不視認性が重要である。しかしながら、視認困難画像を形成する特殊トナーは、通常、完全な透明ではないため、視認困難画像の不視認性を高めることが課題となっている。
上述した課題を解決するために、本発明は、特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、孤立ドットの数が少ない網点画像で形成することを特徴とする。
本発明によれば、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図。 実施形態のプリンタにおける主要な制御に関わるブロック図。 実施形態における画像形成動作の流れを示すフローチャート。 画像面積率ごとにスクリーン線数を変更した網点パターンの一例を示す説明図。 本発明者らがIR画像の不視認性を確認するために行った実験結果のうち、単色(IR画像のみ)についての評価結果をまとめた図。 同実験結果のうち、1色重ね(IR画像と1種類のトナーからなる可視画像との重ね画像)についての評価結果をまとめた図。 同実験結果のうち、2色重ね(IR画像と2種類のトナーからなる可視画像との重ね画像)についての評価結果をまとめた図。 同実験に用いた点状のドットパターンを示す説明図。 カラートナー像のみのパターン例を示す図。 IRトナー像に図9に示すパターン例を重ね合わせた画像の一例を示す図。 IRトナー像にカラー画像を重ね合わせた画像の他の例を示す図。
以下、本発明を、画像形成装置であるカラープリンタ(以下「プリンタ」という。)に適用した一実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では、一例として、本発明を4ステーション以下の画像形成装置に適用している。また、画像形成装置としては、視認困難な視認困難画像を形成する特殊トナーを用いて記録媒体上に視認困難画像を形成するものであれば、特に制限はない。したがって、プリンタ以外にも、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
本実施形態のプリンタは、特殊トナーとして、視認困難な視認困難画像を形成するものが用いられる。このような特殊トナーは、主に、可視画像中に付加情報を埋め込む場合に使用される。例えば、不正コピー防止等の目的で、カラートナーによる可視画像とともに、不可視パターン、地紋などと呼ばれる目視で認識しにくい視認困難画像(人間が一見しても視認できない「COPY」等の文字画像)を記録媒体に形成する場合に使用される。また、例えば、バーコードやQRコード(登録商標)等のコード画像の情報量を増やす目的で、可視画像によるコード画像と視認困難画像によるコード画像とを重ねて記録媒体に形成する場合に使用される。なお、特殊トナーは、可視画像を形成せずに視認困難画像だけを記録媒体上に形成する場合にも使用されてもよい。
視認困難画像とは、後述するように、可視光下で通常のカラートナーよりも透明性が高いトナーによって形成される画像であって、本実施形態ではさらに赤外光等を照射するなどの処理によって、発光、発色等が行われ、視認が容易になるようにされている。
特殊トナーとしては、透明性を有する赤外光吸収トナーや、紫外線を当てると蛍光する透明性の蛍光トナーなど、可視光領域外の光を吸収したり、可視光領域外の光によって可視光領域の光を発光したりするものが挙げられる。本実施形態は、特殊トナーとして、赤外光吸収トナーを用いる例で説明する。以下の説明において、各部材のトナー別符号として、イエロートナー(Yトナー)は「Y」、マゼンタトナー(Mトナー)は「M」、シアントナー(Cトナー)は「C」、赤外光吸収トナー(IRトナー)は「IR」を用いる。特殊トナーとしては、可視光下で発色を抑制されているような透明トナー(透明性トナー)が望ましい。また、通常のカラートナーよりも色素含有量が少ない。
まず、本実施形態に係るプリンタの全体構成及び動作について説明する。
図1は、本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図である。
本実施形態のプリンタは、画像形成部1と、転写部2と、記録媒体供給部3と、定着部4と、記録媒体排出部5と、制御部30と、画像形成制御部40とから、主に構成されている。
画像形成部1には、作像ユニットとしての4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6IRが設けられている。各プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRは、使用するトナーの種類が異なる以外は同様の構成となっている。なお、本実施形態では、黒(K)のトナーを用いるプロセスユニットを備えていないので、カラー画像やモノクロ画像はY、M、Cのカラートナーのみを用いてを形成する。Kのプロセスユニットを追加してもよいが、その場合、装置が大型化するという欠点がある。
また、IRのプロセスユニット6IRを着脱可能な構成とし、IRのプロセスユニットに代えて、Kのプロセスユニットを装着できるように構成してもよい。この場合、IRトナーを用いずに画像形成を行う場合には、Kのプロセスユニットを装着することで、Y、M、CのカラートナーとKトナーとを用いて、カラー画像やモノクロ画像を形成することができる。
また、すべてのプロセスユニットを着脱可能とし、プロセスユニットを装着する位置を互いに入れ替えることができるようにしてもよい。この場合、IRのプロセスユニットの位置を入れ替えることで、記録媒体上におけるIRトナー像と各カラートナー像との位置関係(トナー像積層方向における位置関係)を適宜入れ替えることが可能となる。
本実施形態において、各プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRは、潜像を担持する潜像担持体としての感光体7と、感光体7の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ8と、感光体7上の潜像を現像する現像手段としての現像装置9と、感光体7の表面をクリーニングする潜像担持体クリーニング手段としての感光体クリーニング装置10などで構成されている。各感光体7に対向した位置には、それぞれ、感光体7の表面に潜像を形成する潜像形成手段としての露光装置11が設けられている。本実施形態では、露光装置11としてLEDユニットを用いているが、レーザダイオードを用いたレーザビームスキャン方式のものを用いてもよい。
転写部2には、感光体7上のトナー像が転写される中間転写体としての無端状の中間転写ベルト12と、感光体7上の画像を中間転写ベルト12に一次転写する一次転写手段としての複数の一次転写ローラ13と、中間転写ベルト12に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写手段としての二次転写ローラ14と、中間転写ベルト12の表面(外周面)をクリーニングする中間転写体クリーニング手段としてのベルトクリーニング装置17とが配置されている。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ15と従動ローラ16とに張架されており、駆動ローラ15が回転することで周回走行(回転)する。各一次転写ローラ13は、中間転写ベルト12を各感光体7に押し当てるように配置されている。これにより、中間転写ベルト12と各感光体7との接触箇所には、各感光体7上の画像が中間転写ベルト12に転写される一次転写ニップが形成される。一方、二次転写ローラ14は、駆動ローラ15に巻き付いた中間転写ベルト12の部分に接触するように配置されている。この二次転写ローラ14と中間転写ベルト12とが接触する箇所には、中間転写ベルト12上の画像が記録媒体に転写される二次転写ニップが形成される。
記録媒体供給部3には、記録媒体としての用紙Pを収容する記録媒体収容部としての給紙カセット18と、給紙カセット18から用紙Pを給送する記録媒体給送手段としての給紙ローラ19と、給紙ローラ19によって給送された用紙Pを所定のタイミングで前記二次転写ニップへ搬送する記録媒体搬送手段としてのタイミングローラ20が配置されている。なお、記録媒体としては、用紙以外に、OHPシートやOHPフィルム、布等であってもよい。また、用紙には、普通紙のほか、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、和紙等の凹凸紙、トレーシングペーパ等が含まれる。
定着部4には、用紙Pに画像を定着する定着手段としての定着装置21が配置されている。定着装置21は、ヒータ等の加熱源によって加熱される定着部材としての定着ローラ22と、定着ローラ22に対して所定の圧力で接触して定着ニップを形成する加圧部材としての加圧ローラ23とから主に構成されている。
記録媒体排出部5には、定着装置21から送り出された用紙Pを装置外に排出する記録媒体排出手段としての排紙ローラ24と、排紙ローラ24によって排出された用紙Pを載置する記録媒体載置部としての排紙トレイ25とが配置されている。
制御部30は、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に対する画像処理を行い、また、プリンタ全体の制御を担うものである。
また、画像形成制御部40は、制御部30の制御の下、プリンタの各部(画像形成部1、転写部2、記録媒体供給部3、定着部4、記録媒体排出部5等)における画像形成動作を制御するものである。
また、本実施形態のプリンタには、上述の各構成要素に加え、画像形成に用いられる粉体であるトナーを収容する粉体収容容器としての複数のトナーカートリッジ26が装着されている。各トナーカートリッジ26は、対応する現像装置9内のトナーと同じ色のトナーが収容されており、現像装置9内のトナーが所定量を下回ると、トナーカートリッジ26からトナーが補給される。さらに、プリンタには、トナーカートリッジ26とは別の粉体収容容器として、廃トナー収容容器27が装着されている。この廃トナー収容容器27には、ベルトクリーニング装置17あるいは感光体クリーニング装置10によって回収された廃トナーが収容される。
また、図1に示すように、本実施形態のプリンタは、装置本体(画像形成装置本体)100の上部を開閉するためのカバー部材101を備える。カバー部材101は、装置本体100に設けられた回動軸103を中心に上下に回動可能となっている。また、カバー部材101の下方には、4つのトナーカートリッジ26を着脱可能に保持する容器保持部材102が配置されている。容器保持部材102は、装置本体100に設けられた別の回動軸104を中心に上下に回動可能となっている。
本実施形態において、プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRは、IRトナーからなるIRトナー像(特殊トナー像)が、記録媒体上で、Y、M、Cのカラートナーからなるカラートナー像よりも記録媒体側に形成されるように、IRのプロセスユニット6IRが中間転写ベルト12の走行方向最下流側に配置され、その上流側にカラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cが配置されている。つまり、中間転写ベルト12上では、ベルト側から順に、Yトナー像、Mトナー像、Cトナー像、IRトナー像が積層されるが、これを二次転写した後の記録媒体上においては、記録媒体側から順に、IRトナー像、Cトナー像、Mトナー像、Yトナー像の順となる。
IRトナー像をカラートナー像よりも記録媒体側に形成することで、IRトナー像がカラートナー像に隠れて視認性が落ち、IRトナー像による画像の秘匿性を確保することが容易になる。ただし、カラーのプロセスユニット6Y,6M,6Cに対してIRのプロセスユニット6IRをどこに配置するかは、適宜設定可能である。また、上述したように、プロセスユニット6Y,6M,6C,6IRの装着位置を互いに入れ替えることができる構成とした場合には、IRのプロセスユニットの位置を自由に入れ替えることができる。
また、本実施形態のプリンタでは、Y、M、C、IRの各トナーの付着量(単位面積当たりのトナー付着量)を調整して各トナーによる画像濃度の調整を行う。詳しくは、中間転写ベルト12上に形成されるY、M、C、IRの各トナーのテスト像(異なる目標濃度となるように作像された複数のトナーパッチ)のトナー付着量を検知するトナー付着量検知センサが設けられている。このトナー付着量検知センサで検知した結果から、所望の濃度に対して所望のトナーが付着するように、Y、M、C、IRの各プロセスユニットにおける作像条件(画像形成条件)等が調整される。
本実施形態のトナー付着量検知センサは、Y、M、C、IRの各テスト像に対して共通に使用されるものでもよいし、Y、M、C、IRの各テスト像に対して個別に使用されるものでもよい。また、本実施形態のトナー付着量検知センサは、光学式の画像濃度センサであり、正反射光および拡散反射光の両方を取得することによって各テスト像のトナー付着量(テスト像の画像濃度)を検知する。本実施形態のIRトナーは、定着処理後は不可視画像(目視しにくい画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持たない画像)となるが、定着処理前の中間転写ベルト12上では、可視画像(目視できる画像、あるいは、可視光領域内に吸収ピークを実質的に持つ画像)であるため、C、M、Yと同様のトナー付着量検知センサを用いることができる。なお、IRトナーのテスト像については、正反射光のみを取得してテスト像のトナー付着量を検知するよりも、正反射光および拡散反射光の両方を取得してテスト像のトナー付着量を検知する方が、高精度のトナー付着量検知を実現できる。
続いて、本実施形態のプリンタの基本的な動作について説明する。
画像形成動作が開始されると、各感光体7が回転駆動され、帯電ローラ8によって各感光体7の表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に基づき、露光装置11が各感光体7の帯電面にレーザ光を照射し、潜像(静電潜像)を形成する。
各感光体7上に形成される潜像は、所望のフルカラー画像をY、M、Cの色情報に分解した単色の画像情報に基づく潜像である。詳しくは、入力画像情報の色情報(RGB、YCM等)を、当該プリンタ用の色情報(YMC)へ変換・分解するための色変換分解テーブルを用い、入力画像情報を、Y、M、Cの色情報に変換、分解した単色の画像情報を生成し、Y、M、C用の各露光装置11は、Y、M、Cの各色の画像情報に基づいてそれぞれの感光体7上に各色の潜像を形成する。
また、本実施形態では、入力画像情報に含まれる付加情報や当該プリンタによって付加される付加情報等からIRの画像情報を生成する。入力画像情報に含まれる付加情報は、パソコン上のアプリケーションによって付加される情報でもよいし、パソコン上のプリントドライバによって付加される情報でもよい。IR用の露光装置11は、IRの画像情報に基づいてIRプロセスユニット6IRの感光体7上にIRの潜像を形成する。
