JP2011043570A - トナー、及び現像剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】クリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できるトナーを提供することを目的とする。
【解決手段】像担持体上のトナーを転写した後、前記像担持体上に残存したトナーを除去するためのクリーニングブレードを備える画像形成装置に用いられるトナーであって、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子に外添される外添剤とを含み、前記外添剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子を含有するトナーを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、及び前記トナーを含む現像剤に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複合機等の電子写真方式を利用した画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を均一に帯電させる帯電装置と、帯電された像担持体の表面を露光することによって、前記像担持体の表面に静電潜像を形成させる露光装置と、前記静電潜像が形成された像担持体の表面にトナーを供給することによって、前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、前記トナー像を構成するトナーを、前記像担持体から記録媒体へ転写する転写装置等を備える。このような画像形成装置は、上記各装置によって、画像データに基づいて形成されるトナー像を記録媒体に転写し、その後、そのトナー像を記録媒体に定着させることによって、画像を記録媒体上に形成する。そして、記録媒体上にトナーを転写した後、像担持体上に残存したトナーを、像担持体である感光体ドラムに接触するクリーニングブレードによって除去する。
上記のような画像形成装置には、トナーとして、例えば、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子に、樹脂微粒子等の外添剤を外添してなるもの等が用いられる。具体的には、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のトナー等が挙げられる。
特許文献1には、トナー粒子(トナー母粒子)表面に無機微粒子及び樹脂微粒子を有し、前記樹脂微粒子が非架橋性樹脂からなるトナーが記載されている。
また、特許文献2には、溶融粘弾性が非常に低く定着温度を低下させることができるトナーであって、表面に樹脂微粒子を有するトナーが記載されている。
特開2007−57659号公報 特開2007−79156号公報
上述したような、外添剤として含有した樹脂微粒子は、かぶりの発生を抑制するのに効果があることが知られている。しかしながら、クリーニングブレードを備える画像形成装置に、トナー母粒子に樹脂微粒子を外添してなるトナーを用いて、長期間にわたって印刷を行うと、画像欠陥が発生し、高画質な画像の形成が困難であるという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、クリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できるトナーを提供することを目的とする。また、前記トナーを含む現像剤、及び前記トナーを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、本発明に至る際、上述したような、画像欠陥が発生する理由を以下のように推察した。
トナー母粒子から離脱して、感光体ドラムの表面に付着した樹脂微粒子が、クリーニングブレードで感光体ドラムに押さえ付けられた際、樹脂微粒子が一般的に無機微粒子よりも非常に軟らかいために、感光体ドラム上にフィルム状に残留するフィルミングが発生すると考えた。そして、このようなフィルミングによって、ダッシュマーク(露光不足によりベタ部が白く抜ける現象)等の画像欠陥が発生し、高画質な画像を長期間にわたって形成することが困難になっていると考えた。
一方、本発明者等は、樹脂微粒子がかぶりの発生を抑制できる理由を、樹脂微粒子の表面の帯電性による、すなわち、樹脂微粒子の表面が正帯電性を有することによると考えた。
そこで、本発明者等は、無機微粒子の表面を樹脂で被覆することによって、樹脂微粒子の有するかぶりの発生を抑制できるという樹脂微粒子の特性を維持しつつ、さらに、無機微粒子に由来する硬さを有する粒子を外添剤として含有する、以下のような本発明に想到するに到った。
本発明の一態様に係るトナーは、像担持体上のトナーを転写した後、前記像担持体上に残存したトナーを除去するためのクリーニングブレードを備える画像形成装置に用いられるトナーであって、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子に外添される外添剤とを含み、前記外添剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子を含有することを特徴とする。
上記のような構成によれば、クリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できるトナーを提供できる。
上記のような構成のトナーが、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できるのは、以下のことによると考えられる。
まず、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理して得られた表面処理粒子は、表面処理をする前より、樹脂との親和性が高まると考えられる。そして、この表面処理粒子の表面に樹脂を被覆することによって、表面に樹脂が均一に被覆された樹脂被覆粒子が得られると考えられる。
そして、この樹脂被覆粒子は、表面を樹脂で均一に被覆されているので、その表面が、樹脂微粒子のような、かぶりを充分に抑制できるような帯電性、すなわち、正帯電性を有すると考えられる。
さらに、樹脂被覆粒子は、その内部に、樹脂微粒子より非常に硬い無機微粒子を備えているので、無機微粒子に由来する硬さを有すると考えられる。このことから、トナー母粒子から離脱して、像担持体である感光体ドラムの表面に付着した樹脂被覆粒子が、クリーニングブレードで感光体ドラムに押さえ付けられても、感光体ドラム上にフィルム状に付着するフィルミングが発生しにくいと考えられる。よって、このようなフィルミングによって、ダッシュマーク等の画像欠陥が発生することを抑制し、高画質な画像を長期間にわたって形成することができると考えられる。
以上のことから、上記のような構成のトナーが、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できると考えられる。
また、前記樹脂が、前記樹脂被覆粒子100質量部に対して、20〜50質量部となるように被覆されていることが好ましい。このような構成によれば、かぶりや画像欠陥の発生をより抑制できる。このことは、得られた樹脂被覆粒子が、その表面の帯電性として、かぶりの発生を抑制するような帯電性を維持しつつ、さらに、フィルミングの発生を抑制できる硬さを維持することができることによると考えられる。すなわち、樹脂の被覆量が好適となるためであると考えられる。
また、前記樹脂被覆粒子が、前記トナー母粒子100質量部に対して、0.1〜2質量部含有することが好ましい。このような構成によれば、かぶりや画像欠陥の発生をより抑制できる。
