JP7013758B2 - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
要件(1):50℃における貯蔵弾性率G’(50)とし、60℃における貯蔵弾性率G’(60)としたとき、G’(50)≧3×107Pa、かつ、1×105Pa≦G’(60)≦1×107Paを満たす。
要件(2):50℃におけるトナーのパルスNMRのソリッドエコー法によるスピン-スピン緩和時間が1ms以下である。
記録媒体は種類ごとに厚さや性状が相異することにより、定着装置からの熱伝導効率が異なる。記録媒体の種類間において、定着装置からの熱伝導効率が異なると、記録媒体上のトナーの上昇温度が異なり、結着樹脂の溶け広がり方に差が生じる(一般的に、トナーの温度が上昇するほど、結着樹脂はより溶け広がる)。
また、記録媒体は種類ごとに厚さや性状が相異するので、記録媒体の種類ごとに最適なプロセススピードを設定しようとすれば、記録媒体の種類ごとにプロセススピードが異なることになる。記録媒体の種類間において、プロセススピードが異なると、結着樹脂の広がり方に差が生じる(一般的に、プロセススピードが遅いほど、トナーはより広がる)。
その結果、同じトナーを使って画像を形成しても、記録媒体の種類間で画像解像度にばらつきが生じると考えられる。
本開示は、記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきを抑制する静電荷像現像用トナーを提供することを課題とする。
着色剤と、結着樹脂としてポリエステル樹脂とを含有し、
平行平板振動レオメーターを用いて下記の熱過程(A)及び熱過程(B)にてそれぞれ動的粘弾性測定を行ったときに下記の要件(1)及び要件(2)を満たす静電荷像現像用トナー。
熱過程(A):100℃以上150℃以下に調温されたパラレルプレートに試料を接着させ、50℃まで降温速度15℃/分で冷却し、50℃にて2時間保持し、50℃から30℃まで降温速度15℃/分で冷却した後に、30℃から昇温速度2℃/分で加熱しながら動的粘弾性測定を行う。
熱過程(B):100℃以上150℃以下に調温されたパラレルプレートに試料を接着させ、30℃まで降温速度15℃/分で冷却した後に、30℃から昇温速度2℃/分で加熱しながら動的粘弾性測定を行う。
要件(1):前記熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T1と、前記熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T2との差分T1-T2が5℃以上15℃未満である。
要件(2):前記熱過程(B)にて測定した損失正接tanδが、70℃において1以下である。
前記温度T1が50℃以上70℃以下である、<1>に記載の静電荷像現像用トナー。
前記温度T1が55℃以上65℃以下である、<2>に記載の静電荷像現像用トナー。
前記要件(1)が下記の要件(1-1)である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
要件(1-1):前記熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T1と、前記熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T2との差分T1-T2が7℃以上13℃以下である。
前記要件(2)が下記の要件(2-1)である、<1>~<4>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
要件(2-1):前記熱過程(B)にて測定した損失正接tanδが、70℃において0.9以下である。
<1>~<5>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
<1>~<5>のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
<6>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
<6>に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
<6>に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
<4>に係る発明によれば、要件(1-1)を満たさない静電荷像現像用トナーに比べて、記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきをより抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<5>に係る発明によれば、要件(2-1)を満たさない静電荷像現像用トナーに比べて、記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきをより抑制する静電荷像現像用トナーが提供される。
<7>に係る発明によれば、要件(1)及び要件(2)の少なくともいずれかを満たさない静電荷像現像用トナーに比べて、記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきを抑制する静電荷像現像用トナーを収容したトナーカートリッジが提供される。
<8>、<9>又は<10>に係る発明によれば、要件(1)及び要件(2)の少なくともいずれかを満たさない静電荷像現像用トナーに比べて、記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきを抑制する静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤を適用したプロセスカートリッジ、画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
本実施形態に係るトナーは、着色剤と、結着樹脂としてポリエステル樹脂とを含有し、平行平板振動レオメーターを用いて下記の熱過程(A)及び熱過程(B)にてそれぞれ動的粘弾性測定を行ったときに下記の要件(1)及び要件(2)を満たす。
