JP2013218288A - 静電荷像現像用トナー、これを用いた現像剤及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、定着後の排紙部材への離型剤の付着による汚染を抑制でき、特に薄紙に対する定着離型性に優れたトナーの提供。
【解決手段】(1)少なくとも結着樹脂及び離型剤を含有し、結着樹脂の主成分が結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂であるトナーにおいて、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上であるトナー。
(2)前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂がウレタン結合とウレア結合のいずれかを有する(1)に記載のトナー。
(3)前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーである(1)又は(2)に記載のトナー。
【選択図】なし
【解決手段】(1)少なくとも結着樹脂及び離型剤を含有し、結着樹脂の主成分が結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂であるトナーにおいて、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上であるトナー。
(2)前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂がウレタン結合とウレア結合のいずれかを有する(1)に記載のトナー。
(3)前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーである(1)又は(2)に記載のトナー。
【選択図】なし
Description
本発明は、静電荷像現像用トナー、これを用いた現像剤及び画像形成装置に関する。
電子写真方式による画像形成装置を利用するプリンタやMFP(複合機)は、近年環境に配慮したものが求められており、例えば、プリンタやMFPが消費する電力を抑えることによりCO2排出量を削減することや、原材料としてバイオマスマテリアルを活用することによりカーボンニュートラルに近づけることなどが試みられている。このような背景下で、電子写真用トナーとしては定着温度を下げることが望まれており、例えばトナーに用いられる結着樹脂として、定着時の加熱により瞬時に溶融するような結晶性ポリエステルに代表される結晶性樹脂を添加することが既に知られている。また、結着樹脂として結晶性樹脂を主成分として用いる方法も既に知られている(特許文献1、2)。
一般に、トナーには定着時の定着部材との離型性を付与するためワックスなどの離型剤が含まれている。結晶性ポリエステル樹脂を主成分として用いるトナーにおいても離型剤は必要である。例えば離型剤としてパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスのような炭化水素系ワックスがよく使用されているが、これらのワックスを用いると定着後の排紙部材に付着物が積層し、定着後の画像を傷付け画像品位を損ねることがあった。一方、分子内にエステル結合部位を持つようなエステルワックスを離型剤として用いると排紙部材への付着物積層が顕著には見られなくなるものの、離型性能が十分に発揮されず、特に薄紙上の画像を定着する場合に紙の巻きつきが発生することがあった。
本発明に類似する技術としては、特許文献3に、低温定着性及び耐ブロッキング性に優れた樹脂粒子として、特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有する結晶性微粒子を用いることが開示されており、更に離型剤としてベヘニン酸ベヘニルなどの脂肪酸エステルが使用できることが記載されているが、定着後の排紙部材への汚染、特に薄紙に対する定着離型性が低いという問題があった。
本発明に類似する技術としては、特許文献3に、低温定着性及び耐ブロッキング性に優れた樹脂粒子として、特定の貯蔵弾性率及び損失弾性率を有する結晶性微粒子を用いることが開示されており、更に離型剤としてベヘニン酸ベヘニルなどの脂肪酸エステルが使用できることが記載されているが、定着後の排紙部材への汚染、特に薄紙に対する定着離型性が低いという問題があった。
本発明は、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、定着後の排紙部材への離型剤の付着による汚染を抑制でき、特に薄紙に対する定着離型性に優れたトナーの提供を目的とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量を40質量%以上とすることにより、薄紙上の画像を定着する場合でも紙の巻きつきが発生せず、排紙部材への離型剤の付着による汚染も抑えられることが分かり、本発明に至った。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも結着樹脂及び離型剤を含有し、結着樹脂の主成分が結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂であるトナーにおいて、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上であることを特徴とするトナー。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも結着樹脂及び離型剤を含有し、結着樹脂の主成分が結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂であるトナーにおいて、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上であることを特徴とするトナー。
本発明によれば、結晶性樹脂を用いたトナーにおいて、定着後の排紙部材への離型剤の付着による汚染を抑制でき、特に薄紙に対する定着離型性に優れたトナーを提供できる。
以下、上記本発明1)について詳しく説明する。なお、本発明の実施の形態には、次の2)〜15)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 前記離型剤の融点が80℃以下であることを特徴とする1)に記載のトナー。
3) 前記離型剤の吸熱ピーク半値幅が10℃以下であることを特徴とする1)又は2)に記載のトナー。
4) 前記離型剤の含有量が3〜20質量%であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のトナー。
5) 前記トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/〔(C)+(A)〕が、0.15以上であることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のトナー。
6) 前記トナーのDSCにおける0〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピークT1と、降温時の最大発熱ピークT2が下記の関係式(1)を満たすことを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のトナー。
T1−T2≦30℃、かつ、T2≧30℃ ・・・(1)
(但し、昇温時の0℃から100℃までの昇温速度を10℃/minとし、100℃から0℃までの降温速度を10℃/minとする。)
7) 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル拡散クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が5質量%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000〜70,000であることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のトナー。
8) 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(T)(J/g)、前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(H)(J/g)としたとき、ΔH(H)/ΔH(T)が0.2〜1.25であることを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載のトナー。
9) 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂がウレタン結合とウレア結合のいずれかを有することを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載のトナー。
10) 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーであることを特徴とする1)〜9)のいずれかに記載のトナー。
11) 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を2種類以上含有することを特徴とする1)〜10)のいずれかに記載のトナー。
12) 水系媒体中で造粒して得たものであることを特徴とする1)〜11)のいずれかに記載のトナー。
13) 前記の樹脂のうち、少なくとも一つは末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂であり、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することを特徴とする1)〜12)のいずれかに記載のトナー。
14) 1)〜13)のいずれかに記載のトナーとキャリアを含むことを特徴とする現像剤。
15) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、1)〜13)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
2) 前記離型剤の融点が80℃以下であることを特徴とする1)に記載のトナー。
3) 前記離型剤の吸熱ピーク半値幅が10℃以下であることを特徴とする1)又は2)に記載のトナー。
4) 前記離型剤の含有量が3〜20質量%であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のトナー。
5) 前記トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/〔(C)+(A)〕が、0.15以上であることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のトナー。
6) 前記トナーのDSCにおける0〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピークT1と、降温時の最大発熱ピークT2が下記の関係式(1)を満たすことを特徴とする1)〜5)のいずれかに記載のトナー。
T1−T2≦30℃、かつ、T2≧30℃ ・・・(1)
(但し、昇温時の0℃から100℃までの昇温速度を10℃/minとし、100℃から0℃までの降温速度を10℃/minとする。)
7) 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル拡散クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が5質量%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000〜70,000であることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のトナー。
8) 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(T)(J/g)、前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(H)(J/g)としたとき、ΔH(H)/ΔH(T)が0.2〜1.25であることを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載のトナー。
9) 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂がウレタン結合とウレア結合のいずれかを有することを特徴とする1)〜8)のいずれかに記載のトナー。
10) 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーであることを特徴とする1)〜9)のいずれかに記載のトナー。
11) 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を2種類以上含有することを特徴とする1)〜10)のいずれかに記載のトナー。
12) 水系媒体中で造粒して得たものであることを特徴とする1)〜11)のいずれかに記載のトナー。
13) 前記の樹脂のうち、少なくとも一つは末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂であり、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することを特徴とする1)〜12)のいずれかに記載のトナー。
14) 1)〜13)のいずれかに記載のトナーとキャリアを含むことを特徴とする現像剤。
15) 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、1)〜13)のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
本発明の効果は以下の理由により発現するものと考えられる。
本発明で結着樹脂の主成分として用いる結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂は、従来よく使用されている非結晶性のポリエステル樹脂よりもアルキレン部位を多く有する。そのため、離型剤中の炭素数48未満の直鎖状モノエステルの割合が多いと、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂との親和性が高くなり、該樹脂の一部と離型剤が混和状態となるため、離型性能が従来の非結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする場合に比べて低くなる。特に薄紙上の画像を定着する場合には、紙のコシが弱いため離型性が不十分となり、定着部材への巻きつきが生じるものと考えられる。つまり、結着樹脂の主成分がアルキレン部位の多い結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂の場合には、アルキル鎖とエステル結合を有するワックスのような離型剤は、炭素数が多く極性が低いものでないと十分な離型性を発揮できない。
しかし、本発明のように、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有割合を40質量%以上とすれば、薄紙上の画像を定着する場合においても紙の巻きつきが抑えられる。また、炭素数が48以上であってもエステル部位が2つ以上ある化合物は、極性部位が多いため離型性能が不十分である。したがって本発明ではモノエステルを用いる。
本発明で結着樹脂の主成分として用いる結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂は、従来よく使用されている非結晶性のポリエステル樹脂よりもアルキレン部位を多く有する。そのため、離型剤中の炭素数48未満の直鎖状モノエステルの割合が多いと、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂との親和性が高くなり、該樹脂の一部と離型剤が混和状態となるため、離型性能が従来の非結晶性ポリエステル樹脂を主成分とする場合に比べて低くなる。特に薄紙上の画像を定着する場合には、紙のコシが弱いため離型性が不十分となり、定着部材への巻きつきが生じるものと考えられる。つまり、結着樹脂の主成分がアルキレン部位の多い結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂の場合には、アルキル鎖とエステル結合を有するワックスのような離型剤は、炭素数が多く極性が低いものでないと十分な離型性を発揮できない。
しかし、本発明のように、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有割合を40質量%以上とすれば、薄紙上の画像を定着する場合においても紙の巻きつきが抑えられる。また、炭素数が48以上であってもエステル部位が2つ以上ある化合物は、極性部位が多いため離型性能が不十分である。したがって本発明ではモノエステルを用いる。
また、排紙部材への離型剤の付着による汚染は、極性が低いパラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスなどで見られるが、これは定着時にこれらのワックスが微量ながら揮発し、排紙部材で冷却されて付着したものと考えられる。揮発性を抑えるためには、離型剤の分子量を大きくする方法が考えられるが、ポリエチレンやポリプロピレンのような炭化水素系ワックスを使用すると、排紙部材への付着は抑えられるものの、ワックス自体の融点が高いため、本発明のような結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を主成分とするトナーでは、定着時にワックスが溶融せず離型機能が発揮されない。一方、分子内にエステル結合部位を有するエステルワックスは、エステル結合部位の凝集エネルギーにより揮発しにくく、排紙部材への汚染が抑えられるものと考えられる。
<離型剤>
本発明では、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上の離型剤を用いる。炭素鎖が分岐構造を有すると、結着樹脂との相溶性が上がってしまい定着離型効果が小さくなるので、直鎖状モノエステルを用いる必要がある。
上記直鎖状モノエステルの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。含有量が多いほど定着離型性がよく、排紙口への離型剤の付着による汚染が少ない。
本発明で用いる上記直鎖状モノエステルの例としては、合成エステル化合物と天然エステルワックスが挙げられる。
本発明では、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上の離型剤を用いる。炭素鎖が分岐構造を有すると、結着樹脂との相溶性が上がってしまい定着離型効果が小さくなるので、直鎖状モノエステルを用いる必要がある。
上記直鎖状モノエステルの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは95質量%以上である。含有量が多いほど定着離型性がよく、排紙口への離型剤の付着による汚染が少ない。
本発明で用いる上記直鎖状モノエステルの例としては、合成エステル化合物と天然エステルワックスが挙げられる。
合成エステル化合物は、直鎖状高級アルコールと直鎖状高級カルボン酸又は直鎖状高級カルボン酸ハロゲン化物からエステル化反応により得られる。
前記直鎖状高級アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどが挙げられ、前記直鎖状高級カルボン酸としては、例えば、ステアリン酸、アラキン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
前記直鎖状高級アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、べへニルアルコール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノールなどが挙げられ、前記直鎖状高級カルボン酸としては、例えば、ステアリン酸、アラキン酸、べへン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等が挙げられる。
合成エステル化合物の作製方法としては、例えば、まず上記直鎖状高級アルコール成分に対して上記直鎖状高級カルボン酸を過剰に用いてエステル化反応(縮合反応)を行い、過剰の直鎖状高級カルボン酸をアルカリ水溶液を用いた脱酸により除去する方法が挙げられる。この反応において、必要に応じて触媒を使用しても良い。また、エステル化反応は脱水を伴う平衡反応であるため、系中の水を留去しながら行うとよい。反応は系中の水が留去でき、反応原材料が系から脱出しない程度の高温で行う。
天然エステルワックスは、動植物から採取したワックスを分離・精製して得られる。
その例としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、蜜蝋、ラノリンワックス、モンタンワックス、サンフラワーワックスなどが挙げられる。しかし、天然エステルワックスは多種類の化合物からなる混合物であるため、本発明で用いる離型剤としては、場合によっては分離・精製して用いる必要がある。上記の中でも、サンフラワーワックスは炭素数の多い直鎖状モノエステルの含有量が多いため好ましい。
