JP6028421B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6028421B2
JP6028421B2 JP2012149635A JP2012149635A JP6028421B2 JP 6028421 B2 JP6028421 B2 JP 6028421B2 JP 2012149635 A JP2012149635 A JP 2012149635A JP 2012149635 A JP2012149635 A JP 2012149635A JP 6028421 B2 JP6028421 B2 JP 6028421B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
resin
image
acid
crystalline
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012149635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014013265A (ja
Inventor
由紀子 中島
由紀子 中島
中山 慎也
慎也 中山
山本 淳史
淳史 山本
雅英 山田
雅英 山田
山東 秀行
秀行 山東
涼香 雨森
涼香 雨森
歩 佐藤
歩 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2012149635A priority Critical patent/JP6028421B2/ja
Publication of JP2014013265A publication Critical patent/JP2014013265A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6028421B2 publication Critical patent/JP6028421B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、複写機、静電印刷、プリンター、ファクシミリ、静電記録等の電子写真方式の画像形成に用いられるトナーの製造方法に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着する定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。
近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットともいう)が発生し易くなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングし易くなる問題があった。
これらの問題を解決できる技術として、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが知られている。結晶性樹脂は、樹脂の融点で急激に軟化することができ、融点以下における耐熱保存性を担保しながら、トナーの軟化温度を融点付近にまで下げることが可能である。したがって、低温定着性と耐熱保存性を両立させることができる。
結晶性樹脂を用いたトナーとしては、例えば、結晶性ポリエステルをジイソシアネートで伸長させた結晶性樹脂を結着樹脂に用いたトナーが開示されている(特許文献1及び2参照)。しかし、これらのトナーは、低温定着性には優れるが、耐ホットオフセット性が不十分であり、要求される品質には達していなかった。
また、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナーが開示されている(特許文献3参照)。このトナーは、それまでの従来技術に較べて耐ホットオフセット性を改善できる。また、軟化温度と融解熱ピーク温度の比率と粘弾特性を規定し、低温定着性と耐熱保存性に優れた樹脂粒子の技術も開示されている(特許文献4参照)。
しかしながら、これらのような結晶性樹脂を結着樹脂の主成分として用いたトナーは、樹脂の特性から耐衝撃性には優れるが、ビッカース硬さのような押し込み硬さには弱かった。また、熱定着時に定着媒体上で溶融したトナーが、再び結晶化するまでには時間を要するため、画像表面の硬度が速やかに回復できないという問題があった。このため、定着後の排紙工程における排紙ローラ等によって、画像表面にローラ跡による光沢変化や傷が発生する問題があった。更には、トナーの再結晶化によって画像表面の硬度が回復した後においても、硬度が不十分なため、引っ掻きや擦れに弱い画像となる問題があった。
そこで、結晶性樹脂のデュロメーター硬度を規定し、無機微粒子をトナー中に含有させることによって、トナーの耐ストレス性を向上させる技術が開示されている(特許文献5参照)。しかしながら、出力画像の耐擦性を改善できるものではなく、また、無機微粒子によって定着性が大きく阻害され、結晶性樹脂の低温定着性を著しく悪化する課題があり、結晶性樹脂を結着樹脂の主成分として用いたトナー画像の上記課題に関して解決する技術は未だ見つかっていないのが現状である。
また、近年、高画質化への要求が高まっており、特に高精細なカラー画像形成を実現させるため、トナーの小粒径化、球形化が進められている。小粒径化により、ドットの再現性が良好になり、球形化により現像性、転写性の向上を図ることができる。しかしながら、トナーを数μm以下まで小粒径化すると、トナーと感光体との間に働くファンデルワールス力等の非静電的付着力が自重に対して増すため、感光体からの離型性が悪くなり、転写性、クリーニング性等に影響を及ぼす。更に、真球に近いトナーは、感光体表面を転がり易く、感光体とクリーニングブレードの間隙をすり抜けてしまうため、従来から使用されているブレードクリーニングではクリーニングされにくいという問題点があり、トナー特性の一つとしてクリーニング性を改善することは重要である。
クリーニング性向上を目的として、球形、小粒径トナーの形状を制御する提案は種々なされており、例えば、無機フィラーを異形化剤として添加したトナーが開示されている(特許文献6参照)。しかしながら、クリーニング性には優れるものの、トナー表面がフィラーで覆われてしまい、定着時の結着樹脂の染みだしを阻害してしまうという課題があった。また、表面にビニル系樹脂微粒子よりなる突起部を有する乾式静電荷像現像用トナーが開示されており(特許文献7参照)、クリーニング性に優れるが、コア層部分に用いられている樹脂の溶解粘度は高く、低温定着が十分達成されていない。
本発明は、前記従来技術の問題点を解決し、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、低温定着性及び耐熱保存性に優れると共に、結晶性樹脂特有の課題であるトナーの耐ストレス性の不足(トナー出力画像の耐擦性、排紙ローラのコロ跡発生)を解消し、更にクリーニング性が良好なトナーの製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、結晶性樹脂の骨格にウレタン結合及び/又はウレア結合を導入することにより該骨格に由来する凝集力が増大し、結晶性樹脂の硬度を向上させることが可能であることを見出した。
更に、ウレタン結合及び/又はウレア結合の導入だけでは、出力画像の硬度を充分に得ることができず、DSCで測定される融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)が58〜75℃である離型剤を使用することにより、充分な硬度の出力画像が得られることを見出した。
詳細なメカニズムは不明であるが、表面離型剤露出量の多いトナーが形成され、該トナーで画像を形成した時、画像表面に離型剤が充分に染み出した状態となって表面摩擦係数が低下するため、画像形成装置から排紙された際の排紙ローラ跡を抑制でき、出力画像の耐擦性も向上すると考えられる。
更に前記特定のTm(℃)の離型剤を使用することにより、トナー形状が制御可能となり、比較的異形化したトナーが形成され、クリーニング性が向上することも見出した。
即ち、上記課題は、次の1)の発明によって解決される。
1) 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、前記結着樹脂としてウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有し、かつ前記結着樹脂の50質量%以上が結晶性樹脂であり、前記離型剤のDSCで測定される融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)が58〜75℃であり、トナーの下記(式1)で与えられる平均円形度Xが0.955〜0.985である電子写真用トナーの製造方法であって、
X=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%(式1

少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を沸点Ta(℃)の有機溶媒中に溶解又は分散させた油相を、下記(式2)で与えられる温度Tb(℃)の加温下で水系媒体中に分散又は乳化してトナー粒子を造粒することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
(Tm−20)<Tb<Ta (式2)
本発明によれば、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有するトナーの製造方法において、低温定着性及び耐熱保存性に優れるとともに、結晶性樹脂特有の課題であるトナーの耐ストレス性の不足(トナー出力画像の耐擦性、排紙ローラのコロ跡発生)を解消し、更にクリーニング性が良好なトナーの製造方法を提供できる。
画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 画像形成装置の他の例を示す概略説明図である。 図2に示す画像形成装置の一部拡大概略説明図である。 画像形成装置で用いられるプロセスカートリッジの一例を示す概略説明図である。
以下、上記本発明1)について詳しく説明する。また、本発明の実施の形態には以下の2)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、前記結着樹脂としてウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有し、かつ前記結着樹脂の50質量%以上が結晶性樹脂であり、前記離型剤のDSCで測定される融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)が58〜75℃であり、トナーの下記(式1)で与えられる平均円形度Xが0.955〜0.985である電子写真用トナーの製造方法であって、
X=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%(式1)

