JP6597326B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された脂肪酸金属塩粒子とを含み、
前記脂肪酸金属塩粒子の鉄含有量が0.0008質量%以上0.01質量%以下である、静電荷像現像用トナー。
前記脂肪酸金属塩粒子に含まれる脂肪酸金属塩が、脂肪酸亜鉛塩、脂肪酸カルシウム塩、及び脂肪酸マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
前記脂肪酸金属塩粒子に含まれる脂肪酸金属塩が、ステアリン酸金属塩及びラウリン酸金属塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
前記脂肪酸金属塩粒子に含まれる鉄原子と鉄原子以外の金属原子との物質量比(鉄原子の物質量/鉄原子以外の金属原子の物質量)が1×10−4以上1×10−3以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体の表面に接触するブレードを有し、前記ブレードにより、トナー画像を記録媒体の表面に転写した後の前記中間転写体の表面に残留した静電荷像現像用トナーを除去するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記中間転写体の表面に接触するブレードを有し、前記ブレードにより、トナー画像を前記記録媒体の表面に転写した後の前記中間転写体の表面に残留した静電荷像現像用トナーを除去するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
トナー画像を前記記録媒体の表面に転写した後の前記中間転写体の表面にブレードを接触させて、前記中間転写体の表面に残留した静電荷像現像用トナーを除去するクリーニング工程と、
を有する画像形成方法。
請求項4に係る発明によれば、前記物質量比が1×10−4未満又は1×10−3超である場合に比べ、画像形成を繰り返しても記録媒体の画像形成面に横筋が発生しにくい静電荷像現像用トナーが提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された脂肪酸金属塩粒子とを含み、前記脂肪酸金属塩粒子の鉄含有量が0.0008質量%以上0.01質量%以下である。
像保持体から中間転写体に移行したトナー粒子等のうち、記録媒体に移行せず中間転写体に残留したトナー粒子等は、ブレードニップに集積しクリーニング装置へ回収されるところ、像保持体から中間転写体に移行する脂肪酸金属塩粒子の量が少ないほど又は中間転写体から記録媒体に移行する脂肪酸金属塩粒子の量が多いほど、ブレードニップに集積する脂肪酸金属塩粒子の量が減少する。この場合、脂肪酸金属塩粒子の潤滑剤作用が十分に得られず、ブレードの姿勢が変化したりブレードが跳ねたりすることがあり、画像形成を繰り返すことでブレードニップに蓄積していたトナー粒子等がブレードニップをすり抜けると考えられる。一方、像保持体から中間転写体に移行する脂肪酸金属塩粒子の量が多いほど又は中間転写体から記録媒体に移行する脂肪酸金属塩粒子の量が少ないほど、ブレードニップに集積する脂肪酸金属塩粒子の量が増加する。この場合は、画像形成を繰り返すことでブレードニップに蓄積する、脂肪酸金属塩粒子を含めたトナー粒子等の量が増加し、ブレードニップによってせき止め可能な量を超え、トナー粒子等がブレードニップをすり抜けると推測される。
つまり、中間転写体上に存在する脂肪酸金属塩粒子の量が相対的に少なかったり多かったりすると、ブレードニップからのトナー粒子等のすり抜けが誘発され、横筋が発生すると推測される。
本実施形態において、トナー粒子に外添されている脂肪酸金属塩粒子は、鉄を、脂肪酸金属塩粒子の全質量に対して、0.0008質量%以上0.01質量%以下の範囲で含む。脂肪酸金属塩粒子の鉄含有量は、横筋の発生を抑制する観点から、0.0008質量%以上であり、0.001質量%以上がより好ましく、0.002質量%以上が更に好ましく、0.003質量%以上が更に好ましく、0.01質量%以下であり、0.009質量%以下がより好ましく、0.008質量%以下が更に好ましく、0.007質量%以下が更に好ましく、0.006質量%以下が更に好ましい。
脂肪酸金属塩粒子に含まれるラウリン酸金属塩としては、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸アルミニウム、ラウリン酸リチウム、ラウリン酸カリウム等が挙げられる。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤とを含む。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層と、で構成されている。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施形態に係るトナーは、脂肪酸金属塩粒子以外のその他の外添剤を含んでいてもよい。その他の外添剤としては、例えば、下記の無機粒子および樹脂粒子が挙げられる。
疎水化処理剤の量は、通常、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10℃から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、中間転写体の表面に接触するブレードを有し、該ブレードにより、トナー画像を記録媒体に転写した後の中間転写体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱されるプロセスカートリッジであってもよい。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
本実施形態に係る画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、該静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、中間転写体の表面に接触するブレードを有し、該ブレードにより、トナー画像を記録媒体の表面に転写した後の中間転写体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、を備えるプロセスカートリッジが挙げられる。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 : 5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂を合成した。
[着色剤分散液(K)の調製]
・カーボンブラック(オリオンエンジニアドカーボンズ社のNIPEX): 70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬のネオゲンRK) : 5部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社のウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20質量%となるようイオン交換水を加え、体積平均粒径170nmの着色剤粒子が分散された着色剤分散液(K)を得た。
着色剤(顔料)の種類をC.I.Pigment Blue 15:3(大日精化工業)に変更した以外は、着色剤分散液(K)と同様にして、着色剤分散液(C)を得た。
・パラフィンワックス(日本精蝋のHNP−9) :100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬のネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :350部
上記の材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社のウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された離型剤分散液(固形分量20質量%)を得た。
[脂肪酸金属塩粒子(1)の調製]
・ステアリン酸亜鉛(川村化成工業) :100部
