JP6260386B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いる、様々なトナーが知られている。
例えば特許文献1には、カーボンブラックと結着樹脂とを含むトナー母粒子をポリアルキレンイミンで表面改質した黒色トナーが開示されている。
例えば特許文献2には、結晶性樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、シリコーンオイル処理された平均一次粒径が50nm以上150nm以下であるシリカ粒子と、を含有し、シリカ粒子の遊離オイル量が0.1質量%以上3質量%以下である静電荷像現像用トナーが開示されている。
例えば特許文献3には、結晶性樹脂を含有するトナー粒子と外添剤とを含み、外添剤はオイルで表面処理された酸化ケイ素粒子を含み、酸化ケイ素粒子の遊離オイル量が3%未満である静電荷像現像用トナーが開示されている。
特許第5115379号公報 特開2009−98194号公報 特開2009−25744号公報
本発明は、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する静電荷像現像用トナーを提供することを課題とする。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
ポリアルキレンイミンで表面改質されたトナー粒子と、
体積平均粒径が8μm以上20μm以下である脂肪酸金属塩粒子と、
シリコーンオイルで表面処理され、遊離オイル量が0.1質量%以上1.5質量%以下である無機粒子と、
を含む静電荷像現像用トナー。
請求項2に係る発明は、
前記無機粒子の個数平均粒径が20nm以上60nm以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項3に係る発明は、
前記無機粒子がシリカ粒子である、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項4に係る発明は、
前記ポリアルキレンイミンがポリエチレンイミンである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項5に係る発明は、
非磁性一成分トナーである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項7に係る発明は、
非磁性一成分現像剤である、請求項6に記載の静電荷像現像剤。
請求項8に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項9に係る発明は、
請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
請求項10に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
請求項11に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
請求項1に係る発明によれば、トナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項2に係る発明によれば、前記無機粒子の個数平均粒径が前記範囲外の場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生をより抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、前記無機粒子としてシリカ粒子を適用したトナーにおいて、トナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、ポリアルキレンイミンとしてポリエチレンイミンを適用したトナーにおいて、トナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項5に係る発明によれば、非磁性二成分トナーに比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生をより抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項6に係る発明によれば、現像剤中のトナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する静電荷像現像剤が提供される。
請求項7に係る発明によれば、非磁性二成分現像剤に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生をより抑制する静電荷像現像剤が提供される。
請求項8に係る発明によれば、トナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制するトナーカートリッジが提供される。
請求項9に係る発明によれば、現像剤中のトナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制するプロセスカートリッジが提供される。
請求項10に係る発明によれば、現像剤中のトナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する画像形成装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、現像剤中のトナーが前記脂肪酸金属塩粒子及び前記無機粒子を含むとの要件を満足しない場合に比べて、画像形成装置内部のトナー汚れの発生を抑制する画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。これらの説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリロは、アクリロ又はメタクリロを意味する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(「トナー」とも称する。)は、ポリアルキレンイミンで表面改質されたトナー粒子に、体積平均粒径が8μm以上20μm以下の脂肪酸金属塩粒子と、シリコーンオイルで表面処理され遊離オイル量が0.1質量%以上1.5質量%以下の無機粒子と、が外添されたトナーである。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子がポリアルキレンイミンで表面改質されていることにより、正帯電のトナーである。
