JP2013020115A - 電子写真用トナーセット及び画像形成方法、装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、山吹色トナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、該マゼンタトナーのマゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を主成分とした着色剤を用いており、該イエロートナーのL*a*b*表色系による色相角(h)が93°≦h≦100°であり、該山吹色トナーのL*a*b*表色系による色相角(h)が60°≦h≦85°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。
【選択図】なし
Description
また、省エネルギー・トナーの小粒径化などの前述した粉砕トナーでは達成が困難である課題に対応する為、懸濁重合法、乳化重合法、溶解樹脂懸濁法などによるケミカルトナーが一般的になってきている。
フルカラー画像を形成するに際してのトナーの現像順序に限定はないが例えば、原稿からの光を色分解フィルターを通して感光体上に露光するか、あるいはスキャナーで読み取った像をレーザーで感光体上に書き込み露光して、該感光体上にイエロー画像部の電気的潜像を形成する。
該電気的潜像をイエロートナーで現像して得られたイエロートナー画像を紙等の記録媒体に転写する。
次いで、同様の工程によりマゼンタトナー、シアントナー及びブラックトナーを用いて得られたマゼンタトナー画像、シアントナー画像及びブラックトナー画像を順次イエロートナー画像上に重ね合わせることにより、フルカラー画像が形成される。
一般の写真、カタログ、地図の如き画像の複写では、微細な部分に至るまで極めて微細に且つ忠実に再現することが求められており、それに伴い、色の鮮やかさに対する要求も高まっており、色再現範囲を拡張することが望まれている。
特に、印刷分野への進出が著しい昨今、電子写真方式においても印刷の品質と同等以上の高精細性が要求されるようになっている。
更に、赤色、青色、緑色のトナーを加えた7色のトナーを用いて、色域を拡大して微妙な色合いの再現を実現させた技術がある(例えば、特許文献2、3参照)。
オレンジトナーにより色再現範囲は大きく向上するが、同様に一般的な3色プロセスカラーでは表現が難しいとされているブルーの再現範囲の拡大は望めない。
(2)前記マゼンタ着色剤におけるC.I.ピグメントレッド122の含有比率が80質量%以上であることを特徴とする(1)に記載の電子写真用トナーセット
(3)前記山吹色トナーの着色剤としてC.I.ピグメントイエロー139を用い、前記イエロー着色剤としてC.I.ピグメントイエロー185を用いることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電子写真用トナーセット。
(4)トナーセットを構成するトナーが、少なくともポリエステルを主成分とする結着樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶媒に溶解懸濁したトナー組成液を水溶媒中に乳化又は分散させることにより得られたトナーであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真用トナーセット。
(5)(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーセットを構成する各トナーを磁性キャリアと混合して用いることを特徴とする電子写真用現像剤セット。
(6)(1)〜(4)のいずれかに記載のトナーセット又は請求項5に記載の現像剤セットを用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
(7)L*a*b*表色系による色座標において、イエロートナーa*よりもa*が小さい領域ではイエロートナーを山吹色トナーa*よりもa*が大きい領域では山吹色トナーを用いて2次色を表現する請求項1のトナーセットを用いた画像形成方法。
(8)少なくとも、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に静電荷像を形成させる帯電手段と、該静電潜像担持体に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する現像手段と、該静電潜像担持体に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、該現像剤が請求項1〜4のいずれかに記載のトナーセット又は(5)に記載の現像剤セットであることを特徴とする画像形成装置。
本発明のトナーセットは、少なくともブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、山吹色トナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、該マゼンタトナーのマゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を主成分とした着色剤を用いており、該イエロートナーのL*a*b*表色系による色相角(h)が93°≦h≦100°であり、該山吹色トナーのL*a*b*表色系による色相角(h)が60°≦h≦85°であることを特徴とする電子写真用トナーセットである。
本発明において「主成分とした」とは60質量%以上であることを示す。
マゼンタ着色剤のL*a*b*表色系による色相角(h)が340°≦h≦352°であることが好ましい。この色相角(h)にあることにより、2次色のRed、Blueともに彩度の高い色を表現可能となる。更に好ましいのは345°≦h≦352°である。
ブラックトナーの着色剤としてはカーボンブラックが代表的であり、必要に応じて前記シアン着色剤を混合して用いることがある。
特に着色剤を用いない透明トナーを用いることにより、ウォーターマークや光沢変調などの特殊な表面加工を施すことが可能となる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、通常使用される樹脂を適宜選択して使用することができ、2種類以上の樹脂を混合し用いることが可能であるが、溶剤に不溶なゲル成分が0.5%未満であることが好ましい。ゲル成分が含まれると定着された画像が低光沢となり色再現性が低下する。また、混合される樹脂の組成によりトナー形状やトナー中のWAX、顔料の位置などを制御することが可能となる。
