JP6459624B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6459624B2 JP6459624B2 JP2015035868A JP2015035868A JP6459624B2 JP 6459624 B2 JP6459624 B2 JP 6459624B2 JP 2015035868 A JP2015035868 A JP 2015035868A JP 2015035868 A JP2015035868 A JP 2015035868A JP 6459624 B2 JP6459624 B2 JP 6459624B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- toner
- particles
- particle size
- volume particle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
請求項1に係る発明は、
結着樹脂を含有するトナー粒子と、
1種類以上のオイルを含有するエラストマー粒子と、
脂肪酸金属塩粒子と、
を有する静電荷像現像用トナーである。
前記エラストマー粒子は、体積粒度分布において、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Eとしたとき、
前記体積粒径D50Eが1μm以上30μm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記脂肪酸金属塩粒子は、ステアリン酸亜鉛粒子である請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記トナー粒子の体積粒度分布において、小径側からの累積16%となる粒径を体積粒径D16Tとし、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Tとし、
前記エラストマー粒子の体積粒度分布において、小径側からの累積16%となる粒径を体積粒径D16Eとし、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Eとし、
前記脂肪酸金属塩粒子の体積粒度分布において、小径側からの累積16%となる粒径を体積粒径D16Sとし、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Sとしたとき、
前記トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)と前記エラストマー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDE(D50E/D16E)とが下記式(1)を満たし、
前記トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)と前記脂肪酸金属塩粒子の小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)とが下記式(2)を満たす請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーである。
式(1):GSDE/GSDT≧1
式(2):GSDS/GSDT≧1
前記体積粒径D50Tと前記体積粒径D50Eとが下記式(3)を満たし、
前記体積粒径D50Tと前記体積粒径D50Sとが下記式(4)を満たす請求項4に記載の静電荷像現像用トナーである。
式(3):0.8≦D50E/D50T≦2
式(4):0.16≦D50S/D50T≦3
請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」とも称する)は、結着樹脂を含有するトナー粒子と、1種類以上のオイルを含有するエラストマー粒子と、脂肪酸金属塩粒子と、を有する。尚、本実施形態では、特に断りのない限り、1種類以上のオイルを含有するエラストマー粒子を、単に「エラストマー粒子」と称することとする。
本実施形態に係るトナーは、上記構成を有することにより、低濃度の画像を長期にわたって形成後、高濃度の画像を形成しても、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥が抑制される。
電子写真方式の画像形成装置では、像保持体上に転写されずに残留したトナーを像保持体(例えば感光体)上においてクリーニングブレードによりクリーニングすることが行われている。
従来のトナーには、トナー粒子と脂肪酸金属塩粒子とを含有するものがある。脂肪酸金属塩粒子は像保持体上に供給され、脂肪酸金属塩粒子がクリーニングブレードと像保持体との接触部(以下、「クリーニング部」とも称する)に到達して押し潰されると、脂肪酸金属塩の被膜が像保持体上に形成されやすくなる。これにより、クリーニングブレードの摩耗は抑制される。しかしながら、脂肪酸金属塩粒子は像保持体上の非画像部に供給されやすいため、低濃度の画像を長期にわたって形成すると、脂肪酸金属塩粒子は像保持体上の非画像部に供給過多になりやすく、非画像部においてクリーニングブレードが振動又はめくれ等を起こしやすくなる。これにより、クリーニングブレードの姿勢が変動しやすくなり、トナーがすり抜けやすくなる。この結果、筋状の画像欠陥が生じやすくなる。
一方、従来のトナーには、トナー粒子とオイルを含むエラストマー粒子とを含有するものもある。エラストマー粒子がクリーニング部に到達して押し潰されると、エラストマー粒子に含まれるオイルが浸み出され、クリーニング部に供給される。これにより、残留トナーのクリーニング性は高まる。しかしながら、エラストマー粒子は像保持体上の非画像部に供給されやすいため、低濃度の画像を長期にわたって形成すると、エラストマー粒子は像保持体上の非画像部に供給過多になりやすく、前記エラストマー粒子から浸み出されたオイルにより非画像部の潤滑性が高まりすぎてしまうことがある。これにより、クリーニングブレードの姿勢が変動しやすくなり、トナーがすり抜けやすくなる。この結果、低濃度の画像を長期にわたって形成後、高濃度画像の形成するときに筋状の画像欠陥が生じやすくなる。
一方で、上述した脂肪酸金属塩の被膜は前記擬似的な積層構造の上方からオイルと共に剥れていくと考えられる。これにより、像保持体上の非画像部には脂肪酸金属塩の被膜及びオイルが適度に残存し、非画像部での脂肪酸金属塩及びオイルが適量となると考えられる。この結果、非画像部での潤滑性は確保される。
以上のことから、本実施形態に係るトナーを画像形成装置に適用すると、低濃度の画像を長期にわたって形成後、高濃度の画像を形成しても、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥が抑制されることとなる。
