JP2014206624A - 消色型電子写真トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】 十分な負帯電性を有するとともに、消色前の印刷情報を消色後に識別し難くすることが可能な消色型電子写真トナーを提供すること。【解決手段】 結着樹脂、近赤外線吸収色素、消色剤、および負帯電性に調整された酸化チタンを含むことを特徴とする消色型電子写真トナー。【選択図】 なし

Description

本発明は、消色型電子写真トナーに関する。
現在、カラープリンタは負帯電性トナーを用いることが一般的であるのに対し、消色型トナーに用いられる代表的な近赤外線吸収性色素および消色剤は正帯電性を有しているため、十分な負帯電性が得られないという問題がある。十分な負帯電性を得るために、帯電制御剤の量を増やすことが考えられる。
しかしながら、帯電制御剤の量を増やすと、帯電制御剤が分散された消色型トナーは、近赤外線吸収性色素と帯電制御剤との相互作用により近赤外線吸収性色素が退色・変色するなどの悪影響があり、しかも充分な量のトリボ電荷が付与されないため、電子写真用現像剤として充分な機能を発現しないという欠点があった。
このような問題を解決するため、特許文献1は、帯電制御剤を外添する方法を提案しているが、帯電制御剤が脱離したり凝集したりして、トナーの流動性および安定性に欠けるという問題があり、十分な改善には至っていない。
また、特許文献2では、消色後の印刷部の白色性を上げるために、白色填料としてアルミナ、酸化チタン、シリカ等の無機微粒子を配合してトナーを作製する方法が提案されている。しかし、かかる白色填料の添加は、トナーの帯電性、流動性、定着性などに悪影響を及ぼすという問題があった。
特開平5−134448号公報 特開平8−248673号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、十分な負帯電性を有するとともに、消色前の印刷情報を消色後に識別し難くすることが可能な消色型電子写真トナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、結着樹脂、近赤外線吸収色素、消色剤、および負帯電性に調整された酸化チタンを含むことを特徴とする消色型電子写真トナーを提供する。
本発明によると、十分な負帯電性を有するとともに、消色前の印刷情報を消色後に識別し難くすることが可能な消色型電子写真トナーが提供される。
本発明の一実施形態に係る消色型電子写真トナーを用いて用紙等の被印刷媒体上に画像を形成し、この画像を消色して被印刷媒体を再使用可能とするための消色機能付プリンタを概略的に示す図である。 実施例及び比較例に係るトナーを用い、図1に示す消色機能付プリンタによって画像を印刷した被印刷媒体を概略的に示す平面図である。 図1に示す消色機能付プリンタによって画像を消色した後における図2の被印刷媒体を概略的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態に係る消色型電子写真トナーは、結着樹脂、近赤外線吸収色素、消色剤、および負帯電性に調整された酸化チタンを含む。
上述のとおり、消色型トナーは、消色後の印刷部の白色性を上げて、印刷部と非印刷部の色差をなくすことが求められており、このために酸化チタンを配合することが公知である。しかし、酸化チタンは、正帯電性を有するため、酸化チタンの配合は、トナーが十分な負帯電性をもつことを妨害し、トナーのカブリ特性を悪化させる。即ち、本来印刷されてはならない用紙等の被印刷媒体の白地部にトナーが微量転写されてしまい、白地部が多少汚れて灰色に見える現象が生じる場合がある。これに対し、本発明では、負帯電性に調整された酸化チタンを消色型トナーに配合することにより、トナーが十分な負帯電性を有するようになり、トナーのカブリ特性の悪化を防止することができる。
本実施形態において、負帯電性に調整される材料としての酸化チタンは、当該技術分野で白色填料として使用される酸化チタン、たとえば、富士チタン工業(株)製の酸化チタン「TA−300」、アナターゼタイプの「TA−100,200,300,400,500」や、ルチルタイプの「TR−600,700,840,900」、石原産業(株)製の「CR−50,80,90,93,95,97」、「R−780,820,930,980」などを用いることができる。
酸化チタンを負帯電性に調整する処理(以下、酸化チタンの帯電性処理ともいう)は、酸化チタンの表面を、負帯電化剤で処理することにより行うことができる。ここで負帯電化剤は、酸化チタンの表面を負帯電性基で修飾して酸化チタンに負帯電性を付与する化合物である。したがって、この処理により表面修飾酸化チタンを得ることができる。
負帯電化剤として、
