JP2014112191A - 現像剤用キャリア、トナー、現像剤、現像装置、現像剤入り容器、及び画像形成装置 - Google Patents

現像剤用キャリア、トナー、現像剤、現像装置、現像剤入り容器、及び画像形成装置 Download PDF

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Yukiko Iwasaki
有貴子 岩▲崎▼
Minoru Masuda
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Abstract

【課題】トナーによるキャリアおよび機内汚染、外添剤埋没、低帯電等の問題を防止しつつ、高画質を達成する電子写真用現像装置の提供。
【解決手段】現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性であることを特徴とする現像装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真現像剤用キャリア、トナー、現像剤、現像装置、現像剤入り容器、及び画像形成装置に関する。
従来から、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)を含む電子写真用現像剤によって現像されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成し、次いで、該潜像を現像剤により現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の転写材上に転写され、次いで、紙等の転写材上に定着される。トナー像を転写紙上に定着する定着工程においては、そのエネルギー効率の良さから、加熱ローラ定着方式や加熱ベルト定着方式といった熱定着方式が広く一般に用いられている。電子写真現像剤には、トナーからなる一成分現像剤と、トナー及びキャリアからなる二成分現像剤がある。前者は、機内スペースをあまり充分に採れない小型機に適しているといわれ、後者は、キャアリアとの攪拌による良好なトナー帯電性が期待できるため高解像度画像やカラー画像等の高画質画像を高速で形成できる大型機に適しているといわれてきた。
しかし、最近では、高画質化要請が高くなってこの要請を比較的実現し易い二成分現像剤に対するニーズが高まり、かつ、画像形成装置の小型化、高速化要請、高画質化要請に加えて、省エネ、低温迅速定着性の要求も高くなっている。こられに答えるための現像剤の高速循環等による激しいストレスにトナー及びキャリアが曝され、かつトナー及びキャリアの小粒径化の傾向も加わって、それら、特にトナーの耐久性向上、及びトナーに過度のストレスを与えない現像剤の提供が望まれる。またトナー画像の低温迅速定着性と相反しがちなトナーの使用前保存性も課題となる。
すなわち、近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングしやすくなる問題があった。
これらの問題を解決できる技術として、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが知られている。即ち、結晶性樹脂は、樹脂の融点で急激に軟化することができ、融点以下における耐熱保存性を担保しながら、トナーの軟化温度を融点付近にまで下げることが可能である。したがって、低温定着性と耐熱保存性を両立することができる。
結晶性樹脂を用いたトナーとして、例えば、結晶性ポリエステルをジイソシアネートで伸長させた結晶性樹脂を結着樹脂に用いたトナーが開示されている(特許文献1の特公平4−024702号公報及び特許文献2の特公平4−024703号公報参照)。これらのトナーは、低温定着性には優れるが、耐ホットオフセット性が不十分であり、近年に求められる品質には達していなかった。
また、スルホン酸基を含む不飽和結合による架橋構造を有する結晶性樹脂を用いたトナーが提案されている(特許文献3の特許第3910338号公報参照)。このトナーは、それまでの従来技術に較べて耐ホットオフセット性を改善することができている。また、軟化温度と融解熱ピーク温度の比率と粘弾特性を規定し、低温定着性と耐熱保存性に優れた樹脂粒子の技術が開示されている(特許文献4の特開2010−077419号公報参照)。
しかしながら、これらのような結晶性樹脂を結着樹脂の主成分として用いたトナーは、樹脂の特性から、耐衝撃性に優れたものであったが、ビッカース硬さのような押し込み硬さには弱い。したがって、現像器内での撹拌ストレスにより、キャリアや機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化が生じやすい問題があり、画像の安定のためには、キャリアはトナーに対して低ストレスである必要がある。
トナーに対して低ストレスのキャリアとして、例えば特許文献5の特開2005−215397号公報では、重合法によるキャリアが提案されている。トナーへ与えるストレスを減らすためには一般にキャリアの比重は低いものがよく、近年では磁性体分散型キャリアなるものが多く出てきている。磁性体分散型キャリアは磁性特性の強い磁性粉を比重の軽い樹脂の中に分散させることにより磁性特性を維持しつつキャリア粒子の比重を低くすることを可能にしたものである。前記特許文献5に示されるキャリアはこの磁性体分散型キャリアであり、比重も低く抑えられたものである。
また、特許文献6の特開平8−95308号公報にはエチレン性不飽和単量体と架橋剤との共重合体粒子と、磁性体粒子とを複数個会合させてなる磁性体分散型キャリアが記載されている。特許文献7の特開2008−268489号公報には、母粒子に子粒子が融着した形態のキャリアが記載されている。
しかし、トナーの搬送性、トナーへのストレス軽減にある程度効果を示すが、十分ではない状態である。
また、結着樹脂が結晶性樹脂のトナーは低抵抗という特徴がある。トナーに負荷のかかる高速印刷の装置の場合、一般的に現像機内の撹拌スクリューには、撹拌によって現像剤局所的に発生した熱を逃がすために金属製の軸やスクリューを用いている。しかし、結着樹脂に結晶性樹脂を用いたトナーは低抵抗のため、金属製の軸、スクリューを用いると現像剤全体で導通したようになり、帯電低下が発生してしまう。
しかし、非導電性の樹脂製のスクリューを用いると熱伝導性が金属性より劣っているため、現像機内部で発生した熱を放出できず、その熱によりトナーの機内汚染や凝集体発生の原因となってしまう問題もある。この問題に対して、本発明者らは、ADの低いキャリアを用いることによりトナーへのストレスを低減し、トナー凝集体の発生を抑え長期においても安定した画像を得ることができることを本発明の検討過程において確認した。
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明は、現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有しているトナーを使用する現像装置において、結晶性樹脂の特有の課題である、トナーの耐ストレス性の不足、低抵抗により現像装置内で発生するトナーのキャリアおよび機内汚染、外添剤埋没、低帯電等の問題を防止しつつ、高画質を達成する電子写真用現像装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を解決すべく、鋭意検討した結果、以下の(1)〜(10)項に記載の「電子写真用現像剤」を包含する本発明の完成に至った。
(1)「 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性であることを特徴とする現像装置。」
(2)「 前記該キャリアの動的固有抵抗は6.0〜9.0logΩ・cmの範囲であることを特徴とする前記(1)に記載の現像装置。」
(3)「 前記該芯材粒子は形状係数SF2が120〜160、算術平均表面粗さRaが0.5〜1.0μmであり、該キャリアのキャリア粒子はSF2が115〜150の範囲にあることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の現像装置。」
(4)「 前記トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/((C)+(A))が、0.15以上であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載のトナー。」
(5)「前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル拡散クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が7%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000以上70,000以下であることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれか一つに記載の現像装置。」
(6)「 前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分が10%以上であることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれか一つに記載の現像装置。」
(7)「 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(T)(J/g)、前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(H)(J/g)としたとき、ΔH(H)/ΔH(T)が0.2〜1.25であることを特徴とする前記(1)乃至(6)のいずれか一つに記載の現像装置。」
(8)「 前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するものであることを特徴とする前記(1)乃至(7)のいずれか一つに記載の現像装置。」
(9)「 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性である現像装置に補給用として用いられ、トナーとキャリアからなる2成分現像剤であって、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒 子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対し て50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下であることを特徴とする補給用の二成分現像剤。」
(10)「 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒 子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性である現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。」
また、本発明は、以下の(11)〜(21)記載の「二成分現像剤」、「現像装置」、「画像形成装置」、「二成分現像剤入り容器」等を包含する。
(11)「 前記静電潜像現像剤用キャリアの被服層に含まれるフィラーがアルミナ、バリウム、酸化チタンから選ばれる1つ以上を含有することを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の現像装置。」
(12)「 前記静電潜像現像剤用キャリアの被服層に含まれるフィラーが導電性フィラーと非導電性フィラーの2種以上のフィラーを含有することを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の現像装置。」
(13)「 前記静電潜像現像剤用キャリアの被服層に含まれる樹脂が、下記[構造式1]を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか一つに記載の現像装置。」
Figure 2014112191
(式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基、
:炭素原子数1〜4のアルキル基、
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、
A部位又はA成分:
Figure 2014112191
(X=10〜90モル%である。)
B部位又はB成分:(架橋部位又は架橋成分)
Figure 2014112191
(Y=10〜90モル%である。)
(14)「前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における0〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピークT1と、降温時の最大発熱ピークT2が以下の関係式(1)を満たすことを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の現像装置;
T1−T2≦30℃ かつT2≧30℃ ・・・関係式(1)
(但し、昇温時の0℃から100℃までの昇温速度を10℃/minとし、100℃から0℃までの降温速度を10℃/minとする。)。」
(15)「前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステルユニットを有する樹脂であること特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の現像装置。」
(16)「前記静電潜像現像剤用キャリアの被覆層に含まれるフィラーの粒径が50〜800nmであることを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の現像装置。」
(17)「前記静電潜像現像剤用キャリアの被覆層に含まれる樹脂がシリコーン樹脂を含有することを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の現像装置。」
(18)「前記静電潜像現像剤用キャリアの被服層に含まれる樹脂がシランカップリング剤及び反応性シリコーン樹脂を含有することを特徴とする前記(1)乃至(8)のいずれか1に記載の現像装置。」
(19)「 キャリアとトナーからなる補給用の二成分現像剤であって、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており、また、該キャリアは、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、キャリアの嵩密度が1.8〜2.6g/cm以下であり、補給トナーを収容するトナー収容部と、キャリアとトナーからなる二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、上記トナー収容部から上記現像剤収容部へ補給トナーを搬送する搬送スクリュと、を備える現像装置を有する画像形成装置に用いられるものであることを特徴とする補給用の二成分現像剤。」
(20)「キャリアとトナーからなる補給用の二成分現像剤が収納された現像剤入り容器であって、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており、また、該キャリアは、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、キャリアの嵩密度が1.8〜2.6g/cm以下であり、前記二成分現像剤は補給トナーを収容するトナー収容部と、キャリアとトナーからなる二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、上記トナー収容部から上記現像剤収容部へ補給トナーを搬送する搬送スクリュと、を備える現像装置を有する画像形成装置に用いられるものであることを特徴とする補給用の二成分現像剤入り容器。」
(21)「キャリアとトナーからなる二成分現像剤を用いた現像装置を有する画像形成装置であって、該トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており、また、該キャリアは、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、キャリアの嵩密度が1.8〜2.6g/cm以下であり、前記現像装置は補給トナーを収容するトナー収容部と、キャリアとトナーからなる二成分現像剤を収容する現像剤収容部と、上記トナー収容部から上記現像剤収容部へ補給トナーを搬送する搬送スクリュと、を備えるものであることを特徴とする画像形成装置。」
以下の詳細かつ具体的な記載からよく理解されるように、本発明によれば、従来における諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、結着樹脂の主成分として結晶性樹脂を含有するトナーを使用する現像装置において、結晶性樹脂の特有の課題である、トナーの耐ストレス性の不足により現像機内で発生する、トナーのキャリアおよび機内汚染、外添剤埋没等の問題を防止しつつ、高画質を達成する電子写真用現像装置が提供されるという極めて優れた効果が発揮される。
本発明における樹脂のX線回析スペクトルチャートから、結晶化部位の量を示す[C/(C+A)]の算出方法を説明する図である。 本発明の画像形成装置例における現像装置の1例の一部拡大概略説明図である。 図2における搬送スクリュの説明図である。 本発明の画像形成装置の1例を示す図である。 本発明の画像形成装置の他の1例を示す図である。 本発明の画像形成装置の更に他の1例を示す図である。 本発明における現像剤の帯電量の測定方法を示した図である。 本発明のキャリアの動的抵抗の測定法及び測定装置を示した図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いられるキャリア芯材粒子としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等が好ましい。
本発明のキャリア芯材は形状係数SF2は120〜160の範囲で、算術平均表面粗さRaは0.5〜1.0μmにあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜0.9μmにあることが好ましい。算術平均表面粗さRaは1994年の表面粗さのJIS規格の見直し後のJIS B0601による平均線から絶対値偏差の平均値である。即ち、フィルタ処理後の粗さ曲線から、その平均線の方向に基準長さだけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、算術平均した値である。
ここでキャリア芯材の算術平均表面粗さRaを規定する意味としては、球形から大きく外れた異型化のみによりSF2が120〜160の範囲になる芯材はキャリア付着が多くなるため本発明の対象にはならないためである。また、芯材のグレイン径は2〜8μmの範囲が好ましく、重量平均粒径が10〜80μmでの範囲にあり、BET比表面積は0.09〜0.40m/gの範囲にある芯材が好ましい。
芯材粒子を樹脂被覆層で被覆する場合、芯材粒子の凹凸を残すように被覆することが重要で、被覆後のSF2は115〜150の範囲、更に好ましくは120〜145の範囲にあることが好ましい。
また樹脂被覆層で被覆後のBET比表面積は2.5〜6.0m/gの範囲にあるキャリアが好ましい。
芯材粒子のSF2が120以下であると芯材の凸部まで被覆されやすくなり、局所的な低抵抗が作りにくくなる。また芯材粒子のSF2が160以上であるものは、芯材粒子中の空隙が多くなり芯材粒子の強度が弱くなってしまう。更には芯材1粒子の磁力が低下してしまい、現像時に感光体にキャリアが付着してしまうキャリア付着現象を起こしやすくなる。さらにSF2が160以上であるものは、実使用時に現像機内で長期間使用した際、芯材の露出が多くなり過ぎ、初期抵抗値と使用後の抵抗値の変化が大きくなり、静電潜像担持体上のトナーの量、乗り方が変わり画像品質が安定しないことになる。
樹脂被覆層の厚さは薄すぎると現像機内での攪拌で容易に芯材表面が露出してしまい、抵抗値の変化が大きくなってしまう。また樹脂被覆層が厚すぎると芯材の凸部は露出せず、局所的な低抵抗状態を作ることが難しくなってしまう。樹脂被覆層の厚さにより局所的な低抵抗状態を作るためには、芯材粒子に対する被覆層の樹脂比率で制御することが可能であり、芯材に対する樹脂比率は0.5〜3重量%であることが望ましい。
樹脂被覆されたキャリアの嵩密度は1.8〜2.6g/cmの範囲にあることが望ましい。嵩密度が1.8g/cmより低いとキャリア付着を起こし易くなってしまい、2.6g/cmより高いと現像機内での攪拌ストレスが大きくなり、抵抗の変化が大きくなってしまう。キャリアの嵩密度はオリフィス径φ3mmのロートから25cmの容器に高さ25mmから落下させ測定する。
本発明に使用できる被覆樹脂としては、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂、重合触媒、必要に応じて、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂、溶媒を含む被覆層用組成物を用いて形成することができる。
具体的には、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させることにより形成してもよいし、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させることにより形成してもよい。被覆層用組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、熱、光等を付与しながら、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆する方法等が挙げられる。また、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、加熱する方法等が挙げられる。
シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂としては、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シラノール基又は加水分解性官能基を有さないシリコーン樹脂、等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
また、下記[構造式(1)]を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し縮合することにより得られる架橋物を含有する樹脂を使用することができる。
Figure 2014112191
(式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X=10〜90モル%である。
Y=10〜90モル%である。
また樹脂被覆層は樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有する必要があり、好ましくは100〜300重量部のフィラーを含有する必要がある。
樹脂被服層中に一定量のフィラーを含有することで、現像機で長期間使用した際の被覆層の削れを抑制することが可能になる。フィラー量が50重量部より少ないと被覆層の削れを防止する効果が減少し、500部よりも多くなるとキャリア表面に出てくる樹脂の割り合いが相対的に小さくなり、トナーがキャリア表面にスペントし易くなってしまう。
さらにフィラーの粒径は50〜800nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは200〜700nmの粒径にあるフィラーを含有することが好ましい。一定の範囲の粒径を有することで、樹脂被覆層の表面からフィラーが出やすくなり部分的な低抵抗を作りやすく、更にはキャリア表面のスペント物を掻き取り易く、耐摩耗性にも優れるからである。
フィラーとしては導電性のフィラー、非導電性のフィラーを使うことができ、導電性フィラーと非導電性フィラーを併用することも可能である。
導電性微粒子は酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成したフィラー、カーボンブラックなどを使用できるが、酸化アルミニウム、二酸化チタン、硫酸バリウムが好ましい。非導電性のフィラーとしては酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウムなどの基体が使用できる。ここで導電性フィラーは粉体比抵抗が100Ω・cm以下を、非導電性フィラーは100Ω・cmよりも大きい粉体比抵抗のものをいう。
また本発明において、被覆層用組成物は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、フィラー粒子を安定して分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは二種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6020、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、樹脂に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%未満であると、芯材粒子やフィラー粒子と樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
本発明においてキャリア、キャリア芯材及びトナーに関して言う重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは次の計算式(2)で表わされる。
