JP2014077973A - トナー、現像剤、及び画像形成装置 - Google Patents

トナー、現像剤、及び画像形成装置 Download PDF

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輪太郎 ▲高▼橋
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Abstract

【課題】結晶性樹脂を含有する場合でも、端部オフセット、及び光沢ムラを防ぐことができるトナーの提供。
【解決手段】結晶性樹脂を含有し、前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有し、前記結晶性樹脂の平均結晶子径が、20nm〜70nmであるトナーである。
【選択図】図2

Description

本発明は、トナー、現像剤、及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置、静電記録装置等において、電気的又は磁気的潜像は、トナーによって顕像化されている。例えば、電子写真法では、感光体上に静電荷像(潜像)を形成した後、トナーを用いて潜像を現像して、トナー画像を形成している。トナー画像は、通常、紙等の記録媒体上に転写された後、加熱等の方法で定着される。
トナーを加熱して定着させる加熱定着方式の画像形成方法においては、トナーを熱溶融させて紙などの記録媒体上に定着させる過程で多くの電力が必要となる。そのため、省エネルギー化を図る観点から、トナーについては、低温定着性が重要な特性の一つとなっている。
トナーの低温定着性を向上させるためには、トナーの大半を占める結着樹脂の熱特性を制御することが重要である。
そこで、結晶性樹脂を結着樹脂の主成分とするトナーにおいて、結晶性樹脂の組成、熱特性を特定の範囲にすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、結着樹脂として分子量の異なる2種の結晶性樹脂を含有するトナーを特定の定着条件で用いることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、結着樹脂として160℃における貯蔵弾性率が異なる2種の結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナーが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、結晶性樹脂を含有するトナーを使用する場合、低温定着性に優れる反面、非結晶性樹脂を結着樹脂の主成分とするトナーを使用する場合と比較して、以下の問題がより顕著に生じる。それは、シート状媒体の搬送方向と直交する方向における用紙の幅が小さい紙(例えば、A4紙)を連続印刷後に幅が大きい紙(例えば、A3紙)への印刷を行うと、通紙サイズの違いに起因して、前記幅が大きい紙の端部に対応する定着部材表面へのトナーのオフセット(以下、「端部オフセット」と称することがある。)が生じたり、幅の大きい紙の端部において光沢ムラが発生するという問題である。
したがって、結晶性樹脂を含有する場合でも、端部オフセット、及び光沢ムラを防ぐことができるトナーの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、結晶性樹脂を含有する場合でも、端部オフセット、及び光沢ムラを防ぐことができるトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のトナーは、結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂の平均結晶子径が、20nm〜70nmであることを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、結晶性樹脂を含有する場合でも、端部オフセット、及び光沢ムラを防ぐことができるトナーを提供することができる。
図1Aは、X線回折測定によって得られる回折スペクトルの一例を示す図である。 図1Bは、X線回折測定によって得られる回折スペクトルの一例を示す図である。 図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 図3は、図2に示す画像形成装置の概略的な制御ブロック図である。 図4は、図2に示す画像形成装置に備えられた定着装置の概略断面図である。 図5は、図4に示す定着装置における励磁コイル、消磁コイル、及び温度検知手段の配置を示すとともに給紙の態様を示す概念図である。 図6は、図2に示す画像形成装置に備えられる他の構成の定着装置の概略断面図である。 図7は、図2に示す画像形成装置に備えられる他の構成の定着装置の概略断面図である。 図8は、図2に示す画像形成装置に備えられる他の構成の定着装置の概略断面図である。 図9は、図2に示す画像形成装置に備えられる他の構成の定着装置の概略断面図である。
(トナー)
前記トナーは、結着樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記結晶性樹脂は、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有する。
