JP2011008079A - 電子写真用トナーセット - Google Patents

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Abstract

【課題】各色トナーを混色した時の色再現性、耐光性、耐オゾン性が良好である電子写真用トナーセットを提供する。
【解決手段】イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、オレンジトナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、シアントナーが着色剤として金属フタロシアニン系化合物を含有し、L表色系による色相角(h)が180°≦h≦230°であり、該オレンジトナーがオレンジ着色剤として有機色素を含有し、L表色系による色相角(h)が10°≦h≦60°である電子写真用トナーセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真用トナーセットに関する。
近年、分光された光を感光体上に露光して原稿の静電潜像を形成せしめ、これを各色のカラートナーで現像して色付きの複写画像を得、あるいは各色の複写画像を重ね合わせてフルカラーの複写画像を得るカラー複写の方法が実用化され、これに用いるカラートナーとして、バインダー樹脂中に各色の着色剤を分散せしめてなるイエロー、マゼンタ、シアンなどのカラートナーが製造されている。
電子写真式カラー画像形成装置が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、その画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の写真、カタログ、地図の如き画像の複写では、微細な部分に至るまで極めて微細に且つ忠実に再現することが求められており、それに伴い、色の鮮やかさに対する要求も高まっており、色再現範囲を拡張することが望まれている。特に、印刷分野への進出が著しい昨今、電子写真方式においても印刷の品質と同等以上の高精細性が要求されるようになっている。
従来から電子写真用トナーに使用される着色剤としては、公知の有機顔料及び油溶性染料が使用されているが、それぞれに種々の欠点を有している。
例えば、有機顔料は油溶性染料に比べて一般的に耐熱性や耐光性に優れているが、トナー中において粒子状で分散された状態で存在するため、隠蔽力が強くなってしまい透明性が低下してしまう。また、一般に顔料の分散性は悪いため透明性が損なわれ、彩度が低下し、画像の色再現性を阻害する。また、色重ねされたトナーのうち最下層のものが、それより上層のものに隠蔽されず、最下層のトナーの色彩を視覚により確認することが可能となるようにするためには、定着されたトナーの透明性が必要とされ、原稿の色再現性を保つためには、着色剤の分散性や着色力が必要となる。
顔料の欠点を解消する方法としては、例えば、顔料分散の手法としてフラッシング法を用いることにより、凝集二次粒子のない一次粒子によるサブミクロンオーダーの顔料分散径を達成することにより、透明性を向上させる手段や、顔料粒子を結着樹脂及び外殻樹脂で被覆することにより、帯電性、定着性、画像均一性を改良する手段が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
しかしながら、これらに提案されているトナーによって出力した場合においても、顔料使用トナーの場合、未だ十分な色相、透明性を得ることは困難である。
また、カラー画像形成装置において、原理的には全ての色再現をイエロー、マゼンタ、シアンの3原色による減法混色により行うことができるが、現実には、熱可塑性樹脂に顔料を分散したときの分光特性、異なる色のトナー同士を重ね合わせた時の混色性によって、色再現可能な範囲や彩度が低下させられるので、原稿の色を忠実に再現することには、まだまだ課題が多く残されている。
フルカラーの画像は前述したように、重ね合わせた2色以上のカラートナーの混色により発色するため、バランスの取れた色相を得ることが必要であり、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のカラートナーにおける各顔料、及びその含有量を適宜選択したカラートナーセットが提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、ベタ部を濃い色のトナー(濃トナー)、ハイライト部はそれより濃度の薄いトナー(淡トナー)を用いて画像を形成する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
更に、赤色、青色、緑色のトナーを加えた7色のトナーを用いて、色域を拡大して微妙な色合いの再現を実現させた技術がある(例えば、特許文献5、6参照)。
しかし、これらの方法を用いても混色時の色再現性は未だに不十分である。
また、トナー単色ではなく各色のトナーを混色したときに起こる特有の問題として、例えば、マゼンタトナーとシアントナーを混色したときにシアントナーの耐光性が劣化するという現象が起こることがある。これはマゼンタ色素が吸収した光エネルギーがシアン色素に移動することに起因している。一般的にシアン色素としてフタロシアニン色素を用いると、耐光性が強いのでこのような現象は起こりにくい。
しかしながら、フタロシアニン系の色素は耐オゾン性が低いため、シアントナーと他のトナーを混色して印刷物の状態にしたときの耐光性と耐オゾン性を両立することが困難であるので、これらの特性を満足するトナーセットの開発が望まれている。
また、近年、CRTディスプレイや液晶ディスプレイ上での画像の画像処理、電子データによる入稿やパーソナルユース等でも表示装置上の画像をプリントする需要が急速に拡大しているが、当該分野における標準的な色空間であるsRGB(例えば、「Multimedia Systems and Equipment−Colour Measurement and Management−Part2−1:Colour Management−Default RGB Colour Space−sRGB」IEC”61966−2−1を参照)へ良好な対応ができ、高い色再現性を有するトナーセットが求められている。
特開平9−26673号公報 特開平11−160914号公報 特開2004−126248号公報 特開2000−347476号公報 特開2004−118020号公報 特開2004−142153号公報
本発明の第1の目的は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、各色トナーを混色した時の色再現性、耐光性、耐オゾン性が良好である電子写真用トナーセットを提供することを目的とする。本発明の第2の目的はCRT、液晶ディスプレイ等の表示装置の画面よりプリントを行った際に、sRGBへの対応が良好、即ち色再現域が拡大し高い色再現性を有する電子写真用トナーセットを提供することである。
本発明の上記目的は、以下の手段によって達成される。
