JP2015011331A - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】像保持体のクリーニング性が良好で、且つ、像保持体の寿命が長い画像形成装置を提供する。【解決手段】像保持体と、帯電手段と、静電荷像形成手段と、現像手段と、転写手段と、クリーニング手段とを備えた画像形成装置であり、現像手段は、形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し下記の式(1)を満足するトナーを含む静電荷像現像剤を用い、クリーニング手段は、像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧で接触するクリーニングブレードを用いる。式(1):Q≧160−12R(Qは、トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、トナー中の疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。)【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式の画像形成装置として、感光体の表面にクリーニングブレードを接触させて残留トナーを除去するクリーニング手段を備えたものが知られている。
特許文献1には、感光体にクリーニングブレードを接触させる前に、感光体表面の残留トナーにクリーニング助剤を10質量%乃至40質量%混合させることで、クリーニングブレードの当接圧を増すことなく球形トナーの掻き取り除去を可能とする画像形成装置が開示されている。
特開2003−140468号公報
本発明は、像保持体のクリーニング性が良好で且つ像保持体の寿命が長い画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。
請求項1に係る発明は、
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し下記の式(1)を満足するトナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧で接触するクリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードにより、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。
式(1):Q≧160−12R
Qは、前記トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
請求項2に係る発明は、
前記トナー粒子の形状係数SF1が、125以上140以下である、請求項1に記載の画像形成装置。
請求項3に係る発明は、
前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量が、0.5質量%以上5質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
請求項4に係る発明は、
像保持体と、
形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し下記の式(1)を満足するトナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧で接触するクリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードにより、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
式(1):Q≧160−12R
Qは、前記トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
請求項1に係る発明によれば、前記式(1)及び前記接触圧を満足しない場合に比べ、像保持体のクリーニング性が良好で且つ像保持体の寿命が長い画像形成装置が提供される。
請求項2に係る発明によれば、トナー粒子の形状係数SF1が前記範囲を外れる場合に比べ、像保持体表面のフィルミングが起こりにくい画像形成装置が提供される。
請求項3に係る発明によれば、トナー中の疎水化無機酸化物粒子の含有量が前記範囲を外れる場合に比べ、像保持体のクリーニング性がより良好で且つ像保持体の寿命がより長い画像形成装置が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記式(1)及び前記接触圧を満足しない場合に比べ、像保持体のクリーニング性が良好で且つ像保持体の寿命が長いプロセスカートリッジが提供される。
本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置のクリーニングブレードが像保持体に接触した部位を拡大した模式図である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。これらの説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において、(メタ)アクリルは、アクリル及びメタクリルを意味し、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリロは、アクリロ及びメタクリロを意味する。
<画像形成装置、プロセスカートリッジ>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、当該静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、を備える。
ここで、前記クリーニング手段は、前記像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧で接触するクリーニングブレードを有し、当該クリーニングブレードにより、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するものである。
そして、前記静電荷像現像剤は、トナーを含んでおり、当該トナーは、形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し、下記の式(1)を満足するものである。
