JP2019117352A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
Description
なお、本実施形態では、一例として、本発明を4ステーション以下の画像形成装置に適用している。また、画像形成装置としては、視認困難な視認困難画像を形成する特殊トナーを用いて記録媒体上に視認困難画像を形成するものであれば、特に制限はない。したがって、プリンタ以外にも、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備えた複合機であってもよい。
図1は、本実施形態に係るプリンタの全体構成を示す説明図である。
本実施形態のプリンタは、画像形成部1と、転写部2と、記録媒体供給部3と、定着部4と、記録媒体排出部5と、制御部30と、画像形成制御部40とから、主に構成されている。
また、画像形成制御部40は、制御部30の制御の下、プリンタの各部(画像形成部1、転写部2、記録媒体供給部3、定着部4、記録媒体排出部5等)における画像形成動作を制御するものである。
画像形成動作が開始されると、各感光体7が回転駆動され、帯電ローラ8によって各感光体7の表面が所定の極性に一様に帯電される。次いで、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報に基づき、露光装置11が各感光体7の帯電面にレーザ光を照射し、潜像(静電潜像)を形成する。
以下の説明では、入力画像情報の色情報がRGB多値の情報であり、入力画像情報にIRの画像情報(付加情報)が含まれている場合に、そのIRの画像情報に基づいてIR画像を形成する場合について説明する。なお、入力画像情報に含まれる付加情報は、画像情報でなくてもよく、非画像情報である場合には、例えば、制御部30において、予め決められたIR画像生成プログラムを実行し、その付加情報からIRの画像情報を生成する。また、入力画像情報に付加情報が含まれていない場合でも、制御部30において、ユーザ指定等に応じたIRの画像情報を生成してもよい。
本実施形態の制御部30は、主に、主制御部31と、記憶手段としての記憶部32と、色変換・分解処理部33と、ガンマ変換部34と、トナー総量規制部35と、階調変換部36とから、構成されている。
記憶部32は、制御部30の各部で用いる各種データやプログラムを記憶している。
制御部30は、読取装置(スキャナ)やパソコン等からの入力画像情報を取得すると(S1)、まず、IRの画像情報を生成するか否かを判断する。ここでは、IRの画像情報を生成するために用いる付加情報が入力画像情報に含まれているか否かを判断する(S2)。そして、付加情報が入力画像情報に含まれていると判断した場合には(S2のYes)、その付加情報に基づいてIRの画像情報を生成する(S3)。IRの画像情報の生成は、入力画像情報中にIRの画像情報が含まれている場合には、IRの画像情報を入力画像情報から抽出して生成する。
したがって、例えば、定着不能部分についてのみ、そのトナー総量が定着上限値である第二規定値以下となるようにし、定着不能部分以外の部分についてはそのまま維持するように、画像情報の一部(定着不能部分のみ)を変換する処理を実行して、定着不能部分のトナー総量が定着上限値である第二規定値以下まで少なくなるようにしてもよい。
「網点」とは、色の濃淡を表現するために用いられるドット(点)の集合であり、「網点画像」とは、ドットの集合によって形成されている画像である。また、「画像面積率」は、画像情報(制御部30から画像形成制御部40へ送られて各露光装置11の制御に用いられる画像情報)上において、単位面積当たりにドット(トナーを付着させる最小単位)が占める面積比率を表したものである。
また、「孤立ドット」は、画像情報上において、トナーを付着させない空白ドットによって周囲を囲まれた単一のドット又は2以上のドットからなるドットの集まり(ドットの島)であり、図4の例は、例えばスクリーン線数が10Line/inchの網点パターンでは、孤立ドットが線形状(左上がりの斜め線)である。孤立ドットの形状は、線形状(ライン形状)でなく、円形状、楕円形状、三角形状、四角形状、多角形状など、特に制限はなく、また、各孤立ドットが同じ形状である必要もない。また、同じパターン中における各孤立ドットの大きさは均一である必要もなく、また、孤立ドットが周期的に配列されていても、非周期的に配列されていてもよい。
また、ここでいう「空間周波数」は、繰り返しの最小単位であるドットパターンの単位長あたりの繰り返しの多さを示す指標値であり、例えばスクリーン線数などで表される。
また、「粒状度」は、画像のざらつき感(粒状感)を示す指標値であり、例えばRMS粒状度で表される。
本実験では、IRトナーで作成したサンプル画像(視認困難画像)を、白紙の用紙上に、縦に5%〜100%まで11段階の画像面積率、かつ、横に10Lin/inch〜106Lin/inchの6段階のスクリーン線数で、マトリクス状に形成し、このサンプル画像を6名の観察者(人間)が観察して不視認性を評価した。なお、本実験で用いたIRトナーは、上述した実験で用いたIRトナーと同じものである。
図6は、本実験における1色重ね(IR画像と1種類のトナーからなる可視画像との重ね画像)についての評価結果をまとめた図である。
図7は、本実験における2色重ね(IR画像と2種類のトナーからなる可視画像との重ね画像)についての評価結果をまとめた図である。
図5〜図7において、太線で囲った領域は、本実験の評価において、6名の観察者のうちの5名以上が「不可視性が担保されている」と判断した領域である。
また、本実験の結果によれば、IRトナーからなるIR画像(視認困難画像)は、重ねて形成される可視画像のトナー量が多いほど、不可視性が担保される領域を拡大できることが確認される。
本実験の結果から、画像面積率が小さいほど、また、スクリーン線数が大きいほど(空間周波数が高いほど)、不可視性が担保されている傾向にある。ここで、不可視性が担保される領域を規定する関数として、単位スクリーン線数(単位空間周波数)Bあたりの画像面積率Aと定義し、これを単位画像面積率X(=A/B)とする。そして、この単位画像面積率Xが小さいほどIR画像の不可視性が高くなり、逆に単位画像面積率Xが大きいほどIR画像の不可視性が低くなる。
図5に示した単色については 閾値を0.17とし、単位画像面積率X<0.17となるように、IR画像を形成することで、IR画像の不可視性を担保することができる。なお、この閾値を用いることで、上述した図4中に示す符号L2の仮想区画線(A=c×B+d)の係数c,dを規定することが可能となる。
また、図6に示した1色重ねについては 閾値を0.25とし、単位画像面積率X<0.25となるように、IR画像を形成することで、IR画像の不可視性を担保することができる。
また、図7に示した2色重ねについては 閾値を0.5とし、単位画像面積率X<0.5となるように、IR画像を形成することで、IR画像の不可視性を担保することができる。
本実施形態のトナーセットは、カラートナーと特殊トナーであるIRトナーとを有するトナーセットである。
カラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
・第1の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、30以上であり、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高い。
・第2の条件としては、カラートナーとIRトナーとを有し、IRトナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が、2.5以上であり、カラートナーの100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が、2以下である。
