JP6627533B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明は、
結着樹脂、及び離型剤を含有するトナー粒子と、
脂肪酸金属塩粒子、及び研磨剤粒子を含有する外添剤と、
を有し、
前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が、0.3μm以上10μm以下であり、
前記研磨剤粒子の個数平均粒径が、2μm以上10μm以下であり、
前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径をD b 、前記研磨剤粒子の個数平均粒径をD c としたとき、前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径D b と、前記研磨剤粒子の個数平均粒径D c との比(D c /D b )が、1.0≦D c /D b ≦8.0を満たし、
超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記脂肪酸金属塩粒子の遊離量Aと、超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記研磨剤粒子の遊離量Bとの比(B/A)が、0.3≦B/A≦2.0である静電荷像現像用トナーである。
前記脂肪酸金属塩粒子の総量Cと、前記研磨剤粒子の総量Dとの比(D/C)が、0.25≦D/C≦0.9である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記トナー粒子が、前記結着樹脂を含む海部と前記離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.71以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下であり、
前記トナーが、
前記結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び前記着色剤の粒子が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程と、
前記第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、前記結着樹脂となる第2樹脂粒子及び前記離型剤の粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加して、前記第1凝集粒子の表面に更に前記第2樹脂粒子及び前記離型剤の粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程、又は、第1凝集粒子を形成する凝集過程で、添加速度を次第に速めつつ又は前記離型剤の粒子の濃度を高めながら、前記離型剤の粒子が分散された離型剤粒子分散液を添加し、各粒子の凝集を進行させて、第2凝集粒子を形成する工程と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合合一して、トナー粒子を形成する工程と、
を含む工程を経て、得られるトナーである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーである。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径(μm)を示す。dは、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。)
前記トナー粒子が、前記結着樹脂として、ウレア変性ポリエステル樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記研磨剤粒子が、チタン酸ストロンチウム粒子である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記脂肪酸金属塩粒子の超音波遊離処理前のトナーに対する遊離率が、35%以上90%未満である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項8に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項8に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、 前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項8に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも称する)は、結着樹脂、及び離型剤を含有するトナー粒子と、脂肪酸金属塩粒子、及び研磨剤粒子を含有する外添剤と、を有する。そして、超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記脂肪酸金属塩粒子の遊離量Aと、超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記研磨剤粒子の遊離量Bとの比(B/A)(以下、遊離量比(B/A)とも称する)が、0.3以上2.0以下である。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、離型剤と、必要に応じて、着色剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックしたものとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸などのアミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、ケチミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋/伸長反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
・式: 円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
上式においてAは投影面積、PMは周囲長を表す。
なお、測定にはHPFモード(高分解能モード)を使用し、希釈倍率は1.0倍とした。また、データの解析に当たっては、測定ノイズ除去の目的で、円形度解析範囲を0.40以上1.00以下の範囲とした。
そのため、トナー粒子がこの特性を有することで、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制され易くなる。この理由は定かではないが、次のように推測される。離型剤がトナー粒子の表層部に存在していることで、トナー粒子と、脂肪酸金属塩粒子との親和性が高まることにより、脂肪酸金属塩粒子がトナー粒子の表面に付着しやすくなる。その結果、脂肪酸金属塩粒子と研磨剤粒子との遊離量の比は、既述の範囲に制御され易くなると考えられる。
トナー粒子の海島構造は、例えば、トナー粒子の断面を透過型電子顕微鏡により観察する方法、トナー粒子の断面に四酸化ルテニウムによる染色を行い、走査型電子顕微鏡により観察する方法によって確認する。トナー粒子の断面における離型剤ドメインがより鮮明に観察できる点で、走査型電子顕微鏡により観察する方法が好ましい。走査型電子顕微鏡としては、当業者の間でよく知られた機種であればよく、例えば、日立ハイテク社製SU8020、日本電子社製、JSM−7500F等が挙げられる。
