JP2006267980A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温定着が可能で、十分な帯電性、現像性を有する静電荷像現像用トナー、その製造方法、静電荷像現像剤および画像形成方法を提供する。
【解決手段】 着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリビニルアセタール樹脂のいずれかの樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記樹脂が分散した構造となっており、前記樹脂の分散粒径が0.01〜1.0μmである静電荷現像用トナーである。また、凝集・合一工程を含む上記静電荷像現像用トナーの製造方法である。さらに、上記静電荷現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤である。また、上記静電荷現像用トナーを使用する画像形成方法である。
【選択図】 なし
【解決手段】 着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリビニルアセタール樹脂のいずれかの樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記樹脂が分散した構造となっており、前記樹脂の分散粒径が0.01〜1.0μmである静電荷現像用トナーである。また、凝集・合一工程を含む上記静電荷像現像用トナーの製造方法である。さらに、上記静電荷現像用トナーを含有する静電荷像現像用現像剤である。また、上記静電荷現像用トナーを使用する画像形成方法である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法や静電記録法等に使用される静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、並びに、当該トナーを用いた静電荷像現像剤および画像形成方法に関する。
電子写真法としては、多数の方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。一般的には、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像を、トナーを用いて現像しトナー像を形成した後、このトナー像を、場合により中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、再びトナー像の現像に利用される。
被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着技術としては、加熱ロールおよび加圧ロールからなる一対のロール間に、トナー像が転写された被転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が一般的である。また、同種の技術として、ロールの一方または両方をベルトに代えた定着法も知られている。これらの技術は、他の定着法に比べ、高速で堅牢な画像が得られエネルギー効率が高く、また、溶剤等の揮発による環境への害が少ない。
一方、画像形成に際して必要なエネルギーの省力化への要求の高まりに伴い、定着工程の省電力化を図り、また、定着条件を拡大させるためには、トナーの定着温度をより低温化させる必要がある。トナー定着温度を低温化させることにより、前記省電力化および前記定着条件の拡大に加えて、電源入力時における定着ロール等の定着部材表面の定着可能温度までの待ち時間、いわゆるウォームアップタイムの短時間化、定着部材の長寿命化が可能である。
しかしながらトナーの定着温度を低温化させることは、同時にトナー粒子のガラス転移点も低下させてしまうことになり、トナーの保存性との両立が困難となる。低温定着化とトナー保存性とを両立させるためには、トナーのガラス転移点をより高温に保ったまま、高温領域でトナーの粘度が急速に低下する、いわゆるシャープメルト性をもつことが必要である。
また、トナーに使用される樹脂は、通常ある程度ガラス転移点、分子量等に幅を持つ。そのため、シャープメルト性を得るためには、極端に、樹脂の組成と、分子量とを均一にする必要がある。このような均一性の高い樹脂を得るためには、特殊な製法を用いたり、樹脂をクロマトグラフィ等で処理をすることにより樹脂の分子量を整える必要が生じてしまう。この場合、均一性の高い樹脂を作製するためのコストが高くならざるをえず、また均一性の高い樹脂の作製に際して不要な樹脂(廃棄物)が生じ、近年の環境保護の観点からも好ましくない。
一方、複写した画像を重ねて長期に保存しておく場合、画像の一部もしくは全部が、重ねられた上側の紙の裏に移行してしまうトラブルが起きることがある(以下、「ドキュメントオフセット」という場合がある)。この現象は高温多湿の条件下で画像が保存された場合に特に促進される。かかる現象が起こると、画像保存性が悪化する為、このような条件においても鮮明な画像が保てる画像形成方法が望まれる。
従って、低温で定着し、より高温領域までオフセットが発生しない、いわゆる定着ラチチュードの広い静電荷像現像用トナー、および、ドキュメントオフセットに耐え得る画像が得られる画像形成方法が強く要求されている。
オフセットの発生を防止する手段としては、高分子重合体や架橋重合体をブレンドした結着樹脂を用いる方法(例えば、特許文献2および特許文献3参照)が知られており、トナー溶融時の表面凝集力を高めることで、定着部材表面へのトナー融着を防ぐ手段が取られている。しかしこれらの方法では、オフセット防止には効果があるものの、定着温度が上昇してしまうという問題が生じる。
そこで、定着部材表面からの剥離性を改善する目的として、トナーにポリプロピレンやポリエチレン、アルキルアミド化合物、エステル化合物などの低分子量成分を添加することが試みられている。しかし、これらの方法においても、耐オフセット性に効果を改善できるものの、現像機内での長期放置などにより、ブロッキング等が生じ易くなり、保存安定性に懸念が生じる。
一方、トナーの定着温度を低くする手段としては、トナー用樹脂(結着樹脂)のガラス転移点を低くする技術が一般的に行われている。しかし、ガラス転移点をあまりに低くし過ぎると、粉体の凝集(ブロッキング)が起り易くなったり、定着画像上のトナーの保存性がなくなる。このためトナーのガラス転移点は実用上60℃が下限である。このガラス転移点は、現在多く市販されているトナー用樹脂の設計ポイントであるものの、現在のところ、ガラス転移点を下げる方法では低温定着可能なトナーを得る事はできなかった。また、可塑剤を用いることによっても、定着温度を下げることはできるが、保存時や、現像機内においてトナーのブロッキングが発生するという問題があった。
ブロッキング防止、画像保存性、および、低温定着性を両立させるために、結晶性樹脂を結着樹脂として用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献4および特許文献5参照)。しかし、結晶性樹脂は、混練粉砕法では粉砕が困難で収率が低い為、製造性の観点から実用性に欠しいという問題があった。また、製造上の実用性を確保できた場合でも、定着温度を下げることは可能であるが、必ずしも十分な耐オフセット性を得ることはできない。即ち、溶融したトナーが紙中に浸透することにより、オフセットの発生を防止する効果はあるが、急激に溶融したトナーが紙中に染み込みすぎて、均一で高濃度の画像が得られないという問題が生じる。
上記問題を解決する手段として、結着樹脂として結晶性樹脂を単独で用いるのではなく、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを併用する技術が数多く提案されている。また、混練粉砕法でトナーを作製する場合、非晶性樹脂部分の存在により、粉砕が容易となることも知られている。例えば、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを併用する方法(例えば、特許文献6、7参照)や、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを化学的に結合した樹脂を用いる方法(例えば、特許文献8〜11参照)などが挙げられる。
しかし、非晶性樹脂が結晶性樹脂より多い場合、非晶性樹脂が連続相になり結晶性樹脂が分散相となるが、この場合、結晶性樹脂は非晶性樹脂に覆われているため、結晶性樹脂による問題は生じない一方、トナー全体の溶融は非晶性樹脂の軟化温度に支配されるので、低温定着性を実現することは困難となる。さらに結晶性樹脂は非晶性樹脂中において、結晶性樹脂の結晶性に由来した凝集性によって樹脂の分散は困難である。そのため、結晶性樹脂と非晶性樹脂とを同一樹脂種にすることも検討されているが、分散を良好にする材料種同士では樹脂の相溶によって可塑化が生じて画像保存性を失い、完全な分離構造を有する樹脂同士では混錬などによる分散が不十分になる問題が生じる。また、これらを改善する手段としての上記結晶性樹脂と非晶性樹脂とが化学的に結合した樹脂を合成するには工数も増加し、生産性の点では好ましくない。
上記問題を解決するためのトナーの製造方法としては、懸濁重合法等の重合によりトナー粒子を作製する湿式製法が挙げられる(例えば、特許文献12参照)。懸濁重合法等の湿式製法を用いた場合、混練粉砕が難しいトナー粒子を容易に製造することができる上、トナー粒子の形状制御が可能で、球形化したトナー粒子を容易に作製することができる。また、トナー粒子の粒度分布の制御も可能となる。従って、上述の混練粉砕法等によって得られたトナー粒子の均一化を図る目的で必須とされていた分級工程を設ける必要もない。しかし、結晶性樹脂を用いた懸濁重合法では、トナー中に均一に着色剤を分散させることが難しいと言う不具合がある。
粒子の形状及び分散性を意図的に制御したトナーを製造する手段として、特許文献13、14において凝集法が提案されている。凝集法は、乳化重合あるいは分散乳化等の方法により樹脂分散液を作製し、一方で、溶媒に着色剤を分散させた着色剤粒子分散液を作製し、これらを混合してトナー粒径に相当する凝集粒子を形成させた後、加熱することによって融合し、トナー粒子を得る方法である。この凝集法によると、加熱温度条件を選択することにより、トナー形状を不定形から球形まで任意に制御することが可能である。前記凝集法では、樹脂粒子をガラス転移温度付近まで加熱させることによって、樹脂粒子表面を部分的に溶融させ、凝集粒子を発生しやすくさせる方法が一般的であり、前記結晶性樹脂も同様に凝集粒子を発生させることができる。
一方、電子写真プロセスにおいて使用されるトナーの体積抵抗値はその帯電特性を左右する重要な特性値であるが、低融点結晶性樹脂の体積抵抗値は、従来使用されている分子量領域の非結晶性樹脂に比べて低く、結晶性樹脂単独では電子写真法に必要な帯電特性を確保し難いのが現状である。さらに、低温定着を可能とするために100℃以下に融点を有する結晶性樹脂としては脂肪族結晶性樹脂が代表的な材料であるが、脂肪族由来の樹脂硬さ不足によって、現像ストレス、クリーニングストレスによる感光体上へのフィルミングが生じ易く、結果として画像形成不良となるなどの問題を有していた。
このように、結晶性樹脂を用いたトナーでは、結晶性樹脂の利点である低温定着性と共に、十分な帯電性と現像性を確保することが困難であった。加えて、粉体流動性、着色性、製造性等他のトナー特性を満足するトナーはいまだ提供されていないのが現状である。すなわち、低温定着性に加えて十分な帯電性、現像特性を確保し、さらに、その他の諸特性も高いレベルで両立させたトータルバランスの優れたトナーを提供することが重要である。
特公昭42−23910号公報
特開昭50−134652号公報
特開昭51−23354号公報
特公昭56−13943号公報
特公昭62−39428号公報
特開平11−249339号公報
特開2002−318471号公報
特開平1−163756号公報
特開平1−163757号公報
特開平4−81770号公報
特開平4−155351号公報
特開平5−44032号公報
特開昭63−282752号公報
特開平6−250439号公報
以上から、本発明は、低温定着が可能であると共に、十分な帯電性、および現像性を有する静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、並びに、当該静電荷像現像用トナーを用いた静電荷像現像剤および画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明に想到し、当該課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明の第1の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(1)で表されるポリカーボネート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリカーボネート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリカーボネート樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
すなわち、本発明の第1の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(1)で表されるポリカーボネート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリカーボネート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリカーボネート樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
(上記構造式(1)中、R1は直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリル基、または、アリール基からなる有機基を表す。nは20〜80の整数である。)
本発明の第2の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(2)で表されるポリアリレート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリアリレート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリアリレート樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
(上記構造式(2)中、R2およびR3はそれぞれ独立に、芳香族化合物または芳香族化合物誘導体からなる有機基を表す。nは20〜80の整数である。)
本発明の第3の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(3)で表されるポリビニルアセタール樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリビニルアセタール樹脂が分散した構造となっており、前記ポリビニルアセタール樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
(上記構造式(3)中、R4は水素、または、炭素数1〜5の直鎖アルキル基もしくは分岐アルキル基、アリール基、アシル基、または、アルコキシ基からなる有機基を表す。nは20〜80の整数である。)
本発明の第1〜第3の静電荷像現像用トナーには、下記第1〜第3の態様うち少なくとも1つが適用されることが好ましい。
(1)第1の態様は、前記結晶性ポリエステル樹脂の酸価が、1.0〜25.0mgKOH/gであり、融点(Tm)が50〜110℃であり、重量平均分子量が6,000〜35,000であり、樹脂B(前記ポリカーボネート樹脂、前記ポリアリレート樹脂のそれぞれ)のガラス転移温度(Tg)または融点(m)が90〜210℃であり、重量平均分子量が6,000〜200,000であり、前記結晶性ポリエステル樹脂と前記樹脂Bのガラス転移温度(Tg)または融点(m)が、Tm≦Tg、または、Tm≦mの関係を満たし、前記結晶性ポリエステル樹脂と前記樹脂(B)との質量混合比(B/(結晶性ポリエステル樹脂+B))が、0.01〜0.5である態様である。
(2)第2の態様は、前記結晶性ポリエステル樹脂(A)が、ジカルボン酸またはカルボン酸エステル誘導体モノマーと、ジオールモノマーとしての直鎖脂肪族モノマーとを、単一種で各々30モル%以上有する態様である。
(3)第3の態様は、前記結晶性ポリエステル樹脂が、2価以上のカルボン酸およびアルコールを共重合させることにより得られる態様である。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、既述の第1〜3の静電荷像現像用トナー製造方法であって、少なくとも前記結晶性ポリエステル樹脂の微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル樹脂を含む凝集粒子を形成する凝集・合一工程を含むことを特徴とする。
さらに、本発明の静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤であって、前記静電荷像現像用トナーが、既述の第1〜3の静電荷像現像用トナーのうちいずれかであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記トナーが、既述の第1〜3の静電荷像現像用トナーのうちいずれかであることを特徴とする。
本発明の画像形成方法には、下記第1の態様および第2の態様のうち少なくとも1つが適用されることが好ましい。
(1)第1の態様は、前記潜像保持体が円筒状導電性支持体上に少なくとも複数の樹脂層を有し、該樹脂層の1つが電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する態様である。
(2)第2の態様は、前記転写工程後、残留トナーをクリーニングして回収し現像機に戻す処理を施すクリーニング工程を含む態様である。
本発明によれば、低温定着が可能であると共に、十分な帯電性、および現像性を有する静電荷像現像用トナーおよびその製造方法、並びに、当該静電荷像現像用トナーを用いた静電荷像現像剤および画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明について、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、画像形成方法の順に説明する。
<第1の静電荷像現像用トナー>
本発明の第1の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(1)で表されるポリカーボネート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリカーボネート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリカーボネート樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