式(1):Q≧160−12R
式(1)中、Qは、前記トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
本実施形態に係る画像形成装置は、上記の構成を備えることにより、像保持体のクリーニング性が良好で、且つ、像保持体の寿命が長い。この理由は、以下のように推察される。
電子写真方式の画像形成装置では、画像の品質やトナーの転写効率を向上させる目的で、真球に近い形状のトナー(例えば、トナー粒子の形状係数が120以上145以下)が用いられている。
しかし、像保持体(例えば感光体)表面の残留トナーをクリーニングブレードでクリーニングするに際しては、トナーの形状が真球に近いほどクリーニングブレードからのすり抜けが起こり易く、フィルミング(トナーを構成するトナー粒子や外添剤粒子が、つぶれて膜になり、像保持体の表面を被覆する現象)が発生し易い。その結果、像保持体を長期に亘り使用することが難しい。
これに対し、クリーニングブレードの接触圧を高めて残留トナーのすり抜けを抑制しようとすると、像保持体の摩耗が促進されるので、像保持体の寿命は短くなってしまう。
本実施形態では、形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子と、外添剤として個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子とを組み合わせ、前記トナー粒子の形状係数に応じて、前記式(1)を満足するように、前記疎水化無機酸化物粒子の量を設定する。前記式(1)は、Qが100に近いほど(要するにトナー粒子が真球に近いほど)、R(疎水化無機酸化物粒子の外添量)を多くする関係を示している。
前記疎水化無機酸化物粒子はクリーニングブレードが感光体に接触する領域(ブレードニップ)の直前部に凝集して凝集層を形成し、この凝集層がクリーニングブレードからのトナーのすり抜けを抑制すると考えられるところ、前記疎水化無機酸化物粒子が前記トナー粒子の形状に応じた量添加されているので、前記凝集層が前記トナー粒子の形状に応じて効率的に形成される。そのため、クリーニングブレードの接触圧を従来に比べ低めの範囲(9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下)にしても、クリーニングブレードからの残留トナーのすり抜けが起こりにくい。そして、クリーニングブレードからの残留トナーのすり抜けが起こりにくいので、フィルミングが発生しにくく、加えてクリーニングブレードの接触圧が低めであるので、像保持体の摩耗も抑制される。
本実施形態において、クリーニングブレードの接触圧は、9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下(つまり、1.0gf/mm以上2.2gf/mm以下)である。
クリーニングブレードの接触圧が9.8mN/mm未満では、接触圧不足からトナーのすり抜けが起こってフィルミングが発生し易く、像保持体を長期に亘り使用することが難しい。クリーニングブレードの接触圧の下限は、望ましくは10.8mN/mm以上であり、より望ましくは11.8mN/mm以上である。
一方、クリーニングブレードの接触圧が21.6mN/mmを超えると、像保持体の摩耗が促進されるし、また、ブレードニップの直前部に凝集した疎水化無機酸化物粒子がより固く凝集してクリーニングブレードを押し広げ、クリーニングブレードからすり抜けてフィルミングが発生することがある。クリーニングブレードの接触圧の上限は、望ましくは19.6mN/mm以下であり、より望ましくは17.6mN/mm以下である。
本実施形態において、トナー粒子の形状係数SF1は、画像品質に優れる点や、トナーの転写効率が良好な点で、120以上145以下である。
本実施形態において、トナー粒子の形状係数SF1は、125以上140以下の範囲であることが望ましい。形状係数SF1が上記範囲であると、像保持体表面への疎水化無機酸化物粒子のフィルミングが起こりにくい。
トナー粒子の形状係数SF1は、下記式(2)により求められる。
式(2):SF1=(ML/A)×(π/4)×100
式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長であり、Aはトナー粒子の投影面積である。具体的には、形状係数SF1は、走査型電子顕微鏡(SEM)画像を、画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の顕微鏡像をビデオカメラによりルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子についてそれぞれの最大長と投影面積を求め、上記式(2)によってそれぞれのSF1を計算し、100個の平均値を求めることにより得られる。
トナー粒子の形状係数SF1は、例えば、トナー粒子を凝集合一法で製造する場合、融合・合一工程の温度及び保持時間を調整することによって、制御し得る。
本実施形態において、疎水化無機酸化物粒子の個数平均粒径は、30nm以上80nm以下である。疎水化無機酸化物粒子の個数平均粒径が上記範囲であると、ブレードニップの直前部において、トナーから脱離した疎水化無機酸化物粒子が凝集して凝集層を形成し易い。
疎水化無機酸化物粒子の個数平均粒径は、トナー粒子の表面に存在する疎水化無機酸化物粒子(一次粒子)100個を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、画像解析によって粒子ごとの最長径および最短径を測定し両者の中間値を球相当径とし、球相当径の個数平均を個数平均粒径とする。
本実施形態において、トナー中の疎水化無機酸化物粒子の含有量は、像保持体のクリーニング性がより良好で且つ像保持体の寿命がより長くなる観点で、0.5質量%以上5質量%以下が望ましく、1質量%以上4質量%以下がより望ましく、1.2質量%以上3.5質量%以下が更に望ましい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置及びプロセスカートリッジの構成例を説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段を備えた装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の画像形成装置が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置において、少なくとも像保持体、現像手段、及びクリーニング手段を含む部分が、画像形成装置に対して着脱されるカートリッジ構造(本実施形態に係るプロセスカートリッジ)であってもよい。当該カートリッジ構造は、更に、帯電手段、露光手段、及び転写手段から選ばれる少なくとも1つを含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置では、