少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を、沸点Ta(℃)の有機溶媒中に溶解又は分散させた油相を、水系媒体中に分散又は乳化してトナー粒子を造粒し、該トナー粒子中の有機溶媒を、下記(式3)で与えられる温度Tc(℃)の加温下で留去することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法
(Tm−10)<Tc<Ta (式3)
<結着樹脂>
本発明のトナーにおける結着樹脂は、結晶性樹脂を該結着樹脂に対して50質量%以上含有し、実質的に結着樹脂の主成分が結晶性樹脂からなる。結晶性樹脂による優れた低温定着性と耐熱保存性を十分に発現させるには、好ましくは結晶性樹脂が65質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは95質量%以上とする。50質量%未満では、結着樹脂の熱急峻性がトナーの粘弾特性において発現されず、低温定着性と耐熱保存性の両立は難しい。
前記結晶性樹脂はウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有する。結晶性樹脂の骨格にウレタン結合及び/又はウレア結合を導入すると、該骨格に由来する凝集力が増大し、結晶性樹脂の硬度を上げることができる。ウレタン結合及び/又はウレア結合を導入しない場合には、結晶性樹脂の硬度が低下し、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化する可能性がある。
上記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂以外の結着樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂などの結晶性樹脂又は非結晶性樹脂を用いることができる。
トナー中の結着樹脂の含有量は、結着樹脂としての機能を果たしさえすれば特に制限はないが、トナー100質量部に対し、好ましくは50質量部以上、より好ましくは70質量部以上、更に好ましくは80質量部以上である。
本発明のトナーにおける「結晶性樹脂」とは、高化式フローテスターにより測定される軟化温度(Tf)と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度(Td)との比「(Tf)/(Td)」が0.8〜1.60であって、熱により急峻に軟化する性状を有する樹脂をいう。
また、「非結晶性樹脂」とは、「(Tf)/(Td)」が1.60より大きく、熱により緩やかに軟化する性状を有する樹脂をいう。
なお、樹脂及びトナーの軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D:島津製作所製)を用いて測定できる。1gの試料樹脂又はトナーを昇温速度3℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより2.94MPaの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とする。
樹脂及びトナーの融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60:島津製作所製)を用いて測定できる。測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定し、吸発熱量と温度とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度をTd*とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTd*とする。その後、試料を(Td*−10)℃で6時間保管した後、更に(Td*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定し、同様のグラフを描いて、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とする。
<<結晶性樹脂>>
前記ウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂としては、主鎖にウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂が好ましく、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ウレタン変性及び/又はウレア変性された樹脂;ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリアミド樹脂、ウレア変性ポリアミド樹脂、ウレタン変性ビニル樹脂、ウレア変性ビニル樹脂、ウレタン変性ポリエーテル樹脂、ウレア変性ポリエーテル樹脂、ウレア変性ウレタン樹脂などが挙げられる。中でも、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂が好適に用いられる。前記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とポリオールとを反応させて得られる樹脂である。また、前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂とアミン類とを反応させて得られる樹脂である。
結晶性樹脂は、結晶性部と非結晶性部をもつブロック樹脂でもよい。結晶性部を形成する樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましい。また非結晶性部を形成する樹脂には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂(ポリスチレン、スチレンアクリル系ポリマー等)、エポキシ樹脂などが挙げられる。但し、相溶性の観点から、非結晶性部を形成する樹脂も、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂であることが好ましく、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂がより好ましい。非結晶性部の組成には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ブロック樹脂の中でも特に、結晶性部がポリエステル樹脂(A)で非結晶性部がポリウレタン樹脂(B)のものが好適である。この場合、低温定着性と耐熱保存性の発現の観点から、ブロック樹脂中のポリエステル樹脂(A)の割合は50〜98質量%が好ましく、60〜98質量%がより好ましく、70〜95質量%が特に好ましい。50質量%より少ないと低温定着性と耐熱保存性が効果的に発現し難くなり、98質量%より多いと定着時における耐ホットオフセット性が低下する傾向にある。
前記のポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)とで構成されるブロック樹脂は、例えば下記式で表される線状に結合された樹脂であり、{−(B)−(A)}で表される単位の繰り返し数nが、平均値で0.9〜3.5であることが好ましく、0.95〜2.0がより好ましく、1.0〜1.5が特に好ましい。
(A){−(B)−(A)}n
具体的には、ポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)が、(A)−(B)−(A)〔n=1〕、(A)−(B)−(A)−(B)−(A)〔n=2〕、(A)−(B)−(A)−(B)−(A)−(B)−(A)〔n=3〕などの形式で線状に結合された樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。
nが3.5より大きいと低温定着性が悪化する傾向にあり、0.9より小さいと定着時における耐ホットオフセット性が低下する傾向にある。nは、ポリエステル樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)のモル比から求めることができる。
本発明のトナーにおけるウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ウレタン変性及び/又はウレア変性された樹脂;ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリアミド樹脂、ウレア変性ポリアミド樹脂、ウレタン変性ビニル樹脂、ウレア変性ビニル樹脂、ウレタン変性ポリエーテル樹脂、ウレア変性ポリエーテル樹脂、ウレア変性ウレタン樹脂などが挙げられる。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸から合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステル樹脂が、結晶性発現の観点から好ましい。
前記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する);ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシ基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量は、80モル%以上が好ましく、90モル%以上がより好ましい。含有量が80モル%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
鎖炭素数が2〜36の前記分岐型脂肪族ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシ基を有するジオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等のスルファミン酸ジオール、[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)及びそのAO付加物(AOとしてはEO又はPOなど、AOの付加モル数1〜6);ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの酸基を有するジオールの中和塩基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシ基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンポリオール及びその分子内又は分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン等)、糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシド等)等の炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸等の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。
また、前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20モル%以下が好ましい。
前記ラクトン開環重合物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシ基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を、金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシ基やカルボキシ基となるように変性したものであってもよい。
−ポリウレタン樹脂−
前記ポリウレタン樹脂としては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂が好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げたジオール及び3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが挙げられる。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4′−及び/又は4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α′,α′−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
上記ジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
−ポリウレア樹脂−
前記ポリウレア樹脂としては、ジアミンや3価以上のポリアミンと、ジイソシアネートや3価以上のポリイソシアネートから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。中でも、前記ジアミンと前記ジイソシアネートから合成されるポリウレア樹脂が好ましい。
前記ジイソシアネートや3価以上のポリイソシアネートとしては、前記ポリウレタン樹脂において挙げたジイソシアネート及び3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
前記ジアミンとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また、必要により、前記3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜6のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン;ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の前記アルキレンジアミン又は前記ポリアルキレンジアミンの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体;1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4′−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等の炭素数4〜15の脂環式ジアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の炭素数4〜15の複素環式ジアミン;キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等の炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4′−及び4,4′−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリアミン、ナフチレンジアミン等の非置換芳香族ジアミン;2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、4,4′−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3′,5,5′−テトラメチルベンジジン、3,3′,5,5′−テトラメチル−4,4′−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3′−メチル−2′,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3′−ジエチル−2,2′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジフェニルメタン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′,5,5′−テトラエチル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′,5,5′−テトライソプロピル−4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等の炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン;前記非置換芳香族ジアミン乃至炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンの異性体の種々の割合の混合物;メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジブロモジフェニルメタン、3,3′−ジクロロベンジジン、3,3′−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4′−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4′−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等の核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン;4,4′−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等の二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕などが挙げられる。
前記ジアミンとしては、これらの他に、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)前記ポリアミン(前記アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等のポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等のポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
−ポリアミド樹脂−
前記ポリアミド樹脂としては、ジアミンや3価以上のポリアミンと、ジカルボン酸や3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸から合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ジアミンとジカルボン酸から合成されるポリアミド樹脂が好ましい。
前記ジアミン及び3価以上のポリアミンとしては、前記ポリウレア樹脂において挙げたジアミン及び3価以上のポリアミンと同様のものが挙げられる。
前記ジカルボン及び3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂において挙げたジカルボン及び3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸と同様のものが挙げられる。
−ポリエーテル樹脂−
前記ポリエーテル樹脂としては特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。
前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては特に制限はなく、目的に応じて従来公知の方法を適宜選択することができ、例えば、キラル体のAOを、通常AOの重合で使用される触媒で開環重合させる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、1956年、第78巻、第18号、p.4787−4792に記載)や、安価なラセミ体のAOを立体的に嵩高い特殊な化学構造の錯体を触媒として用いて、開環重合させる方法などが挙げられる。
また、特殊な錯体を用いる方法としては、ランタノイド錯体と有機アルミニウムを接触させた化合物を触媒として用いる方法(例えば、特開平11−12353号公報に記載)やバイメタル−μ−オキソアルコキサイドとヒドロキシ化合物を予め反応させる方法(例えば、特表2001−521957号公報に記載)などが知られている。
また、非常にアイソタクティシティの高い結晶性ポリオキシアルキレンポリオールを得る方法として、サレン錯体を触媒として用いる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、第33号、p.11566−11567に記載)が知られている。例えば、キラル体のAOを用い、その開環重合時に、開始剤としてグリコール又は水を用いると、末端にヒドロキシ基を有するアイソタクティシティが50%以上のポリオキシアルキレングリコールが得られる。前記アイソタクティシティが50%以上のポリオキシアルキレングリコールは、その末端を例えばカルボキシ基になるように変性したものであってもよい。なお、前記アイソタクティシティが50%以上であると、通常、結晶性となる。前記グリコールとしては、前記ジオールなどが挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いるAOとしては、炭素数3〜9のものが挙げられ、例えば、PO、1−クロロオキセタン、2−クロロオキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、1,2−BO、メチルグリシジルエーテル、1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ペンチレンオキサイド、3−メチル−1,2−ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、1,2−へキシレンオキサイド、3−メチル−1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ヘキシレンオキサイド、4−メチル−2,3−ペンチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル、1,2−へプチレンオキサイド、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのAOの中でも、PO、1,2−BO、スチレンオキサイド及びシクロへキセンオキサイドが好ましく、PO、1,2−BO、シクロへキセンオキサイドがより好ましい。また、これらのAOは、1種を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールのアイソタクティシティは、得られる結晶性ポリエーテル樹脂の高シャープメルト性と耐ブロッキング性の観点から、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましく、95%以上が最も好ましい。
前記アイソタクティシティは、Macromolecules、vol.35、No.6、2389−2392頁(2002年)に記載の方法で算出することができる。即ち、測定試料約30mgを直径5mmの13C−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶剤を加えて溶解させ、分析用試料とする。重水素化溶剤としては特に制限はなく、試料を溶解させることのできる溶剤を適宜選択することができ、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。13C−NMRの3種類のメチン基由来の信号は、それぞれシンジオタクチック値(S)75.1ppm付近とヘテロタクチック値(H)75.3ppm付近とアイソタクチック値(I)75.5ppm付近に観測される。
アイソタクティシティは、次の計算式により算出する。
アイソタクティシティ(%)=[I/(I+S+H)]×100
上記計算式中、Iはアイソタクチック信号の積分値、Sはシンジオタクチック信号の積分値、Hはヘテロタクチック信号の積分値である。
−ビニル樹脂−
前記ビニル樹脂としては、結晶性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性を有するビニルモノマーと、必要により結晶性を有しないビニルモノマーとを構成単位として有するものが好ましい。
前記結晶性を有するビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(炭素数12〜50の直鎖アルキル基が結晶性基である)などが挙げられる。
前記結晶性を有しないビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が1,000以下のビニルモノマーが好ましく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリルモノマー、カルボキシ基含有ビニルモノマー、他のビニルエステルモノマー、脂肪族炭化水素系ビニルモノマーなどが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレンなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜11のアルキル(メタ)アクリレート及びアルキル基の炭素数が12〜18の分岐アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜11のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜11のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記カルボキシ基含有ビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の炭素数3〜15のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の炭素数4〜15のジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル等の前記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル等のジカルボン酸モノエステルなどが挙げられる。
前記他のビニルエステルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート等の炭素数4〜15の脂肪族ビニルエステル;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数8〜50の不飽和カルボン酸多価(2価〜3価又はそれ以上)アルコールエステル;メチル−4−ビニルベンゾエート等の炭素数9〜15の芳香族ビニルエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族炭化水素系ビニルモノマーとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、オクテン等の炭素数2〜10のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエン等の炭素数4〜10のジエンなどが挙げられる。
前記結晶性樹脂の融解熱の最大ピーク温度としては、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、45℃〜70℃が好ましく、53℃〜65℃がより好ましく、58℃〜62℃が特に好ましい。前記最大ピーク温度が45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は、逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
また、前記結晶性樹脂は、活性水素基と反応可能な官能基を有する結着樹脂前駆体であっても良く、トナーの製造過程で、前記結着樹脂前駆体を活性水素基と反応させて結着樹脂としても良い。
前記結晶性樹脂の軟化温度(Tf)と融解熱の最大ピーク温度(Td)との比(Tf/Td)は、0.8〜1.60であるが、0.85〜1.40が好ましく、0.9〜1.30がより好ましく、0.9〜1.25が特に好ましい。前記比が小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れているが、小さすぎると耐ホットオフセット性が発現し難くなり、大きすぎると、本発明の効果が得られるだけの結晶化が十分でなくなる。
前記結晶性樹脂の粘弾特性において、(Td)+20℃における貯蔵弾性率G′は、5.0×10Pa・s以下が好ましく、より好ましくは1.0×10〜5.0×10Pa・sであり、更に好ましくは1.0×10〜1.0×10Pa・sである。また、(Td)+20℃における損失弾性率G″は、5.0×10Pa・s以下が好ましく、より好ましくは1.0×10〜5.0×10Pa・sであり、更に好ましくは1.0×10〜1.0×10Pa・sである。これは、本発明のトナーの粘弾特性において、(Td)+20℃におけるG′及びG″の値が、1.0×10〜5.0×10Pa・sとなることが、定着強度や耐ホットオフセット性の観点から好ましく、結着樹脂中に着色剤や層状無機鉱物を分散させることによりG′及びG″が上昇するため、結晶性樹脂の粘弾特性としては前記の範囲であることが好ましい。
前記結晶性樹脂の粘弾特性は、樹脂を構成する結晶性モノマーと非結晶性モノマーの比率や、樹脂の分子量を調整すること等により得ることができる。例えば、結晶性モノマーの比率を増加させると、G′〔(Td)+20℃)の値は小さくなる。
前記樹脂及びトナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G′、損失弾性率G″)は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES:TAインスツルメント社製)を用いて測定できる。
具体的には、試料を、直径8mm、厚み1〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)の条件下、昇温速度2.0℃/分間で200℃まで昇温させて測定する。
前記結晶性樹脂としては、第1の結晶性樹脂と、第1の結晶性樹脂よりも質量平均分子量(Mw)が大きい第2の結晶性樹脂を含むことが好ましい。分子量の異なる2種のウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を用いることにより、トナー全体としての結晶化度の調整がより効果的にできるので、ウレタン結合及び/又はウレア結合導入によるトナーの耐熱保存性の悪化も抑制することが可能となると共に、トナーの耐ホットオフセット性も向上させることができる。結晶性樹脂として分子量の小さい第1の結晶性樹脂しか用いなかった場合は、低温定着性と保存性の両立が困難となったり、耐ホットオフセット性が悪化したり、結晶性樹脂の硬度が低下し、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化する可能性がある。
低分子量体である第1の結晶性樹脂は、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、その融解熱の最大ピーク温度が45〜70℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは53〜65℃、更に好ましくは58〜62℃である。45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。また高分子量体である第2の結晶性樹脂は、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、その融解熱の最大ピーク温度が55〜80℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは63〜75℃、更に好ましくは68〜72℃である。55℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、80℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
第1の結晶性樹脂のMwは、20,000〜40,000が好ましい。Mwが20,000未満では、耐熱保存性が悪化したり、トナーの硬度が低下して、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化する場合がある。また、Mwが40,000より大きいと、低温定着性が悪化する場合がある。
第2の結晶性樹脂のMwは、40,000〜300,000が好ましく、50,000〜150,000が特に好ましい。40,000未満では、トナーの耐ホットオフセット性が悪化したり、トナーの硬度が低下して、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化する傾向があり、300,000より大きいと、特に低温での定着時にトナーが充分に溶融せず、画像の剥がれが生じ易くなり、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
前記第1の結晶性樹脂と第2の結晶性樹脂のMwの差は、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。5,000より小さい場合は、トナーの定着幅が狭くなる傾向にあるため、好ましくない。