本実施形態に係るトナーは、ポリアルキレンイミンで表面改質されたトナー粒子に、前記脂肪酸金属塩粒子と前記無機粒子とが外添されていることにより、画像形成装置内部を汚染させにくい。その機序として推測されることを、以下に説明する。以下、シリコーンオイルで表面処理された無機粒子を「オイル処理無機粒子」とも言う。
従来、非磁性一成分現像剤として用いるトナーに正帯電を付与する手段として、トナー粒子表面をポリアルキレンイミンで表面改質することが知られている。この表面改質は、例えば、トナー粒子表面の樹脂の酸性基とポリアルキレンイミンのアミノ基とを反応させ、前記樹脂にポリアルキレンイミンを共有結合させることにより行われる。こうして、ポリアルキレンイミンはトナー粒子表面に付着するものの、トナー粒子に機械的負荷(例えば、現像装置内での攪拌の繰返し)が付与されると、ポリアルキレンイミン鎖が外れてトナー粒子表面のポリアルキレンイミン量が減少し、その結果、トナーの帯電低下が起こることがある。トナーの帯電低下が起こると、画像形成の際にトナーが飛散しやすくなり、画像形成装置内部のトナー汚染が発生する。特に、高温高湿環境下(例えば、30℃以上且つ80%RH以上)では、トナー粒子表面からポリアルキレンイミンの離脱が起こりやすいことと、画像形成装置の部材表面にトナーが付着しやすくなることとが相まって、画像形成装置内部のトナー汚染が発生しやすい。
上記現象に対し、本実施形態に係るトナーは、外添剤として、脂肪酸金属塩粒子とオイル処理無機粒子とを含むことにより、画像形成装置内部のトナー汚染を抑制する。
脂肪酸金属塩粒子は、ポリアルキレンイミンを吸着しやすい性質と、シリコーンオイルを吸着しやすい性質とを有する。この両性質によって、脂肪酸金属塩粒子は、トナー粒子から離脱したポリアルキレンイミンを捕捉しつつ、一方で、シリコーンオイルとの相互作用によって、ポリアルキレンイミンを放出するものと考えられる。その結果、ポリアルキレンイミンは、使用に伴ってトナー粒子表面から離脱はしても、脂肪酸金属塩粒子による捕捉と放出によってトナー粒子表面に戻され、そうしてトナー粒子の帯電低下の発生が抑制され、トナーの飛散が抑制されるものと考えられる。
ここで、脂肪酸金属塩粒子が効率的にポリアルキレンイミンを捕捉するには、脂肪酸金属塩粒子がトナー粒子から遊離して存在していることを要し、そのために脂肪酸金属塩粒子の粒径は8μm以上20μm以下が適当であると推測される。粒径8μm未満であると脂肪酸金属塩粒子はトナー粒子から遊離しにくく、粒径20μm超であると脂肪酸金属塩粒子どうしが凝集しやすく、いずれの場合もポリアルキレンイミンを捕捉する効率が落ちると考えられる。さらに、粒径20μm超であると脂肪酸金属塩粒子どうしが凝集しやすいので、凝集した脂肪酸金属塩粒子が画像形成装置内部の汚染や画像汚染を引き起こすこともある。
また、脂肪酸金属塩粒子がポリアルキレンイミンを効率的に捕捉し且つ放出するには、脂肪酸金属塩粒子の周囲に、脂肪酸金属塩粒子と相互作用し得るシリコーンオイルが適度な量で存在していることを要し、そのためにオイル処理無機粒子の遊離オイル量は0.1質量%以上1.5質量%以下が適当であると推測される。オイル処理無機粒子の遊離オイル量が0.1質量%未満であると、脂肪酸金属塩粒子がトナー粒子から遊離しにくく、また、脂肪酸金属塩粒子からポリアルキレンイミンが放出されにくいと考えられる。一方、オイル処理無機粒子の遊離オイル量が1.5質量%超であると、脂肪酸金属塩粒子がポリアルキレンイミンを捕捉しにくいと考えられる。
以上に説明した理由から、本実施形態において、脂肪酸金属塩粒子は、体積平均粒径を8μm以上20μm以下とし、より望ましい体積平均粒径は10μm以上15μm以下である。また、無機粒子の遊離オイル量は、0.1質量%以上1.5質量%以下であり、より望ましくは0.5質量%以上1.2質量%以下である。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子がポリアルキレンイミンで表面改質され正帯電が付与されているので、磁性トナーとすることを要せず、また、二成分トナーとすることを要せず、したがって、非磁性一成分トナーとすることが望ましい。また、現像装置の内部でキャリアと一緒に攪拌された場合、トナー粒子表面からポリアルキレンイミンの離脱が起こりやすくトナーの帯電が低下しやすい点でも、本実施形態に係るトナーは、二成分トナーとするよりも、一成分トナーとすることが望ましい。
以下、本実施形態に係るトナーの構成を詳細に説明する。
〔トナー粒子〕
本実施形態に係るトナーは、ポリアルキレンイミンで表面改質されたトナー粒子を含む。トナー粒子は、例えば、結着樹脂及び着色剤を含み、さらに、離型剤及びその他の内添剤を含んでもよい。
−ポリアルキレンイミン−
トナー粒子は、その表面がポリアルキレンイミンにより表面改質されている。ポリアルキレンイミンによる表面改質とは、トナー粒子の表面にポリアルキレンイミンが付着していることを意味し、当該表面改質は、例えば、ポリアルキレンイミンのアミノ基の少なくとも一部と、結着樹脂に由来する酸性基との化学結合(共有結合、イオン結合);トナー粒子表面の分子とポリアルキレンイミンとの分子間力による結合;により行われる。
ポリアルキレンイミンは、多数のアミノ基を有する、正帯電性の高い化合物である。ポリアルキレンイミンにより表面改質されたトナー粒子は、正帯電を有する。
ポリアルキレンイミンとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリブチレンイミン、ポリイソプロピレンイミン等が挙げられる。アルキレンイミンには、アルキル基等の置換基が導入されたポリアルキレンイミン誘導体も含まれる。