感光体7上に形成されたY、C、M、IRの各潜像には、それぞれの現像装置9からトナーが供給されて、Y、C、M、IRのトナー像に現像される。各感光体7上のトナー像は、周回走行する中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写される。詳しくは、感光体7上のトナー像が一次転写ニップの位置に達すると、一次転写ローラ13に所定の電圧が印加されて形成される転写電界によって、感光体7上のトナー像が中間転写ベルト12上に順次転写される。このようにして、中間転写ベルト12の表面には、Y、C、Mトナーからなるフルカラートナー像(可視像)及びIRトナーからなるIRトナー像(不可視像)が形成される。なお、中間転写ベルト12に転写しきれなかった各感光体7上のトナーは、感光体クリーニング装置10によって除去される。
また、画像形成動作が開始されると、給紙ローラ19が回転して、給紙カセット18から用紙Pが給送される。給送された用紙Pは、タイミングローラ20によって搬送が一旦停止される。その後、所定のタイミングでタイミングローラ20の回転駆動が開始され、中間転写ベルト12上のトナー像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pが二次転写ニップへ搬送される。
用紙Pが二次転写ニップに搬送された際、二次転写ローラ14には所定の電圧が印加されており、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この二次転写ニップに形成された転写電界によって、中間転写ベルト12上のトナー像が用紙Pに一括して転写される。また、このとき、中間転写ベルト12上に残ったトナーはベルトクリーニング装置17によって除去される。
その後、用紙Pは定着装置21へと搬送され、定着ローラ22と加圧ローラ23によってトナー像が加熱されつつ加圧されて用紙Pに定着される。そして、用紙Pは排紙ローラ24によって装置外に排出され、排紙トレイ25上に載置される。
以上の説明は、フルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット6Y,6M,6C,6IRのいずれか1つを使用して画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを使用して画像を形成したりすることも可能である。
次に、本発明の特徴部分である、特殊トナー像を作像する特殊画像形成動作時の制御について、図面を参照して説明する。
以下の説明では、入力画像情報の色情報がRGB多値の情報であり、入力画像情報にIRの画像情報(付加情報)が含まれている場合に、そのIRの画像情報に基づいてIR画像を形成する場合について説明する。なお、入力画像情報に含まれる付加情報は、画像情報でなくてもよく、非画像情報である場合には、例えば、制御部30において、予め決められたIR画像生成プログラムを実行し、その付加情報からIRの画像情報を生成する。また、入力画像情報に付加情報が含まれていない場合でも、制御部30において、ユーザ指定等に応じたIRの画像情報を生成してもよい。
図2は、本実施形態のプリンタにおける主要な制御に関わるブロック図である。
本実施形態の制御部30は、主に、主制御部31と、記憶手段としての記憶部32と、色変換・分解処理部33と、ガンマ変換部34と、トナー総量規制部35と、階調変換部36とから、構成されている。
主制御部31は、CPU、RAM、ROMなどから構成され、各種プログラムを実行することにより、画像処理やプリンタの全体的な制御を実行する。
記憶部32は、制御部30の各部で用いる各種データやプログラムを記憶している。
色変換・分解処理部33は、記憶部32に記憶されている色変換分解テーブルを用いて、入力画像情報の色情報(RGB)を、プリンタ用の色情報であるY、M、Cの色情報に変換、分解して、Y、M、Cごとの画像情報を生成する。また、入力画像情報中にIRの画像情報が含まれている場合には、IRの画像情報を入力画像情報から抽出して生成する。
ガンマ変換部34は、記録媒体上において適切な階調を実現するために、記憶部32に記憶されているガンマ変換テーブルを用いて、Y、M、Cの各画像情報、及び、必要に応じてIRの画像情報も、γ(ガンマ)変換する処理を行う。
トナー総量規制部35は、主制御部31の制御の下、記憶部32に記憶されているトナー付着量変換テーブルを用い、カラートナー像及びIRトナー像(特殊トナー像)の両方を作像する特殊画像形成動作の際、IRトナー像を作像せずに同じカラートナー像を作像する通常画像形成動作時よりも、単位面積当たりのカラートナー量を少なくするトナー量抑制制御を行う。すなわち、本実施形態においては、主制御部31及びトナー総量規制部35によって、トナー量抑制制御を行う制御手段が実現される。
具体的には、トナー総量規制部35は、記憶部32に記憶されているトナー付着量変換テーブルを用い、単位面積当たりにYトナー、Mトナー、Cトナー及びIRトナーが付着するトナー付着量の総量(以下「トナー総量」という。)が、定着上限値以下となるように、ガンマ補正(ガンマ変換)されたY、M、Cの各画像情報のトナー付着量変換処理(画像処理)を行う。このとき、IRの画像情報についてもトナー付着量変換処理(画像処理)を行ってもよい。
階調変換部36は、記憶部32に記憶されているディザパターンデータを用いて、Y、M、C、IRの各画像情報を、中間調濃度(ハーフトーン濃度)に応じたディザパターンに変換する階調変換処理を実行する。本実施形態においては、Y、M、Cの画像情報に対して用いる可視用ディザパターンデータと、IRの画像情報に対して用いるIR用ディザパターンデータとは、そのディザパターンが異なるものを用いる。具体的には、IR用ディザパターンデータは、所定の画像面積率以下のハーフトーン濃度についてのディザパターンが、同じ画像面積率のハーフトーン濃度に対応する可視用ディザパターンデータのディザパターンと比べて、孤立ドットの数が少ないものとなっている。また、本実施形態のIR用ディザパターンデータは、所定の画像面積率以下のハーフトーン濃度についてのディザパターンが、同じ画像面積率のハーフトーン濃度に対応する可視用ディザパターンデータのディザパターンと比べて、空間周波数が低いものとなっている。また、本実施形態のIR用ディザパターンデータは、所定の画像面積率以下のハーフトーン濃度についてのディザパターンが、同じ画像面積率のハーフトーン濃度に対応する可視用ディザパターンデータのディザパターンと比べて、用紙上における画像の粒状度が高くなるものとなっている。
図3は、本実施形態における画像形成動作の流れを示すフローチャートである。
制御部30は、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報を取得すると(S1)、まず、IRの画像情報を生成するか否かを判断する。ここでは、IRの画像情報を生成するために用いる付加情報が入力画像情報に含まれているか否かを判断する(S2)。そして、付加情報が入力画像情報に含まれていると判断した場合には(S2のYes)、その付加情報に基づいてIRの画像情報を生成する(S3)。IRの画像情報の生成は、入力画像情報中にIRの画像情報が含まれている場合には、IRの画像情報を入力画像情報から抽出して生成する。
続いて、制御部30は、記憶部32に記憶されている色変換分解テーブルを用いて、色変換・分解処理部33により、入力画像情報の色情報(RGB)を、プリンタ用の色情報であるY、M、Cの色情報に変換、分解する(S4)。そして、ガンマ変換部34により、Y、M、Cの各画像情報に対して、ガンマ変換処理を実行する(S5)。また、処理ステップS3でIRの画像情報を生成した場合には、ガンマ変換部34により、IRの画像情報に対して、ガンマ変換処理を実行する(S5)。
次に、制御部30は、ガンマ変換処理後のY、M、C、IRの画像情報に基づき、主制御部31において、当該画像情報に基づく画像中に、単位面積当たりのトナー総量が、通常画像形成動作時(IRトナーを用いずに画像形成を行う画像形成動作時)におけるカラートナー量の上限値である第一規定値を超えるトナー過剰部分が含まれているか否かを判断する(S6)。なお、この判断は、上述した処理ステップS2において付加情報(IR画像情報)が入力画像情報に含まれていると判断された場合(すなわち特殊画像形成動作時)に実行すればよく、通常画像形成動作時には実行する必要はない。
単位面積当たりのトナー総量は、例えば、各色の単位面積当たりのトナー付着量を、単色ベタ画像を形成するときの目標トナー付着量を100%とした相対値で示す場合には、第一規定値は、例えば220%に設定される。本実施形態では、黒(K)のトナーを用いるプロセスユニットを備えていないので、黒色の画像部分については、Y、M、Cのトナー像を重ねて作像する必要があり、単位面積当たりのトナー総量が最大となる。通常画像形成動作時では、色変換・分解処理(S4)において、入力画像情報の色情報(RGB)をプリンタ用の色情報であるY、M、Cの色情報に変換、分解する際に、黒色の画像部分であっても、単位面積当たりのトナー総量が第一規定値(例えば220%)以下となるように、例えば、Yトナー付着量、Mトナー付着量、Cトナー付着量がそれぞれ70%となるように(この場合、トナー総量は210%)、処理される。しかしながら、この黒色の画像部分に更にIR画像が重なる場合には、その部分で単位面積当たりのトナー総量が第一規定値(例えば220%)を超える場合がある。なお、黒色画像部分に限らず、比較的暗い色の画像部分については、IR画像を重ねると、トナー総量が第一規定値を超える場合がある。
主制御部31は、単位面積当たりのトナー総量が第一規定値を超えるトナー過剰部分を含むと判断した場合(S6のNo)、定着条件変更制御を実行する(S7)。具体的には、通常画像形成動作時よりも、定着装置21の定着能力が高まるように、若しくは、定着装置21による定着処理時間が長くなるように、又は、その両方となるように、主制御部31は画像形成制御部40へ制御命令を出力する。
定着装置21の定着能力が高まる方法としては、例えば、定着温度を上昇させたり、定着ニップ圧を上昇させたりする方法が挙げられる。また、定着装置21による定着処理時間が長くする方法としては、例えば、定着装置21を通過する用紙Pの搬送速度を下げる方法が挙げられる。
このように定着条件を変更することで、IR画像も形成する特殊画像形成動作時において、通常画像形成動作時におけるカラートナー量の上限値を超えるトナー過剰部分が存在する場合であっても、1回の定着処理で、すなわち、定着装置21に対して用紙Pを1回だけ通過させるだけで、定着不良を発生させることなく、Y、M、C、IRのトナー像を用紙Pに定着させることができる。
ただし、定着装置21の定着能力を上げ過ぎたり、定着装置21による定着処理時間を長くし過ぎたりすると、トナー過剰部分以外の部分に対して定着処理が過剰となり、許容しがたい画質劣化を引き起こしかねない。また、トナー総量が一定以上になると、定着条件を変えるだけでは、そもそも十分な定着を実現できないこともある。
上述したように、通常画像形成動作時では、色変換・分解処理(S4)において、入力画像情報の色情報(RGB)をプリンタ用の色情報であるY、M、Cの色情報に変換、分解する際に、黒色の画像部分であっても、単位面積当たりのトナー総量が第一規定値(例えば220%)以下となるように処理される。しかしながら、この黒色の画像部分に更にIR画像が重なる場合、例えば、IRトナー像のトナー付着量が100%であるIR画像を重ねる場合には、その部分で単位面積当たりのトナー総量が第二規定値(例えば300%)を超える場合がある。なお、黒色画像部分に限らず、比較的暗い色の画像部分については、IR画像を重ねると、トナー総量が第二規定値を超える場合がある。
そこで、本実施形態では、ガンマ変換処理後のY、M、C、IRの画像情報に基づき、主制御部31において、当該画像情報に基づく画像中に、単位面積当たりのトナー総量が1回の定着処理で定着可能な定着上限値である第二規定値(例えば300%)を超える定着不能部分が含まれているか否かを判断する(S8)。なお、この判断も、上述した処理ステップS2において付加情報(IR画像情報)が入力画像情報に含まれていると判断された場合(すなわち特殊画像形成動作時)に実行すればよく、通常画像形成動作時には実行する必要はない。
主制御部31は、単位面積当たりのトナー総量が第二規定値を超える定着不能部分を含むと判断した場合(S8のYes)、トナー量抑制制御として、トナー総量規制部35に対してトナー総量規制処理を実行させる(S9)。本実施形態のトナー総量規制処理では、カラートナー像及びIRトナー像の両方を作像する特殊画像形成動作の際、IRトナー像を作像せずに同じカラートナー像を作像する通常画像形成動作時よりも、単位面積当たりのカラートナー量が少なくなるように、Y、M、Cの各画像情報のトナー付着量変換処理(画像処理)を行う。
トナー総量規制処理では、記憶部32に記憶されているトナー付着量変換テーブルを用い、ガンマ変換部34から出力されるガンマ補正(ガンマ変換)後のY、M、Cの各画像情報を変換して、Y、M、Cの各トナー像における単位面積当たりのトナー付着量を少なくし、単位面積当たりのトナー総量が第二規定値を超える定着不能部分が存在しないY、M、Cの各画像情報を生成する。
このようなトナー総量規制処理を行うことで、定着条件を変更するだけでは、定着処理が過剰となったり1回の定着処理で十分な定着が実現できなかったりする場合であっても、定着処理が過剰とならず、また、1回の定着処理で十分な定着を実現できるようになる。
トナー総量規制処理は、少なくとも定着不能部分のトナー総量を定着上限値である第二規定値以下まで少なくできれば、その処理内容に特に制限はない。
したがって、例えば、定着不能部分についてのみ、そのトナー総量が定着上限値である第二規定値以下となるようにし、定着不能部分以外の部分についてはそのまま維持するように、画像情報の一部(定着不能部分のみ)を変換する処理を実行して、定着不能部分のトナー総量が定着上限値である第二規定値以下まで少なくなるようにしてもよい。
本実施形態においては、付加情報(IR画像情報)が入力画像情報に含まれていないと判断された場合(S2のNo)、すなわち、通常画像形成動作時の場合には、一般の画像形成動作と同様、入力画像情報の色情報(RGB)をY、M、Cの色情報に変換、分解し(S4)、ガンマ変換処理した後(S5)、Y、M、Cの画像情報に対し(S10のNo)、記憶部32から可視用ディザパターンデータを読み出して(S11)、階調変換部36により階調変換処理を実行する(S13)。その後、階調変換部36から出力されるY、M、Cの各画像情報は、画像形成制御部40に送られ、通常の定着条件による画像形成動作が実行される(S14)。
画像形成制御部40は、Y、M、Cの各画像情報に基づき、Y、M、C用の各露光装置11を制御して、Y、M、Cの各潜像をそれぞれの感光体7上に形成する。そして、画像形成制御部40は、現像装置9を制御して、各潜像をそれぞれのトナーによって現像してトナー像とし、転写部2の各部を制御して、中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写した後、中間転写ベルト12上のトナー像を用紙Pに一括して転写する。その後、画像形成制御部40は、定着装置21を制御して、トナー像を用紙Pに定着し、装置外へ排出する。