Dw = {1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}・・・計算式(2)
(計算式(2)中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。)
なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを示すもので、本発明の場合には、2μmの等分長さ(粒径分布幅)を採用した。
また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
本発明において粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100:Honewell社製)を用いた。
その測定条件は以下のとおりである。
[1]粒径範囲:100〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
なお、該キャリアの形状係数SF1、SF2は以下のものを意味する。
形状係数を示すSF1、SF2とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い300倍に拡大したキャリア粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下記計算式(3)、計算式(4)より算出し得られた値を形状係数SF1、SF2と定義する。
SF1=(L/A)×(π/4)×100・・・計算式(3)
SF2=(P/A)×(1/4π)×100・・・計算式(4)
式中、Lは粒子の絶対最大長(外接円の長さ)、Pは粒子の周囲長、Aは粒子の投影面積を示す。
形状係数SF1はトナー粒子の丸さの度合いを示し、形状係数SF2はトナー粒子表面の凹凸の度合いを示している円(球形)から離れるとSF1は値が大きくなる。表面の凹凸の起伏が激しくなるとSF2の値も大きくなる。
本発明において算術平均表面粗さRaは以下のものを意味する。LASERTEC社製のOPTELICS C130を使用し、対物レンズ50倍の倍率、Resolition 0.20μmで画像を取り込んだ後、芯材の頂点部を中心にして観察エリアを10μm×10μmとし、芯材数100個を測定した値を用いた。
フィラーの粒径は日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い10000倍に拡大したフィラー粒子像を100個無作為にサンプリングし、その個数平均粒径を用いた。
フィラー抵抗値は(株)ダイアインスツルメンツ社製粉体抵抗測定システム MCP−PD51を用い、四端子4探針方式のロレスタ−GPを使用して試料1.0g、電極間隔3mm、試料半径10.0mm、荷重20kNで測定した体積抵抗値を用いた。
[キャリアの動的抵抗]
上記のように、本発明のキャリアは、6logΩ・cm以上9logΩ・cm以下の動的抵抗を有するものであることが非常に好ましい。
キャリアの特性値は様々あるが、その1つとして抵抗が挙げられる。
一般には、静抵抗を特性値として抑えることで、実機において、現像部からのキャリアの飛びを抑制できエッジ効果を抑えた、文字部などの細線の再現性が良い色汚れのない高精細な画像が得られる、とされている。ところが、エッジ効果を抑えた、文字部などの細線の再現性が良い色汚れのない高精細な画像が得られることに関しては静抵抗では抑えきれないという問題がある。
その理由として、キャリアの抵抗としては、キャリアに対して抵抗を発生させうる対象が静的である場合、キャリアに対して抵抗を発生させうる対象が動的である場合、の2つの要素が考えられる。例えばトナーとキャリアの電気的なやりとりやキャリアを支持させる現像部とキャリアとの電気的なやりとりであれば、静的となる。
これに対し、像支持体との電気的なやりとりであれば、動くもの同士であるため、動的となる要因であり、実機においては、この動的関係になる。
そのため、エッジ効果を抑えた、文字部などの細線の再現性が良い色汚れのない高精細な画像が得るためには、動抵抗を抑えることが好ましい。
その動的抵抗は、6logΩ・cm以上9logΩ・cm以下であることが好ましい。
動的抵抗が6logΩ・cm未満では、導電性微粒子の処方量が多くなり、被覆膜からの遊離を引き起こしたり、さらにはコストの面でも問題が発生してしまうことがあり、9logΩ・cmを超えると、動抵抗が高くなりすぎ、上記のような高繊細な画像を得ることができない場合がある。
[動的抵抗測定法]
なお、動的抵抗は、図8に示すように、現像スリーブ(1)と電極(2)からなる装置を用いて測定を行う。
ここで、測定に用いるキャリアの量は実機スリーブ上を再現しているものとして適量であり、電極のギャップは1.0mm、現像スリーブの回転数は250rpm、電極と現像スリーブ間の印加電圧は2000Vとし、現像スリーブとしてはアルミニウムを用い、以上の条件において直流抵抗を測定し、電気抵抗LogR・Ωcmを算出し、その値から動的抵抗を算定した。
[トナー]
本発明における電子写真用トナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤とを含み、前記結着樹脂が、結晶性樹脂を含有していることを特徴としている。以下に、結着樹脂、結晶性樹脂、着色剤、その他成分、該トナーの調整法等につき、詳細に説明する。
[トナー用結着樹脂]
本発明における結着樹脂は、結晶性樹脂を含むものである。低温定着性と耐熱保存性の高いレベルで両立させるためには、結晶性樹脂の含有量が結着樹脂に対して30重量%以上であることが好ましく、その両立性を最大限に発現させるには、主成分(50重量%以上)であることが好ましく、65重量%以上であることがより好ましい。
本発明における結晶性樹脂の「結晶性」とは、結晶構造を持った部位を有する樹脂であり、結晶構造を含むと、X線回折装置によって得られる回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有する。さらに、結晶性樹脂の性状は、高化式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.8〜1.55となり、熱により急峻に軟化する性状である。この性状を有する樹脂を「結晶性樹脂」とする。
また、「非結晶性」とは、X線回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有さず、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.55より大きく、熱により緩やかに軟化する性状である。この性状を有する樹脂を「非結晶性樹脂」とする。
樹脂及びトナーの軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D(島津製作所製))を用いて測定できる。試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とした。
樹脂及びトナーの融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60(島津製作所製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とした。
[結晶性樹脂]
前記結晶性樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂、変性結晶性樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂が好ましく、ウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂が好ましく、また、直鎖型ポリエステル樹脂、該直鎖型ポリエステル樹脂を含む複合樹脂がより好ましい。
ここで、ウレタン骨格及びウレア骨格の少なくともいずれかを有する樹脂としては、例えば、前記ポリウレタン樹脂、前記ポリウレア樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、ウレア変性ポリエステル樹脂などが好適に挙げられる。前記ウレタン変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、ポリオールとを反応させてなる樹脂である。また、前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、アミン類とを反応させてなる樹脂である。
前記結晶性樹脂の融解熱の最大ピーク温度としては、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から、45℃〜70℃が好ましく、53℃〜65℃がより好ましく、58℃〜62℃が特に好ましい。前記最大ピーク温度が、45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
また、トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/((C)+(A))が、0.15以上であることが、定着性と耐熱保存性の両立の観点から好ましく、0.20以上が更に好ましく、0.30以上がより好ましく、0.45以上が特に好ましい。
なお、本発明におけるトナーがワックスを含有する場合、ブラッグ(Bragg)角2θ=23.5〜24℃の位置にワックス固有の回折ピークが現れることが多い。しかし、トナー全重量に対するワックス含有量が15wt%以下の場合は、ワックス固有の回折ピークの寄与がわずかであることから考慮しなくてもよい。15wt%以上の場合には、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度から、ワックスの結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を差し引いた値を上記の「結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)」と置き換えることとする。
前記比率(C)/((C)+(A))は、トナー中の結晶化部位の量(主にトナーの主成分たる結着樹脂中の結晶化部位の量)を示す指標である。本発明におけるX線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定した。なお、従来公知の、結晶性樹脂やワックスを添加剤程度に含むようなトナーは、この比率がおおよそ0.15未満である。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用した。試料はこのキャピラリー管の上部まで詰めて測定した。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とした。
測定の詳細条件を以下に示す。
管電流 : 40mA
管電圧 : 40kV
ゴニオメーター2θ軸 : 20.0000°
ゴニオメーターΩ軸 : 0.0000°
ゴニオメーターφ軸 : 0.0000°
検出器距離 : 15cm(広角測定)
測定範囲 : 3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間 : 600sec
入射光学系には、φ1mmのピンホールを持つコリメーターを用いた。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換した。得られたX線回折測定結果を基に、前記比率(C)/((C)+(A))を算出する方法を、以下に説明する。
X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1(A)及び図1(B)に示す。横軸はブラッグ角2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1(A)におけるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2の主要なピークとハローをガウス関数、
fp1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1)2/(2cp12)} (式A(1))
fp2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2)2/(2cp22)} (式A(2))
fh(2θ)=ahexp{−(2θ−bh)2/(2ch2)} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、fh(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数)
で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+fh(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1(B)に図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行った。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、ah、bh、chの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bhにはX線回折のピーク位置(図1の例では、bp1=21.3、bp2=24.2、bh=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致させて得られた値を設定した。フィッティングは例えばMicrosoft社製Excel2003のソルバーを利用して行うことができる。
フィッティング後の2つの主要なピーク(P1、P2)に対応するガウス関数fp1(2θ)、fp2(2θ)、及びハローに相当するガウス関数fh(2θ)のそれぞれについての積分面積(SP1、Sp2、Sh)から、(Sp1+Sp2)を(C)、Shを(A)としたとき、結晶化部位の量を示す指標である比率(C)/((C)+(A))を算出することができる。
また、前記結晶性樹脂の軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)は、0.8〜1.55であることが好ましく、0.85〜1.25がより好ましく、0.9〜1.2が更に好ましく、0.9〜1.19が特に好ましい。前記比が小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れている。
前記結晶性樹脂の粘弾特性において、(融解熱の最大ピーク温度)+20℃における貯蔵弾性率G’は、5.0×10Pa・s以下が好ましく、より好ましくは1.0×10Pa・s〜5.0×10Pa・sであり、更に好ましくは1.0×10Pa・s〜1.0×10Pa・sである。また、(融解熱の最大ピーク温度)+20℃における損失弾性率G’’は、5.0×10Pa・s以下が好ましく、より好ましくは1.0×10Pa・s〜5.0×10Pa・sであり、更に好ましくは1.0×10Pa・s〜1.0×10Pa・sである。これは、本発明のトナーの粘弾特性において、(融解熱の最大ピーク温度)+20℃におけるG’及びG’’の値が、1.0×10Pa・s〜5.0×10Pa・sとなることが定着強度や耐ホットオフセット性の観点から好ましく、結着樹脂中に着色剤や層状無機鉱物を分散させることでG’及びG’’が上昇することを考慮すれば、結晶性樹脂の粘弾特性としては前記の範囲であることが好ましい。
前記結晶性樹脂の粘弾特性は、樹脂を構成する結晶性モノマーと非結晶性モノマーの比率や、樹脂の分子量を調整すること等により得ることができる。例えば、結晶性モノマーの比率を増加させると、G’(Ta+20)の値は小さくなる。
前記樹脂及びトナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”)は、動的粘弾性測定装置(例えば、ARES(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。周波数1Hz条件下で測定される。試料を、直径8mm、厚み1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/分間で昇温させて測定した。
前記結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、定着性の観点から、2,000〜100,000が好ましく、5,000〜60,000がより好ましく、8,000〜30,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、2,000より小さい場合は耐ホットオフセット性が悪化する傾向にあり、100,000より大きい場合は低温定着性が悪化する傾向にある。
本発明において、樹脂の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、GPC−8220GPC(東ソー社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー社製)を使用した。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。前記THF試料溶液を測定装置に100μl注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35ml/分間で測定した。試料の分子量測定にあたっては、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。前記標準ポリスチレン試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDのStd.No S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580、トルエンを用いた。
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
<ポリエステル樹脂>
前記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステル樹脂が、結晶性発現の観点から好ましい。
<ポリオール>
前記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール;炭素数4〜36の炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール;炭素数4〜36の脂環式ジオール;前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する);ビスフェノール類のAO付加物;ポリラクトンジオール;ポリブタジエンジオール;カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、及びこれらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量としては、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。前記含有量が80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
鎖炭素数が2〜36の前記分岐型脂肪族ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)等の付加物(付加モル数1〜30)などが挙げられる。
前記ビスフェノール類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物(付加モル数2〜30)などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸等の炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又は前記スルファミン酸基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物等のスルファミン酸ジオール[N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)及びそのAO付加物(AOとしてはEO又はPOなど、AOの付加モル数1〜6);ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12のアルキレングリコール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、必要により用いられる前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンポリオール及びその分子内もしくは分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン等)、糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシド等)等の炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
<ポリカルボン酸>
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸がより好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸等の炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸;ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸等の炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸;ダイマー酸(2量化リノール酸)等の炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが好適に挙げられる。
また、必要により用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくは、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等)を単独で用いることが特に好ましいが、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸(好ましくは、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸等;これら芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
<ラクトン開環重合物>
前記ラクトン開環重合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
<ポリヒドロキシカルボン酸>
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、ラセミ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間若しくは3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド、及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
[ポリウレタン樹脂]
前記ポリウレタン樹脂としては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタン樹脂が好ましい。
前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジオール及び前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールと同様のものが挙げられる。
[ポリイソシアネート]
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート類、脂肪族ジイソシアネート類、脂環式ジイソシアネート類、芳香脂肪族ジイソシアネート類などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等)、これらの2種以上の混合物などが挙げられる。また、必要により、3価以上のイソシアネートを併用してもよい。
前記芳香族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,3−及び/又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−及び/又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−及び/又は4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−及びp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−及び2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、m−及びp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、前記ジイソシアネートの変性物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等の変性MDI、イソシアネート含有プレポリマー等のウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物;これらジイソシアネートの変性物の2種以上の混合物(例えば、変性MDIとウレタン変性TDIとの併用)などが挙げられる。