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し下記の式(1)を満足するトナーを含む静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧でクリーニングブレードを接触させて、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング工程と、
を有する画像形成方法が実施される。
式(1):Q≧160−12R
式(1)中、Qは、前記トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの上方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22及び支持ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Yから第4のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。支持ロール24は、図示しないバネ等により駆動ロール22から離れる方向に力が加えられており、両者に巻きつけられた中間転写ベルト20に張力が与えられている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
第1乃至第4のユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成、動作、及び作用を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1のユニット10Yについて代表して説明する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4Y、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5Y、及び一次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Yが順に配置されている。
一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを変える。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3からレーザ光線3Yを照射する。それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として現像され可視化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロートナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー画像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Yに一次転写バイアスが印加され、感光体1Yから一次転写ロール5Yに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1Y上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって例えば+10μAに制御されている。
トナー画像を中間転写ベルト20に転写した後の感光体1Yは回転を続け、感光体1Yと、感光体クリーニング装置6Yが備えるクリーニングブレード60Yとが接触することにより、感光体1Yから転写後の残留トナーが擦り取られ除去される。感光体1Yから除去されたトナーは回収される。
感光体クリーニング装置及びクリーニングブレードについては、後で詳述する。
第2ユニット10M以降の一次転写ロール5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第4のユニットを通して4色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する支持ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが支持ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。なお、この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面が平滑であることが望ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了する。
<クリーニング手段、クリーニングブレード>
以下に、図1に示す画像形成装置が備える感光体クリーニング装置6Y、6M、6C、6Kの構成例を、図面を参照しつつ説明する。
図2は、感光体クリーニング装置の一例を示す概略構成図であり、感光体にクリーニングブレードが接触した状態を示す図である。
図2に示す感光体クリーニング装置6は、少なくとも画像形成装置が画像形成を実施する際にクリーニングブレード60が感光体1の表面(周面)に接触して、感光体1から転写後の残留トナーTNを擦り取る(掻き取る)。
感光体クリーニング装置6は、感光体1の表面と対向する側に開口する筐体62を備えている。
筐体62の上方側における開口端部の内面には、例えば、感光体クリーニング装置6内に収容された廃トナー等が外部へ漏れるのを防ぐシール部材66が、感光体1の軸方向に亘って配設されている。シール部材66は、感光体1と筐体62との間の隙間を塞ぐように感光体1に向かって延在しつつ、感光体1には接触しない構成とされている。シール部材66には、例えば厚さ0.2mmのポリウレタンシートが用いられる。
