JP4360306B2 - 静電荷像現像用トナー、その製造方法、並びに、これを用いた静電荷像現像用現像剤及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
上記のように湿式製法を用いると、混練粉砕法と比較して長所が多いが、結晶性樹脂を用いる場合は、懸濁重合法での湿式製法では、トナー中に均一に着色剤を分散させることが難しいと言う不具合がある。
(1)芯部及び該芯部を被覆する表面層を含む芯−表面構造を有するトナー粒子の表面に樹脂微粒子が付着する静電荷像現像用トナーであって、芯部の結着樹脂は結晶性ポリエステルを主成分として含み、表面層の結着樹脂は無定形高分子を主成分として含み、該樹脂微粒子の平均粒子径が0.01〜1μmであり、前記トナー粒子表面の算術平均高さ分布の累積分布90%値が0.15μm以下であり、かつ、該算術平均高さの変動が40以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー、
(2) 少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル微粒子を含む凝集粒子を芯部とした凝集芯微粒子の分散液を形成する凝集工程、該凝集芯微粒子の分散液に無定形高分子微粒子の分散液を混合して、該凝集芯微粒子の表面を無定形高分子微粒子により被覆させて芯−表面構造粒子を形成する被覆工程、該芯−表面構造粒子を該無定形高分子のガラス転移点以上の温度に加熱することにより融合して静電荷像現像用トナーの分散物を形成する融合工程、静電荷像現像用トナーを分散媒から分離し乾燥する乾燥工程、及び、該芯−表面構造粒子に樹脂微粒子を付着する付着工程、を少なくとも含むことを特徴とする(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法、
(3)(1)に記載の静電荷像現像用トナー及びキャリアを含む静電荷像現像用現像剤、
(4)潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記現像剤として、(1)記載の静電荷像現像用トナー又は(3)に記載の静電荷像像用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある。)は、芯部及び該芯部を被覆する表面層を含む芯−表面構造を有するトナー粒子の表面に樹脂微粒子が付着する静電荷像現像用トナーであって、芯部の結着樹脂は結晶性ポリエステルを主成分として含み、表面層の結着樹脂は無定形高分子を主成分として含み、該樹脂微粒子の平均粒子径が0.01〜1μmであり、前記トナー粒子表面の算術平均高さ分布の累積分布90%値が0.15μm以下であり、かつ、該算術平均高さの変動が40以下であることを特徴とする。
従って、本発明のトナーは、低温定着及び耐オフセット性に優れ、ブロッキング防止を達成し、同時に帯電維持性も優れている。
ここで、芯部が「結晶性ポリエステルを主成分とする」とは結晶性ポリエステルを50重量%以上含むという意味であるが、60〜100重量%含むことが好ましい。また、表面層が「無定形高分子を主成分とする」とは無定形高分子を50重量%以上含むという意味であるが、60〜100重量%含むことが好ましい。表面層が無定型高分子のみであることがより好ましい。
また、結晶性ポリエステルを主成分とする芯部100重量部に対して、無定形高分子を主成分とする表面層は2〜20重量部であることが好ましく、5〜15重量部であることがより好ましい。
ここでは、トナー1,000個にわたり繰り返し測定を行ない、データの統計処理を行ってトナーの算術平均高さ分布を求め、算術平均高さの平均値、中央値、標準偏差などのデータを得た。ここでいう算術平均高さの変動とは、算術平均高さの平均値に対する標準偏差を百分率で表したものである。
付着させる樹脂微粒子は、体積平均粒子径が0.01〜1μmのものを用いる。より好ましくは、0.1〜0.5μmのものを用いる。さらに好ましくは、0.15〜0.3μmのものを用いる。前述のようにトナー粒子の表面に凹凸構造があると外添剤が埋没し、帯電維持性が悪化する。そのため、外添剤を付着させる前にあらかじめ凹凸に樹脂微粒子を付着させトナー表面を平滑にさせてしまうことが効果的である。凹凸に付着させる樹脂微粒子の体積平均粒子径が0.01μm以下であったり、1μm以上であったりすると、凹凸に対して樹脂微粒子が小さすぎたり、大きすぎたりし、十分に凹凸を平滑化することができない。
前記体積平均粒子径および個数平均粒子径の測定は、例えば、コールターカウンター[TA−II]型(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン−II水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
本発明のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂や、その他すべてのポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本発明においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸を主成分とすることが好ましい。