本発明の第1の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(1)で表されるポリカーボネート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリカーボネート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリカーボネート樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
(上記構造式(1)中、R1は直鎖アルキル基、分岐アルキル基、アリル基、または、アリール基からなる有機基を表す。nは20〜80の整数である。)
上記構造式(1)に示されるようなポリカーボネート樹脂を結晶性ポリエステル樹脂中に分散させることにより結晶性ポリエステル樹脂の優れた溶融低温定着性を維持しながら、結晶性ポリエステル樹脂で問題とされていた帯電特性、帯電安定性、保存安定性や製造性を改善させることができる。
ポリカーボネート樹脂は非晶質樹脂であり、また、ポリエステル樹脂とは部分相溶的である。そのため、結晶性樹脂に含まれている部分非晶部と非晶樹脂であるポリカーボネート樹脂が作用して、結晶性樹脂に含有されている部分非晶部の分子鎖を拘束することによって、樹脂強度、帯電特性、帯電維持性を改善し、結着樹脂との相溶化を高めることから、長期に渡る使用でも樹脂の成分分離、結晶性樹脂の表面露出を抑制することが可能である。
また、湿式製法(特に、乳化重合凝集法)などによりでトナー粒子中に導入すると、トナー粒子内での均一な分散が可能となり、部分相溶性を有することによって既述のような課題改善に至っている。ポリカーボネート樹脂によるトナー表面被覆という手段ではフィルミングや帯電などの特性改善には効果が認められるが、低温定着特性との両立は困難である場合がある。その場合、後述の本発明の製造方法における混合分散制御によって改善を図れることは製造プロセスの面においても効果的である。このような条件により、結着樹脂である結晶性ポリエステル樹脂、離型剤、着色剤の機能を損なわないで、トナー粒子に強度、耐久性、帯電安定性など、従来混練法では分散が困難であったポリカーボネート樹脂による改質効果を付与することが可能となる。
上記構造式(1)で示されるポリカーボネート樹脂においては、R1で示される構造部位が芳香族成分(特に、アリール基)を有することが好ましい。結晶性ポリエステル樹脂に含まれる部分非晶部と部分相溶を起こした際に、元のポリカーボネートに比して可塑化して室温域にて軟化することを抑制する。そのため、好ましくは直鎖状脂肪族成分からなる結晶性ポリエステル樹脂と完全に相溶しないように制御するため芳香族成分からなる構造からなることが好ましい。
更に、ポリカーボネート樹脂の重量平均分子量に関しては、6,000〜200,000(GPC測定 スチレン換算)、ガラス転移温度(DSC測定オンセット)が90〜210℃の範囲であれば特に制限はない。分子量が上記範囲を下回る場合、結晶性樹脂との相溶性は向上するものの、樹脂凝集力が不足するためにトナー強度、画像強度、トナー表面状態の変化を抑制できない場合があり好ましくない。
また、上記範囲を超える場合、樹脂凝集力が高くなりすぎるため、結着樹脂、結晶性樹脂などとの相溶性が低下するため、粒子への取り込みや結晶性ポリエステル樹脂中での分散状態が悪くなるので好ましくない。
さらに、ガラス転移温度が上記範囲を下回る場合、トナー保存性、帯電性へ悪影響がある。上記範囲を超える場合には低温定着特性を損なうために、トナー形状制御が困難になるなどの問題が生じるため好ましくない。重量平均分子量のより好ましい範囲は10,000〜200,000、更に好ましい範囲は15,000〜80,000、ガラス転移温度のより好ましい範囲は95〜180℃である。
添加されるポリカーボネート樹脂は結晶性ポリエステル樹脂と部分相溶させ、完全相溶を抑制するために芳香族成分などの異なるモノマー構造類が取り入られていることが好ましい。また、結晶性ポリエステル樹脂の融点(Tm)と樹脂B(ポリカーボネート樹脂)のガラス転移温度(Tg)が、Tm≦Tgであることが好ましい。これによって樹脂Bが結晶性ポリエステル樹脂によって可塑化され特性を損なうことを抑制することが可能となる。
また、ポリカーボネート樹脂の結晶性ポリエステル樹脂への分散粒径は1μm以下であり、0.01〜1.0μmであることが好ましい。これ超えるの粒径であると、部分相溶が不十分な状態となりポリカーボネート単独の特性が生じてしまい好ましくない。得られたサンプル中のポリカーボネートの分散状態はTEMを用いて観察を行い確認することができる。またポリカーボネートの添加量は、結晶性ポリエステル樹脂の低温定着特性を損なわないために1〜50重量%であることが好ましい。
なお、静電荷像現像用トナー中のポリカーボネート樹脂の分散粒径は、当該トナーのサンプルを切削し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を用いて得られた画像から投影円相当径として、求めることができる。また、芳香族化合物を有する置換基が存在する場合には、より分散状態を明確にするためにRu染色によるコントラスト改善を行うとよい。
上記構造式(1)で表されるポリカーボネート樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、ビスフェノール誘導体からなる樹脂を用いることができる。単独種のモノマー構成からなっていることが分散における偏在を抑制するなどの点から好ましいが、複数のモノマー種から構成されていても良い。モノマー種としては結晶性ポリエステル樹脂において好ましくは脂肪族モノマーを利用するため、部分相溶化を生じさせるためにポリカーボネート樹脂では主に芳香族成分から構成されることが好ましい。ポリカーボネート樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
一方、本実施形態におけるトナーにおいて、ポリカーボネート樹脂を用いる場合に、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を調製することができる。
本実施形態におけるトナーに使用されるポリカーボネート樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が6,000〜200,000の範囲にあることが好ましく、15,000〜80,000の範囲にあることがより好ましい。分子量分布Mw/Mnは、1.5〜100の範囲にあることが好ましく、1.5〜20の範囲にあることがより好ましい。なお、後述するポリアリレート樹脂およびポリビニルアセタール樹脂における分子量測定法も上記と同様にGPC法を適用できる。
重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さい場合には、低温定着性には効果的ではある一方で、耐ホットオフセット性が著しく悪くなるばかりでなく、トナーのガラス転移点を低下させる為、トナーのブロッキング等保存性にも悪影響を及ぼす。一方、上記範囲より分子量が大きい場合には、耐ホットオフセット性は充分付与できるものの、自己凝集性が強くなり分散不良を生じたりして低温定着性が低下する他、トナー中に存在する結晶性ポリエステル相の染み出しを阻害する為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、上述の条件を満たすことによって低温定着性と耐ホットオフセット性、ドキュメント保存性を両立し得ることが容易となる。
従来の非結晶性樹脂を用いたトナーでは、非結晶性樹脂がガラス転移点で樹脂分子の熱運動によって緩やかに樹脂粘度が低下するため定着可能粘度領域までの温度差が大きく、画像保存性を確保するためのガラス転移温度と低温定着性を両立することができない。低温定着と画像保全性とを両立するためには、結晶性樹脂などの融点を有する材料を用いることが理想的である。これは樹脂が融点を有するために特定温度(融点)における粘度の低下変化が大きく、樹脂分子が熱運動を開始して溶融状態になり、定着可能な粘度領域に達するまでの温度差を低減することができるためである。これにより優れた低温定着性と同時に融点と同値またはそれ以下での画像保存性を示すことが可能である。そのため、低温定着性と画像保存性を確保するには結晶性樹脂を用いることが理想的である。
結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル、ポリアルキレン、長鎖アルキル(メタ)アクリレート等が挙げられるが、本願の特徴である粘度の急激な変化がより現れる点から、少なくとも、結晶性ポリエステル樹脂を用いる。
また、モノマー成分としては結晶構造を容易に形成するため、芳香族成分を有するモノマーよりも直鎖状脂肪族成分を有するモノマーが好ましい。さらに結晶性を損なわないために、構成されるモノマーは単一種で各々30mol%以上を構成することが好ましい。ポリエステルなどにおいて2種以上のモノマー類が必須で構成される際には、各必須構成モノマー種において同上の構成であることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、1.0〜25.0mgKOH/gの範囲であることが好ましく、6.0〜20.0mgKOH/gの範囲にあることがより好ましく、9.0〜18.0mgKOH/gの範囲にあることがさらに好ましい。
酸価が1.0mgKOH/gよりも低いと湿式製法での凝集時における樹脂微粒子としての安定性に乏しいなどの問題が生じる場合がある。また、25.0mgKOH/gを超えるとトナーとしての吸湿性が増してしまい、トナーとしての環境影響を受けやすくなることがある。
また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000〜35,000であることが好ましい。分子量(Mw)が、6,000未満であると、定着時にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の折り曲げ耐性に対する強度が低下することがあり好ましくない。また、分子量(Mw)が35,000を超えると溶融時の粘度が高くなりすぎて定着に適当な粘度まで至るための温度が高くなることがあるため好ましくない。
本発明で用いる結晶性ポリエステル樹脂は、低温定着性とトナーの保存安定性を確保するために、50〜110℃の範囲に融点を有するものが好ましい。融点が50℃を下回ると、保管トナーにブロックキングが生じるなどの保存、定着画像の保存性が困難となることがあり、110℃を超える場合では低温定着性が損なわれる場合があるため好ましくない。
結晶性ポリエステル樹脂のより好ましい融点の範囲としては50〜100℃であり、さらに好ましい範囲は55〜90℃である。この融点測定は、JIS K−7121に基づいて入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点とする。
また、本発明の静電荷像現像用トナーで使用される結晶性ポリエステル樹脂の粘弾性特性は以下の条件を満たすことが好ましい。すなわち、角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率GL(30)が1×105Pa以上であることが好ましく、損失弾性率GN(30)が1×105Pa以上であることが好ましい。
この貯蔵弾性率GL(30)が1×105Pa未満や、損失弾性率GN(30)が1×105Pa未満の場合には、例えば二成分現像方式を例に取れば、現像機内でキャリアと混合された時に、キャリアから受ける圧力や剪断力によりトナー粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持することができず、また、静電潜像担持体上のトナーがクリーニングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断力によって変形し、クリーニング不良が発生する。
一方、貯蔵弾性率GL(30)が1×105Pa以上、損失弾性率GN(30)が1×105Pa以上である場合には、高速機で用いても特性が安定し、定着後の画像の強度を強くすることができる。
本発明の静電荷像現像用トナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂のような『結晶性』とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10(℃)以内であることを意味する。一方、半値幅が10℃を超える樹脂や、明確な吸熱ピークが認められない樹脂は、非晶質樹脂(無定形高分子)を意味する。
「結晶性ポリエステル樹脂」は、その構成成分が100%ポリエステル構造からなるポリマー以外にも、ポリエステルを構成する成分と他の成分とを共に重合してなるポリマー(共重合体)も意味する。但し、後者の場合には、ポリマー(共重合体)を構成するポリエステル以外の他の構成成分が50重量%以下である。
結晶性ポリエステル樹脂を含む結着樹脂は、脂肪族モノマを用いて合成された結晶性ポリエステル樹脂(以下、「結晶性脂肪族ポリエステル樹脂」と略す場合がある)を主成分(50重量%以上)とすることが好ましい。さらに、この場合、前記結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を構成する脂肪族モノマの構成比は、60mol%以上であることが好ましく、90mol%以上であることがより好ましい。なお、脂肪族モノマとしては後述するような脂肪族のジオール類やジカルボン酸類を好適に用いることができる。
結晶性ポリエステル樹脂が芳香族モノマ等、脂肪族以外のモノマで構成された場合、結晶性ポリエステル樹脂の融点が高くなり、結果として、最終的に作製されるトナーの融点が上がり、トナーの定着温度上昇を招くことが予想される。また、凝集法でトナーを作製する場合に必要な樹脂の乳化性が悪化するため、トナー造粒時、粒度分布の制御が難しくなったり、着色剤の偏在を招く場合がある。一方、融点を下げ、乳化性を付与する為に、芳香族スルホン酸モノマを構成成分にした場合、融点低下と乳化性が改善できても、トナーの帯電性付与に必要な電気抵抗の低下を招き、結果として、トナー特性を満足する為の適用範囲が狭まってしまう。したがって、低温定着性に対する改善効果を高める為には、脂肪族モノマの構成比を80mol%以上にすることが望ましい。
本実施形態におけるトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂や、その他すべてのポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本実施形態においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、微粒子を作成する際に、スルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで、乳化あるいは懸濁が可能である。
スルホン基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらスルホン酸基を有する2価以上のカルボン酸成分は、ポリエステルを構成する全カルボン酸成分に対して1〜15モル%、好ましくは2〜10モル%含有する。1モル%より含有量が少ないと乳化粒子の経時安定性が悪くなる一方、15モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下するばかりではなく、凝集後、粒子が融合する工程に悪影響を与え、トナー径の調整が難しくなるという不具合が生じる。
さらに、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸成分を含有してもよい。2重結合を持つジカルボン酸は、2重結合を介して、ラジカル的に架橋結合させ得る点で定着時のホットオフセットを防ぐ為に好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級エステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、主鎖部分の炭素数が7〜20である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。脂肪族ジオールが分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下してしまう為、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、主鎖部分の炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くなり、低温定着が困難となることがある一方、主鎖部分の炭素数が20を超えると実用上の材料の入手が困難となり易い。主鎖部分の炭素数としては14以下であることがより好ましい。
本実施形態におけるトナーに用いられる結晶性ポリエステルの合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。脂肪族ジオールの含有量が80モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下する為、耐トナーブロッキング性、画像保存性及び、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類等が挙げられる。これらの多価カルボン酸を1種又は2種以上用いることができる。これら多価カルボン酸の中、芳香族カルボン酸を使用することが好ましく、また良好なる定着性を確保するために架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジカルボン酸とともに3価以上のカルボン酸(トリメリット酸やその酸無水物等)を併用することが好ましい。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類等が挙げられる。これら多価アルコールの1種又は2種以上用いることができる。これら多価アルコールの中、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、このうち芳香族ジオールがより好ましい。また良好なる定着性を確保するため、架橋構造あるいは分岐構造をとるためにジオールとともに3価以上の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール)を併用してもよい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合によって得られたポリエステル樹脂に、さらにモノカルボン酸、および/またはモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、および/またはカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル樹脂の酸価を調整しても良い。モノカルボン酸としては酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロル酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸等を挙げることができ、モノアルコールとしてはメタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどを挙げることができる。
