JP2021144206A - マゼンタトナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

マゼンタトナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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圭佑 多田
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Abstract

【課題】クリーニング性を悪化させることなく、転写性および耐機内汚染性に優れたトナーを提供すること。【解決手段】 少なくとも結着樹脂と、着色剤とを含有するマゼンタトナーであって、前記マゼンタトナーのラマン分光法における1200cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のラマンスペクトルを足し合わせた合計強度が最大値を示す波数λにおける各トナー粒子のラマンスペクトルの強度を1に規格化したとき、2750cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のスペクトルの積分強度をInとし、前記Inの平均値をIaveとし、下記(式1)で算出される値をCH率としたとき、CH率の絶対値が25.0%以上であるトナー粒子の全トナー粒子に対する個数割合が1.0個数%以上、25.0個数%以下であるマゼンタトナー。CH率(%)=[(In−Iave)/Iave]×100 ・・・(式1)【選択図】なし

Description

本発明は、マゼンタトナー、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真方式による画像形成では、静電潜像担持体上に静電荷像(潜像)を形成し、帯電させたトナーを現像剤担持体にて搬送し、潜像を現像してトナー画像を形成した後、トナー画像を紙等の記録媒体上に転写し、加熱等の方法で定着して出力画像を得ている。また、転写後に静電潜像担持体上に残留したトナーは、クリーニング部材により静電潜像担持体上から回収され、廃トナー収納部に排出する技術が知られている。
前記現像方式において、現像機内に供給されたトナー粒子は粒径や形状、帯電特性などにばらつきがあり、全粒子を理想通りに制御することは非常に難しい。
トナー粒子とキャリアとの混合状態などが不均一で摩擦帯電が得られないような場合やトナー粒子の帯電性能が低い場合は、機内での制御ができずに飛散して機内汚染の原因となる。
また、一部のトナーと、キャリア、感光体、又は転写ベルトとの付着力などが強すぎると十分転写できず、トナーの消費量が増加する。
トナー粒子の特性のばらつきは少量であっても画像システムの異常に繋がるため、トナー1粒1粒の特性値の分布を狭小化し、均一性を向上させることが重要である。
特許文献1では焔内加水分解法を用いた外添剤を用いることで帯電量分布の狭小化を行い、転写効率を向上させることが提案されている。
特許文献2では特定の離型剤の選択に加えて、過剰に異形化している粒子が少なくなるよう形状分布を狭小化にすることによって転写率を改善することが提案されている。
特許文献3では特定の樹脂を選定することで、定着画像の耐擦過性が向上してトナー飛散が改善することや粒度分布の狭小化および球形化によってトナー飛散を良化することが提案されている。
特許文献1のトナーは、トナー母体と外添剤を混合する混合工程において付着量や埋没度の不均一性は避けられないため均一性としての改善には限界があり、帯電量分布の狭小化による転写率改善では十分なレベルに至っていない。
特許文献2のトナーは、形状を球形化することで転写率の改善は認められるが、クリーニングブレードのすり抜けが発生するためクリーニング性の両立が課題となる。
特許文献3のトナーは、粒度分布の狭小化により飛散低減に対して一定の効果があるものの、造粒過程で粒径の不均一性が生じることは避けられないため十分なレベルには至っていない。また球形化によってクリーニングブレードのすり抜け悪化が生じるため、トナー飛散改善とクリーニング性の両立が課題である。
本発明は以上を鑑みてなされたものであり、クリーニング性を悪化させることなく、転写性および耐機内汚染性に優れたトナーを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明は以下に記載するとおりのものである。
少なくとも結着樹脂と、着色剤とを含有するマゼンタトナーであって、前記マゼンタトナーのラマン分光法における1200cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のラマンスペクトルを足し合わせた合計強度が最大値を示す波数λにおける各トナー粒子のラマンスペクトルの強度を1に規格化したとき、2750cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のスペクトルの積分強度をIとし、前記Iの平均値をIaveとし、下記(式1)で算出される値をCH率としたとき、CH率の絶対値が25.0%以上であるトナー粒子の全トナー粒子に対する個数割合が1.0個数%以上、25.0個数%以下であるマゼンタトナー。
CH率(%)=[(I−Iave)/Iave]×100 ・・・(式1)
本発明によれば、クリーニング性を悪化させることなく、転写性および耐機内汚染性に優れたトナーを提供することができる。
波数λの算出方法を示す図である。 波数λにおける強度を1にする規格化方法を示す図である。 2750cm−1〜3250cm−1における平均スペクトル強度を算出する方法を示す図である。 平均スペクトルに対する1粒子スペクトルの差からCH率を算出する方法を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す模式図である。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す模式図である。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す模式図である。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す模式図である。
以下、本発明に係るマゼンタトナー(以下では、単に「トナー」とも記載する)、現像剤、トナー収容ユニット、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
(トナー)
本発明は、結着樹脂と着色剤とを含有するマゼンタトナーであって、後述する「CH率」の絶対値が25.0%以上であるトナー粒子の全トナー粒子に対する個数割合が1.0個数%以上、25.0個数%以下であるマゼンタトナーである。
以下詳細を説明する。
<CH率の概要>
CH率とは、Content Heterogeneity(含有量不均一性)の頭文字をとった用語で、トナー中の原材料含有量の不均一性を評価するために定義した指標である。トナー作成時の原材料含有割合と比較し、トナー1粒1粒の原材料含有割合がどのくらい乖離しているかを評価する。トナー1粒1粒の原材料含有割合が、トナー作成の際の原材料含有割合から乖離しないことが当然好ましい。
<CH率の算出方法>
トナーのラマンスペクトルからCH率を算出する。
本発明における「CH率」とは、トナーのラマン分光法における1200cm−1〜3250cm−1の範囲で、トナー粒子のラマンスペクトルを足し合わせた合計強度が最大値を示す波数をλと定義し、各トナー粒子の波数λにおけるラマンスペクトルの強度を1に規格化したとき、2750cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のスペクトルの積分強度をIとし、前記Iの平均値をIaveとしたとき、下記(式1)で表される値である。
CH率(%)=[(I−Iave)/Iave]×100 ・・・(式1)
ラマンスペクトルは、ラマン顕微鏡を用いて測定する。用いる装置は特に限定されるものではないが、例えば「XploRA PLUS」((株)堀場製作所製)を用いて測定する。トナー1粒子ずつラマンスペクトルを測定し、500〜600粒子のスペクトルを取得した後、前記の(式1)にてCH率を算出する。
<ラマンスペクトルの測定条件>
本願発明において、ラマンスペクトルは以下の測定条件で測定する。
(1)励起レーザーの選択
ラマンスペクトルの測定は、励起波長785nmのレーザーを用いる。レーザーをトナー1粒子ごとに照射することで測定し、レーザー強度はトナーが溶けない強度に調整する。
(2)測定粒子数
トナーの粒子ごとにスペクトル形状が少しずつ異なり、そのバラつきを評価するためには500〜600粒子のトナーを測定する。500〜600粒子のトナーを測定することにより測定バラツキが収束し、異なるトナー同士を比較することが可能になる。
(3)測定する波数領域
解析は1200cm−1〜3250cm−1の波数領域を使用して行うため、この範囲を含む波数領域を測定する必要がある。
(4)焦点の調整条件
トナー粒子の最表面に焦点が合うように調整を行う。
(5)その他の設定項目
その他のラマンスペクトルの分解能に関わる測定条件として、対物レンズは50倍で測定を行い、ラマンスペクトルの波数方向のプロット間隔が1cm−1〜2cm−1程度になるような分解能の設定で測定を行う。
<サンプルの作製方法>
トナー粒子を1粒単位で測定するために、石英基盤上にトナーを分散させることで、サンプルを作製する。
<ラマンスペクトルの補正>
ラマンスペクトルには蛍光やノイズの影響も含まれているため、スペクトルデータのベースライン補正を行うことが望ましい。
ベースライン補正の方法は特に限定されるものではないが、補正の方法の一例を下記に示す。
スペクトルのベースライン補正は、例えば、ソフト「Labspec6.0」((株)堀場製作所製)を用いて行う。
(1)測定したラマンスペクトルの波数領域を1200cm−1〜3800cm−1で抽出する。
(2)前記(1)にベースライン補正を「次数:5」、「最大点数:4」、「ノイズ点数:0」で実行する。
(3)前記(2)のスペクトルの波数領域を1200cm−1〜3250cm−1で再度抽出する。
<ラマンスペクトルの規格化>
測定対象の大きさや形状、原材料の種類などによって、ラマンスペクトルの強度は変動するため、異なるトナー同士のラマンスペクトル強度を単純に比較することはできない。
そこでラマンスペクトルに規格化処理を行うことで、異なるトナー同士を比較できるようにする。規格化処理は前記ベースラインを補正したスペクトルに対して、データ編集ソフト(例えばExcelなど)を用いて行う。
規格化は下記の方法で行う。
(1)図1に示すようにすべてのラマンスペクトルを足し合わせた合計スペクトルを計算し、合計スペクトルが最大強度を示すときの波数λを求める。
(2)図2に示すようにn粒子目のラマンスペクトルに対して、波数λの強度が1になるような補正係数X(n)を求め、全波数領域に渡って補正係数X(n)を掛けて、スペクトル強度の規格化を行う。以降、前記規格化を行ったスペクトルを規格化スペクトルと呼ぶ。
これを測定したすべての粒子のラマンスペクトルに対して行う。
<ノイズデータの除外>
ラマンスペクトルの測定において、ゴミなどのノイズとなるデータを取得している場合もあり、それらをCH率計算に加えると正しく評価が行えない可能性があるため、以下のようにしてノイズデータを除外する。
前記(2)のn粒子目の規格化スペクトルに対して、スペクトルの面積S(n)を計算する。これを測定したすべての粒子に対して行う。
全粒子のS(n)の標準偏差σ(S)を計算し、S(n)−2×σ(S)≦S(n)≦S(n)+2×σ(S)を満たさない粒子(n)についてはエラーデータとして扱い、CH率の計算対象から除外する。
<CH率の算出>
図3は、図2における2750cm−1〜3250cm−1の領域を示した図である。
前記ノイズデータの除外処理によって除外されなかった粒子(n)を用いて平均スペクトルを求める。
図4は、図3で求めた平均スペクトルと粒子(n)のスペクトルを図中に並べたものである。
粒子(n)の2750cm−1〜3250cm−1における積分強度Iを算出し、全ての粒子のIを用いて平均値を算出したものをIaveとした。
粒子(n)と平均スペクトルとの2750cm−1〜3250cm−1における積分強度の差はI−Iaveとなる。平均に対する変化率の算出として、次の(式1)を用いてCH率を計算する。
CH率(%)=[(I−Iave)/Iave]×100 ・・・(式1)
:該n粒子目のラマンスペクトルの2750cm−1〜3250cm−1の積分強度
ave:該粒子すべてのIの平均値