前記第1の結晶性樹脂と第2の結晶性樹脂の含有比率は、第1:第2=95:5〜70:30の範囲が好ましい。この範囲よりも第1の結晶性樹脂の比率が多いと、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、この範囲よりも第2の結晶性樹脂の比率が多いと、トナーの低温定着性が悪化する傾向にあるため、好ましくない。
本発明のトナーにおける樹脂の質量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、GPC−8220GPC:東ソー社製)を用いて測定した。カラムはTSKgel SuperHZM―H 15cm 3連(東ソー社製)を使用した。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬社製)により0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下で、流速0.35mL/minで測定した。試料の分子量測定に際しては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
前記第2の結晶性樹脂は、活性水素基と反応可能な官能基を有する結着樹脂前駆体であっても良く、トナーの製造過程で、前記結着樹脂前駆体を活性水素基との反応によって伸長させて結着樹脂としても良い。
前記結着樹脂前駆体としては、活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性樹脂であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂、結晶性ビニル樹脂などが挙げられる。前記変性結晶性樹脂は、トナーの製造過程において、活性水素基を有する樹脂や、活性水素基を有する架橋剤や伸長剤等の活性水素基を有する化合物と反応させることにより、樹脂を高分子量化させ、結着樹脂を形成することができる。したがって、これらの変性結晶性樹脂は、トナーの製造において、結着樹脂前駆体として使用することができる。
前記結着樹脂前駆体は、主鎖にウレタン結合を有することが好ましい。これにより結着樹脂前駆体を伸長させて得られた第2の結晶性樹脂のウレタン基量が多くなるので結着樹脂の硬度が向上し、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷の悪化を抑制することができる。
なお、前記結着樹脂前駆体とは、上述の結着樹脂を構成するモノマーやオリゴマー、及び前記活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂、オリゴマー類を含む伸長又は架橋反応が可能な化合物を指し、これらの条件を満たした結晶性樹脂であればよい。これらの中でも、前記結着樹脂前駆体としては、少なくとも末端にイソシアネート基を有する前記変性結晶性樹脂であることが好ましく、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって、伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することが好ましい。
このような結着樹脂前駆体から形成される結着樹脂としては、前記活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂と、前記活性水素基を有する化合物とを伸長乃至架橋反応してなる結晶性樹脂が好ましく、これらの中でも、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、前記ポリオールとを伸長乃至架橋反応させたウレタン変性ポリエステル樹脂;末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、アミン類とを伸長乃至架橋反応させたウレア変性ポリエステル樹脂などが好ましい。
前記活性水素基と反応可能な官能基としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などの官能基が挙げられる。これらの中でも、反応性や安定性の観点から、イソシアネート基が好ましい。
前記活性水素基を有する化合物としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記活性水素基と反応可能な官能基がイソシアネート基である場合には、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシ基、メルカプト基などを前記活性水素基として有する化合物が挙げられる。これらの中でも、反応速度の観点から、アミノ基を有する化合物(即ち、アミン類)が特に好ましい。
前記アミン類としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。また、これらのアミン類のアミノ基をケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックした、ケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
本発明のトナーにおける結着樹脂としては、前記結晶性樹脂と共に非結晶性樹脂を併用してもよい。
前記非結晶性樹脂としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂など、及び活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂類が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<離型剤>
本発明のトナーでは、離型剤として、DSCで測定される融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)が58〜75℃のものを用いる。好ましくは60〜70℃である。Tmが58℃未満では、トナーの耐熱保存性が悪化し、75℃を超えると、トナー製造時に使用する溶媒の沸点に近づくため、製造時の温度をTm以上に上げることができず、トナー表面の離型剤露出量を調整することができない。また平均円形度が大きくなりすぎ、トナーがクリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良が起こる可能性がある。また、定着下限温度付近での離型剤の染み出しが不十分となるため、低温定着性を阻害する可能性がある。
前記離型剤の融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60:島津製作所製)を用いて測定することができる。
即ち、まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せて電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤としては上記Tmの温度範囲を満たしていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロウ類、ワックス類、等が好適に挙げられる。
前記ロウ類及び前記ワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス、サンフラワーワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックス;などが挙げられる。更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体又は共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子、などを用いてもよい。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記離型剤のトナー中の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%がより好ましい。含有量が20質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記トナーの表面離型剤露出量は、トナー1gに対して13〜50mg/gが好ましく、より好ましくは20〜35mg/gである。表面離型剤露出量が13mg/g未満では、出力画像の表面摩擦係数が上昇し、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化したり、定着時の離型剤の染み出しが不十分となる可能性がある。一方、表面離型剤露出量が50mg/gを超えると、トナー表面の離型剤がトナーの耐熱保存性を悪化させたり、トナー同士の凝集が起こり、定着性、帯電性、転写性、色特性など所望のトナー特性を満たすことができなくなる可能性がある。
前記トナーの表面離型剤露出量はヘキサン抽出法により求めることができる。外添剤を添加する前のトナー母体粒子を1.0g計量し、n−ヘキサン7mLを加え、120rpmで1分間ロールミルで撹拌した後、この溶液を吸引ろ過し、真空乾燥機でn−ヘキサンを除去し、残った成分の質量(mg)を表面離型剤露出量として求めることができる。
<着色剤>
本発明のトナーにおける着色剤としては特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
トナーの着色剤の色としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローなどが挙げられる。各色のトナーは着色剤の種類を適宜選択することにより得ることができる。
ブラック用のものとしては、例えばファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
マゼンタ用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、
6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35、などが挙げられる。
シアン用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36、などが挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、
3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、
65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36、などが挙げられる。
トナー中の着色剤の含有量は、トナー全体の1〜15質量%が好ましく、3〜10質量%がより好ましい。含有量が1質量%未満では、トナーの着色力が低下することがあり、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
着色剤は樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。このような樹脂としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、ポリエステル、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ−p−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、これらのマスターバッチ用樹脂は、前述した本発明のトナーにおける結晶性樹脂であっても何ら問題ない。
マスターバッチは、高せん断力をかけて、樹脂と着色剤とを混合又は混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶媒を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ乾燥する必要がない点で好適である。フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶媒と共に混合又は混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水及び有機溶媒を除去する方法である。混合又は混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置を用いることができる。
<その他の成分>
本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、結着樹脂、着色剤、離型剤の他に、異形化剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などのその他の成分を必要に応じて含有させてもよい。
−異形化剤−
異形化剤は、カラートナーの形状を異形化することを目的として含有させる。異形化剤としては適宜選択することができるが、層状無機鉱物が有する層間のイオンの少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を含有することが好ましい。このような層状無機鉱物としてはスメクタイト系の基本結晶構造を持つものを有機物カチオンで変性したものが望ましい。また、層状無機鉱物の2価金属の一部を3価の金属に置換することにより、金属アニオンを導入することができる。しかし、金属アニオンを導入すると親水性が高くなるため、金属アニオンの少なくとも一部を有機物アニオンで変性した層状無機化合物が望ましい。
前記有機物カチオン変性剤としては特に制限はなく、第4級アルキルアンモニウム塩、
フォスフォニウム塩、イミダゾリウム塩などが挙げられる。中でも、第4級アルキルアンモニウム塩が望ましく、例えば、トリメチルステアリルアンモニウム、ジメチルステアリルベンジルアンモニウム、オレイルビス(2−ヒドロキシエチル)メチルアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機物アニオン変性剤としては特に制限はなく、分岐、非分岐又は環状のアルキル(炭素数1〜44)、アルケニル(炭素数1〜22)、アルコキシ(炭素数8〜32)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜22)、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等を有する硫酸塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、又はリン酸塩が挙げられる。中でもエチレンオキサイド骨格を持ったカルボン酸が望ましい。
層状無機鉱物の少なくとも一部を有機物イオンで変性すると、適度な疎水性を有するようになるので、トナー組成物を含む油相が非ニュ−トニアン粘性を持つことになり、トナーを異形化することができる。
層状無機鉱物は適宜選択することができ、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、及びこれらの混合物等が挙げられる。中でも、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができ、添加量を少量とすることができることから、モンモリロナイト又はベントナイトが好ましい。
前記一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の含有量は、トナー材料中の0.05〜10質量%が好ましく、0.05〜5質量%がより好ましい。
前記一部を有機物カチオンで変性した層状無機鉱物の市販品としては、Bentone3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF、クレイトンAPA(以上、サザンクレイ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS(以上、サザンクレイ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイトが挙げられる。中でも好ましいのは、クレイトンAF、クレイトンAPAである。
また、前記一部を有機物アニオンで変性した層状無機鉱物としては、DHT−4A(協和化学工業社製)を下記一般式で表される有機物アニオンで変性させたものが好ましい。その市販品としては、例えばハイテノール330T(第一工業製薬社製)が挙げられる。
「R1(OR2)nOSOM」
(上記式中、R1は炭素数13のアルキル基、R2は炭素数2〜6のアルキレン基を表し、Mは1価の金属元素を表し、nは2〜10の整数を表す。)
−帯電制御剤−
帯電制御剤は、トナーの帯電性を制御することを目的として含有させる。帯電制御剤としては特に制限はなく、例えば、ニグロシン、炭素数2〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−1627号公報)、塩基性染料、例えばC.I.Basic Yellow 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yellow 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Bas ic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue 25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)など及びこれらの塩基性染料のレーキ顔料、C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩、ジブチル又はジオクチルなどのジアルキルスズ化合物、ジアルキルスズボレート化合物、グアニジン誘導体、アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂、特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩、特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸、ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、有機ホウ素塩類、含フッ素四級アンモニウム塩、カリックスアレン系化合物等が挙げられる。
ブラック以外のカラートナーの場合は、当然目的の色を損なう帯電制御剤の使用は避けるべきであり、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好適に使用される。
帯電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、0.02〜1質量部がより好ましい。含有量が0.01質量部以上であれば帯電制御性が得られ、2質量部以下であれば、トナーの帯電性が大きくなり過ぎることはなく、帯電制御剤の効果を減退させることもなく、現像ローラとの静電的吸引力が増大してトナーの流動性低下や画像濃度の低下を招くということもない。
−外添剤−
前記外添剤としては特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適である。
前記シリカ微粒子としては、例えば、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれもヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル社製)などが挙げられる。また、前記酸化チタン微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業社製)、TAF−140(富士チタン工業社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ社製)などが挙げられる。前記疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ社製)、IT−S(石原産業社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子は、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
また、前記外添剤として、シリコーンオイルで、必要ならば熱を加えて無機微粒子を処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
このようなシリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などが挙げられる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の添加量は、トナーに対し0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は100nm以下が好ましく、3〜70nmがより好ましい。個数平均粒径が3nm未満では、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。また、個数平均粒径が70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷付け好ましくない。
前記外添剤としては、前記無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1〜100nmが好ましく、中でも、5〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
前記酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えば、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記外添剤として樹脂微粒子を添加することもできる。該樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合、懸濁重合、分散重合などによって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系重合体粒子;熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。
前記樹脂微粒子の添加量は、トナーに対し0.01〜5質量%が好ましく、0.1〜2質量%がより好ましい。
−流動性向上剤−
流動性向上剤は、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止するための材料である。その例としては、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。特にシリカや酸化チタンを添加するときは、このような流動性向上剤によって表面処理行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが好ましい。
−クリーニング性向上剤−
クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために添加する。その例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。このポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
磁性材料としては特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
<トナーの特性>
本発明のトナーは下記(式1)で与えられる平均円形度Xが0.955〜0.985であることを特徴とし、更に好ましくは0.960〜0.975である。
X=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%(式1)
平均円形度Xが0.955未満では、現像時の画像均一性が悪化したり、電子写真感光体から中間転写体又は中間転写体から記録材へのトナーの転写効率が低下し、均一転写が得られなくなることがある。一方、前記平均円形度Xが0.985を超えると、トナーがクリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良が起こる可能性がある。
前記平均円形度は、以下の方法で測定することができる。
即ち、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて行うことができる。より具体的には、ガラス製の100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)を0.1〜0.5mL添加し、各トナーを0.1〜0.5g添加してミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理する。この分散液について、前記FPIA−2100を用いて、濃度が5,000〜15,000個/μLとなるまでトナーの形状及び分布を測定する。該測定法は、平均円形度の測定再現性の点から、前記分散液濃度を5,000〜15,000個/μLにすることが重要である。
前記分散液濃度を得るための分散液の条件を、添加する界面活性剤量、及びトナー量を変更して調整する必要がある。前記界面活性剤量は、トナーの疎水性の程度により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分に濡らすことができないため、分散が不十分となる。また、前記トナーの添加量は、トナー粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要がある。前記トナー粒径が3〜7μmの場合、トナーの添加量を0.1〜0.5gとすることにより、前記分散液濃度を5,000〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
本発明のトナーにおいて均一で十分な帯電を行うためには、トナーの体積平均粒径が3〜9μm、好ましくは4〜8μm、より好ましくは4〜7μmの範囲にあることが好ましい。3μm未満ではトナー付着力が相対的に増大し、電界によるトナー操作性が落ちるため好ましくない。また、9μmを超えると、細線の再現性など画像品位が低下する。
また、前記トナーの体積平均粒径と個数平均粒径の比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、1.25以下が好ましく、1.20以下がより好ましく、1.17以下が更に好ましい。1.25を超えると、トナーの粒径の均一性が低いため、現像を繰り返すうちに粒径の大きなトナー又は場合によっては小さなトナーが消費され、その結果、現像装置内に残存するトナーの平均粒径が変化するため、残存したトナーを現像するための最適な現像条件がずれてしまい、その結果、帯電不良、搬送量の極端な増加又は減少、トナー詰まり、トナーこぼれなどの諸現象が発生し易くなる。
トナー体積平均粒径及び体積平均粒径と個数平均粒径の比は、コールターマルチサイザーを用いて測定することができる。即ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて1質量%NaCl水溶液を調製する。測定法としては、この電解液としての水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料を2〜20mg加え、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行う。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIによりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定することにより行う。測定は装置が示す濃度が8±2%となるように前記トナーサンプル分散液を滴下して行う。本測定法は、トナー粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明のトナーを、低温定着性と耐熱保存性をより高いレベルで両立させた、耐ホットオフセット性に優れるものとするためには、示差走査熱量計により測定されるトナーの融解熱の最大ピーク温度をTdt(℃)、高化式フローテスターにより測定されるトナーの軟化温度をTft(℃)として、45≦Tdt≦75、0.8≦Tft/Tdt≦1.60であり、且つトナーの(Tdt+20)℃における貯蔵弾性率をG′(Tdt+20)(Pa・s)、(Tdt+20)℃における損失弾性率をG″(Tdt+20)(Pa・s)として、1.0×10≦G′(Tdt+20)≦5.0×10、1.0×10≦G″(Tdt+20)≦5.0×10を満たすことが好ましい。
前記トナーの融解熱の最大ピーク温度(Tdt)には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、45℃〜75℃が好ましく、53℃〜70℃がより好ましく、58℃〜65℃が特に好ましい。前記Tdtが、45℃〜75℃であると、トナーに要求される最低限の耐熱保存性を確保することができ、且つ、従来にはない優れた低温定着性を持つトナーが得られる。前記Tdtが、45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、75℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
前記トナーの軟化温度(Tft)と融解熱の最大ピーク温度(Tdt)の比(Tft/Tdt)には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択できるが、0.8〜1.60が好ましく、0.85〜1.40がより好ましく、0.9〜1.30が特に好ましく、0.9〜1.25が最も好ましい。
前記比が小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れているが、小さすぎると耐ホットオフセット性が発現し難くなり、大きすぎると、本発明の効果が得られるだけの結晶化が十分ではなくなる。
前記トナーの粘弾特性において、(Tdt+20)℃における貯蔵弾性率G′(Tdt+20)は、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることが、定着強度及び耐ホットオフセット性の観点から好ましいが、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることがより好ましい。また、(Tdt+20)℃における損失弾性率G″(Tdt+20)は、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましいが、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることがより好ましい。
また、前記トナーの(Tdt+30)℃における損失弾性率をG″(Tdt+30)(Pa・s)、(Tdt+70)℃における損失弾性率をG″(Tdt+70)(Pa・s)とした場合、0.05≦〔G″(Tdt+30)/G″(Tdt+70)〕≦50であることが好ましく、0.1〜40がより好ましく、0.5〜30が特に好ましい。前記範囲にすることにより、温度に対するトナーの損失弾性率の変化が緩やかになり、低温定着性を維持しながら、より耐ホットオフセット性に優れたトナーを得ることができる。
前記トナーの粘弾特性は、結着樹脂を構成する結晶性樹脂と非結晶性樹脂の比率、樹脂の分子量やモノマー組成等を調整することにより任意に制御することが可能である。
<トナーの製造方法>
本発明のトナーの製法や材料は公知のものを適宜使用可能であって、特に限定されず、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中でトナー粒子を造粒するいわゆるケミカル工法が挙げられる。しかし、本発明のトナーにおける結晶性樹脂は耐衝撃性が高く、混練粉砕法では10μm以下の粒子径まで粉砕するのに非常に高い粉砕エネルギーが必要となるため、結晶性樹脂を容易に造粒可能なケミカル工法が好ましい。また、混練粉砕法により得られるトナーは、トナーの表面離型剤露出量やトナー平均円形度を制御するのは困難であるが、ケミカル工法ではこれらを容易に制御可能であるため、好ましい。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法など、樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中で分散及び/又は乳化させる溶解懸濁法、樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法、これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法が、結晶性樹脂による造粒性(粒度分布制御の容易さ、粒子形状の制御など)の観点からより好ましい。
以下、これらの製法について詳しく説明する。
−混練粉砕法−