一方、付加情報(IR画像情報)が入力画像情報に含まれていると判断された場合(S2のYes)、すなわち、特殊画像形成動作時の場合には、定着条件変更制御やトナー量抑制制御としてのトナー総量規制処理が実行される(S6〜S9)。その後、Y、M、Cの画像情報に対しては(S10のNo)、記憶部32から可視用ディザパターンデータを読み出して(S11)、階調変換部36により階調変換処理を実行する(S13)。また、IRの画像情報に対しては(S10のYes)、記憶部32からIR用ディザパターンデータを読み出して(S12)、階調変換部36により階調変換処理を実行する(S13)。その後、階調変換部36から出力されるY、M、C、IRの各画像情報は、画像形成制御部40に送られ、画像形成動作が実行される(S14)。
画像形成制御部40は、Y、M、C、IRの各画像情報に基づき、Y、M、C、IR用の各露光装置11を制御して、Y、M、C、IRの各潜像をそれぞれの感光体7上に形成する。そして、画像形成制御部40は、現像装置9を制御して、各潜像をそれぞれのトナーによって現像してトナー像とし、転写部2の各部を制御して、中間転写ベルト12上に順次重ね合せて転写した後、中間転写ベルト12上のトナー像を用紙Pに一括して転写する。その後、画像形成制御部40は、定着装置21を制御して、トナー像を用紙Pに定着し、装置外へ排出する。
図4は、画像面積率ごとにスクリーン線数を変更した網点パターンの一例を示す説明図である。
「網点」とは、色の濃淡を表現するために用いられるドット(点)の集合であり、「網点画像」とは、ドットの集合によって形成されている画像である。また、「画像面積率」は、画像情報(制御部30から画像形成制御部40へ送られて各露光装置11の制御に用いられる画像情報)上において、単位面積当たりにドット(トナーを付着させる最小単位)が占める面積比率を表したものである。
また、「孤立ドット」は、画像情報上において、トナーを付着させない空白ドットによって周囲を囲まれた単一のドット又は2以上のドットからなるドットの集まり(ドットの島)であり、図4の例は、例えばスクリーン線数が10Line/inchの網点パターンでは、孤立ドットが線形状(左上がりの斜め線)である。孤立ドットの形状は、線形状(ライン形状)でなく、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、多角形状など、特に制限はなく、また、各孤立ドットが同じ形状である必要もない。また、同じパターン中における各孤立ドットの大きさは均一である必要もなく、また、孤立ドットが周期的に配列されていても、非周期的に配列されていてもよい。
また、ここでいう「空間周波数」は、繰り返しの最小単位であるドットパターンの単位長あたりの繰り返しの多さを示す指標値であり、例えばスクリーン線数などで表される。
また、「粒状度」は、画像のざらつき感(粒状感)を示す指標値であり、例えばRMS粒状度で表される。
本実施形態において、可視用ディザパターンデータは、スクリーン線数が106Line/inch(図4中一番右側の列)であるパターンを用いている。言い換えると、本実施形態における画像形成装置は、通常時(IRでの不可視画像を作成しないとき、カラートナーでのみ作像するとき)には、スクリーン線数が106Line/inchに設定される。よって、カラートナーでいわゆるハーフトーンを形成する場合には、106Line/inchのスクリーン線数で、画像面積率を低下させる処理が行われる。
一方、IR用ディザパターンデータは、スクリーン線数が30Line/inch(図4中左から3番目の列)であるパターンを用いている。すなわち、IR用ディザパターンデータは、同じ画像面積率の可視用ディザパターンよりも、孤立ドット(ライン)の数が少ないものとなっている。また、IR用ディザパターンデータは、同じ画像面積率の可視用ディザパターンよりも、空間周波数が低いものとなっている。また、IR用ディザパターンデータは、同じ画像面積率の可視用ディザパターンよりも、用紙上における画像の粒状度が高くなるものとなっている。
本実施形態のIR画像情報は、人間が一見しても視認できないような秘匿画像(視認困難な視認困難画像)の形成に用いられるため、視認困難画像の不視認性を高めることが要求される。視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。
図4には、IRトナーによって形成されるIR画像(視認困難画像)に、例えば可視光を含まない赤外光を当てた反射光を撮像するという顕在化処理によって当該IR画像を顕在化させ、その撮像画像を人間が目で確認することができる領域と、顕在化処理を行わない場合にIR画像の不視認性を確保できない領域とを区画する仮想区画線L1,L2が示されている。図4の符号L1で示す仮想区画線のように、視認困難画像における孤立ドットの数を少なくするほど、あるいは、空間周波数を低くするほど、あるいは、用紙上における視認困難画像の粒状度が高くなるほど、顕在化処理時の読み取り性を確保できる画像面積率の下限値を下げることができる。この仮想区画線L1は、所定の画像面積率以下の視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数、又は、当該視認困難画像の粒状度の逆数をBとし、画像面積率をAとしたとき、A=a×B+b(aは正の数)の関係式で表すことができる。したがって、A≧a×B+bを満たすように、孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度と画像面積率とを設定して、非顕像化画像を形成することで、顕在化処理時の読み取り性を確保することができる。
また、図4の符号L2で示す仮想区画線のように、視認困難画像における孤立ドットの数を多くするほど、あるいは、空間周波数を高くするほど、あるいは、視認困難画像の粒状度を低くするほど、IR画像の不視認性を確保できる画像面積率の上限値を上げることができる。この仮想区画線L2は、所定の画像面積率以下の視認困難画像における孤立ドットの数又は空間周波数、又は、当該視認困難画像の粒状度の逆数をBとし、画像面積率をAとしたとき、A=c×B+d(cは正の数)の関係式で表すことができる。したがって、A≦c×B+dを満たすように、孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度と画像面積率とを設定して、非顕像化画像を形成することで、視認困難画像の不視認性を確保することができる。
ここで、本発明者らがIR画像の不視認性を確認するために行った実験について説明する。
本実験では、IRトナーで作成したサンプル画像(視認困難画像)を、白紙の用紙上に、縦に5%〜100%まで11段階の画像面積率、かつ、横に10Lin/inch〜106Lin/inchの6段階のスクリーン線数で、マトリクス状に形成し、このサンプル画像を6名の観察者(人間)が観察して不視認性を評価した。なお、本実験で用いたIRトナーは、上述した実験で用いたIRトナーと同じものである。
サンプル画像としては、IR画像のみ(単色)、IR画像上にCベタ画像を重ねたもの(1色重ね)、IR画像上にMベタ画像を重ねたもの(1色重ね)、IR画像上にYベタ画像を重ねたもの(1色重ね)、IR画像上に赤色(R)ベタ画像を重ねたもの(2色重ね)、IR画像上に緑色(G)ベタ画像を重ねたもの(2色重ね)、IR画像上に青色(B)ベタ画像を重ねたもの(2色重ね)の7種類のサンプル画像を用いた。また、これらの7種類のサンプル画像のドットパターンには、図4に示したライン状のドットパターンと、図8に示す点状のドットパターンとを用いた。したがって、サンプル画像は、合計14種類である。
図5は、本実験における単色(IR画像のみ)についての評価結果をまとめた図である。
図6は、本実験における1色重ね(IR画像と1種類のトナーからなる可視画像との重ね画像)についての評価結果をまとめた図である。
図7は、本実験における2色重ね(IR画像と2種類のトナーからなる可視画像との重ね画像)についての評価結果をまとめた図である。
図5〜図7において、太線で囲った領域は、本実験の評価において、6名の観察者のうちの5名以上が「不可視性が担保されている」と判断した領域である。
本実験の結果によれば、IRトナーからなるIR画像(視認困難画像)は、他のカラートナーの可視画像を重ねることで、不可視性が担保される領域を拡大できることが確認される。
また、本実験の結果によれば、IRトナーからなるIR画像(視認困難画像)は、重ねて形成される可視画像のトナー量が多いほど、不可視性が担保される領域を拡大できることが確認される。
次に、本実験の結果から、不可視性が担保される領域がどのように決定されるかを考察する。
本実験の結果から、画像面積率が小さいほど、また、スクリーン線数が大きいほど(空間周波数が高いほど)、不可視性が担保されている傾向にある。ここで、不可視性が担保される領域を規定する関数として、単位スクリーン線数(単位空間周波数)Bあたりの画像面積率Aと定義し、これを単位画像面積率X(=A/B)とする。そして、この単位画像面積率Xが小さいほどIR画像の不可視性が高くなり、逆に単位画像面積率Xが大きいほどIR画像の不可視性が低くなる。
以上の実験結果をまとめると、おおよそ以下のようになる。
図5に示した単色については 閾値を0.17とし、単位画像面積率X<0.17となるように、IR画像を形成することで、IR画像の不可視性を担保することができる。なお、この閾値を用いることで、上述した図4中に示す符号L2の仮想区画線(A=c×B+d)の係数c,dを規定することが可能となる。
また、図6に示した1色重ねについては 閾値を0.25とし、単位画像面積率X<0.25となるように、IR画像を形成することで、IR画像の不可視性を担保することができる。
また、図7に示した2色重ねについては 閾値を0.5とし、単位画像面積率X<0.5となるように、IR画像を形成することで、IR画像の不可視性を担保することができる。
また、仮に、例えば紫外線を当てるという顕在化処理を施すことで蛍光する透明性の蛍光トナーのように、特殊な処理(顕在化処理)を施すことで可視光領域の光を発するような特殊トナーを用いる場合も同様である。すなわち、このような顕在化処理によって顕在化されたIR画像(視認困難画像)を人間が目で確認することを予定している場合には、その顕在化処理によって顕在化した当該IR画像について人間の視認性評価を行ってもよい。
本実施形態においては、上述したように、黒色の画像部分に更にIR画像が重なる場合に、その部分で単位面積当たりのトナー総量が第二規定値(例えば300%)を超え、トナー総量規制処理が実行される。したがって、本実施形態のプリンタでは、Y、M、Cのカラートナー像のみで形成した黒色画像の画像濃度よりも、Y、M、Cのカラートナー像にIRトナー像を重ねて形成した黒色画像の画像濃度の方が低いものとなる。
なお、本実施形態では、特殊画像形成動作時の場合、トナー総量に応じて、定着条件変更制御のみを実行し、又は、定着条件変更制御及びトナー量抑制制御としてのトナー総量規制処理の両方を実行する。しかしながら、定着条件変更制御を実行せず、トナー総量規制処理のみを実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、入力画像情報の色情報を当該プリンタ用の色情報へ変換するための色変換データとしては、通常画像形成動作時には、記憶部32に記憶されている色変換分解テーブルを通常色変換データとして使用し、トナー量抑制制御としてのトナー総量規制処理を行うときには、記憶部32に記憶されている色変換分解テーブル及びトナー付着量変換テーブルを、特別色変換データとして使用する。
また、本実施形態では、トナー総量が第一規定値又は第二規定値を超えるか否かによって定着条件変更制御やトナー量抑制制御としてのトナー総量規制処理を実行するか否かを決定しているが、定着条件変更制御やトナー総量規制処理を実行するか否かの条件はこれに限られない。例えば、付加情報(IR画像情報)が入力画像情報に含まれていると判断された場合には、常に、定着条件変更制御やトナー総量規制処理を実行するようにすれば、処理の簡略化が図れる。
本実施形態における画像形成装置では、いわゆる一次元コード(バーコード)をIRトナーを用いて印刷する際には、通常の粒状度(106Line/inch)で印刷する。これは、一次元コードの読み取り精度は粒状度が低い方が高精度であるためである。また、基本的にはベタ画像を利用する。実際の挙動としては、一次元コードを印刷するモードでは、106Line/inchでベタ画像を作成し、一次元コードではない図形(文字や記号など)を印刷するモード(IRモード)では、30Line/inchのスクリーン線数、5%の画像面積率で、画像を作成する。
なお、IRモードでも、画像面積率や粒状度を変更できるようになっている。このようにすることで、必要に応じて、視認困難度、粒状度について調整や切り替えを行うことができる。例えば、粒状度が多少悪くても視認困難度を向上させたいケースでは、画像面積率を低くし、粒状度を上げるような調整や切り替えが操作者等によって可能になっていることが好ましい。
また、上述したとおり、色の重ねによって視認性が変わるため、例えば、IRトナー単色でIRモードを実行する場合には、30Line/inchのスクリーン線数、5%の画像面積率で、IRトナー画像を形成し、2色重ねる場合には、10Line/inchのスクリーン線数、5%の画像面積率で、IRトナー画像を形成する。つまり、IRトナー単色モードと、色重ねモードとが存在する。色を重ねると、視認困難度が上昇するため、重ねる色が多い場合には、重ねる色が少ない場合よりも、IR画像の画像面積率を維持もしくは低くして、粒状度を高くするように制御されることになる。
また、本実施形態の画像形成装置では、通常のカラートナー画像を印刷する際には、予め設定されたスクリーン線数(デフォルト設定値)で印刷がなされるように設定されており、IRトナーを利用する場合には、スクリーン線数を低下させて(粒状度、空間周波数、孤立ドット数を変更して)、印刷がなされるように設定される。より詳述すると、少なくともカラートナーのみ印刷する場合(カラートナーモード、第1のモード)には定められたスクリーン線数を利用し、IRトナーを利用する場合で、視認性を低下させる場合(視認不可モード、第2のモード)には、スクリーン線数が低下するモードを利用可能になっている。
視認性を低下させる場合のモード時には、画像面積率は少なくともベタ画像よりも低下させている。視認性を低下させる場合のモード時における画像面積率やスクリーン線数は、双方とも予め設定された値がデフォルト値として設定されているが、双方またはいずれか一方を操作者等によって変更されるものでも良い。この場合、視認性を低下させるモード時には、画像面積率はデフォルトでは50%以下に設定されていて、スクリーン線数は40Line/inch以下に設定されているのが望ましい。画像面積率は、当然ベタよりも小さく設定される。
次に、本実施形態で使用されるトナーについて説明する。
本実施形態のトナーセットは、カラートナーと特殊トナーであるIRトナーとを有するトナーセットである。
カラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本実施形態において、トナーセットが下記のいずれかの条件を満たすときに、記録媒体表面に、IRトナー像(不可視トナー像)とともに形成されるカラートナー像を目視した際に、カラートナー像の画質の視認性、及びIRトナー像の読み取り精度が良好であるトナーセットが提供される点で、好ましい。