また、前記樹脂被覆粒子が、前記外添剤100質量部に対して、10〜70質量部含有させることが好ましい。このような構成によれば、かぶりや画像欠陥の発生をより抑制できる。
また、前記樹脂被覆粒子が、前記表面処理粒子の存在下で、ラジカル重合性単量体を重合させて得られたものであることが好ましい。このような構成によれば、かぶりや画像欠陥の発生をより抑制できる。このことは、前記表面処理粒子の表面により均一に樹脂が被覆された樹脂被覆粒子が得られることによると考えられる。
また、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に使用されることが好ましい。このような画像形成装置に、例えば、外添剤として、樹脂微粒子を含むトナーを用いると、一般的には、フィルミングが発生しやすい傾向がある。本発明に係るトナーを用いることによって、このような画像形成装置であっても、フィルミングを抑制でき、さらに、かぶりも抑制することができる。よって、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
また、本発明の他の一態様に係る現像剤は、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする。このような構成によれば、クリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できる。よって、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
本発明によれば、クリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できるトナーを提供することができる。また、前記トナーを含む現像剤が提供される。
本実施形態に係る画像形成装置(複写機)60の概略構成を示す模式図である。 前記複写機60等の画像形成装置の画像形成部300周辺を示す模式図である。
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[トナー]
本発明の一態様に係るトナーは、像担持体上のトナーを転写した後、前記像担持体上に残存したトナーを除去するためのクリーニングブレードを備える画像形成装置に用いられるトナーであって、結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子に外添される外添剤とを含み、前記外添剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子を含有することを特徴とする。
<トナー母粒子>
前記トナー母粒子は、結着樹脂及び着色剤を含有し、トナー母粒子として使用可能な形態のものであれば、特に限定されない。前記トナー母粒子としては、球形であることが好ましく、その粒子径としては、体積平均径で、3〜9μmであることが好ましい。なお、ここでの体積平均径は、例えば、レーザ回折散乱法等による測定や、一般的な粒度計等を用いた測定によって、計測することができる。
(結着樹脂)
前記結着樹脂としては、従来からトナー母粒子の結着樹脂として用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。具体的には、例えば、スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−ブタジエン樹脂等のポリスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリエチレン系樹脂;ポリプロピレン系樹脂;塩化ビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリビニルアルコール系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;N−ビニル系樹脂等が挙げられる。この中でも、低温定着性に優れ、非オフセット温度範囲が広い点から、ポリスチレン系樹脂が好ましく、スチレン−アクリル系共重合体がより好ましい。また、前記結着樹脂としては、上記各結着樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリスチレン系樹脂としては、スチレンの単独重合体でも、スチレンと共重合可能な他の共重合モノマーとの共重合体でもよい。前記共重合モノマーとしては、p−クロロスチレン;ビニルナフタレン;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のオレフィン系炭化水素(アルケン);塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸フェニル、α−クロロアクリル酸メチル等のアクリル酸エステル;メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等のメタクリル酸エステル;アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸誘導体;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリデン等のN−ビニル化合物等が挙げられる。この中でも、低温定着性、帯電安定性、及び環境安定性に優れている点から、アクリル酸エステルが好ましく、アクリル酸n−ブチルがより好ましい。また、前記共重合モノマーとしては、上記各モノマーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、ポリスチレン系樹脂は、2つの重量平均分子量ピーク(低分子量ピークおよび高分子量ピーク)を有することが好ましい。具体的には、例えば、低分子量ピークが3000〜20000の範囲内であり、もう1つの高分子量ピークが300000〜1500000の範囲内であることが好ましい。さらに、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)について、Mw/Mnが10以上であることが好ましい。重量平均分子量ピークがこのような範囲内にあれば、トナーを容易に定着させることができ、また、耐オフセット性を向上させることもできる。
前記ポリエステル系樹脂としては、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合又は共縮重合によって得られるもの等が挙げられる。また、ポリエステル系樹脂を合成する際に用いられる成分としては、以下のものが挙げられる。
前記アルコール成分としては、ポリエステル系樹脂を合成するためのアルコールとして使用可能なものであれば、特に限定されない。また、前記アルコール成分としては、分子内に水酸基が2個以上のアルコール(2価以上のアルコール)が含まれている必要がある。前記アルコール成分として用いられるもののうち、2価のアルコールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェノール類等が挙げられる。また、前記アルコール成分として用いられるもののうち、3価以上のアルコールとしては、具体的には、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。また、前記アルコール成分としては、上記各成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記カルボン酸成分としては、ポリエステル系樹脂を合成するためのカルボン酸として使用可能なものであれば、特に限定されない。また、前記カルボン酸成分としては、カルボン酸だけではなく、カルボン酸の、酸無水物や低級アルキルエステル等も含まれる。