(1)酸化チタンの表面にトリアルキルシリル基、好ましくはトリメチルシリル基を導入する化合物や
(2)公知の帯電制御剤
を用いることができる。
(1)酸化チタンの表面にトリアルキルシリル基、好ましくはトリメチルシリル基を導入する化合物として、シラザン化合物(例えば、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン等;好ましくはヘキサメチルジシラザン)、1官能性シラン化合物(例えば、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール等のモノシラノール化合物;トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン等のモノクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等のモノアルコキシシラン;トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン等のモノアミノシラン、トリメチルアセトキシシラン等のモノアシルオキシシラン;好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシリルジエチルアミン;特に好ましくは、トリメチルシラノール、トリメチルメトキシシラン)などを用いることができる。
上記シラン系化合物での処理は、例えば、特許第3229174号公報に記載されるような、シランカップリング剤とシリコーンオイルを用いる方法、特公昭61−50882号公報に記載されるようなオルガノハロゲンシランを用いる方法、特公昭57−2641号公報に記載されるようなオルガノポリシロキサンを用いる方法、特開昭62−171913号公報に記載されるようなシロキサンオリゴマーを用いる方法を参照することができる。
(2)公知の帯電制御剤として、当該技術分野でトナーの帯電制御剤として使用される化合物を用いることができ、たとえば、LR147(日本カーリット(株)製)、TN105(保土谷化学工業(株)製)、ボントロンN01(オリエント化学工業(株)製)、ニグロシンベースEX(オリエント化学工業(株)製)、スピロンブラックTRH(保土谷化学工業(株)製)、T−77(保土谷化学工業(株)製)、ボントロンS−34(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンE−81(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンE−84(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンE−89(オリエント化学工業(株)製)、ボントロンF−21(オリエント化学工業(株)製)、COPY CHRGE NX VP434(クラリアントジャパン(株)製)、COPY CHRGE NEG VP2036(クラリアントジャパン(株)製)、TNS−4−1(保土谷化学工業(株)製)、TNS−4−2(保土谷化学工業(株)製)などを用いることができる。
好ましくは、負帯電化剤での処理は、酸化チタンの表面に、負帯電化剤を液体の状態で噴霧することにより行うことができる。
たとえば、負帯電化剤としてヘキサメチルジシラザン(HMDS)を用いた場合の帯電性処理は、以下のとおり行うことができる。
酸化チタン100質量部を反応容器に入れ、窒素雰囲気下、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)0.5〜30質量部をスプレーする。この反応混合物を220〜380℃にて0.5〜3時間程度、窒素気流下で攪拌することにより、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)と酸化チタン表面を反応させる。これを冷却することにより、負帯電性に調整された酸化チタンを得る。
なお、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)は、単独で酸化チタンに対してスプレーしてもよいが、高粘度の場合には、ヘキサンやトルエンなどの揮発性有機溶媒に1〜90質量%程度の濃度に溶解し、それを酸化チタンに対してスプレーしてもよい。
また、たとえば、負帯電化剤として市販の帯電制御剤LR147(日本カーリット(株)製)を用いた場合の帯電性処理は、以下のとおり行うことができる。
帯電制御剤であるLR147(日本カーリット(株)製)とイソプロピルアルコール(IPA)の10%溶解液を作成する。酸化チタン100質量部を反応容器に入れ、窒素雰囲気下、上記溶解液を0.5〜30質量部スプレーする。この反応混合物を100〜200℃にて0.5〜3時間程度、窒素気流下で攪拌することにより、帯電制御剤を酸化チタン表面に定着させる。これを冷却することにより、負帯電性に調整された酸化チタンを得る。