また、炭素数が上記範囲であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くならず、低温定着が良好となる。また、炭素数が上記範囲であると実用上の材料の入手が容易である。
本発明に使用する結晶性ポリエステルは、多価アルコール成分として炭素数2〜10の直鎖型ジオール成分を80モル%以上含み、多価カルボン酸成分として炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸を80モル%以上含むことが好ましい。
本発明のトナーに使用される無定形高分子樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性結着樹脂などが挙げられ、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類の単独重合体又は共重合体(スチレン系樹脂);アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類の単独重合体又は共重合体((メタ)アクリル酸エステル系樹脂);アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類の単独重合体又は共重合体(ビニルニトリル系樹脂);ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類の単独重合体又は共重合体(ビニルエーテル系樹脂);ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類の単独重合体又は共重合体(ビニルケトン系樹脂);エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類の単独重合体又は共重合体(オレフィン系樹脂);エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等の非ビニル縮合系樹脂、及びこれらの非ビニル縮合系樹脂とビニル系モノマーとのグラフト重合体などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でも上記の各種ビニル系樹脂やポリエステル樹脂が特に好ましい。
ビニル芳香族単量体(スチレン系単量体)50〜90重量部、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体((メタ)アクリル酸エステル系単量体)10〜50重量部、これらの単量体と共重合可能な他の単量体0〜10重量部、及びエチレン性不飽和酸単量体1〜3重量部よりなる単量体混合物を重合して得られる共重合体を界面活性剤で分散安定化した分散液を不定形高分子樹脂成分として好ましく使用することができる。
上記の共重合体のガラス転移温度は50〜70℃であることが好ましい
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレンや、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン等のアルキル鎖を持つアルキル置換スチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン等のハロゲン置換スチレン、4−フルオロスチレン、2,5−ジフルオロスチレン等のフッ素置換スチレン等がある。スチレン系単量体としては、スチレンが好ましい。
前記スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル系共重合樹脂にカルボキシル基を含有させる場合は、カルボキシル基を有する重合性単量体を共重合させることによって得ることができる。
このようなカルボキシル基含有重合性単量体の具体例としては、アクリル酸、アコニット酸、アトロパ酸、アリルマロン酸、アンゲリカ酸、イソクロトン酸、イタコン酸、10−ウンデセン酸、エライジン酸、エルカ酸、オレイン酸、オルト−カルボキシケイ皮酸、クロトン酸、クロロアクリル酸、クロロイソクロトン酸、クロロクロトン酸、クロロフマル酸、クロロマレイン酸、ケイ皮酸、シクロヘキセンジカルボン酸、シトラコン酸、ヒドロキシケイ皮酸、ジヒドロキシケイ皮酸、チグリン酸、ニトロケイ皮酸、ビニル酢酸、フェニルケイ皮酸、4−フェニル−3−ブテン酸、フェルラ酸、フマル酸、ブラシジン酸、2−(2−フリル)アクリル酸、ブロモケイ皮酸、ブロモフマル酸、ブロモマレイン酸、ベンジリデンマロン酸、ベンゾイルアクリル酸、4−ペンテン酸、マレイン酸、メサコン酸、メタクリル酸、メチルケイ皮酸、メトキシケイ皮酸等であり、重合体形成反応の容易性などからアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
本発明のトナーは、トナー粒子の表面に樹脂微粒子を付着させる。樹脂微粒子の平均粒子径は0.01〜1μmであるが、0.1〜0.5μmであることが好ましい。
本発明で用いられるトナー粒子表面に付着させる樹脂微粒子は、イオン性界面活性剤などを用いた乳化重合やシード重合により容易に調製された樹脂微粒子分散液を乾燥して調製される。重合の原料としては、ビニル系モノマーの、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなどのビニル系高分子酸やビニル系高分子塩基の原料などが挙げられる。