具体的な観察方法は、次の通りである。まず、測定対象となるトナー粒子をエポキシ樹脂に包埋した後、エポキシ樹脂を硬化する。ダイヤモンド刃を備えたミクロトームによって、この硬化物を薄片化し、トナー粒子の断面が露出した観察試料を得る。薄片の観察試料に対し、四酸化ルテニウムにより染色を施し、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子の断面を観察する。この観察方法によって、トナー粒子の断面には、染色度の違いにより、結着樹脂の連続相中に対し、輝度差(コントラスト)がある離型剤が島状に存在する海島構造が観察される。
離型剤ドメインの偏在度Bの測定は、次の通り行う。まず、海島構造の確認方法を利用し、トナー粒子1個の断面が視野に入る倍率で画像を記録する。記録された画像について、画像解析ソフト(三谷商事社製、WinROOF)を用いて、0.010000μm/pixel条件で画像解析を行う。この画像解析により、包埋に用いたエポキシ樹脂とトナー粒子の結着樹脂との輝度差(コントラスト)により、トナー粒子の断面の形状を抽出する。抽出されたトナー粒子の断面の形状に基づいて、投影面積を求める。そして、この投影面積から、円相当径を求める。円相当径は、式:2√(投影面積/π)により算出する。求めた円相当径を、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径Dとする。
一方、抽出されたトナー粒子の断面の形状に基づいて、重心位置を求める。続けて、結着樹脂と離型剤の輝度差(コントラスト)により、離型剤ドメインの形状を抽出し、離型剤ドメインの重心位置を求める。この各重心位置は、具体的には、抽出されたトナー粒子、又は、離型剤ドメインの領域に対し、領域内の画素数をn、各画素のxy座標をxi、yi(i=1,2,…,n)とし、重心のx座標は各xi座標値の合計をnで割った値、重心のy座標は各yi座標値の合計をnで割った値として求める。そして、トナー粒子の断面の重心位置と離型剤ドメインの重心位置との距離を求める。求めた距離を、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離dとする。
最後に、各円相当径D及び距離dから、式(1):偏在度B=2d/Dにより、離型剤ドメインの偏在度Bを求める。そして、一個のトナー粒子の断面に存在する複数の離型剤ドメインについて、各々、上記同様の操作を行って、離型剤ドメインの偏在度Bを求める。
まず、既述の離型剤ドメインの偏在度Bの測定をトナー粒子200個について行う。得られた各離型剤ドメインの偏在度Bのデータを、0から0.01刻みのデータ区間で統計解析処理を行い、偏在度Bの分布を求める。得られた分布の最頻値、すなわち、離型剤ドメインの偏在度Bの分布で最も多く現れるデータ区間の値を求める。そして、このデータ区間の値を、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値とする。
まず、既述通り、離型剤ドメインの偏在度Bの分布を求める。求めた下記式に基づいて、偏在度Bの分布の歪度を求める。なお、下記式において、歪度をSk、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ数をn、各離型剤ドメインの偏在度Bのデータの値をxi(i=1,2,…,n)、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ全体の平均値をx(上方にバーを付したx)、離型剤ドメインの偏在度Bのデータ全体の標準偏差をsとする。
(脂肪酸金属塩粒子)
本実施形態におけるトナーは、外添剤として、脂肪酸金属塩粒子を有する。脂肪酸金属塩粒子は、脂肪酸と金属とからなる塩の粒子である。
脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の何れでもよい。脂肪酸の炭素数は、10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)の脂肪酸が挙げられる。なお、脂肪酸の炭素数は、カルボキシ基の炭素を含む。
脂肪酸としては、具体的には、例えば、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、ステアリン酸、ラウリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
金属は、2価の金属を用いることがよい。金属としては、例えば、具体的には、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。これらの中でも、亜鉛が好ましい。
脂肪酸金属塩粒子として、ステアリン酸亜鉛粒子の製造方法を例に挙げると、例えば、ステアリン酸ナトリウムをカチオン置換する方法;ステアリン酸と水酸化亜鉛とを反応させる方法;などが挙げられる。
また、同様の点で、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径は、例えば、0.1μm以上10μm以下(好ましくは、0.3μm以上6μm以下)であることがよい。
なお、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径は、次の方法により測定された値である。
まず、測定対象となるトナーを走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する。そして、画像解析によって、測定対象となる脂肪酸金属塩粒子100個それぞれの円相当径を求め、その個数基準の分布における小径側から個数累積50%(50個目)の円相当径を数平均粒径とする。
測定対象となる脂肪酸金属塩粒子100個の円相当径を求める画像解析は、解析装置(ERA−8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で投影面積を求め、式:円相当径=2√(投影面積/π)で円相当径を求める。
本実施形態のトナーは、トナー粒子の体積平均粒径をDa、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径をDbとしたとき、トナー粒子の体積平均粒径Daと、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径Dbとの比(Da/Db)が、2.5≦Da/Db≦7(好ましくは3.0≦Da/Db≦6.0)を満たすことが好ましい。
この比(Da/Db)が、上記範囲であると、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制され易くなる。
研磨剤粒子としては、特に限定されない。
前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制され易くなる点で、研磨剤粒子の比重は、4.0以上(好ましくは6.0以上7.0以下)であることがよい。
なお、研磨剤粒子の個数平均粒径は、次の方法により測定された値である。
まず、測定対象となるトナーをメタノール中に入れて分散させ、撹拌後、超音波バスにて処理することで、トナーから脂肪酸金属塩粒子や研磨剤粒子を分離することができる。その分離のしやすさは外添剤の粒径・比重により決まり、大径、かつ高比重のものが多い研磨剤粒子は分離しやすい為、超音波処理条件を弱く設定する、あるいはトナー等の樹脂粒子組成物が沈降しない程度の弱い遠心分離で沈降させることで、研磨剤粒子を分離することができる。分離した研磨剤粒子を乾燥させた後に、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察する。そして、画像解析によって、測定対象となる研磨剤粒子100個それぞれの円相当径を求め、その個数基準の分布における小径側から個数累積50%(50個目)の円相当径を数平均粒径とする。
測定対象となる研磨剤粒子100個の円相当径を求める画像解析は、解析装置(ERA−8900:エリオニクス社製)を用いて、倍率10,000倍の二次元画像を撮影し、画像解析ソフトWinROOF(三谷商事社製)を用いて、0.010000μm/pixel条件で投影面積を求め、式:円相当径=2√(投影面積/π)で円相当径を求める。