したがって、本実施形態に係るトナーを画像形成装置に適用すると、白抜けの画像欠陥の発生も抑制されることとなる。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含む。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
トナー粒子の体積粒径D16Tは、小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)を特定の範囲に制御しやすくする観点から、好ましくは2μm以上7μm以下、より好ましくは3μm以上6μm以下である。
トナー粒子の体積粒径D50Tは、小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)を特定の範囲に制御しやすくする観点から、好ましくは3μm以上8μm以下、より好ましくは3μm以上5μm以下である。
トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)は、式(1):GSDE/GSDT≧1、及び、式(2):GSDS/GSDT≧1を満たす観点から、好ましくは1.1以上1.4以下である。
トナー粒子の一次粒子100個を走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から円相当径を測定する。得られた円相当径の累積頻度における16%径(D16v)をトナー粒子の体積平均粒径D16Tとし、得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)をトナー粒子の体積平均粒径D50Tとする。なお、電子顕微鏡は1視野中にトナー粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。また、小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)は、測定された体積粒径D16T及び体積粒径D50Tから算出される。
本実施形態に係るトナーでは、エラストマー粒子の体積粒度分布をトナー粒子の体積粒度分布と同等、又はトナー粒子の体積粒度分布よりも広くすることが好ましい。また、脂肪酸金属塩粒子の体積粒度分布をトナー粒子の体積粒度分布と同等、又はトナー粒子の体積粒度分布よりも広くすることが好ましい。
具体的には、トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)とエラストマー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDE(D50E/D16E)とが下記式(1)を満たし、トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)と脂肪酸金属塩粒子の小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)とが下記式(2)を満たすように制御することが好ましい。
式(1):GSDE/GSDT≧1
式(2):GSDS/GSDT≧1
ここで、上記式(1)及び上記式(2)を満たすことの意義について説明する。
小径側体積粒度分布指標は、体積粒径の分布の広がり具合を表す指標であり、その値が大きい程、体積粒径の分布は広いことを表す。このため、GSDE/GSDTが1以上であることは、エラストマー粒子の体積粒径の分布の広がりが、トナー粒子の体積粒度分布の広がりと同等、又はトナー粒子の体積粒度分布の広がりよりも広いことを意味する。同様に、GSDS/GSDTが1以上であることは、脂肪酸金属塩粒子の体積粒径の分布の広がりが、トナー粒子の体積粒度分布の広がりと同等、又はトナー粒子の体積粒度分布の広がりよりも広いことを意味する。つまり、エラストマー粒子及び脂肪酸金属塩粒子はトナー粒子に比べ、小粒径から大粒径までの広い分布を持つ粒子で構成されることになる。クリーニング部に形成されるトナーダム(トナー溜まり)では、粒径が小さい程、クリーニング部の先端部(像保持体の回転方向に対する下流側)に到達しやすいため、小粒径側のエラストマー粒子及び小粒径側の脂肪酸金属塩粒子は、トナー粒子よりもクリーニング部の先端部に到達しやすくなり、大粒径側のエラストマー粒子及び大粒径側の脂肪酸金属塩粒子はクリーニング部の先端部よりも外側に到達しやすくなる。
よって、クリーニング部の先端からその外側までのトナーダムの全領域にわたり、脂肪酸金属塩及びオイルが分散し、脂肪酸金属塩−オイル−脂肪酸金属塩が交互に層を成す擬似的な積層構造が形成されやすくなると考えられる。これにより、低濃度の画像を長期にわたって形成後、高濃度の画像を形成した場合であって、像保持体上の非画像部に脂肪酸金属塩粒子及びオイルが供給過多となっても、非画像部に脂肪酸金属塩及びオイルが過剰に存在することがより抑制されると考えられる。この結果、クリーニングブレードの姿勢の変動がより抑制され、筋状の画像欠陥が抑制されると考えられる。
式(12):1.0≦GSDE/GSDT≦2.0
式(13):1.0≦GSDE/GSDT≦1.6
式(22):1.0≦GSDS/GSDT≦2.0
式(23):1.25≦GSDS/GSDT≦1.8
トナー粒子の体積粒径D50Tとエラストマー粒子の体積粒径D50Eとは、下記式(3)を満たすことが好ましい。また、トナー粒子の体積粒径D50Tと脂肪酸金属塩粒子の体積粒径D50Sとは、下記式(4)を満たすことが好ましい。
式(3):0.8≦D50E/D50T≦2
式(4):0.16≦D50S/D50T≦3
ここで、上記式(3)及び上記式(4)を満たすことの意義について説明する。
D50E/D50Tが上記範囲であることは、エラストマー粒子の体積粒径D50Eが、トナー粒子の体積粒径D50Tよりも若干小さい範囲から、トナー粒子の体積粒径D50Tの2倍までの大きさの範囲にあることを意味する。また、D50S/D50Tが上記範囲であることは、脂肪酸金属塩粒子の体積粒径D50Sが、トナー粒子の体積粒径D50Tよりも約6分の1の大きさの範囲から、トナー粒子の体積粒径D50Tの3倍までの大きさの範囲にあることを意味する。
