JP2019056783A - トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 - Google Patents

トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019056783A
JP2019056783A JP2017180930A JP2017180930A JP2019056783A JP 2019056783 A JP2019056783 A JP 2019056783A JP 2017180930 A JP2017180930 A JP 2017180930A JP 2017180930 A JP2017180930 A JP 2017180930A JP 2019056783 A JP2019056783 A JP 2019056783A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
toner
image
glitter
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017180930A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7119321B2 (ja
Inventor
高橋 賢
Masaru Takahashi
賢 高橋
聡 上脇
Satoshi Kamiwaki
聡 上脇
太輔 冨田
Tasuke Tomita
太輔 冨田
章太郎 高橋
Shotaro Takahashi
章太郎 高橋
紗希子 平井
Sakiko Hirai
紗希子 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2017180930A priority Critical patent/JP7119321B2/ja
Publication of JP2019056783A publication Critical patent/JP2019056783A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7119321B2 publication Critical patent/JP7119321B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】粒状感が低減された画像が得られるトナーセットを提供すること。【解決手段】式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー及び式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有するトナーセット。【選択図】なし

Description

本発明は、トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法に関する。
金属光沢のごとき輝きを有する画像を形成する目的から、光輝性のトナーが用いられている。
特許文献1には、熱可塑性樹脂中に下記一般式(1)で表される金属キレート色素を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写真用トナーが開示されている。
一般式(1) M(L)(L(X(X・W
(式中、MはCu、Znから選ばれる2価金属イオンを表し、X及びXはそれぞれ独立に1座または2座配位子を表し、X1とX2は連結していてもよい。L1及びL2はそれぞれ独立に2座または3座の可視から赤外に吸収を持つ配位子を表し、それぞれ同じでも異なってもよい。n、m及びlは0または1を表す。Wは電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。)
特許文献2には、少なくともイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、オレンジトナーより構成される電子写真用トナーセットにおいて、該シアントナーがシアン着色剤として下記一般式(1)で表される化合物を含有し、L表色系による色相角(h)が180°≦h≦230°であり、該オレンジトナーがオレンジ着色剤として有機色素を含有し、L表色系による色相角(h)が10°≦h≦60°であることを特徴とする電子写真用トナーセットが開示されている。

(式中、A11、A12、A13及びA14は5〜6員の芳香環または複素環を表す。R11、R12、R13及びR14は水素原子、または置換基を表す。o、p、q及びrは1〜4の整数を表す。MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、FeXを表す。XまたはYは水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表す。)
特許文献3には、光輝性顔料を含む光輝性トナーと、着色剤を含む少なくとも一種の有色トナーと、を有し、前記光輝性トナーの120℃における貯蔵弾性率をG’Aとし、前記有色トナーの120℃における貯蔵弾性率をG’Bとしたときに、G’AとG’Bとの比(G’A/G’B)が1≦G’A/G’B≦10の関係を満たすトナーセットが開示されている。
特開2006−350300号公報 特開2011−8079号公報 特開2014−134636号公報
光輝性トナーによる光輝性画像部(以下、「メタリック画像部」ともいう)と、有色トナーによる有色画像部(以下、「カラー画像部」ともいう)とを重ねて有色光輝性画像部(以下、「カラーを有するメタリック画像部」又は「カラーメタリック画像部」ともいう。)を形成する場合に、光輝性画像部の上にドット状の有色画像部が形成され、ドット状の有色画像部がある部分と無い部分とにおいて、光輝性が異なるために粒状感を感じる場合があった。
本発明が解決しようとする課題は、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有するトナーセットに比べ、粒状感が低減された画像が得られるトナーセットを提供することである。
前記課題は、以下の手段により解決される。
請求項1に係る発明は、
下記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー及び下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有するトナーセットである。
式(C)中、A1、A2、A3及びA4はそれぞれ独立に、5員若しくは6員の芳香環又は複素環を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、o、p、q及びrはそれぞれ独立に、0乃至4の整数を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
M(L1)(L2n(X1m(X2・W1 式(M)
式(M)中、MはCu及びZnよりなる群から選ばれる2価金属イオンを表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、1座又は2座配位子を表し、X1とX2とは連結していてもよく、L1及びL2はそれぞれ独立に、2座又は3座の可視から赤外に吸収を持つ配位子を表し、n、m及びLはそれぞれ独立に、0又は1を表す。W1は電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
請求項2に係る発明は、
前記光輝性トナーが、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、3質量%以上25質量%以下含む請求項1に記載のトナーセットである。
請求項3に係る発明は、
前記光輝性トナーが、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、5質量%以上20質量%以下含む請求項2に記載のトナーセットである。
請求項4に係る発明は、
前記式(C)で表されるシアン着色剤が、下記式(C−1)で表される化合物である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトナーセットである。
式(C−1)中、R1c乃至R16cはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
請求項5に係る発明は、
前記式(C)で表されるシアン着色剤が、下記式(C−2)乃至式(C−5)のいずれかで表される化合物である請求項4に記載のトナーセットである。
式(C−2)乃至式(C−5)中、Rc1、Rc2、Rc3及びRc4はそれぞれ独立に、置換基を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
請求項6に係る発明は、
前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤におけるL及びLのうちの少なくとも1つが、下記式(M−1)で表される構造である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトナーセットである。
式(M−1)中、R11はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R13は置換基を表し、R12は−NR1415又は−OR16を表し、A11乃至A13はそれぞれ独立に、−CR17=又は−N=を表し、X11は5員又は6員の芳香族環又は複素環を形成するために必要な原子団を表し、Z1は窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環を形成するために必要な原子団を表し、置換基を有していてもよく、前記置換基により縮環を形成してもよく、R14乃至R17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、L11は炭素数1若しくは2の連結基又は環構造の一部を表し、R13と結合して5員又は6員環構造を形成してもよく、pは0乃至3の整数を表す。
請求項7に係る発明は、
前記式(M)におけるMが、Cu2+である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のトナーセットである。
請求項8に係る発明は、
前記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー、及び、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーを有する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のトナーセットである。
請求項9に係る発明は、
イエロー着色剤を含むトナーを更に含む請求項8に記載のトナーセットである。
請求項10に係る発明は、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーを含む第1静電荷像現像剤と、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナー又は前記マゼンタトナーを含む第2静電荷像現像剤と、を有する静電荷像現像剤セットである。
請求項11に係る発明は、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーを収容した第1トナーカートリッジと、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナー又は前記マゼンタトナーを収容した第2トナーカートリッジと、を有し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジセットである。
請求項12に係る発明は、
請求項10に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第1静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、請求項10に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項13に係る発明は、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーによる光輝性画像を形成する第1画像形成手段と、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像又は前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像のいずれかを形成する第2画像形成手段と、前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも記録媒体上に転写する転写手段と、前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも前記記録媒体上に定着する定着手段と、を備える画像形成装置である。
請求項14に係る発明は、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーによる光輝性画像を形成する第1画像形成工程と、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像又は前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像のいずれかを形成する第2画像形成工程と、前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも記録媒体上に転写する転写工程と、前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも前記記録媒体上に定着する定着工程と、を有する画像形成方法である。
請求項1、4、5、6、7、8又は9に係る発明によれば、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有するトナーセットに比べ、粒状感が低減された画像が得られるトナーセットが提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記光輝性トナーが、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、3質量%未満含むか、又は、25質量%を超えて含む場合に比べ、粒状感がより低減された画像が得られるトナーセットが提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記光輝性トナーが、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、5質量%未満含むか、又は、20質量%を超えて含む場合に比べ、粒状感がより低減された画像が得られるトナーセットが提供される。
請求項10に係る発明によれば、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとをそれぞれ有する現像剤を有する場合に比べ、粒状感が低減された画像が得られる静電荷像現像剤セットが提供される。
請求項11に係る発明によれば、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーを有するトナーカートリッジと、光輝性トナーとを有するトナーカートリッジとを含む場合に比べ、粒状感が低減された画像が得られるトナーカートリッジセットが提供される。
請求項12に係る発明によれば、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとをそれぞれ有する現像剤を有する場合に比べ、粒状感が低減された画像が得られるプロセスカートリッジが提供される。
請求項13に係る発明によれば、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有するトナーセットを用いる場合に比べ、粒状感が低減された画像が得られる画像形成装置が提供される。
請求項14に係る発明によれば、C.I.Pigment Blue15:4を含むトナー及びC.I.Pigment Red146を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有するトナーセットを用いる場合に比べ、粒状感が低減された画像が得られる画像形成方法が提供される。
本実施形態に用いられる光輝性トナーの一例を概略的に示す断面図である。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明のトナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
(トナーセット)
本実施形態に係るトナーセットは、下記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー及び下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、光輝性トナーとを有する。
式(C)中、A1、A2、A3及びA4はそれぞれ独立に、5員若しくは6員の芳香環又は複素環を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、o、p、q及びrはそれぞれ独立に、0乃至4の整数を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
M(L1)(L2n(X1m(X2・W1 式(M)
式(M)中、MはCu及びZnよりなる群から選ばれる2価金属イオンを表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、1座又は2座配位子を表し、X1とX2とは連結していてもよく、L1及びL2はそれぞれ独立に、2座又は3座の可視から赤外に吸収を持つ配位子を表し、n、m及びLはそれぞれ独立に、0又は1を表す。W1は電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
