JP4192717B2 - 静電荷像現像用トナー、並びに、これを用いた静電荷像現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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しかし、結晶性樹脂を用いた懸濁重合法では、トナー中に均一に着色剤を分散させることが難しいと言う不具合がある。
<1> 少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと無定形高分子とを含み、表面が前記無定形高分子を主成分とする表面層で被覆された静電荷像現像用トナーにおいて、前記結晶性ポリエステルの含有量が30〜80重量%の範囲内であり、前記静電荷像現像用トナーの最表面に含まれる前記結晶性ポリエステルの割合が15atomic%以下であり、且つ、前記表面層の平均厚みが0.01μm以上0.5μm以下であり、少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステルを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子の表面に無定形高分子微粒子を付着させる付着工程と、前記凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程と、を含む製造方法により製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
・式(1)
|logGL(Tm+20)−logGL(Tm+50)|≦1.5
・式(2)
|logGN(Tm+20)−logGN(Tm+50)|≦1.5
前記結晶性ポリエステルを構成する前記脂肪族モノマーの構成比率が80mol%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)は、少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと無定形高分子とを含み、表面が前記無定形高分子を主成分とする表面層で被覆された静電荷像現像用トナーにおいて、前記結晶性ポリエステルの含有量が30〜80重量%の範囲内であり、前記静電荷像現像用トナーの最表面に含まれる前記結晶性ポリエステルの割合が15atomic%以下であり、且つ、前記表面層の平均厚みが0.01μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
従って、本発明のトナーは、低温定着が可能であると共に、十分な帯電性を有する。
一方、結晶性ポリエステル樹脂の含有量が80重量%を超える場合には、トナーの最表面に含まれる結晶性ポリエステル樹脂の割合が大きくなり、トナーの帯電量が低下する。
図1および図2は本発明のトナーの内部構造の一例について示した模式断面図であり、図1が構造例Aを、図2が構造例Bを示し、図1および2中、1が(構造例Aの)トナー、2が(構造例Bの)トナー、10が無定形高分子相、11〜13が結晶性ポリエステル相を表す。
この貯蔵弾性率GL(30)が1×105Pa未満や、損失弾性率GN(30)が1×105Pa未満の場合には、例えば二成分現像方式を例に取れば、現像機内でキャリアと混合された時に、キャリアから受ける圧力や剪断力によりトナー粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持することができず、また、静電潜像担持体上のトナーがクリーニングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断力によって変形し、クリーニング不良が発生する。一方、貯蔵弾性率GL(30)が1×105Pa以上、損失弾性率GN(30)が1×105Pa以上である場合には、高速機で用いても特性が安定し、定着後の画像の強度を強くすることができる。
この融点はJIS K−7121に基いて入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。なお、結晶性樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点とみなす。
本発明のトナーが、下式(1)及び下式(2)を満たすことにより、オフセットの発生を防ぐことができ、粘弾性の温度依存がゆるやかであり、結晶の融解に伴い温度とともに低下する粘弾性が変極点を持ち、粘弾性の温度依存性がより低くなる。
|logGL(Tm+20)−logGL(Tm+50)|≦1.5
・式(1−A)
|logGL(Tm+20)−logGL(Tm+50)|≦1.0
・式(2)
|logGN(Tm+20)−logGN(Tm+50)|≦1.5
・式(2−A)
|logGN(Tm+20)−logGN(Tm+50)|≦1.0
体積電気抵抗が1.0×1011Ω・cm未満の場合には、本発明のトナーとキャリアとが摩擦帯電した場合において、十分な帯電量を確保することが困難となる場合がある。
一方、体積電気抵抗が1.0×1016Ω・cmより大きい場合には、本発明のトナーをキャリアと混合させた時に、現像剤としての抵抗が高くなりやすくなり、コピー画質の粒状性やハーフトーン階調性が制御しにくくなってしまう場合がある。そのため、十分な帯電性と良好なコピー画質とを永続的に確保する為には、本発明のトナーの体積電気抵抗を上述の範囲にすることが望ましい。
前記体積平均粒子径および個数平均粒子径の測定は、例えば、コールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
本発明のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂や、その他すべてのポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
本発明のトナーに使用される無定形高分子樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニル系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもビニル系樹脂やポリエステル樹脂が特に好ましい。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
本発明のトナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機微粒子)、有機微粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