付着させる樹脂微粒子は、トナー粒子100重量部に対して0.5〜10重量部添加することが好ましく、1〜5重量部添加することがより好ましい。
樹脂微粒子はトナー粒子の表面に固着されている。トナー粒子表面に樹脂微粒子を付着させ、機械的エネルギーを与えることによって樹脂微粒子を固着させることができる。
トナー表面に外添される無機粒子や有機粒子としては以下のようなものが挙げられる。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性を向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
本発明のトナーは、外添剤として体積平均粒子径が0.01〜0.3μmである球状無機粒子を使用することが好ましい。
前記球状無機微紛体の添加量は、トナー粒子に対して0.3〜3重量%であることが好ましく、0.5〜2重量%であることがさらに好ましい。
ここで、平均形状係数SF1とは、形状係数の平均値であり、次の方法で算出する。スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて周囲長及び投影面積から、下記式によりSF1を求め、平均値を得たものである。
球状無機粒子の遊離率とは、球状無機粒子のトナー粒子表面からの脱離量を示す指標であり、球状無機粒子の元素由来の発光電圧と結着樹脂の炭素由来の発光電圧を測定することで得られる。例えば測定対象となるトナー(外添剤として少なくとも前記球状無機粒子が付着しているトナー粒子)をプラズマに導入して励起・発光させ、当該発光強度を測定し、得られた測定結果を、横軸にトナー中の炭素の三乗根電圧(V)、縦軸に前記球状無機粒子の主元素の三乗根電圧(V)をとったグラフにプロットした場合、縦軸上にあるプロットが、炭素原子と同時に発光しなかった球状無機粒子由来の元素の発光を示し、トナー表面に付着していない球状無機粒子の割合を示している。
γ=V/D (A)
(γ:外添シェアレート、V:混合機内のブレード先端周速(m/s)、D:ブレード先端と混合機内壁とのクリアランス(m))
1,000,000≦γ×Ts≦2,000,000 (B)
(Ts:球状シリカ(S)の混合時間(秒))
メンブランフィルター(ポリカーボネート、0.4μm)に捕集された測定対象となるトナーを1個ずつ、Heガスをキャリアとする特殊アスピレーターにより吸い上げ、Heマイクロ波誘導プラズマ(He−MIP:電子密度5×1013cm3、励起温度3300K、20,000Kを超える高い電子温度を持つ高温の比熱平衡プラズマ)内に導入する。トナーはここで蒸発、原子化、イオン化励起され発光する。この発光スペクトルの強度を、パーティクルアナライザー(PT1000:横川電気社製)を用いて測定する。得られた測定結果のトナー粒子個々について、横軸にトナー粒子中の炭素の三乗根電圧(V)、縦軸に前記球状シリカの主元素であるケイ素の三乗根電圧(V)をとったグラフにプロットし、縦軸上(X=0)の粒子(外添剤のみからなる粒子)のプロット数を測定全体のプロット数割った値を遊離率とした。遊離率は下記式(C)で定義される。
(C)
遊離率=外添剤非同期カウント/(外添剤非同期カウント+同期カウント)×100
(外添剤非同期カウント:縦軸上のプロット数、同期カウント:縦軸上以外のプロット数)
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に限定されないが、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロンレッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラブラウン等のアゾ顔料、銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレット等の縮合多環系顔料があげられる。
本発明のトナーは離型剤を含んでいてもよい。
本発明のトナーに用いられる離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロピッシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成或いは鉱物・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
本発明のトナーには、上記したような成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を添加することができる。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
また、無機粉体は主にトナーの粘弾性調整を目的として添加され、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、燐酸カルシウム、酸化セリウム等の下記に詳細に列挙するような通常、トナー表面の外添剤として使用されるすべての無機粒子が挙げられる。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は特に限定されるものではないが、湿式造粒法により作製されることが好ましい。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が挙げられるが、本発明においては、これらの中でも乳化凝集法が好適に用いられる。
