JP2012068497A - 正帯電性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】高い現像性を維持し、長期間使用しても帯電量の低下が起こらず、トナー飛散及びかぶりの起こりにくい正帯電性トナーを提供することを目的とする。また、高い現像性を維持し、画像濃度の低下の起こらない正帯電性トナーを提供することを目的とする。
【解決手段】正帯電処理及びシリコーンオイル処理された酸化亜鉛微粒子を含む外添剤によって表面処理されたトナー母粒子を含有し、正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率が6:4〜2:8であることを特徴とする正帯電性トナー。前記酸化亜鉛微粒子において、カップリング剤によって正帯電処理されたことが好適である。また、前記カップリング剤の添加量が、酸化亜鉛微粒子100質量%に対して5〜30質量%であることが好適である。
【選択図】なし

Description

本発明は、正帯電性トナーに関する。
一般に、電子写真現像法では、静電潜像を可視化して、又は静電潜像を反転現象により可視化することにより高品質な画像を得ている。
前記電子写真現像法に使用される方式として、絶縁性微粉末、すなわち絶縁性トナーを磁性キャリアにより帯電させ、感光体上に形成した静電潜像を現像する二成分現像方式、磁性トナーのみからなる一成分現像剤で現像する磁性一成分現像方式、および非磁性のトナーからなる非磁性一成分現像剤を用いて現像ローラ上に薄層を形成させ、感光体と接触または非接触で現像する、いわゆる非磁性一成分現像方式が知られている。
そして、以上の電子写真現像法に用いられるトナーは、バインダーとしての熱可塑性樹脂に着色剤としての染料、顔料や離型剤としてのワックス、帯電制御剤、磁性材料を混合して混練、粉砕、分級を行い、トナー粒子としたものである。また、トナー粒子に流動性を付与したりクリーニング性を向上させたりするために、シリカや酸化チタン、あるいはアルミナ等の無機微粒子が添加されている。
しかしながら、これらの無機微粒子は一般的に負に帯電する傾向があり、特にシリカは強い負帯電性を示す。そこで、これらの無機微粒子を正帯電させたトナーに用いる場合、該無機微粒子に帯電極性基を導入したりすることが行われている。
例えば、特許文献1,2では、帯電極性基を導入するために、シリカ微粉末等の金属酸化物をアミノシランカップリング剤等で表面処理し、現像剤の外添剤として用いる方法が開示されている。このシラン処理方法によれば、アミノシランカップリング剤の末端アミノ基により、強い正帯電性を示す現像剤が得られる。
特許文献3では、疎水性シリカ微粒子に対して、正帯電制御剤と疎水化剤との両方で表面処理し、それを現像剤の外添剤として用いる方法が開示されている。また、特許文献4,5では、ケイ酸微粉末に対して、所定量の含窒素シランカップリング剤と、窒素原子を有するシリコーンオイルとで処理し、それを現像剤の外添剤として用いる方法が開示されている。これらの方法によれば、正帯電制御剤の働きによって強い正帯電性を示す現像剤が得られる。
特許文献6では、負帯電性極性基と正帯電性極性基との両方の極性基を表面に結合した無機微粒子を非磁性一成分現像用トナーの外添剤として用いる方法が開示されている。この方法によれば、帯電レベルの向上性、帯電立ち上がり性、流動性にそれぞれ優れた非磁性一成分現像用トナーが得られる。
また、特許文献7では、正帯電極性基を導入し、疎水性化剤を用いて疎水化処理した乾式シリカ微粉末と、シリコーンオイルで疎水化処理した湿式シリカ微粉末とを併用してトナー粒子に外添する方法が開示されている。また、特許文献8では、正帯電極性基および疎水性基を有する乾式シリカ微粉末と、正帯電極性基およびフッ素含有極性基を含有する湿式シリカ微粉末とを併用してトナー粒子に外添する方法が開示されている。これらの方法によれば、帯電の立ち上がり性や耐久性の向上、および環境安定性を得ることができる。
特開昭52−135739号公報 特開昭56−123550号公報 特開昭58−216252号公報 特開昭63−73271号公報 特開昭63−73272号公報 特開平2−66564号公報 特開平11−160907号公報 特開平11−143111号公報
以上に記載した従来技術のように、正帯電性トナーの表面処理剤としてシリカ微粒子を用いた場合、その基材の強い負帯電性のため正帯電性が維持しにくいという問題がある。その結果、現像器内でトナーが強いストレスを受けた場合、トナーの正帯電性が下がり、かぶり、トナー飛散といった現象が起こりやすくなるが実情であり、この点について改善の余地が生じていた。