その例としては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、蜜蝋、ラノリンワックス、モンタンワックス、サンフラワーワックスなどが挙げられる。しかし、天然エステルワックスは多種類の化合物からなる混合物であるため、本発明で用いる離型剤としては、場合によっては分離・精製して用いる必要がある。上記の中でも、サンフラワーワックスは炭素数の多い直鎖状モノエステルの含有量が多いため好ましい。
本発明で用いる離型剤の融点は、65〜80℃が好ましく、より好ましくは70〜80℃である。65℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化することがあり、一方、80℃を上回ると定着時に溶融しにくくなり離型性能が十分に発揮されないことがある。また、離型剤の吸熱ピークの半値幅は10℃以下が好ましく、より好ましくは8℃以下である。10℃を超えると低温で溶融する成分や高温でないと溶融しない成分が多く含まれることになるため、低温で溶融する成分はトナーの耐熱保存性に悪影響を与える可能性があり、高温でないと溶融しない成分は定着離型性に寄与しない可能性が出てくる。
トナー中の離型剤の含有量は、3〜20質量%が好ましく、より好ましくは4〜14質量%である。3質量%未満では定着時の離型性能が発揮されにくく、20質量%を超えると、耐熱保存性の悪化や排紙口への離型剤の付着による汚染が見られることがある。
トナー中の離型剤の含有量は、3〜20質量%が好ましく、より好ましくは4〜14質量%である。3質量%未満では定着時の離型性能が発揮されにくく、20質量%を超えると、耐熱保存性の悪化や排紙口への離型剤の付着による汚染が見られることがある。
<結着樹脂>
本発明に用いられる結着樹脂は、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を主成分とする。具体的には、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂は結着樹脂全体の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは75質量%、更に好ましくは90質量%以上である。結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が多いほどトナーの低温定着性に優れるためである。
結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂としては、結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂(単に、結晶性ポリエステル樹脂ともいう)、結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)が挙げられる。結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂は結晶化度は高いが、樹脂の強靭性付与の観点からは、凝集エネルギーの大きいエステル結合部位、ウレタン結合部位、ウレア結合部位、フェニレン部位を有するような結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)が好ましい。
本発明に用いられる結着樹脂は、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を主成分とする。具体的には、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂は結着樹脂全体の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは75質量%、更に好ましくは90質量%以上である。結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が多いほどトナーの低温定着性に優れるためである。
結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂としては、結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂(単に、結晶性ポリエステル樹脂ともいう)、結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)が挙げられる。結晶性ポリエステルユニットのみからなる樹脂は結晶化度は高いが、樹脂の強靭性付与の観点からは、凝集エネルギーの大きいエステル結合部位、ウレタン結合部位、ウレア結合部位、フェニレン部位を有するような結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂(いわゆるブロックポリマー、グラフトポリマー)が好ましい。
<結晶性ポリエステルユニット>
結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
結晶性ポリエステルユニットとしては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
−ポリオール−
ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36の炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する);ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量は、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。含有量が80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36の炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する);ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量は、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。含有量が80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
鎖炭素数が2〜36の前記分岐型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
鎖炭素数が2〜36の前記分岐型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又は前記スルファミン酸基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等のスルファミン酸ジオール、[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)及びそのAO付加物(AOとしてはEO又はPOなど、AOの付加モル数1〜6);ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
前記スルホン酸基又は前記スルファミン酸基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等のスルファミン酸ジオール、[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)及びそのAO付加物(AOとしてはEO又はPOなど、AOの付加モル数1〜6);ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン等)、糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシド等)等の炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
−ポリカルボン酸−
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
また、必要により用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
また、必要により用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
−ラクトン開環重合物−
前記ラクトン開環重合物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、ダイセル社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
前記ラクトン開環重合物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、ダイセル社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
−ポリヒドロキシカルボン酸−
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
<結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂>
結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有する結晶性ポリエステルユニットを作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。この手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合部位を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが好ましい。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有する結晶性ポリエステルユニットを作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。この手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合部位を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。
ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが好ましい。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
これらのジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
これらのジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
<結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂>
結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを別々に作製し、それらを結合させる方法、あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットのいずれかを作製し、次いで作製したユニットの存在下で、もう一方のポリマーを重合することによって結合させる方法、あるいは結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを同じ反応場で同時あるいは逐次重合させることにより得る方法があるが、設計意図通りに反応を制御させやすいという点で、一つ目あるいは二つ目の方法が好ましい。
結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得る方法としては、あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを別々に作製し、それらを結合させる方法、あらかじめ結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットのいずれかを作製し、次いで作製したユニットの存在下で、もう一方のポリマーを重合することによって結合させる方法、あるいは結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーユニットを同じ反応場で同時あるいは逐次重合させることにより得る方法があるが、設計意図通りに反応を制御させやすいという点で、一つ目あるいは二つ目の方法が好ましい。
一つ目の方法としては、前述の結晶性ポリエステルユニットを連結させた樹脂を得る方法と同様、あらかじめ末端にヒドロキシル基等の活性水素を有するユニットを作製し、ポリイソシアネートで連結する方法などが挙げられる。ポリイソシアネートについても前述のものが使用できる他、一方のユニットの末端にイソシアネート基を導入し、他方のユニットの活性水素と反応させる方法でも得ることができる。この手段を用いると樹脂骨格中にウレタン結合部位を導入することができるため、樹脂の強靭性を高めることができる。
二つ目の方法としては、結晶性ポリエステルユニットを先に作成する場合、次に作成するポリマーユニットが非結晶性ポリエステルユニット、ポリウレタンユニット、ポリウレアユニット等であれば、結晶性ポリエステルユニットの末端のヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と、他のポリマーユニットを得るためのモノマーを反応させることにより、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得ることができる。また、次に作製するポリマーユニットがビニル系ポリマーユニットである場合、結晶性ポリエステルユニットにあらかじめビニル重合性の二重結合を導入しておくことにより、後から結晶性ポリエステルユニット存在下ビニルモノマーを重合させることで結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得ることができる。
二つ目の方法としては、結晶性ポリエステルユニットを先に作成する場合、次に作成するポリマーユニットが非結晶性ポリエステルユニット、ポリウレタンユニット、ポリウレアユニット等であれば、結晶性ポリエステルユニットの末端のヒドロキシル基あるいはカルボキシル基と、他のポリマーユニットを得るためのモノマーを反応させることにより、結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得ることができる。また、次に作製するポリマーユニットがビニル系ポリマーユニットである場合、結晶性ポリエステルユニットにあらかじめビニル重合性の二重結合を導入しておくことにより、後から結晶性ポリエステルユニット存在下ビニルモノマーを重合させることで結晶性ポリエステルユニットと他のポリマーを結合させた樹脂を得ることができる。
<非結晶性ポリエステルユニット>
非結晶性ポリエステルユニットとしては、例えばポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニットが挙げられる。ポリオール及びポリカルボン酸については前述の結晶性ポリエステルユニットで例示したものが使用できるが、結晶性を持たないように設計するためには、ポリマー骨格に屈曲点や分岐点を多く持たせるようにすればよく、屈曲点を持たせるには、例えば、ポリオールとして、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などのビスフェノール及びその誘導体、ポリカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を使用すればよい。また分岐点の導入には3価以上のポリオールやポリカルボン酸を使用すればよい。
非結晶性ポリエステルユニットとしては、例えばポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニットが挙げられる。ポリオール及びポリカルボン酸については前述の結晶性ポリエステルユニットで例示したものが使用できるが、結晶性を持たないように設計するためには、ポリマー骨格に屈曲点や分岐点を多く持たせるようにすればよく、屈曲点を持たせるには、例えば、ポリオールとして、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などのビスフェノール及びその誘導体、ポリカルボン酸として、フタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸を使用すればよい。また分岐点の導入には3価以上のポリオールやポリカルボン酸を使用すればよい。
<ポリウレタンユニット>
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前述のジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前述のジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
<ポリウレアユニット>
前記ポリウレアユニットとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニット等が挙げられる。これらの中でも、前記ジアミンと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレアユニットが好ましい。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前記前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
前記ポリウレアユニットとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニット等が挙げられる。これらの中でも、前記ジアミンと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレアユニットが好ましい。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前記前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
−ポリアミン−
前記ポリアミンとしては、例えばジアミン、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。
前記ジアミンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また、必要により、前記3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記ポリアミンとしては、例えばジアミン、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。
前記ジアミンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また、必要により、前記3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜6のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン;ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の前記アルキレンジアミン又は前記ポリアルキレンジアミンの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体;1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4′−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等の炭素数4〜15の脂環式ジアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の炭素数4〜15の複素環式ジアミン;キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等の炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4′−及び4,4′−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリアミン、ナフチレンジアミン等の非置換芳香族ジアミン;2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3′−メチル−2′,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエチル−2,2′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等の炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン;前記非置換芳香族ジアミン乃至前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンの異性体の種々の割合の混合物;メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジブロモジフェニルメタン、3,3′−ジクロロベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4′−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等の核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン;4,4′−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等の二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕などが挙げられる。
前記ジアミンとして、これらの他、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)前記ポリアミン(前記アルキレンジアミン、前記ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等のポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等のポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
<ビニル系ポリマーユニット>
ビニル系ポリマーユニットは、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーユニットである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
ビニル系ポリマーユニットは、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーユニットである。ビニル系モノマーとしては、下記(1)〜(10)が挙げられる。
(1)ビニル系炭化水素:
脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレンレン、ブテン、イソブチレン、ぺンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
脂環式ビニル系炭化水素:モノ−又はジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
芳香族ビニル系炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;及びビニルナフタレン。
脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例えばエチレン、プロピレンレン、ブテン、イソブチレン、ぺンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前記以外のα−オレフィン等;アルカジエン類、例えばブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン。
脂環式ビニル系炭化水素:モノ−又はジ−シクロアルケン及びアルカジエン類、例えばシクロヘキセン、(ジ)シクロペンタジエン、ビニルシクロヘキセン、エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類、例えばピネン、リモネン、インデン等。
芳香族ビニル系炭化水素:スチレン及びそのハイドロカルビル(アルキル、シクロアルキル、アラルキル及び/又はアルケニル)置換体、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、トリビニルベンゼン等;及びビニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニル系モノマー及びその塩:
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
炭素数3〜30の不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸並びにその無水物及びそのモノアルキル(炭素数1〜24)エステル、例えば(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステル、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキルエステル、イタコン酸グリコールモノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキシル基含有ビニル系モノマー。
(3)スルホン基含有ビニル系モノマー、ビニル系硫酸モノエステル化物及びこれらの塩:
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えはビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル等。
炭素数2〜14のアルケンスルホン酸、例えはビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸;及びその炭素数2〜24のアルキル誘導体、例えばα−メチルスチレンスルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル−(メタ)アクリレートもしくは(メタ)アクリルアミド、例えば、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2−ジメチルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−(メタ)アクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、アルキル(炭素数3〜18)アリルスルホコハク酸、ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(エチレン、プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブロックでもよい)モノ(メタ)アクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5〜15)オキシプロピレンモノメタクリレート硫酸エステル等]、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル等。
(4)燐酸基含有ビニル系モノマー及びその塩:
(メタ)アクリロイルオキシアルキル燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸;及びそれらの塩等。
なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩又は4級アンモニウム塩が挙げられる。
(メタ)アクリロイルオキシアルキル燐酸モノエステル、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイロキシエチルホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシアルキル(炭素数1〜24)ホスホン酸類、例えば、2−アクリロイルオキシエチルホスホン酸;及びそれらの塩等。
なお、上記(2)〜(4)の塩としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アンモニウム塩、アミン塩又は4級アンモニウム塩が挙げられる。
(5)ヒドロキシル基含有ビニル系モノマー:
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
ヒドロキシスチレン、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アリルアルコール、クロチルアルコール、イソクロチルアルコール、1−ブテン−3−オール、2−ブテン−1−オール、2−ブテン−1,4−ジオール、プロパルギルアルコール、2−ヒドロキシエチルプロペニルエーテル、庶糖アリルエーテル等。
(6)含窒素ビニル系モノマー:
アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロ一ル、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、及びこれらの塩等。
アミド基含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレ一ト等。
4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等。
アミノ基含有ビニル系モノマー:アミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アリルアミン、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、クロチルアミン、N,N−ジメチルアミノスチレン、メチル−α−アセトアミノアクリレート、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロ一ル、N−ビニルチオピロリドン、N−アリールフェニレンジアミン、アミノカルバゾール、アミノチアゾール、アミノインドール、アミノピロール、アミノイミダゾール、アミノメルカプトチアゾール、及びこれらの塩等。
アミド基含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−メチレン−ビス(メタ)アクリルアミド、桂皮酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド、メタクリルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン等。
ニトリル基含有ビニル系モノマー:(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリレ一ト等。
4級アンモニウムカチオン基含有ビニル系モノマー:ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、ジアリルアミン等の3級アミン基含有ビニル系モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)。
ニトロ基含有ビニル系モノマー:ニトロスチレン等。
(7)エポキシ基含有ビニル系モノマー:
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、p−ビニルフェニルフェニルオキサイド等。
(8)ビニルエステル、ビニル(チオ)エーテル、ビニルケトン、ビニルスルホン類:
ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ヒニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒトロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2′−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等。
ビニルケトン、例えはビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン等。
ビニルスルホン類、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、ビニルブチレート、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルフタレート、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメタクリレート、メチル−4−ビニルベンゾエート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ビニルメトキシアセテート、ビニルベンゾエート、エチル−α−エトキシアクリレート、炭素数1〜50のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート[メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート等]、ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数2〜8の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基である)、ポリ(メタ)アリロキシアルカン類[ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシエタン、テトラアリロキシプロパン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等]等、ポリアルキレングリコール鎖を有するビニル系モノマー[ポリエチレングリコール(分子量300)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(分子量500)モノアクリレート、メチルアルコールエチレンオキサイド10モル付加物(メタ)アクリレート、ラウリルアルコールエチレンオキサイド30モル付加物(メタ)アクリレート等]、ポリ(メタ)アクリレート類[多価アルコール類のポリ(メタ)アクリレート:エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等]等。
ビニル(チオ)エーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ヒニルブチルエーテル、ビニル−2−エチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、ビニル−2−ブトキシエチルエーテル、3,4−ジヒトロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2′−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル、アセトキシスチレン、フェノキシスチレン等。
ビニルケトン、例えはビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルフェニルケトン等。
ビニルスルホン類、例えばジビニルサルファイド、p−ビニルジフェニルサルファイド、ビニルエチルサルファイド、ビニルエチルスルフォン、ジビニルスルフォン、ジビニルスルフォキサイド等。
(9)その他のビニル系モノマー:
イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート等。
(10)フッ素原子元素含有ビニル系モノマー:
4−フルオロスチレン、2,3,5,6−テトラフルオロスチレン、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロベンジル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリヒドロペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロノルボニルメチル(メタ)アクリレート、1H−ペルフルオロイソボルニル(メタ)アクリレート2−(N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、並びにα−フルオロアクリル酸から誘導された対応する化合物、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルイタコネート、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルマレエート、ビス−ペルフルオロオクチルイタコネート、ビス−ペルフルオロオクチルマレエート、ビス−トリフルオロエチルイタコネート及びビス−トリフルオロエチルマレエート、ビニルヘプタフルオロブチレート、ビニルペルフルオロヘプタノエート、ビニルペルフルオロノナノエート及びビニルペルフルオロオクタノエート等。
4−フルオロスチレン、2,3,5,6−テトラフルオロスチレン、ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロベンジル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,4H−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、ペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、2−ペルフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリヒドロペルフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、ペルフルオロノルボニルメチル(メタ)アクリレート、1H−ペルフルオロイソボルニル(メタ)アクリレート2−(N−ブチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、2−(N−エチルペルフルオロオクタンスルホンアミド)エチル(メタ)アクリレート、並びにα−フルオロアクリル酸から誘導された対応する化合物、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルイタコネート、ビス−ヘキサフルオロイソプロピルマレエート、ビス−ペルフルオロオクチルイタコネート、ビス−ペルフルオロオクチルマレエート、ビス−トリフルオロエチルイタコネート及びビス−トリフルオロエチルマレエート、ビニルヘプタフルオロブチレート、ビニルペルフルオロヘプタノエート、ビニルペルフルオロノナノエート及びビニルペルフルオロオクタノエート等。
また、トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量は35〜120mJ/mgであることが好ましく、40〜100mJ/mgであることがより好ましく、50〜80mJ/mgであることが更に好ましい。DSCの吸熱量はトナー中の定着時に溶融する結晶性部位の量を示しており、具体的には結晶性ポリエステルユニット部位および離型剤の量を示している。本発明において、この結晶性部位が多いことによりトナー全体がシャープメルト性を有し、低温定着性能を発揮する。一方、吸熱量が多い場合、定着時におけるトナーの溶融に必要な熱量が多いことになるため、低温定着性が逆に悪化してしまう可能性があり、過剰に吸熱量が多いのも好ましくない。
また、トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)としたときの比率、(C)/〔(C)+(A)〕が、0.15以上であることが、定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましく、0.20以上がより好ましく、0.30以上が更に好ましく、0.45以上が特に好ましい。また、(C)/〔(C)+(A)〕は大きいほど好ましいが、トナーに使用される結着樹脂として現実的な上限値は0.50程度である。
なお、本発明のトナーがワックスを含有する場合、2θ=23.5°〜24°の位置にワックス固有の回折ピークが現れることが多い。しかし、トナー全重量に対するワックス含有量が15質量%未満の場合は、ワックス固有の回折ピークの寄与がわずかであるから考慮しなくてもよい。15質量%以上の場合には、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度から、ワックスの結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を差し引いた値を、上記の「結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)」と置き換えることとする。
なお、本発明のトナーがワックスを含有する場合、2θ=23.5°〜24°の位置にワックス固有の回折ピークが現れることが多い。しかし、トナー全重量に対するワックス含有量が15質量%未満の場合は、ワックス固有の回折ピークの寄与がわずかであるから考慮しなくてもよい。15質量%以上の場合には、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度から、ワックスの結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を差し引いた値を、上記の「結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)」と置き換えることとする。
前記比率(C)/〔(C)+(A)〕は、トナー中の結晶化部位の量(主にトナーの主成分である結着樹脂中の結晶化部位の量)を示す指標である。本発明におけるX線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定する。なお、従来公知の、結晶性樹脂やワックスを添加剤程度に含むようなトナーは、この比率がおおよそ0.15未満である。測定にはキャピラリー管として、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用する。試料はこのキャピラリー管の上部まで詰めて測定する。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とする。測定の詳細条件を以下に示す。