すなわち、少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル微粒子を含む凝集粒子を芯部とした凝集芯微粒子の分散液を形成する凝集工程、該凝集芯微粒子の分散液に無定形高分子微粒子の分散液を混合して、該凝集芯微粒子の表面を無定形高分子微粒子により被覆させて芯−表面構造粒子を形成する被覆工程、該芯−表面構造粒子を該無定形高分子のガラス転移点以上の温度に加熱することにより融合して静電荷像現像用トナーの分散物を形成する融合工程、静電荷像現像用トナーを分散媒から分離し乾燥する乾燥工程、及び該芯−表面構造粒子に樹脂微粒子を付着する付着工程を少なくとも含むものである。
以下、各工程について詳細に説明する。
乳化工程において、原料分散液は、少なくとも結晶性ポリエステルを含む結着樹脂の乳化粒子(以下、「樹脂粒子」と略す。)と、水系媒体および必要に応じて着色剤や離型剤を含む分散液とを混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。したがって結着樹脂は原料分散液中にあらかじめ樹脂粒子として分散させておく必要がある。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。界面活性剤としては特に限定されるものではないが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン系界面活性剤が好ましい。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン系界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記結着樹脂に応じて適宜選択して用いる。
前記着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、前記結着樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いることができる。
また、これらの着色剤は、その他の微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段回で添加してもよい。
離型剤は、自己水分散性をもたないポリエステル樹脂を乳化分散する場合と同様、水中にイオン性界面活性剤等と共に分散し、融点以上に加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて、1μm以下の分散粒子径に調整にされる。離型剤分散液における分散媒としては、結着樹脂の分散媒と同様のものを用いることができる。
なお、本発明における帯電制御剤としては、凝集工程や融合工程の安定性に影響するイオン強度の制御と廃水汚染減少の点で、水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
凝集工程においては、乳化工程で得られた、少なくとも結晶性ポリエステルを含む樹脂粒子、及び着色剤、離型剤の分散液を混合し(以下この混合液を「原料分散液」という)、前記結着樹脂の融点付近の温度で、かつ融点以下の温度にて加熱して、結晶性ポリエステル微粒子を含む凝集粒子を芯部とした凝集芯微粒子の分散液を形成する。
被覆工程では、上記した凝集工程を経て形成された結晶性ポリエステルを含む凝集粒子(以下、「コア凝集粒子」と略す。)の表面に無定形高分子粒子を付着させることにより表面層を形成し、芯−表面構造粒子を形成する(以下、コア凝集粒子表面に表面層を設けたものを「付着凝集粒子」と略す)。
表面層の形成は、凝集工程においてコア凝集粒子を形成した分散液中に、無定形高分子粒子を含む分散液を追添加することにより行うことができ、必要に応じて他の成分も同時に追添加してもよい。被覆工程においても、用いる無定形高分子に応じて凝集工程と同様にpHや凝集剤を選択し、付着凝集粒子中に含まれる2種以上の結着樹脂のうち、最も融点の低い結着樹脂の融点以下の温度にて加熱し付着凝集粒子を得ることができる。また、この被覆工程は、プレ凝集の段階で凝集粒子に取り込まれなかった原料微粒子を凝集に導くことにおいても有効である。
マックスブレンドの構造と機能について説明する。
マックスブレンドを備えた撹拌槽は特開昭61−200842号広報に記載されている。撹拌槽は、上側のアームパドルと該アームパドルと垂直方向に延びるストリップから構成される格子部(グリッド部)と下側の平板部(ボトムパドル部)を一体化した撹拌翼を持つものである。
フルゾーン翼を使用せず、4枚パドルのような撹拌翼を使用すると、重合釜内の撹拌状態が不十分となり、釜の最外部の撹拌、混合が不十分となる。そのため熱履歴により、粗大粉の凝集物の付着が釜の最外部に発生する。これら付着物を分析すると、不定形の形状や着色剤を含有しない無色のトナーが存在する。不定形トナーは、生成過程が通常の重合トナーと異なると考えられ、この存在割合が大きくなると摩擦帯電性などのトナー特性および画像評価した場合の現像特性に悪影響が現われ、画像濃度の変動、白い筋、カブリの発生などが見られる。したがって、重合トナーの製造方法において、不定形トナーの発生を防止することは、トナーの特性上のみならず、製造コスト上も重要な事項である。