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、長期間使用しても帯電量の低下が起こらず、トナー飛散及びかぶりの起こりにくい正帯電性トナーを提供することである。また、高い現像性を維持し、画像濃度の低下の起こらない正帯電性トナーを提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するため、本発明者らは、正帯電性トナーに用いるトナー母粒子の外添剤として、酸化亜鉛への処理方法に着目し、鋭意検討を行った。この結果、酸化亜鉛に特定量の正帯電処理とシリコーン処理を行うことにより、高い現像性を維持し、かつ長時間使用しても帯電量の低下が生じず、トナー飛散及びかぶりの起こりにくい正帯電性トナーを得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる正帯電性トナーは、正帯電処理及びシリコーンオイル処理された酸化亜鉛微粒子を含む外添剤によって表面処理されたトナー粒子を含有し、正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率が6:4〜2:8であることを特徴とする。
このような構成によれば、高い現像性を維持し、長時間使用しても帯電量の低下が生じず、トナー飛散及びかぶりの起こりにくい正帯電性トナーを提供することができる。
また、前記正帯電性トナーにおいて、前記酸化亜鉛微粒子が、カップリング剤によって正帯電処理されたものであることが好適である。
このような構成によれば、トナー粒子とキャリアとの非静電的な付着力及びトナー粒子との摩擦帯電特性を、さらに安定的に保持することができる。
また、前記正帯電性トナーにおいて、前記カップリング剤の添加量が、酸化亜鉛微粒子100重量%に対して5〜30重量%であることが好適である。
このような構成によれば、正帯電性が過剰に強いトナーにならず、トナーの流動性をより向上させることができる。
本発明の正帯電性トナーによれば、特定比率の正帯電性処理及びシリコーンオイル処理を施した酸化亜鉛微粒子を外添剤として含むことより、高い現像性を維持し、長時間使用しても帯電量の低下が生じず、トナー飛散及びかぶりの起こりにくい画像が得られる。
以下、本発明にかかる実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[正帯電性トナー]
本発明の正帯電性トナーは、結着樹脂及び着色剤を含むトナー母粒子を含有し、そのトナー母粒子の表面には外添剤を処理させてなることを特徴としており、外添剤によるトナー母粒子の被覆率が特定の範囲にある。前記外添剤は、トナー母粒子の表面に付着する。なお、外添された外添剤の一部は、トナー母粒子に付着せず、遊離の状態でトナーに含まれていてもよい。
<外添剤>
前記正帯電性トナーは、前記トナー母粒子に対して、外添剤による表面処理を施して得られるものである。すなわち、前記トナー母粒子に外添工程を施すことによって得られるものである。
また、本発明の正帯電性トナーのトナーに含まれる外添剤は、(a)正帯電処理及び(b)シリコーンオイル処理された酸化亜鉛微粒子を含むものである。また、正帯電処理とシリコーンオイル処理の順序は特に問わない。また、同時に正帯電処理剤とシリコーンオイルによる処理を施してもよい。
外添剤は前記酸化亜鉛の他にシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等の無機酸化物、樹脂微粒子等を含んでもよく、これらに表面処理を施したものでもよい。
まず、トナーと帯電性との関係について説明する。
電子写真などの画像形成に用いられるトナーは、一般に、結着樹脂、着色剤、および帯電制御剤等を含有するトナー母粒子を主成分とし、これにトナーの帯電性や流動性を補助する外添剤が添加された構成である場合が多い。このようなトナーを用いた現像方式としては、絶縁性微粉末、すなわち絶縁性トナーを磁性キャリアにより帯電させ、感光体上に形成した静電潜像を現像する二成分現像方式、磁性トナーのみからなる一成分現像剤で現像する磁性一成分現像方式、および非磁性のトナーからなる非磁性一成分現像剤を現像ローラ上に薄層で形成させ、感光体と接触または非接触で現像する、いわゆる非磁性一成分現像方式が知られている。
また、これらの現像方式に用いられるトナーは、従来よりトナーの表面処理剤としてシリカ微粒子を用いることが多い。しかし、シリカ微粒子を用いた場合、シリカ微粒子自体が強い負帯電性を有しているため、正帯電性が維持しにくい。その結果、現像機内でトナーが強いストレスを受けた場合にトナーの正帯電性が著しく低下することとなり、トナー飛散やかぶりが生じやすかった。
そこで、トナーの帯電性や流動性を長期にわたり安定して維持し、良好な画像が得られるトナーとして、正帯電処理したシリカによって外添したトナー母粒子を含むトナーが重用されている。しかし、前記トナーにおいても、印刷初期における現像性の点ではそれほど問題が無いものの、印刷を繰り返した場合に、前記の正帯電処理シリカの帯電性低下が生じてしまい、トナー飛散やかぶりが解消されたものが得られていたとはいい難かった。