これらのジイソシアネートの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、TDI、MDI、HDI、水添MDI、及びIPDIが特に好ましい。
[ポリウレア樹脂]
前記ポリウレア樹脂としては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレア樹脂等が挙げられる。これらの中でも、前記ジアミンと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレア樹脂が好ましい。
前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートとしては、前記ポリウレタン樹脂において挙げた前記ジイソシアネート及び前記3価以上のポリイソシアネートと同様のものが挙げられる。
<ポリアミン>
前記ポリアミンとしては、例えば、ジアミン、3価以上のポリアミンなどが挙げられる。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジアミン類、芳香族ジアミン類が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類、炭素数6〜20の芳香族ジアミン類が好ましい。また、必要により、前記3価以上のアミン類を使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数2〜6のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等の炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン;ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の前記アルキレンジアミン若しくは前記ポリアルキレンジアミンの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体;1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等の炭素数4〜15の脂環式ジアミン;ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等の炭素数4〜15の複素環式ジアミン;キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等の炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン類などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,2−、1,3−及び1,4−フェニレンジアミン、2,4’−及び4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミン等の非置換芳香族ジアミン;2,4−及び2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホン等の炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン;前記非置換芳香族ジアミン乃至前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンの異性体の種々の割合の混合物;メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等の核置換電子吸引基(Cl、Br、I、F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン;4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等の二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕などが挙げられる。
前記ジアミンとして、これらの他、ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)前記ポリアミン(前記アルキレンジアミン、前記ポリアルキレンポリアミン等)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミン等のポリアミドポリアミン;ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物等のポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
[ポリアミド樹脂]
前記ポリアミド樹脂としては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸等のポリカルボン酸とから合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ジアミンとジカルボン酸とから合成されるポリアミド樹脂が好ましい。
前記ジアミン及び前記3価以上のポリアミンとしては、前記ポリウレア樹脂において挙げた前記ジアミン及び前記3価以上のポリアミンと同様のものが挙げられる。
前記ジカルボン及び前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、前記ポリエステル樹脂において挙げた前記ジカルボン及び前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸と同様のものが挙げられる。
[ポリエーテル樹脂]
前記ポリエーテル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。
前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜従来より公知の方法を選択することができ、例えば、キラル体のAOを、通常AOの重合で使用される触媒で開環重合させる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、1956年、第78巻、第18号、p.4787−4792に記載)や、安価なラセミ体のAOを立体的に嵩高い特殊な化学構造の錯体を触媒として用いて、開環重合させる方法などが挙げられる。
また、特殊な錯体を用いる方法としては、ランタノイド錯体と有機アルミニウムを接触させた化合物を触媒として用いる方法(例えば、特開平11−12353号公報に記載)やバイメタルμ−オキソアルコキサイドとヒドロキシル化合物をあらかじめ反応させる方法(例えば、特表2001−521957号公報に記載)などが知られている。
また、非常にアイソタクティシティの高い結晶性ポリオキシアルキレンポリオールを得る方法として、サレン錯体を触媒として用いる方法(例えば、Journal of the American Chemical Society、2005年、第127巻、第33号、p.11566−11567に記載)が知られている。例えば、キラル体のAOを用い、その開環重合時に、開始剤として、グリコール又は水を用いると、末端にヒドロキシル基を有するアイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールが得られる。前記アイソタクティシティが50%以上であるポリオキシアルキレングリコールは、その末端を例えば、カルボキシル基になるように変性したものであってもよい。なお、前記アイソタクティシティが50%以上であると、通常、結晶性となる。前記グリコールとしては、前記ジオールなどが挙げられ、カルボキシ変性するのに用いるカルボン酸としては、前記ジカルボン酸などが挙げられる。
前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールの製造に用いるAOとしては、炭素数3〜9のものが挙げられ、例えば、PO、1−クロロオキセタン、2−クロロオキセタン、1,2−ジクロロオキセタン、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、1,2−BO、メチルグリシジルエーテル、1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ペンチレンオキサイド、3−メチル−1,2−ブチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、1,2−へキシレンオキサイド、3−メチル−1,2−ペンチレンオキサイド、2,3−ヘキシレンオキサイド、4−メチル−2,3−ペンチレンオキサイド、アリルグリシジルエーテル、1,2−へプチレンオキサイド、スチレンオキサイド、フェニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのAOの中でも、PO、1,2−BO、スチレンオキサイド及びシクロへキセンオキサイドが好ましく、PO、1,2−BO、シクロへキセンオキサイドがより好ましい。また、これらのAOは、1種単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、前記結晶性ポリオキシアルキレンポリオールのアイソタクティシティは、得られる結晶性ポリエーテル樹脂の高シャープメルト性と耐ブロッキング性の観点から、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上が特に好ましく、95%以上が最も好ましい。
前記アイソタクティシティは、Macromolecules、vol.35、No.6、2389−2392頁(2002年)に記載の方法で算出することができ、以下のようにして求めることができる。
測定試料約30mgを直径5mmの13C−NMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶剤を加えて溶解させ、分析用試料とする。ここで、重水素化溶剤としては、特に制限はなく、試料を溶解させることのできる溶剤を適宜選択することができ、例えば、重水素化クロロホルム、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。13C−NMRの3種類のメチン基由来の信号は、それぞれシンジオタクチック値(S)75.1ppm付近とヘテロタクチック値(H)75.3ppm付近とアイソタクチック値(I)75.5ppm付近に観測される。
アイソタクティシティは、次の計算式(1)により算出する。
アイソタクティシティ(%)=[I/(I+S+H)]×100 計算式(1)
ただし、前記計算式(1)中、Iはアイソタクチック信号の積分値、Sはシンジオタクチック信号の積分値、Hはヘテロタクチック信号の積分値である。
[ビニル樹脂]
前記ビニル樹脂としては、結晶性を有するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性を有するビニルモノマーと、必要により結晶性を有しないビニルモノマーとを構成単位として有するものが好ましい。
前記結晶性を有するビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が12〜50の直鎖アルキル(メタ)アクリレート(炭素数12〜50の直鎖アルキル基が結晶性基である)などが好適に挙げられる。
前記結晶性を有しないビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が1,000以下のビニルモノマーが好ましく、例えば、スチレン類、(メタ)アクリルモノマー、カルボキシル基含有ビニルモノマー、他のビニルエステルモノマー、脂肪族炭化水素系ビニルモノマーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スチレン、アルキル基の炭素数が1〜3のアルキルスチレンなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜11のアルキル(メタ)アクリレート及びアルキル基の炭素数が12〜18の分岐アルキル(メタ)アクリレート;ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数1〜11のヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキル基の炭素数が1〜11のアルキルアミノ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記カルボキシル基含有ビニルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸等の炭素数3〜15のモノカルボン酸;(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の炭素数4〜15のジカルボン酸;マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、シトラコン酸モノアルキルエステル等の前記ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜18)エステル等のジカルボン酸モノエステルなどが挙げられる。
前記他のビニルエステルモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、イソプロペニルアセテート等の炭素数4〜15の脂肪族ビニルエステル;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の炭素数8〜50の不飽和カルボン酸多価(2価〜3価又はそれ以上)アルコールエステル;メチル−4−ビニルベンゾエート等の炭素数9〜15の芳香族ビニルエステルなどが挙げられる。
前記脂肪族炭化水素系ビニルモノマーは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、オクテン等の炭素数2〜10のオレフィン;ブタジエン、イソプレン、1,6−ヘキサジエン等の炭素数4〜10のジエンなどが挙げられる。
[変性結晶性樹脂(結着樹脂前駆体)]
前記変性結晶性樹脂としては、活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記活性水素基と反応可能な官能基を有する結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂、結晶性ビニル樹脂などが挙げられる。前記変性結晶性樹脂は、トナーの製造過程において、活性水素基を有する樹脂や、活性水素基を有する架橋剤や伸長剤等の活性水素基を有する化合物と反応させることで、樹脂を高分子量化させ、結着樹脂を形成することができる。したがって、これらの変性結晶性樹脂は、トナーの製造において、結着樹脂前駆体として使用することができる。
前記結着樹脂前駆体とは、上述の結着樹脂を構成するモノマーやオリゴマー、及び前記活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂、オリゴマー類を含む伸長又は架橋反応が可能な化合物を指す。これらの条件を満たしていれば、これら材料は結晶性樹脂であっても非結晶性樹脂であってもよい。これらの中でも、前記結着樹脂前駆体としては、少なくとも末端にイソシアネート基を有する前記変性結晶性樹脂であることが好ましく、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒する際に、活性水素基との反応によって、伸長乃至架橋反応して結着樹脂を形成することが好ましい。
このような前記結着樹脂前駆体から形成される結着樹脂としては、前記活性水素基と反応可能な官能基を有する変性された樹脂と、前記活性水素基を有する化合物とを伸長乃至架橋反応してなる結晶性樹脂が好ましい。これらの中でも、末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、前記ポリオールとを伸長乃至架橋反応してなるウレタン変性ポリエステル樹脂;末端にイソシアネート基を有するポリエステル樹脂と、アミン類とを伸長乃至架橋反応してなるウレア変性ポリエステル樹脂などが好ましい。
前記活性水素基と反応可能な官能基は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などの官能基が挙げられる。これらの中でも、反応性や安定性の観点から、イソシアネート基などが好ましい。
前記活性水素基を有する化合物としては、前記活性水素基を有していれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、前記活性水素基と反応可能な官能基がイソシアネート基である場合には、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などを前記活性水素基として有する化合物が挙げられる。これらの中でも、反応速度の観点から、アミノ基を有する化合物(即ち、アミン類)が特に好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。また、これらのアミン類のアミノ基をケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)でブロックした、ケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物などが挙げられる。
前記結晶性樹脂は、結晶性部と非結晶性部をもつブロック樹脂であってもよい。前記結晶性部としては、前記結晶性樹脂を用いることができる。前記非結晶性部の形成に用いられる樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ビニル樹脂(ポリスチレン、スチレンアクリル系ポリマー等)、エポキシ樹脂などが挙げられる。
ただし、前記結晶性部としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂であることが好ましいので、相溶性の観点から、前記非結晶性部の形成に用いられる樹脂もポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、及びそれらの複合樹脂であることが好ましく、ポリウレタン樹脂及びポリエステル樹脂がより好ましい。これらの非結晶性部の組成としては、非結晶性樹脂となるものであれば、特に制限はなく、目的に応じていかなる組合せでも適宜選択することができる。使用するモノマーとしては、前記ポリオール、前記ポリカルボン酸、前記ポリイソシアネート、前記ポリアミン、前記AOなどが挙げられる。
[非結晶性樹脂]
前記非結晶性樹脂としては、非結晶性であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂など、及び活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂類が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<着色剤>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、黒色用の着色剤、マゼンダ、シアン、イエロー等のカラー用の着色剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。
マゼンタ用着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、48:1、49、50、51、52、53、53:1、54、55、57、57:1、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、177、179、202、206、207、209、211;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35などが挙げられる。
シアン用の着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、60;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45又フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料、グリーン7、グリーン36などが挙げられる。
イエロー用着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー0−16、1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、55、65、73、74、83、97、110、151、154、180;C.I.バットイエロー1、3、20、オレンジ36などが挙げられる。
前記着色剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記スチレン又はその置換体の重合体としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリp−クロロスチレン樹脂、ポリビニルトルエン樹脂などが挙げられる。前記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などが挙げられる。
また、これらのマスターバッチ用樹脂は、本発明における結晶性樹脂であっても何ら問題ない。
前記マスターバッチは、前記マスターバッチ用樹脂と、前記着色剤とを高せん断力をかけて混合乃至混練させて製造することができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を添加することが好ましい。また、いわゆるフラッシング法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥する必要がない点で好適である。前記フラッシング法は、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させて水分及び有機溶剤成分を除去する方法である。前記混合乃至混練には、例えば、三本ロールミル等の高せん断分散装置が好適に用いられる。
[その他の成分]
本発明のトナーは、本発明の効果を損なわない範囲で、結着樹脂、着色剤の他に、離型剤、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などのその他の成分を必要に応じて含有していてもよい。
<離型剤>
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素等のワックス類が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワッックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
40℃〜160℃が好ましく、50℃〜120℃がより好ましく、60℃〜90℃が特に好ましい。前記融点が40℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、160℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(セイコー電子工業株式会社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分間で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分間で昇温(昇温2回目)し、融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。
前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0質量%〜40質量%が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
<帯電制御剤>
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、公知のもの中から目的に応じて適宜選択することができるが、有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましい。そのような帯電制御剤としては、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤は、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(いずれもオリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(いずれも保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(いずれもヘキスト社製);LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット株式会社製);キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤は、前記マスターバッチと共に溶融混練させた後、溶解乃至分散させてもよく、あるいは前記トナーの各成分と共に、溶解乃至分散させる際に添加してもよい。
あるいはトナー粒子製造後にトナー表面に固定させてもよい。