筐体62内の下方側には、例えば、回収した廃トナー等を筐体62外に設けられた廃トナー排出部(図示せず)まで搬送するスクリュー68が配設されている。
筐体62の下方側における開口端部の外面には、感光体1の軸方向に亘って、クリーニングブレード60が配設されている。
クリーニングブレード60は、板状(ブレード状)の部材であり、支持部材64(例えば、金属の板)を介して、筐体62に固定されている。クリーニングブレード60と支持部材64とは、例えば接着剤によって固定され、支持部材64と筐体62とは、例えばネジによって固定される。なお、クリーニングブレード60は、支持部材64を介さず、筐体62に直接取り付けられてもよい。
クリーニングブレード60は、例えば、支持部材64から遠位の側にある端(感光体1の近位の側にある端)を感光体1の回転方向とは反対に向けた状態で配置され、クリーニングブレード60のエッジ部60Eが感光体1に接触する。
本実施形態においては、クリーニングブレード60が感光体1に接触する領域(ブレードニップ)の直前部に、疎水化無機酸化物粒子が凝集して凝集層を形成し、この凝集層がクリーニングブレード60による感光体1のクリーニング性能を高めると考えられる。
図3は、クリーニングブレード60が感光体1に接触した部位を拡大した模式図である。
クリーニングブレード60の接触圧NF(感光体1の半径方向にかかる圧力)は、9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の範囲であり、感光体1の寿命がより長い点で、10.8mN/mm以上19.6mN/mm以下が望ましく、11.8mN/mm以上17.6mN/mm以下がより望ましい。
クリーニングブレード60の厚さtは、例えば1.8mm以上2.2mm以下であり、1.9mm以上2.1mm以下が望ましい。
クリーニングブレード60の自由長L(支持部材64に固定されていない幅)は、例えば7mm以上13mm以下であり、8mm以上12mm以下が望ましい。
クリーニングブレード60の接触角度θは、例えば15°以上35°以下であり、20°以上30°以下が望ましい。
クリーニングブレード60の接触幅dは、例えば0.5mm以上1.5mm以下であり、0.8mm以上1.2mm以下が望ましい。
クリーニングブレード60は、例えば、弾性材料で構成される。その弾性材料としては、例えば、熱硬化型ポリウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム等が挙げられる。これらの中で、耐磨耗性、耐欠損性、耐クリープ性などの機械的性質に優れる点で、少なくともエッジ部60Eを構成する部材として(望ましくは全体を構成する部材として)熱硬化型ポリウレタンゴムが望ましい。
クリーニングブレード60を構成する部材の硬度は、例えばヤング率で、6.86N/mm以上9.80N/mm以下であり、7.84N/mm以上8.82N/mm以下が望ましい。
クリーニングブレード60において、接触圧NFと、ヤング率E、厚さt、接触幅d、及び自由長Lとの間には、下記の式(3)が成り立つ。
式(3):NF(mN/mm)=1000×E×t×d/4L
クリーニングブレード60の感光体1に対する加圧方式は、構造が簡単で低コストの定変位方式を採用してもよく、接触圧の経時変化が少ない定荷重方式を採用してもよい。
感光体クリーニング装置6は、単体でユニット化され、画像形成装置に着脱される構成とされていてもよい。また、感光体クリーニング装置6は、少なくとも感光体1と一体化され、その状態で画像形成装置に着脱される感光体ユニット(像保持体ユニット)として構成されていてもよい。
<静電荷像現像剤>
以下、本実施形態に係る画像形成装置に適用される静電荷像現像剤について説明する。
静電荷像現像剤は、トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
〔トナー〕
トナーは、形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子と、個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子とを含有し、下記の式(1)を満足するものである。
式(1):Q≧160−12R
式(1)中、Qは、トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、トナー中の疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
〔トナー粒子〕
トナー粒子は、例えば、結着樹脂及び着色剤を含有し、更に離型剤やその他の内添剤を含んでもよい。
以下、トナー粒子に含まれる成分について詳細に説明する。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えば(メタ)アクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単独重合体又は共重合体が挙げられる。
代表的な結着樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−(メタ)アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体が挙げられる。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。ポリエステル樹脂は、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、例えば、芳香族ジカルボン酸が望ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、例えば、芳香族ジオール、脂環式ジオールが望ましく、より望ましくは芳香族ジオールである。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が望ましく、50℃以上65℃以下がより望ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求める。より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求める。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上1,000,000以下が望ましく、7,000以上500,000以下より望ましい。
