JP7063025B2 - トナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents
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Description
また、前記特許文献2に開示された技術では、脱離率増加の防止効果が不十分であるという問題がある。
そこで本発明の目的は、外添剤の脱離による白抜け、低画像面積での多数枚印字時の機内飛散や白スジ発生による画像の劣化を防止することのできるトナーを提供することにある。
1)Alを含有する有機変性層状無機化合物、結着樹脂および離型剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなるトナーであって、
前記トナー母体粒子表面からの深さ0.2μmまでのAl含有率C1が、0.1質量%≦C1≦0.3質量%であり、かつ、トナー表面から0.4μmまでのAl含有率C2との比(C1/C2)が、1.0≦(C1/C2)≦1.5であり、
前記Alを含有する有機変性層状無機化合物は、層状無機化合物を有機カチオン変性剤で変性したものであり、前記有機カチオン変性剤が、ジメチルジステアリルアンモニウム(DMDS)、ジメチルオレイルベンジルアンモニウム(DMOB)およびジメチルジオレイルアンモニウム(DMDO)から選択された少なくとも1種であることを特徴とするトナー。
本発明のトナーは、Alを含有する有機変性層状無機化合物、結着樹脂および離型剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなり、前記トナー母体粒子表面からの深さ0.2μmまでのAl含有率C1が、0.1質量%≦C1≦0.3質量%であり、かつ、トナー表面から0.4μmまでのAl含有率C2との比(C1/C2)が、1.0≦(C1/C2)≦1.5であることを特徴とする。
また、前記Al含有率C1が0.3質量%よりも高い場合、トナー母体粒子表面のAlを含有する有機変性層状無機化合物の比率が高くなるため、外添剤が脱離しやすくなる。一方、前記Al含有率C1が0.1質量%よりも低い場合、十分な帯電特性が得られず、高画像面積での多数枚印刷時のトナー飛散量が悪化しやすい。
さらに好ましい前記比(A/B)は、1.0≦(A/B)≦1.2である。
本発明のトナーにおいて使用するAlを含有する有機変性層状無機化合物は、厚さ数nmの層が重ね合わさってできている層状無機化合物を有機物イオンで変性させたものである。変性するとは、その層間に存在するイオンに有機物イオンを導入することを言う。層状無機化合物としては、スメクタイト族(モンモリロナイト、サポナイトなど)、カオリン族(カオリナイトなど)、マガディアイト、カネマイトが知られている。層状無機化合物はその層状構造により親水性が高い。そのため、層状無機化合物を変性すること無しに水系媒体中に分散して造粒するトナーに用いると、水系媒体中に層状無機化合物が移行し、トナー中に分散せしめることが出来ないが、変性することにより、疎水性が高くなって、造粒時に容易にトナー中に分散して微細化し、電荷調整機能を十分に発揮する。
ここで、本発明におけるトナー母体粒子の深さ方向のAl含有率の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。本発明においては、SEM-EDS(走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法):Ultra55(カールツァイスマイクロスコピー株式会社製)を用いて測定を実施した。測定試料は、調製したトナーを、Al基材のカーボンテープ上にトナーを散布させ、超微粉や粗大粒子などを除去したものの中から任意で選択した10個のトナーについて、以下の条件でトナー母体粒子の深さ方向のAl含有率を測定し、平均値を用いた。
また、電子線の検出深さについては、モンテカルロシミュレーションによって印加する加速電圧を算出した。
加速電圧 : 2.0~4.0kV
Apature : 60μm
High Current : On
Work Distans : 10mm
倍率 : 15k
前記平均円形度が、0.950未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。0.980を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがある。あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman CoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行うことができる。
本発明のトナーは、Alを含有する有機変性層状無機化合物、結着樹脂および離型剤を含有するトナー母体粒子に外添剤と必要に応じてその他の成分を添加して調製される。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と上記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。また、前記結着樹脂がポリエステル及び/又はポリエステル誘導体であることが好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、未変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、下記一般式(1)で表されるポリオールと、下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸とをポリエステル化した樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
また、前記一般式(2)中、Bは、炭素数1~20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、nは、2~4の整数を表す。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステル(以下、「ポリエステルプレポリマー」と称することがある)とを、伸長反応及び/又は架橋反応して得られる樹脂などが挙げられる。前記伸長反応及び/又は架橋反応は、必要に応じて、反応停止剤(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ケチミン化合物等のモノアミンをブロックしたものなど)により停止させてもよい。
前記活性水素基含有化合物は、水相中で、前記ポリエステルプレポリマーが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
また、前記3価以上のポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
また、前記アミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
