JP2016035560A - トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、この方法では低温定着性と耐熱保存性については良好な結果が得られるものの、耐湿熱保存性が不十分であり、また、トナーの耐久性が低くなり、複写機・プリンターの設計に制限がある。さらにトナーとしてのコストが高いという問題があった。
これらの問題を解決すべく、ポリエステルよりも比較的安価なスチレン−アクリル系樹脂に結晶性ポリエステル樹脂を含有させる技術が提案されている(特許文献2)。スチレン−アクリル系樹脂を用いることで、トナーの耐久性が向上し、耐湿熱保存性も良好な結果が得られる。しかしながら、結晶性ポリエステルとスチレン―アクリル樹脂は、相溶性が悪いため、十分な低温定着性が得られず、印刷画像の光沢、帯電安定性についても不十分なものであった。
すなわち、本発明は、着色剤と結着樹脂(TB)を含有するトナーであって、結着樹脂(TB)が、結晶性樹脂(A)と、構成成分としてスチレン系モノマー(b1)を50〜95重量%含有するスチレン−アクリル系樹脂(B)とを含有し、さらに下記の関係式(1)および(2)を満たすことを特徴とするトナー;並びに結晶性樹脂(A)と、スチレン−アクリル系樹脂(B)及び/又はスチレン−アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー(b)とが混合される工程を含み、該混合工程以後の製造工程の温度を結晶性樹脂(A)の融点TmA以下に維持することを特徴とするトナーの製造方法である。
[式中、Q0は結晶性樹脂(A)を0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量測定で検出される第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。Q1は、トナーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに検出される第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。qはトナーに対する結晶性樹脂(A)の含有量(重量%)を表す。]
[式中、Q2は、トナーの第1回目の昇温過程でQ1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで再び毎分10℃で昇温する第2回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。]
本発明のトナーは、着色剤と結着樹脂(TB)を含有するトナーであって、この結着樹脂(TB)は、結晶性樹脂(A)と、構成成分としてスチレン系モノマー(b1)を50〜95重量%含有するスチレン−アクリル系樹脂(B)とを含有することを特徴とする。さらに下記の関係式(1)および(2)を満たす。
その結果、トナーとしての溶融粘度も低くなるため、定着時により低温での定着が可能となる。
そのため、トナー中の(A)と(B)は、加熱溶融時なら相溶する樹脂の組み合わせであっても、加熱溶融前では相溶せずに相分離した状態で存在することが好ましい。
具体的には、加熱溶融前トナーの(A)と(B)との相溶を抑えることで、トナーの軟化、トナー組成の不均一化を抑えることで、それぞれトナーの耐久性、帯電安定性を向上させている。また、定着時には、トナーの溶融粘度が下げられるため、印刷画像の光沢の高い画像を実現できる。
Q2/Q1≦0.50 (2)
Q1は、トナーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに検出される第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。
qはトナーに対する結晶性樹脂(A)の含有量(重量%)を表す。
そこで、第1回目の昇温過程の吸熱ピークに基づく吸熱量Q1、第2回目の昇温過程の吸熱ピークに基づく吸熱量Q2とする。
また結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピークと重なる場合は、結晶性樹脂(A)由来ではない吸熱ピーク分を差し引いて求める。なお、トナーバインダーにさらに配合する原料のうち、ワックスなどの結晶性の原料は吸熱ピークを発現する場合がある。このような場合は、吸熱ピーク面積を合算した値から、結晶性樹脂(A)由来ではない結晶性物質単体の融解熱量(Qw0)と、トナー中の結晶性樹脂(A)由来ではない物質の含有量(qw)から以下の式より算出される値(Qw)を結晶性樹脂(A)由来ではない物質の融解熱量を差し引くことで算出できる。
結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークトップ温度Ta(℃)としての範囲は好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは53〜90℃、特に好ましくは55〜85℃である。
トナーの耐熱保存性、耐湿熱保存性、トナー耐久性、帯電安定性の観点からTaは50以上が好ましく、低温定着性、光沢の観点から100以下が好ましい。
なお、ピークトップ温度とは、DSCチャートの吸熱ピークの凹部の最も深い箇所の温度のことを指す。