IRトナーは、結着樹脂、及び近赤外光吸収材料を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
結着樹脂としては、特に制限はなく、従来公知の樹脂がすべて使用可能である。結着樹脂としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、ロジン変成マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、石油系樹脂、水素添加された石油系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら中でも、芳香族化合物を構成単位として含有するスチレン系樹脂、及びポリエステル樹脂が好ましく、ポリエステル樹脂がより好ましい。
アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸としては、例えば、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、耐湿性や後述の非晶性樹脂との非相溶性を持たせるためにウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂が好ましい。
近赤外光吸収材料としては、無機材料系、及び有機材料系のいずれも用いることができる。
これまでにも、付加データ埋め込み技術のために、透明性を有する(不可視な)赤外線吸収材料が種々検討されており、様々な材料が開示されている。例えば、無機材料系では、イッテルビウムなどの希土類金属(特開平9−77507号公報、特開平9−104857号公報)や銅リン酸結晶化ガラスを含有する赤外線吸収材料(特開平7−53945号公報、特開2003−186238号公報)など、有機材料系としては、アルミニウム化合物(特開平7−271081号公報)や、クロコニウム色素(特開2001−294785号公報)が挙げられる。また、特開2002−146254号公報には、750nm〜1100nmに分光吸収極大波長を有し、かつ650nmにおける吸光度が、該分光吸収極大波長における吸光度の5%以下である赤外線吸収材料を含有する有機材料が提案されている。更に、特開2007−171508号公報、特開2007−3944号公報、特開2010−113368号公報、及び特開2008−76663号公報には、ナフタロシアニン顔料を用いることが提案されており、可視光の吸光度及び赤外域の吸光度の差異の面から優れた技術といえる。
無色材料の中でも、可視光域の吸光度が非常に低く、無色に近い特徴があり、更にはトナーの帯電への影響が小さいことから、ナフタロシアニン系化合物が好ましい。
反射率の測定方法としては、例えば、出力したベタ画像を、分光光度計(例えば、V−660(日本分光株式会社製)、eXact(X−Rite社製)等)を用いて測定することができる。
近赤外光吸収材料をトナー表面に外部固着或いはトナー粒子群に混合添加した場合、トナー粒子及び現像剤中で材料凝集などを発生させる可能性が有り、さらにバルクとして必要量添加してもトナー表面に外部固着或いは現像剤調整の段階で、機器への付着などで失われ、IR画像中の近赤外光吸収材料が不足または偏在等することで情報を正確且つ安定に読み出せなくなってしまう。また、遊離した近赤外光吸収材料が機内、特に感光体等を汚染することで現像、転写などの他工程に悪影響を与える可能性も考えられる。 また、前述の有機系近赤外光吸収材料を用いる場合、無機系材料に比べ結着樹脂に対する分散性が良く、画像出力媒体上に形成されたIR画像中に均一に分散し、可視域においてより不可視性を損なうことなく、赤外域においては十分な吸収を示すことで情報が高密度に記録でき、且つトナー中への分散性が良いことからIR画像の機械読み取り・復号化処理が長期間わたり安定に行うことが可能となる。
透明性を有する(不可視の)近赤外光吸収材料としてよく用いられるバナジルナフタロシアニンの場合において、その含有量としては、IRトナーに対して、0.3質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
その他の成分としては、通常、トナーに含有されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
離型剤としては、天然ワックス、及び合成ワックスのいずれも用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
天然ワックスとしては、例えば、カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックスなどが挙げられる。
モノエステルワックスとしては、合成エステルワックスであることが好ましい。合成エステルワックスとしては、例えば、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコールから合成されるモノエステルワックスなどが挙げられる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は、一般式CnH2n+1COOHで表わされ、n=5〜28程度のものが好ましく用いられる。また、長鎖直鎖飽和アルコールとしては、CnH2n+1OHで表わされ、n=5〜28程度が好ましい。
離型剤の融点の測定としては、例えば、示差走査熱量計であるTG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求めることができる。
ワックス分散剤の含有量としては、IRトナー100質量部に対して、7質量部以下であることが好ましい。ワックス分散剤を含有することにより、ワックスの分散効果が得られ、製造方法に左右されることなく安定的に保存性の向上が期待できる。また、ワックスの分散効果によりワックス径が小さくなり、感光体等へのフィルミング現象を抑制できる。含有量が7質量部以下であると、ポリエステル樹脂に対する非相溶成分が多くなり、光沢が低下すること、ワックスの分散性が高くなりすぎるために、耐フィルミング性は向上するが、定着時のワックスの表面への染み出しが悪くなり、低温定着性、耐ホットオフセット性が低下することなどの不具合を防止することができる。
帯電制御剤としては、公知のものを全て使用することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、第4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
外添剤は、流動性や現像性、帯電性を補助するために含有される。外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、高分子系微粒子などが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
高分子系微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。
表面処理剤としては、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
外添剤の含有量としては、IRトナーに対して0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.01質量%〜2.0質量%がより好ましい。
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために含有される。クリーニング性向上剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸など脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などが挙げられる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
カラートナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。その他の成分については、その他の成分と同様のものを使用することができる。
カラートナーとしては、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかであることが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーであることがより好ましい。言い換えれば、トナーセットにおいては、IRトナーのベタ画像の60度光沢度が、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナーのいずれかのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことが好ましく、シアントナー、マゼンタトナー、イエロートナー、のすべてのベタ画像の60度光沢度より10以上高いことがより好ましい。
本実施形態のカラートナーにより作像されるトナー像としては、一般的なオフセット印刷などと比較して低グロスであることが好ましい。
このため、カラートナーに含有される結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゲルを含むことが好ましい。ゲル分率としては、結着樹脂に対して、0.5質量%以上20質量%以下が好ましく、1.0質量%以上10質量%以下がより好ましい。
ゲルを含まない場合でも、カラートナーに用いられる結着樹脂としては、重量平均分子量Mwc100,000以上の高分子量体を含有していることが好ましく、IRトナーで用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きいことがより好ましい。カラートナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwcを、IRトナーにおいて用いられる結着樹脂の重量平均分子量Mwiよりも大きくすることにより、オフセット印刷と比較して視認性の高い、60度光沢度で10から30程度のカラー画像のグロスを得ることができる。
着色剤としては、800nm以上の波長の吸収が、小さいものが好ましく、例えば、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、ペリレンブラック、ペリノンブラック及びこれらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
シアンでは、C.I.ピグメントブルー15:3が好ましい。マゼンタでは、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド269、及びC.I.ピグメントレッド81:4が好ましい。イエローでは、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、及びC.I.ピグメントイエロー185が好ましい。これらの着色剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
IRトナーのベタ画像の60度光沢度としては、30以上であり、30以上80以下が好ましく、30以上60以下が更に好ましい。ベタ画像の60度光沢度が、30未満ではIRトナー像の視認性が増すことにより、目的の隠し画像としての体をなさなくなる。80より大きいと、トナー樹脂の分子量が小さくなり、十分な定着温度範囲が維持できにくくなることがある。
カラートナーのベタ画像の60度光沢度としては、10以上40以下が好ましく、15以上35以下がより好ましい。光沢度が数値範囲であると、カラートナー像が比較的低グロスの画像となる。
また、IRトナーのベタ画像の60度光沢度は、カラートナーのベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。IRトナーのベタ画像の60度光沢度と、カラートナーのベタ画像の60度光沢度との差が、10未満であると、画像出力媒体上で、画像形成時の加熱定着前にIRトナー像の上にカラートナー像を重ねた場合、加熱加圧定着される際に、上層のカラートナーが下層のIRトナー層内に入り込み、カラートナー像の視認性が悪化する。即ち、IRトナーのベタ画像の光沢度が、カラートナーのベタ画像の光沢度と比較して高いことにより、上層に重ねられたカラートナー像の視認性が向上し、結果として、下層のIRトナー像が視認されにくくなる。
更に結着樹脂に酸価のある樹脂を用いると、3価以上の金属塩を添加することにより光沢を調整することも可能である。結着樹脂酸価が大きく、金属塩添加量が多いほど低光沢となる傾向になり、結着樹脂酸価が小さく、金属塩添加量が少ないほど高光沢となる傾向となる。
重量平均分子量としては、THF溶解分の分子量分布をGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定装置GPC−150C(ウォーターズ社製)によって測定できる。
重量平均分子量の測定としては、例えば、カラム(KF801〜807:ショウデックス社製)を使用し、以下の方法で行う。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流す。次いで、試料0.05gをTHF5gに十分に溶かした後、前処理用フィルタ(例えば、孔径0.45μm クロマトディスク(クラボウ製))で濾過し、最終的に試料濃度として0.05質量%〜0.6質量%に調製した樹脂のTHF試料溶液を50μL〜200μL注入して測定する。
ゲル分率は、重量平均分子量の測定の際に用いた、前処理用フィルタにてろ過された成分の乾燥重量より算出することができる。
重量平均分子量Mw、個数平均分子量Mnの測定方法としては、IRトナーの有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、分子量が6×102、2.1×102、4×102、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106(PressureChemical Co.社製、又は東洋ソーダ工業社製)などが挙げられる。検量線を作成するにあたり、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
本実施形態におけるトナー及び結着樹脂の酸価の測定は、JIS K0070−1992に記載の測定方法に準拠して以下の条件で測定を行った。
試料溶液の調製としては、トナー又は結着樹脂0.5g(酢酸エチル可溶成分では0.3g)をトルエン120mLに添加して室温(23℃)で約10時間攪拌して溶解した。更に、エタノール30mLを添加して試料溶液とした。
測定は装置にて計算することが出来るが、具体的には次のように計算した。あらかじめ標定されたN/10苛性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から次の計算で酸価を求めた。
酸価=KOH(mL数)×N×56.1/試料質量(ただしNはN/10KOHのファクター)
なお、以下に示す実施例及び比較例では、結着樹脂とトナーの酸価がほぼ一致した。したがって、結着樹脂の酸価をトナーの酸価として扱う。
IRトナーの重量平均粒径としては、5μm以上7μm以下が好ましく、5μm以上6μm以下がより好ましい。
カラートナーの重量平均粒径としては、4μm以上8μm以下が好ましく、5μm以上7μm以下がより好ましい。