混練粉砕法は、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂及び離型剤を含有するトナー材料を溶融混練し、更に粉砕し分級することによりトナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は結着樹脂の軟化点を参考にして選択されるが、軟化点より高温すぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際、ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級では、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。この分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などにより気流中で分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
−ケミカル工法−
前記ケミカル工法では、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂及び離型剤を含有する微粒子を、水系媒体中に分散及び/又は乳化してトナーの母体粒子を造粒する方法である。
結着樹脂を有機樹脂微粒子の水性分散液にする方法は特に限定されないが、次の(a)〜(h)が挙げられる。
(a)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料とし、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加又は縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させ、樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加又は縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化させたものでも良い。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d)予め高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を、機械回転式、ジェット式などの微粉砕機を用いて粉砕し、次いで分級して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で、水中に分散させる方法。
(e)予め高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f)予め高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、又は予め溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g)予め高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、次いで加熱又は減圧等によって溶剤を除去する方法。
(h)予め高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であっても良い。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
また、水系媒体中への乳化、分散に際し、必要に応じて、界面活性剤や、高分子系保護コロイド等を用いることもできる。
前記界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果を上げることができる。好ましいフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級又は3級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
前記高分子系保護コロイドとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシ基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
結着樹脂や結着樹脂前駆体、着色剤及び離型剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させる場合に用いる有機溶剤としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独で又は2種以上組合せて用いることができる。特に、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
結着樹脂や結着樹脂前駆体、着色剤及び離型剤を含むトナー組成物を溶解又は分散させて得られる油相の固形分濃度は、40〜80質量%程度であることが好ましい。濃度が高すぎると、溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱い難く、濃度が低すぎると、トナーの製造量が少なくなる。
着色剤や離型剤などの樹脂以外のトナー組成物、及びそれらのマスターバッチなどは、それぞれ個別に有機溶剤に溶解又は分散させ、前記樹脂溶解液又は分散液に混合しても良い。
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)等が挙げられる。
トナー組成物100質量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2,000質量部、好ましくは100〜1,000質量部である。50質量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、2,000質量部を超えると経済的でない。
前記水系媒体中には、無機分散剤又は有機樹脂微粒子を予め水系媒体中に分散させておいても良く、粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の観点から好ましい。
前記無機分散剤としては、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂は、水性分散体を形成しうる樹脂であれば特に限定されず、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でも良い。例えは、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、2種以上を併用しても差し支えない。中でも好ましいのは、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得やすい点でビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用である。
水系媒体中への乳化、分散の方法は特に限定されないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。中でも粒子の小粒径化の観点から高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合の回転数は特に限定されないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。
前記トナー組成物に前記結着樹脂前駆体を含有する場合、該結着樹脂前駆体が伸長又は架橋反応するのに必要な前記活性水素基を有する化合物などを、水系媒体中でトナー組成物を分散する前に油相中に予め混合しておいても良いし、水系媒体中で混合しても良い。
得られた乳化分散体からの有機溶剤の除去には、公知の方法を使用することができる。例えば、常圧又は減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法が挙げられる。
前記水系媒体中で凝集法を用いる場合は、上記の方法で得られた樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、離型剤分散液、及び必要ならばその他の分散液を混合し、一緒に凝集させることにより造粒できる。樹脂微粒子分散液の種類は、単独でもよいし、二種類以上の樹脂微粒子分散液を加えてもよく、一度に加えてもよいし、何度かに分けて加えてもよい。その他の分散液に関しても同様である。
凝集状態の制御には、熱を加える、金属塩を添加する、pHを調整するなどの方法が好ましく用いられる。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。更に、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などで乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いても良いし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にしてもよい。
得られた乾燥後のトナー粉体と、前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とを混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることにより表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
上記トナー製造工程のうち、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させた油相を、水系媒体中に分散又は乳化する工程において、有機溶媒の沸点をTa(℃)、水系媒体中に分散又は乳化する際の温度をTb(℃)とした場合、下記式(式2)の条件を満たすようにする
(Tm−20)<Tb<Ta (式2)
Tbが(Tm−20)℃以下であると、離型剤を効率的にトナー表面に露出させることができなくなり、出力画像の表面摩擦係数が上昇し、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化したり、定着時の離型剤の染み出しが不十分となる可能性がある。また、平均円形度が大きくなりすぎ、トナーがクリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良が起こる可能性がある。一方、TbがTa以上になると、水系媒体中に分散又は乳化する工程において、有機溶媒が揮発することにより、トナー粒子同士が凝集して粗大化してしまい、結果として定着性、帯電性、転写性、色特性など所望のトナー特性を満たすことができなくなってしまう可能性がある。
上記トナー製造工程のうち、結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を、有機溶媒中に溶解又は分散させた油相を、水系媒体中に分散又は乳化することによって得られたトナー粒子を脱溶剤する工程において、有機溶媒の沸点をTa(℃)、脱溶剤温度をTc(℃)とした場合、下記式(式3)の条件を満たすようにする
(Tm−10)<Tc<Ta (式3)
Tcが(Tm−10)℃以下であると、溶融していた離型剤の析出速度が速くなるので、離型剤を効率的にトナー表面に露出させることができなくなり、出力画像の表面摩擦係数が上昇し、出力画像の耐擦性や排紙ローラ等による画像搬送傷が悪化したり、定着時の離型剤の染み出しが不十分となる可能性がある。また、トナー円形度が低下し、トナーがクリーニングブレードをすり抜け、クリーニング不良が起こる可能性がある。一方、TcがTa以上になると、温度が高すぎるため脱溶剤時にトナー粒子同士が凝集して粗大化してしまい、結果として定着性、帯電性、転写性、色特性など所望のトナー特性を満たすことができなくなってしまう可能性がある。
(現像剤)
本発明の現像剤は、上記本発明のトナーを含有し、キャリア等の適宜選択したその他の成分を含有する。本発明の現像剤は、一成分現像剤であっても二成分現像剤であってもよいが、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で二成分現像剤が好ましい。
二成分現像剤におけるキャリアの含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナーとキャリアの好ましい混合割合は、キャリア100質量部に対しトナー1〜10質量部である。
<キャリア>
キャリアとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、この芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
芯材の材料としては特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、50〜90emu/gのマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75〜120emu/g)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている静電潜像担持体(感光体)への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−亜鉛(Cu−Zn)系(30〜80emu/g)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
芯材の粒径としては、質量平均粒径(D50)で、10〜200μmが好ましく、40〜100μmがより好ましい。D50が10μm未満では、キャリア粒子の分布において微粉系が多くなり、1粒子当たりの磁化が低くなってキャリア飛散を生じることがある。また、200μmを超えると、比表面積が低下しトナーの飛散が生じることがあり、ベタ部分の多いフルカラーでは、特にベタ部の再現が悪くなることがある。
芯材を被覆する樹脂層の材料としては特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー〔フッ化三重(多重)共重合体〕、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、キャリアへのトナーフィルミング防止効果が高い点で、シリコーン樹脂が好ましい。
樹脂層を構成するシリコーン樹脂としては特に制限はなく、一般に知られているシリコーン樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性したシリコーン樹脂、などが挙げられる。
シリコーン樹脂の市販品としては、ストレートシリコーン樹脂として、信越化学工業社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
変性シリコーン樹脂の市販品としては、信越化学工業社製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性);東レ・ダウコーニング・シリコーン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)、などが挙げられる。
なお、シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
芯材を被覆する樹脂層には、必要に応じて導電粉等を含有させてもよく、例えば、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、などが挙げられる。これらの導電粉の体積平均粒子径は、1μm以下が好ましい。体積平均粒子径が1μmを超えると、電気抵抗の制御が困難になることがある。
芯材を被覆する樹脂層は、例えば、シリコーン樹脂等を有機溶剤に溶解させて塗布溶液を調製した後、塗布溶液を芯材の表面に公知の塗布方法により均一に塗布し、乾燥した後、焼付を行うことにより形成することができる。塗布方法としては、例えば、浸漬法、スプレー法、ハケ塗り法、などが挙げられる。
前記有機溶剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、セルソルブ、ブチルアセテート、などが挙げられる。
樹脂層の焼付手段には特に制限はなく、外部加熱方式でも内部加熱方式でもよく、例えば、固定式電気炉、流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉等を用いる方法、マイクロウエーブを用いる方法、などが挙げられる。
キャリアにおける樹脂層の割合は、0.01〜5.0質量%が好ましい。0.01質量%未満では芯材の表面に均一な樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
(画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジ)
画像形成方法は、静電潜像形成工程、現像工程、転写工程、定着工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
画像形成装置は、静電潜像担持体、静電潜像形成手段、現像手段、転写手段、定着手段を少なくとも有し、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有する。
<静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段>
静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」、「像担持体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適であり、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
静電潜像の形成は、静電潜像形成手段により、例えば静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができる。静電潜像形成手段は、例えば静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
帯電は、例えば帯電器を用いて静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。帯電器としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えた公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。また、帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。また、帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、帯電ローラに直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
露光は、例えば露光器を用いて静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光器としては、帯電器により帯電された静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、などの各種露光器が挙げられる。なお、静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像工程及び現像手段>
現像工程は、静電潜像を、本発明のトナー又は現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。可視像の形成は、現像手段により、例えば静電潜像を本発明のトナー又は現像剤を用いて現像することにより行うことができる。現像手段は、本発明のトナー又は現像剤を用いて現像できる限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができる。その例としては、本発明のトナー又は現像剤を収容し、静電潜像に現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
現像器は、乾式現像方式のものでも湿式現像方式のものでもよく、また、単色用現像器でも多色用現像器でもよい。その例としては、現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものなどが好適に挙げられる。
現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦によりトナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。マグネットローラは、静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、マグネットローラの表面に形成された磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、静電潜像がトナーにより現像されて静電潜像担持体(感光体)の表面にトナーによる可視像が形成される。
<転写工程及び転写手段>
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程である。中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、この可視像を記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。転写は、転写手段により、例えば可視像を転写帯電器を用いて静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができる。転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、この複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段を有する態様が好ましい。なお、中間転写体としては特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
転写手段(第一次転写手段、第二次転写手段)は、静電潜像担持体(感光体)上に形成された可視像を記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有することが好ましい。転写手段は1つでも2つ以上でもよい。転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。なお、記録媒体には特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
<定着工程及び定着手段>
定着工程は、定着手段を用いて記録媒体に転写された可視像を定着させる工程である。
各色のトナーに対し記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。定着手段としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。定着手段としては、発熱体を具備する加熱体と、この加熱体と接触するフィルムと、このフィルムを介して加熱体と圧接する加圧部材とを有し、フィルムと加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段が好ましい。加熱加圧手段における加熱は、通常、80〜200℃が好ましい。なお、目的に応じて、定着工程及び定着手段と共に或いはこれらに代えて、例えば公知の光定着器を用いてもよい。
<その他の工程及び手段>
<<除電工程及び除電手段>>
除電工程は、除電手段により、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電する工程である。除電手段としては特に制限はなく、静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加できればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができる。その例としては除電ランプ等が好適に挙げられる。
<<クリーニング工程及びクリーニング手段>>
クリーニング工程は、クリーニング手段により、静電潜像担持体上に残留するトナーを除去する工程である。クリーニング手段としては特に制限はなく、静電潜像担持体上に残留する電子写真トナーを除去できればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができる。その例としては、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
<<リサイクル工程及びリサイクル手段>>
リサイクル工程は、リサイクル手段により、クリーニング工程により除去したトナーを現像手段にリサイクルさせる工程である。リサイクル手段としては特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
<<制御工程及び制御手段>>
制御工程は、制御手段により、画像形成方法の各工程を制御する工程である。制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。その例としては、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
画像形成装置により画像形成する一態様例について、図1を参照しながら説明する。
図1に示す画像形成装置100は、静電潜像担持体としての感光体ドラム10(以下、感光体10という)と、帯電手段としての帯電ローラ20と、露光手段としての露光装置30と、現像手段としての現像装置45と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有するクリーニング手段としてのクリーニング装置60と、除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されてこれを張架する3個のローラ51によって、図1中の矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍に中間転写体用クリーニングブレードなどのクリーニング装置90が配置されている。また、転写紙などの記録媒体95に可視像(トナー像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、この中間転写体50上の可視像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、中間転写体50の回転方向において、感光体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と記録媒体95との接触部との間に配置されている。
現像装置45は、ブラック用現像ユニット45K、イエロー用現像ユニット45Y、マゼンタ用現像ユニット45M及びシアン用現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック用現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えている。イエロー用現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えている。マゼンタ用現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えている。シアン用現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。
図1に示す画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が感光体10を一様に帯電させる。露光装置30が感光体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。感光体10上に形成された静電潜像を、現像装置45からトナーを供給して現像して可視像(トナー像)を形成する。この可視像(トナー像)がローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙などの記録媒体95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙などの記録媒体95上には転写像が形成される。なお、感光体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、感光体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
画像形成装置により画像形成する他の態様例について、図2を参照しながら説明する。
図2に示す装置100Cはタンデム型カラー画像形成装置である。このタンデム画像形成装置100Cは、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。なお、図3は図2に示す画像形成装置における一部拡大概略説明図である。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図2中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される記録媒体(転写紙)と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために、転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、或いは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図3に示すように、それぞれ、感光体10(ブラック用感光体10K、イエロー用感光体10Y、マゼンタ用感光体10M、及びシアン用感光体10C)と、感光体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に感光体を露光(図3中、L)し、感光体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、この静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、このトナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成されたブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像及びシアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用感光体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用感光体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用感光体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用感光体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上にブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、
ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写装置本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。或いは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により合成カラー画像(カラー転写像)をシート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成されたシート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより合成カラー画像(カラー転写像)がシート(記録紙)上に定着される。その後、シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排出トレイ57上にスタックされ、或いは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排出トレイ57上にスタックされる。
<プロセスカートリッジ>
プロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像を、トナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有し、画像形成装置本体に着脱可能であり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段を有する。
現像手段としては、本発明の現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容された現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有し、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