エラストマー粒子及び脂肪酸金属塩粒子は、トナー粒子に対して体積粒径D50E及び体積粒径D50Sが大きすぎるとクリーニング部の先端部に到達しにくく、トナー粒子に対して体積粒径D50E及び体積粒径D50Sが小さすぎるとクリーニング部の先端部よりも外側に到達しにくくなる。よって、上記式(3)及び上記式(4)を満たすことで、クリーニング部の先端からその外側までのトナーダムの全領域にわたり、脂肪酸金属塩−オイル−脂肪酸金属塩が交互に層を成す擬似的な積層構造が更に形成されやすくなると考えられる。これにより、低濃度の画像を長期にわたって形成後、高濃度の画像を形成した場合であって、像保持体上の非画像部に脂肪酸金属塩粒子及びオイルが供給過多となっても、非画像部に脂肪酸金属塩及びオイルが過剰に存在することが更に抑制されると考えられる。この結果、クリーニングブレードの姿勢の変動が更に抑制され、筋状の画像欠陥が抑制されると考えられる。
式(32):1.0≦D50E/D50T≦1.5
式(42):0.18≦D50S/D50T≦2.0
式(43):0.20≦D50S/D50T≦1.0
本実施形態におけるエラストマー粒子は、1種類以上のオイルを含有する。エラストマー粒子(オイルを含有させる前のエラストマー粒子)の材質としては、外力により変形し、外力を除くとその変形が回復する性質を有するもの、いわゆる、エラストマーであれば特に制限はなく、公知の各種エラストマーが挙げられる。具体的には、例えば、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)、エピクロロヒドリンゴム等の合成ゴムや、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、乳化重合によりエラストマー粒子を作製しやすい観点から、スチレン系樹脂であることが好ましく、スチレン及び架橋剤の共重合体であることがより好ましい。
多孔質エラストマー粒子(オイルを含有させる前の多孔質エラストマー粒子)は、オイルを含ませるため、少なくとも粒子表面に複数個の孔が存在する粒子であればよく、多孔質エラストマー粒子の比表面積は、0.1m2/g以上25m2/g以下であることが好ましく、0.3m2/g以上20m2/g以下であることがより好ましく、0.5m2/g以上15m2/g以下であることが更に好ましい。上記範囲であると、多孔質エラストマー粒子にオイルを含浸しやすい。
多孔質エラストマー粒子の比表面積の測定方法は、BET法を使用して行う。
具体的には、トナーから分離した多孔質エラストマー粒子を用い、比表面積細孔分布測定装置(SA3100、ベックマン・コールター社製)を用い、測定試料を0.1g精秤し、サンプルチューブに入れた後、脱ガス処理し、多点法の自動測定により得る。
すなわち、20℃において液体である化合物であればよく、公知の各種シリコーンオイル
や潤滑油が挙げられる。また、オイルの沸点は、150℃以上であることが好ましく、2
00℃以上であることがより好ましい。
また、エラストマー粒子が含有するオイルは、1種単独で含有していても、2種
以上を含有していてもよい。
前記オイルは、シリコーンオイルが好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フ
ェニルメチルポリシロキサン等のシリコーンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキ
シ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキ
サン、フッ素変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリ
シロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコーンオイル等が挙げられる
。これらの中でも、ジメチルポリシロキサン(「ジメチルシリコーンオイル」ともいう。
)が特に好ましい。
また、トナー粒子の表面に付着する外添剤と逆極性を有するオイルを用いてもよい。前記外添剤と逆極性を有するオイルとしては、モノアミン変性シリコーンオイル、ジアミン変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、アンモニウム変性シリコーンオイル等の正の帯電性を有するオイル;ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α-メチルスルホン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の負の帯電性を有するオイルが挙げられる。
エラストマー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDE(D50E/D16E)は、式(1):GSDE/GSDT≧1を満たす観点から、好ましくは1.2以上2.0以下である。
エラストマー粒子の一次粒子100個を走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から円相当径を測定する。得られた円相当径の累積頻度における16%径(D16v)をエラストマー粒子の体積粒径D16Eとし、得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)をエラストマー粒子の体積粒径D50Eとする。なお、電子顕微鏡は1視野中にエラストマー粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。また、小径側体積粒度分布指標GSDE(D50E/D16E)は、測定された体積粒径D16E及び体積粒径D50Eから算出される。
エラストマー粒子の製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法を用いればよいが、例えば、エラストマー材料を粒子状に加工する方法、エラストマーを乳化重合により作製する際に孔形成剤を乳化粒子に混合しておき、乳化重合後、孔形成剤を除去する方法等が挙げられる。これらの中でも、球状粒子の作製が容易である点から、エラストマーを乳化重合により作製する際に孔形成剤を乳化粒子に混合しておき、乳化重合後、孔形成剤を除去する方法が好ましく挙げられる。
孔形成剤としては、乳化重合の際に固体であり、乳化重合後に溶解及び分解の少なくとも1つにより除去される化合物や、乳化重合の際に重合反応に関与しない希釈剤等が挙げられる。
乳化重合の際に固体であり、乳化重合後に溶解及び分解の少なくとも1つにより除去される化合物としては、例えば、コストや入手容易性の観点から、炭酸カルシウムが好ましい。炭酸カルシウムは、水に対する溶解性が低く、かつ、酸性液と接触すると二酸化炭素を放出しながら分解する。
希釈剤としては、特に制限はないが、ジエチルベンゼン、イソアミルアルコール等が好ましく挙げられる。
また、希釈剤の使用量は、重合性化合物の使用量よりも多いことが好ましい。
孔形成剤の形状は、粒子状であることが好ましく、その数平均粒径は、5nm以上200nm以下であることが好ましく、5nm以上100nm以下であることがより好ましい。