そして、前記カルボン酸成分としては、カルボン酸が分子内に水酸基が2個以上であるもの(2価以上のカルボン酸)が含まれている必要がある。前記カルボン酸として用いられるもののうち、2価のカルボン酸としては、具体的には、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、アルキルコハク酸、及びアルケニルコハク酸等が挙げられる。アルキルコハク酸としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸等が挙げられ、アルケニルコハク酸としては、例えば、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸等が挙げられる。また、前記カルボン酸として用いられるもののうち、3価以上のカルボン酸としては、具体的には、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸等が挙げられる。また、前記カルボン酸成分としては、上記各成分を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結着樹脂としては、定着性の観点から、上記のような熱可塑性樹脂を用いることが好ましいが、熱可塑性樹脂のみである必要はなく、架橋剤や熱硬化性樹脂を熱可塑性樹脂に組み合わせて用いてもよい。このように結着樹脂内に一部架橋構造を導入することにより、定着性の低下を抑制しつつ、トナーの保存安定性、形態保持性及び耐久性等を向上させることができる。
(着色剤)
前記着色剤としては、トナーとして所望の色になるように、公知の顔料や染料を用いることができる。具体的には、例えば、色に応じて、以下のような着色剤が挙げられる。黒色顔料としては、例えば、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、C.I.ピグメントイエロー180等が挙げられる。橙色顔料としては、例えば、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。赤色顔料として、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、C.I.ピグメントレッド238等が挙げられる。紫色顔料としては、例えば、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC、C.I.ピグメントブルー15−3等が挙げられる。緑色顔料としては、例えば、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG等が挙げられる。白色顔料としては、例えば、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
前記着色剤の添加量としては、好適な画像濃度を達成するためにも、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが一般的であり、3〜7質量部であることが好ましい。
(電荷制御剤)
前記トナー母粒子には、帯電性等を向上させるために、電荷制御剤を含有させることが一般的である。前記電荷制御剤としては、従来からトナー母粒子の電荷制御剤として用いられているものであれば、特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、ニグロシン化合物、4級アンモニウム塩化合物、及び樹脂にアミン系化合物を結合させた樹脂タイプの電荷制御剤等の、正帯電性を示す電荷制御剤等が挙げられる。この中でも、ニグロシン化合物が、帯電安定性に優れ、さらに帯電立ち上りが速い点から好ましい。また、前記電荷制御剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部添加することが好ましく、さらに1〜5質量部添加することがより好ましい。前記電荷制御剤の添加量が少なすぎる場合、所定極性にトナーを安定して帯電することが困難となり、かぶりが発生しやすくなる傾向がある。また、前記電荷制御剤の添加量が多すぎる場合、耐環境性、特に高温高湿下での帯電不良、画像不良となり、感光体汚染等の欠点が生じやすくなる傾向がある。
(ワックス)
前記トナー母粒子には、定着性やオフセット性等を向上させるために、ワックスを含有させることが一般的である。前記ワックスとしては、従来からトナー母粒子のワックスとして用いられているものであれば特に限定なく用いられる。その具体例としては、例えば、カルナバワックスやサトウキビワックス、木ワックス等の植物性ワックス;蜜ワックスや昆虫ワックス、鯨ワックス、羊毛ワックス等の動物性ワックス;フィッシャートロプシュ(以下、「FT」と記すことがある)ワックスやポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等の合成炭化水素系ワックス等が挙げられる。これらの中では、前記結着樹脂中での分散性に優れている点から、FTワックスやカルナバワックス等の合成炭化水素系ワックスが好ましく、カルナバワックスがより好ましい。前記ワックスの添加量としては、結着樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部添加することが好ましく、さらに1〜5質量部添加することがより好ましい。前記添加量が少なすぎる場合には、充分なワックスの効果が得られない傾向があり、また、多すぎる場合には、耐ブロッキング性が低下し、またトナーからの脱離が生じるおそれがある。
(製造方法)
また、前記トナー母粒子の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず、上記の、結着樹脂及び着色剤等のトナー母粒子の各成分を混合機等で混合する。前記混合機としては、公知のものを使用でき、例えば、ヘンシェルミキサ、スーパーミキサ、メカノミル等のヘンシェルタイプの混合装置、オングミル、ハイブリダイゼーションシステム、コスモシステム等が挙げられる。
次に、得られた混合物を混練機等で溶融混練する。前記混練機としては、公知のものを使用でき、例えば、2軸押出機、三本ロールミル、ラボブラストミル等が挙げられ、2軸押出機が好適に用いられる。また、溶融混練時の温度としては、前記結着樹脂の軟化点以上であって、前記結着樹脂の熱分解温度未満の温度であることが好ましい。
次に、得られた溶融混練物を冷却して固形物とし、その固形物を粉砕機等で粉砕する。前記粉砕機としては、公知のものを使用でき、例えば、超音速ジェット気流を利用して粉砕するジェット式粉砕機(ジェットミル)等の気流式粉砕機や衝撃式粉砕機等が挙げられ、気流式粉砕機、特にジェットミルが好適に用いられる。
最後に、得られた粉砕物を分級機等で分級する。分級することによって、過粉砕物や粗粉を除去することができ、所望のトナー母粒子を得ることができる。前記分級機としては、公知のものを使用でき、例えば、旋回式風力分級機(ロータリー式風力分級機)等の風力分級機や遠心力分級機等が挙げられ、風力分級機が好適に用いられる。
<外添剤>
前記外添剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子を含有する。そして、前記外添剤としては、研磨性や流動性を高めるために、前記樹脂被覆粒子以外に、樹脂を被覆していない無機微粒子等の他の外添剤を含有することが一般的である。
前記樹脂被覆粒子は、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に対して、樹脂を被覆したものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、以下のようにして得られたもの等が挙げられる。まず、無機微粒子にアミノ基を有するシランカップリング剤を添加し、加熱攪拌する。次に、このようにして得られた表面処理粒子の存在下で、ラジカル重合性単量体を重合させる。そうすることによって、得られた粒子等が前記樹脂被覆粒子の例示として挙げられる。