これらの問題点に鑑み、本発明者らが、正帯電性トナーに好適な外添剤について検討を行ったところ、従来忌避されていた比較的帯電量の高い酸化亜鉛微粒子をトナーの外添剤に用い、さらに特定の比率にて前記酸亜鉛微粒子に対して(a)正帯電処理及び(b)シリコーンオイル処理を施したところ、高い現像性を維持し、長時間現像装置内でストレスを受けても帯電量の低下が生じることのない、トナー飛散及びかぶりの起こりにくい正帯電性トナーが得られることが分かった。
また、本発明の正帯電性トナーは、前記二成分現像方式、磁性一成分現像方式、および非磁性一成分現像方式のいずれの電子写真現像法のトナーにおいても用いることができる。
以下、(a)正帯電処理及び(b)シリコーンオイル処理について詳述する。
(a)正帯電処理
本発明に使用する酸化亜鉛微粒子は正帯電性処理を施したことを特徴とするものである。正帯電処理の方法としては、具体的には、酸化亜鉛微粒子、又は後述するシリコーンオイル処理された酸化亜鉛微粒子と正帯電極性基を有するカップリング剤とを湿式法又は乾式法にて混合分散させ、解砕する方法が挙げられる。
正帯電極性基を有するカップリング剤としては、例えば、下式で示されるアミノシランカップリング剤及びそれらの混合物が挙げられる。
N(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHNH(CHSi(CH)(OCH、HN(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHNH(CHNH(CHSi(OCH、HN(CHSi(OCH、及びCNH(CHSi(OCH
酸化亜鉛微粒子の表面に対する正帯電極性基の導入量は、正帯電極性基を有するカップリング剤(アミノシランカップリング剤)の添加量を、酸化亜鉛微粒子100重量%に対して、5〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましく、15〜25重量%の範囲内にすることがさらに好ましい。
また、本発明に使用する酸化亜鉛微粒子はシリコーンオイル処理を施したことを特徴とするものである。シリコーンオイル処理の方法としては、前記正帯電処理と同様、酸化亜鉛微粒子、又は前記正帯電処理された酸化亜鉛微粒子とシリコーンオイルとを湿式法又は乾式法にて混合分散させ、解砕する方法が挙げられる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられ、特にジメチルシリコーンオイルを用いることが好ましい。
酸化亜鉛微粒子の表面に対するシリコーンオイル処理量は、シリコーンオイルの添加量を、酸化亜鉛微粒子100重量%に対して、5〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましく、15〜25重量%の範囲内にすることがさらに好ましい。
正帯電処理量とシリコーンオイル処理量の比率は6:4〜2:8とすることが好ましく、5:5〜3:7とすることがさらに好ましい。
酸化亜鉛微粒子の一次粒子径は、流動性と現像性の両立を考慮した場合、25〜100nmが好ましく、30〜60nmがより好ましい。
前記表面処理工程としては、従来公知の表面処理工程であれば、限定なく用いることができる。具体的には、例えば、前記トナー母粒子に外添剤を添加し、攪拌機等で攪拌させることによって、前記トナー母粒子の表面に外添剤を付着又は固着させる工程である。
前記攪拌機としては、従来公知の攪拌機を限定なく使用できる。具体的には、例えば、タービン型攪拌機、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ等の一般的な攪拌機等が挙げられ、ヘンシェルミキサが好適に用いられる。
<トナー母粒子>
トナー母粒子は、結着樹脂及び着色剤等を含有し、トナー母粒子として使用可能な形態のものであれば、特に限定されない。また、その粒子径としては、前記トナーの粒子径と同程度であり、具体的には、例えば、体積平均粒子径で、4.5〜9.0μmであることが好ましい。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、従来からトナー母粒子の結着樹脂として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂等のポリスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;N−ビニル系樹脂等が挙げられる。この中でも、ポリエステル系樹脂が、比較的軟化点が低く、低温定着性に優れ、非オフセット温度範囲が広い点から好ましく用いられる。また、前記結着樹脂としては、上記各結着樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるもの等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。