本実施形態に従って構成される消色型電子写真トナーを用いて、電子写真プロセスにより印刷又は画像を形成すると、印刷又は画像は、可視光下では高い画像濃度であるが、近赤外線を照射すると、印刷又は画像が消色する。これは、次のような現象に基づく。
すなわち、印刷又は画像に近赤外線を照射すると、トナー中の近赤外線吸収色素が励起状態になり、消色剤と反応し、消色現象が生ずる。その結果、印刷又は画像が消色し、被転写媒体を再利用することが可能となる。
本実施形態に係る消色型電子写真トナーは、原料の混合及び/又は溶融混練の際に、上述のとおり負帯電性に調整された酸化チタンが添加されている。そのため、消色後の印刷部の白色性を上げて、印刷部と非印刷部の色差をなくすことができるとともに、トナーが十分な負帯電性を有するようになり、トナーのカブリ特性の悪化を防止することができる。
負帯電性に調整された酸化チタンは、好ましくは、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上、より好ましくは、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部添加される。負帯電性に調整された酸化チタンの添加量が過度に少ないと、消色後の印刷部の白色性を十分に高めることができず、一方、負帯電性に調整された酸化チタンの添加量が過度に多いと、トナーのカブリ特性が悪化する傾向がある。
ここで、トナー質量は、結着樹脂、近赤外線吸収色素、消色剤、負帯電性に調整された酸化チタン、並びに帯電制御剤および離型材などの添加剤の合計の質量として定義され、シリカなどの外添剤は含まない。
なお、消色反応は、近赤外線吸収色素の色素カチオンが消色剤のアルキル基と結合することにより生ずる。消色トナーにおける近赤外線吸収色素と消色剤の比率は、消色反応後に未反応の近赤外線吸収色素が残留しないように、適宜選択される。
本実施形態に係る消色トナーに含まれる近赤外線吸収色素としては、従来公知のものを用いることが出来る。そのような近赤外線吸収色素として、例えば、特開平4−362935号公報及び特開平5−119520号公報に記載されているものがある。具体的な近赤外線吸収色素の例として、例えば、下記式に示すようなIR−T(商品名、昭和電工(株)製)を挙げることが出来る。
Figure 2014206624
式中、X及びYは、いずれもN(Cを表し、Zは下記式に示す対イオンである。
Figure 2014206624
近赤外線吸収色素は、最大吸収波長が近赤外線領域にあり、近赤外線を吸収する材料である。近赤外線吸収色素は、公知の手法に従って、予め樹脂と当該色素を高濃度に分散したマスターバッチを作製し、使用しても良い。
近赤外線吸収色素の色素カチオンと結合することにより消色反応を生じる、アルキル基を備える消色剤としては、従来公知の4級アンモニウムホウ素錯体を用いることが出来る。そのような4級アンモニウムホウ素錯体として、例えば、特開平4−362935号公報及び特開平5−119520号公報に記載されているものがある。具体的な4級アンモニウムホウ素錯体の例として、下記式に示すP3B(商品名、昭和電工(株)製)を挙げることが出来る。
Figure 2014206624
消色剤は、公知の手法に従って、予め樹脂と当該消色剤を高濃度に分散したマスターバッチを作製し、使用しても良い。
結着樹脂としては、公知のものを含む広い範囲から選択することができる。具体的には、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、およびスチレン−ブタジエン共重合体などのスチレン系樹脂をはじめ、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、クマロン樹脂、キシレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示でき、これらの樹脂を二種類以上組み合わせて用いてもよい。なお、これらの樹脂のうち、ポリエステル系樹脂が好ましい。
本発明の一実施形態に係る消色トナーは、結着樹脂、近赤外線吸収色素、消色剤、および負帯電性に調整された酸化チタン以外に、帯電制御剤および離型剤を含むことができる。帯電制御剤および離型剤は、いずれも、通常、電子写真用トナーに使用される任意のものを使用可能である。
以上説明した電子写真用トナーは、従来公知の方法で製造することができる。例えば、結着樹脂、近赤外線吸収色素、消色剤、負帯電性に調整された酸化チタン、および必要に応じてその他添加剤を混合した後、2軸混練機や加圧ニーダー、オープンロールなどの混練機で混練し、混練物を冷却してから、ジェットミル等の粉砕機で粉砕し、風力分級機等で分級することで、トナーを得ることができる。