本実施形態に係るトナーセットは、得られる画像の粒状感の観点から、下記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー、下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーの両方を有することが好ましい。
本実施形態のトナーセットは、他のトナーを含んでいてもよい。
他のトナーとしては、公知のトナーである、イエロートナー、ブラックトナー、レッドトナー、グリーントナー、ブルートナー、オレンジトナー、バイオレットトナー等が挙げられる。
中でも、本実施形態のトナーセットは、フルカラー画像を容易に形成する観点から、イエロートナーを有することが好ましく、イエロートナー、及び、ブラックトナーを有することがより好ましい。
また、本実施形態に用いられる各色のトナーは、外添剤を有しないトナー粒子であっても、トナー粒子に外添剤が外添したものであってもよい。
なお、本実施形態において「光輝性」とは、本実施形態に用いられる光輝性トナーによって形成された画像を視認した際に金属光沢のごとき輝きを有することを表す。
前述したように、有色光輝性画像部を形成する場合に、光輝性画像部の上にドット状の有色画像部が形成され、ドット状の有色画像部がある部分と無い部分とにおいて、光輝性が異なるために粒状感を感じる場合があった。
これに対して、本実施形態に係るトナーセットは、上記の構成により、粒状感が低減された画像が得られる。その理由は、定かではないが、以下に示すように推測される。
特定の構造を有する着色剤、すなわち、前記式(C)で表されるシアン着色剤又は前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を用いることにより、有色トナー中の着色剤の一部が、光輝性画像部へ拡散し、光輝性画像部の輪郭を曖昧にし、粒状感が低減された画像が得られるトナーセットが得られると推定している。また、特定の構造を有する前記式(C)で表されるシアン着色剤又は前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤は、従来のシアン着色剤又はマゼンタ着色剤と比較して、結着樹脂への混合性に優れるため、前記拡散効果が優れており、粒状感が低減された画像が得られると推定している。
<式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー及び下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナー>
本実施形態に係るトナーセットは、下記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー及び下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナー(以下、「特定有色トナー」ともいう。)を有する。
本実施形態に係るトナーセットは、得られる画像の粒状感の観点から、下記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー、又は、下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーのどちらか一方のみを有していても、両方を有していてもよいが、前述したように、得られる画像の粒状感の観点から、両方を有することが好ましい。
−式(C)で表されるシアン着色剤−
本実施形態に係るトナーセットは、得られる画像の粒状感の観点から、前記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナーを有することが好ましい。
前記式(C)におけるA11、A12、A13及びA14はそれぞれ独立に、5員若しくは6員の芳香環又は複素環を表し、具体的には芳香環としては、フェニル、ナフチル、フルオレニル等を形成する環を挙げることができ、複素環としてはフリル、ベンゾフラニル、チエニル、ピロリル、インドリル、イミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾイミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、ベンゾオキサゾリル、フタラジル、ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラジル、ピペラジル、トリアジル、チアピラニル、キサンテニル、キノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、イソキノリニル、アクリジニル、フェナジニル、カルバゾリル、フェノキサジニル、ペリミジニル、アザフェナレン等を形成する環を挙げることができる。これらには脂肪族環、芳香族環又は他の複素環が縮合していてもよい。
A11、A12、A13及びA14で表される5員若しくは6員の芳香環又は複素環は、6員環を形成することが好ましく、フェニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、又は、ピラジルを形成する環がより好ましく、フェニル、又は、ピリジルを形成する環が特に好ましい。
前記式(C)におけるR、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、又は、置換基を表し、前記置換基としては特に制限はないが、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ドデシル基、トリフルオロメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、芳香族炭化水素基(アリール基とも言う)(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アシルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基等)、アリールチオ基(チオアリール基とも言う。例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、4−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、複素環基(例えば、ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基等)、アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基等)、アリールスルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル基等)、ホスホノ基、アシル基(例えば、アセチル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、ブチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、シアノ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、複素環オキシ基、シロキシ基、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等)、スルホン酸基、スルホン酸の塩、アミノカルボニルオキシ基、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基等)、アニリノ基(例えば、フェニルアミノ基、クロロフェニルアミノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、イミド基、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、フェノキシカルボニルアミノ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、複素環チオ基、チオウレイド基、カルボキシル基、カルボン酸の塩、ヒドロキシ基、メルカプト基、ニトロ基等の各基が挙げられる。
、R、R及びRとして好ましくはそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、又は、アシル基であり、より好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、又は、アリールオキシ基であり、特に好ましくは、水素原子、又は、アルキル基である。
、R、R及びRがそれぞれ複数存在する場合は、複数のR、R、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
o、p、q及びrはそれぞれ独立に、0乃至4の整数を表す。
Mは、Mg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、Sn、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表す。好ましくはMg、Fe、Co、Ni、Zn、又は、SiXYであり、特に好ましくはZn、又は、SiXYである。
X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。好ましくは酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シロキシ基、アリールオキシ基、又は、アシルオキシ基を表し、より好ましくはハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シロキシ基、又は、アリールオキシ基を表す。これらの例としては、上述した前記式(C)におけるR、R、R及びRで表される置換基の説明の該当する例を挙げることができる。
前記式(C)で表されるシアン着色剤の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が特に好ましい。
下記式(C−1)で表されるフタロシアニン化合物は、その合成時において不可避的に置換基Rnc(nc=1乃至16、Rは単に置換基を意味していて、Rncの全てが同一種の置換基であることを意味しない)の置換位置(R1c:1位乃至R16c:16位とここで定義する)異性体を含む場合があるが、これら置換位置異性体は互いに区別することなく同一誘導体として見なしている場合が多い。また、置換基に異性体が含まれる場合もこれらを区別することなく、同一のフタロシアニン化合物として見なしている場合が多い。
式(C−1)中、R1c乃至R16cはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
式(C−1)におけるMは、式(C)におけるMと同義であり、好ましい範囲も同様である。
式(C−1)のR1c乃至R16cにおける置換基は、式(C)のR乃至Rにおける置換基と同義であり、好ましい態様も同様である。
本明細書中のフタロシアニン化合物において構造が異なる場合とは、前記式(C−1)で説明すると、置換基Rnc(nc=1乃至16)について、構成原子種が異なる場合、置換基数が異なる場合又は置換位置が異なる場合のいずれかである。
前記式(C)で表されるフタロシアニン化合物の構造が異なる(特に置換位置)誘導体を、以下の3種類に分類して定義する。
(1)β−位置換型:(2及び3位の少なくともいずれか、6及び7位の少なくともいずれか、10及び11位の少なくともいずれか、並びに、14及び15位の少なくともいずれかに特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
(2)α−位置換型:(1及び4位の少なくともいずれか、5及び8位の少なくともいずれか、9及び12位の少なくともいずれか、並びに、13及び16位の少なくともいずれか、に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)
(3)α,β−位混合置換型:(1乃至16位に規則性なく、特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)。
本明細書中において、構造が異なる(特に置換位置)フタロシアニン化合物の誘導体を説明する場合、上記β−位置換型、α−位置換型、α,β−位混合置換型を使用する。
前記式(C)中のR、R、R及びRの好ましい置換型としては、β−位置換型又はα,β−位混合置換型が好ましく、β−位置換型が特に好ましい。
前記式(C)で表されるフタロシアニン化合物は、β位に置換基を有するフタロシアニン化合物として、下記式(C−2)乃至式(C−5)で表される化合物であることが好ましい。これらの4種の化合物は、R乃至Rの各置換位置が異なる異性体である。
式(C−2)乃至式(C−5)中、Rc1、Rc2、Rc3及びRc4はそれぞれ独立に、置換基を表す。
式(C−2)乃至式(C−5)のM、並びに、Rc1、Rc2、Rc3及びRc4における置換基は、式(C)のM、並びに、R乃至Rにおける置換基と同義であり、好ましい態様も同様である。
前記式(C−2)乃至式(C−5)で表される化合物は、β−位置換型(2又は3位、6又は7位、10又は11位、14又は15位に特定の置換基を有するフタロシアニン化合物)であり、α−位置換型及びα,β−位混合置換型とは全く構造(置換位置)の異なる化合物である。
前記式(C)で表されるシアン着色剤におけるフタロシアニン環構造の具体例を示すが、これらは前述した各置換位置が異なる異性体の中の1つの構造であり、本実施形態における前記フタロシアニン環構造はこれらに限られたものではない。
以下、前記式(C)で表されるシアン着色剤の具体例を示す。
前記式(C)で表されるシアン着色剤の作製方法としては、特に制限はないが、例えば、白井−小林共著、(株)アイピーシー発行「フタロシアニン−化学と機能−」(P.1乃至62)、C.C.Leznoff−A.B.P.Lever共著、VCH発行‘Phthalocyanines−Properties and Applications’(P.1乃至54)等に記載、引用又はこれらに類似の方法を組み合わせて合成することができる。
前記式(C)で表されるシアン着色剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用いてもよい。
これら着色剤のトナー中における数平均一次粒径は、種類により多様であるが、10nm以上200nm以下であることが好ましい。
前記式(C)で表されるシアン着色剤の含有量は、得られる画像の粒状感の観点から、トナーの全質量に対し、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
−式(M)で表されるマゼンタ着色剤−
本実施形態に係るトナーセットは、得られる画像の粒状感の観点から、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーを有することが好ましい。
式(M)中、MはCu及びZnよりなる群から選ばれる2価金属イオンを表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、1座又は2座配位子を表し、X1とX2とは連結していてもよく、L1及びL2はそれぞれ独立に、2座又は3座の可視から赤外に吸収を持つ配位子を表し、n、m及びLはそれぞれ独立に、0又は1を表す。W1は電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
1及びX2としては、例えば、特開2000−251957号、同2000−311723号、同2000−323191号、同2001−6760号、同2001−59062号、同2001−60467号の各公報等に記載されているようなものが挙げられる。具体的にはハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、アンモニア、ピリジン、アミン(例えば、メチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミン等)、シアン化物イオン、シアン酸イオン、チオラートイオン、チオシアン酸イオン、及びビピリジン類、アミノポリカルボン酸類、8−ヒドロキシキノリン等の各種のキレート配位子が挙げられ、キレート配位子については上野景平著「キレート化学」等に例示されている。
1座配位子としては、アシル基、カルボニル基、チオシアネート基、イソシアネート基、シアネート基、イソシアネート基、ハロゲン原子、シアノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基で配位する配位子、又は、ジアルキルケトン若しくはカルボンアミドからなる配位子が好ましい。
2座配位子としては、アシルオキシ基、オキザリレン基、アシルチオ基、チオアシルオキシ基、チオアシルチオ基、アシルアミノオキシ基、チオカルバメート基、ジチオカルバメート基、チオカルボネート基、ジチオカルボネート基、トリチオカルボネート基、アルキルチオ基若しくはアリールチオ基で配位する配位子、又は、ジアルキルケトン若しくはカルボンアミドからなる配位子が好ましい。
前記1座又は2座配位子の具体例としては、特開2006−350300号公報の段落0039乃至0057に記載されたものが好ましく挙げられる。
及びLとしてはそれぞれ独立に、可視乃至赤外に吸収を持ち、2座又は3座で配位する化合物であれば特に限定はないが、例えば、アゾメチン色素、アゾ色素、インドアニリン色素やメロシアニン色素などの(ポリ)メチン色素などが挙げられるが、好ましくはアゾメチン色素または(ポリ)メチン色素であり、更に好ましくは後述する式(M−1)で表される構造であり、X、Xで説明したようなキレート可能な部位を持つことが好ましい。n、m及びLはそれぞれ独立に、0又は1を表す。