そして、結晶性樹脂(A)由来の吸熱ピークが2つ以上ある場合は、少なくとも1つがこの範囲にあればよい。
なお、本発明における「酸(塩)」の表記は、「酸又は酸塩」を意味する。
酸塩を構成する塩としては、アンモニウム塩、アミン塩(メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、トリメチルアミン塩、エチルアミン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、プロピルアミン塩、ジプロピルアミン塩、トリプロピルアミン塩、ブチルアミン塩、ジブチルアミン塩、トリブチルアミン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、N−メチルエタノールアミン塩、N−エチルエタノールアミン塩、N,N−ジメチルエタノールアミン塩、N,N−ジエチルエタノールアミン塩、ヒドロキシルアミン塩、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン塩及びモルホリン塩等)、4級アンモニウム塩[テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩及びトリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム塩等]、アルカリ金属塩(ナトリウム塩及びカリウム塩等)が挙げられる。
また、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、およびこれらの低級アルキルエステル類)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては20モル%以下が好ましい。
鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート及びこれらの混合物等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、鎖状脂肪族ジアミン及び環状脂肪族ジアミン等が挙げられる。
環状脂肪族ポリアミンとしては、炭素数4〜15の脂環式ジアミン{1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)及び3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等}及び炭素数4〜15の複素環式ジアミン[ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、及び1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等]等が挙げられる。
結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に限定されず、公知のいずれの方法でもよい。
剤として、グリコール又は水を用いると、末端にヒドロキシル基を有するアイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールが得られる。
アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールは、その末端を例えば、カルボキシル基になるように変性したものであってもよい。なお、アイソタクティシティが50%以上であると、通常ポリオキシアルキレンポリオールは結晶性を有する。
上記グリコールとしては、前記ジオール(x1)等が挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸(y2)等が挙げられる
低温定着性の観点から50,000以下が好ましく、耐熱保存性の観点から3,000以上が好ましい。
装置(一例) :「HLC−8120」[東ソー(株)製]
カラム(一例):「TSK GEL GMH6」[東ソー(株)製]2本
測定温度 :40℃
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液(不溶解分をグラスフィルターでろ別したもの)
溶液注入量 :100μl
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量:500、1,050、2,800、5,970、9,100、18,100、37,900、96,400、190,000、355,000、1,090,000、2,890,000)[東ソー(株)製]
これらのうち好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸;およびこれらの2種以上の混合物である。
mgKOH/gである。
低温定着性の観点から5.0mgKOH/g以上が好ましく、耐熱保存性の観点から40,0mgKOH/g以下が好ましい。
不飽和モノカルボン酸(b31)としては、(メタ)アクリル酸[「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル又はメタクリルを意味する。]、クロトン酸、イソクロトン酸及び桂皮酸等が挙げられる。