重量平均粒径が範囲内であると、600dpi以上の微少ドットを再現し、高画質な画像を得ることができる。これは、微小な潜像ドットに対して、十分に小さい粒径のトナー粒子を有することができ、ドット再現性に優れるという利点が得られる。
特に、IRトナーにおいては、画像出力媒体上に転写され定着前の状態において、高密度に配置され、その上に重ねられるカラートナーがその隙間に入り込まないようにすることにより、再現性の高い定着後の画像を得ることができる。その再現性の高い画像は赤外光照射により機械読み取り処理にあたり、より安定した処理が可能となる。
カラートナーの重量平均粒径(D4)が4μm以上であると、転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下といった現象を防止することができ、カラートナーの重量平均粒径(D4)が8μm以下であると、上述のように定着前の画像に重なられたカラートナーが入り込むことによる画像情報の乱れが生じやすくなること、文字やラインの飛び散りを抑えることが難しくなるという不具合を抑えることができる。
このような小粒径で粒径分布の狭いトナーでは、トナーの帯電量分布が均一になり、地肌かぶりの少ない高品位な画像を得ることができ、また、静電転写方式では転写率を高くすることができる。
異なる色のトナー像を重ね合わせることにより多色像を形成するフルカラー画像形成方法においては、ブラックトナー1色のみで画像形成するため異なる色のトナー像を重ね合わせる必要のないモノクロ画像形成方法に比べて紙上に付着させるトナー量が多い。
すなわち現像、転写、定着されるトナー量が多くなるために、上述の転写効率の低下、ブレードクリーニング性の低下、文字やラインの飛び散り、地肌かぶりなど画質を悪化させる不具合が起こりやすく、重量平均粒径(D4)や重量平均粒径(D4)と個数平均粒径(D1)との比(D4/D1)の管理が重要となる。
具体的な測定方法は以下のとおりである。
まず、電解水溶液100mL〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩など)を0.1mL〜5mL加える。電解水溶液とは、1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON−II(コールター社製)が挙げられる。
次に、測定試料を2mg〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間〜3分間分散処理を行ない、測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの重量、個数を測定して、重量分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上乃至40.30μm未満の粒子を対象とする。
IRトナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδi)としては、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。tanδiは、15以下が好ましい。なお、IRトナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδi)が2.5以上であるとは、100℃〜140℃において、IRトナーの正接損失(tanδi)が常に2.5以上の値をとることを意味する。
カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。tanδcは、0.1以上が好ましい。カラートナーの正接損失が2以下であると、IR画像上に重ねたカラートナーがIRトナー画像内に入り込み、IRトナー画像の安定性を損なうという不具合を防止することができる。なお、カラートナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδc)が2以下であるとは、100℃〜140℃において、カラートナーの正接損失(tanδc)が常に2以下の値をとることを意味する。
本実施形態のトナーセットの製造方法としては、溶融混練−粉砕法、重合法など従来公知の方法が適用できる。また、カラートナーとIRトナーの製造法は同じ製造方法を用いても良いし、カラートナーは重合法、IRトナーは溶融混練粉砕法といったように別の製造方法を用いても良い。
溶融混練−粉砕法においては、その製造工程では、(1)少なくとも結着樹脂と着色剤もしくは近赤外光吸収材料、離型剤とを溶融混錬する工程、(2)溶融混錬されたトナー組成物を粉砕/分級する工程、(3)無機微粒子を外添する工程を有する。また、工程(2)の粉砕/分級工程で複製する微紛を、工程(1)の原料としてサイド混練することがコストの面で好ましい。
分級機としては、例えば、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製)、ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製)、ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製)、YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、例えば、ウルトラソニック(晃栄産業社製)、レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社)、バイブラソニックシステム(ダルトン社製)、ソニクリーン(新東工業社製)、ターボスクリーナー(ターボエ業社製)、ミクロシフター(槙野産業社製)、円形振動篩いなどが挙げられる。
重合法としては、従来公知の方法を用いることができる。重合法としては、例えば、以下のような手順が挙げられる。先ず、着色剤、結着樹脂、離型剤を有機溶媒中に分散させ、トナー材料液(油相)を作る。トナー材料液には、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を添加し、造粒中に反応させて、ウレア変性ポリエステル樹脂をトナーに含有させることが好ましい。
水系媒体としては、水系媒体に用いる水系溶媒は、水単独でもよいし、アルコールなどの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100質量部に対する水系溶媒の使用量は、通常50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。
樹脂微粒子としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
本実施形態のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対して、トナー1質量部〜10質量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、従来から公知のものを使用することができ、例えば、粒子径20μm〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなどが挙げられる。
磁性キャリアは、被覆されたものも使用することができる。磁性キャリアを被覆するための被覆材料としては、例えば、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等のアミノ系樹脂;ポリビニル等のポリビニリデン系樹脂;アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。
更に必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μm以下であると、電気抵抗の制御が困難になるという不具合を防止することができる。