プロセスカートリッジは、各種電子写真方式の画像形成装置に着脱可能に備えさせることができ、画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
プロセスカートリッジは、例えば図4に示すように、静電潜像担持体101を内蔵し、帯電手段102、現像手段104、転写手段108、クリーニング手段107を含み、更に必要に応じてその他の手段を有する。図4中、103は露光手段による露光、105は記録媒体をそれぞれ示す。
次に、図4に示すプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて説明すると、静電潜像担持体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段(不図示)による露光103により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像手段104で現像され、得られた可視像は転写手段108により、記録媒体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の静電潜像担持体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び、以上の操作を繰り返すものである。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により制限されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」であり、「%」は特に断りのない限り「質量%」である。
<樹脂の製造>
−第1の結晶性樹脂(A)の製造−
(製造例1)結晶性樹脂A1の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジオール135部、1,6−ヘキサンジオール177部、メチルエチルケトン(MEK)400部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)489部を加え、窒素気流下、80℃で8時間反応させた。次いで減圧下でMEKを留去し、質量平均分子量(Mw)が25,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが66℃の[結晶性樹脂A1](結晶性ポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例2)結晶性樹脂A2の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,4−ブタンジアミン132部、1,6−ヘキサンジアミン174部、メチルエチルケトン(MEK)400部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)497部を加え、窒素気流下、60℃で8時間反応させた。次いで、減圧下でMEKを留去し、Mwが30,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが63℃の[結晶性樹脂A2](結晶性ポリウレア樹脂)を得た。
(製造例3)結晶性樹脂A3の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、エチレングリコール121部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが6,800に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)23部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが20,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが68℃の[結晶性樹脂A3](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例4)結晶性樹脂A4の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが7,500に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)31部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが40,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが67℃の[結晶性樹脂A4](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例5)結晶性樹脂A5の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、エチレングリコール121部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが6,500に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、更にビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物31部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物19部を加えて溶解し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)71部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが19,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが63℃の[結晶性樹脂A5](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例6)結晶性樹脂A6の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが7,000に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル550部を加えて溶解した後、更にビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物145部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物89部を加えて溶解し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)251部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが41,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが63℃の[結晶性樹脂A6](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例7)結晶性樹脂A7の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール115部、エチレングリコール61部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ、窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが6,900に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル550部を加えて溶解した後、更にビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物62部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物57部、1,2−プロパンジオール7部を加えて溶解し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)165部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが28,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが65℃の[結晶性樹脂A7](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例8)結晶性樹脂A8の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、エチレングリコール121部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及びエチレングリコールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが6,800に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル550部を加えて溶解した後、更にビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物187部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物115部を加えて溶解し、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)206部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが32,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが62℃の[結晶性樹脂A8](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例9)結晶性樹脂A9の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、所望の分子量に達するまで反応させ、Mwが23,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが70℃の[結晶性樹脂A9](結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
−第2の結晶性樹脂(B)及びその前駆体(B′)の製造−
(製造例10)結晶性樹脂B1の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、80℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが14,500に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)22部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが73,500、融解熱の最大ピーク温度Tdが68℃の[結晶性樹脂B1](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)を得た。
(製造例11)結晶性樹脂前駆体B′2の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが7,500に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)19部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが16,000、融解熱の最大ピーク温度Tdが66℃の結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂を得た。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル450部を加えて溶解した後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)39部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させ、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整することにより、末端にイソシアネート基を有する[結着樹脂前駆体B′2](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)の50%酢酸エチル溶液を得た。
(製造例12)結晶性樹脂前駆体B′3の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、セバシン酸303部、1,6−ヘキサンジオール230部及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)1部を入れ、窒素気流下、180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、220℃まで徐々に昇温しながら、かつ窒素気流下で生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5〜20mmHgの減圧下で、Mwが8,500に達するまで反応を行った。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル550部を加えて溶解した後、更にビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物23部、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物14部を加えて溶解し、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)53部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させた。次いで、減圧下で酢酸エチルを留去し、Mwが18,400、融解熱の最大ピーク温度Tdが60℃の結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂を得た。
次いで、得られた結晶性樹脂に酢酸エチル550部を加えて溶解した後、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)36部を加え、窒素気流下、80℃で5時間反応させ、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整することにより、末端にイソシアネート基を有する[結着樹脂前駆体B′3](結晶性ポリエステルポリウレタン樹脂)の50%酢酸エチル溶液を得た。
−非結晶性樹脂(C)の製造−
(製造例13)非結晶性樹脂C1の製造
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を装備した反応槽中に、1,2−プロパンジオール148部、テレフタル酸237部及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.6部を入れ、窒素気流下、180℃で生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、かつ、窒素気流下で生成する水及び1,2−プロパンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に、5〜20mmHgの減圧下で1時間反応させ、180℃まで冷却させた後、無水トリメリット酸14部、テトラブトキシチタネート0.5部を入れ、1時間反応させた後、更に5〜20mmHgの減圧下で、所望の分子量に達するまで反応させて、Mwが23,000、ガラス転移点53℃、融解熱の最大ピーク温度Tdが58℃の[非結晶性樹脂C1](非結晶性ポリエステル樹脂)を得た。
表1に製造した樹脂の諸物性を示した。
Figure 0006028421
実施例1〜15、比較例1〜7
<トナーの製造>
−ワックス分散液の作製−
(製造例14)ワックス分散液W1の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス〔HNP−11(融解熱の最大ピーク温度Tm68℃)、日本精蝋社製〕20部及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W1]を作製した。
(製造例15)ワックス分散液W2の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス〔HNP−51(融解熱の最大ピーク温度Tm77℃)、日本精蝋社製〕20部及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W2]を作製した。
(製造例16)ワックス分散液W3の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス〔Paraffin WAX−130(融解熱の最大ピーク温度Tm56℃)、日本精蝋社製〕20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更に、ウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W3]を作製した。
(製造例17)ワックス分散液W4の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、マイクロクリスタリンワックス〔Hi−Mic−2045(融解熱の最大ピーク温度Tm64℃)、日本精蝋社製〕20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更に、ウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W4]を作製した。
(製造例18)ワックス分散液W5の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、サンフラワーワックス(融解熱の最大ピーク温度Tm75℃:中国製油社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更に、ウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W5]を作製した。
(製造例19)ワックス分散液W6の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、エステルワックス〔ニッサンエクレールWEP−2(融解熱の最大ピーク温度Tm58℃)、日本油脂社製〕20部、及び、酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W6]を作製した。
(製造例20)ワックス分散液W7の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、ベヘン酸トリグリセリド(融解熱の最大ピーク温度Tm68℃:阪本薬品工業社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更に、ウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W7]を作製した。
(製造例21)ワックス分散液W8の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、アミドワックス(融解熱の最大ピーク温度Tm63℃:日本油脂社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W8]を作製した。
(製造例22)ワックス分散液W9の製造
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、カルナウバワックス〔WA05(融解熱の最大ピーク温度Tm85℃)、セラリカ野田社製〕20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス製)により、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液W9]を作製した。
−顔料マスターバッチの作製−
水1,000部、及びDBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)530部、及び1200部の各トナーで使用する結晶性樹脂(A)を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
得られた混合物を、二本ロールを用いて150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
−ケチミン化合物の合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、イソホロンジアミン30部、及びメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン化合物を合成した。得られたケチミン化合物は、アミン価が423mgKOH/gであった。
−微粒子分散液の製造−
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業社製)10部、過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。これを加熱して系内温度75℃まで昇温し6時間反応させた。更に、1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成してビニル樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチル−アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩の共重合体)の水性分散液である微粒子分散液Wを得た。
ELS−800で測定した微粒子分散液Wの体積平均粒径は0.08μmであった。
微粒子分散液Wの一部を乾燥して樹脂分を単離し、フローテスター測定で求めたガラス転移温度は74℃であった。
−水系媒体の調製−
イオン交換水300部、微粒子分散液300部、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を40℃で混合撹拌して均一に溶解させ[水系媒体]を調製した。なお、[水系媒体]は容器内で40℃に保つようにした。
−樹脂溶液の調整−
反応容器内に表2に示す部数で各種結晶性樹脂(A)、結晶性樹脂(B)又は結晶性樹脂(B)の前駆体(B′)、非結晶性樹脂(C)、及び酢酸エチル100部を加え、50℃で攪拌して溶解し、「樹脂溶液1〜22」を調製した。なお、樹脂溶液は容器内で50℃に保つようにした。
Figure 0006028421
−油相の調製−
次に、50℃に保たれた樹脂溶液1〜22各200部に、表3に示す部数の各種ワックス分散液及び顔料マスターバッチ5部を仕込み、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、50℃、送液速度1kg/時、ディスク周速度6m/秒、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスし、「油相1〜22」を得た。ただし、結晶性樹脂前駆体B′2、B′3を含んだ油相については、更にケチミン化合物を2.5部加えて溶解させ「油相」を得た。
Figure 0006028421
−トナーの調製−
次に、別の容器内に、40℃に保たれた[水系媒体]相150部を入れ、表4に示す温度でTK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用いて、12,000rpmで攪拌しながら、50℃に保たれた[油相1〜22]100部を添加し、10分間混合して乳化スラリーを得た。更に、攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら表4に示す温度で10時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
Figure 0006028421
次に、分散スラリー100部を減圧濾過し、得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10%の水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過する操作を2回行い、濾過ケーキを得た。得られた濾過ケーキを循風乾燥機を用いて40℃で36時間乾燥し、目開きが75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子1〜22を作製した。
得られた[トナー母体粒子1〜22]100部と、外添剤としての疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)1.0部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、[トナー1〜22]を作製した。
以上のようにして作製した実施例及び比較例のトナーの組成及び物性を表5に纏めて示した。なお、表5中のトナー1、2、5、6、17、19、20は溶解懸濁法で作製し、それ以外のトナーはエステル伸長法により作製した。また、トナーの粒径分布、円形度、トナー表面離型剤露出量の測定方法は下記の通りである。
<<体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径並びに比(Dv/Dn)の測定>>
トナー(トナー母体粒子)の粒度分布は、コールターマルチサイザーIII(コールター社製)を用いて測定した。即ち、この装置に、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機社製)及びパーソナルコンピューターを接続し、電解液に1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製した。測定法としては、この電解液としての水溶液100〜150mL中に分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5mL加え、更に測定試料を2〜20mg加えて、超音波分散器で約1〜3分の分散処理を行った。更に、別のビーカーに電解水溶液100〜200mLを入れ、その中に前記サンプル分散液を所定の濃度になるように加え、前記コールターマルチサイザーIIIにより、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用い、50,000個の粒子の平均を測定した。得られた体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)から両者の比(Dv/Dn)を求めた。
<<円形度の測定>>
トナーの円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」;シスメックス社製)と、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program For FPIA Version00−10)を用いて測定した。
ガラス製の100mLビーカーに、10%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩ネオゲンSC−A;第一工業製薬社製)を0.1〜0.5mL添加し、各トナー0.1〜0.5g添加してミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加し、得られた分散液を超音波分散器(本多電子社製)で3分間分散処理した。得られた分散液について、前記FPIA−2100を用いて濃度が5,000〜15,000個/μLとなるまでトナーの形状及び分布を測定した。
<<トナー表面離型剤露出量の測定>>
トナーの表面離型剤露出量は、ヘキサン抽出法により測定した。外添剤を添加する前のトナー母体粒子1.0gに、n−ヘキサン7mLを加え、ロールミルを用いて120rpmで1分間撹拌した後、吸引ろ過し、真空乾燥機でn−ヘキサンを除去して残った成分の質量(mg)を表面離型剤露出量とした。
Figure 0006028421
−キャリアの作製−
トルエン100部に下記成分を添加し、ホモミキサーで20分間分散して、樹脂層塗布液を調製した。次いで、流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が50μmの球状マグネタイト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン:
東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 SR2400)100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック 10部
−現像剤の作製−
トナー1〜22のそれぞれを5部と、前記キャリア95部とを混合して各現像剤を作製した。
次に、得られた各現像剤を用いて、下記の評価方法により、定着性、耐熱保存性、出力画像の耐擦性、画像搬送傷、クリーニング性を評価した。結果を表6に示す。
<評価方法>
<<低温定着性>>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、リコー社製)の定着部を改造した装置を用い、定着ベルトの温度を変化させて、転写紙(NBSリコー社製、複写印刷用紙<70>)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を形成した。
得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度を定着下限温度とした。また、ベタ画像は、転写紙上の通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sである。定着下限温度が低い程、低温定着性に優れる。このようにして得た定着下限温度について、下記の基準で評価した。評価A〜Cが合格である。
〔評価基準〕
A:定着下限温度が110℃未満
B:定着下限温度が110℃以上、115℃未満
C:定着下限温度が115℃以上、125℃未満
D:定着下限温度が125℃以上
<<耐熱保存性(針入度)>>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、定着ベルトの温度をトナーの定着下限+20℃に設定して、転写紙(NBSリコー社製、複写印刷用紙<70>)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を形成した。
50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で評価した。針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上の問題が発生する可能性が高い。評価A〜Cが合格である。なお、ここでいう針入度は貫入深さ(mm)のことである。
〔評価基準〕
A:針入度25mm以上
B:針入度15mm以上25mm未満
C:針入度5mm以上15mm未満
D:針入度5mm未満
<<耐擦性>>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、リコー社製)の定着部を改造した装置を用い、定着ベルトの温度をトナーの定着下限+20℃に設定して、転写紙(NBSリコー社製、複写印刷用紙<70>)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を形成した。
得られた出力画像の表面を、S型摩擦試験器SUTHERLAND2000 Rub TESTER(Danilee Co.社製)を用い、加重800gで再生紙(NBSリコー社製、再生紙 資源 タイプA)により50回摺擦し、画像表面の摺擦傷の程度をランク見本と比較した。各ランクは下記のとおりであり、0.5単位で最も近いランクを決定した。5.0に近いほど優れており、4.0以上であれば従来の出力画像並みである。また、各ランクの中間程度の場合、例えばランク5.0とランク4.0の間程度の場合にはランク4.5とみなした。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sとし、A4横方向で通紙を行った。
このようにして得たランクに基づいて、耐擦性を下記の基準で評価した。評価A〜Cが合格である。
〔ランク〕
5.0:若干の光沢度変化があるが、目視では殆ど摺擦傷が無い。
4.0:光沢度変化があり、若干の摺擦傷がある。
3.0:光沢度変化が大きく、明らかな摺擦傷がある。
2.0:明らかな摺擦傷があり、下地の転写紙が僅かに見える。
1.0:画像の多くが剥がれ、下地の転写紙が見える。

