JP2005283916A - 静電荷像現像用トナーキットおよびフルカラー画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノンコート紙でオフセット印刷と同等の色再現が可能な電子写真方式のフルカラー画像形成装置に用いる静電荷現像用トナーキット、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】シアントナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=54.0、a*=−37.0、b*=−50.0に対して色差ΔEが5.0以内、マゼンタトナーは、マゼンタトナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に対して色差ΔEが8.0以内、イエロートナーは、イエロートナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に対して色差ΔEが6.0以内、前記3色のトナーにブラックトナーを組み合わせた。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式のフルカラー画像形成装置に用いる静電荷像現像用トナーキット、および該キットを装填したフルカラー画像形成装置に関する。
電子写真法では感光体上に静電潜像を形成し、該潜像を乾式トナーで現像後、トナー画像をコピー用紙上に転写、定着して画像を得ている。また、フルカラー画像は、シアン、マゼンタ、イエローの3色のトナー、またはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーをそれぞれ現像し、紙上で重ね合わせ、定着し画像を形成している。
従来では、フルカラー画像の色バランスを考慮して、3色のトナーの色を規定しているもの(例えば特許文献1、特許文献2参照)と4色のトナーの色を規定しているもの(例えば特許文献3参照)が知られている。しかしながら、フルカラー画像の色バランスは主観的なものであり、客観的にみて最適化されたものではない。特にこれらの色の組合せについては、アナログの電子写真もしくはアナログ的な画像処理の概念での特性であり、デジタル処理を行なうことは想定されていない。
デジタル処理を用いた電子写真方式のフルカラー画像形成装置では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックを色々な割合で重ねた場合の色をマトリックスデータとして予め持っており、彩度の低い色であれば決められた任意の色を出力することは容易で、フルカラー画像の色バランスについては画像処理上の問題であり、トナーの色としての問題は無くなっている。一方彩度が高い場合では、デジタル処理を用いても、各トナーの色に依存して、再現できない色が存在する。
また、デジタル化が進むなか、オフセット印刷の分野では、ISO12647−2(1996)やJapan Color等が制定され、カラーインクおよびオフセット印刷の色の標準化がなされ、彩度の高い色が決められてきている。しかし、従来の電子写真用のカラートナーでは、彩度の高い部分では、標準化されてきているオフセット印刷と同等の色が再現できない。
特開昭63−70271号公報 特開平8−328341号公報 特開平3−87841号公報
本発明は上記問題点に鑑み、ISO12647−2(1996)やJapan Color等で標準化されたオフセット印刷と同等の色をコート紙でなくノンコート紙で再現することが可能な電子写真方式のフルカラー画像形成装置に用いる静電荷像現像用トナーキット、および該キットを装填した電子写真方式のフルカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
上記本発明の目的は次の手段により達成される。
すなわち、本発明によれば、第一に、電子写真方式のフルカラー画像形成システムに使用されるシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーからなる静電荷像現像用トナーキットであって、該トナーは、少なくとも着色剤とバインダー樹脂からなり、該シアントナーは、シアントナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=54.0、a*=−37.0、b*=−50.0に対して色差ΔEが5.0以内の色をとり得るトナーであり、該マゼンタトナーは、マゼンタトナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に対して色差ΔEが8.0以内の色をとり得るトナーであり、該イエロートナーは、イエロートナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に対して色差ΔEが6.0以内の色をとり得るトナーであり、前記3色のトナーにブラックトナーを組み合わせたことを特徴とする静電荷像現像用トナーキットが提供される。
第二に、上記第一に記載の静電荷像現像用トナーキットにおいて、上記シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、ISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上に0.5mg/cm2の付着量で画像を形成したときの画像濃度が0.8〜1.5であることを特徴とする静電荷像現像用トナーキットが提供される。