また、不飽和ジカルボン酸(b31)としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸及びメサコン酸等が挙げられる。
さらに、不飽和ジカルボン酸の酸無水物(例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の酸無水物)やモノアルキル(炭素数1〜10)エステル(例えばマレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノデシルエステル、フマル酸モノエチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル及びシトラコン酸モノデシルエステル等)も使用できる。
X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA−0.5|)−0.35×(|EB−EA+20|)−0.50×Mw/10,000+18.0
また、SPBはスチレン−アクリル系樹脂(B)の溶解度パラメータ(SP値)、SPAは結晶性樹脂(A)の溶解度パラメータを表す。
また、EBはスチレン−アクリル系樹脂(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは結晶性樹脂(A)のエステル基濃度(重量%)を表す。
エステル基濃度(単位:%)=[(N×44)/数平均分子量]×100 (5)
ここで、Nは(A)または(B)の1分子当りのエステル基数の平均であり、44はエステル基[−C(=O)O−]の式量である。
実際のエステル基濃度を算出するにあたり、核磁気共鳴スペクトル(NMR)等で(A)を構成するモノマー組成とエステル基数を求めて算出する方法や、(A)の製造に供した原料の量比からエステル基数を求めて算出する方法がある。
10≦Tg1−Tg2≦30 (4)
また、Tg2はトナーの第1回目の昇温過程でTg1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで毎分10℃で再び昇温したときに検出される第2回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。
低温定着性の観点から5%以上が好ましく、耐熱保存性の観点から30%以下が好ましい。
これらの重合方法のうち、分子量制御の観点から好ましいのは、溶液重合、懸濁重合、塊状重合及びこれらの組み合わせである。
これらのうち好ましいのは、ジ−t−ブチルパーオキサイド、および2、2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパンである。
これらのうち好ましいのは、操作性の観点から芳香族炭化水素系溶剤、さらに好ましくは、キシレン、トルエン、エチルベンゼンである。
その際に、結晶性樹脂(A)と、スチレン−アクリル系樹脂(B)及び/又はスチレン−アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー(b)とが混合される工程を含み、この混合工程以後の製造工程の温度を結晶性樹脂(A)の融点TmA以下に維持することが好ましい。
この混合工程以降に温度管理を行うことで、トナー中に(A)と(B)を相分離したままの状態で存在させることができる。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、結晶性樹脂(A)及び酢酸エチルを投入し、撹拌下で加熱溶解する。その後冷却し結晶性樹脂(A)を微粒子状に晶析させ、これを、たとえばウルトラビスコミルのような粉砕機で湿式粉砕し得られる。
たとえば、重合法のように、スチレン−アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー(b1)〜(b4)に(A)を融解させた状態で重合反応を実施する方法においても、重合反応温度を(A)の融点TmA以下に維持することで、重合の進行と共に(A)が析出し、さらに重合以降の工程についても同様の温度管理を行なうことで、相分離状態のトナーを製造することができる。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。
具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21、77及び114等)、ピグメントイエロー(12、14、17及び83等)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17、49、128、5、13、22及び48・2等)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25、94、60及び15・3等)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB及びオイルピンクOP等が挙げられる。
また、必要により磁性粉(鉄、コバルト及びニッケル等の強磁性金属の粉末、マグネタイト、ヘマタイト並びにフェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