〔評価基準〕
A:ランク5
B:ランク4以上、ランク5未満
C:ランク3以上、ランク4未満
D:ランク3未満
<<画像搬送傷>>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した電子写真方式の複写機(MF−200、リコー社製)の定着部を改造した装置を用い、定着ベルトの温度をトナーの定着下限+10℃に設定して、転写紙(NBSリコー社製、複写印刷用紙<70>)に、トナーの付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を形成した。
得られた定着画像表面に付いた、排紙ローラ(図3、排紙ローラ56)により生じた画像搬送傷の程度をランク見本と比較した。各ランクは下記のとおりであり、0.5単位で最も近いランクを決定した。5.0に近いほど優れており、4.0以上であれば従来の出力画像並みである。また各ランクの中間程度の場合、例えばランク5.0とランク4.0の間程度の場合にはランク4.5とみなした。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sとし、A4横方向で通紙を行った。
このようにして得たランクに基づいて、画像搬送傷を下記の基準で評価した。評価A〜Cが合格である。
〔ランク〕
5.0:若干の光沢度変化があるが、目視では殆ど画像搬送傷が無い。
4.0:光沢度変化があり、若干の画像搬送傷がある。
3.0:光沢度変化が大きく、明らかな画像搬送傷がある。
2.0:明らかな画像搬送傷があり、下地の転写紙が僅かに見える。
1.0:搬送傷により画像の多くが剥がれ、下地の転写紙が見える。