第三に、上記第一に記載の静電荷像現像用トナーキットにおいて、上記シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、重量平均径(D4)が6μm以上12μm未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナーキットが提供される。
第四に、上記第一に記載の静電荷像現像用トナーキットにおいて、上記シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、該トナーを製造するに当り、予め着色剤2重量部に対し樹脂1〜4重量部で混練してマスターバッチを作製し、該マスターバッチを用いて作製したトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナーキットが提供される。
第五に、上記第一ないし第四のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーキットを装填したことを特徴とする電子写真方式のフルカラー画像形成装置が提供される。
第六に、静電荷像現像用トナーキットを装填した電子写真方式のフルカラー画像形成装置において、ISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上に形成される画像が、シアンのベタ画像では、L*=54.0、a*=−37.0、b*=―50.0に対して色差ΔEが5.0以内の色であり、マゼンタのベタ画像では、L*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に対して色差ΔEが8.0以内の色であり、イエローのベタ画像では、L*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に対して色差ΔEが6.0以内の色であることを特徴とする電子写真方式のフルカラー画像形成装置が提供される。
以上のように請求項1の静電荷像現像用トナーキットによれば、ノンコート紙上で、彩度の高い部分で標準的なオフセット印刷と同等の色が得られ、かつ標準的なオフセット印刷と同等の色再現範囲を持ち、また標準的なオフセット印刷と同等の画像を再現することができる。
請求項2の静電荷像現像用トナーキットによれば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、ISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上に0.5mg/cm2の付着量で画像濃度が1.5以下であることから、トナーの着色度が良くノンコート紙上で、高い発色を得ることができる。
請求項3の静電荷像現像用トナーキットによれば、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、重量平均径(D4)が6μm以上12μm未満であることから、単位面積当りのトナー粒子の個数が適切で、画像乱れがなく、かつ解像度の高い画像を得ることができる。
請求項4の静電荷像現像用トナーキットによれば、トナーを製造するに当り、予め着色剤2重量部に対し樹脂1〜4重量部で混練してマスターバッチを作製し、該マスターバッチを用いて作製したトナーであることから、着色剤が樹脂中によく分散し、透明性が高く発色の良いトナーを得ることができる。
請求項5のフルカラー画像形成装置によれば、上記本発明のトナーキットを用いたことから、ノンコート紙上で、彩度の高い部分でオフセット印刷と同等の色を得ることができ、かつ標準的なオフセット印刷と同等の色再現範囲を持ち、標準的なオフセット印刷と同等の画像をノンコート紙上で再現することができる。
請求項6のフルカラー画像形成装置によれば、形成される画像がオフセット印刷の標準色となっているシアン、マゼンタ、イエローの3色と同等の色と規定したことから、ノンコート紙上で、彩度の高い部分でオフセット印刷と同等の色を得ることができ、かつ標準的なオフセット印刷と同等の色再現範囲を持ち、標準的なオフセット印刷と同等の画像をノンコート紙上で再現することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
フルカラー電子写真方式の画像形成方法では、デジタル処理を用いるのが主流である。以前は、アナログのフルカラー複写機が使用されたこともあったが、原稿から反射光を色フィルターに通して感光体上に結像して露光を行なっていたので、色フィルター特性、トナーの色特性、感光体/現像のγ特性により、全域での色再現は満足の行くものではなかった。
デジタル処理を用いたフルカラーの電子写真方式の画像形成方法は、レーザーまたはLEDなどにより、感光体に書込みを行い静電潜像を作り、それに単色のトナーを現像することにより、単色画像を得ている。これをシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のトナーで現像を行ない、4色の画像を最終的に紙などの支持体に重ね、熱などによりトナーを支持体に定着することによりフルカラー画像を得ている。
一般的なデジタル処理では、予め、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックをその画像形成装置が使用する画像処理に従って色々な付着量で重ねた画像を出力し、その測色データをマトリックス構造として保持している。プリンターであれば、コンピュータからの色の指示、複写機であれば、スキャナーからの色を元に、前記のマトリックスデータから、その色が再現できるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの付着量を補間して決め、任意の色を精度よく再現している。但し、高い彩度の色では、トナー個別の色特性が重要になり、再現できない色が多く発生している。