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上100,000以下が望ましい。
ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が望ましく、2以上60以下がより望ましい。
樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製HLC−8120を用い、カラムとして東ソー社製TSKgel SuperHM−M15cm)を用い、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
トナー粒子に含まれる結着樹脂の含有量は、40質量%以上95質量%以下が望ましく、50質量%以上90質量%以下がより望ましく、60質量%以上85質量%以下が更に望ましい。
−着色剤−
トナー粒子が含有する着色剤は、顔料でも染料でもよい。着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:3等が挙げられる。
着色剤は、必要に応じて表面処理された着色剤を用いてもよく、分散剤と併用してもよい。
着色剤の含有量は、トナー粒子の1質量%以上30質量%以下が望ましく、3質量%以上15質量%以下がより望ましい。
−離型剤−
トナー粒子は、離型剤を含んでもよい。離型剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、パラフィンワックス及びその誘導体、モンタンワックス及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、個分子アルコール、脂肪酸、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス、エステルワックス、酸アミド等が挙げられる。誘導体は、酸化物、ビニルモノマーとの重合体、グラフト変性物を含む。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が望ましく、60℃以上100℃以下がより望ましい。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量は、トナー粒子の1質量%以上20質量%以下が望ましく、5質量%以上15質量%以下がより望ましい。
−その他の成分−
トナー粒子に内添されるその他の成分としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。
〔トナー粒子の特性〕
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて離型剤等のその他添加剤を含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、2μm以上10μm以下が望ましく、4μm以上8μm以下がより望ましい。
トナー粒子の体積平均粒径(D50v)は、コールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製。アパーチャー径100μm)を用いて測定される。
測定用試料は、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5質量%水溶液2mlにトナー粒子を0.5mg以上50mg以下加え、これを電解液(ベックマン−コールター社製アイソトンII)100ml以上150ml以下に添加し、超音波分散器で1分間分散処理を行って調製する。
上記の装置及び測定用試料を用いて、2μm以上60μm以下の粒子50,000個の粒径を測定して、小径側から体積の累積分布を描き、累積50%になる粒径を体積平均粒径(D50v)とする。
〔疎水化無機酸化物粒子〕
トナーは、個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有する。疎水化無機酸化物粒子は、表面が疎水化処理された無機酸化物粒子である。
無機酸化物粒子としては、例えば、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等が挙げられる。
無機酸化物粒子の疎水化処理は、例えば、疎水化処理剤に無機酸化物粒子を浸漬する等の公知の方法により行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シランカップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量は、例えば、無機酸化物粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
疎水化無機酸化物粒子としては、疎水化シリカ(SiO)粒子が望ましく、有機珪素化合物(例えば、アルコキシシラン、シラザン、シリコーンオイル等)で表面処理されたシリカ粒子が望ましい。中でも、シリコーンオイルで表面処理されたシリカ粒子が、ブレードニップ直前に凝集して凝集層を形成し易い点でより望ましい。
疎水化無機酸化物粒子の個数平均粒径は、30nm以上80nm以下である。疎水化無機酸化物粒子の個数平均粒径が30nm以上であると、トナー粒子に対する埋没が抑制され、スペーサー機能が確保され易くなる。疎水化無機酸化物粒子の体積平均粒径が80nm以下であると、トナー粒子からの遊離が抑制されると共に、機械的負荷による欠損が抑制され易くなり、結果としてスペーサー機能が確保され易くなる。
また、疎水化無機酸化物粒子の個数平均粒径が30nm以上80nm以下であると、ブレードニップの直前部に凝集して凝集層を形成し易い。
〔その他の外添剤〕
その他の外添剤としては、例えば、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等の周知の添加剤が挙げられる。
〔トナーの製造方法〕
本実施形態に適用するトナーは、トナー粒子を製造し、該トナー粒子に疎水化無機酸化物粒子等の外添剤を外添して得られる。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、周知の製法が採用される。中でも、凝集合一法によりトナー粒子を得ることが望ましい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、