前記帯電制御剤の前記トナーにおける含有量としては、前記結着樹脂の種類、添加剤の有無、分散方法等により異なり、一概に規定することができないが、例えば、前記結着樹脂100質量部に対し、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、帯電制御性が得られないことがある。また、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きくなりすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させて、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や画像濃度の低下を招くことがある。
<外添剤>
前記外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができる。例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等);金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモン等)、疎水化された金属酸化物微粒子、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子が好適に挙げられる。
前記シリカ微粒子としては、例えば、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H1303(いずれもヘキスト社製);R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。また、前記酸化チタン微粒子としては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれもチタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれもテイカ株式会社製)などが挙げられる。前記疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製);STT−30A、STT−65S−S(いずれもチタン工業株式会社製);TAF−500T、TAF−1500T(いずれも富士チタン工業株式会社製);MT−100S、MT−100T(いずれもテイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化されたシリカ微粒子、疎水化された酸化チタン微粒子、疎水化されたアルミナ微粒子を得るためには、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子等の親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理して得ることができる。
また、前記外添剤として、シリコーンオイルで、必要ならば熱を加えて無機微粒子を処理したシリコーンオイル処理無機微粒子も好適である。
前記シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アクリル又はメタクリル変性シリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイルなどが使用できる。
前記無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化鉄、酸化銅、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸パリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。これらの中でも、シリカ、二酸化チタンが特に好ましい。
前記外添剤の添加量としては、前記トナーに対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.3質量%〜3質量%がより好ましい。
前記無機微粒子の一次粒子の個数平均粒径は、100nm以下が好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。前記重量平均粒径が3nm未満であると、無機微粒子がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくい。前記重量平均粒径が70nmを超えると、静電潜像担持体表面を不均一に傷つけ好ましくない。
前記外添剤としては、前記無機微粒子や疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径は、1nm〜100nmが好ましく、中でも、5nm〜70nmの無機微粒子を少なくとも2種含むことがより好ましい。更に、疎水化処理された一次粒子の個数平均粒径が20nm以下の無機微粒子を少なくとも2種類含み、かつ30nm以上の無機微粒子を少なくとも1種類含むことがより好ましい。また、BET法による比表面積は、20m/g〜500m/gであることが好ましい。
前記酸化物微粒子を含む外添剤の表面処理剤としては、例えば、ジアルキルジハロゲン化シラン、トリアルキルハロゲン化シラン、アルキルトリハロゲン化シラン、ヘキサアルキルジシラザンなどのシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、シリコーンワニスなどが挙げられる。
前記外添剤として樹脂微粒子も添加することができる。該樹脂微粒子としては、例えば、ソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン;メタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体;シリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系重合体粒子;熱硬化性樹脂による重合体粒子などが挙げられる。このような樹脂微粒子を併用することによってトナーの帯電性が強化でき、逆帯電のトナーを減少させ、地肌汚れを低減することができる。前記樹脂微粒子の添加量は、前記トナーに対し0.01質量%〜5質量%が好ましく、0.1質量%〜2質量%がより好ましい。
<流動性向上剤>
前記流動性向上剤は、前記トナーの表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても前記トナーの流動特性や帯電特性の悪化を防止可能なものを意味する。例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
<クリーニング性向上剤>
前記クリーニング性向上剤は、静電潜像担持体や中間転写体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加される。例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩;ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。
該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、重量平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
[トナーの特性]
本発明のトナーが、低温定着性と耐熱保存性をより高いレベルで両立し、耐ホットオフセット性に優れるものとするためには、前記トナーの示差走査熱量計により測定される融解熱の最大ピーク温度をTa(℃)、高化式フローテスターにより測定される軟化温度をTb(℃)とした場合、45≦Ta≦70、0.8≦Tb/Ta≦1.55であり、且つ、前記トナーの(Ta+20)℃における貯蔵弾性率をG’(Ta+20)(Pa・s)、(Ta+20)℃における損失弾性率をG’’(Ta+20)(Pa・s)とした場合、1.0×10≦G’(Ta+20)≦5.0×10、1.0×10≦G’’(Ta+20)≦5.0×10を満たすことが好ましい。
前記トナーの融解熱の最大ピーク温度(Ta)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、45℃〜70℃が好ましく、53℃〜65℃がより好ましく、58℃〜62℃が特に好ましい。前記Taが、45℃〜70℃であると、トナーに要求される最低限の耐熱保存性を確保することができ、且つ、従来にはない優れた低温定着性を持つトナーが得られる。前記Taが、45℃より低い場合は、低温定着性は良くなるが耐熱保存性が悪化し、70℃より高い場合は逆に耐熱保存性は良くなるが低温定着性が悪化する。
前記トナーの軟化温度(Tb)と融解熱の最大ピーク温度(Ta)との比(Tb/Ta)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。0.8〜1.55が好ましく、0.85〜1.25がより好ましく、0.9〜1.2が特に好ましく、0.9〜1.19が最も好ましい。前記Tbが小さい程、樹脂が急峻に軟化する性状を持ち、低温定着性と耐熱保存性の両立の観点から優れている。
前記トナーの粘弾特性において、(Ta+20)℃における貯蔵弾性率G’(Ta+20)は、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることが定着強度及び耐ホットオフセット性の観点から好ましい。1.0×10〜5.0×10Pa・sであることがより好ましい。また、(Ta+20)℃における損失弾性率G’’(Ta+20)は、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることが耐ホットオフセット性の観点から好ましいが、1.0×10〜5.0×10Pa・sであることがより好ましい。
また、前記トナーの(Ta+30)℃における損失弾性率をG’’(Ta+30)(Pa・s)、(Ta+70)℃における損失弾性率をG’’(Ta+70)(Pa・s)とした場合、0.05≦〔G’’(Ta+30)/G’’(Ta+70)〕≦50であることが好ましい。この範囲にすることで、温度に対するトナーの損失弾性率の変化が緩やかになり、低温定着性を維持しながら、より耐ホットオフセット性に優れたトナーを得ることができる。〔G”(Ta+30)/G”(Ta+70)〕としては、0.05〜50が好ましく、0.1〜40がより好ましく、0.5〜30が特に好ましい。
前記トナーの粘弾特性は、結着樹脂を構成する結晶性樹脂と非結晶性樹脂の比率や、樹脂の分子量やモノマー組成を調整すること等により任意で制御することが可能である。
[トナーの製造方法]
本発明におけるトナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、有機変性層状無機鉱物とを含むトナーであって、前記結着樹脂が、結晶性樹脂を該結着樹脂に対して50質量%以上を含有し、前記有機変性層状無機鉱物が、層状無機鉱物の層間に存在するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された有機変性層状無機鉱物であるトナーである。その製法や材料は条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法がある。前記ケミカル工法では、結晶性樹脂を容易に造粒することが可能であり、層状無機鉱物をトナー表層近傍に配置させやすいので好ましい。
前記水系媒体中にてトナー粒子を造粒するケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる溶解懸濁法;樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法で得られるトナーであることが、結晶性樹脂による造粒性(粒度分布制御の容易さ、粒子形状の制御など)や、前記有機変性層状無機鉱物のトナー表層近傍への配向性の観点からより好ましい。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
前記混練粉砕法は、例えば、少なくとも着色剤、結着樹脂及び層状無機鉱物を有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練では、前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕では、前記混練で得られた混練物を粉砕する。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
前記ケミカル工法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも前記結着樹脂と、前記着色剤と、前記有機変性層状無機鉱物とを含むトナー組成物を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法が好ましい。本発明のトナーとしては、少なくとも前記結着樹脂と、前記着色剤と、前記有機変性層状無機鉱物とを含む微粒子を、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒することにより得られるトナーが好ましい。
また、前記ケミカル工法としては、少なくとも前記結着樹脂及び前記結着樹脂前駆体の少なくともいずれかと、前記着色剤と、前記有機変性層状無機鉱物とを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法が好ましい。本発明のトナーとしては、少なくとも前記結着樹脂及び前記結着樹脂前駆体の少なくともいずれかと、前記着色剤と、前記有機変性層状無機鉱物とを含むトナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散してなる油相を、水系媒体中に分散乃至乳化してトナー粒子を造粒することにより得られるトナーが好ましい。
前記結晶性樹脂は、耐衝撃性に優れるため、粉砕工法ではエネルギー効率面で不向きであり、トナー表層近傍に層状無機鉱物を配置させることが困難である。一方、本発明のような溶解懸濁法やエステル伸長法では、結晶性樹脂を容易に造粒することが可能であり、水系媒体中での分散乃至乳化時に層状無機鉱物がトナー表層近傍に均一に配列するので好ましい。
少なくとも前記結着樹脂を含む樹脂微粒子を製造する方法としては、特に限定はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下の(a)〜(h)などが挙げられる。
(a)ビニル系樹脂の場合において、モノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等の重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を製造する方法。
(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、その後に加熱したり、硬化剤を加えたりして硬化させて樹脂微粒子の水性分散体を製造する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加あるいは縮合系樹脂の場合において、前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化させたものでもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
(d)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を機械回転式、ジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、次いで、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(e)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(f)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液に溶剤を添加するか、又はあらかじめ溶剤に加熱溶解した樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、次いで、溶剤を除去して樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤存在下で水中に分散させる方法。
(g)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液を、適当な分散剤存在下で水性媒体中に分散させ、これを加熱、減圧等によって溶剤を除去する方法。
(h)あらかじめ高分子化反応(付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等いずれの重合反応様式であってもよい。)により作製した樹脂を溶剤に溶解した樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化する方法。
また、水系媒体中への乳化乃至分散に際し、必要に応じて、界面活性剤や、高分子系保護コロイド等を用いることもできる。
−界面活性剤−
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステル等の陰イオン界面活性剤;アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体等の非イオン界面活性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタイン等の両性界面活性剤などが挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。前記フルオロアルキル基を有する界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤などが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
前記フルオロアルキル基を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級又は2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩等の脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などが挙げられる。
−高分子系保護コロイド−
前記高分子系保護コロイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルアルコール;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、及びこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子乃至その複素環を有するもの等のホモポリマー乃至共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類などが挙げられる。
−有機溶媒−
前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体、前記着色剤及び前記有機変性層状無機鉱物を含むトナー組成物を溶解乃至分散させる場合に用いる有機溶媒としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶剤除去が容易になる点から好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体、前記着色剤及び前記有機変性層状無機鉱物を含むトナー組成物を溶解乃至分散させて得られる油相の固形分濃度としては、40質量%〜80質量%が好ましい。濃度が高すぎると、溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらく、濃度が低すぎると、トナーの製造量が少なくなる。
前記着色剤、前記有機変性層状無機鉱物などの樹脂以外のトナー組成物、及びそれらのマスターバッチなどは、それぞれ個別に有機溶剤に溶解乃至分散させ、前記樹脂溶解液乃至分散液に混合してもよい。
−水系媒体−
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。前記混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
前記水系媒体の前記トナー組成物100質量部に対する使用量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。通常50〜2,000質量部であり、100〜1,000質量部が好ましい。前記使用量が50質量部未満では、トナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。また、前記使用量が2,000質量部を超えると経済的でない。
前記水系媒体中には、無機分散剤乃至有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させていてもよく、粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の観点で好ましい。
前記無機分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという観点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
水系媒体中への乳化乃至分散の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。
これらの中でも、粒子の小粒径化の観点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000rpm〜30,000rpmであり、5,000rpm〜20,000rpmが好ましい。分散時の温度としては、通常、0℃〜150℃(加圧下)であり、20℃〜80℃が好ましい。
前記トナー組成物に前記結着樹脂前駆体を有する場合、前記結着樹脂前駆体が伸長乃至架橋反応するのに必要な前記活性水素基を有する化合物などを、水系媒体中で前記トナー組成物を分散する前に油相中にあらかじめ混合しておいてもよいし、水系媒体中で混合してもよい。
前記有機溶剤を、得られた乳化分散体から除去するためには、公知の方法を使用することができ、例えば、常圧又は減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。
前記水系媒体中で凝集法を用いる場合は、上記の方法で得られた樹脂微粒子分散液、着色剤分散液、有機変性層状無機鉱物分散液、及び必要ならば離型剤などの分散液を混合し、一緒に凝集させることにより造粒される。樹脂微粒子分散液の種類は、単独でもよいし、二種類以上の樹脂微粒子分散液を加えてもよく、一度に加えてもよいし、何度かに分けて加えてもよい。その他の分散液に関しても同様である。
凝集状態の制御には、熱を加える、金属塩を添加する、pHを調整するなどの方法が好ましく用いられる。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。さらに、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。
即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いてもよいし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にしてもよい。
得られた乾燥後のトナー粉体と前記帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、例えば、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士又は複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。
装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して、粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などが挙げられる。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明に用いられる画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程であり、本発明の現像装置にかかわる工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
<現像装置>
本発明に用いられる現像装置は、前記現像剤を搬送攪拌させて摩擦帯電させる搬送スクリュと、回転可能なマグネットローラとを有するもの等が好適に挙げられる。
前記現像装置内では、前記トナーと前記キャリアとが搬送スクリュにて混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
次に、図2、図3を用いて、現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yには、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクターブレード52Y、現像剤収容部53Y、54Y内に配設された2つの搬送スクリュ55Y、56Y、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ58Y、等で構成される。