離型剤としては、天然ワックス(蜜ろう、カルナバワックス及びモンタンワックス等)、石油ワックス(パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトロラタム等)、合成ワックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリエチレンワックス及び酸化ポリプロピレンワックス等)、及び合成エステルワックス(炭素数10〜30の脂肪酸と炭素数10〜30のアルコールから合成される脂肪酸エステル等)等が挙げられ、これらの離型剤からなる群より選ばれる1種類以上を含有することが好ましい。
なお、トナーの体積平均粒径は、コールターカウンター「マルチサイザーIII」(ベッ
クマンコールター社製)を用いて測定することができる。
撹拌装置、加熱冷却装置、温度計、冷却管及び窒素導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール 284重量部、アジピン酸650重量部、重合触媒としてチタニウムジイソプロポキシビストリエタノールアミネート2.5重量部を入れ、180℃に昇温し、同温度で窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応させ、次いで220℃まで昇温した後、窒素気流下に生成する水を留去しながら4時間反応した。更に同温度で0.007〜0.026MPaの減圧下で水を留去しながら、酸価が0.5以下になるまで反応させた。その後、180℃まで冷却し、無水トリメリット酸24.6重量部を反応容器に入れ、180℃にて1時間反応させ、結晶性樹脂(A−1)を得た。
製造例1においてエチレングリコールとアジピン酸を、1、4−ブタンジオール253重量部、ドデカン二酸617重量部に置き換えた以外は製造例1と同様にして結晶性樹脂(A−2)を得た。
製造例1においてエチレングリコールとアジピン酸を、1,12−ドデカンジオール408重量部、ドデカン二酸434重量部に置き換えた以外は製造例1と同様にして結晶性樹脂(A−3)を得た。
製造例1においてエチレングリコールとアジピン酸を、1,6−ヘキサンジオール272重量部、セバシン酸445重量部に置き換えた以外は製造例1と同様にして結晶性樹脂(A−4)を得た。
オートクレーブにキシレン80重量部を仕込み、窒素で置換した後、185℃まで昇温した。次いで、同温度でスチレン60重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート23重量部、アクリル酸2重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.23重量部およびキシレン35重量部の混合溶液を、同温度で3時間かけて滴下し、更に同温度で1時間保持して、スチレン−アクリル系樹脂(B−1)のキシレン溶液を得た。次いで、得られたキシレン溶液を、1kPa以下でキシレンを除去しながら170℃に昇温した。ガスクロマトグラフィーにより樹脂中のキシレンが1,000ppm、モノマーが1,000ppm以下であることを確認して、スチレン−アクリル系樹脂(B−1)を得た。
製造例5において、スチレン70重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート13重量部、アクリル酸2重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−2)を得た。
製造例5において、スチレン70重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート13重量部、アクリル酸2重量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.06重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−3)を得た。
製造例5において、スチレン50重量部、n−ブチルメタクリレート20重量部、メチルメタアクリレート28重量部、アクリル酸2重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−4)を得た。
製造例5において、スチレン90重量部、n−ブチルメタクリレート8重量部、アクリル酸2重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−5)を得た。
製造例5において、スチレン70重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート14.87重量部、アクリル酸0.13重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−6)を得た。
製造例5において、スチレン70重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート10重量部、アクリル酸5重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−7)を得た。
製造例5において、スチレン70重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート15重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−8)を得た。