また、前記乳化重合の条件としては、特に制限はなく、例えば、孔形成剤を使用する以外は公知の乳化重合の条件で行えばよい。
エラストマー粒子にオイルを含有させる方法としては、特に制限はなく、例えば、エラストマー粒子とオイルとを接触させる方法、オイルを有機溶媒に溶解し、その溶液とエラストマー粒子とを接触させ、有機溶媒を除去する方法が好ましく挙げられる。
前記接触は、公知の方法で行えばよく、例えば、エラストマー粒子とオイル又はオイルの溶液とを混合する方法や、オイル又はオイルの溶液にエラストマー粒子を浸漬する方法等が好ましく挙げられる。
前記有機溶媒としては、トナー粒子の表面に付着する外添剤と逆極性を有するオイルを溶解するものであれば特に制限はないが、例えば、炭化水素系溶媒やアルコール類が好ましく挙げられる。
本実施形態におけるトナーは脂肪酸金属塩粒子を有する。脂肪酸金属塩粒子は、脂肪酸と金属とからなる塩の粒子である。
脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸の何れでもよく、炭素数10以上25以下の脂肪酸が好ましく挙げられる。飽和脂肪酸としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、ベヘン酸が挙げられ、ステアリン酸、ラウリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。また、不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸が挙げられる。前記金属としては、2価の金属が好ましく、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられ、特に、亜鉛が好適である。
脂肪酸金属塩粒子の体積粒径D16Sは、小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)を特定の範囲に制御しやすくする観点から、好ましくは0.5μm以上8μm以下、より好ましくは1.0μm以上7μm以下、更に好ましくは1.5μm以上6μm以下である。
脂肪酸金属塩粒子の体積粒径D50Sは、小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)を特定の範囲に制御しやすくする観点から、好ましくは1μm以上10μm以下、より好ましくは1.5μm以上9μm以下、更に好ましくは2μm以上8μm以下である。
脂肪酸金属塩粒子の小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)は、式(2):GSDS/GSDT≧1を満たす観点から、好ましくは1.1以上3.0以下、より好ましくは1.2以上2.5以下、更に好ましくは1.4以上2.0以下である。
脂肪酸金属塩粒子の一次粒子100個を走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から円相当径を測定する。得られた円相当径の累積頻度における16%径(D16v)を脂肪酸金属塩粒子の体積粒径D16Sとし、得られた円相当径の累積頻度における50%径(D50v)を脂肪酸金属塩粒子の体積粒径D50Sとする。なお、電子顕微鏡は1視野中に脂肪酸金属塩粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。また、小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)は、測定された体積粒径D16S及び体積粒径D50Sから算出される。
エラストマー粒子と脂肪酸金属塩粒子との質量比(エラストマー粒子/脂肪酸金属塩粒子)は、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥をより抑制する観点から、好ましくは0.2以上2.0以下、より好ましくは0.3以上1.5以下、更に好ましくは0.4以上1.0以下である。
トナーには、エラストマー粒子及び脂肪酸金属塩粒子以外のその他の外添剤が外添されていてもよい。その他の外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添し、さらにエラストマー粒子と脂肪酸金属塩粒子とを添加することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yのクリーニングブレード6Y−1で除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及びクリーニングブレード113−1を有する感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
メチルビニルポリシロキサン100部、メチルハイドロジェンシロキサン10部を混合し混合物に炭酸カルシウム粉末(数平均粒径:0.1μm、奥多摩工業(株)製TP−123)30部、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル1部と水200部を添加し、ミキサーで6,000rpm、3分間乳化を行った後、塩化白金酸−オレフィン錯塩を白金量として0.001部添加し、窒素雰囲気下80℃で10時間重合反応を行った。その後塩酸を投入して炭酸カルシウムを分解後、水洗浄を行った。さらに湿式分級して、エラストマー粒子を選別し、100℃で12時間真空乾燥を行った。
その後、ジメチルシリコーンオイル150部をエタノール1000部に溶解し、エラストマー粒子100部と撹拌混合した後、エバポレーターを用いて溶剤のエタノールを留去し、乾燥させてオイル処理させたエラストマー粒子a〜fを得た。
オイル処理させたエラストマー粒子a〜fを既述の方法で観察して、体積粒径D16E、体積粒径D50E及び小径側体積粒度分布指標GSDE(D50E/D16E)を測定した。測定結果を表2に示す。
(ステアリン酸亜鉛粒子(a)〜(c)の作製)
エタノール10000部にステアリン酸1422部を加え、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しずつ加え、投入終了後から1時間攪拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノール及び反応残渣を除き、取り出した生成固形物を加熱型真空乾燥器を用いて150℃で3時間乾燥させた。乾燥機から取り出し放冷後、ステアリン酸亜鉛の固形物を得た。得られた固形物をジェットミルで粉砕した後、エルボージェット分級機(マツボー製)で分級し、目的とする体積粒径D16S及び体積粒径D50Sを有するステアリン酸亜鉛粒子(a)〜(c)を得た。
