JP6340856B2 - 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents
静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDFInfo
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Description
請求項1に係る発明は、
トナー粒子と、
潤滑剤粒子と、
体積平均粒径が3.2μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が330以上500以下である金属酸化物粒子と、
を有する静電荷像現像用トナーである。
前記潤滑剤粒子がステアリン酸亜鉛粒子である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
前記金属酸化物粒子がチタン酸ストロンチウム粒子である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤である。
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
トナー粒子、及び、体積平均粒径が3.2μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が330以上500以下である金属酸化物粒子を有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナー粒子、及び、体積平均粒径が3.2μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が330以上500以下である金属酸化物粒子を有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(単に「トナー」とも称す)は、トナー粒子と共に、外添剤として、潤滑剤粒子と、体積平均粒径が3μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が250以上500以下である金属酸化物粒子と、を含んで構成される。
一方で、上記のように潤滑剤が像保持体の表面に供給される場合、高温高湿環境下(30℃90%)にて、特殊なパターン画像を連続出力(20000枚以上の出力)する場合に、像保持体の表面における潤滑剤の分散に偏りが生じることがある。特殊なパターン画像とは、例えば、画像密度の高い(画像密度が70%以上)画像部と非画像部とからなるパターン画像や、画像密度が大きく異なる(画像密度の差が70%以上)2つの画像部を有するパターン画像である。
つまり、上記のような特殊なパターン画像の場合、トナーの供給量に大きな差があることから、像保持体の表面において、画像密度の高い画像部に対応する領域には潤滑剤が多く存在し、非画像部又は画像密度の低い画像部に対応する領域には潤滑剤が少ない状態が形成されてしまう。
このように像保持体の表面の潤滑剤の潤滑剤の分散に偏りが生じると、トナーによる現像量の制御が困難になり、新たな画像を形成した際、目的の現像量を得られない領域ができてしまい、その結果として、画像濃度の面内ムラ(画像ムラ)が発生してしまうことがあった。
この効果が奏されるメカニズムは、必ずしも明確ではないものの、以下のごとく推察される。
金属酸化物粒子は、併存する潤滑剤粒子を巻き込み、巻き込んだ潤滑剤粒子と共に像保持体の表面へと移動することで、像保持体の表面に潤滑剤(粒子)を供給する機能を有する。
本実施形態における金属酸化物粒子の粒径は3μm以上7μm以下であって、従来のトナーに用いられてきた金属酸化物粒子よりも大きく、また、形状係数(SF2)も250以上500以下であることで、従来のトナーに用いられてきた金属酸化物粒子よりも異形状(不定形状)である。
上述のような粒径及び形状を有することで、本実施形態における金属酸化物粒子は、トナー粒子に付着又は固着し難く、移動の自由度が高い粒子であることになる。また、かかる金属酸化物粒子は、その粒径に起因して、金属酸化物粒子単独であっても(トナー粒子とは別個であっても)現像手段から像保持体の表面へと供給され易い粒子であることにもなる(つまり、非画像部にも供給される粒子である)。
このようなことから、本実施形態に係るトナーによれば、上述のような粒径及び形状を有する金属酸化物粒子は、巻き込んだ潤滑剤粒子と共に像保持体の表面における非画像部や画像密度の低い画像部に対応する領域にも供給され、その結果として、その領域に潤滑剤を供給させうる。
以上のことから、特殊なパターン画像を連続出力する場合でも、像保持体の表面の潤滑剤の分散に偏りが生じ難くなり、画像濃度の面内ムラ(画像ムラ)の発生をも抑制しうると考えられる。
まず、本実施形態に係るトナーを構成する金属酸化物粒子について説明する。
トナー中に含まれる金属酸化物粒子は、前述のように、トナー粒子の表面に外添される外添剤の1つである。
本実施形態における金属酸化物粒子の粒径は、体積平均粒径にて3μm以上7μm以下であり、好ましくは4μm以上6μm以下であり、より好ましくは4μm以上5μm以下である。
金属酸化物粒子の粒径が3μm以上であると、トナー粒子に付着又は固着し難く、像保持体の表面における分散状態に差が生じにくくなり、画像ムラが抑制される。また、粒径が7μm以下であると、クリーニングブレードからのすり抜けが起きにくく、金属酸化物粒子に起因する色筋の発生が抑制される。