そこで、フルゾーン翼、特にマックスブレンド翼を使用することで釜内の撹拌状態が十分となり、コア凝集粒子への無定形高分子の付着が薄く、均一になり、期待すべき転写率、帯電性、凝集度を持つトナー製造が可能となった。
融合工程では、芯−表面構造粒子を無定形高分子のガラス転移度以上の温度に加熱することにより融合して、静電荷像現像用トナーの分散物を形成する。
融合工程においては、凝集工程と同様の撹拌下で、付着凝集粒子の懸濁液のpHを6.5〜8.5の範囲にすることにより、凝集の進行を止めた後、結着樹脂として含有する結晶性樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより付着凝集粒子を融合させる。なお、付着凝集粒子を含む分散液の液性にもよるが、凝集を停止するpHが適正なpHでないと、融合させる為の昇温過程で、付着凝集粒子の粒度が制御できなくなり収率が悪化する場合がある。
重合開始剤は、乳化工程前にあらかじめポリマーに混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。さらには、融合工程、或いは融合工程の後に導入してもよい。凝集工程、被覆工程、融合工程、あるいは融合工程の後に導入する場合は、重合開始剤を溶解、または乳化した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加える。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
上述のように乾燥工程を経て造粒されたトナー粒子は、その表面に樹脂微粒子を付着させる。
樹脂微粒子はトナー粒子表面に固着されている。例えば粉体表面改質装置を用いて、トナー粒子表面に樹脂微粒子を固着させることができる。
粉体表面改質装置としては、株式会社奈良機械製作所製ハイブリダイゼーションシステム(NHS)、ホソカワミクロン株式会社製メカノフュージョンシステムAMS型、岡田精工株式会社製シーターコンポーザー等を挙げることができる。
ハイブリダイゼーションシステムは、乾式で微粉体同士の接合を可能にしたシステムである。まず、トナー粒子と樹脂微粒子とをOMダイザーを用いて混合分散させてオーダードミクスチャーを形成する。これをハイブリダイザーに投入し、高速気流中に分散させながら衝撃力を主体とする機械的熱的エネルギーを与えることでトナー粒子表面に樹脂微粒子を固着させることができる。
また、その他の成分として、目的に応じて既述したような無機微粒子、有機微粒子等の公知の各種外添剤を添加することができる。
本発明において、外添剤は、トナー粒子に添加され、混合されることが好ましい。混合は、例えば、V型ブレンダー、ヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等の公知の混合機によって行うことができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいは二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリア、磁性分散型キャリア等を挙げることができる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアの芯材の体積平均粒径としては、一般的には10〜500μmであり、好ましくは30〜100μmである。
本発明の画像形成方法は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記現像剤として、本発明の静電荷像現像用トナーを含む現像剤を用いることを特徴とする。
電子写真感光体の場合、該電子写真感光体の表面を、コロトロン帯電器、接触帯電器等により一様に帯電した後、露光し、静電潜像を形成する(潜像形成工程)。次いで、表面に現像剤層を形成させた現像ロールと接触若しくは近接させて、静電潜像にトナーの粒子を付着させ、電子写真感光体上にトナー像を形成する(現像工程)。形成されたトナー像は、コロトロン帯電器等を利用して紙等の被転写体表面に転写される(転写工程)。さらに、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着機により熱定着され、最終的なトナー像が形成される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
−結晶性ポリエステル樹脂分散液(1)の調製−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル92.5mol%、および、5−t−ブチルイソフタル酸7.5mol%の酸成分と、エチレングリコール(酸成分に対し200mol%)と、触媒としてチタニウムテトラブトキシド(酸成分に対し、0.012重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて過剰なエチレングリコールを除去し、230℃まで徐々に昇温を行い2時間撹拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13,000になったところで、減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル(1)を得た。