本実施形態の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、静電潜像を現像してトナー像を形成する、IRトナー像を形成するためのIRトナー及びカラートナー像を形成するためのカラートナーを備える現像手段と、トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着手段とを有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
本実施形態の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像を現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、記録媒体に転写された転写像を定着する定着工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を有する。
本実施形態の画像形成方法は、本実施形態の画像記録装置により好適に実施することができる。
画像形成方法、及び画像形成装置の一例において、IRトナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度は、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の60度光沢度より10以上高く、15以上高いことが好ましく、20以上高いことが更に好ましい。
画像形成方法、及び画像形成装置の他の一例において、IRトナーの100℃〜140℃における正接損失(tanδi)は、2.5以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。また、画像形成方法、及び画像形成装置において、カラートナーの正接損失(tanδc)としては、2以下が好ましい。
カラートナー像の形成に用いるカラートナーの数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。カラートナーを複数使用する場合は、複数のカラートナーを同時に形成する方法、単色トナーを繰り返し形成させて各色を重ねる方法のいずれも行うことができるが、単色トナーを繰り返し形成させて各色を重ねる方法が好ましい。なお、カラートナー像において、各色を形成させる順序としては特に制限はない。
また、近赤外光吸収材料は、可視光領域に若干の吸収があり、完全に無色ではないため、近赤外光吸収材料のトナーへの添加量が増えれば、視認性が増してしまう。その為に、画像のIRトナー付着量を、0.45mg/cm2以下とすることにより、視認性の低減が可能となる。
この理由としては、以下のことが考えられる。本実施形態のIRトナーは、可視光領域に若干の吸収があり、単色での画像は完全な透明ではない。よって、IRの画像情報を不可視にする(目視しにくくする)ためには、カラートナーでマスクするのが好ましい。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%以上であれば、IRトナー像が視認されやすくなるという不具合を防止するのに有効である。カラートナー像の単位面積当たりにおけるトナー付着量が30%未満であると、特にイエロートナーを重ねた場合のIRトナー像の視認性が上がってしまう。
記録媒体上において、IRトナー像である二次元コード画像(i)が、カラートナー像である二次元コード画像(c)よりも記録媒体側に形成されていることが好ましい。この際に、カラートナー像がベタ画像である場合のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度は、0.05未満であることが好ましく、0.01未満であることがより好ましい。
また、二次元コード画像(i)が有する情報と、二次元コード画像(c)が有する情報とが異なることが好ましい。
・ポリエステル樹脂1(RN−306SF、花王株式会社製、重量平均分子量Mw7,700、酸価4mgKOH/g) 80部
・ポリエステル樹脂2(RN−300SF、花王株式会社製、重量平均分子量Mw11,000、酸価4mgKOH/g) 10部
・ワックス分散剤(EXD−001、三洋化成株式会社製) 4部
・モノエステルワックス1(融点mp70.5℃) 6部
・サリチル酸誘導体ジルコニウム塩A 0.9部
・バナジルナフタロシアニン 0.3部
なお、近赤外線吸収材料として用いたバナジルナフタロシアニンは以下の構造式(1)、サリチル酸誘導体ジルコニウム塩Aは以下の構造式(2)の化合物を用いた。
得られた混練物は室温まで冷却後、ロートプレックスにて200μm〜300μmに粗粉砕した。
粗粉砕した粒子を、カウンタジェットミル(ホソカワミクロン株式会社製、100AFG)を用いて、重量平均粒径が4.5±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(株式会社マツボー製、EJ−LABO)で、重量平均粒径が5.2±0.2μm、重量平均粒径/個数平均粒径の比が1.20以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、トナー母体粒子1を得た。
次いで、100部のトナー母体粒子1に対し、添加剤としてヒュームドシリカ(ZD−30ST、株式会社トクヤマ製)1.3部、ヒュームドシリカ(UFP−35HH、電気化学株式会社製)1.5部、及び二酸化チタン(MT−150AFM、テイカ株式会社製)1.0部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、IRトナー1を製造した。
IRトナー1において、バナジルナフタロシアニンを0.6部に変えた以外は、IRトナー1と同様にして、IRトナー2を製造した。
IRトナー1において、バナジルナフタロシアニンを1.0部に変えた以外は、IRトナー1と同様にして、IRトナー3を製造した。
IRトナー2において、ポリエステル樹脂2をポリエステル樹脂3(花王株式会社製RN−290SF、Mw87,000、酸価28mgKOH/g)に変えた以外は、IRトナー2と同様にして、IRトナー4を製造した。
なお、ポリエステル樹脂3は、ビスフェノールA−ポリエチレンオキサイド付加アルコール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加アルコール、フマル酸、及び無水トリメリット酸から合成した樹脂である。
IRトナー4において、ポリエステル樹脂1を70部とし、ポリエステル樹脂3を20部に変えた以外は、IRトナー4と同様にして、IRトナー5を製造した。
IRトナー4のバナジルナフタロシアニンを0.3部とし、粉砕/分級工程にてトナー母体粒子を重量平均粒径が6.8±0.2μmとした。
次いで、トナー母体粒子100部に対して、ヒュームドシリカ(ZD−30ST、株式会社トクヤマ製)0.8部、ヒュームドシリカ(UFP−35HH、電気化学株式会社製)1.0部、二酸化チタン(MT−150AFM、テイカ株式会社製)0.6部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、IRトナー6を製造した。
IRトナー6において、バナジルナフタロシアニンを0.6部に変えた以外は、IRトナー6と同様にして、IRトナー7を製造した。
IRトナー5において、サリチル酸誘導体ジルコニウム塩Aを1.5部に変えた以外は、IRトナー5と同様にして、IRトナー8を製造した。
IRトナー4の粉砕/分級工程において、重量平均粒径が8.0±0.2μmとした。
次いで、トナー母体粒子100部に対し、ヒュームドシリカ(ZD−30ST、株式会社トクヤマ製)0.6部、ヒュームドシリカ(UFP−35HH、電気化学株式会社製)0.8部、二酸化チタン(MT−150AFM、テイカ株式会社製)0.5部をヘンシェルミキサーで撹拌混合し、IRトナー9を製造した。