また、前記アミノ酸としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
また、前記これらのアミン類のアミノ基をブロックしたものとしては、例えば、前記これらのアミン類(ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸等)のいずれかとケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な基を少なくとも有する重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも、溶融時の高流動性、透明性に優れ、高分子成分の分子量を調節しやすく、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着性、離型性に優れる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましく、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーがより好ましい。
これらの中でも、前記ポリオールは、前記ジオール単独、前記ジオールと少量の前記3価以上のポリオールとの混合物が好ましい。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーの場合、前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを公知のエステル化触媒(チタンテトラブトキシド、ジブチルチンオキサイド等)の存在下、150℃~280℃に加熱し、必要により適宜減圧しながら生成し、水を溜去して水酸基含有ポリエステルを得た後に、40℃~140℃にて、前記水酸基含有ポリエステルに前記ポリイソシアネートを反応させることにより合成する方法などが挙げられる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、植物系ワックス(カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン等)、鉱物系ワックス(オゾケライト、セルシン等)、石油ワックス(パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等)等のロウ類及びワックス類;合成炭化水素ワックス(フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等)、合成ワックス(エステル、ケトン、エーテル等)等の天然ワックス以外のもの;1,2-ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子であるポリメタクリル酸n-ステアリル、ポリメタクリル酸n-ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(アクリル酸n-ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子;などが挙げられる。
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
1st.昇温 開始温度:20℃,昇温速度:10℃/min,終了温度:150℃,保持時間:なし
1st.降温 降温温度:10℃/min,終了温度:20℃,保持時間:なし
2nd.昇温 昇温速度:10℃/min,終了温度:150℃
測定した結果は島津製作所製のデータ解析ソフト(TA-60、バージョン1.52)を用いて解析を行う。
前記融点は、2nd.昇温で測定された吸熱ピークのピークトップの温度を用いる。
-着色剤-
前記トナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
本発明におけるトナーの製法や材料は、条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法がある。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ-n-ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、2-エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、これらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
該乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。該界面活性剤としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸エステル等)、カチオン界面活性剤(四級アンモニウム塩型、アミン塩型等)、両性界面活性剤(カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型等)、非イオン界面活性剤(AO付加型、多価アルコール型等)等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
また、乳化又は分散の助剤として、上記の有機溶剤及び可塑剤等を併用することもできる。
(a)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。さらに、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
本発明の現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、現像手段による撹拌ストレス等に対しても、経時にわたってトナーの凝集体が生じにくく、異常画像の発生を抑制するとともに、画像濃度安定性、及び転写性を良好に維持することで、良好で安定した画像品質が得られる。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯粒子と、該芯粒子を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
前記芯粒子としては、磁性を有する芯粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮の点で、Mn系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Mn-Mg-Sr系フェライトなどが好ましい。
前記芯粒子の重量平均粒径Dwは、レーザー回折乃至散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記芯粒子の重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm~80μmが好ましく、20μm~65μmがより好ましい。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(I)