即ち、トナー粒子に金属酸化物粒子を分散させた後(トナー)の金属酸化物粒子の一次粒子100個をSEM(Scanning Electron Microscope)装置により観察する。
一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定する。得られた球相当径の体積基準の累積頻度における50%径(D50v)を金属酸化物粒子の体積平均粒径とする。
本実施形態における金属酸化物粒子は、形状係数(SF2)が250以上500以下であり、好ましくは300以上450以下であり、より好ましくは350以上400以下である。
金属酸化物粒子の形状係数が250以上であると、球形に近い形状になり、クリーニングブレードからのすり抜けが起き難く、金属酸化物粒子に起因する色筋の発生が抑制される。また、形状係数が500以下であると、適度な異形形状となり、現像装置(現像手段)の撹拌などによる外部からの応力にて砕け難くなり、潤滑剤粒子を巻き込む性能や、その分散性能により、画像ムラの発生が抑制される。
トナー粒子の表面に存在する金属酸化物粒子(一次粒子)100個を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置に取り込み、100個のシリカ粒子それぞれについて下記式によりSF2を計算し、その平均値を形状係数(SF2)とする。
式:SF2={PM2/(4Aπ)}×100
式中、PMは金属酸化物粒子の周囲長であり、Aは金属酸化物粒子の投影面積であり、πは円周率である。
金属酸化物粒子は、後述する他の外添剤と同様に、疎水化処理剤により表面に疎水化処理が施されていてもよい。
固相法は、例えば、酸化チタンとストロンチウムの酸化物又は炭酸塩とを混合し、焼成する方法である。
液相法は、例えば、メタチタン酸(酸化チタンの水和物)とストロンチウムの酸化物又は炭酸塩とを水系中で反応させた後、焼成する方法である。
トナー中に含まれる潤滑剤粒子は、トナー粒子の表面に外添される外添剤の1つである。
潤滑剤粒子としては、周知の固体潤滑剤の粒子が挙げられ、具体的には、例えば、脂肪酸金属塩、フッ素樹脂、ポリオレフィン等の粒子が挙げられる。
なお、潤滑剤粒子の個数平均粒径は、金属酸化物粒子の体積平均粒径と同様の方法により測定された球相当径に基づき、かかる球相当径の個数基準の累積頻度における50%径(D50p)を異形シリカ粒子の平均粒径(つまり個数平均粒径)とする。
本実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子は、結着樹脂と着色剤とを含み、必要に応じて、離型剤とその他添加剤とを含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知のポリエステル樹脂が挙げられる。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
式:SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
上記式中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
具体的には、形状係数SF1は、主に顕微鏡画像又は走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
本実施形態に係るトナーでは、トナー粒子に対し少なくとも前述の金属酸化物粒子が外添されるが、更にその他の外添剤を併用してもよい。
また、他の外添剤としては、本発明の効果を損なわない範囲において、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、の金属酸化物粒子であって、前述の金属酸化物粒子のような粒径及び形状係数(SF2)を満たさないものも、使用しうる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部である。
他の外添剤を前記した金属酸化物粒子及び潤滑剤粒子と共に併用する場合、全外添剤における他の外添剤の含有量は、95質量%以下が好ましい。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体若しくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、を更に混合し、凝集粒子の表面に更に樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。
更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等、その他添加剤を含ませてもよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法には、以下の第1の形態及び第2の形態があり、これらの形態について説明する。
なお、第1の形態及び第2の形態を総括して「本実施形態に係る画像形成装置」と称する場合がある。
本実施形態に係る第2の画像形成装置は潤滑剤供給手段を有しており、かかる潤滑剤供給手段により像保持体の表面へと潤滑剤が供給される。そのため、本実施形態に係る第2の画像形成装置に適用されるトナーは、潤滑剤粒子を含むトナーでなくともよく、本実施形態に係るトナーのように潤滑剤粒子を含むトナーであってもよい。