また、表面処理する前の前記無機微粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、及びマグネタイト粒子等が挙げられる。この中でも、シリカ粒子が、価格も安価で、比重が低いので製造上取扱がしやすく(なお、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子の製造時に、無機微粒子を液中に分散する。そのため比重が高い酸化チタン等は沈殿しがちになり製造が困難である。)、さらに、後述するシランカップリング剤と反応しやすい点から好ましい。また、前記無機微粒子としては、上記各無機微粒子を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記無機微粒子としては、球形であることが好ましく、その粒子径としては、体積平均径で、8〜500nmであることが好ましい。なお、ここでの体積平均径は、例えば、レーザ回折散乱法等による測定や、一般的な粒度計等を用いた測定によって、計測することができる。
前記シランカップリング剤は、後述する樹脂が均一に被覆されるように、前記無機微粒子を処理するためのものである。前記シランカップリング剤としては、アミノ基を有するものであれば、特に限定されない。具体的には、アミノシランと呼ばれるタイプのもので、より具体的には、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、及び3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。この中でも、3−アミノプロピルトリメトキシシランが、前記無機微粒子に対する反応性が高く、かつ、後述する樹脂が均一に被覆されるようにする効果が高い点から好ましい。また、前記シランカップリングとしては、上記各シランカップリング剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記表面処理粒子の製造方法は、前記シランカップリング剤で前記無機微粒子を処理できれば、特に限定されない。具体的には、例えば、前記無機微粒子に前記シランカップリング剤を添加し、加熱攪拌する方法等が挙げられる。
前記シランカップリング剤の使用量は、前記無機微粒子に対して充分に処理できる量であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、前記無機微粒子100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。前記シランカップリング剤の使用量が少なすぎると、前記無機微粒子が処理されず、後述する樹脂が均一に被覆されない傾向がある。さらに、前記樹脂と前記無機微粒子の結着度合いが低くなり、ストレスを受けた際に、前記樹脂が前記無機微粒子からはがれやすくなる傾向がある。よって、フィルミング発生の要因になる傾向がある。また、前記シランカップリング剤の使用量が多すぎると、処理に使用されない前記シランカップリング剤が増え、経済的に不利になる傾向がある。
また、前記表面処理粒子の製造方法において、上述したような加熱攪拌する方法を用いる場合、その加熱攪拌の条件としては、用いるシランカップリング剤の種類によっても異なるが、例えば、加熱攪拌時間が、10分間〜4時間であることが好ましい。また、加熱攪拌の温度としては、用いるシランカップリング剤の種類によっても異なるが、例えば、液温が80〜220℃であることが好ましい。
また、前記樹脂は、従来、外添剤として用いられている樹脂微粒子の帯電性と同様の帯電性を発揮させるためのものである。よって、前記樹脂としては、特に限定されないが、例えば、従来公知の樹脂微粒子を構成する樹脂と同様の樹脂等が挙げられる。より具体的には、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、及びポリスチレン系樹脂等が挙げられる。この中でも、メタクリル系樹脂が、経済的であり、作成が容易な点から好ましい。また、前記樹脂としては、上記各樹脂を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記樹脂の被覆量としては、前記樹脂被覆粒子100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。前記樹脂の被覆量が少なすぎると、前記樹脂を被覆した効果が充分に発揮できず、かぶりが発生する傾向がある。また、前記樹脂の被覆量が多すぎると、得られた樹脂被覆粒子が、フィルミングの発生を抑制できる硬さを維持することができない傾向がある。
また、前記樹脂被覆粒子の製造方法は、前記表面処理粒子に前記樹脂を被覆できれば、特に限定されない。具体的には、例えば、前記表面処理粒子の存在下で、ラジカル重合性単量体を重合させることによって、前記樹脂を前記表面処理粒子に被覆させる方法や、前記表面処理粒子を前記樹脂の溶液に浸漬させた後、乾燥させることによって、前記樹脂を前記表面処理粒子に被覆させる方法等が挙げられる。この中でも、前記表面処理粒子の存在下で、ラジカル重合性単量体を重合させることによって、前記樹脂を前記表面処理粒子に被覆させる方法が、前記樹脂を均一に被覆できる点から好ましい。
前記ラジカル重合性単量体とは、前記樹脂のモノマーであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、前記樹脂がメタクリル系樹脂の場合、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸ブチル等が挙げられる。
また、前記表面処理粒子の存在下で、ラジカル重合性単量体を重合させる方法としては、具体的には、例えば、前記ラジカル重合性単量体(前記樹脂のモノマー)を含有する水溶液中に、前記表面処理粒子を投入して、攪拌しながらラジカル重合、より具体的には、例えば、乳化重合を行う方法等が挙げられる。
また、上記のような製造方法を用いた場合、前記ラジカル重合性単量体の使用量としては、特に限定されない。具体的には、例えば、上記の前記樹脂の被覆量を達成するために、前記樹脂被覆粒子100質量部に対して、20〜50質量部であることが好ましい。また、重合時の温度としては、用いるラジカル重合性単量体の種類によっても異なるが、例えば、80〜220℃であることが好ましい。そして、重合時間としては、用いるラジカル重合性単量体の種類によっても異なるが、例えば、10分間〜4時間であることが好ましい。
また、前記樹脂被覆粒子としては、球形であることが好ましく、その粒子径としては、体積平均径で、8〜500nmであることが好ましい。なお、ここでの体積平均径は、例えば、レーザ回折散乱法等による測定や、一般的な粒度計等を用いた測定によって、計測することができる。
また、前記樹脂被覆粒子以外の外添剤としては、上述したように、樹脂を被覆していない無機微粒子や前記表面処理粒子等が挙げられる。前記樹脂被覆粒子以外の外添剤として用いられる前記無機微粒子としては、例えば、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、及びマグネタイト粒子等が挙げられる。また、前記樹脂被覆粒子以外の外添剤として用いられる前記表面処理粒子としては、例えば、上記の樹脂被覆粒子を製造する際に用いられる、樹脂を被覆する前の表面処理粒子等があげられる。この中でも、シリカ粒子を表面処理して正帯電性にした正帯電性シリカ粒子が、流動性、帯電性、及び研磨性に優れる点から好ましい。また、前記無機微粒子や前記表面処理粒子としては、上記無機微粒子や上記表面処理粒子を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記樹脂被覆粒子が、前記トナー母粒子100質量部に対して、0.1〜2質量部含有させることが好ましい。前記トナー母粒子に対する前記樹脂被覆粒子の含有量が少なすぎると、かぶりを充分に抑制できるような帯電量にならないという傾向がある。また、前記トナー母粒子に対する前記樹脂被覆粒子の含有量が多すぎると、前記樹脂の比率が高まりすぎて、フィルミングによる、ダッシュマーク等の画像欠陥の発生を充分に抑制できないという傾向がある。