1.少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、オレンジトナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、該シアントナーがシアン着色剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有し、L表色系による色相角(h)が180°≦h≦230°であり、該オレンジトナーがオレンジ着色剤として有機色素を含有し、L表色系による色相角(h)が10°≦h≦60°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。
Figure 2011008079
(式中、A11、A12、A13及びA14は5〜6員の芳香環または複素環を表す。R11、R12、R13及びR14は水素原子、または置換基を表す。o、p、q及びrは1〜4の整数を表す。MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、FeXを表す。XまたはYは水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。)
本発明の電子写真用トナーセットはトナーの製造方法を問題にすることなく、混色時の色相を良好なものとし、更に画像の耐光性、耐オゾン性に優れた効果を有する。また、各種ディスプレイ上の画像をプリントした際の色調調整が良好で、高い色再現性を持っている。
本発明者等は上記の課題を解決するため鋭意検討を行った結果、シアン着色剤として一般式(1)で表される特定構造を有し、L表色系(CIELAB色空間とも言う)による色相角(h)が180°≦h≦230°であることを特徴とするシアントナー、及びオレンジ着色剤として有機色素を含有し、L表色系による色相角(h)が10°≦h≦60°であるオレンジトナーを含有することで、トナーの製造方法を問題にすることなく、混色時の色相を良好なものとし、更に画像の耐光性、耐オゾン性に優れた電子写真用トナーセットを発明するに至った。
シアン着色剤とは、該着色剤を含有するシアントナーを調製し、画像を形成した場合においてシアン色調となりうる着色剤である。
本発明において用いられるシアントナーは、シアン着色剤として前記一般式(1)で表され、且つシアントナー単色として色相角が180°から230°の範囲であり、好ましくは200°から220°の範囲を示すことが特徴である。
本発明において用いられるオレンジトナーは、オレンジ着色剤として有機色素を含有し、単色として色相角が10°から60°の範囲であり、好ましくは20°から50°の範囲を示すことが特徴である。
画像の色相の測定は、紙、プラスチック製シート等の任意の白色(L値が90以上、且つC値が7以下)基体上に形成されたトナー画像にて行う。測定には、色彩計「SPM50」(グレタグ製)を用い、トナーの付着量等を制御して、トナー画像のL値を40〜60の範囲になるように調整する。測定条件は、測定光D50、視野角2°とする。測定によって得られるa値及びb値を用い、h=tan−1(b/a)より、色相角度(h)を算出する。
まず、本発明に用いられるシアントナーに含有することのできるシアン着色剤について説明する。
シアン着色剤とは、該着色剤を含有する電子写真用トナーを調製し、画像を形成した場合において、シアン色調となりうる着色剤である。該着色剤は染料であってもよく、顔料であってもよい。
前記一般式(1)で表される化合物について説明する。
前記一般式(1)におけるA11、A12、A13及びA14は5〜6員の芳香環または複素環を表し、具体的には芳香環としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル等を形成する環を挙げることができ、複素環としてはフリル、ベンゾフラニル、チエニル、ピロリル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、ベンゾオキサゾリル、フタラジル、ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、ピペラジル、トリアジル、チアピラニル、キサンテニル、キノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、ペリミジニル、アザフェナレン等を形成する環を挙げることができる。これらには脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。
A11、A12、A13及びA14で表される5〜6員の芳香環または複素環は、6員環を形成することが好ましく、フェニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジルがより好ましく、フェニル、ピリジルが最も好ましい。
前記一般式(1)におけるR11、R12、R13及びR14は、水素原子、または置換基を表し、該置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素基(アリール基とも言う)(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(チオアリール基とも言う。例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
11、R12、R13及びR14として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシル基であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基であり、最も好ましくは水素原子アルキル基である。
11、R12、R13及びR14が各々複数存在する場合は、複数のR11、R12、R13及びR14は各々同一でも異なっていてもよい。
o、p、q及びrは0〜4の整数を表す。
Mは、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、Sn、VX、SiXY、SnXY、AlX、FeXを表す。より好ましくはMg、Fe、Co、Ni、Zn、SiXYであり、最も好ましくはZn、SiXYである。
XまたはYは水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。好ましくは酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シロキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基を表し、より好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シロキシ基、アリールオキシ基を表す。これらの例としては、上述した前記一般式(1)におけるR11、R12、R13及びR14で表される置換基の説明の該当する例を挙げることができる。
前記一般式(1)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
下記一般式(A−1)で表されるフタロシアニン化合物は、その合成時において不可避的に置換基R(n=1〜16、Rは単に置換基を意味していて、Rの全てが同一種の置換基であることを意味しない)の置換位置(R:1位〜R16:16位とここで定義する)異性体を含む場合があるが、これら置換位置異性体は互いに区別することなく同一誘導体として見なしている場合が多い。また、置換基に異性体が含まれる場合もこれらを区別することなく、同一のフタロシアニン化合物として見なしている場合が多い。
