JP2007304493A - 電子写真用現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】トナー帯電量の環境安定性の改善を図り、高画質な画像を安定して得ることができる電子写真用現像剤を提供することである。
【解決手段】トナー及びキャリアからなる二成分現像剤であって、前記トナーが、トナー母粒子と、異なる表面処理剤により表面処理された粒径の異なる外添剤粒子A及び外添剤粒子Bとを有してなり、前記外添剤粒子Aの平均一次粒子径が80nm以上、外添剤粒子Bの平均一次粒子径が60nm以下であり、極板電極法による外添剤粒子A及びBの各々の帯電極性をQ1及びQ1、前記外添剤粒子A及びBに各々用いた表面処理剤の分子量をX及びXとしたとき、これらが下記式(1)及び式(2)の関係を満たす電子写真用現像剤である。
(−)Q1<0<Q1(+) ・・・ 式(1)
<X ・・・ 式(2)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等において、静電潜像の現像のために使用する電子写真用現像剤に関する。
電子写真法は、潜像担持体(感光体)表面に形成された静電潜像を、着色剤を含むトナーで現像し、得られたトナー画像を被記録体表面へ転写し、これを熱ロール等で定着することにより画像が得られるものである。また、他方、その潜像担持体は再び静電潜像を形成するためにクリーニングされる。
このような電子写真法等に使用される乾式現像剤(電子写真用現像剤)は、結着樹脂に着色剤等を配合したトナーを単独で用いる一成分現像剤と、そのトナーにキャリアを混合した二成分現像剤とに大別される。さらに、一成分現像剤は、磁性粉を用い磁気力により現像剤担持体で搬送され、現像される磁性一成分現像剤と、磁性粉を用いず現像ロール等により現像剤担持体で搬送され、現像される非磁性一成分現像剤とに分類することができる。
近年では、カラー機も普及し、特にこれらの中速、高速機には二成分現像剤が用いられている。特に、フルカラー画質に関しては高級印刷、銀塩写真に近い高画質品位が望まれている。
高画質を達成する手段としてはデジタル化処理が不可欠であり、このような画質に関するデジタル化の効能としては、複雑な画像処理が高速で行えることが挙げられる。このことにより、文字と写真画像を分離して制御することが可能となり、両品質の再現性がアナログ技術に比べ大きく改善されている。
一方で、画像出力としては光学系で作製された潜像を忠実に作像する必要があり、トナーとしては益々小粒径化が進み忠実再現を狙った活動が加速されている。
しかし、トナーを小粒径化することで単位重量あたりのトナー表面積が上がるため、大粒径トナーに比べ帯電量が高くなる。これは、現像/転写において、同一の電界では小径の方が現像/転写量が減ずることを意味する。特に、低温低湿下では帯電が高くなるため現像/転写が行いにくい。
逆に、小粒径化すると、大粒径トナーに比べ表面積が増し、吸湿性が高くなる。摩擦帯電において吸着水は帯電の悪化を生じさせるため、高湿下での帯電低下が生じやすい。帯電低下が生じると、逆極トナーによるカブリや、低帯電トナーのクラウドといった問題が生じる。
つまり、小粒径トナーにおける帯電設計では、低温低湿下で高帯電量にならず、高温高湿下で低帯電量にならない、環境差が良好な(環境変動が少ない)トナー設計が必要となる。
従来、上記トナーの基礎特性である帯電制御、粉体特性改善、転写性付与の目的で、トナー表面への微粒子外添が行われてきた。特に無機微粒子の添加は、トナー流動性を改善させ、帯電レベルを上げたり転写特性を改善したりするために用いられてきた有効な手段である。上記環境差を改善する目的で、外添剤設計としては以下が検討されている。
例えば、トナーやキャリアに対する極性に着目して外添剤粒子を選択して、環境特性を含めたトナーの帯電性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜6参照)。しかし、キャリアと逆極性及び正極性に帯電する外添剤の併用は、量や種類の調整により、トナー全体としての帯電レベルや環境差の制御自体は改善可能であるが、この正極の外添剤がキャリアと帯電する際にキャリア表面に逆極の帯電を発生させることがあり、これがトナーの帯電分布を広くさせ、トナー追加時の応答性が悪くなり、結局カブリやクラウドといった問題を発生させることがあった。
また、トナーと逆極の外添剤を用いることは、トナーの帯電性を下げることになり、単に帯電量の低いトナーの挙動をとることとなる。また、外添剤はトナーに付着しているため、トナーと外添剤との間には摩擦帯電は殆ど発生しない。つまり、帯電を下げる目的には使用できるが、高温高湿下の帯電レベルを上げる、あるいは環境差を良化させる目的には、キャリアとの帯電を調整しなければ、上記課題である環境差やカブリ、クラウドといった問題を解決できない。
また、外添剤として帯電レベルの異なるシリカとアルミナを用いている試みがなされている(例えば、特許文献7参照)。ここでは、シリカ粒子は−50〜−150μC/gと強い負帯電性を示し、アルミナは+10〜−30μC/gと弱い負帯電性のため、環境でトナーのチャージアップ防止のためにアルミナ量を調整して加えるとある。確かに高い帯電の外添剤と低い帯電の外添剤とを混合することで、帯電量を調整することは過去広く使われてきた手法である。これは、外添剤コア種に限ったことではなく、表面処理剤種、処理剤量、等による調整と同義である。しかしながら、この手法は単に帯電を下げるだけで、改善効果は十分ではない。さらに、環境差の悪い外添剤と環境差の良い外添剤とを併用しても、環境差は悪い外添剤が支配的となり、決して良い外添剤の環境差を示すことは無かった。
このように、トナーの帯電の環境差を改善するために、種々の外添剤粒子の添加が検討されているが、今だこれらが実機での維持性も含めて両立できるものが確立されていないのが現状である。
特開昭61−250658号公報 特公平7−113788号公報 特開平4−142558号公報 特開平8−227178号公報 特開平9−160282号公報 特開平10−20540号公報 特開2003−107793号公報
本発明は、前記従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
すなわち、本発明は、トナー帯電量の環境安定性の改善を図り、高画質な画像を安定して得ることができる電子写真用現像剤を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意研究を重ねた結果、トナー表面に外添される外添剤粒子の粒径とそれらの特性との関係を最適化することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
<1> トナー及びキャリアからなる二成分現像剤であって、
前記トナーが、トナー母粒子と、異なる表面処理剤により表面処理された粒径の異なる外添剤粒子A及び外添剤粒子Bとを有してなり、
前記外添剤粒子Aの平均一次粒子径が80nm以上、外添剤粒子Bの平均一次粒子径が60nm以下であり、極板電極法による外添剤粒子A及びBの各々の帯電極性をQ1及びQ1、前記外添剤粒子A及びBに各々用いた表面処理剤の分子量をX及びXとしたとき、これらが下記式(1)及び式(2)の関係を満たす電子写真用現像剤である。
(−)Q1<0<Q1(+) ・・・ 式(1)
<X ・・・ 式(2)
<2> 前記外添剤粒子A及び外添剤粒子Bの前記キャリアとのブローオフ法による摩擦帯電量(μC/g)を各々Q2及びQ2としたとき、これらが下記式(3)の関係を満たす<1>に記載の電子写真用現像剤である。
Q2<Q2<0 ・・・ 式(3)
<3> 前記外添剤粒子Aのコア材が、シリカである<1>または<2>に記載の電子写真用現像剤である。
<4> 前記外添剤粒子Bのコア材が、酸化亜鉛及び/またはアルミナである<1>〜<3>のいずれかに記載の電子写真用現像剤である
<5> 前記トナーが、湿式造粒法により作製される<1>〜<4>のいずれかに記載の電子写真用現像剤である。
<6> 前記湿式造粒法が、乳化凝集法である<5>に記載の静電荷像現像用トナーである。
<7> 前記外添剤粒子Aの形状が球状であり、真比重が2.5以下である<1>〜<6>のいずれかに記載の電子写真用現像剤である。
本発明によれば、トナー帯電量の環境安定性の改善を図り、高画質な画像を安定して得ることができる電子写真用現像剤を提供することができる。
以下、本発明について詳述する。