・管電流 : 40mA
・管電圧 : 40kV
・ゴニオメーター2θ軸 : 20.0000°
・ゴニオメーターΩ軸 : 0.0000°
・ゴニオメーターφ軸 : 0.0000°
・検出器距離 : 15cm(広角測定)
・測定範囲 : 3.2≦2θ(゜)≦37.2
・測定時間 : 600sec
・管電圧 : 40kV
・ゴニオメーター2θ軸 : 20.0000°
・ゴニオメーターΩ軸 : 0.0000°
・ゴニオメーターφ軸 : 0.0000°
・検出器距離 : 15cm(広角測定)
・測定範囲 : 3.2≦2θ(゜)≦37.2
・測定時間 : 600sec
入射光学系には、φ1mmのピンホールを持つコリメーターを用いる。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換する。得られたX線回折測定結果を基に、前記比率(C)/〔(C)+(A)〕を算出する方法を、以下に説明する。
X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1及び図2に示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1のX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1及び図2に示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1のX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2つの主要なピークとハローを、次のガウス関数、
fp1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1)2/(2cp1)2} (式1)
fp2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2)2/(2cp2)2} (式2)
fh(2θ)=ahexp{−(2θ−bh)2/(2ch)2} (式3)
(上記fp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)は、それぞれ主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数)
で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+fh(2θ) (式4)
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図2に示す)とし、最小二乗法によるフィッティングを行う。
fp1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1)2/(2cp1)2} (式1)
fp2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2)2/(2cp2)2} (式2)
fh(2θ)=ahexp{−(2θ−bh)2/(2ch)2} (式3)
(上記fp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)は、それぞれ主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数)
で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+fh(2θ) (式4)
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図2に示す)とし、最小二乗法によるフィッティングを行う。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、ah、bh、chの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bhにはX線回折のピーク位置(図の例では、bp1=21.3、bp2=24.2、bh=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致するようにして得られた値を設定する。フィッティングは例えばMicrosoft社製Excel2003のソルバーを利用して行うことができる。
フィッティング後のfp1(2θ)、fp2(2θ)、及びfh(2θ)のそれぞれの積分面積(SP1、Sp2、Sh)から、(Sp1+Sp2)を(C)、Shを(A)として、結晶化部位の量を示す指標である比率(C)/〔(C)+(A)〕を算出することができる。
フィッティング後のfp1(2θ)、fp2(2θ)、及びfh(2θ)のそれぞれの積分面積(SP1、Sp2、Sh)から、(Sp1+Sp2)を(C)、Shを(A)として、結晶化部位の量を示す指標である比率(C)/〔(C)+(A)〕を算出することができる。
[トナーの特性]
画像搬送傷の発生を抑制するためには、以下の条件における最大発熱ピーク温度をT2(℃)とした時、下記条件(1)を満たすことが好ましい。
T1−T2≦30℃、かつ、T2≧30℃ (1)
<トナーの最大吸熱・発熱ピークの測定方法、条件>
トナーの最大吸熱ピークは、DSCシステムQ−200(TAインスツルメント社製)を用いて測定する。具体的には、まず、樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に、窒素雰囲気下で、0℃から10℃/minで100℃まで昇温させた後、100℃から10℃/minで0℃まで降温させ、更に0℃から10℃/minで100℃まで昇温させる。DSCシステムQ−200(TAインスツルメント社製)中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、トナーの最大吸熱ピーク温度T1を測定する。また、同様にして降温時におけるトナーの最大発熱ピーク温度T2を測定する。
画像搬送傷の発生を抑制するためには、以下の条件における最大発熱ピーク温度をT2(℃)とした時、下記条件(1)を満たすことが好ましい。
T1−T2≦30℃、かつ、T2≧30℃ (1)
<トナーの最大吸熱・発熱ピークの測定方法、条件>
トナーの最大吸熱ピークは、DSCシステムQ−200(TAインスツルメント社製)を用いて測定する。具体的には、まず、樹脂約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次に、窒素雰囲気下で、0℃から10℃/minで100℃まで昇温させた後、100℃から10℃/minで0℃まで降温させ、更に0℃から10℃/minで100℃まで昇温させる。DSCシステムQ−200(TAインスツルメント社製)中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、トナーの最大吸熱ピーク温度T1を測定する。また、同様にして降温時におけるトナーの最大発熱ピーク温度T2を測定する。
前記T1としては50℃〜70℃が好ましく、53℃〜65℃がより好ましく、58℃〜62℃が特に好ましい。T1が、50℃〜70℃であると、トナーに要求される最低限の耐熱保存性を確保することができ、且つ、従来にはない優れた低温定着性を持つトナーが得られる。T1が、50℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
前記T2としては30℃〜55℃が好ましく、35℃〜55℃がより好ましく、40℃〜55℃が特に好ましい。T2が30℃未満では、定着画像が冷却あるいは固化される速度が遅く、トナー画像(印刷物)のブロッキングや搬送傷が生じることがある。またT2は可能な限り高い温度であることが望ましいが、T2は結晶化温度であることから、融点であるT1より高い温度を取ることは不可能である。即ち優れた耐熱保存性、低温定着性を維持しつつ、トナー画像のブロッキングや搬送傷を抑制するためには、T1とT2の差(T1−T2)がある程度狭い範囲であることが望ましい。T1−T2は30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、20℃以下が特に好ましい。T1−T2が40℃より大きい場合には、定着温度とトナー画像の固化される温度の差が大きくトナー画像のブロッキングや搬送傷を抑制する効果が得られない。
前記T2としては30℃〜55℃が好ましく、35℃〜55℃がより好ましく、40℃〜55℃が特に好ましい。T2が30℃未満では、定着画像が冷却あるいは固化される速度が遅く、トナー画像(印刷物)のブロッキングや搬送傷が生じることがある。またT2は可能な限り高い温度であることが望ましいが、T2は結晶化温度であることから、融点であるT1より高い温度を取ることは不可能である。即ち優れた耐熱保存性、低温定着性を維持しつつ、トナー画像のブロッキングや搬送傷を抑制するためには、T1とT2の差(T1−T2)がある程度狭い範囲であることが望ましい。T1−T2は30℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、20℃以下が特に好ましい。T1−T2が40℃より大きい場合には、定着温度とトナー画像の固化される温度の差が大きくトナー画像のブロッキングや搬送傷を抑制する効果が得られない。
結晶性樹脂を結着樹脂の主成分とするトナーにおいては、従来低温定着性に有効と考えられていた融点以上で急激に粘弾性が低下する性質(シャープメルト性)が、紙種によって定着可能温度領域が大きく異なる原因となると考えられる。したがって、従来の低温定着性に優れるトナーに使用される結着樹脂としては分子量が高めの成分、具体的にはゲル拡散クロマトグラフィ(GPC)におけるポリスチレン換算の分子量が100,000以上の成分を一定量以上含有し、更に重量平均分子量が一定の範囲内にあることが、紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着を可能にするために好ましい。
分子量100,000以上の成分は5質量%以上含有することが好ましく、7質量%以上含有することがより好ましく、9質量%以上含有することが更に好ましい。分子量100,000以上の成分を5質量%以上含有すると、トナーの溶融後の流動性や粘弾性の温度依存性が小さくなるため、定着時に熱がトナーに伝わりやすい薄紙でも、熱がトナーに伝わりにくい厚紙でも、トナーの流動性や弾性率に大きな違いが生じにくく、定着装置としては一定温度かつ一定速度で定着することが可能となる。分子量100,000以上の成分が5質量%未満では、トナー溶融後の流動性や粘弾性が温度によって大きく変わるため、例えば薄紙における定着ではトナーの変形性が大きくなり過ぎ、定着部材への接着面積が増大し、その結果、特に定着部材が高温になった場合に定着部材からの離型がうまくできず紙の巻きつきが発生することがある。
分子量100,000以上の成分は5質量%以上含有することが好ましく、7質量%以上含有することがより好ましく、9質量%以上含有することが更に好ましい。分子量100,000以上の成分を5質量%以上含有すると、トナーの溶融後の流動性や粘弾性の温度依存性が小さくなるため、定着時に熱がトナーに伝わりやすい薄紙でも、熱がトナーに伝わりにくい厚紙でも、トナーの流動性や弾性率に大きな違いが生じにくく、定着装置としては一定温度かつ一定速度で定着することが可能となる。分子量100,000以上の成分が5質量%未満では、トナー溶融後の流動性や粘弾性が温度によって大きく変わるため、例えば薄紙における定着ではトナーの変形性が大きくなり過ぎ、定着部材への接着面積が増大し、その結果、特に定着部材が高温になった場合に定着部材からの離型がうまくできず紙の巻きつきが発生することがある。
上記の効果が得られる理由は以下のように考えられる。つまり、結晶性樹脂は前述のとおりシャープメルト性を有しているが、溶融状態におけるトナーの内部凝集力や粘弾性は樹脂の分子量や構造によって大きく異なる。例えば、凝集エネルギーの大きな連結基であるウレタン結合やウレア結合を有する場合、溶融時においても比較的低温であればゴムのような弾性体に近い挙動を示す一方、高温になるに従い高分子鎖の熱運動エネルギーが増大していくため、徐々に結合間の凝集が解れて粘性体に近づいていく。
このような樹脂をトナー用結着樹脂として用いると、定着温度が低いときには問題なく定着ができたとしても、定着温度が高いときにはトナー溶融時の内部凝集力が小さいために定着時にトナー画像の上側が定着部材に付着してしまう、いわゆるホットオフセット現象が発生することがあり、画像品位が著しく損なわれる。ホットオフセットを回避するためにウレタン結合やウレア結合部位を多くすると、高温での定着は問題なく行うことができる反面、低温で定着を行う場合には画像光沢が低くなるし、紙への溶融含浸が不十分となって画像が紙から離脱しやすい状態となる。特に厚みがあり表面の凹凸が多い紙への定着を行う場合には、定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いため定着状態が更に悪化したり、凹部においては定着部材によるトナーへの圧力が十分にかからないため、特に弾性的な状態にあるトナーの定着状態が著しく悪くなる。
このような樹脂をトナー用結着樹脂として用いると、定着温度が低いときには問題なく定着ができたとしても、定着温度が高いときにはトナー溶融時の内部凝集力が小さいために定着時にトナー画像の上側が定着部材に付着してしまう、いわゆるホットオフセット現象が発生することがあり、画像品位が著しく損なわれる。ホットオフセットを回避するためにウレタン結合やウレア結合部位を多くすると、高温での定着は問題なく行うことができる反面、低温で定着を行う場合には画像光沢が低くなるし、紙への溶融含浸が不十分となって画像が紙から離脱しやすい状態となる。特に厚みがあり表面の凹凸が多い紙への定着を行う場合には、定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いため定着状態が更に悪化したり、凹部においては定着部材によるトナーへの圧力が十分にかからないため、特に弾性的な状態にあるトナーの定着状態が著しく悪くなる。
溶融後の粘弾性を制御する手段として分子量を考えた場合、当然ながら分子量が大きいほど分子鎖の移動に障害が多くなるため粘弾性が大きくなる。更に、分子量が大きい場合には絡まりが発生するために弾性的な挙動を示すようになる。紙への定着性に着目して考えると、分子量が小さい方が溶融時の粘度が低いため好ましい反面、ある程度の弾性がなければホットオフセットが発生してしまう。しかしながら、分子量を全体的に上げてしまうと、定着性が損なわれ、特に厚紙においては定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いために定着状態が更に悪化する。そこで、結着樹脂全体としては分子量を大きくし過ぎないようにしつつ、高分子量の結晶性成分を含むようにすることにより、溶融後の粘弾性を好適に制御でき、薄紙や厚紙といった紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着可能なトナーを得ることができる。
なお、重量平均分子量の範囲は20,000〜70,000が好ましく、より好ましくは、30,000〜60,000、特に好ましくは35,000〜50,000である。重量平均分子量が70,000を超えるような場合、結着樹脂全体が高分子量すぎるため定着性が悪化し、光沢が低すぎたり、定着後の画像が外的ストレスで容易に欠落するため好ましくない。また、20,000未満の場合には、いくら高分子量成分が多く存在していたとしても、トナー溶融時の内部凝集力が低くなりすぎ、ホットオフセットや定着部材への紙の巻きつきを引き起こすため好ましくない。
上記のような分子量分布を有する結着樹脂を含有するトナーを得る方法としては、分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する方法、重合時に分子量分布が制御された樹脂を使用する方法が挙げられる。
分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する場合、少なくとも相対的に高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の2種類を使用する。高分子量の樹脂としては、あらかじめ分子量の大きな樹脂を使用してもよいし、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂をトナーの製造過程で伸長させて高分子量体を形成させても良い。後者の方が、高分子量体をトナー中に均一に存在させることができ、結着樹脂を有機溶媒中に溶解させる工程があるような製造方法においては、始めから高分子量である樹脂よりも溶解させることが容易であるため好ましい。
高分子量の樹脂(イソシアネート基を有する変性樹脂も含む)と低分子量の樹脂の2種類で結着樹脂が構成される場合の比率としては、高分子量の樹脂/低分子量の樹脂の比が5/95〜60/40、好ましくは8/92〜50/50、より好ましくは12/88〜35/65、更に好ましくは15/85〜25/75である。5/95よりも高分子量体が少ない場合、あるいは60/40よりも高分子量体が多い場合には、上記の分子量分布を有する結着樹脂を有するトナーを得るのが困難となる。
分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する場合、少なくとも相対的に高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の2種類を使用する。高分子量の樹脂としては、あらかじめ分子量の大きな樹脂を使用してもよいし、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂をトナーの製造過程で伸長させて高分子量体を形成させても良い。後者の方が、高分子量体をトナー中に均一に存在させることができ、結着樹脂を有機溶媒中に溶解させる工程があるような製造方法においては、始めから高分子量である樹脂よりも溶解させることが容易であるため好ましい。
高分子量の樹脂(イソシアネート基を有する変性樹脂も含む)と低分子量の樹脂の2種類で結着樹脂が構成される場合の比率としては、高分子量の樹脂/低分子量の樹脂の比が5/95〜60/40、好ましくは8/92〜50/50、より好ましくは12/88〜35/65、更に好ましくは15/85〜25/75である。5/95よりも高分子量体が少ない場合、あるいは60/40よりも高分子量体が多い場合には、上記の分子量分布を有する結着樹脂を有するトナーを得るのが困難となる。
重合時に分子量分布が制御された樹脂を使用する場合、このような樹脂を得る方法としては、例えば、縮重合や重付加、付加縮合のような重合形態であれば、2官能のモノマーの他に官能基数の異なるモノマーを少量添加することにより分子量分布を広げることができる。官能基数の異なるモノマーとしては、3官能以上のモノマー、単官能のモノマーがあるが、3官能以上のモノマーを使用すると分岐構造が生成するため、結晶性を有する樹脂を使用する場合には結晶構造を形成しにくくなる場合がある。単官能のモノマーを使用すれば、該モノマーにより重合反応が停止することにより2種類以上の樹脂を用いる場合における低分子量の樹脂を精製させつつ、一部は重合反応が進行し高分子量成分となる。
本発明において、トナーのテトラヒドロフラン可溶分及び樹脂の分子量分布や重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC:東ソー社製)を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を使用する。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)により0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下、流速0.35mL/分間で測定する。
分子量は単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行う。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズ及びトルエンを用いる。下記の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作成し、上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成する。
・溶液A:S−7450 2.5mg,S−678 2.5mg,S−46.5 2.5mg,S−2.90 2.5mg,THF 50mL
・溶液B:S−3730 2.5mg,S−257 2.5mg,S−19.8 2.5mg,S−0.580 2.5mg,THF 50mL
・溶液C:S−1470 2.5mg,S−112 2.5mg,S−6.93 2.5mg,トルエン2.5mg,THF 50mL
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
分子量100,000以上の成分の割合、及び分子量250,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000、及び分子量250,000と曲線の交点から調べることができる。
・溶液A:S−7450 2.5mg,S−678 2.5mg,S−46.5 2.5mg,S−2.90 2.5mg,THF 50mL