彩度が高い色が、再現できないのはトナーの色に起因している。トナーの色は、トナーに使用されている色材に大きく依存しており、その色材についても工業的には限られた特性の物しかなく、紙上に展開し減色法として使用するに当り、理想的な波長吸収特性からはずれている。
このため、トナーの色によって、再現できる色の範囲はある程度決まってしまう。特にコンピュータのディスプレー上のカラー画像は、加色法により生成しているので、本発明の電子写真方式の画像形成装置では、高い彩度の色で、再現できない色が多く存在する。
また、電子写真方式のフルカラー画像形成装置であるフルカラー複写機やフルカラープリンタでは、機械毎にトナーに使用される色材、更に色材の分散方法、紙上での画像の表面性が異なり、最終的に出力された画像の色が大きく異なっている。特に、高い彩度の部分であるシアン、マゼンタ、イエローの単色を用いた画像や、シアンとマゼンタの2色、マゼンタとイエローの2色、シアンとイエローの2色を重ねた画像の色は、画像形成装置で大きく異なっている。
これまで述べたことについては、減色法で色再現しているオフセット印刷でも同様であり、高い彩度の部分では、再現できない色が多く存在する。また、オフセット印刷についても、インクの種類や印刷条件により、再現できる色の範囲は大きく異なる。しかし、オフセット印刷では、インクおよび印刷条件について、ISO12647−2(1996)やJapan Color等で標準が定められ、再現できる色の範囲が決められ、この標準に従えば、どのようなオフセット印刷を使用してもほぼ同等の出力が得られ、可搬性の部分で利便性が向上している。
電子写真方式の画像形成は、オフセット印刷に比較して、画像形成装置が小型で且つ安価であり、更に出力時にマスターの作製がなく、瞬時に色々な異なった画像を簡単に得られる。このため、オフィスなどへの普及が進んでいる。しかし、オフセット印刷のインクに比較して、トナーの粒径が大きいため、解像度の点などで、オフセット印刷には及ばない。このような、使用環境や印刷品質のため、電子写真方式の画像出力では、紙はノンコートである普通紙が一般的に多く用いられている。また、ビジネスユースが多く、テカリのあるコート紙よりも、光沢がない普通紙での使用が好まれている。また、価格的にも普通紙が有利である。
一方、オフセット印刷は、高精細な画像や再度の高い発色性を発揮させる為、通常はコート紙への印刷が主である。特にISO12647−2(1996)の用紙タイプ1が標準的なものである。オフセット印刷はノンコート紙へ印刷すると、インク層が薄いため、紙の繊維の隙間へインクが入らずにかすれたり、紙の凹凸により、画像が無光沢になり発色が悪くなる。このため、オフセット印刷では、用紙タイプ4のノンコート紙の標準が規定されているが、一般的には多く使用されていない。
本発明は、オフセット印刷のコート紙である用紙タイプ1での標準色となっている色に対して、ノンコート紙である用紙タイプ4上で同等の発色性を有するトナーを使用することを要点としている。このトナーを使用し、適切な画像形成を行なうことにより、ノンコート紙上で、彩度の高い部分でISO12647−2(1996)に準じたコート紙上のオフセット印刷と同等の色を得ることが出来る。特に本発明のシアン、マゼンタ、イエロートナーを使用することにより、単色ベタ画像はオフセット印刷と同等の色がでる。また、シアンとマゼンタの2色、マゼンタとイエローの2色、シアンとイエローの2色を重ねた色の画像もオフセット印刷とほぼ同等の色が得られる。また、他の彩度の高い色についてもオフセット印刷とほぼ同等の色が得られる。また、彩度が低い部分についても、デジタル処理を行なうことにより、問題なく同等の色が得られる。
本発明を用いることにより、フルカラー電子写真方式の画像形成を用いたプリンターでは、標準的なオフセット印刷と同等の色再現範囲を持ち、標準的なオフセット印刷と同等の画像をノンコート紙上で再現できる。また、フルカラー電子写真方式の画像形成を用いたカラー複写機では、標準的なオフセット印刷の画像を複写した場合、同等の色再現範囲を有しているため、忠実な色再現が可能な複写画像を形成することが可能となる。
次に本発明のトナーに使用される原材料について説明する。
本発明のトナーは、少なくとも着色剤とバインダー樹脂からなり、重量平均径(D4)が1〜15μmの粒子である。樹脂に関しては公知のものが全て使用可能であり、それらを以下に例示する。
ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本発明に使用するトナーには必要に応じ荷電制御剤、離型剤、外添剤を含有させることもできる。
荷電制御剤としては公知のものが全て使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、E−304、X−11、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415、サリチル酸系金属錯体のTN−105(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
本発明において補強の荷電制御剤の使用量は、荷電制御剤量、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.3〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