Figure 2011008079
本明細書中のフタロシアニン化合物において構造が異なる場合とは、上記一般式(A−1)で説明すると、置換基R(n=1〜16)について、構成原子種が異なる場合、置換基数が異なる場合または置換位置が異なる場合のいずれかである。
前記一般式(1)で表されるフタロシアニン化合物の構造が異なる(特に置換位置)誘導体を、以下の3種類に分類して定義する。
(1)β−位置換型:(2及びまたは3位、6及びまたは7位、10及びまたは11位、14及びまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
(2)α−位置換型:(1及びまたは4位、5及びまたは8位、9及びまたは12位、13及びまたは16位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
(3)α,β−位混合置換型:(1〜16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)。
本明細書中において、構造が異なる(特に置換位置)フタロシアニン化合物の誘導体を説明する場合、上記β−位置換型、α−位置換型、α,β−位混合置換型を使用する。
前記一般式(1)中のR11、R12、R13及びR14の好ましい置換型としては、β−位置換型及びα,β−位混合置換型が好ましく、β−位置換型が最も好ましい。
β位に置換基を有するフタロシアニン化合物は、通常下記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物となっている。これらの4種の化合物は、R〜Rの各置換位置が異なる異性体である。
Figure 2011008079
前記一般式(a)−1〜(a)−4で表される化合物は、β−位置換型(2及びまたは3位、6及びまたは7位、10及びまたは11位、14及びまたは15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)であり、α−位置換型及びα,β−位混合置換型とは全く構造(置換位置)の異なる化合物である。
以下、本発明に係るフタロシアニン環構造の具体例を示すが、これらは前述した各置換位置が異なる異性体の中の1つの構造であり、本発明に係る化合物のフタロシアニン環構造はこれらに限られたものではない。
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
以下、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2011008079
Figure 2011008079
本発明に用いられるフタロシアニン化合物は、例えば、白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1〜62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1〜54)等に記載、引用もしくはこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
本発明に好適に用いられるオレンジトナーは、トナー単色としてL表色系による色相角(h)が10°から60°が好ましく、より好ましくは20°から50°の範囲である。本発明に用いられるオレンジトナーのオレンジ着色剤として用いられる有機色素としては、トナー単色で上述した色相角を有するものであれば特に制限はなく、染料、顔料いずれでも好適に用いることができ、また目的に応じて使用者が適当な複数の色材を適宜混合して色相角を適切な範囲内に調整して、使用してもよい。
次に、オレンジトナー用の具体的な着色剤としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ2、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ22、C.I.ピグメントオレンジ24、C.I.ピグメントオレンジ148、C.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ62、C.I.ピグメントオレンジ15、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ44、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ66、C.I.ピグメントオレンジ69、C.I.ピグメントオレンジ65、C.I.ピグメントオレンジ68。
次に、本発明において好適に用いられるマゼンタ着色剤について説明する。
マゼンタ着色剤とは、該着色剤を含有する電子写真用トナーを調整し、画像を形成した場合において、マゼンタ色調となりうる色素である。該着色剤は染料であってもよく、顔料であってもよい。
本発明に好適に用いられるマゼンタトナーは、トナー単色としてL表色系による色相角(h)が300°から330°が好ましく、より好ましくは310°から330°の範囲である。
マゼンタトナー用の具体的な着色剤としては、以下のものが挙げられる。
C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド13、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド212、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド181。
本発明において用いられるイエロートナーは、従来公知のイエロートナーを用いることができ、その選択に際しては使用者の用途、目的に応じて最適なものを選択すればよい。本発明を効果的に使用するには、イエロートナー単色として色相角が70°から95°の範囲が好ましく、より好ましくは80°から90°の範囲である。
イエロー着色剤とは、該着色剤を含有する電子写真用トナーを調製し、画像を形成した場合において、イエロー色調となりうる色素である。該着色剤は染料であってもよく、顔料であってもよい。
イエロートナー用のイエロー着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、など、顔料としてはC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同94、同138、同155、同180、同185などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。特に、染料ではC.I.ソルベントイエロー162、顔料ではC.I.ピグメントイエロー74、同93、同138、同180が好ましい。
本発明においては更に他の色素を併用してもよく、共に用いられる色素としては一般に知られている色素を用いることができるが、本発明においては色素が油溶性色素であることが好ましい。油溶性色素は、通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な色素であるが、水溶性色素を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示す色素も含まれる。例えば、酸性色素、直接色素、反応性色素と長鎖アミンとの造塩色素が知られている。