着色剤粒子が分散された着色剤分散液を準備する工程(着色剤分散液準備工程)と、
樹脂粒子分散液と着色剤分散液とを混合(必要に応じて他の粒子分散液も混合)した分散液中で、樹脂粒子と着色剤とを(必要に応じて他の粒子をも)凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、
を経て、トナー粒子を製造する。
以下、凝集合一法の各工程の詳細について説明する。
以下の説明では、離型剤をも含むトナー粒子を得る方法について説明するが、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する。
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等を用いた一般的な分散方法が挙げられる。樹脂粒子の種類によっては、例えば転相乳化法を用いて分散媒に樹脂粒子を分散させてもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて中和したのち、水(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの転相を行い、樹脂を水系媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば0.01μm以上1μm以下が望ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより望ましく、0.1μm以上0.6μmが更に望ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して体積50%となる粒径を体積平均粒径D50pとする。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下が望ましく、10質量%以上40質量%以下がより望ましい。
−着色剤分散液準備工程−
着色剤粒子が分散された着色剤分散液は、樹脂粒子分散液の調製方法と同様な方法で調製される。つまり、着色剤分散液の、分散媒、界面活性剤、分散方法、粒子の体積平均粒径、及び粒子含有量は、樹脂粒子分散液のそれらと同様である。なお、着色剤分散液の代わりに着色剤が樹脂粒子中に分散した着色剤含有樹脂粒子分散液を用いてもよい。
ほかに、離型剤粒子が分散された離型剤分散液も、樹脂粒子分散液の調製方法と同様な方法で調製される。つまり、離型剤分散液の、分散媒、界面活性剤、分散方法、粒子の体積平均粒径、及び粒子含有量は、樹脂粒子分散液のそれらと同様である。なお、離型剤分散液の代わりに離型剤が樹脂粒子中に分散した離型剤含有樹脂粒子分散液を用いてもよい。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と、着色剤分散液と、離型剤分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度の−30℃以上且つガラス転移温度の−10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、例えば、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、凝集剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が望ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより望ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度より10℃乃至30℃高い温度以上)に加熱して、前記温度に保持して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
前記温度に保持する時間は、例えば、30分以上6時間以下にしてよく、通常、この範囲内で保持時間を長くするほど、トナー粒子の形状係数SF1が100に近づく傾向がある。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
融合・合一工程の終了後、溶液中に形成されたトナー粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を施し、乾燥した状態のトナー粒子を得る。
洗浄工程は、帯電性の点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、本実施形態に適用されるトナーは、例えば、乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディーゲミキサー等によって行うことがよい。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
〔キャリア〕
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを使用してよい。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;マトリックス樹脂に導電性粒子が分散して配合された導電性粒子分散型キャリア;等が挙げられる。
磁性粉分散型キャリア、樹脂含浸型キャリア、及び導電性粒子分散型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面に樹脂を被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子;などが挙げられる。
被覆用の樹脂、及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電材料等の添加剤を含ませてもよい。
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、その後に溶剤を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が望ましく、3:100乃至20:100がより望ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の記載において、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