結晶性ポリエステル樹脂は上記多価アルコールと多価カルボン酸を常法に従って縮合反応させることによって製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸、必要に応じて触媒を入れ、温度計、撹拌器、流下式コンデンサを備えた反応容器に配合し、不活性ガス(窒素ガス等)の存在下、150〜250℃で加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の酸価に達した時点で反応を停止させ、冷却し、目的とする反応物を取得することによって製造することができる。
この結晶性ポリエステル樹脂の合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01〜1重量%とすることが好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000から35,000であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が、6,000未満であると、定着時にトナーが紙等の記録媒体の表面へ染み込んで定着ムラを生じたり、定着画像の折り曲げ耐性に対する強度が低下してしまい、好ましくない。また、重量平均分子量(Mw)が35,000を超えると溶融時の粘度が高くなりすぎて定着に適当な粘度まで至るための温度が高くなるために好ましくない。低温定着性とトナーの保存安定性を確保するために、50〜110℃の範囲に融点を有するものが好ましい。融点が50℃を下回ると、保管トナーにブロックキングが生じるなどの保存、定着画像の保存性が困難となり、110℃を超える場合では低温定着性が損なわれるため好ましくない。結晶性樹脂の好ましい融点の範囲としては50〜100℃であり、より好ましい範囲は55〜90℃である。
結晶性ポリエステル樹脂の酸価(樹脂1gを中和するに必要なKOHのmg数)は、前記のような分子量分布を得やすいことや、乳化分散法によるトナー粒子の造粒性を確保しやすいことや、得られるトナーの環境安定性(温度・湿度が変化した時の帯電性の安定性)を良好なものに保ちやすいことなどから、1.0〜25.0mgKOH/gであることが好ましい。ポリエステル樹脂の酸価は、原料の多価カルボン酸と多価アルコールの配合比と反応率により、ポリエステルの末端のカルボキシル基を制御することによって調整することができる。あるいは多価カルボン酸成分としてトリメリット酸などを使用することによってポリエステルの主鎖中にカルボキシル基を有するものが得られる。
本実施形態において、樹脂の重量平均分子量は、THF可溶物を、東ソー製GPC・HLC−8120、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で測定し、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して重量平均分子量を算出したものである。
本発明の静電荷像現像用トナーを構成する成分としては、既述したように少なくとも、結着樹脂として結晶性樹脂と所定の無定形高分子(前記ポリカーボネート樹脂、前記ポリアリレート樹脂、前記ポリビニルアセタール樹脂のそれぞれ)とを含み、着色剤および離形剤を含むものであれば特に限定されないが、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。また、本実施形態におけるトナーの製造方法は特に限定されるものではないが湿式法を用いることが好ましい。以下、着色剤および離形剤と他の成分について説明する。
なお、結着樹脂のその他の樹脂成分として、結晶性ビニル系樹脂を使用することができる。結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」なる記述は、「アクリル」および「メタクリル」のいずれをも含むことを意味するものである。
(着色剤)
本実施形態におけるトナーに用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料等が挙げられる。
本実施形態におけるトナーに用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料;ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料;銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料;フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料等が挙げられる。
着色剤としては、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラロゾンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、デュポンオイルレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・57:1、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などの種々の顔料などを例示することができ、これらを1種または2種以上を併せて使用することができる。
本実施形態の静電荷像現像用トナーにおける、前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部が好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
(離型剤)
本実施形態におけるトナーに用いられる離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
本実施形態におけるトナーに用いられる離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
離型剤の融点は、保存性の観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また、耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の範囲内であることが好ましく、2〜20重量部の範囲内であることがより好ましい。離型剤の含有量が1重量部未満であると離型剤添加の効果がなく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、30重量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの機械的強度が低下する為、現像機内でのストレスで破壊されやすくなり、キャリア汚染などを引き起こす場合がある。また、カラートナーとして用いた場合、定着画像中にドメインが残留し易くなり、OHP透明性が悪化するという問題が生じる場合がある。
(その他の成分)
本実施形態におけるトナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機微粒子)、有機微粒子等の種々の成分を添加することができる。
本実施形態におけるトナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機微粒子)、有機微粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
帯電制御剤としては、例えば4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
また、無機粉体は主にトナーの粘弾性調整を目的として添加され、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙するような通常、トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機微粒子が挙げられる。
トナー表面に外添される無機微粒子や有機微粒子としては以下のようなものが挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子が好ましく、疎水化処理された微粒子が特に好ましい。
無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。無機微粒子の1次粒子径としては、1nm〜200nmの範囲にあることが好ましく、その添加量としては、トナー100重量部に対して、0.01〜20重量部の範囲にあることが好ましい。
有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、貯蔵弾性率GL及び損失弾性率GNが、それぞれ10℃の温度範囲における変化量が2桁以上である領域を有することが好ましく、2.5桁以上の変化であることがより好ましい。この変化量が2桁未満であると、低温で定着できない場合がある。このような場合、エネルギー消費を低減効果が十分に得られなかったり、定着ラチチュードが十分に得られないことがある。
本発明の静電荷像現像用トナーの体積電気抵抗値としては、1.0×1011〜1.0×1016Ω・cmの範囲内であることが好ましく、1.0×1012〜1.0×1015Ω・cmの範囲であることがより好ましい。体積電気抵抗が1.0×1011Ω・cm未満の場合には、本実施形態におけるトナーとキャリアとが摩擦帯電した場合において、十分な帯電量を確保することが困難となる場合がある。一方、体積電気抵抗が1.0×1016Ω・cmより大きい場合には、本実施形態におけるトナーをキャリアと混合させた時に、現像剤としての抵抗が高くなりやすくなり、コピー画質の粒状性やハーフトーン階調性が制御しにくくなってしまう場合がある。そのため、十分な帯電性と良好なコピー画質とを永続的に確保する為には、本実施形態におけるトナーの体積電気抵抗を上述の範囲にすることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーの体積平均粒子径としては、1μm〜20μmの範囲にあることが好ましく、2μm〜8μmの範囲にあることがより好ましく、また、個数平均粒子径としては、1μm〜20μmの範囲にあることが好ましく、2μm〜8μmの範囲にあることがより好ましい。
体積平均粒子径および個数平均粒子径の測定は、例えば、コールターカウンター[TA−II]型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(ベックマン−コールター社製:アイソトンII)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。また、レーザー回折粒度測定器でも測定できる。
(第2の静電荷像現像用トナー)
本発明の第2の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷現像剤であって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(2)で表されるポリアリレート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリアリレート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリアリレート樹脂の分散粒径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする。
本発明の第2の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷現像剤であって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(2)で表されるポリアリレート樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリアリレート樹脂が分散した構造となっており、前記ポリアリレート樹脂の分散粒径が0.01〜1.0μmであることを特徴とする。
(上記構造式(2)中、R2およびR3はそれぞれ独立に、芳香族化合物または芳香族化合物誘導体からなる有機基を表す。nは20〜80の整数である。)
当該静電荷像現像用トナーは、第1の静電荷像現像用トナーのポリカーボネート樹脂をポリアリレート樹脂に変更した点に特徴がある。すなわち、上記構造式(2)に示されされるポリアリレート樹脂を結晶性ポリエステル樹脂中に分散させる。これにより結晶性樹脂の優れた溶融低温定着性を維持しながら、結晶性ポリエステル樹脂の問題点である帯電特性、帯電安定性、保存安定性や製造性などについては、部分相溶することで、改善を図ることができる。
ポリアリレート樹脂は非晶質樹脂であり、また、結晶性ポリエステル樹脂とは部分相溶的である。そのため、結晶性樹脂に含まれている部分非晶部と非晶樹脂であるポリアリレート樹脂が作用して、結晶性樹脂に有されている部分非晶部の分子鎖を拘束することによって、樹脂強度、帯電特性、帯電維持性を改善し、結着樹脂との相溶化を高めることから、長期に渡る使用でも樹脂の成分分離、結晶性樹脂の表面露出を抑制することが可能である。
また、湿式製法(特に、乳化凝集法などによりでトナー粒子中に導入すると、トナー粒子内での均一分散が可能となり、部分相溶性を有することによって課題改善に至っている。また、ポリアリレート樹脂はエステル結合を有するため、芳香族モノマーを併用した結晶性ポリエステル樹脂とは相溶化が進行し、可塑化が生じる。そこで、ポリアリレートと結晶性樹脂を部分的に相溶化させて分散状態を制御するために、該結晶性ポリエステル樹脂(A)は炭素数2〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸またはカルボン酸エスエル誘導体モノマーおよび炭素数2〜18の直鎖脂肪族ジオールモノマーを各々30mol%以上構成成分として有することが必要である。ポリアリレート樹脂によるトナー表面被覆という手段ではフィルミングや帯電などの特性改善には効果が認められるが、低温定着特性との両立は困難である。本願のように混合分散制御によって改善を図れることは製造プロセスの面においても効果的である。このような条件により、結着樹脂、結晶性樹脂、離型剤、着色剤の機能を損なわないで、トナー粒子に強度、耐久性、帯電安定性など、従来混練法では分散が困難であったポリアリレート樹脂による改質効果を付与することが可能となる。
上記構造式(2)で示されるポリアリレート構造においては、R2およびR3で示される構造部位が芳香族成分を有する。結晶性樹脂に含まれる部分非晶部と部分相溶を起こした際に、元のポリアリレートに比して可塑化して室温域にて軟化することを抑制するため、好ましくは直鎖状脂肪族成分からなる結晶性樹脂と完全に相溶しないように制御するため芳香族成分からなる構造からなることが好ましい。
R2およびR3の具体例としては、アリル基、または、アリール基誘導体などが好ましくフマル酸、ベンジル、ビフェニルやナフタレン誘導体などが挙げられる。
更に、ポリアリレート樹脂の重量平均分子量に関しては、6,000〜200,000(GPC測定 スチレン換算)、ガラス転移温度(DSC測定オンセット)が110〜210℃の範囲であれば特に制限はない。重量平均分子量が上記範囲を下回る場合、結晶性ポリエステル樹脂との相溶性は向上するものの、樹脂凝集力が不足するためにトナー強度、画像強度、トナー表面状態の変化を抑制できない場合があり好ましくない。また、上記範囲を超える場合、樹脂凝集力が高くなりすぎるため、結着樹脂、結晶性樹脂などとの相溶性が低下するため、粒子への取り込みや結晶性樹脂中での分散状態が悪くなる場合があるので好ましくない。また、ガラス転移温度が上記範囲を下回る場合、トナー保存性、帯電性へ悪影響がある。上記範囲を超える場合には低温定着特性を損なうために、トナー形状制御が困難になるなどの問題が生じるため好ましくない。重量平均分子量の好ましい範囲は10,000〜200,000、更に好ましい範囲は15,000〜80,000、ガラス転移温度の好ましい範囲は120〜200℃、更に好ましい範囲は140〜200℃である。
このようなポリアリレート樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂などが挙げられ、具体的には、ビスフェノール誘導体やフェノール誘導体からなる樹脂を用いることができる。単独種のモノマー構成からなっていることが、分散における偏在を抑制するなどの点から好ましいが、各構成モノマーにおいて複数のモノマー種から構成されていても良い。ポリアリレート樹脂は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
該結晶性ポリエステル樹脂は炭素数2〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸またはカルボン酸エスエル誘導体モノマーおよび炭素数2〜18の直鎖脂肪族ジオールモノマーを単一種で各々30mol%以上構成成分として有することが好ましい(ポリカーボネート樹脂も同様)。これによってポリアリレート樹脂が結晶性ポリエステル樹脂によって可塑化され特性を損なうことを抑制することが可能である。また、ポリアリレート樹脂の結晶性樹脂への分散粒径は1μm以下であることが好ましい。これ以上の粒径であると、部分相溶が不十分な状態となりポリアリレート樹脂単独の特性が生じてしまい好ましくない。得られたサンプル中のポリアリレート樹脂の分散状態はTEMを用いて観察を行い確認することができる。またポリアリレート樹脂の添加量は、結晶性樹脂の低温定着特性を損なわないために1〜50重量%であることが好ましい(ポリカーボネート樹脂およびポリアリレート樹脂も同様)。
なお、結晶性ポリエステル樹脂、着色剤、離形材およびその他の成分などに関する詳細は、本発明の第1の静電荷像現像用トナーと同様である。
(第3の静電荷像現像用トナー)
本発明の第3の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(3)で表されるポリビニルアセタール樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリビニルアセタール樹脂が分散した構造となっており、前記ポリビニルアセタール樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