前記結晶性樹脂の平均結晶子径は、20nm〜70nmである。
画像形成装置及び画像形成方法において結晶性樹脂を含有するトナーを使用する場合、低温定着性に優れる反面、非結晶性樹脂を結着樹脂の主成分とするトナーを使用する場合と比較して、以下の問題がより顕著に生じる。それは、シート状媒体の搬送方向と直交する方向における用紙の幅が小さい紙(例えば、A4紙)を連続印刷後に幅が大きい紙(例えば、A3紙)への印刷を行うと、通紙サイズの違いに起因して、前記幅が大きい紙の端部に対応する定着部材表面へのトナーのオフセット(端部オフセット)が生じたり、幅の大きい紙の端部において光沢ムラが発生するという問題である。
この問題は、以下の理由により生ずるものと考えられる。
結晶性樹脂は、非結晶性樹脂と比較して、熱容量が大きい。そのため、定着部材(例えば、定着ローラ)の通紙部と非通紙部とで、温度差が大きくなりやすく、トナーによる転写像に接触した際にトナーに熱を奪われる通紙部に比べて、トナーに熱を奪われない非通紙部の方が、温度が高くなる。非通紙部での温度上昇は、A4紙の連続通紙後にA3紙への印刷を行った際に、A4紙とA3紙の紙幅の違いにより、定着部材の両端部で発生しやすい。A3短辺幅(297mm)の定着部材に対し、A4紙を縦方向に通紙すると、A4短辺幅(210mm)の方が短い為、差分として両端にそれぞれ約40mmの非通紙部が生じることになるためである。
この時、定着部材の温度を、通紙部を基準に温調すると、非通紙部において、定着に適する温度を大きく超えてしまう。その結果、前記問題が生じる。
極端な場合には、非通紙部でオフセットに起因する定着部材への紙の巻きつきが発生し、紙詰まり(ジャム)が発生する。
このような問題は、特に誘導加熱方式の定着において生じやすい。それは、誘導加熱方式の定着は、熱ローラ方式による定着の場合と比べ、定着部材表面の温度を短時間で高温域に上昇させることができる利点を有するが、この利点を生かすために定着部材の発熱体の熱容量を小さくした場合には、定着部材表面の温度がオーバーシュート(過加熱)した状態となりやすいためである。
そして、この際に、結晶性樹脂を含有するトナーを使用した場合には、定着部材表面において、このトナーがホットオフセットした状態となりやすい。この現象は、トナーにおける結晶性樹脂の含有量が多いと発生しやすい。
そこで、本発明者らは前記問題を解決するために、鋭意検討を行った。
結晶性樹脂を含有するトナーでは、結晶性樹脂が形成する結晶子の中に、トナーの他の原材料(例えば、顔料、離型剤など)が入りにくく、そのため、必然的にトナー内部での材料偏在が発生しやすくなる。加えて、結晶性樹脂はアモルファス樹脂に比べて、熱容量が大きいこと、及び粘度が急峻に変化する融点を持つことから、トナー内部に結晶部位とアモルファス部位とが存在する場合、加熱時の温度に対する応答は結晶部位とアモルファス部位とにおいて異なるものとなる。結晶性樹脂の融点以下の温度ではアモルファス部位の高分子が緩みはじめるが結晶部位は固体のままであり、また結晶性樹脂の融点以上の温度ではアモルファス部位に比べると結晶部位が極端に低粘度化する。このアモルファス部位の挙動と結晶部位の挙動との違いに加え、トナー中での材料偏在があることにより、前記問題である端部オフセット、及び光沢ムラが発生しやすいと考えられる。そして、この問題は、定着部材の表面の温度差が生じやすい誘導加熱方式の定着を用いた場合に、特に顕著となると考えられる。
そこで、本発明者らは、結晶部位とアモルファス部位とがトナー中で極端に偏在せず比較的均一に分布している状態を作製することで、前記問題の解消が可能であると考えた。即ち、結晶性樹脂からなる結晶子のサイズを小さくし、アモルファス部位が各結晶子の間に存在するような状態を作製することで前記問題の解消が可能であると考えた。ただし、この場合に結晶性部位とアモルファス部位とが別個の樹脂として存在する場合には、常温保存時には均一な分布状態であっても加熱時に分離してしまうことが考えられる。そのため、樹脂に関しては同一分子鎖中に結晶部位とアモルファス部位とが共存する系が好ましいと考えられる。
そして、結晶性樹脂を含有するトナーにおいて、前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有し、前記トナーにおける前記結晶性樹脂の平均結晶子径が、20nm〜70nmであることにより、端部オフセット、及び光沢ムラを防ぐことができることを見出し、本発明の完成に至った。
<結着樹脂>
前記結着樹脂は、結晶性樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、非結晶性樹脂などのその他の成分を含有する。
−結晶性樹脂−
前記結晶性樹脂は、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
本発明における結晶性樹脂とは、結晶構造を持った部位を有する樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有する。前記結晶性樹脂は、例えば、高化式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.8〜1.6であり、熱により急峻に軟化する性状を示す。