<樹脂粒子分散液の調製>
・テレフタル酸 30モル部
・フマル酸 70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ、及び精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間を要して温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら0.5時間を要して230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂(1)100部を徐々に投入し溶解させ、ここに、10質量%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間攪拌した。
次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20質量%に調整して、樹脂粒子分散液(1)とした。
<着色剤分散液の調製>
・シアン顔料(大日精化工業社製C.I.Pigment Blue 15:3)100部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK) 1.5部
・イオン交換水 400部
上記の材料を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製HJP30006)を用いて1時間分散して、着色剤粒子が分散された着色剤分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。着色剤粒子の体積平均粒径は160nmであった。
<離型剤分散液の調製>
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9) 100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK) 1部
・イオン交換水 400部
上記の材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、離型剤粒子が分散された離型剤分散液(1)(固形分量20質量%)を得た。離型剤粒子の体積平均粒径は200nmであった。
<トナー粒子の調製>
〔トナー粒子(1)の調製〕
・樹脂粒子分散液(1) 310部
・着色剤分散液(1) 40部
・離型剤分散液(1) 50部
・アニオン性界面活性剤(テイカ社製TeycaPower BN2060、20質量%水溶液) 2部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用い分散した。次いで、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10質量%の硝酸水溶液30部を添加した。続いて、ホモジナイザーを用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。その後、樹脂粒子分散液(1)100部を緩やかに追加し1時間保持した。
その後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。凝集粒子が融合したことを光学顕微鏡で確認した後、1℃/分の速度で20℃まで冷却した。
冷却した後、粒子を濾別し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、トナー粒子(1)を得た。トナー粒子(1)の体積平均粒径は7.5μmで、形状係数SF1は122であった。
〔トナー粒子(2)〜(4)の調製〕
融合・合一工程における温度及び保持時間を、表1に記載のとおりに変更した以外は、トナー粒子(1)の作製と同様にして、トナー粒子(2)〜(4)を作製した。各トナー粒子の体積平均粒径及び形状係数SF1を表1に示す。
<現像剤の調製>
〔現像剤(1)の調製〕
―外添トナーの調製−
トナー粒子(1)と、ジメチルシリコーンオイルで表面を疎水化処理したシリカ粒子(日本アエロジル社製RY50)とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー中の疎水化シリカ粒子の含有量が3.3質量%のトナー(1)を得た。
トナー粒子の表面に存在する疎水化シリカ粒子100個を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察し、前述の方法に従って個数平均粒径を求めたところ、個数平均粒径は50nmであった。
―キャリアとトナーとの混合−
・フェライト粒子(平均粒径50μm) 100部
・トルエン 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85) 2部
・カーボンブラック 0.2部
フェライト粒子を除く上記の材料をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
上記キャリア100部に対して、トナー(1)5部を混合して、現像剤(1)を得た。
〔現像剤(2)〜(8)の調製〕
―外添トナーの調製−
トナー(1)の調製と同様にして、但し、トナー粒子(1)に替えてトナー粒子(2)〜(4)を用い、疎水化シリカ粒子の含有量を表1に示すとおりに変更して、トナー(2)〜(8)を得た。
―キャリアとトナーとの混合−
現像剤(1)の調製と同様にして、但し、トナー(1)に替えてトナー(2)〜(8)を用いて、現像剤(2)〜(8)を得た。
<画像形成装置(A−1)〜(A−8)の作製>
図1と同等の構成を有する画像形成装置である富士ゼロックス社製DocuPrint P450psを用意し、以下のクリーニングブレードを装着した。
・クリーニングブレード:熱硬化型ポリウレタンゴム製、ヤング率8.4N/mm、厚さ2.0mm、自由長11mm。感光体に対し、接触角度23°、接触幅1.01mmになるように配置し、接触圧を12.7mN/mmとした。
上記の画像形成装置の現像器及びトナーカートリッジに、現像剤(1)〜(8)のいずれか1種及びトナー(1)〜(8)のいずれか1種を入れ、画像形成装置(A−1)〜(A−8)とした。