また、前記樹脂被覆粒子が、前記外添剤100質量部に対して、10〜70質量部含有させることが好ましい。前記外添剤全量に対する前記樹脂被覆粒子の含有量が少なすぎると、かぶりを充分に抑制できるような帯電量にならないという傾向がある。また、前記外添剤全量に対する前記樹脂被覆粒子の含有量が多すぎると、前記樹脂の比率が高まりすぎて、フィルミングによる、ダッシュマーク等の画像欠陥の発生を充分に抑制できないという傾向がある。
したがって、前記樹脂被覆粒子の含有量が、上記各含有量範囲内であると、かぶりや画像欠陥の発生をより抑制できる。
また、得られたトナーは、後述するような、像担持体上のトナーを転写した後、前記像担持体上に残存したトナーを除去するためのクリーニングブレードを備える画像形成装置に用いられるものである。このような画像形成装置に、例えば、外添剤として、樹脂微粒子を含むトナーを用いると、一般的には、樹脂微粒子のフィルミングによる画像欠陥が発生しやすい傾向がある。前記トナーを用いることによって、このような画像形成装置であっても、樹脂微粒子のフィルミングによる画像欠陥を抑制でき、さらに、かぶりも抑制することができる。よって、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
また、得られたトナーは、前記クリーニングブレードを備え、さらに、像担持体として、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に使用されることが好ましい。アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置は、一般的には、耐久性に優れるが、樹脂微粒子のフィルミングによる画像欠陥がより発生しやすい傾向がある。前記トナーを用いることによって、このような画像形成装置で画像を形成しても、樹脂微粒子のフィルミングによる画像欠陥を抑制でき、さらに、かぶりも抑制することができる。
[現像剤]
前記トナーを含有する現像剤としては、前記トナーを含み、キャリアを含まない1成分現像剤であってもよいし、前記トナーとキャリアとを含む2成分現像剤であってもよいが、2成分現像剤が好適に用いられる。ここでは、2成分現像剤について説明する。なお、本発明の他の一態様に係る現像剤は、前記トナーとキャリアとを含むことを特徴とする。
(キャリア)
前記キャリアとしては、現像剤のキャリアとして用いられるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、フェライトキャリアや、キャリアコア材である磁性体粒子の表面を樹脂で被覆したもの等が挙げられる。キャリアコア材として、具体的には、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性体金属、これらの合金、希土類を含有する合金類、ヘマタイト、マグネタイト、マンガン−亜鉛系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、リチウム系フェライト等のソフトフェライト、銅−亜鉛系フェライト等の鉄系酸化物、これらの混合物等の磁性体材料を、焼結及びアトマイズ等を行うことによって製造した磁性体粒子が挙げられる。
上述のようにして得られたキャリアコア材の表面を被覆する表面コート剤として、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の結着樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂等が挙げられる。この中でも、帯電安定性及び耐久性に優れている点から、シリコーン樹脂が好ましい。また、表面コート剤は、上記各表面コート剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。具体的には、例えば、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の結着樹脂と、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂との混合物等が挙げられる。
前記キャリアの粒子径は、体積中心径で、20〜200μmの範囲内であることが好ましく、30〜150μmの範囲内であることがより好ましい。なお、ここでの体積中心径は、例えば、電子顕微鏡による測定、レーザ回折散乱法等による測定、及び一般的な粒度計等を用いた測定によって、計測することができる。キャリアの見掛け密度は、磁性材料を主体とする場合は磁性体の組成や表面構造等によっても相違するが、一般に3〜8g/cmの範囲内であることが好ましい。
前記トナーとキャリアとを含む2成分現像剤中のトナー濃度は、1〜20質量%であることが好ましく、3〜15質量%であることがより好ましい。トナー濃度が低すぎると、画像濃度が薄くなりすぎる傾向がある。また、トナー濃度が高すぎると、現像装置内でトナー飛散が発生し、機内汚れや転写紙等の背景部分にトナーが付着する不具合等が発生する傾向がある。よって、トナー濃度を上記範囲内にすることによって、高い画像濃度を得、さらに、現像装置内でトナー飛散が発生し、機内汚れや転写紙等の背景部分にトナーが付着する不具合を抑制することができる。
本実施形態の現像剤は、前記トナーを前記キャリアと適切な割合で混合した2成分現像剤であり、例えば、後述の画像形成装置で使用することができる。
[画像形成装置]
前記トナーや前記現像剤を用いる画像形成装置としては、前記クリーニングブレードを備える、電子写真方式の画像形成装置であれば、特に限定されない。また、前記画像形成装置の中でも、像担持体として、アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置が、耐久性に優れる点から好ましい。上述するように、上記トナーを用いることによって、樹脂微粒子のフィルミングによる画像欠陥を抑制でき、さらに、かぶりも抑制することができる。
以下、画像形成装置として、用紙に直接トナー像を転写する装置について説明するが、このような画像形成装置に限定されない。例えば、複数色のトナー像を中間転写ベルトに一旦転写して、その中間転写ベルトに転写された複数色のトナー像を用紙に転写する、いわゆるタンデム方式の画像形成装置であってもよい。
なお、本発明の他の一態様に係る画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を均一に帯電させる帯電装置と、帯電された像担持体の表面を露光することによって、前記像担持体の表面に静電潜像を形成させる露光装置と、前記静電潜像が形成された像担持体の表面にトナーを供給することによって、前記静電潜像をトナー像として現像する現像装置と、前記トナー像を構成するトナーを、前記像担持体から記録媒体へ転写する転写装置と、前記像担持体に接触させて、前記像担持体上のトナーを転写した後に前記像担持体上に残存したトナーを除去するクリーニングブレードを備え、前記現像装置が、前記トナーとして、前記トナーを供給することを特徴とする。