前記アルコール成分としては、ポリエステル系樹脂を合成するためのアルコール成分として使用可能なものであれば、特に限定されない。また、前記アルコール成分としては、分子内に水酸基が2個以上含まれるアルコール(2価以上のアルコール)が含まれている必要がある。前記アルコール成分として用いられるもののうち、2価のアルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類等が挙げられる。
また、前記アルコール成分として用いられるもののうち、3価以上のアルコールとしては、具体的には、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。また、前記アルコール成分としては、上記各成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記カルボン酸成分としては、ポリエステル系樹脂を合成するためのカルボン酸成分として使用可能なものであれば、特に限定されない。また、前記カルボン酸成分としては、カルボン酸だけではなく、カルボン酸の、酸無水物や低級アルキルエステル等も含まれる。そして、前記カルボン酸成分としては、カルボン酸の分子内に水酸基を2個以上有するカルボン酸(2価以上のカルボン酸)が含まれている必要がある。前記カルボン酸として用いられるもののうち、2価のカルボン酸としては、具体的には、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、アルキルコハク酸、及びアルケニルコハク酸等が挙げられる。アルキルコハク酸としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等が挙げられ、アルケニルコハク酸としては、例えば、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等が挙げられる。
また、前記カルボン酸として用いられるもののうち、3価以上のカルボン酸としては、具体的には、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等が挙げられる。また、前記カルボン酸成分としては、上記各成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。前記共重合モノマーとしては、p−クロロスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のオレフィン系炭化水素(アルケン);塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル;メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン等のN−ビニル化合物等が挙げられる。また、前記共重合モノマーとしては、上記各モノマーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結着樹脂としては、定着性の観点から、上記のような熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂のみである必要はなく、架橋剤や熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に組み合わせて用いてもよい。このように結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、トナーの用紙への定着時における定着性の低下を抑制しつつ、耐オフセット性を向上させることができる。
前記熱硬化性樹脂としては、具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、シアネート樹脂等のシアネート系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(着色剤)
前記着色剤としては、トナーとして所望の色になるように、公知の顔料や染料を用いることができる。具体的には、例えば、色に応じて、以下のような着色剤が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、アセチレンブラック、ランプブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニンブルー顔料)等が挙げられる。緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG等が挙げられる。白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