使用する原材料の種類によってラマンスペクトルの強度は異なるため、CH率はIとIaveの差分で計算するのではなく、変動係数(CV)と同様の考え方で(式1)のように変化割合として計算を行う。
一般に着色剤のスペクトルがほとんど出現しない2750cm−1〜3250cm−1の範囲を用いて解析を行うことで、着色剤以外の原材料の含有量バラつきを精度良く評価することができる。
本発明者らは、転写性、耐機内汚染性およびクリーニング性の両立の課題に対して鋭意検討を重ねた結果、トナー中の樹脂成分含有量の不均一性を示すCH率において、CH率の絶対値が25.0%以上である粒子の割合が1.0個数%以上、25.0個数%以下であることが重要と見出した。
CH率の絶対値が25.0%以上の粒子が25.0個数%を超えると、トナー飛散による機内汚染抑制効果や転写性改善効果が不十分となるため好ましくない。
一方、CH率の絶対値が1.0個数%未満の場合は地汚れトナーについても大きく低減することになるが、従来地汚れトナーによって形成していたクリーニングブレード部のダムが不十分となりクリーニング不良が生じる可能性がある。
また、CH率の絶対値が25.0%以上の粒子が5.0個数%以上、20.0個数%以下であることにより、更なる機内汚染抑制効果や転写性改善効果、良好なクリーニング性を得ることができる。
CH率の絶対値が50.0%以上のトナー粒子の割合は3.0個数%以下であることが好ましく、2.0個数%以下であることがより好ましい。CH率の絶対値が50.0%の閾値はおよそ分布の裾の外側であり、CH率の絶対値が50.0%以上のトナー粒子は正規分布から外れている極端に組成の異なるトナー粒子である。
このようなトナー粒子は転写不良の原因にもなるが、特に機内で飛散しやすい。CH率の絶対値が50.0%以上のトナー粒子の割合を減らすことによって耐機内汚染性を向上することが可能である。
CH率の中央値は−3.0%以上であることが好ましい。CH率の中央値が−3.0%以上であることにより、キャリアの劣化によるトナー飛散が生じることがなくて耐機内汚染性が悪化することがない。
CH率は平均スペクトルに対する乖離性を評価しているため、全てのトナー粒子のCH率の和はゼロになる。しかしながら、成分の分布に偏りがある場合、特に一部の極端に組成の異なる粒子が存在するとCH率の中央値はゼロではなくなる。
CH率の中央値がマイナスになる場合は、極端にCH率の高い、つまり樹脂成分の多いトナー粒子が存在しているということである。逆にCH率の中央値がプラスになる場合は、極端にCH率の低い、つまり樹脂成分の少ないトナー粒子、例えば着色剤などが極端に多いトナー粒子が存在しているということである。
CH率が高い樹脂成分が多いトナー粒子については離型剤が過量含まれている可能性が高い。離型剤が多く含まれているトナー粒子は、キャリアへスペントさせる可能性が高く、キャリア汚染による帯電能力の低下を生じさせる。
そのためCH率の中央値が低くなるほど、CH率が高くキャリア汚染を生じさせやすいトナーが多いということであり、CH率の中央値が低い値とならないようにすることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法としては、特に限定されるものではない。混練粉砕法においては原材料の事前微分散化や混練工程の強度増加、温度制御による再凝集の防止など、結着樹脂中により均一に微分散化された状態で粉砕することが望ましい。
ケミカル工法としては溶解懸濁法を一例として詳細な説明をする。
少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有してなるトナー組成物を有機溶媒中に溶解させた後に、せん断力又は衝突力によって材料を微細化する。この時、せん断力と衝突力を併用することでCH率の絶対値が25.0%以上の不均一な組成のトナーを効率的に減らすことができる。
分散方法は特に限定されないが、せん断による微分散化はローターとステーターの狭いギャップで生じさせる高せん断力で材料を粉砕する方式が好ましく用いられる。衝突による微分散化はベッセル内にジルコニアなどのビーズを充填して回転させることで、ビーズ間やビーズとベッセル間の衝突によって材料を粉砕する方式が好ましく用いられる。
衝突による粉砕は1μmを超えるような大きな材料に対して特に効果的であり、一方、せん断による粉砕はサブミクロンオーダーの材料をさらに微細化することに効果的である。2つの方式は主となる粉砕対象領域が異なるため、併用することによって材料の均一性を向上させることが可能であるため、2つの方式を併用することが特に好ましい。せん断による分散と衝突による分散の順番については限定しない。
効率的に材料を微細化するためには、せん断による微分散化ではローターの周速が12m/sを超えることが好ましい。また、衝突による粉砕はディスク周速を6m/s以上にすることが好ましく、10m/s〜12m/sにすることがさらに好ましい。衝突による粉砕ではディスク周速が6m/s未満の場合は十分な衝突による粉砕エネルギーが得られないことや、ビーズの偏りが生じるため十分な分散ができない。逆にディスク周速を上げすぎると、過剰に分散しすぎてしまい地汚れトナー減少によるクリーニング性の悪化が懸念される。また、液温上昇や過分散による再凝集といったリスクもある。
メディア径は0.5mm以下が好ましく、0.4mmから0.3mm以下がさらに好ましい。ビーズが小さいほど、ビーズの総表面積が増えるため衝突による分散機会が増えて分散効率が向上する。小さすぎるとビーズとプロセス液分離のスクリーンの目開きも狭くする必要があるため、流量が出せずに液温が上昇してしまって再凝集が生じるリスクがある。
さらにCH率の絶対値が25.0%を超えるような不均一な組成のトナー粒子を減らすために、分散液中に着色剤や離形剤などの有機物より硬度の高い無機物を添加して分散させることも効果的である。
無機物は特に限定されないが、一例として有機変性層状無機鉱物であるモンモリロナイトを添加した場合を例として以下に説明する。
少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤に加えて有機変性層状無機鉱物を含有してなるトナー組成物を有機溶媒中に溶解させた後に、メディア型分散機を用いて衝突力によって材料を微細化する。組成物が有機変性層状無機鉱物を含有する場合は、有機変性層状無機鉱物を含まない場合に比べて、より効率的に材料の微分散化が可能であり、不均一な組成のトナー粒子を減らすことが可能である。これはビーズ間、ビーズとベッセル間に加えて、ビーズと無機物間、ベッセルと無機物間でも衝突機会が生じるため硬度の低い有機物を効果的に分散することが可能である。
ローターステーター型のせん断分散においては、無機物を添加しても粉砕効率は上がらず、無機物を粉砕メディアとして活用することが重要である。
無機物の添加量は全固形分に対して0.2質量%〜2.0質量%が好ましく、0.7質量%〜1.5質量%がさらに好ましい。添加量が0.2質量%〜2.0質量%であることにより粉砕メディアとしての機能が十分に発揮され、CH率の均一性が向上する。
また、トナーの形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)等を有していることが好ましい。
前記平均円形度は、前記トナーの形状と投影面積の等しい相当円の周囲長を前記トナーの投影像の周囲長で除した値である円形度の平均値であり、例えば、0.950〜0.980が好ましく、0.960〜0.975がより好ましい。なお、前記円形度が0.950未満の粒子が15.0個数%以下であるものが好ましい。
前記平均円形度が、0.950以上であることにより、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られる。また、0.980以下であることにより、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良の発生がなく、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生することがなく、また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染することがないため、本来の帯電能力を発揮することができる。
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行うことができる。
具体例を挙げると、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)水溶液を0.1〜0.5mL添加し、各トナー0.1〜0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理する。前記分散液を前記FPIA−2100にて濃度を5,000〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定する。
本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、即ち、添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様にトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分に濡らすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜10μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すること
ができるが、例えば、3μm〜10μmが好ましく、4μm〜7μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、3μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、10μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなることがある。
前記トナーにおける体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.00〜1.15がより好ましい。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman CoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行うことができる。
具体例を挙げると、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬社製)水溶液を0.5mL添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子社製)で10分間分散処理する。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行うことができる。
測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下する。
本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<トナー原料>
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂を含有するトナー母体に、必要に応じて離型剤などのその他の成分を含有させることができ、必要に応じて外添剤を添加するものである。
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と上記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、未変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−未変性ポリエステル樹脂−−
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、下記一般式(1)で表されるポリオールと、下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸とをポリエステル化した樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
Figure 2021144206
ただし、前記一般式(1)中、Aは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、mは、2〜4の整数を表す。
また、前記一般式(2)中、Bは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、nは、2〜4の整数を表す。