中でも、結着樹脂との反応性のよさ、単位質量当たりの正帯電量の大きさの点で、ポリエチレンイミンが望ましい。
ポリアルキレンイミンの数平均分子量は、5000以上100000以下であることが望ましく、10000以上80000以下であることがより望ましい。ポリアルキレンイミンの数平均分子量が上記範囲であると、トナー粒子表面をより効果的に改質し得るとともに、ポリアルキレンイミンの比較的長い分子鎖による立体障害によって、トナー粒子同士の凝集を抑制し得る。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えば(メタ)アクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
代表的な結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−(メタ)アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナー粒子における結着樹脂の含有量は、40質量%以上95質量%以下が望ましく、50質量%以上90質量%以下がより望ましく、60質量%以上85質量%以下が更に望ましい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。ポリエステル樹脂は、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求める。より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求める。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上1,000,000以下が好ましく、7,000以上500,000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上100,000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製HLC−8120を用い、カラムとして東ソー社製TSKgel SuperHM−M15cm)を用い、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。
着色剤の含有量は、トナー粒子の1質量%以上30質量%以下が望ましく、3質量%以上15質量%以下がより望ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
離型剤の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
トナー粒子における離型剤の含有量は、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、2μm以上15μm以下が好ましく、3μm以上10μm以下がより好ましく、4μm以上8μm以下が更に好ましい。
トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1は、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
〔外添剤〕
本実施形態に係るトナーは、外添剤として、体積平均粒径が8μm以上20μm以下の脂肪酸金属塩粒子と、シリコーンオイルで表面処理され遊離オイル量が0.1質量%以上1.5質量%以下の無機粒子と、を含み、さらに、その他の外添剤を含んでもよい。
−脂肪酸金属塩粒子−
脂肪酸金属塩粒子は、脂肪酸と金属との塩の粒子である。
前記脂肪酸としては、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれでもよく、炭素数10以上25以下(望ましくは炭素数15以上25以下)の脂肪酸が好ましく挙げられる。飽和脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられ、ステアリン酸が好ましい。不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸が挙げられる。
前記金属としては、2価の金属が好ましく、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛が好ましい。
脂肪酸金属塩粒子としては、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉛、ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ストロンチウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸ナトリウム;オレイン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレイン酸アルミニウム、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カルシウム;パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コバルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム;ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸マンガン、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸鉄、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸アルミニウム;リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リノール酸カルシウム;リシノール酸亜鉛、リシノール酸アルミニウム;などの各粒子が挙げられる。
