JP5949566B2 - 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
近年、電子写真プロセスは、情報化社会における機器の発達や通信網の充実により、複写機のみならず、オフィスのネットワークプリンター、パソコンのプリンター、オンデマンド印刷のプリンター等にも広く利用され、白黒、カラーを問わず、高画質、高速化、高信頼性、小型化、軽量化、省エネルギー性能がますます強く要求されてきている。
電子写真プロセスは、通常、光導電性物質を利用した感光体(像保持体)上に種々の手段により電気的に静電荷像を形成し、この静電荷像をトナーを用いて現像し、感光体上のトナー画像を中間転写体を介して又は介さずに紙等の記録媒体に転写した後、この転写画像を記録媒体に定着する、という複数の工程を経て、定着画像を形成している。
高温高湿環境下における低温定着の阻害性および帯電能の低下を抑制し、高品質な画像を得ることができるトナーを提供するため、ポリエステルを主成分とする樹脂(a)、着色剤およびワックスを少なくとも含有するトナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子表面のX線光電子分光分析(ESCA)による表面窒素量が1.0atomic%以上10.0atomic%以下であり、該トナー粒子を水に分散させて測定して得られたトナー粒子の酸価をUt(mgKOH/g)としたとき、該トナー粒子の比表面積Stが0.60m/g以上2.00m/g以下であり、該トナー粒子の表面積あたりの酸価(Ut/St)は0.2mgKOH/m以上1.5mgKOH/m以下を満足し、該トナー粒子を温度23.0℃湿度25%RH環境下に3日間放置した後で測定したときの仕事関数W0が5.65eV以上6.00eV以下であることを特徴とするトナーが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−048014号公報
本発明は、高温高湿環境下においてもかぶりを発生させることなく画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像トナーを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、請求項1に係る発明は、
トナー粒子と、前記トナー粒子表面に外添された外添剤とを有し、
トナー粒子の表面に有機化合物を有し、前記有機化合物がポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリヘキサメチレングアニド、アルキルジアミノエチルグリシン又はカチオン化セルロースであり、
X線光電子分光法により測定された、前記トナー粒子表面における窒素原子の含有量が0.8atomic%以上5.0atomic%以下であり、前記トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量が0.4atomic%以下である静電荷像現像トナーである。
請求項2に係る発明は、
窒素原子重量分率が5%以上50%以下の前記有機化合物を前記トナー粒子の表面に有する請求項1に記載の静電荷像現像トナーである。
請求項3に係る発明は、
前記有機化合物が、ポリエチレンイミンである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像トナーである。
請求項に係る発明は、
請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項に係る発明は、
請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項に係る発明は、
請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項に係る発明は、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
請求項1〜請求項に係る発明によれば、窒素原子の含有量が特定の範囲外である場合に比較して、画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像トナーが提供される。
請求項に係る発明によれば、窒素原子の含有量が特定の範囲外である場合に比較して、画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像剤が提供される。
請求項に係る発明によれば、窒素原子の含有量が特定の範囲外である場合に比較して、画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像トナーを収容するトナーカートリッジが提供される。
請求項に係る発明によれば、窒素原子の含有量が特定の範囲外である場合に比較して、画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性が高められる。
請求項に係る発明によれば、窒素原子の含有量が特定の範囲外である場合に比較して、画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像剤を用いた画像形成装置が提供される。
請求項に係る発明によれば、窒素原子の含有量が特定の範囲外である場合に比較して、画像濃度の低下及び画像の面内ムラの生じにくい静電荷像現像剤を用いた画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像トナー(以下、本実施形態に係るトナーと称することがある)は、トナー粒子と、前記トナー粒子表面に外添された外添剤とを有し、トナー粒子の表面に有機化合物を有し、前記有機化合物がポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリヘキサメチレングアニド、アルキルジアミノエチルグリシン又はカチオン化セルロースであり、X線光電子分光法により測定された、前記トナー粒子表面における窒素原子の含有量を0.8atomic%以上5.0atomic%以下とし、前記トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量を0.4atomic%以下としたものである。