・第1の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、30以上であり、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高い。
・第2の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が、2.5以上であり、カラートナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が、2以下である。
特開2001−265181号公報の記載のトナーにおいては、重ねられたトナー画像に関し規定がないことから、重ねあわされた画像の光沢度の差異で不可視画像が可視化されてしまう問題があった。その問題を解決するために、特開2007−171508号公報、特開2007−003944号公報、及び特開2010−113368号公報では、用いられるカラートナーの光沢度よりも低い光沢度のIRトナーとすることを提案している。しかし、近年電子写真式の画像出力は一般的なオフセット印刷などのような高グロスの画像との差別化要求より、比較的低グロスの画像要求が高まっている。そのため、カラートナーが高グロスである場合、2次色、3次色はもとより不可視画像(IR画像)との重ね部位などの高付着部のグロスが高くなりIR画像の位置が目視で顕著となる問題が生じる。更に、IR画像上にカラートナーを画像形成すると、定着ニップの加熱加圧時にIRトナー層に積層されたカラートナーが入り込みやすくなることから、IR画像の情報を機械読み取りするときの読取精度が不安定となる問題がある。
<IRトナー>
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<結着樹脂>>
結着樹脂としては、特に制限はなく、従来公知の樹脂がすべて使用可能である。結着樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら中でも、芳香族化合物を構成単位として含有するスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
ポリエステル樹脂は、一般公知のアルコールと酸との重縮合反応によって得られる。
アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボン酸が好ましい。
カルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、結着樹脂には、結晶性樹脂を含有させることもできる。
結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、耐湿性や後述の非晶性樹脂との非相溶性を持たせるためにウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂が好ましい。
結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、定着性の観点からは、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜60,000がより好ましく、8,000〜30,000が特に好ましい。重量平均分子量が、2,000以上であると、耐ホットオフセット性が悪化する不具合を防止することができ、100,000以下であると、低温定着性が悪化する不具合を防止することができる。
<<近赤外光吸収材料>>
近赤外光吸収材料としては、無機材料系、及び有機材料系のいずれも用いることができる。
これまでにも、付加データ埋め込み技術のために、透明性を有する(不可視な)赤外線吸収材料が種々検討されており、様々な材料が開示されている。例えば、無機材料系では、イッテルビウムなどの希土類金属(特開平9−77507号公報、特開平9−104857号公報)や銅リン酸結晶化ガラスを含有する赤外線吸収材料(特開平7−53945号公報、特開2003−186238号公報)など、有機材料系としては、アルミニウム化合物(特開平7−271081号公報)や、クロコニウム色素(特開2001−294785号公報)が挙げられる。また、特開2002−146254号公報には、750nm〜1100nmに分光吸収極大波長を有し、かつ650nmにおける吸光度が、該分光吸収極大波長における吸光度の5%以下である赤外線吸収材料を含有する有機材料が提案されている。更に、特開2007−171508号公報、特開2007−3944号公報、特開2010−113368号公報、及び特開2008−76663号公報には、ナフタロシアニン顔料を用いることが提案されており、可視光の吸光度及び赤外域の吸光度の差異の面から優れた技術といえる。
無機材料系の近赤外光吸収材料としては、例えば、燐酸、シリカ、ホウ酸等の可視域の波長を透過する公知のガラス網目形成成分に、遷移金属イオンや、無機及び/又は有機化合物からなる色素等の材料を添加したガラスや、これを熱処理により結晶化した結晶化ガラスなどが挙げられる。これらの無機材料は可視領域の光を良く反射して、不可視の画像を得ることができる。
有機材料系の近赤外光吸収材料としては、例えば、フタロシアニン系化合物、アントラキノン系化合物等の有色材料;アルミニウム塩系化合物、ナフタロシアニン系化合物等の無色材料などが挙げられる。これらの中でも、添加により画像を着色してしまうことがなく、赤外光域の吸収が十分に大きいことから添加量を抑えられ、結果としてカラー画像の画質を損ねない点から、無色材料が好ましい。
無色材料の中でも、可視光域の吸光度が非常に低く、無色に近い特徴があり、更にはトナーの帯電への影響が小さいことから、ナフタロシアニン系化合物が好ましい。
ナフタロシアニン系化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下に例示する化合物が好ましい。
ただし、化学式(1)において、Metは、2個の水素原子、2価の金属原子、3価もしくは4価の置換金属原子を表し、A〜Aは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基又は置換もしくは非置換のアリールチオ基を表し、但し、AとA、AとA、AとA、AとAの各組み合わせにおいて、その両方が同時に水素原子又はハロゲン原子になることはなく、Y〜Y16は、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のアルコキシ基、置換もしくは非置換のアリールオキシ基、置換もしくは非置換のアルキルチオ基、置換もしくは非置換のアリールチオ基、置換もしくは非置換のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のジアルキルアミノ基、置換もしくは非置換のアリールアミノ基、置換もしくは非置換のジアリールアミノ基、置換もしくは非置換のアルキルアリールアミノ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基、ニトリル基、オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アミノカルボニル基又はモノもしくはジ置換アミノカルボニル基を表す。
近赤外光吸収材料の読み取り波長の反射率としては、赤外光照射により機械読み取りを安定して行う点から、50%以下であることが好ましい。反射率が50%以下であると、読み取り精度が下がるという不具合を防止することができる。
反射率の測定方法としては、例えば、出力したベタ画像を、分光光度計(例えば、V−660(日本分光株式会社製)、eXact(X−Rite社製)等)を用いて測定することができる。
近赤外光吸収材料はトナー粒子中に分散して含有することが好ましい。
近赤外光吸収材料をトナー表面に外部固着或いはトナー粒子群に混合添加した場合、トナー粒子及び現像剤中で材料凝集などを発生させる可能性が有り、さらにバルクとして必要量添加してもトナー表面に外部固着或いは現像剤調整の段階で、機器への付着などで失われ、IR画像中の近赤外光吸収材料が不足または偏在等することで情報を正確且つ安定に読み出せなくなってしまう。また、遊離した近赤外光吸収材料が機内、特に感光体等を汚染することで現像、転写などの他工程に悪影響を与える可能性も考えられる。 また、前述の有機系近赤外光吸収材料を用いる場合、無機系材料に比べ結着樹脂に対する分散性が良く、画像出力媒体上に形成されたIR画像中に均一に分散し、可視域においてより不可視性を損なうことなく、赤外域においては十分な吸収を示すことで情報が高密度に記録でき、且つトナー中への分散性が良いことからIR画像の機械読み取り・復号化処理が長期間わたり安定に行うことが可能となる。
近赤外光吸収材料の含有量の数値範囲としては、近赤外光吸収材料の特性により異なる。近赤外光吸収材料の含有量の種類に関わらず、含有量が十分ではないと、近赤外光の吸収が十分ではなくなる。近赤外光の吸収が十分ではないと、IRトナーを紙などの媒体に多く付着させなければならない。このため、IRトナーの集合物(塊)による視認可能な凹凸を生じると共に、資源に無駄が生じる不具合が発生する。近赤外光吸収材料の含有量が過剰であると、近赤外光吸収材料は若干ではあれど、可視光波長域に吸収がある。このため、近赤外光吸収材料そのものが、視認されやすくなるという不具合が発生する。
透明性を有する(不可視の)近赤外光吸収材料としてよく用いられるバナジルナフタロシアニンの場合において、その含有量としては、IRトナーに対して、0.3質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
<<その他の成分>>
その他の成分としては、通常、トナーに含有されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
<<<離型剤>>>
離型剤としては、天然ワックス、及び合成ワックスのいずれも用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
天然ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどが挙げられる。
合成ワックスとしては、例えば、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子である、ポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(例えば、アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。
これらの中でも、離型剤としては、モノエステルワックスを含むことが好ましい。モノエステルワックスは、一般的な結着樹脂との相溶性が低いため、定着時に表面に染み出しやすく、高い離型性を示し、高光沢と高い低温定着性を確保できる。
モノエステルワックスとしては、合成エステルワックスであることが好ましい。合成エステルワックスとしては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステルワックスなどが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式C2n+1COOHで表わされ、n=5〜28程度のものが好ましく用いられる。また、長鎖直鎖飽和アルコールとしては、C2n+1OHで表わされ、n=5〜28程度が好ましい。
長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例としては、例えば、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラモン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸およびメリシン酸などが挙げられる。一方、長鎖直鎖飽和アルコールの具体例としては、例えば、アミルアルコール、ヘキシールアルコール、ヘプチールアルコール、オクチルアルコール、カプリルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコール、セリルアルコールおよびヘプタデカンノオールなどが挙げられ、低級アルキル基、アミノ基、ハロゲン等の置換基を有していてもよい。
離型剤の融点は、50℃〜120℃が好ましい。離型剤の融点が数値範囲であると、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる。具体的には、融点が50℃以上であると、トナーの耐熱保存性が悪化する不具合を防止することができ、120℃以下であると、低温での離型性が発現されず、耐コールドオフセット性の悪化、定着機への紙の巻付きなどが発生するという不具合を防止することができる。
離型剤の融点の測定としては、例えば、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求めることができる。
離型剤の含有量としては、結着樹脂に対して、1質量%〜20質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。含有量が、1質量%以上であると、オフセット防止効果が不十分となる不具合を防止することができ、20質量%以下であると、転写性、耐久性が低下するという不具合を防止することができる。
また、モノエステルワックスの含有量としては、IRトナー100質量部に対して、4質量部〜8質量部が好ましく、5質量部〜7質量部がより好ましい。含有量が、4質量部以上であると、定着時における表面への染み出しが不十分となること、離型性が悪くなること、並びに光沢、低温定着性、及び耐高温オフセット性が低下することの不具合を防止することができる。含有量が、8質量部以下であると、トナー表面に析出する離型剤の量が増え、トナーとしての保存性が低下し、感光体等へのフィルミング性が低下するという不具合を防止することができる。
本実施形態のトナーは、ワックス分散剤を含有することが好ましく、分散剤がモノマーとして少なくともスチレン、ブチルアクリレート、及びアクリロニトリルを含む共重合体組成物、並びに共重合体組成物のポリエチレン付加物であることが好ましい。
ワックス分散剤の含有量としては、IRトナー100質量部に対して、7質量部以下であることが好ましい。ワックス分散剤を含有することにより、ワックスの分散効果が得られ、製造方法に左右されることなく安定的に保存性の向上が期待できる。また、ワックスの分散効果によりワックス径が小さくなり、感光体等へのフィルミング現象を抑制できる。含有量が7質量部以下であると、ポリエステル樹脂に対する非相溶成分が多くなり、光沢が低下すること、ワックスの分散性が高くなりすぎるために、耐フィルミング性は向上するが、定着時のワックスの表面への染み出しが悪くなり、低温定着性、耐ホットオフセット性が低下することなどの不具合を防止することができる。
<<<帯電制御剤>>>
帯電制御剤としては、公知のものを全て使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、第4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