・溶液B:S−3730 2.5mg,S−257 2.5mg,S−19.8 2.5mg,S−0.580 2.5mg,THF 50mL
・溶液C:S−1470 2.5mg,S−112 2.5mg,S−6.93 2.5mg,トルエン2.5mg,THF 50mL
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
分子量100,000以上の成分の割合、及び分子量250,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000、及び分子量250,000と曲線の交点から調べることができる。
高分子量成分は、結着樹脂全体と樹脂構造が近いことが必要であり、結着樹脂が結晶性を有するのであれば、高分子量成分も同様に結晶性を有する必要がある。高分子量成分が他の樹脂成分と構造が大きく異なる場合、高分子体は容易に相分離し海島状態となるためトナー全体への粘弾性や凝集力の向上への寄与が期待できない。高分子量の成分と結着樹脂全体との結晶性構造の含有程度の比較としては、例えばテトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は重量比で50:50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量〔ΔH(H)〕と、トナーのDSCにおける吸熱量〔ΔH(T)〕の比率〔ΔH(H)/ΔH(T)〕が、0.2〜1.25の範囲にあることが好ましく、0.3〜1.0の範囲にあることがより好ましく、0.4〜0.8の範囲にあることが特に好ましい。
THFと酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は重量比で50:50)に対する不溶分を得るには、常温(20℃)の上記混合溶媒40gに対してトナー0.4gを添加し20分振とう混合した後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させればよい。
THFと酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は重量比で50:50)に対する不溶分を得るには、常温(20℃)の上記混合溶媒40gに対してトナー0.4gを添加し20分振とう混合した後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させればよい。
<着色剤>
前記着色剤としては特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤としては特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用の着色剤、マゼンダ、シアン、イエロー等のカラー用の着色剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
前記黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
マゼンタ用着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
イエロー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤のトナー中の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−p−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、これらのマスターバッチ用樹脂は、本発明における結晶性樹脂であっても何ら問題ない。
また、これらのマスターバッチ用樹脂は、本発明における結晶性樹脂であっても何ら問題ない。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合乃至混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。
前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。
前記混合乃至混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
なお、本発明のトナーは、画像の光沢や質感の均一化、すかし画像などの意匠用、その他の目的のため、顔料を含まないクリアトナーとして用いても良い。
前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤と共に混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。
前記混合乃至混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
なお、本発明のトナーは、画像の光沢や質感の均一化、すかし画像などの意匠用、その他の目的のため、顔料を含まないクリアトナーとして用いても良い。
<帯電制御剤>
本発明のトナーは必要に応じて帯電制御剤を含有しても良い。帯電制御剤としては特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。そのような帯電制御剤としては、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のトナーは必要に応じて帯電制御剤を含有しても良い。帯電制御剤としては特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。そのような帯電制御剤としては、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は市販品を使用してもよく、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいはトナーの各成分と共に、溶解乃至分散させる際に添加してもよく、あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤のトナー中の含有量は、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
前記帯電制御剤のトナー中の含有量は、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましい。含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがあり、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
<外添剤>
本発明のトナーは必要に応じて外添剤を使用しても良い。前記外添剤としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
本発明のトナーは必要に応じて外添剤を使用しても良い。前記外添剤としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えば、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれもヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル社製)などが挙げられる。また、前記酸化チタン微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業社製)、TAF−140(富士チタン工業社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ社製)などが挙げられる。前記疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ社製)、IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子は、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子は、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
また、前記外添剤として、シリコーンオイルで(必要ならば熱を加えて)無機微粒子を処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の添加量は、トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の質量平均粒径は、3〜70nmが好ましい。前記質量平均粒径が3nm未満では、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また、70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
前記外添剤としては、前記無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1〜100nmが好ましく、中でも、5〜70nmの無機微粒子を2種類以上含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の質量平均粒径は、3〜70nmが好ましい。前記質量平均粒径が3nm未満では、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また、70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
前記外添剤としては、前記無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1〜100nmが好ましく、中でも、5〜70nmの無機微粒子を2種類以上含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ、30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
前記酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えば、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。該樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系重合体粒子;熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、トナーに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
<流動性向上剤>
流動性向上剤は、トナーの表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においてもトナーの流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
流動性向上剤は、トナーの表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においてもトナーの流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味し、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
<クリーニング性向上剤>
本発明のトナーは必要に応じてクリーニング性向上剤を使用しても良い。クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される。その例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、質量平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
本発明のトナーは必要に応じてクリーニング性向上剤を使用しても良い。クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される。その例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、質量平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
<磁性材料>
本発明のトナーは非磁性の一成分現像剤として又はキャリアと混合することにより二成分現像剤として使用できるほか、磁性材料を含有させた磁性トナーとしても使用することができる。前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
本発明のトナーは非磁性の一成分現像剤として又はキャリアと混合することにより二成分現像剤として使用できるほか、磁性材料を含有させた磁性トナーとしても使用することができる。前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、芯材を被覆する樹脂層を有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材の材料としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム系材料、50〜90emu/gのマンガン−マグネシウム系材料などが挙げられる。また、画像濃度を確保するためには、100emu/g以上の鉄粉、75〜120emu/gのマグネタイト等の高磁化材料を用いることが好ましい。また、穂立ち状態となっている現像剤の感光体に対する衝撃を緩和でき、高画質化に有利であることから、30〜80emu/gの銅−亜鉛系等の低磁化材料を用いることが好ましい。
これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒子径は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10〜150μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。体積平均粒子径が10μm未満であると、キャリア中に微粉が多くなり、一粒子当たりの磁化が低下してキャリアの飛散が生じることがあり、150μmを超えると、比表面積が低下し、トナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特に、ベタ部の再現が悪くなることがある。
トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤100質量部に対して、90〜98質量部が好ましく、93〜97質量部がより好ましい。
トナーを二成分系現像剤に用いる場合には、前記キャリアと混合して用いればよい。前記二成分現像剤中の前記キャリアの含有量には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記二成分現像剤100質量部に対して、90〜98質量部が好ましく、93〜97質量部がより好ましい。
本発明のトナーは、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置や画像形成方法に好適に用いることができる。
また、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジのトナーとして用いることができる。
また、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジのトナーとして用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」である。
<融点、吸熱ピークの半値幅、ガラス転移温度(Tg)の測定>
各材料の融点及びTgは、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を使用し、下記のようにして測定した。また、これらの測定データに基づいて、下記のようにして吸熱ピークの半値幅を導出した。
試料約10mgをアルミニウム製試料容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉中にセットした。まず、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、その後、室温まで試料を冷却して10分間放置し、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。
Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。また、吸熱ピークからベースラインに対し垂直に線分を引き、線分の中心を通過しベースラインに平行な線が、温度−熱量プロットと交わる2点間の温度差を、吸熱ピークの半値幅とした。
各材料の融点及びTgは、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を使用し、下記のようにして測定した。また、これらの測定データに基づいて、下記のようにして吸熱ピークの半値幅を導出した。
試料約10mgをアルミニウム製試料容器に入れ、それをホルダユニットに載せ、電気炉中にセットした。まず、室温から昇温速度10℃/分で150℃まで加熱した後、150℃で10分間放置し、その後、室温まで試料を冷却して10分間放置し、窒素雰囲気下で再度150℃まで昇温速度10℃/分で加熱してDSC測定を行った。
Tgは、TAS−100システム中の解析システムを用いて、Tg近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点から算出した。また、吸熱ピークからベースラインに対し垂直に線分を引き、線分の中心を通過しベースラインに平行な線が、温度−熱量プロットと交わる2点間の温度差を、吸熱ピークの半値幅とした。
<炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量の測定>
炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により下記のようにして測定した。GC装置はアジレント社製6890N、カラムは、内径0.5mm、長さ10mのUltra Alloy−1(HT)、検出器はアジレント社製5975MSDを使用した。
カラムを40℃/minの昇温スピードで40℃から200℃まで昇温させ、次いで、15℃/minの昇温スピードで350℃まで昇温させ、更に7℃/minの昇温スピードで450℃まで昇温させた。検出条件はScanモードで、m/zは35〜700とした。
測定は、10mLのトルエンにサンプル0.1gを溶解させたものをGCに打ち込んで行った。検出されたピークのフラグメントパターンとリテンションタイムから成分の構造を同定した。炭素数が48以上の直鎖状モノエステルの全ピークの面積を、トータルイオンクロマトグラム(TIC)における全ピークの面積で除したものを、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量とした。
炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により下記のようにして測定した。GC装置はアジレント社製6890N、カラムは、内径0.5mm、長さ10mのUltra Alloy−1(HT)、検出器はアジレント社製5975MSDを使用した。
カラムを40℃/minの昇温スピードで40℃から200℃まで昇温させ、次いで、15℃/minの昇温スピードで350℃まで昇温させ、更に7℃/minの昇温スピードで450℃まで昇温させた。検出条件はScanモードで、m/zは35〜700とした。
測定は、10mLのトルエンにサンプル0.1gを溶解させたものをGCに打ち込んで行った。検出されたピークのフラグメントパターンとリテンションタイムから成分の構造を同定した。炭素数が48以上の直鎖状モノエステルの全ピークの面積を、トータルイオンクロマトグラム(TIC)における全ピークの面積で除したものを、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量とした。
<結晶性樹脂1の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸241部、アジピン酸31部、1,4−ブタンジオール164部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.75部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mw(質量平均分子量)がおよそ18,000に達するまで反応させて、融点58℃の[結晶性樹脂1](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸241部、アジピン酸31部、1,4−ブタンジオール164部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.75部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、225℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mw(質量平均分子量)がおよそ18,000に達するまで反応させて、融点58℃の[結晶性樹脂1](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