なお、脂肪酸金属塩粒子と研磨剤粒子とは次のように区別できる。研磨剤粒子は前記分離手段を経て回収されるサンプルにより区別され、また前記研磨剤粒子を分離した後の上澄み液に含まれるトナー組成物を乾燥させて得られる回収物にて前記脂肪酸金属塩の粒径観察手段によって観察することで、脂肪酸金属塩の粒子として観察することができる。なお、元素マッピング等による識別など、区別が可能であれば特に方法は限定されない。
外添剤に含まれる脂肪酸金属塩粒子の総量Cと研磨剤粒子の総量Dとの比(D/C)は、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制され易くする点から、0.25≦D/C≦0.9(好ましくは0.30≦D/C≦0.80、より好ましくは0.35≦D/C≦0.75)であることがよい。
本実施形態のトナーは、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径をDb、研磨剤粒子の個数平均粒径をDcとしたとき、脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径Dbと、研磨剤粒子の個数平均粒径Dcとの比(Dc/Db)が、0.1≦Dc/Db≦16.7を満たすことが好ましい。上記の比(Dc/Db)は、1.0≦Dc/Db≦8.0を満たすことがより好ましく、1.5≦Dc/Db≦6.0を満たすことがさらに好ましい。
この比(Dc/Db)が、上記範囲であると、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制し易くなる。
本実施形態のトナーは、遊離量比(B/A)が、0.3≦B/A≦2.0である。遊離量比(B/A)が、上記範囲であると、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生が抑制される。
遊離量比(B/A)は、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制し易くなる点で、0.3≦B/A≦1.5を満たすことが好ましく、0.32≦B/A≦1.2を満たすことがより好ましく、0.35≦B/A≦1.0を満たすことがさらに好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の遊離量、及び研磨剤粒子の遊離量は、トナーに対して、超音波を付与したことによる遊離処理を行って求められる値である。具体的には、後述する方法によって求めた値である。
なお、脂肪酸金属塩粒子の遊離量には、超音波処理前(未処理)のトナー中でトナー粒子から遊離している脂肪酸金属塩粒子と、後述する超音波遊離処理によって遊離した脂肪酸金属塩粒子が含まれている。研磨剤粒子の遊離量も同様である。
脂肪酸金属塩粒子の遊離率が30%以上であることで、像保持体上の画像部に存在する脂肪酸金属塩粒子の量が過度になることが抑制され易い。そのため、像保持体上のトナー画像と、被転写体(例えば、中間転写ベルト)との付着性の低下が抑制され易い(つまり、トナー画像の被転写体への転写性の低下が抑制され易い)。そして、像保持体のトナー画像が被転写体に転写されるときの転写不良の発生が抑制され易くなる。その結果、画像部の画像濃度低下の発生が抑制され易くなる。
また、脂肪酸金属塩粒子の遊離率が90%未満であることで、像保持体上の非画像部に存在する脂肪酸金属塩粒子の量が過度になることが抑制され易い。それにより、像保持体上の非画像部に存在する脂肪酸金属塩粒子が被転写体へ移行する量も抑制され易い。そのため、被転写体上の非画像部に対応する領域では、トナー画像との付着性が低下することが抑制され易くなる。そして、非画像部であった領域に、次の画像形成サイクルで、画像部となる画像を形成した場合、像保持体から被転写体に転写するときのトナー画像の転写不良の発生が抑制され易くなる。その結果、前の画像形成サイクルで非画像部であった領域に形成した画像の画像濃度低下の発生がより抑制し易くなりやすい。
0.2%の界面活性剤(ポリオキシエチレンの重合度が10のポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)の水溶液40mlに、測定対象となるトナー2gを添加して分散させる。分散後、超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US300T)を使用し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加え、外添剤をトナー粒子から離脱させる。その後、50mlの沈殿管付き高速遠心分離機(佐久間製作所製Model M160 IV)にかけて3000rpm×7分の条件でトナー粒子を沈殿分離し、上澄み液を孔径5μm及び孔径0.22μmのメンブレンフィルター(日本ミリポア社製FHLP02500、GSEP047S0)で順次濾過し、濾液を乾燥する。以上の作業を繰り返して、乾燥試料を得る。得られた乾燥試料3gを10t/cm2の圧力で、錠剤成型器により40mmφのペレットを成型し、試料1(脂肪酸金属塩粒子の超音波遊離処理後の試料)とする。
0.2%の界面活性剤(ポリオキシエチレンの重合度が10のポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)の水溶液40mlに、測定対象となるトナー2gを添加し、トナーが水溶液に濡れるように十分に分散させる。この状態で超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US300T)を使用し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加え、外添剤をトナー粒子から離脱させる。この分散液に対してポリタングステン酸ナトリウムを添加し、比重を1.5以上2.0以下に調整した後、50mlの沈殿管付き高速遠心分離機(佐久間製作所製Model M160 IV)にかけて3000rpm×7分の条件で遠心分離を行う。その後、上層にあるトナーに純水60mLを加えて分散スラリーとし、吸引ろ過を行う(桐山ロート用ろ紙No.5C 60φm/m、桐山製作所製)。ろ紙上に残ったトナーを純水60mLで分散スラリーとし、吸引ろ過を行い洗浄する。ろ紙上に残留したトナーを回収し、40℃恒温槽で8時間乾燥させる。以上の作業を繰り返して、乾燥試料を得る。得られた乾燥試料3gを10t/cm2の圧力で、錠剤成型器により40mmφのペレットを成型し、試料2(研磨剤粒子の超音波遊離処理後の試料)とする。
蛍光X線装置により、各試料の金属元素含有量を測定する。脂肪酸金属塩粒子に由来する金属元素含有量、及び研磨剤粒子に由来する金属元素含有量は、あらかじめ作成した検量線によって求める。
その後、得られた脂肪酸金属塩粒子に含有する金属含有量の結果から、下記式(A)により脂肪酸金属塩粒子の遊離量を求める。
式(A) 脂肪酸金属塩粒子の遊離量(A)=C01−C1
(ただし、C01は、未処理試料の脂肪酸金属塩粒子の金属元素含有量、C1は、試料1の脂肪酸金属塩粒子の金属元素含有量を表す。)
また、得られた研磨剤粒子に含有する金属含有量の結果から、下記式(B)により研磨剤粒子の遊離量を求める。
式(B) 研磨剤粒子の遊離量(B)=C02−C2
(ただし、C02は、未処理試料の研磨剤粒子の金属元素含有量、C2は、試料2の研磨剤粒子の金属元素含有量を表す。)
式(C) 脂肪酸金属塩粒子の遊離率={(C01−C1)/C01}×100