脂肪酸金属塩粒子としては、流動性、定着性等の観点から、溶融温度が40℃以上200℃以下である脂肪酸金属塩の粒子が好ましく、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの各粒子が好ましく、ステアリン酸亜鉛粒子がより好ましい。
脂肪酸金属塩の製造方法としては、例えば、脂肪酸アルカリ金属塩をカチオン置換する方法;脂肪酸と水酸化金属とを反応させる方法;が挙げられる。ステアリン酸亜鉛の製造方法としては、ステアリン酸ナトリウムをカチオン置換する方法;ステアリン酸と水酸化亜鉛とを反応させる方法;が挙げられる。
脂肪酸金属塩粒子は、例えば、脂肪酸金属塩の固形物を粉砕することで製造し得る。
本実施形態において、脂肪酸金属塩粒子の体積平均粒径は、8μm以上20μm以下であり、より望ましくは10μm以上15μm以下である。
本実施形態において脂肪酸金属塩粒子の体積平均粒径は、例えば以下の方法で測定し得る。
トナー1gを1Lビーカーに入れ、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液500gを加える。超音波を印加して、トナー粒子から外添剤を離脱させた後、遠心分離を行う。脂肪酸金属塩粒子の密度は1未満、トナーは通常1以上であるので、遠心分離後の上澄みに脂肪酸金属塩粒子が含まれる。この上澄み2mlを電解液(ベックマン−コールター社製ISOTON−II)100ml乃至150mlに加え、超音波分散器で1分間分散処理を行って測定用試料とする。コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製。アパーチャー径100μm)を用いて、2μm以上60μm以下の粒子50,000個の粒径を測定して、小径側から体積の累積分布を描き、累積50%になる粒径を体積平均粒径(D50v)とする。
本実施形態において脂肪酸金属塩粒子の外添量は、トナー粒子の質量に対して、0.3質量%以上5質量%以下が望ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより望ましく、1質量%以上2質量%以下が更に望ましい。
−オイル処理無機粒子−
無機粒子としては、シリカ(SiO)、チタニア(TiO)、アルミナ(Al)、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等の粒子が挙げられる。
シリコーンオイルを用いた無機粒子の表面処理の方法としては、気相中で浮遊している無機粒子に対し、シリコーンオイルを含む溶液を噴霧するスプレードライ法による乾式法;シリコーンオイルを含む溶液中に無機粒子を浸漬し、乾燥する湿式法;などが挙げられる。さらに上記処理後、エタノール等の有機溶剤に無機粒子を浸漬して、過剰なシリコーンオイルを取り除いてもよい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
オイル処理無機粒子としては、オイル処理シリカ粒子が望ましい。オイル処理シリカ粒子は、ゾルゲル法で製造したものが望ましい。具体的な製造方法は、まず、アルコールを含む水に、触媒であるアンモニア水と共にテトラアルコキシシランを滴下し攪拌を行う。次に、シリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコールとアンモニア水とに分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤(シリコーンオイル)を加え、シリカ表面の疎水化を行う。次に、この疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、オイル処理シリカ粒子を得る。シリカ粒子の粒径は、テトラアルコキシシラン、アンモニア、アルコール、水の重量比、反応温度、攪拌速度、供給速度により制御することができる。
本実施形態において、無機粒子の遊離オイル量は、0.1質量%以上1.5質量%以下であり、より望ましくは0.5質量%以上1.2質量%以下である。
本実施形態において無機粒子の遊離オイル量は、例えば以下の方法で測定し得る。
0.2%の界面活性剤(ポリオキシエチレンの重合度が10のポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル)の水溶液40mlにトナー2gを添加し、トナーが水溶液に濡れるように十分に分散させる。この状態で超音波ホモジナイザー(日本精機製作所製US300T)を使用し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加え、外添剤をトナー粒子から離脱させる。その後、50mlの沈殿管付き高速遠心分離機(佐久間製作所製Model M160 IV)にかけて3000rpm×7分の条件でトナー粒子を沈殿分離し、上澄み液を孔径5μm及び孔径0.22μmのメンブレンフィルター(日本ミリポア社製FHLP02500、GSEP047S0)で順次濾過し、濾液を乾燥する。以上の作業を繰り返して、乾燥試料を得る。
上記で得た乾燥試料を、熱重量分析装置(島津製作所製DTG−60)にかけ、600℃まで加熱した際の、質量減少分を遊離オイル量とする。
オイル処理無機粒子は、個数平均粒径が20nm以上60nm以下であることが望ましい。無機粒子の個数平均粒径が上記範囲であると、無機粒子の自己凝集が抑制され、無機粒子から脂肪酸金属塩粒子へのオイル供給が効率的に行われる。その結果、脂肪酸金属塩粒子が効率的にトナー粒子から遊離し得、ポリアルキレンイミンをトナー粒子に安定して供給し得るので、トナー粒子の帯電低下がより抑制され、画像形成装置内のトナー汚れがより抑制される。無機粒子の個数平均粒径を上記範囲にしたことによる上述の効果は、特に、高温高湿下において顕著である。
上記の観点で、無機粒子の個数平均粒径は、25nm以上55nm以下であることがより望ましく、30nm以上50nm以下であることが更に望ましい。