高湿度環境下(90%RH以上)において連続プリントを行うと、特に小型の画像形成装置等では、現像機駆動の摩擦熱および定着器からの熱により、現像機や現像剤の温度が上昇することがある。この場合、相対湿度が低下することにより、トナーや現像剤の帯電量が上昇し、ベタ濃度の低下や面内ムラが発生することがある。
トナー粒子の表面に窒素原子を予め定められた量存在させることで、現像機の内部温度の上昇や相対湿度の低下の際に、トナーの帯電変化を緩やかにし、かぶりを発生させることなく画像濃度の低下や画像の面内ムラ発生などの画像障害が防止されることを、本発明者等は鋭意検討の結果見出した。
窒素原子はもともと水を吸着しやすく、トナー粒子の最表面に存在する窒素原子には分子状の水が吸着していると考えられる。この分子状に吸着している水分は相対湿度の低下が発生しても、急速に蒸発することが無く、その結果トナーの表面近傍はある程度の湿度が保たれた状態が維持できているため、帯電量の変化が緩やかになっていると考えられる。
本実施形態において、トナー粒子表面における窒素原子の含有量はX線光電子分光法で測定される。本実施形態においては、トナー粒子表面における窒素原子の含有量は0.8atomic%以上5.0atomic%以下とされるが、好ましくは0.8atomic%以上4.5atomic%以下、さらに好ましくは0.9atomic%以上、4.0atomic%以下である。表面窒素量をこの範囲にすることで、より急激な相対湿度の低下が生じた際においても、トナー粒子の表面近傍における湿度の変化が抑制され、高湿度条件化での連続プリントの際にも良好なベタ画像の形成が維持される。
トナー粒子表面における窒素原子の含有量が0.8atomic%未満であると、トナー粒子表面における水分の吸着量が不足し、トナー粒子表面近傍の湿度変化抑制効果が不足し、帯電量の変動が大きくなり、濃度低下を引き起こすことがある。トナー粒子表面における窒素原子の含有量が5.0atomic%より多い場合には、逆にトナー粒子表面における水分の吸着量が多くなり、帯電量そのものが低下し、特に高温高湿度環境下でかぶりが発生しやすくなる。
また、窒素原子はトナー粒子の最表面に存在し、トナー粒子の内部にはできるだけ存在しないことが望ましい。これは、トナーの帯電量はトナーの最表面で決定され、トナー粒子の深さ方向に存在する窒素および窒素に吸着した水分は帯電には寄与しないばかりか、深さ方向に存在する水分は一度吸着されると脱水しにくい。そのため、トナーが高湿度環境下に長期間放置された後では、電気特性の悪化を引き起こし、特に黒色トナーではかぶりの悪化が顕著となることがある。
本実施形態においては、トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量は、0.4atomic%以下であることが、長期間、トナーが高湿環境下に放置された後でも転写性の低下やかぶりなどを引き起こすことがなく、良好な画像を形成するためには必要である。トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量が0.3atomic%以下であると、さらに良好な画像が形成されるため好ましい。
本実施形態において、窒素原子の含有量のために実施するX線光電子分光法の測定条件としては、以下のとおりである。
使用装置:Physical Electoronics Industries, Inc.社製 1600S型 X線光電子分光装置
測定条件:X線源 MgKα(400W)
分光領域:直径800μm
本実施形態において、トナー粒子表面の切削方法に特に限定はなく、トナー材料を変性させることなくトナー粒子表面から10nmの深さを切削する方法であればいかなる方法をも適用できる。
本実施形態においては、例えば、Arエッチング法を用い、Arエッチングによりトナー粒子表面を削っていき、都度表面窒素量を測定することでトナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量の確認を行った。Arエッチングの条件としては、例えば、Arガス:3.0x10−2Pa、加速電圧:400Vの条件で80秒実施した。
本実施形態において、窒素原子の含有量は、トナー粒子についての値であり、トナー粒子に外添剤が外添された状態での窒素原子の含有量とは異なる。これは、外添剤に窒素原子が付着又は含有されている場合があり、外添されたトナーについての窒素原子の含有量が、外添前のトナー粒子についての窒素原子の含有量と異なる可能性があるからである。
本実施形態において、外添剤を外添されたトナーから外添剤を除去する方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
外添されたトナーをポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル0.2質量%の水溶液に10質量%となるように分散させ、30℃以下の温度を保ちながら超音波振動(周波数20kHz, 出力30W)を60分作用させることで外添剤を遊離させる。分散液からトナー粒子を濾別洗浄することで外添剤を除去したトナー粒子を得ることができる。