(1)エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のモノオレフイン類;(2)ブタジエン、イソプレン等のポリエン類;(3)塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;(4)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;(5)ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;(6)ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;(7)N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;(8)、ビニルナフタリン類;(9)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等;(10)マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;(11)マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;(12)マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、アルケニルコハク酸モノメチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、メサコン酸モノメチルエステルの如き不飽和二塩基酸のモノエステル;(13)ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;(14)クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;(15)クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物;(16)該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物、アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマー;(17)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類;(18)4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルへキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマー。
その他、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物、ジメタクリレート化合物も挙げられる。ポリエステル型ジアクリレート類として、例えば、商品名MANDA(日本化薬社製)が挙げられる。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。
ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
また、ポリエステル系重合体、ビニル重合体とその他の結着樹脂を併用する場合、全体の結着樹脂の酸価が0.1〜50mgKOH/gである樹脂を60質量%以上有するものが好ましい。
結着樹脂前駆体としては、変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体が好ましく、イソシアネートやエポキシなどにより変性されたポリエステルプレポリマーを挙げることができる。これは、活性水素基を持つ化合物(アミン類など)と伸長反応し、離型幅(定着下限温度とホットオフセット発生温度の差)の向上に効果をおよぼす。
イソシアネート化剤としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
また、エポキシ化剤としては、エピクロロヒドリンなどをその代表例として挙げることができる。
前記結着樹脂前駆体は、重量平均分子量が1×104以上3×105以下であることが好ましい。
結着樹脂前駆体と伸長または架橋する化合物としては、活性水素基を有する化合物が挙げられ、その代表として、アミン類を挙げることができる。
アミン類としては、ジアミン化合物、3価以上のポリアミン化合物、アミノアルコール化合物、アミノメルカプタン化合物、アミノ酸化合物、および、これらのアミノ基をブロックした化合物などが挙げられる。
3価以上のポリアミン化合物としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノメルカプタン化合物としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸化合物としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックした化合物としては、前記アミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類のうち好ましいものは、ジアミン化合物およびジアミン化合物と少量のポリアミン化合物の混合物である。
変性ポリエステル系樹脂からなる結着樹脂前駆体を架橋及び/又は伸長反応させて得られる変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂は、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。これにより、低温定着性及び耐ホットオフセット性を向上させることができる。
このため、変性ポリエステル樹脂と未変性のポリエステル樹脂のポリオールとポリカルボン酸は、類似の組成であることが好ましい。
本発明のトナーには着色剤、結着樹脂の他に様々な機能を持たせる為に有機低分子物質が分散され添加されていてもよい。有機低分子物質の例としては、脂肪酸エステル、フタル酸等の芳香族酸のエステル、燐酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル、その他エステル、ベンジル、ベンゾイン化合物、ベンゾイル化合物等のケトン類、ヒンダードフェノール化合物、べンゾトリアゾール化合物、芳香族スルホンアミド化合物、脂肪族アミド化合物、長鎖アルコール、長鎖ジアルコール、長鎖カルボン酸、長鎖ジカルボン酸、などが挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