ここで、トナーの粒径は特に限定されないが、通常5〜10μmとなるように調整される。このようにして得られたトナーに対し、流動性向上、帯電性調整、耐久性向上のため、外添剤を添加することができる。外添剤としては、無機微粒子が一般的であり、シリカ、チタニア、アルミナ等が挙げられ、そのうち疎水化処理されたシリカが好ましく、日本アエロジル、CABOT等で市販されている。
次に、図面を参照して、上記の消色型電子写真トナーを用いて用紙等の被印刷媒体上に画像を形成し、この画像を消色して被印刷媒体を再使用可能とするための消色機能付プリンタについて説明する。
図1に示すプリンタは、市販されているプリンタ(N3500:カシオ計算機(株)製)を改造したものである。このプリンタでは、中間転写ベルト1の周囲に、消色型電子写真トナー現像器2、消色用ヒータ3、消色用ハロゲンランプヘッド4、転写部5、及び定着部6が配置されている。このプリンタの底部には、消色型電子写真トナーを用いて画像が印刷された被印刷媒体Pを収納するカセット7が設置され、上部には、消色型電子写真トナーを用いて画像が再印刷された被印刷媒体Pを排出する排紙部8が設けられている。なお、消色型電子写真トナー現像器2には、消色型電子写真トナーを収納するトナーカートリッジ9が取り付けられている。
図1に示すプリンタは、次のようにして動作する。
最初に、カセット7から被印刷媒体Pを取り出す。次いで、被印刷媒体Pを、被印刷媒体経路10に沿って搬送する。この搬送過程では、先ず、消色用ヒータ3及び消色用ハロゲンランプヘッド4が、被印刷媒体Pに熱を加えるとともに近赤外線を照射する。被印刷媒体Pに消色型電子写真トナーからなる画像が形成されている場合、この画像は、これら熱及び近赤外線によって消去(又は消色)される。次いで、転写部5において、消色型電子写真トナーの画像を中間転写ベルト1から被印刷媒体P上へと転写する。なお、この画像は、トナーカートリッジ9に収容している消色型電子写真トナーを用いて、現像器2によって中間転写ベルト1上に形成したものである。続いて、定着部6において、先の画像を被印刷媒体Pに定着させる。その後、被印刷媒体Pを排紙部8へと排出する。これにより、操作を完了する。
なお、このプリンタを動作させる際には、例えば、消色用ヒータ3の設定温度は100℃とし、ハロゲンランプヘッド4の出力は50mW/cm2とする。また、被印刷媒体経路10に沿った被印刷媒体Pの搬送速度は、任意の速度に設定可能である。
以下に本発明の実施例と比較例を示し、本発明の効果について具体的に説明する。
実施例1
(HMDS処理された酸化チタンの調製)
酸化チタン「TA−300」(富士チタン工業(株)製)100gを反応容器に入れ、窒素雰囲気下、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)20mmol/100gのnヘキサン溶液を100mlスプレー噴霧した。この反応混合物を200℃で1時間、窒素気流下で攪拌することにより、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)と酸化チタン表面を反応させた。これを冷却することにより、HMDS処理された酸化チタンを得た。
(トナーの作製)
ポリエステル樹脂:軟化点110℃(花王(株)製) 100質量部
近赤外線吸収色素「IR−T」(昭和電工(株)製) 1.5質量部
消色剤「P3B」(昭和電工(株)製) 3.5質量部
HMDS処理された酸化チタン 1質量部
帯電制御剤「BONTRON E−84」(オリエント化学工業(株)製) 2質量部
カルナバワックス1号粉末((株)加藤洋行) 3質量部
上記配合組成の原材料(合計8kg)を10Lのヘンシェルミキサーで十分に混合した。次に、混合物を2軸押出機「PCM−43」((株)池貝製)により溶融混練した。溶融混練物を冷却し、流動性カウンタージェットミル「200AFG」(ホソカワミクロン(株)製)により微粉砕し、TSPトナーセパレーター「200TSP」(ホソカワミクロン(株)製)により微粉分級し、質量平均粒子径が9μmの着色微粒子を得た。
得られた着色微粒子100質量部および外添剤としての疎水性シリカRX200(日本アエロジル(株)製)1.5質量部を、合計3kg、10Lのヘンシェルミキサーに投入し、3200rpmで3分間撹拌して消色トナーを得た。
実施例2〜4
HMDS処理された酸化チタンの添加量を、下記表1に示すように変化させたことを除いて、実施例1と同様の方法で消色トナーを得た。
実施例5
(CCA(LR147)処理された酸化チタンの調製)
CCA(Charge Control Agents)は帯電制御剤であり、粉状の化合物である。トナーに静電気を素早く発生させ、どのような環境においても安定して静電気を維持・コントロールさせる役割を持つ。これにより鮮明な画像を何枚も複写することができる。