前記一般式(1)で表されるポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(2)で表されるポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−変性ポリエステル樹脂−−
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステル(以下、「ポリエステルプレポリマー」と称することがある)とを、伸長反応及び/又は架橋反応して得られる樹脂などが挙げられる。前記伸長反応及び/又は架橋反応は、必要に応じて、反応停止剤(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ケチミン化合物等のモノアミンをブロックしたものなど)により停止させてもよい。
−−−活性水素基含有化合物−−−
前記活性水素基含有化合物は、水相中で、前記ポリエステルプレポリマーが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物としては、活性水素基を有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも、前記ポリエステルプレポリマーが後述するイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合、高分子量化が可能となる点で、アミン類が好ましい。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
前記活性水素基含有化合物である前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミン類のアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)などが挙げられる。
前記3価以上のポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記これらのアミン類のアミノ基をブロックしたものとしては、例えば、前記これらのアミン類(ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸等)のいずれかとケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記アミン類は、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のポリアミンとの混合物が特に好ましい。
−−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−−
活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な基を少なくとも有する重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。中でも溶融時の高流動性、透明性に優れ、高分子成分の分子量を調節しやすく、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着性、離型性に優れる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましく、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーがより好ましい。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物、活性水素基含有ポリエステル樹脂をポリイソシアネートと反応させてなるものなどが挙げられる。
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の3価以上のポリオール;ジオールと3価以上のポリオールとの混合物;などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ポリオールは、前記ジオール単独、前記ジオールと少量の前記3価以上のポリオールとの混合物が好ましい。
前記ジオールとしては、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAエチレンオキサイド3モル付加物)を主成分とすることが好ましい。また、分子量や分子量の運動性を調整する目的で、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール等)を使用しても良い。
前記ポリオールのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等);芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等);3価以上のポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸等)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、前記ポリカルボン酸は、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。なお、前記ポリカルボン酸の代わりに、ポリカルボン酸の無水物、低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)などを用いてもよい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸の混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ポリオールの水酸基[OH]と前記ポリカルボン酸のカルボキシル基[COOH]との当量比[OH]/[COOH]として、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が特に好ましい。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類(トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等);これらのフェノール誘導体;オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートと、前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(水酸基含有ポリエステル樹脂)との混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ポリイソシアネートのイソシアネート基[NCO]と前記水酸基含有ポリエステル樹脂の水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]として、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、3/1〜1.5/1が特に好ましい。前記当量比[NCO]/[OH]が、1/1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあり、5/1を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー中の前記ポリイソシアネートの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーの1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4がより好ましい。前記平均数が、1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと、前記アミン類との混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類中のアミノ基[NHx]の混合当量比[NCO]/[NHx]が、1/3〜3/1が好ましく、1/2〜2/1がより好ましく、1/1.5〜1.5/1が特に好ましい。前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
−−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の合成方法−−−
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーの場合、前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを公知のエステル化触媒(チタンテトラブトキシド、ジブチルチンオキサイド等)の存在下、150℃〜280℃に加熱し、必要により適宜減圧しながら生成し、水を溜去して水酸基含有ポリエステルを得た後に、40℃〜140℃にて、前記水酸基含有ポリエステルに前記ポリイソシアネートを反応させることにより合成する方法などが挙げられる。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。前記重量平均分子量(Mw)が、3,000未満であると、保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記重量平均分子量(Mw)の測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度を0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50μL〜200μL注入して測定する。試料における分子量の測定に当たっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。
検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure Chemical Co.又は東洋ソーダ工業社製の分子量が6×10、2.1×10、4×102、1.75×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、及び4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
<<離型剤>>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、植物系ワックス(カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン等)、鉱物系ワックス(オゾケライト、セルシン等)、石油ワックス(パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等)等のロウ類及びワックス類;合成炭化水素ワックス(フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス等)、合成ワックス(エステル、ケトン、エーテル等)等の天然ワックス以外のもの;1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子であるポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子;などが挙げられる。
これらの中でも、定着時の不必要な揮発性有機化合物の発生が少ないという点で、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、モノエステルワックス、ライスワックスが好ましい。
前記離型剤は、市販品を用いることができる。前記マイクロクリスタリンワックスとしては、例えば、日本精鑞社製の「HI−MIC−1045」、「HI−MIC−1070」、「HI−MIC−1080」、「HI−MIC−1090」、東洋アドレ社製の「ビースクエア180ホワイト」、「ビースクエア195」、WAXPetrolife社製の「BARECO C−1035」、Cray Vally社製の「CRAYVALLAC WN-1442」などが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃〜100℃が好ましく、65℃〜90℃がより好ましい。融点が、60℃以上であると、30〜50℃程度の高温保管時においても、トナー母体からの離型剤の染み出しの発生を抑制し、耐熱保存性を良好に維持することができ、100℃以下であると、低温での定着時にコールドオフセットを起こしにくいため、好ましい。
前記融点は、DSCで測定される。例えば、島津製作所製TA−60WS、及びDSC−60を用い、次に示す測定条件で測定できる。
(測定条件)
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