以下に限定されるものではないが、例えば、オリエント化学工業株式会社製のValifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905、日本化薬株式会社製のKayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta 312、Kayaset Blue K−FL、有本化学工業株式会社製のFS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.Solvent Blue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.ISolvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.Solvent Green 3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375、三井化学製のMS Yellw HD−180、MS Red G、MS Magenta HM−1450H、MS Blue HM−1384、住友化学製のES Red 3001、ES Red 3002、ES Red 3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 600、TS Turq Blue 618、Bayer製のMACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue GNNEOPAN Yellow O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red Violet R等が挙げられる。
油溶性色素として分散色素を用いることができ、以下に限定されるものではないが、例えば、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
その他、油溶性色素として、フェノール、ナフトール類、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾールなどの環状メチレン化合物、開鎖メチレン化合物などのカプラー、p−ジアミノピリジン類、アゾメチン色素、インドアニリン色素なども好ましく用いられる。
これら着色剤のトナー中における分散状態での数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。これら着色剤の添加量はトナー中に1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%である。1質量%未満の場合はトナーの着色力が不足する可能性があり、10質量%を超える場合には着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
(トナーへの添加形態)
トナーへの添加形態としてはあらゆる方法が使用可能であり、例えば、結着樹脂への溶解、含浸、結着樹脂とは別の色素の固体分散物としての添加、また該色素固体分散物にポリマー、高沸点油剤等を混在させた形態が考えられる。
好ましい添加形態としては、粒径10nmから1μm未満の固体分散物とした方が安定性の観点から好ましい。更に粒径10nmから100nm未満の単分散性固体分散とした場合、光の散乱が抑えられ、隠蔽性粒子を無くすことができるので色再現性の観点から好ましい。
また、溶解のない固体分散であるため拡散性、ブリードが抑えられ、色素の耐光性、耐熱性が改善される。ポリマー、高沸点油剤を混合して固体分散物とすることにより凝集を防止し、粒径をコントロールすることも有効であり、必要に応じて添加することが好ましい。更に別のポリマーで被覆し、コア/シェルを形成することも製造安定性、保存安定性を高めるために用いることができる。トナーとしては重合トナー、粉砕トナー両方に適用可能であるが、トナーの加工性、色素の添加の容易性から重合トナーにより適している。
(粒子の作製方法)
本発明において好ましい固体分散物の作製方法について説明する。
本発明において色素固体分散物は、例えば、色素を酢酸エチル、トルエンなどの水非混和性有機溶剤中に溶解(あるいは分散)し、水中で乳化分散後、有機溶剤を除去する液中乾燥法により得ることができる。
また、色素が固体で分散できる場合には、上記液中乾燥法でなくとも界面活性剤を加えた水中に固体の色素を乳化分散させてもよい。乳化分散機は限定されないが、例えば、超音波分散機、高速攪拌型分散機等が用いられる。
(界面活性剤)
本発明における乳化剤、分散剤、表面張力調整剤としては特に制限されるものではないが、カチオン系、アニオン系、両性、ノニオン系のいずれの界面活性剤も用いることができる。
乳化剤あるいは分散剤として、好ましくはアニオン系またはノニオン系界面活性剤が特によい。様々な条件を満足するために両方の活性剤を併用することも可能である。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類;例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリールスルホン酸塩類;例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類;例えば、ポリエキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホコハク酸エステル塩及びその誘導体類;等を挙げることができる。その他、例えば、花王(株)製の分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P(商品名)も挙げられる。
また、高分子界面活性剤として、以下の水溶性樹脂を用いることができる。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。高分子界面活性剤の例として、その他にアクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン社)が挙げられる。
その他、反応性乳化剤として知られているモノマー基と界面活性剤成分の両者を有する化合物も、色素溶解性が低く乳化能が高いことから有用である。
反応性乳化剤としては、例えば、花王製の「ラムテル S−120」、「ラムテル S−120A」、「ラムテル S−180」、「ラムテル S−180A」や、三洋化成工業製の「エレミノール JS−2」、旭電化工業製の「アデカリアソープ NE−10」、「アデカリアソープ NE−20」、「アデカリアソープ NE−30」などのNEシリーズ、「アデカリアソープ SE−10N」、「アデカリアソープ SE−20N」、「アデカリアソープ SE−30N」などのSEシリーズ、第一工業製薬製の「アクアロン RN−10」、「アクアロン RN−20」、「アクアロン RN−30」、「アクアロン RN−50」などのRN シリーズ、「アクアロン HS−05」、「アクアロン HS−10」、「アクアロン HS−20」、「アクアロン HS−30」などのHS シリーズ、あるいは、アクアロン BCシリーズ、第一工業製薬社製の「アクアロン KH−05」、「アクアロン KH−10」、「アクアロン HS−05」、「アクアロン HS−10」、「アデカリアソープ SEシリーズ」(旭電化工業製)、「アクアロン HSシリーズ」(第一工業製薬製)、「ラテムル