この中でも、例えば、以下の着色剤が好ましい。ブラックトナーの着色剤としては、カーボンブラックが好ましい。イエロートナーの着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー180が好ましい。シアントナーの着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニンブルー顔料)が好ましい。そして、マゼンタトナーの着色剤としては、C.I.ピグメントレッド238が好ましい。
前記着色剤の含有量としては、着色剤の種類によっても異なるが、好適な画像濃度を達成するためにも、例えば、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、2〜5質量部であることがより好ましい。
(電荷制御剤)
前記トナー母粒子には、トナーの摩擦帯電性等の帯電性を制御するために、電荷制御剤を含有させることが一般的である。そして、トナーの帯電極性等に応じて、正電荷制御剤及び負電荷制御剤が必要に応じて組み合わせて用いられる。また、前記電荷制御剤としては、従来からトナー母粒子の電荷制御剤として用いられているものであれば、特に限定なく用いられる。
前記正電荷制御剤としては、具体的には、例えば、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、オルトオキサジン、メタオキサジン、パラオキサジン、オルトチアジン、メタチアジン、パラチアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン等のアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリーンBH/C、アジンディープブラックEW、アジンディープブラック3RL等のアジン化合物からなる直接染料;ニグロシン、ニグロシン塩、ニグロシン誘導体等のニグロシン化合物;ニグロシンBK、ニグロシンNB、ニグロシンZ等のニグロシン化合物からなる酸性染料;ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルメチルヘキシルデシルアンモニウム、デシルトリメチルアンモニウムクロールイド等の4級アンモニウム塩;分子内に4級アンモニウム塩を有する樹脂またはオリゴマー;分子内にカルボン酸塩を有する樹脂またはオリゴマー;分子内にカルボキシル基を有する樹脂またはオリゴマー等が挙げられる。
また、前記負電荷制御剤としては、具体的には、例えば、有機金属錯体、その塩、及びキレート化合物等が挙げられる。前記有機金属錯体、及びその塩としては、具体的には、例えば、アセチルアセトン金属錯体、サリチル酸系金属錯体、及びこれらの塩が挙げられる。また、前記キレート化合物としては、具体的には、例えば、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジ−ターシヤリーブチルサリチル酸クロム等が挙げられる。
また、前記電荷制御剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。前記電荷制御剤の含有量が少なすぎる場合、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となり、形成画像にかぶりが発生しやすくなる傾向がある。また、前記電荷制御剤の含有量が多すぎる場合、トナーがチャージアップし易く画像濃度の低下を招くことがある。
(ワックス)
前記トナー母粒子には、定着性やオフセット性等を向上させるために、ワックスを含有させることが一般的である。前記ワックスとしては、従来からトナー母粒子のワックスとして用いられているものであれば特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、カルナウバロウワックス、カルナバワックスやサトウキビワックス、木ワックス等の植物性ワックス;蜜ワックスや昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックスなどの動物性ワックス;フィッシャートロプシュ(以下、「FT」と記すことがある)ワックスや、合成エステルワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス等が挙げられる。これらの中では、前記結着樹脂中での分散性に優れている点から、カルナウバロウワックス、カルナバワックス、合成エステルワックス、が好ましく、カルナウバロウワックスがより好ましい。
前記ワックスの添加量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部添加することが好ましい。前記添加量が少なすぎる場合には、ワックスを添加したことによる効果が得られない可能性があり、また、多すぎる場合には、トナーの耐ブロッキング性が低下し、またトナーからワックスの脱離が生じるおそれがある。