・ステアリン酸鉄(III)(東京化成工業):0.0081部
攪拌機と温度センサを備えた加温可能なステンレス製反応器1に純水200部を投入し、攪拌しながら70℃まで加熱した。攪拌機と温度センサを備えた加温可能なステンレス製反応器2に脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛とステアリン酸鉄(III)を投入し融解させた。ステンレス製反応器1の純水に、溶融させた脂肪酸金属塩を加え、攪拌しながら再度温度を70℃まで上げた。そこに、水酸化ナトリウム2部を純水100部に溶かした水溶液を滴下して脂肪酸金属塩を乳化分散させた。次いで、液温を80℃に上げ60分間放置した。その後、水洗、濾過、脱水、及び乾燥を施し、脂肪酸金属塩の固形物を得た。脂肪酸金属塩の固形物をボールミルで粉砕して、体積平均粒径0.8μmの脂肪酸金属塩粒子(1)を得た。
脂肪酸金属塩及び鉄化合物の種類と量を、表1〜表5に記載のとおりに変更した以外は脂肪酸金属塩粒子(1)の調製と同様の方法で脂肪酸金属塩粒子(2)〜(60)を調製した。
[トナー(1)の作製]
・樹脂粒子分散液 :403部
・着色剤分散液(K) : 12部
・離型剤分散液 : 50部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower): 2部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。次いで、ホモジナイザー(IKA社のウルトラタラックスT50)を用いて液温30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液100部を追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。次いで、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、体積平均粒径7.5μmのトナー粒子(1)を得た。
脂肪酸金属塩粒子(1)を脂肪酸金属塩粒子(2)〜(60)に変更した以外はトナー(1)の作製と同様の方法でトナー(2)〜(60)を作製した。
着色剤分散液(K)を着色剤分散液(C)に変更した以外はトナー(1)の作製と同様の方法でトナー(61)〜(72)を作製した。
トナー(7)の作製において、脂肪酸金属塩粒子(7)の外添量を0.1部から表12に記載のとおりに変更した以外はトナー(7)の作製と同様の方法でトナー(73)〜(79)を作製した。
・フェライト粒子(体積平均粒径35μm) :100部
・トルエン : 14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体(共重合比10:90): 2部
・カーボンブラック(キャボット社のR330) :0.2部
フェライト粒子以外の上記材料をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
[現像剤(1)〜(79)の作製]
トナー(1)〜(79)とキャリアとを質量比8:92でVブレンダーに入れ、20分間攪拌し混合した。次いで、目開き212μmの篩で篩分して現像剤(1)〜(79)を得た。
現像剤(1)〜(79)をそれぞれジェットシーブにかけてトナーとキャリアとに分離した。分離したトナーをイオン交換水に懸濁し、この懸濁液に超音波を印加した後、懸濁液を濾紙(保留粒子径5μm)で濾過した。濾液を遠心分離器にかけ、低比重の外添剤を脂肪酸金属塩粒子として分離し乾燥させた。乾燥後の脂肪酸金属塩粒子を試料として、蛍光X線分析装置(島津製作所のXRF−1500)を用いて元素分析を行い、鉄及びその他の金属の含有量を同定した。
画像形成装置として、富士ゼロックス社のApeosPort−4 C5570の改造機を用意した。該画像形成装置は、厚さ80μmの中間転写ベルト(ポリイミド樹脂及び導電剤を含む基材層上に、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、及び導電剤を含む表面層が積層された無端ベルト)と、中間転写ベルトクリーニング装置を備えており、中間転写ベルトクリーニング装置は、熱硬化型ポリウレタンゴム製の厚さ2mmのクリーニングブレードを備えている。該クリーニングブレードは、接触圧2.7g/mmで中間転写ベルトに接触する。
G4:1万枚目に横筋が未発生であり、2万枚目に横筋が発生し、横筋の幅が0.5mm未満である。
G3:1万枚目に横筋が未発生であり、2万枚目に横筋が発生し、横筋の幅が0.5mm以上である。
G2:1万枚目に横筋が発生し、横筋の幅が0.5mm未満である。
G1:1万枚目に横筋が発生し、横筋の幅が0.5mm以上である。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置(中間転写体クリーニング手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
120 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
121 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
122 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
123 支持ロール
124 駆動ロール
125 中間転写ベルトクリーニング装置(中間転写体クリーニング手段の一例)
200 プロセスカートリッジ
Claims (9)
- トナー粒子と、前記トナー粒子に外添された脂肪酸金属塩粒子とを含み、
前記脂肪酸金属塩粒子の鉄含有量が0.0008質量%以上0.01質量%以下である、静電荷像現像用トナー。 - 前記脂肪酸金属塩粒子に含まれる脂肪酸金属塩が、脂肪酸亜鉛塩、脂肪酸カルシウム塩、及び脂肪酸マグネシウム塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記脂肪酸金属塩粒子に含まれる脂肪酸金属塩が、ステアリン酸金属塩及びラウリン酸金属塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記脂肪酸金属塩粒子に含まれる鉄原子と鉄原子以外の金属原子との物質量比(鉄原子の物質量/鉄原子以外の金属原子の物質量)が1×10−4以上1×10−3以下である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記中間転写体の表面に接触するブレードを有し、前記ブレードにより、トナー画像を記録媒体の表面に転写した後の前記中間転写体の表面に残留した静電荷像現像用トナーを除去するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像が転写される中間転写体と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を前記中間転写体の表面に転写する一次転写手段と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記中間転写体の表面に接触するブレードを有し、前記ブレードにより、トナー画像を前記記録媒体の表面に転写した後の前記中間転写体の表面に残留した静電荷像現像用トナーを除去するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項5に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に転写する一次転写工程と、
前記中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する二次転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
トナー画像を前記記録媒体の表面に転写した後の前記中間転写体の表面にブレードを接触させて、前記中間転写体の表面に残留した静電荷像現像用トナーを除去するクリーニング工程と、
を有する画像形成方法。
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