製造例5において、スチレン70重量部、n−ブチルメタクリレート15重量部、メチルメタアクリレート6.45重量部、アクリル酸8.55重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B−9)を得た。
製造例5において、スチレン30重量部、n−ブチルメタクリレート20重量部、メチルメタアクリレート48重量部、アクリル酸2重量部に置き換えた以外は製造例5と同様にして、スチレン−アクリル系樹脂(B’−1)を得た。
撹拌装置を備えた反応容器に、スチレン−アクリル系樹脂(B−1)〜(B−9)、(B’−1)をそれぞれ50重量部、酢酸エチル50重量部を投入し、撹拌して樹脂を均一に溶解させ、スチレン−アクリル系樹脂溶液(BS−1)〜(BS−9)、(B’S−1)を得た。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、製造例1で製造した樹脂(A−1)15重量部及び酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌下65℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて10℃まで冷却して結晶性樹脂を微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、結晶性樹脂分散液(AD−1)を得た。(AD−1)の体積平均粒径は0.5μm、固形分濃度は50重量%であった。
製造例23において樹脂(A−1)15重量部を樹脂(A−2)に置き換えた以外は製造例23と同様にし、結晶性樹脂分散液(AD−2)を得た。(AD−2)の体積平均粒径は0.5μm、固形分濃度は50重量%であった。
製造例23において樹脂(A−1)15重量部を樹脂(A−3)に置き換えた以外は製造例23と同様にし、結晶性樹脂分散液(AD−3)を得た。(AD−3)の体積平均粒径は0.5μm、固形分濃度は50重量%であった。
製造例23において樹脂(A−1)15重量部を樹脂(A−4)に置き換えた以外は製造例23と同様にし、結晶性樹脂分散液(AD−4)を得た。(AD−4)の体積平均粒径は0.5μm、固形分濃度は50重量%であった。
撹拌装置、加熱冷却装置、冷却管及び温度計を備えた反応容器に、パラフィンワックス(石油ワックス)「HNP−9」[Tr:73℃、100℃における動粘度:7mm2/s、日本精鑞(株)製]10重量部、酢酸エチル15重量部を投入し、撹拌下78℃に昇温し、同温度で30分間撹拌後、1時間かけて30℃まで冷却してパラフィンワックスを微粒子状に晶析させ、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)で湿式粉砕し、離型剤分散液を得た。得られた離型剤分散液の体積平均粒径は0.25μm、固形分濃度は50重量%であった。
撹拌装置、及び温度計を備えた反応容器に、(AD−1)90重量部、(BS−1)695重量部、着色剤27重量部、離型剤分散液54重量部を投入し、撹拌下40℃で60分間撹拌し、樹脂溶液(C−1)を得た。
製造例14〜26、比較製造例2で得られた溶液(BS−1)〜(BS−9)、(B’S−1)、(AD−1)〜(AD−4)を用いて、スチレン−アクリル系樹脂(B−1)〜(B−9)、結晶性樹脂(A−1)〜(A−4)、離型剤分散液の固形分量が、それぞれ表3に記載の重量部数となるよう秤量し、以下の方法でトナーを作製した。
得られたトナー粒子49.5重量部、流動化剤1としてシリカ「アエロジルR972」(一次粒子の体積平均粒径:16nm、日本アエロジル製)0.25重量部と流動化剤2としてシリカ「アエロジルRY50」(一次粒子の体積平均粒径:40nm、日本アエロジル製)0.25重量部とを均一混合する以外は実施例1から10と同様にして、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−11)〜(T−13)を得た。
図1の実験装置において、まずバルブV1、V2を閉じ、ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素(純度99.99%)を導入し、14MPa、40℃に調整した。また樹脂溶液タンクT1に樹脂溶液(C−1)を投入した。
次に、液状の二酸化炭素のボンベB1から、ポンプP3を用いて液状の二酸化炭素を分散槽T3に投入し、超臨界状態(9MPa、40℃)に調整した。
次に、分散槽T3の内部を2,000rpmで攪拌しながら、タンクT1から、ポンプP1を用いて樹脂溶液(C−1)の混合液を分散槽T3内に導入した。導入後T3の内部の圧力は14MPaとなった。
樹脂溶液(C−1) 490重量部
二酸化炭素 550重量部
文献:Journal of Physical and Chemical Refarence data、vol.25、P.1509〜1596
次に、バルブV1を開き、B1からP3を用いてT3及びT4内に超臨界状態の二酸化炭素を導入することで、分散体(X1−1)をT3からT4内に移送した。分散体(X1−1)をT3からT4に移送する間、圧力が一定に保たれるように、V2の開度を調節した。この操作を30秒間行い、V1を閉めた。この操作によりT4内に移送された樹脂分散体(X1)からの溶剤の抽出を行った。