なお、本実施形態に係る発明と関連する発明として、特開2012−48014号公報に記載の発明が挙げられる。特開2012−48014号公報においては、トナー表面にウレタン樹脂などの含窒素樹脂でシェル構造を形成し、さらに表面酸価および仕事関数を規定することで、高温高湿環境下における低温定着性の阻害と帯電能低下を抑制するものである。当該発明では、トナー表面層の吸水量を抑制しつつ帯電能を得るために電子吸引性官能基を導入し、仕事関数を一定の範囲に制御することでトナー表面の疎水性と帯電性の両立を図ったものである。しかし、積極的に吸水性を制御する本実施形態に係る発明とは根本的に異なる発想の発明である。また、当該発明においては、ウレタン樹脂などの含窒素樹脂によりシェル構造を構築しており、トナーの深さ方向での窒素原子分布を持つため、表面の疎水性により帯電能の維持は可能であっても、長期間高湿度環境下に放置し、内部まで吸湿した状態では電気特性の悪化から転写性やかぶりの悪化が想定される。
以下、本実施形態に係るトナーを構成する各成分について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子と、前記トナー粒子表面に外添された外添剤とを有する。
(トナー粒子)
トナー粒子としては、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。
・ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下より好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120を用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂の製造は、周知の製造方法が挙げられる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法が挙げられる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
−着色剤−
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−トナー粒子の特性等−
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上9μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の形状係数SF1としては、110以上150以下が好ましく、120以上140以下がより好ましい。
なお、形状係数SF1は、下記式により求められる。
式:SF1=(ML/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中も、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μmがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散と同様にして、例えば、着色剤分散液、離型剤分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上ガラス転移温度−10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
(窒素原子付着方法)
本実施形態において、トナー粒子表面における窒素原子の含有量を上述の範囲とする方法に特に限定はない。
例えば、トナー粒子の作製段階で含窒素材料(例えば、後述の特定の有機化合物)を添加するか又はトナー粒子を作製後に含窒素材料をトナー最表面に物理的および・または化学的に被覆する方法で、トナー表面の窒素量を制御してもよい。特に、トナー粒子の深さ方向での窒素量も制御する必要があることから、トナー粒子作製後に表面処理を行う方法が好ましい。
例えば、トナー粒子が水中に分散した状態で、カチオン性の含窒素材料を混合させ、トナー粒子表面のアニオンと静電気的に付着させ乾燥させる方法や、トナー粒子表面に存在するカルボキシル基や水酸基などの官能基とアミンやイソシアネートなどの含窒素官能基とをウレタン結合やウレア結合、アミド結合などを介して化学的に結合させる方法や、含窒素化合物をエステル結合やエーテル結合あるいは共有結合を介し結合させる方法などの湿式での表面処理が挙げられる。乾式での方法としては、例えば(株)奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステムやホソカワミクロン(株)製ノビルタなどに代表される表面処理装置によりトナー粒子に含窒素化合物の表面処理を行うことができる。特に、水中にトナー粒子が分散した状態で、カチオン−アニオンの静電気的吸着により含窒素材料をトナー粒子表面に付着させる方法では、トナー凝集体を発生させることなく均一な付着が可能であり好ましい。
本実施形態に係るトナー粒子表面には、上述した範囲の窒素原子が存在する。トナー粒子表面に存在する窒素原子の窒素源に特に限定はないが、窒素原子重量分率が5%以上50%以下の有機化合物(以下、特定の有機化合物と称することがある)であってもよい。
特定の有機化合物の具体例としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリヘキサメチレングアニド、アルキルジアミノエチルグリシン、カチオン化セルロースなどが挙げられる。
また、特定の有機化合物としては、当該有機化合物中に窒素源が混合物又は不純物として存在する態様であってもよい。例えば、シクロヘキシルメタクリレートを重合してポリシクロヘキシルメタクリレートを合成する際に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等の含窒素重合開始剤を用い、合成されたポリシクロヘキシルメタクリレートに窒素を含有させたものを特定の有機化合物として用いてもよい。