(トナー母粒子の製造方法)
前記トナー母粒子の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、上記の、結着樹脂、及び着色剤等のトナー母粒子を構成する各成分を混合機等で混合する。前記混合機としては、公知のものを使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル等のヘンシェルタイプの混合装置、オングミル、ハイブリダイゼーションシステム、コスモシステム等が挙げられる。この中でも、ヘンシェルミキサが好ましい。
次に、得られた混合物を混練機等で溶融混練する。前記混練機としては、公知のものを使用でき、例えば、2軸押出機等の押出機、三本ロールミル、ラボブラストミル等が挙げられ、押出機が好適に用いられる。また、溶融混練時の温度としては、前記結着樹脂の軟化点以上であって、前記結着樹脂の熱分解温度未満の温度であることが好ましい。
次に、得られた溶融混練物を冷却して固形物とし、その固形物を粉砕機等で粉砕する。前記粉砕機としては、公知のものを使用でき、例えば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機(ジェットミル)等の気流式粉砕機、ターボミル等の機械式粉砕機や衝撃式粉砕機等が挙げられ、気流式粉砕機が好適に用いられる。
最後に、得られた粉砕物を分級機等で分級する。分級することによって、過粉砕物や粗粉を除去することができ、所望のトナー母粒子を得ることができる。前記分級機としては、公知のものを使用でき、例えば、エルボージェット分級機等の旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)等の風力分級機や遠心力分級機等が挙げられ、風力分級機が好適に用いられる。
本実施形態に係る正帯電性トナーは、トナー母粒子に特定の外添剤によって正帯電処理を施したトナーであり、例えば、公知の画像形成装置において磁性一成分現像方式、又は非磁性一成分現像方式によって使用することができる。
また、本実施形態に係る正帯電性トナーは、公知の画像形成装置において、二成分現像方式の現像剤の材料として使用することができる。二成分現像方式とは、絶縁性微粉末、すなわち絶縁性トナーを磁性キャリアにより帯電させ、感光体上に形成した静電潜像を現像する方法である。
[磁性キャリア]
磁性キャリアとしては、磁性を有するコア材と前記コア材を被覆するコート樹脂とを含む、いわゆる樹脂コートタイプのキャリアを用いることができる。
前記コア材としては、従来から電子写真用現像剤(二成分現像剤)のキャリアに用いられているものであれば、特に限定なく用いることができる。具体的には、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、前記金属を含む合金、フェライトやマグネタイト等の鉄系酸化物、及びこれらの混合物等の磁性材料を含有する磁性粒子等が挙げられる。前記磁性粒子としては、例えば、前記磁性材料を、焼結及びアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子等が挙げられる。これらの中でも、フェライト及びマグネタイトからなる粒子が好ましい。
また、前記コア材の粒子径としては、体積中心径で、20〜50μmであることが好ましく、25〜40μmであることがより好ましい。なお、ここでの体積中心径は、例えば、電子顕微鏡による測定、レーザ回折散乱法等による測定、及び一般的な粒度計等を用いた測定によって、計測することができる。
前記コート樹脂としては、キャリアを製造する際に用いられる表面コート剤であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系結着樹脂やシリコーン樹脂等が挙げられる。
また、キャリアのコア材に対する前記コート樹脂の被覆量としては、特に限定されない。具体的には、例えば、前記コア材100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましい。前記コート樹脂の被覆量が少なすぎると、コート樹脂によって、帯電安定性や耐久性等を充分に高めることができない可能性がある。また、前記コート樹脂の被覆量が多すぎると、転写不良や定着不良等の不具合が発生しやすくなる可能性がある。よって、前記コート樹脂の被覆量が上記範囲内であることによって、コート樹脂が削れることや剥がれること等を抑制でき、さらに、トナーの帯電安定性を高めることができると考えられ、より高画質な画像を長期間にわたって形成することができる。
(現像剤の製造方法)
また、前記キャリアの製造方法としては、前記コート樹脂が前記コア材に被覆されれば、特に限定されない。具体的には、例えば、液状の前記コート樹脂を、前記コア材に被覆した後に熱処理することによって、前記コート樹脂を固化させる方法等が挙げられる。前記被覆方法としては、例えば、流動コーティング法や浸漬法等が挙げられる。そして、前記熱処理としては、前記コート樹脂の組成等によって異なり、特に限定されない。