また、本実施形態に係る第2の画像形成装置において、潤滑剤供給手段は、像保持体の表面における潤滑剤の分散性を高める点から、クリーニング手段(クリーニングブレード)よりも像保持体の回転方向の上流側に設けられていることが好ましい。
つまり、上記のような特殊なパターン画像の場合、トナーの供給量に大きな差があり、外添剤の供給量にも大きな差が出てしまうため、像保持体の表面の研磨性能に偏りが生じ、潤滑剤が多い領域と潤滑剤が少ない領域とが形成されてしまう。
このように像保持体の表面の潤滑剤の分散に偏りが生じると、トナーによる現像量の制御が困難になり、新たな画像を形成した際、所望の現像量を得られない領域ができてしまい、その結果として、画像濃度の面内ムラ(画像ムラ)が発生してしまうことがあった。
この効果が奏されるメカニズムは、必ずしも明確ではないものの、以下のごとく推察される。
本実施形態に係る第2の画像形成装置に用いられる金属酸化物粒子は、前述の本実施形態に係るトナー中の金属酸化物粒子と同じものであって、前述したように、従来のトナーに用いられてきた金属酸化物粒子よりも粒径が大きく、且つ、異形状(不定形状)である。
このような粒径及び形状を有する金属酸化物粒子は、トナー粒子に付着又は固着し難く、移動の自由度が高い粒子であることになる。また、かかる金属酸化物粒子は、その粒径に起因して、金属酸化物粒子単独であっても(トナー粒子とは別個であっても)現像手段から像保持体の表面へと供給され易い粒子であることにもなる(つまり、非画像部にも供給される粒子である)。
このようなことから、上述のような粒径及び形状を有する金属酸化物粒子は、像保持体の表面全体に亘って供給される。
また、像保持体の表面の金属酸化物粒子は、画像形成装置のクリーニングブレードまで到達すると、かかるクリーニングブレードにより、像保持体の表面で平滑化される。特に、過剰な潤滑剤粒子は、クリーニングブレードにより像保持体の表面(金属酸化物粒子)から削り取られることから、像保持体の表面における金属酸化物粒子の分散性が更に高まる。
これらのことから、上述のような粒径及び形状を有する金属酸化物粒子を用いた画像形成装置では、像保持体の表面の研磨性能に偏りが生じ難く、像保持体の表面の潤滑剤の分散性が高まることから、画像濃度の面内ムラ(画像ムラ)の発生をも抑制しうると考えられる。
また、本実施形態に係る第2の画像形成装置は、クリーニングブレードを有し、過剰な潤滑剤を像保持体の表面(金属酸化物粒子)から削り取られる機能も有することから、像保持体の表面における潤滑剤の分散性が更に高まるといった利点もある。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
潤滑剤供給装置6Yは、例えば、固体の潤滑剤と、該潤滑剤及び感光体1Yの表面(周面)に接触し感光体1Yに潤滑剤を付与する回転ブラシと、を備えている。感光体1Yの回転に伴って前記回転ブラシが回転し、前記回転ブラシを介して潤滑剤が感光体1Yの表面に塗布される。
潤滑剤供給装置6Yが備える潤滑剤としては、クリーニング性能の維持性や化学的安定性の点から、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
クリーニングブレード7Y−1は、板状(ブレード状)の部材であり、例えば、弾性材料で構成される。その弾性材料としては、例えば、熱硬化型ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等が挙げられる。
クリーニングブレード7Y−1は、例えば、感光体1Yの近位の側にある端を感光体1Yの回転方向とは反対に向けた状態で配置される。
クリーニングブレード7Y−1の接触圧(感光体1Yの半径方向にかかる圧力)は、例えば、9.8mN/mm以上49mN/mm以下(1.0gf/mm以上5.0gf/mm以下)に設定される。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性を更に向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
例えば、クリーニング装置の内部に潤滑剤供給装置が組み込まれた構成であってもよい。なお、この構成の場合、像保持体の表面における潤滑剤の分散性を高める点から、潤滑剤供給装置はクリーニングブレードよりも像保持体の回転方向の上流側に設けられていることが好ましい。
続いて、本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジには、以下の第1の形態及び第2の形態があり、これらの形態について説明する。
なお、第1の形態及び第2の形態を総括して「本実施形態に係るプロセスカートリッジ」と称する場合がある。
この本実施形態に係る第1のプロセスカートリッジを装着した画像形成装置は、前述の本実施形態に係る第1の画像形成装置となる。
この本実施形態に係る第2のプロセスカートリッジを装着した画像形成装置は、前述の本実施形態に係る第2の画像形成装置となる。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)、及び潤滑剤供給装置(潤滑剤供給手段の一例)114を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