これらの中でも、処理の均一性の観点から水溶性であるポリエチレンイミンやポリアリルアミンが望ましい。
本実施形態において、特定の有機化合物中における窒素原子重量分率は以下のように計算される。
化合物Aの構造式がCαで表される場合、化合物Aの窒素原子重量分率は
α×14(窒素原子量)/(x×12(炭素原子量)+y×1(水素原子量)+z×16(酸素原子量)+α×14(窒素原子量))で示される。なおこれに他の元素Aがβ加わっていても分母にβ×Aの原子量を加えることで窒素原子重量分率を示すことができる。
また、トナー粒子に含有される結着樹脂として炭素炭素二重結合を含む樹脂を用いた場合、トナー粒子を水中に分散した状態でアゾビスイソブチロニトリル等の含窒素重合開始剤を添加して当該トナー粒子表面にアゾビスイソブチロニトリルを反応させることでトナー粒子表面に上述した範囲の窒素原子が存在するようにしてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;マトリックス樹脂に導電性粒子が分散・配合された樹脂分散型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;、トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;、トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用の静電荷像現像トナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製>
・テレフタル酸ジメチル・・・116部
・フマル酸ジメチル・・・22部
・ドデセニルコハク酸無水物・・・53部
・トリメリット酸無水物・・・10部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物・・・110部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物・・・220部
上記材料を攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジオクタン酸スズ2.7部を加え、窒素ガス気流下において195℃で6時間撹拌反応させ、さらに温度を240℃に上げて6.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で0.5時間攪拌反応させて、黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂Aを得た。
ついで、得られた非晶性ポリエステル樹脂Aを、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水80%、ポリエステル樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、非晶性ポリエステル樹脂分散液A(固形分20%)を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は105000及びガラス転移温度は58.2℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの平均粒径は0.168μmであった。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Bの調製>
・テレフタル酸ジメチル・・・87部
・フマル酸ジメチル・・・65部
・ドデセニルコハク酸無水物・・・26部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物・・・63部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物・・・275部
上記材料を攪拌機、温度計、コンデンサー、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジオクタン酸スズ2.5部を加え、窒素ガス気流下において195℃で5時間撹拌反応させ、さらに温度を240℃に上げて4.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で0.5時間攪拌反応させて、黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂Bを得た。
ついで、得られた非晶性ポリエステル樹脂Bを、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用いて分散した。イオン交換水80%、ポリエステル樹脂の濃度が20%の組成比で、アンモニアによりpHを8.5に調整し、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm、熱交換器による加熱140℃、の条件でキャビトロンを運転し、非晶性ポリエステル樹脂分散液B(固形分20%)を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量は25000及びガラス転移温度は63.4℃、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの平均粒径は0.142μmであった。
<スチレンアクリル樹脂分散液の調整>
スチレン370部、n−ブチルアクリレート30部、アクリル酸8部、ドデカンチオール24部、四臭化炭素4部を混合して溶解したものを、非イオン系界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、体積平均粒径150nm、固形分濃度35%のスチレンアクリル樹脂分散液を得た。得られたスチレンアクリル樹脂分散液を乾燥させたところ重量平均分子量は11500、ガラス転移温度は58℃であった。