1st.昇温 開始温度:20℃,昇温速度:10℃/min,終了温度:150℃,保持時間:なし
1st.降温 降温温度:10℃/min,終了温度:20℃,保持時間:なし
2nd.昇温 昇温速度:10℃/min,終了温度:150℃
測定した結果は島津製作所製のデータ解析ソフト(TA−60、バージョン1.52)を用いて解析を行う。
前記融点は、2nd.昇温で測定された吸熱ピークのピークトップの温度を用いる。
前記離型剤は、前記トナー母体粒子中に分散した状態で存在することが好ましく、そのためには、前記離型剤と前記結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。前記離型剤が、前記トナー母体粒子中に微分散する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー製造時の混練の剪断力をかけて分散させる方法などが挙げられる。
前記離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することができる。前記離型剤の分散径は、小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。したがって、倍率1万倍で前記離型剤を確認することができれば、前記離型剤が分散した状態で存在していることになる。
1万倍で前記離型剤が確認できない場合、微分散していたとしても、定着時の染出しが不十分となる。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3質量%〜15質量%が好ましく、5質量%〜10質量%がより好ましい。前記離型剤の前記トナーにおける含有量が3質量%以上(特に5重量%以上)であることにより、耐ホットオフセット性が悪化することがなく、また、15質量%以下(特に10質量%以下)であることにより、定着時の離型剤の染み出し量が過剰とならずに、耐熱保存性を悪化させることがなく、好ましい。
<<その他の成分>>
−着色剤−
前記トナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
前記トナーの色は、マゼンタであり、適宜選択した少なくとも1種のマゼンタ着色剤を含有する。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、150、163、177、179、184、202、206、207、209、211、269;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35等が挙げられる。
トナー中における着色剤の含有量は、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での着色剤の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては、特に制限はないが、結着樹脂との相溶性の点から、結着樹脂、又は結着樹脂と類似した構造の樹脂を用いることが好ましい。
前記マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤を混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
<有機変性層状無機鉱物>
前記有機変性層状無機鉱物は、層状無機鉱物の層間に存在するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された有機変性層状無機鉱物である。前記層状無機鉱物は、厚み数nmの層が重ね合わさって形成される層状の無機鉱物である。前記「変性された」とは、前記層状無機鉱物の層間に存在するイオンに有機物イオンを導入することと同義であり、広義にはインターカレーションである。
前記層状無機鉱物は表面近傍に配置されることで最も大きな効果を発揮し、表面近傍に配置されやすいことが分かっている。また、本発明における有機変性層状無機鉱物は、トナー粒径の大小に関係なく均一な割合でトナー粒子に含有されることが望ましい。このため、どのトナー粒子にも表面近傍に有機変性層状無機鉱物が均一に配置されることになる。これにより、例えば粒子径の小さなトナー粒子において有機変性層状無機鉱物の含有率が小さくなり、そのため表面に配置される有機変性層状無機鉱物の割合が減り、トナー粒子表面が相対的に柔らかくなり、トナー母体に添加する外添剤が埋め込まれやすくなることで、トナーの流動性付与などに有利な外添剤の脱離が阻害されるといった現象を回避する効果がある。
ここで、トナー中における有機変性層状無機鉱物の存在状態は、トナー粒子をエポキシ樹脂などに包埋した試料を、マイクロミクロトームやウルトラミクロトームで切削し、トナー断面を走査型電子顕微鏡(SEM)などで観察することで確認することが可能である。SEMによる観察の場合は、反射電子像で確認することが好ましく、有機変性層状無機鉱物の存在が強いコントラストで観察できるので好ましい。また、FIB−STEM(HD−2000、日立製作所製)を用いて、トナー粒子をエポキシ樹脂等に包埋した試料をイオンビームで切削し、トナーの断面を観察してもよい。この場合も、反射電子像で確認することが視認のし易さから好ましい。
また、本発明で言及するトナー表面近傍とは、トナー粒子をエポキシ樹脂などに包埋した試料を、マイクロミクロトームやウルトラミクロトーム、又はFIB−STEMで切削して得られるトナーの断面の観察像において、トナー最表面からトナー内部に0nm〜300nmの領域と定義する。
前記層状無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等)、カオリン群粘土鉱物(カオリナイト等)、ベントナイト、アタパルジャイト、マガディアイト、カネマイトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機変性層状無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、これらの前記層状無機鉱物の層間に存在するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された有機変性層状無機鉱物などが挙げられる。これらの中でも、スメクタイト系の基本結晶構造を持つスメクタイト群粘土鉱物の層間のイオンの少なくとも一部が有機カチオンで変性されたものが、トナー表面近傍における分散安定性の観点で好ましく、モンモリロナイトの層間のイオンの少なくとも一部が有機カチオンで変性されたもの、ベントナイトの層間のイオンの少なくとも一部が有機カチオンで変性されたものが特に好ましい。
前記有機変性層状無機鉱物が、前記層状無機鉱物の層間に存在するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性されていることは、ガスクロマトグラフ質量分析法(GCMS)により確認することができ、例えば、試料であるトナー中の結着樹脂を溶媒により溶解させた溶液を濾過し、得られた固形物を熱分解装置にて熱分解し、GCMSにて有機物の構造を同定する方法が好適に挙げられる。具体的には、熱分解装置として、Py−2020D(フロンティア・ラボ社製)を用い、550℃にて熱分解を行った後、GCMS装置QP5000(島津製作所社製)にて同定する方法が挙げられる。
また、前記有機変性層状無機鉱物としては、前記層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入し、更に該金属アニオンの少なくとも一部を有機アニオンで変性した層状無機化合物が挙げられる。
前記有機変性層状無機鉱物としては、市販品を用いることができる。該市販品としては、例えば、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、Elementis Specialties社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(BYK Additives & Instruments社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、BYK Additives & Instruments社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイト;クレイトンHY(サザンクレイ社製)等の有機変性モンモリロナイト;ルーセンタイトSPN(コープケミカル社製)等の有機変性スクメタイトなどが挙げられる。これらの中でも、クレイトンAF、クレイトンAPAが特に好ましい。
また、前記有機変性層状無機鉱物としては、DHT−4A(協和化学工業社製)に、R(OR)nOSOM(ただし、Rは炭素数13個のアルキル基、Rは炭素数2〜6個のアルキレン基、nは2〜10の整数、Mは1価の金属元素を表す)で表される前記有機イオンを有する化合物で変性させたものが特に好ましい。前記R(OR)nOSOMで表される前記有機イオンを有する化合物としては、例えば、ハイテノール330T(第一工業製薬社製)などが挙げられる。
前記有機変性層状無機鉱物は、樹脂と混合し、複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。
前記有機変性層状無機鉱物の前記トナーに対する含有量としては、0.1質量%〜3.0質量%が好ましく、0.3質量%〜1.5質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、層状無機鉱物の効果が発揮されづらくなり、3.0質量%を超えると、低温定着性を阻害する傾向にある。
前記有機物イオンを有し、前記層状無機鉱物の層間に存在するイオンの少なくとも一部を有機物イオンに変性可能な化合物である有機物イオン変性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、第4級アルキルアンモニウム塩、フォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩;炭素数1〜44の分岐、非分岐又は環状アルキル、炭素数1〜22の分岐、非分岐又は環状アルケニル、炭素数8〜32の分岐、非分岐又は環状アルコキシ、炭素数2〜22の分岐、非分岐又は環状ヒドロキシアルキル、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等の骨格を有する硫酸塩、前記骨格を有するスルホン酸塩、前記骨格を有するカルボン酸塩、前記骨格を有するリン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、第4級アルキルアンモニウム塩、エチレンオキサイド骨格を有するカルボン酸が好ましく、第4級アルキルアンモニウム塩が特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第4級アルキルアンモニウムとしては、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、ジメチルオクタデシルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
−帯電制御剤−
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の含有量は、結着樹脂の種類、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるものであり、一義的に限定されるものではないが、前記結着樹脂に対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.02質量%〜2質量%がより好ましい。前記添加量が、5質量%を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電気的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがあり、0.01質量%未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。
<<外添剤>>
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子としては、例えばHDK H2000T、HDK H2000/4、HDK H2050EP、HVK21、HDK H1303VP(いずれも、クラリアントジャパン社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812、NX90G(いずれも日本アエロジル社製)などが挙げられる。
前記チタニア微粒子としては、例えばP−25(日本アエロジル社製);STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業社製);TAF−140(富士チタン工業社製);MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ社製)などが挙げられる。
前記疎水化された酸化チタン微粒子としては、例えばT−805(日本アエロジル社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業社製);MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ社製);IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー母体粒子100質量部に対して、0.3質量部〜3.0質量部が好ましく、0.5質量部〜2.0質量部がより好ましい。
前記外添剤の、トナー母体粒子に対する総被覆率としては、特に制限はないが、50%〜90%であることが好ましく、60%〜80%であることがより好ましい。
<トナーの製造方法>
本発明におけるトナーの製法や材料は、条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法がある。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる溶解懸濁法;溶解懸濁法において、活性水素基と反応可能な官能基を有する樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)を含む油相組成物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法(エステル伸長法);樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法、前記エステル伸長法、凝集法で得られるトナーが、造粒性(粒度分布制御や、粒子形状制御等)の観点から好ましく、前記エステル伸長法で得られるトナーがより好ましい。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
前記混練粉砕法は、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂、離型剤を有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記溶解懸濁法は、例えば、少なくとも結着樹脂乃至樹脂前駆体、着色剤、及び離型剤を含有してなるトナー組成物を有機溶媒中に溶解乃至分散させた油相組成物を、水系媒体中で分散乃至乳化させることにより、トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記トナー組成物を溶解乃至分散させる場合に用いる有機溶媒としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、これらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
前記溶解懸濁法では、油相組成物を水系媒体中で分散乃至乳化させる際に、必要に応じて、乳化剤や分散剤を用いても良い。
該乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。該界面活性剤としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸エステル等)、カチオン界面活性剤(四級アンモニウム塩型、アミン塩型等)、両性界面活性剤(カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型等)、非イオン界面活性剤(AO付加型、多価アルコール型等)等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
該水溶性ポリマーとしては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
また、乳化又は分散の助剤として、上記の有機溶剤及び可塑剤等を併用することもできる。
本発明に係るトナーは、溶解懸濁法において、少なくとも結着樹脂、活性水素基と反応可能な官能基を有する結着樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)、着色剤、及び離型剤を含む油相組成物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中に分散乃至乳化させ、該油相組成物中及び/又は水系媒体中に含まれる活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法(エステル伸長法)によりトナーの母体粒子を造粒して得ることが好ましい。
前記樹脂微粒子は、公知の重合方法を用いて形成することができるが、樹脂微粒子の水性分散液として得ることが好ましい。樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法としては、例えば、以下の(a)〜(h)に示す方法が挙げられる。
(a)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
前記樹脂微粒子の体積平均粒径は10nm以上、300nm以下が好ましく、30nm以上120nm以下がより好ましい。前記樹脂微粒子の体積平均粒径が10nm以上(特に30nm以上)、300nm以下(特に120nm以下)であることによりトナーの粒度分布が悪化することがなく、好ましい。
前記油相の固形分濃度は、40〜80%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると、溶解乃至分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いにくく、濃度が低すぎると、トナーの製造性が低下する。
前記着色剤や離型剤等、有機変性層状無機鉱物などの結着樹脂以外のトナー組成物、及びそれらのマスターバッチ等は、それぞれ個別に有機溶剤に溶解乃至分散させた後、結着樹脂溶解液又は分散液に混合しても良い。
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)等が挙げられる。
前記水系媒体中への分散乃至乳化の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。中でも、粒子の小粒径化の観点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは20〜80℃である。
前記有機溶媒を、得られた乳化分散体から除去するためには、特に制限はなく、公知の方法を使用することができ、例えば、常圧又は減圧下で系全体を撹拌しながら徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する方法としては、公知の技術が用いられる。すなわち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にすることができる。
前記凝集法では、例えば、少なくとも結着樹脂からなる樹脂微粒子分散液、着色剤粒子分散液、必要に応じて離型剤粒子分散液を混合し、凝集させることによりトナー母体粒子を製造する方法である。該樹脂微粒子分散液は、公知の方法、例えば乳化重合や、シード重合、転相乳化法等により得られ、該着色剤粒子分散液や、該離型剤粒子分散液は、公知の湿式分散法等により着色剤や、離型剤を水系媒体に分散させることで得られる。
凝集状態の制御には、熱を加える、金属塩を添加する、pHを調整するなどの方法が好ましく用いられる。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。さらに、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する方法は、前述の方法等を用いることができる。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、前記トナーを少なくとも含有してなり、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有してなる。該現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、現像手段によるストレス等に対しても、経時に渡ってトナーの凝集体を生じにくく、現像剤担持体としての現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、画像濃度安定性、及び転写性を良好に維持することで、良好で安定した画像品質が得られる。また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、現像手段による撹拌ストレス等に対しても、経時に渡ってトナーの凝集体を生じにくく、異常画像の発生を抑制すると共に、画像濃度安定性、及び転写性を良好に維持することで、良好で安定した画像品質が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯粒子と、該芯粒子を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。
<<芯粒子>>
前記芯粒子としては、磁性を有する芯粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮の点で、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトなどが好ましい。
−芯粒子の重量平均粒径Dw−
前記芯粒子の重量平均粒径Dwは、レーザー回折乃至散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記芯粒子の重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましく、20μm〜65μmがより好ましい。
前記芯粒子の重量平均粒径Dwの測定は、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)をマイクロトラック粒度分布計(HRA9320−X100、Honewell社製)を用いて下記に記載の条件にて測定し、下記式(I)を用いて算出する。なお、各チャネルは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを表し、前記代表粒径は、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用する。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(I)
ただし、前記式(I)中、Dは、各チャネルに存在する芯粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する芯粒子の総数を表す。
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
<<被覆層>>
前記被覆層は、少なくとも樹脂を含有しており、必要に応じてフィラー等の他の成分を含有していても良い。
−樹脂−
キャリアの被覆層を形成するための樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できる。例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)やその変性品、ポリスチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えば、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、一般的に知られているシリコーン樹脂の中から目的に合わせて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂、及びアルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂が挙げられる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2405、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