本発明のトナーに用いるワックスとしては、その融点が40〜120℃のものが好ましく、特に50〜110℃のものが好ましい。ワックスの融点が120℃より高いときには低温での定着性が不足する場合があり、一方融点が40℃より低いときには耐オフセツト性、耐久性が低下する場合がある。なお、ワックスの融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
本発明において用いることができるワックスとしては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。特に、環球法による軟化点が70〜150℃のポリオレフィンが好ましく、さらには当該軟化点が120〜150℃のポリオレフィンが好ましい。
本発明のトナーに用いる外添剤は、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5μm〜2μmであることが好ましく、特に5μm〜500μmであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、酸化チタン、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体や、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ナイロンなどの重縮合系樹脂、熱硬化性樹脂の重合体粒子も用いることができる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤などが好ましい表面処理剤として挙げられる。
さらに、本発明のトナーには、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにクリーニング性向上剤を含有させることができ、このようなクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造されたポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
本発明のシアン、マゼンタ、イエロートナーに使用する樹脂、荷電制御剤、離型剤、外添剤の色は、無色透明、半透明、白色、薄い色の半透明、薄い色がよい。本発明のシアン、マゼンタ、イエロートナーは、彩度が高いことが必要であるため、着色剤以外の色は、色が薄く、色が濁りにくくする必要がある。
本発明のトナーに使用できる着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。本発明では、これらの着色剤を単独、もしくは2つ以上混ぜて、本発明のトナーの色となるように調色する。
本発明のシアントナーは、シアントナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=54.0、a*=−37.0、b*=−50.0に対して色差ΔEが5.0以内の色をとり得るものである。
この色を得るためには、着色剤が重要となる。オフセット印刷の色と同等とするため、オフセット印刷で使用されている着色剤と同系統のものが好ましい。具体的には、銅フタロシアニン顔料系で、C.I.Pigment Blue 15、C.I.Pigment Blue 15-1、C.I.Pigment Blue 15-2、C.I.Pigment Blue 15-3、C.I.Pigment Blue 15-4等が挙げられる。
本発明のマゼンタトナーは、マゼンタトナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に対して色差ΔEが8.0以内の色をとり得るものである。
この色を得るためには、着色剤が重要となる。オフセット印刷の色と同等とするため、オフセット印刷で使用されている着色剤と同系統のものが好ましい。具体的には、顔料系の着色剤で、C.I.Pigment Red 57-1、C.I.Pigment Violet 19、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Red 146、C.I.Pigment Red 147、C.I.Pigment 176、C.I.Pigment Red 184、C.I.Pigment Red 185、C.I.Pigment 269等が挙げられる。
本発明のイエロートナーは、イエロートナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に対して色差ΔEが6.0以内の色をとり得るものである。
この色を得るためには、着色剤が重要となる。オフセット印刷の色と同等とするため、オフセット印刷で使用されている着色剤と同系統のものが好ましい。具体的には、顔料系の着色剤で、C.I.Pigment Yellow 14、C.I.Yellow 17、C.I.Pigment Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.Yellow 151、C.I.Pigment Yellow 155、C.I.Pigment Yellow 154、C.I.Pigment Yellow 180等が挙げられる。