現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部53Y、54Y内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
現像剤収容部53Yと、現像剤収容部54Yとは、図3に示すように、仕切り部材により仕切られ、現像剤Gが現像剤収容部53Y、54Yを循環するための開口部を、その両端部に備えている。
そして、現像剤収容部53Yから現像剤収容部54Yに現像剤Gが還流する開口部よりも現像剤収容部54Yの搬送方向上流部に形成されたトナー収容部57Yは、その上方に形成された開口(不図示)を介してトナー落下経路に連通している。
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、不図示のトナー容器に収容されているトナーが、トナー補給装置を介してトナー収容部57Y内に補給される。
搬送スクリュ56Yの回転によって現像剤収容部54Y内に搬送された補給トナーは、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、2つの現像剤収容部53Y、54Yを循環する(図3の矢印方向)。そして、現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51Y上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクターブレード52Yの位置に達する。そして、現像ローラ51Y上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。
そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51Y上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
搬送スクリュは軸と螺旋羽根からなり、合成樹脂の一体成形とすることが望ましく、この合成樹脂としては熱変形性が少なく耐熱性、トナーとの非粘着性に優れ、寸法安定性及び強度に優れるものが使用される。
例えばアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)、ABS樹脂とPC樹脂のアロイ(ABS樹脂/PC樹脂)、ポリフェニレンエーテル(PPE樹脂)、ポリフェニレンオキサイド(PPO樹脂)あるいはカーボンあるいはアラミド等のガラス繊維で補強されたABS樹脂、PC樹脂、ABS樹脂/PC樹脂、PPE樹脂、PPO樹脂等が使用され、そのうちABS樹脂/PC樹脂(ガラス繊維30%入り)が安価で安定性があり好適に使用される。
また、軸のたわみを防止する観点や、現像装置内で発生した熱を拡散させる目的で、軸、螺旋羽根に金属を用いる。
特に、本発明の結晶性樹脂を含有しているトナーに置いては、現像装置内の熱により凝集体を発生し、白抜け等の異常画像を起こしやすい。その対策として搬送スクリュの軸、螺旋羽根に金属を用いることが好ましい。材質として例えばSUS、構造用炭素鋼、黄鋼、高力アルミなどが使用される。但し、金属製の搬送スクリュは樹脂製と比較し非常に高価であり、コストアップにつながる。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図4に、本発明で用いられる画像形成装置の第一例を示す。画像形成装置100Aは、感光体ドラム10と、帯電ローラ20と、露光装置(不図示)と、現像装置40と、中間転写ベルト50と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電ランプ70とを備える。
中間転写ベルト50は、内側に配置されている3個のローラ51で張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。3個のローラ51の一部は、中間転写ベルト50に転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。また、中間転写ベルト50の近傍に、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。さらに、転写紙95にトナー像を転写するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することが可能な転写ローラ80が中間転写ベルト50と対向して配置されている。また、中間転写ベルト50の周囲には、中間転写ベルト50に転写されたトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電装置58が、中間転写ベルト50の回転方向に対して、感光体ドラム10と中間転写ベルト50の接触部と、中間転写ベルト50と転写紙95の接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cから構成されている。なお、各色の現像ユニット45は、現像剤収容部42、現像剤供給ローラ43及び現像ローラ44を備える。また、現像ベルト41は、複数のベルトローラで張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。さらに、現像ベルト41の一部が感光体ドラム10と接触している。
次に、画像形成装置100Aを用いて画像を形成する方法について説明する。まず、帯電ローラ20を用いて、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させた後、露光装置(不図示)を用いて、感光ドラム10に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。次に、感光ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から供給されたトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、ローラ51から印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト50上に転写(一次転写)された後、転写ローラ80から印加された転写バイアスにより、転写紙95上に転写(二次転写)される。一方、トナー像が中間転写ベルト50に転写された感光体ドラム10は、表面に残留したトナーがクリーニング装置60により除去された後、除電ランプ70により除電される。
図5に、本発明で用いられる画像形成装置の第二例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図6に、本発明で用いられる画像形成装置の第三例を示す。画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備える。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Cを用いて、フルカラー画像を形成する方法について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に、カラー原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に、カラー原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像情報は、各色の画像形成ユニット120に伝達され、各色のトナー像が形成される。各色の画像形成ユニット120は、図6に示すように、それぞれ、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラ160と、各色の画像情報に基づいて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、各色の静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像を各色の現像剤で現像して各色のトナー像を形成する現像装置61と、トナー像を中間転写ベルト50上に転写させるための転写ローラ62と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置63と、除電ランプ64とを備える。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の一つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の一つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
あるいは、給紙ローラを回転して手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。次に、中間転写ベルト50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させることにより、中間転写ベルト50と二次転写ベルト24との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写ベルト50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写ベルト24により搬送された後、定着装置25により複合トナー像が定着される。次に、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。あるいは、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、シート反転装置28により反転され、裏面にも同様にして画像が形成された後、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。
本発明の画像形成方法では、本発明のトナーを用いることにより、高光沢で高画質な画像を長期にわたって提供することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
[製造例1;結晶性ポリウレタン樹脂A−1の製造]
撹拌機及び温度計をセットした反応容器に、1,4−ブタンジオール45重量部(0.50mol)、1,6−ヘキサンジオール59重量部(0.50mol)、及びメチルエチルケトン(以下、MEKと記載する。)200重量部を入れた。この溶液に4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)250重量部(1.00mol)を入れ、80℃で5時間反応した後、溶媒を除去して[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]を得た。得られた[結晶性ポリウレタン樹脂A−1]は、Mw20000、融点60℃であった。
[製造例2;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、アジピン酸15重量部(0.10mol)、1,6−ヘキサンジオール177重量部(1.50mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ12,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を得た。
得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]は、Mw12,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル350重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)30重量部(0.12mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]は、Mw22,000、融点62℃であった。
[製造例3;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール189重量部(1.60mol)、及び縮合触媒としてジブチル錫オキサイド0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ6,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]は、Mw6,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)38重量部(0.15mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]は、Mw10,000、融点64℃であった。
[製造例4;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185重量部(0.91mol)、アジピン酸13重量部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール106重量部(1.18mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ14,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]は、Mw14,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−4]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)12重量部(0.07mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−4]は、Mw39,000、融点63℃であった。
[製造例5;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸166重量部(0.82mol)、アジピン酸26重量部(0.18mol)、1,4−ブタンジオール131重量部(1.45mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ8,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]は、Mw8,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−5]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)33重量部(0.13mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−5]は、Mw17,000、融点54℃であった。
[製造例6;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、アジピン酸18重量部(0.12mol)、1,6−ヘキサンジオール139重量部(1.18mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ18,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−6]を得た。
得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−6]は、Mw18,000であった。続いて、得られた結晶性ポリエステル樹脂A’−6を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)15重量部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]は、Mw42,000、融点62℃であった。
[製造例7;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール149重量部(1.26mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]は、Mw9,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−7]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)28重量部(0.11mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−7]は、Mw30,000、融点67℃であった。
[製造例8;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール191重量部(1.62mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ4,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]は、Mw4,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−8]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)35重量部(0.14mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−8]は、Mw8,500、融点64℃であった。
[製造例9;結晶性ポリウレア樹脂A−9の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、1,4−ブタンジアミン123重量部(1.40mol)、1,6−ヘキサンジアミン212重量部(1.82mol)、メチルエチルケトン(MEK)100重量部を入れて攪拌した後、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)336重量部(2.00mol)を加え、窒素気流下にて60℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂A−9]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂A−9]は、Mwが23,000、融点64℃であった。
[製造例10;結晶性ポリエステル樹脂A−10の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185重量部(0.91mol)、アジピン酸13重量部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール125重量部(1.39mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−10]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−10]は、Mw9,500、融点57℃であった。
[製造例11;結晶性ポリエステル樹脂A−11の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール130重量部(1.10mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ30,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−11]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−11]は、Mw27,000、融点62℃であった。
[製造例12;結晶性部と非晶性部からなるブロック樹脂A−12の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール25重量部(0.33mol)、メチルエチルケトン(MEK)170重量部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)147重量部(0.59mol)を加え、80℃で5時間反応させて末端にイソシアネート基を有する[非晶性部c−1]のMEK溶液を得た。別途、冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール160重量部(1.35mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ9,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]は、Mw8,500、融点63℃であった。次いで、[非晶性部c−1]のMEK溶液340重量部に、結晶性部として、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]320重量部をMEK320重量部に溶解させた溶液を加えて、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[ブロック樹脂A−12]を得た。得られた[ブロック樹脂A−12]は、Mw26,000、融点62℃であった。
[製造例13;結晶性部と非晶性部からなるブロック樹脂A−13の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール39重量部(0.51mol)、メチルエチルケトン(MEK)270重量部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)228重量部(0.91mol)を加え、80℃で5時間反応させて末端にイソシアネート基を有する[非晶性部c−2]のMEK溶液を得た。別途、冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール160重量部(1.35mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ8,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−13]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−13]は、Mw7,500、融点62℃であった。次いで、[非晶性部c−2]のMEK溶液540重量部に、結晶性部として、[結晶性ポリエステル樹脂A’−12]320重量部をMEK320重量部に溶解させた溶液を加えて、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[ブロック樹脂A−13]を得た。得られた[ブロック樹脂A−13]は、Mw23,000、融点61℃であった。
[製造例14;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸113重量部(0.56mol)、テレフタル酸ジメチル109重量部(0.56mol)、1,6−ヘキサンジオール132重量部(1.12mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水、メタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ35,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]は、Mw34,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−1]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)10重量部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]は、Mw63,000、融点65℃であった。
[製造例15;ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸204重量部(1.01mol)、アジピン酸13重量部(0.09mol)、1,6−ヘキサンジオール136重量部(1.15mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ20,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を得た。
得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]は、Mw20,000であった。続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200重量部、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)15重量部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]は、Mw39,000、融点63℃であった。
[製造例16;結晶性ポリウレア樹脂B−3の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、1,4−ブタンジアミン79重量部(0.90mol)、1,6−ヘキサンジアミン116重量部(1.00mol)、メチルエチルケトン(MEK)600重量部を入れて攪拌した後、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)475重量部(1.90mol)を加え、窒素気流下にて60℃で5時間反応させた。次いで減圧下にてMEKを留去して[結晶性ポリウレア樹脂B−3]を得た。得られた[結晶性ポリウレア樹脂B−3]は、Mwが57,000、融点66℃であった。
