JP3543522B2 - カラー二成分系現像剤及び多色画像形成方法 - Google Patents

カラー二成分系現像剤及び多色画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真法を利用または応用した複写機、プリンターに利用される多色画像形成方法およびそれに用いるフルカラー現像剤に関するものであり、特にレーザビームを用いて潜像を形成するデジタルコピー機に適用する多色画像形成方法およびそれに用いるフルカラー現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法において、光導電性感光体に形成された静電潜像をトナーを用いて可視化する方法としては、磁気ブラシ法が広く実用化されている。また、近年非磁性一成分現像方式のように現像ロールに薄層トナー層を形成し、それによって静電潜像を可視化する方法も実用化されている。これらの方法に用いられるトナーとしては、結着樹脂に着色剤を混合したものが一般的に使用されている。上記手法等により光導電性感光体に形成されたトナー像は、紙などの支持体上に転写され、圧力およびまたは加熱により定着される。近年、電子写真技術を利用または応用した複写機或いはプリンターでは、得られる画質の高画質要求が高まっており、さまざまな改善がはかられている。特に、現像剤としてはトナー粒子を小さくすることによって、微細化された静電潜像を忠実に再現し、画質を改善させることがしばしば行われている。例えば、特開昭62−103675号公報には、平均粒子径7〜14μmのトナーが提案されており、また、粒度分布に関しては、特開平2−132459号公報にはシャープな粒度分布を有するものが提案されている。
【0003】
ところで、一般に粒度分布が広くなると、現像剤の帯電性がプリント枚数と共に低下し、現像剤寿命が短くなる傾向がある。これは大粒子径トナーが現像されて、小粒子径トナーが現像機内に長時間滞留するためである。したがって、トナーの粒度分布はよりシャープなものほどよいが、製造上の問題、コストの点から限界があった。また、上記の公報に記載のトナーにおいても、大粒子径側或いは小粒子径側がブロードなものが含まれてしまうために、高画質の画像を得ることができず、さらにまた、特開平2−132459号公報に記載の場合においては、小粒子径の微粉が含まれるために現像剤寿命が短かいという問題があった。
【0004】
また、特開昭60−136775号公報においては、流動性向上と帯電の環境安定性の両立を達成するために、疎水性チタニアと疎水性シリカの併用が試みられている。しかしながら、小粒径カラートナーを使用する場合、単にそれらを混合しただけでは、転写性が悪く、安定した画像を得ることができい。
【0005】
一方、特開平4−24653号公報、特開平3−226763号公報等においては、静電潜像のリーク防止、現像性の改良のために、キャリア抵抗の規定がなされている。しかしながら、高画質を目的として小粒径キャリアを用いる場合には、単なるキャリア抵抗の規定では、高画質が得られないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、従来の技術における上記のような問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、極端にトナー粒子径を小さくすることなしに、高画質画像を得ることができるカラー二成分系現像剤を提供することにある。本発明の他の目的は静電潜像上のトナー像が良好な転写像を形成して高画質な画像を得ることができるカラー二成分系現像剤を提供することにある。さらに本発明の他の目的は、フルカラー高画質画像を得ることができる多色画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、像支持体上のトナー重量と画質レベルの関係を特定の範囲に設定して多色画像を形成することによって、上記の問題を解決することができることを見出し、また、トナー粒子径、粒度分布を特定の範囲に制御し、外添剤処方、キャリア形態を制御することにより高画質画像を得ることができるフルカラー現像剤を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の多色画像形成方法は、潜像保持体上に潜像を形成する工程、該潜像保持体上に現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー像を形成する工程、該トナー像を像支持体に直接または間接的に転写する工程、トナー像を像支持体上に熱および圧力によって定着する工程を有するものであって、現像剤担持体上の現像剤が、カラートナー及びキャリアとからなり、該カラートナーが平均粒子径3〜9μmを有し、かつ、その粒度分布が下記式(1)および(2)を満足するものであり、該カラートナーが外添剤として2種類の無機酸化物微粉末を有しており、平均粒子径の大きい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して10%以上トナー粒子表面を被覆し、平均粒子径が小さい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して20%以上トナー粒子表面を被覆し、これら2種の外添剤の合計被覆量がトナー粒子の総比表面積に対して50%以上であり、該キャリアは、磁性粒子を樹脂で被覆したものであり、該磁性粒子は平均粒子径が30〜50μmであって、粒子径33μm〜44μmの粒子を50重量%以上、粒子径22μm以下の粒子を40重量%以下含有するものであり、かつ、キャリアは、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保磁力が、それぞれ50emu/g以上、5emu/g以下および20エルステッド以下であり、現像剤の磁気ブラシ現像剤層のスリーブ長手方向単位長さ当たりの抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で6.2×10 4 〜6.2×10 8 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×10 4 〜6.2×10 6 Ωの範囲にあり、トナー粒子の体積平均粒子径[D50v](μm)と単色最大濃度を発現する時の像支持体上のトナー重量[TMA](mg/cm2 )とが下記式(6)の関係を満たすように現像および転写を行うことを特徴とする。