本発明のブラックトナーは、特に色の規定がない。これは、電子写真によるフルカラー画像とオフセット印刷による画像では、解像度等の問題より、画像処理方法が異なっており、ブッラクの部分についても、無理に色を合せる必要もない。また、日本のオフセット印刷の標準であるJAPAN COLORの色見本では、用紙タイプ1でISO12647−2にあっていない。特に、彩度の低い色の再現の場合では、ほとんどの色を再現できるので特に問題がない。但し、ブラックトナー単独の色もオフセット印刷に合せた方が好ましい。具体的には、ブラックトナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=18.0、a*=0.0、b*=−1.0に対して色差ΔEが4.0以内の色をとり得るものが好ましい。ブラックトナーの着色剤として、もっと有効に使用できるものは、カーボンブラック、酸化鉄、酸化金属、酸化複合金属等が挙げられる。また、上記は黒色顔料であるが、必要に応じて、他の補色剤を使用することも出来る。
シアン、イエロー、マゼンタトナーの着色剤に顔料を使用した場合、トナー中で顔料が凝集したり、顔料粒径が200nm以上である場合は、トナーが不透明になり、画像の彩度が低下し、画像が上記の色をとり得ることが不可能となる。トナーまたはインクによる画像の発色は、トナー層またはインク層を光が抜けて、紙上で反射して、またトナー層またはインク層を光が抜けて、目に入る。このとき、トナー層もしくはインク層を光が抜ける際に、特定の吸収波長を吸収し、特定の非吸収波長の光を通すため、非吸収波長の色が発色する。このとき顔料粒子が大きかったり、顔料が凝集していると、特定の非吸収波長の光までが吸収されたり、乱反射して、非吸収波長の光が弱まり、色の彩度が低下する。特に、トナーを使用して出来た画像は、オフセット印刷画像のインク層に比較して、トナー層は厚くなるため、顔料の分散を上げ、光が紙上まで十分に届くようにする必要がある。
そこで本発明では、顔料をトナー中の結着樹脂に分散させ、顔料の1次粒径が200nm以下、更には150nm以下にすることが好ましい。また、画像の彩度が低下する場合は、染料を着色剤として、単独または混合して使用してもよい。一般的に染料は透明性が高く、顔料に比較して画像の彩度が高くなる。特にシアントナーでは、分散が悪かったり、顔料粒径が大きくなり、本発明のトナーの色よりも赤みが強くなる。本発明のトナーを得るには、顔料分散を良好にして、顔料1次粒径が30〜120nmの顔料を使用するのが好ましい。
本発明では、顔料の分散を上げるのに、予め着色剤2重量部に対し樹脂1〜4重量部とで混練したマスターバッチを使用したことが特徴である。顔料と少量の樹脂で混練することにより、トナー作製時にはとりえないような高分散を行なえる条件で顔料を分散することが出来る。顔料と少量の樹脂で混練することにより、粘度が上昇し、顔料自体に掛かる剪断力を上げて、凝集した顔料同士を分離することが出来る。また、剪断力が掛かるように、樹脂の粘度と混練温度を調整することにより、最適な条件に出来る。予め着色剤2重量部に対し樹脂1〜4重量部とで混練する際には、必要に応じてアセトン、トルエン、MEKなどの有機溶剤や水などを加えて、分散の補助をしてもかまわない。また、必要に応じて、界面活性剤などの分散剤を使用してもかまわない。
分散機については、2本ロール、3本ロール、フラッシング装置、2軸型連続混練機、1軸型連続混練機等、既存のものが使用できる。
高分散化したマスターバッチを使用すると、予め顔料が樹脂で分散されているので、顔料が容易にトナーバインダー樹脂中に分散し、透明性が高く発色のよいトナーが得られる。
紙上に形成された画像の色は、トナーの着色剤以外に、画像表面の光沢、トナー付着量、紙の色にも大きく依存する。本発明のトナーの画像の色を得るには、この光沢、トナー付着量の制御も重要となる。
画像表面の光沢が高いほど、画像表面で光が乱反射されることがなく、光がトナー層を通過し易くなり、彩度が高くなる。本発明のISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像は、光沢を20〜90%、更に好ましくは40〜80%に制御すると良い。
画像の光沢制御は、一般的には、トナーを紙上で加熱溶融して、紙に定着を行なう工程で行なう。実際には、加熱したローラやフィルムなどにトナーが載った紙を押し当て、トナーを加熱溶融して定着を行なっている。トナーのバインダー樹脂を十分に溶かし、加熱ローラやフィルムの表面が滑らかで離型性が高ければ、画像表面は平滑になり光沢度が上がる。加熱ローラやフィルムを弾性のあるものにすることによって、トナーとローラやフィルム面が密着し、トナーが十分に溶け、光沢が増す。また、ローラやフィルム表面の離型性が高くなるように、シリコーンやフッ素樹脂を用いたり、シリコーンオイルなどの離型剤を塗ることによっても、トナー表面が平滑になり光沢度が増す。また、トナーのバインダー樹脂に、定着温度で溶融粘度が低くなるものを使用することによっても、画像表面が十分に滑らかになり、光沢性を上げることが出来る。また、トナーに離型剤などのワックスが含まれている場合には、ワックスの影響により低光沢になるが、ワックスなどの分散をあげてトナー中に微細にワックスを微分散することによって、光沢が上がる。逆に低光沢画像を得るには、定着時にトナーの溶融粘度が高くなるようにして、画像表面が滑らかにならないように、定着温度を下げたり、トナーバインダーに高分子量成分の樹脂を混ぜたりする。
また、トナーの付着量により、画像の色は変化する。ある一定のトナー付着量までは、トナー付着量を増加することにより、画像濃度は大きくなり、彩度は高くなる。本発明では、シアン、マゼンタ、イエロートナー単独のベタ画像を、画像濃度が、1.5〜1.7になるようなトナーの付着量を合せるとよい。