本発明の電子写真用現像剤は、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤であって、前記トナーが、トナー母粒子と、異なる表面処理剤により表面処理された粒径の異なる外添剤粒子A及び外添剤粒子Bとを有してなり、前記外添剤粒子Aの平均一次粒子径が80nm以上、外添剤粒子Bの平均一次粒子径が60nm以下であり、極板電極法による外添剤粒子A及びBの各々の帯電極性をQ1及びQ1、前記外添剤粒子A及びBに各々用いた表面処理剤の分子量をX及びXとしたとき、これらが下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする。
Q1<0<Q1 ・・・ 式(1)
<X ・・・ 式(2)
トナーの帯電性をコントロールする上での外添剤設計は非常に重要であり、特に前記帯電量の環境変動を改善するためには複数種の外添剤を用いて、各々の機能を複合させる手段が有効と考えられる。しかし前述のように、これまでの検討においては、環境変動の改善が十分でなかったり、派生する他の問題があったりして、十分な効果が得られていなかった。
本発明者等は、上記問題に対し、トナーの帯電性に大きく影響する複数の外添剤に関し、特に外添剤粒子同士の帯電に着目して帯電メカニズム、帯電寄与因子等について検討した。その結果、粒径の異なる外添剤粒子を用いた場合、大粒径外添剤粒子は小粒径外添剤粒子とは異なりトナーへの付着力が弱く、キャリアと摺擦する際トナー母粒子表面を移動していることがわかった。
本発明者等が鋭意検討した結果、トナーの粒径、樹脂種、表面性、付着方法等にも左右されるが、80nm以上の粒径であると付着性が弱くなり、トナー表面を移動しやすいことが確認された。本発明においては、このトナー表面に存在するが、キャリアとの摩擦攪拌中にトナー表面を移動できる特徴を持つ粒径が80nm以上の外添剤を、大粒径外添剤という場合がある。
更に確認すると、小粒径外添剤粒子と大粒径外添剤粒子とを併用した場合、前記大粒径外添剤粒子の移動により小粒径/大粒径の外添剤粒子同士が相互帯電していることがわかった。これは、小粒径外添剤粒子同士では生じていなかった現象である。また、様々な外添剤を組み合わせ評価した結果、外添剤粒子同士の帯電は、帯電列に由来する傾向があることも判明した。
本発明では、上記現象を利用して、前述のキャリアとの帯電差を利用した外添剤設計等とは違う設計指針で、高温高湿下の帯電を下げることなく、低温低湿環境下での帯電上昇を抑えることを可能にした。
すなわち、(1)少なくとも小粒径及び大粒径の2つ外添剤粒子を用い、キャリアに対してはどちらもマイナス帯電性とし、かつ大粒径外添粒子より小粒径外添剤粒子の方がキャリアに対してマイナス帯電性が強くなるようにする、さらに(2)外添剤粒子同士を摩擦帯電させた場合には、大粒径外添剤粒子の方が小粒径外添剤粒子よりマイナス帯電性が強くなるようにする。つまり、キャリアに対しては小粒径より大粒径外添のマイナス帯電が強く、外添剤同士では大粒径より小粒径外添のマイナス帯電が強くなる、というそれぞれ相反する帯電設計を行うことで、低温低湿環境での帯電上昇を抑え、高温高湿環境での帯電量を底上げできることが見い出された。
この相反する帯電設計を実現させるために、本発明者等は鋭意検討を行い、キャリアと外添剤との帯電、外添剤同士の帯電に着目し。それらを左右する因子を見出した。すなわち、キャリアと外添剤粒子との帯電には主として外添剤の表面処理剤による寄与が大きく、外添剤粒子同士の摩擦帯電にはコア材(外添剤コア)種による寄与が大きいことがわかった。したがって、これらを利用した材料の選択を行うことで、前記(1)、(2)に示したキャリアと外添剤粒子との帯電設計、及び外添剤粒子同士の帯電設計を行うことができ、帯電量の環境変動を抑制し、かつ、帯電分布の広がりやトナー追加時応答性に優れた電子写真用現像剤が提供できることとなった。
より具体的には、外添剤粒子同士の摩擦帯電特性は後述するような極板電極法により見積もることができ、また、キャリアと外添剤粒子との帯電は直接混合してブローオフ法により測定することができるため、前記本発明に規定する条件を満たすことが前記(1)、(2)に示した帯電設計の条件を満たすこととなる。
本発明における大粒径外添剤粒子(外添剤粒子A)の平均一次粒径は80nm以上であることが必要である。80nm未満では、トナーへの付着が強くなり、トナー表面を移動することができず、小粒径外添剤(外添剤粒子B)との相互帯電を生じない。外添剤粒子Aの平均一次粒径は90nm以上であることが好ましく、100nm以上であることがより好ましい。
一方、本発明における小粒径外添剤粒子(外添剤粒子B)の平均一次粒径は60nm以下であることが必要である。60nmを超えると、大粒径外添剤(外添剤粒子A)
と相互帯電しにくくなる。また、外添剤粒子Bもトナー表面を移動しやすくなる。移動しやすい外添剤はトナーの凸部から凹部へ移動するため、帯電サイトである凸部に外添剤が存在しなくなる。凸部外添剤がないと帯電は未外添トナーと同様の帯電となり、外添剤による帯電の効果が得られない。また、凸部に外添剤がないと流動性も悪化する。小粒径外添剤はトナー表面を移動しない大きさであることが好ましい。この大きさが60nm以下である。外添剤粒子Bの平均一次粒径は50nm以下であることが好ましく、40nm以下であることがより好ましい。
なお、上記平均一次粒子径(体積平均粒径)は、後述するようにレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置により粉体ごとに測定することも可能である。また、電子顕微鏡等により観察されるトナー母粒子表面に分散された状態の粒径を一つ一つ測定し、それらの平均値で表すこともできる。この方法では、500個以上の計測を行うことが望ましい
本発明の電子写真用現像剤(以下、単に「現像剤」という場合がある)は、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤である。以下、各々について説明する。
<トナー>
本発明におけるトナーは、トナー母粒子と、異なる表面処理剤により表面処理された粒径の異なる外添剤粒子A及び外添剤粒子Bとを有してなり、更に必要に応じてその他の成分を有してなる。これらについては後述する。
(トナー母粒子)
まず、本発明におけるトナー母粒子について説明する。
本発明におけるトナー母粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有してなり、必要に応じてその他の成分を含有する。
結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;等の単独重合体及び共重合体を例示することができる。
特に、代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等も挙げられる。これらの中では、特にスチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体が好ましい。
また、低温定着性の観点からは、結晶性樹脂も好ましく用いられる。
結晶性樹脂の具体例としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸等の長鎖アルキルのジカルボン酸類、および、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、バチルアルコール等の長鎖アルキル、アルケニルのジオール類を用いたポリエステル樹脂;(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂;等があげられ、定着時の紙への接着性や帯電性、好ましい範囲での融点調整の観点からポリエステル樹脂系の結晶性樹脂が好ましい。
トナー母粒子の着色剤としては、特に制限はなく、染料および顔料のどちらでもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。
好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
また、着色剤として磁性粉を使用することもできる。磁性粉としては、コバルト、鉄、ニッケルなどの強磁性金属、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、鉛、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属の合金や酸化物などの公知の磁性体が使用できる。
以上の着色剤は、単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。本発明のトナーにおける前記着色剤の含有量としては、トナー全原料100質量部に対して、0.1〜40質量部が好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。尚、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