<離型剤分散液の調製>
・パラフィンワックスHNP9(融解温度:74℃、日本精蝋社製, 比重:0.925g/cm)・・・45部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK)・・・5部
・イオン交換水・・・200部
以上の材料を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が0.21μmである離型剤分散液(離型剤濃度:20%)を調製した。
<黒色顔料分散液の調製>
・黒色顔料(#25,三菱化学社製,一次粒径0.047μm)・・・100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンR)・・・15部
・イオン交換水・・・400部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて1時間分散して体積平均粒径が0.35μmの黒色顔料分散液を調製した。分散液の顔料濃度は23%であった。
[実施例1]
<トナー1の作製>
・非晶性ポリエステル樹脂分散液A・・・138部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液B・・・138部
・離型剤分散液・・・45部
・黒色顔料分散液・・・26部
丸型ステンレス製フラスコ中に、上記材料を入れ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で混合・分散した。次いで、これに凝集剤として硫酸アルミニウムの1%水溶液を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、40℃まで、0.5℃/分で昇温し、40℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに粒径を測定し、所望の体積平均粒径となったところで、追加用の非晶性ポリエステル樹脂分散液150部(非晶性ポリエステル樹脂分散液A75部および非晶性ポリエステル樹脂分散液B75部の混合液)を3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを8.0にした。その後、5℃ごとにpHを8.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、90℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察し、凝集粒子が十分融合した後、氷水にて冷却し、粒子を固定化させた
その後、生成物をろ過し、イオン交換水にて洗浄し、ウエットケーキ状態のトナー粒子を得た。
得られたウエットケーキ状のトナー粒子を固形分濃度が10%となるようにイオン交換水に再分散させた。撹拌を行いながら、トナー粒子固形分重量に対し、0.05%に相当するポリエチレンイミン70000(ポリエチレンイミン、窒素原子重量分率33%、純正化学(株)社製)の1%水溶液を5分かけて添加した。添加後、1N硝酸にてpH=6.5±0.5に調整し、室温にて2時間撹拌を実施した。撹拌終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子1を得た。
表面処理したトナー粒子についての、X線光電子分光法により測定された、当該トナー粒子表面における窒素原子の含有量及び当該トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量を上述の方法で測定した。得られた結果を表1に示す。
上述のようにして表面処理したトナー粒子の100部に対して疎水性正帯電シリカ粒子(キャボット社製、TG820F)1部を加え、ヘンシェルミキサーにて外添混合を行うことで、トナー1を得た。なお、トナー1から前述の方法で外添剤を除去した後、窒素原子の含有量を測定しても外添する前の値とほぼ同じであったことから表1には外添前の値を記載した。
−評価−
富士ゼロックス(株)社製DocuPrintP300dにトナー1を充填し、32℃90%RHの環境下に72時間放置した。
放置後、富士ゼロックス株式会社製P紙に2.5cm×2.5cmのベタ画像を3カ所有する画像パターンを500枚連続で形成した。500枚目の画像出力後、全面ベタ画像(トナー乗り量4.0〜4.5g/m)を形成した。
全面ベタ画像の中央部と、長手方向両端部からそれぞれ20mmの位置の合計3箇所についてX−Rite社製のX−Rite938を用いて画像濃度を測定した。濃度は三ケ所での平均値とした(SAD1)。ベタ画像のムラの程度を、三カ所での測定値の最大値と最小値との差(ΔSAD1)により、下記基準に基づき評価した。得られた結果を表1に示す。
また、カブリの程度について、2.5cm×2.5cmのベタ画像を3カ所有する画像パターンの1枚目、250枚目、500枚目の出力画像における白色部の画像濃度の最大値(SAD2)を下記基準に基づき評価した。得られた結果を表1に示す。
<ベタ画像濃度>
◎: SAD1が1.4以上
○: SAD1が1.2以上、1.4未満
×: SAD1が1.2未満
<ベタ画像ムラ>
◎: ΔSAD1が0.1以下
○: ΔSAD1が0.1を超え0.15以下
×: ΔSAD1が0.15を超える
<カブリ>
◎: SAD2が0.02以下
○: SAD2が0.02を超え0.03以下
×: SAD2が0.03を超える
[実施例2]