また、上記変性シリコーン樹脂の具体例としては、エポキシ変性物:ES−1001N、アクリル変性シリコーン:KR−5208、ポリエステル変性物:KR−5203、アルキッド変性物:KR−206、ウレタン変性物:KR−305(以上、信越化学工業社製)、エポキシ変性物:SR2115、アルキッド変性物:SR2110(東レダウコーニングシリコーン社製)等が挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂は、単体で用いることも可能であるが、架橋反応性成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。該架橋反応性成分としては、シランカップリング剤等が挙げられる。該シランカップリング剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、アミノシランカップリング剤等が挙げられる。
−フィラー−
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィラー、非導電性フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記被覆層に、導電性フィラー及び非導電性フィラーを含有させることが好ましい。
前記導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cm以下のフィラーを指す。
前記非導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cmを超えるフィラーを指す。
前記フィラーの粉体比抵抗値の測定は、粉体抵抗測定システム(MCP−PD51、三菱化学アナリテック社製)及び抵抗率計(4端子4探針方式、ロレスタ−GP、三菱化学アナリテック社製)を使用して、試料1.0g、電極間隔3mm、試料半径10.0mm、荷重20kNの条件にて測定することにより行うことができる。
−−導電性フィラー−−
前記導電性フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成する導電性フィラー;カーボンブラックを用いて形成する導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する導電性フィラーが好ましい。
−−非導電性フィラー−−
前記非導電性のフィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウム等を用いて形成する非導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する非導電性フィラーが好ましい。
<キャリアの製造方法>
前記キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、流動床型コーティング装置を使用して、前記芯粒子の表面に、前記樹脂及び前記フィラーを含有する被覆層形成溶液を塗布することにより製造する方法が好ましい。なお、前記被覆層形成溶液を塗布する際に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいし、前記被覆層形成溶液を塗布した後に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよい。
前記樹脂の縮合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層形成溶液に、熱、光等を付与して樹脂を縮合する方法などが挙げられる。
−キャリアの重量平均粒径Dw−
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記キャリアの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましく、20μm〜65μmがより好ましい。
前記キャリアの重量平均粒径Dwの測定は、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)をマイクロトラック粒度分布計(HRA9320−X100、Honewell社製)を用いて下記に記載の条件にて測定し、下記式(II)を用いて算出する。なお、各チャネルは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを表し、前記代表粒径は、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用する。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(II)
ただし、前記式(II)中、Dは、各チャネルに存在するキャリアの代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在するキャリアの総数を表す。
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
前記現像剤が二成分現像剤である場合には、該二成分現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリアに対するトナーの質量比が2.0〜12.0質量%であることが好ましく、2.5〜10.0質量%であることがより好ましい。
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、本発明トナーを用いて画像形成が行われるため、トナー飛散を抑制しつつ、低温定着を可能にすることができる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、本発明のトナー又は現像剤を用いて、該静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、該可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程とを有する。さらに必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を有する。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、本発明のトナー又は現像剤を用いて、該静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、該可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、該記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段とを有する。さらに必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。以下詳細を説明する。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、より高精細な画像が得られる点で、有機感光体(OPC)が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(帯電器)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段(露光器)とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するもの等が好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図5に、本発明の画像形成装置の第一例を示す。画像形成装置100Aは、感光体ドラム10と、帯電ローラ20と、露光装置30と、現像装置40と、中間転写ベルト50と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電ランプ70とを備える。
中間転写ベルト50は、内側に配置されている3個のローラ51で張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。3個のローラ51の一部は、中間転写ベルト50に転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。また、中間転写ベルト50の近傍に、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。さらに、転写紙95にトナー像を転写するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することが可能な転写ローラ80が中間転写ベルト50と対向して配置されている。
また、中間転写ベルト50の周囲には、中間転写ベルト50に転写されたトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電装置58が、中間転写ベルト50の回転方向に対して、感光体ドラム10と中間転写ベルト50の接触部と、中間転写ベルト50と転写紙95の接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cから構成されている。なお、各色の現像ユニット45は、現像剤収容部42、現像剤供給ローラ43及び現像ローラ(現像剤担持体)44を備える。また、現像ベルト41は、複数のベルトローラで張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。さらに、現像ベルト41の一部が感光体ドラム10と接触している。
次に、画像形成装置100Aを用いて画像を形成する方法について説明する。まず、帯電ローラ20を用いて、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させた後、露光装置を用いて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。次に、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から供給されたトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、ローラ51から印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト50上に転写(一次転写)された後、転写ローラ80から印加された転写バイアスにより、転写紙95上に転写(二次転写)される。一方、トナー像が中間転写ベルト50に転写された感光体ドラム10は、表面に残留したトナーがクリーニング装置60により除去された後、除電ランプ70により除電される。
図6に、本発明で用いられる画像形成装置の第二例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図7に、本発明で用いられる画像形成装置の第三例を示す。画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備える。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの作像ユニット18Y、18C、18M及び18Kが並置されてタンデム型の画像形成ユニット120を形成している。
また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。
また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Cを用いて、フルカラー画像を形成する方法について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に、カラー原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に、カラー原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像情報は、各色の画像形成ユニット120に伝達され、各色のトナー像が形成される。各色の画像形成ユニット120は、図8に示すように、それぞれ、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラ160と、各色の画像情報に基づいて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、各色の静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像を各色の現像剤で現像して各色のトナー像を形成する現像装置61と、トナー像を中間転写ベルト50上に転写させるための転写ローラ62と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置63と、除電ランプ64とを備える。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の一つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の一つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラを回転して手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。次に、中間転写ベルト50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させることにより、中間転写ベルト50と二次転写ベルト24との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写ベルト50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写ベルト24により搬送された後、定着装置25により複合トナー像が定着される。次に、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。あるいは、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、シート反転装置28により反転され、裏面にも同様にして画像が形成された後、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。