また、無機粉体は主にトナーの粘弾性調整を目的として添加され、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙するような通常、トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機微粒子が挙げられる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ微粒子や酸化チタン微粒子が好ましく、疎水化処理された微粒子が特に好ましい。
有機微粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステルを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子の表面に無定形高分子微粒子を付着させる付着工程と、前記凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程と、を含む。以下、各工程について詳細に説明する。
前記乳化工程において、原料分散液は、結着樹脂の乳化粒子(以下、「樹脂粒子」と略す)と、水系媒体および必要に応じて着色剤や離型剤を含む分散液とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。したがって結着樹脂は原料分散液中にあらかじめ樹脂粒子として分散させておく必要がある。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
前記着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
また、これらの着色剤は、その他の微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
離型剤は、自己水分散性をもたないポリエステル樹脂を乳化分散する場合と同様、水中にイオン性界面活性剤等と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて、1μm以下の分散微粒子径に調整にされる。離型剤分散液における分散媒としては、結着樹脂の分散媒と同様のものを用いることができる。
なお、本発明における帯電制御剤としては、凝集工程や融合工程の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
凝集工程においては、乳化工程で得られた樹脂粒子、及び着色剤、離型剤の分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、前記結着樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱してそれぞれの分散粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。
また、凝集工程においては、加熱による急凝集を抑える為に、室温で攪拌混合している段階でpH調整を行ない、必要に応じて分散安定剤を添加することが好ましい(以下、この段階を「プレ凝集工程」という)。このプレ凝集工程に用いる分散安定剤としては、極性を変えないようにする為、公知の非イオン性界面活性剤を1〜3%添加することが好ましい。分散安定剤を添加しない場合、加熱凝集工程において、原料粒子の微粉の取り込みが悪くなり、結果として粒度分布がブロードになってしまうという不具合がある。また、分散安定剤はプレ凝集工程と加熱凝集工程との両方に分けて添加しても効果的である。
付着工程では、上記した凝集工程を経て形成された結晶性ポリエステルを含む凝集粒子(以下、「コア凝集粒子」と略す)の表面に無定形高分子粒子を付着させることにより被覆層を形成する(以下、コア凝集粒子表面に被覆層を設けたものを「付着凝集粒子」と略す)。なお、この被覆層は、後述する融合工程を経て形成される本発明のトナーの表面層に相当するものである。
被覆層の形成は、凝集工程においてコア凝集粒子を形成した分散液中に、無定形高分子粒子を含む分散液を追添加することにより行うことができ、必要に応じて他の成分も同時に追添加してもよい。付着工程においても、用いる無定形高分子に応じて凝集工程と同様にpHや凝集剤を選択し、付着凝集粒子中に含まれる2種以上の結着樹脂のうち、最も融点の低い結着樹脂の融点以下の温度にて加熱し付着凝集粒子を得ることができる。また、この付着工程は、プレ凝集の段階で凝集粒子に取り込まれなかった原料微粒子を凝集に導くことにおいても有効である。
融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、付着凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより付着凝集粒子を融合させる。なお、付着凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適性なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、付着凝集粒子がばらけてしまい収率が悪くなる。また、融合工程は、必要に応じて凝集工程を得た後に実施してもよい。
重合開始剤は、乳化工程前にあらかじめポリマーに混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、或いは融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、付着工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール
、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケ
トン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オル
ガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ
素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を
例示することができるが、これらに限定されるものではない。
タン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化
スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
イト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリア
を磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが好ましい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり
、好ましくは30〜100μmである。
応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法
が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂
、塗布適性等を勘案して適宜選択すればよい。
する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キ
ャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する
流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、
溶剤を除去するニーダーコーター法が挙げられる。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、前記トナーとして、本発明の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする。
の画像形成方法は、上記した工程以外の工程を含むものであってもよい。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
尚、前記定着機による熱定着の際には、オフセット等を防止するため、通常、前記定着機における定着部材に離型剤が供給される。
らは使用しない方が好ましいが、前記離型剤の供給量を0mg/cm2にすると、定着時に前記定着部材と紙等の被転写体とが接触した際に、前記定着部材の磨耗量が増大し、前記定着部材の耐久性が低下してしまう場合があるので、必要ならば、前記離型剤の使用量が8.0×10-3mg/cm2以下の範囲で、前記定着部材に微量に供給されていることが好ましい。
このヘキサン中に含まれる離型剤の量を、原子吸光分析装置にて定量することで、普通紙に付着した離型剤の量を定量できる。この量を離型剤の定着部材への供給量と定義する。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル92.5mol%、および、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分と、エチレングリコール(酸成分に対し2mol倍量)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(1)を得た。
上記結晶性ポリエステル(1)と同様の処方で合成し、減圧蒸留の過程で、質量部PCでの重量平均分子量がおよそ10000程度になるまで反応を進める。目的の分子量に達したところで、トリメリット酸を0.05mol添加し、トリメリット酸が溶融してから30分間反応進め、加熱を停止する。さらに粘稠状態のまま、過剰量のメタノール中に投入し、再沈殿精製を行ない、酸価処理した重量平均分子量12000、酸価24の結晶性ポリエステル(2)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル85mol%、n−オクタデセニルコハク酸無水物15mol%、および、エチレングリコール(酸成分に対し1.5mol倍量)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量70000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(3)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドデカン二酸90.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分、および、1,9ノナンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、220℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(4)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、ドデカン二酸47mol%、5―スルホイソフタル酸3.0mol%の酸成分と1.6−ヘキサンジオール50.0mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに空気を窒素ガスにより置換して不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間加熱攪拌を行った。その後、230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量18000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(5)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル85mol%、n−オクタデセニルコハク酸無水物15mol%、および、エチレングリコール(酸成分に対し1.5mol倍量)と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量72000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(6)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−ドデカン二酸90.5mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分、および、1,9ノナンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて留出物を除去し、220℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14100になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(7)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10−ドデカン二酸93mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%、5−t−ブチルイソフタル酸5mol%の酸成分、および、1,6−ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.016重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて留出物を除去し、230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量18000になったところで、減圧蒸留を停止、結晶性ポリエステル(8)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、イソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム10mol%、5−t−ブチルイソフタル酸5mol%の酸成分、及び1,9−ノナンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、180℃でフラスコの内容物を攪拌しながら透明になるまで溶融させる。透明になったところで、テレフタル酸85mol%を加え、再び減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で7時間還流を行なった。その後減圧蒸留にて、留出物を除去し、230℃まで徐々に昇温を行ない5時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量2400になったところで、減圧蒸留を停止し、結晶性ポリエステル(9)を得た。