用いられる樹脂と有機低分子物質が有機低分子物質の溶融温度以上の温度にて相溶する場合、有機低分子物質は可塑剤として機能する。つまり、該有機低分子物質により樹脂の軟化速度が向上し低温定着性を有することとなる。この場合該有機低分子物質の溶融温度は120℃以下が好ましく、更に好ましくは80℃以下となる。溶融温度が120℃を超えると低温定着性に効果がなくなる。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
着色剤、結着樹脂、有機低分子以外の材料として、トナー粒子に流動性、現像性、帯電性等を付与するための外添剤として無機微粒子を使用することができる。
外添剤としての無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の前記トナーにおける含有量としては、0.01〜5.0質量%が好ましく、0.01〜2.0質量%がより好ましい。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合には、磁性キャリアと混合して用いればよく、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100質量部に対してトナー1〜10質量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系現像剤(磁性トナーあるいは非磁性トナー)としても用いることができる。
以下の記載における「部」は「質量部」を示す。
<イエローマスターバッチAの調製>
C.I.ピグメントイエロー185(BISFジャパン社製 D1155)100部、ポリエステルA(DIC社製 Tg61℃ Mw10000 主成分:ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、テレフタル酸)400部、イオン交換水30部をポリエチレン袋に投入し十分混合した後、該混合物をオープンロール混練機(ニーデックス 日本コークス工業社製)でフロントロール供給側90℃、排出側50℃、バックロール供給側30℃、排出側20℃、フロントロール回転数35rpm、バックロール回転数31rpm、ギャップ0.25mmにて2回通しで混練した後、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して、[イエローマスターバッチA]を調製した。
C.I.ピグメントイエロー185をC.I.ピグメントイエロー74とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[イエローマスターバッチB]を調製した。
<山吹色マスターバッチAの調製>
C.I.ピグメントイエロー185をC.I.ピグメントイエロー139とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[山吹色マスターバッチA]を調製した。
C.I.ピグメントイエロー185をC.I.ピグメントレッド122(DIC社製 RTS)とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[マゼンタマスターバッチA]を調製した。
<マゼンタマスターバッチBの調製>
C.I.ピグメントイエロー185 100部をC.I.ピグメントレッド122(DIC社製 RTS) 80部、C.I.ピグメントレッド269(DIC社製 1022) 20部とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[マゼンタマスターバッチB]を調製した。
<マゼンタマスターバッチCの調製>
C.I.ピグメントイエロー185 100部をC.I.ピグメントレッド122(DIC社製 RTS) 50部、C.I.ピグメントレッド269(DIC社製 1022) 50部とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[マゼンタマスターバッチC]を調製した。
C.I.ピグメントイエロー185をC.I.ピグメントブルー15:3(東洋インキ社製7919)とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[シアンマスターバッチA]を調製した。
<ブラックマスターバッチAの調製>
C.I.ピグメントイエロー185をカーボンブラック(CABOT社製 E400R)とした以外は[イエローマスターバッチA]と同様にして[ブラックマスターバッチA]を調製した。
上記で作製した各マスターバッチを濃度調整の為、表1の処方比でポリエステルA(花王社製RN−300)及びカルナウバワックス(セラリカ野田社製 WA−05)と混合し、その混合物をオープンロール混練機(ニーデックス 日本コークス工業社製)でフロントロール供給側100℃、排出側60℃、バックロール供給側40℃、排出側30℃、フロントロール回転数35rpm、バックロール回転数31rpm、ギャップ0.25mmにて2回通しで混練した後、パルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕し、更にジェットミルにて粉砕し、分級することにより体積平均粒径Dv6.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径が1.20となるトナー母体をそれぞれ作成した。
表中、「FT」は「粉砕トナー」であることを示し、「Y」、「山吹」、「M」、「C」及び「B」はそれぞれ「イエロートナー」、「山吹色トナー」、「マゼンタトナー」、「シアントナー」及び「ブラックトナー」を示す。
また、「A」、「B」及び「C」はそれぞれ「マスターバッチA」、「マスターバッチB」及び「マスターバッチC」を示す。
[ワックス分散液Aの調製]
次に、結着樹脂としての樹脂、およびワックスを添加した下記組成からなる分散液を調製した。
結着樹脂として後述するポリエステルB(SREX−005L Tg58℃ Mw7600 三洋化成社試作品)100質量部、パラフィンワックス(HPE−11)90質量部、マレイン酸変性パラフィンワックス(P−166)10質量部を、酢酸エチル300質量部に、着色剤分散液調製時と同じく、攪拌羽を有するミキサーを使用して、10分間攪拌を行い、分散させた後、ダイノーミルを用いて8時間分散を施して[ワックス分散液A]を得た。
上記で作製した各マスターバッチとワックス分散液とを濃度調整の為、表2の処方比で攪拌羽を有するミキサーを使用して溶解分散した後、ビーズミル(「ウルトラビスコミル」、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/s、および直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスして原料溶解液を調製した。