無機粒子の個数平均粒径は、トナー粒子の表面に存在する無機粒子(一次粒子)100個を走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope、SEM)により観察し、画像解析によって粒子ごとの最長径および最短径を測定し両者の中間値を球相当径とし、この球相当径の個数基準の中位径(累積の50%粒子径)を個数平均粒径とする。
本実施形態においてオイル処理無機粒子の外添量は、トナー粒子の質量に対して、0.3質量%以上5質量%以下が望ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより望ましく、1質量%以上2質量%以下が更に望ましい。
−その他の外添剤−
その他の外添剤としては、オイル処理されていない無機粒子(例えば、シリカ、チタニア、アルミナ等の粒子)、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
本実施形態において、その他の外添剤の外添量はそれぞれ、トナー粒子の質量に対して、0.3質量%以上5質量%以下が望ましく、0.5質量%以上3質量%以下がより望ましく、1質量%以上2質量%以下が更に望ましい。
〔トナーの製造方法〕
以下、ポリアルキレンイミンで表面改質される前のトナー粒子を「トナー母粒子」ということがある。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造し、該トナー粒子に外添剤を外添してトナーとする。トナー粒子は、トナー母粒子を製造し、該トナー母粒子をポリアルキレンイミンによって表面改質することで製造し得る。
トナー母粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。これらの中でも、凝集合一法により、トナー母粒子を得ることがよい。
凝集合一法により製造したトナー母粒子を用いると、粒径分布が狭いことや粒子表面の平滑性が高いことから、トナー製造時にトナー母粒子表面へのポリアルキレンイミンの付着に偏りが少なく、また、トナーとして使用の際にも、脂肪酸金属塩粒子から供給されるポリアルキレンイミンの付着に偏りが少なく、その結果、トナー粒子の帯電低下の発生がより抑制され、画像形成装置内のトナー汚れがより抑制される。
トナー母粒子を凝集合一法により製造する場合、具体的には、例えば、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と;樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液も混合した分散液中で)、樹脂粒子を(必要に応じて他の粒子をも)凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と;凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と;を経て、トナー母粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。以下の説明では、着色剤及び離型剤を含むトナー母粒子を得る方法について説明するが、着色剤及び離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤及び離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下が更に好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における、分散媒、分散方法、粒子の体積平均粒径、及び粒子の含有量は、着色剤分散液及び離型剤分散液においても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度の−30℃以上且つガラス転移温度の−10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、凝集剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度より10℃乃至30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー母粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー母粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー母粒子を形成する工程と、を経て、トナー母粒子を製造してもよい。
融合・合一工程の後、溶液中に形成されたトナー母粒子に、洗浄工程を施すことが望ましい。洗浄工程は、帯電性の点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。
乾式製法や湿式製法で製造したトナー母粒子に、ポリアルキレンイミンによる表面改質処理を施す。表面改質処理は、例えば、以下の表面改質工程により行われる。
−表面改質工程−
表面改質工程は、例えば、トナー母粒子を含む水系分散液とポリアルキレンイミンとを混合する工程である。
前記水系分散液は、pHを2乃至8に調整することが望ましい。これにより、トナー母粒子の構成材料の不本意な変質等を抑制しつつ、トナー母粒子の表面に存在する酸性基とポリアルキレンイミンとの反応を効率よく進行させ得る。前記水系分散液のpHは、2.5乃至6.5がより好ましく、4乃至5が更に好ましい。水系分散液のpH調整は、例えば、1Nの塩酸等を添加することにより行う。
表面改質工程においては、前記水系分散液とポリアルキレンイミンの混合液を1時間乃至3時間攪拌することが望ましい。これにより、トナー母粒子表面をより万遍なく改質し得る。攪拌の際の混合液の温度は、例えば15℃乃至25℃であり、混合液を加熱して25℃乃至40℃にしつつ行ってもよい。前記温度範囲に加熱して行うことにより、トナー母粒子表面をより効率よく改質し得る。