本発明の第3の静電荷像現像用トナーは、少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、少なくとも他の1種が、下記構造式(3)で表されるポリビニルアセタール樹脂であり、前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリビニルアセタール樹脂が分散した構造となっており、前記ポリビニルアセタール樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナーである。
(上記構造式(3)中、R4は水素、または、炭素数1〜5の直鎖アルキル基もしくは分岐アルキル基、アリール基、アシル基、または、アルコキシ基からなる有機基を表す。nは20〜80の整数である。)
本発明者らは、湿式製法を用いてなる静電荷像現像用トナーにおいて、アセタール構造を有する樹脂(ポリビニルアセタール樹脂)を含有させることにより、低温定着性を狙った結着樹脂を用いた場合でもシャープメルト性を維持しつつトナー強度、長期にわたる帯電安定性を改善できることを見出した。
更に、結晶性ポリエステル樹脂と併用した場合にも分散改善作用を示し、内包性の良好なトナー粒子が得られることから、粒子サイズ、形状ばらつきのないトナーが得られることを見出した。これら、低温定着性を達成しながら強度の高い帯電安定性を達成したトナーを用いることで、表面層にシロキサン架橋構造を有する電子写真感光体を用いたトナーリサイクル方式による画像形成方法による長期に渡る高画質を得ることが可能となった。
本発明のようにポリビニルアセタール樹脂を含有させることにより、低温定着性に優れるも、帯電特性、帯電安定性、保存安定性や製造性に問題のある結晶性ポリエステル樹脂と部分相溶することでこれらの問題が改善される。
上記、ポリビニルアセタール樹脂の作用効果について明確な理由については明らかでないものの、非晶質樹脂で、かつ、他樹脂との相溶性も良好であり、アセタール部のアルキル部が優先的に結晶性ポリエステル樹脂の非晶質部に作用して、結晶性ポリエステル樹脂の非晶部の分子鎖を拘束することで、帯電特性、帯電維持性を改善しかつ、結着樹脂との相溶化を高めることから、長期に渡る使用でも結晶性ポリエステル樹脂の表面露出を抑制するという役割を果たしていると推定している。
更に、湿式製法(特に、乳化凝集法)などによりでトナー粒子中に導入すると、トナー粒子内での均一分散が可能となり、結着樹脂、結晶性樹脂、離型剤、着色剤の機能を損なわないで、トナー粒子に強度、耐久性、帯電安定性など、従来混練法では導入できなかったアセタール樹脂による改質効果を付与することが可能となる。
前記ポリビニルアセタール構造を有する樹脂のアセタール基部の置換基については、H、炭素2〜5までの直鎖もしくは分岐炭化水素、アリル基、アリール基、アシル基、アルコキシ基などが好ましい。アシル基、アルコキシ基の炭素が有する置換基に特に制限はないが、炭素数5以下の低級アルキルが好ましく用いられる。
更に、上記ポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量に関しては、10000〜300000(GPC測定 スチレン換算)、ガラス転移温度(DSC測定オンセット)が50〜100℃の範囲であれば特に制限はない。重量平均分子量が上記範囲を下回る場合、結晶性樹脂との相溶性は向上するものの、樹脂凝集力が不足するためトナー強度、画像強度、トナー表面状態の変化を抑制できない場合があり好ましくない。また、上記範囲を超える場合、樹脂凝集力が高くなりすぎるため、結着樹脂、結晶性樹脂などとの相溶性が低下するため、粒子への取り込みが悪くなるので好ましくない。またガラス転移温度が上記範囲を下回る場合、トナー保存性、帯電性へ悪影響がある。上記範囲を超える場合には、トナー形状制御が困難になるなどの問題がある。
重量平均分子量の好ましい範囲は20000〜200000、更に好ましい範囲は30000〜100000、ガラス転移温度の好ましい範囲は55〜95℃、更に好ましい範囲は60〜90℃である。
なお、結晶性ポリエステル樹脂、着色剤、離形材およびその他の成分などに関する詳細は、本発明の第1の静電荷像現像用トナーと同様である。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、いわゆる乳化凝集法を適用している。すなわち、本発明の静電荷像現像用トナーは、既述の第1〜3の静電荷像現像用トナー製造方法であって、少なくとも前記結晶性ポリエステル樹脂の微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル樹脂を含む凝集粒子を形成する凝集・合一工程を含む。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、いわゆる乳化凝集法を適用している。すなわち、本発明の静電荷像現像用トナーは、既述の第1〜3の静電荷像現像用トナー製造方法であって、少なくとも前記結晶性ポリエステル樹脂の微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル樹脂を含む凝集粒子を形成する凝集・合一工程を含む。
乳化凝集法を用いる場合、本実施形態の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステルを含む凝集粒子を形成する凝集工程を少なくとも含むものであることが好ましく、さらに、凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程を、含むことがより好ましい。以下、各工程について詳細に説明する。
なお、上記凝集工程を経てトナーを作製する際に要される乳液の作製方法としては、ポリエステルと無定形高分子(前記ポリカーボネート樹脂、前記ポリアリレート樹脂、前記ポリビニルアセタール樹脂)を別々に乳化して凝集を行うことが可能であるが、溶剤分散または機械的に溶融混合を行ってポリエステル中に無定形高分子を分散した状態で混合分散樹脂の乳液を作製して用いてもよい。
[乳化工程]
前記乳化工程において、原料分散液は、結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂および既述の無定形高分子を含む)の乳化粒子(以下、「樹脂粒子」と略す)と、水系媒体または有機溶媒および必要に応じて着色剤や離型剤を含む分散液とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。したがって結着樹脂は原料分散液中にあらかじめ樹脂粒子として分散させておく必要がある。
前記乳化工程において、原料分散液は、結着樹脂(結晶性ポリエステル樹脂および既述の無定形高分子を含む)の乳化粒子(以下、「樹脂粒子」と略す)と、水系媒体または有機溶媒および必要に応じて着色剤や離型剤を含む分散液とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。したがって結着樹脂は原料分散液中にあらかじめ樹脂粒子として分散させておく必要がある。
前記樹脂粒子の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易い。一方、平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、平均粒径は、例えばコールターカウンタなどを用いて測定することができる。
前記分散液における分散媒としては、例えば水系媒体や有機溶剤などが挙げられる。水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本実施形態においては、水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いることができる。
前記樹脂粒子が、前記ビニル基を有するエステル類、前記ビニルニトリル類、前記ビニルエーテル類、前記ビニルケトン類等のビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)である場合には、ビニル系単量体をイオン性界面活性剤中で乳化重合やシード重合等することにより、ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂)製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
前記樹脂粒子が、前記ビニル系単量体の単独重合体又は共重合体以外の樹脂である場合には、その樹脂が、水への溶解度が比較的低い油性溶剤に溶解するのであれば、その樹脂を油性溶剤に溶解させ、この溶液を、ホモジナイザー等の分散機を用いてイオン性界面活性剤や高分子電解質と共に水中に微粒子分散し、その後、加熱又は減圧して油性溶剤を蒸散させることにより、ビニル系樹脂以外の樹脂製の樹脂粒子をイオン性界面活性剤に分散させてなる分散液が調製される。
一方、前記樹脂粒子が、結晶性ポリエステル及び無定形ポリエステル樹脂である場合、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有した、自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部又は全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成できる。結晶性ポリエステル及び無定形ポリエステル樹脂において中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルフォン基等の酸性基である為、中和剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基等が挙げられる。前記乳化工程で、樹脂分散液と混合される着色剤としては、既述した着色剤を用いることができる。
着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
着色剤の添加量としては、前記ポリマーの総量に対して1〜20重量%の範囲とすることが好ましく、1〜10重量%の範囲とすることがより好ましく、2〜10重量%の範囲とすることがさらに好ましく、2〜7重量%の範囲とすることが特に好ましく、定着後における画像表面の平滑性を損なわない範囲でできるだけ多い方が好ましい。着色剤の含有量を多くすると、同じ濃度の画像を得る際、画像の厚みを薄くすることができ、オフセットの防止の点で有利である。
また、これらの着色剤は、その他の微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
前記乳化工程で、樹脂分散液と混合される離型剤としては、既述した離型剤を用いることができる。
離型剤は、自己水分散性をもたないポリエステル樹脂を乳化分散する場合と同様、水中にイオン性界面活性剤等と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザや圧力吐出型分散機を用いて、1μm以下の分散微粒子径に調整される。離型剤分散液における分散媒としては、結着樹脂の分散媒と同様のものを用いることができる。
本実施形態において前記結着樹脂や離型剤を水性媒体と混合して、乳化分散させる装置としては、例えばホモミキサ(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャ(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザ(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザ(ゴーリン社)、ナノマイザ(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサ(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等が挙げられる。
前記乳化工程における結着樹脂分散液に含まれる樹脂粒子の含有量及び、着色剤及び離型剤の分散液における、着色剤、離型剤それぞれの含有量は通常、5〜50重量%の範囲であり、好ましくは10〜40重量%の範囲である。前記含有量が前記範囲外にあると、粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
なお、本実施形態において、目的に応じて、前記結着樹脂分散液に、既述したような内添剤、帯電制御剤、無機粉体等のその他の成分が分散させておいても良い。
帯電制御剤としては、凝集工程や融合工程の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
前記その他の成分の平均粒径としては、通常1μm以下であり、0.01μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招きやすい。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり性能や信頼性のばらつきが小さくなる点で有利である。
[凝集工程]
凝集工程においては、乳化工程で得られた樹脂粒子、及び着色剤、離型剤の分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、前記結着樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱してそれぞれの分散粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
凝集工程においては、乳化工程で得られた樹脂粒子、及び着色剤、離型剤の分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、前記結着樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱してそれぞれの分散粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
前記凝集工程に用いる凝集剤としては、2価以上の価数を取りうる金属塩である。
本実施形態における2価以上の価数を取りうる金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、塩化亜鉛、硫酸銅、塩化鉄、等の2価の金属塩、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化鉄、等の3価の金属塩、塩化スズ、等の4価の金属塩等の金属塩;および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が2価の金属塩より3価の金属塩、3価の金属塩より4価の金属塩の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より好ましい。
また、凝集工程においては、加熱による急凝集を抑える為に、室温で攪拌混合している段階でpH調整を行い、必要に応じて分散安定剤を添加しても良い。(以下、この段階を「プレ凝集工程」という)。分散安定剤はプレ凝集工程と加熱凝集工程との両方に分けて添加しても効果的である。
無定形高分子分散液の添加方法としては、結晶性樹脂との部分相溶性を促す方法が望ましい。そのため、樹脂分散液作成方法に述べたように前記両樹脂を溶剤併用、または溶融混合をして分散液を作製することも望ましく。また、各樹脂分散液を単独で各々作製した場合には湿式トナー作製時に同時に両樹脂分散液を投入して分散均一化した状態で凝集工程を経ることが望ましいが、製造されるトナーの帯電性などの制御のために分散状態を制御するために添加時期を調整してもよい。さらに、結晶性樹脂に基づく低温定着特性を損なわないために、無定形高分子の添加量としては、結晶性ポリエステル樹脂と前記樹脂(B)との質量混合比(B/(結晶性ポリエステル樹脂+B))が、0.01〜0.5であることが望ましい。
被覆層の形成は、凝集工程においてコア凝集粒子を形成した分散液中に、無定形高分子粒子を含む分散液を追添加することにより行うことができ、必要に応じて他の成分も同時に追添加してもよい。付着工程においても、用いる無定形高分子に応じて凝集工程と同様にpHや凝集剤を選択し、付着凝集粒子中に含まれる2種以上の結着樹脂のうち、最も融点の低い結着樹脂の融点以下の温度にて加熱し付着凝集粒子を得ることができる。また、この付着工程は、プレ凝集の段階で凝集粒子に取り込まれなかった原料微粒子を凝集に導くことにおいても有効である。
[融合工程]
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、付着凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより付着凝集粒子を融合させる。なお、付着凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適性なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、付着凝集粒子がの分解が生じてしまい収率が悪くなる。また、融合工程は、必要に応じて凝集工程を得た後に実施してもよい。
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、付着凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより付着凝集粒子を融合させる。なお、付着凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適性なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、付着凝集粒子がの分解が生じてしまい収率が悪くなる。また、融合工程は、必要に応じて凝集工程を得た後に実施してもよい。
融合時の加熱の温度としては、付着凝集粒子中に含まれる結着樹脂の融点以上であれば問題無い。前記加熱の時間としては、融合が十分に為される程度行えばよく、0.5〜1.5時間程度行えばよい。それ以上時間を掛けるとコア凝集粒子に含まれる結晶性樹脂がトナー表面ヘ露出し易くなってしまう。したがって、定着性、ドキュメント保存性には効果的であるが、帯電性に悪影響を及ぼすため、長時間加熱するのは好ましくない。
前記融合工程においては、前記結着樹脂が融点以上に加熱されている時に、あるいは融合が終了した後に、架橋反応を行わせてもよい。また、融合と同時に架橋反応を行うこともできる。架橋反応を行わせる場合には、例えば、結着樹脂として2重結合成分を共重合させた、不飽和スルホン化結晶性ポリエステル樹脂を用い、この樹脂にラジカル反応を起こさせ、架橋構造を導入する。この際、以下に示す重合開始剤を用いる。