得られたステアリン酸亜鉛粒子(a)〜(c)を既述の方法で観察して、体積粒径D16S、体積粒径D50S及び小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)を測定した。測定結果を表3に示す。尚、表3、表4では、ステアリン酸亜鉛粒子を「ZnSt」と表記する。
エタノール10000部にラウリン酸1001部を加え、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しずつ加え、投入終了後から1時間攪拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノール及び反応残渣を除き、取り出した生成固形物を加熱型真空乾燥器を用いて150℃で3時間乾燥させた。乾燥機から取り出し放冷後、ラウリン酸亜鉛の固形物を得た。得られた固形物をステアリン酸亜鉛粒子(a)と同様の粉砕、分級を行い、目的とする体積粒径D16S及び体積粒径D50Sを有するラウリン酸亜鉛粒子を得た。
得られたラウリン酸亜鉛粒子を既述の方法で観察して、体積粒径D16S、体積粒径D50S及び小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)を測定した。測定結果を表3に示す。尚、表3、表4では、ラウリン酸亜鉛粒子を「ZnRa」と表記する。
(ポリエステル樹脂分散液(1)の調製)
加熱乾燥した三口フラスコに、1,9−ノナンジオール45モル部、ドデカンジカルボン酸55モル部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.05モル部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で2時間撹拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い5時間撹拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、ポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)で測定したところ、25,000であった。次いで、高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)の乳化タンクに、得られたポリエステル樹脂3,000部、イオン交換水10,000部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム90部を投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/mにて10,000回転で30分間分散させ、冷却タンクを通過させて結晶性ポリエステル樹脂分散液(高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット0.4mm、キャビトロン社製)を回収し、ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。
ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン15モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン85モル部と、テレフタル酸10モル部と、フマル酸67モル部と、n−ドデセニルコハク酸3モル部と、トリメリット酸20モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、フマル酸の合計モル数)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150℃乃至230℃で12時間から20時間共縮重合反応させた。その後、210℃乃至250℃で徐々に減圧して、ポリエステル樹脂を合成した。この樹脂の重量平均分子量Mwは65,000であった。次いで、高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット:0.4mm)の乳化タンクに、得られたポリエステル樹脂3,000部、イオン交換水10,000部、界面活性剤ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム90部を投入した後、130℃に加熱溶融後、110℃で流量3L/mにて10,000回転で30分間分散させ、冷却タンクを通過させてポリエステル樹脂分散液(高温・高圧乳化装置(キャビトロンCD1010、スリット0.4mm、キャビトロン社製)を回収し、ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。
・シアン顔料(銅フタロシアニン、C.I.Pigment Blue15:3:大日精化工業(株)製):1,000部
・イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):150部
・イオン交換水:4,000部
上記配合液を混合溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(HJP30006、(株)スギノマシン製)により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤分散液を得た。
・パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞(株)製):46部
・カチオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上を100℃に加熱して、IKA社製ウルトラタラックスT50にて充分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径200nm、固形分量20.0%の離型剤分散液を得た。
・ポリエステル樹脂分散液(1):33.2部
・ポリエステル樹脂分散液(2):256.8部
・着色剤分散液:27.4部