Sシリーズ」(花王製)、「エレミノール JSシリーズ」(三洋化成工業製)などを挙げることができる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のポリオキシエチレンオクアルキルエーテル類;例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;例えば、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート等のポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;例えば、オイレン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等のグリセリン高級脂肪酸エステル類;例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー;等を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられるカチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独または2種類以上を混合して用いることができ、固体分散物に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより使用することができる。
(ポリマー)
本発明において分散物中にポリマー(樹脂)を含有する場合、その重量平均分子量が少なくとも1種については40,000未満、特に500以上、40,000未満であることが、微粒子を形成すること、分散安定性に優れること、画像の透明性等の点で好ましい。
本発明においては、一般に知られている樹脂を使用可能であり、例えば、(メタ)アクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、アミノ系樹脂、フッ素系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アラミド樹脂などが挙げられるが、好ましい樹脂としては、アセタール基を含有するポリマー、中でもポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、及び重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましい。
ビニルモノマーのラジカル共重合体に用いられる具体的なモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、2−フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂製)等が挙げられる。
(組成)
本発明において固体分散物は、色素、必要に応じてポリマー、高沸点油剤を含有するものである。ポリマー、高沸点油剤を添加する場合、ポリマー、高沸点油剤は全体の30〜70質量%が好ましい。
(粒径)
本発明における色素固体分散物は、体積基準のメジアン径が10〜200nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜100nmであり、特に好ましくは10〜50nmである。体積基準のメジアン径が10nm以下になると、単位体積あたりの表面積が非常に大きくなるため固体分散物の安定性が悪くなり易く、保存安定性が劣化し易い。100nmを越える大粒子では、トナーでの単位色材量あたりの彩度が低下してしまう。
一方、彩度に対しては粒径分布も影響する。粒径分布をCV値として以下のように定義した。粒径測定値の全体を100%として累積曲線を求め、累積曲線が16%、50%、84%となる粒径をd16、d50、d84とした場合、CV値=(d84−d16)×100/(2×d50)。CV値としては100以下が好ましく、より好ましくは50以下であり、更に30以下がより好ましい。
体積基準のメジアン径は、動的光散乱法、レーザー回折法、遠心沈降法、FFF法、電気的検知体法などを用いて求めることが可能であるが、本発明では、マイクロトラックUPA−150(日機装株式会社)を用いて動的光散乱法で求めるのが好ましい。
(トナー)
本発明においては、下記の結着樹脂及び色素固体分散物の他、公知の荷電制御剤、オフセット防止剤等を使用することができる。荷電制御剤としては特に限定されるものではない。カラートナーに用いる負荷電制御剤としては、カラートナーの色調、透光性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるいは淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えば、サリチル酸誘導体の亜鉛やクロムの金属錯体、カリックスアレーン系化合物、有機ホウ素化合物、含フッ素4級アンモニウム塩系化合物等が好適に用いられる。
上記サリチル酸金属錯体としては、例えば、特開昭53−127726号公報、特開昭62−145255号公報等に記載のものが、カリックスアレーン系化合物としては、例えば、特開平2−201378号公報等に記載のものが、有機ホウ素化合物としては、例えば、特開平2−221967号公報に記載のものが、有機ホウ素化合物としては、例えば、特開平3−1162号公報に記載のものが使用可能である。このような荷電制御剤を用いる場合、結着樹脂(結着樹脂)100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜5.0質量部使用することが望ましい。
オフセット防止剤としても特に制限されることはなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックス等が使用可能である。
このようなワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.5〜5質量部、好ましくは1〜3質量部が望ましい。これは添加量が0.5質量部より少ないと添加による効果が不十分となり、5質量部より多くなると透光性や色再現性が低下するためである。
本発明においては、上記した結着樹脂、色素固体分散物及びその他の所望の添加剤を使用し、混練・粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化分散造粒法、カプセル化法等その他の公知の方法により製造することができる。これらの製造方法の中で、画像の高画質化に伴うトナーの小粒径化を考慮すると、製造コスト及び製造安定性の観点から乳化重合方法が好ましい。
乳化重合方法は、乳化重合によって製造された結着樹脂エマルジョンを、他の色素固体分散物等、トナー粒子成分の分散液と混合し、pH調整により生成した粒子表面の反発力と電解質添加による凝集力のバランスを取りながら緩慢凝集させ、粒径・粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に加熱撹拌することで、微粒子間の融着・形状制御を行うことによりトナー粒子を製造する。
本発明に係るトナー粒子は、体積基準のメジアン径を4〜10μm、好ましくは6〜9μmに調整することが画像の高精細再現性の観点から好ましい。
本発明においては、トナーの流動性付与やクリーニング性向上等の観点から後処理剤を添加・混合して使用することができ、特に限定されるものではない。