トナー母粒子には、必要に応じて離型剤や帯電制御剤が添加されてもよい。離型剤としては、一般に離型性を向上させる目的で使用される。前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化点を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられる。本発明において、これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
離型剤の含有量としては、トナー母粒子の全原料100質量部に対し好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。1質量部未満であると離型剤添加の効果がない場合があり、20質量部を超えると、帯電性への悪影響が現れやすくなり、また現像機内部においてトナーが破壊されやすくなるため離型剤やトナー樹脂のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れるばかりでなく、例えばカラートナーを用いた場合、定着時の画像表面への染み出しが不十分になり易く、画像中に離型剤が在留しやすくなってしまう場合があるため、透明性が悪化し好ましくない。
離型剤の融点としては50〜120℃が好ましく、より好ましくは60〜100℃である。離型剤の融点が60℃未満では離型剤の変化温度が低すぎることがあり、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりすることがある。融点が、120℃を超えると、ホットオフセットに対しては効果があるものの、実用上トナーが離型剤の融点まで加熱されない場合があり、実質的に離型剤の作用を示さないことがある。
帯電制御剤は、一般に帯電性を向上させる目的で使用される。前記帯電制御剤としては、クロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料等の含金属アゾ化合物;サリチル酸金属錯体、ニグロシンや4級アンモニウム塩等が挙げられる。
本発明におけるトナー母粒子は、特に製造方法により限定されるものではなく、公知の方法で得ることができる。具体的には、例えば、結着樹脂及び着色剤と、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー母粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と、着色剤、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂及び着色剤と、必要に応じて離型剤及び帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が挙げられる。
また上記方法で得られたトナー母粒子をコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法を行ってもよい。トナー母粒子の形状制御性の観点から、乳化重合凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法のいずれかの湿式造粒法であることが好ましく、乳化重合凝集法を含めた乳化凝集法であることがより好ましい。
以上のようにして製造したトナー母粒子の粒径は、小径であることが画質を向上させる目的で好ましい。ただし、あまり小径となると帯電、流動性の観点から、従来のシステムでは現像が困難となる。つまり、体積平均粒径で2〜8μmの範囲であることが好ましく、更に4〜7μmの範囲であることがより好ましい。
体積平均粒径が8μmを超えると、細線の再現性、ハーフトーンの粒状性等の画質が悪化し、写真画質等を出力した際、良好な画質を得ることが難しい。また、2μm未満であると、粉体特性及び帯電特性が非常に悪化し、従来のマシンによる高速での出力は困難となることがある。
上記粒度測定法は、公知の方法を用いればよい。測定装置としてはコールターカウンターTA−II型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用する。測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加する。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として50μmアパーチャーを用いて、粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。測定する粒子数は50000とすることが好ましい。このようにして求めた体積平均分布における小径側からの50%の粒径として体積平均粒径を得る。
既述の結晶性樹脂を用いる場合は、結着樹脂の融点は、50〜180℃であることが好ましく、60〜150℃であることがより好ましい。前記融点が50℃より低いと、トナーの保存性や、定着後の画像の保存性が問題となることがある。また、180℃より高いと、マシンの消費電力が高くなり経済的でないことがある。
また、結晶性樹脂の場合には、複数の融解ピークを示す場合があるが、本発明においては、最大のピークをもって融点とみなす。なお、トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)の測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7(示差熱分析計)を用いることができる。装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットして昇温速度10℃/分で測定を行った。
(外添剤粒子)
次に、本発明に用いられる外添剤粒子について述べる。
本発明におけるトナー母粒子には、その表面に異なる表面処理剤により表面処理された粒径の異なる外添剤粒子A及び外添剤粒子Bが分散される。ここで、前記のように外添剤粒子Aの平均一次粒径が80nm以上であり、外添剤粒子Bの平均一次粒径は60nm以下である。
本発明においては、まず、極板電極法による外添剤粒子A及びBの各々の帯電極性をQ1及びQ1としたとき、これらが式(1)の関係を満たす必要がある。
(−)Q1<0<Q1(+) ・・・ 式(1)
本発明における極板電極法とは、後述するように外添剤粒子同士の摩擦帯電特性の指標を得ることができる測定法であり、上記式(1)は外添剤粒子Aと外添剤粒子Bとを摩擦帯電させたとき、大粒径の外添剤粒子Aの方が負帯電性であること(相互摩擦では小粒径の外添剤粒子Bが正帯電となること)を示す。これにより、例えば低温低湿環境でのトナーの帯電量(負)は全体として高くなるものの、同時に起こる外添剤粒子同士の帯電により大粒径粒子の負帯電性が抑えられ、帯電量の上昇を低減させることができる。
また、本発明においてはさらに、前記外添剤粒子A及びBに各々表面処理が施されており、これら表面処理剤の分子量をX及びXとしたとき、これらが下記式(2)の関係を満たすことが必要とされる。
<X ・・・ 式(2)
表面処理剤の分子量は大きいもの程疎水化能力が高いため、外添剤粒子A、B各々に式(2)の関係となる表面処理剤を用いて処理することにより、キャリアと外添剤粒子との摩擦帯電(一般的なキャリアに対するトナーの帯電に影響)において、小粒径の外添剤粒子Bの負帯電量をより高くすることができる。これにより、例えば高温高湿下においてもトナー母粒子表面の多くの部分を占める外添剤粒子Bのキャリアとの帯電性向上により、全体の帯電量を底上げすることができる。
したがって、以上の2つ関係を満たすことにより、低温低湿環境での帯電量上昇を抑え高温高湿環境での帯電量を上げることができるため、帯電量の環境変動を低減することができる。
ここで、上記表面処理剤の分子量Xは以下のように定義される。
(1) 表面処理剤が外添剤コアと反応するカップリング剤の場合
カップリング剤が x−M−Rで表されるとき(xは結合していない官能基、MはSiまたはTi、Rは外添剤コアと結合する反応基)、xの分子量をXとする。例えばヘキサメチルジシラザンは、処理剤の分子量としては161となる。しかし、上記定義ではSiまたはTiを含まず、結合していない官能基xの分子量が処理剤の分子量となるため、(CH=45が分子量Xとなる。
(2)表面処理剤がシリコーンオイルの場合、シリコーンオイルの平均分子量をXとする。
(3)表面処理剤として複数の表面処理剤を用いたとき、混合された表面処理剤中の各成分比率をモル分率で示し、前記表面処理剤ごとの(各モル分率×分子量)の総和を表面処理剤の平均分子量Xとする。
前記外添剤粒子とキャリアとの摩擦帯電性は、通常のトナーの帯電量の測定法と同様にブローオフ法により測定される帯電量Q2により評価することができる。