・離型剤分散液:35部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で充分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに前記ポリエステル樹脂分散液(2)を70.0部追加した。その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら96℃まで加熱し、3時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で充分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これを更に30℃のイオン交換水1,000部に再分散し、15分300rpmで撹拌・洗浄した。これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5A濾紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続し、トナー粒子Aを得た。得られたトナー粒子Aを既述の方法で観察して、体積粒径D16T、体積粒径D50T及び小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)を測定した。以下のトナー粒子B〜Cについてもトナー粒子Aと同様に体積粒径D16T、体積粒径D50T及び小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)を測定した。測定結果を表1に示す。
トナー粒子Aの作製において、48℃で60分の保持時間を48℃で80分の保持時間に変更した以外はトナー粒子Aの作製と同様にしてトナー粒子Bを得た。
トナー粒子Aの作製において、48℃で60分の保持時間を48℃で30分の保持時間に変更した以外はトナー粒子Aの作製と同様にしてトナー粒子Cを得た。
テトラメトキシシラン150部を、イオン交換水100部、25%のアルコール100部の存在下で25%アンモニア水150部を30℃で5時間かけて滴下しながら250rpmで撹拌した。この反応で得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコール、アンモニア水に分離し、更に分離した湿潤シリカゲルを120℃で2時間乾燥した後、シリカ100部とエタノール500部とをエバポレーターに入れ、温度を40℃に維持したまま15分間撹拌した。次にシリカ100部に対して10部のジメチルジメトキシシランを入れ更に15分間撹拌した。最後に温度を90℃に上げてエタノールを減圧乾燥させ、処理物を取り出して更に120℃で30分間真空乾燥を行った。乾燥されたシリカを粉砕し、数平均粒径80nmのシリカ粒子を得た。
トナー粒子A100部に対して、エラストマー粒子b:0.5部、脂肪酸金属塩粒子としてステアリン酸亜鉛粒子(a):0.4部、及びシリカ粒子3.6部をヘンシェルミキサーにて3,600rpmで10分間混合して、実施例1のトナーを作製した。
トナー粒子種及び含有量と、エラストマー粒子種及び含有量と、脂肪酸金属塩粒子種及び含有量を、表4に従って変更した以外は実施例1のトナーと同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜2のトナーを作製した。
尚、エラストマー粒子a〜fについて、トナー1gに対するオイルの総含有量を既述の方法にて算出したところ、いずれも15mgであった。
・フェライト粒子(平均粒径50μm、体積電気抵抗3×108Ω・cm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合比90:10、Mw=5万):1.6部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間撹拌した後、減圧してトルエンを除去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。なお、得られたキャリアの体積平均粒径は、51μmであった。
前記において作製したトナー及びキャリアを、それぞれ質量比5:95の割合でVブレンダーに入れ20分間撹拌し、実施例1〜11及び比較例1〜2の現像剤をそれぞれ得た。
得られた現像剤をDocu Centre Color400(富士ゼロックス(株)製)に充填し、以下の評価をそれぞれ行った。
(筋状の画像欠陥)
以下の方法で、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥評価を行った。
1)得られた現像剤を備えた前記富士ゼロックス(株)製Docu Centre Color400を低温低湿度環境下(15℃20%RH)で1日間放置後、画像密度1%となるように長方形のパッチ(6cm×1cm)を10万枚連続で出力した。尚、長方形のパッチの出力は、当該パッチの長手方向が用紙搬送方向と平行となるように行った。
2)その後、高温高湿度環境下(30℃85%RH)で1日放置後、画像部(前記長方形のパッチ)に対する非画像部に、画像密度80%となるように、1)と同様の用紙搬送方向で長方形のパッチ(6cm×20cm)を10万枚連続で出力した。
3)2)で得られた画像について、1000枚ごとに画像を確認し(計100枚)、筋状の画像欠陥の発生枚数を確認した。評価基準は以下の通りである。得られた結果を表4に示す。
−筋状の画像欠陥の評価基準−
G1(◎):クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥の発生枚数≦1枚
G2(○):1枚<クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥の発生枚数≦3枚
G3(△):3枚<クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥の発生枚数≦5枚
G4(×):5枚<クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥の発生枚数
白抜けの画像欠陥評価は、上記筋状の画像欠陥評価において作製した画像密度80%の画像について、5000枚ごとに画像を確認し、白抜けの画像欠陥発生個数を確認した。評価基準は以下の通りである。得られた結果を表4に示す。
−評価基準−
G1(◎):白抜けの画像欠陥発生個数≦5個
G2(○):5個<白抜けの画像欠陥発生個数≦10個
G3(△):10個<白抜けの画像欠陥発生個数≦30個
G4(×):30個<白抜けの画像欠陥発生個数≦50個
特に、体積粒径D50Eが1μm以上30μm以下のエラストマー粒子を有する実施例1〜5は、体積粒径D50Eが30μm超えのエラストマー粒子を有する実施例6に比べ、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥がより抑制されることがわかった。
脂肪酸金属塩粒子がステアリン酸亜鉛粒子である実施例2は、脂肪酸金属塩粒子がラウリン酸亜鉛粒子である実施例5に比べ、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥がより抑制されることがわかった。