〔評価基準〕
A:ランク5
B:ランク4以上、ランク5未満
C:ランク3以上、ランク4未満
D:ランク3未満
<<クリーニング性>>
市販のデジタルフルカラープリンター(リコー社製imagioColor2800)を改造して、線速及び転写時間を調整可能にチューニングした評価機を用い、画像面積率95%チャートを1,000枚出力した後、クリーニング工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差を測定して、下記の基準で評価した。
評価A〜Cが合格である。
〔評価基準〕
A:ブランクとの差が0.005未満
B:ブランクとの差が0.005以上、0.010未満
C:ブランクとの差が0.010以上、0.020未満
D:ブランクとの差が0.020以上
Figure 0006028421
実施例のトナーは、低温定着性と耐熱保存性を両立できるとともに、離型剤が効率的に出力画像表面に染み出すことにより、結晶性樹脂特有の課題であるトナーの耐ストレス性の不足(トナー出力画像の耐擦性、排紙ローラのコロ跡発生)が解消され、更に異形化させることによりクリーニング性も良好であった。
また、実施例2は、実施例1と比べて、第1の結晶性樹脂よりも質量平均分子量が大きい第2の結晶性樹脂を含むので、耐擦性、画像搬送傷が向上した。
一方、比較例1では結着樹脂中の結晶性樹脂の含有量が少ないため、低温定着性及び耐熱保存性が悪化した。また、比較例2ではウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有していないため、画像硬度が弱くなり、耐擦性、画像搬送傷が悪化した。また、比較例3〜4は離型剤の融点が高すぎるため、離径剤を効率的にトナー表面に配置させることができず、耐擦性、画像搬送傷が悪化した。更に、効率的に異形化させることもできないため、クリーニング性が悪化した。また、比較例5は離型剤の融点が低すぎるため、トナー表面に露出した離型剤がトナーの耐熱保存性に悪影響を及ぼし、耐熱保存性が悪化した。また、比較例6は、平均円形度が小さく、トナー粒子同士が凝集しており、低温定着性、耐熱保存性が悪化した。また、比較例7は、平均円形度が大きく、トナーの表面積が小さいため、定着時に離型剤を効率的に染み出させることができず、耐擦性、画像搬送傷が悪化した。更に、平均円形度が大きいため、クリーニング性が悪化した。
10 感光体
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45 現像装置
45K ブラック用現像ユニット
45Y イエロー用現像ユニット
45M マゼンタ用現像ユニット
45C シアン用現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写体
51 ローラ
52 コロナ帯電器
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電器
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 記録媒体
100 画像形成装置
101 静電潜像担持体(感光体)
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
特公平4−024702号公報 特公平4−024703号公報 特許第3910338号公報 特開2010−077419号公報 特許第3360527号公報 特開2005−257976号公報 特開2011−123483号公報