本発明の画像形成方法、画像形成装置によれば、高画質な画像を長期にわたって提供することができる。
本発明は下記(1)のマゼンタトナーに係るものであるが、下記(2)〜(8)を実施形態として含む。
(1)少なくとも結着樹脂と、着色剤とを含有するマゼンタトナーであって、前記マゼンタトナーのラマン分光法における1200cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のラマンスペクトルを足し合わせた合計強度が最大値を示す波数λにおける各トナー粒子のラマンスペクトルの強度を1に規格化したとき、2750cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のスペクトルの積分強度をIとし、前記Iの平均値をIaveとし、下記(式1)で算出される値をCH率としたとき、CH率の絶対値が25.0%以上であるトナー粒子の全トナー粒子に対する個数割合が1.0個数%以上、25.0個数%以下であるマゼンタトナー。
CH率(%)=[(I−Iave)/Iave]×100 ・・・(式1)
(2)前記CH率の絶対値が50.0%以上のトナー粒子の個数割合が3.0個数%以下である上記(1)に記載のマゼンタトナー。
(3)前記CH率の絶対値が25.0%以上のトナー粒子の個数割合が5.0個数%以上、20.0個数%以下である上記(1)又は(2)に記載のマゼンタトナー。
(4)前記CH率の中央値が−3.0%以上である上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
(5)上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを含む現像剤。
(6)上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
(7)静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のトナー又は上記(5)に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段を有する画像形成装置。
(8)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のトナー又は上記(5)に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、
前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程を有する画像形成方法。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、例中の記載において[%]は質量%を示し、「部」は「質量部」を示す。
(実施例1)
<トナー1の製造>
−ポリエステル樹脂の合成−
反応1:窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド3モル付加物(EO)と1,2−プロピレングリコール(PG)をモル比で90/10、テレフタル酸(TPA)とアジピン酸(APA)をモル比で70/30とし、OH/COOH=1.33で仕込み、500ppmのチタンテトライソプロポキシドと共に常圧で230℃で10時間反応させた。
反応2:次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応させた。
反応3:次いで、反応容器に無水トリメリット酸(TMA)10部を入れ、180℃、常圧で3時間反応させ、[ポリエステル樹脂]を得た。
−プレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル樹脂]を得た。
得られた[中間体ポリエステル樹脂]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度(Tg)55℃、酸価0.5mgKOH/g、水酸基価51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル樹脂]410部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を入れ100℃で5時間反応し、[プレポリマー]を得た。得られた[プレポリマー]の遊離イソシアネート%は、1.53%であった。
−離型剤分散液の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器にカルナウバワックス(WA−05、セラリカ野田社製)70部、[ポリエステル樹脂]140部、及び酢酸エチル290部を入れ、撹拌下75℃に昇温し、75℃のまま1.5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度5kg/hr、ディスク周速6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液]を得た。
−マスターバッチの調製−
水1,000部、C.I.ピグメントレッド269を1,000部、及び[ポリエステル樹脂]1,000部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕し、[マスターバッチ1]を得た。
−油相1の作製−
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ポリエステル樹脂]72部、[離型剤分散液]113部、[マスターバッチ1]68部、酢酸エチル122部を入れて、せん断分散機(TKホモミキサー)を用いて周速12.5m/secの条件で分散させた後、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度5kg/hr、ディスク周速6m/sec、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[油相1]を得た。
−樹脂微粒子の水分散液の製造−
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業社製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。さらに1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は60nmであり、樹脂分の重量平均分子量は140,000、Tgは73℃であった。
−水相の調製−
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相]を得た。
−乳化乃至分散−
前記[油相1]374部に[プレポリマー]の酢酸エチル溶液77部、及びイソホロンジアミンの50%酢酸エチル溶液2.5部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相1’]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に[水相]550部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)にて11,000rpmで攪拌しながら、[油相1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
−脱溶剤〜洗浄〜乾燥−
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、減圧下において30℃で8時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を45℃で2時間保持した後、減圧濾過し、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、攪拌下で1%塩酸をpH3.3程度になるまで加え、その状態で1時間攪拌を続けた後濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ1を得た。
得られた濾過ケーキ1を循風乾燥機にて40℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を作製した。
−混合−
上記[トナー母体粒子1]に対して疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)を母粒子100部に対して1.5部添加し、20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて周速33m/sにて5分間混合した。上記を500メッシュの篩により風篩し、[トナー1]を得た。
(実施例2)
実施例1における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)のディスク周速を8m/secに変更した以外は実施例1と同様にして[トナー2]を作製した。
(実施例3)
実施例1における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)のディスク周速を9m/secに変更した以外は実施例1と同様にして[トナー3]を作製した。
(実施例4)
実施例1における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)のディスク周速を10m/secに変更した以外は実施例1と同様にして[トナー4]を作製した。
(実施例5)
実施例4における[油相1]の作製において、せん断分散機の周速を13.5m/secに変更してプレ分散を行った以外は実施例4と同様にして[トナー5]を作製した。
(実施例6)
実施例5における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)に0.3mmジルコニアビーズを80体積%充填した以外は実施例5と同様にして[トナー6]を作製した。
(実施例7)
−層状無機鉱物マスターバッチの調製−
[ポリエステル樹脂]100部、少なくとも一部にベンジル基を有する第4級アンモニウム塩で変性したモンモリロナイト化合物(クレイトンAPA、サザンクレイプロダクツ社製、粒径500nm)100部、及びイオン交換水50部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス/三井鉱山(株)製)にて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と層状無機鉱物の比率(質量比)が1:1である[層状無機鉱物マスターバッチ1]を作製した。
実施例6における[油相1]の作製において、[ポリエステル樹脂]72部のうち、1.6部を[層状無機鉱物マスターバッチ1]に置き換えた以外は実施例6と同様にして[トナー7]を作製した。
(実施例8)
実施例6における[油相1]の作製において、[ポリエステル樹脂]72部のうち、0.8部を[層状無機鉱物マスターバッチ1]に置き換えた以外は実施例6と同様にして[トナー8]を作製した。
(実施例9)
実施例8における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)のディスク周速を12m/secに変更した以外は実施例8と同様にして[トナー9]を作製した。