・スチレン:370質量部
・nブチルアクリレート:30質量部
・アクリル酸:4質量部
・ドデカンチオール:24質量部
・四臭化炭素:4質量部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6質量部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10質量部をイオン交換水560質量部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を攪拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒径が180nm、ガラス転移点が59℃、重量平均分子量(Mw)が15,000である樹脂粒子を分散させてなる無定形高分子分散液(1)(樹脂粒子濃度:40重量%)を調製した。
・エチレングリコ−ル:486質量部
・ネオペンチルグリコール:650質量部
・テレフタル酸:957質量部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーのを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.2質量部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が6.5mgKOH/g、重量平均分子量9200である無定形ポリエステル樹脂(2)を得た。
回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径0.14μmのポリエステル樹脂からなる無定形高分子分散液(2)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2):386質量部
・トリメチロールプロパン:428質量部
・テレフタル酸:1392質量部
前記無定形ポリエステル樹脂(1)と全く同様にして、酸価が6.0mgKOH/g、軟化点が105℃になるまで、反応をさせた。次いで、温度を190℃まで下げ無水フタル酸の497部を徐々に投入し、同温度で1時間反応を継続し、酸価が51mgKOH/gで重量平均分子量が32000である無定形ポリエステル樹脂を得た。ついでこれを無定形ポリエステル樹脂分散液(2)の調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、平均粒径0.16μmのポリエステル樹脂からなる無定形高分子分散液(3)(樹脂粒子濃度:30重量%)を得た。
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)性:HNP9,融点77℃):50質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、平均粒径が210nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20重量%)を調製した。
・シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):1000質量部
・アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR):150質量部
・イオン交換水:9k質量部
以上を混合し、溶解し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー((株)スギノマシン製、HJP30006)を用いて約1時間分散して着色剤(シアン顔料)を分散させてなる着色剤分散液を調製した。着色剤分散液における着色剤(シアン顔料)の平均粒径は、0.15μm、着色剤粒子濃度は23重量%であった。
−トナー母粒子(1)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):600質量部
・無定形高分子分散液(1):75質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.05質量部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより8000rpmでせん断力を加えながら30分間分散混合する。ついで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.14質量部を滴下しはじめ、プレ凝集を促進した。それぞれの分散粒子が凝集しはじめると、原料分散液自体の粘度が上昇するので、増粘をはじめたら光学顕微鏡で凝集粒子の大きさを確認しながら、前記凝集剤水溶液を滴下した。またこの際、原料分散液のpHは4.2〜4.5の範囲に制御するのが好ましく、必要に応じて、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH調整を行なう。pHが4.0以下になると凝集粒子径が成長し始めるので、凝集粒子径を大きすぎないようにするには上記範囲が好ましい。上記pH範囲で約2時間保持し、コア凝集粒子を形成した。この際コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて測定したコア凝集粒子の体積平均粒子径は2〜3μm程度であった。次に、無定形高分子分散液(1)25質量部を追添加し、コア凝集粒子表面に無定形高分子粒子を付着させた。
−トナー母粒子(2)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(2):400質量部
・無定形高分子分散液(1):100質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):0.5質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件でプレ凝集まで進めた。次に原料分散液のpHを4.5〜5.0に調整しながら、コア凝集粒子を2〜3μmまで成長させた。
−トナー母粒子(3)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(3):700質量部