16 v/D 50 v≦1.457−0.036×D 50 (1)
50 p/D 84 p≦1.45 (2)
(式中、D 16 vは体積平均粒子径の大粒子側から計算した16%目の体積粒子径(μm)、D 50 vは体積粒子径の大粒子側から計算した50%目の体積平均粒子径(μm)、D 50 pは個数粒子径の大粒子側から計算した50%目の個数平均粒子径(μm)、D 84 pは個数粒子径の大粒子側から計算した84%目の個数粒子径(μm)を表す。)
ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10−0.10≦[TMA]
≦ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10+0.25 (6)
(ここで、ρはトナーの比重、πは円周率、rはトナー粒子の体積平均粒子半径(単位μm)、k=0.144を表す。)
【0009】
また、本発明のカラー二成分系現像剤は、カラートナー、すなわちイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒色トナー及びキャリアとからなり、該カラートナーが平均粒子径3〜9μmを有し、かつ、その粒度分布が下記式(1)および(2)を満足するものであり、該カラートナーが外添剤として2種類の無機酸化物微粉末を有しており、平均粒子径の大きい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して10%以上トナー粒子面積を被覆し、平均粒子径が小さい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して20%以上トナー粒子表面を被覆し、これら2種の外添剤の合計被覆量がトナー粒子の総比表面積に対して50%以上であり、該キャリアは、磁性粒子を樹脂で被覆したものであり、該磁性粒子は平均粒子径が30〜50μmであって、粒子径33μm〜44μmの粒子を50重量%以上、粒子径22μm以下の粒子を40重量%以下含有するものであり、かつ、キャリアは、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ50emu/g以上、5emu/g以下および20エルステッド以下であり、現像剤の磁気ブラシ現像剤層のスリーブ長手方向単位長さ当たりの抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で6.2×104 〜6.2×108 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×104 〜6.2×106 Ωの範囲にあることを特徴とする。
D16v/D50v≦1.457−0.036×D50v (1)
D50p/D84p≦1.45 (2)
(式中、D16vは体積平均粒子径の大粒子側から計算した16%目の体積粒子径(μm)、D50vは体積粒子径の大粒子側から計算した50%目の体積平均粒子径(μm)、D50pは個数粒子径の大粒子側から計算した50%目の個数平均粒子径(μm)、D84pは個数粒子径の大粒子側から計算した84%目の個数粒子径(μm)を表す。)
【0010】
本発明の上記多色画像形成方法において、本発明の上記二成分カラー現像剤を用いると、さらに高画質のカラー画像を得ることができるので好ましい。
【0011】
本発明の二成分カラー現像剤において、トナー中の着色剤量C(重量%)が下記式(3)で表されるものが、好ましい。
22/D50v≦C≦43/D50v (3)
【0012】
さらに、トナー粒子の溶融粘度が下記式(4)および(5)で表されるものが、好ましい。
1×105 ≦η(90℃)≦1×106 (4)
1×104 ≦η(100℃)≦1×105 (5)
(式中、η(90℃)およびη(100℃)は、それぞれ90℃、100℃におけるトナーの溶融粘度(Pa・s)を表す。)
【0013】
さらに、外添剤として添加される2種類の無機酸化物微粉末が、シリカおよびチタニアであるのが好ましく、また、シリカの平均粒子径の方がチタニアの平均粒子径よりも大きい方が好ましい。さらにまた、そのチタニアが湿式法で作製されるTiO(OH)2 を部分的に或いは完全にシラン化合物と反応させた、比重2.8〜3.6のチタン化合物であるのが好ましい。
【0014】
また、キャリアは、磁性粒子をカーボンブラックおよび架橋樹脂粒子を分散した、フッ素を含有するマトリックス樹脂で被覆したものが好ましい。
さらに、キャリアは、塩基性カーボンブラックおよび塩基性架橋樹脂粒子を分散した、フッ素を含有するマトリックス樹脂で被覆したものが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の多色画像形成方法について説明する。潜像保持体上に潜像を形成する工程、該潜像保持体上に現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー像を形成する工程、該トナー像を像支持体に直接または間接的に転写する工程、トナー像を像支持体上に熱と圧力で定着する工程を有する。図1は本発明の多色画像形成方法を実施するカラー画像形成装置の概略構成図である。
【0016】
矢印の方向に回転する感光体101の周囲には、帯電器102、回転現像器103、転写ドラム104、クリーナー105、前露光器106、電位センサ108等が配置されている。
感光体101は、暗部において帯電器102により一様帯電される。画像入力装置110から供給されるR(赤)、G(緑)、B(青)各色の濃度信号は、色変換処理回路140によって、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)各色の濃度信号に変換され、変換された濃度信号に応じて、光ビーム走査装置120によって感光体101の露光が行われ、静電潛像が形成される。光ビーム走査装置120は、半導体レーザー121、コレメータレンズ122、ポリゴンミラー123、結像光学系124、光ビームパルス幅変換(PWM)回路130等により構成され、光ビームPWM回路130によって濃度に応じたパルス幅信号に変換された光ビームにより、感光体101に対して走査を行う。