重合開始剤としては、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミルパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t―ブチルパーオキシ)シラン、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジンジハイドロクロライド)、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]、4,4’−アゾビス(4−シアノワレリックアシド)等が挙げられる。
これら重合開始剤は、単独で使用することも、または2種以上を併用することもできる。重合開始剤の量や種類は、ポリマー中の不飽和部位量、共存する着色剤の種類や量によって選択される。
重合開始剤は、乳化工程前にあらかじめポリマーに混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、或いは融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、付着工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナーの粒子は、乾燥後の含水分率を1.0%以下、好ましくは0.5%以下に調整することが望ましい。
上述のように乾燥工程を経て造粒されたトナー粒子は、その他の成分として、目的に応じて既述したような無機微粒子、有機微粒子等の公知の各種外添剤を添加することができる。
<静電荷像現像用現像剤>
本発明の静電荷像現像剤は、静電荷像現像用トナーとキャリアとを含み、前記静電荷像現像用トナーが、既述の本発明の第1〜3の静電荷像現像用トナーのいずれかとなっている。
本発明の静電荷像現像剤は、静電荷像現像用トナーとキャリアとを含み、前記静電荷像現像用トナーが、既述の本発明の第1〜3の静電荷像現像用トナーのいずれかとなっている。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂・マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmの範囲にあり、好ましくは30〜100μmの範囲にある。
キャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前記被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
前記二成分現像剤における本実施形態のトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより好ましい。
<画像形成方法>
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記トナーとして、既述の本発明の第1〜3の静電荷像現像用トナーを用いるものである
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記トナーとして、既述の本発明の第1〜3の静電荷像現像用トナーを用いるものである
上記の各工程は、いずれも画像形成方法において公知の工程が利用できる。また、本実施形態における画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
本発明の画像形成方法に使用できる電子写真画像形成装置としては、種々の構成とすることができる。例えば、感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
トナー画像を転写する被記録体としては、例えば、電子写真方式の複写機や、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被記録体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本発明の画像形成方法では、電子写真用感光体は公知のものを使用できるが、以下に、好適に用いられる電子写真用感光体について説明する。当該電子写真感光体としては、導電性支持体上に、電荷発生層と電荷輸送層とを有する感光層、表面層を順次有する構成が挙げられる。
まず、導電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用いた金属板、金属ドラム、金属ベルト、あるいは導電性ポリマー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるいはラミネートした紙、プラスチックフィルム、ベルト等が挙げられる。
次に電荷発生層について説明する。電荷発生材料は、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フタロシアニン顔料等の有機顔料や、三方晶セレン、酸化亜鉛などの無機顔料など既知のもの全て使用することができるが、特に380nm〜500nmの露光波長を用いる場合には無機顔料が好ましく、700nm〜800nmの露光波長を用いる場合には、金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5ー263007及び、特開平5ー279591に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5ー98181に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5ー140472及び、特開平5ー140473に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873及び、特開平5ー43813開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって該の結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに本発明で実施した前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。またこれらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、本発明で用いる電荷発生層の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
次いで、電荷輸送層について説明する。電荷輸送層としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。それらの電荷輸送層は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、p−ベンゾキノン、クロラニル、ブロマニル、アントラキノン等のキノン系化合物、テトラシアノキノジメタン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等の電子輸送性化合物、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独または2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
さらに電荷輸送層に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
電荷輸送層の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、ワイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、複写機中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノンおよびそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。本発明の感光体に使用可能な電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、一般式(I)で示される化合物をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl,CN,NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
次いで、表面保護層について説明する。表面層の磨耗、傷などに対する耐性を持たせるため、高強度表面層を設けることもできる。この高強度表面層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、架橋構造を有するものが好まく、さらに電荷輸送性材料を含むものがより好ましい。架橋構造を形成するものとしては種々の材料を用いることが出来るが、特性上フェノール樹脂、ウレタン樹脂、シロキサン樹脂などが好ましく、特にシロキサン系樹脂からなるものが好ましい。
なお、定着工程における定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、定着機における加熱ロール等の定着部材にシリコーンオイル等の離型剤が供給される。
本発明の静電荷像現像用トナーにおいて、結着樹脂中に架橋構造がある場合には、その効果から離型性に優れ、離型剤の使用量を低減し定着を行うことができる。
離型剤は、定着後の被転写体および画像へのオイルの付着をなくす観点からは使用を低減するほうが好ましく、離型剤の使用量が8.0×10-3mg/cm2以下の範囲で、定着部材に微量に供給されていることで、好ましく定着することができる。
離型剤の供給量が、8.0×10-3mg/cm2を越えると、定着後に画像表面に付着した離型剤のために画質が低下し、特にOHPのような透過光を利用する場合には、かかる現象が顕著に現れることがある。また、被転写体への離型剤の付着が顕著になり、ベタ付きが発生することもある。さらに、離型剤の供給量は、多くなるほど離型剤を貯蔵しておくタンク容量も大きくしなければならず、定着装置自体の大型化を招く要因ともなる。
離型剤としては、特に制限はないが、例えば、ジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル等の変性オイル等の液体離型剤等が挙げられる。中でも、定着部材の表面に吸着し、均質な離型剤層を形成しうる観点より、アミノ変性シリコーンオイル等の変性オイルが、定着部材に対する塗れ性に優れ、好ましい。また、均質な離型剤層を形成しうる観点より、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルが好ましい。
離型剤として、フッ素オイル、フロロシリコーンオイルを使用するのは、本発明の静電荷像現像用トナーを用いない、従来の画像形成方法においては、離型剤自体の供給量を低減し得ないため、コストの面で実用的ではないが、本実施形態の静電荷像現像用トナーを使用する場合においては、離型剤の供給量を激減できるのでコスト面でも実用上問題がない。
加熱圧着に用いる定着部材であるローラあるいはベルトの表面に、離型剤を供給する方法としては、特に制限はなく、例えば、液体離型剤を含浸したパッドを用いるパッド方式、ウエブ方式、ローラ方式、非接触型のシャワー方式(スプレー方式)等が挙げられ、なかでも、ウエブ方式、ローラ方式が好ましい。これらの方式の場合、離型剤を均一に供給でき、しかも供給量をコントロールすることが容易な点で有利である。なお、シャワー方式により定着部材の全体に均一に離型剤を供給するには、別途ブレード等を用いることが好ましい。
離型剤の供給量は、以下のようにして測定できる。即ち、その表面に離型剤を供給した定着部材に、一般の複写機で使用される普通紙(例えば、富士ゼロックス(株)製の複写用紙、商品名J紙)を通過させると、該普通紙上に離型剤が付着する。この付着した離型剤をソックスレー抽出器を用いて抽出する。ここで、溶媒にはヘキサンを用いる。このヘキサン中に含まれる離型剤の量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型剤の量を定量できる。この量を離型剤の定着部材への供給量と定義する。
トナー像を転写する被転写体(記録材)としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
本発明の画像形成方法は、本発明の静電荷像現像用トナーを用いているため低温定着が可能であると共に、トナーが適正な摩擦帯電量と現像性を保持することができる。このため、画像形成に際して省エネルギー性に優れ、トナー飛散等の発生を防止しつつ良好な画像を形成することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中、「部」とは「質量部」を意味する。
[実施例A]
<結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドデカン二酸98.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%の酸成分、および、1,6ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰な1,6ヘキサンジオールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い3.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量22,000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷し結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。酸価は11.8mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドデカン二酸98.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%の酸成分、および、1,6ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰な1,6ヘキサンジオールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い3.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量22,000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷し結晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。酸価は11.8mgKOH/gであった。
ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径が0.36μmポリエステルからなる結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)(樹脂粒子濃度:20重量%)を得た。
−ポリカーボネート樹脂分散液(1)の調製−
ポリ(ビスフェノールA)樹脂(アルドリッチ製、Tg120℃、Mw22,000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は280nmであった。
ポリ(ビスフェノールA)樹脂(アルドリッチ製、Tg120℃、Mw22,000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は280nmであった。
−ポリカーボネート樹脂分散液(2)の調製−
ポリ(ビスフェノールZ)樹脂(三菱瓦斯化学製、Tg172℃、Mw60,000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(2)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は290nmであった。
ポリ(ビスフェノールZ)樹脂(三菱瓦斯化学製、Tg172℃、Mw60,000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(2)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は290nmであった。
−ポリカーボネート樹脂分散液(3)の調製−
ポリ(ビスフェノールC)樹脂(三菱瓦斯化学製、Tg121℃、Mw62,000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(3)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は280nmであった。
ポリ(ビスフェノールC)樹脂(三菱瓦斯化学製、Tg121℃、Mw62,000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(3)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は280nmであった。
−ポリカーボネート樹脂分散液(5)の調製−
ポリカーボネート樹脂分散液(1)と同様に70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で1分間混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(5)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は1.2μmであった。
ポリカーボネート樹脂分散液(1)と同様に70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で1分間混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリカーボネート樹脂分散液(5)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は1.2μmであった。
<離型剤分散液の調製>
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP9,融点77℃):50部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5部
イオン交換水:200部
パラフィンワックス(日本精蝋(株)製:HNP9,融点77℃):50部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5部
イオン交換水:200部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20重量%)を調製した。
<着色剤分散液の調製>
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):150部