上記結晶性ポリエステル(1)と同様の処方で合成し、減圧蒸留の過程で、GPCでの重量平均分子量がおよそ10,000程度になるまで反応を進める。目的の分子量に達したところで、トリメリット酸を0.05mol添加し、トリメリット酸が溶融してから30分間反応進め、加熱を停止する。さらに粘稠状態のまま、過剰量のメタノール中に投入し、再沈殿精製を行ない、酸価処理した重量平均分子量12,000、酸価24の結晶性ポリエステル(2)を得た。
・スチレン:360部
・n−ブチルアクリレート:35部
・アクリル酸:4部
・ドデカンチオール:24部
・四臭化炭素:4部
以上を混合し、溶解したものを、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)6部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)10部をイオン交換水560部に溶解したものに、フラスコ中で分散し、乳化し、10分ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム4部を溶解したイオン交換水50部を投入し、窒素置換を行った後、前記フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。こうして、平均粒径が180nm、ガラス転移点が57℃、重量平均分子量(Mw)が15,000である樹脂粒子を分散させてなる無定形高分子分散液(樹脂粒子濃度:40重量%)を調製した。
・エステルワックス(日本油脂(株)製:WEP−2、融点65℃):50部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンRK):5部
・イオン交換水:200部
以上を95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)を用い110℃、350kg/cm2、30分で分散処理し、体積平均粒径が230nmである離型剤を分散させてなる離型剤分散液(離型剤濃度:20重量%)を調製した。
−着色分散液(1)の調製−
・Cyan顔料(C.I.Pigment Blue B15:3):70部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が220nmである着色剤(Cyan顔料)粒子が分散された着色分散剤(1)を調製した。
・Magenta顔料(C.I.Pigment Red 122):70部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解し、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が210nmである着色剤(Magenta顔料)粒子が分散された着色分散剤(2)を調製した。
・Yellow顔料(C.I.Pigment Yellow 180):100部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が250nmである着色剤(Yellow顔料)粒子が分散された着色分散剤(3)を調製した。
・カーボンブラック(モーガルL:キャボット製):50部
・ノニオン性界面活性剤(ノニポール400:三洋化成(株)製):5部
・イオン交換水:200部
以上の成分を混合して、溶解、ホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散し、体積平均粒子径が200nmである着色剤(ブラック顔料)粒子が分散された着色分散剤(4)を調製した。
−トナー粒子(1)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):600部
・無定形高分子分散液:75部
・着色剤分散液(1):22.87部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897:ローヌプーラン社製):1.05部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより8,000rpmでせん断力を加えながら30分間分散混合する。ついで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.14部を滴下しはじめ、プレ凝集を促進した。それぞれの分散粒子が凝集しはじめると、原料分散液自体の粘度が上昇するので、増粘をはじめたら光学顕微鏡で凝集粒子の大きさを確認しながら、前記凝集剤水溶液を滴下した。またこの際、原料分散液のpHは4.3に制御しながら、約2時間保持し、凝集粒子を形成した。この際コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は2.5μmであった。次に、えられた凝集粒子に無定形高分子分散液(1)25部を追添加し、凝集粒子表面に無定形高分子粒子を付着させた。
−トナー粒子2の製造−
トナー粒子1の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)を用いた以外は、前記トナー粒子1の製造と同様にして、トナー粒子2を得た。
−トナー粒子3の製造−
トナー粒子1の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(3)を用いた以外は、前記トナー粒子1の製造と同様にして、トナー粒子3を得た。
−トナー粒子4の製造−