【0017】
回転現像器103は、イエロー、シアン、マゼンタ、黒色の各トナーをそれぞれ有する4台の現像器により構成される。この例においては、各現像器は、二成分磁気ブラシ現像を用いた反転現像方式が採用される。適宜、回転現像器103は回転し、所望のトナーにて静電潛像を現像する。回転現像器103には図示しない現像バイアス回路により交番電界を印加している。現像バイアス回路は交流バイアスを供電する高圧交流電源と直流バイアスを供電する高圧直流電源とを備えている。
【0018】
転写ドラム104は記録材を外周に装着して回転を行う。現像された感光体上のトナー像は、転写帯電器104bによって各色毎に記録材107に転写され、記録材上に多色トナー画像が形成される。なお、104aは記録材吸収用帯電器、104cは剥離用帯電器、104dは剥離爪、104eは除電用帯電器である。
【0019】
この画像形成装置において、黒色、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の順に、静電潛像の形成、現像、転写がそれぞれ行われる。現像によって形成された転写材上のトナー像は、黒色、イエロー、マゼンタ、シアンの各色のトナー像が重ね合わされた構造を有しており、黒色トナー像が最下層になっている。これらの工程により得られたトナー像が転写された転写材は、剥離爪104dにより転写ドラム104から分離された後、定着器109により定着され、多色画像が形成される。
【0020】
本発明においては、像支持体上のトナー重量[TMA]は下記式(6)の関係を満たすことが必要であり、その場合には良好な画像を得ることができる。
ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10−0.10≦[TMA]
≦ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10+0.25 (6)
(ρはトナーの比重、πは円周率、rはトナー粒子の体積平均粒子半径(単位μm)、k=0.144)
本発明において、像支持体上のトナー重量[TMA]=ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10
の意味するところは、粒度測定装置の体積平均粒子半径(単位μm)を用いて、トナーを球と仮定して、像支持体上でトナーが単層六方充填してトナー層を形成した場合における像支持体上のトナー重量である。像支持体上のトナー重量[TMA]がρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10−0.10よりも小さい場合には、万線、網点等のデジタル潜像を単層で覆うことができなくなり、画像にざらつきが生じ、またρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10+0.25よりも大きい場合には、万線と万線の間、あるいは網点と網点の間にトナーの飛び散りが生じ、階調性、粒状性が損なわれる。
【0021】
本発明における粒子径は、粒度測定装置として、コールターカウンターTA−II型を用いて測定した値である。
【0022】
本発明において、像支持体上のトナー重量[TMA]を上記式(6)の関係を満たすようにするためには、具体的には、現像電界もしくはトナー帯電量を制御することにより、トナー重量を変化させることができる。
【0023】
次に、本発明における二成分カラー現像剤について説明する。二成分カラー現像剤の構成成分であるカラートナーは、平均粒子径が3〜9μmの範囲にあることが必要であり、かつ、その粒度分布が下記式(1)および(2)を満足する必要がある。
D16v/D50v≦1.457−0.036×D50v (1)
D50p/D84p≦1.45 (2)
(式中、D16vは体積平均粒子径の大粒子側から計算した16%目の体積粒子径、D50vは体積粒子径の大粒子側から計算した50%目の体積平均粒子径、D50pは個数粒子径の大粒子側から計算した50%目の個数平均粒子径、D84pは個数粒子径の大粒子側から計算した84%目の個数粒子径を表す。単位はμm)
トナー粒子の粒子径が3μmよりも小さくなると、かぶりを生じ、9μmより大きくなると、ザラザラした画質になる。また、D16v/D50vが式(1)の関係を満たさなくなるとザラザラした画質になり、式(2)の関係を満たさなくなると、現像剤寿命が著しく低下する。
【0024】
また、本発明においては、カラートナーは、外添剤として2種類の表面処理無機酸化物微粉末を含有しており、そして、平均粒子径の大きい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して10%以上トナー粒子表面を被覆し、平均粒子径が小さい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して20%以上トナー粒子表面を被覆しており、これら2種の外添剤の合計被覆量がトナー粒子の総比表面積に対して50%以上であることが必要である。平均粒子径の大きい方の外添剤の被覆量が10%よりも少ないと現像転写性が低下し、平均粒子径が小さい方の外添剤の被覆量が20%よりも少ないと粉体流動性が悪くなる。本発明においては、平均粒子径の大きい方の外添剤は粒子径が30〜100nm、平均粒子径が小さい方の外添剤は粒子径が5〜30nmの範囲が好ましい。さらに、外添剤の合計被覆量がトナー粒子の総比表面積に対して50%以上にすることにより長期間安定した画像が得られるようになる。トナー粒子表面における外添剤の被覆量はコールターカウンターで得られたトナーの重量平均粒子径D50v、電子顕微鏡観察から得られる外添剤の平均粒子径d(nm)およびそれらの比重から下記式により求めることができる。
被覆量%=0.2756×D50v×ρt÷d÷ρa×C×100
(ここでρt、ρaはトナーの比重、外添剤の比重であり、Cは外添剤重量をトナー重量で割った値である。)
【0025】