ただし、前記式(I)中、Dは、各チャネルに存在する芯粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する芯粒子の総数を表す。
[1]粒径範囲:100μm~8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
前記被覆層は、少なくとも樹脂を含有しており、必要に応じてフィラー等の他の成分を含有していてもよい。
キャリアの被覆層を形成するための樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
前記架橋反応性成分としては、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィラー、非導電性フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記被覆層に、導電性フィラー及び非導電性フィラーを含有させることが好ましい。
前記非導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cmを超えるフィラーを指す。
前記フィラーの粉体比抵抗値の測定は、粉体抵抗測定システム(MCP-PD51、ダイアインスツルメンツ社製)及び抵抗率計(4端子4探針方式、ロレスタ-GP、三菱化学アナリテック社製)を使用して、試料1.0g、電極間隔3mm、試料半径10.0mm、荷重20kNの条件にて測定することにより行うことができる。
前記導電性フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成する導電性フィラー;カーボンブラックを用いて形成する導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する導電性フィラーが好ましい。
前記非導電性のフィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウム等を用いて形成する非導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する非導電性フィラーが好ましい。
前記キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、流動床型コーティング装置を使用して、前記芯粒子の表面に、前記樹脂及び前記フィラーを含有する被覆層形成溶液を塗布することにより製造する方法が好ましい。なお、前記被覆層形成溶液を塗布する際に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいし、前記被覆層形成溶液を塗布した後に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよい。前記樹脂の縮合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層形成溶液に、熱、光等を付与して樹脂を縮合する方法などが挙げられる。
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記キャリアの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm~80μmが好ましく、20μm~65μmがより好ましい。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(II)
ただし、前記式(II)中、Dは、各チャネルに存在するキャリアの代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在するキャリアの総数を表す。
[1]粒径範囲:100μm~8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、さらに帯電手段、露光手段及びクリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えていてもよい。
静電潜像担持体101としては、後述する画像形成装置と同様なものを用いることができる。また帯電装置102には、任意の帯電部材が用いられる。
図1に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて説明する。静電潜像担持体101は、時計回りに回転しながら、帯電装置102による帯電、露光手段(図示せず)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。
この静電潜像は、現像装置104でトナー現像され、該トナー現像は転写ローラ108により、記録紙105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の潜像担持体表面は、クリーニング部107によりクリーニングされ、さらに除電手段(図示せず)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
本発明に用いられる画像形成方法は、好ましくは一成分現像方式によって画像を形成する工程を有し、静電潜像形成工程(帯電工程と露光工程)と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを有し、さらに必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段(帯電手段と露光手段)と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する。さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、より高精細な画像が得られる点で、有機感光体(OPC)が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(帯電器)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段(露光器)とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃~200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
-ポリエステル樹脂Aの合成-
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物とビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物をモル比で80/20、イソフタル酸とアジピン酸をモル比で70/30とし、OH/COOH=1.33で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧で230℃で10時間反応させた。次いで、反応容器に安息香酸26部を加え、10mmHg~15mmHgの減圧で5時間反応後、反応容器に無水トリメリット酸11部を入れ、180℃、常圧で3時間反応し、[ポリエステル樹脂A]を得た。