要件(1-1):熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T1と、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T2との差分T1-T2が7℃以上13℃以下である。
要件(2-1):熱過程(B)にて測定した損失正接tanδが、70℃において0.9以下である。
熱過程(B)は、その降温過程が、動的粘弾性測定を行う昇温過程の前にトナーに余分な熱エネルギーを付与しないことを目的に、パラレルプレートに接着させた試料を速やかに冷却する降温過程となっている。
一方、熱過程(A)は、降温過程の途中に50℃にて2時間保持する過程が有る点で、熱過程(B)と相違する。したがって、熱過程(A)は、50℃にて2時間保持する分多い熱エネルギーを、動的粘弾性測定を行う昇温過程の前にトナーに付与することになる。言い換えると、熱過程(A)は、50℃にて2時間保持する分の熱成熟後に動的粘弾性測定を行う熱過程である。50℃にて2時間保持して熱成熟させることは、記録媒体に定着されたトナー画像が1日ほど経時することを加速再現したものである。
即ち、熱過程(A)にて測定した複素粘度η*は、熱成熟後のトナーの複素粘度η*であり、記録媒体に定着され時間の経過を経たトナー画像のモデルの複素粘度η*である。
一方、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*は、熱成熟前のトナーの複素粘度η*であり、画像形成に用いられるトナーのモデルの複素粘度η*である。
図1Aは、本実施形態に係るトナーにおける温度と複素粘度η*との関係を示すグラフの一例である。図1Bは、従来のトナーにおける温度と複素粘度η*との関係を示すグラフの一例である。図1Cは、従来のトナーにおける温度と複素粘度η*との関係を示すグラフの別の一例である。
図1A、図1B及び図1Cにおいて、実線のグラフが、熱過程(A)にて測定した複素粘度η*であり、破線のグラフが、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*である。
本実施形態に係るトナー、従来のトナー共に、全体的に見て、温度が上昇していくと複素粘度η*が下降していく。温度T1は、熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が最初に1×107Pa・sに達する温度である。温度T2は、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が最初に1×107Pa・sに達する温度である。
一方、図1Aに示すグラフ(本実施形態に係るトナーのグラフ)においては、30℃からおおよそ70℃の範囲において、実線のグラフと破線のグラフとにずれが生じており、破線のグラフが実線のグラフを下回っている。30℃からおおよそ70℃の範囲においては、温度が上昇していくと複素粘度η*がおおよそ1×108Pa・sから1×106Pa・sへと下降していくところ、実線のグラフと破線のグラフとのずれは、複素粘度η*が1×107Pa・sに達する付近で最も大きい。
温度と複素粘度η*との関係を示すグラフから上記のことが看取されるので、本開示においては、トナーの粘弾性を、熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T1と、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T2との差分T1-T2をもって特徴づける。
画像形成に用いられるトナーは、定着時に記録媒体へ広がりやすいために、柔軟であることが好ましく、一方、記録媒体に定着され時間の経過を経たトナー画像は、トナー画像どうしがくっついたり、トナー画像が他の記録媒体へ移行したりする現象(所謂ブロッキング)を抑制するために、状態変化を起しにくいことが好ましい。
上記の両性質を備えるためには、熱過程(A)にて測定した複素粘度η*、つまり熱成熟後のトナーの複素粘度η*と、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*、つまり熱成熟前のトナーの複素粘度η*とを比較して、前者が相対的に大きく、後者が相対的に小さいことが好ましい。
従来のトナーにおいては、熱過程(A)にて測定した複素粘度η*と、熱過程(B)にて測定した複素粘度η*との間に差異がほとんどなく、したがって、温度T1と温度T2との差分T1-T2がほとんどない。このような動的粘弾性を示す従来のトナーは、ブロッキングを抑制することはできても、定着時における記録媒体への広がりやすさは充分ではない。
これに対して、本実施形態に係るトナーは、温度T1と温度T2との差分T1-T2が5℃以上である。これは主に、温度T1が従来のトナーと同程度であるのに、温度T2が従来のトナーよりも低いので、差分T1-T2が広がることによる。このような動的粘弾性を示す本実施形態に係るトナーは、ブロッキング抑制効果を備えつつ、定着時に記録媒体へ広がりやすい性質を備えている。本実施形態に係るトナーは、定着時に記録媒体へ広がりやすいことにより、結着樹脂の溶け広がり方に起因する記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきを抑制すると推測される。
一方、差分T1-T2が大き過ぎる場合は、たいてい温度T2が低過ぎる場合である。この場合は、熱成熟前のトナーが軟らかいことにより、定着時に記録媒体へ広がり過ぎて細線再現性に劣ることがある。この観点から、差分T1-T2は15℃未満であり、13℃以下がより好ましい。
損失正接tanδが1以下であることは、トナーの性質として粘性よりも弾性の方が支配的であることを意味する。この場合、プロセススピードに差があっても結着樹脂の広がり方に差が生じにくく、その結果、記録媒体の種類間で生じる画像解像度のばらつきを抑制すると推測される。
上記観点から、熱過程(B)にて測定した損失正接tanδは、70℃において1以下であり、0.9以下であることがより好ましい。