GSDE/GSDT≧1、且つ、GSDS/GSDT≧1を満たす実施例2、3は、GSDE/GSDT<1、又は、GSDS/GSDT<1を満たす実施例8、10に比べ、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥がより抑制されることがわかった。
また、0.8≦D50E/D50T≦2、且つ、0.16≦D50S/D50T≦3を満たす実施例2、3は、D50E/D50T<0.8、D50E/D50T>2、D50S/D50T<0.16、又は、D50S/D50T>3を満たす実施例1、4、6、8、9に比べ、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥がより抑制されることがわかった。
また、本実施例は、比較例に比べ、白抜けの画像欠陥も抑制されることがわかった。
以上のことから、トナー中にエラストマー粒子及び脂肪酸金属塩粒子の双方を含有させることにより、低濃度の画像を長期にわたって形成後、高濃度の画像を形成しても、クリーニングブレードの姿勢の変動による筋状の画像欠陥が抑制される静電荷像現像用トナーが得られることがわかった。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (10)
- 結着樹脂を含有するトナー粒子と、
1種類以上のオイルを含有するエラストマー粒子と、
脂肪酸金属塩粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。 - 前記エラストマー粒子は、体積粒度分布において、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Eとしたとき、
前記体積粒径D50Eが1μm以上30μm以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 - 前記脂肪酸金属塩粒子は、ステアリン酸亜鉛粒子である請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー粒子の体積粒度分布において、小径側からの累積16%となる粒径を体積粒径D16Tとし、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Tとし、
前記エラストマー粒子の体積粒度分布において、小径側からの累積16%となる粒径を体積粒径D16Eとし、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Eとし、
前記脂肪酸金属塩粒子の体積粒度分布において、小径側からの累積16%となる粒径を体積粒径D16Sとし、小径側からの累積50%となる粒径を体積粒径D50Sとしたとき、
前記トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)と前記エラストマー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDE(D50E/D16E)とが下記式(1)を満たし、
前記トナー粒子の小径側体積粒度分布指標GSDT(D50T/D16T)と前記脂肪酸金属塩粒子の小径側体積粒度分布指標GSDS(D50S/D16S)とが下記式(2)を満たす請求項1〜3の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(1):GSDE/GSDT≧1
式(2):GSDS/GSDT≧1 - 前記体積粒径D50Tと前記体積粒径D50Eとが下記式(3)を満たし、
前記体積粒径D50Tと前記体積粒径D50Sとが下記式(4)を満たす請求項4に記載の静電荷像現像用トナー。
式(3):0.8≦D50E/D50T≦2
式(4):0.16≦D50S/D50T≦3 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記像保持体の表面をクリーニングブレードによりクリーニングするクリーニング工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015035868A JP6459624B2 (ja) | 2015-02-25 | 2015-02-25 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
US14/829,150 US9778584B2 (en) | 2015-02-25 | 2015-08-18 | Toner for developing electrostatic charge image, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method |
CN201510666465.5A CN105911825A (zh) | 2015-02-25 | 2015-10-15 | 静电荷图像显影用调色剂、静电荷图像显影剂、调色剂盒、处理盒、成像装置和成像方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015035868A JP6459624B2 (ja) | 2015-02-25 | 2015-02-25 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016157023A JP2016157023A (ja) | 2016-09-01 |
JP6459624B2 true JP6459624B2 (ja) | 2019-01-30 |
Family
ID=56826033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015035868A Active JP6459624B2 (ja) | 2015-02-25 | 2015-02-25 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6459624B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6439584B2 (ja) * | 2015-05-26 | 2018-12-19 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2815607B2 (ja) * | 1989-04-28 | 1998-10-27 | 株式会社リコー | 静電荷像現像用トナー |
JP2759510B2 (ja) * | 1989-07-28 | 1998-05-28 | キヤノン株式会社 | 現像剤及び画像形成方法 |
