JP7069809B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7069809B2
JP7069809B2 JP2018029136A JP2018029136A JP7069809B2 JP 7069809 B2 JP7069809 B2 JP 7069809B2 JP 2018029136 A JP2018029136 A JP 2018029136A JP 2018029136 A JP2018029136 A JP 2018029136A JP 7069809 B2 JP7069809 B2 JP 7069809B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
toner particles
mass
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018029136A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019144437A (ja
Inventor
敬弘 山下
一也 森
祐太 佐伯
貴久 立川
秋次 瀬戸
勇治 一色
敬 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd, Fujifilm Business Innovation Corp filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2018029136A priority Critical patent/JP7069809B2/ja
Priority to US16/109,779 priority patent/US10670982B2/en
Publication of JP2019144437A publication Critical patent/JP2019144437A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7069809B2 publication Critical patent/JP7069809B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08742Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08755Polyesters
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0802Preparation methods
    • G03G9/0804Preparation methods whereby the components are brought together in a liquid dispersing medium
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0821Developers with toner particles characterised by physical parameters
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/0827Developers with toner particles characterised by their shape, e.g. degree of sphericity
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08795Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their chemical properties, e.g. acidity, molecular weight, sensitivity to reactants
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08797Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their physical properties, e.g. viscosity, solubility, melting temperature, softening temperature, glass transition temperature

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真法等、画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電及び静電荷像形成により、像保持体の表面に画像情報として静電荷像を形成する。そして、トナーを含む現像剤により、像保持体の表面にトナー画像を形成し、このトナー画像を記録媒体に転写した後、トナー画像を記録媒体に定着する。これら工程を経て、画像情報を画像として可視化する。
例えば、特許文献1には、「結着樹脂、着色剤、および離型剤を含有し、体積平均粒子径が7μm以下であり、単位表面積あたりの酸価SAV(mgKOH/m)が0.05以上0.2以下である電子写真用トナー。」が開示されている。
特開2011-232756号公報
本発明の課題は、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%未満若しくは1.7%超えである場合、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s未満である場合、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃未満である場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーを提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。
<1>
酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であり、
100℃における前記トナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下である静電荷像現像用トナー。
<2>
酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%の範囲であり、
前記トナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下である静電荷像現像用トナー。
<3>
前記トナー粒子がNaを含有し、前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.05質量%以上0.25質量%以下である<1>又は<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
<4>
前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.10質量%以上0.20質量%以下である<3>に記載の静電荷像現像用トナー。
<5>
前記トナー粒子がSを含有し、前記トナー粒子に対する前記Sの量が0.06質量%以上0.15質量%以下である<1>~<4>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<6>
前記トナー粒子がAlを含有し、前記トナー粒子に対する前記Alの量が0.01質量%以上0.03質量%以下である<1>~<5>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
<7>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<8>