さらにT4を40℃とし、15分間保持することでトナー粒子を生成した。
この操作により、溶剤を含む二酸化炭素を溶剤トラップ槽T5に排出すると共に、トナー粒子をフィルターF1に捕捉した。圧力ボンベB2から、ポンプP4を用いて粒子回収槽T4に二酸化炭素を導入する操作は、上記の分散槽T3に導入した二酸化炭素重量の5倍量を粒子回収槽T4に導入した時点で停止した。この停止の時点で、溶剤を含む二酸化炭素を、溶剤を含まない二酸化炭素で置換すると共にトナー粒子をフィルターF1に捕捉する操作は完了した。
さらに、圧力調整バルブV2を少しずつ開き、粒子回収槽内を大気圧まで減圧することで、フィルターF1に捕捉されている、トナー粒子を取り出し、トナー粒子49.5重量部と流動化剤1としてシリカ「アエロジルR972」(一次粒子の体積平均粒径:16nm、日本アエロジル製)0.5重量部とを均一混合して、体積平均粒径5μmの本発明のトナー(T−14)を得た。
紙面上に0.6mg/cm2となるよう均一に載せる(このとき粉体を紙面に載せる方法は、熱定着機を外したプリンターを用いる。上記の重量密度で粉体を均一に載せることができるのであれば他の方法を用いてもよい)。この紙を加圧ローラーに定着速度(加熱ローラ周速)213mm/sec、定着圧力(加圧ローラ圧)1MPaの条件で通した時のコールドオフセットの発生温度を測定した。コールドオフセットの発生温度が低いほど、低温定着性に優れることを意味する。
140℃で定着した画像を光沢度計(VG−1D)(日本電色社製)を用い、投光角度、受光角度をそれぞれ60°にあわせ、S、S/10の切り替えSWはSにあわせ、0調整及び標準板を用い、標準設定の後試料台に前記画像を置き、光沢を測定した。
光沢の数値が高いほど、光沢に優れることを意味する。
50℃の雰囲気で1日間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、下記の基準で耐熱保存安定性を評価した。
[評価基準]
○:ブロッキングが発生しない
△:ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する
×:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
40℃、相対湿度80%の雰囲気で20時間静置し、ブロッキングの程度を目視で判断し、以下の基準で耐湿熱保存安定性を評価した。
[評価基準]
○:ブロッキングが発生しない
△:ブロッキングが発生するが、力を加えると容易に分散する
×:ブロッキングが発生し、力を加えても分散しない
二成分現像剤として、市販モノクロ複写機[AR5030、シャープ(株)製]を用いて連続コピーを行い、以下の基準で耐久性を評価した。
[評価基準]
◎:1万枚コピー後も画質に変化なく、カブリの発生もない
○:1万枚コピー後でカブリが発生している
△:6千枚コピー後でカブリが発生している
×:2千枚コピー後でカブリが発生している
50ccの共栓付ガラス瓶に、樹脂粒子0.5g、鉄粉(日本鉄粉株式会社製「F−150」)10gを精秤し、共栓をして23℃、50%RHの雰囲気下でターブラシェーカミキサー(ウイリー・ア・バショッフェン社製)にセットし、回転数90rpmで攪拌する。
攪拌後の混合粉体0.2gを目開き20μmステンレス金網がセットされたブローオフ粉体帯電量測定装置(京セラケミカル株式会社製TB−203)に装填し、ブロー圧10KPa、吸引圧5KPaの条件で、残存鉄粉の帯電量を測定し、定法により樹脂粒子の帯電量(μC/g)を算出する。
攪拌を1時間継続し、途中の3分後と60分後にサンプリングして帯電量の変化を測定する。
変化率=|Q3−Q60|/Q3 (6)
◎:変化率が0.05未満
○:変化率が0.05以上0.07未満
△:変化率が0.07以上0.16未満
×:変化率が0.16以上
一方、関係式(2)を満足しない比較例1のトナーとスチレン系モノマー含有量が50%以下のスチレン−アクリル系樹脂を用いた比較例3のトナーは低温定着性と光沢度が不良で、関係式(1)を満足しない比較例2のトナーは耐熱保存性が不良であった。
T2:微粒子分散液タンク
T3:分散槽(最高使用圧力:20MPa、最高使用温度:100℃、撹拌機つき)
T4:粒子回収槽(最高使用圧力:20MPa、最高使用温度:100℃)
F1:セラミックフィルター(メッシュ:0.5μm)
T5:溶剤トラップ
B1、B2:二酸化炭素ボンベ
P1、P2:溶液ポンプ
P3、P4:二酸化炭素ポンプ
V1、V3、V4、V5、V6、V7、V8:バルブ
V2:圧力調整バルブ
Claims (15)
- 着色剤と結着樹脂(TB)を含有するトナーであって、結着樹脂(TB)が、結晶性樹脂(A)と、構成成分としてスチレン系モノマー(b1)を50〜95重量%含有するスチレン−アクリル系樹脂(B)とを含有し、さらに下記の関係式(1)および(2)を満たすことを特徴とするトナー。
Q1/(Q0×q/100)≧0.8 (1)