<結晶性樹脂2の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ17,000に達するまで反応させて、融点63℃の[結晶性樹脂2](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ17,000に達するまで反応させて、融点63℃の[結晶性樹脂2](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
<結晶性樹脂3の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ドデカン二酸322部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら、8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ6,000に達するまで反応させた。
得られた結晶性樹脂269部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル280部、トリレンジイソシアネート(TDI)85部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwがおよそ18,000、融点68℃の[結晶性樹脂3](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ドデカン二酸322部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら、8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ6,000に達するまで反応させた。
得られた結晶性樹脂269部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル280部、トリレンジイソシアネート(TDI)85部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwがおよそ18,000、融点68℃の[結晶性樹脂3](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
<結晶性樹脂4の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ6,000に達するまで反応させた。
得られた結晶性樹脂249部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)82部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwがおよそ20,000、融点65℃の[結晶性樹脂4](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ6,000に達するまで反応させた。
得られた結晶性樹脂249部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル250部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)82部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwがおよそ20,000、融点65℃の[結晶性樹脂4](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
<結晶性樹脂5の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ7,000に達するまで反応させた。
得られた結晶性樹脂200部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル280部、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)92部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物50部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwがおよそ27,000、融点68℃の[結晶性樹脂5](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ7,000に達するまで反応させた。
得られた結晶性樹脂200部を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、酢酸エチル280部、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)92部、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物50部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwがおよそ27,000、融点68℃の[結晶性樹脂5](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
<結晶性樹脂6の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ39,000に達するまで反応させて、融点65℃の[結晶性樹脂6](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸283部、1,6−ヘキサンジオール215部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しつつ4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwがおよそ39,000に達するまで反応させて、融点65℃の[結晶性樹脂6](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
<非結晶性樹脂1の作製>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物219部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物130部、テレフタル酸26部、イソフタル酸140部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下、230℃常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させて[非結晶性樹脂1]を得た。得られた[非結晶性樹脂1]は、Mw9,100、Tg62℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物219部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物130部、テレフタル酸26部、イソフタル酸140部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下、230℃常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下で反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させて[非結晶性樹脂1]を得た。得られた[非結晶性樹脂1]は、Mw9,100、Tg62℃であった。
<結晶性樹脂のプレポリマーAの作製>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)247部、及び酢酸エチル247部を入れ、更に[結晶性樹脂4]249部を酢酸エチル249部に溶解させた樹脂溶液を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂のプレポリマーA](変性ポリウレタン樹脂)の50質量%酢酸エチル溶液を得た。
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)247部、及び酢酸エチル247部を入れ、更に[結晶性樹脂4]249部を酢酸エチル249部に溶解させた樹脂溶液を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂のプレポリマーA](変性ポリウレタン樹脂)の50質量%酢酸エチル溶液を得た。
<非結晶性樹脂のプレポリマーBの作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて[中間体ポリエステル]を得た。この[中間体ポリエステル]は、数平均分子量2100、Mw9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応させて[非結晶性樹脂のプレポリマーB]を得た。
[非結晶性樹脂のプレポリマーB]の遊離イソシアネート量は、1.53質量%であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧下で5時間反応させて[中間体ポリエステル]を得た。この[中間体ポリエステル]は、数平均分子量2100、Mw9500、Tg55℃、酸価0.5、水酸基価49であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に[中間体ポリエステル]411部、イソホロンジイソシアネート89部、酢酸エチル500部を入れ、100℃で5時間反応させて[非結晶性樹脂のプレポリマーB]を得た。
[非結晶性樹脂のプレポリマーB]の遊離イソシアネート量は、1.53質量%であった。
<合成エステルワックス1の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ステアリルアルコール362部、メリシン酸638部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら200℃で20時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に、水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス1]を得た。
[合成エステルワックス1]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は99質量%であり、融点は79℃、吸熱ピークの半値幅は8℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ステアリルアルコール362部、メリシン酸638部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら200℃で20時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に、水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス1]を得た。
[合成エステルワックス1]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は99質量%であり、融点は79℃、吸熱ピークの半値幅は8℃であった。
<合成エステルワックス2の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール408部、メリシン酸595部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス2]を得た。
[合成エステルワックス2]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は100質量%であり、融点は83℃、吸熱ピークの半値幅は8℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール408部、メリシン酸595部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス2]を得た。
[合成エステルワックス2]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は100質量%であり、融点は83℃、吸熱ピークの半値幅は8℃であった。
<合成エステルワックス3の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール474部、ベヘン酸525部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス3]を得た。
[合成エステルワックス3]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は0質量%であり、融点は70℃、吸熱ピークの半値幅は7℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール474部、ベヘン酸525部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス3]を得た。
[合成エステルワックス3]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は0質量%であり、融点は70℃、吸熱ピークの半値幅は7℃であった。
<合成エステルワックス4の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール438部、ベヘン酸225部、メリシン酸337部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス4]を得た。
[合成エステルワックス4]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は60質量%であり、融点は75℃、吸熱ピークの半値幅は9℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール438部、ベヘン酸225部、メリシン酸337部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス4]を得た。
[合成エステルワックス4]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は60質量%であり、融点は75℃、吸熱ピークの半値幅は9℃であった。
<合成エステルワックス5の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール447部、ベヘン酸320部、メリシン酸232部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス5]を得た。
[合成エステルワックス5]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は42質量%であり、融点は74℃、吸熱ピークの半値幅は10℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール447部、ベヘン酸320部、メリシン酸232部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス5]を得た。
[合成エステルワックス5]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は42質量%であり、融点は74℃、吸熱ピークの半値幅は10℃であった。
<合成エステルワックス6の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール454部、ベヘン酸354部、メリシン酸197部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス6]を得た。
[合成エステルワックス6]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は35質量%であり、融点は72℃、吸熱ピークの半値幅は9℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール454部、ベヘン酸354部、メリシン酸197部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら220℃で18時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス6]を得た。
[合成エステルワックス6]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は35質量%であり、融点は72℃、吸熱ピークの半値幅は9℃であった。
<合成エステルワックス7の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、エチレングリコール61部、メリシン酸951部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら180℃で24時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス7]を得た。
[合成エステルワックス7]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は0質量%であり、融点は72℃、吸熱ピークの半値幅は10℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、エチレングリコール61部、メリシン酸951部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら180℃で24時間反応させた後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌した。次いで、水相を除去し、イオン交換水で3回洗浄し、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス7]を得た。
[合成エステルワックス7]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は0質量%であり、融点は72℃、吸熱ピークの半値幅は10℃であった。
<合成エステルワックス8の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール342部、ステアリルアルコール85部、ベヘン酸254部、メリシン酸310部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら200℃で0時間反応を行った後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、次いで、水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌し、水相を除去し、更に、オン交換水で3回洗浄を行い、190℃で減圧乾燥して、[合成エステルワックス8]を得た。
[合成エステルワックス8]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は44質量%であり、融点は68℃、吸熱ピークの半値幅は11.1℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール342部、ステアリルアルコール85部、ベヘン酸254部、メリシン酸310部を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら200℃で0時間反応を行った後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、次いで、水酸化カリウム水溶液を加えて30分攪拌し、水相を除去し、更に、オン交換水で3回洗浄を行い、190℃で減圧乾燥して、[合成エステルワックス8]を得た。
[合成エステルワックス8]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は44質量%であり、融点は68℃、吸熱ピークの半値幅は11.1℃であった。
<合成エステルワックス9の作製>
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール342部、ステアリルアルコール85部、ベヘン酸254部、メリシン酸310部、を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら200℃で17時間反応を行った後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて20分攪拌した後、水相を除去し、更にイオン交換水で1回洗浄を行い、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス9]を得た。
[合成エステルワックス9]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は41質量%であり、融点は64℃、吸熱ピークの半値幅は14.4℃であった。