<1>~<6>のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<9>
<7>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
<10>
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<7>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
<11>
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<7>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<1>に係る発明によれば、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%未満若しくは1.7%超えである場合、又は100℃における前記トナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s未満である場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<2>に係る発明によれば、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%未満若しくは1.7%超えである場合、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃未満である場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<3>、又は<4>に係る発明によれば、トナー粒子に対するNaの量が0.05質量%未満又は0.25質量%超えである場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<5>に係る発明によれば、トナー粒子に対するSの量が0.06質量%未満又は0.15質量%超えである場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が共に優れ抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<6>に係る発明によれば、ナー粒子に対するAlの量が0.01質量%未満又は0.03質量%超えである場合に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性の低下、及び定着画像強度の低下が抑制された静電荷像現像用トナーが提供される。
<7>、<8>、<9>、<10>又は<11>に係る発明によれば、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、する静電荷像現像用トナーにおいて、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%未満若しくは1.7%超えである静電荷像現像用トナーを適用した場合、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s未満である静電荷像現像用トナーを適用した場合、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃未満である静電荷像現像用トナーを適用した場合に比べ、高温高湿環境下でのトナー帯電安定性に起因する画像欠陥を抑制しつつ、保管性の低下が抑制された画像を形成する静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の一例である実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と称する)は、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲である。
そして、本実施形態に係るトナーは、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下である、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下である。
ただし、本実施形態に係るトナーは、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下であり、かつトナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下であってもよい。
ここで、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂をトナー粒子の結着樹脂として適用すると、トナー粒子の表面のポリエステル樹脂の酸価も高く、高温高湿環境下でもトナーの帯電安定性が低下する傾向がある。それに加え、トナー粒子が軟らかく、トナー粒子の溶融粘度又はトナー粒子の硬度が低くなり、得られる定着画像強度も低下する傾向がある。
それに対して、本実施形態に係るトナーは、上記構成により、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含んでも、ポリエステル樹脂の酸価に比べ、トナー粒子の表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲と低くする。それにより、高温高湿環境下でもトナーの帯電安定性が向上する。
それに加え、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子において、トナー粒子の表面の酸価を上記範囲とした上で、100℃におけるトナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下、又はトナー粒子のガラス転移温度が30℃以上55℃以下とする。それにより、トナー粒子の強度が上がり、得られる定着画像強度も高まる。
よって、本実施形態に係るトナーは、上記構成により、高温高湿環境下での帯電安定性、及び定着画像強度が共に優れたトナーとなる。
特に、本実施形態に係るトナーは、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂をトナー粒子に含んでも、高温高湿環境下での帯電安定性が高く、トナー粒子の強度も高いため、1)高温高湿環境下でのクリーニング性の向上、2)記録媒体の非画像部にトナー粒子が付着する現象(以下「かぶり」とも称するの抑制、3)高温高湿環境下での転写効率の安定性、4)画像濃度ムラの抑制、5)トナーが過剰に加熱されて定着部材に付着する現象(以下「ホットオフセット」とも称する)の抑制等にも寄与する。
以下、本実施形態に係るトナーについて詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を有する。トナーは、トナー粒子に外添される外添剤を有してもよい。
〔トナー粒子〕
トナー粒子は、結着樹脂としてポリエステル樹脂を含む。トナー粒子は、着色剤、離型剤、その他の添加剤を含んでもよい。
-トナー粒子の主特性-
トナー粒子の表面の酸価はポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であるが、高温高湿環境下での帯電安定性の観点から、好ましくは0.4%以上1.5%以下の範囲であり、より好ましくは0.5%以上1.0%以下の範囲である。
トナー粒子の表面の酸価は、JIS K0070(1992年)に定められた「電位差滴定法」に準じて測定する。
100℃におけるトナー粒子の溶融粘度は、1800Pa・s以上3800Pa・s以下であるが、定着画像強度の観点から、好ましくは2000Pa・s以上3500Pa・s以下であり、より好ましくは2500Pa・s以上3200Pa・s以下である。
100℃におけるトナー粒子の溶融粘度は、次の通り測定する。