イオン交換水:9000部
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):150部
イオン交換水:9000部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の平均粒径は、0.15μm、着色剤粒子濃度は23重量%であった。
(実施例1)
<トナー粒子(1)の製造>
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):302.8部
ポリカーボネート樹脂分散液(1):260.0部
着色剤分散液:19.6部
離型剤分散液:45.9部
<トナー粒子(1)の製造>
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):302.8部
ポリカーボネート樹脂分散液(1):260.0部
着色剤分散液:19.6部
離型剤分散液:45.9部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら5分間分散混合した。ついで凝集剤として、ポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.60部をイオン交換水15部で希釈した液を添加した。この時、増粘する為、十分原料をUltraturraxにて攪拌し、均一になったところで加温装置にセットした。その後、撹拌をしながらマントルヒーターで一度40℃に昇温させ、pH4.5に設定した。
その後、昇温とともに起こる急凝集を抑える為に1Nの水酸化ナトリウムを加えて、pHを上げながら、粒径を制御しつつ55℃まで徐々に昇温させた。さらに、溶液中の微粒子を凝集粒子に取り込む為に、60℃まで昇温させた。次いで、この凝集粒子を融合させるとともに凝集粒子が分解することを防ぐ為に、pHを6.9とし、攪拌速度を200rpmから120rpmに落としてから80℃に昇温させた。
顕微鏡で粒子が融合したのを確認した(以下、この融合した粒子を「コア融合粒子」と略す)後、80℃に保持したまま、pHを6.5まで下げ、放冷して容器内温度を室温とした。その後、イオン交換水による洗浄工程を経て凍結乾燥機による乾燥を行い体積平均粒径6.0μmのトナー粒子(1)を得た。
(実施例2)
<トナー粒子(2)の製造>
ポリカーボネート樹脂分散液(2)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、体積平均粒径5.9μmのトナー粒子(2)を得た。
<トナー粒子(2)の製造>
ポリカーボネート樹脂分散液(2)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、体積平均粒径5.9μmのトナー粒子(2)を得た。
(実施例3)
<トナー粒子(3)の製造>
ポリカーボネート樹脂分散液(3)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、体積平均粒径5.9μmのトナー粒子(3)を得た。
<トナー粒子(3)の製造>
ポリカーボネート樹脂分散液(3)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、体積平均粒径5.9μmのトナー粒子(3)を得た。
(比較例1)
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):421.1部を用いて、ポリカーボネート樹脂は用いずに実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.0μmのトナー粒子(6)を得た。
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):421.1部を用いて、ポリカーボネート樹脂は用いずに実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.0μmのトナー粒子(6)を得た。
(比較例2)
ポリカーボネート樹脂分散液(5)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径5.9μmのトナー粒子(7)を得た。
ポリカーボネート樹脂分散液(5)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径5.9μmのトナー粒子(7)を得た。
<トナー粒子の諸評価>
得られたトナー粒子について、下記のような評価を行った。これらの結果については、下記表1に示した。
得られたトナー粒子について、下記のような評価を行った。これらの結果については、下記表1に示した。
(融点の測定)
結晶性ポリエステル樹脂、および無定形高分子の融点(Tm)を、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下、「DSC」と略記する。)の熱分析装置を用いて測定した。測定は、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点をJIS規格(JIS K−7121参照)により解析して得た。
結晶性ポリエステル樹脂、および無定形高分子の融点(Tm)を、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下、「DSC」と略記する。)の熱分析装置を用いて測定した。測定は、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点をJIS規格(JIS K−7121参照)により解析して得た。
DSCの測定結果より、結晶性ポリエステル樹脂の吸熱ピークにおける半値幅はいずれも10℃以下であり、結晶性を有していることが確認された。また、ポリカーボネート樹脂については明確な融点が認められないため、ガラス転移点(Tg)を示した。
(フィルミングの観察)
複写操作を2,000枚行い、フィルミングは目視および走査型電子顕微鏡での観察、帯電量の変化のモニター、複写機トラブルの観察を行った。
複写操作を2,000枚行い、フィルミングは目視および走査型電子顕微鏡での観察、帯電量の変化のモニター、複写機トラブルの観察を行った。
(粘弾性の測定)
結晶性ポリエステル樹脂、および無定形高分子の粘弾性を、回転平板型レオメーター(RDA 2RHIOSシステム Ver.4.3.2,レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)製)を用いて測定した。測定は、測定対象となる各静電荷像現像用トナーをサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/min、周波数1rad/sec、歪み1.0%以下、測定補償値の範囲内の検出トルクで行った。なお、必要に応じて、サンプルホルダーを8mmと20mmとに使い分けた。
結晶性ポリエステル樹脂、および無定形高分子の粘弾性を、回転平板型レオメーター(RDA 2RHIOSシステム Ver.4.3.2,レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)製)を用いて測定した。測定は、測定対象となる各静電荷像現像用トナーをサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/min、周波数1rad/sec、歪み1.0%以下、測定補償値の範囲内の検出トルクで行った。なお、必要に応じて、サンプルホルダーを8mmと20mmとに使い分けた。
具体的な測定内容としては、30℃における貯蔵弾性率GL(30)および損失弾性率GN(30)、並びに、温度変化に対する樹脂粘度の変化である。
(トナー粒子の体積電気抵抗)
トナー粒子4gを秤量し、圧縮成形機で厚さ約2mm、直径5cm程度の円盤を作成する。この円盤をデジタル超高抵抗計(R8340A)の導通盤の上に置き、プローブで挟んで500Vの電圧を印加した際の抵抗値の読み値とあらかじめ測定しておいた円盤の厚さから以下の式より算出する。
トナー粒子4gを秤量し、圧縮成形機で厚さ約2mm、直径5cm程度の円盤を作成する。この円盤をデジタル超高抵抗計(R8340A)の導通盤の上に置き、プローブで挟んで500Vの電圧を印加した際の抵抗値の読み値とあらかじめ測定しておいた円盤の厚さから以下の式より算出する。
体積電気抵抗=0.273×(抵抗計の読み値)/(円盤の厚さ)
(トナー粒子中のポリカーボネート樹脂の分散粒径の観察)
得られたトナーサンプルを切削し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を用いて得られた画像から分散粒径を観察した。また、芳香族化合物を有する置換基が存在する場合には、より分散状態を明確にするためにRu染色によるコントラスト改善も適宜実施した。
得られたトナーサンプルを切削し、透過型電子顕微鏡(TEM)観察を用いて得られた画像から分散粒径を観察した。また、芳香族化合物を有する置換基が存在する場合には、より分散状態を明確にするためにRu染色によるコントラスト改善も適宜実施した。
<トナーの定着性、ドキュメント保存性、帯電性、着色剤分散性の評価>
(定着性及びドキュメント保存性の評価)
トナー粒子(1)〜(7)それぞれに外添剤としてチタニア微粉末をトナー100重量部に対して1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して静電荷像現像用トナー(1)〜(7)を得た。ついで、これらトナーそれぞれ5重量部と樹脂被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)100重量部を混合して二成分現像剤を調整し、これを市販の電子写真複写機(富士ゼロックス社製 A−Color 635)を用いて画像出しを行い、未定着画像を得た。ついで、ベルトニップ方式の外部定着機を用いて、定着温度を90℃から220℃の間で段階的に上昇させながら画像の定着性、ホットオフセット性を評価した。なお、低温定着性は、未定着のソリッド画像(25mm×25mm)を定着した後、一定荷重の重りを用いて折り曲げ、その部分の画像欠損度合いグレード付けし、ある一定のグレード以上になる定着温度を最低定着温度として、低温定着性の指標とした。なお使用した用紙は富士ゼロックス社製J紙、トナーの単位面積あたりの乗り量は10.5g/m2であった。
(定着性及びドキュメント保存性の評価)
トナー粒子(1)〜(7)それぞれに外添剤としてチタニア微粉末をトナー100重量部に対して1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して静電荷像現像用トナー(1)〜(7)を得た。ついで、これらトナーそれぞれ5重量部と樹脂被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)100重量部を混合して二成分現像剤を調整し、これを市販の電子写真複写機(富士ゼロックス社製 A−Color 635)を用いて画像出しを行い、未定着画像を得た。ついで、ベルトニップ方式の外部定着機を用いて、定着温度を90℃から220℃の間で段階的に上昇させながら画像の定着性、ホットオフセット性を評価した。なお、低温定着性は、未定着のソリッド画像(25mm×25mm)を定着した後、一定荷重の重りを用いて折り曲げ、その部分の画像欠損度合いグレード付けし、ある一定のグレード以上になる定着温度を最低定着温度として、低温定着性の指標とした。なお使用した用紙は富士ゼロックス社製J紙、トナーの単位面積あたりの乗り量は10.5g/m2であった。
一方、ドキュメント保存性の評価については、上記定着評価の際に作成した未定着像2枚を、外部定着機で150℃にて定着した後、画像部と、非画像部及び画像部とが重なるように向かい合わせて重ね、重ねた部分に対して80g/cm2相当になるように重りを載せ、60℃湿度50%の恒温恒湿槽で3日間放置した。放置後、重ねた2枚の定着像の画像欠損度合いを以下に示す「G1」〜「G5」の5段階でグレード付けした。また、結果を下記表1に示す。
G1:互いの画像部が接着した為、画像が定着されている紙ごと剥がれて、画像欠損が激しく、また非画像部へ明らかな画像の移行が見られる。
G2:画像同士が接着していた為、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像としては画像欠損は殆どなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離す時に、パリッと音がし、非画像部にもわずかに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題無いレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
G2:画像同士が接着していた為、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像としては画像欠損は殆どなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離す時に、パリッと音がし、非画像部にもわずかに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題無いレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
(帯電性の評価)
定着性の評価の際に作成した静電荷像現像用トナー(1)〜(7)各1.5重量部と樹脂被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)30重量部とをフタ付きのガラス瓶に秤量し、高温高湿下(温度28℃、湿度85%)、及び、低温低湿下(温度10℃、湿度15%)で24時間シーズニングした後、ターブラミキサーで5分間攪拌震盪した。この両環境下のトナーの帯電量(μC/g)をブローオフ帯電量測定装置で測定した。
定着性の評価の際に作成した静電荷像現像用トナー(1)〜(7)各1.5重量部と樹脂被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)30重量部とをフタ付きのガラス瓶に秤量し、高温高湿下(温度28℃、湿度85%)、及び、低温低湿下(温度10℃、湿度15%)で24時間シーズニングした後、ターブラミキサーで5分間攪拌震盪した。この両環境下のトナーの帯電量(μC/g)をブローオフ帯電量測定装置で測定した。
表1に示す結果から、実施例1〜3は最低定着温度110℃近傍という低温定着性能を示しながら2桁以上の粘度変化領域も有して画像保存性との両立を示していた。さらにポリカーボネートの分散及び部分相溶によってフィルミング、帯電性能において結晶性樹脂の有する問題を改善していることが示されていた。
[実施例B]
<結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドデカン二酸98.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%の酸成分、および、1,6ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰な1,6ヘキサンジオールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い3.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量22,000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷し結晶性ポリエステル(1)を得た。酸価は11.8mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドデカン二酸98.0mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2.0mol%の酸成分、および、1,6ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰な1,6ヘキサンジオールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い3.5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量22,000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷し結晶性ポリエステル(1)を得た。酸価は11.8mgKOH/gであった。
ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径が0.36μmポリエステルからなる結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)(樹脂粒子濃度:20重量%)を得た。
−ポリアリレート樹脂分散液(1)の調製−
ポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−Polymer−、Tg204℃、Mw140,000)100部を酢酸エチル100部、テトラヒドロフラン40部の混合液に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリアリレート樹脂分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は290nmであった。
ポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−Polymer−、Tg204℃、Mw140,000)100部を酢酸エチル100部、テトラヒドロフラン40部の混合液に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリアリレート樹脂分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は290nmであった。
−ポリアリレート樹脂分散液(2)の調製−
ポリアリレート樹脂(ポリアリレートBP(C)−、Tg179℃、Mw180,000)100部を酢酸エチル100部、テトラヒドロフラン40部の混合液に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリアリレート樹脂分散液(2)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は310nmであった。
ポリアリレート樹脂(ポリアリレートBP(C)−、Tg179℃、Mw180,000)100部を酢酸エチル100部、テトラヒドロフラン40部の混合液に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)4部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリアリレート樹脂分散液(2)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は310nmであった。