・無定形高分子分散液(1):50質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.05質量部
原料として上記各分散液を用い、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム10%硝酸水溶液)の添加量を0.18質量部に変更した以外は、実施例1と同様の条件でプレ凝集まで進めた。次に、原料分散液のpHを4.6〜5.0に調整しながら、コア凝集粒子を2〜3μmまで成長させた。
−トナー母粒子(4)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(4):400質量部
・無定形高分子分散液(2):110質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:55質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.50質量部
原料として上記各分散液を用い、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム10%硝酸水溶液)の添加量を0.24質量部に変更した以外は実施例1と同様の条件でプレ凝集まで進めた。次に原料分散液のpHを5.0〜5.4に調整しながらコア凝集粒子を2〜3μmまで成長させた。
−トナー母粒子−(5)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(3):500質量部
・無定形高分子分散液(2):100質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.0質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は実施例1と同様に分散混合まで進めた。次に、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム10%硝酸水溶液)を0.18質量部に変更して実施例1と同様に滴下し、全量滴下したら、プレ凝集の前に一端pH6に調整して、分散粒子が緩凝集していないことを確認する。その後、プレ凝集を促進する為にpHを徐々に3まで下げて、コア凝集粒子を2〜3μmまで成長させた。
−トナー母粒子(6)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(4):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.0質量部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら5分間分散混合した。ついで凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.32質量部を添加した。この時、増粘する為、十分原料をUltraturraxにて攪拌し、均一になったところで、実施例1と同様の重合釜にセットした。マントルヒーターで一度40℃に昇温させ、pHを4.6に設定した。その後、昇温とともに起こる急凝集を抑える為に1Nの水酸化ナトリウムを加えて、pHを上げながら、粒径を制御しつつ55℃まで徐々に昇温させた。温度を55℃とした時の粒径は5.6μmであった。
顕微鏡で粒子が融合したのを確認した(以下、この融合した粒子を「コア融合粒子」と略す)後、80℃に保持したまま、pHを6.5まで下げ、コア融合粒子径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度100℃/分で急冷した。
−トナー母粒子(7)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(2):600質量部
・無定形高分子分散液(1):75質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.0質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件でプレ凝集まで進めた。次に、原料分散液のpHを4.5〜5.0に調整しながら、凝集粒子を安定化させる為にノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897)1.5質量部を添加した後、加熱し始めた。加熱開始から3時間後の凝集粒子の体積平均径が6.5μmになったところで、融合させる為、実施例1ではpH9.0のところをpH7.0に調整してから温度を90℃まで昇温させた。顕微鏡でみると融合した凝集粒子と一部ばらけてしまった粒子が混在していた。90℃で保持したまま再度pHを6.5まで下げ、保持時間を5時間まで延長して加熱を止め、放冷した。その後実施例1と同様の条件で、篩分、洗浄、乾燥し、体積平均粒径7.8μmのトナー母粒子(7)を得た。
−トナー母粒子(8)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(3):400質量部
・無定形高分子分散液(1):125質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
実施例3の原料混合物からノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897)を除き、原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例3と同様の条件でプレ凝集まで進めた。次に原料分散液のpHを4.6〜5.0に調整しながら、コア凝集粒子を3〜4μmまで成長させた。
−トナー母粒子(9)の製造−
・無定形高分子分散液(1):150質量部
・無定形高分子分散液(3):100質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件でプレ凝集まで進めた。次に原料分散液のpHを5.0〜5.5に調整しながら、凝集粒子を2〜3μmまで成長させ、実施例1と同様、凝集粒子を安定化させる為にノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897)2.0質量部を添加した後、加熱し始めた。加熱開始から2時間後の凝集粒子の体積平均径が6.5μmになったところで、融合させる為、pHを7.5に調整してから温度を90℃まで昇温させた。顕微鏡で粒子が融合したのを確認したが、一部融合粒子が融着し始めたので、再度pHを6.5まで下げ、更に氷水を投入して100℃/分の降温速度で急冷した。その後、実施例1と同様の条件で、篩分、洗浄、乾燥し、体積平均粒子径が8.6μmのトナー母粒子(9)を得た。
−トナー母粒子(10)の製造−