前記電子写真用現像剤における本発明の正帯電性トナーの濃度は、3〜15%であることが好ましい。正帯電性トナーの濃度が3%未満であると、形成画像の画像濃度が不十分となる可能性が高くなる。また、15%より大きいと形成画像にカブリが生じたり、現像装置からトナーが飛散する等の不具合が発生する可能性が高くなる。
前記二成分現像剤は、トナー母粒子に特定の外添剤によって正帯電処理を施した本発明の正帯電性トナーと磁性キャリアとを適切な割合で混合した現像剤であり、例えば、公知の画像形成装置において使用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<トナーの製造>
(外添剤の調整)
酸化亜鉛100質量部を密閉型ヘンシェルに入れ、正帯電処理剤であるアミノシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製:KBM−603)20質量部と、疎水化処理剤であるシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製:KF−96)20質量部を、スプレーで上から均一に酸化亜鉛に塗布し、さらに混合させながら110℃で2時間反応させ、正帯電処理及びシリコーンオイル処理した。次にその後、副反応生成物を減圧除去し、200℃で1時間加熱することで、所望の酸化亜鉛微粒子Aを得た。
以上の酸化亜鉛に対するアミノシランカップリング剤の処理量と、シリコーンオイルの処理量を表1に示す。また、前記アミノシランカップリング剤の処理量とシリコーンオイルの処理量との比率も表1に示す。
また、前記酸化亜鉛微粒子Aの調整方法を基に、各条件を変更して、表1に示す各処理量の酸化亜鉛微粒子B〜Hを調整した。これらの各処理剤の処理量、及びアミノシランカップリング剤の処理量とシリコーンオイルの処理量との比率についても表1に示す。
また、また、前記酸化亜鉛微粒子Aの代わりとして、シリカ100質量部を密閉型ヘンシェルに入れ、正帯電処理剤であるアミノシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製:KBM−603)20質量部と、疎水化処理剤であるシリコーンオイル(信越化学工業株式会社製:KF−96)20質量部を、スプレーで上からシリカに均一に塗布し、さらに混合させながら110℃で2時間反応させ、正帯電処理及びシリコーンオイル処理した。次にその後、副反応生成物を減圧除去し、200℃で1時間加熱することで、シリカ微粒子Aを得た。
(正帯電性トナー及び現像剤の調整)
結着樹脂として、ポリエステル樹脂(酸化:5.6mgKOH/g、融点120℃)100重量部、着色剤として、銅フタロシアニンブルー顔料(C.I.Pigment Blue 15:3)4質量部、離型剤としてワックス(カルナバロウWAX)5重量部、及び電荷制御剤(クラリアント社製、「P51」)1重量部をヘンシェルミキサ(三井三池工業社製)にて混合し、押出機(池貝社製、PCM−30)にて混練し、ターボミル(ターボ工業社製)にて粉砕した後、エルボージェット分級機(日鉄鉱業社製)にて分級を行ない、平均粒子6.8μmのトナー母粒子を得た。
前記トナー母粒子100質量部に対し、外添剤として前記酸化亜鉛微粒子A45質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井三池工業社製)にて混合し、正帯電性トナーを得た。
前記正帯電性トナーの割合が12.0質量%となるように、正帯電性トナーと磁性キャリア(京セラミタ製プリンターFS5300DNに用いられているキャリア、平均粒子径:35μm)とをロッキングミキサーにて30分間混合し、二成分現像剤を得た。
[実施例2〜6]
表2に示す各外添剤を用いた以外は、実施例1と同様にして正帯電性トナー、及び二成分現像剤を製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
[比較例1〜4]
表2に示す各外添剤を用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー、および二成分現像剤を製造し、各評価を実施した。結果を表2に示す。
<評価>
得られたトナーについては、以下のような方法で評価した。
まず、京セラミタ株式会社製のプリンタ(FS−5300DN)を評価機として用い、得られたトナーを用いて温度20℃、相対湿度65%の、常温常湿環境下で画像形成して、下記の評価を行った。
(画像濃度)