冷却管、撹拌機及び窒索導入管の付いた反応容器中に、ベヘニルアルコール342部、ステアリルアルコール85部、ベヘン酸254部、メリシン酸310部、を投入し、窒素雰囲気下、水を系外に留去しながら200℃で17時間反応を行った後、80℃まで冷却し、トルエンとエタノールの混合溶媒を加え、更に水酸化カリウム水溶液を加えて20分攪拌した後、水相を除去し、更にイオン交換水で1回洗浄を行い、190℃で減圧乾燥して[合成エステルワックス9]を得た。
[合成エステルワックス9]の、炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量は41質量%であり、融点は64℃、吸熱ピークの半値幅は14.4℃であった。
<着色剤分散液の作製方法>
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア社製)4部、及び酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルにより銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。
粒子径測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した[着色剤分散液1]の体積平均粒径は0.3μmであった。
ビーカー内に銅フタロシアニン20部と着色剤分散剤(ソルスパーズ28000;アビシア社製)4部、及び酢酸エチル76部を入れ、攪拌して均一分散させた後、ビーズミルにより銅フタロシアニンを微分散して、[着色剤分散液1]を得た。
粒子径測定装置LA−920(堀場製作所製)で測定した[着色剤分散液1]の体積平均粒径は0.3μmであった。
<離型剤分散液1の作製>
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、[合成エステルワックス1]15部及び酢酸エチル85部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間かけて30℃まで冷却した後、更にウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕した。最後に固形分濃度が15質量%になるように酢酸エチルを追加して調整し、[離型剤分散液1]を得た。
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、[合成エステルワックス1]15部及び酢酸エチル85部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間かけて30℃まで冷却した後、更にウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕した。最後に固形分濃度が15質量%になるように酢酸エチルを追加して調整し、[離型剤分散液1]を得た。
<離型剤分散液2〜7の作製>
[合成エステルワックス1]を[合成エステルワックス2〜7]に変えた点以外は離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液2〜7]を得た。
[合成エステルワックス1]を[合成エステルワックス2〜7]に変えた点以外は離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液2〜7]を得た。
<離型剤分散液8の作製>
[合成エステルワックス1]をサンフラワーワックス(炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量53質量%、融点78℃、吸熱ピークの半値幅6.6℃)に変えた点以外は、離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液8]を得た。
[合成エステルワックス1]をサンフラワーワックス(炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量53質量%、融点78℃、吸熱ピークの半値幅6.6℃)に変えた点以外は、離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液8]を得た。
<離型剤分散液9の作製>
[合成エステルワックス1]をパラフィンワックス(炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量0質量%、融点76℃、吸熱ピークの半値幅3.9℃)に変えた点以外は離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液9]を得た。
[合成エステルワックス1]をパラフィンワックス(炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量0質量%、融点76℃、吸熱ピークの半値幅3.9℃)に変えた点以外は離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液9]を得た。
<離型剤分散液10の作製>
[合成エステルワックス1]を[合成エステルワックス8]に変えた点以外は、離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液10]を得た。
[合成エステルワックス1]を[合成エステルワックス8]に変えた点以外は、離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液10]を得た。
<離型剤分散液11の作製>
[合成エステルワックス1]を[合成エステルワックス9]に変えた点以外は、離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液11]を得た。
[合成エステルワックス1]を[合成エステルワックス9]に変えた点以外は、離型剤分散液1の場合と同様にして[離型剤分散液11]を得た。
(樹脂溶液1〜6の作製)
温度計及び撹拌機の付いた反応容器中に、[結晶性樹脂1〜6]100部、酢酸エチル100部を入れ、50℃まで加温し攪拌して均一相とし[樹脂溶液1〜6]を得た。
温度計及び撹拌機の付いた反応容器中に、[結晶性樹脂1〜6]100部、酢酸エチル100部を入れ、50℃まで加温し攪拌して均一相とし[樹脂溶液1〜6]を得た。
−キャリアAの作製−
芯材として、Mnフェライト粒子(質量平均径:35μm)5,000部、並びに被覆材として、トルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、不揮発分50質量%)472部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)11部、及びカーボンブラック12部を、スターラーで15分間分散して調製したコート液を用い、前記芯材とこのコート液を、流動床内で回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入し、該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、3時間の条件で焼成し、[キャリアA]を得た。
芯材として、Mnフェライト粒子(質量平均径:35μm)5,000部、並びに被覆材として、トルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、不揮発分50質量%)472部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)11部、及びカーボンブラック12部を、スターラーで15分間分散して調製したコート液を用い、前記芯材とこのコート液を、流動床内で回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入し、該コート液を芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、3時間の条件で焼成し、[キャリアA]を得た。
[実施例1]
ビーカー内に[樹脂溶液3]45部、[樹脂溶液6]15部、[離型剤分散液1]14部、及び[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃でTK式ホモミキサーにより8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[トナー材料液1]を得た。
一方、ビーカー内にイオン交換水99部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液6部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(三洋化成工業社製:エレミノールMON−7)10部を入れ、均一に溶解した。次いで、50℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、前記[トナー材料液1]75部を投入し、2分間撹拌した。
次いで、この混合液を撹拌棒及び温度計付のコルベンに移し、55℃で、濃度が0.5質量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を得た。
次いで、前洗浄工程として、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を室温まで冷ました後、濾別し、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
次いで、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行い、得られた濾過ケーキに1質量%塩酸300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。最後に得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られたケーキを解砕した後、40℃で22時間乾燥して、体積平均粒径が5.6μmの[樹脂粒子1]を得た。
得られた[樹脂粒子1]100部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1を作製した。トナー1中の離型剤の含有量は4質量%であった。
ビーカー内に[樹脂溶液3]45部、[樹脂溶液6]15部、[離型剤分散液1]14部、及び[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃でTK式ホモミキサーにより8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[トナー材料液1]を得た。
一方、ビーカー内にイオン交換水99部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25質量%水性分散液6部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、及びドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(三洋化成工業社製:エレミノールMON−7)10部を入れ、均一に溶解した。次いで、50℃で、TK式ホモミキサーを10,000rpmに撹拌しながら、前記[トナー材料液1]75部を投入し、2分間撹拌した。
次いで、この混合液を撹拌棒及び温度計付のコルベンに移し、55℃で、濃度が0.5質量%以下となるまで酢酸エチルを留去し、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を得た。
次いで、前洗浄工程として、[樹脂粒子の水性樹脂分散体1]を室温まで冷ました後、濾別し、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
次いで、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行い、得られた濾過ケーキに1質量%塩酸300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。最後に得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られたケーキを解砕した後、40℃で22時間乾燥して、体積平均粒径が5.6μmの[樹脂粒子1]を得た。
得られた[樹脂粒子1]100部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー1を作製した。トナー1中の離型剤の含有量は4質量%であった。
[実施例2]
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液2]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子2]を得、これを用いてトナー2を作製した。
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液2]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子2]を得、これを用いてトナー2を作製した。
[実施例3]
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液4]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子3]を得、これを用いてトナー3を作製した。
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液4]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子3]を得、これを用いてトナー3を作製した。
[実施例4]
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液5]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子4]を得、これを用いてトナー4を作製した。
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液5]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子4]を得、これを用いてトナー4を作製した。
[実施例5]
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液8]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子5]を得、これを用いてトナー5を作製した。
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液8]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子5]を得、これを用いてトナー5を作製した。
[実施例6]
実施例5における[離型剤分散液8]の部数を14部から49部に変えた点以外は、実施例5と同様にして[樹脂粒子6]を得、これを用いてトナー6を作製した。トナー6中の離型剤の含有量は14質量%であった。
実施例5における[離型剤分散液8]の部数を14部から49部に変えた点以外は、実施例5と同様にして[樹脂粒子6]を得、これを用いてトナー6を作製した。トナー6中の離型剤の含有量は14質量%であった。
[実施例7]
実施例5における[離型剤分散液8]の部数を14部から7部に変えた点以外は、実施例5と同様にして[樹脂粒子7]を得、これを用いてトナー7を作製した。トナー7中の離型剤の含有量は2質量%であった。
実施例5における[離型剤分散液8]の部数を14部から7部に変えた点以外は、実施例5と同様にして[樹脂粒子7]を得、これを用いてトナー7を作製した。トナー7中の離型剤の含有量は2質量%であった。
[実施例8]
実施例1における[樹脂溶液3]を[樹脂溶液1]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子8]を得、これを用いてトナー8を作製した。
実施例1における[樹脂溶液3]を[樹脂溶液1]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子8]を得、これを用いてトナー8を作製した。
[実施例9]
実施例4における[樹脂溶液6]を[結晶性樹脂のプレポリマーA]に変えた点以外は実施例4と同様にして[樹脂粒子9]を得、これを用いてトナー9を作製した。
実施例4における[樹脂溶液6]を[結晶性樹脂のプレポリマーA]に変えた点以外は実施例4と同様にして[樹脂粒子9]を得、これを用いてトナー9を作製した。
[実施例10]
実施例9における[樹脂溶液3]を[樹脂溶液5]に変えた点以外は、実施例9と同様にして[樹脂粒子10]を得、これを用いてトナー10を作製した。
実施例9における[樹脂溶液3]を[樹脂溶液5]に変えた点以外は、実施例9と同様にして[樹脂粒子10]を得、これを用いてトナー10を作製した。
[実施例11](凝集法トナー)
(結晶性樹脂ラテックス1の調製)
[結晶性樹脂1]40gをイオン交換水360gに加え、90℃に加熱した後、4質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.5に調整し、10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液0.8gを加えながら、IKA社製のウルトラタラックスT50を用いて、8000rpmで攪拌し、中心径320nmの結晶性樹脂ラテックス1を作製した。このラテックスの固形分濃度は11質量%であった。
(結晶性樹脂ラテックス1の調製)
[結晶性樹脂1]40gをイオン交換水360gに加え、90℃に加熱した後、4質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH=7.5に調整し、10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液0.8gを加えながら、IKA社製のウルトラタラックスT50を用いて、8000rpmで攪拌し、中心径320nmの結晶性樹脂ラテックス1を作製した。このラテックスの固形分濃度は11質量%であった。
(結晶性樹脂ラテックス2の調製)
イオン交換水360gに10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を1.1g添加し、更に4質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH=9.0に調整して水相を作製し、これを55℃に加熱した。次いで、80gの[結晶性樹脂のプレポリマーA]を55℃に加熱して流動する状態にしたものを水相に投入し、IKA社製のウルトラタラックスT50を用いて、8000rpmで10分間攪拌した後、酢酸エチル濃度が0.5質量%になるまで除去し、中心径350nmの結晶性樹脂ラテックス2を作製した。このラテックスの固形分濃度は10質量%であった。
イオン交換水360gに10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸水溶液を1.1g添加し、更に4質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH=9.0に調整して水相を作製し、これを55℃に加熱した。次いで、80gの[結晶性樹脂のプレポリマーA]を55℃に加熱して流動する状態にしたものを水相に投入し、IKA社製のウルトラタラックスT50を用いて、8000rpmで10分間攪拌した後、酢酸エチル濃度が0.5質量%になるまで除去し、中心径350nmの結晶性樹脂ラテックス2を作製した。このラテックスの固形分濃度は10質量%であった。
(シアン顔料分散液B−1の調製)
下記組成の材料を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)と超音波照射により分散し、中心粒径150nmのシアン顔料分散液B−1を得た。
・シアン顔料 C.I.Pigment Blue 15:3 50g
(銅フタロシアニン 大日本インキ社製)
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5g
・イオン交換水 200g
下記組成の材料を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックス)と超音波照射により分散し、中心粒径150nmのシアン顔料分散液B−1を得た。
・シアン顔料 C.I.Pigment Blue 15:3 50g
(銅フタロシアニン 大日本インキ社製)
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5g
・イオン交換水 200g
(離型剤分散液C−1の調製)
下記組成の材料を混合し、97℃に加熱した後、IKA社製ウルトラタラックスT50で分散した。その後、ゴーリンホモジナイザー(盟和商事社製)で分散処理し、105℃、550kg/cm2の条件で20回処理して、中心径190nmの離型剤分散液C−1を得た。
・[合成エステルワックス1] 100g
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5g
・イオン交換水 300g