まず、カルボキシメチルセルロース1.0重量%水溶液300重量部に炭酸カルシウム25重量部、離型剤分散液20重量部を添加した溶液を作製し、窒素バブリングを行なった。
・スチレン/アクリル共重合体(重量平均分子量32000):20重量部
・青色顔料(C、Iピグメントブルー15:3):5重量部
・酢酸エチル:90重量部
窒素バブリングして得られた溶液に、上記原料を混合しサンドミルにより分散して得られた分散液100重量部を50℃で加え、Ultra Turraxにより50℃、10000rpmにて5分間攪拌して懸濁し、懸濁溶液を得た。ついで、窒素気流下で加熱攪拌を続けながら、2、2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)2.0重量部をトルエン24重量部に溶解させた溶液を前記懸濁液に加え、80℃で1時間反応させた。更に攪拌を続けながら、水浴にて40℃まで懸濁溶液を冷却して懸濁重合を終了し、架橋粒子分散液を得た。選られた架橋粒子分散液に約5倍量の水を加え、炭酸カルシウムを塩酸で溶かし、水洗を繰り返した後、水とトナーとの混合物を得た。最後に水を蒸発させ、トナー母粒子(10)を得た。
−トナー母粒子(11)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(5):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.1質量部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより8000rpmでせん断力を加えながら30分間分散混合した。ついで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液2.8質量部を滴下しはじめ、プレ凝集を促進した。それぞれの分散粒子が凝集しはじめると、原料分散液自体の粘度が上昇するので、増粘をはじめたら光学顕微鏡で凝集粒子の大きさを確認しながら、前記凝集剤水溶液を滴下した。またこの際、原料分散液のpHは4.2〜4.5の範囲に制御するのが好ましく、必要に応じて、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH調整を行なう。pHが4.0以下になると凝集粒子径が成長し始めるので、凝集粒子径を大きすぎないようにするには上記範囲が好ましい。上記pH範囲で約2時間保持し、コア凝集粒子を形成した。この際コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて測定したコア凝集粒子の体積平均粒子径は2〜3μm程度であった。
−トナー母粒子(12)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(6):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.0質量部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより6000rpmでせん断力を加えながら5分間分散混合した。ついで凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.32質量部を添加した。この時、原料溶液が増粘する為、十分原料溶液をUltraturraxにて攪拌し、均一になったところで、攪拌装置、温度計を備えた重合釜にセットした。
顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した(以下、「コア融合粒子」と略す)後、80℃に保持したまま、pH6.5まで下げ、コア粒子径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度100℃/分で急冷した。
−トナー母粒子(13)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(7):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.0質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例8と同様の条件でコア融合粒子分散液を作製した。
ついで、このコア融合粒子表面に凝集剤成分を含侵させる目的で、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム10%硝酸水溶液)を0.20質量部加え、約12時間保持した。その後、コア融合粒子分散液を50℃まで昇温し、コア融合粒子表面に無定形高分子で被覆する目的で、無定形高分子分散液(1)を70質量部添加し、pHを3.3まで下げて、コア融合粒子表面への無定形高分子微粒子の付着を促進させた。続いてコア融合粒子表面上の無定形高分子粒子の融合を促進させる為に、50℃のまま24時間保持したのち、pHを7.0まで上げて、洗浄、乾燥した。その後実施例8と同様の条件で、サンプルミルでトナー表面をなめし、篩分後、体積平均粒径7.6μmのトナー母粒子(13)を得た。
−トナー母粒子(14)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(8):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.5質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例8と同様の条件で原料分散混合まで進め、円筒ステンレス容器を重合釜へセットした。次にマントルヒーターで一度40℃に昇温させ、pHを4.4に設定した。その後、昇温とともに起こる急凝集を抑える為に1Nの水酸化ナトリウムを加えて、pHを上げながら、粒径を制御しつつ53℃まで徐々に昇温させた。なお、溶液の温度を53℃としたのときの粒径は4.2μmであった。さらに樹脂微粒子を凝集粒子に取り込む為に、60℃まで昇温させた。ついで、この凝集粒子を融合させるとともに、凝集粒子がばらけるのを防ぐ為に、pH6.8、攪拌速度を200rpmから120rpmに落としてから80℃に昇温させた。
顕微鏡で粒子が融合したのを確認した後、80℃に保持したまま、pH6.5まで下げ、コア融合粒子径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度100℃/分で急冷した。
−トナー母粒子(15)の製造−
実施例8において、コア凝集粒子表面に含浸させる凝集剤、ポリ塩化アルミニウム硝酸水溶液を0.36質量部に増やし、コア融合粒子表面を被覆する結着樹脂として無定形高分子分散液(3)を用いたこと以外は実施例8と同様の方法で、トナーを造粒し、洗浄、乾燥させた。ついで、実施例8と同様の条件で、サンプルミルで表面をなめし、篩分後、体積平均粒子径8.3μmのトナー母粒子(15)を得た。