表面改質工程でのポリアルキレンイミンの使用量は、粒子100質量部に対し、0.1質量部乃至10質量部が望ましく、0.3質量部乃至6質量部がより望ましく、0.5質量部乃至3質量部が更に望ましい。ポリアルキレンイミンの使用量が前記範囲内であると、表面改質後のトナー粒子からポリアルキレンイミンが溶出する等の不都合を抑制し、トナーの正帯電量を良好な範囲に調整し得る。
表面改質工程の後、表面改質されたトナー粒子に、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を施し、乾燥した状態のトナー粒子を得る。洗浄工程は、帯電性の点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係るトナーは、例えば、乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
本実施形態に係るトナーは非磁性一成分トナーであることが望ましく、即ち、本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを含む非磁性一成分現像剤であることが望ましい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤が二成分現像剤の場合、トナーとキャリアの混合比(トナー:キャリア、質量比)は、1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。キャリアとしては、公知のキャリアを使用してよい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の周知の画像形成装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエローの画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が+600V乃至+800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
現像装置4Y内には、非磁性一成分現像剤の場合はイエロートナーを含む静電荷像現像剤が収容され、非磁性二成分現像剤の場合はイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。本実施形態に係るトナーは正帯電が付与されているが、さらに摩擦帯電させてもよい。即ち、非磁性一成分現像剤の場合、現像ロール上において、現像ロール又はトナー層の厚さを規制する規制部材との摩擦によりイエロートナーを摩擦帯電させてもよい。非磁性二成分現像剤の場合、現像装置4Yの内部でキャリアと一緒に攪拌することでイエロートナーを摩擦帯電させてもよい。いずれの場合もイエロートナーは、感光体1Y表面と同極性(正極性)の電荷を有して、現像ロール上に保持されている。
そして、感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエローのトナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(+)と逆極性の(−)極性であり、第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって例えば−10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する支持ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(+)と同極性の(+)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
以下、本実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。
図2は、本実施形態に係る画像形成装置が備える現像装置の一例を示す概略構成図である。現像装置4は、現像剤収容室41、現像剤供給ロール42、現像ロール43、及びトナー層規制部材44を備えている。現像剤収容室41、現像剤供給ロール42、現像ロール43、及びトナー層規制部材44は、トナーカートリッジとして一体化されたものであってもよい。
現像剤収容室41は、現像剤Tを収容する。現像剤収容室41には、現像剤Tを攪拌する攪拌部材45が設けられていてもよい。
現像剤供給ロール42は、現像剤収容室41に収容された現像剤Tと接触し、且つ、現像ロール43に近接又は接触するように設けられており、現像剤収容室41中の現像剤Tを現像ロール43の表面に供給する。
現像ロール43は、現像剤供給ロール42から供給された現像剤Tを保持し、現像剤Tを感光体1へと運び、感光体1の表面に形成された静電潜像を現像(顕像化)してトナー像を形成する。
トナー層規制部材44は、現像ロール43上のトナー層の厚さを規制する。
現像剤供給ロール42は、例えば、金属性の円筒体上に、表面層として、ウレタンゴム等の発泡材料で形成されたスポンジ層を有するロールである。このスポンジ層には、カーボンブラック等の導電性粒子を含有させてもよい。
現像ロール43は、例えば、金属性の円筒体上にゴム製の弾性スリーブを有するロール;カーボンブラック等の導電性粒子が添加された導電性ウレタンゴムのロール;酸化、金属メッキ、研磨、ブラスト処理等の表面処理を施した金属製のロール;表面を樹脂コートしたゴム製又は金属製のロール;などである。
現像ロール43は、正帯電トナーと摩擦した際に該トナーを摩擦帯電させる観点で、ロール表面が負帯電性であることが望ましい。このような現像ロール43としては、例えば、含フッ素化合物が添加されたシリコーンゴムからなる弾性スリーブを有するロールが挙げられる。含フッ素化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、4フッ化ビニリデン、フッ化エチレン−プロピレン共重合体等のフッ化オレフィン−炭化水素系オレフィン共重合体、パーフルオロアルコキシ樹脂、フルオロ(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