トナーの溶融粘度には、フローテスター(島津製作所製 CFT-500)を用い、トナー1.2gをサンプラーにて円柱状にし、以下の条件で測定する。そして、各温度での流出量を1℃刻みで測定し、100℃での粘度(Pa・s)を得る。なお、測定環境は、20℃、湿度50%RHとする。
・ダイ(ノズル)の直径0.5mm、厚み1.0mm
・押し出し荷重10kgf/cm
・プランジャー断面積1.0cm
・初期設定温度50℃
・プレヒートタイム300sec
・昇温速度1℃/minで等速昇温
トナー粒子のガラス転移温度(Tg)は、30℃以上55℃以下であるが。定着画像強度の観点から、好ましくは32℃以上50℃以下であり、より好ましくは34℃以上48℃以下である。
トナー粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
なお、上記各測定は、トナー粒子表面に外添剤が外添されている場合、超音波処理などによって外添剤を除去した後のトナー粒子に対して実施する。超音波処理としては、例えば分散液(エタノール10質量%水溶液など)中に1質量%の濃度で分散させたトナーに対し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を30分与える処理をし、これにより外添剤を除去したものとする。
ここで、トナー粒子において、表面の酸価、溶融粘度、及び硬度を上記範囲とする方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
1)酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂で構成された樹脂粒子であって、表面の酸価がポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲である樹脂粒子を含む分散液を用いた凝集合一法により、トナー粒子を作製する方法。なお、この樹脂粒子の製法については、後述する。
2)芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成されたコア・シェル構造のトナー粒子を凝集合一法で作製するとき、コア粒子形成用のポリエステル樹脂粒子と、シェル層形成用(追加用)のポリエステル樹脂粒子との量を調整する方法。具体的には、コア粒子形成用のポリエステル樹脂粒子量を減じ、シェル層形成用のポリエステル樹脂粒子を増加させると、トナー粒子の表面の酸価は増加する傾向がある。一方。ポリエステル粒子量を逆にすると、トナー粒子の表面の酸価は低減する傾向がある。
トナー粒子は、Na(ナトリウム元素)、S(硫黄元素)、及びAl(アルミニウム元素)の少なくとも1種を含むことが好ましい。
Naは、トナー粒子中のポリエステル樹脂のカルボキシ基と配位結合することにより、トナー粒子の溶融粘度及びトナー硬度を高める機能を有する。
Sは、界面活性剤成分であるスルホン酸塩としてスルホン酸のカウンターイオンとして陽イオンに有し、トナー粒子中のポリエステル樹脂のカルボキシル基と配位結合することにより、トナー粒子の溶融粘度及びトナー硬度を高める機能を有する。
Alは、トナー粒子中のポリエステル樹脂のカルボキシ基とイオン結合することにより、トナー粒子の溶融粘度及びトナー硬度を高める機能を有する。
そのため、トナー粒子は、Na、S、及びAlの少なくとも1種を含むことにより、定着画像強度が共に向上しやすくなる。
トナー粒子に対するNaの量は、高温高湿環境下での帯電安定性及び定着画像強度の観点から、0.05質量%以上0.25質量%以下が好ましく、0.10質量%以上0.20質量%以下がより好ましく、0.12質量%以上0.15質量%以下がさらに好ましい。
ここで、Naの供給源としては、ナトリウム塩を含む添加剤(界面活性剤、pH調整剤、凝集剤等)が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を分散液中に分散させる目的で用いられる界面活性剤が挙げられる。具体的には、界面活性剤としては、硫酸エステル系、スルホン酸系、ポリアクリル酸系、リン酸エステル系、せっけん系のナトリウム塩等のアニオン性界面活性剤等が挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、凝集粒子を形成するときの分散液中のpHを調整する目的で添加されるpH調整剤が挙げられる。具体的には、pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム等が挙げられる。
凝集剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を凝集させる目的で用いられる凝集剤が挙げられる。具体的には、凝集剤としては、硫硫酸ナトリウム等が挙げられる。
その他、Naの供給源となる添加剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、塩化ナトリウム(NaCl)等も挙げられる。
これら添加剤量により、Na量が調整できる。また、Na量は、凝集剤を除去するためのキレート剤量、トナー粒子の洗浄度合いによっても調整できる。
トナー粒子に対するSの量は、高温高湿環境下での帯電安定性及び定着画像強度の観点から、0.06質量%以上0.15質量%以下が好ましく、0.07質量%以上0.13質量%以下がより好ましく、0.08質量%以上0.11質量%以下がさらに好ましい。
ここで、Sの供給源としては、Sを含有する添加剤(界面活性剤、凝集剤等)が挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を分散液中に分散させる目的で用いられる界面活性剤が挙げられる。具体的には、界面活性剤としては、硫酸エステル系、スルホン酸系等のアニオン性界面活性剤(例えば、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等)等が挙げられる。
凝集剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を凝集させる目的で用いられる凝集剤が挙げられる。具体的には、凝集剤としては、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛等が挙げられる。
これら添加剤量により、S量が調整できる。また、S量は、凝集剤を除去するためのキレート剤量、トナー粒子の洗浄度合いによっても調整できる。
トナー粒子に対するAlの量は、高温高湿環境下での帯電安定性及び定着画像強度の観点から、0.01質量%以上0.03質量%以下が好ましく、0.013質量%以上0.025質量%以下がより好ましく、0.015質量%以上0.023質量%以下がさらに好ましい。
Alの供給源としては、アルミニウム塩を含む添加剤(凝集剤等)が挙げられる。
凝集剤としては、例えば、凝集合一法によってトナー粒子を作製する場合に、各種の粒子を凝集させる目的で用いられる凝集剤が挙げられる。具体的には、凝集剤としては、
アルミニウム塩(例えば硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等)、アルミニウム塩重合体(例えばポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等)が挙げられる。
これら添加剤量により、Al量が調整できる。また、Al量は、凝集剤を除去するためのキレート剤量、トナー粒子の洗浄度合い等によっても調整できる。
Na、S、及びAlの量の測定は、トナー粒子の蛍光X線強度を定量分析することにより測定される。具体的には、次の通りである。まず、樹脂と各元素の供給源との混合し、元素の濃度が既知の樹脂混合物を得る。この樹脂混合物200mgを、直径13mmの錠剤成形器を用いて、ペレットサンプルを得る。このペレットサンプルの質量を精秤し、ペレットサンプルの蛍光X線強度測定を行って、各元素のピーク強度を求める。同様に、元素の供給源の添加量を変更したペレットサンプルについても測定を行い、これらの結果から検量線を作成する。そして、この検量線を用いて、測定対象となるトナー粒子中の各元素の含有量を定量分析する。