このような後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子やアルミナ微粒子、チタニア微粒子等の無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子等の無機ステアリン酸化合物微粒子、またチタン酸ストロンチウムやチタン酸亜鉛等の無機チタン酸化合物微粒子等を使用することができ、単独あるいは異種の添加剤を併用して使用することが可能である。
これらの微粒子は、耐環境安定性や耐熱保管性の観点から、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル等で表面処理して用いることが望ましく、添加量はトナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部用いることが望ましい。
本発明におけるトナーとしては、キャリアと混合して用いる2成分現像用トナーとして、またキャリアを使用しない1成分現像用トナーが使用可能である。
使用するキャリアとしては、従来より2成分現像用のキャリアとして公知のものを使用することができ、例えば、鉄やフェライト等の磁性体粒子からなるキャリア、このような磁性体粒子を樹脂で被覆してなる樹脂コートキャリア、あるいは磁性体微粉末を結着樹脂中に分散してなるバインダー型キャリア等を使用することができる。
これらのキャリアの中でも、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル系樹脂を用いた樹脂コートキャリアを使用することがトナースペント等の観点から好ましく、特にオルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂にイソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したキャリアが、耐久性、耐環境安定性及び耐スペント性の観点から好ましい。
上記ビニル系単量体としては、イソシアネートと反応性を有する水酸基等の置換基を有する単量体を使用する必要がある。また、キャリアの体積基準のメジアン径は20〜100μm、好ましくは20〜60μmのものを使用することが高画質の確保とキャリアかぶり防止の観点から好ましい。
(結着樹脂)
本発明においてトナーに含有される結着樹脂としては、固体分散物との密着性が高くなる熱可塑性樹脂が好ましく、特に溶剤可溶性のものが好ましい。更に、ポリマーの前駆体が溶剤可溶性であれば3次元構造を形成する硬化性樹脂も使用可能である。
結着樹脂としては、一般にトナーの結着樹脂として用いられているものが特に制限なく用いられるが、例えば、スチレン系の樹脂やアルキルアクリレート及びアルキルメタクリレート等のアクリル系樹脂、スチレンアクリル系共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコン系樹脂、オレフィン系樹脂、アミド系樹脂あるいはエポキシ系樹脂などが好適に用いられるが、透明性や重ね合わせ画像の色再現性を高めるため、透明性が高く、溶融特性が低粘度でシャープメルト性の高い樹脂が要求される。
このような特性を有する結着樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂が適している。また、これらの樹脂を混合して使用することもでき、更に付加重合型樹脂と重縮合型樹脂がアクリル酸などを介して複合化したポリマーも使用することができる。
複合化した樹脂としては、(i)アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマー成分を重合したビニル系樹脂成分とポリエステル系樹脂成分との間でエステル交換反応を行うことによって形成されるもの、(ii)アクリル酸やメタクリル酸の如きカルボン酸基を有するモノマー成分を重合したビニル系樹脂成分とポリエステル成分との間でエステル化反応が生じることによって形成されるもの、(iii)フマル酸のような不飽和結合を持つモノマーを用いて重合された不飽和ポリエステル樹脂成分の存在下でビニル系モノマーを重合して形成されるもの、などが挙げられる。
更に樹脂の末端やモノマー中に存在する官能基とその官能基に活性を持つ化合物とを反応させた変性ポリマーも使用することができる。
変性ポリマーは、有機溶媒中に活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体を含有し、水系媒体中で造粒する際に活性水素基を有する化合物と反応させて得られ、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体としては、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーが好ましく、活性水素基を有する化合物としてはアミン、ケチミン化合物、オキサゾリン化合等が好ましい。
結着樹脂としては、数平均分子量(Mn)が3000〜6000、好ましくは3500〜5500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが2〜6、好ましくは2.5〜5.5、ガラス転移点が50〜70℃、好ましくは55〜70℃及び軟化温度が90〜110℃、好ましくは90〜105℃である樹脂を使用することが望ましい。また、数平均分子量が異なるポリマーを2種以上併用することも可能である。
結着樹脂の数平均分子量が3000より小さいと、フルカラーのベタ画像を折り曲げた際に画像部が剥離して画像欠損が発生し(折り曲げ定着性が悪化し)、6000より大きいと定着時の熱溶融性が低下して定着強度が低下する。また、Mw/Mnが2より小さいと高温オフセットが発生しやすくなり、6より大きいと定着時のシャープメルト特性が低下して、トナーの透光性並びにフルカラー画像形成時の混色性が低下してしまう。
また、ガラス転移点が50℃より低いとトナーの耐熱性が不十分となって、保管時にトナーの凝集が発生しやすくなり、70℃より高いと溶融しにくくなって定着性が低下するとともにフルカラー画像形成時の混色性が低下する。また、軟化温度が90℃より低いと高温オフセットが生じやすくなり、110℃より高いと定着強度、透光性、混色性及びフルカラー画像の光沢性が低下する。
(画像形成方法)
次に、本発明の電子写真用トナーセットを用いる画像形成方法について説明する。
本発明において、画像形成の方式については特に限定されるものではない。例えば、感光体上に複数の画像を形成し、一括で転写する方式、感光体に形成された画像を転写ベルトなどに逐次転写する方式など特に限定されないが、より好ましくは感光体上の複数の画像を形成し、一括で転写する方式である。
この方式は、感光体に対して均一帯電させ第一の画像に応じた露光を与え、その後、第一回目の現像を行い、感光体上に第一のトナー像を形成させる。次いで、その第一の画像が形成された感光体を均一帯電し第二の画像に応じた露光を与え、第二回目の現像を行い、感光体上に第二のトナー像を形成させる。更に、第一及び第二の画像が形成された感光体を均一帯電し第三の画像に応じた露光を与え、第三回目の現像を行い、感光体上に第三のトナー像を形成させる。更に、第一、第二及び第三の画像が形成された感光体を均一帯電し第四の画像に応じた露光を与え、第四回目の現像を行い、感光体上に第四のトナー像を形成させる。