実施例1と同様にウエットケーキ状のトナー粒子を得たのち、固形分濃度が10%となるようにイオン交換水に再分散を行った。撹拌を行いながら、トナー粒子固形分重量に対し、1.5%に相当するカチオン化セルロース(ポイズC150L、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、窒素原子重量分率 1.2%;花王株式会社製)の5%水溶液を5分かけて添加した。添加後、1N硝酸にてpH=6.5±0.5に調整し、室温にて2時間撹拌を実施した。撹拌終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子2を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー2を得た。
得られたトナー2を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1と同様にウエットケーキ状のトナー粒子を得たのち、固形分濃度が10%となるようにイオン交換水に再分散を行った。撹拌を行いながら、トナー粒子固形分重量に対し、0.2%に相当するポリアリルアミン塩酸塩重合体(PAA−HCL−10L、窒素原子重量分率15%;ニットーボーメディカル(株)社製)の5%水溶液を5分かけて添加した。添加後、1N硝酸にてpH=6.5±0.5に調整し、室温にて2時間撹拌を実施した。撹拌終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子3を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー3を得た。
得られたトナー3を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
・スチレンアクリル樹脂分散液・・・157部
・離型剤分散液・・・45部
・黒色顔料分散液・・・26部
丸型ステンレス製フラスコ中に、上記材料を入れ、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で混合・分散した。次いで、これに凝集剤として硫酸アルミニウムの0.8%水溶液を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。
攪拌機、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌するように攪拌機の回転数を調整しながら、40℃まで、0.5℃/分で昇温し、40℃で15分保持した後、0.05℃/分で昇温しながら、10分ごとに粒径を測定し、所望の体積平均粒径となったところで、追加用のスチレンアクリル樹脂分散液85部を3分間かけて投入した。投入後30分間保持した後、5%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを7.0にした。その後、5℃ごとにpHを7.0に調整しながら、昇温速度1℃/分で96℃まで昇温し、96℃で保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察し、凝集粒子が十分融合した後、氷水にて冷却し、粒子を固定化させた
その後、生成物をろ過し、イオン交換水にて洗浄し、ウエットケーキ状態のトナー粒子を得た。
得られたウエットケーキ状のトナー粒子を固形分濃度が10%となるようにイオン交換水に再分散させた。撹拌を行いながら、トナー粒子固形分重量に対し、0.035%に相当するポリエチレンイミン70000(純正化学(株)社製)の1%水溶液を5分かけて添加した。添加後、1N硝酸にてpH=6.5±0.5に調整し、室温にて2時間撹拌を実施した。撹拌終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子4を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー4を得た。
得られたトナー4を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例5]
実施例1と同様にウエットケーキ状のトナー粒子を得たのち、固形分濃度が10%となるようにイオン交換水に再分散を行った。撹拌を行いながら、トナー粒子固形分重量に対し、2.5%に相当するカチオン化セルロース(ポイズC150L;花王株式会社製)の5%水溶液を5分かけて添加した。添加後、1N硝酸にてpH=6.5±0.5に調整し、室温にて2時間撹拌を実施した。撹拌終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子5を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー5を得た。
得られたトナー5を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例6]
実施例1と同様にウエットケーキ状のトナー粒子を得たのち、固形分濃度が5%となるようにイオン交換水に再分散を行った。撹拌を行いながら75℃まで加熱を行い、75℃到達時点でトナー固形分に対して0.5%に相当する含窒素重合開始剤(商品名V−50(2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩、窒素原子重量分率31%;和光純薬工業(株))の1%水溶液を滴下し、その後、4時間反応を行った。反応終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子6を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー6を得た。
得られたトナー6を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例8]
非晶性ポリエステル樹脂A・・・27部
非晶性ポリエステル樹脂B・・・60部
パラフィンワックスHNP9・・・7部
黒色顔料(#25;三菱化学社製)・・・6部