トナーには、脂肪酸金属塩粒子以外のその他の外添剤が外添されていてもよい。その他の外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、CuO、SnO2、Fe2O3、BaO、CaO、K2O、Na2O、CaO・SiO2、Al2O3・2SiO2、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、脂肪酸金属塩粒子、研磨剤粒子を含む外添剤を外添することで得られる。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、次に示す凝集合一法では、着色剤も含むトナー(トナー粒子)を製造する方法について説明するが、着色剤は必要に応じてトナー粒子に含む添加剤である。
結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、および着色剤の粒子(以下「着色剤粒子」とも称する)が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程(第1凝集粒子形成工程)と、
第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、結着樹脂となる第2樹脂粒子および離型剤の粒子(以下「離型剤粒子」とも称する)が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加して、第1凝集粒子の表面に更に第2樹脂粒子及び離型剤粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程(第2凝集粒子形成工程)と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を得た後、第2凝集粒子分散液と、結着樹脂となる第3樹脂粒子が分散された第3樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、第2凝集粒子の表面にさらに第3樹脂粒子を付着するように凝集して、第3凝集粒子を形成する工程(第3凝集粒子形成工程)と、
第3凝集粒子が分散された第3凝集粒子分散液に対して加熱をし、第3凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造することが好ましい。
まず、凝集合一法で使用する各分散液と準備する。具体的には、結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、結着樹脂となる第2樹脂粒子が分散された第2樹脂粒子分散液、結着樹脂となる第3樹脂粒子が分散された第3樹脂粒子分散液、および離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
なお、各分散液準備工程において、第1樹脂粒子と第2樹脂粒子と第3樹脂粒子を「樹脂粒子」と称して説明する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所社製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、第1樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、を混合する。
そして、この混合分散液中で、第1樹脂粒子と着色剤粒子とをヘテロ凝集させ、第1樹脂粒子と着色剤粒子とを含む第1凝集粒子を形成する。
第1凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、第1樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、第2樹脂粒子および離型剤粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加する。
なお、第2樹脂粒子は第1樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
第1収容槽321には、第1攪拌装置351が配置されている。第1攪拌装置351の駆動により、第2収容槽322に収容された分散液を第1収容槽321に収容された分散液へ送液したとき、第1収容槽321において各分散液が攪拌及び混合される。
第2収容槽322には、第2攪拌装置352が配置されている。第2攪拌装置352の駆動により、第3収容槽323に収容された分散液を第2収容槽322に収容された分散液へ送液したとき、第2収容槽322において各分散液が攪拌及び混合される。
一方、第3収容槽323に収容された離型剤粒子分散液を第2収容槽322に収容された第2樹脂粒子分散液へ送液する。そして、第2攪拌装置352の駆動により、第2収容槽322において各分散液が攪拌及び混合される。
そして、パワーフィード添加法において、第2収容槽322および第3収容槽323に収容された各分散液の送液開始時期及び送液速度を調整することにより、トナーの離型剤ドメインの分布特性が調整される。また、パワーフィード添加法において、第2収容槽322および第3収容槽323に収容された各分散液の送液中に、送液速度を調整することによっても、トナーの離型剤ドメインの分布特性が調整される。
次に、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液を得た後、第2凝集粒子分散液と、結着樹脂となる第3樹脂粒子が分散された第3樹脂粒子分散液と、をさらに混合する。
なお、第3樹脂粒子は第1又は第2樹脂粒子と同種であってもよいし、異種であってもよい。
そして、分散液のpHを、例えば6.5以上8.5以下程度の範囲にすることにより、凝集の進行を停止させる。
次に、第3凝集粒子が分散された第3凝集粒子分散液に対して、例えば、第1、第2及び第3樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば第1、第2及び第3樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、第3凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
そして、以上の工程により、得られるトナー粒子(トナー)において、離型剤ドメインの偏在度Bの分布特性が上記範囲となる。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子は、次に示す溶解懸濁法により得ることがよい。なお、結着樹脂として未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を得る方法について示すが、トナー粒子は結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂のみを含んでもよい。
未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物、光輝性顔料、及び離型剤を含むトナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調整する(油相液調製工程)。この油相液調製工程では、トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、トナー材料の混合液を得る工程である。
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応を行う。そして、この反応によりウレア変性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する有機溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程では、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去して、トナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