[製造例17;結晶性ポリエステル樹脂B−4の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、ドデカン二酸230重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール118重量部(1.00mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ50,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B−4]は、Mw52,000、融点66℃であった。
[製造例18;結晶性樹脂前駆体B’−5の製造]
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202重量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122重量部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5重量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ25,000に達するまで反応を行った。得られた[結晶性樹脂]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300重量部、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)27重量部(0.16mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体B’−5]の50重量%酢酸エチル溶液を得た。得られた[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液10重量部をテトラヒドロフラン(THF)10重量部と混合し、これにジブチルアミン1重量部を添加して、2時間撹拌させた。得られた溶液を試料としてGPC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B’−5]のMwは54,000であった。また、前記溶液から溶媒を除去して得られた試料についてDSC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B’−5]の融点は57℃であった。
以上、結晶性樹脂(前駆体を含む)の製造に使用した原材料、及び結晶性樹脂の物性について、表1〜表3にまとめて示した。
Figure 2014112191
Figure 2014112191
Figure 2014112191
[製造例19;非結晶性樹脂C−1の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222重量部、ビスフェノールA PO2mol付加物129重量部、イソフタル酸166重量部、及びテトラブトキシチタネート0.5重量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35重量部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂C−1]を得た。得られた[非結晶性樹脂C−1]は、Mw8,000、Tg62℃であった。
[製造例20;非結晶性樹脂前駆体C’−2の製造]
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物720重量部、ビスフェノールA PO2mol付加物90重量部、テレフタル酸290重量部、及びテトラブトキシチタネート1重量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[非結晶性樹脂]を得た。次に、冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、得られた[非結晶性樹脂]400重量部、イソホロンジイソシアネート95重量部、酢酸エチル500重量部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[非結晶性樹脂前駆体C’−2]の50重量%酢酸エチル溶液を得た。
<トナーの製造>
[トナー1の製造]
−[グラフト重合体]の製造−
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480質量部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業社製サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100質量部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740質量部、アクリロニトリル100質量部、アクリル酸ブチル60質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36質量部、及びキシレン100質量部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]はMw24,000、Tg67℃であった。
−[離型剤分散液(1)]の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)50重量部、グラフト重合体30重量部、及び酢酸エチル420部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時問で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液(1)]を得た。
−[マスターバッチ(1)]の作製−
結晶性ポリウレタン樹脂A−1の100重量部・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製)の100重量部(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)・イオン交換水 50重量部上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ(1)]を作製した。
−[マスターバッチ(2)]〜[マスターバッチ(14)]の作製−
結晶性樹脂として「結晶性ポリウレタン樹脂A−1」の代わりに表4に示される結着樹脂を用い、[マスターバッチ(1)]と同様にして[マスターバッチ(2)]〜[マスターバッチ(14)]を作製した。
Figure 2014112191
−[油相(1)]の作製−
温度計および撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]31.5重量部を入れ、固形分濃度が50重量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50重量%酢酸エチル溶液100重量部、[離型剤分散液(1)]60重量部、[マスターバッチ(2)]12重量部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(1)]を得た。なお、[油相(1)]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作成から5時間以内に使用した。
−[油相(2)]〜[油相(21)]の作製−
油相(2)、(3)、(5)、(7)〜(10)、(14)〜(17)、(21)についても、結晶性樹脂Aの種類・添加量、結晶性樹脂Bの種類・添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表5に示すものに変更しただけで、同様に作製した。なお、表5中の結晶性樹脂B、及び[非結晶性樹脂前駆体C−2]については、[B−1]、[B−2]、[B−3]、及び[B−4]のいずれかを使用する場合は、油相作製段階で他のトナー材料と共に溶解、分散させて用い、結着樹脂前駆体である[B’−5]、又は[非結晶性樹脂前駆体C−2]を使用する場合は、油相作製段階では添加せず、後述のトナー母体作製時に前記油相に添加し、溶解、分散して用いた。
Figure 2014112191
−[樹脂微粒子の水分散液]の製造−
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600重量部、スチレン120重量部、メタクリル酸100重量部、アクリル酸ブチル45重量部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10重量部、過硫酸アンモニウム1重量部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30重量部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は80nmであり、樹脂分の重量平均分子量は160,000、Tgは74℃であった。
−[水相(1)]の調製−
水990重量部、[樹脂微粒子の水分散液]83重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37重量部、及び酢酸エチル90重量部を混合撹拌し、[水相(1)]を得た。
−[トナー母体(1)]の作製−
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に、[水相(1)]520重量部を入れて40℃まで加熱した。前記50℃に保たれた[油相(1)]235重量部に[結晶性樹脂前駆体B’−5]の酢酸エチル溶液25重量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相(1’)]を調製した。40〜50℃に保持したままの前記[水相(1)]をTK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(1’)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。次いで、撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10重量%水酸化ナトリウム水溶液100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10重量%塩酸100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(1)を得た。得られた濾過ケーキ(1)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(1)を作製した。
−[トナー母体(2)〜(3)]の作製−
同様に、油相(2)、(3)をそれぞれ用いて、トナー母体(2)、(3)を作製した。
−[トナー母体(5)]の作製−
同様に、油相(5)を用いて、トナー母体(5)を作製した。
−[トナー母体(7)〜(10)]の作製−
同様に、油相(7)〜(10)をそれぞれ用いて、トナー母体(7)〜(10)を作製した。
−[トナー母体(14)〜(17)]の作製−
同様に、油相(14)〜(17)をそれぞれ用いて、トナー母体(14)〜(17)を作製した。
−[トナー母体(21)]の作製−
同様に、油相(21)を用いて、トナー母体(21)を作製した。
−[トナー(15−2)、(15−3)]の作製−
トナー母体15−2として、トナー母体(15)の脱溶剤条件が60℃、6時間であったものを70℃、3時間に変更した以外はトナー(15)と同様にしてトナー(15−2)を作製した。
また、トナー母体(15−3)として脱溶剤条件を40℃、10時間に変更した以外はトナー(15)と同様にしてトナー(15−3)を作製した。
―[トナー(17−2)、(17−3)]の作製―
トナー母体(17−2)として、トナー(17)作成後の加熱条件が45℃、48時間であったものを55℃、24時間に変更した以外はトナー(17)と同様にしてトナー(17−2)を作製した。
トナー母体(17−3)として加熱条件を35℃、96時間に変更した以外はトナー(17)と同様にしてトナー(17−3)を作製した。
−[油相(4)、(13)、(18)〜(20)]の作製−
温度計および撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]62重量部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]12重量部を入れ、固形分濃度が50重量%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50重量%酢酸エチル溶液40重量部、[離型剤分散液]60重量部、[マスターバッチ(2)]12重量部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相(4)]を得た。なお、[油相(4)]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作成から5時間以内に使用した。油相(13)、(18)〜(20)についても、結晶性樹脂Aの種類・添加量、結晶性樹脂Bの種類・添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表6に示したように変更しただけで、同様に作製した。
Figure 2014112191
−[水相(2)]の調製−
水990重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5重量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37重量部、及び酢酸エチル90重量部を混合撹拌し、[水相(2)]を得た。
−[トナー母体(4)、(13)、(18)〜(20)]の作製−
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に、[水相(2)]520重量部を入れて40℃まで加熱し、40〜50℃に保持したまま、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相(4)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー4]を得た。次いで、撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー4]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー4]を得た。得られた[スラリー4]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。(1)濾過ケーキにイオン交換水100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。(2)前記(1)の濾過ケーキに10重量%水酸化ナトリウム水溶液100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。(3)前記(2)の濾過ケーキに10重量%塩酸100重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300重量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(4)を得た。得られた濾過ケーキ(4)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体(4)]を作製した。
同様に、[油相(13)、(18)〜(20)]をそれぞれ用いて、[トナー母体(13)、(18)〜(20)]を作製した。
−[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]の作製−
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]60重量部に、酢酸エチル60重量部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させた。次いで、水120重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3重量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6重量部、及び2重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4重量部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA−3]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーA−3]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
−[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]の作製−
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−6]60重量部に、酢酸エチル60重量部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させた。次いで、水120重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3重量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6重量部、及び2重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4重量部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーA−6]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーA−6]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.18μmであった。
−[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]の作製−
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]60重量部に、酢酸エチル60重量部を加えて50℃で混合撹拌して溶解させた。次いで、水120重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3重量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6重量部、及び2重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4重量部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーB−1]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーB−1]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.16μmであった。
−[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]の作製−
[非結晶性樹脂C−1]60重量部に、酢酸エチル60重量部を加えて混合撹拌して溶解させた。次いで、水120重量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.3重量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)6重量部、及び2重量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4重量部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120重量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリーC−1]を得た。次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーC−1]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]を得た。得られた[結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
−[離型剤分散液(2)]の調製−
パラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、融点75℃)25重量部、アニオン界面活性剤(三洋化成工業製:エレミノールMON−7)5重量部、水200重量部を混合し、95℃で溶融させた。次いで、この溶融液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[離型剤分散液(2)]を得た。
−[着色剤分散液]の調製−
カーボンブラック(Printex35、デグサ社製)20重量部、アニオン界面活性剤(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)2重量部、及び水80重量部を混合し、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で分散し、[着色剤分散液]を得た。
−[トナー母体(6)]の作製−
[結晶性樹脂粒子分散液(A−3)]190重量部、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]63重量部、[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]63重量部、[離型剤分散液(2)]46重量部、[着色剤分散液]17重量部、水600重量部を混合し、2重量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調節した。次いで、撹拌下、この溶液に10重量%の塩化マグネシウム水溶液50重量部を徐々に滴下しながら60℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.3μmに成長するまで60℃に維持し、[スラリー6]を得た。得られた[スラリー6]を減圧濾過した後、前記の洗浄処理(1)〜(4)を行い、濾過ケーキ(6)を得た。得られた濾過ケーキ(6)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(6)を作製した。
−[トナー母体(11)]の作製−
[結晶性樹脂粒子分散液(A−6)]190重量部、[結晶性樹脂粒子分散液(B−1)]63重量部、[非結晶性樹脂粒子分散液(C−1)]63重量部、[離型剤分散液(2)]46重量部、[着色剤分散液]17重量部、水600重量部を混合し、2重量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に調節した。次いで、撹拌下、この溶液に10重量%の塩化マグネシウム水溶液50重量部を徐々に滴下しながら60℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.9μmに成長するまで60℃に維持し、[スラリー11]を得た。得られた[スラリー11]を減圧濾過した後、前記の洗浄処理(1)〜(4)を行い、濾過ケーキ(11)を得た。得られた濾過ケーキ(11)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。
その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体(11)を作製した。
−[トナー母体(12)]の作製−
[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]60重量部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−1]20重量部、[非結晶性樹脂C−1]20重量部、パラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、融点75℃)5重量部、及び[マスターバッチ(2)]12重量部を、へンシェルミキサー(三井三池化工機株式会社製、FM10B)を用いて予備混合した後、二軸混練機(株式会社池貝製、PCM−30)で80℃〜120℃の温度で溶融、混練した。得られた混練物を室温まで冷却後、ハンマーミルにて200μm〜300μmに粗粉砕した。次いで、超音速ジェット粉砕機ラボジェット(日本ニューマチック工業株式会社製)を用いて、重量平均粒径が6.2±0.3μmとなるように粉砕エアー圧を適宜調整しながら微粉砕した後、気流分級機(日本ニューマチック工業株式会社製、MDS−I)で、重量平均粒径が7.0±0.2μm、4μm以下の微粉量が10個数%以下となるようにルーバー開度を適宜調整しながら分級し、[トナー母体(12)]を得た。
−[トナー(1)〜(21)]の作製−
得られたトナー母体(1)〜トナー母体(21)を100重量部と、外添剤としての疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0重量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて、周速30m/秒で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナー(1)〜トナー(21)を作製した。これら作製に用いられた結着樹脂は次表に纏められる。
Figure 2014112191