また、感光体クリーニング装置114は、感光体107の表面(周面)に接触して残留トナーを擦り取る(掻き取る)クリーニングブレード114−1を備えている。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
[トナー粒子の作製]
(トナー粒子1の作製)
−樹脂粒子分散液1の調製−
・スチレン(和光純薬製):320部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製):80部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
・1’10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5部
・ドデカンチオール(和光純薬製):2.7部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4部をイオン交換水550部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌、混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いでフラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量41%のアニオン性の樹脂粒子分散液1を得た。
・スチレン(和光純薬製):280部
・n−ブチルアクリレート(和光純薬製):120部
・β−カルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):9部
上記成分を混合溶解したものに、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)1.5部をイオン交換水550部に溶解した溶液を加えてフラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌、混合しながら、更に過硫酸アンモニウム0.4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いでフラスコ内の窒素置換を行った後、フラスコ内の溶液を攪拌しながらオイルバスで70℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続し、固形分量42%のアニオン性の樹脂粒子分散液2を得た。
・C.I.Pigment Yellow74顔料:30部
・アニオン性界面活性剤(日油(株)製:ニューレックスR):2部
・イオン交換水:220部
上記成分を混合し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分予備分散した後に、アルティマイザー(対抗衝突型湿式粉砕機:杉野マシン製)を用い圧力245Mpaで15分間分散処理を行い、着色剤粒子中心粒径が169nmで固形分が22.0%の着色剤粒子分散液1を得た。
・パラフィンワックス HNP9(融解温度75℃:日本精鑞製):45部
・カチオン性界面活性剤Neogen RK(第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
上記成分を混合し100℃に加熱して、ウルトラタラックスT50(IKA製)にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子の中心粒径が196nm、固形分量が22.0%の離型剤粒子分散液1を得た。
・樹脂粒子分散液1:106部
・樹脂粒子分散液2:36部
・着色剤粒子分散液1:30部
・離型剤粒子分散液1:91部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50(IKA製)で混合、分散した溶液を得た。次いで、この溶液にポリ塩化アルミニウム0.4部を加えてコア凝集粒子を作製し、ウルトラタラックスを用いて分散操作を継続した。更に加熱用オイルバスでフラスコ内の溶液を攪拌しながら49℃まで加熱し、49℃で45分保持した後、ここに樹脂粒子分散液1を36部追加し、コア−シェル凝集粒子を作製した。その後、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えて溶液のpHを5.6にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら96℃まで加熱し、5時間保持した後、冷却し、イエローのトナー粒子を得た。
(チタン酸ストロンチウム粒子1〜9、C1〜C4の作製)
酸化チタン400gと炭酸ストロンチウム750gをボールミルにて、5時間湿式で混合した後、乾燥した混合物を成形して1300℃で7時間焼成した。これを、機械粉砕し、分級することで、チタン酸ストロンチウム粒子1を得た。
粒径と形状係数を表1に示す。
また、チタン酸ストロンチウム粒子1の作製の際の粉砕条件及び分級条件を調整することで、表1に示す粒径と形状係数を有するチタン酸ストロンチウム粒子2〜9及びC1〜C4を作製した。
(チタン酸カルシウム粒子1の作製)
酸化チタン400gと炭酸カルシウム750gをボールミルにて、5時間湿式で混合した後、乾燥した混合物を成形して1000℃で7時間焼成した。
これを、機械粉砕し、分級することで、チタン酸カルシウム粒子1を得た。
表1の組み合わせに従って、トナー粒子1:20質量部に、外添剤としての、チタン酸ストロンチウム粒子0.4質量部、ステアリン酸亜鉛粒子(個数平均粒径3μm)0.2質量部を、シリカ粒子(日本アエロジル社製RY50)2.5質量部を、添加し、ヘンシェルミキサーにて2000rpmで3分間混合し、各トナーを得た。