一方で、トナーの性質として弾性の方があまりに支配的であると、記録媒体に対するトナーの親和性が低下し、定着画像強度が低下する場合があることから、熱過程(B)にて測定した損失正接tanδは、70℃において0.4以上であることが好ましい。
上記は、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂を混合して用いること、ポリエステル樹脂のSP値を調整すること、ポリエステル樹脂の結晶性を制御する核剤(結晶核剤)をポリエステル樹脂粒子に含有させること等により実現できるが、本実施形態においては、結晶性ポリエステル樹脂及び結晶核剤の量と存在状態とを制御する方法が最適である。
・試料形状:直径8mm、厚さ4mm
・振動周波数:6.28rad/秒
・測定間隔:30秒
・歪量:0.01%以上0.5%以下
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤とを含む。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α-メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2-エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。非晶性ポリエステル樹脂は、市販品を使用してもよいし、合成物を使用してもよい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC-8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM-M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香環を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族の重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
非晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して結晶性ポリエステル樹脂を23質量部以下の範囲で含有することにより、差分T1-T2が狭くなり、差分T1-T2を15℃未満に制御しやすい。
非晶性ポリエステル樹脂100質量部に対して結晶性ポリエステル樹脂を8質量部以上の範囲で含有することにより、差分T1-T2が広くなり、差分T1-T2を5℃以上に制御しやすい。
上記の観点から、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との含有量比は質量基準で100:10乃至100:20の範囲がより好ましく、100:11乃至100:16の範囲が更に好ましい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料;SiO2(シリカ)、TiO2(チタニア)、Al2O3(アルミナ)等の白色顔料;金属の粉末、金属塩の薄片状結晶、雲母、薄片状ガラス粉等の光輝性顔料;が挙げられる。
着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121-1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等を含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層と、で構成されている。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA-3000)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理を行って外添剤を除去したトナー粒子を得る。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量は、通常、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、外添剤を外添することで得られる。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA-700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
本実施形態において、安息香酸金属塩の具体例としては、例えば、安息香酸ナトリウムが挙げられる。
本実施形態において、ステアリン酸金属塩の具体例としては、例えば、ステアリン酸ナトリウムが挙げられる。
本実施形態において、リン酸エステル金属塩の具体例としては、例えば、ナトリウムビス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフェートが挙げられる。
本実施形態において、シュウ酸金属塩の具体例としては、例えば、シュウ酸カルシウムが挙げられる。
本実施形態において、ソルビトール系化合物の具体例としては、例えば、ジベンジリデンソルビトールが挙げられる。
本実施形態において、金属酸化物の具体例としては、例えば、シリカが挙げられる。
次に、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで撹拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10℃から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が-600V乃至-800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10-6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエローの画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエローのトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図3に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図3中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物 :230部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物:367部