得られたトナー(1)〜(21)について、粒度分布(Dv、Dn、Dv/Dn)、Tsh2nd/Th1st、貯蔵弾性率G’(70)、貯蔵弾性率G’(160)、結晶化度の測定を行った。これらの測定については、前述の測定方法に従って測定を行った。その結果を表8に示す。
Figure 2014112191
Figure 2014112191
[キャリア製造例1;キャリアAの製造]
[芯材の製造例1]
MnCO、Mg(OH)、およびFe粉を秤量し混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により900℃、3時間、大気雰囲気下で仮焼成し、得られた仮焼成物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径7μm径の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1250℃、5時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。この造粒物の成分分析を行ったところMnO=46.2mol%、MgO=0.7mol%、Fe=53mol%であった。また、このときのSF1は140、SF2は145、Raは0.7μmであった。
[芯材製造例2]
[芯材製造例1]と同様に混合粉を仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径3μm径の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1200℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。また、このときのSF1は130、SF2は152、Raは0.93μmであった。
[芯材製造例3]
[芯材製造例1]と同様に混合粉を仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径1μm径の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1300℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。また、このときのSF1は125、SF2は119、Raは0.45μmであった。
[芯材製造例4]
[芯材製造例1]と同様に混合粉を仮焼成し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径1μm径の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1050℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。また、このときのSF1は130、SF2は125、Raは0.75μmであった。
[芯材製造例5]
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びSrCO粉を秤量し混合して混合粉を得た。
この混合粉を、加熱炉により850℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。
この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1120℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。この造粒物の成分分析を行ったところMnO=40.0mol%、MgO=10.0mol%、Fe=50mol%、SrO=0.4mol%であった。
また、このときのSF1は145、SF2は155、Raは0.85μmであった。
[芯材製造例6]
[芯材製造例4]と同様に仮焼成し、造粒して平均粒径約40μmの造粒物を得たのち、この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1180℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。また、このときのSF1は135、SF2は122、Raは0.63μmであった。
[芯材製造例7]
[芯材製造例4]と同様に仮焼成し、造粒して平均粒径約40μmの造粒物を得たのち、この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1080℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。また、このときのSF1は150、SF2は165、Raは1.03μmであった。
[芯材製造例8]
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びCaCO粉を秤量し混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により850℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1200℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子を得た。この造粒物の成分分析を行ったところMnO=44.3mol%、MgO=0.7mol%、Fe=53mol%、CaO=2.0mol%であった。また、このときのSF1は130、SF2は140、Raは0.68μmであった。
[導電性粒子製造例1;導電性粒子1の製造]
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫100gと五酸化りん3gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように2時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性粒子1を得た。
得られた導電性粒子1は平均粒径400nmで、体積固有抵抗は50Ω・cmであった。
[導電性粒子製造例2;導電性粒子2の製造]
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫10gと五酸化りん0.30gを2N塩酸100ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように12分間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性粒子2を得た。
得られた導電性粒子2は平均粒径300nmで、体積固有抵抗は1200Ω・cmであった。
[導電性粒子製造例3;導電性粒子3の製造]
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫200gと五酸化りん6gを2N塩酸1.5リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように3時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性粒子3を得た。
得られた導電性粒子3は平均粒径600nmで、体積固有抵抗は10Ω・cmであった。
[導電性粒子製造例4;導電性粒子4の製造]
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫11.6gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように40分かけて滴下した。引き続き塩化インジウム36.7gと塩化第二スズ5.4gを2N塩酸450ミリリットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように1時間かけて滴下した。
滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性粒子7を得た。
得られた導電性粒子4は平均粒径300nmで、体積固有抵抗は4Ω・cmであった。
[導電性粒子製造例5;導電性粒子5の製造]
ルチル型酸化チタン(チタン工業製KR−310)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫100gと五酸化りん3gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12重量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7〜8になるように2時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し導電性粒子8を得た。
得られた導電性粒子5は平均粒径450nmで、体積固有抵抗は40Ω・cmであった。
[芯材被覆用樹脂合成例1]
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、
CH2=CMe−COO−C−Si(OSiMe(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150ミリモル)メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は33,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。
このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.8mm/sであり、比重は0.91であった。
[芯材被覆用樹脂合成例2]
3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150ミリモル)を3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150ミリモル)に替える以外は、樹脂合成例1と全く同じようにして、ラジカル共重合させてメタクリル系共重合体を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は34,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25重量%になるようにトルエンで希釈した。
このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.7mm/sであり、比重は0.91であった。
[キャリア製造実施例1]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)80重量部、導電性微粒子製造例1のフィラーを56重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.6重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアAを得た。このキャリアAのSF2を測定したところ128であり、キャリア嵩密度は2.24であった。
[キャリア製造実施例2]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)44重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを22重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアBを得た。このキャリアBのSF2を測定したところ134であり、キャリア嵩密度は2.19であった。
[キャリア製造実施例3]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30重量部、樹脂合成例1で得られた樹脂30重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを15重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)3重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.5重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアCを得た。このキャリアCのSF2を測定したところ130であり、キャリア嵩密度は2.15であった。
[キャリア製造実施例4]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)64重量部、樹脂合成例2で得られた樹脂16重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを56重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.6重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアDを得た。このキャリアDのSF2を測定したところ127であり、キャリア嵩密度は2.25であった。
[キャリア製造実施例5]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)42重量部、樹脂合成例1で得られた樹脂2重量部、導電性微粒子製造例3のフィラーを30重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)3重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアEを得た。このキャリアEのSF2を測定したところ136であり、キャリア嵩密度は2.21であった。
[キャリア製造実施例6]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)74重量部、樹脂合成例1で得られた樹脂18重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを50重量部、三井金属鉱業社製パストラン4310(平均粒径150nm、体積固有抵抗は12Ω・cm)を46.6重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.7重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアFを得た。このキャリアFのSF2を測定したところ117であり、キャリア嵩密度は2.34であった。
[キャリア製造実施例7]
樹脂合成例2で得られた樹脂48重量部、導電性微粒子製造例1のフィラーを18重量部、キャボット社製カーボンブラックREGAL330(平均粒径25nm、体積固有抵抗は0.1Ω・cm)を1重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.4重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアGを得た。このキャリアGのSF2を測定したところ132であり、キャリア嵩密度は2.17であった。
[キャリア製造比較例1]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)16重量部、導電性微粒子製造例3のフィラーを2重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)1重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.2重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例1で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアHを得た。このキャリアHのSF2を測定したところ140であり、キャリア嵩密度は2.10であった。
[キャリア製造比較例2]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)120重量部、導電性微粒子製造例1のフィラーを160重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)6重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)1.2重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例4で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。
得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアIを得た。このキャリアIのSF2を測定したところ114であり、キャリア嵩密度は2.45であった。
[キャリア製造実施例8]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)60重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを38重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)3重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.5重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例3で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアJを得た。このキャリアJのSF2を測定したところ137であり、キャリア嵩密度は2.16であった。
[キャリア製造比較例3]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)40重量部、三井金属鉱業社製パストラン4310(平均粒径150nm、体積固有抵抗は12Ω・cm)を20重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例2で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアKを得た。このキャリアKのSF2を測定したところ116であり、キャリア嵩密度は2.31であった。
[キャリア製造比較例4]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)68重量部、導電性微粒子製造例3のフィラーを34重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)3重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.6重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例2で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアLを得た。このキャリアLのSF2を測定したところ112であり、キャリア嵩密度は2.36であった。
[キャリア製造実施例9]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)24重量部、三井金属鉱業社製パストラン4310(平均粒径150nm、体積固有抵抗は12Ω・cm)を7重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)1重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.2重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例4で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアMを得た。このキャリアMのSF2を測定したところ148であり、キャリア嵩密度は2.02であった。
[キャリア製造実施例10]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)112重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを100重量部、導電性微粒子製造例2のフィラーを34.4重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)6重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)1.0重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例4で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアNを得た。このキャリアNのSF2を測定したところ126であり、キャリア嵩密度は2.38であった。
[キャリア製造実施例11]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)12重量部、樹脂合成例2で得られた樹脂48重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを38重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)1重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.5重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例5で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアOを得た。このキャリアOのSF2を測定したところ139であり、キャリア嵩密度は2.14であった。
[キャリア製造実施例12]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)22重量部、樹脂合成例1で得られた樹脂22重量部、導電性微粒子製造例3のフィラーを22重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例5で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアPを得た。このキャリアPのSF2を測定したところ137であり、キャリア嵩密度は2.12であった。
[キャリア製造実施例13]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)28重量部、樹脂合成例2で得られた樹脂28重量部、導電性微粒子製造例5のフィラーを15重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)1重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.5重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例5で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアQを得た。このキャリアQのSF2を測定したところ143であり、キャリア嵩密度は2.06であった。
[キャリア製造比較例5]
日立化成工業社製ヒタロイド3001(固形分50%)を35重量部、三井サイテック社製マイコート106(固形分77%)を10重量部、導電性微粒子製造例4のフィラーを140重量部、触媒として三井サイテック社製キャタリスト4040を0.2重量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.8重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例4で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアRを得た。このキャリアRのSF2を測定したところ128であり、キャリア嵩密度は2.43であった。
[キャリア製造実施例14>
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)35重量部、樹脂合成例2で得られた樹脂9重量部、導電性微粒子製造例1のフィラーを7重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)1重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例5で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアSを得た。このキャリアSのSF2を測定したところ117であり、キャリア嵩密度は2.22であった。
[キャリア製造比較例6]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)80重量部、キャボット社製カーボンブラックREGAL330(平均粒径25nm、体積固有抵抗は0.1Ω・cm)を2重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.6重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例6で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアUを得た。このキャリアUのSF2を測定したところ145であり、キャリア嵩密度は1.98であった。