トナー粒子1の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(4)を用いた以外は、前記トナー粒子1の製造と同様にして、トナー粒子4を得た。
−トナー粒子(5)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(2):400部
・無定形高分子分散液:100部
・着色剤分散液(1):22.87部
・離型剤分散液:50部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897:ローヌプ−ラン社製):0.5部
原料として上記各分散液を用いたこと以外は、実施例1と同様の条件で凝集まで進めた。次に原料分散液のpHを4.7に調整しながら、凝集粒子を体積平均径が2.6μmまで成長させた。
−トナー粒子6の製造−
トナー粒子5の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)を用いた以外は、前記トナー粒子5の製造と同様にして、トナー粒子6を得た。
−トナー粒子7の製造−
トナー粒子5の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(3)を用いた以外は、前記トナー粒子5の製造と同様にして、トナー粒子7を得た。
−トナー粒子8の製造−
トナー粒子1の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(4)を用いた以外は、前記トナー粒子5の製造と同様にして、トナー粒子8を得た。
−トナー粒子(9)の製造−
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(1):600部
・無定形高分子分散液:75部
・着色剤分散液(1):22.87部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.05部
上記原料を5Lの円筒ステンレス容器に入れ、Ultraturraxにより8000rpmでせん断力を加えながら30分間分散混合する。ついで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液0.14部を滴下しはじめ、プレ凝集を促進した。それぞれの分散粒子が凝集しはじめると、原料分散液自体の粘度が上昇するので、増粘をはじめたら光学顕微鏡で凝集粒子の大きさを確認しながら、前記凝集剤水溶液を滴下した。またこの際、原料分散液のpHは4.3に制御しながら、約2時間保持し、凝集粒子を形成した。この際コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;ベックマンーコールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒子径は2.6μmであった。次に、えられた凝集粒子に無定形高分子分散液(1)25部を追添加し、凝集粒子表面に無定形高分子粒子を付着させた。
−トナー粒子10の製造−
トナー粒子9の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)を用いた以外は、前記トナー粒子9の製造と同様にして、トナー粒子10を得た。
−トナー粒子11の製造−
トナー粒子9の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(3)を用いた以外は、前記トナー粒子9の製造と同様にして、トナー粒子11を得た。
−トナー粒子12の製造−
トナー粒子9の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(4)を用いた以外は、前記トナー粒子9の製造と同様にして、トナー粒子12を得た。
−トナー粒子13の製造−
・無定形高分子分散液:180部
・着色剤分散液(1):250部
・離型分散液(1):50部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):1.5部
以上の成分を、丸型ステンレス製フラスコ中でウルトラタラックスT50(IKA社製)で混合分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら、60℃まで300分間かけて昇温させた。60℃において無定形高分子分散液(1)を50部加え15分放置した後に、アニオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬(株)製)3部を追加し、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら95℃まで加熱し、95℃で5時間保持した。冷却した後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、トナー粒子13を得た。
−トナー粒子14の製造−
トナー粒子13の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(2)を用いた以外は、前記トナー粒子13の製造と同様にして、トナー粒子14を得た。
−トナー粒子15の製造−
トナー粒子13の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(3)を用いた以外は、前記トナー粒子13の製造と同様にして、トナー粒子15を得た。