また、本発明において、二成分カラー現像剤の構成成分であるキャリアは、磁性粒子を樹脂で被覆したものであり、その磁性粒子は、平均粒子径30〜50μmであって、粒子径33μm〜44μmの粒子が50重量%以上であり、粒子径22μm以下の粒子が40重量%以下であることが必要である。それにより適正な帯電量、適正な現像剤流動性を付与することができるようになる。また、キャリアは、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ50emu/g以上、5emu/g以下および20エルステッド以下であることが必要であり、好ましくはそれぞれ、55〜90emu/gの範囲、0〜3emu/gの範囲、および0〜10エルステッドの範囲にあるものである。また、キャリアは、樹脂で被覆後の電気抵抗値が108 Ωcm〜1011Ωcmであることが必要である。飽和磁化が50emu/gよりも小さい場合には、キャリアが現像され、白抜け等のディフェクトが発生する。残留磁化が5emu/gよりも大きい場合、および保力が20よりも大きい場合には、追加トナーの帯電性が悪くなり、かぶりを生じる。
【0026】
さらに、本発明におけるキャリアは、適正現像重量が得られるときのトナー濃度における磁気ブラシ現像剤層のスリーブ長手方向単位長さ当たりの抵抗(以下、「電気抵抗値」という)が、0.4V/μmの電界強度下で6.2×104 〜6.2×108 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×104 〜6.2×106 Ωの範囲にあることが必要である。本発明におけるキャリアの電気抵抗値は、実際の現像ニップ構成での電気抵抗であり、現像スリーブ上に磁気ブラシを形成させ、感光体と同一サイズのアルミニウムパイプを実際の現像ニップと同じ配置になるように対向させ、スリーブおよびアルミニウムパイプ間に直流電圧を印加し、流れる電流から求めた抵抗を、現像剤で覆われるスリーブ長(単位:cm)で割った値である。上記のような範囲に現像剤層抵抗を制御することにより、低濃度部から高濃度部に至る領域で、画像抜け、ブラシマークの発生を防止することができる。0.4V/μmの電界強度下での抵抗が6.2×108 Ωよりも高くなると、ベタ画像部、特に低濃度部の後端抜けが顕著になり、6.2×104 Ωよりも低くなると、ブラシマークが発生する。また2.0V/μmの電界強度下での抵抗が6.2×106 Ωよりも高くなると、ハーフトーンとベタ画像が接する境界においてハーフトーン後端部抜けが顕著になり、6.2×104 Ωよりも低くなると、同様にブラシマークが発生する。
【0027】
本発明におけるカラートナー粒子は、結着樹脂と着色剤を主成分として構成されるものであり、公知のものが使用できる。代表的な結着樹脂としては、ポリエステル、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。また、着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。トナー中の着色剤量C(重量%)は、下記式(3)の範囲にあることが好ましい。
22/D50v≦C≦43/D50v (3)
すなわち、式(3)の範囲で用いることにより、良好な階調性を得ることができる。
【0028】
またトナー粒子の溶融粘度は、下記式(4)および(5)の範囲にあることが発色性の点で好ましい。なお、溶融粘度は、フローテスターで測定した値である。これらの式の下限を下回ると、紙へのしみ込みが多くなり、画像のあれが発生しやすい。また、上限を上回ると、画像中に気泡が内蔵されやすくなるために、色の再現性が低下する場合がある。
1×105 ≦η(90℃)≦1×106 (4)
1×104 ≦η(100℃)≦1×105 (5)
【0029】
本発明において、トナー粒子に外添される無機酸化物微粒子としては、SiO2 、TiO2 、Al2 3 、CuO、ZnO、SnO2 、CeO2 、Fe2 3 、MgO、BaO、CaO、K2 O、Na2 O、ZrO2 、CaO・SiO2 、K2 O・(TiO2 )n、Al2 3 ・2SiO2 、CaCO3 、MgCO3 、BaSO4 、MgSO4 等を例示することができ、必要に応じて疎水化処理を施したものを使用することができる。これらのうち、シリカとチタニアを併用することが好ましく、その場合、シリカの方が粒子径が大きいことが好ましい。さらに、チタニアとしては、湿式法で作製されるTiO(OH)2 を部分的にまたは完全にシラン化合物と反応させた、比重2.8〜3.6のチタン化合物を用いることが好ましい。このチタン化合物は、湿式法で作製されるTiO(OH)2 にシラン化合物を反応させ、乾燥させて作製される。シラン化合物としては、クロロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン類等を使用できる。本発明における上記のチタン化合物は、通常のチタニアに比べて著しくキャリア付着性が弱いため、キャリア汚染が殆どなく、現像剤をさらに長寿命化し得る。
【0030】
本発明で用いられるキャリアのコアを構成する磁性粒子としては、鉄、コバルト、ニッケル等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物が使用できる。また磁性粒子を被覆する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニルおよびポリビニリデン樹脂としては、例えば、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;シリコーン樹脂;フッ素含有樹脂;フッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂;エポキシ樹脂等があげられる。また、フッ素を含有する樹脂がキャリア汚染性の点で好ましく用いられる。例えば、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量体のターポリマーのようなフルオロターポリマー等があげられる。さらに、フッ素含有樹脂中に、カーボンブラックおよび架橋樹脂粒子を分散したものが好ましい。カーボンブラックにより、被覆層の抵抗値を制御することにより、キャリア電気抵抗値を制御でき、また、フッ素含有樹脂中に、カーボンブラックおよび架橋樹脂粒子を分散することにより、フッ素含有樹脂を補強でき、樹脂被覆層の剥がれを抑制できる。さらに、塩基性カーボンブラックおよび塩基性架橋樹脂粒子は、フッ素含有樹脂中に均一分散するので、それらを使用するのがより好ましい。塩基性架橋樹脂粒子としては、ベンゾグアナミン樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、含チッ素粒子等があげられる。