(実施例10)
実施例9における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)に0.2mmジルコニアビーズを80体積%充填した以外は実施例8と同様にして[トナー10]を作製した。
(実施例11)
実施例10における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)に0.1mmジルコニアビーズを80体積%充填した以外は実施例8と同様にして[トナー11]を作製した。
(比較例1)
実施例5における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いた分散を行わなかった以外は実施例5と同様にして[トナー12]を作製した。
(比較例2)
実施例8における[油相1]の作製において、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)のディスク周速を13m/secに変更した以外は、実施例8と同様にして[トナー13]を作製した。
(比較例3)
実施例11における[油相1]の作製において、せん断分散機の周速を10.0m/secに変更して分散を行った以外は実施例9と同様にして[トナー14]を作製した。
(比較例4)
比較例1において、[トナー母体粒子1]に対して疎水性シリカの他に、亜鉛イオン処理により表面改質した酸化チタンを1.5部添加して、20Lヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて周速33m/sにて5分間混合した以外は比較例1と同様にして[トナー15]を作製した。
(比較例5)
比較例1において、[トナー母体粒子1]を得たのち、気流式分級機「DS5型」(日本ニューマチック株式会社製)にて分級を行った以外は比較例1と同様にして[トナー16]を作製した。
(比較例6)
比較例1において、洗浄後の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後に、55℃1時間の球形化加熱処理を行った以外は比較例1と同様にして[トナー17]を作製した。
以上のように得られたトナーの作製条件等を表1に示す。
Figure 2021144206
(測定)
上記実施例、比較例で得られたトナーについて、以下の測定を行った。
<CH率測定>
ラマン顕微鏡「XploRA PLUS」((株)堀場製作所製)を用いて、励起波長785nmのレーザーでトナー1粒子ごとに500〜600粒子以上のラマンスペクトルを測定した。前記ラマンスペクトルよりCH率を算出し、CH率25.0%以上の粒子の割合、50.0%以上の粒子の割合、CH率の中央値を求めた。
結果を表2に示す。
<蛍光X線元素分析(XRF)>
(トナー中の層状無機鉱物の定量)
層状無機鉱物の添加量については蛍光X線による定量を行った。
検量線にはあらかじめトナーに対して層状無機鉱物を所定量入れたトナーを作製し、前記層状無機鉱物中に含まれるAlを測定し検量線とした。
サンプル作製は、乾燥後得られたトナー3g、自動加圧成型機(T−BRB−32 Maekawa製)、荷重6.0t、加圧時間60sec(メーカと条件)にて直径3mm、厚さ2mmにペレット成型し、蛍光X線装置(ZSX−100e 理学電気製)にて定量分析で上記トナー中のAlを測定し、作成した検量線より層状無機鉱物の含有割合をmass%として算出した。
測定結果を表2に示す。
<帯電量分布測定>
トナーの帯電量(μC/g)はブローオフ粉体帯電量測定装置TB−200(京セラ製)により測定し、帯電量分布は帯電量分布測定装置イースパートアナライザー(ホソカワミクロン製)によりQ/d分布(fC/μm)を測定し、正帯電領域の粒子割合をWST率として算出した。
結果を表2に示す。
<粒度分布測定>
トナーの粒度分布は、コールターマルチサイザーIII(コールター社製、商品名)を用いて測定し、パーソナルコンピューター(IBM社製)を接続し専用解析ソフト(コールター社製)を用いて体積基準の重量平均粒径(Dv)及び個数分布から求めた個数平均粒径(Dn)から、その比(Dv/Dn)を求めた。
結果を表2に示す。
<形状分布測定>
フロー式粒子像分析装置FPIA−3000(シスメックス社製、商品名)を用いて3000粒子以上の平均円形度を計測し、測定粒子中の円形度0.850以下の粒子の個数割合を求めた。
Figure 2021144206
<現像剤1の作製>
前記[トナー1]5部と、以下で記載するキャリア95部とを、ターブラーシェーカーミキサー(シンマルエンタープライゼス社製)で混合し、[現像剤1]を得た。
−キャリアの作製−
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部
トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調製した。このコート層形成液を、流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1000部の表面にコーティングして磁性キャリアを得た。
[トナー1]を含む[現像剤1]を用いた画像形成装置を使い、以下で記載する評価方法により、画像の転写性、耐機内汚染性、クリーニング性を評価した。
<現像剤2〜17の作製>
[現像剤1]の作製において、[トナー1]を[トナー2]〜[トナー17]に代えた以外は現像剤1の作製と同様にして[現像剤2]〜[現像剤17]を得た。
[転写性の評価]
線速162mm/sec及び転写時間を40msecにチューニングした株式会社リコー製の複写機(Imagio MP 7501)評価機を用い、前記[現像剤1]〜[現像剤17]について、A4サイズ、トナー付着量0.6mg/cmのベタパターンをテスト画像として出力するランニング試験を行った。テスト画像の初期、及び100K出力後、一次転写における転写効率を下記(式2)により、二次転写における転写効率を下記(式3)により、それぞれ求めた。評価基準は下記のとおりである。
一次転写効率(%)=(中間転写体上に転写されたトナー量/電子写真感光体上に現像されたトナー量)×100・・・(式2)
二次転写効率(%)=〔(中間転写体上に転写されたトナー量−中間転写体上の転写残トナー量)/中間転写体上に転写されたトナー量〕×100・・・(式3)
−評価基準−
評価基準は、一次転写率と二次転写率を掛け合わせ算出し以下の基準で評価した。
ランク: 転写率
10 : 99.0%以上
9 : 98.0%以上 99.0%未満
8 : 96.0%以上 98.0%未満
7 : 94.0%以上 96.0%未満
6 : 92.0%以上 94.0%未満
5 : 90.0%以上 92.0%未満
4 : 88.0%以上 90.0%未満
3 : 86.0%以上 88.0%未満
2 : 84.0%以上 86.0%未満
1 : 84.0%未満
[耐機内汚染性の評価]
上記実施例の[現像剤1]を、リコー製デジタルカラーimagio Neo C600改造機に入れて、評価を行った。単色モードで50%画像面積の画像チャートを100000枚ランニング出力した後の印刷物と定着排紙部周辺の汚れを目視にて観察し、10段階(R1〜R10)の段階見本と比較して評価した。
なお、印刷物と定着排紙部周辺の汚れは、ランクが低い順により汚れていることを意味する。R1の評価は、定着部周辺・プリント物ともに許容できないレベルの汚れが見られ、製品として採用できないレベルである。
[ブレードクリーニング性の評価]
ブレードクリーニング性は、前記現像剤及び前記静電潜像担持体(電子写真感光体、感光体)を装填したカラー複写機(Ipsio Color8100;株式会社リコー製)を用い、前記画像占有率7%の印字率で6000ペーパー(株式会社リコー製)を用いて10万枚ランニングした後に、10℃にて15%RHの環境下で画像占有率50%の画像を10枚連続出力させて、10枚目を現像中に停止させた。この際、感光体上のクリーニングブレード以前、以降のドラム上のトナーをそれぞれテープ転写した。転写テープを6000ペーパーに張り付けたものをX−Rite eXact(エックスライト社)を用いてID測定を行い、IDからクリーニング率を下記(式4)により求めた。
クリーニング率[%]=ΔID(転写残ID−クリーニング後ID)/転写残ID・・(式4)
−評価基準−
ランク: クリーニング率
5 : 80%以上
4 : 60%以上 80%未満
3 : 40%以上 60%未満
2 : 20%以上 40%未満
1 : 20%未満
なお、2は従来品同等、1は製品として採用できないレベルである。
<総合判定>
総合判定の評価基準は以下の通りである。
すべてのランクを足し合わせランク合計点数を求め、ランク合計点数からトナーを5段階で評価した。
「☆」は極めて良好、「◎」は非常に良好、「〇」は良好、「△」は従来品同等、「×」は実用上使用できないレベルである。「☆」、「◎」、「〇」、を合格とし、「△」、「×」を不合格とした。
また、ブレードクリーニング性のランクが「1」であるものはランク合計点数にかかわらず総合判定は「×」とした。
総合判定: ランク合計点数
☆☆ : 23以上
☆ : 18以上22以下
◎ : 14以上17以下
〇 : 13
△ : 12以下
× : ブレードクリーニング性のランクが1
以上により得られた結果を表3に示す。
Figure 2021144206
表3の評価結果から明らかなように、実施例1〜11について、転写性、耐機内汚染性およびクリーニング性をいずれも高い水準で両立している。一方、比較例1〜6については、転写率・耐機内汚染性・クリーニング性のいずれかが低い水準、もしくはうち一つに実用上問題のある結果となっている。
10 静電潜像担持体(感光体ドラム)
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18K、18Y、18M、18C 作像ユニット
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
特開2003−107783号公報 特開2002−40705号公報 特開2016−45394号公報

Claims (8)

  1. 少なくとも結着樹脂と、着色剤とを含有するマゼンタトナーであって、前記マゼンタトナーのラマン分光法における1200cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のラマンスペクトルを足し合わせた合計強度が最大値を示す波数λにおける各トナー粒子のラマンスペクトルの強度を1に規格化したとき、2750cm−1〜3250cm−1の波数領域で得られた各トナー粒子のスペクトルの積分強度をIとし、前記Iの平均値をIaveとし、下記(式1)で算出される値をCH率としたとき、CH率の絶対値が25.0%以上であるトナー粒子の全トナー粒子に対する個数割合が1.0個数%以上、25.0個数%以下であるマゼンタトナー。
    CH率(%)=[(I−Iave)/Iave]×100 ・・・(式1)
  2. 前記CH率の絶対値が50.0%以上のトナー粒子の個数割合が3.0個数%以下である請求項1に記載のマゼンタトナー。
  3. 前記CH率の絶対値が25.0%以上のトナー粒子の個数割合が5.0個数%以上、20.0個数%以下である請求項1又は2に記載のマゼンタトナー。
  4. 前記CH率の中央値が−3.0%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマゼンタトナー。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のマゼンタトナーを含む現像剤。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
  7. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー又は請求項5に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像手段と、
    前記可視像を記録媒体上に転写する転写手段と、
    前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着手段を有する画像形成装置。
  8. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナー又は請求項5に記載の現像剤を用いて、前記静電潜像を現像して可視像を形成する現像工程と、
    前記可視像を記録媒体上に転写する転写工程と、
    前記記録媒体上に転写された転写像を定着させる定着工程を有する画像形成方法。
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