・テレフタル酸ジメチル :160部
・フマル酸ジメチル : 12部
・ドデセニルコハク酸無水物 :225部
・トリメリット酸無水物 : 20部
・1,10-デカンジカルボン酸:225部
・1,6-ヘキサンジオール :118部
非晶性ポリエステル樹脂(1)75部と、結晶性ポリエステル樹脂(C1)25部と、結晶核剤(ADEKA社製、アデカスタブNA-05)3部と、イオン交換水400部とを混合し、分散機(ユーロテック社キャビトロンCD1010を高温高圧型に改造した分散機)を用いて、回転子の回転速度60Hz、圧力5Kg/cm2、熱交換器による加熱140℃の条件で分散機を運転し、ポリエステル樹脂粒子の分散液を得た。分散液にイオン交換水を加えて固形分量を20%に調製し、pHをアンモニアにて8.5に調整し、ポリエステル樹脂粒子分散液(1)とした。ポリエステル樹脂粒子分散液(1)中の樹脂粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。
結晶核剤3部を結晶核剤1部に変更した以外はポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の方法でポリエステル樹脂粒子分散液(2)を調製した。ポリエステル樹脂粒子分散液(2)中の樹脂粒子の体積平均粒径D50は135nmであった。
結晶核剤3部を結晶核剤4部に変更した以外はポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の方法でポリエステル樹脂粒子分散液(3)を調製した。ポリエステル樹脂粒子分散液(3)中の樹脂粒子の体積平均粒径D50は125nmであった。
結晶核剤3部を混合しない以外はポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の方法でポリエステル樹脂粒子分散液(4)を調製した。ポリエステル樹脂粒子分散液(4)中の樹脂粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。
ポリエステル樹脂をすべて非晶性ポリエステル樹脂(1)にした以外はポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の方法でポリエステル樹脂粒子分散液(5)を調製した。ポリエステル樹脂粒子分散液(5)中の樹脂粒子の体積平均粒径D50は140nmであった。
ポリエステル樹脂をすべて結晶性ポリエステル樹脂(C1)にした以外はポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製と同様の方法でポリエステル樹脂粒子分散液(6)を調製した。ポリエステル樹脂粒子分散液(6)中の樹脂粒子の体積平均粒径D50は130nmであった。
・カーボンブラック(キャボット社製、Regal330):250部
・アニオン性界面活性剤(テイカ社製、テイカパワーBN2060、有効成分60%):33部(着色剤に対して有効成分8%)
・イオン交換水:750部
・炭化水素系ワックス(ベイカーペトロライト社製、ポリワックス725、融解温度104℃):270部
・アニオン性界面活性剤(テイカ社製、テイカパワーBN2060、有効成分60%):13.5部(離型剤に対して有効成分3%)
・イオン交換水:21.6部
・フェライト粒子(体積平均粒径35μm) :100部
・トルエン : 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比90/10): 2部
・カーボンブラック(キャボット社、Regal330) :0.2部
[トナー粒子(1)の作製]
・ポリエステル樹脂粒子分散液(1) :124部
・ポリエステル樹脂粒子分散液(5) :1006部
・ポリエステル樹脂粒子分散液(6) :120部
・着色剤粒子分散液(1) :160部
・離型剤粒子分散液(1) :60部
・イオン交換水 :335部
・アニオン性界面活性剤(ダウケミカル社製、Dowfax2A1):2.9部
トナー粒子(1)100部と、平均粒径20nmの疎水性シリカ1.5部とをミキサーに投入し、周速33m/sにて3分間混合を行ってトナー(1)を得た。
トナー(1)8部とキャリア92部とをVブレンダーに入れ、20分間撹拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して現像剤を得た。
ポリエステル樹脂粒子分散液の種類及び使用量を表1に記載のとおりに変更した以外はトナー粒子(1)、トナー(1)及び現像剤(1)の作製と同様にして、各トナー粒子、トナー及び現像剤を作製した。
各実施例及び比較例のトナーをそれぞれ円柱形のペレットに成形した。具体的には、トナーをアルミ製カップに入れ、160℃に保持されたホットプレート上に20分間以上40分間以下置いてトナーを溶融させ、トナーの溶融物を直径8mm、高さ4mmの円柱状に成型し、成型後、速やかに室温まで冷却させた。
レオメーター:商品名「ARES」(レオメトリックサイエンティフィック社)のパラレルプレートを100℃に調温し、パラレルプレートにペレットを挟み接着させた。ノーマルフォースを0とした後に冷却を開始し、熱過程(A)又は熱過程(B)にて動的粘弾性を測定した。動的粘弾性の測定は30℃から180℃まで継続した。表1に、温度T1、温度T2、差分T1-T2、70℃におけるtanδを示す。
[画像解像度のばらつき]
記録媒体として、上質紙(P紙、富士ゼロックス社製、品名:P、坪量:64g/m2、紙厚:88μm)とコート紙(JD紙、富士ゼロックス社製、品名:JDコート104、坪量:104g/m2、紙厚:102μm)とを用意した。
画像形成装置として、富士ゼロックス株式会社製ApeosPortIV C4470を用意し、各実施例及び比較例の現像剤を現像装置に収容した。
上記画像形成装置を用いて、記録媒体上にトナー載り量が4.0mg/cm2になるようにベタ画像(4cm×5cm)と文字画像とを形成した。上質紙(P紙)についてはプロセススピード220mm/sec、コート紙(JD紙)についてはプロセススピード150mm/secにて画像形成を行った。