−ポリアリレート樹脂分散液(3)の調製−
ポリアリレート樹脂分散液(1)の樹脂100部を用いて、酢酸エチル100部、テトラヒドロフラン40部の混合液に溶解させた後に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)3部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリアリレート樹脂分散液(3)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は1.1μmであった。
ポリアリレート樹脂分散液(1)の樹脂100部を用いて、酢酸エチル100部、テトラヒドロフラン40部の混合液に溶解させた後に溶解させた後、イオン交換水1000部とアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK)3部の混合液に添加して、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間、混合攪拌した後、室温まで冷却してから溶媒を留去してポリアリレート樹脂分散液(3)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は1.1μmであった。
<離型剤分散液の調製>
パラフィンワックス(日本精蝋(株)性:HNP9,融点77℃):50部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5部
イオン交換水:200部
パラフィンワックス(日本精蝋(株)性:HNP9,融点77℃):50部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5部
イオン交換水:200部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20重量%)を調製した。
<着色剤分散液の調製>
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):150部
イオン交換水:9000部
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):150部
イオン交換水:9000部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の平均粒径は、0.15μm、着色剤粒子濃度は23重量%であった。
(実施例1)
<トナー粒子(1)の製造>
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):302.8部
ポリアリレート樹脂分散液(1):260.0部
着色剤分散液:19.6部
離型剤分散液:45.9部
<トナー粒子(1)の製造>
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):302.8部
ポリアリレート樹脂分散液(1):260.0部
着色剤分散液:19.6部
離型剤分散液:45.9部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら5分間分散混合した。ついで凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.60部をイオン交換水15部で希釈した液を添加した。この時、増粘する為、十分原料をUltraturraxにて攪拌し、均一になったところで加温装置にセットした。その後、撹拌をしながらマントルヒーターで一度40℃に昇温させ、pH4.5に設定した。
その後、昇温とともに起こる急凝集を抑える為に1Nの水酸化ナトリウムを加えて、pHを上げながら、粒径を制御しつつ55℃まで徐々に昇温させた。さらに、溶液中の微粒子を凝集粒子に取り込む為に、60℃まで昇温させた。次いで、この凝集粒子を融合させるとともに凝集粒子が分解することを防ぐ為に、pHを6.9とし、攪拌速度を200rpmから120rpmに落としてから80℃に昇温させた。
顕微鏡で粒子が融合したのを確認した(以下、この融合した粒子を「コア融合粒子」と略す)後、80℃に保持したまま、pHを6.5まで下げ、放冷して容器内温度を室温とした。その後、イオン交換水による洗浄工程を経て凍結乾燥機による乾燥を行い体積平均粒径5.8μmのトナー粒子(1)を得た。
(実施例2)
<現像剤(2)の製造>
ポリアリレート樹脂分散液(2)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.2μmのトナー粒子(2)を得た。
<現像剤(2)の製造>
ポリアリレート樹脂分散液(2)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.2μmのトナー粒子(2)を得た。
(比較例1)
<トナー粒子(3)の製造>
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):421.1部を用いて、ポリアリレート樹脂は用いずに実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.0μmのトナー粒子(3)を得た。
<トナー粒子(3)の製造>
結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):421.1部を用いて、ポリアリレート樹脂は用いずに実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.0μmのトナー粒子(3)を得た。
(比較例2)
<トナー粒子(4)の製造>
結晶性樹脂分散液(1)173.0部とポリアリレート樹脂分散液(2)519.0部を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.1μmのトナー粒子(4)を得た。
<トナー粒子(4)の製造>
結晶性樹脂分散液(1)173.0部とポリアリレート樹脂分散液(2)519.0部を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.1μmのトナー粒子(4)を得た。
(比較例3)
<トナー粒子(5)の製造>
ポリアリレート樹脂分散液(3)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.4μmのトナー粒子(5)を得た。
<トナー粒子(5)の製造>
ポリアリレート樹脂分散液(3)を用いて、実施例1のトナー粒子(1)と同様に造粒を実施し、粒径6.4μmのトナー粒子(5)を得た。
<トナーの諸評価>
トナーの評価は実施例Aと同様の方法で、融点の測定、フィルミングの観察、粘弾性の測定、トナーの体積電気抵抗、トナー中の無定形高分子(ポリアリレート樹脂)、トナーの定着性、ドキュメント保存性、帯電性、着色剤分散性の評価、帯電性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
トナーの評価は実施例Aと同様の方法で、融点の測定、フィルミングの観察、粘弾性の測定、トナーの体積電気抵抗、トナー中の無定形高分子(ポリアリレート樹脂)、トナーの定着性、ドキュメント保存性、帯電性、着色剤分散性の評価、帯電性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
表2示す結果から、実施例1,2は最低定着温度120℃近傍という低温定着性能を示しながら2桁以上の粘度変化領域も有して画像保存性との両立を示している。さらにポリアリレートの分散及び部分相溶によってフィルミング、帯電性能において結晶性樹脂の有する問題を改善していることが示されている。一方で、比較例1〜3ではポリアリレートの添加量が多いためにフィルミング等の改善は図られたものの低温定着特性を損じている。また、比較例2では採用したポリアリレートの分散粒径が本願記載の条件を満たしていないためにフィルミングなどの課題改善に至っていないことが確認されている。
[実施例C]
静電荷像現像用現像剤の作製
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
・セバシン酸:1900部
・ヘキサンジオール:1100部
・イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム:55.0部
・ジブチルスズ:0.113部
(以上、和光純薬(株)製)
静電荷像現像用現像剤の作製
−樹脂粒子分散液(1)の調製−
・セバシン酸:1900部
・ヘキサンジオール:1100部
・イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム:55.0部
・ジブチルスズ:0.113部
(以上、和光純薬(株)製)
上記成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し樹脂を得た。冷却後この樹脂150部を蒸留水850部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。得られた樹脂粒子の融点は66℃であった。
−樹脂粒子分散液(2)の調製−
・セバシン酸:1900部
・エチレングリコール:1500部
・イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム:60部
・ジブチルスズ:0.2部
(以上、和光純薬(株)製)
・セバシン酸:1900部
・エチレングリコール:1500部
・イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム:60部
・ジブチルスズ:0.2部
(以上、和光純薬(株)製)
上記成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し樹脂を得た。冷却後この樹脂150部を蒸留水850部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(2)を得た。得られた樹脂粒子の融点は75℃であった。
−樹脂微粒子分散液(3)の調製−
スチレン:73部
アクリル酸ブチル:27部
ドデシルメルカプタン:2.0部
(以上、和光純薬社製)
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):2部
デカンジオールジアクリル酸エステル:0.5部
(新中村化学社製)
スチレン:73部
アクリル酸ブチル:27部
ドデシルメルカプタン:2.0部
(以上、和光純薬社製)
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):2部
デカンジオールジアクリル酸エステル:0.5部
(新中村化学社製)
上記成分を混合溶解して溶液を調製し、他方、非イオン性界面活性剤(日本油脂社製、ノニオンP−213)1部、及びアニオン性界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR)1部をイオン交換水120部に溶解し、これに前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化して10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬社製)1.2部を溶解したイオン交換水50部を投入した。次いで、系内を窒素で置換した後、フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、そのまま6時間乳化重合を継続した。その後、この反応液を室温まで冷却し、樹脂微粒子分散液(3)を得た。この樹脂微粒子分散液(3)の一部を80℃のオーブン上に放置して水分を除去し、残留物の特性を測定したところ、残留物のMwが40000、Tgが52℃であった。
−樹脂粒子分散液(4)の作製−
加熱乾燥した二口フラスコに、ジオール成分として、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン94部、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン192部(構成モル比:35/65)と、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸114部、n−ドデセニルコハク酸28部、トリメリット酸19部(構成モル比:80/10/10)と、ジブチル錫オキサイド0.12部(全酸成分モル数に対して0.0005モル)と、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させた。その後、210〜250℃で徐々に減圧して、非結晶性ポリエステル樹脂(4)を350部合成した。この樹脂のMwは15000、Tgは65℃であった。
冷却後この樹脂150部を酢酸エチル100部に溶解させた後、蒸留水850部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(4)を得た。
加熱乾燥した二口フラスコに、ジオール成分として、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン94部、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン192部(構成モル比:35/65)と、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸114部、n−ドデセニルコハク酸28部、トリメリット酸19部(構成モル比:80/10/10)と、ジブチル錫オキサイド0.12部(全酸成分モル数に対して0.0005モル)と、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させた。その後、210〜250℃で徐々に減圧して、非結晶性ポリエステル樹脂(4)を350部合成した。この樹脂のMwは15000、Tgは65℃であった。
冷却後この樹脂150部を酢酸エチル100部に溶解させた後、蒸留水850部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(4)を得た。
−着色剤分散液の調製−
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK):2部
・イオン交換水:125部
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE):25部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK):2部
・イオン交換水:125部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散して着色剤分散液を得た。
−離型剤粒子分散液(1):の調製−
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃):100部
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニュ−レックスR):3部
・イオン交換水:400部
・パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃):100部
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニュ−レックスR):3部
・イオン交換水:400部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液(1)を得た。
−離型剤粒子分散液(2)の調製−
・エステルワックス:100部(クラリアント社製 LICOWAX―E)
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニュ−レックスR):2部
・イオン交換水:300部
・エステルワックス:100部(クラリアント社製 LICOWAX―E)
・アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニュ−レックスR):2部
・イオン交換水:300部
上記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子分散液(2)を得た。
−ポリビニルアセタール樹脂分散液(1)の調製−
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックBXL、Tg74℃、Mw40000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は300nmであった。
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックBXL、Tg74℃、Mw40000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は300nmであった。
−ポリビニルアセタール樹脂分散液(2)の調製−
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックBL10、Tg59℃、Mw30000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は280nmであった。
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックBL10、Tg59℃、Mw30000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は280nmであった。
−ポリビニルアセタール樹脂分散液(3)の調製−
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックKS5、Tg110℃、Mw260000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は350nmであった。
ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製エスレックKS5、Tg110℃、Mw260000)100部を酢酸エチル100部に溶解させた後、イオン交換水500部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)で5分間混合攪拌した後、室温まで冷却し、樹脂粒子分散液(1)を得た。レーザー回折粒度測定器による体積平均粒径は350nmであった。
(現像剤(1)の製造)
トナー粒子(1)作製