例えば、第一回目をイエロー、第二回目をマゼンタ、第三回目をシアン、第四回目を黒トナーで現像することで、フルカラートナー画像を感光体上に形成するものである。その後、感光体上に形成された画像を紙等の画像支持体に一括して転写を行い、更に画像支持体に定着し、画像を形成する。
本方式では、感光体上に形成された画像を一括して紙等に転写し、画像を形成する方式であるため、所謂中間転写方式とは異なり、画像を乱す要因となる転写の回数が1回ですみ、画像品質を高くすることができる。
感光体に現像する方式としては、複数の現像が必要であることから非接触現像が好ましい。また、現像に際しては交番電界を印加する方式も好ましい方式である。また、前記した如く、現像方式としては、像形成体上に重ね合わせカラー画像を形成し、一括転写する方式については非接触現像方式が好ましい。
二成分現像剤として使用することのできるキャリアの体積基準のメジアン径は、15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが良い。キャリアの体積基準のメジアン径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)製)により測定することができる。
キャリアは更に樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させた、所謂樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては特に限定はないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
本発明に使用される好適な定着方法としては、所謂接触加熱方式を挙げることができる。特に、接触加熱方式の代表的なものとして、熱ロール定着方式及び固定配置された加熱体を内包した回動する加圧部材により定着する圧接加熱定着方式を挙げることができる。
(画像)
本発明の電子写真用トナーセットを使用して現像・転写・定着を行う画像形成において、その転写から定着の状態を説明すると、転写材の上に転写された本発明に用いられるトナーが、定着後においてもその色素固体分散物が崩壊せず、紙の表面に付着している。
本発明においては、上記のように固体分散物をトナー粒子中に分散させることにより、トナー粒子が色素を含むにも拘わらず、色素がトナー粒子の表面に遊離しない(移行しない)ため、従来のトナーの問題点である、(1)帯電量が低い、(2)高温高湿下及び低温低湿下での帯電量の差が大きい(環境依存性)、(3)着色剤の種類、例えば、フルカラー画像記録のようにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各顔料を用いる場合の各色トナーについて帯電量がばらつく、などを払拭することができる。
また、転写材への熱定着の際、着色剤である色素の色素固体分散物外への移行(色素固体分散物表面への露出)が起こらないため、一般的な色素を使用したトナーにおいて問題となる、熱定着時の色素の昇華やオイル汚染が生じることはない。
次に本発明の代表的な実施態様を具体的に示すが、本発明はこれに限定されるわけではない。
実施例1
(ラテックス1の製造)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5000mlのセパラブルフラスコに、予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水(2760g)に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下、230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で、離型剤として式(1)72.0gをスチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなるモノマーに加え、80℃に加温し溶解させ、モノマー溶液を作製した。
Figure 2011008079
ここで循環経路を有する機械式分散機により上記の加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。次いで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.90gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。
引き続いて、更に重合開始剤(KPS)8.00gをイオン交換水240mlに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、t−ドデシルメルカプタン13.7gの混合液を120分かけて滴下した。滴下終了後、60分加熱撹拌させた後、40℃まで冷却しラテックス粒子を得た。このラテックス粒子を「ラテックス1」とする。
《トナー1の作製》
n−ドデシル硫酸ナトリウム12gをイオン交換水175mlに撹拌溶解する。この液に、撹拌下、例示化合物c−1を25g徐々に加え、次いでクレアミックスを用いて分散した。大塚電子製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で122nmであった。この分散液を「着色剤分散液1」とする。
前述のラテックス1、1250gとイオン交換水2000ml及び着色剤分散液1を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5Lの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて5分間で添加した。その後、1分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。
その状態で、粒径をコールターカウンターTA−IIにて測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、更に継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し撹拌を停止した。生成した着色粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し、着色粒子を得た。以上のようにして得られた着色粒子を「着色粒子1」とする。
次いで、上記着色粒子1に疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナー1を得た。
《トナー2〜27の作製》
例示化合物c−1を、例示化合物c−2、c−9、c−10、c−11、c−17、c−18、c−19、c−23、c−26、c−29、c−34、c−35、c−37、c−38、c−43、c−46、c−50、c−51、c−52、及びC.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ17、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー75に変更した以外は、トナー1と同様の方法でトナー2〜27を作製した。
《トナー28〜30の作製》
例示化合物c−1を、比較色材1、比較色材2、比較色材3に変更した以外は、トナー1と同様の方法でトナー28〜30を作製した。