帯電制御剤(CCA)であるLR147(日本カーリット(株)製)とイソプロピルアルコール(IPA)の10%溶解液200gを作成し、酸化チタン「TA−300」(富士チタン工業(株)製)100gを加え、IKA社製ホモジナイザーULTRA-TURRAXでよく分散した。得られたスラリーを減圧乾燥機で乾燥した後、日清エンジニアリング社製 SJ-100気流式粉砕機 スーパージェットミルで微粒子状に粉砕し、CCA(LR147)処理された酸化チタンを得た。
(トナーの作製)
HMDS処理された酸化チタンの代わりに、上述のCCA(LR147)処理された酸化チタンを用いて、実施例1と同様の方法で消色トナーを得た。
実施例6〜8
CCA(LR147)処理された酸化チタンの添加量を、下記表1に示すように変化させたことを除いて、実施例5と同様の方法で消色トナーを得た。
実施例9
(CCA(TN105)処理された酸化チタンの調製)
帯電制御剤(CCA)であるTN105(保土谷化学工業(株)製)とイソプロピルアルコール(IPA)の10%溶解液を200g作成し、酸化チタン「TA−300」(富士チタン工業(株)製)100gを加え、IKA社製ホモジナイザーULTRA-TURRAXでよく分散した。得られたスラリーを減圧乾燥機で乾燥した後、日清エンジニアリング社製 SJ-100気流式粉砕機 スーパージェットミルで微粒子状に粉砕し、CCA(TN105)処理された酸化チタンを得た。
(トナーの作製)
HMDS処理された酸化チタンの代わりに、上述のCCA(TN105)処理された酸化チタンを用いて、実施例1と同様の方法で消色トナーを得た。
実施例10〜12
CCA(TN105)処理された酸化チタンの添加量を、下記表1に示すように変化させたことを除いて、実施例9と同様の方法で消色トナーを得た。
比較例1
下記表1に示すように、HMDS処理された酸化チタンを添加しなかったこと以外、実施例1と同様の方法で消色トナーを得た。
比較例2
下記表1に示すように、HMDS処理された酸化チタンの代わりに、無処理の酸化チタン「TA−300」(富士チタン工業(株)製)を用いて、実施例1と同様の方法で消色トナーを得た。
比較例3〜5
無処理の酸化チタン「TA−300」(富士チタン工業(株)製)の添加量を、下記表1に示すように変化させたことを除いて、比較例2と同様の方法で消色トナーを得た。
下記表1に、上記実施例および比較例で用いたトナー組成をまとめて示す。
Figure 2014206624
以上のようにして得られた消色トナーについて、以下の特性を評価した。それぞれの特性の試験法および評価基準を以下に示す。
試験1.ブローオフ帯電量
鉄粉キャリア(Z−150/250)(パウダーテック(株)製)に対してサンプル濃度0.3質量%とし、ターブラーミキサーで20分間混合した。得られたサンプルのブローオフ帯電量を、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製)を用いて測定した。装置条件はSUS400メッシュ、ブロー圧力1kgf/cm、60秒とした。測定は、温度23℃±3℃、湿度50%±15%に調整された実験室内で行った。
試験2.感光体(OPC)カブリ値
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN3600」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分24枚(A4横)機)にトナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印刷画像を10,000枚連続印刷した。その後、白紙印刷を行い、印刷している途中でフロント扉を開けることにより、印刷を強制終了させ、その時のOPCドラム上のカブリトナーをメンディングテープに写しとり、白紙に貼り付けて、カブリトナーを採取していないテープと比較した。測定は日本電色工業(株)製の分光式色差計「SE−2000」を用いて行い、得られたXYZ値からかぶり前後の差の最大値をOPCカブリ値として求めた。
OPCカブリ値を下記の基準で評価した。
◎:カブリ値が2未満で、非常に良好
○:カブリ値が2以上5未満で、良好
△:カブリ値が5以上10未満で、実用上問題ないレベル
×:カブリ値が10以上で、悪い
試験3.白紙カブリ値
非磁性一成分現像装置「カシオページプレストN3600」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分24枚(A4横)機)にKカートリッジ位置に消色トナーを実装し、通常環境(25℃、50%RH)においてモノクロモードで白紙印刷を行った。印刷前後の被印刷媒体の白色度を分光式色差計「SE−2000」を用いて測定し、得られたXYZ値からかぶり前後の差の最大値を白紙カブリ値として求めた。