JP3467966B2 (ja) * | 1996-05-21 | 2003-11-17 | 三菱化学株式会社 | 一成分現像剤及びそれを用いる画像形成方法 |
JP2008304838A (ja) * | 2007-06-11 | 2008-12-18 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用二成分現像剤および画像形成装置 |
JP2010191296A (ja) * | 2009-02-19 | 2010-09-02 | Fuji Xerox Co Ltd | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
JP2011047988A (ja) * | 2009-08-25 | 2011-03-10 | Canon Inc | トナー |
JP5900304B2 (ja) * | 2012-12-10 | 2016-04-06 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 |
JP6056678B2 (ja) * | 2013-06-21 | 2017-01-11 | 富士ゼロックス株式会社 | 静電荷像現像剤、現像剤カートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 |
-
2015
- 2015-02-25 JP JP2015035868A patent/JP6459624B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2016157023A (ja) | 2016-09-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6627533B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6859605B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6269221B2 (ja) | 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 | |
JP6724530B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP2014191108A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6601091B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 | |
JP6260386B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6217480B2 (ja) | 非磁性一成分現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6903985B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6459639B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、および画像形成方法 | |
JP5949566B2 (ja) | 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2016050961A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
US9778584B2 (en) | Toner for developing electrostatic charge image, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method | |
JP2019168533A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6459624B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6229560B2 (ja) | 静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2017219805A (ja) | 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP6610316B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 | |
JP6439584B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP2020154258A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2020154260A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 | |
JP2016157022A (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6481450B2 (ja) | 静電荷像現像剤用のキャリアセット、静電荷像現像剤セット、プロセスカートリッジ、画像形成装置、画像形成方法、及び静電荷像現像剤用のキャリア | |
JP7459991B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 | |
JP6572699B2 (ja) | 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成装置、及び、画像形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180913 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180925 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20181204 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20181217 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6459624 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |