JP6060692B2 - トナー、現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents

トナー、現像剤、及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6060692B2
JP6060692B2 JP2013004595A JP2013004595A JP6060692B2 JP 6060692 B2 JP6060692 B2 JP 6060692B2 JP 2013004595 A JP2013004595 A JP 2013004595A JP 2013004595 A JP2013004595 A JP 2013004595A JP 6060692 B2 JP6060692 B2 JP 6060692B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
resin
mass
electrostatic latent
latent image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013004595A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014063117A (ja
Inventor
涼香 雨森
涼香 雨森
山本 淳史
淳史 山本
雅英 山田
雅英 山田
由紀子 中島
由紀子 中島
中山 慎也
慎也 中山
山東 秀行
秀行 山東
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2013004595A priority Critical patent/JP6060692B2/ja
Priority to US14/013,428 priority patent/US8951707B2/en
Publication of JP2014063117A publication Critical patent/JP2014063117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6060692B2 publication Critical patent/JP6060692B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08742Binders for toner particles comprising macromolecular compounds obtained otherwise than by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • G03G9/08764Polyureas; Polyurethanes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08775Natural macromolecular compounds or derivatives thereof
    • G03G9/08782Waxes
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/087Binders for toner particles
    • G03G9/08784Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775
    • G03G9/08797Macromolecular material not specially provided for in a single one of groups G03G9/08702 - G03G9/08775 characterised by their physical properties, e.g. viscosity, solubility, melting temperature, softening temperature, glass transition temperature
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/097Plasticisers; Charge controlling agents
    • G03G9/09733Organic compounds

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、トナー、現像剤、及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置、静電記録装置などにおいて、電気的又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙などの記録媒体上に転写された後、加熱などの方法で定着される。
加熱により定着を行う画像形成装置においては、トナーを熱溶融させて紙などの記録媒体上に定着させる過程で多くの電力が必要となる。そのため、省エネルギー化を図る観点からは、低温定着性がトナーの重要な特性の一つとなっている。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナーの大半を占める結着樹脂の熱特性を制御することが必要である。ただし、結着樹脂の軟化温度を低くすると、耐熱保存性が悪化するという問題がある。そこで、例えば、結晶性樹脂を結着樹脂の主成分とするトナーにおいて、結晶性樹脂の組成、熱特性を特定の範囲に規定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、結着樹脂として分子量の異なる2種の結晶性樹脂(特に結晶性ポリエステル樹脂が好ましい)を含有するトナーを特定の定着条件で用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、結着樹脂として160℃における貯蔵弾性率が異なる2種の結晶性ポリエステル樹脂を用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、これらの提案の技術では、ある程度は、耐熱保存性を維持しつつ、低温定着性を向上できるものの、結晶性樹脂を結着樹脂に用いると、転写性が低下するという問題がある。
したがって、耐熱保存性、及び低温定着性に優れ、かつ転写性にも優れるトナーの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、耐熱保存性、及び低温定着性に優れ、かつ転写性にも優れるトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のトナーは、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂と、下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
下記一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.01質量%〜0.25質量%であることを特徴とする。
2n+1R 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、nは、8〜22を表し、Rは、COOH、NH、及びOHのいずれかを表す。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、耐熱保存性、及び低温定着性に優れ、かつ転写性にも優れるトナーを提供することができる。
図1Aは、X線回折測定によって得られる回折スペクトルの一例を示す図である。 図1Bは、X線回折測定によって得られる回折スペクトルの一例を示す図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図3は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図4は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略構成図である。 図5は、図4の部分拡大図である。
(トナー)
本発明のトナーは、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂と、下記一般式(1)で表される化合物とを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記トナーにおける下記一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.01質量%〜0.25質量%である。
2n+1R 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、nは、8〜22を表し、Rは、COOH、NH、及びOHのいずれかを表す。
結着樹脂として結晶性樹脂を含有するトナーは、低温定着性に優れ、かつ耐熱保存性に優れる反面、転写性に劣るという問題がある。このことは、結晶性樹脂の含有量が多い場合、より顕著になる。
本発明者らは、この問題について検討した結果、トナー中の結晶性樹脂の電気抵抗が低いことに気がついた。これは、結晶性樹脂中の非結晶部が電気を通しやすいためと考えられる。そして、トナー中の結晶性樹脂の電気抵抗が低いと、トナーの電気抵抗も低くなり、被転写体(例えば、中間転写ベルト)に対する転写性が低下する。
そこで、本発明者らは、結晶性樹脂中の非結晶部を少なくする、即ち結晶性樹脂の結晶化度を大きくすることに着目し、鋭意検討を行った結果、トナーに前記一般式(1)で表される化合物を特定量含有させることで、優れた転写性が得られることを知見した。更に検討を進め、特定の結晶性樹脂と、特定量の前記一般式(1)で表される化合物とを併用することで、耐熱保存性、及び低温定着性に優れ、かつ転写性にも優れるトナーが得られることを知見し、本発明の完成に至った。
<結着樹脂>
結着樹脂は、少なくとも結晶性樹脂を含有し、更に必要に応じて、非晶性樹脂などのその他の樹脂を含有する。
−結晶性樹脂−
前記結晶性樹脂は、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有し、更に必要に応じて、その他の結晶性樹脂を含有する。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂は、第1の結晶性樹脂と、該第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の結晶性樹脂とを含有することが好ましい。
前記第1の結晶性樹脂と前記第2の結晶性樹脂とは、組成が異なる結晶性樹脂であることが好ましい。なお、「組成が異なる」場合としては、例えば、前記結晶性樹脂を構成しているモノマーの種類が少なくとも1種類異なる場合などが挙げられる。また、前記第1の結晶性樹脂と前記第2の結晶性樹脂との組合せが、ウレタン結合を有する結晶性樹脂とウレア結合を有する結晶性樹脂との組合せの場合などが挙げられる。
前記第2の結晶性樹脂は、末端にイソシアネート基を有する結晶性樹脂を伸長させてなる結晶性樹脂であることが好ましい。前記伸長の方法としては、例えば、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物と前記末端にイソシアネート基を有する結晶性樹脂のイソシアネート基とを反応させる方法などが挙げられる。前記イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物としては、例えば、水、後述するアミン化合物などが挙げられる。前記伸長は、トナーを製造する際の水系媒体中で行ってもよい。
前記結着樹脂に対する前記結晶性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結晶性樹脂による優れた低温定着性と耐熱保存性との両立性を最大限に発現させる点から、50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。また、前記結晶性樹脂を前記結着樹脂の主成分とする(前記結晶性樹脂の前記結着樹脂に対する含有量が50質量%以上である)トナーでは、耐熱保存性、及び低温定着性に優れるが、前記結晶性樹脂の結晶化度の低さによる転写性の低下が特に顕著に問題となる点から、耐熱保存性、及び低温定着性に優れ、かつ転写性にも優れるトナーが得られるという、本発明の効果がより顕著に得られる点で、前記含有量は、50質量%以上が好ましい。
−−ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂−−
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂(例えば、前記第1の結晶性樹脂、前記第2の結晶性樹脂)としては、例えば、ウレタン結合を有する結晶性樹脂、ウレア結合を有する結晶性樹脂などが挙げられる。
また、前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂としては、例えば、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記ウレタン結合を有する結晶性樹脂としては、例えば、ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ウレタン樹脂などが挙げられる。
前記ウレア結合を有する結晶性樹脂としては、例えば、ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ウレア樹脂などが挙げられる。
−−−ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂−−−
前記ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、結晶性ポリエステル樹脂と少なくとも2価以上のイソシアネート化合物との反応や、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂とポリオール成分との反応により得ることができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、ジオール成分とジカルボン酸成分との重縮合により合成される重縮合ポリエステル樹脂、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオール成分とジカルボン酸成分との重縮合により合成される重縮合ポリエステル樹脂が結晶性発現の点から好ましい。
−−−−ジオール成分−−−−
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪族ジオールが好ましい。
前記ジオール成分の鎖炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2〜36が好ましい。
前記脂肪族ジオールとしては、直鎖型脂肪族ジオールと分岐型脂肪族ジオールが挙げられるが、直鎖型脂肪族ジオールが好ましく、炭素数4〜6の直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。
前記ジオール成分としては、複数のものを使用してもよいが、ジオール成分全体量に対して、直鎖型脂肪族ジオールの含有量は、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。前記含有量が、80mol%以上の場合、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性の両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にあるので好ましい。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,17−ヘプタデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮すると、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましく、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールがより好ましい。
その他必要に応じて使用されるジオールとしては、例えば、炭素数2〜36の上記以外の脂肪族ジオール(例えば、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの分岐型脂肪族ジオール);炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数4〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下AOと略記する)〔例えば、エチレンオキサイド(以下EOと略記する)、プロピレンオキサイド(以下POと略記する)、ブチレンオキサイド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)のAO(例えば、EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜30);ポリラクトンジオール(ポリε−カプロラクトンジオールなど);ポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
また、必要により用いられる3〜8価又はそれ以上のアルコール成分としては、例えば、炭素数3〜36の3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール〔例えば、アルカンポリオール及びその分子内若しくは分子間脱水物(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリンなど);糖類及びその誘導体(例えば、ショ糖、メチルグルコシドなど)〕;トリスフェノール類(例えば、トリスフェノールPAなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど)のAO付加物(付加モル数2〜30);アクリルポリオール(例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーの共重合物など)などが挙げられる。これらの中でも、3〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール、ノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
−−−−ジカルボン酸成分−−−−
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、直鎖型ジカルボン酸と分岐型ジカルボン酸が挙げられるが、直鎖型ジカルボン酸がより好ましい。
前記ジカルボン酸成分としては、例えば、炭素数4〜36(好ましくは、炭素数4〜12)のアルカンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸など);炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸など);炭素数8〜36(好ましくは、炭素数8〜14)の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸など)などが挙げられる。
また、必要により用いられる3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸成分としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸成分、及び前記3〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸成分としては、上述のものの酸無水物、炭素数1〜4の低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記ジカルボン酸成分の中では、前記脂肪族ジカルボン酸(好ましくはアジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等)を単独で使用、又は2種以上を併用するのが好ましいが、脂肪族ジカルボン酸と共に芳香族ジカルボン酸(好ましくはテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、及びこれらの低級アルキルエステル類等)を共重合したものも同様に好ましい。芳香族ジカルボン酸の共重合量としては50mol%以下が好ましい。
−−−−ラクトン開環重合物−−−−
前記結晶性ポリエステル樹脂としてのラクトン開環重合物は、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合させることにより得ることができる。これらのうち、好ましいラクトンは、結晶性の点からε−カプロラクトンである。
また、前記ラクトン開環重合物は、開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、上記のラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物であってもよく、その末端を例えばカルボキシル基になるように変性したものであってもよい。また、前記ラクトン開環重合物は、市販品を用いてもよく、例えば、ダイセル株式会社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7などの高結晶性ポリカプロラクトンが挙げられる。
−−−−ポリヒドロキシカルボン酸−−−−
前記結晶性ポリエステル樹脂としてのポリヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体)などのヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合することで得られるが、グリコリド、ラクチド(L体、D体、メソ体)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間若しくは3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物などの触媒を用いて、開環重合する方が分子量の調整の点から好ましい。これらのうち、前記環状エステルとしては、結晶性の点から、L−ラクチド、D−ラクチドが好ましい。また、前記ポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
−−−−2価以上のイソシアネート化合物−−−−
前記2価以上のイソシアネート化合物(2価以上のイソシアネート成分)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価以上の芳香族イソシアネート、2価以上の脂肪族イソシアネート、2価以上の脂環式イソシアネート、2価以上の芳香脂肪族イソシアネート、ジイソシアネートの変性物などが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物など)が好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族イソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば5〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂肪族イソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−2,6−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族イソシアネートとしては、例えば、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
前記ジイソシアネートの変性物としては、例えば、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、例えば、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物〔例えば、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用〕などが挙げられる。
これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
−−−ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂−−−
前記ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物との反応、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂と水との反応などにより得ることができる。
前記ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂は、活性水素基と反応可能な官能基を末端に有する結晶性樹脂前駆体をトナーの製造過程において、活性水素基を有する樹脂や、活性水素基を有する架橋剤や伸長剤等の化合物と反応させることで高分子量化することによっても得られる。具体的には、トナーの製造過程における、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂とアミン化合物との反応、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂と水との反応などにより得ることができる。
−−−−アミン化合物−−−−
前記アミン化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族アミン、芳香族アミンなどが挙げられる。これらの中でも炭素数2〜18の脂肪族ジアミン、炭素数6〜20の芳香族ジアミンが好ましい。また、必要により、3価以上のアミンを使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、例えば、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど);炭素数4〜18のポリアルキレンジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕;これらの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体(ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど);脂環又は複素環含有脂肪族ジアミン[炭素数4〜15の脂環式ジアミン〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など〕、炭素数4〜15の複素環式ジアミン〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕];炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミン(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)などが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミンとしては、例えば、非置換芳香族ジアミン〔1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど〕;炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン〔2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなど〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;核置換電子吸引基(Cl、Br、I、Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ジアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなど〕;二級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチルなどの低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったもの〕〔4,4’−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕などが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、例えば、ポリアミドポリアミン〔ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン(アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど〕、ポリエーテルポリアミン〔ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物など〕などが挙げられる。
−−−結晶性ポリウレタン樹脂−−−
前記結晶性ポリウレタン樹脂としては、例えば、ジオール成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレタン樹脂などが挙げられるが、必要に応じて3価以上のアルコール成分や3価以上のイソシアネート成分などを用いてもよい。
前記ジオール成分、前記ジイソシアネート成分、前記3価以上のアルコール成分、及び前記3価以上のイソシアネート成分の具体例については、前述のものと同様である。
−−−結晶性ポリウレア樹脂−−−
前記結晶性ポリウレア樹脂としては、例えば、ジアミン成分とジイソシアネート成分とから合成されるポリウレア樹脂などが挙げられるが、必要に応じて3価以上のアミン成分や3価以上のイソシアネート成分を用いてもよい。
前記ジアミン成分、前記ジイソシアネート成分、前記3価以上のアミン成分、及び前記3価以上のソシアネート成分の具体例については、前述のものと同様である。
前記結晶性樹脂は、高化式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.80〜1.55であることが好ましい。前記比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が、0.80〜1.55であると、熱により急峻に軟化する性状を示す。
なお、前記軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D、株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。具体的には、1gの試料を昇温速度3℃/minで加熱しながら、プランジャーにより30kg/cmの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とする。
前記融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とする。
−非結晶性樹脂−
前記非結晶性樹脂としては、非結晶性であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合隊、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂における前記非結晶性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<一般式(1)で表される化合物>
前記トナーは、下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
2n+1R 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、nは、8〜22を表し、Rは、COOH、NH、及びOHのいずれかを表す。
前記一般式(1)で表される化合物は、前記結晶性樹脂の分子鎖のモビリティを高めることで、前記結晶性樹脂の結晶化を促進すると考えられる。この効果は、分子構造が近似していることにより、更に向上すると考えられる。その点から、前記結晶性樹脂としては、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
前記nは、8〜22である。前記nが、8未満であると、耐熱保存性が不十分となる。前記nが、22を超えると、転写性が不十分となる。前記nは、耐熱保存性、及び転写性に優れる点で、9〜20が好ましく、9〜15がより好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物のアルキル鎖は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。これらの中でも直鎖状が好ましい。
前記トナーにおける前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、0.01質量%〜0.25質量%であり、0.05質量%〜0.10質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、転写性が不十分であり、0.25質量%を超えると、耐熱保存性が不十分である。前記含有量が、前記好ましい範囲内であると、転写性及び耐熱保存性がより優れる点で有利である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量部を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記マスターバッチは、例えば、マスターバッチ用の樹脂と前記着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、前記着色剤と前記樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する、いわゆるフラッシング法と呼ばれる方法は、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワッックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が50℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、100℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、100℃における測定値として、5mPa・sec〜100mPa・secが好ましく、5mPa・sec〜50mPa・secがより好ましく、5mPa・sec〜20mPa・secが特に好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・sec未満であると、離型性が低下することがあり、100mPa・secを超えると、耐ホットオフセット性、及び低温での離型性が悪化することがある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性、帯電性、転写性、及び耐ストレス性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.02質量部〜2質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、帯電立ち上がり性、及び帯電量が十分ではなく、トナー画像が低下することがある。前記含有量が、5質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、脂肪酸金属塩、金属酸化物、疎水化処理された酸化チタン、フルオロポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記シリカの市販品としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
前記酸化チタンの市販品としては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタンの市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理の方法としては、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理する方法などが挙げられる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
前記外添剤の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm〜100nmが好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が、1nm未満であると、外添剤がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、感光体表面を不均一に傷つけることがある。
前記トナーの粘弾特性において、70℃における貯蔵弾性率〔G’(70)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5.0×10Pa≦G’(70)≦5.0×10Paであることが好ましい。前記〔G’(70)〕の値が、5.0×10Pa未満であると、定着直後の画像強度が低下し、画像表面に傷が付くことがある。前記〔G’(70)〕の値が、5.0×10Paを超えると、低温での定着時にトナーの溶融が不十分となり、低温定着性が低下することがある。
また、160℃における貯蔵弾性率〔G’(160)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.0×10Pa≦G’(160)≦1.0×10Paであることが好ましい。前記〔G’(160)〕の値が、1.0×10Pa未満であると、トナーの耐ホットオフセット性が低下することがある。前記〔G’(160)〕の値が、1.0×10Paを超えると、画像の光沢が低下することがある。
示差走査熱量計(DSC)による前記トナーの測定の昇温1回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh1stと、昇温2回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh2ndの比(Tsh2nd/Tsh1st)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.90〜1.10が好ましく、0.90〜1.05がより好ましい。前記比が、0.90未満であると、低温定着性が低下することがある。
前記トナーの体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3.0μm〜10.0μmが好ましく、4.0μm〜7.0μmがより好ましい。前記体積平均粒径が、3.0μm未満であると、二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させることがあり、10.0μmを超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒径の変動が大きくなることがある。
前記トナーの平均円形度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.950〜0.980が好ましく、0.960〜0.975がより好ましい。また、前記平均円形度が0.950未満の粒子が15質量%以下であるものが好ましい。前記平均円形度が、0.950未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがある。前記平均円形度が、0.980を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れが発生することがある。また、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがある。更には、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
本発明者らは、鋭意検討を行ったところ、結着樹脂として結晶性樹脂を主成分とするトナーにおいては、従来、低温定着性に有効と考えられていた、融点以上で急激に粘弾性が低下する性質(シャープメルト性)が、紙種によって定着可能温度領域が大きく異なる原因となると考えられることを見出した。そこで、従来の低温定着性に優れるトナーに使用される結着樹脂の分子量としては高めの成分、具体的にはゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)におけるポリスチレン換算の分子量が100,000以上の成分を一定量以上含有し、更に重量平均分子量が一定の範囲内にあることによって、紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着を可能にすることができることを見出した。
前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分は、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量100,000以上の成分を、ピーク面積で5.0%以上含むことが好ましく、7.0%以上含むことがより好ましく、9.0%以上含むことが特に好ましい。分子量100,000以上の成分をピーク面積で5.0%以上含むことで、トナーの溶融後の流動性や粘弾性の温度依存性が小さくなる。そのため、定着時において熱が伝わりやすい薄紙であっても熱がトナーに伝わりにくい厚紙であってもトナーの流動性や弾性率に大きく違いが生じにくく、定着装置としては一定温度かつ一定速度で定着することが可能となる。分子量100,000以上の成分が、ピーク面積で5.0%未満であると、トナー溶融後の流動性や粘弾性が温度によって大きく変わる。そのため、例えば、薄紙における定着ではトナーの変形性が大きくなりすぎてしまい定着部材への接着面積が増大し、その結果定着部材からの離型がうまくできずに紙の巻きつきが発生することがある。
上記のような効果が得られる理由としては、以下のように考えられる。結晶性樹脂は前述のとおりシャープメルト性を有しているわけであるが、溶融状態におけるトナーの内部凝集力や粘弾性は樹脂の分子量や構造によって大きく異なる。例えば、結晶性樹脂が、凝集エネルギーの大きな連結基であるウレタン結合やウレア結合を有する場合、溶融時においても比較的低温であればゴムのような弾性体に近い挙動を示す。一方、高温になるのに従い高分子鎖の熱運動エネルギーが増大していくため、徐々に結合間の凝集が解れて粘性体に近づいていく。
このような樹脂をトナー用結着樹脂として用いると、定着温度が低いときには問題なく定着ができたとしても、定着温度が高温であるときにはトナー溶融時の内部凝集力が小さいために定着時にトナー画像の上側が定着部材に付着してしまう、いわゆるホットオフセット現象が発生することがあり、画像品位が著しく損なわれることがある。ホットオフセットを回避するためにウレタン結合やウレア結合部位を多くすると、高温での定着においては問題なく行うことができる。その反面、低温で定着を行う場合には画像光沢が低く、紙への溶融含浸が不十分となり画像が紙から離脱しやすい状態となる。特に厚みがあり表面の凹凸が多い紙への定着を行う場合には、定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いために定着状態が更に悪化したり、凹部においては定着部材でトナーに圧力が十分にかからないため特に弾性的な状態にあるトナーの定着状態は著しく悪くなることがある。
溶融後の粘弾性を制御する手段として分子量を考えた場合、当然ながら分子量が大きいほど分子鎖の移動に障害が多くなるため粘弾性が大きくなる。更に、分子量が大きい場合には絡まりが発生するために弾性的な挙動を示すようになる。紙への定着性に着目して考えると、分子量が小さいほうが溶融時の粘度が低いため好ましい反面、ある程度の弾性がなければホットオフセットが発生してしまう。しかしながら、分子量を全体的に上げてしまうと、定着性が損なわれ、特に厚紙においては定着時のトナーへの熱の伝達効率が低いために定着状態が更に悪化する。そこで、結着樹脂の分子量全体としてはあまり大きくしすぎないようにしつつ、高分子量の結晶性成分を含むようにすることにより、溶融後の粘弾性を好適に制御でき、薄紙や厚紙といった紙種によらず一定温度かつ一定速度で定着可能なトナーを得ることができる。
前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000〜70,000が好ましく、30,000〜60,000がより好ましく、35,000〜50,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、70,000を超えると、結着樹脂全体が高分子量すぎるため定着性が悪化し、光沢が低すぎたり、定着後の画像が外的ストレスで容易に欠落することがある。前記重量平均分子量が、20,000未満の場合であると、いくら高分子量成分が多く存在していたとしてもトナー溶融時の内部凝集力が低くなりすぎ、ホットオフセットや定着部材への紙の巻きつきを引き起こすことがある。
上記のような分子量分布を有するような結着樹脂を有するトナーを得る方法としては、分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する、重合時に分子量分布が制御された樹脂を使用する方法がある。
分子量分布の異なる2種類以上の樹脂を併用する場合、少なくとも相対的に高分子量の樹脂と低分子量の樹脂の2種類を使用する。高分子量の樹脂としては、あらかじめ分子量の大きな樹脂を使用してもよいし、末端にイソシアネート基を有する変性樹脂をトナーの製造過程で伸長させて高分子量体を形成させてもよい。後者のほうが、高分子量体をトナー中に均一に存在させることができ、結着樹脂を有機溶媒中に溶解させる工程があるような製造方法においてははじめから高分子量である樹脂よりも溶解させることが容易であるため好ましい。
高分子量の樹脂(イソシアネート基を有する変性樹脂も含む)と低分子量の樹脂の2種類で結着樹脂が構成される場合、前記高分子量の樹脂と前記低分子量の樹脂との質量比率(高分子量の樹脂/低分子量の樹脂)としては、5/95〜60/40が好ましく、8/92〜50/50がより好ましく、12/88〜35/65が更に好ましく、15/85〜25/75が特に好ましい。前記質量比率において5/95よりも前記高分子量の樹脂が少ない場合、又は60/40よりも前記高分子量の樹脂が多い場合には、上記の分子量分布を有する結着樹脂を有するトナーを得るのが困難となることがある。
重合時に分子量分布が制御された樹脂を使用する場合、このような樹脂を得る方法としては、例えば、縮重合、重付加、付加縮合のような重合形態であれば、2官能のモノマーのほかに官能基数の異なるモノマーを少量添加することにより分子量分布を広げることができる。前記官能基数の異なるモノマーとしては、例えば、3官能以上のモノマー、単官能のモノマーがあるが、前記3官能以上のモノマーを使用すると分岐構造が生成するため、結晶性を有する樹脂を使用する場合には結晶構造を形成しにくくなる場合がある。前記単官能のモノマーを使用すれば、前記単官能のモノマーにより重合反応が停止することで2種類以上の樹脂を用いる場合における低分子量の樹脂を生成させつつ、一部は重合反応が進行し高分子量成分となる。
高分子量の成分は、結着樹脂全体と樹脂構造が近いことが必要であり、結着樹脂として結晶性を有するのであれば、高分子量の成分も同様に結晶性を有する必要がある。高分子量成分が他の樹脂成分と構造が大きく異なる場合、高分子体は容易に相分離し海島状態となるためトナー全体への粘弾性や凝集力の向上への寄与が期待できない。
そこで、前記トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、前記トナーのテトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕に対する不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕との比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕が、0.20〜1.25であることが好ましく、0.30〜1.00であることがより好ましく、0.40〜0.80であることが特に好ましい。
前記比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕は、高分子量の成分の結晶性構造と結着樹脂全体の結晶性構造との割合を示す。
テトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルの混合溶媒(混合比率は質量比で50:50)に対する前記トナーの不溶分を得る具体的な試験方法としては、常温(20℃)の前記混合溶媒40gに対してトナー0.4gを添加し20分間振とう混合をした後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させることにより得ることができる。
前記トナーのX線回折測定によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)と、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(A)との合計に対する前記Cの比率〔C/(A+C)〕は、0.15以上が好ましく、0.20以上がより好ましく、0.30以上が更に好ましく、0.45以上が特に好ましい。尚、本発明におけるトナーがワックスを含有する場合、2θ=23.5°〜24°の位置にワックス固有の回折ピークが現れることが多い。しかし、トナー全質量に対するワックス含有量が15質量%以下の場合は、ワックス固有の回折ピークの寄与がわずかであることから考慮しなくてもよい。ワックス含有量が15質量%超の場合には、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度から、ワックスの結晶構造に由来するスペクトルの積分強度を差し引いた値を上記の「結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)」と置き換えることとする。
前記トナーの体積固有抵抗値(logR)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10.5〜12.0が好ましく、10.5〜11.5がより好ましい。前記体積固有抵抗値(logR)が、10.5未満であると、転写性が低下することがあり、12.0を超えると、転写性が低下することがある。前記体積固有抵抗値(logR)が、前記より好ましい範囲内であると、転写性に優れる点で有利である。
<<分子量>>
トナーのテトラヒドロフラン可溶分及び樹脂の分子量分布や重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフイー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を使用する。測定する樹脂は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬工業株式会社製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いる。前記THF試料溶液を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35mL/分間で測定する。
分子量は単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行う。前記単分散ポリスチレン標準試料としては、昭和電工株式会社製ShowdexSTANDARDシリーズ及びトルエンを用いる。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作製し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成する。
溶液A:S−7450 2.5mg, S−678 2.5mg, S−46.5 2.5mg, S−2.90 2.5mg, THF 50mL
溶液B:S−3730 2.5mg, S−257 2.5mg, S−19.8 2.5mg, S−0.580 2.5mg, THF 50mL
溶液C:S−1470 2.5mg, S−112 2.5mg, S−6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50mL
検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
後述する実施例では、上記方法で測定を行った。
分子量100,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000と曲線の交点から調べることができる。
<<体積固有抵抗値>>
前記体積固有抵抗値は、例えば、以下のようにして測定できる。
試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして直径40mm(厚さ約2mm)ペレットを作製する。これをSE−70形固体用電極(安藤電気株式会社製)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときのlogRをTR−10C型誘電体損測定器、WBG−9発振器、BDA−9平衡点検出器(いずれも安藤電気株式会社製)から構成される測定器によって測定する。これによりトナーの体積固有抵抗値logRを求める。RATIOは1×10−9である。測定環境は室温25℃湿度50%RHである。
<<貯蔵弾性率〔G’(70)〕、及び貯蔵弾性率〔G’(160)〕>>
トナーの70℃における貯蔵弾性率〔G’(70)〕、及び160℃における貯蔵弾性率〔G’(160)〕は、以下の方法により測定できる。
動的粘弾性測定装置(例えば、ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定する。試料を、直径8mm、厚さ1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/minで昇温させて測定する。
<<Tsh2nd/Tsh1st>>
示差走査熱量計(DSC)による前記トナーの測定の昇温1回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh1stと、昇温2回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh2ndとの比(Tsh2nd/Tsh1st)は、以下の方法により測定できる。
示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定する。まず、トナー5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線において、1回目の昇温時における吸熱ピーク温度をTm1st、2回目の昇温時における吸熱ピーク温度をTm2ndとする。このとき、吸熱ピークが複数ある場合は吸熱量が最大のものを選択する。それぞれの吸熱ピークについて、該吸熱ピークよりも低温側のベースラインと、吸熱ピークをなす低温側の傾斜の接線との交点を、それぞれTsh1st、Tsh2ndとする。
<<体積平均粒径>>
トナーの体積平均粒径は、以下の方法により測定できる。
体積平均粒径は、粒度測定器(例えば、「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(BeckmanCoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行う。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加し、更にトナー0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理する。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行う。測定では、装置が示す濃度が8±2質量%になるようにトナーサンプル分散液を滴下する。
本測定法は、粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2質量%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
<<平均円形度>>
トナーの平均円形度は、以下の方法により測定できる。
フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100Data Processing Program for FPIAversion00−10)を用いて解析を行う。具体的には、ガラス製100mLビーカーに、10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、更にトナー0.1g〜0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加し分散液を得る。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理する。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度として5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定する。
本測定法は、平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。前記分散液濃度を得るために前記分散液の条件、即ち、添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。界面活性剤量はトナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると泡によるノイズが発生し、少ないとトナーを十分に濡らすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナー粒径が3μm〜10μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
<<結晶構造量〔C/(A+C)〕>>
前記比率〔C/(A+C)〕は、トナー中の結晶化部位の量(主にトナーの主成分たる結着樹脂中の結晶化部位の量)を示す指標であり、X線回折測定によって得られる回折スペクトルにおける、結晶構造に由来する主回折ピークと非結晶構造に由来するハローとの面積比である。なお、従来公知の、結晶性樹脂やワックスを添加剤程度に含むようなトナーは、この比率がおおよそ0.15未満である。
前記X線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定できる。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用する。試料は、このキャピラリー管の上部まで詰めて測定する。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とする。測定の詳細条件を以下に示す。
管電流:40mA
管電圧:40kV
ゴニオメーター2θ軸:20.0000°
ゴニオメーターΩ軸:0.0000°
ゴニオメーターφ軸:0.0000°
検出器距離:15cm(広角測定)
測定範囲:3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間:600sec
入射光学系には、直径1mmのピンホールを持つコリメーターを用いる。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換する。
得られたX線回折測定結果を基に、前記比率〔C/(A+C)〕を算出する方法を、以下に説明する。X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1A及び図1Bに示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1AにおけるX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結着樹脂の結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2の主要なピークとハローをガウス関数、
p1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1/(2cp1 )}(式A(1))
p2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2/(2cp2 )}(式A(2))
(2θ)=aexp{−(2θ−b/(2c )} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、f(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数を表す。)で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+f(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1Bに図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行う。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、a、b、cの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bにはX線回折のピーク位置(図1Aの例では、bp1=21.3、bp2=24.2、b=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致させて得られた値を設定する。フィッティングは、例えば、Microsoft社製Excel2003のソルバーを利用して行うことができる。
フィッティング後の2つの主要なピーク(P1、P2)に対応するガウス関数fp1(2θ)、fp2(2θ)、及びハローに相当するガウス関数f(2θ)のそれぞれについての積分面積(SP1、Sp2、S)から、(Sp1+Sp2)を(C)、(S)を(A)としたとき、結晶化部位の量を示す指標である比率〔C/(A+C)〕を算出することができる。
前記トナーは、中間転写体を用いた画像形成装置、及び画像形成方法に好適に用いることができる。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練粉砕法、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法などが挙げられる。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる溶解懸濁法;溶解懸濁法において、活性水素基と反応可能な官能基を有する樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)を含む油相組成物を、水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法(製造方法(I));樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法、前記製造方法(I)、凝集法で得られるトナーが、結晶性樹脂による造粒性(粒度分布制御や、粒子形状制御等)の観点から好ましく、前記製造方法(I)で得られるトナーがより好ましい。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
−混練粉砕法−
前記混練粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂を含有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練は、前記トナー材料を混合して得られた混合物を溶融混練機に仕込んで行う。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。具体的には、例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダーなどが挙げられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕は、前記溶融混練で得られた混練物を粉砕する工程である。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を所定粒径の粒子に調整する工程である。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器などにより、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
−ケミカル工法−
前記ケミカル工法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも前記結着樹脂を含有するトナー材料液を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法が好ましい。
また、前記ケミカル工法としては、少なくとも前記結着樹脂及び前記結着樹脂前駆体の少なくともいずれかを含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散してなる油相(トナー材料液)を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法が好ましい。この場合、水系媒体中で、前記結着樹脂前駆体(活性水素基と反応可能な官能基を有する樹脂前駆体)と、活性水素基含有化合物とが反応する。
前記活性水素基含有化合物としては、水、アミン化合物などが挙げられる。前記アミン化合物には、ケトンでブロックしたアミン化合物(ケチミン化合物)も含まれる。前記アミン化合物としては、例えば、前記ウレア変性結晶性ポリエステル樹脂の説明で例示した前述のものが挙げられる。
前記結着樹脂前駆体としては、例えば、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記溶解懸濁法やエステル伸長法では、結晶性樹脂を容易に造粒することが可能である。
−−有機溶剤−−
前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体を溶解乃至分散させる場合に用いる有機溶剤としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶媒除去が容易になる点から好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体を含有するトナー材料液の固形分濃度としては、40質量%〜80質量%が好ましい。前記固形分濃度が、40質量%未満であると、トナーの製造量が少なくなることがあり、80質量%を超えると、前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体の溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらいことがある。
前記着色剤、前記離型剤などの樹脂以外のトナー材料、及びそれらのマスターバッチなどは、それぞれ個別に有機溶剤に溶解乃至分散させ、前記トナー材料液に混合してもよい。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用することもできる。前記混和可能な溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
前記水系媒体の前記トナー材料液100質量部に対する使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、トナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがある。また、前記使用量が、2,000質量部を超えると、経済的でないことがある。
前記水系媒体中には、無機分散剤乃至有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させていることが、得られるトナーの粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の点で好ましい。
前記無機分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという点から、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
水系媒体中への前記トナー材料液の乳化乃至分散の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。これらの中でも、粒子の小粒径化の点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000rpm〜30,000rpmであり、5,000rpm〜20,000rpmが好ましい。分散時の温度としては、通常、0℃〜150℃(加圧下)であり、20℃〜80℃が好ましい。
前記トナー材料液が前記結着樹脂前駆体を有する場合、前記結着樹脂前駆体が伸長乃至架橋反応するのに必要な前記活性水素基含有化合物などを、水系媒体中で前記トナー材料液を分散する前に前記トナー材料液にあらかじめ混合しておいてもよいし、水系媒体中で混合してもよい。
得られた乳化分散体から前記有機溶剤を除去するためには、公知の方法を使用することができ、例えば、常圧又は減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。そうすることによりトナーの母体粒子が得られる。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いてもよいし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にしてもよい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有し、好ましくはキャリアを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。前記現像剤は、一成分現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。中でも、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好ましい。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合、前記フェライトとしては、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライトが好ましい。
−樹脂層−
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性シリコーン樹脂)、KR5208(アクリル変性シリコーン樹脂)、ES1001N(エポキシ変性シリコーン樹脂)、KR305(ウレタン変性シリコーン樹脂);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、SR2110(アルキド変性シリコーン樹脂)などが挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層を形成する成分の前記キャリアにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合の前記トナーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記キャリア100質量部に対して、2.0質量部〜12.0質量部が好ましく、2.5質量部〜10.0質量部がより好ましい。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体(以下、「感光体」と称することがある。)と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(化学気相成長、Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有する感光体を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
前記静電潜像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状が好ましい。前記円筒状の前記静電潜像担持体の外径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mm〜100mmが好ましく5mm〜50mmがより好ましく、10mm〜30mmが特に好ましい。
<静電潜像形成手段及び静電潜像形成工程>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
−帯電部材及び帯電−
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、前記画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。
前記帯電部材として前記磁気ブラシを用いる場合、該磁気ブラシとしては、例えば、Zn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
前記帯電部材として前記ファーブラシを用いる場合、該ファーブラシの材質としては、例えば、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電部材とすることができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
−露光部材及び露光−
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよい。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
−転写手段及び転写工程−
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
ここで、前記記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合に、前記転写手段により、前記中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて当該中間転写体上に画像を形成し、前記中間転写手段により、当該中間転写体上の画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する構成とすることができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着手段及び定着工程−
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着工程は、前記定着手段により行うことができる。
前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm〜80N/cmであることが好ましい。
−クリーニング手段及びクリーニング工程−
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
−除電手段及び除電工程−
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
−リサイクル手段及びリサイクル工程−
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
−制御手段及び制御工程−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
次に、本発明の画像形成装置により画像を形成する方法を実施する一の態様について、図2を参照しながら説明する。図2に示すカラー画像形成装置100は、静電潜像担持体10と、前記帯電手段としての帯電ローラ20と、前記露光手段としての露光装置30と、前記現像手段としての現像器40と、中間転写体50と、クリーニングブレードを有する前記クリーニング手段としてのクリーニング装置60と、前記除電手段としての除電ランプ70とを備える。
中間転写体50は、無端ベルトであり、その内側に配置されこれを張架する3個のローラ51によって、矢印方向に移動可能に設計されている。3個のローラ51の一部は、中間転写体50へ所定の転写バイアス(一次転写バイアス)を印加可能な転写バイアスローラとしても機能する。中間転写体50には、その近傍にクリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されており、また、最終記録媒体としての転写紙95に現像像(トナー画像)を転写(二次転写)するための転写バイアスを印加可能な前記転写手段としての転写ローラ80が対向して配置されている。中間転写体50の周囲には、中間転写体50上のトナー画像に電荷を付与するためのコロナ帯電器58が、該中間転写体50の回転方向において、静電潜像担持体10と中間転写体50との接触部と、中間転写体50と転写紙95との接触部との間に配置されている。
現像器40は、前記現像剤担持体としての現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cとから構成されている。なお、ブラック現像ユニット45Kは、現像剤収容部42Kと現像剤供給ローラ43Kと現像ローラ44Kとを備えており、イエロー現像ユニット45Yは、現像剤収容部42Yと現像剤供給ローラ43Yと現像ローラ44Yとを備えており、マゼンタ現像ユニット45Mは、現像剤収容部42Mと現像剤供給ローラ43Mと現像ローラ44Mとを備えており、シアン現像ユニット45Cは、現像剤収容部42Cと現像剤供給ローラ43Cと現像ローラ44Cとを備えている。また、現像ベルト41は、無端ベルトであり、複数のベルトローラに回転可能に張架され、一部が静電潜像担持体10と接触している。
図2に示すカラー画像形成装置100において、例えば、帯電ローラ20が静電潜像担持体10を一様に帯電させる。露光装置30が静電潜像担持体10上に像様に露光を行い、静電潜像を形成する。静電潜像担持体10上に形成された静電潜像を、現像器40からトナーを供給して現像してトナー画像を形成する。該トナー画像が、ローラ51から印加された電圧により中間転写体50上に転写(一次転写)され、更に転写紙95上に転写(二次転写)される。その結果、転写紙95上には転写像が形成される。なお、静電潜像担持体10上の残存トナーは、クリーニング装置60により除去され、静電潜像担持体10における帯電は除電ランプ70により一旦、除去される。
図3に、本発明の画像形成装置の他を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、静電潜像担持体10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、図2に示す画像形成装置100と同様の構成を有する。
図4に示すカラー画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図5に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図5中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。ただし、実施例15を参考例に読み替える。
(製造例1)
<結晶性樹脂A1(ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、アジピン酸15部(0.10mol)、1,6−ヘキサンジオール177部(1.50mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量(Mw)がおよそ12,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’1]は、Mwが12,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’1]全量を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル350部、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)30部(0.12mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]は、Mwが25,000、融点が63℃であった。
(製造例2)
<結晶性樹脂A2(結晶性ポリエステル樹脂A2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,10−デカンジオール353部、アジピン酸200部、5−スルホイソフタル酸89部、及びジブチルスズオキシド0.8部を仕込み、常圧下、180℃で6時間反応させた。次に、10mmHg〜15mmHgの減圧下で、4時間反応させて、[結晶性樹脂A2(結晶性ポリエステル樹脂A2)]を合成した。得られた[結晶性樹脂A2(結晶性ポリエステル樹脂A2)]は、数平均分子量(Mn)が14,000、重量平均分子量(Mw)が33,000、融点が65℃であり、融点で吸熱量が極大値を示した。
(製造例3)
<結晶性樹脂B1(ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸113部(0.56mol)、テレフタル酸ジメチル109部(0.56mol)、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水、及びメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ35,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’1]は、Mwが34,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’1]全量を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200部、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)10部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B1]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B1]は、Mwが63,000、融点が65℃であった。
(製造例4)
<結晶性樹脂前駆体C1の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、重量平均分子量がおよそ25,000に達するまで反応を行い[結晶性樹脂C’1]を得た。
得られた[結晶性樹脂C’1]全量を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)27部(0.16mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体C1]の50%酢酸エチル溶液を得た。
得られた[結晶性樹脂前駆体C1]の50%酢酸エチル溶液10部をテトラヒドロフラン(THF)10部と混合し、これにジブチルアミン1部を添加して、2時間撹拌させた。得られた溶液を試料としてGPC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体C1]の重量平均分子量は53,000であった。また、前記溶液から溶媒を除去して得られた試料についてDSC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体C1]の融点は57℃であり、融点で吸熱量が極大値を示した。
(製造例5)
<非結晶性樹脂C1の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA エチレンオキサイド2mol付加物222部、ビスフェノールA プロピレンオキサイド2mol付加物129部、イソフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2mgKOH/gになった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂C1]を得た。得られた[非結晶性樹脂C1]は、Mwが8,000、Tgが62℃であった。
(実施例1)
<離型剤分散剤1の合成>
温度計、及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン454部、及び低分子量ポリエチレン(品名:サンワックス LEL−400、三洋化成工業株式会社製(軟化点128℃))150部を投入し、窒素置換後170℃に昇温して十分溶解し、スチレン595部、メタクリル酸メチル255部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート34部、及びキシレン119部の混合溶液を170℃で3時間で滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで脱溶剤を行い、[離型剤分散剤1]を得た。[離型剤分散剤1]の数平均分子量(Mn)は1,872であり、重量平均分子量(Mw)は5,194であり、Tgは56.9℃であった。
<離型剤分散液の作製>
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)50部、[離型剤分散剤1]30部、及び酢酸エチル420部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時間、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液]を得た。
<マスターバッチの作製>
〔原材料〕
・ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1 100部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ]を作製した。
<油相の作製>
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]31.5部を入れ、固形分濃度が50%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C1]の50%酢酸エチル溶液100部、[離型剤分散液]60部、[マスターバッチ]12部、及び表1に示す[飽和アルコール1]0.100部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相]を得た。なお、[油相]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、樹脂が結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
<樹脂微粒子の水分散液の作製>
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は80nmであり、樹脂分の重量平均分子量は160,000、Tgは74℃であった。
<水相の作製>
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相]を得た。
<トナー母体粒子の作製>
撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、[水相]520部を入れて40℃まで加熱した。
50℃に保たれた[油相]235部に[結晶性樹脂前駆体C1]の50%酢酸エチル溶液25部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相(1)]を調製した。
40℃〜50℃に保持したままの[水相]をTK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、そこへ[油相(1)]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(1)を得た。
得られた濾過ケーキ(1)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、[トナー母体粒子]を作製した。
次に、得られた[トナー母体粒子]100部に疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、体積平均粒径5.8μmの[トナー]を作製した。
<現像剤の作製>
−キャリアの作製−
二成分系現像剤に用いられるキャリアは、以下のように作製した。
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000部を用いた。被覆材として、トルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、不揮発分50%)450部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)10部、及びカーボンブラック10部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いた。前記芯材と前記コート液とを、流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設け、旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、前記コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間の条件で焼成し、[キャリアA]を得た。
−二成分現像剤の作製−
[キャリアA]100部に対し上記で作製した[トナー]7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで3分間均一混合し帯電させた。本実施例においては、[キャリアA]200gと[トナー]14gを内容積500mLのステンレス容器に入れて混合を行った。
以上作製した二成分現像剤について、接触帯電方式、二成分現像方式、二次転写方式、ブレードクリーニング方式、及び外部加熱のローラ定着方式を採用した間接転写方式のタンデム型画像形成装置(図4に示す画像形成装置)の現像ユニットに装填して画像形成を行い、トナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
<評価>
<<一般式(1)で表される化合物の含有量>>
トナーにおける前記一般式(1)で表される化合物の含有量は、液体クロマトグラフィー(AQULITY UPLC Binary Solvent Maneager、日本ウォーターズ社製)を用いて測定した。トナーサンプル約0.2gを精評し、メタノール20mLに分散させた後、超音波を30分間かけ、更に60℃で48時間、300rpmで攪拌した。上澄み液を孔径0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、得たサンプルをメタノールで100倍希釈したものを測定した。
<<トナーの貯蔵弾性率(G’)>>
トナーの70℃における貯蔵弾性率〔G’(70)〕、及び160℃における貯蔵弾性率〔G’(160)〕は、以下の方法により測定した。
動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。試料を、直径8mm、厚さ1mm〜2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて200℃まで昇温速度2.0℃/minで昇温させて測定した。
<<Tsh2nd/Tsh1st>>
示差走査熱量計(DSC)によるトナーの測定の昇温1回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh1stと、昇温2回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh2ndとの比(Tsh2nd/Tsh1st)は、以下の方法により測定した。
示差走査熱量計(DSC)(TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定した。即ち、まず、トナー5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線において、1回目の昇温時における吸熱ピーク温度をTm1st、2回目の昇温時における吸熱ピーク温度をTm2ndとした。このとき、吸熱ピークが複数ある場合は吸熱量が最大のものを選択した。それぞれの吸熱ピークについて、該吸熱ピークよりも低温側のベースラインと、吸熱ピークをなす低温側の傾斜の接線との交点を、それぞれTsh1st、Tsh2ndとした。
<<平均円形度>>
トナーの平均円形度は、以下の方法により測定した。
フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100Data Processing Program for FPIAversion00−10)を用いて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに、10%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、更にトナー0.1g〜0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加し分散液を得た。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて濃度として5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。
<<体積平均粒径>>
トナーの体積平均粒径は、以下の方法により測定した。
体積平均粒径は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(BeckmanCoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mLビーカーに10%界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加し、更にトナー0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定では、装置が示す濃度が8±2%になるようにトナーサンプル分散液を滴下した。
<結晶構造量〔C/(A+C)〕>
前記結晶構造量〔C/(A+C)〕は、X線回折測定により測定した。その方法を以下に示す。
測定試料には、トナーを用いた。
X線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定した。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用した。試料は、このキャピラリー管の上部まで詰めて測定した。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とした。測定の詳細条件を以下に示す。
管電流:40mA
管電圧:40kV
ゴニオメーター2θ軸:20.0000°
ゴニオメーターΩ軸:0.0000°
ゴニオメーターφ軸:0.0000°
検出器距離:15cm(広角測定)
測定範囲:3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間:600sec
入射光学系には、直径1mmのピンホールを持つコリメーターを用いた。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換した。
得られたX線回折測定結果を基に、前記比率〔C/(A+C)〕を算出する方法を、以下に説明する。X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1A及び図1Bに示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1AにおけるX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結着樹脂の結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2の主要なピークとハローをガウス関数、
p1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1/(2cp1 )}(式A(1))
p2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2/(2cp2 )}(式A(2))
(2θ)=aexp{−(2θ−b/(2c )} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、f(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数を表す。)で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+f(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1Bに図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行った。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、a、b、cの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bにはX線回折のピーク位置(図1Aの例では、bp1=21.3、bp2=24.2、b=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致させて得られた値を設定した。フィッティングは、Microsoft社製Excel2003のソルバーを利用した。
フィッティング後の2つの主要なピーク(P1、P2)に対応するガウス関数fp1(2θ)、fp2(2θ)、及びハローに相当するガウス関数f(2θ)のそれぞれについての積分面積(SP1、Sp2、S)から、(Sp1+Sp2)を(C)、(S)を(A)とし、結晶化部位の量を示す指標である比率〔C/(A+C)〕を算出した。
<<体積固有抵抗値>>
試料として、トナー3gを自動ペレット成型器(Type M No.50 BRP−E;MAEKAWA TESTING MACHINE CO.製)で6tの荷重で1分間プレスして直径40mm(厚さ約2mm)ペレットを作製した。これをSE−70形固体用電極(安藤電気株式会社製)にセットし、そして上記電極間に1kHzの交流を印加したときのlogRをTR−10C型誘電体損測定器、WBG−9発振器、BDA−9平衡点検出器(いずれも安藤電気株式会社製)から構成される測定器によって測定し、これによりトナーの体積固有抵抗値logRを求めた。RATIOは1×10−9である。測定環境は室温25℃湿度50%RHである。
<<低温定着性(定着下限温度)>>
図4に示す画像形成装置を用い、転写紙(リコービジネスエキスパート株式会社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナー付着量が0.85±0.1mg/cmのベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像し、定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
<<転写性>>
全面黒で現像し転写途中で機械を停止し、感光体上の未転写部及び転写部のトナーを重量既知、面積一定の粘着紙に移しとり重量を測定した。そして、次式〔(未転写部のトナー重量−転写部のトナー重量)/未転写部のトナー重量〕×100から転写率を求めた。転写率を以下の評価基準に従って評価した。
〔評価基準〕
◎:転写率95%以上
○:転写率90%以上95%未満
△:転写率80%以上90%未満
×:転写率80%未満
<<耐熱保存性>>
50mLのガラス容器にトナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きい程、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が15mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が20mm以上25mm未満
△:針入度が15mm以上20mm未満
×:針入度が15mm未満
(実施例2)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を0.020部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例3)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を0.050部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例4)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を表1に示す[飽和アルコール2]0.080部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例5)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和アルコール3]に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例6)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和アルコール4]に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例7)
実施例1の「油相の作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]31.5部を81.5部に変え、かつ[非結晶性樹脂C1]の50%酢酸エチル溶液100部を0部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例8)
実施例1の「油相の作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]31.5部を、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]21.5部、及び[結晶性樹脂A2]10部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例9)
実施例1の「油相の作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]31.5部を21.5部に変え、かつ[非結晶性樹脂C1]の50%酢酸エチル溶液100部を120部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例10)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和カルボン酸1]に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例11)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和アミン1]に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例12)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和カルボン酸2]に代えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例13)
実施例1の「マスターバッチの作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]を[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B1]に代えた。また、実施例1の「油相の作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]31.5部を[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B1]81.5部に変え、かつ[非結晶性樹脂C1]の50%酢酸エチル溶液100部を0部に変えた。それら以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例14)
実施例1の「油相の作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]35部を[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B1]44部に変え、[結晶性樹脂前駆体C1]の50%酢酸エチル溶液25部を0部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(実施例15)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を0.200部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(比較例1)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を0.300部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(比較例2)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を0部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(比較例3)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和アルコール5]に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(比較例4)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]を表1に示す[飽和アルコール6]に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(比較例5)
実施例1の「油相の作製」において、[飽和アルコール1]0.100部を0.005部に変えた以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2−1、及び表2−2に示す。
(比較例6)
実施例1の「マスターバッチの作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]を[非結晶性樹脂C1]に代えた。また、実施例1の「油相の作製」において、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A1]31.5部を[非結晶性樹脂C1]44部に変え、[結晶性樹脂前駆体C1]の50%酢酸エチル溶液25部を0部に変えた。それら以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を作製した。得られたトナー及び現像剤の性能評価を行った。結果を表2に示す。
表1に記載の各化合物のアルキル鎖はいずれも直鎖状のアルキル鎖である。
表2−1中、比較例6の〔ΔH(H)/ΔH(T)〕における「−」は、ΔH(H)が測定されなかったことを表す。
表2−1において、添加化合物の含有量は、トナーにおける添加化合物の含有量(質量%)である。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂と、下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
下記一般式(1)で表される化合物が、0.01質量%〜0.25質量%であることを特徴とするトナーである。
2n+1R 一般式(1)
ただし、前記一般式(1)中、nは、8〜22を表し、Rは、COOH、NH、及びOHのいずれかを表す。
<2> トナーのX線回折測定によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)と、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(A)との合計に対する前記Cの比率〔C/(A+C)〕が、0.15以上である前記<1>に記載のトナーである。
<3> 示差走査熱量計によるトナーの測定の昇温1回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh1stと、昇温2回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh2ndの比(Tsh2nd/Tsh1st)が、0.90〜1.10である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> 体積固有抵抗値(logR)が、10.5〜12.0である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 一般式(1)において、nが、9〜20である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.050質量%〜0.100質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> 70℃における貯蔵弾性率G’(70)が、5.0×10Pa≦G’(70)≦5.0×10Paである前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量100,000以上の成分を、ピーク面積で7.0%以上含み、
前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が、20,000〜70,000である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
<9> トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、前記トナーのテトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕に対する不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕との比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕が、0.20〜1.25である前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤である。
<11> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
前記トナーが、前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
10 静電潜像担持体
40 現像器
100 カラー画像形成装置
100B 画像形成装置
特開2010−077419号公報 特開2009−014926号公報 特開2010−151996号公報

Claims (11)

  1. ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂と、下記一般式(1)で表される化合物とを含有し、
    下記一般式(1)で表される化合物が、0.01質量%〜0.10質量%であることを特徴とするトナー。
    2n+1R 一般式(1)
    ただし、前記一般式(1)中、nは、8〜22を表し、Rは、COOH、NH、及びOHのいずれかを表す。