Claims (2)

  1. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、前記結着樹脂としてウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有し、かつ前記結着樹脂の50質量%以上が結晶性樹脂であり、前記離型剤のDSCで測定される融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)が58〜75℃であり、トナーの下記(式1)で与えられる平均円形度Xが0.955〜0.985である電子写真用トナーの製造方法であって、
    X=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%(式1

    少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を沸点Ta(℃)の有機溶媒中に溶解又は分散させた油相を、下記(式2)で与えられる温度Tb(℃)の加温下で水系媒体中に分散又は乳化してトナー粒子を造粒することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
    (Tm−20)<Tb<Ta (式2)
  2. 少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有し、前記結着樹脂としてウレタン結合及び/又はウレア結合を有する結晶性樹脂を含有し、かつ前記結着樹脂の50質量%以上が結晶性樹脂であり、前記離型剤のDSCで測定される融解熱の最大ピーク温度Tm(℃)が58〜75℃であり、トナーの下記(式1)で与えられる平均円形度Xが0.955〜0.985である電子写真用トナーの製造方法であって、
    X=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%(式1)

    少なくとも結着樹脂、着色剤及び離型剤を含有するトナー組成物を、沸点Ta(℃)の有機溶媒中に溶解又は分散させた油相を、水系媒体中に分散又は乳化してトナー粒子を造粒し、該トナー粒子中の有機溶媒を、下記(式3)で与えられる温度Tc(℃)の加温下で留去することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法
    (Tm−10)<Tc<Ta (式3)
JP2012149635A 2012-07-03 2012-07-03 電子写真用トナーの製造方法 Active JP6028421B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012149635A JP6028421B2 (ja) 2012-07-03 2012-07-03 電子写真用トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012149635A JP6028421B2 (ja) 2012-07-03 2012-07-03 電子写真用トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014013265A JP2014013265A (ja) 2014-01-23
JP6028421B2 true JP6028421B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=50108988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012149635A Active JP6028421B2 (ja) 2012-07-03 2012-07-03 電子写真用トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6028421B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6338863B2 (ja) * 2013-03-15 2018-06-06 三洋化成工業株式会社 トナーバインダー及び樹脂粒子
JP7118834B2 (ja) * 2017-09-27 2022-08-16 三洋化成工業株式会社 トナーバインダー及び樹脂粒子

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62129867A (ja) * 1985-12-02 1987-06-12 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 静電像現像用トナ−
JP2002072567A (ja) * 2000-08-24 2002-03-12 Fuji Xerox Co Ltd フルカラー画像形成方法およびフルカラー画像、並びに静電荷現像用トナーおよび二成分系現像剤
JP2007249166A (ja) * 2006-02-17 2007-09-27 Ricoh Co Ltd トナー及び現像剤
JP4786555B2 (ja) * 2006-03-15 2011-10-05 株式会社リコー トナー、トナーの製造方法、画像形成装置
US20110065039A1 (en) * 2008-03-31 2011-03-17 Sanyo Chemical Industries, Ltd. Toner binder and toner
JP5273719B2 (ja) * 2008-12-24 2013-08-28 花王株式会社 電子写真用トナー
JP2011133518A (ja) * 2009-12-22 2011-07-07 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー
JP2011237790A (ja) * 2010-04-13 2011-11-24 Sanyo Chem Ind Ltd 樹脂粒子及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014013265A (ja) 2014-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5896137B2 (ja) トナーの製造方法
JP5769016B2 (ja) 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP5948854B2 (ja) 電子写真用現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5900072B2 (ja) 電子写真用トナー、現像剤、画像形成装置、及び電子写真用トナーの製造方法
JP5240394B1 (ja) 電子写真用トナー、現像剤、画像形成方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置、トナー容器
EP2520979B1 (en) Toner for electrophotography, developer, and image forming apparatus
US9348245B2 (en) Toner, method for producing the toner, two-component developer, and image forming apparatus
EP2607955B1 (en) Toner, development agent, and image forming apparatus using the same
JP6060692B2 (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP6194601B2 (ja) トナー、現像剤及び画像形成装置
JP2014167602A (ja) 電子写真用トナー、及び該トナーを含む二成分現像剤、画像形成装置
JP2013218287A (ja) 現像剤及び画像形成装置
JP2014178648A (ja) トナー、現像剤及び画像形成装置
JP2014235400A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2017015817A (ja) トナー、現像剤、現像剤収容ユニット及び画像形成装置
JP2014048576A (ja) 静電荷現像用トナーおよび画像形成装置
JP2014092605A (ja) 電子写真用トナー、二成分現像剤、及び画像形成装置
JP5999472B2 (ja) 電子写真用トナー、二成分現像剤及び画像形成装置
JP6028421B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP2014048638A (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP5664610B2 (ja) 電子写真用トナー、現像剤、画像形成装置及びプロセスカートリッジ
JP5928799B2 (ja) 電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP6237019B2 (ja) トナー、現像剤、トナーカートリッジ及び画像形成装置
JP2014112191A (ja) 現像剤用キャリア、トナー、現像剤、現像装置、現像剤入り容器、及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150616

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160308

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160428

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160920

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161003

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6028421

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151