帯電制御剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ボントロン03、ボントロンP−51、ボントロンS−34、E−82、E−84、E−89(以上、オリエント化学工業社製)、TP−302、TP−415、コピーチャージPSY VP2038、コピーブルーPR、コピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、LR−147(日本カーリット社製)などが挙げられる。
帯電制御剤の含有量としては、結着樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法に応じて適宜選択することができるが、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.2質量部〜2質量部がより好ましい。含有量が、5質量部以下であると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く不具合を防止することができる。
また、帯電制御剤の中でも三価以上の金属塩を用いることでトナーの熱物性を制御することも可能である。金属塩を含むことにより、定着時に結着樹脂の酸性基と架橋反応が進行し、弱い三次元的な架橋を形成することで、低温定着性を維持しつつ、耐高温オフセット性を得ることができる。
金属塩としては、例えば、サリチル酸誘導体の金属塩、アセチルアセトナート金属塩などが挙げられる。金属としては、3価以上の多価イオン金属であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、チタン、ニッケルなどが挙げられる。これらの中でも、3価以上のサリチル酸金属化合物が好ましい。
金属塩の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、IRトナー100質量部に対して、0.5質量部〜2質量部が好ましく、0.5質量部〜1質量部がより好ましい。含有量が、0.5質量部以上であると、耐ホットオフセット性に劣る不具合を防止することができ、含有量が、2質量部以下であると、光沢性が劣る不具合を防止することができる。
<<<外添剤>>>
外添剤は、流動性や現像性、帯電性を補助するために含有される。外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子系微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。
外添剤は、表面処理剤による表面処理を行なって、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
外添剤の一次粒子径としては、5nm〜2μmが好ましく、5nm〜500nmがより好ましい。また、外添剤のBET法による比表面積としては、20m/g〜500m/gが好ましい。
外添剤の含有量としては、IRトナーに対して0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
<<<クリーニング性向上剤>>>
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために含有される。クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などが挙げられる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
<カラートナー>
カラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。その他の成分については、その他の成分と同様のものを使用することができる。
カラートナーとしては、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかであることが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーであることがより好ましい。言い換えれば、トナーセットにおいては、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、のすべてのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことがより好ましい。
<<結着樹脂>>
本実施形態のカラートナーにより作像されるトナー像としては、一般的なオフセット印刷などと比較して低グロスであることが好ましい。
このため、カラートナーに含有される結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲルを含むことが好ましい。ゲル分率としては、結着樹脂に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10質量%以下がより好ましい。
ゲルを含まない場合でも、カラートナーに用いられる結着樹脂としては、重量平均分子量Mwc100,000以上の高分子量体を含有していることが好ましく、IRトナーで用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きいことがより好ましい。カラートナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwcを、IRトナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きくすることにより、オフセット印刷と比較して視認性の高い、60度光沢度で10から30程度のカラー画像のグロスを得ることができる。
<<着色剤>>
着色剤としては、800nm以上の波長の吸収が、小さいものが好ましく、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、ペリレンブラック、ペリノンブラック及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
プロセスカラートナーとして用いる場合、シアン、マゼンタ、及びイエローのそれぞれについて、以下の着色剤が好ましい。
シアンでは、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。マゼンタでは、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269、及びC.I.ピグメントレッド81:4が好ましい。イエローでは、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、及びC.I.ピグメントイエロー185が好ましい。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤の800nm以上の吸光度としては、0.05未満が好ましく、0.01未満がより好ましい。吸光度が、0.05未満であると、カラートナーがIRトナーの上に重ねられたとき、IRトナーで形成される情報の読み取りを阻害するという不具合を防止することができる。
着色剤の含有量としては、各着色剤の着色力にもよるが、各色のカラートナー全体に対して、3質量%〜12質量%が好ましく、5質量%〜10質量%がより好ましい。含有量が、3質量%以上であると、着色力が十分でなく単色トナー付着量が多くなり資源に無駄が生じる不具合を防止することができる。含有量が、12質量%以下であると、トナーの帯電性に影響が大きくなり安定したトナー帯電量を維持することが困難となる不具合を防止することができる。
<IRトナー、及びカラートナーの特性>
IRトナーのベタ画像の60度光沢度としては、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。ベタ画像の60度光沢度が、30未満ではIRトナー像の視認性が増すことにより、目的の隠し画像としての体をなさなくなる。80より大きいと、トナー樹脂の分子量が小さくなり、十分な定着温度範囲が維持できにくくなることがある。
カラートナーのベタ画像の60度光沢度としては、10以上40以下が好ましく、15以上35以下がより好ましい。光沢度が数値範囲であると、カラートナー像が比較的低グロスの画像となる。
また、IRトナーのベタ画像の60度光沢度は、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。IRトナーのベタ画像の60度光沢度と、カラートナーのベタ画像の60度光沢度との差が、10未満であると、画像出力媒体上で、画像形成時の加熱定着前にIRトナー像の上にカラートナー像を重ねた場合、加熱加圧定着される際に、上層のカラートナーが下層のIRトナー層内に入り込み、カラートナー像の視認性が悪化する。即ち、IRトナーのベタ画像の光沢度が、カラートナーのベタ画像の光沢度と比較して高いことにより、上層に重ねられたカラートナー像の視認性が向上し、結果として、下層のIRトナー像が視認されにくくなる。
カラートナーのベタ画像の800nm以上の吸光度としては、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
IRトナー、及びカラートナーのベタ画像の光沢度を調整する手段としては、例えば、結着樹脂のゲルの割合を調整する、結着樹脂の重量平均分子量を調整することなどが挙げられる。結着樹脂のゲル分率が大きいほど低光沢となり、ゲル分率が0に近づくほど高光沢となる傾向となる。ゲルを含まない結着樹脂を用いた場合、結着樹脂の重量平均分子量が大きいほど低光沢となり、重量平均分子量が小さいほど高光沢となる傾向にある。
更に結着樹脂に酸価のある樹脂を用いると、3価以上の金属塩を添加することにより光沢を調整することも可能である。結着樹脂酸価が大きく、金属塩添加量が多いほど低光沢となる傾向になり、結着樹脂酸価が小さく、金属塩添加量が少ないほど高光沢となる傾向となる。
IRトナーの重量平均分子量(Mwi)としては、6,000〜12,000が好ましく、7,500〜10,000がより好ましい。
重量平均分子量としては、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定できる。
重量平均分子量の測定としては、例えば、カラム(KF801〜807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行う。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流す。次いで、試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルタ(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05質量%〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50μL〜200μL注入して測定する。
IRトナーのゲル分率は0質量%〜2質量%が好ましい。
ゲル分率は、重量平均分子量の測定の際に用いた、前処理用フィルタにてろ過された成分の乾燥重量より算出することができる。
IRトナーの重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)としては、5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定方法としては、IRトナーの有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10(PressureChemical Co.社製、又は東洋ソーダ工業社製)などが挙げられる。検量線を作成するにあたり、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
IRトナーの酸価としては、12mgKOH/g以下が好ましく、6mgKOH/g〜12mgKOH/gがより好ましい。酸価は、結着樹脂として、ポリエステル樹脂を用いることで数値範囲内にすることができ、低温定着性と、耐ホットオフセット性を両立しやすい。
本実施形態におけるトナー及び結着樹脂の酸価の測定は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
試料溶液の調製としては、トナー又は結着樹脂0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mLに添加して室温(23℃)で約10時間攪拌して溶解した。更に、エタノール30mLを添加して試料溶液とした。
測定は装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算した。あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求めた。
酸価=KOH(mL数)×N×56.1/試料質量(ただしNはN/10KOHのファクター)
なお、以下に示す実施例及び比較例では、結着樹脂とトナーの酸価がほぼ一致した。したがって、結着樹脂の酸価をトナーの酸価として扱う。
<<トナー粒径>>
IRトナーの重量平均粒径としては、5μm以上7μm以下が好ましく、5μm以上6μm以下がより好ましい。
カラートナーの重量平均粒径としては、4μm以上8μm以下が好ましく、5μm以上7μm以下がより好ましい。
重量平均粒径が範囲内であると、600dpi以上の微少ドットを再現し、高画質な画像を得ることができる。これは、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有することができ、ドット再現性に優れるという利点が得られる。
特に、IRトナーにおいては、画像出力媒体上に転写され定着前の状態において、高密度に配置され、その上に重ねられるカラートナーがその隙間に入り込まないようにすることにより、再現性の高い定着後の画像を得ることができる。その再現性の高い画像は赤外光照射により機械読み取り処理にあたり、より安定した処理が可能となる。
カラートナーの重量平均粒径(D4)が4μm以上であると、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象を防止することができ、カラートナーの重量平均粒径(D4)が8μm以下であると、上述のように定着前の画像に重なられたカラートナーが入り込むことによる画像情報の乱れが生じやすくなること、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなるという不具合を抑えることができる。
また、重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)としては、1.00〜1.40が好ましく、1.05〜1.30がより好ましい。比(D4/D1)は、1.00に近いほど粒径分布がシャープであることを示す。
このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成するフルカラー画像形成方法においては、ブラックトナー1色のみで画像形成するため異なる色のトナー像を重ね合わせる必要のないモノクロ画像形成方法に比べて紙上に付着させるトナー量が多い。