<画像形成装置(B−1)〜(B−8)の作製>
図1と同等の構成を有する画像形成装置である富士ゼロックス社製DocuPrint P450psを用意し、以下のクリーニングブレードを装着した。
・クリーニングブレード:熱硬化型ポリウレタンゴム製、ヤング率8.4N/mm、厚さ2.0mm、自由長9.5mm。感光体に対し、接触角度23°、接触幅1.0mmになるように配置し、接触圧を19.6mN/mmとした。
上記の画像形成装置の現像器及びトナーカートリッジに、現像剤(1)〜(8)のいずれか1種及びトナー(1)〜(8)のいずれか1種を入れ、画像形成装置(B−1)〜(B−8)とした。
<画像形成装置(C−1)〜(C−8)の作製>
図1と同等の構成を有する画像形成装置である富士ゼロックス社製DocuPrint P450psを用意し、以下のクリーニングブレードを装着した。
・クリーニングブレード:熱硬化型ポリウレタンゴム製、ヤング率8.4N/mm、厚さ2.0mm、自由長11mm。感光体に対し、接触角度23°、接触幅0.62mmになるように配置し、接触圧を7.8mN/mmとした。
上記の画像形成装置の現像器及びトナーカートリッジに、現像剤(1)〜(8)のいずれか1種及びトナー(1)〜(8)のいずれか1種を入れ、画像形成装置(C−1)〜(C−8)とした。
<画像形成装置(D−1)〜(D−8)の作製>
図1と同等の構成を有する画像形成装置である富士ゼロックス社製DocuPrint P450psを用意し、以下のクリーニングブレードを装着した。
・クリーニングブレード:熱硬化型ポリウレタンゴム製、ヤング率8.4N/mm、厚さ2.0mm、自由長9.5mm。感光体に対し、接触角度23°、接触幅1.25mmになるように配置し、接触圧を24.5mN/mmとした。
上記の画像形成装置の現像器及びトナーカートリッジに、現像剤(1)〜(8)のいずれか1種及びトナー(1)〜(8)のいずれか1種を入れ、画像形成装置(D−1)〜(D−8)とした。
<評価>
温度20℃/湿度10%の環境で、画像(画像部Cin100%、画像密度10%)をA4サイズで5,000枚形成し、クリーニングブレードからのトナーのすり抜け、感光体表面のフィルミング、及び感光体の寿命を以下のようにして評価した。その結果を表2に示す。
〔トナーのすり抜け〕
感光体表面における、クリーニングブレード下流から帯電装置上流までの間を目視にて観察し、トナーのすり抜けの有無を以下の基準で評価した。
A:トナーのすり抜けは認められない。
B:トナーのすり抜けが認められる。
C:トナーのすり抜けが著しく認められる。
〔フィルミング〕
感光体の表面を目視にて観察し、膜状の付着物の有無を以下の基準で評価した。
A:膜状の付着物は認められない。
B:膜状の付着物が認められるが、その面積はトナー像形成領域の1%未満である。
C:膜状の付着物が認められ、その面積がトナー像形成領域の1%以上5%未満である。
D:膜状の付着物が広範囲に認められ、その面積がトナー像形成領域の5%以上である。
〔感光体の寿命〕
画像を5,000枚形成した時点の感光体の摩耗量から寿命を換算し、以下の基準で評価した。
A:10万枚以上
B:7万枚以上10万枚未満
C:5,000枚画像形成した時点でフィルミングの面積がトナー像形成領域の1%以上5%未満(フィルミングがC評価)であったので、寿命を5,000万枚未満と判断した。
D:5,000枚画像形成した時点でフィルミングの面積がトナー像形成領域の5%以上(フィルミングがD評価)であったので、寿命を5,000万枚未満と判断した。
1Y、1M、1C、1K、感光体(像保持体の一例)
2Y、2M、2C、2K、帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
60Y、60M、60C、60K クリーニングブレード
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
P 記録紙(記録媒体の一例)
60 クリーニングブレード
60E クリーニングブレードのエッジ部
62 筐体
64 支持部材
66 シール部材
68 スクリュー
TN 残留トナー

Claims (4)

  1. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し下記の式(1)を満足するトナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧で接触するクリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードにより、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
    を備える画像形成装置。
    式(1):Q≧160−12R
    Qは、前記トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
  2. 前記トナー粒子の形状係数SF1が、125以上140以下である、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量が、0.5質量%以上5質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 像保持体と、
    形状係数SF1が120以上145以下のトナー粒子及び個数平均粒径が30nm以上80nm以下の疎水化無機酸化物粒子を含有し下記の式(1)を満足するトナーを含む静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に9.8mN/mm以上21.6mN/mm以下の接触圧で接触するクリーニングブレードを有し、前記クリーニングブレードにより、前記トナー画像を転写した後の前記像保持体の表面に残留したトナーを除去するクリーニング手段と、
    を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
    式(1):Q≧160−12R
    Qは、前記トナー粒子の形状係数SF1であり、Rは、前記トナー中の前記疎水化無機酸化物粒子の含有量(質量%)である。
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