本発明の一実施形態である画像形成装置の一例について説明する。画像形成装置として、複写機を例に挙げて説明するが、これに限定するものではなく、ファクシミリ装置、及びプリンタ等であってもよい。また、像担持体として、ドラム状の感光体である感光体ドラムを例に挙げて説明するが、これに限定するものではなく、ベルト状の感光体、及びシート状の感光体等に対しても適用できる。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置(複写機)60の概略構成を示す模式図である。この複写機60は、複写機本体の下部に配設された給紙部200と、この給紙部200の上方に配設された画像形成部300と、この画像形成部300よりも排出側に配設された定着部400と、複写機本体の上部に配設された画像読取部500と、複写機本体と画像読取部500との間に配置された排紙部600とを含む、いわゆる胴内排紙型の複写機である。なお、複写機本体には、上記給紙部200、上記画像形成部300、上記定着部400、及び上記排紙部600を繋ぐ用紙搬送部100が備えられている。
上記画像形成部300は、電子写真プロセスによって用紙に所定のトナー像を形成するものであり、回転可能に軸支された感光体ドラム(像担持体)301と、この感光体ドラム301の周囲にその回転方向Aに沿って、帯電装置302と、露光装置303と、現像装置304と、転写装置305と、クリーニングブレード306とを備えている。現像装置304は、静電潜像をトナーにより現像して、感光体ドラム301の表面にトナー像を形成するものである。
上記定着部400は、上記画像形成部300の用紙搬送方向の下流側に配置され、上記画像形成部300においてトナー像が転写された用紙を、一対のローラ(加熱ローラ401及び加圧ローラ402)によって挟んで加熱し、用紙上にトナー像を定着させるものである。
画像読取部500は、コンタクトガラス上に載置された原稿に、露光ランプから光を照射し、その反射光を反射鏡を介して光電変換部に導くことにより、原稿の画像情報を読み取るものである。
上記給紙部200は、複数の給紙カセット201,202,221を備える。このうちの給紙カセット221は複写機側面から用紙を補充するバイパストレイとなっており、蓋部222により閉じることができる。
それぞれの給紙カセット201,202,221には用紙搬送路110が接続され、この用紙搬送路110は画像形成部300に向かい、さらに定着部400を経て排紙部600に向かっている。これらの用紙搬送路110により上記用紙搬送部100が構成されている。また複写が完了した用紙は、排紙部600の排出ローラ605から排出トレイ610上に排出される。
図2は、前記複写機60等の画像形成装置の画像形成部300周辺を示す模式図である。上記画像形成部300は、電子写真プロセスによって記録紙に所定のトナー像を形成する部分であり、感光性を有する感光体ドラム301の周囲に、感光体ドラム301の回転方向Aに沿って順に、帯電装置302、露光装置303、現像装置304、転写装置305、及びクリーニングブレード306を備えている。なお、感光体ドラム301の表面電荷をランプ光によって除電する除電装置を備えていてもよい。
上記帯電装置302は、コロナ放電を発生させることによって感光体ドラム301の表面に所定電位を与えるものである。上記露光装置303は、所望の画像に対応する光を照射することにより感光体ドラム301の表面電位を選択的に減衰させて静電潜像を形成するものである。上記現像装置304は、感光体ドラム301の表面に形成された静電潜像をトナーにより現像して、トナー像を形成するものである。上記転写装置305は、感光体ドラム301上に形成されたトナー像を記録紙上に転写するものである。上記クリーニングブレード306は、感光体ドラム301に接触して、感光体ドラム301の表面に残留したトナーやその添加剤等を除去するものである。
上記画像形成部でトナー像が転写された記録紙は、定着部400(加熱ローラ401及び加圧ローラ402)により熱と圧力とが加えられてトナー像が定着され、その後排紙ローラ(図示せず)によって排紙トレイ上に排出されるようになっている。
前記画像形成装置60は、以上のような画像形成動作によって、用紙上に画像形成を行う。そして、上記のようなクリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、前記トナーを用いることによって、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できる。よって、長期間にわたって高画質な画像を形成することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は実施例により何ら限定されるものではない。
(樹脂被覆粒子A)
シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製のAerosil50:平均1次粒径30nm)100質量部をミキサに投入し、窒素雰囲気下で攪拌した。そして、窒素雰囲気下で攪拌しながら、シリカ微粒子100質量部に対して、3−アミノプロピルトリメトキシシランを3質量部滴下し、液温が150℃になるまで加熱した。次に、その液温のままで1時間攪拌した。その後、冷却させた。そうすることによって、表面処理粒子aが得られた。
攪拌器、還流冷却器、温度計、窒素導入管、及び滴下ロートを装着した反応容器に、イオン交換水430gと、乳化重合用の乳化剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王株式会社製のエマルゲン705)2gと、得られた表面処理粒子a70gとを投入した後、前記反応容器内を窒素ガスで置換した。次に、系内を窒素ガスで置換した反応容器に、メタクリル酸メチル6gと過硫酸アンモニウム0.2gとを投入し、攪拌させながら液温が80℃になるまで加熱した。そうすることによって、1回目の重合(先行重合)を開始させた。先行重合が開始してから10分間経過した後から、液温80℃で攪拌したまま、前記反応容器に、メタクリル酸メチル24gを3時間かけて滴下した。滴下後、さらに、液温80℃で、1時間攪拌した。そうすることによって、2回目の重合を開始させた。その後、得られた反応液を洗浄、乾燥させた。そうすることによって、凝集物が得られた。その凝集物を、カウンタジェットミルで粉砕した。そうすることによって、樹脂被覆粒子Aが得られた。なお、樹脂被覆粒子Aの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子Aに対して30質量%であることが仕込量からわかる。つまり、樹脂被覆粒子Aの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子A100質量部に対して、30質量部であることがわかる。
(樹脂被覆粒子B)
2回目の重合時の、メタクリル酸メチル24gを64gに変更したこと以外、樹脂被覆粒子Aの製造方法と同様にして、樹脂被覆粒子Bが得られた。なお、樹脂被覆粒子Bの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子Bに対して50質量%であることが仕込量からわかる。つまり、樹脂被覆粒子Aの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子A100質量部に対して、50質量部であることがわかる。
(樹脂被覆粒子C)
2回目の重合時の、メタクリル酸メチル24gを6.35gに変更したこと以外、樹脂被覆粒子Aの製造方法と同様にして、樹脂被覆粒子Cが得られた。なお、樹脂被覆粒子Cの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子Cに対して約15質量%であることが仕込量からわかる。つまり、樹脂被覆粒子Aの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子A100質量部に対して、約15質量部であることがわかる。