IRトナー1において、バナジルナフタロシアニンを0.2部に変えた以外は、IRトナー1と同様にして、IRトナー10を製造した。
IRトナー4において、バナジルナフタロシアニンを1.2部に変えた以外は、IRトナー4と同様にして、IRトナー11を製造した。
IRトナー4において、ポリエステル樹脂1を60部、ポリエステル樹脂3を30部に変えた以外は、IRトナー4と同様にして、IRトナー12を製造した。
IRトナー6において、「バナジルナフタロシアニン 0.3部」を「近赤外線吸収色素1(OPTLION NIR−761 トーヨーカラー株式会社製)1.0部」に変えた以外は、IRトナー6と同様にして、IRトナー13を製造した。
IRトナー6において、「バナジルナフタロシアニン 0.3部」を「近赤外線吸収色素1(OPTLION NIR−761 トーヨーカラー株式会社製)2.0部」に変えた以外は、IRトナー6と同様にして、IRトナー14を製造した。
<<キャリアの作製>>
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコ−ン) 100部
・トルエン 100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。コート層形成液を、芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアを得た。
作製した各IRトナー1〜14、及び各ペリレンブラックトナー1、2と、キャリアとをターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、帯電させ、それぞれ現像剤1〜14、ペリレンブラック現像剤1、2を作製した。
トナーとキャリアの混合比率は、評価機の初期現像剤のトナー濃度:5質量%に合わせて混合した。
ブラック現像剤、イエロー現像剤、マゼンタ現像剤、及びシアン現像剤の4色を有するデジタルフルカラー複合機(Imagio Neo C600、株式会社リコー製、以下「neo C600」と略記する。)において、ブラック現像剤を、各二成分現像剤1〜14と入れ替え、IRトナーとカラートナーとを含むトナーセットを備えた装置とした。
イエロー現像剤、マゼンタ現像剤、及びシアン現像剤に含まれるカラートナー(イエロー、マゼンタ、及びシアン)の800nm以上の波長における吸光度は0.01未満だった。
OHPフィルム(タイプ PPC−FC、株式会社リコー製)上に、neo C600によりトナー付着量0.5mg/cm2となるようなベタパッチを出力した。ベタパッチを分光光度計(V−660DS、日本分光株式会社製)にて、画像を出力していないOHPフィルムをブランクとし、800nmから900nmの分光透過率Tを測定した。得られた分光透過率Tより、以下の式(1)に従い吸光度Aを算出した。
A = −logT ・・・(1)
用紙は株式会社リコーPPC用紙TYPE6000(70W)用い、先ずカラートナー各色の5cm×5cmのベタパッチを出力した。そのときのカラートナーの付着量と光沢度(60度光沢度)を、後述の表2に示す。
neo C600の定着ユニットを外し、未定着の5cm×5cmのベタパッチを出力した。そのベタパッチ部分をはさみで切り出し、切り出し片を作成した。作成した切り出し片を、精密天秤で質量を測定し、ベタパッチ部分(未定着画像)のトナーをエアガンで吹き飛ばし、切り出し片の質量を測定した。エアガンでトナーを吹き飛ばす前後の質量の値から、以下の式を用いてトナー付着量を算出した。結果を後述の表1に示す。
トナー付着量(mg/cm2)=((ベタパッチの付いた切り出し片重量)−(吹き飛ばした後の切り出し片の重量))/25
neo C600で出力した定着済みの5cm×5cmのベタパッチを、グロスメーター(VGS−1D、日本電色工業株式会社製)を用いて4箇所測定した。4箇所の評価結果の平均値を算出し、光沢度とした。結果を後述の表1に示す。
視認性評価、及び読み取り性評価については、以下のようにして行った。
表3に示す装置及び用紙を用い、IRトナーによりQRコード(登録商標)を印刷し、その上に図9に示すパターンを印刷して、図10に示すようなパターンによって隠されたQRコード(登録商標)の画像を作成した。
また、図11に示す画像は、全体が着色している部分にIRトナーによりQRコード(登録商標)を印刷した画像部分(図11中のAの領域)と、カラートナーで印刷したQRコード(登録商標)の下にカラートナーで印刷したQRコード(登録商標)とは異なる情報のQRコード(登録商標)をIRトナーにより印刷した画像部分(図11中のBの領域)とを含むものである。
図10及び図11の印刷物から、IRトナー像の視認性及びIRトナーで出力した画像中のQRコード(登録商標)の読み取り性を評価した。その結果を表3に示す。なお、図10では、本来不可視であるIRトナー像を可視化して表示している。
無作為に抽出された20名のモニターにより、図11の印刷物においてIR画像からなるQRコード(登録商標)を視認できた人が2人以下の場合を○、3人以上5人以下だった場合を△、6人以上の場合を×とした。
図10及び図11の印刷物を10枚ずつ出力し、その出力画像中に作像された全てのIR画像からなるQRコード(登録商標)を2次元バーコードリーダー(型番:CM−2D200K2B、エイボック社製に870nmバンドパスフィルター(セラテックジャパン社製870nmBPF)をつけた改造品)にて読み取り、全てのQRコード(登録商標)を一度のスキャンで読み取り可能だった場合を○、全てのQRコード(登録商標)を読み取るが複数回スキャンしたQRコード(登録商標)があった場合を△、ひとつでも読み取れなかった場合を×とした。
イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー、の4色を有するプリンタ(株式会社リコー製)を用いた。プリンタのブラックトナーを、IRトナー2と入れ替え、IRトナーとカラートナーを含むトナーセットとした。
カラートナー(イエロー、マゼンタ、及びシアン)の800nm以上の波長における吸光度は0.01未満だった。
用紙としては、COTED glossy紙(135g/m2、mondi社製)を用いた。用紙に、カラートナーの各色を用いて5cm×5cmのベタパッチを出力し、カラートナー各色の付着量と光沢度を、前述の方法と同様に測定した。測定結果を表4に示す。
次に、図10及び図11の印刷物を出力し、IRトナー像の視認性及び読み取り性を同様にして評価した。その結果を表4に示す。
実施例13において、使用するIRトナーをIRトナー12に入れ替え、IRトナーとカラートナーを含むトナーセットとした以外は、実施例13と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
実施例13において、使用するIRトナーをIRトナー13に入れ替え、IRトナーとカラートナーを含むトナーセットとした以外は、実施例13と同様にして評価した。評価結果を表4に示す。
装置、用紙1は、装置がリコー製4色カラータンデム機であり、用紙がリコーPPC用紙TYPE6000(70W)である。
装置、用紙2は、装置がリコー製4色カラータンデム機であり、用紙がCOTED glossy紙である。
[第1態様]
第1態様は、特殊記録材料(例えばIRトナー)を用いて記録媒体上に視認困難画像(例えばIR画像)を形成する画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、孤立ドットの数が少ない網点画像で形成することを特徴とするものである。