Figure 2011008079
《トナー31の作製》
前述した「着色剤分散液1」の代わりに、「着色剤分散液21」と「着色剤分散液24」を2:1の割合で「着色剤分散液1」と同体積となるように混合した「着色剤分散液31」に変更した以外は、トナー1と同様の方法でトナー31を作製した。
《トナー32の作製》
前述した「着色剤分散液1」の代わりに、「着色剤分散液21(着色剤分散液1において、例示化合物c−1に代えてC.I.ピグメントオレンジ36とした着色剤分散液)」と「着色剤分散液24(着色剤分散液1において、例示化合物c−1に代えてC.I.ピグメントレッド122とした着色剤分散液)」を2:3の割合で「着色剤分散液1」と同体積となるように混合した「着色剤分散液32」に変更した以外は、トナー1と同様の方法でトナー32を作製した。
《トナー33の作製》
前述した「着色剤分散液1」の代わりに、「着色剤分散液21」と「着色剤分散液24」を1:8の割合で「着色剤分散液1」と同体積となるように混合した「着色剤分散液33」に変更した以外は、トナー1と同様の方法でトナー33を作製した。
トナー1と同様の方法で、上述したトナー2〜33の分散液の粒径を測定した結果、トナー2〜33の分散液の粒径は重量平均粒径で概ね120〜123nmの範囲内であることを確認した。
《実写テスト用現像剤の作製》
上記トナー1〜33の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度6%の現像剤1〜33を調製した。
〈画像形成〉
画像形成装置としてカラー複写機(KL−2010:コニカミノルタ製)を用いて実写評価を行った。
定着機としては、通常使用される熱ロール定着方式のものを用いた。具体的には、中央部にヒーターを内蔵するアルミ合金から成る円筒状(内径=40mm、肉厚=1.0mm、全幅=310mm)の芯金表面を、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)の厚み120μmのチューブで被覆することにより加熱ローラーを構成し、鉄から成る円筒状(内径=40mm、肉厚=2.0mm)の芯金表面を、スポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度48、厚み2mm)で被覆することにより加圧ローラーを構成し、該加熱ローラーと該加圧ローラーとを150Nの荷重により当接させて、5.8mm幅のニップを形成させた。
この定着装置を使用して、印字の線速を480mm/secに設定した。なお、定着装置のクリーニング機構として、ポリジフェニルシリコーン(20℃の粘度が10Pa・sのもの)を含浸したウェッブ方式の供給方式を使用した。定着温度は加熱ローラーの表面温度で制御した(設定温度175℃)。なお、シリコーンオイルの塗布量は0.1mg/A4とした。
〈画像評価〉
本発明のカラートナーを用いたトナーセットによって、上記の画像形成装置を用いて、紙に、それぞれ反射画像(紙上の画像)を作製し、以下に示す方法で評価した。なお、トナー付着量は0.7±0.05(mg/cm)の範囲で評価した。
(色相評価)
色相については、作成した画像を用いて10人の被験者により目視にて行い、10点満点で評価を行った。10人の平均点が10〜9点をA、10人の平均点が9〜8点をB、10人の平均点が8〜7点をC、7点未満をDとした。A及びBが実用に十分耐えられるレベルであった。
(色再現域評価)
イエロー/マゼンタ/シアンの単色、及びR/G/Bのそれぞれのベタ画像部を用いて、その色域を測定して面積拡大を確認した。印刷用Japanカラーの色域を100として面積を比較したものである。10%以上拡大したものをA、5%〜10%拡大したものをB、5%未満のものをC、拡大しなかったものをDとした。
(色相角)
シアントナーのa、b値を色彩計「SPM50」(グレタグ社製)を用いて測定し、それらの値から色相角を求め、下記基準で評価した。
シアントナーの色相角が200°≦h≦220°の範囲であるトナーはA
シアントナーの色相角が180°≦h<200°、220°<h≦230°の範囲であるトナーはB
シアントナーの色相角が180°>h、h>230°の範囲であるトナーはC。
オレンジトナーのa、b値を色彩計「SPM50」(グレタグ製)を用いて測定し、それらの値から色相角を求め、下記基準で評価した。
オレンジトナーの色相角が20°≦h≦50°の範囲であるトナーはA
オレンジトナーの色相角が10°≦h<20°、50°<h≦60°の範囲であるトナーはB
オレンジトナーの色相角が10°>h、h>60°の範囲であるトナーはC。
〈画像保存性〉
(耐光性)
紙に定着した画像をキセノンフェードメーターで7日間照射し、照射前後の混色画像について、色相変化を評価した。色相変化は、10人の被験者により目視にて行い、10点満点で評価を行った。10人の平均点が10〜9点をA、10人の平均点が9〜8点をB、10人の平均点が8〜7点をC、7点未満をDとした。A及びBが実用に十分耐えられるレベルであった。
(耐オゾン性)
オゾンガス濃度が5ppm(25℃;60%RH)に設定された条件下で、混色した画像を7日間、オゾンガスに曝露した。曝露前後の混色画像について、色相変化を評価した。色相変化を10人の被験者により目視にて行い、10点満点で評価を行った。10人の平均点が10〜9点をA、10人の平均点が9〜8点をB、10人の平均点が8〜7点をC、7点未満をDとした。
表1にシアントナーの色相角の上記ランクA、B、Cを、表2にオレンジトナーの色相角の上記ランクA、B、Cを示す。表3にトナーセットを示す。表4にトナーセットの評価結果を示す。
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
Figure 2011008079
表4から明らかなように、本発明の電子写真用トナーセットは各色トナーを混色した時の色再現性、耐光性、耐オゾン性が良好で、更に色再現域が拡大していることがわかる。

Claims (1)

  1. 少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、オレンジトナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、該シアントナーがシアン着色剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有し、L表色系による色相角(h)が180°≦h≦230°であり、該オレンジトナーがオレンジ着色剤として有機色素を含有し、L表色系による色相角(h)が10°≦h≦60°であることを特徴とする電子写真用トナーセット。
    Figure 2011008079
    (式中、A11、A12、A13及びA14は5〜6員の芳香環または複素環を表す。R11、R12、R13及びR14は水素原子、または置換基を表す。o、p、q及びrは1〜4の整数を表す。MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、FeXを表す。XまたはYは水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。)
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