本発明において、前記式(2)の関係を満たした外添剤粒子A及び外添剤粒子Bについては、前記キャリアとのブローオフ法による摩擦帯電量(μC/g)を各々Q2及びQ2としたとき、これらが下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
Q2<Q2<0 ・・・ 式(3)
前記のようにブローオフ法とは、キャリアと外添剤粒子との摩擦帯電特性の直接判断することができる測定法であり、上記式(3)は外添剤粒子A、Bを各々キャリアと摩擦帯電させたとき、小粒径の外添剤粒子Bの方が負帯電性が大きいこと(該外添剤粒子を表面に分散したトナーの負帯電性が大きいこと)を示す。これにより、前記のように高温高湿環境において外添剤粒子同士の摩擦帯電による帯電量低下があったとしても、トナーの帯電量(負)を全体として高く維持することができる。
本発明における粒径の異なる2つの外添剤粒子A、Bのブローオフ法によるキャリアとの帯電量Q2については、大粒径外添剤粒子AのQ2は5〜200μC/gの範囲、小粒径外添剤粒子BのQ2は10〜1000μC/gの範囲であることが好ましい。
なお、上記ブローオフ法による測定法については後述する。
本発明における外添剤粒子のコア材としては、特に制限されないが、無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、酸化セリウムなど通常トナー表面の外添剤として使うすべての無機微粒子を挙げることができる。また、樹脂微粒子も好ましく用いることができ、この例としては、ポリメチルメタクリレート樹脂、スチレン樹脂、スチレン−メチルメタクリレート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができる。
前記のように、外添剤粒子同士の摩擦帯電はコア材(外添剤コア)により影響される。したがって、本発明においては外添剤粒子同士が前記式(1)の関係を満たすようにするため、大粒径の外添剤粒子Aのコア材としてシリカ、チタニア、樹脂微粒子などを用いることが好ましく、小粒径の外添剤粒子Bのコア材として酸化亜鉛、アルミナ、酸化マグネシウムなどを用いることが好ましい。
特に、外添剤粒子Aのコア材としてシリカ、外添剤粒子Bのコア材として酸化亜鉛及び/またはアルミナを用いる組み合わせが最も好ましい。
本発明においては、外添剤粒子A、Bが異なる表面処理剤によって表面処理される。
疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
前記シランカップリング剤としては、例えばクロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤のいずれかのタイプを使用することも可能である。ここで、表面処理に使用される疎水化処理剤としては次のようなものを例示することができる。
すなわち、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシランを代表的なものとして例示することができる。
本発明においては、粒径の異なる前記外添剤粒子A、Bに関し、これらが前記式(2)の関係を満たす必要があるが、本発明においては、上記観点から選択される表面処理剤として、外添剤粒子Aに対しては、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、エチルメトキシシランなどを用いることが好ましい。また、外添剤粒子Bに対しては、ブチルシラン、ヘキシルシラン、オクチルシラン、デシルシラン、C18シラン、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイルなどを用いることが好ましい。
特に、外添剤粒子Aに対してヘキサメチルジシラザン、外添剤粒子Bに対してデシルシランを用いる組み合わせが最も好ましい。
表面処理剤の処理量は、外添剤コア100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲とすることが好ましい。外添剤粒子A、Bに対して処理量は同一でなくてもよく、好ましくは外添剤粒子Bの処理量を多くすることが好ましい。この場合、外添剤粒子Aへの処理量を0.1〜5質量部の範囲、外添剤粒子Bへの処理量を5〜20質量部の範囲とすることがより好ましい。
なお、上記処理量とは、外添剤粒子に実際に処理されている疎水化処理剤の量ではなく、疎水化処理時に外添剤コアに対して用いた疎水化処理剤の量をいう。
外添剤コアへの各種表面処理剤の処理法としては、水系媒体中で処理する方法、有機溶剤中で処理する方法、気相中で処理する方法が挙げられる。
前記水系媒体中で処理する方法は、無機微粒子等の被処理外添剤コア粒子を一次粒子となるように分散し、例えば前記シラン化合物を加水分解しながら処理をする。また、シリコーンオイルの場合はエマルジョンを利用して処理をする。この処理法では、被処理外添剤コア粒子を製造してから乾燥工程を経ずに、水系ペーストのまま水系媒体中に分散できるので、一次粒子に分散し易い。数種の処理剤で処理する時は同時に添加しても良いし、順次添加しても良い。
前記気相法としては、被処理外添剤コア粒子を機械的にあるいは気流で十分に攪拌しながら、処理剤を滴下または噴霧して処理をする方法(これを「気相法1」と称す)がある。この際、反応機を窒素置換したり、50〜350℃に加熱することも好ましい。処理剤の粘度が高い場合には、アルコール、ケトン、炭化水素の如き溶剤を用いて希釈しても良い。また、処理時に反応性を高めるために、アンモニア、アミン、アルコール、水を添加しても良い。この処理法では反応がしっかり行なわれるので、高疎水化と均一性が得られやすい好ましい方法である。
気相法のもう一つの方法として、気相法(塩素法,低温酸化法等)で被処理外添剤コア粒子をキャリアガス中に生成させた直後に(取り出すことをせずに)疎水化処理剤を、場合によっては溶剤で希釈して、気化、霧化し気相中で被処理粒子に処理する方法(これを「気相法2」と称す)がある。この方法では気相法1の利点に加えて、被処理粒子が合一する前に処理が行なわれるので、凝集体ができにくいため好ましい方法である。数種の処理剤で処理する時同時に添加しても良いし、順次添加しても良い。
前記有機溶剤中で処理する方法は、被処理外添剤コア粒子を有機溶剤中に分散させ、疎水化処理剤により処理し、濾別または溶剤を溜去してその後乾燥する方法である。凝集物を減らすために、この後ピンミル、ジェットミルで解砕処理をほどこすことも好ましい。乾燥工程は静置下でも、流動させながらでも良く、50〜350℃程度に加熱することが好ましく、減圧しても良い。有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ヘキサン、アイソパーの如き炭化水素系有機溶剤が好ましく用いられる。分散処理する方法としては、攪拌機、振とう機、粉砕機、混合機、分散機が用いられ、中でもセラミックス、メノウ、アルミナ、ジルコニア等でできたボール、ビーズの如きメディアを用いた分散機が好ましく用いられる。例えば、サンドミル、グレンミル、バスケットミル、ボールミル、サンドグラインダー、ビスコミル、ペイントシェイカー、アトライター、ダイノミル、パールミルがある。
特に好ましい処理法としては、被処理外添剤コア粒子を有機溶剤中に分散させペーストとしてから処理剤を添加して分散機にかける方法、処理剤を含む有機溶剤の被処理粒子ペーストを分散機にかける方法、有機溶剤に処理剤と被処理粒子を加えペーストとしたものを分散機にかける方法、ペーストを分散機にかけながら処理剤を添加する方法がある。有機溶剤中で処理する方法は被処理粒子を分散した状態で処理でき、処理後も合一が起こりにくく、凝集体が発生し難いので好ましい方法である。数種の疎水化処理剤で処理する時はスラリー調製時に同時に添加しても良いし、順次添加しても良いし、分散機にかける時に追加添加しても良い。或いは、数回分散機にかける場合には、分散機にかける毎に、予めスラリー中で添加混合あるいは分散機にかけているときに順次添加しても良い。
処理方法は上記の四つの方法が利用でき、処理剤は同時に処理しても良いし、順不同で数段階に分けて処理しても良い。複数回に分けて処理する場合には、どのような処理法の組み合わせであっても良い。
どの工程を用いても処理後に、ピンミル、ハンマミル、ジェットミルの如き粉砕機を利用し解砕処理をほどこすことも凝集体を減らす上で好ましい。
外添剤コアが酸化チタン微粒子又はアルミナ微粒子の場合には、処理時における合一を防ぎ、凝集体の発生を抑制したり、均一な高疎水化と均一な離型性を達成するために、シラン化合物タイプの処理剤とシリコーンオイルタイプの処理剤とを同時に処理するか(処理剤として両者を同時に添加する)、シラン化合物タイプの処理剤で処理した後シリコーンオイルタイプの処理剤で処理することも可能である。