Na、S、及びAlの量の測定に用いる蛍光X線装置は、(株)島津製作所の蛍光X線(XRF-1500)を用い、測定条件は、管電圧40KV、管電流70mAとする。
蛍光X線強度を定量分析する試料は、対象物0.12gを加圧成型器で6t、1分間の加圧条件下で圧縮成型して得る。
なお、Na、S、及びAlの量の測定は、トナー粒子表面に外添剤が外添されている場合、超音波処理などによって外添剤を除去した後のトナー粒子に対して実施する。超音波処理としては、例えば分散液(エタノール10質量%水溶液など)中に1質量%の濃度で分散させたトナーに対し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を30分与える処理が挙げられる。
ここで、Na、S、及びAlの量は、トナー粒子の全質量に対する各元素の質量割合である。
そして、例えば、Na量は、ナトリウム塩(硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、塩化ナトリウム、硝酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等)由来のNa量であることがよい。S量は、硫酸塩由来(硫酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩、硫化金属塩等)及びスルホン酸塩(ドデシルベンゼンスルホン酸金属塩、ドデシル硫酸金属塩由来のS量であることがよい。Alは、アルミニウム塩(硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等)由来のAl量であることがよい。
-結着樹脂-
結着樹脂としては、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満(好ましくは11mgKOH/g以上14mgKOH/g未満)のポリエステル樹脂が適用される。
ポリエステル樹脂の酸価は、JIS K0070(1992)に定める中和滴定法により測定される値である。
ポリエステル樹脂としては、上記酸価の範囲を満たしていれば、特に制限はなく、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、より好ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下がより好ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエステル樹脂は、周知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ここで、結着樹脂として、ポリエステル樹脂と共に、ポリエステル樹脂以外の他の結着樹脂を併用してもよい。ただし、結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合は、60質量%以上(好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上)とすることがよい。
他の結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
他の結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの他の結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下がさらに好ましい。
-着色剤-
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。また、着色剤は、複数種を併用してもよい。
着色剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、3質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-離型剤-
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量としては、例えば、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
-その他の添加剤-
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
-トナー粒子の特性等-
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)としては、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
なお、トナー粒子の各種平均粒径、及び各種粒度分布指標は、コールターマルチサイザーII(ベックマン・コールター社製)を用い、電解液はISOTON-II(ベックマン・コールター社製)を使用して測定される。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
トナー粒子の平均円形度としては、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
トナー粒子の平均円形度は、(円相当周囲長)/(周囲長)[(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)]により求められる。具体的には、次の方法で測定される値である。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
(外添剤)
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量としては、例えば、トナー粒子に対して、0.01質量%以上5質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。
(トナーの製造方法)
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。トナー粒子の製法は、これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。
これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
ただし、結着樹脂として、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を適用する。
以下、各工程の詳細について説明する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
-樹脂粒子分散液準備工程-
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
ここで、樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子分散液において、樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の一般的な分散方法が挙げられる。また、樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて樹脂粒子分散液中に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
ここで、転相乳化法において、結着樹脂としてのポリエステル樹脂(酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂)で構成される樹脂粒子の表面の酸価を、ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲とする方法としては、次の方法が挙げられる。