は電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表し、例えば、ある色素が陽イオン、陰イオンであるか、あるいは正味のイオン電荷を持つかどうかはその金属、配位子、及び置換基に依存する。置換基が解離性基を有する場合、解離して負電荷を持ってもよく、この場合にも分子全体の電荷はWによって中和される。典型的な陽イオンは無機または有機のアンモニウムイオン(例えば、テトラアルキルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン)、アルカリ金属イオン及びプロトンであり、一方陰イオンは具体的に無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであってもよく、例えば、ハロゲン陰イオン、(例えば、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロロベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンジスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
及びLにおけるL及びLのうちの少なくとも1つは、下記式(M−1)で表される構造が好ましい。
式(M−1)中、R11はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R13は置換基を表し、R12は−NR1415又は−OR16を表し、A11乃至A13はそれぞれ独立に、−CR17=又は−N=を表し、X11は5員又は6員の芳香族環又は複素環を形成するために必要な原子団を表し、Z1は窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環を形成するために必要な原子団を表し、置換基を有していてもよく、前記置換基により縮環を形成してもよく、R14乃至R17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、L11は炭素数1若しくは2の連結基又は環構造の一部を表し、R13と結合して5員又は6員環構造を形成してもよく、pは0乃至3の整数を表す。
11及びR13で表される置換基としては、置換可能なものであれば特に限定はないが、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、ヘテロアリール基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、キナゾリル基、フタラジル基等)、ヘテロ環基(複素環基とも呼び、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)などが挙げられる。
11として好ましくはアルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、スルファモイル基、ウレイド基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基等が挙げられるが、更に好ましくはアルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル基、又は、カルバモイル基である。
13として好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基が挙げられるが、より好ましくはアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
12で表される−NR1415又は−OR16において、好ましくはε(モル吸光係数)の観点から−NR1415であるが、波長調整の観点からは−OR16も好ましい。R14乃至R16は水素原子または置換基を表し、置換基としてはR11と同様のものが挙げられるが、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルキルスルホニル基が挙げられ、更に好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基が挙げられる。
11乃至A13はそれぞれ独立に、−CR17=又は−N=を表すが、A11及びA12は好ましくは−CR17=である。またR17は水素原子又は置換基であり、置換基としてはR11と同義であるが、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基などが挙げられるが、更に好ましくは水素原子又はアルキル基である。
11で表される5員若しくは6員の芳香族環又は複素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、チアゾール環などが挙げられるが、好ましくはベンゼン環、ピリジン環、又は、チオフェン環が挙げられる。
Z1で表される窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環としては、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾール環、イミダゾール環、ピロール環、ピラゾリジン環(例えば、ピラゾリジン−3,5−ジオン)等から導かれる環が挙げられ、更に置換基を有していてもよく、前記置換基により縮環を形成してもよく、好ましくは下記式(M−2)乃至式(M−7)で表される構造が挙げられる。
11で表される炭素数1又は2の連結基、又は、環構造の一部としては、例えば、置換若しくは無置換のメチレン基、エチレン基、エチン基、又は、下記式(M−8)で表される基が好ましく挙げられる。
式中、Z2は5員若しくは6員の芳香族環又は複素環を表し、置換基を有していてもよく、*でZ1と結合し、**でOR13と結合する。
11として好ましくはメチレン基、前記式(M−8)においてZ2で表される環がベンゼン環、ナフタレン環であることが好ましく、L11上の置換基とR13とで環を形成し5乃至6員の環(例えば、フラン環)を形成することも好ましい。前記環構造は置換基を有していてもよく、好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ウレイド基等の各基が挙げられるが、より好ましくはハロゲン原子、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミノ基が挙げられる。
また、キレート可能な基を有していることも好ましく、キレート可能な基とは非共有電子対を有する原子を含有する置換基を表し、具体的には複素環基、ヒドロキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、複素環オキシ基、カルボニルオキシ基、ウレタン基、スルホニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルホニル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、及び複素環チオ基等が挙げられる。好ましい置換基としてはヒドロキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、カルボニルオキシ基、ウレタン基、スルホニルオキシ基、アミノ基、イミノ基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基アルキルチオ基、又は、アリールチオ基が挙げられる。より好ましい置換基としてはヒドロキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、アルコキシ基、スルホニルアミノ基、又は、アシルアミノ基が挙げられる。
<<式(M−2)又は式(M−3)で表される構造>>
Z1で表される窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環としては、下記式(M−2)又は式(M−3)で表される構造が好ましく挙げられる。
式中、R31及びR41は水素原子又は置換基を表し、R32及びR42は置換基を表し、L31及びL41は炭素数1若しくは2の連結基又は環構造の一部を表し、前記式(M−1)のA11と*の部位で結合する。
前記式(M−2)及び式(M−3)において、R31、R32、R41及びR42で表される置換基としては、前記式(M−1)においてR11で表される基と同義であるが、R31及びR41は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、又は、アルコキシカルボニル基であることが好ましく、アルキル基、カルボキシル基、アルコキシル基、又は、カルバモイル基がであることがより好ましく、アルキル基(特にメチル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基)、カルバモイル基、又は、アルコキシカルボニル基であることが更に好ましい。
32及びR42は、前記式(M−1)においてR13で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。
31及びL41で表される炭素数1若しくは2の連結基、又は、環構造の一部は前記式(M−1)においてL11で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。
<<式(M−4)又は式(M−5)で表される構造>>
Z1で表される窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環としては、下記式(M−4)又は式(M−5)で表される構造が好ましく挙げられる。
式中、R51、R52及びR61はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R53及びR62は置換基を表し、L51及びL61は炭素数1若しくは2の連結基、又は、環構造の一部を表し、前記式(M−1)のA11と*の部位で結合する。
前記式(M−4)及び式(M−5)において、R51、R52、R53、R61及びR62で表される置換基としては、前記式(M−1)においてR11で表される基と同義であるが、R51は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、又は、アリールスルホニル基であることが好ましく、アリール基、複素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、又は、シアノ基であることがより好ましい。
52としては水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、又は、アシルアミノ基がより好ましい。
61としては水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、又は、カルバモイル基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、又は、アルコキシ基がより好ましい。
53及びR62は前記式(M−1)においてR13で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。
51及びL61は炭素数1若しくは2の連結基、又は、環構造の一部は前記式(M−1)においてL11で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。
<<式(M−6)又は式(M−7)で表される構造>>
Z1で表される窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環としては、下記式(M−6)又は式(M−7)で表される構造が好ましく挙げられる。
式中、R71、R72、R81及びR82はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R73及びR83は置換基を表し、L71及びL81は炭素数1若しくは2の連結基、又は、環構造の一部を表し、前記式(M−1)のA11と*の部位で結合する。
前記式(M−6)及び式(M−7)において、R71、R72、R73、R81、R82及びR83で表される置換基としては、前記式(M−1)においてR11で表される基と同義であるが、R71及びR72は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、又は、ニトロ基が好ましいく、アルコキシカルボニル基、又は、シアノ基がより好ましい。
81は水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、アシルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、ウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、又は、カルバモイル基が好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、アシル基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニル基、又は、カルバモイル基がより好ましい。
82は前記式(M−2)においてR31で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。R73及びR83は前記式(M−1)においてR13で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。
71及びL81における炭素数1若しくは2の連結基、又は、環構造の一部は前記式(M−1)においてL11で表される基と同義であり、好ましい基についても同義である。
前記式(M−1)乃至式(M−7)で表される構造(配位子)は、例えば、特開昭63−226653号、特開平10−193807号、同11−78258号、同6−250357号、同2−155693号、同1−110565号、同2−668号、同2−28264号、同2−53865号、同2−53866号の各公報、英国特許1,252,418号明細書、特開昭64−63194号、特開平2−208094号、同3−205189号、同2−265791号、同2−310087号、同2−53866号の各公報、特開平4−91987号、特開昭63−205288号、特開平3−226750号の各公報、英国特許1,183,515号明細書、特開平4−190348号、特開昭63−113077号、特開平3−275767号、同4−13774号、同4−89287号、特開平7−175187号、同10−60296号、同11−78258号、特開2004−138834号等の各公報に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができ、金属キレート色素は特開2000−191934号公報、同2001−159832号公報に記載された従来公知の方法を参考にして合成することができる。
前記式(M−1)乃至式(M−7)で表される構造(配位子)、及び、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤の具体例としては、特開2006−350300号公報の段落0085乃至0112に記載されたものが挙げられる。
また、本実施形態に用いられるマゼンタトナーは、色調調整剤を含んでいてもよい。色調調整剤としては、公知のものが挙げられるが、特開2008−287239号公報に記載されたものが好ましく挙げられる。
また、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤の作製方法としては、特に制限はなく、公知の方法が用いられ、特開2006−350300号公報に記載された方法が好ましく挙げられる。
以下、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤の具体例を示す。
前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用いてもよい。
また、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤は、樹脂と前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤とを含む着色粒子として、トナー中の結着樹脂に分散されていてもよい。
前記着色粒子は体積平均粒子径が、10nm以上1μm以下であることが好ましく、10nm以上500nm以下であることがより好ましく、10nm以上200nm以下であることが更に好ましい。
前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤の含有量は、得られる画像の粒状感の観点から、トナーの全質量に対し、1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、2質量%以上8質量%以下であることがより好ましい。
−結着樹脂−
特定有色トナーは、結着樹脂を含むことが好ましい。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、非晶性樹脂と結晶性樹脂とが挙げられる。
本実施形態に係る光輝性トナーにおいては、カラー画像部と重ならないメタリック画像部の形成を抑制する観点から、結晶性樹脂の含有量が、光輝性トナーの全質量に対し、0質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0質量%以上1.0質量%以下がより好ましく、0質量%が更に好ましい。
なお、樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、2度目の測定を行った場合に消失する吸熱ピークを有することを指す。測定は1度目の示差走査熱量測定後に50℃/minで降温し5min保持した後、1度目の測定と同様に昇温速度10(℃/min)の条件下で行い、吸熱ピークが消失するとは、吸熱ピークのピーク面積が10%以下となることをいう。上記ピーク面積を算出する際のベースラインは20℃と130℃の測定値を直線で結んだラインとして設定され、複数のピークが融合している場合のピーク分割は低温側の隣接するピークとの間のもっとも低い吸熱温度を低温側の分離温度、高温側の隣接するピークとの間のもっとも低い吸熱温度を高温側の分離温度として設定される。