また、外添剤コアがシリカの場合には、気相法1、気相法2が好ましく、酸化チタンの場合には、水系法、溶剤法、気相法2が好ましく、アルミナの場合には、溶剤法,気相法1、気相法2が好ましく用いられる。
以上のようにして得られる外添剤粒子に関し、本発明においては、大粒径の外添剤粒子Aの形状が球状であり、真比重が2.5以下であることが好ましい。本発明では、大粒径の外添剤粒子がトナー母粒子表面を移動することによる外添剤粒子同士の摩擦帯電を前提としており、外添剤粒子Aの形状が球状でない、あるいは、真比重が2.5を超えると、トナー母粒子表面を移動することができなくなる場合がある。
上記「形状が球状」の定義としては、後述するWadellの球形化度で議論することができ、この球形化度が0.6以上であり、0.8以上であることが好ましい。
また、前記真比重は2.3以下であることがより好ましく、2.0以下であることがさらに好ましい。
本発明におけるトナーには、前記2つの外添剤粒子以外にも、帯電特性、粉体特性、転写特性、クリーニング特性を改善する目的で、無機微粒子、帯電制御剤、潤滑剤、研磨剤、クリーニング助剤等の公知の添加剤を外添加処理してもよい。無機微粒子は公知のものを使用できる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、メタチタン酸、酸化亜鉛、ジルコニア、マグネシア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム等が挙げられる。樹脂微粒子としてはPMMA、ナイロン、メラミン、ベンゾグアナミン、フッ素系などの球状粒子、そして塩化ビニリデン、脂肪酸金属園などの不定形粉末が挙げられる。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなるため有効である。
本発明の静電潜像現像用トナーは、トナー母粒子と外添剤粒子とを混合することで得られるが、この混合(ブレンド)方法については特に制限はなく、公知の方法にて行うことができる。例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー、Q型ミキサー、ハイブリダイゼーションシステム等を用いた乾式法でもよいし、トナー母粒子を湿式製法で作成した場合、そのまま湿式法にてブレンドしてもよい。また、ブレンドによって発生する粗粉を除去する為にブレンド工程の後に篩分をした方が好ましい。なお、本発明の静電潜像現像用トナーには、必要に応じて、公知のクリーニング補助材料を混合添加してもよい。
前記2つの外添剤粒子A、Bの添加量はトナー母粒子100質量部に対して、各々0.1〜10質量部の範囲とすることが好ましい。0.1質量部未満では前記各粒子の機能が発揮できない場合がある。10質量部を超えるとトナー母粒子表面に付着しきれず剥離等を起こして画質欠陥の原因となる場合がある。
より詳細には、各外添剤粒子によるトナー母粒子表面の下記式(4)で表される被覆率(カバレッジ)Fは、各々5〜80%の範囲が好ましい。5%未満であると、各粒子の機能が発現せず、80%を超えると他の外添剤の機能が発現し難くなる場合がある。また、3つの外添剤共に80%を超えると合計で240%を超えるカバレッジになり、外添剤の脱離による機内汚染や、OHPを出力した際、画像の透過性が悪化する場合がある。
F=√3・D・ρ t ・(2π・d・ρ a )−1・C×100 ・・・ 式(4)
(上記式中、Fは被覆率(%)、Dはトナー母粒子の体積平均粒径(μm)、ρ t は着色粒子の真比重、dは外添剤の平均一次粒子径(μm)、ρ a は外添剤の真比重、およびCは外添剤の質量x(g)とトナー母粒子の質量y(g)との比(x/y)をそれぞれ表す。)
本発明の静電潜像現像用トナーは、以上のような製造方法によって好適に製造することができるが、この製造方法に限定されるものではない。
本発明におけるトナーの体積平均粒子径としては、2〜8μmの範囲が好ましく、3〜6μmの範囲がより好ましい。また、数平均粒子径としては、2〜8μmの範囲が好ましい。また、粒度分布の指標である(体積平均粒子径÷数平均粒子径)の値としては、1.6以下が好ましく、1.5以下がさらに好ましい。この値が1.6より大きいと粒度分布の広がりが大きくなるため、帯電量の分布も広くなってしまい、逆極性トナーやローチャージトナーが発生しやすくなる。
さらに、本発明におけるトナーの形状係数SF1は110〜140の範囲にあることが好ましい。
形状係数SF1が110未満であると、感光体上の転写残トナーのブレードクリーニング性を損ない、140を超えるとトナーの流動性が低下し、初期から転写性に悪影響を及ぼすことがある。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(5)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(5)
上記式(5)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(5)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
<キャリア>
本発明の電子写真用現像剤は、前記トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤である。
キャリアとしては、芯材上に、マトリックス樹脂中に導電材料が分散含有された樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを用いることが、帯電制御性、抵抗制御性において好ましい。キャリア芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。10μmより小さいと、キャリア1粒あたりの磁力が低下し、キャリア飛びが発生しやすい場合がある。100μmより大きいと、トナーへの十分な帯電付与が出来なくなる、画像が悪化する等の問題が生じる場合がある。
キャリアの芯材としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。
被覆樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、フェノール樹脂、アミノ樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μmの範囲であり、好ましくは0.2〜5μmの範囲が好ましい。0.1μm未満であると剥がれ易く、経時でコアを露出させやすくなり、帯電付与能力や抵抗が低下し安定した画質が得られなくなることがある。膜厚が10μmを超えると経時変化は起こりにくいが、抵抗が高くなりすぎる為、画質が悪化することがある。また、流動性も悪化させることがある。
膜厚をあげつつ、抵抗を低抵抗化させる目的で、樹脂マトリクス中に導電粉を含有しても良い。導電材料としては、金、銀、銅といった金属、また酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック、マグネタイト等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料の含有量は、マトリックス樹脂100質量部に対し1〜50質量部であることが好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。
キャリア抵抗が低すぎる場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる。一方、キャリア抵抗が高い場合は、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる。
キャリアの製造方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を微粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。
本発明の電子写真用現像剤(二成分現像剤)におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であることが好ましく、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
以下に、本発明の電子写真用現像剤を用いた画像形成方法について説明する。
画像形成方法としては、例えば潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー画像を転写する転写工程と、潜像担持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程と、転写された画像を熱定着する定着工程を含むものである。そして、前記現像剤として本発明の電子写真用現像剤を使用する。