ここで、溶媒除去工程終了後は、トナー粒子分散液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
トナー粒子と外添剤とを混合する方法としては、本実施形態のトナーが得られるのであれば、特に限定されない。
ただし、例えば、ヘンシェルミキサーによって、トナー粒子と、脂肪酸金属塩粒子、及び研磨剤粒子を含む外添剤とを一度に混合すると、研磨剤粒子は比重が高いため、研磨剤粒子によって、脂肪酸金属塩粒子とトナー粒子との付着力が強くなりすぎる場合がある。
そのため、例えば、下記に挙げる混合方法によって、トナー粒子と、脂肪酸金属塩粒子、及び研磨剤粒子を含む外添剤とを混合することがよい。この方法によって、トナー粒子と脂肪酸金属塩粒子、及び研磨剤粒子を含む外添剤とを混合すると、既述の脂肪酸金属塩粒子の遊離量と研磨剤粒子の遊離量の比を満足するトナーが得られ易くなる。
なお、上記方法によって混合したときの脂肪酸金属塩粒子の遊離量と研磨剤粒子の遊離量との比の調整は、例えば、捕集装置に研磨剤粒子を添加してから、捕集装置の停止動作を開始するまで時間を変更する方法が挙げられる。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yのクリーニングブレード6Y−1で除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及びクリーニングブレード113−1を有する感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
(ステアリン酸亜鉛粒子(ZnSt1)の作製)
エタノール10000部にステアリン酸1422部を加え、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しずつ加え、投入終了後から1時間攪拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノール及び反応残渣を除いて、固形物を取り出した。加熱型真空乾燥器を用いて、取り出した固形物を150℃で3時間乾燥させた。乾燥器から固形物を取り出して放冷した後、ステアリン酸亜鉛の固形物を得た。
得られた固形物をジェットミルで粉砕した後、エルボージェット分級機(マツボー社製)で分級し、ステアリン酸亜鉛粒子(ZnSt1)を得た。
ステアリン酸亜鉛粒子(ZnSt1):1.2μm
エタノール10000部にラウリン酸1001部を加え、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しずつ加え、投入終了後から1時間攪拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノール及び反応残渣を除き、取り出した生成固形物を加熱型真空乾燥器を用いて150℃で3時間乾燥させた。乾燥器から取り出し放冷後、ラウリン酸亜鉛の固形物を得た。得られた固形物をステアリン酸亜鉛粒子(Zula1)と同様の粉砕、分級を行い、ラウリン酸亜鉛粒子を得た。
ラウリン酸亜鉛粒子(Znla1):1.5μm
メタチタン酸スラリーに、酸化チタンと等モル量の塩化ストロンチウムを加えた後、炭酸ガスを1L/minの流量で酸化チタンの2倍のモル量吹き込むと同時にアンモニア水を添加した。この時のpH値は8であった。沈殿物を水洗した後、110℃で24時間乾燥後、800℃で焼結させて、機械粉砕し、分級することでチタン酸ストロンチウム粒子の研磨剤粒子(a)を作製した。また、粉砕条件及び分級条件を調整することで、チタン酸ストロンチウム粒子の研磨剤粒子(b)、及び(c)を作製した。得られた研磨剤粒子(a)〜(c)の個数平均粒径は以下のとおりである。
研磨剤粒子(a):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径5.0μm)
研磨剤粒子(b):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径3.2μm)
研磨剤粒子(c):チタン酸ストロンチウム粒子(個数平均粒径6.9μm)
研磨剤粒子(d):チタン酸カルシウム粒子(個数平均粒径4.3μm)
研磨剤粒子(e):酸化セリウム粒子(個数平均粒径5.0μm)
(ポリエステル樹脂分散液(1)の調製)
・1,9−ノナンジオール45モル部
・ドデカンジカルボン酸55モル部
上記成分を加熱乾燥した三口フラスコに投入した。さらに、触媒としてジブチル錫オキサイド0.05モル部を投入した。その後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で2時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(ポリスチレン換算)で測定したところ、25,000であった。
次いで、高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)の乳化タンクに、得られたポリエステル樹脂3,000部、イオン交換水10,000部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム90部を投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/mにて10,000回転で30分間分散させ、冷却タンクを通過させて結晶性ポリエステル樹脂分散液(高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット0.4mm、キャビトロン社製)を回収し、固形分20%のポリエステル樹脂分散液(1)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:15モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:85モル部
・テレフタル酸:10モル部
・フマル酸:67モル部
・n−ドデセニルコハク酸:3モル部
・トリメリット酸:20モル部
上記成分を加熱乾燥した三口フラスコに投入した。上記の酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、フマル酸の合計モル数)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れた。その後、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で12時間から20時間共縮重合反応させた。その後、210℃乃至250℃で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂を合成した。この樹脂の重量平均分子量(Mw)は65,000であった。
次いで、高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)の乳化タンクに、得られたポリエステル樹脂3,000部、イオン交換水10,000部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム90部を投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/mにて10,000回転で30分間分散させ、冷却タンクを通過させてポリエステル樹脂分散液(高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット0.4mm、キャビトロン社製)を回収し、固形分20%のポリエステル樹脂分散液(2)を得た。
・シアン顔料(銅フタロシアニン、C.I.Pigment Blue15:3:大日精化工業社製):100部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬社製):10部