実施例13に関しては、ステアリン酸亜鉛粒子の代わりにステアリン酸マグネシウム粒子(個数平均粒径4μm)を添加する以外は、上記と同様にしてトナーを得た。
ニーダーにMn−Mgフェライト(体積平均粒径:50μm、パウダーテック社製、形状係数SF1:120)を1,000部投入し、パーフルオロオクチルメチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(重合比率:20/80、Tg:72℃、重量平均分子量:72,000、綜研化学(株)製〕150部をトルエン700部に溶かした溶液を加え、常温で20分混合した後、70℃に加熱して減圧乾燥した後、取り出し、コートキャリアを得た。更に得たコートキャリアを75μm目開きのメッシュでふるい、粗粉を除去してキャリアを得た。キャリアの形状係数SF1は122であった。
各例で得られた現像剤を用い、富士ゼロックス社製Color 800 Press改造機(潤滑剤付与装置の着脱が可能となるように改造したもの)の現像器に充填し、画像ムラ、感光体へのフィルミング、及び色筋について評価を行った。結果を表1に示す。
なお、潤滑剤付与装置では、固形潤滑剤としてステアリン酸亜鉛を用いた。
まず、画像形成装置内の環境が、高温高湿(30℃90%)となるよう調整し、3日間放置した。
放置後、A3用紙にエリアカバレッジ50%のパターンA(図3(A)参照)の画像を20,000枚出力した。
出力後、A3用紙にエリアカバレッジ50%のパターンB(図3(B)参照)の画像を1枚出力した。
この1枚出力されたパターンBの画像について、100%ソリッド画像(ベタ画像)部分の濃度の確認を行った。ここで、濃度確認は、画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)にて測定して数値化した。濃度の測定はソリッド画像部分についてランダムに10箇所行い、測定された濃度の最大値と最小値の差である画像濃度差を画像ムラの結果とした。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
G1:画像濃度差が0.2以下
G2:画像濃度差が0.2より大きく0.3以下
G3:画像濃度差が0.3より大きい(実使用上、問題となるレベル)
前記した、画像ムラの評価後の感光体の表面について、顕微鏡で観察し、トナー粒子及びシリカ粒子の感光体へのフィルミングを観察した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
G1:感光体へのフィルミングなし
G2:感光体への軽微なフィルミングあり
G3:感光体への重度のフィルミングあり(実使用上、問題となるレベル)
色筋は、上記画像ムラの評価で出力したパターンBの非画像部に色筋が発生しているかを目視で確認した。また、画像ムラの評価後の感光体の表面について、顕微鏡で観察し、感光体表面に傷が発生してないか観察した。評価基準は以下の通りである。
−評価基準−
G1:色筋なし、感光体表面の傷なし
G2:色筋なし、感光体表面の微細な傷あり
G3:色筋あり、感光体表面の重度の傷あり(実使用上、問題となるレベル)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 潤滑剤供給装置(潤滑剤供給手段の一例)
7Y、7M、7C、7K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 潤滑剤供給装置(潤滑剤供給手段の一例)
114 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (9)
- トナー粒子と、
潤滑剤粒子と、
体積平均粒径が3.2μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が330以上500以下である金属酸化物粒子と、
を有する静電荷像現像用トナー。 - 前記潤滑剤粒子がステアリン酸亜鉛粒子である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記金属酸化物粒子がチタン酸ストロンチウム粒子である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - トナー粒子、及び、体積平均粒径が3.2μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が330以上500以下である金属酸化物粒子を有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
トナー粒子、及び、体積平均粒径が3.2μm以上7μm以下であり、且つ、形状係数(SF2)が330以上500以下である金属酸化物粒子を有する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段と、
クリーニングブレードを有し、該クリーニングブレードにより前記像保持体の表面に残留した残留物を除去するクリーニング手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
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