撹拌棒、および温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン79質量部、メタクリル酸79質量部、アクリル酸ブチル105質量部、ジビニルベンゼン13質量部、および過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。加熱して、系内温度75℃まで昇温し5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である[樹脂微粒子分散液]を得た。
イオン交換水306質量部、[樹脂微粒子分散液]60質量部、およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4質量部を混合撹拌し、均一に溶解させて水系媒体相(水系媒体)を調製した。
前記水系媒体200質量部を容器内に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)を用い、回転数10,500rpmで攪拌し、これに前記各色トナー組成液100質量部を添加し、2分間混合した後体積平均粒径Dv6.0μm、体積平均粒径/個数平均粒径が1.15±0.2となるよう回転数4500rpmにて任意の時間収斂させて、乳化乃至分散液([乳化スラリー])を調製した。
攪拌機、および温度計をセットしたコルベン内に、前記[乳化スラリー]100質量部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤して[分散スラリー]を得た。
前記[分散スラリー]100質量部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20質量部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子を得た。
上記により得られた各トナーを下記キャリアと混合して現像剤を製造した。
芯材として体積平均粒径35μmの球形フェライト粒子に、コート材としてのシリコーン樹脂とメラミン樹脂の混合物を被覆してキャリアを作製した。
上記各トナー10質量部と上記キャリア90質量部とをターブラミキサーで混合し、二成分現像剤を製造した。
上記それぞれの二成分現像剤セットについて、「Imagio Neo C350」(株式会社リコー製)を改造することにより作製した5つの現像機が中間転写ベルト上に並ぶタンデム型カラー画像形成装置にて、王子製紙社製PODグロスペーパーを用い、カラーチャートを出力し色再現範囲を評価した。その時の付着量は単色で0.35mg/cm2としており、この付着量で色再現範囲が最大を示すようトナー製造時に顔料比を調整してある。
その時の定着条件は定着速度90mm/sec、ニップ幅15mm、ニップ圧25N/cm2であり、色再現範囲評価の前に定着温度を100℃から10℃毎に上げていき、コールドオフセットが発生しない温度からホットオフセットが発生する温度までの定着温度幅を評価したところ、粉砕トナーセットが140℃から180℃であり、ケミカルトナーセットは120℃から230℃だった。また最大の色再現範囲を示した定着温度は粉砕トナーセットで180℃、ケミカルトナーセットも180℃で最大の色再現に達していた。
各定着温度180℃でのL*a*b*表色系の各色の座標を表4に示す。また、図1〜図6に実施例1〜6、比較例1〜6の現像剤セットで形成されたカラー画像のa*b*面の色再現範囲をオフセット印刷の標準色再現範囲となるジャパンカラーとの比較として示す。
測定値はX−rite社製分光濃度計 X−rite938にて測色した値より算出して求めた。
Claims (8)
- 少なくともブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、山吹色トナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、
該マゼンタトナーのマゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を主成分とした着色剤を用いており、
該イエロートナーのL*a*b*表色系による色相角(h)が93°≦h≦100°であり、該山吹色トナーのL*a*b*表色系による色相角(h)が60°≦h≦85°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。 - 前記マゼンタ着色剤におけるC.I.ピグメントレッド122の含有比率が80質量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真用トナーセット
- 前記山吹色トナーの着色剤としてC.I.ピグメントイエロー139を用い、前記イエロー着色剤としてC.I.ピグメントイエロー185を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用トナーセット。
- トナーセットを構成するトナーが、少なくともポリエステルを主成分とする結着樹脂、着色剤及び離型剤を有機溶媒に溶解懸濁したトナー組成液を水溶媒中に乳化又は分散させることにより得られたトナーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーセット。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のトナーセットを構成する各トナーを磁性キャリアと混合して用いることを特徴とする電子写真用現像剤セット。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のトナーセット又は請求項5に記載の現像剤セットを用いて画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
- L*a*b*表色系による色座標において、イエロートナーa*よりもa*が小さい領域ではイエロートナーを山吹色トナーa*よりもa*が大きい領域では山吹色トナーを用いて2次色を表現する請求項1のトナーセットを用いた画像形成方法。
- 少なくとも、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体に静電荷像を形成させる帯電手段と、該静電潜像担持体に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤で現像する現像手段と、該静電潜像担持体に形成されたトナー像を転写材上に転写する転写手段と、転写材上のトナー像を定着する定着手段とを有する画像形成装置であって、該現像剤が請求項1〜4のいずれかに記載のトナーセット又は請求項5に記載の現像剤セットであることを特徴とする画像形成装置。
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