・イオン交換水:400部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて10分間分散した後、イオン交換水を加え、体積平均粒径190nm、固形分20質量%の着色剤粒子分散液(1)を得た。
・パラフィンワックス(HNP9、日本精鑞社製:融解温度75℃):46部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬社製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)にて充分に分散した。その後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
・ポリエステル樹脂分散液(1):33部
・ポリエステル樹脂分散液(2):257部
・着色剤粒子分散液(1):27部
・離型剤粒子分散液(1):35部
以上の成分をステンレス製フラスコに投入し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)で混合し、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、上記ホモジナイザーで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコ内を攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ポリエステル樹脂分散液(2)の70部を追加して添加した。その後、0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.0に調整した後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、3時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過、及びイオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に30℃のイオン交換水1,000部に再分散し、15分300rpmで攪拌、洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A濾紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続し、トナー粒子(A−1)を得た。
得られたトナー粒子(A−1)を既述の方法によって体積平均粒径を測定したところ、5.8μmであった。
なお、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値、及び歪度を既述の方法によって測定したところ、最頻値は0.65、歪度は−0.50であった。
(ポリエステル樹脂分散液(3)の調製)
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
・テレフタル酸:30モル部
・フマル酸:70モル部
上記成分を攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに投入した。その後、1時間を要して温度を210℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間、脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却してポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(ポリスチレン換算)で測定したところ、18,500であった。
次いで、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10質量%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間攪拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分20質量%のポリエステル樹脂分散液(3)を得た。
丸型ステンレス製フラスコとの容器AとをチューブポンプAで接続し、チューブポンプAの駆動により容器Aに収容した収容液をフラスコへ送液し、容器Aと容器BとをチューブポンプBで接続し、チューブポンプBの駆動により容器Bに収容した収容液を容器Aへ送液する装置(図3参照)を準備した。そして、この装置を用いて、以下の操作を実施した。
・着色剤粒子分散液(1):40部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower):2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)を用いて30℃で分散させた後、加熱用オイルバス中で1℃/30分のペースで温度を上げながら、凝集粒子の粒径を成長させた。
一方、ポリエステル製ボトルの容器Aにポリエステル樹脂分散液(3)150部を入れ、同じく容器Bに離型剤粒子分散液(1)を25部入れた。次に、チューブポンプAの送液速度を0.70部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.14部/1分に設定し、凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコ内の温度が37℃に到達した時点からチューブポンプA及びBを駆動させ、各分散液の送液を開始した。これにより、離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、樹脂粒子および離型剤粒子が分散された混合分散液を容器Aから凝集粒子形成中の丸型ステンレス製フラスコへ送液した。
そして、フラスコへの各分散液の送液が完了し、フラスコ内の温度が48℃になった時点から30分保持し、第2凝集粒子を形成させた。
得られたトナー粒子(B−1)の体積平均粒径を既述の方法によって測定したところ、6.0μmであった。
また、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値、及び歪度を既述の方法によって測定したところ、最頻値は0.88、歪度は−0.80であった。
トナー粒子(B−1)の作製において、チューブポンプAの送液速度を0.70部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.14部/1分に設定し、フラスコ内の温度が40.0℃に到達した時点から、チューブポンプA及びBを駆動させた以外は、トナー粒子(B−1)と同様にしてトナー粒子(B−2)を得た。
得られたトナー粒子(B−2)を既述の方法によって体積平均粒径を測定したところ、6.0μmであった。
また、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値、及び歪度を既述の方法によって測定したところ、最頻値は0.97、歪度は−0.79であった。
トナー粒子(B−1)の作製において、チューブポンプAの送液速度を0.85部/1分、チューブポンプBの送液速度を0.14部/1分に設定し、フラスコ内の温度が37.0℃に到達した時点から、チューブポンプA及びBを駆動させた以外は、トナー粒子(B−1)と同様にしてトナー粒子(B−3)を得た。
得られたトナー粒子(B−3)を既述の方法によって体積平均粒径を測定したところ、6.0μmであった。
また、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値、及び歪度を既述の方法によって測定したところ、最頻値は0.85、歪度は−0.52であった。
(未変性ポリエステル樹脂(1)の作製)