下記組成の材料を混合し、97℃に加熱した後、IKA社製ウルトラタラックスT50で分散した。その後、ゴーリンホモジナイザー(盟和商事社製)で分散処理し、105℃、550kg/cm2の条件で20回処理して、中心径190nmの離型剤分散液C−1を得た。
・[合成エステルワックス1] 100g
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC(第一工業製薬社製) 5g
・イオン交換水 300g
(樹脂粒子11の調製)
・結晶性樹脂ラテックス1 260部
・結晶性樹脂ラテックス2 120部
・シアン顔料分散液B−1 10部
・離型剤分散液C−1 8部
・ポリ塩化アルミニウム 0.15部
・イオン交換水 400部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、粒子の凝集を行った。粒径が5.7μmになったことを確認したところで、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整し、攪拌を継続しながら70℃まで加熱した。70℃まで昇温させる間に、系内のpHは、5.6程度まで低下したが、そのまま保持した。円形度が0.972になったところで、冷却した。
次いで濾別し、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
次に、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行い、得られた濾過ケーキに1質量%塩酸300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。最後に得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られたケーキを解砕した後、40℃で22時間乾燥させ、体積平均粒径が5.6μmの[樹脂粒子11]を得た。
・結晶性樹脂ラテックス1 260部
・結晶性樹脂ラテックス2 120部
・シアン顔料分散液B−1 10部
・離型剤分散液C−1 8部
・ポリ塩化アルミニウム 0.15部
・イオン交換水 400部
上記材料を丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて十分に混合・分散した後、加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、粒子の凝集を行った。粒径が5.7μmになったことを確認したところで、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを6.0に調整し、攪拌を継続しながら70℃まで加熱した。70℃まで昇温させる間に、系内のpHは、5.6程度まで低下したが、そのまま保持した。円形度が0.972になったところで、冷却した。
次いで濾別し、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。
次に、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を3回行い、得られた濾過ケーキに1質量%塩酸300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。最後に得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。
得られたケーキを解砕した後、40℃で22時間乾燥させ、体積平均粒径が5.6μmの[樹脂粒子11]を得た。
(トナー11の作製)
得られた[樹脂粒子11]100部と、外添剤の疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて周速30m/秒で30秒間混合し1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー11を作製した。
得られた[樹脂粒子11]100部と、外添剤の疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて周速30m/秒で30秒間混合し1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー11を作製した。
[実施例12]
着色剤分散液1を使用しない点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子12]を得、これを用いてトナー12を作製した。
着色剤分散液1を使用しない点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子12]を得、これを用いてトナー12を作製した。
[実施例13]
実施例5における[離型剤分散液8]の部数を、14部から77部に変えた点以外は、実施例5と同様にして[樹脂粒子13]を得、これを用いてトナー13を作製した。トナー13中の離型剤の含有量は22質量%であった。
実施例5における[離型剤分散液8]の部数を、14部から77部に変えた点以外は、実施例5と同様にして[樹脂粒子13]を得、これを用いてトナー13を作製した。トナー13中の離型剤の含有量は22質量%であった。
[実施例14]
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液10]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子14]を得、これを用いてトナー14を作製した。なお、トナー14は50℃で一日放置しておいたらブロッキングしてしまったが、トナー1〜13ではそのようなことは起こらなかった。
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液10]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子14]を得、これを用いてトナー14を作製した。なお、トナー14は50℃で一日放置しておいたらブロッキングしてしまったが、トナー1〜13ではそのようなことは起こらなかった。
[実施例15]
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液11]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子15]を得、これを用いてトナー15を作製した。なお、トナー15は50℃で一日放置したところブロッキングしてしまった。
実施例1における[離型剤分散液1]を[離型剤分散液11]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子15]を得、これを用いてトナー15を作製した。なお、トナー15は50℃で一日放置したところブロッキングしてしまった。
[実施例16]
ビーカー内に[樹脂溶液3]25部、[非結晶性樹脂1]10部、酢酸エチル10部、[樹脂溶液6]10部、[非結晶性のプレポリマーB]5部、[離型剤分散液1]14部、及び[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃でTK式ホモミキサーにより8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[トナー材料液16]を得た。
実施例1における[トナー材料液6]を上記[トナー材料液16]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子16]を得、これを用いてトナー16を作製した。
ビーカー内に[樹脂溶液3]25部、[非結晶性樹脂1]10部、酢酸エチル10部、[樹脂溶液6]10部、[非結晶性のプレポリマーB]5部、[離型剤分散液1]14部、及び[着色剤分散液1]10部を入れ、50℃でTK式ホモミキサーにより8,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[トナー材料液16]を得た。
実施例1における[トナー材料液6]を上記[トナー材料液16]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子16]を得、これを用いてトナー16を作製した。
[実施例17]
トナー材料液中に[造核剤](ADEKA社製アデカスタブNA−11、融点400℃)0.06部を追加した点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子17]を得、これを用いてトナー17を作製した。
トナー材料液中に[造核剤](ADEKA社製アデカスタブNA−11、融点400℃)0.06部を追加した点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子17]を得、これを用いてトナー17を作製した。
[実施例18]
実施例1における[樹脂溶液6]を[非結晶性のプレポリマーB]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子18]を得、これを用いてトナー18を作製した。
実施例1における[樹脂溶液6]を[非結晶性のプレポリマーB]に変えた点以外は、実施例1と同様にして[樹脂粒子18]を得、これを用いてトナー18を作製した。
[比較例1]
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液3]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子101]を得、これを用いてトナー101を作製した。
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液3]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子101]を得、これを用いてトナー101を作製した。
[比較例2]
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液9]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子102]を得、これを用いてトナー102を作製した。
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液9]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子102]を得、これを用いてトナー102を作製した。
[比較例3]
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液6]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子103]を得、これを用いてトナー103を作製した。
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液6]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子103]を得、これを用いてトナー103を作製した。
[比較例4]
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液7]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子104]を得、これを用いてトナー104を作製した。
[離型剤分散液1]を[離型剤分散液7]に変えた点以外は実施例1と同様にして[樹脂粒子104]を得、これを用いてトナー104を作製した。
上記実施例及び比較例の各トナーについて、前述した方法により、(C)/〔(C)+(A)〕、T1−T2、T2、分子量100,000以上の樹脂の割合、重量平均分子量、ΔH(H)/ΔH(T)を測定した、。また、以下のようにして定着離型性、低温定着性、定着排紙口汚染を評価した。結果を纏めて表1に示す。
[定着離型性]
薄紙として複写印刷用紙<55>(リコー社製)のT目の用紙に、図3に示すように紙の先端から5mm空けて、50mmの幅のベタ画像をトナー付着量0.85±0.1mg/cm2で10枚形成した。定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を外部制御により160℃又は220℃に設定して作製した画像を通紙したときの紙の離型の状態を以下の基準で評価した。
◎……10枚とも問題なく定着可能であった。
○……何枚か定着ローラに巻き込まれそうになったが、紙詰まりすることはなかった。
△……定着ローラに巻き込まれ紙詰まりしたものが1〜2枚あった。
▲……定着ローラに巻き込まれ紙詰まりしたものが3〜6枚あった。
×……7枚以上定着ローラに巻き込まれ紙詰まりした。
また、160℃に設定して問題なく通紙した画像面を観察したときに、通紙方向の画像傷(搬送傷)の有無を確認し、以下の基準で評価した。
◎……まったく搬送傷が見られない。
○……見る角度によっては極わずかに搬送傷が見られる。
△……どの角度から見てもわずかに搬送傷が確認できる。
×……どの角度から見ても明らかに搬送傷が確認できる。
薄紙として複写印刷用紙<55>(リコー社製)のT目の用紙に、図3に示すように紙の先端から5mm空けて、50mmの幅のベタ画像をトナー付着量0.85±0.1mg/cm2で10枚形成した。定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度を外部制御により160℃又は220℃に設定して作製した画像を通紙したときの紙の離型の状態を以下の基準で評価した。
◎……10枚とも問題なく定着可能であった。
○……何枚か定着ローラに巻き込まれそうになったが、紙詰まりすることはなかった。
△……定着ローラに巻き込まれ紙詰まりしたものが1〜2枚あった。
▲……定着ローラに巻き込まれ紙詰まりしたものが3〜6枚あった。
×……7枚以上定着ローラに巻き込まれ紙詰まりした。
また、160℃に設定して問題なく通紙した画像面を観察したときに、通紙方向の画像傷(搬送傷)の有無を確認し、以下の基準で評価した。
◎……まったく搬送傷が見られない。
○……見る角度によっては極わずかに搬送傷が見られる。
△……どの角度から見てもわずかに搬送傷が確認できる。
×……どの角度から見ても明らかに搬送傷が確認できる。
[低温定着性]
前記[定着離型性]の場合と同じ装置を用いて、定着ベルトの温度を外部制御で85℃から5℃刻みで上げていき、普通紙及び厚紙の転写紙タイプ6200(リコー社製)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ定着画像を形成した。
定着画像について、目視でベタ画像が欠損無く定着されており、かつ上島製作所製描画試験器AD−401を使用し、定着画像の着色部分にサファイヤ針(半径125μm)を針回転直径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させ、サファイヤ針尖端部の走行面を目視で観察し、引っかき傷が全く見られない最低温度を最低定着温度とした。
前記[定着離型性]の場合と同じ装置を用いて、定着ベルトの温度を外部制御で85℃から5℃刻みで上げていき、普通紙及び厚紙の転写紙タイプ6200(リコー社製)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cm2のベタ定着画像を形成した。
定着画像について、目視でベタ画像が欠損無く定着されており、かつ上島製作所製描画試験器AD−401を使用し、定着画像の着色部分にサファイヤ針(半径125μm)を針回転直径8mm、荷重1gの条件で当接した状態で走行させ、サファイヤ針尖端部の走行面を目視で観察し、引っかき傷が全く見られない最低温度を最低定着温度とした。
[定着排紙口汚染]
[キャリアA]200部に対し上記で作製したトナー14部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで3分間均一混合し、二成分現像用現像剤を得た。得られた二成分現像剤を電子写真方式の複合機(MP C4001A SP、リコー社製)の現像ユニットにセットし、更に別途現像剤に使用したものと同じトナーをトナーボトルに充填してセットし、全面ベタ画像を連続して1000枚印字した時の1000枚目の画像の状態を観察して、以下の基準で評価した。
◎……定着画像に傷は全く見られず、定着排紙口にも付着物は見当たらない。
○……定着画像に傷は全く見られないが、定着排紙口には若干の付着物が見られる。
△……定着画像にわずかに傷が見られ、定着排紙口にも付着物が見られる。
×……定着画像に明確な傷が見られ、定着排紙口にも付着物が見られる。
[キャリアA]200部に対し上記で作製したトナー14部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで3分間均一混合し、二成分現像用現像剤を得た。得られた二成分現像剤を電子写真方式の複合機(MP C4001A SP、リコー社製)の現像ユニットにセットし、更に別途現像剤に使用したものと同じトナーをトナーボトルに充填してセットし、全面ベタ画像を連続して1000枚印字した時の1000枚目の画像の状態を観察して、以下の基準で評価した。
◎……定着画像に傷は全く見られず、定着排紙口にも付着物は見当たらない。
○……定着画像に傷は全く見られないが、定着排紙口には若干の付着物が見られる。
△……定着画像にわずかに傷が見られ、定着排紙口にも付着物が見られる。
×……定着画像に明確な傷が見られ、定着排紙口にも付着物が見られる。
Claims (15)
- 少なくとも結着樹脂及び離型剤を含有し、結着樹脂の主成分が結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂であるトナーにおいて、離型剤中の炭素数48以上の直鎖状モノエステルの含有量が40質量%以上であることを特徴とするトナー。
- 前記離型剤の融点が80℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記離型剤の吸熱ピーク半値幅が10℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記離型剤の含有量が3〜20質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/〔(C)+(A)〕が、0.15以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーのDSCにおける0〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピークT1と、降温時の最大発熱ピークT2が下記の関係式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のトナー。
T1−T2≦30℃、かつ、T2≧30℃ ・・・(1)
(但し、昇温時の0℃から100℃までの昇温速度を10℃/minとし、100℃から0℃までの降温速度を10℃/minとする。) - 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル拡散クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が5質量%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000〜70,000であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のトナー。
- 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(T)(J/g)、前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(H)(J/g)としたとき、ΔH(H)/ΔH(T)が0.2〜1.25であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂がウレタン結合とウレア結合のいずれかを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂が、ポリエステルとポリウレタンとのブロックポリマーであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のトナー。
- 前記結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂を2種類以上含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のトナー。
- 水系媒体中で造粒して得たものであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のトナー。
- 前記の樹脂のうち、少なくとも一つは末端にイソシアネート基を有する変性結晶性樹脂であり、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のトナー。
- 請求項1〜13のいずれかに記載のトナーとキャリアを含むことを特徴とする現像剤。
- 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記トナーが、請求項1〜13のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
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