すなわち現像、転写、定着されるトナー量が多くなるために、上述の転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下、文字やラインの飛び散り、地肌かぶりなど画質を悪化させる不具合が起こりやすく、重量平均粒径(D4)や重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)の管理が重要となる。
トナー粒子の粒度分布の測定は、コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置を用いて行うことができる。装置としては、例えば、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
具体的な測定方法は以下のとおりである。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩など)を0.1mL〜5mL加える。電解水溶液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が挙げられる。
次に、測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
電子写真現像用トナーの正接損失(tanδ)は、画像の光沢度と明らかな相関があることが知られている。tanδの値が大きくなるとトナーの定着時の延展性が大きくなり、基材隠蔽性が高くなり、高光沢の画像が得られる。
IRトナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδi)としては、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。tanδiは、15以下が好ましい。なお、IRトナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδi)が2.5以上であるとは、100℃〜140℃において、IRトナーの正接損失(tanδi)が常に2.5以上の値をとることを意味する。
カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。tanδcは、0.1以上が好ましい。カラートナーの正接損失が2以下であると、IR画像上に重ねたカラートナーがIRトナー画像内に入り込み、IRトナー画像の安定性を損なうという不具合を防止することができる。なお、カラートナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδc)が2以下であるとは、100℃〜140℃において、カラートナーの正接損失(tanδc)が常に2以下の値をとることを意味する。
電子写真現像用トナーの正接損失(tanδ)は、損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)の比(G’’)/(G’)であり、粘弾性測定により測定することができる。損失弾性率(G’’)及び貯蔵弾性率(G’)は、例えば、以下の方法により測定することができる。IRトナー、又はカラートナーを0.8g、φ20mmのダイスを用いて30MPaの圧力で成型し、ADVANCED RHEOMETRIC EXPANSION SYSTEM(TA社製)でφ20mmのパラレルコーンを使用して周波数1.0Hz、昇温速度2.0℃/分間、歪み0.1%(自動歪み制御:許容最小応力1.0g/cm、許容最大応力500g/cm、最大付加歪み200%、歪み調整200%)、GAPはサンプルセット後FORCEが0〜100gmになる範囲で、損失弾性率(G’')、貯蔵弾性率(G')、正接損失(tanδ)の測定を行うことができる。
<トナーの製造方法>
本実施形態のトナーセットの製造方法としては、溶融混練−粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。また、カラートナーとIRトナーの製造法は同じ製造方法を用いても良いし、カラートナーは重合法、IRトナーは溶融混練粉砕法といったように別の製造方法を用いても良い。
<<溶融混練−粉砕法>>
溶融混練−粉砕法においては、その製造工程では、(1)少なくとも結着樹脂と着色剤もしくは近赤外光吸収材料、離型剤とを溶融混錬する工程、(2)溶融混錬されたトナー組成物を粉砕/分級する工程、(3)無機微粒子を外添する工程を有する。また、工程(2)の粉砕/分級工程で複製する微紛を、工程(1)の原料としてサイド混練することがコストの面で好ましい。
混練に使用する混錬機としては、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、又はオープンロール型混練機等を用いることができる。混錬機の種類としては、例えば、KRCニーダー(栗本鉄工所社製)、ブス・コ・ニーダー(Buss社製)、TEM型押し出し機(東芝機械社製)、TEX二軸混練機(日本製鋼所社製)、PCM混練機(池貝鉄工所社製)、三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)、MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製)、バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)などが挙げられる。
粉砕機としては、例えば、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製)、IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製)、クロスジェットミル(栗本鉄工所社製)、ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)、SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製)、クリプトロン(川崎重工業社製)、ターボミル(ターボエ業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)などが挙げられる。
分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製)、ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製)、ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製)、YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボエ業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩いなどが挙げられる。
<<重合法>>
重合法としては、従来公知の方法を用いることができる。重合法としては、例えば、以下のような手順が挙げられる。先ず、着色剤、結着樹脂、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液(油相)を作る。トナー材料液には、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を添加し、造粒中に反応させて、ウレア変性ポリエステル樹脂をトナーに含有させることが好ましい。
次に、トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体としては、水系媒体に用いる水系溶媒は、水単独でもよいし、アルコールなどの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系溶媒の使用量は、通常50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
樹脂微粒子としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
分散後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
IRトナー、及びカラートナーは、一成分現像剤としても、二成分現像剤として用いることができる。
本実施形態のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナー1質量部〜10質量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、粒子径20μm〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
磁性キャリアは、被覆されたものも使用することができる。磁性キャリアを被覆するための被覆材料としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等のアミノ系樹脂;ポリビニル等のポリビニリデン系樹脂;アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μm以下であると、電気抵抗の制御が困難になるという不具合を防止することができる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本実施形態の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像を形成する、IRトナー像を形成するためのIRトナー及びカラートナー像を形成するためのカラートナーを備える現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
本実施形態の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を有する。
本実施形態の画像形成方法は、本実施形態の画像記録装置により好適に実施することができる。
画像形成方法、及び画像形成装置において、IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度は、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。
画像形成方法、及び画像形成装置の一例において、IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度は、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。
画像形成方法、及び画像形成装置の他の一例において、IRトナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδi)は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。また、画像形成方法、及び画像形成装置において、カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。
記録媒体上において、IRトナー像が、カラートナー像よりも記録媒体側に形成されていることが好ましい。IRトナー像を、カラートナー像よりも記録媒体側に形成する方法としては、例えば、IRトナー像を記録媒体に形成した後、カラートナー像を形成する方法が挙げられる。
カラートナー像の形成に用いるカラートナーの数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カラートナーを複数使用する場合は、複数のカラートナーを同時に形成する方法、単色トナーを繰り返し形成させて各色を重ねる方法のいずれも行うことができるが、単色トナーを繰り返し形成させて各色を重ねる方法が好ましい。なお、カラートナー像において、各色を形成させる順序としては特に制限はない。
IRトナー像における、IRトナーの付着量としては、0.30mg/cm以上0.45mg/cm以下が好ましく、0.35mg/cm以上0.40mg/cm以下がより好ましい。IRトナーの付着量が、0.30mg/cm以上であると画像の基材隠蔽率が十分となり安定した画像が得られる。
また、近赤外光吸収材料は、可視光領域に若干の吸収があり、完全に無色ではないため、近赤外光吸収材料のトナーへの添加量が増えれば、視認性が増してしまう。その為に、画像のIRトナー付着量を、0.45mg/cm以下とすることにより、視認性の低減が可能となる。
IRトナー像に重ねるカラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量は、30%以上80%以下が好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量がこの数値範囲内であると、カラートナー像の下にあるIRトナー像の視認性を十分に低下させることができる点で好ましい。
この理由としては、以下のことが考えられる。本実施形態のIRトナーは、可視光領域に若干の吸収があり、単色での画像は完全な透明ではない。よって、IRの画像情報を不可視にする(目視しにくくする)ためには、カラートナーでマスクするのが好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%以上であれば、IRトナー像が視認されやすくなるという不具合を防止するのに有効である。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%未満であると、特にイエロートナーを重ねた場合のIRトナー像の視認性が上がってしまう。
IRトナー像上のカラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量を30%以上80%以下とする画像形成方法は、特に二次元コード画像を重ねて画像形成する際に有効である。互いに情報の異なるIRトナーによる二次元コード画像とカラートナーによる二次元コード画像とを重ねて画像形成することにより、異なる光波長の読み取り装置(それぞれ860nm、532nm)を用いれば、同じ画像面積内で、カラートナーによる二次元コード画像のみの場合よりも多くの情報を埋め込むことができる。
記録媒体上において、IRトナー像である二次元コード画像(i)が、カラートナー像である二次元コード画像(c)よりも記録媒体側に形成されていることが好ましい。この際に、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度は、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
また、二次元コード画像(i)が有する情報と、二次元コード画像(c)が有する情報とが異なることが好ましい。
IRトナーの二次元コード画像と、カラートナーの二次元コード画像とを重ねる場合、カラートナーの二次元コード画像をダミーのコードとする形態も可能である。このような形態では、IRトナーの二次元コード画像は、視認されることなく、赤外光の二次元コードの読み取り機のみで情報を読み取れ、カラートナーの二次元コード画像は、視認されるが、赤外光の二次元コードの読み取り機では情報を読み取ることができない。