一方、樹脂の「非晶性」とは、上記結晶性を有しないことをいう。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂の含有量の好ましい範囲は、上述の結晶性樹脂の含有量の好ましい範囲と同様である。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここで、多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂と同様に、周知の製造方法により得られる。
ここで、非晶性ポリエステル樹脂又は結晶性ポリエステル樹脂(以下、まとめて単に「ポリエステル樹脂」ともいう。)としては、上述した未変性ポリエステル樹脂以外に、変性ポリエステル樹脂も挙げられる。変性ポリエステル樹脂とは、エステル結合以外の結合基が存在するポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂成分とは異なる樹脂成分が共有結合又はイオン結合等で結合されたポリエステル樹脂である。変性ポリエステルとしては、例えば、末端に酸基又は水酸基と反応するイソシアネート基等の官能基を導入したポリエステル樹脂と、活性水素化合物とを反応させて、末端を変性した樹脂が挙げられる。
変性ポリエステル樹脂としては、ウレア変性ポリエステル樹脂が特に好ましい。ウレア変性ポリエステル樹脂の含有量は、全結着樹脂に対して10質量%以上30質量%以下が好ましく、15質量%以上25質量%以下がより好ましい。
ウレア変性ポリエステル樹脂は、イソシアネート基を有するポリエステル樹脂(ポリエステルプレポリマー)とアミン化合物との反応(架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応)により得られるウレア変性ポリエステル樹脂がよい。なお、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとしては、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合物であるポリエステルであって、活性水素を有するポリエステルに多価イソシアネート化合物を反応させたプレポリマー等が挙げられる。ポリエステルの有する活性水素を有する基としては、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基等が挙げられ、アルコール性水酸基が好ましい。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーにおいて、多価カルボン酸及び多価アルコールは、ポリエステル樹脂で説明した多価カルボン酸及び多価アルコールと同様な化合物が挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアヌレート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等のブロック化剤でブロックしたものが挙げられる。
多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価イソシアネート化合物の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルプレポリマーの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、好ましくは1/1以上5/1以下、より好ましくは1.2/1以上4/1以下、更に好ましくは1.5/1以上2.5/1以下である。なお、[NCO]/[OH]を5以下にすると低温定着性の低下が抑制され易くなる。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーにおいて、多価イソシアネート化合物に由来する成分の含有量は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー全体に対して、好ましくは0.5質量%以上40質量%以下、より好ましくは1質量%以上30質量%以下、更に好ましくは2質量%以上20質量%以下である。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーの1分子当たりに含有するイソシアネート基の数は、好ましくは平均1個以上、より好ましくは平均1.5個以上3個以下、更に好ましくは平均1.8個以上2.5個以下である。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーと反応するアミン化合物としては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックした化合物等が挙げられる。
ジアミンとしては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。
3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックしたものとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸などのアミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、ケチミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂は、架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応を停止する停止剤(以下「架橋/伸長反応停止剤」とも称する)により、イソシアネート基を有するポリエステル樹脂(ポリエステルプレポリマー)とアミン化合物との反応(架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応)を調整して、反応後の分子量が調整された樹脂であってもよい。
架橋/伸長反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン化合物の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、好ましくは1/2以上2/1以下、より好ましくは1/1.5以上1.5/1以下、更に好ましくは1/1.2以上1.2/1以下である。
なお、ウレア変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は40℃以上65℃以下が好ましく、45℃以上60℃以下が更に好ましい。数平均分子量は、2,500以上50,000以下であることが好ましく、2,500以上30,000以下が更に好ましい。重量平均分子量は、1万以上50万以下であることが好ましく、3万以上10万以下が更に好ましい。
結晶性樹脂と非晶性樹脂の合計含有量としては、例えば、トナーの全質量に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
−離型剤−
特定有色トナーは、離型剤を含むことが好ましい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナーの全質量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−外添剤−
特定有色トナーは、外添剤を有していてもよい。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。前記無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナーの全質量に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
また、特定有色トナーの体積平均粒径は、1μm以上10μm以下であることが好ましく、2μm以上8μm以下であることがより好ましく、3μm以上6μm以下であることが更に好ましい。
なお、本実施形態におけるトナーの体積平均粒径D50vは、マルチサイザーII(コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて求められる。累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として算出される。
有色トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3、500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理を行って外添剤を除去したトナー粒子を得る。
<光輝性トナー>
本実施形態に係るトナーセットは、光輝性トナーを有する。
前記光輝性トナーは、光輝性顔料及び結着樹脂を含むことが好ましい。
前記光輝性トナーは、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。
光輝性トナーにおけるトナー粒子は、扁平状であることが好ましく、その平均最大厚さCよりも平均円相当径Dが長いことがより好ましい。
光輝性トナーにおけるトナー粒子(光輝性トナー粒子)が厚さよりも円相当径が長い扁平状であると(図1参照)、画像形成の定着工程において、定着する際の圧力によって、扁平状の光輝性トナー粒子はその扁平な面側が記録媒体表面と相対するよう並ぶと考えられる。なお、図1中、2は光輝性トナー粒子、4は光輝性顔料、Lは光輝性トナー粒子の厚さを示している。
なお、平均最大厚さCと平均円相当径Dの比(C/D)が0.001以上0.700以下の範囲にあることが好ましく、0.100以上0.600以下の範囲がより好ましく、0.300以上0.450以下の範囲が特に好ましい。
比(C/D)が0.001以上であることにより、トナー粒子の強度が確保され、画像形成の際における応力による破断が抑制され、顔料が露出することによる帯電の低下、その結果発生するカブリが抑制される。一方0.700以下であることにより、優れた光輝性が得られる。
上記平均最大厚さC及び平均円相当径Dは、以下の方法により測定される。
光輝性トナーを平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1,000個のトナー粒子について、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」((株)キーエンス製)により1,000倍に拡大してトナー粒子における最大の厚さCと上から見た面の円相当径Dを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
光輝性トナーにおけるトナー粒子の厚さ方向への断面を観察した場合に、トナー粒子の該断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる光輝性顔料の割合(個数基準)が、観察される全光輝性顔料のうち60%以上であることが好ましい。更には、上記割合が70%以上95%以下であることがより好ましく、80%以上90%以下であることが特に好ましい。
上記の割合が60%以上であることにより優れた光輝性が得られる。
ここで、トナー粒子の断面の観察方法について説明する。
トナー粒子をビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と硬化剤とを用いて包埋したのち、切削用サンプルを作製する。次にダイヤモンドナイフを用いた切削機、例えばウルトラミクロトーム装置(UltracutUCT、Leica社製)を用いて−100℃の下、切削サンプルを切削し、観察用サンプルを作製する。観察サンプルを、例えば、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(S−4800、(株)日立ハイテクノロジーズ製)により1視野に光輝性トナー粒子が1個から10個程度見える倍率で観察する。
具体的には、光輝性トナー粒子の断面(光輝性トナー粒子の厚み方向に沿った断面)を観察し、観察された100個の光輝性トナー粒子について、光輝性トナー粒子の断面における長軸方向と光輝性顔料の長軸方向との角度が−30°乃至+30°の範囲となる光輝性顔料の数を、例えば、三谷商事(株)製の画像解析ソフト(Win ROOF)などの画像解析ソフト、又は、観察画像の出力サンプルと分度器を用いて数えその割合を計算する。
光輝性トナーの体積平均粒径は、3μm以上30μm以下であることが好ましく、5μm以上20μm以下であることがより好ましい。
光輝性トナーにおけるトナー粒子の厚さ方向の平均長さを1としたときの長軸方向の平均長さの比率(アスペクト比)は、1.5以上15以下であることが好ましく、2以上10以下であることがより好ましく、3以上8以下であることが更に好ましい。
トナー粒子の厚さ方向の平均長さ及び長軸方向の平均長さは、トナー粒子を平滑面にのせ、振動を掛けてムラのないように分散する。1,000個の光輝性トナー粒子について、カラーレーザ顕微鏡「VK−9700」((株)キーエンス製)により1,000倍に拡大して光輝性トナー粒子における最大の厚さと上から見た面の長軸方向の長さを測定し、それらの算術平均値を求めることにより算出する。
−光輝性顔料−
光輝性顔料としては、例えば、金属光沢のごとき光輝感を付与し得る顔料(光輝性顔料)が挙げられる。光輝性顔料として具体的には、例えば、アルミニウム(Al単体の金属)、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛等の金属粉末;酸化チタン、黄色酸化鉄等を被覆した雲母;硫酸バリウム、層状ケイ酸塩、層状アルミニウムのケイ酸塩等の被覆薄片状無機結晶基質;単結晶板状酸化チタン;塩基性炭酸塩;酸オキシ塩化ビスマス;天然グアニン;薄片状ガラス粉;金属蒸着された薄片状ガラス粉などが挙げられ、光輝性を有するものならば特に制限はない。
光輝性顔料の中でも、特に鏡面反射強度の観点で、金属粉末が好ましく、その中でもアルミニウムが最も好ましい。
光輝性顔料の形状については、定着画像において高い光輝性を有するという観点で、扁平状(鱗片状)である。
以下、扁平状の光輝性顔料について記載する。
扁平状の光輝性顔料の長軸方向の平均長さは、1μm以上30μm以下であることが好ましく、3μm以上20μm以下がより好ましく、5μm以上15μm以下が更に好ましい。
光輝性顔料の厚さ方向の平均長さを1としたときの長軸方向の平均長さの比率(アスペクト比)は、5以上200以下であることが好ましく、10以上100以下がより好ましく、30以上70以下が更に好ましい。
光輝性顔料の各平均長さ及びアスペクト比は、以下の方法により測定される。走査電子顕微鏡(S−4800,(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用い、測定し得る倍率(300から100,000倍)で顔料粒子の写真を撮影し、得られた顔料粒子の画像を二次元化した状態で、各粒子の長軸方向の長さ及び厚さ方向の長さを測定し、光輝性顔料長軸方向の平均長さ及びアスペクト比を算出する。
光輝性顔料の体積平均粒径は、1.0μm以上20.0μm以下であることが好ましく、2.0μm以上15.0μm以下であることがより好ましい。
光輝性顔料の体積平均粒径が1.0μm以上であれば、得られる画像の光輝性に優れる。
光輝性顔料の体積平均粒径が20.0μm以下であれば、得られるトナーの帯電特性に優れ、転写ムラが抑制される。
光輝性顔料の体積平均粒径は、以下のようにして測定される。
マルチサイザーII(コールター社製)等の測定器で測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積平均粒径とする。
製造後のトナー粒子中の光輝性顔料の体積平均粒径の測定方法としては、光輝性顔料は溶解せずに、トナー樹脂のみを溶解可能な溶媒とトナーを混合撹拌し、十分トナー樹脂が溶媒中に溶解した後に、光輝性顔料を固液分離して、上記同様の粒度分布測定装置にて体積平均粒径を測定する。
光輝性トナー粒子の全質量に対する光輝性顔料の含有量は、1質量%以上70質量%以下であることが好ましく、5質量%以上50質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態における光輝性トナーは、結着樹脂を含むことが好ましい。
離型剤としては、特定着色トナーに用いられる結着樹脂と同様の結着樹脂が使用され、好ましい態様も後述する態様以外は、同様である。
前記光輝性トナーは、得られる画像の粒状感の観点から、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、3質量%以上25質量%以下含むことが好ましく、5質量%以上20質量%以下含むことがより好ましい。
本実施形態における前記光輝性トナーの結着樹脂における分子量1,000以下の成分の量の測定方法は、以下の方法により測定するものとする。
トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、0.45μmのフィルター(クロマトディスク25N、ジーエルサイエンス社製)で溶解分(結着樹脂)を抽出する。ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)(東ソー(株)製GPC・HLC−8120GPC)を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定を行う。測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して分子量を横軸、重量分率を縦軸としたグラフ(積分分子量分布曲線)を作成する。分子量1,000における積算重量分率を算出することにより結着樹脂における分子量1,000以下の成分の量を測定する。
分子量1,000以下の成分としては、例えば、結着樹脂を合成する際に低重合状態で反応を停止させたダイマー、トリマー、テトラマーまたはオリゴマーなどの低重合体、または使用する結着樹脂以外の熱可塑性樹脂の低重合体が挙げられる。