前記二成分現像剤を、前記評価機にセットし、前記評価機の電源を入れて安定させた。その後、画像を出力させた。なお、この画像を初期画像(1枚目)とした。次に、補給用トナーを補給しながら、印字率1%の画像を5000枚印字した。なお、5000枚目に評価用のサンプル画像を出力し、この画像を低濃度印刷画像とした。その後、補給用トナーを補給しながら、印字率30%の画像を1000枚印字した。なお、1000枚目(初期画像から6000枚目)に評価用のサンプル画像を出力し、この画像を高濃度印刷画像とした。
前記初期画像、前記低濃度印刷画像、及び前記高濃度印刷画像の各画像には、2×2cmのソリッド画像が、用紙の搬送方向左側端部近傍の位置、中央部、及び右側端部近傍の位置の3箇所に形成されている。
形成された画像の各ソリッド画像について、反射濃度計(Gretag Macbeth社製のRD−19A:SpectroEyeLT)を用いて反射濃度を測定した。そして、その平均値を得られた画像の画像濃度とした。
測定した画像濃度の下限値が1.4以上であれば「◎」と評価し、1.3以上1.4未満であれば「○」と評価し、1.2以上1.3未満であれば、「△」と評価し、1.2未満であれば、「×」と評価した。
(かぶり)
得られた画像において、前記反射濃度計で測定した白紙相当部の画像濃度の値から、ベースペーパー(すなわち、画像出力前の白紙)の画像濃度の値を引いた値をかぶり濃度とした。そして、かぶり濃度を所定枚数毎に測定し、その最大値でかぶりを評価した。
前記かぶり濃度の最大値が、0.003以下であれば、「○」と評価し、0.003を超え0.007以下であれば、「△」と評価し、0.007を超えるのであれば、「×」と評価した。
(トナー飛散)
各現像剤を前記評価機にセットし、現像機を2時間空回しした後、トナー3.5gを現像機に強制補給した。その後、5分間空回しを行い、その間に現像機の下部に設置したトレーに累積したトナー(飛散トナー)を回収し、その量(飛散量)を計測した。判定は、飛散量が50mg以下のものを「○」、50mgを超え200mg以下のものを「△」、200mgを超えたものを「×」と評価した。
(帯電量)
前記初期画像、前記低濃度印刷画像、及び前記高濃度印刷画像を印字した直後の現像剤を取り出し、得られた各現像剤を、吸引式帯電量測定装置(MODEL 210HS:TREK社製)を用いて、各帯電量を測定した。
各評価結果は、表2に示す。

表1及び表2の結果から、正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率が6:4〜2:8である実施例1〜3の正帯電性トナーの場合、長期間に渡って使用しても画像濃度の低下、かぶり、トナー飛散が生じにくいことが分かった。さらに実施例1〜3の正帯電性トナーは、長期間使用を行っても著しい帯電量の低下は生じなかった。
一方で、比較例1の正帯電性トナーは、正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率を7:3とした結果、画像濃度に劣る結果となった。これは、正帯電処理量が多くなったために、トナーの帯電量が高くなりすぎてしまったためと考えられる。また、比較例2の正帯電性トナーは、正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率を1:9とした結果、長期使用後の印字率に劣る結果となり、さらに帯電量の低下が見られた。これは、シリコーンオイルの処理量が多くなったために、トナーに十分な帯電量が付与されなかったためと考えられる。
シリコーンオイル処理を全く行っていない比較例3に関しては、画像濃度に劣る結果となる一方で、正帯電処理を全く行っていない比較例4に関しては、長期間使用後にかぶりが生じ、トナー飛散も多く生じた。さらに、シリコーンオイルも正帯電処理も行っていない酸化亜鉛微粒子を用いると、画像濃度、トナー飛散に劣る結果となり、さらに帯電量の低下も著しく見られた。また、シリカ微粒子に正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率を5:5とした場合には、長期間思料後にかぶりが生じ、トナー飛散も生じた。また、帯電量の低下もさらに著しく生じた。

Claims (4)

  1. 正帯電処理及びシリコーンオイル処理された酸化亜鉛微粒子を含む外添剤によって表面処理されたトナー母粒子を含有し、
    正帯電処理量とシリコーンオイル処理量との比率が6:4〜2:8であることを特徴とする正帯電性トナー。
  2. 前記酸化亜鉛微粒子が、カップリング剤によって正帯電処理された請求項1に記載の正帯電性トナー。
  3. 前記カップリング剤の添加量が、酸化亜鉛微粒子100質量%に対して5〜30質量%である請求項2に記載の正帯電性トナー。
  4. 前記シリコーンオイルの添加量が、酸化亜鉛微粒子100質量%に対して10〜40質量%である請求項1に記載の正帯電性トナー。
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