以下、本実施形態に用いられるトナーの実施例を説明するが、本実施形態で使用可能なトナーは、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、「部」は、特に断りのない限り「質量部」を表す。
<IRトナー1の製造>
・ポリエステル樹脂1(RN−306SF、花王株式会社製、重量平均分子量Mw7,700、酸価4mgKOH/g) 80部
・ポリエステル樹脂2(RN−300SF、花王株式会社製、重量平均分子量Mw11,000、酸価4mgKOH/g) 10部
・ワックス分散剤(EXD−001、三洋化成株式会社製) 4部
・モノエステルワックス1(融点mp70.5℃) 6部
・サリチル酸誘導体ジルコニウム塩A 0.9部
・バナジルナフタロシアニン 0.3部
なお、近赤外線吸収材料として用いたバナジルナフタロシアニンは以下の構造式(1)、サリチル酸誘導体ジルコニウム塩Aは以下の構造式(2)の化合物を用いた。
構造式(2)中のLは、次の構造を示す。
組成のトナー原材料を、へンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製、FM20B)を用いて予備混合した後、一軸混練機(Buss製、コニーダ混練機)で100〜130度の温度で溶融、混練した。
得られた混練物は室温まで冷却後、ロートプレックスにて200μm〜300μmに粗粉砕した。
粗粉砕した粒子を、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、100AFG)を用いて、重量平均粒径が4.5±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(株式会社マツボー製、EJ−LABO)で、重量平均粒径が5.2±0.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.20以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子1を得た。
次いで、100部のトナー母体粒子1に対し、添加剤としてヒュームドシリカ(ZD−30ST、株式会社トクヤマ製)1.3部、ヒュームドシリカ(UFP−35HH、電気化学株式会社製)1.5部、及び二酸化チタン(MT−150AFM、テイカ株式会社製)1.0部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、IRトナー1を製造した。
<IRトナー2の製造>
IRトナー1において、バナジルナフタロシアニンを0.6部に変えた以外は、IRトナー1と同様にして、IRトナー2を製造した。
<IRトナー3の製造>
IRトナー1において、バナジルナフタロシアニンを1.0部に変えた以外は、IRトナー1と同様にして、IRトナー3を製造した。
<IRトナー4の製造>
IRトナー2において、ポリエステル樹脂2をポリエステル樹脂3(花王株式会社製RN−290SF、Mw87,000、酸価28mgKOH/g)に変えた以外は、IRトナー2と同様にして、IRトナー4を製造した。
なお、ポリエステル樹脂3は、ビスフェノールA−ポリエチレンオキサイド付加アルコール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加アルコール、フマル酸、及び無水トリメリット酸から合成した樹脂である。
<IRトナー5の製造>
IRトナー4において、ポリエステル樹脂1を70部とし、ポリエステル樹脂3を20部に変えた以外は、IRトナー4と同様にして、IRトナー5を製造した。
<IRトナー6の製造>
IRトナー4のバナジルナフタロシアニンを0.3部とし、粉砕/分級工程にてトナー母体粒子を重量平均粒径が6.8±0.2μmとした。
次いで、トナー母体粒子100部に対して、ヒュームドシリカ(ZD−30ST、株式会社トクヤマ製)0.8部、ヒュームドシリカ(UFP−35HH、電気化学株式会社製)1.0部、二酸化チタン(MT−150AFM、テイカ株式会社製)0.6部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、IRトナー6を製造した。
<IRトナー7の製造>
IRトナー6において、バナジルナフタロシアニンを0.6部に変えた以外は、IRトナー6と同様にして、IRトナー7を製造した。
<IRトナー8の製造>
IRトナー5において、サリチル酸誘導体ジルコニウム塩Aを1.5部に変えた以外は、IRトナー5と同様にして、IRトナー8を製造した。
<IRトナー9の製造>
IRトナー4の粉砕/分級工程において、重量平均粒径が8.0±0.2μmとした。
次いで、トナー母体粒子100部に対し、ヒュームドシリカ(ZD−30ST、株式会社トクヤマ製)0.6部、ヒュームドシリカ(UFP−35HH、電気化学株式会社製)0.8部、二酸化チタン(MT−150AFM、テイカ株式会社製)0.5部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、IRトナー9を製造した。
<IRトナー10の製造>
IRトナー1において、バナジルナフタロシアニンを0.2部に変えた以外は、IRトナー1と同様にして、IRトナー10を製造した。
<IRトナー11の製造>
IRトナー4において、バナジルナフタロシアニンを1.2部に変えた以外は、IRトナー4と同様にして、IRトナー11を製造した。
<IRトナー12の製造>
IRトナー4において、ポリエステル樹脂1を60部、ポリエステル樹脂3を30部に変えた以外は、IRトナー4と同様にして、IRトナー12を製造した。
<IRトナー13の製造>
IRトナー6において、「バナジルナフタロシアニン 0.3部」を「近赤外線吸収色素1(OPTLION NIR−761 トーヨーカラー株式会社製)1.0部」に変えた以外は、IRトナー6と同様にして、IRトナー13を製造した。
<IRトナー14の製造>
IRトナー6において、「バナジルナフタロシアニン 0.3部」を「近赤外線吸収色素1(OPTLION NIR−761 トーヨーカラー株式会社製)2.0部」に変えた以外は、IRトナー6と同様にして、IRトナー14を製造した。
<二成分現像剤の製造>
<<キャリアの作製>>
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコ−ン) 100部
・トルエン 100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。コート層形成液を、芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアを得た。
<<現像剤(二成分現像剤)の作製>>
作製した各IRトナー1〜14、及び各ペリレンブラックトナー1、2と、キャリアとをターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、帯電させ、それぞれ現像剤1〜14、ペリレンブラック現像剤1、2を作製した。
トナーとキャリアの混合比率は、評価機の初期現像剤のトナー濃度:5質量%に合わせて混合した。
(実施例1〜12、比較例1〜2)
ブラック現像剤、イエロー現像剤、マゼンタ現像剤、及びシアン現像剤の4色を有するデジタルフルカラー複合機(Imagio Neo C600、株式会社リコー製、以下「neo C600」と略記する。)において、ブラック現像剤を、各二成分現像剤1〜14と入れ替え、IRトナーとカラートナーとを含むトナーセットを備えた装置とした。
イエロー現像剤、マゼンタ現像剤、及びシアン現像剤に含まれるカラートナー(イエロー、マゼンタ、及びシアン)の800nm以上の波長における吸光度は0.01未満だった。
<吸光度の測定>
OHPフィルム(タイプ PPC−FC、株式会社リコー製)上に、neo C600によりトナー付着量0.5mg/cmとなるようなベタパッチを出力した。ベタパッチを分光光度計(V−660DS、日本分光株式会社製)にて、画像を出力していないOHPフィルムをブランクとし、800nmから900nmの分光透過率Tを測定した。得られた分光透過率Tより、以下の式(1)に従い吸光度Aを算出した。
A = −logT ・・・(1)
(付着量評価、光沢度評価)
用紙は株式会社リコーPPC用紙TYPE6000(70W)用い、先ずカラートナー各色の5cm×5cmのベタパッチを出力した。そのときのカラートナーの付着量と光沢度(60度光沢度)を、後述の表2に示す。
<付着量評価>
neo C600の定着ユニットを外し、未定着の5cm×5cmのベタパッチを出力した。そのベタパッチ部分をはさみで切り出し、切り出し片を作成した。作成した切り出し片を、精密天秤で質量を測定し、ベタパッチ部分(未定着画像)のトナーをエアガンで吹き飛ばし、切り出し片の質量を測定した。エアガンでトナーを吹き飛ばす前後の質量の値から、以下の式を用いてトナー付着量を算出した。結果を後述の表1に示す。
トナー付着量(mg/cm)=((ベタパッチの付いた切り出し片重量)−(吹き飛ばした後の切り出し片の重量))/25
<光沢度評価>
neo C600で出力した定着済みの5cm×5cmのベタパッチを、グロスメーター(VGS−1D、日本電色工業株式会社製)を用いて4箇所測定した。4箇所の評価結果の平均値を算出し、光沢度とした。結果を後述の表1に示す。
(視認性評価、読み取り性評価)
視認性評価、及び読み取り性評価については、以下のようにして行った。
表3に示す装置及び用紙を用い、IRトナーによりQRコード(登録商標)を印刷し、その上に図9に示すパターンを印刷して、図10に示すようなパターンによって隠されたQRコード(登録商標)の画像を作成した。
また、図11に示す画像は、全体が着色している部分にIRトナーによりQRコード(登録商標)を印刷した画像部分(図11中のAの領域)と、カラートナーで印刷したQRコード(登録商標)の下にカラートナーで印刷したQRコード(登録商標)とは異なる情報のQRコード(登録商標)をIRトナーにより印刷した画像部分(図11中のBの領域)とを含むものである。
図10及び図11の印刷物から、IRトナー像の視認性及びIRトナーで出力した画像中のQRコード(登録商標)の読み取り性を評価した。その結果を表3に示す。なお、図10では、本来不可視であるIRトナー像を可視化して表示している。
<視認性評価>
無作為に抽出された20名のモニターにより、図11の印刷物においてIR画像からなるQRコード(登録商標)を視認できた人が2人以下の場合を○、3人以上5人以下だった場合を△、6人以上の場合を×とした。
<読み取り性評価>
図10及び図11の印刷物を10枚ずつ出力し、その出力画像中に作像された全てのIR画像からなるQRコード(登録商標)を2次元バーコードリーダー(型番:CM−2D200K2B、エイボック社製に870nmバンドパスフィルター(セラテックジャパン社製870nmBPF)をつけた改造品)にて読み取り、全てのQRコード(登録商標)を一度のスキャンで読み取り可能だった場合を○、全てのQRコード(登録商標)を読み取るが複数回スキャンしたQRコード(登録商標)があった場合を△、ひとつでも読み取れなかった場合を×とした。
(実施例13)
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー、の4色を有するプリンタ(株式会社リコー製)を用いた。プリンタのブラックトナーを、IRトナー2と入れ替え、IRトナーとカラートナーを含むトナーセットとした。
カラートナー(イエロー、マゼンタ、及びシアン)の800nm以上の波長における吸光度は0.01未満だった。
用紙としては、COTED glossy紙(135g/m、mondi社製)を用いた。用紙に、カラートナーの各色を用いて5cm×5cmのベタパッチを出力し、カラートナー各色の付着量と光沢度を、前述の方法と同様に測定した。測定結果を表4に示す。
次に、図10及び図11の印刷物を出力し、IRトナー像の視認性及び読み取り性を同様にして評価した。その結果を表4に示す。
(比較例3)
実施例13において、使用するIRトナーをIRトナー12に入れ替え、IRトナーとカラートナーを含むトナーセットとした以外は、実施例13と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
(実施例14)
実施例13において、使用するIRトナーをIRトナー13に入れ替え、IRトナーとカラートナーを含むトナーセットとした以外は、実施例13と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
なお、表1〜表4において、「※装置、用紙1」及び「※装置、用紙2」は下記の装置及び用紙を指す。
装置、用紙1は、装置がリコー製4色カラータンデム機であり、用紙がリコーPPC用紙TYPE6000(70W)である。
装置、用紙2は、装置がリコー製4色カラータンデム機であり、用紙がCOTED glossy紙である。
また、表3、表4における「判定」は、視認性、及び読み取り精度の両方が「○」であった場合は「○」、どちらか一方に「△」の評価結果があった場合「△」、どちらか一方に「×」があった場合は「×」と評価した。判定が「○」であると、視認性及び読み取り精度が良好であることを示し、「△」であると、視認性及び読み取り精度が不十分であるが、使用上問題がないことを示し、「×」であると、視認性及び読み取り精度が不十分であり、使用上問題があることを示す。
以上のように本実施形態のトナーセット及び現像剤、画像形成方法は、電子写真法の特長を生かした比較的低グロスの画像において、画像出力媒体表面に、IR画像と共に設けられた可視画像を目視した際に、該可視画像の画質を損なうことなく、また、情報が高密度に記録できるIR画像と、画像出力媒体表面の可視画像が設けられた領域に関係なく、任意の領域に設けることができるIR画像を得ることができるトナーセット、画像形成方法、及び画像形成装置を提供することができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、特殊記録材料(例えばIRトナー)を用いて記録媒体上に視認困難画像(例えばIR画像)を形成する画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、孤立ドットの数が少ない網点画像で形成することを特徴とするものである。
視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。ただし、視認困難画像の画像面積率を落とす際、可視画像の網点パターン(ハーフトーンのドットパターン)と同じ網点パターンで視認困難画像を形成すると、所定の顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度との関係で、視認困難画像の画像面積率を十分に下げることが困難であることが判明した。
本態様によれば、視認困難画像を形成する場合の網点画像は、孤立ドットの数が、同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも少ないものとなる。この場合、視認困難画像の画像面積率を低くしても、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度の低下が抑制される。よって、従来よりも視認困難画像の画像面積率を低くでき、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