また、前記分子量1,000以下の成分は、分子量300以上であることが好ましく、分子量500以上であることがより好ましい。
結着樹脂に分子量1,000以下の成分を含ませる方法としては、特に制限はないが、トナー作製前に結着樹脂にあらかじめ混合させる方法、及び、トナー作製時に追加混合する方法が好ましく挙げられる。
本実施形態における光輝性トナーは、離型剤を含むことが好ましい。
離型剤としては、特定着色トナーに用いられる離型剤と同様の離型剤が使用され、好ましい態様も同様である。
本実施形態における光輝性トナーは、その他の添加剤含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
本実施形態における光輝性トナーは、外添剤を有していてもよい。
外添剤としては、特定着色トナーに用いられる外添剤と同様の外添剤が使用され、好ましい態様も同様である。
<トナーの製造方法>
本実施形態に用いられる各種トナー(特定有色トナー及び光輝性トナー等、以下、合わせて単に「トナー」と称することがある。)は、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して外添剤を添加することにより作製してもよい。
トナー粒子の製造方法は特に限定されず、公知である混練粉砕法等の乾式法や、乳化凝集法、溶解懸濁法や懸濁重合法等の湿式法等によって作製される。
混練・粉砕製法は、着色剤を始めとする各材料を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練して、得られた溶融混錬物を粗粉砕した後、ジェットミル等で粉砕し、風力分級機により、目的とする粒径のトナー粒子を得る方法である。
これらの方法の中でも、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒径を制御しやすく、コアシェル構造などトナー粒子構造の制御範囲も広い乳化凝集法が望ましい。以下、乳化凝集法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
乳化凝集法は、トナー粒子を構成する原料を乳化して樹脂粒子(乳化粒子)等を形成する乳化工程と、該樹脂粒子の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを有することが好ましい。
−乳化工程−
樹脂粒子分散液の作製は一般的な重合法による樹脂粒子分散液作製、例えば乳化重合法や懸濁重合法、分散重合法などを用いる他にも、水系媒体と結着樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより乳化して行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。更に、樹脂が油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、該樹脂をそれらの溶剤に解かして水中に分散剤や高分子電解質と共に粒子分散し、その後加熱又は減圧して溶剤を蒸散することにより、樹脂粒子分散液が作製される。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水であることが望ましい。
また、乳化工程に使用される分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
前記乳化液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。樹脂粒子の大きさとしては、その平均粒径(体積平均粒径)は1.0μm以下が好ましく、60nm以上300nm以下がより好ましく、150nm以上250nm以下が更に好ましい。60nm以上では、樹脂粒子が分散液中で不安定な粒子となりやすいため、該樹脂粒子の凝集が容易となる場合がある。また1.0μm以下であると、トナーの粒径分布が狭くなる場合がある。
離型剤分散液の調製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の融解温度以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力が付与されるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理する。このような処理を経ることにより、離型剤分散液が得られる。分散処理の際、ポリ塩化アルミニウム等の無機化合物を分散液に添加してもよい。望ましい無機化合物としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、高塩基性ポリ塩化アルミニウム(BAC)、ポリ水酸化アルミニウム、塩化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等が望ましい。上記離型剤分散液は乳化凝集法に用いられるが、トナーを懸濁重合法により製造する際にも上記離型剤分散液を用いてもよい。
分散処理により、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液が得られる。なお、離型剤粒子の体積平均粒径は、100nm以上500nm以下であることが好ましい。体積平均粒径が100nm以上では、使用される結着樹脂の特性にも影響されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれやすくなる。また、500nm以下の場合には、トナー中の離型剤の分散状態が良好となる。
着色剤分散液及び光輝性顔料分散液の調製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。着色剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。
また、光輝性顔料及び結着樹脂を溶剤に分散・溶解して混合し、転相乳化やせん断乳化により水中へ分散することにより、結着樹脂で被覆された光輝性顔料の分散液を調製してもよい。
−凝集工程−
凝集工程においては、樹脂粒子の分散液、着色剤分散液、光輝性顔料分散液、及び、離型剤分散液等を混合して混合液とし、樹脂粒子のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、撹拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる場合が多い。pHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、この際、凝集剤を使用することも有効である。
光輝性トナーを製造する場合と、有色トナーを製造する場合とで、凝集工程における、結晶性樹脂を含有する樹脂粒子の分散液の使用量を調整することにより、吸熱量QA/吸熱量QBの値が調整され、本実施形態のトナーセットが得られる。
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
前記無機金属塩としては、特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。より狭い粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが、狭い粒度分布を得るためには望ましい。
また、前記凝集粒子が所望の粒径になったところで樹脂粒子分散液を追添加することで(被覆工程)、コア凝集粒子の表面を樹脂で被覆した構成のトナーを作製してもよい。この場合、離型剤や着色剤や光輝性顔料がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
−融合工程−
融合工程においては、前記凝集工程に準じた撹拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記樹脂のガラス転移温度以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。また、前記樹脂で被覆した場合には、該樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、樹脂のガラス転移温度近傍(ガラス転移温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
得られたトナー粒子には、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物等が外添剤として添加付着される。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行うことができ、段階を分けて付着させてもよい。外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5質量部以下の範囲が好ましく、0.3質量部以上2質量部以下の範囲がより好ましい。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いてもよい。
また、上述した無機酸化物等以外にも、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を外添剤として添加させてもよい。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、無色または淡色のものが望ましく使用される。例えば、第四級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される粒子が挙げられる。なお、これらの無機粒体や有機粒体は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用される。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のシリカ、アルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
次いで、溶解懸濁法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
溶解懸濁法は、結着樹脂、光輝性顔料、有色顔料、及び、必要に応じて用いられる離型剤等のその他の成分を含む材料を、前記結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解又は分散させた液を、無機分散剤を含有する水媒体中で造粒した後、前記溶媒を除去することでトナー粒子を得る方法である。
溶解懸濁法に用いられるその他の成分としては、離型剤の他、内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分が挙げられる。
本実施形態において、これらの結着樹脂、光輝性顔料、有色顔料及び、必要に応じて用いられるその他の成分は、結着樹脂が溶解可能な溶媒中に溶解又は分散される。
結着樹脂が溶解可能か否かは、結着樹脂の構成成分、分子鎖長、三次元化の度合いなどに依存するので一概に言い切れないが、一般的にはトルエン、キシレン、ヘキサン等の炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素、エタノール、ブタノール、ベンジルアルコールエチルエーテル、ベンジルアルコールイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のアルコール又はエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル、アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトン、ジメチルオキシド、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン又はアセタールなどが使用される。
これらの溶媒は結着樹脂を溶解するものであり、光輝性顔料、有色顔料及びその他の成分を溶解する必要はない。光輝性顔料及びその他の成分は結着樹脂の溶液中に分散できればよい。
溶媒の使用量には制限がないが、水媒体中にて造粒できる粘度であればよい。結着樹脂、光輝性顔料、及びその他の成分を含む材料(前者)と溶媒(後者)との比で、10/90乃至50/50(前者/後者の質量比)が造粒し易さ及び最終的なトナー粒子の収率の点で好ましい。
溶媒中に溶解又は分散された、結着樹脂、光輝性顔料、有色顔料及びその他の成分の液(トナー母液)は、無機分散剤を含有する水媒体中で予め定められた粒径になるように造粒される。水媒体には、主に水が用いられる。水媒体とトナー母液との混合比は、水媒体/トナー母液=90/10乃至50/50(質量比)が好ましい。
無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン及びシリカ粉末から選択されるものが好ましい。
無機分散剤の使用量は造粒される粒子の粒子径に応じて決定されるが、トナー母液に対して0.1質量%以上15質量%以下の範囲で用いられることが好ましい。0.1質量%以上であれば造粒が良好に行われやすく、15質量%以下であれば不必要な微細粒子が発生しづらく目的の粒子が高収率で得られやすい。
トナー母液からの造粒を良好にするために、無機分散剤を含有する水媒体中には更に助剤を加えてもよい。
助剤としては、公知の陽イオンタイプ、陰イオンタイプ及びノニオンタイプの界面活性剤があり、特に、陰イオンタイプのものが好ましい。例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等があり、これらはトナー母液に対して1×10−4質量%以上0.1質量%以下の範囲で用いられるのが好ましい。
無機分散剤を含有する水媒体中でのトナー母液からの造粒は、剪断下で行われるのが好ましい。
この際、平均粒子径が20μm以下に造粒されることが好ましく、3μm以上15μm以下に造粒されることが特に好ましい。
剪断機構を備えた装置としては各種の分散機があり、中でも、ホモジナイザーが好ましい。ホモジナイザーを用いることで、互いには相溶しない物質(本実施形態では無機分散剤を含有する水媒体とトナー母液)をケーシングと回転するロータとの間隙を通過させることで、ある液体中にその液体とは相溶しない物質を粒子状に分散させられる。
ホモジナイザーとして具体的には、TKホモミキサー、ラインフローホモミキサー、オートホモミキサー(以上、特殊機化工業株式会社製)、シルバーソンホモジナイザー(シルバーソン社製)、ポリトロンホモジナイザー(キネマチカ(KINEMATICA)AG社製)などがある。
ホモジナイザーを用いた撹拌条件は、ロータの羽根の周速で2m/秒以上が好ましい。周速が2m/秒以上であれば粒子化が良好となる傾向にある。
上記のようにして造粒された後、溶媒が取り除かれる。
溶媒の除去は、常温(25℃)、常圧で行ってもよいが、除去までに長い時間を要するため、溶媒の沸点より低く、且つ、沸点との差が80℃以下の範囲の温度条件で行うのが好ましい。圧力は常圧でも減圧でもよいが、減圧する際は20mmHg以上150mmHg以下で行うのが好ましい。
また、溶媒の除去後には、トナー粒子を塩酸等で洗浄することが好ましい。これによりトナー粒子表面に残存する無機分散剤を除去して、トナー粒子本来の組成にして特性が向上する。
次いで、脱水、乾燥すれば粉体のトナー粒子が得られる。
また、結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子は、溶解懸濁法により得ることがよい。なお、次に示す溶解懸濁法の説明では、離型剤を含むトナー粒子を得る方法について示すが、離型剤は必要に応じてトナー粒子に含むものである。また、結着樹脂として未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を得る方法について示すが、トナー粒子は結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂のみを含んでもよい。
[油相液調製工程]
未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物、光輝性顔料、有色顔料及び離型剤を含むトナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調製する(油相液調製工程)。この油相液調製工程では、トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、トナー材料の混合液を得る工程である。
油相液は、1)トナー材料を一括して有機溶媒に溶解又は分散して、調製する方法、2)予めトナー材料を混練した後、この混練物を有機溶媒に溶解又は分散して、調製する方法、3)未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物を有機溶媒に溶解させた後、この有機溶媒に、光輝性顔料、及び離型剤を分散させて、調製する方法、4)光輝性顔料、有色顔料及び離型剤を有機溶媒に分散させた後、この有機溶媒に、未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物を溶解して、調製する方法、5)イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー及びアミン化合物以外のトナー粒子材料(未変性ポリエステル樹脂、光輝性顔料、及び離型剤)を有機溶媒に溶解又は分散させた後、この有機溶媒に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー及びアミン化合物を溶解して調製する方法、6)イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー又はアミン化合物以外のトナー粒子材料(未変性ポリエステル樹脂、光輝性顔料、有色顔料及び離型剤)を有機溶媒に溶解又は分散させた後、この有機溶媒に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー又はアミン化合物を溶解して調製する方法等が挙げられる。なお、油相液の調製方法は、これらに限られるわけではない。