(樹脂被覆粒子D)
2回目の重合時の、メタクリル酸メチル24gを79.56gに変更したこと以外、樹脂被覆粒子Aの製造方法と同様にして、樹脂被覆粒子Dが得られた。なお、樹脂被覆粒子Dの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子Dに対して約55質量%であることが仕込量からわかる。つまり、樹脂被覆粒子Aの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子A100質量部に対して、約55質量部であることがわかる。
(樹脂被覆粒子E)
3−アミノプロピルトリメトキシシランで表面処理した表面処理粒子aの代わりに、表面処理をしていない無機微粒子を用いたこと以外、樹脂被覆粒子Aの製造方法と同様にして、樹脂被覆粒子Eが得られた。より具体的には、シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製のAerosil50:平均1次粒径30nm)を何ら表面処理せずに、樹脂被覆粒子Aの製造方法と同様の樹脂被覆を施すことによって、樹脂被覆粒子Eが得られた。なお、樹脂被覆粒子Eの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子Eに対して20質量%であることが仕込量からわかる。つまり、樹脂被覆粒子Aの樹脂被覆量は、樹脂被覆粒子A100質量部に対して、20質量部であることがわかる。
前記樹脂被覆粒子A〜Eについての、上記各事項を、表1にまとめて示す。
Figure 2011043570
[実施例1]
(ブラックトナーの製造)
まず、結着樹脂として、スチレン−アクリル系共重合体(積水化学工業株式会社製のSE−0040:スチレンとアクリル酸n−ブチルとの共重合体)100質量部、着色剤として、カーボンブラック(三菱化学株式会社製のMA−100)6質量部、電荷制御剤として、ニグロシン化合物(オリエント化学工業株式会社製のN−07)4重量部、ワックスとして、カルナバワックス(東亜化成株式会社製のカルナウバ1号)4重量部を、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製のFM−10型)で2分間混合した。その後、得られた混合物を2軸押出機(株式会社池貝製のPCM−30)で溶融混練した。そして、得られた溶融混練物を気流式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製のジェットミルIDS−2)でジェットミル粉砕し、風力分級機(ホソカワミクロン株式会社製のTPS分級機)で分級処理した。そうすることによって、体積平均径8μmのトナー母粒子が得られた。なお、トナー母粒子の体積平均径は、粒度計(ベックマンコールター株式会社製のマルチサイザー3)によって、測定した。
次に、得られたトナー母粒子100質量部に対して、外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A0.5質量部を添加し、ヘンシェルミキサ(日本コークス工業株式会社製のFM−10型)で、3500rpm、3分間混合した。そうすることによって、トナー(外添剤が外添されたトナー母粒子)が得られた。なお、前記樹脂被覆粒子Aの、トナー母粒子100質量部に対する含有量は、0.5質量部であった。また、前記樹脂被覆粒子Aの、外添剤全量100質量部に対する含有量は、約33.3質量部であった。
(キャリアの製造)
まず、容器内に、シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製のKR−510)5質量部と、トルエン50質量部とを投入し、混合した。そうすることによって、樹脂分散液が得られた。次に、流動床法による被覆装置(フロイント産業株式会社製のSPIR−A−FLOW「MINI」)に、フェライト粒子(パウダーテック株式会社製のF−300、体積中心粒径45μm、飽和磁化65emu/g)100質量部と、前記樹脂分散液を前記フェライト粒子100質量部に対しての固形分量で3質量部とを投入し、前記被覆装置によって、2時間処理した。その後、前記処理が施された粒子を、150℃のオーブン中に3時間放置した。そうすることによって、シリコーン樹脂で被覆されたフェライト粒子が得られた。この得られた粒子をキャリアとして用いた。
(現像剤の製造)
前記キャリア270gに対して、上記のようにして得られた各トナー30gをそれぞれ配合し、ボールミルで30分間攪拌した。そうすることによって、現像剤が得られた。
[実施例2]
前記樹脂被覆粒子Aの代わりに、前記樹脂被覆粒子Bを用いたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。
[実施例3]
外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A0.5質量部を添加する代わりに、外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A0.2質量部を添加したこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。なお、前記樹脂被覆粒子Aの、トナー母粒子100質量部に対する含有量は、0.2質量部であった。また、前記樹脂被覆粒子Aの、外添剤全量100質量部に対する含有量は、約16.7質量部であった。
[実施例4]
外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A0.5質量部を添加する代わりに、外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A1.7質量部を添加したこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。なお、前記樹脂被覆粒子Aの、トナー母粒子100質量部に対する含有量は、1.7質量部であった。また、前記樹脂被覆粒子Aの、外添剤全量100質量部に対する含有量は、約63.0質量部であった。
[実施例5]
前記樹脂被覆粒子Aの代わりに、前記樹脂被覆粒子Cを用いたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。
[実施例6]
前記樹脂被覆粒子Aの代わりに、前記樹脂被覆粒子Dを用いたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。
[実施例7]
外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A0.5質量部を添加する代わりに、外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)1質量部、前記樹脂被覆粒子A2.4質量部を添加したこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。なお、前記樹脂被覆粒子Aの、トナー母粒子100質量部に対する含有量は、2.4質量部であった。また、前記樹脂被覆粒子Aの、外添剤全量100質量部に対する含有量は、約70.6質量部であった。
[比較例1]
前記樹脂被覆粒子Aの代わりに、下記に示す製造方法により得られた樹脂微粒子を用いたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。