水1,200部、カーボンブラック(Printex35デクサ製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540部、及び[ポリエステル樹脂A]1,200部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物質量81部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応させた。さらに、10mmHg~15mmHgの減圧下、5時間反応させて[中間体ポリエステル]を合成した。次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記合成した[中間体ポリエステル]410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃で5時間反応させて、[ポリエステルプレポリマー1]を合成した。
層状無機化合物として、モンモリロナイトを用い、有機カチオン変性剤としてジメチルステアリルベンジルアンモニウム(DMSB)を用い、水に分散したモンモリロナイトに予め水に十分に溶解させたジメチルステアリルベンジルアンモニウムクロライド(A)をモンモリナイトのカチオン(B)とのモル比(A/B)が0.8となるよう添加、混合し、洗浄、脱水、乾燥して有機変性層状無機化合物を作成した。
-離型剤分散液の調製-
撹拌棒及び温度計をセットした容器にカルナウバワックス(WA-05、セラリカ野田社製)70質量部、[ポリエステル樹脂A]140質量部、及び酢酸エチル290質量部を入れ、撹拌下75℃に昇温し、75℃のまま1.5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度5kg/hr、ディスク周速度6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液]を得た。
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ポリエステル樹脂A]113質量部、[離型剤分散液]88質量部、[マスターバッチ1]42質量部、Alを含有する有機変性層状無機化合物2.0質量%(ポリエステル樹脂+離型剤に対する重量換算)、酢酸エチル150質量部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600質量部、スチレン120質量部、メタクリル酸100質量部、アクリル酸ブチル45質量部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS-2、三洋化成工業社製)10質量部、過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は60nmであり、樹脂分の重量平均分子量は140,000、Tgは73℃であった。
水990質量部、[樹脂微粒子の水分散液]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON-7、三洋化成工業社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、[水相]を得た。
前記[油相1]393質量部に[ポリエステルプレポリマー1]の酢酸エチル溶液58質量部、及びイソホロンジアミンの50質量%酢酸エチル溶液3.5質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相1’]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に[水相]550質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)にて11,000rpmで攪拌しながら、[油相1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を40℃で4時間保持した後、減圧濾過し、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、攪拌下で1質量%塩酸をpH3.3程度になるまで加え、その状態で1時間攪拌を続けた後濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキにN,N,N,-トリメチル-[3-(4-ペルフルオロノネニルオキシベンズアミド)プロピル]アンモニウム、ヨージド(製品名;フタージェント310(ネオス社製))の1質量%水溶液をトナーに対し0.1質量%となるように攪拌下徐々に添加した。 その後1時間室温下攪拌をした後に、ろ過分離し、濾過ケーキ1を得た。
上記[トナー母体粒子1]に対して疎水性シリカ(HDK-2000、ワッカー・ケミー社製)を母粒子100部に対して1.8部添加し、20Lヘンシェルミキサ(三井鉱山社製)にて周速33m/sにて5分間混合した。上記を500メッシュの篩により風篩し、[トナー1]を得た。
実施例1の油相1の作製において、Alを含有する有機変性層状無機化合物を0.8質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー2]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.2に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー3]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.5に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー4]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.7に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー5]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.5に変え、有機カチオン変性剤としてジメチルジステアリルアンモニウム(DMDS)を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー6]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.5に変え、有機カチオン変性剤としてジメチルオレイルベンジルアンモニウム(DMOB)を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー7]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.5に変え、有機カチオン変性剤としてジメチルジオレイルアンモニウム(DMDO)を用いた以外は、実施例1と同様にして、[トナー8]を作製した。
実施例1の油相1の作製において、Alを含有する有機変性層状無機化合物を2.2質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー9]を作製した。