油相液の有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶媒;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。これらの有機溶媒は、結着樹脂を溶解するものであって、かつ、水に溶解する割合が0質量%以上30質量%以下程度のものであり、沸点が100℃以下であることが好ましい。これらの有機溶媒の中でも、酢酸エチルが好ましい。
[懸濁液調製工程]
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応を行う。そして、この反応によりウレア変性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
水相液は、樹脂粒子分散剤、無機粒子分散剤等の粒子分散剤を水系溶媒に分散させた水相液が挙げられる。また、水相液は、粒子分散剤を水系溶媒に分散させると共に、高分子分散剤を水系溶媒に溶解させた水相液も挙げられる。なお、水相液には、界面活性剤等の周知の添加剤を添加してもよい。
水系溶媒は、水(例えば、通常、イオン交換水、蒸留水、純水)が挙げられる。水系溶媒は、水と共に、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含む溶媒であってもよい。
有機粒子分散剤としては、親水性の有機粒子分散剤が挙げられる。有機粒子分散剤としては、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチル)、ポリスチレン樹脂、ポリ(スチレン−アクリロニトリル)樹脂等の粒子が挙げられる。
無機粒子分散剤としては、親水性の無機粒子分散剤が挙げられる。無機粒子分散剤としては、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、粘土、珪藻土、ベントナイト等の粒子が挙げられ、炭酸カルシウムの粒子が好ましい。無機粒子分散剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
粒子分散剤は、その表面がカルボキシル基を有する重合体で表面処理されていてもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸又はα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の代表的なものとしては、α,β−不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等)、α,β−不飽和ジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等)などが挙げられる。また、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルの代表的なものとしては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、アルコキシ基を有する(メタ)アクリレート、シクロヘキシル基を有する(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
高分子分散剤としては、親水性の高分子分散剤が挙げられる。高分子分散剤としては、具体的には、カルボキシル基を有し、かつ親油基(ヒドロキシプロポキシ基、メトキシ基等)を有さない高分子分散剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテル)が挙げられる。
[溶媒除去工程]
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程では、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去してトナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却又は加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
有機溶媒除去の具体的な方法には、次の方法が挙げられる。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、更に懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
ここで、溶媒除去工程終了後は、トナー粒子分散液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子として得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことが好ましい。
<静電荷像現像剤セット>
本実施形態に係る静電荷像現像剤セットは、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーを含む第1静電荷像現像剤と、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナー又は前記マゼンタトナーを含む第2静電荷像現像剤と、を有する。
各静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、本実施形態に係るトナーセットのうち光輝性トナーによる光輝性画像を形成する第1画像形成手段と、本実施形態に係るトナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像又は前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像のいずれかを形成する第2画像形成手段と、光輝性画像及びシアン画像又はマゼンタ画像を記録媒体上に転写する転写手段と、光輝性画像及び有色画像を記録媒体上に定着する定着手段と、を備える。
本実施形態に係る画像形成装置は、第1及び第2画像形成手段として、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、を各々有する各画像形成手段を備える形態であってもよい。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、第1及び第2画像形成手段として、静電荷像現像剤により像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する第1及び第2現像手段と、を有する形態であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置では、本実施形態に係るトナーセットのうち光輝性トナーによる光輝性画像を形成する第1画像形成工程と、本実施形態に係るトナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像又は前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像のいずれかを形成する第2画像形成工程と、光輝性画像及び有色画像を記録媒体上に転写する転写工程と、光輝性画像及び有色画像を記録媒体上に定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像(本実施形態では光輝性画像、有色画像)を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。以下の説明においては、本実施形態に係るトナーセットの一例について、光輝性トナーを「銀色トナー」と称して説明する。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図であり、5連タンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す図である。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、銀色(B)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット150Y、150M、150C、150K、150B(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称することがある)150Y、150M、150C、150K、150Bは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット150Y、150M、150C、150K、150Bは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット150Y、150M、150C、150K、150Bの下方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)133が延設されている。中間転写ベルト133は、中間転写ベルト133の内面に接する、駆動ロール113、支持ロール112、及び対向ロール114に巻きつけて設けられ、第1のユニット150Yから第5のユニット150Bに向う方向(図2中、矢印B方向)に走行するようになっている。中間転写ベルト133の像保持面側には、駆動ロール113と対向して中間転写体クリーニング装置116が備えられている。また、中間転写体クリーニング装置116に対して中間転写ベルト133の回転方向上流側には、支持ロール113との間で電位差を生じさせることで中間転写ベルト133との間に電界を生じさせる電圧印加装置160が設けられている。
各ユニット150Y、150M、150C、150K、150Bの現像装置(現像手段の一例)120Y、120M、120C、120K、120Bのそれぞれには、トナーカートリッジ140Y、140M、140C、140K、140Bに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、銀色の各トナーの供給がなされる。
第1乃至第5のユニット150Y、150M、150C、150K、150Bは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット150Yについて代表して説明する。
第1ユニット150Yは、像保持体として作用する感光体111Yを有している。感光体111Yの周囲には、感光体111Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)118Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線によって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)119Y、静電荷像にトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)120Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト133上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)117Y、及び一次転写後に感光体111Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)115Yが順に配置されている。
一次転写ロール117Yは、中間転写ベルト133の内側に配置され、感光体111Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール117Y、117M、117C、117K、117Bには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
以下、第1ユニット150Yにおいてイエローの画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール118Yによって感光体111Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体111Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体111Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置119Yからレーザ光線を照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体111Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体111Yの表面に形成される像であり、露光装置119Yからのレーザ光線によって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体111Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体111Y上に形成された静電荷像は、感光体111Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体111Y上の静電荷像が、現像装置120Yによってトナー画像として現像され可視化される。
現像装置120Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置120Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体111Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体111Yの表面が現像装置120Yを通過していくことにより、感光体111Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体111Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体111Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体111Y上のイエロートナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール117Yに一次転写バイアスが印加され、感光体111Yから一次転写ロール117Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体111Y上のトナー画像が中間転写ベルト133上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、第1ユニット150Yでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
一方、感光体111Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置115Yで除去されて回収される。
第2ユニット150M以降の一次転写ロール117M、117C、117K、117Bに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット150Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト133は、第2乃至第5のユニット150M、150C、150K、150Bを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第5のユニットを通して5色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト133は、中間転写ベルト133と、中間転写ベルトの内面に接する対向ロール114と、中間転写ベルト133の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)134とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール134と中間転写ベルト133とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが対向ロール114に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト133から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト133上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)135における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ140Y、140M、140C、140K、140Bが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置120Y、120M、120C、120K、120Bは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジセット>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち第1静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、本実施形態に係る静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール216及び露光のための開口部218が備えられた筐体217により、感光体207(像保持体の一例)と、感光体207の周囲に備えられた帯電ロール208(帯電手段の一例)、現像装置211(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置213(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図3中、209は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、212は一次転写ロール(一次転写手段の一例)、220は中間転写ベルト(中間転写体の一例)、222は中間転写ベルト除電手段を兼ねた駆動ロール(中間転写体除電手段の一例)、224は支持ロール、226は二次転写ロール(二次転写手段の一例)、228は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジセットについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジセットは、本実施形態に係るトナーセットのうち光輝性トナーを収容した第1トナーカートリッジと、本実施形態に係るトナーセットのうち前記シアントナー又は前記マゼンタトナーを収容した第2トナーカートリッジと、を有し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジセットである。
各トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた各々の現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
以下、本実施形態を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本実施形態は下記実施例に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を表す。
<結着樹脂(1)の合成>
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えたフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移温度60℃の結着樹脂(1)を合成した。なお、樹脂の酸価は、JIS K0070−1992に従って、中和滴定法で測定した。
<低分子量結着樹脂(1)の合成>
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
撹拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えたフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド0.05部を投入した。生成する水を留去しながら220℃で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量700の低分子量結着樹脂(1)を合成した。
<樹脂粒子分散液(1)の調製>
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、結着樹脂(1)90部および低分子量結着樹脂(1)10部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10質量%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間撹拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、撹拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
<樹脂粒子分散液(2)の調製>
結着樹脂(1)90部及び低分子量結着樹脂(1)10部を、結着樹脂(1)98部及び低分子量結着樹脂(1)2部に変更した以外は樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、樹脂粒子分散液(2)を調製した。
<樹脂粒子分散液(3)の調製>
結着樹脂(1)90部及び低分子量結着樹脂(1)10部を、結着樹脂(1)74部及び低分子量結着樹脂(1)26部に変更した以外は樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、樹脂粒子分散液(3)を調製した。
<樹脂粒子分散液(4)の調製>
結着樹脂(1)90部及び低分子量結着樹脂(1)10部を、結着樹脂(1)100部に変更した以外は樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、樹脂粒子分散液(4)を調製した。
<樹脂粒子分散液(5)の調製>
・スチレン:280部
・アクリル酸n−ブチル:120部
・アクリル酸:2部
・ドデカンチオール:24部
上記材料の混合溶液、非イオン性界面活性剤(三洋化成工業(株)製ノニポール400)6部、及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオゲンR)12部をイオン交換水550部に溶解し、反応容器中で20分間撹拌混合しながら、過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。その後、反応容器内を窒素置換した後、容器内を70℃まで加熱して5時間乳化重合を継続した。前記樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(5)とした。
<樹脂粒子分散液(6)の調製>
結着樹脂(1)90部及び低分子量結着樹脂(1)10部を、結着樹脂(1)96部及び低分子量結着樹脂(1)4部に変更した以外は樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、樹脂粒子分散液(6)を調製した。
<樹脂粒子分散液(7)の調製>
結着樹脂(1)90部及び低分子量結着樹脂(1)10部を、結着樹脂(1)76部及び低分子量結着樹脂(1)24部に変更した以外は樹脂粒子分散液(1)の調製と同様にして、樹脂粒子分散液(7)を調製した。
<光輝性顔料分散液の調製>
・アルミニウム顔料(昭和アルミパウダー(株)製2173EA):100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオゲンR):1.5部
・イオン交換水:900部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去した後、上記材料を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工(株)製CR1010)を用いて1時間分散して、光輝性顔料(アルミニウム顔料)を分散させてなる光輝性顔料分散液(固形分量10%)を調製した。
<離型剤分散液の調製>
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製HNP−9):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:350部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤分散液(固形分量20質量%)を得た。
<シアン着色剤粒子分散液(1)の調製>
・シアン着色剤(c−1):70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水:200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmのシアン着色剤粒子が分散されたシアン着色剤分散液(1)を得た。
なお、シアン着色剤(c−1)は、前述した式(C)で表されるシアン着色剤の具体例c−1である。
<シアン着色剤粒子分散液(2)の調製>
シアン着色剤(c−1)をシアン着色剤(c−9)に代えた以外はシアン着色剤粒子分
散液(1)の調製と同様にして、シアン着色剤分散液(2)を得た。
なお、シアン着色剤(c−9)は、前述した式(C)で表されるシアン着色剤の具体例c−9である。
<シアン着色剤粒子分散液(3)の調製>
シアン着色剤(c−1)をC.I.Pigment Blue15:4(大日精化工業(株)製)に代えた以外はシアン着色剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、シアン着色剤分散液(3)を得た。
<マゼンタ着色剤粒子分散液(1)の調製>
・マゼンタ着色剤(MD−3):20部
・酢酸エチル:450部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製ネオゲンRK):4部
・イオン交換水:750部
マゼンタ着色剤(MD−3)を酢酸エチルに溶解させた後、アニオン性界面活性剤を含むイオン交換水へ滴下して撹拌した後、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径47nmのマゼンタ着色剤粒子が分散されたマゼンタ着色剤分散液(1)を得た。
なお、マゼンタ着色剤(MD−3)は、前述した式(M)で表されるマゼンタ着色剤の具体例MD−3である。
<マゼンタ着色剤粒子分散液(2)の調製>
マゼンタ着色剤(MD−3)をマゼンタ着色剤(MD−1)に代えた以外はマゼンタ着色剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、シアン着色剤分散液(2)を得た。
なお、マゼンタ着色剤(MD−1)は、前述した式(M)で表されるマゼンタ着色剤の具体例MD−1である。
<マゼンタ着色剤粒子分散液(3)の調製>
シアン着色剤(c−1)をC.I.Pigment Red146(大日精化工業(株)製)に代えた以外はシアン着色剤粒子分散液(1)の調製と同様にして、マゼンタ着色剤分散液(3)を得た。
<光輝性トナー1の作製>
・樹脂粒子分散液(1):450部
・離型剤分散液:50部
・光輝性顔料分散液:21.7部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897、ローディア社製):1.4部
上記材料を円筒ステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)により4,000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転数を5,000rpmにして5分間分散して混合した。
次いで、層流を形成するための2枚パドルの撹拌翼を用いた撹拌装置、及び温度計を備えた重合釜に凝集粒子分散液を移し、撹拌回転数を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。この際、0.3Nの硝酸及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。この際、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒径は10.6μmであった。
次に、樹脂粒子分散液100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させた。56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。
その後、凝集粒子を合一させるためにpHを8.0に上げた後、0.01℃/分の速度で80℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が合一したのを確認した後80℃で保持したままpHを6.0まで下げ、2.5時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。その後20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥して光輝性トナー母粒子を得た。光輝性トナー母粒子の体積平均粒径は12.5μmであった。
得られたトナー母粒子100部に対しコロイダルシリカ(日本アエロジル(株)製、R972)1.5部を、ヘンシェルミキサーにて周速30m/sで2分間混合して光輝性トナー1を得た。
<光輝性トナー2の作製>
樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(2)に代えた以外は光輝性トナー1の作製と同様にして、光輝性トナー2を得た。
<光輝性トナー3の作製>
樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(3)に代えた以外は光輝性トナー1の作製と同様にして、光輝性トナー3を得た。
<光輝性トナー4の作製>
樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(4)に代えた以外は光輝性トナー1の作製と同様にして、光輝性トナー4を得た。
<光輝性トナー5の作製>
樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(6)に代えた以外は光輝性トナー1の作製と同様にして、光輝性トナー5を得た。
<光輝性トナー6の作製>
樹脂粒子分散液(1)を樹脂粒子分散液(7)に代えた以外は光輝性トナー1の作製と同様にして、光輝性トナー6を得た。
<シアントナー1の作製>
・樹脂粒子分散液(4):425部
・シアン着色剤粒子分散液(1):25部
・離型剤分散液(1):50部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower、テイカ(株)製):2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(4)100部を緩やかに追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径7.5μmのシアントナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100部に対しコロイダルシリカ(日本アエロジル(株)製、R972)1.5部を、ヘンシェルミキサーにて周速30m/sで2分間混合してシアントナー1を得た。
<シアントナー2の作製>
シアン着色剤粒子分散液(1)をシアン着色剤粒子分散液(2)に代えた以外はシアントナー1の作製と同様にして、シアントナー2を得た。
<シアントナー3の作製>
樹脂粒子分散液(4)を樹脂粒子分散液(5)に代えた以外はシアントナー1の作製と同様にして、シアントナー3を得た。
<シアントナー4の作製>
シアン着色剤粒子分散液(1)をシアン着色剤粒子分散液(3)に代えた以外はシアントナー1の作製と同様にして、シアントナー4を得た。
<マゼンタトナー1の作製>
・樹脂粒子分散液(4):420部
・マゼンタ着色剤粒子分散液(1):30部
・離型剤分散液(1):50部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower):2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(4)100部を緩やかに追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。その後、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径7.3μmのマゼンタトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100部に対しコロイダルシリカ(日本アエロジル(株)製、R972)1.5部を、ヘンシェルミキサーにて周速30m/sで2分間混合してマゼンタトナー1を得た。
<マゼンタトナー2の作製>
マゼンタ着色剤粒子分散液(1)をマゼンタ着色剤粒子分散液(2)に代えた以外はマゼンタトナー1の作製と同様にして、マゼンタトナー2を得た。
<マゼンタトナー3の作製>
樹脂粒子分散液(4)を樹脂粒子分散液(5)に代えた以外はマゼンタトナー1の作製と同様にして、マゼンタトナー3を得た。
<マゼンタトナー4の作製>
マゼンタ着色剤粒子分散液(1)をマゼンタ着色剤粒子分散液(3)に代えた以外はマゼンタトナー1の作製と同様にして、マゼンタトナー4を得た。
<キャリアの製造>
・フェライト粒子(体積平均粒径:35μm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(臨界表面張力:24dyn/cm、共重合比2:8、重量平均分子量77,000):1.6部
・カーボンブラック(商品名:VXC-72、キャボット社製、体積抵抗率:100Ωcm以下):0.12部
・架橋メラミン樹脂粒子(平均粒径:0.3μm、トルエン不溶):0.3部
まず、パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体に、カーボンブラックをトルエンに希釈して加えサンドミルで分散した。次いで、これにフェライト粒子以外の上記各成分を10分間スターラーで分散し、被覆層形成液を調合した。次いでこの被覆層形成液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、温度60℃において30分間撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、樹脂被覆層を形成してキャリアを得た。
<静電荷像現像剤の作製>
各光輝性トナー、各シアントナー、及び、マゼンタトナーについて、トナー:36部とキャリア:414部とを、Vブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分して、静電荷像現像剤をそれぞれ作製した。
<画像における粒状感の評価>
表1に記載の各トナーをそれぞれ使用した光輝性トナー現像剤、シアントナー現像剤、及びマゼンタトナー現像剤を富士ゼロックス(株)製「color 800 press 改造機」の現像器に充填した。
この改造機を用いて、OKトップコート紙(坪量127:王子製紙(株)製)の紙に、光輝性トナーの載り量が3.5g/mのベタ画像、及びその上層にシアントナーとマゼンタトナーによる二次色のハーフトーン画像を形成した。形成した画像について、粒状感を目視により観察し、下記基準に基づいて評価した。得られた結果を表1に示す。
−基準−