攪拌器、還流冷却器、温度計、窒素導入管、及び滴下ロートを装着した反応容器に、イオン交換水400gと、ラウリル硫酸ナトリウム(アニオン性界面活性剤)5gとを投入し、窒素ガス雰囲気下で液温が80℃になるまで攪拌しながら昇温させた。その後、攪拌しながら、重合開始剤として、過硫酸アンモニウム2gを添加し、メタクリル酸メチル50gを1時間かけて滴下した。そして、さらに、液温を80℃に維持したまま1時間攪拌した。そうすることによって、エマルジョンが得られた。そして、得られたエマルジョンを洗浄した後、乾燥した。そうすることによって、粒子径が、体積平均粒子径で40nmの樹脂微粒子が得られた。この樹脂微粒子を用いた。
[比較例2]
前記樹脂被覆粒子Aの代わりに、前記樹脂被覆粒子Eを用いたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。
[比較例3]
前記樹脂被覆粒子Aを用いないこと、すなわち、外添剤として、正帯電性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製のRA200)のみを用いたこと以外、実施例1と同様にして、トナー及び現像剤を製造した。
[評価]
得られたトナー及び現像剤については、以下のような方法で評価した。
まず、京セラミタ株式会社製のカラーMFP(KM−C3232、クリーニングブレードを備えた画像形成装置)を評価機として用い、得られた各現像剤を黒色のスタート現像剤として用い、さらに、得られた各トナーを補給用のブラックトナーとして用いて、温度20〜23℃、相対湿度50〜65%RHの、常温常湿環境下で画像形成して、下記の評価を行った。
具体的には、まず、前記スタート現像剤を、前記評価機にセットし、前記評価機の電源を入れて安定させた。その後、画像を出力させた。なお、この画像を初期画像とした。次に、印字率5%の画像を50000枚印字した。なお、50000枚目の画像を評価用画像とした。その際、1000枚毎の画像も、かぶり濃度とダッシュマークの発生を確認した。
(かぶり)
前記初期画像、及び前記評価用画像の各画像において、反射濃度計(有限会社東京電色製のTC−6DS)を用いて測定した白紙相当部の画像濃度の値から、ベースペーパー(すなわち、画像出力前の白紙)の画像濃度の値を引いた値をかぶり濃度とした。
そして、50000枚目の画像におけるかぶり濃度が、0.005以下であれば、「○」と評価し、0.005を超え0.009以下であれば、「△」と評価し、0.009を超えるのであれば、「×」と評価した。
(ダッシュマーク)
前記評価用画像に形成されているダッシュマークの数を目視で確認した。そして、A4サイズの用紙1枚に対して、ダッシュマークが確認されなければ、「○」と評価し、確認されたダッシュマークの数が5個以下であれば、「△」と評価し、確認されたダッシュマークの数が5個を超えるのであれば、「×」と評価した。
各評価結果は、表2に示す。
Figure 2011043570
表2からわかるように、外添剤として、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子を含有するトナーを用いた場合(実施例1〜7)は、前記樹脂被覆粒子を含有しないトナーを用いた場合(比較例1〜3)と比較して、かぶりやダッシュマークの発生が少なかった。したがって、前記樹脂被覆粒子を含有するトナーを用いることによって、クリーニングブレードを備える画像形成装置で長期間にわたって印刷を行っても、かぶりや画像欠陥の発生を抑制できることがわかった。
また、樹脂の被覆量が、前記樹脂被覆粒子100質量部に対して、20〜50質量部の樹脂被覆粒子を含有するトナーを用いた場合(例えば、実施例1及び実施例2等)は、樹脂の被覆量が20質量部未満の樹脂被覆粒子を含有するトナーを用いた場合(実施例5)や樹脂の被覆量が50質量部を超える樹脂被覆粒子を含有するトナーを用いた場合(実施例6)と比較して、かぶりやダッシュマークの発生がより少なかった。したがって、樹脂の被覆量は、上記範囲内であることが好ましいことがわかった。
また、前記樹脂被覆粒子の含有量が、トナー母粒子100質量部に対して、0.1〜2質量部である場合(例えば、実施例1〜4等)は、前記樹脂被覆粒子の含有量が2質量部を超える場合(実施例7)と比較して、かぶりやダッシュマークの発生がより少なかった。したがって、前記樹脂被覆粒子の含有量は、上記範囲内であることが好ましいことがわかった。
なお、実施例5は、45000枚目の画像で、かぶり濃度が0.006となっていた。実施例6は、42000枚目の画像で、かぶり濃度が0.007となっていた。実施例7は、45000枚目の画像で、かぶり濃度が0.007となっていた。比較例2は、48000枚目の画像で、かぶり濃度が0.006となっていた。比較例3は、12000枚目の画像で、かぶり濃度が0.010となっていた。
そして、実施例6は、40000枚目の画像で、ダッシュマークが2個確認された。比較例1は、3000枚目の画像で、ダッシュマークが3個確認された。比較例2は、15000枚目の画像で、ダッシュマークが2個確認された。
60 複写機
100 用紙搬送部
110 用紙搬送路
200 給紙部
201,221 給紙カセット
222 蓋部
300 画像形成部
301 感光体ドラム
302 帯電装置
303 露光装置
304 現像装置
305 転写装置
306 クリーニングブレード
400 定着部
401 加熱ローラ
402 加圧ローラ
500 画像読取部
600 排紙部
605 排出ローラ
610 排出トレイ

Claims (7)

  1. 像担持体上のトナーを転写した後、前記像担持体上に残存したトナーを除去するためのクリーニングブレードを備える画像形成装置に用いられるトナーであって、
    結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、前記トナー母粒子に外添される外添剤とを含み、
    前記外添剤が、アミノ基を有するシランカップリング剤で無機微粒子を表面処理した表面処理粒子に、樹脂を被覆した樹脂被覆粒子を含有することを特徴とするトナー。
  2. 前記樹脂が、前記樹脂被覆粒子100質量部に対して、20〜50質量部となるように被覆されている請求項1に記載のトナー。
  3. 前記樹脂被覆粒子が、前記トナー母粒子100質量部に対して、0.1〜2質量部含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトナー。
  4. 前記樹脂被覆粒子が、前記外添剤100質量部に対して、10〜70質量部含有させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記樹脂被覆粒子が、前記表面処理粒子の存在下で、ラジカル重合性単量体を重合させて得られたものである請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。
  6. アモルファスシリコン感光体を備えた画像形成装置に使用されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーとキャリアとを含むことを特徴とする現像剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012203360A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Nippon Zeon Co Ltd 静電荷像現像用トナー
JP2015132815A (ja) * 2013-11-29 2015-07-23 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 正帯電性トナー及びその製造方法

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