1)ポリエステル樹脂を熱で溶融せしめ、塩基、界面活性剤を加え、混合したのち、水媒体を投入する方法。
2)ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解せしめ、塩基を加え中和したのち、水媒体を投入する方法。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径としては、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下がさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量としては、例えば、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
なお、樹脂粒子分散液と同様にして、例えば、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
-凝集粒子形成工程-
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度-30℃以上ガラス転移温度-10℃以下)の温度に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に添加される分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。特に、凝集剤として金属錯体を用いた場合には、界面活性剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体等が挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
-融合・合一工程-
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
ここで、融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に係るトナーは、例えば、得られた乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に被覆樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散・配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。
なお、磁性粉分散型キャリア、及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。
被覆樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
ここで、芯材の表面に被覆樹脂を被覆するには、被覆樹脂、及び必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における、トナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置/画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置等の周知の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
なお、本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に対して脱着されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容した現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ロール22及び中間転写ベルト20内面に接する支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1のユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1のユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール5Y(一次転写手段の一例)、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用され、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μAに制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2のユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト内面に接する支持ロール24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(-)と同極性の(-)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれトナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体は記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ/トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
なお、本実施形態に係るプロセスカートリッジは、上記構成に限られず、現像装置と、その他、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図2に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図2中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、量を示す「部」及び「%」とは、特に断りがない限り、質量基準である。
(実施例1)
<ポリエステル樹脂粒子分散液(A1)の調製>
ポリエステル樹脂(PE樹脂、酸価:14.9mgKOH/g)200部、水酸化カリウム20質量%水溶液10部を、二軸押出機(商品名:TEM26SS、東芝機械(株)製)の原料投入口に投入した。また、二軸押出機の4バレル目から、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15質量%水溶液(花王(株)製、ネオペレックスG-15)50部を投入した。そして、二軸押出機内で、バレル温度90℃、スクリュー回転数200rpmで溶融し、油性混合物とした。
その後、二軸押出機の5バレル目から90℃に調整した純水を100部、7バレル目から90℃に調整した純水を100部、9バレル目から90℃に調整した純水を100部添加し、油性混合物を乳化してポリエステル樹脂粒子分散液(A1)を得た。
<離型剤粒子分散液の調製>
・離型剤(日本精鑞(株)製、商品名:FNP0090、融点Tw89.7℃):270部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、有効成分量:60質量%):13.5部(有効成分として、離型剤に対して3.0質量%)
・イオン交換水:721.6部
上記の成分を混合し、圧力吐出型ホモジナイザー(ゴーリン社製、ゴーリンホモジナイザー)で、内液温度120℃にて、離型剤を溶解した後、分散圧力5MPaで120分間、つづいて、40MPaで360分間分散処理し、冷却して、分散液を得た。この分散液中の離型剤粒子の体積平均粒径D50vは230nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度を20.0質量%に調整し、離型剤粒子分散液を得た。
<着色剤粒子分散液の調製>
・シアン顔料(大日精化(株)製:ECB 301):200部