潜像形成工程とは、潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザー光学系やLEDアレイなどで潜像担持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器が好ましい。接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラー状等の何れでもよいが、ローラー状部材が好ましい。画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
現像工程とは、潜像担持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を接触若しくは近接させて、潜像担持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、潜像担持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を潜像担持体表面に直接接触させ、潜像担持体表面に付着している未転写トナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。最も一般的に採用されている方式として、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。形状係数が小さく、小粒径のクリーニングが行い難いトナーを用いた場合、ブレード材質の反発弾性を上げる事が効果的である。その他、ブレード材質の硬度、押し当て確度、感光体とのニップ量等を調整する事でそれぞれのトナーにあったクリーニング条件を選択できる。
定着工程とは、被記録体表面に転写されたトナー画像を定着装置にて定着する工程である。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラーと、この定着ローラーに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラーあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラーと加圧ローラーあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
本発明の電子写真用現像剤を用いた画像形成方法は、特に制限はなく、従来公知の画像形成装置に適用可能である。具体的な画像形成装置としては、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に2個以上直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、「部」「%」は総て「質量部」「質量%」を意味する。
各実施例、比較例で用いたトナー、キャリア及び現像剤の製造、並びに各測定は以下の方法で行った。
(外添剤の平均一次粒子径、樹脂粒子等の体積平均粒径の測定)
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、マルバーン社製)を用いて行った。
測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積粒度分布に関し、粒径の小さい方から累積して累積50%になったところを体積平均粒径とし、これを本発明における外添剤粒子の平均一次粒子径とした。
なお、外添剤粒子などの各粒子を測定する場合は、界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液50ml中に測定試料を2g加え、超音波分散機(1000Hz)にて2分分散して、試料を作製し、前述の分散液と同様の方法で測定した。樹脂粒子等の体積平均粒径も上記に従って求められる。
(外添剤粒子の球形度)
球形度はWadellの真の球形度Ψを採用し、球形化度は下記式より求めた。
球形度=(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)/(実際の粒子の表面積)
ここで、上記式において、(実際の粒子と同じ体積を有する球の表面積)は、トナーの平均粒径から算術計算で求められる。(実際の粒子の表面積)は、島津紛体比表面積測定装置SS−100型を用い、測定したBET比表面積により代用させた。
(外添剤粒子の真比重)
ルシャテリエ比重瓶を用い、JIS−K−0061の5−2−1に準拠して外添剤の真比重を測定した。操作は次の通りに行った。
(1)ルシャテリエ比重瓶に約250mlのエチルアルコールを入れ、メニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。
(2)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(3)試料を約100g量り取り、その質量をWとする。
(4)量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。
(5)比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2℃になったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確に読み取る。(精度0.025mlとする)
(6)次式により真比重を算出する。
D=W/(L2−L1)
S=D/0.9982
上記式中、Dは試料の密度(20℃)(g/cm3)、Sは試料の真比重(20℃)、Wは試料の見かけの質量(g)、L1は試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(20℃)(ml)、L2は試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(20℃)(ml)、0.9982は20℃における水の密度(g/cm3)である。
(極板電極法による帯電極性Q1)
外添剤各1.00gを幅9cmの乳鉢に入れ、乳棒の自重がかかる程度に軽く30回攪拌した。
一方、縦200mm、横100mm、厚さ2mmの平滑な鉄板2枚と、縦200mm、横10mm、厚さ5mmのプラスチック板2枚とを用意し、一方の鉄板の上に2枚のプラスチック板を縦位置200mmに合わせ鉄板の両端に置いた。また、もう一方の鉄板をこれに乗せ、クリップでとめ、5mm幅の空間を持つ、縦200mm、横80mm(鉄板の両端は10mmのプラスチック板があるため)の平行に配置された鉄板を作製した。これを縦が上下方向になるように設置し、一方の鉄板に+300V、もう一方の鉄板に−300Vの電圧を印加し、これを極板測定器とした。
これに前記得られた混合粉を極板の間に上部から均等にゆっくり流し込んだ。そして、外添剤が付着した極板を走査型電子顕微鏡(SEM)で写真をとり、粒径から外添剤粒子A、Bのどちらが正、負に帯電するか確認した。この場合、+300V側に付着している外添剤粒子はマイナス帯電、−300V側に付着している外添剤粒子はプラス帯電となる。流動性の悪いものは、両方の極板に付着する為、100個の粒子の観察で70個以上存在するものをそちらの極板に引かれる外添剤であるとみなした。
(ブローオフ法による帯電量Q2)
測定する外添剤粒子の粒径と比重とから、キャリアに対するカバレッジを計算し、キャリアに対する外添剤粒子のカバレッジが200%となる外添剤仕込み量を下記式より求めた。
200(%)=(√3/2π)×(Dc・ρc)/(Da・ρa)×(外添剤仕込み量)/(キャリア仕込み量)×100
(上記式において、Dcはキャリア粒径(μm)、ρcはキャリア比重、Daは外添剤粒径(μm)、ρaは外添剤比重を各々表す。)
次に、現像剤に用いるキャリア10gと、上記計算で求めた仕込み量の外添剤とを混合し、20分間ターブラーミキサーにて混合した。その後、帯電量測定装置TB−200(東芝社製)改によりブローオフ法で帯電量を測定した。
<トナー母粒子1の作製>
−樹脂粒子分散液の調製−
・スチレン 370部
・n−ブチルアクリレート 30部
・アクリル酸 8部
・ドデカンチオール 24部
・四臭化炭素 4部
以上の成分を混合して溶解したものを、非イオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製)6部及びアニオン性界面活性剤(ネオゲンSC:第一工業製薬(株)製)10部をイオン交換水550部に溶解したフラスコ中で乳化重合させ、10分間ゆっくり混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入した。窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。その結果、体積平均粒径150nmであり、Tg=52℃、重量平均分子量Mw=10500の樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液が得られた。この分散液の固形分濃度は40%であった。