視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。ただし、視認困難画像の画像面積率を落とす際、可視画像の網点パターン(ハーフトーンのドットパターン)と同じ網点パターンで視認困難画像を形成すると、所定の顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度との関係で、視認困難画像の画像面積率を十分に下げることが困難であることが判明した。
本態様によれば、視認困難画像を形成する場合の網点画像は、孤立ドットの数が、同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも少ないものとなる。この場合、視認困難画像の画像面積率を低くしても、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度の低下が抑制される。よって、従来よりも視認困難画像の画像面積率を低くでき、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
孤立ドットの数が少ないほど画像のざらつき感(粒状感)が高まって画質が低下してしまうため、可視画像では孤立ドットの数をあまり少なくすることはできない。本態様は、視認困難画像については、画像のざらつき感(粒状感)が高まることによる画質低下を許容して、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度を確保しつつ視認困難画像の不視認性を高めるという新規な技術思想に基づくものである。
第2態様は、特殊記録材料(例えばIRトナー)を用いて記録媒体上に視認困難画像(例えばIR画像)を形成する画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、空間周波数(例えばスクリーン線数)が低い網点画像で形成することを特徴とするものである。
視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。ただし、視認困難画像の画像面積率を落とす際、可視画像の網点パターン(ハーフトーンのドットパターン)と同じ網点パターンで視認困難画像を形成すると、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度との関係で、視認困難画像の画像面積率を十分に下げることが困難であることが判明した。
本態様によれば、視認困難画像を形成する場合の網点画像は、空間周波数が低いものとなる。この場合、視認困難画像の画像面積率を低くしても、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度の低下が抑制される。よって、従来よりも視認困難画像の画像面積率を低くでき、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
空間周波数が低いほど画像のざらつき感(粒状感)が高まって画質が低下してしまうため、可視画像では空間周波数をあまり低くすることはできない。本態様は、視認困難画像については、画像のざらつき感(粒状感)が高まることによる画質低下を許容して、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度を確保しつつ視認困難画像の不視認性を高めるという新規な技術思想に基づくものである。
第3態様は、特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、粒状度が高い網点画像で形成することを特徴とするものである。
視認困難画像の不視認性を高める方法としては、一般に、視認困難画像の画像面積率を落として、画像濃度を低くすることが有効である。ただし、視認困難画像の画像面積率を落とす際、可視画像の網点パターン(ハーフトーンのドットパターン)と同じ網点パターンで視認困難画像を形成すると、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度との関係で、視認困難画像の画像面積率を十分に下げることが困難であることが判明した。
本態様によれば、視認困難画像は、可視画像よりも粒状度が高いものとなる。この場合、視認困難画像の画像面積率を低くしても、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度の低下が抑制される。よって、従来よりも視認困難画像の画像面積率を低くでき、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
可視画像よりも粒状度が高いほど画像のざらつき感(粒状感)が高まって画質が低下してしまうため、可視画像では粒状度をあまり高くすることはできない。本態様は、視認困難画像については、画像のざらつき感(粒状感)が高まることによる画質低下を許容して、顕在化処理によって顕在化した視認困難画像の認識精度を確保しつつ視認困難画像の不視認性を高めるという新規な技術思想に基づくものである。
第4態様は、第1乃至第3態様のいずれかにおいて、画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数又は空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、前記視認困難画像が形成されることを特徴とするものである。
本態様によれば、視認困難画像の不視認性を安定して確保することができる。
第5態様は、第4態様において、前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とするものである。
本態様によれば、視認困難画像の不視認性を安定して確保することができる。
第6態様は、特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、視認困難画像が形成され、前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とするものである。
本態様によれば、視認困難画像の不視認性を安定して確保することができる。
第7態様は、第6態様において、コード画像である視認困難画像は、ベタ画像で形成することを特徴とするものである。
QRコード(登録商標)等のコード画像についてはベタ画像の視認困難画像で形成することで、コード画像の情報読み取りをより確実に行うことができる。
第8態様は、第1乃至第7態様のいずれかにおいて、前記特殊記録材料は、透明性を有する赤外光吸収トナーであることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーを用いた視認困難画像の認識精度を確保しつつ、視認困難画像の不視認性を高めることができる。
第9態様は、第8態様において、前記赤外光吸収トナーは、ベタ画像の60度光沢度が30以上であり、かつ、ベタ画像の60度光沢度が前記可視画像を形成するカラートナーのベタ画像の60度光沢度よりも10以上高いことを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
第10態様は、第8又は第9態様において、前記赤外光吸収トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が2.5以上であり、前記可視画像を形成するカラートナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が2以下であることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
第11態様は、第8乃至第10態様のいずれかにおいて、前記赤外光吸収トナーは、重量平均粒径が5μm以上7μm以下であることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる高画質な視認困難画像を得ることができる。