【0031】
【実施例】
実施例1
市販のデジタルカラー複写機を用いて、ソリッド画像の単位面積当たりのトナー重量をトナー帯電量を変化させることにより、変動させ、画質のざらつき感と単位面積当たりのトナー重量の関係を階調チャートを用いて調べた。デジタルカラー複写機としては、A Color 630(富士ゼロックス社製)を用いた。トナー帯電量はトナー/キャリア比を変えることにより、変化させた。A Color 630においては、マイナス帯電の有機感光体にレーザービームで万線潜像を形成し、マイナス帯電のトナーとキャリアからなる現像剤を、内部に磁石を有する現像ロール上に磁気ブラシを形成させ、有機感光体と摺擦させ、現像バイアスを印加することにより有機感光体上にトナー像を形成し、トナー像を紙等の像支持体上に転写し、ヒートロールにより定着するシステムを採用した。実験は、ポリエステル樹脂(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸/フマル酸の重縮合物、Tg=64℃、Tm=110℃、Mw=1.5万)100重量部中にC.I.ピグメントレッド57:1を8重量部分散させたマゼンタトナーを使用して行った。マゼンタトナーの体積平均粒子径は7.5μmであり、比重は1.2であり、最適トナー重量は、0.52mg/cm2 と計算される。支持体上のトナー重量[TMA]=0.35mg/cm2 の時は、万線が途切れ、支持体上のトナー重量[TMA]=0.80mg/cm2 の時は、トナーの飛び散りが発生し、画質のざらつきが生じた。[TMA]=0.42〜0.77mg/cm2 の範囲で良好な画像が得られた。
【0032】
実施例2
トナーの製造:
分子量Mw:約1.5万のポリエステル樹脂(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸/フマル酸の重縮合物、Tg=64℃、Tm=110℃)100部、着色剤としてC.Iピグメントイエロー17、C.Iピグメントレッド57:1、C.Iピグメントブルー15:3、カーボンブラック(キャボット社製リーガル330)を、それぞれ8部用いてバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に、分級機で分級して平均粒子径7μmのトナー粒子を得た。D16v/D50vはそれぞれ、1.20、1.19、1.19、1.20であり、D50p/D84pはそれぞれ、1.35、1.38、1.30、1.40であった。これらのトナー粒子に対して、平均粒子径16nmの疎水性シリカ(R972、日本アエロジル社製)50%と、平均粒子径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)20%とをヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを得た。
【0033】
キャリアの製造:
マイクロトラックによる粒子径で平均粒子径35μm、粒子径33μm〜44μmの粒子が60重量%、粒子径22μm以下の粒子が30重量%、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ70emu/g、2emu/gおよび12エルステッドのフェライト粒子100重量部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体0.5重量部、トルエン14重量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度90℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、被膜層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアの電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で5.2×106 Ω、2.0V/μmの電界強度下で4.2×105 Ωであった。
【0034】
現像剤組成物の調製:
適正現像重量が得られるように上記トナー5部とキャリア95部をそれぞれ混合して現像剤組成物を調製した。得られた二成分現像剤の電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で5.2×106 Ω、2.0V/μmの電界強度下で4.2×105 Ωであった。
【0035】
比較例1
トナーの製造:
分子量Mw:約1.5万のポリエステル樹脂(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸/フマル酸の重縮合物、Tg=64℃、Tm=110℃)100部、着色剤としてC.Iピグメントイエロー17、C.Iピグメントレッド57:1、C.Iピグメントブルー15:3、カーボンブラック(リーガル330、キャボット社製)をそれぞれ8部用いてバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に、分級機で分級して平均粒子径7μmのトナー粒子を得た。D16v/D50vはそれぞれ、1.25、1.27、1.30、1.35であり、D50p/D84pはそれぞれ、1.47、1.50、1.50、1.55であった。これらのトナー粒子に対して、平均粒子径16nmの疎水性シリカ(R972、日本アエロジル社製)50%と平均粒子径40nmの疎水性シリカ(RX50、日本アエロジル社製)20%とをヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを得た。
キャリアの製造、現像剤組成物の調製は実施例2と同様に行った。
【0036】
比較例2
トナーの製造:
分子量Mw:約1.5万のポリエステル樹脂(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸/フマル酸の重縮合物、Tg=64℃、Tm=110℃)100部、着色剤としてC.Iピグメントイエロー17、C.Iピグメントレッド57:1、C.Iピグメントブルー15:3、カーボンブラック(リーガル330、キャボット社製)をそれぞれ8部用いてバンバリーミキサーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより微粉砕を行い、更に、分級機で分級して平均粒子径7μmのトナー粒子を得た。D16v/D50vはそれぞれ、1.20、1.19、1.19、1.20であり、D50p/D84pはそれぞれ、1.35、1.38、1.30、1.40であった。これらのトナー粒子に対して、平均粒子径16nmの疎水性シリカ(R972、日本アエロジル社製)70%をヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを得た。
キャリアの製造、現像剤組成物の調製は実施例2と同様に行った。
【0037】
比較例3
キャリアの製造:
マイクロトラックによる粒子径で平均子粒径35μm、粒子径33μm〜44μmの粒子が50重量%、粒子径22μm以下の粒子が43重量%、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ70emu/g、2emu/gおよび12エルステッドのフェライト粒子100重量部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体0.5重量部、トルエン14重量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度90℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、被膜層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアの電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で5.2×106 Ω、2.0V/μmの電界強度下で4.2×105 Ωであった。
トナーの製造、現像剤組成物の調製は実施例2と同様に行った。
【0038】
比較例4
キャリアの製造:
マイクロトラックによる粒子径で平均粒子径35μm、粒子径33μm〜44μmの粒子60重量%、粒子径22μm以下の粒子が30重量%、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ45emu/g、2emu/gおよび12エルステッドのフェライト粒子100重量部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体0.5重量部、トルエン14重量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度90℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、被膜層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアの電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で5.2×106 Ω、2.0V/μmの電界強度下で4.2×105 Ωであった。
トナーの製造、現像剤組成物の調製は実施例2と同様に行った。
【0039】
比較例5
マイクロトラックによる粒子径で平均粒子径35μm、粒子径33μm〜44μmの粒子が60重量%、粒子径22μm以下の粒子が30重量%、飽和磁化、残留磁化、保力がそれぞれ70emu/g、2emu/g、12エルステッドのフェライト粒子100重量部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体3重量部、トルエン14重量部を真空脱気型ニーダーに入れ、温度90℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、被膜層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアの電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で7.2×109 Ω、2.0V/μmの電界強度下で1.2×108 Ωであった。
トナーの製造、現像剤組成物の調製は実施例2と同様に行った。
【0040】
実施例2〜比較例5の現像剤の評価
実施例1と同様にA Color 630(富士ゼロックス社製)を用いて、紙上のTMAが単色ごとの0.3mg/cm2 の場合と、0.5mg/cm2 の場合と、0.8mg/cm2 の場合とで、画質レベルを評価した。評価チャートは階調チャートであり、限度見本により評価した。評価はG1〜G6のグレードで行った。G6が最も良いレベルであることを意味する。結果を表1に示す。表1の結果から、本発明のカラー現像剤および画像形成方法によって、良好な画質を得ることができることが分かる。
【0041】
【表1】
Figure 0003543522
【0042】
実施例3
実施例2において、着色剤を5重量部用いた以外は、実施例2と同様にして現像剤を作製し評価した。得られたカラー現像剤を用いて良好な画質を得ることができた。結果を表2に示す。
実施例4
実施例3において、結着樹脂を分子量Mw=1.0万のポリエステル樹脂(ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/テレフタル酸/フマル酸の重縮合物、Tg=60℃、Tm=105℃)に変えた以外は、実施例3と同様にして現像剤を作製し評価した。このトナーは90℃における溶融粘度が約5×105 Pa.sであり、100℃における溶融粘度が約5×104 Pa.sであった。得られたカラー現像剤を用いて、良好な画質を得ることができた。結果を表2に示す。
【0043】
【表2】
Figure 0003543522
【0044】
実施例5
実施例4において、粒子径が小さい方の外添剤を、デシルトリメトキシシランで5重量%になるように表面を処理した平均粒子径15nmのルチル型チタニアに変えた以外は、実施例4と同様にして現像剤を作製し評価した。画質レベルは実施例4とほぼ同等であったが、環境変動に対して画質レベルが安定していた。