・樹脂微粒子分散液(1):145部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(1):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
トナー粒子(1)作製
・樹脂微粒子分散液(1):145部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(1):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で62℃まで攪拌しながら加熱した。62℃で120分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.6μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分62℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー粒子(1)を得た。
得られたトナー粒子の平均粒径は6.5μmであった。このトナー粒子100部に対して、メタチタン酸(平均粒径40nm、I−ブチルトリメトキシシラン処理)、1部、シリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)1.0重量%をヘンシェルミキサーで周速30m/s×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、静電荷像現像用トナー(1)を得た。
更に、フェライト粒子(パウダーテック社製、平均粒径50μm)100部とメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、重量平均分子量95000)2.5部とを、トルエン500部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間攪拌混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分級することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、上記静電荷像現像用トナー(1)とをVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分してトナー濃度が7重量%である二成分系の静電荷像現像剤作製例(1)を作製した。
(現像剤(2)の製造)
トナー粒子(2)作製
・樹脂微粒子分散液(1):70部
・樹脂微粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(2):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製):
・イオン交換水:300部
トナー粒子(2)作製
・樹脂微粒子分散液(1):70部
・樹脂微粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(2):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製):
・イオン交換水:300部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で55℃まで攪拌しながら加熱した。55℃で120分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.4μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分57℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー粒子(2)を得た。
得られたトナー粒子の平均粒径は6.3μmであった。、以下、現像剤作製1と同様に現像剤(2)を作製した。
(現像剤(3)の製造)
トナー粒子(3)作製
・樹脂微粒子分散液(2):70部
・樹脂微粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(2):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(3):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
トナー粒子(3)作製
・樹脂微粒子分散液(2):70部
・樹脂微粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(2):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(3):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で55℃まで攪拌しながら加熱した。55℃で90分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分56℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー粒子(3)を得た。
得られたトナー粒子の平均粒径は6.3μmであった。以下、現像剤作製(1)と同様に現像剤(3)を作製した。
(現像剤(4)の製造)
・トナー粒子(4)作製
・樹脂微粒子分散液(1):70部
・樹脂微粒子分散液(4):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(1):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
・トナー粒子(4)作製
・樹脂微粒子分散液(1):70部
・樹脂微粒子分散液(4):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・ポリビニルアセタール樹脂分散液(1):20部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で57℃まで攪拌しながら加熱した。57℃で90分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.8μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分59℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.3μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー粒子(4)を得た。
得られたトナー粒子の平均粒径は6.3μmであった。以下、現像剤作製(1)と同様に現像剤(4)を作製した。
(現像剤(5)の製造)
・トナー粒子(5)作製
・樹脂微粒子分散液(1):145部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
とした以外は、現像剤1と全て同様の条件にて作製した。
・トナー粒子(5)作製
・樹脂微粒子分散液(1):145部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
・イオン交換水:300部
とした以外は、現像剤1と全て同様の条件にて作製した。
(現像剤(6)の製造)
・トナー粒子(6)作製
・樹脂微粒子分散液(1):70部
・樹脂微粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
イオン交換水:300部
とした以外は、現像剤1と全て同様の条件にて作製した。
・トナー粒子(6)作製
・樹脂微粒子分散液(1):70部
・樹脂微粒子分散液(3):75部
・着色剤分散液:42部
・離型剤粒子分散液(1):36部
・硫酸アルミニウム:0.5部
(和光純薬社製)
イオン交換水:300部
とした以外は、現像剤1と全て同様の条件にて作製した。
(現像剤(7)の製造)
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸−ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物−シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステルでTg:59℃、Mn3500,Mw:20000):100部
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE):25部
・カルナウバワックス(東亜化成社製 融点80℃):5部
・結晶性樹脂(樹脂分散液1で作製した、樹脂固体):10部
・ポリエステル樹脂(テレフタル酸−ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物−シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステルでTg:59℃、Mn3500,Mw:20000):100部
・フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE):25部
・カルナウバワックス(東亜化成社製 融点80℃):5部
・結晶性樹脂(樹脂分散液1で作製した、樹脂固体):10部
上記混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級し、平均粒子径が10.3μmのトナー粒子得た。以下、現像剤1の作製と同様にして現像剤7を得た。
電子写真用感光体の作製:
(感光体1)
円筒上のAl基板をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。洗浄工程としてこのシリンダ−を脱脂処理、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10wt%硫酸溶液によりシリンダ−表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、1wt%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、アルミニウムシリンダ−表面に7μmの陽極酸化膜を形成した。
(感光体1)
円筒上のAl基板をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。洗浄工程としてこのシリンダ−を脱脂処理、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10wt%硫酸溶液によりシリンダ−表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、1wt%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、アルミニウムシリンダ−表面に7μmの陽極酸化膜を形成した。
このアルミニウム基材上にX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.2°に強い回折ピークを持つチタニルフタロシアニンの1部をポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1部、および酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
下記構造のベンジジン化合物(化合物1)2部、高分子化合物であるPC−Z(化合物2)(重量平均分子量35,000、粘度平均分子量39,000)2.5部をクロロベンゼン20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体1とする。
(感光体2)
感光体1上に下記に示す構成材料を、メチルアルコール5部、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間保護基の交換反応を行った。
感光体1上に下記に示す構成材料を、メチルアルコール5部、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5部を加え、室温で攪拌することにより24時間保護基の交換反応を行った。
−構成材料−
・下記化合物3:2部
・メチルトリメトキシシラン:2部
・テトラエトキシシラン:0.5部
・コロイダルシリカ:0.4部
・Me(MeO)2−Si−(CH2)4−Si−Me(OMe)2:0.5部
・(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジメトキシシラン:0.1部
・ヘキサメチルシクロトリシロキサン:0.3部
上記材料を混合した後、n−ブタノール10部、蒸留水0.3部を添加し、15分加水分解を行なった。
・下記化合物3:2部
・メチルトリメトキシシラン:2部
・テトラエトキシシラン:0.5部
・コロイダルシリカ:0.4部
・Me(MeO)2−Si−(CH2)4−Si−Me(OMe)2:0.5部
・(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジメトキシシラン:0.1部
・ヘキサメチルシクロトリシロキサン:0.3部
上記材料を混合した後、n−ブタノール10部、蒸留水0.3部を添加し、15分加水分解を行なった。
加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq)3)を0.1部、アセチルアセトン0.1部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4部、エスレックBX−L(積水化学社製)0.5部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3umの表面層を形成した。これを感光体−2とする。
−静電荷像現像剤の実機評価−
(実施例1〜8、比較例1〜2)
感光体、及び現像剤の組み合わせを表に示した組み合わせで富士ゼロックス製プリンターDocuCentre color 400CP解像機にて高温高湿(28℃、85%RH)の環境下で5000枚の画像形成テストし、ついで低温低湿(10℃15%RH)の環境下にて5000枚の画像形成テストした後、以下の項目を評価した。結果を下記表3に示す。
(実施例1〜8、比較例1〜2)
感光体、及び現像剤の組み合わせを表に示した組み合わせで富士ゼロックス製プリンターDocuCentre color 400CP解像機にて高温高湿(28℃、85%RH)の環境下で5000枚の画像形成テストし、ついで低温低湿(10℃15%RH)の環境下にて5000枚の画像形成テストした後、以下の項目を評価した。結果を下記表3に示す。
なお、低温定着性は、実機走行前に、定着機の温度制御を外部電源コントロールにて行い一定の反射濃度(X−Rite404濃度計で濃度1.5〜1.8)となるように定着像を採取し、定着像の折り曲げによる画像欠陥を官能評価して判定した。
具体的には、○;良好、×;画像欠陥多く実用に耐えないレベル、を表している。
トナー強度は、外添剤埋め込まれは、高温高湿、低温低湿走行後の現像剤を採取して、走査型電子顕微鏡(SEM)にてトナー粒子表面の添加微粒子の状態を観察して官能評価した。
具体的には、○;良好、×;トナー割れ/変形/外添剤埋没目立つレベル、を表している。
転写性は、500枚(初期)、以後1000枚、2000枚と1000枚毎に、未転写サンプルを採取して、感光体上のトナー残留重量を測定して判定した。
具体的には、○;良好、△;1000枚以降で大きく低下、×;初期で低下、を表している。
帯電維持性(高温高湿)は、初期(500枚走行)の帯電量と5000枚走行後での現像剤帯電量の差を区分して表した。帯電量測定器は東芝社(製)ブローオフトライボ測定器TB200を使用した。
具体的には、
○;初期との帯電量差の絶対値が5μc/g以下で問題ないレベル、
×;初期との帯電量差の絶対値が5μc/gを超え実使用上問題あり。
を表している。なお、比較例3は初期より低帯電であり、帯電量差は小さいものの、問題あるため×と判断した。
○;初期との帯電量差の絶対値が5μc/g以下で問題ないレベル、
×;初期との帯電量差の絶対値が5μc/gを超え実使用上問題あり。
を表している。なお、比較例3は初期より低帯電であり、帯電量差は小さいものの、問題あるため×と判断した。
画像耐久性は、実機走行前に、一定の反射濃度(X−Rite404濃度計で濃度1.5〜1.8)となるように定着像を採取し、HEIDON社製の表面特性評価機による画像欠陥を官能評価して判定した。
具体的には、○;良好、×;画像欠陥多く実用に耐えないレベル、を表している。
感光体表面ディフェクトは、表面層の傷、フィルミング、画像への影響(筋、黒点)などを評価した。
具体的には、○;良好、△;実用上問題ないが感光体には傷あり、×;筋、濃度むらなど画像への影響あり、を表している。
表3の結果より、ポリビニルアセタール樹脂を含有させた実施例の静電荷像現像用トナーを含有する現像剤は、低温定着性、転写性、帯電性などすべてにおいて優れていることが確認できた。
Claims (6)
- 少なくとも、着色剤、離型剤、および2種類以上の樹脂からなる結着樹脂を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記結着樹脂を構成する少なくとも1種の樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂であり、
少なくとも他の1種が、下記構造式(3)で表されるポリビニルアセタール樹脂であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂に前記ポリビニルアセタール樹脂が分散した構造となっており、
前記ポリビニルアセタール樹脂の分散粒径が1.0μm以下であることを特徴とする静電荷現像用トナー。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー製造方法であって、
少なくとも前記結晶性ポリエステル樹脂の微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル樹脂を含む凝集粒子を形成する凝集・合一工程を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤であって、
前記静電荷像現像用トナーが、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。 - 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
前記トナーが、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする画像形成方法。
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