−着色剤分散液(1)の調製−
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製) 60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 6部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(カーボンブラック)粒子が分散された着色剤分散剤(1)を調製した。
−着色剤分散液(2)の調製−
・Cyan顔料(C.I.Pigment Blue 15:3) 60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(2)を調製した。
−着色剤分散液(3)の調製−
・Magenta顔料(C.I.Pigment Red 122) 60部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して体積平均粒径が250nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(3)を調製した。
−着色分散液(4)の調製−
・Yellow顔料(C.I.Pigment Yellow 180) 90部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間攪拌し、その後、アルティマイザーにて分散処理して平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色剤分散剤(4)を調製した。
−離型剤分散液−
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃) 100部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製) 5部
・イオン交換水 240部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調製した。
(トナー母粒子K1)
・樹脂粒子分散液 234部
・着色剤分散液(1) 30部
・離型剤分散液 50部
・ポリ塩化アルミニウム(Paho2S、浅田化学社製) 0.5部
・イオン交換水 600部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼鉄フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて混合し、分散した後、加熱用オイルバス中でフラスコ内を攪拌しながら40℃まで加熱した。40℃で30分保持した後、D50が4.5μmの凝集粒子が生成していることを確認した。更に加用オイルバスの温度を上げて56℃で1時間保持し、D50は5.3μmとなった。その後、この凝集体粒子を含む分散液に26質量部の樹脂粒子分散液を追加した後、加熱用オイルバスの温度を50℃まで上げて30分間保持した。この凝集体粒子を含む分散液、1N水酸化ナトリウムを追加して、系のpHを7.0に調整した後ステンレス製フラスコを密閉し、磁気シールを用いて攪拌を継続しながら80℃まで加熱し、4時間保持した。冷却後、このトナー母粒子を濾別し、イオン交換水で4回洗浄した後、凍結乾燥してトナー母粒子K1を得た。トナー母粒子K1の粒径が5.9μm、体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は132であった。
(トナー母粒子C1)
着色剤分散液(1)の代わりに、着色剤分散液(2)を用いる以外は、上記トナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子C1を得た。このトナー母粒子C1の粒子径は5.8μm、体積平均粒径は5.8μm、形状係数SF1は131であった。
(トナー母粒子M1)
着色剤分散液(1)の代わりに、着色剤分散液(3)を用いる以外は、上記トナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子M1を得た。このトナー母粒子M1の体積平均粒径は5.5μm、形状係数SF1は135であった。
(トナー母粒子Y1)
着色剤分散液(1)の代わりに、着色剤分散液(4)を用いる以外は、上記トナー母粒子K1と同様にしてトナー母粒子Y1を得た。このトナー母粒子Y1の体積平均粒径は5.9μm、形状係数SF1は130であった。
<トナー母粒子2の作製>
−結晶性ポリエステル樹脂(1)の合成−
加熱乾燥した3口フラスコに、1,10−デカンジオール17.4部と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル2.2部と、ジメチルスルホキシド10部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.03部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置き換えて不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で3時間攪拌を行った。減圧下、ジメチルスルホキシドを留去し、窒素気流下、ドデカンジオイック酸ジメチル26.5部を加え、180℃で1時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い30分時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(1)36部を合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(MW)は9200であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂(1)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は79℃であった。樹脂のNMRスペクトルから測定計算した、共重合成分(5−スルホイソフタル酸成分)とドデカンジオイック酸成分との含有比は、7.5:92.5であった。
(トナー母粒子C2)
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)150部を蒸留水850部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
−着色剤分散液(5)の調製−
フタロシアニン顔料(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)250部と、アニオン界面活性剤20部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)と、イオン交換水730部と、を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤(フタロシアニン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(5)を調製した。
−凝集粒子の調製−
樹脂粒子分散液(1)2400部と、着色剤分散液(5)100部と、離型剤分散液63部と、過酸化ラウロイル10部と、硫酸アルミニウム(和光純薬社製)5部と、イオン交換水100部と、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で72℃まで攪拌しながら加熱した。72℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に1時間、72℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
−融合工程−
この凝集粒子のpHは2.4であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら83℃まで加熱し、3時間保持した。
その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることによりトナー母粒子C2を得た。得られたトナー母粒子C2について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて体積平均粒子径を測定したところ、このトナー母粒子C2のD50は5.5μm、形状係数SF1は131であった。
<キャリアの作製>