[キャリア製造実施例15]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)26重量部、日立化成工業社製ヒタロイド3001(固形分50%)を2.5重量部、三井サイテック社製マイコート106(固形分77%)を5重量部、導電性微粒子製造例1のフィラーを10重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例7で作成した芯材1000重量部に多機能混合装置ミキサーで浸漬法によるコーティングを行った。この時、キャリア芯材温度を100℃とし、樹脂溶液を混合ミキサー内に投入し、コート液が蒸発するまでの混合攪拌羽根を回転させ、コート・攪拌/乾燥処理を行ないキャリアを取り出した。
得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアVを得た。このキャリアVのSF2を測定したところ136であり、キャリア嵩密度は2.10であった。
[キャリア製造比較例7]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)48重量部、導電性微粒子製造例1のフィラーを10重量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2重量部を、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.4重量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を芯材製造例8で作成した芯材1000重量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアWを得た。このキャリアWのSF2を測定したところ118であり、キャリア嵩密度は1.78であった。これらの結果は次表に纏められる。
Figure 2014112191
Figure 2014112191
[実施例1]
図5に示される画像形成装置(リコーimagio MP C6000)における静電潜像担持体、帯電装置、現像手装置とクリ−ニング装置を、プロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、着脱可能なように改造した画像形成装置Aを使用して、トナー及びキャリアからなる現像剤の性能評価を行った。結果を表11に示す。
すなわち、表9に示されるように、キャリアAの100質量部に対し、上記で作製したトナー1の7質量部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで3分間均一混合し帯電させた。その際、前記キャリアAを200gとトナー1の14gを内容積500mlのステンレス容器に入れて混合を行った。
また、以上作製した二成分現像剤について、現像装置に樹脂製撹拌スクリュを用い、接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式のタンデム型画像形成装置(画像形成装置A)の現像ユニットに装填して画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。
Figure 2014112191
[画像形成装置A]
性能評価に使用した画像形成装置Aについて詳細を説明すると、図4に示す画像形成装置A(100)は、タンデム型カラー画像形成装置であり、画像形成装置A(100)は、前述のように、複写装置本体(150)と、給紙テーブル(200)と、スキャナ(300)と、原稿自動搬送装置(ADF)(400)とを備えている。
現像装置は図2、3のようになっており、搬送スクリュは樹脂製(ABS樹脂/PC樹脂)になっている。
[画像形成装置B]
画像形成装置Bは、現像装置内の撹拌スクリュが金属製(SUS)である以外同じ構成になっている。
<評価>
以下に、本発明における結着樹脂、トナー及び現像剤の性能評価の方法について詳細を説明する。
[結着樹脂及びトナーの融点(Ta)、軟化温度(Tb)及び軟化温度と融点との比(Ta/Tb)]
結着樹脂及びトナーの融点(融解熱の最大ピーク温度、Ta)は、示差走査熱量計(DSC)(TA−60WS及びDSC−60、島津製作所製)を用いて測定した。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分の速度で降温した。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とした。なお、吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とした。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管した。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とした。
結着樹脂及びトナーの軟化温度(Tb)は、高化式フローテスター(CFT−500D、島津製作所製)を用いて測定した。試料として1gの樹脂を昇温速度6℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とした。
以上より、結着樹脂及びトナーの軟化温度と融点との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度:Ta/Tb)を求めた。結着樹脂及びトナーについて、結果はそれぞれ前記表9に示される。
(トナーの粘弾特性)
トナーの動的粘弾特性値(貯蔵弾性率G’、損失弾性率G”)、具体的には(融解熱の最大ピーク温度)+20℃における貯蔵弾性率G’(Ta+20)及び損失弾性率G”(Ta+20)、(融解熱の最大ピーク温度)+30℃及び(融解熱の最大ピーク温度)+70℃における損失弾性率G”(Ta+30)及びG”(Ta+70)、並びに、G”(Ta+30)とG”(Ta+70)との比(G”(30/70))を、動的粘弾性測定装置(ARES(TAインスツルメント社製))を用い、周波数1Hz条件下で測定した。試料を、直径8mm、厚み1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/minで昇温させて測定した。結果を前記表9に示す。
(低温定着性(定着下限温度))
画像形成装置A(実施例1〜35)、比較例1〜12または画像形成装置B(比較例13)を用い、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。結果を前記表9に示す。
(耐ホットオフセット性(定着可能温度幅))
画像形成装置AまたはBを用い、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、ホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生しない上限温度と、定着下限温度との温度幅を定着可能温度幅とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着可能温度幅は、広い程、耐ホットオフセット性に優れ、約50℃が従来のフルカラートナーの平均的な温度幅である。結果を表9に示す。
(キャリア汚染性)
キャリア汚染性は、トナーのキャリア汚染の指標となる特性であり、トナーの機械的強度が高い程、キャリア汚染が少ない。
画像形成装置AまたはBを用い、単色モードで50%画像面積の画像チャートを30,000枚ランニング出力した後の現像剤を抜き取り、現像剤を目開き32μmのメッシュが張られたゲージ内に適量入れ、エアブローを行い、トナーとキャリアを分離した。次いで、得られたキャリア1.0gを50mlガラス瓶に入れ、クロロホルム10mlを加えて、50回手振りして、10分間静置させた。その後、上澄みのクロロホルム溶液をガラスセルに入れ、濁度計を用いてクロロホルム溶液の透過率を測定した。結果を表11に示す。
−評価基準−
◎:透過率が95%以上
○:透過率が90%以上95%未満
△:透過率が80%以上89%未満
×:透過率が70%以上79%未満
××:透過率が70%未満
(耐熱保存性)
50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。結果を表11に示す。
−評価基準−
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が20mm以上25mm未満
△:針入度が15mm以上20mm未満
×:針入度が10mm以上15mm未満
××:針入度が10mm未満
(現像剤耐熱保存性)
トナー濃度7重量%に調整した現像剤を20gを50mlのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に48時間放置した後、24℃に冷却し、現像剤を容器から薬包紙上に静かに落とす。そのときの状態でランク分けをする。
ランクが×、××のものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。結果を表11に示す。
−評価基準−
◎:容器から容易に落ちる
○:容器から多少抵抗はあるが容易に落ちる
△:容器を軽く叩くと容易に落ちる
×:容器を強く叩くと落ちる
××:容器を叩いても落ちない
(ハーフトーン部の再現性及びキャリア付着(1))
画像形成装置AまたはBを用い、転写紙(PODグロス(王子製紙株式会社製))上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmになるように調整し、トナーの定着下限温度+10℃に定着ベルトの温度を設定して定着を行う。定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sで実施し、A4横方向で通紙を行う。出力画像は1,200dpi、16階調のディザパターンで、連続して10枚印刷する。更に画像形成装置の現像ユニットを3時間空回転させた後、同様に1,200dpi、16階調のディザパターンを10枚印刷する。これらの印刷画像を目視にて比較し、ハーフトーン部の再現性を以下の評価基準により評価する。
−評価基準−
○:再現性が高い
△:ややボソツキがあるが、実用上問題はない
×:ボソツキがある
また、前述した印刷を全て終えた後のキャリア付着について、目視で観察し、以下の評価基準により評価した。
−評価基準−
○:付着なし
△:一部に付着が見られるが画像には影響なし
×:付着があり、白抜けなどの不良画像が発生する
(ベタ追従性及びキャリア付着(2))
画像形成装置AまたはBを用い、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付着量が0.6±0.1mg/cmになるように調整し、トナーの定着下限温度+10℃に定着ベルトの温度を設定して定着を行う。定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sで実施し、A4横方向で通紙を行う。全ベタ画像を5枚連続して出力したときのベタ均一性を下記評価基準により評価した。
−ベタ均一性の評価基準−
○:IDバラつきが0.1未満
△:IDバラつきが0.3未満
×:IDバラつきが0.3以上
なお、IDバラツキは、画像出力した用紙を9分割したエリアの各IDをX−Rite914にて測定することによって行い、これを5枚分測定し、合計45点のID値の範囲をバラつき評価値とした。
また、前記出力を終えた後のキャリア付着について、目視で観察し、以下の評価基準により評価した。
−評価基準−
○:付着なし
△:一部に付着が見られるが、画像には影響なし
×:付着があり、不良画像が発生する
<白抜け>
画像形成装置AまたはBを用い、転写紙(株式会社リコー製、タイプ6200)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmになるように調整し、トナーの定着下限温度+10℃に定着ベルトの温度を設定して定着を行う。定着装置のニップ部を通過する速度は280mm/sで実施し、A4横方向で通紙を行う。まず、単色5%画像面積の画像チャートを10,000枚出力した後、ベタ画像を連続して10枚出力、その画像中の白抜けの発生数を画像一枚あたりに平均し、3段階で評価した。
−評価基準−
画像10枚中の白抜けの数平均が、
○:0〜4個
△:5〜9個
×:10個以上
<100kp後、300kp後の抵抗値変化>
0kpの現像剤と100kp、300kp印刷した現像剤を用い、キャリアの静抵抗を測定した。
このとき現像剤を図3の装置において795メッシュの篩を用いてトナーを分離、除去し、キャリアのみとし、そのキャリアの抵抗値を図7の装置を用いて測定し0kpとの△LogRを算出し、以下のように判断した。
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
◎ △LogR≦0.5
○ 0.5<△LogR≦1
△ 1<△LogR≦2
× 2<△LogR
[実施例2]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、実施例2の現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例3]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例4]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例5]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例6]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例7]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例8]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例9]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例10]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例11]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例12]
キャリアとトナーの組み合せを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例13]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例14]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例15]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例16]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例17]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例18]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例19]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例20]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例21]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例22]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例23]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例24]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例25]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例26]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例27]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例28]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例29]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例30]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例31]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例32]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例33]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例34]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[実施例35]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例1]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例2]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例3]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例4]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例5]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例6]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例7]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例8]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例9]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例10]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例11]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例12]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変えた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製し、実施例1と同様に、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
[比較例13]
キャリアとトナーの組み合わせを、表10に示されるようなものに変え、現像装置内の撹拌スクリュが金属製である画像形成装置Bを用いた他は、実施例1と同様にして、現像剤を調製、画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果は表11に示される。
Figure 2014112191
1 スリーブ
2 キャリア
3 規制ブレード
4 電流計
5 直流電源
10K ブラック用感光体
10Y イエロー用感光体
10M マゼンタ用感光体
10C シアン用感光体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写体クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
30 露光装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
49 レジストローラ
50 中間転写体
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 搬送ローラー
61 現像装置
62 転写帯電器
63 クリーニング装置
64 除電器
120 タンデム型現像器
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
L 露光
1Y 感光体
2Y 感光体のクリーニング部
4Y 帯電部
5Y 現像装置
6Y 作像部
8 中間転写ベルト
9Y 第1転写バイアスローラ
53Y、54Y 現像剤収容部
55Y 現像剤収容部53側に配設された搬送スクリュ
56Y 現像剤収容部54側に配設された搬送スクリュ
57Y トナー収容部
58Y 現像剤収容部に配設されたトナー濃度を検知する濃度検知センサ
特公平4−024702号公報 特公平4−024703号公報 特許第3910338号公報 特開2010−077419号公報 特開2005−215397号公報 特開平8−95308号公報 特開2008−268489号公報

Claims (10)

  1. 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性であることを特徴とする現像装置。
  2. 前記該キャリアの動的固有抵抗は6.0〜9.0logΩ・cmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記該芯材粒子は形状係数SF2が120〜160、算術平均表面粗さRaが0.5〜1.0μmであり、該キャリアのキャリア粒子はSF2が115〜150の範囲にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
  4. 前記トナーのX線回折装置によって得られる回折スペクトルにおいて、前記結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(C)、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を(A)とした時の比率(C)/((C)+(A))が、0.15以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲル拡散クロマトグラフィー(GPC)測定における分子量が100,000以上の割合が7%以上であり、かつ重量平均分子量(Mw)が20,000以上70,000以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の現像装置。
  6. 前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分が10%以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の現像装置。
  7. 前記トナーの示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(T)(J/g)、前記トナーのTHF/酢酸エチルの混合溶媒(重量比で50/50)に対する不溶分の示差走査熱量計(DSC)における吸熱量をΔH(H)(J/g)としたとき、ΔH(H)/ΔH(T)が0.2〜1.25であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の現像装置。
  8. 前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及び/又はウレア結合を有するものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の現像装置。
  9. 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm3以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性である現像装置に補給用として用いられ、トナーとキャリアからなる2成分現像剤であって、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒 子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対し て50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm以下であることを特徴とする補給用の二成分現像剤。
  10. 現像ローラと、該現像ローラと平行に配置された1つ以上の搬送スクリューを有し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容し、該現像剤は前記搬送スクリューにより撹拌しながら前記現像ローラに対して循環・搬送する現像装置であり、該トナーは少なくとも結着樹脂と着色剤を含有し、該結着樹脂が結晶性樹脂を含有しており該トナーの体積固有抵抗が9.9〜10.7logΩ・cmの範囲にあり、該キャリアは磁性を有する芯材粒 子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなり、該被覆層中に樹脂100重量部に対して50〜500重量部のフィラーを含有し、該キャリアの嵩密度が1.8〜2.4g/cm3以下で、さらに該搬送スクリューは非導電性である現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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