以上をヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを2軸押し出し混練機(設定温度200℃)により熱混練し、冷却後、ハンマーミルによる粗粉砕、ジェットミルによる微粉砕、気流分級機による分級を経て、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子を5%アニオン界面活性剤(ネオゲンR;第一工業製薬社製)水溶液中に分散させ、濾過、イオン交換水による洗浄を行い、ウエットケーキ状のトナー粒子を得た。得られたウエットケーキ状のトナー粒子を固形分濃度が10%となるようにイオン交換水に再分散させた。撹拌を行いながら、トナー粒子固形分重量に対し、0.08%に相当するポリエチレンイミン70000(純正化学(株)社製)の1%水溶液を5分かけて添加した。添加後、1N硝酸にてpH=6.5±0.5に調整し、室温にて2時間撹拌を実施した。撹拌終了後、分散液を濾過し、イオン交換水で洗浄したのち、真空乾燥機を用い乾燥させることによりトナー粒子8を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー8を得た。
得られたトナー8を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
ポリエチレンイミン70000の処理量をトナー粒子に対し0.01%とした以外、実施例1同様に処理を行い、トナー9を得た。
得られたトナー9を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
ポリアリルアミン塩酸塩の処理量をトナー粒子に対し0.3%とした以外、実施例3と同様に処理を行い、トナー10を得た。
得られたトナー10を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例3]
シクロヘキシルメタクリレート120部、イオン交換水193部、カチオン界面活性剤(コータミン86Pコンク;花王株式会社製)20%水溶液8.4部、含窒素重合開始剤(商品名V−50;和光純薬工業(株))1%水溶液40.5部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)で混合・分散し乳化液を作製した。
ジムロート冷却管を備え窒素導入が可能な反応容器にイオン交換水820部を投入し、70℃に加熱しながら窒素バブリングを2時間実施したのち、乳化液の5%に相当する18部を滴下した。滴下後30分保持を行った後、残りの乳化液を3時間かけ滴下した。滴下後、85℃に昇温し、さらに3時間保持し反応を進行させることで、ポリシクロヘキシルメタクリレート樹脂分散液を得た。得られた分散液を凍結乾燥することにより体積平均粒径80nmのポリシクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子(CHMA)を得た。
実施例1と同様にして得られたウエットケーキ状のトナー粒子を真空乾燥機にて乾燥させ得られたトナー粒子とトナー粒子に対して7.8%に相当するポリシクロヘキシルメタクリレート樹脂粒子を混合したのち、ホソカワミクロン(株)社製ノビルタにて乾式処理(3000rpm・15分)を行うことでトナー粒子表面にポリシクロヘキシルメタクリレート樹脂被膜を持つトナー粒子11を得た。
トナー1同様に外添処理を行い、トナー11を得た。
得られたトナー11を用いて実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
表1において、表面N量は「X線光電子分光法により測定された、トナー粒子表面における窒素原子の含有量」を意味し、深さN量は「X線光電子分光法により測定された、トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量」を意味する。
1Y、1M、1C、1K、感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (8)

  1. トナー粒子と、前記トナー粒子表面に外添された外添剤とを有し、
    トナー粒子の表面に有機化合物を有し、前記有機化合物がポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリヘキサメチレングアニド、アルキルジアミノエチルグリシン又はカチオン化セルロースであり、
    X線光電子分光法により測定された、前記トナー粒子表面における窒素原子の含有量が0.8atomic%以上5.0atomic%以下であり、前記トナー粒子の表面から10nm内部における窒素原子の含有量が0.4atomic%以下である静電荷像現像トナー。
  2. 窒素原子重量分率が5%以上50%以下の前記有機化合物を前記トナー粒子の表面に有する請求項1に記載の静電荷像現像トナー。
  3. 前記有機化合物が、ポリエチレンイミンである請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像トナー。
  4. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを含む静電荷像現像剤。
  5. 請求項1〜請求項のいずれか1項に記載の静電荷像現像トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  6. 請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体上に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  8. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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