実施例1の油相1の作製において、Alを含有する有機変性層状無機化合物を0.6質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー10]を作製した。
実施例1のAlを含有する有機変性層状無機化合物の合成において、比(A/B)を1.8に変え、有機カチオン変性剤としてジメチルオレイルベンジルアンモニウム(DMOB)を用いた。また、実施例1の油相1の作製において、Alを含有する有機変性層状無機化合物を0.8質量%に変えた以外は、実施例1と同様にして、[トナー11]を作製した。
得られたトナーを用いて、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
各トナーと画像形成装置(「RICOH MPC8002」;株式会社リコー製)にて行い画像面積率10%の文字画像パターンを用いて出力する。100,000枚連続出力した後に、ハーフトーン画像を1枚出力し、その画像上の白抜け個数を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
〔評価基準〕
◎:なし
○:1~3個
△:4~9個
×:10個以上
※◎~△を合格とし、×を不合格とした。
各トナーと画像形成装置(「RICOH MPC8002」;株式会社リコー製)にて行い画像面積率0.5%の文字画像パターンを用いて出力する。100,000枚連続出力した後に、ベタ画像を1枚出力し、その画像上の白スジの発生具合を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
〔評価基準〕
◎:なし
○:うっすらスジが1本発生
□:うっすらスジが2本発生
△:うっすらスジが3本以上発生
×:はっきりとしたスジが発生
※◎~△を合格とし、×を不合格とした。
キャリア6gにトナーを7wt%計量し、室温22℃、湿度55%の状態で2時間放置した後、上記現像剤を密閉できる金属円柱に仕込み280rpmで60秒間攪拌混合した。キャリアとしては、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆膜形成溶液を焼成フェライト粉(重量平均粒子径:35μm)表面に塗布乃至乾燥して得られる樹脂被覆フェライトキャリアを使用した。攪拌混合後は1gの現像剤を、目開き635メッシュケージに計量し、Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)シングルモード法によりトナーの帯電量を測定した。ここでのシングルモード法とは、前記Vブローオフ装置(リコー創造開発株式会社製)で、装置マニュアルに従い、シングルモードを選び、測定条件は高さ5mm、吸い込み100、2回ブローとした。下記基準にて評価した。
〔評価基準〕
帯電性は、下記基準に従い判定した。
帯電量-38~-42μC/g ・・・・・・・・・・・・・・・・・・◎
帯電量-34~-38μC/g又は-42~-45μC/g ・・・・・○
帯電量-30~-34μC/g又は-45~-50μC/g ・・・・・△
帯電量-25~-30μC/g又は-50~-60μC/g ・・・・・▲
帯電量-1~-25μC/g又は-60~-80μC/g ・・・・・×
※◎~△を合格とし、×を不合格とした。
各トナーと画像形成装置(「RICOH MPC8002」;株式会社リコー製)にて行い画像面積率0.5%の文字画像パターンを用いて出力する。50,000枚連続出力した際の複写機内のトナー汚染状態を目視にて観察し、下記基準に基づいて評価した。
〔評価基準〕
◎:トナー汚れがまったく観察されず良好な状態である
○:わずかに汚れが観察される程度で問題とはならい
△:許容範囲内だが汚れが観察される
×:許容範囲外で非常に汚れがあり問題となる
※◎~△を合格とし、×を不合格とした。
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 ローラ
15 ローラ
16 ローラ
17 クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読み取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
101 静電潜像担持体
102 帯電装置
103 露光装置からの露光
104 現像装置
105 記録紙
107 クリーニング部
108 転写ローラ
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電ローラ
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (7)
- Alを含有する有機変性層状無機化合物、結着樹脂および離型剤を含有するトナー母体粒子に外添剤を添加してなるトナーであって、
前記トナー母体粒子表面からの深さ0.2μmまでのAl含有率C1が、0.1質量%≦C1≦0.3質量%であり、かつ、トナー表面から0.4μmまでのAl含有率C2との比(C1/C2)が、1.0≦(C1/C2)≦1.5であり、
前記Alを含有する有機変性層状無機化合物は、層状無機化合物を有機カチオン変性剤で変性したものであり、前記有機カチオン変性剤が、ジメチルジステアリルアンモニウム(DMDS)、ジメチルオレイルベンジルアンモニウム(DMOB)およびジメチルジオレイルアンモニウム(DMDO)から選択された少なくとも1種であることを特徴とするトナー。 - 前記比(C1/C2)が、1.0≦(C1/C2)≦1.2であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記変性時に用いた有機カチオン変性剤の量A(モル)と、前記変性前の層状無機化合物に含まれるカチオン量B(モル)との比(A/B)が、1.0≦(A/B)≦1.5であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
- 請求項1~3のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
- 請求項1~3のいずれかに記載のトナーを収容することを特徴とするトナー収容ユニット。
- 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段とを有し、
前記現像剤が、請求項1~3のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。 - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、
該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程とを有し、
前記現像剤が、請求項1~3のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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