・テレフタル酸:1243部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:1830部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステルにシクロヘキサノン1500部を加えて、ポリエステル樹脂を溶解し、このシクロヘキサノン溶液に無水酢酸250部を加えて、130℃で加熱した。さらに、この溶液を加熱減圧して溶媒及び未反応酸を除去し、未変性ポリエステル樹脂(1)を得た。得られた未変性ポリエステル樹脂(1)のガラス転移温度は60℃であった。
・テレフタル酸:1243部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物:1830部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:840部
上記成分を180℃で加熱混合した後、ジブチル錫オキサイド3部を加え、220℃で加熱しながら水を留去し、ポリエステルプレポリマーを得た。得られたポリエステルプレポリマー350部、トリレンジイソシアネート50部、酢酸エチル450部を容器に入れ、この混合物を130℃で3時間加熱して、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(1)(以下、「イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1)」)を得た。
容器にメチルエチルケトン50部とヘキサメチレンジアミン150部を入れ、60℃で攪拌してケチミン化合物(1)を得た。
・パラフィンワックス(融解温度89℃):30部
・酢酸エチル:270部
上記成分を10℃に冷却した状態で、マイクロビーズ型分散機(DCPミル)により湿式粉砕し、離型剤粒子分散液(2)を得た。
・未変性ポリエステル樹脂(1):136部
・酢酸エチル:56部
上記成分を攪拌混合後、得られた混合物に離型剤粒子分散液(2)75部を加え、攪拌して、油相液(1)を得た。
・スチレン:370部
・nブチルアクリレート:30部
・アクリル酸:4部
・ドデカンチオール:24部
・四臭化炭素:4部
上記成分を混合し、溶解した混合物を、非イオン性界面活性剤(三洋化成工業社製:ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水560部に溶解した水溶液に、フラスコ中で分散及び乳化した後、10分間混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部をイオン交換水50部に溶解した水溶液を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒径が180nm、重量平均分子量(Mw)が15,500である樹脂粒子を分散させてなるスチレンアクリル樹脂粒子分散液(1)(樹脂粒子濃度:40質量%)を得た。なお、スチレンアクリル樹脂粒子のガラス転移温度は59℃であった。
・スチレンアクリル樹脂粒子分散液(1):60部
・セロゲンBS−H(第一工業製薬社製)の2%水溶液:200部
・イオン交換水:200部
上記成分を攪拌混合し、水相液(1)を得た。
・油相液(1):300部
・イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1):25部
・ケチミン化合物(1):0.5部
上記成分を容器に入れ、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50、IKA社製)により2分間攪拌して油相液(1P)を得た後、容器に水相液(1)1000部を加え、ホモジナイザーで20分間攪拌した。次に、室温(25℃)、常圧(1気圧)で48時間、プロペラ型攪拌機でこの混合液を攪拌し、イソシアネート変性ポリエステルプレポリマー(1)とケチミン化合物(1)とを反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を生成すると共に、有機溶媒を除去し、粒状物を形成した。次に、粒状物を水洗、乾燥及び分級して、トナー粒子(C−1)を得た。
得られたトナー粒子(C−1)を既述の方法によって体積平均粒径を測定したところ、6.1μmであった。
なお、離型剤ドメインの偏在度Bの分布の最頻値、及び歪度を既述の方法によって測定したところ、最頻値は0.66、歪度は−0.60であった。
<実施例1>
トナー粒子(A−1)の100部に対して、酸化チタン粒子(平均一次粒径15nm、JMT−150IB、テイカ社製)1.0部、及び、シリカ粒子(平均一次粒径40nm、AEROSIL RY50、日本アエロジル社製)1.5部、及びステアリン酸亜鉛粒子(Znst1)0.5部をヘンシェルミキサーにて、周速40m/秒で10分間攪拌した。
次に、風力篩分機(ハイボルター300、新東京機械社製)にて篩分した。その後、サイクロン捕集装置の回収タンク上部から、チタン酸ストロンチウム(研磨剤粒子(a))0.2部を添加し、5分後にサイクロン捕集装置の運転を停止して、実施例1のトナーを作製した。
トナー粒子(A−1)の100部に対して、酸化チタン粒子(平均一次粒径15nm、JMT−150IB、テイカ社製)1.0部、及び、シリカ粒子(平均一次粒径40nm、AEROSIL RY50、日本アエロジル社製)1.5部、ステアリン酸亜鉛粒子(Znst1)0.5部、及び、チタン酸ストロンチウム(研磨剤粒子(a))0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにより周速40m/秒で10分間攪拌した。その後、目開き45μmの振動篩を用いて篩分し、比較例1のトナーを作製した。
比較例1のトナーの作製においてチタン酸ストロンチウム(研磨剤粒子(a))0.3部添加に変更した以外は同様にして比較例2のトナーを作成した。
トナー粒子(A−1)の100部に対して、酸化チタン粒子(平均一次粒径15nm、JMT−150IB、テイカ社製)1.0部、及び、シリカ粒子(平均一次粒径40nm、AEROSIL RY50、日本アエロジル社製)1.5部、及び、チタン酸ストロンチウム(研磨剤粒子(a))0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにより周速40m/秒で10分間攪拌した。混合終了後、ヘンシェルミキサーに、ステアリン酸亜鉛粒子(Znst1)0.5部を添加し、周速30m/秒で2分間攪拌した。その後、目開き45μmの振動篩を用いて篩分し、比較例3のトナーを作製した。
トナー粒子(A−1)の100部に対して、酸化チタン粒子(平均一次粒径15nm、JMT−150IB、テイカ社製)1.0部、及び、シリカ粒子(平均一次粒径40nm、AEROSIL RY50、日本アエロジル社製)1.5部、及び、チタン酸ストロンチウム(研磨剤粒子(a))0.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにより周速40m/秒で10分間攪拌した。混合終了後、ヘンシェルミキサーに、ステアリン酸亜鉛粒子(Znst1)0.5部を添加し、周速40m/秒で2分間攪拌した。その後、目開き45μmの振動篩を用いて篩分し、比較例4のトナーを作製した。
サイクロン捕集装置の回収タンク上部から、チタン酸ストロンチウムを添加する際の添加量およびサイクロン捕集装置の運転を停止するまでの時間を変更した以外は、実施例1と同様の手順で、実施例2〜8のトナーを作製した。なお、サイクロン捕集装置の運転を停止するまでの時間は下記のとおりである。
実施例2:0.2部、12分
実施例3:0.2部、8分
実施例4:0.45部、5分
実施例5:0.45部、12分
実施例6:0.45部、8分
実施例7:0.2部、1分
実施例8:0.2部、15分