孤立ドットの数が少ないほど画像のざらつき感(粒状感)が高まって画質が低下してしまうため、可視画像では孤立ドットの数をあまり少なくすることはできない。本態様は、視認困難画像については、画像のざらつき感(粒状感)が高まることによる画質低下を許容して、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度を確保しつつ視認困難画像の不視認性を高めるという新規な技術思想に基づくものである。
[第2態様]
第2態様は、特殊記録材料(例えばIRトナー)を用いて記録媒体上に視認困難画像(例えばIR画像)を形成する画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、空間周波数(例えばスクリーン線数)が低い網点画像で形成することを特徴とするものである。
視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。ただし、視認困難画像の画像面積率を落とす際、可視画像の網点パターン(ハーフトーンのドットパターン)と同じ網点パターンで視認困難画像を形成すると、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度との関係で、視認困難画像の画像面積率を十分に下げることが困難であることが判明した。
本態様によれば、視認困難画像を形成する場合の網点画像は、空間周波数が低いものとなる。この場合、視認困難画像の画像面積率を低くしても、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度の低下が抑制される。よって、従来よりも視認困難画像の画像面積率を低くでき、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
空間周波数が低いほど画像のざらつき感(粒状感)が高まって画質が低下してしまうため、可視画像では空間周波数をあまり低くすることはできない。本態様は、視認困難画像については、画像のざらつき感(粒状感)が高まることによる画質低下を許容して、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度を確保しつつ視認困難画像の不視認性を高めるという新規な技術思想に基づくものである。
[第3態様]
第3態様は、特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、粒状度が高い網点画像で形成することを特徴とするものである。
視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。ただし、視認困難画像の画像面積率を落とす際、可視画像の網点パターン(ハーフトーンのドットパターン)と同じ網点パターンで視認困難画像を形成すると、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度との関係で、視認困難画像の画像面積率を十分に下げることが困難であることが判明した。
本態様によれば、視認困難画像は、可視画像よりも粒状度が高いものとなる。この場合、視認困難画像の画像面積率を低くしても、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度の低下が抑制される。よって、従来よりも視認困難画像の画像面積率を低くでき、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
可視画像よりも粒状度が高いほど画像のざらつき感(粒状感)が高まって画質が低下してしまうため、可視画像では粒状度をあまり高くすることはできない。本態様は、視認困難画像については、画像のざらつき感(粒状感)が高まることによる画質低下を許容して、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度を確保しつつ視認困難画像の不視認性を高めるという新規な技術思想に基づくものである。
[第4態様]
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数又は空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、前記視認困難画像が形成されることを特徴とするものである。
本態様によれば、視認困難画像の不視認性を安定して確保することができる。
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とするものである。
本態様によれば、視認困難画像の不視認性を安定して確保することができる。
[第6態様]
第6態様は、特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、視認困難画像が形成され、前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とするものである。
本態様によれば、視認困難画像の不視認性を安定して確保することができる。
[第7態様]
第7態様は、第6態様において、コード画像である視認困難画像は、ベタ画像で形成することを特徴とするものである。
QRコード(登録商標)等のコード画像についてはベタ画像の視認困難画像で形成することで、コード画像の情報読み取りをより確実に行うことができる。
[第8態様]
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記特殊記録材料は、透明性を有する赤外光吸収トナーであることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーを用いた視認困難画像の認識精度を確保しつつ、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
[第9態様]
第9態様は、第8態様において、前記赤外光吸収トナーは、ベタ画像の60度光沢度が30以上であり、かつ、ベタ画像の60度光沢度が前記可視画像を形成するカラートナーのベタ画像の60度光沢度よりも10以上高いことを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
[第10態様]
第10態様は、第8又は第9態様において、前記赤外光吸収トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が2.5以上であり、前記可視画像を形成するカラートナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が2以下であることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
[第11態様]
第11態様は、第8乃至第10態様のいずれかにおいて、前記赤外光吸収トナーは、重量平均粒径が5μm以上7μm以下であることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる高画質な視認困難画像を得ることができる。
[第12態様]
第12態様は、第8乃至11態様のいずれかにおいて、前記可視画像を形成するカラートナーは、ベタ画像の800nm以上の吸光度が0.05未満となるものであることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
[第13態様]
第13態様は、第8乃至12態様のいずれかにおいて、前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像が、前記記録媒体上で前記可視画像を構成する可視トナー像よりも前記記録媒体側に形成されることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の不視認性を高めることができる。
[第14態様]
第14態様は、第13態様において、互いに異なる情報を示す前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像で表される二次元コード画像と前記可視画像を構成する可視トナー像のベタ画像からなる二次元コード画像とを重ねて形成するとき、前記可視トナー像のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度が0.05未満であることを特徴とするものである。
本態様においては、特殊トナー像からなる二次元コード画像の読み取り精度を安定して確保することができる。
[第15態様]
第15態様は、第1乃至14態様のいずれかにおいて、前記特殊記録材料は特殊トナーであり、該特殊トナーからなる特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が0.30mg/cm以上0.45mg/cm以下となるように、かつ、前記特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が、前記可視画像を構成する可視トナー像における単位面積当たりのカラートナー量よりも少なくなるようにすることを特徴とするものである。
本態様においては、視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
なお、上述した実施形態では、記録材料としてトナーを用いる場合で説明を行ったが、同様の特性を持つインクでもよく、インクジェットプリンター等にも本発明を利用することは可能である。
1:画像形成部
2:転写部
3:記録媒体供給部
4:定着部
5:記録媒体排出部
6:プロセスユニット
7:感光体
8:帯電ローラ
9:現像装置
11:露光装置
12:中間転写ベルト
13:一次転写ローラ
14:二次転写ローラ
18:給紙カセット
21:定着装置
22:定着ローラ
23:加圧ローラ
24:排紙ローラ
25:排紙トレイ
26:トナーカートリッジ
27:廃トナー収容容器
30:制御部
31:主制御部
32:記憶部
33:分解処理部
34:ガンマ変換部
35:トナー総量規制部
36:階調変換部
40:画像形成制御部
100:装置本体
101:カバー部材
102:容器保持部材
特開2016−158161号公報

Claims (15)

  1. 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
    前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、孤立ドットの数が少ない網点画像で形成することを特徴とする画像形成装置。
  2. 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
    前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、空間周波数が低い網点画像で形成することを特徴とする画像形成装置。
  3. 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
    前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、粒状度が高い網点画像で形成することを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、視認困難画像が形成されることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4に記載の画像形成装置において、
    前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
    画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、視認困難画像が形成され、
    前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6に記載の画像形成装置において、
    コード画像である視認困難画像は、ベタ画像で形成することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記特殊記録材料は、透明性を有する赤外光吸収トナーであることを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記赤外光吸収トナーは、ベタ画像の60度光沢度が30以上であり、かつ、ベタ画像の60度光沢度が可視画像を形成するカラートナーのベタ画像の60度光沢度よりも10以上高いことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8又は9に記載の画像形成装置において、
    前記赤外光吸収トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が2.5以上であり、
    可視画像を形成するカラートナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が2以下であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記赤外光吸収トナーは、重量平均粒径が5μm以上7μm以下であることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    可視画像を形成するカラートナーは、ベタ画像の800nm以上の吸光度が0.05未満となるものであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像が、前記記録媒体上で可視画像を構成する可視トナー像よりも前記記録媒体側に形成されることを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項13に記載の画像形成装置において、
    互いに異なる情報を示す前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像で表される二次元コード画像と可視画像を構成する可視トナー像のベタ画像からなる二次元コード画像とを重ねて形成するとき、前記可視トナー像のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度が0.05未満であることを特徴とする画像形成装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記特殊記録材料は特殊トナーであり、該特殊トナーからなる特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が0.30mg/cm以上0.45mg/cm以下となるように、かつ、前記特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が、可視画像を構成する可視トナー像における単位面積当たりのカラートナー量よりも少なくなるようにすることを特徴とする画像形成装置。
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