−トナー母粒子(16)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(7):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):2.0質量部
コア融合粒子の作製に際して上記に示したような実施例9と同様の原料を用い、実施例10と同様の条件でコア融合粒子の造粒を行った。その後、得られたコア融合粒子表面を無定形高分子で被覆する工程を経ないで、目開き45μmのメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥した。以上のように造粒したトナー母粒子(16)の体積平均粒子径は7.5μmであった。
−トナー母粒子(17)の製造−
実施例9において、コア融合粒子表面を被覆するために用いた無定形高分子分散液の量を120質量部に変え、コア融合粒子表面を無定形高分子で被覆した後のトナー粒子のサンプルミルを用いたなめし時間を45分にすること以外は、実施例9と同様の条件でトナーを造粒し、体積平均粒子径8.4μmのトナー母粒子(17)を得た。
−トナー母粒子(18)の製造−
・無定形高分子分散液(2):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例8と同様の条件で原料分散混合まで進め、円筒ステンレス容器を重合釜へセットした。次にマントルヒーターで一度40℃に昇温させ、pHを5.0〜5.5に設定した。その後、昇温とともに起こる急凝集を抑える為に1Nの水酸化ナトリウムを加えて、pHを上げながら、粒径を制御しつつ53℃まで徐々に昇温させた。溶液の温度を53℃としたときの粒径は4.5μmであった。さらに樹脂微粒子を凝集粒子に取り込む為に、60℃まで昇温させた。ついで、この凝集粒子を融合させるとともに、凝集粒子がばらけるのを防ぐ為に、pHを7.5とし、攪拌速度を200rpmから120rpmに落としてから90℃に昇温させた。
顕微鏡で粒子が融合したのを確認した後、90℃に保持したまま、pH6.5まで下げ、コア粒子径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度100℃/分で急冷した。
−トナー母粒子(19)の製造−
・結晶性ポリエステル分散液(9):900質量部
・着色剤分散液:22.87質量部
・離型剤分散液:50質量部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例8と同様の条件で原料分散混合まで進め、円筒ステンレス容器を重合釜へセットした。次にマントルヒーターで一度40℃に昇温させ、pHを4.5〜5.0に設定した。その後、昇温とともに起こる急凝集を抑える為に1Nの水酸化ナトリウムを加えて、pHを上げながら、粒径を制御しつつ51℃まで徐々に昇温させた。溶液の温度を51℃としたときの粒径は4.8μmであった。さらに樹脂微粒子を凝集粒子に取り込む為に、60℃まで昇温させた。ついで、この凝集粒子を融合させるとともに、凝集粒子がばらけるのを防ぐ為に、pHを8.0とし、攪拌速度を200rpmから120rpmに落としてから90℃に昇温させた。
顕微鏡で粒子が融合したのを確認した後、90℃に保持したまま、pH6.5まで下げ、コア粒子径の成長を停止させる為に、氷水を注入して降温速度100℃/分で急冷した。
このようにして作製したコア融合粒子分散液を固体濃度20重量%になるように一度遠心分離器で濃縮した。ついで、このコア融合粒子表面に凝集剤成分を含侵させる目的で、凝集剤(ポリ塩化アルミニウム10%硝酸水溶液)を0.30質量部加え、約12時間保持した。その後、コア融合粒子分散液を50℃まで昇温し、コア融合粒子表面に無定形高分子で被覆する目的で、無定形高分子分散液(1)を75質量部添加し、pHを3.5まで下げて、コア融合粒子表面への無定形高分子微粒子の付着を促進させた。続いてコア融合粒子表面上の無定形高分子粒子の融合を促進させる為に、50℃のまま24時間保持したのち、pH7.6まで上げて、洗浄、乾燥した。その後、実施例8と同様の条件で、サンプルミルでトナー表面をなめし、篩分後、体積平均粒径8.8μmのトナー母粒子(19)を得た。
(融点の測定)
結晶性ポリエステル樹脂(1)〜(9)および無定形高分子(1)〜(3)の融点(Tm)を、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)(以下、「DSC」と略記する。)の熱分析装置を用いて測定した。測定は、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で行い、融点をJIS規格(JIS K−7121参照)により解析して得た。
なお、結晶性ポリエステル樹脂(1)〜(9)の吸熱ピークにおける半値幅はいずれも6℃以下であり、結晶性を有していることが確認された。また、無定形高分子(1)〜(3)については明確な融点が認められないため、ガラス転移点(Tg)を示した。
結晶性ポリエステル樹脂(1)〜(9)および無定形高分子(1)〜(3)の粘弾性を、回転平板型レオメーター(RDA 2RHIOSシステム Ver.4.3.2,レオメトリックス・サイエンテイフィック・エフ・イー(株)製)を用いて測定した。
測定は、測定対象となる各電子写真用トナーをサンプルホルダーにセッティングし、昇温速度1℃/min、周波数1rad/sec、歪み20%以下、測定補償値の範囲内の検出トルクで行った。なお、必要に応じて、サンプルホルダーを8mmと20mmとに使い分けた。
また、同時にtanδ(Tm+20)も求めた。さらに、得られた温度変化に対する貯蔵弾性率GL(Pa)および損失弾性率GN(Pa)の変化から、温度変化による前記貯蔵弾性率GLおよび前記損失弾性率GNの値の変動が、10℃の温度範囲で2桁以上となる温度の区間(以下、単に「2桁以上変動する温度区間」という場合がある。)を有するか否かについても判定した。
トナー母粒子(1)〜(19)において、2種類以上の結着樹脂分散液を用いて作製したトナー母粒子の樹脂組成はNMRを用いて定量した。具体的には、各トナー約20mgをサンプル瓶に秤量し、これに溶媒である重THFを1ml加えて充分溶解し、その溶液をNMRチュ―ブに移してNMRスペクトル測定を行なった。
トナーの最表面の定量は、XPS(X線光電子分光法)を用いて行った。具体的には、トナーの造粒に用いた原料(樹脂、ワックス、界面活性剤等)およびトナーの最表面の炭素原子C1sスペクトルを下記測定条件で測定した。
次に、トナーのスペクトルに対して、原料其々のスペクトルのピーク位置とスペクトルの面積強度比とを最小二乗法の原理に基づいてカーブフィッティング処理(基本アルゴリズムはガウス=ニュートン法を利用した)することによって、トナーの最表面における各原料の組成比を定量した。
−XPSによる測定条件−
・X線光電子分光装置:日本電子社製 JPS−9000MX
・光電子励起:MgKα線(10kv,30mA)