【0045】
実施例6
硫酸法または塩酸法の中間生成物であるTiO(OH)2 を使用した。すなわち、イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄分を分離し、TiOSO4 を加水分解して生成させたTiO(OH)2 を用いた。その100重量部に対して40重量部に当たるイソブチルトリメトキシシランを混合し、加熱して反応させた。水洗、ろ過し、120℃で乾燥し、ピンミルでソフト凝集をほどき、平均粒子径25nm、比重3.1のチタニアを得た。実施例5における小さい方の外添剤を、上記得られたチタニアに変えた以外は、実施例5と同様にして現像剤を作製し評価した。得られたカラー現像剤を用いることによって良好な画質を得ることができた。結果を表3に示す。
【0046】
実施例7
マイクロトラックによる粒子径で平均粒子径35μm、粒子径33μm〜44μmの粒子が60重量%、粒子径22μm以下の粒子が25重量%、飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ65emu/g、3emu/gおよび10エルステッドのMn−Mgフェライト粒子100重量部に、パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(共重合比3:7、重量平均分子量:6万)3重量部、トルエン14重量部、カーボンブラック(リーガル400、キャボット社製)0.24重量部、平均粒子径0.3μmのポリメチルメタクリレート粒子0.3重量部をあらかじめ撹拌混合したものを加え、真空脱気型ニーダーに入れ、温度90℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、被膜層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアの電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で7.2×106 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×105 Ωであった。トナーの製造、現像剤組成物の調製は実施例6と同様に行った。得られたカラー現像剤を用いることによって良好な画質を得ることができた。結果を表3に示す。
【0047】
実施例8
マイクロトラックによる粒子径で平均粒子径35μm、粒子径33μm〜44μmの粒子が60重量%、粒子径22μm以下の粒子が25重量%、飽和磁化、残留磁化および保力が、それぞれ65emu/g、3emu/gおよび10エルステッドのMn−Mgフェライト粒子100重量部に、パーフルオロオクチルエチルアクリレート−メチルメタクリレート共重合体(共重合比3:7、重量平均分子量:6万)3重量部、トルエン14重量部、塩基性カーボンブラック(バルカンXC72、キャボット社製)0.3重量部、平均粒子径0.3μmの塩基性架橋メラミン粒子0.3重量部をあらかじめ撹拌混合したものを加え、真空脱気型ニーダーに入れ、温度90℃において30分撹拌した後、減圧してトルエンを留去して、被膜層を形成してキャリアを得た。得られたキャリアの電気抵抗値は、0.4V/μmの電界強度下で7.2×106 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×105 Ωであった。トナーの製造、現像剤組成物の調製は実施例7と同様に行った。得られカラー現像剤を用いることにより良好な画質を得ることができた。結果を表3に示す。さらに、実施例2に比べて10万枚のプリントテストでトライボの低下が半減し、現像剤寿命が大幅に向上した。
【0048】
【表3】
Figure 0003543522
【0049】
【発明の効果】
本発明の多色画像形成方法は、上記の構成を有するから、高画質のフルカラー画像を得ることができる。また、本発明のカラー二成分系現像剤は、極端にトナー粒子径を小さくすることなしに、高画質のフルカラー画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多色画像形成方法を実施するためのカラー画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
101…感光体、102…帯電器、103…回転現像器、104…転写ドラム、105…クリーナー、106…前露光器、107…記録材、108…電位センサ、109…定着器、110…画像入力装置、120…光ビーム走査装置、121…半導体レーザー、122…コレメータレンズ、123…ポリゴンミラー、124…結像光学系、130…光ビームPWM回路、140…色変換処理回路、

Claims (15)

  1. カラートナー及びキャリアとからなるカラー二成分系現像剤において、該カラートナーが平均粒子径3〜9μmを有し、かつ、その粒度分布が下記式(1)および(2)を満足するものであり、該カラートナーが外添剤として2種類の無機酸化物微粉末を有しており、平均粒子径の大きい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して10%以上トナー粒子表面を被膜し、平均粒子径が小さい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して20%以上トナー粒子表面を被膜し、これら2種の外添剤の合計被覆量がトナー粒子の総比表面積に対して50%以上であり、該キャリアは、磁性粒子を樹脂で被覆したものであり、該磁性粒子は平均粒子径が30〜50μmであって、粒子径33μm〜44μmの粒子を50重量%以上、22μm以下の粒子を40重量%以下含有するものであり、かつ、キャリアは、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保磁力がそれぞれ50emu/g以上、5emu/g以下および20エルステッド以下であり、現像剤の磁気ブラシ現像剤層のスリーブ長手方向単位長さ当たりの抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で6.2×104 〜6.2×108 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×104 〜6.2×106 Ωの範囲にあることを特徴とするカラー二成分系現像剤。