上質紙(P紙)上に形成した画像とコート紙(JD紙)上に形成した画像とを比較し、下記のとおり分類した。表1に結果を示す。
G2:上質紙、コート紙いずれか一方のベタ画像及び文字画像は輪郭が細部まで鮮明に再現されているが、他方のベタ画像又は文字画像は輪郭がややぼやけており、上質紙、コート紙間の解像度差は凝視しないと判別できない程度。
G3:上質紙、コート紙いずれか一方のベタ画像及び文字画像は輪郭が細部まで鮮明に再現されているが、他方のベタ画像又は文字画像は輪郭がぼやけており、上質紙、コート紙間の解像度差は一瞥で確認できるが問題の無いレベル。
G4:上質紙、コート紙いずれか一方のベタ画像及び文字画像は輪郭が細部まで鮮明に再現されているが、他方のベタ画像及び文字画像は輪郭不鮮明であり、上質紙、コート紙間の解像度差は許容できないレベル。
記録媒体として、上質紙(P紙、富士ゼロックス社製、品名:P、坪量:64g/m2、紙厚:88μm)を用意した。
画像形成装置として、富士ゼロックス株式会社製ApeosPortIV C4470を用意し、各実施例及び比較例の現像剤を現像装置に収容した。
上記画像形成装置を用いて、2,400dpiの解像度で1on1off画像を、現像方向に対し垂直方向の5cm×5cmチャートを、A4サイズの上質紙の左上及び中央及び右下に出力した。形成した画像を100倍の目盛付きルーペにて観察し、線間隔を下記のとおり分類した。表1に結果を示す。
G2:距離の減少又は距離の増加が若干みられる。
G3:距離の減少又は距離の増加がG2よりも大きいが細線が確認できる。
G4:細線距離が判別できない、又は欠落がみられる。
記録媒体としてコート紙(JD紙、富士ゼロックス社製、品名:JDコート104、坪量:104g/m2、紙厚:102μm)を用意した。
画像形成装置として、富士ゼロックス株式会社製ApeosPortIV C4470を用意し、各実施例及び比較例の現像剤を現像装置に収容した。
A3サイズのコート紙上にトナー載り量が4.0mg/cm2になるようにベタ画像パッチを記録媒体搬送方向の中央部に形成し、1日放置した。2枚の紙を画像が重なるように合せ、その上から6g/cm2の荷重をかけ、温度53℃/相対湿度50%の環境に240時間放置した。室温に冷却後、2枚の紙をはがし、画像を目視で観察し下記のとおり分類した。表1に結果を示す。
G2:画像表面がわずかに荒れるが、紙の露出なし。
G3:画像欠落があり、紙がわずかに露出しているが、許容できる範囲。
G4:画像欠陥が激しく、紙が明らかに露出しており、許容できない範囲。
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写ベルトクリーニング装置(中間転写体クリーニング手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(像保持体クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
Claims (10)
- 着色剤と、結着樹脂としてポリエステル樹脂とを含有し、
前記ポリエステル樹脂は非晶性ポリエステル樹脂及び結晶性ポリエステル樹脂を含み、静電荷像現像用トナーに含まれる非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂の含有量比が質量基準で非晶性ポリエステル樹脂:結晶性ポリエステル樹脂=100:8~100:23であり、
平行平板振動レオメーターを用いて下記の熱過程(A)及び熱過程(B)にてそれぞれ動的粘弾性測定を行ったときに下記の要件(1)及び要件(2)を満たす静電荷像現像用トナー。
熱過程(A):100℃以上150℃以下に調温されたパラレルプレートに試料を接着させ、50℃まで降温速度15℃/分で冷却し、50℃にて2時間保持し、50℃から30℃まで降温速度15℃/分で冷却した後に、30℃から昇温速度2℃/分で加熱しながら動的粘弾性測定を行う。
熱過程(B):100℃以上150℃以下に調温されたパラレルプレートに試料を接着させ、30℃まで降温速度15℃/分で冷却した後に、30℃から昇温速度2℃/分で加熱しながら動的粘弾性測定を行う。
要件(1):前記熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T1と、前記熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T2との差分T1-T2が5℃以上15℃未満である。
要件(2):前記熱過程(B)にて測定した損失正接tanδが、70℃において1以下である。 - 前記温度T1が50℃以上70℃以下である、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記温度T1が55℃以上65℃以下である、請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記要件(1)が下記の要件(1-1)である、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
要件(1-1):前記熱過程(A)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T1と、前記熱過程(B)にて測定した複素粘度η*が1×107Pa・sに達する温度T2との差分T1-T2が7℃以上13℃以下である。 - 前記要件(2)が下記の要件(2-1)である、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
要件(2-1):前記熱過程(B)にて測定した損失正接tanδが、70℃において0.9以下である。 - 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項6に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
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