−トナー粒子16の製造−
トナー粒子13の製造において、着色剤分散液(1)の代わりに着色剤分散液(4)を用いた以外は、前記トナー粒子13の製造と同様にして、トナー粒子16を得た。
トナーの算術平均高さはキーエンス社製超進度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500を用いて前述の方法で求めた。得られた算術平均高さのデータを統計的に処理して表面粗さに関する指標を求めた。
<個数平均粒径>
コールターカウンター[TA−II]型(ベックマン−コールター社製)を用いて50μmのアパーチャー径で測定した。
(定着性、及びブロッキング性の評価)
トナー粒子(1)〜(16)それぞれに外添剤として体積平均粒子径20nmのチタニア粒子(T805:日本アエロジル社製)をトナー100重量部に対して1.2重量部添加し、ヘンシェルミキサーを用いて周速22m/sで5分混合して静電荷像現像用トナー(1)〜(16)を得た。
ついで、これらトナーそれぞれ5重量部とポリエチレン樹脂被覆されたフェライト粒子(体積平均粒子径35μm)100重量部を混合して二成分現像剤を調整し、これを電子写真複写機(富士ゼロックス(株)製 A−Color 635)の定着機部分を取り除き、画像出しを行い、未定着のソリッド画像(25mm×25mm、トナー載り量13.5g/m2)を得た。なお使用した用紙は富士ゼロックス社製J紙である。ついで、ベルトニップ方式の外部定着機を用いて、定着温度を90℃から220℃の間で段階的に上昇させながら画像の定着性、ホットオフセット性を評価した。
なお、低温定着性は、未定着のソリッド画像を定着した後、画像を折り曲げ、荷重1kgの重りを10秒間載せた後、折り曲げ部分を戻し、画像欠損度合いグレード付けし、以下のようなグレード区分から最低定着温度を決定し、低温定着性の指標とした。定着温度は、110℃である。
画像欠損ほとんどない――――― ◎
画像欠損多少ある――――――― ○(最低定着温度)
画像欠損ある――――――――― △
画像欠損著しい―――――――― ×
定着性の評価の際に作成した静電荷像現像用トナー(1)〜(16)各1.5重量部とポリエチレン樹脂被覆されたフェライト粒子(体積平均粒子径35μm)30重量部とをフタ付きのガラス瓶に秤量し、高温高湿下(温度28℃、湿度85%)、及び、低温低湿下(温度10℃、湿度15%)で24時間シーズニングした後、ターブラミキサーで10分間、及び10時間撹拌震盪した。この両環境下のトナーの帯電量(μC/g)をブローオフ帯電量測定装置(TB−200東芝社製)で測定し、10分後と10時間後の帯電量の比較を実施した。以下のように帯電量の差をグレード付けして、帯電維持性の指標とした。
3μC/g未満――――――――――― ◎(目標)
±3μC/g以上〜5μC/g未満―― ○
±5μC/g以上8μC/g未満――― △
±8μC/g以上―――――――――― ×
なお帯電量のグレードは、高温高湿、低温低湿の環境で行い、グレードの低い方の環境の値をもって判定する。
Claims (4)
- 芯部及び該芯部を被覆する表面層を含む芯−表面構造を有するトナー粒子の表面の凹凸構造に樹脂微粒子が付着する静電荷像現像用トナーであって、
芯部の結着樹脂は結晶性ポリエステルを主成分として含み、
表面層の結着樹脂は無定形高分子を主成分として含み、
該樹脂微粒子の平均粒子径が0.01〜1μmであり、
前記静電荷像現像用トナー表面の算術平均高さ分布の累積分布90%値が0.06〜0.10μmであり、かつ、
該算術平均高さの変動が40以下であることを特徴とする
静電荷像現像用トナー。 - 少なくとも結晶性ポリエステル微粒子を含む分散液中で、前記結晶性ポリエステル微粒子を含む凝集粒子を芯部とした凝集芯微粒子の分散液を形成する凝集工程、
該凝集芯微粒子の分散液に無定形高分子微粒子の分散液を混合して、該凝集芯微粒子の表面を無定形高分子微粒子により被覆させて芯−表面構造粒子を形成する被覆工程、
該芯−表面構造粒子を該無定形高分子のガラス転移点以上の温度に加熱することにより融合して静電荷像現像用トナーの分散物を形成する融合工程、
静電荷像現像用トナーを分散媒から分離し乾燥する乾燥工程、及び、
該芯−表面構造粒子に樹脂微粒子を付着する付着工程、を少なくとも含むことを特徴とする
請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 請求項1に記載の静電荷像現像用トナー及びキャリアを含む静電荷像現像用現像剤。
- 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、
前記潜像保持体表面に形成された静電潜像をトナー又は現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記潜像保持体表面に形成されたトナー像を被転写体表面に転写する転写工程と、
前記被転写体表面に転写されたトナー像を熱定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
前記現像剤として、請求項1記載の静電荷像現像用トナー又は請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
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