・光電子エネルギーアナライザーのパスエネルギー:30V
トナー表面層の平均厚みは、トナー断面のTEM写真を用いて、トナーの内部構造(図1に示す構造例A、あるいは、図2に示す構造例B)に応じて、既述したような方法を利用して求めた。
また、トナー表面層に含まれる無定形高分子相の割合は、トナー断面のTEM写真を用い、コントラストの差として確認される無定形高分子相と結晶性ポリエステル相との面積比から求めた。
トナーの体積電気抵抗は、次のようにして求めた。まず、トナー4gを秤量し、圧縮成形機で厚さ約2mm、直径5cm程度の円盤を作製した。次にこの円盤をデジタル超高抵抗計(R8340A)の導通盤の上に置き、プローブで挟んで500Vの電圧を印加した際の抵抗値の読み値とあらかじめ測定しておいた円盤の厚さとから以下の式(3)を利用してトナーの体積電気抵抗を算出した。
・式(3) 体積電気抵抗=0.273(抵抗計の読み値)/円盤の厚さ
(定着性及びドキュメント保存性の評価)
トナー母粒子(1)〜(19)それぞれに外添剤としてチタニア微粉末をトナー100重量部に対して1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサーで混合して静電荷像現像用トナー(1)〜(19)を得た。
ついで、これらトナーそれぞれ5重量部と樹脂被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)100重量部を混合して二成分現像剤を調整し、これを市販の電子写真複写機(富士ゼロックス社製 A−Color 635)を用いて画像出しを行い、未定着画像を得た。
G2:画像同士が接着していた為、画像部のところどころに画像欠損の白抜けが発生している。
G3:重ねた2枚の画像を離す際、互いの定着表面に画像のあれやグロス低下は発生するが、画像としては画像欠損は殆どなく許容できるレベル。非画像部に若干の移行が見られる。
G4:重ねた2枚の画像を離す時に、パリッと音がし、非画像部にもわずかに画像移行が見られるが、画像欠損はなく、全く問題無いレベル
G5:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
定着性の評価の際に作成した静電荷像現像用トナー(1)〜(19)各1.5重量部と樹脂被覆されたフェライト粒子(平均粒子径35μm)30重量部とをフタ付きのガラス瓶に秤量し、高温高湿下(温度28℃、湿度85%)、及び、低温低湿下(温度10℃、湿度15%)で24時間シーズニングした後、ターブラミキサーで5分間攪拌震盪した。この両環境下のトナーの帯電量(μc)をブローオフ帯電量測定装置で測定した。
実施例1〜12及び比較例1〜7で得られた各電子写真用トナーの断面を、透過電子顕微鏡で観察し、評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:着色剤の一次粒子径程度まで細かく、且つ、トナー内部に万遍なくに分散しており、着色剤の分散としては非常に良いレベル。
○:わずかな着色剤の凝集は確認されるものの、トナー内部の偏在はなくとトナーの着色剤分散としては問題無いレベル。
△:着色剤の凝集及び偏在が確認されるが実用には耐え得るレベル。
×:大きな着色剤の凝集がトナーの粒子中に観察され、しかもトナー表面に局在化してしまう為、実用上使用に耐えない状態。
なお、表1の評価項目の欄に示す「コア粒子」とは、トナー母粒子を作製する際のコア凝集粒子(あるいはコア融合粒子)に相当する部分を意味し、コア粒子の結晶性ポリエステルの含有量および結晶性ポリエステルを構成する脂肪族モノマーの割合については、コア凝集粒子の作製に用いた結着樹脂分散液を基準として求めた。また、このコア粒子が指し示す領域は、既述したような画像処理を利用して仮想的に求められた表面層よりも内側の領域(コア層)に概ね対応するものである。
2 (構造例Bの)トナー
10 無定形高分子相
11〜13 結晶性ポリエステル相
Claims (6)
- 少なくとも、結着樹脂として結晶性ポリエステルと無定形高分子とを含み、表面が前記無定形高分子を主成分とする表面層で被覆された静電荷像現像用トナーにおいて、
前記結晶性ポリエステルの含有量が30〜80重量%の範囲内であり、前記静電荷像現像用トナーの最表面に含まれる前記結晶性ポリエステルの割合が15atomic%以下であり、且つ、前記表面層の平均厚みが0.01μm以上0.5μm以下であり、
少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステルを含む凝集粒子を形成する凝集工程と、前記凝集粒子の表面に無定形高分子微粒子を付着させる付着工程と、前記凝集粒子を加熱することにより融合させる融合工程と、を含む製造方法により製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 角周波数1rad/sec、30℃における貯蔵弾性率GL(30)が1×105Pa以上、損失弾性率GN(30)が1×105Pa以上であり、
温度領域45〜110℃の間に融点を有し、
貯蔵弾性率GL及び損失弾性率GNの値が、10℃の温度範囲で2桁以上変化する区間を有し、
かつ、貯蔵弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における貯蔵弾性率をGL(Tm+20)、融点+50℃に於ける貯蔵弾性率をGL(Tm+50)とした場合、下式(1)を満たし、
損失弾性率の常用対数を温度に対してプロットした時に、融点+20℃における損失弾性率をGN(Tm+20)、融点+50℃に於ける損失弾性率をGN(Tm+50)とした場合、下式(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
・式(1)
|logGL(Tm+20)−logGL(Tm+50)|≦1.5
・式(2)
|logGN(Tm+20)−logGN(Tm+50)|≦1.5 - 前記表面層よりも内側に含まれる結着樹脂が、少なくとも脂肪族モノマーを用いて合成された結晶性ポリエステルを主成分として含む請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーであって、
前記結晶性ポリエステルを構成する前記脂肪族モノマーの構成比率が80mol%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 体積電気抵抗値が1.0×1011〜1.0×1016Ω・cmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法において、
前記トナーとして、請求項1〜4のいずれか1つに記載の静電荷像現像用トナーを用いることを特徴とする画像形成方法。
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