本発明では、ノンコート紙であるISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上で、高い発色が必要である。このため、紙上の凹凸をトナー層で埋めて、光沢ある画像を得る必要がある。すなわち、トナーの付着量は単色ベタ画像で、0.5mg/cm2以上が好ましい。このため、トナーの着色度は、付着量0.5mg/cm2で、各色の画像濃度が0.8〜1.5が好ましい。これは、トナー中の着色剤濃度をある程度小さく調整することによって達成できる。
本発明では、先ほども述べた通り、トナーの付着量を単色ベタ画像で、0.5mg/cm2以上が好ましい。トナーの重量平均径(D4)が6μm以下の場合は、単位面積当りのトナー粒子の個数が多くなり、トナー層が崩れ易く、チリなどの画像の乱れが生じる。またトナーの重量平均径(D4)が12μm以上の場合は、粒径が大きく解像度の高い画像が得られない。このため、トナーの重量平均径(D4)は6μm以上が好ましく、更に好ましくは、6μm〜12μm未満である。
本発明の色(L*、a*、b*)の測定方法は、X−Rite社製のX−Rite 938を使用して、D50光源、2度視野、裏当て黒の条件で行なった。
本発明の画像の測定方法は、X−Rite社製のX−Rite 938を使用して、status−A、裏当て黒の条件で行なった。
また、光沢度の測定は、村上式光沢度計 TAPPI T480om−90を使用して、60度の条件で測定を行なった。
本発明のトナー粒径の測定はコールターカウンター法により行なった。
コールターカウンター法によるトナー粒子の粒度分布の測定装置としては、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)が挙げられる。以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
電子写真方式を用いたフルカラー画像形成では、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用い、4色のトナーを最終画像保持体である紙やシート等の上で重ねる必要がある。4色のトナーを重ねる方法は次の2つの方法が主に用いられている。
1つ目は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーにより静電潜像保持体上の潜像を単色づつ現像し、各色順番に静電潜像保持体から最終画像保持体へトナー転写し、画像最終保持体上へ直接4色のトナーを重ねる方法である(以下、直接転写方式と述べる。)。
2つ目は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーにより静電潜像保持体上の潜像を単色づつ現像し、各色順番に静電潜像保持体から中間画像保持体へトナー転写し、中間画像保持体上で4色のトナー画像を重ね、該画像を中間画像保持体から最終画像保持体に転写する方法である(以下、中間転写方式と述べる。)。
上記、2つの方法とも最終画像保持体上のトナーは熱または圧力などにより、最終画像保持体へ固定化される。
直接転写方式では、各色毎に別々の静電潜像保持体を用いる方法、または1つの静電潜像保持体を用い4色のトナーで順次現像し、最終画像保持体を円柱等に固定し最終画像保持体に転写する方法がある。また、各色毎に別々静電潜像保持体を用いる方法は高速な出力が可能となる。ただし、潜像保持体を4色個別に持つため、4色重ねたときの色ずれの制御が必要である。特に熱膨張により作像機本体が変形するため、ある程度の間隔で、色ずれ補正を行なうのが一般的である。また、1つの静電潜像保持体を用い4色のトナーで順次現像し、最終画像保持体を堅い円柱等に固定し最終画像保持体転写する方法は、色ずれに対して精度がよい。円柱等へ最終画像保持体を固定するため最終画像保持体の形、大きさ、堅さ等に制約が多くなる。また、最終画像保持体を固定する円柱等を機械内部に持つため、機構が複雑になる。
中間転写方式では、1つの静電潜像保持体を用い4色のトナーで順次現像し、中間画像保持体上へ転写する方法が多く用いられている。この方法は、色ずれに対して精度がよく、画像中間保持体にベルト等を用いるとマシンレイアウトに自由度があがる。また、中間転写方式では、4色それぞれに静電潜像保持体を用い、中間画像保持体上へ転写し、最終画像保持体へ転写する方式もある。この方式も高速な出力が可能となるが、直接転写方式と同様で、色ずれが発生し易く、色ずれの補正を行なうのが一般的である。中間転写方式は、画像を2回転写するため、直接転写方式に比較して、画像が乱れる可能性が高くなる。
いずれの方法によってもフルカラー画像を得るには、トナーを静電潜像保持体から最終画像保持体もしくは静電潜像保持体から中間画像保持体体上にトナーを転写し、4色のトナーを積み重ねる必要がある。
感光体へのトナー現像方法には、大きく分けて、1成分方式と2成分方式があるが、本発明では、どの方式を用いてもかまわない。
以下に本発明を実施例によって説明する。
これら実施例は、本発明の一例に過ぎず、本発明は実施例によって限定されるものではない。
以下のポリエステル樹脂は、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、テレフタル酸、コハク酸をモル比1:1:1:1で合成したものを使用した。数平均分子量3400、重量平均分子量12500、Tg59℃であった。
シアントナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