    D16v/D50v≦1.457−0.036×D50v (1)
    D50p/D84p≦1.45 (2)
    (式中、D16vは体積平均粒子径の大粒子側から計算した16%目の体積粒子径(μm)、D50vは体積粒子径の大粒子側から計算した50%目の体積平均粒子径(μm)、D50pは個数粒子径の大粒子側から計算した50%目の個数平均粒子径(μm)、D84pは個数粒子径の大粒子側から計算した84%目の個数粒子径(μm)を表す。)
  2. トナー中の着色剤量C(重量%)が下記式(3)で表される範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のカラー二成分系現像剤。
    22/D50v≦C≦43/D50v (3)
  3. トナー粒子の溶融粘度が下記式(4)および(5)で表される範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載のカラー二成分系現像剤。
    1×105 ≦η(90℃)≦1×106 (4)
    1×104 ≦η(100℃)≦1×105 (5)
    (式中、η(90℃)およびη(100℃)は、それぞれ90℃、100℃におけるトナーの溶融粘度(Pa・s)を表す。)
  4. 外添剤が、シリカ及び酸化チタン系化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のカラー二成分系現像剤。
  5. シリカよりも酸化チタン系化合物の平均粒子径が小さいことを特徴とする請求項4に記載のカラー二成分系現像剤。
  6. キャリアが、カーボンブラックおよび樹脂粒子を分散したフッ素を含有するマトリックス樹脂により被覆した磁性粒子であることを特徴とする請求項1に記載のカラー二成分系現像剤。
  7. カーボンブラックが塩基性カーボンブラックであることを特徴とする請求項6に記載のカラー二成分系現像剤。
  8. 樹脂粒子が架橋樹脂粒子であることを特徴とする請求項6に記載のカラー二成分系現像剤。
  9. 樹脂粒子が塩基性架橋樹脂粒子であることを特徴とする請求項8に記載のカラー二成分系現像剤。
  10. 潜像保持体上に潜像を形成する工程、該潜像保持体上に現像剤担持体上の現像剤を用いてトナー像を形成する工程、該トナー像を像支持体に直接または間接的に転写する工程、トナー像を像支持体上に熱および圧力によって定着する工程を有する多色画像形成方法において、現像剤担持体上の現像剤が、カラートナー及びキャリアとからなり、該カラートナーが平均粒子径3〜9μmを有し、かつ、その粒度分布が下記式(1)および(2)を満足するものであり、該カラートナーが外添剤として2種類の無機酸 化物微粉末を有しており、平均粒子径の大きい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して10%以上トナー粒子表面を被覆し、平均粒子径が小さい方の外添剤がトナー粒子の総比表面積に対して20%以上トナー粒子表面を被覆し、これら2種の外添剤の合計被覆量がトナー粒子の総比表面積に対して50%以上であり、該キャリアは、磁性粒子を樹脂で被覆したものであり、該磁性粒子は平均粒子径が30〜50μmであって、粒子径33μm〜44μmの粒子を50重量%以上、粒子径22μm以下の粒子を40重量%以下含有するものであり、かつ、キャリアは、3000エルステッドにおける飽和磁化、残留磁化および保磁力が、それぞれ50emu/g以上、5emu/g以下および20エルステッド以下であり、現像剤の磁気ブラシ現像剤層のスリーブ長手方向単位長さ当たりの抵抗が、0.4V/μmの電界強度下で6.2×10 4 〜6.2×10 8 Ω、2.0V/μmの電界強度下で6.2×10 4 〜6.2×10 6 Ωの範囲にあり、トナー粒子の体積平均粒子径[D 50 v](μm)と単色最大濃度を発現する時の像支持体上のトナー重量[TMA](mg/cm 2 )とが下記式(6)の関係を満たすように現像および転写を行うことを特徴とする多色画像形成方法。
    16 v/D 50 v≦1.457−0.036×D 50 (1)
    50 p/D 84 p≦1.45 (2)
    (式中、D 16 vは体積平均粒子径の大粒子側から計算した16%目の体積粒子径(μm)、D 50 vは体積粒子径の大粒子側から計算した50%目の体積平均粒子径(μm)、D 50 pは個数粒子径の大粒子側から計算した50%目の個数平均粒子径(μm)、D 84 pは個数粒子径の大粒子側から計算した84%目の個数粒子径(μm)を表す。)
    ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10−0.10≦[TMA]
    ≦ρ×(4/3)πr3 ×(k/r3 2/3 /10+0.25 (6)
    (ここで、ρはトナーの比重、πは円周率、rはトナー粒子の体積平均粒子半径(単位μm)、k=0.144を表す。)
  11. トナー中の着色剤量C(重量%)が下記式(3)で表される範囲内にあることを特徴とする請求項10に記載の多色画像形成方法。
    22/D 50 v≦C≦43/D 50 (3)
  12. トナー粒子の溶融粘度が下記式(4)および(5)で表される範囲内にあることを特徴とする請求項10に記載の多色画像形成方法。
    1×10 5 ≦η(90℃)≦1×10 6 (4)
    1×10 4 ≦η(100℃)≦1×10 5 (5)
    (式中、η(90℃)およびη(100℃)は、それぞれ90℃、100℃におけるトナーの溶融粘度(Pa・s)を表す。)
  13. 外添剤が、シリカ及び酸化チタン系化合物を含有することを特徴とする請求項10に記載の多色画像形成方法。
  14. シリカよりも酸化チタン系化合物の平均粒子径が小さいことを特徴とする請求項13に記載の多色画像形成方法。
  15. キャリアが、カーボンブラックおよび樹脂粒子を分散したフッ素を含有するマトリックス樹脂で被覆した磁性粒子であることを特徴とする請求項10に記載の多色画像形成方法。
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