第12態様は、第8乃至11態様のいずれかにおいて、前記可視画像を形成するカラートナーは、ベタ画像の800nm以上の吸光度が0.05未満となるものであることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
第13態様は、第8乃至12態様のいずれかにおいて、前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像が、前記記録媒体上で前記可視画像を構成する可視トナー像よりも前記記録媒体側に形成されることを特徴とするものである。
本態様においては、赤外光吸収トナーによる視認困難画像の不視認性を高めることができる。
第14態様は、第13態様において、互いに異なる情報を示す前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像で表される二次元コード画像と前記可視画像を構成する可視トナー像のベタ画像からなる二次元コード画像とを重ねて形成するとき、前記可視トナー像のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度が0.05未満であることを特徴とするものである。
本態様においては、特殊トナー像からなる二次元コード画像の読み取り精度を安定して確保することができる。
第15態様は、第1乃至14態様のいずれかにおいて、前記特殊記録材料は特殊トナーであり、該特殊トナーからなる特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が0.30mg/cm2以上0.45mg/cm2以下となるように、かつ、前記特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が、前記可視画像を構成する可視トナー像における単位面積当たりのカラートナー量よりも少なくなるようにすることを特徴とするものである。
本態様においては、視認困難画像の認識精度を安定して確保することができる。
2:転写部
3:記録媒体供給部
4:定着部
5:記録媒体排出部
6:プロセスユニット
7:感光体
8:帯電ローラ
9:現像装置
11:露光装置
12:中間転写ベルト
13:一次転写ローラ
14:二次転写ローラ
18:給紙カセット
21:定着装置
22:定着ローラ
23:加圧ローラ
24:排紙ローラ
25:排紙トレイ
26:トナーカートリッジ
27:廃トナー収容容器
30:制御部
31:主制御部
32:記憶部
33:分解処理部
34:ガンマ変換部
35:トナー総量規制部
36:階調変換部
40:画像形成制御部
100:装置本体
101:カバー部材
102:容器保持部材
Claims (15)
- 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、孤立ドットの数が少ない網点画像で形成することを特徴とする画像形成装置。 - 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、空間周波数が低い網点画像で形成することを特徴とする画像形成装置。 - 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
前記視認困難画像を、該視認困難画像の画像面積率と同じ画像面積率の可視画像を形成する場合よりも、粒状度が高い網点画像で形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、視認困難画像が形成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項4に記載の画像形成装置において、
前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 特殊記録材料を用いて記録媒体上に視認困難画像を形成する画像形成装置において、
画像面積率をAとし、前記視認困難画像における孤立ドットの数、空間周波数又は粒状度の逆数をBとしたときのA/Bで示される単位画像面積率Xが、所定の閾値となるように、視認困難画像が形成され、
前記所定の閾値は、前記視認困難画像に可視画像を重ねない場合には0.17以下であり、1色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.25以下であり、2色の記録材料からなる可視画像を前記視認困難画像に重ねる場合には0.5以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項6に記載の画像形成装置において、
コード画像である視認困難画像は、ベタ画像で形成することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記特殊記録材料は、透明性を有する赤外光吸収トナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8に記載の画像形成装置において、
前記赤外光吸収トナーは、ベタ画像の60度光沢度が30以上であり、かつ、ベタ画像の60度光沢度が可視画像を形成するカラートナーのベタ画像の60度光沢度よりも10以上高いことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8又は9に記載の画像形成装置において、
前記赤外光吸収トナーは、結着樹脂及び近赤外光吸収材料を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδi)が2.5以上であり、
可視画像を形成するカラートナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、かつ、100℃以上140℃以下の範囲内における正接損失(tanδc)が2以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記赤外光吸収トナーは、重量平均粒径が5μm以上7μm以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
可視画像を形成するカラートナーは、ベタ画像の800nm以上の吸光度が0.05未満となるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項8乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像が、前記記録媒体上で可視画像を構成する可視トナー像よりも前記記録媒体側に形成されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項13に記載の画像形成装置において、
互いに異なる情報を示す前記赤外光吸収トナーからなる特殊トナー像で表される二次元コード画像と可視画像を構成する可視トナー像のベタ画像からなる二次元コード画像とを重ねて形成するとき、前記可視トナー像のベタ画像の800nm以上900nm以下の吸光度が0.05未満であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記特殊記録材料は特殊トナーであり、該特殊トナーからなる特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が0.30mg/cm2以上0.45mg/cm2以下となるように、かつ、前記特殊トナー像における単位面積当たりの特殊トナー量が、可視画像を構成する可視トナー像における単位面積当たりのカラートナー量よりも少なくなるようにすることを特徴とする画像形成装置。
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