表1に従って、トナー粒子の種類、脂肪酸金属塩粒子の種類とその含有量、研磨剤粒子の種類とその含有量を変更した以外は、実施例1で作製したトナーと同様の手順で、実施例9〜21のトナーを作製した。
・フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗3×108Ω・cm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合比90:10、Mw=5万):1.6部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを除去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。なお、得られたキャリアの体積平均粒径は、51μmであった。
上記で作製したキャリア100部に対して、各例で得られたトナー8部を混合し、Vブレンダーにて20分間攪拌して現像剤を得た。
作製した現像剤を、富士ゼロックス社製「DocuCentreColor450」の改造機の現像器に収容し、低温低湿下(温度10℃、湿度15%RH)で1日放置した。その後、紙の端部から3cmの位置に、紙送り方向にエリアカバレッジ(画像密度)50%の画像を100枚連続で出力した。この画像を画像1とした。
次に、全面ベタ画像の画像を100枚連続で出力した。この画像を画像2とした。
さらに、画像1と同様の画像を100000枚連続で出力し、最後の100枚を画像3とした。
また、画像2と同様の画像を100枚連続で出力した。この画像を画像4とした。
画像1および画像3の画像部の画像濃度を、画像濃度計(X−Rite938:X−Rite社製)を用いて測定し、画像1と画像3との画像濃度差(画像1の画像濃度−画像3の画像濃度)について求め、以下の評価基準で判定した。なお、G3までが許容できる範囲である。
G1:0 < 画像1−画像3の画像濃度差 ≦0.1
G2:0.1< 画像1−画像3の画像濃度差 ≦0.2
G3:0.2< 画像1−画像3の画像濃度差 ≦0.3
G4:0.3< 画像1−画像3の画像濃度差 ≦ 0.5
G5:0.5< 画像1−画像3の画像濃度差
画像2および画像4の画像部の画像濃度を、画像濃度計(X−Rite938:X−Rite社製)を用いて測定し、画像2と画像4との画像濃度差(画像2の画像濃度−画像4の画像濃度)について求め、以下の評価基準で判定した。なお、G3までが許容できる範囲である。
G1:0 < 画像2−画像4の画像濃度差 ≦0.1
G2:0.1< 画像2−画像4の画像濃度差 ≦0.2
G3:0.2< 画像2−画像4の画像濃度差 ≦0.3
G4:0.3< 画像2−画像4の画像濃度差 ≦ 0.5
G5:0.5< 画像2−画像4の画像濃度差
「B/A」は「研磨剤粒子の遊離量B/脂肪酸金属塩粒子の遊離量A」の比を示す。
「D/C」は「研磨剤粒子の総量D/脂肪酸金属塩粒子の総量C」の比を示す。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
6Y−1、6M−1、6C−1、6K−1 クリーニングブレード
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
113−1 クリーニングブレード
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (12)
- 結着樹脂、及び離型剤を含有するトナー粒子と、
脂肪酸金属塩粒子、及び研磨剤粒子を含有する外添剤と、
を有し、
前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径が、0.3μm以上10μm以下であり、
前記研磨剤粒子の個数平均粒径が、2μm以上10μm以下であり、
前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径をD b 、前記研磨剤粒子の個数平均粒径をD c としたとき、前記脂肪酸金属塩粒子の個数平均粒径D b と、前記研磨剤粒子の個数平均粒径D c との比(D c /D b )が、1.0≦D c /D b ≦8.0を満たし、
超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記脂肪酸金属塩粒子の遊離量Aと、超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記研磨剤粒子の遊離量Bとの比(B/A)が、0.3≦B/A≦2.0である静電荷像現像用トナー。 - 前記脂肪酸金属塩粒子の総量Cと、前記研磨剤粒子の総量Dとの比(D/C)が、0.25≦D/C≦0.9である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子が、前記結着樹脂を含む海部と前記離型剤を含む島部とを持つ海島構造を有し、下記式(1)で示される前記離型剤を含む島部の偏在度Bの分布の最頻値が0.71以上0.95以下であり、前記偏在度Bの分布の歪度が−1.10以上−0.50以下であり、
前記トナーが、
前記結着樹脂となる第1樹脂粒子が分散された第1樹脂粒子分散液、及び前記着色剤の粒子が分散された着色剤粒子分散液を混合し、得られた分散液中で、各粒子を凝集させ、第1凝集粒子を形成する工程と、
前記第1凝集粒子が分散された第1凝集粒子分散液を得た後、前記結着樹脂となる第2樹脂粒子及び前記離型剤の粒子が分散された混合分散液を、混合分散液中の離型剤粒子の濃度を次第に高めながら、第1凝集粒子分散液に順次添加して、前記第1凝集粒子の表面に更に前記第2樹脂粒子及び前記離型剤の粒子を凝集して、第2凝集粒子を形成する工程、又は、第1凝集粒子を形成する凝集過程で、添加速度を次第に速めつつ又は前記離型剤の粒子の濃度を高めながら、前記離型剤の粒子が分散された離型剤粒子分散液を添加し、各粒子の凝集を進行させて、第2凝集粒子を形成する工程と、
第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合合一して、トナー粒子を形成する工程と、
を含む工程を経て、得られるトナーである
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
式(1): 偏在度B=2d/D
(式(1)中、Dはトナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の円相当径(μm)を示す。dは、トナー粒子の断面観察におけるトナー粒子の重心から離型剤を含む島部の重心までの距離(μm)を示す。) - 前記トナー粒子が、前記結着樹脂として、ウレア変性ポリエステル樹脂を含む請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記研磨剤粒子がチタン酸ストロンチウム粒子である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記脂肪酸金属塩粒子が、ステアリン酸亜鉛粒子である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 超音波遊離処理後のトナー粒子から遊離している前記脂肪酸金属塩粒子の超音波遊離処理前のトナーに対する遊離率が、35%以上90%未満である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項8に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項8に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項8に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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