・アニオン系界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンSC、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム):33部(有効成分60質量%。着色剤に対して10質量%)
・イオン交換水:750部
上記成分をすべて投入した際に液面の高さが容器の高さの1/3程度になる大きさのステンレス容器に、イオン交換水を280部とアニオン性界面活性剤33部とを入れ、充分に界面活性剤を溶解させた後、前記シアン顔料すべてを投入し、撹拌機を用いて濡れていない顔料がなくなるまで撹拌するとともに、充分に脱泡させた。
次に、脱泡後に残りのイオン交換水を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、5,000回転で10分間分散した。その後、撹拌器で1昼夜撹拌させて脱泡した。
次に、脱泡後、再度ホモジナイザーを用いて、6,000回転で10分間分散した後、撹拌器で1昼夜攪拌させて脱泡した。続けて、分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は、トータル仕込み量と装置の処理能力とから換算して10パス相当行った。
得られた分散液を72時間放置して沈殿物を除去し、イオン交換水を加えて、固形分濃度を15質量%に調整し、着色剤粒子分散液を得た。
得られた着色剤粒子分散液中の粒子の体積平均粒径D50vは115nmであった。なお、該体積平均粒径D50vはマイクロトラックにて5回測定した内の、最大値と最小値を除いた3回の測定値の平均値を用いた。
<硫酸アルミニウム水溶液の調製>
・硫酸アルミニウム粉末(浅田化学工業(株)製:17質量%硫酸アルミニウム):35部
・イオン交換水:1,965部
上記成分を容器へ投入し、30℃にて、沈殿物が消失するまで撹拌混合して凝集剤である硫酸アルミニウム水溶液を調製した。
<トナーの製造>
下記の各成分を、温度計、pH計、撹拌機、ジャケットを具備した撹拌槽に入れ、10分間撹拌した。
・ポリエステル樹脂分散液(A1):635部
・着色剤粒子分散液:100部
・離型剤粒子分散液:115部
・イオン交換水:200部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンRK、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム):7.0部
次に、撹拌槽に入れた上記混合物に、硫酸アルミニウム水溶液125部を徐々に添加しながら、撹拌槽の底弁より混合液をキャビトロンCD1010((株)ユーロテック製)に導入し、10分間分散した。添加終了後、ジャケットの温度を50℃で昇温を開始し、120分間経過後マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン-コールター社製)にて粒径を測定したところ、体積平均粒径が5.0μmであった。
その後、追加用のポリエステル樹脂粒子の分散液(A1)312部を投入し、30分間保持した。その後、撹拌槽に4質量%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを9.5にした後、ジャケットの温度を上げて90℃まで昇温し、保持した。30分ごとに光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE SEM)にて凝集粒子の形状及び表面性を観察したところ、4時間目で粒子の合一が確認されたので、得られたスラリーを40℃まで冷却した。冷却後のスラリーを目開き15μmの振動篩(KGC800:(株)興和工業所製)で篩分処理した後、フィルタプレス(東京エンジニアリング社製)でろ過した。その後、トナー粒子量の10倍のイオン交換水をフィルタプレス装置内のトナー粒子に通過させ、トナー粒子を洗浄した。
洗浄したトナー粒子はループ型気流式乾燥機((株)セイシン企業製 フラッシュジェットドライヤーFJD-2)を用いてサイクロン捕集で乾燥を行い、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル(株)製、RY50)1.0部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル(株)製、T805)0.8部とを加え、サンプルミルを用いて13,000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩で篩分して、トナーを得た。
<キャリアの作製>
・Mn-Mg-Sr系フェライト粒子(平均粒径40μm):100部
・トルエン:14部
・シクロヘキシルメタアクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(共重合質量比99:1、重量平均分子量Mw8万):2.0部
・カーボンブラック(VXC72:キャボット社製):0.12部
フェライト粒子を除く上記成分及びガラスビーズ(φ1mm、トルエンと同量)を、関西ペイント(株)製サンドミルを用いて1,200ppmで30分間撹拌し、樹脂被覆層形成用溶液とした。更に、この樹脂被覆層形成用溶液とフェライト粒子を真空脱気型ニーダーに入れ減圧し、トルエンを留去/乾燥することによりキャリアを形成した。
<現像剤の作製>
キャリア500部に対してトナー40部を加え、V型ブレンダーで20分間ブレンドした後、目開き212μmの振動ふるいにより凝集体を除去して、現像剤を得た。
(各種測定)
トナー粒子の表面酸価、溶融粘度、ガラス転移温度、各元素量、
トナー粒子の表面の酸価は、JIS K0070(1992年)に定められた「電位差滴定法」で測定した。
各例の現像剤(そのトナー)について、既述の方法に従って、トナー粒子の酸価、トナー粒子の溶融粘度、トナー粒子のガラス転移温度、トナー粒子の各元素量(Na量、S量、Al量)を測定した。
測定の結果を表1に示す。
(評価)
各例の現像剤について、次の評価を実施した。その結果を表1に示す。
<帯電安定性評価>
帯電安定性評価は、次の通り実施した。
高温高湿:28℃、90%RH、低温低湿:10℃、115%RHの各雰囲気下に、現像剤作製前のトナーおよびキャリアの双方をそれぞれ24時間放置した。その後、蓋付きガラスビンに、トナー濃度が6%になるように、トナーおよびキャリアを採取し、それぞれの雰囲気下でターブラ攪拌を行って、現像剤を得た。攪拌された現像剤を25℃、55%RHの条件下で、東芝社製TB200によりトナーの帯電量を測定した。そして、高温高湿環境下と低温低湿環境下とのトナーの帯電量差を調べて、下記基準で評価した。
A:トナーの帯電量差が5μC/g未満である。
B:トナーの帯電量差が5μC/g以上10μC/g未満の範囲である。
C:トナーの帯電量差が10μC/g以上である。
なお、許容できるのはBまでである。
<定着画像強度(クリース)評価>
定着画像強度評価は、次の通り実施した。
各現像剤を、富士ゼロックス社製DocuCentreColor500改造機(定着温度が可変な外部定着機で定着を行うように改造したもの)の現像器に充填した。この画像形成装置を用いて、富士ゼロックス社製カラーペーパー(J紙)に、トナー載り量13.5g/mに調整して、ベタ画像の形成を行った。トナー画像出しした後、外部定着機を用い、ニップ幅6.5mm下、定着速度180mm/secにて定着した。
ただし、定着温度を130℃と固定してトナー画像を定着し、用紙の定着画像のソリッド部のほぼ中央に、内側に折り目を入れ、定着画像が破壊された部分をティッシュペーパーで拭い取り、白抜けした線幅を測定し、以下の評価基準で評価した。
A:白抜けした線幅が0.1mm未満のもの
B:白抜けした線幅が0.1mm以上0.2mm未満のもの
C:白抜けした線幅が0.2mm以上0.3mm以下のもの
D:白抜けした線幅が0.3mm以上0.4mm以下のもの
E:白抜けした線幅が0.4mm以上0.8mm以下のもの