  2. トナーのX線回折測定によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)と、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(A)との合計に対する前記Cの比率〔C/(A+C)〕が、0.15以上である請求項1に記載のトナー。
  3. 示差走査熱量計によるトナーの測定の昇温1回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh1stと、昇温2回目の融解熱ピークのショルダー温度Tsh2ndの比(Tsh2nd/Tsh1st)が、0.90〜1.10である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. 体積固有抵抗値(logR)が、10.5〜12.0である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 一般式(1)において、nが、9〜20である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 一般式(1)で表される化合物の含有量が、0.050質量%〜0.100質量%である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. 70℃における貯蔵弾性率G’(70)が、5.0×10Pa≦G’(70)≦5.0×10Paである請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量100,000以上の成分を、ピーク面積で7.0%以上含み、
    前記トナーのテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量が、20,000〜70,000である請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9. トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、前記トナーのテトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕に対する不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕との比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕が、0.20〜1.25である請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含有することを特徴とする現像剤。
  11. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
    前記トナーが、請求項1から9のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
JP2013004595A 2012-08-31 2013-01-15 トナー、現像剤、及び画像形成装置 Active JP6060692B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013004595A JP6060692B2 (ja) 2012-08-31 2013-01-15 トナー、現像剤、及び画像形成装置
US14/013,428 US8951707B2 (en) 2012-08-31 2013-08-29 Toner, developer and image forming apparatus

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012192118 2012-08-31
JP2012192118 2012-08-31
JP2013004595A JP6060692B2 (ja) 2012-08-31 2013-01-15 トナー、現像剤、及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014063117A JP2014063117A (ja) 2014-04-10
JP6060692B2 true JP6060692B2 (ja) 2017-01-18

Family

ID=50188042

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013004595A Active JP6060692B2 (ja) 2012-08-31 2013-01-15 トナー、現像剤、及び画像形成装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8951707B2 (ja)
JP (1) JP6060692B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5884797B2 (ja) 2013-09-06 2016-03-15 株式会社リコー トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP6273726B2 (ja) 2013-09-06 2018-02-07 株式会社リコー トナー、現像剤、及び画像形成装置
WO2015033774A1 (en) 2013-09-06 2015-03-12 Ricoh Company, Ltd. Toner
US9594322B2 (en) 2013-09-11 2017-03-14 Ricoh Company, Ltd. Toner for image formation, and developer and image forming apparatus using the toner
JP6264799B2 (ja) 2013-09-13 2018-01-24 株式会社リコー トナー用樹脂、トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ
EP3103826B1 (en) 2014-02-04 2019-03-06 Ricoh Company, Ltd. Toner comprising polyester resin, developer, and image formation device
JP5983653B2 (ja) * 2014-02-17 2016-09-06 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
AU2015224324B2 (en) 2014-02-26 2017-07-13 Ricoh Company, Ltd. Toner, developer, and image formation device
JP6458515B2 (ja) 2014-03-03 2019-01-30 株式会社リコー 静電像現像用トナー、現像剤、画像形成装置
JP2015180925A (ja) 2014-03-04 2015-10-15 株式会社リコー マゼンタトナー、現像剤、画像形成装置
JP2015232696A (ja) 2014-05-12 2015-12-24 株式会社リコー トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP6318955B2 (ja) 2014-07-31 2018-05-09 株式会社リコー 画像形成装置
US20160187795A1 (en) * 2014-12-26 2016-06-30 Akinori Saitoh Toner, developer, and image forming apparatus
JP2016180912A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP2016180911A (ja) * 2015-03-25 2016-10-13 コニカミノルタ株式会社 静電荷像現像用トナー
JP6551544B2 (ja) 2016-01-18 2019-07-31 株式会社リコー トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP2022034785A (ja) * 2020-08-19 2022-03-04 株式会社リコー トナー及びその製造方法、トナー収容ユニット、画像形成装置、並びに画像形成方法

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4227268B2 (ja) * 1999-12-28 2009-02-18 キヤノン株式会社 乾式トナー
JP2004163515A (ja) * 2002-11-11 2004-06-10 Seiko Epson Corp トナーの製造方法、およびトナー
JP2006276069A (ja) 2005-03-25 2006-10-12 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用トナー及びその製造方法、並びに、これを用いた電子写真用現像剤及び画像形成方法
JP4500239B2 (ja) 2005-09-16 2010-07-14 株式会社リコー トナー及びこれを用いる画像形成装置、プロセスカートリッジ
JP4830630B2 (ja) 2006-05-17 2011-12-07 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤及び画像形成方法
JP4569546B2 (ja) * 2006-08-28 2010-10-27 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 トナー
JP4289400B2 (ja) * 2007-01-17 2009-07-01 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 トナー
JP2009229788A (ja) * 2008-03-24 2009-10-08 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用フルカラートナーキット、現像剤、画像形成装置およびプロセスカートリッジ
JP5505692B2 (ja) * 2009-05-29 2014-05-28 株式会社リコー 画像形成用トナー、画像形成装置、画像形成方法、およびプロセスカートリッジ
US8877417B2 (en) * 2010-07-22 2014-11-04 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP5594591B2 (ja) * 2010-09-30 2014-09-24 株式会社リコー 電子写真用トナー、並びに該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、画像形成方法、プロセスカートリッジ
US9097998B2 (en) * 2010-12-28 2015-08-04 Canon Kabushiki Kaisha Toner
JP2012163606A (ja) * 2011-02-03 2012-08-30 Canon Inc トナー
JP2013080200A (ja) 2011-05-02 2013-05-02 Ricoh Co Ltd 電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP5769016B2 (ja) 2011-09-22 2015-08-26 株式会社リコー 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP5850314B2 (ja) 2011-10-26 2016-02-03 株式会社リコー トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置
JP5850316B2 (ja) 2011-11-09 2016-02-03 株式会社リコー 乾式静電荷像現像用トナー、および画像形成装置
JP5240394B1 (ja) 2011-12-01 2013-07-17 株式会社リコー 電子写真用トナー、現像剤、画像形成方法、プロセスカートリッジ、画像形成装置、トナー容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014063117A (ja) 2014-04-10
US20140065534A1 (en) 2014-03-06
US8951707B2 (en) 2015-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6060692B2 (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP5896137B2 (ja) トナーの製造方法
JP5769016B2 (ja) 電子写真用トナー、該トナーを用いた現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ
JP5900072B2 (ja) 電子写真用トナー、現像剤、画像形成装置、及び電子写真用トナーの製造方法
JP6056483B2 (ja) 現像剤及び画像形成装置
JP2013148862A (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
KR101729875B1 (ko) 토너, 현상제, 화상 형성 장치 및 프로세스 카트리지
JP2013080200A (ja) 電子写真用トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP2014167602A (ja) 電子写真用トナー、及び該トナーを含む二成分現像剤、画像形成装置
JP2014077973A (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP6264799B2 (ja) トナー用樹脂、トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ
WO2013137368A1 (en) Toner, method for producing the toner, two-component developer, and image forming apparatus
JP2012237859A (ja) トナー、現像剤、及び画像形成方法
JP2014178648A (ja) トナー、現像剤及び画像形成装置
JP2014235400A (ja) 画像形成装置及び画像形成方法
JP2017015817A (ja) トナー、現像剤、現像剤収容ユニット及び画像形成装置
JP2014048638A (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP2014071291A (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP5664615B2 (ja) トナー、現像剤、及び画像形成装置
JP5999472B2 (ja) 電子写真用トナー、二成分現像剤及び画像形成装置
JP2017003909A (ja) 二成分現像剤、現像剤収容ユニット及び画像形成装置
JP2014149334A (ja) 現像装置、トナー及び画像形成装置
JP2014149370A (ja) トナー、現像剤、画像形成装置、プロセスカートリッジ、及び定着画像
JP6028421B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP5971005B2 (ja) トナー、該トナーを用いた現像剤及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161128

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6060692

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151