トナー層規制部材44は、シリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴム製の板状部材;SUS、アルミニウム等の金属製の板状部材;ゴム製又は金属製の板状部材の表面にめっき処理を施した部材;ゴム製又は金属製の板状部材の表面に、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂を被覆した部材;などである。
トナー層規制部材44は、正帯電トナーと摩擦した際に該トナーを摩擦帯電させる観点で、トナーに接触する部分の表面が負帯電性であることが望ましい。このようなトナー層規制部材44としては、例えば、含フッ素化合物が添加されたシリコーンゴムからなる板状部材が挙げられる。含フッ素化合物としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、4フッ化ビニリデン、フッ化エチレン−プロピレン共重合体等のフッ化オレフィン−炭化水素系オレフィン共重合体、パーフルオロアルコキシ樹脂、フルオロ(メタ)アクリレート−(メタ)アクリレート共重合体などが挙げられる。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下において、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
〔ポリエステル樹脂(1)の合成〕
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 :5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
〔トナー母粒子(1)の調製〕
−樹脂粒子分散液の調製−
・ポリエステル樹脂(1) :160部
・酢酸エチル :230部
・水酸化ナトリウム水溶液(0.3N):0.1部
上記材料を1000mlのセパラブルフラスコに入れ、70℃で加熱し、スリーワンモーター(新東科学社製)により攪拌して樹脂混合液を調製した。この樹脂混合液をさらに攪拌しながら、徐々にイオン交換水373部を加え、転相乳化させ、脱溶剤することにより樹脂粒子分散液(固形分量30%)を調製した。
−離型剤分散液の調製−
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9) :50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水 :200部
上記材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤分散液(固形分量20%)を調製した。
−着色剤分散液の調製−
・カーボンブラック(キャボット社製Regal330):50部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK):1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散して、着色剤粒子が分散された着色剤分散液(固形分量20%)を調製した。
−トナー母粒子の調製−
・樹脂粒子分散液(固形分量30%) :480部
・離型剤分散液(固形分量20%) :70部
・着色剤分散液(固形分量20%) :50部
・荷電制御剤(オリエント化学社製ボントロンP−51の20%水分散液):10部
・アニオン性界面活性剤(テイカ社製TeycaPower、20%水溶液):2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用い分散した。次いで、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザーを用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で40℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液100部を緩やかに追加し30分間保持した。その後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し180分間保持した。凝集粒子が融合したことを光学顕微鏡で確認した後、1℃/分の速度で20℃まで冷却した。冷却した後、粒子を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径7μmのトナー母粒子(1)を得た。
〔トナー母粒子(2)の調製〕
・ポリエステル樹脂(1) :87部
・カーボンブラック(キャボット社製Regal330):7部
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9) :5部
・荷電制御剤(オリエント化学社製ボントロンP−51):1部
上記材料をエクストルーダーで混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した後、風力式分級機で細粒及び粗粒を分級し、体積平均粒径7μmのトナー母粒子(2)を得た。
〔トナー粒子(1)の調製〕
トナー母粒子(1)を、固形分量30%となるようにイオン交換水に分散させ、1N塩酸を加えることによりpHを4.0に調整した。この分散液を攪拌しながら、ここにポリエチレンイミン(数平均分子量70000)を滴下した。ポリエチレンイミンは、トナー母粒子100部に対して1部となるように添加した。攪拌翼で2時間攪拌した後、分散液の固液分離を行い、さらにイオン交換水への再分散と固液分離を繰り返して洗浄処理を施した。濾液のpHが7.5となったところで洗浄処理を終了し、固形分を真空乾燥機で12時間乾燥して、体積平均粒径7μmのトナー粒子(1)を得た。
〔トナー粒子(2)の調製〕
トナー母粒子(1)に替えてトナー母粒子(2)を用いた以外はトナー粒子(1)の調製と同様にして、トナー粒子(2)を調製した。