F:白抜けした線幅が0.8mmを超えるもの
(実施例2~11、比較例1~14)
実施例2~9、比較例1~16におけるポリエステル樹脂粒子分散液およびトナーの製造条件を表2に示す。表2に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
なお、表2中、pH調整の欄は、トナーの製造において、水酸化ナトリウム水溶液を添加して調整するpHである。
Figure 0007069809000001
Figure 0007069809000002


上記結果によれば、本実施例では、比較例に比べ、高温高湿環境下での帯電安定性、及び定着画像強度が共に優れていることがわかる。
1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (8)

  1. 結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合が60質量%以上のトナー粒子であって、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
    前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%以下の範囲であり、
    100℃における前記トナー粒子の溶融粘度が1800Pa・s以上3800Pa・s以下であり、
    前記トナー粒子のガラス転移温度(Tg)が30℃以上55℃以下であり、
    下記条件(1)~(3)のいずれか一つを満たす静電荷像現像用トナー。
    条件(1) 前記トナー粒子がNaを含有し、前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.05質量%以上0.25質量%以下である。
    条件(2) 前記トナー粒子がSを含有し、前記トナー粒子に対する前記Sの量が0.06質量%以上0.15質量%以下である。
    条件(3) 前記トナー粒子がAlを含有し、前記トナー粒子に対する前記Alの量が0.01質量%以上0.03質量%以下である。
  2. 結着樹脂に占めるポリエステル樹脂の割合が60質量%以上のトナー粒子であって、酸価が10mgKOH/g以上15mgKOH/g未満のポリエステル樹脂を含むトナー粒子を有し、
    前記トナー粒子の表面の酸価が前記ポリエステル樹脂の酸価の0.3%以上1.7%の範囲であり、
    前記トナー粒子のガラス転移温度(Tg)が30℃以上55℃以下であり、
    下記条件(1)~(3)のいずれか一つを満たす静電荷像現像用トナー。
    条件(1) 前記トナー粒子がNaを含有し、前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.05質量%以上0.25質量%以下である。
    条件(2) 前記トナー粒子がSを含有し、前記トナー粒子に対する前記Sの量が0.06質量%以上0.15質量%以下である。
    条件(3) 前記トナー粒子がAlを含有し、前記トナー粒子に対する前記Alの量が0.01質量%以上0.03質量%以下である。
  3. 前記トナー粒子に対する前記Naの量が0.10質量%以上0.20質量%以下である請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
  5. 請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  6. 請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  7. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項4に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  8. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項4に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
JP2018029136A 2018-02-21 2018-02-21 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Active JP7069809B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029136A JP7069809B2 (ja) 2018-02-21 2018-02-21 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
US16/109,779 US10670982B2 (en) 2018-02-21 2018-08-23 Electrostatic-image developing toner, electrostatic image developer, and toner cartridge

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018029136A JP7069809B2 (ja) 2018-02-21 2018-02-21 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019144437A JP2019144437A (ja) 2019-08-29
JP7069809B2 true JP7069809B2 (ja) 2022-05-18

Family

ID=67616787

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018029136A Active JP7069809B2 (ja) 2018-02-21 2018-02-21 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10670982B2 (ja)
JP (1) JP7069809B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140987A (ja) 2003-11-06 2005-06-02 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法、分散液、電子写真用トナー、および画像形成方法
JP2008292657A (ja) 2007-05-23 2008-12-04 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009048097A (ja) 2007-08-22 2009-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010128128A (ja) 2008-11-27 2010-06-10 Canon Inc トナー
JP2012048014A (ja) 2010-08-27 2012-03-08 Canon Inc トナー
JP2012256045A (ja) 2011-05-18 2012-12-27 Canon Inc トナー
JP2015176068A (ja) 2014-03-17 2015-10-05 株式会社リコー 画像形成装置
JP2017076087A (ja) 2015-10-16 2017-04-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3671549B2 (ja) * 1996-10-14 2005-07-13 コニカミノルタホールディングス株式会社 静電荷潜像現像用トナー、現像剤及びそのトナーを用いた画像形成方法