トルエン14部、スチレン−メチルメタクリレート共重合体(成分比:80/20、重量平均分子量:70000)2部、及びカーボンブラック(Regal330、キャボット社製)0.2部を混合し、10分間スターラーで撹拌させて、カーボンブラックが分散した被覆層形成用溶液を調製した。次に、この被覆液とフェライト粒子(体積平均粒径:38μm)100部とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分撹拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを作製した。このキャリアは、800V/cmの電界印加時の体積固有抵抗値が1011Ωcmであった。
<外添剤粒子の表面処理>
外添剤粒子の疎水化処理は、下記の通りにして行った。なお、処理剤としてはシラン及びシランカップリング剤を用いた。
反応容器に純水1000部に2−プロパノール100部を混ぜた混合溶剤中に外添剤コアを80部加えてスラリー状にする。次に、外添剤コア量100部に対し、下記表1に示した処理剤種を、同じく表1に示した処理剤量分をスラリー状になった反応容器へ投入した。反応容器内を乾燥窒素ガスで置換した後、昇温後0.1N−HClを30部滴下し、混合溶液を窒素ガス気流下攪拌しながら約80℃まで昇温した。
その後、オイルバスで加熱・還流しながら3時間攪拌反応した。冷却後混合溶液を取出し遠心分離機で微粒子を分離し上澄みを除去した。濾過された微粒子をメタノール10%水溶液に混合攪拌し遠心分離する操作を3回繰り返した。更に、純水に混合攪拌し、遠心分離操作3回繰り返した後、微粒子湿品を凍結乾燥して水分を除去した。160℃で2時間真空乾燥した後、メノウ乳鉢で壊砕し、40μm篩分網にて篩分した。
以上のようにして、2種の外添剤粒子からなる外添剤I〜Vの組み合わせを得た。
なお、外添剤I〜Vにおける大径外添剤粒子Aの(球形化度、真比重)は、各々I:(0.98、1.8)、II:(0.98、1.8)、III:(0.98、1.8)、IV:(0.98、1.7)、V:(0.98、1.8)であった。
これらの外添剤I〜Vについて、前記の方法により極板電極法による帯電極性Q1とブローオフ法による帯電量Q2とを各々測定した。これらの結果も併せて表1に示す。
Figure 2007304493
<実施例1>
上記トナー母粒子K1、C1、M1、Y1のそれぞれ100部に対し、表1の外添剤Iの小径外添剤(外添剤粒子B)を1.0部、大径外添剤(外添剤粒子A)を1.5部各々添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー1を作製した。
得られたトナー1を10部と、前記キャリア100部とをV−ブレンダーにより40rpmで20分間攪拌し、212μmの目開きを有するシーブで篩分することによりカラー用電子写真用現像剤1を作製した。
<実施例2>
上記トナー母粒子K1、C1、M1、Y1のそれぞれ100部に対し、表1の外添剤IIの小径外添剤を0.8部、大径外添剤を1.5部各々添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー2を作製した。
得られたトナー2を用いて、実施例1と同様にして電子写真用現像剤2を作製した。
<実施例3>
トナー母粒子C2の100部に対し、表1の外添剤Iの小径外添剤を1.0部、大径外添剤を1.5部各々添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー3を作製した。
得られたトナー3を用いて、実施例1と同様にして電子写真用現像剤3を作製した。
<比較例1>
トナー母粒子K1、C1、M1、Y1のそれぞれ100部に対し、表1の外添剤IIIの小径外添剤を0.8部、大径外添剤を1.5部各々添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー4を作製した。
得られたトナー4を用いて、実施例1と同様にして電子写真用現像剤4を作製した。
<比較例2>
トナー母粒子K1、C1、M1、Y1のそれぞれ100部に対し、表1の外添剤IVの小径外添剤を0.8部、大径外添剤を1.5部各々添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー5を作製した。
得られたトナー5を用いて、実施例1と同様にして電子写真用現像剤5を作製した。
<比較例3>
トナー母粒子K1、C1、M1、Y1のそれぞれ100部に対し、表1の外添剤Vの小径外添剤を0.8部、大径外添剤を1.5部各々添加し、5リットルヘンシェルミキサーを用い、周速30m/sで15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、トナー6を作製した。
得られたトナー6を用いて、実施例1と同様にして電子写真用現像剤6を作製した。
<評価>
各実施例及び比較例の現像剤について、以下に示す評価を行った。
上記それぞれの現像剤を用い、装置としてDocuCentreColor400(富士ゼロックス社製)を用いた。
(出力画像)
実機画出し方法は、カラー4色の階調チャートを用いた。該階調チャートは、「画像密度各色20%のA4サイズのチャート・・・(A)」と、「画像密度各色3%のA4サイズのチャート・・・(B)」とを用いた。画像密度は、画像部の面積比にて調整されている。本階調チャートには、それぞれソリッド部、ハーフトーン部、背景部がある。
(帯電特性評価)
(1)高温高湿下(30℃/80%RH)にて、階調チャートAを出力し、100枚後(初期)のマグロール上現像剤及び5,000枚後(耐久後)のマグロール上の現像剤を採取し、帯電量測定を実施した。
(2)低温低湿下(10℃/10%RH)にて、階調チャートBを出力し、100枚後のマグロール上現像剤及び5,000枚後のマグロール上現像剤を採取し、帯電量測定を実施した。
帯電量測定は、帯電量測定器TB−200(東芝製)を用いブローオフ法により行った。このときの測定条件は、ブローオフの気体は空気を1.0kg/cmの圧力で行い、測定試料の量は0.2gで行なった。なお、評価結果はCyanのみ示した。
(画質評価)
−かぶり評価−
高温高湿下(30℃/80%)出力された階調チャートA及び、低温低湿下(10℃/10%)にて出力された階調チャートBの、100枚後と5,000枚後の出力チャートを用い、背景部のカブリを目視にて評価した。
評価結果はCyanのみ示した。
−画像濃度−
上記出力画像のソリッド部の画像濃度を、画像濃度計X−Rite(X−Rite社製)にて測定した。画像濃度の評価判断基準は以下の通りとした。
X−Riteの濃度が1.4以上の場合を「○」とし、1.4未満の場合を「×」(濃度不十分)とした。
以上の評価結果をまとめて表2、表3に示す。
Figure 2007304493
Figure 2007304493
表2、表3に示されるように、トナー母粒子に粒径の異なる2種の外添剤を用いる場合、実施例のように外添剤コア、表面処理剤を式(1)、式(2)の関係を満たすように選択すると、帯電量の環境変動が少なく、かぶり等のない高画質画像を得ることが可能な電子写真用現像剤を得ることができることがわかる。一方、比較例のように式(1)、式(2)のいずれか一方でも満たさなくなると、帯電特性、さらにそれに派生して画質低下の問題が生じた。

Claims (4)

  1. トナー及びキャリアからなる二成分現像剤であって、
    前記トナーが、トナー母粒子と、異なる表面処理剤により表面処理された粒径の異なる外添剤粒子A及び外添剤粒子Bとを有してなり、
    前記外添剤粒子Aの平均一次粒子径が80nm以上、外添剤粒子Bの平均一次粒子径が60nm以下であり、極板電極法による外添剤粒子A及びBの各々の帯電極性をQ1及びQ1、前記外添剤粒子A及びBに各々用いた表面処理剤の分子量をX及びXとしたとき、これらが下記式(1)及び式(2)の関係を満たすことを特徴とする電子写真用現像剤。
    (−)Q1<0<Q1(+) ・・・ 式(1)
    <X ・・・ 式(2)
  2. 前記外添剤粒子A及び外添剤粒子Bの前記キャリアとのブローオフ法による摩擦帯電量(μC/g)を各々Q2及びQ2としたとき、これらが下記式(3)の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載の電子写真用現像剤。
    Q2<Q2<0 ・・・ 式(3)
  3. 前記トナーが、湿式造粒法により作製されることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真用現像剤。
  4. 前記外添剤粒子Aの形状が球状であり、真比重が2.5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真用現像剤。
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