[式中、Q0は結晶性樹脂(A)を0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量測定で検出される第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。Q1は、トナーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに検出される第1回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。qはトナーに対する結晶性樹脂(A)の含有量(重量%)を表す。]
Q2/Q1≦0.50 (2)
[式中、Q2は、トナーの第1回目の昇温過程でQ1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで再び毎分10℃で昇温する第2回目の昇温過程における結晶性樹脂(A)に由来の吸熱ピークに基づく吸熱量[J/g]を表す。] - スチレン−アクリル系樹脂(B)が、スチレン系モノマー(b1)、アクリル系モノマー(b2)、並びにカルボキシル基を含有するモノマー(b3)および/又はスルホン酸基を含有するモノマー(b4)とを構成単位として有し、かつ結晶性樹脂(A)とスチレン−アクリル系樹脂(B)が下記の関係式(3)を満たす請求項1に記載のトナー。
20≦X≦55 (3)
X=0.61×AV−0.64×(|SPB−SPA−0.5|)−0.35×(|EB−EA+20|)−0.50×Mw/10,000+18.0
[但し、式(3)中、AVはスチレン−アクリル系樹脂(B)の酸価(mgKOH/g)、SPBはスチレン−アクリル系樹脂(B)の溶解度パラメータ(SP値)、SPAは結晶性樹脂(A)の溶解度パラメータ、EBはスチレン−アクリル系樹脂(B)のエステル基濃度(重量%)、EAは結晶性樹脂(A)のエステル基濃度(重量%)、Mwはスチレン−アクリル系樹脂(B)の重量平均分子量を表す。] - トナーが、下記の関係式(4)を満たす請求項1または2のいずれかに記載のトナー。
10≦Tg1−Tg2≦30 (4)
[式(4)中、Tg1はトナーを0℃から150℃まで毎分10℃で昇温したときに示差走査熱量測定で検出される第1回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。また、Tg2はトナーの第1回目の昇温過程でTg1を測定した後に、150℃から0℃まで毎分10℃で冷却した後、0℃から150℃まで毎分10℃で再び昇温したときに検出される第2回目の昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。] - スチレン−アクリル系樹脂(B)の酸価が5.0〜40.0mgKOH/gである請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- スチレン−アクリル系樹脂(B)のゲルパーミエーションクロマトグラフィーで得られる分子量分布において、3,000〜60,000の領域に少なくとも1つのピークを有する請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- スチレン−アクリル系樹脂(B)の120℃における貯蔵弾性率G’(120)が1×103〜1×106Paである請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
- 結晶性樹脂(A)の吸熱ピークトップ温度Ta(℃)が50〜100℃の範囲にある請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 結晶性樹脂(A)の重量平均分子量が3,000〜50,000である請求項1〜7のいずれかに記載のトナー。
- 結晶性樹脂(A)の含有率が、結晶性樹脂(A)とスチレン−アクリル系樹脂(B)の合計重量に基づいて5〜30重量%である請求項1〜8のいずれかに記載のトナー。
- 着色剤が、黒色着色剤、青色着色剤、赤色着色剤及び黄色着色剤からなる群より選ばれる1種類以上を含有する着色剤である請求項1〜9のいずれかに記載のトナー。
- さらに、天然ワックス、石油ワックス、合成ワックス、及び合成エステルワックスからなる群より選ばれる1種類以上の離型剤を含有する請求項1〜10のいずれかに記載のトナー。
- 離型剤の吸熱ピークの最大温度(Tr)が40〜90℃であり、離型剤の100℃における動粘度が3〜20mm2/sである請求項11に記載のトナー。
- さらに、流動化剤を含有するトナーであって、流動化剤が、一次粒子の体積平均粒径が5nm以上30nm未満の流動化剤1と一次粒子の体積平均粒径が30nm以上200nm以下の流動化剤2を含有し、流動化剤の含有率がトナーの重量に基づいて0.2〜5.0重量%である請求項1〜12のいずれかに記載のトナー。
- 流動化剤が、シリカ、チタニア、アルミナ、脂肪酸金属塩、シリコーン樹脂粒子及びフッ素樹脂粒子からなる群より選ばれた少なくとも1種類を含有する請求項13に記載のトナー。
- 請求項1〜14のいずれかに記載のトナーの製造方法であって、結晶性樹脂(A)と、スチレン−アクリル系樹脂(B)及び/又はスチレン−アクリル系樹脂(B)を構成するモノマー(b)とが混合される工程を含み、該混合工程以後の製造工程の温度を結晶性樹脂(A)の融点TmA以下に維持することを特徴とするトナーの製造方法。
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