〔オイル処理シリカ粒子の調製〕
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製KF−96L)により表面処理されたシリカ粒子を作製した。表面処理の際に使用するオイル量を調製することにより遊離オイル量を調製し、粉砕処理により個数平均粒子径を調製し、下記の表1に示すオイル処理シリカ粒子(1)〜(10)を調製した。
〔ステアリン酸亜鉛粒子の調製〕
エタノール10000部にステアリン酸1422部を加え、液温75℃で混合した後、水酸化亜鉛507部を少しずつ加え、投入終了後から1時間攪拌混合した。その後、液温20℃まで冷却し、生成物を濾別してエタノール及び反応残渣を除き、取り出した生成固形物を加熱型真空乾燥器を用いて150℃で3時間乾燥させた。乾燥機から取り出し放冷後、ステアリン酸亜鉛の固形物を得た。得られた固形物は粒径が大きいため、小型粉砕機(協立理工社製SK−M10)で粉砕処理を施し体積平均粒径を調製した。粉砕処理の条件を調整して、下記の表2に示すステアリン酸亜鉛粒子(1)〜(6)を調製した。
<実施例A1〜A6、比較例A0、比較例A1〜A2>
トナー粒子、オイル処理シリカ粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及び、焼成法非晶性シリカ(キャボット社製TG828F)を、表3のとおりに組み合せて混合し、トナー(一成分現像剤)を調製した。
実施例A6は、さらにトナーとキャリアとをトナー濃度が8%になるように混合し、二成分現像剤を調製した。ここで使用したキャリアは、50μmのMn−Srコア100部と、シリコーン樹脂(東レ−ダウコーニング社製SR2411)7.5部と、トルエン100部とを混合し、その後溶媒を留去し、150℃で1時間攪拌して樹脂を硬化することにより作製した。
<実施例B1〜B8、比較例B1〜B2>
トナー粒子、オイル処理シリカ粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、及び、焼成法非晶性シリカ(キャボット社製TG828F)を、表4のとおりに組み合せて混合し、トナー(一成分現像剤)を調製した。
<評価>
〔トナー汚れ1〕
一成分現像剤の評価には富士ゼロックス社製DocuPrint P300dを、二成分現像剤の評価には富士ゼロックス社製DocuCentre Color 500を、評価に適した電位が印加可能なように改造して用いた。
高温高湿下(35℃/85%)にて、XEROX社製XC4200紙を使用し、1枚/14秒の間欠印刷にて8000枚の通紙ランニングを実施し、用紙搬送路およびカートリッジ周辺の汚れを肉眼で観察した。評価結果を表3及び表4に示す。
−判定基準−
A:トナー汚れが認められない。
B:ごく僅かなトナー汚れが認められる。
C:軽微なトナー汚れが認められるが、実用上問題とならないレベル。
D:トナー汚れが明らかに認められ、実用上問題となるレベル。
〔トナー汚れ2〕
富士ゼロックス社製DocuPrint P300dが備える現像装置のトナー層規制部材を、標準機に搭載されている部材から、含フッ素化合物を標準機の部材の1/2質量%含むジメチルシリコーンゴム製の部材に変更した(部材の大きさは同じとした)。これを評価機として用い、評価1と同様にして、一成分現像剤の評価を行った。評価結果を表3及び表4に示す。
〔帯電量〕
前記通紙ランニング前後の一成分現像剤(トナー)をトナー収容容器から採取して、帯電量・粒子径分布測定機(ホソカワミクロン社製イースパートアナライザE−SPART−2)を使用し、ガス圧:0.4kgf/cm、フィールド電圧:150Vの条件下で、約3000個の測定を行った。評価結果を表3及び表4に示す。
1Y、1M、1C、1K、感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)
1 感光体
4 現像装置
41 現像剤収容室
42 現像剤供給ロール
43 現像ロール
44 トナー層規制部材
45 攪拌部材
T 現像剤
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (11)

  1. ポリアルキレンイミンで表面改質されたトナー粒子と、
    体積平均粒径が8μm以上20μm以下である脂肪酸金属塩粒子と、
    シリコーンオイルで表面処理され、遊離オイル量が0.1質量%以上1.5質量%以下である無機粒子と、
    を含む静電荷像現像用トナー。
  2. 前記無機粒子の個数平均粒径が20nm以上60nm以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記無機粒子がシリカ粒子である、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記ポリアルキレンイミンがポリエチレンイミンである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 非磁性一成分トナーである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  7. 非磁性一成分現像剤である、請求項6に記載の静電荷像現像剤。
  8. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  9. 請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  10. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  11. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項6又は請求項7に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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