シアン顔料(pigment blue 15-3 顔料1次粒径 90nm) 4部
オリエント化学工業社製E−84 2部
マゼンタトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
マゼンタ顔料(pigment red 184 顔料1次粒径 90nm) 5部
オリエント化学工業社製E−84 2部
イエロートナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
イエロー顔料(pigment yellow 185 顔料1次粒径 100nm) 8部
オリエント化学工業社製E−84 2部
ブラックトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
ブラック顔料(カーボンブラック) 5部
オリエント化学工業社製E−84 2部
上記材料のうち、顔料、ポリエステル樹脂、純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)5μmの粉体を作った。
シアントナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
シアン顔料(pigment blue 15-3 顔料1次粒径 60nm) 2部
オリエント化学工業社製E−84 2部
マゼンタトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
マゼンタ顔料(pigment Violet 19 顔料1次粒径 100nm) 5部
オリエント化学工業社製E−84 2部
イエロートナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
イエロー顔料(pigment yellow 180 顔料1次粒径 90nm) 4部
オリエント化学工業社製E−84 2部
ブラックトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
ブラック顔料(カーボンブラック) 3部
オリエント化学工業社製E−84 2部
上記材料のうち、顔料、ポリエステル樹脂、純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)8μmの粉体を作った。
シアントナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
シアン顔料(pigment blue 15-2 顔料1次粒径 110nm) 6部
オリエント化学工業社製E−84 2部
マゼンタトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
マゼンタ顔料(pigment red 122 顔料1次粒径 100nm) 8部
オリエント化学工業社製E−84 2部
イエロートナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
イエロー顔料(pigment yellow 74 顔料1次粒径 160nm) 8部
オリエント化学工業社製E−84 2部
ブラックトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
ブラック顔料(カーボンブラック) 6部
オリエント化学工業社製E−84 2部
上記材料のうち、顔料、ポリエステル樹脂、純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)5μmの粉体を作った。
シアントナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
シアン顔料(pigment blue 15-3 顔料1次粒径 150nm) 2部
オリエント化学工業社製E−84 2部
マゼンタトナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
マゼンタ顔料(pigment red 185 顔料1次粒径 100nm) 3部
オリエント化学工業社製E−84 2部
イエロートナー処方:
ポリエステル樹脂 100部
イエロー顔料(pigment yellow 17 顔料1次粒径 120nm) 4部
オリエント化学工業社製E−84 2部
ブラックトナー処方:
ポリエステル 100部
ブラック顔料(カーボンブラック) 3部
オリエント化学工業社製E−84 2部
上記材料のうち、顔料、ポリエステル樹脂、純水を1:1:0.5の割合で、混合し、2本ロールにより混練した。混練を70℃で行い、その後、ロール温度を120℃まで上げて、水を蒸発させマスターバッチを予め作製した。
作製したマスターバッチを使用して、上記処方と同じになるように材料を混ぜ、2本ロールで溶融混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕後、エアージェット粉砕機で微粉砕し得られた微粉末を分級して重量平均粒径(D4)5μmの粉体を作った。
上記実施例1、2および比較例1、2で得たトナーキットをリコー製カラーレーザープリンターIPSIO CX−8200に装填し、ノンコート紙である用紙タイプ4に画像を出力した。
シアンのベタ画像がL*=54.0、a*=−37.0、b*=−50.0に、マゼンタのベタ画像がL*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に、イエローのベタ画像がL*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に、ブラックのベタ画像がL*=18.0、a*=0.0、b*=−1.0に近づくように、トナー付着量と画像光沢を調整した。