G1:粒状感がまったく感じられない。
G2:粒状感がわずかに感じられる。
G3:粒状感が感じられるが、問題にならない。
G4:粒状感が感じられ、違和感を若干感じるが、実用上問題のないレベルである。
G5:粒状感が強く感じられる。
評価結果を表1にまとめて示す。
2 光輝性トナー粒子
4 光輝性顔料
L トナー粒子の厚さ
111Y、111M、111C、111K、111B、207 感光体
113、222 駆動ロール
112、224 支持ロール
114 対向ロール
115Y、115M、115C、115K、115B クリーニング装置
116 中間転写体クリーニング装置
117Y、117M、117C、117K、117B、212 一次転写ロール
118Y、118M、118C、118K、118B、208 帯電ロール
119Y、119M、119C、119K、119B、209 露光装置
120Y、120M、120C、120K、120B、211 現像装置
133 中間転写ベルト
134、226 二次転写ロール
135、228 定着装置
140Y、140M、140C、140K、140B トナーカートリッジ
150Y、150M、150C、150K、150B 画像形成ユニット
200 プロセスカートリッジ
213 感光体クリーニング装置
216 取り付けレール
217 筐体
218 開口部
300、P 記録紙

Claims (14)

  1. 下記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー及び下記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーよりなる群から選ばれた少なくとも1種のトナーと、
    光輝性トナーとを有する
    トナーセット。

    式(C)中、A1、A2、A3及びA4はそれぞれ独立に、5員若しくは6員の芳香環又は複素環を表し、R、R、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、o、p、q及びrはそれぞれ独立に、0乃至4の整数を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
    M(L1)(L2n(X1m(X2・W1 式(M)
    式(M)中、MはCu及びZnよりなる群から選ばれる2価金属イオンを表し、X1及びX2はそれぞれ独立に、1座又は2座配位子を表し、X1とX2とは連結していてもよく、L1及びL2はそれぞれ独立に、2座又は3座の可視から赤外に吸収を持つ配位子を表し、n、m及びLはそれぞれ独立に、0又は1を表す。W1は電荷を中和させるのに対イオンが必要な場合の対イオンを表す。
  2. 前記光輝性トナーが、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、3質量%以上25質量%以下含む請求項1に記載のトナーセット。
  3. 前記光輝性トナーが、結着樹脂として、分子量1,000以下の成分を、前記結着樹脂の全質量に対し、5質量%以上20質量%以下含む請求項2に記載のトナーセット。
  4. 前記式(C)で表されるシアン着色剤が、下記式(C−1)で表される化合物である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のトナーセット。

    式(C−1)中、R1c乃至R16cはそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
  5. 前記式(C)で表されるシアン着色剤が、下記式(C−2)乃至式(C−5)のいずれかで表される化合物である請求項4に記載のトナーセット。

    式(C−2)乃至式(C−5)中、Rc1、Rc2、Rc3及びRc4はそれぞれ独立に、置換基を表し、MはMg、Fe、Co、Ni、Zn、Al、Si、SnX、VX、SiXY、SnXY、AlX、又は、FeXを表し、X及びYはそれぞれ独立に、水素原子、酸素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルキル基、アルキニル基、アルコキシ基、シロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アルキルチオ基、又は、アリールチオ基を表す。
  6. 前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤におけるL及びLのうちの少なくとも1つが、下記式(M−1)で表される構造である請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のトナーセット。

    式(M−1)中、R11はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、R13は置換基を表し、R12は−NR1415又は−OR16を表し、A11乃至A13はそれぞれ独立に、−CR17=又は−N=を表し、X11は5員又は6員の芳香族環又は複素環を形成するために必要な原子団を表し、Z1は窒素原子を少なくとも1つ含む5員又は6員の複素環を形成するために必要な原子団を表し、置換基を有していてもよく、前記置換基により縮環を形成してもよく、R14乃至R17はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を表し、L11は炭素数1若しくは2の連結基又は環構造の一部を表し、R13と結合して5員又は6員環構造を形成してもよく、pは0乃至3の整数を表す。
  7. 前記式(M)におけるMが、Cu2+である請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のトナーセット。
  8. 前記式(C)で表されるシアン着色剤を含むトナー、及び、前記式(M)で表されるマゼンタ着色剤を含むトナーを有する請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のトナーセット。
  9. イエロー着色剤を含むトナーを更に含む請求項8に記載のトナーセット。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーを含む第1静電荷像現像剤と、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナー又は前記マゼンタトナーを含む第2静電荷像現像剤と、
    を有する静電荷像現像剤セット。
  11. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーを収容した第1トナーカートリッジと、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナー又は前記マゼンタトナーを収容した第2トナーカートリッジと、
    を有し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジセット。
  12. 請求項10に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第1静電荷像現像剤を収容した第1現像手段と、
    請求項10に記載の静電荷像現像剤セットのうち前記第2静電荷像現像剤を収容した第2現像手段と、
    を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  13. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーによる光輝性画像を形成する第1画像形成手段と、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像又は前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像のいずれかを形成する第2画像形成手段と、
    前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも前記記録媒体上に定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  14. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記光輝性トナーによる光輝性画像を形成する第1画像形成工程と、
    請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーセットのうち前記シアントナーによるシアン画像又は前記マゼンタトナーによるマゼンタ画像のいずれかを形成する第2画像形成工程と、
    前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記光輝性画像及び前記シアン画像又はマゼンタ画像を少なくとも前記記録媒体上に定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
JP2017180930A 2017-09-21 2017-09-21 トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 Active JP7119321B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017180930A JP7119321B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017180930A JP7119321B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019056783A true JP2019056783A (ja) 2019-04-11
JP7119321B2 JP7119321B2 (ja) 2022-08-17

Family

ID=66106372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017180930A Active JP7119321B2 (ja) 2017-09-21 2017-09-21 トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7119321B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002229293A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成装置および画像形成方法
JP2010002897A (ja) * 2008-05-23 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc フルカラートナーキット及び画像形成方法
JP2010002892A (ja) * 2008-05-22 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc フルカラー画像形成方法
JP2011008079A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーセット
JP2012032764A (ja) * 2010-06-28 2012-02-16 Fuji Xerox Co Ltd トナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2012063487A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーおよび画像形成方法
JP2014134636A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Fuji Xerox Co Ltd トナーセット、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2015055841A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002229293A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成装置および画像形成方法
JP2010002892A (ja) * 2008-05-22 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc フルカラー画像形成方法
JP2010002897A (ja) * 2008-05-23 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc フルカラートナーキット及び画像形成方法
JP2011008079A (ja) * 2009-06-26 2011-01-13 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーセット
JP2012032764A (ja) * 2010-06-28 2012-02-16 Fuji Xerox Co Ltd トナー、現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジおよび画像形成装置
JP2012063487A (ja) * 2010-09-15 2012-03-29 Konica Minolta Business Technologies Inc 電子写真用トナーおよび画像形成方法
JP2014134636A (ja) * 2013-01-09 2014-07-24 Fuji Xerox Co Ltd トナーセット、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP2015055841A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置および画像形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7119321B2 (ja) 2022-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6137004B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP6627533B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
CN113267973A (zh) 树脂颗粒
JP7413821B2 (ja) 樹脂粒子セット
JP6539970B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6135412B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
CN113267968A (zh) 树脂颗粒
JP5077118B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5151684B2 (ja) トナーの製造方法およびトナー
JP5949566B2 (ja) 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6627498B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP5533609B2 (ja) フルカラー画像形成方法
JP2009217254A (ja) 電子写真用トナー
JP2000250266A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像用現像剤並びに画像形成方法
JP7119321B2 (ja) トナーセット、静電荷像現像剤セット、トナーカートリッジセット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法
JP7306056B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
US20210253846A1 (en) Resin particle
US20230104971A1 (en) Electrostatic charge image developing toner set, electrostatic charge image developer set, and toner cartridge set
US20230103095A1 (en) Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, and toner cartridge
JP7243307B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP7263870B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
EP4372032A1 (en) Method for producing resin particles and method for producing toner
US20220373918A1 (en) Toner for developing electrostatic charge image, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, and image forming apparatus
JP7314557B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2009282350A (ja) 静電荷像現像用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7119321

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150