白紙カブリ値を下記の基準で評価した。
◎:カブリ値が2未満で、非常に良好
○:カブリ値が2以上5未満で、良好
△:カブリ値が5以上10未満で、実用上問題ないレベル
×:カブリ値が10以上で、悪い
試験4.定着性
現像装置(「カシオページプレストN3600」(カシオ計算機(株)製:カラープリンタ毎分24枚(A4横)機))の定着部の温度を可変できるように改造し、定着試験機とした。この定着試験機で未定着画像を得た後、定着試験器にて、定着温度を130〜180℃の範囲で10℃毎に可変し、未定着画像を定着した。その際の非オフセット領域を求め、下記の基準で評価した。プロセス速度は129.3mm/sec、被印刷媒体はXEROX L紙 A4サイズ(重量64g/m)で行った。
〇:定着設定温度が130℃で問題なく定着していて、かつ非オフセット領域が30℃以上である。
△:定着設定温度が130℃で定着するが、非オフセット領域が10℃以上30℃未満である。
×:定着設定温度が130℃で定着しないか、または非オフセット領域が10℃未満である。
試験5.視認性
実施例および比較例で得られた各トナーを用いて図1のプリンタで印刷した。このプリンタでは、印刷要求に対して現像器2で現像された像を、転写部5にて被印刷媒体に転写し、定着部6にて定着する通常の印刷を行った。その結果、図2に示すような印刷物が得られた。図2において、11は印刷部を表し、12は非印刷部を表す。被印刷媒体としてP紙(富士ゼロックス(株)製)を用いた。
次に、この被印刷媒体を消色プロセスに供した。まず、図1に示すプリンタのカセット7へ印刷済み被印刷媒体Pをセットした。プリンタの消色用LEDヘッド4と消色用ヒータ3を点灯し、印刷済み被印刷媒体Pを経路10を通過させて消色した。その後、被印刷媒体Pを機外へ排出した。得られた消色済み画像サンプルを図3に示す。
得られた画像サンブルを、X−rite938(X−rite(株)製)により測定した。測定項目は、図3に示す印刷部11と非印刷部12のL*、a*、b*である。
上記の測定項目を用いて、消色特性は、消色後の印刷部11と非印刷部12の色差で評価した。消色後の印刷部と非印刷部の色差(色差ΔE)は、下記の計算式によって求めた。
色差ΔE={(印刷部のL*−非印刷部のL*)2+(印刷部のa*−非印刷部のa*)2+(印刷部のb*−非印刷部のb*)2}1/2
色差ΔEは、数字が低いほど消色後の印刷部の色が下地の被印刷媒体Pの色に近接していることを表す。視認性は、色差ΔEに基づいて、下記の基準で評価した。
○ : 0以上3未満
△ : 3以上5未満
× : 5以上
以上の評価方法にて得られた結果を下記表2に示す。
Figure 2014206624
表2に示されるとおり、無処理の酸化チタンを含む消色トナー(比較例2〜5)は、酸化チタンを含まない消色トナー(比較例1)と比べて、視認性が良好で、消色前の印刷情報を消色後に識別し難くすることが可能であるが、十分な負帯電性を有しておらず、カブリ特性が悪化している。これに対し、負帯電性に調整された酸化チタンを含む消色トナー(実施例1〜12)は、十分な負帯電性を有し、カブリ特性が改善されているとともに、視認性が良好で、消色前の印刷情報を消色後に識別し難くすることが可能である。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、消色剤と、負帯電性に調整された酸化チタンとを含むことを特徴とする消色型電子写真トナー。
[2] 前記酸化チタンは、負帯電化剤で表面処理された表面修飾酸化チタンを含むことを特徴とする[1]に記載の消色型電子写真トナー。
[3] 前記酸化チタンは、負帯電化剤を、酸化チタンの表面に液体の状態で噴霧することにより調製された表面修飾酸化チタンを含むことを特徴とする[1]に記載の消色型電子写真トナー。
[4] 前記負帯電化剤は、シラン系化合物を含むことを特徴とする[3]に記載の消色型電子写真トナー。

Claims (4)

  1. 結着樹脂と、近赤外線吸収色素と、消色剤と、負帯電性に調整された酸化チタンとを含むことを特徴とする消色型電子写真トナー。
  2. 前記酸化チタンは、負帯電化剤で表面処理された表面修飾酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1に記載の消色型電子写真トナー。
  3. 前記酸化チタンは、負帯電化剤を、酸化チタンの表面に液体の状態で噴霧することにより調製された表面修飾酸化チタンを含むことを特徴とする請求項1に記載の消色型電子写真トナー。
  4. 前記負帯電化剤は、シラン系化合物を含むことを特徴とする請求項3に記載の消色型電子写真トナー。
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