トナー付着量の制御は、感光体の帯電バイアス、現像バイアス、トナー濃度を制御して行なった。また、画像の光沢制御は、定着温度を変化させ制御した。
評価として、マゼンタのベタとイエローのベタを重ねたレッドのベタ画像、シアンのベタとイエローのベタを重ねたグリーンのベタ画像、シアンのベタとマゼンタのベタを重ねたブルーのベタ画像を出し、ISO12647−2(1996)の標準のオフセット印刷の色との色差ΔEを測定した。
ISO12647−2(1996)の標準のオフセット印刷の色は下記の通りである。
ISO12647−2(1996)の用紙タイプ1に印刷した場合は、レッドのベタ画像は、L*=48.0、a*=65.0、b*=45.0、グリーンのベタ画像がL*=49.0、a*=−60.0、b*=30.0、ブルーのベタ画像がL*=26.0、a*=22.0、b*=−45.0である。
次に、評価結果を表1に示す。
Figure 2005283916
表1から実施例1および実施例2のトナーでは、レッド、グリーン、ブルーのベタ画像がオフセット印刷の標準色との色差ΔEが小さく、ほぼ同等の色が得られていることが分かる。
また、ISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上に0.5mg/cm2の付着量で出来る画像の濃度を示す。
Figure 2005283916
表2から実施例2の画像濃度は1.5以下であることが分かる。実施例2はトナーの着色度が実施例1に比べて低く、ベタ画像を形成した場合にトナー付着量が多くなる。このためノンコート紙の凹凸をより隠すことができ、画像の光沢が上がり、ΔEが実施例1よりさらに小さくなった。

Claims (6)

  1. 電子写真方式のフルカラー画像形成システムに使用されるシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーからなる静電荷像現像用トナーキットであって、
    該トナーは、少なくとも着色剤とバインダー樹脂からなり、
    該シアントナーは、シアントナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=54.0、a*=−37.0、b*=−50.0に対して色差ΔEが5.0以内の色をとり得るトナーであり、
    該マゼンタトナーは、マゼンタトナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に対して色差ΔEが8.0以内の色をとり得るトナーであり、
    該イエロートナーは、イエロートナー単独でISO12647−2(1996)の用紙タイプ4に形成される画像の色が、L*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に対して色差ΔEが6.0以内の色をとり得るトナーであり、
    前記3色のトナーにブラックトナーを組み合わせたことを特徴とする静電荷像現像用トナーキット。
  2. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーキットにおいて、
    前記シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、ISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上に0.5mg/cm2の付着量で画像を形成したときの画像濃度が0.8〜1.5であることを特徴とする静電荷像現像用トナーキット。
  3. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーキットにおいて、
    前記シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、重量平均径(D4)が6μm以上12μm未満であることを特徴とする静電荷像現像用トナーキット。
  4. 請求項1記載の静電荷像現像用トナーキットにおいて、
    前記シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの各トナーが、該トナーを製造するに当り、予め着色剤2重量部に対し樹脂1〜4重量部で混練してマスターバッチを作製し、該マスターバッチを用いて作製したトナーであることを特徴とする静電荷像現像用トナーキット。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーキットを装填したことを特徴とする電子写真方式のフルカラー画像形成装置。
  6. 請求項5記載の電子写真方式のフルカラー画像形成装置において、
    ISO12647−2(1996)の用紙タイプ4上に形成される画像がシアンのベタ画像では、L*=54.0、a*=−37.0、b*=―50.0に対して色差ΔEが5.0以内の色であり、
    マゼンタのベタ画像では、L*=47.0、a*=75.0、b*=−6.0に対して色差ΔEが8.0以内の色であり、
    イエローのベタ画像では、L*=88.0、a*=−6.0、b*=95.0に対して色差ΔEが6.0以内の色であることを特徴とする電子写真方式のフルカラー画像形成装置。
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