DE69917529T2 (de) * 1998-06-05 2005-06-02 Canon K.K. Toner, Herstellungsverfahren für Toner und Bildherstellungsverfahren
DK1517740T3 (en) * 2002-06-19 2019-04-15 Northwest Biotherapeutics Inc Tangential Flow Filtering Devices and Methods for Leukocyte Enrichment
JP2005173315A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷現像用トナーおよびその製造方法、並びに、画像形成方法及びこれを用いた画像形成方法
JP4844237B2 (ja) * 2006-05-25 2011-12-28 富士ゼロックス株式会社 トナー収容器及びトナー充填方法
CN102236276A (zh) 2010-04-26 2011-11-09 东芝泰格有限公司 电子照相用色调剂
US8628902B2 (en) * 2011-04-15 2014-01-14 Fuji Xerox Co., Ltd. Polyester resin for toner, toner, developer, toner cartridge, process cartridge, and image forming apparatus

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005140987A (ja) 2003-11-06 2005-06-02 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナーの製造方法、分散液、電子写真用トナー、および画像形成方法
JP2008292657A (ja) 2007-05-23 2008-12-04 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、静電荷像現像用現像剤カートリッジ、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP2009048097A (ja) 2007-08-22 2009-03-05 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP2010128128A (ja) 2008-11-27 2010-06-10 Canon Inc トナー
JP2012048014A (ja) 2010-08-27 2012-03-08 Canon Inc トナー
JP2012256045A (ja) 2011-05-18 2012-12-27 Canon Inc トナー
JP2015176068A (ja) 2014-03-17 2015-10-05 株式会社リコー 画像形成装置
JP2017076087A (ja) 2015-10-16 2017-04-20 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナー

Also Published As

Publication number Publication date
US20190258186A1 (en) 2019-08-22
US10670982B2 (en) 2020-06-02
JP2019144437A (ja) 2019-08-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6458422B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP5910555B2 (ja) 静電荷像現像トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、および画像形成方法
JP6171990B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2014178626A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6040860B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2019168533A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6229560B2 (ja) 静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6040859B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP7069809B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP7013759B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2021085929A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2021124534A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6439584B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2020148890A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP6209992B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP7459991B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP7435705B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6217481B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP2018163200A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP7013758B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2018025723A (ja) 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、離型剤粒子分散液の製造方法、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、並びに、画像形成方法
JP2017044790A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法
JP2016157022A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6136989B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6040857B2 (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211013

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220118

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220318

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7069809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150