また、本発明における非結晶性樹脂は、結晶構造を有さない樹脂のことであり、X線回折装置によって得られる回折スペクトルに結晶構造に由来する回折ピークを有さない。前記非結晶性樹脂は、例えば、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.6より大きく、熱により緩やかに軟化する性状を示す。
樹脂の軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて測定できる。試料として1gの樹脂を昇温速度3℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより2.94MPaの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とする。
樹脂の融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、示差走査熱量計Q2000(TAインスツルメント社製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。ここで、一度DSCにより、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃〜100℃にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、融解熱の最大ピーク温度とする。
−−ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂−−
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂などが挙げられる。これらの中でも、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂が好ましい。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を得る方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、予めポリウレタンユニット又はポリウレアユニットからなるプレポリマーを作製し、別途作製した末端に水酸基を有する結晶性ポリエステルユニットと結合させることによって得る方法(プレポリマー法)、末端に水酸基を有する結晶性ポリエステルユニットと低分子量のポリイソシアネートと低分子量のポリオール若しくはポリアミンとを混合して反応させることによって得る方法(ワンショット法)などが挙げられる。これらの中でも、前記プレポリマー法が好ましい。前記ワンショット法では、通常ポリウレタンユニット又はポリウレアユニットの形成は不均一で、あまり大きなユニットができず結晶性ポリエステルユニットの結晶性阻害を起こしやすいが、反応温度やモノマーの選択を工夫することによりポリウレタンユニット及びポリウレアユニットの少なくともいずれかを十分に形成させることができる。例えば、イソシアネートとの反応が、末端に水酸基を有する結晶性ポリエステルユニットよりも速いポリアミンを使用することで、反応初期にポリウレアユニットを優先的に形成させ、その後結晶性ポリエステルユニットとポリウレアユニットとの結合反応を進行させることで、ワンショット法でも、ある程度大きいポリウレアユニットを持つ、前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を得ることができる。
また、前記プレポリマー法においては、ポリウレタンユニットとポリウレアユニットとが混在したポリウレタンウレアユニットをプレポリマーとして用いてもよい。
−−−結晶性ポリエステルユニット−−−
前記結晶性ポリエステルユニットとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオールとポリカルボン酸とから合成される重縮合ポリエステルユニット、ラクトン開環重合物、ポリヒドロキシカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、ジオールとジカルボン酸との重縮合ポリエステルユニットが、結晶性発現の観点から好ましい。
−−−−ポリオール−−−−
前記ポリオールとしては、例えば、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖型脂肪族ジオール、分岐型脂肪族ジオール等の脂肪族ジオール、炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコール、炭素数4〜36の脂環式ジオール、前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、「アルキレンオキサイド」を「AO」と略記することがある)、ビスフェノール類のAO付加物、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオール、カルボキシル基を有するジオール、スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオール、これらの塩等のその他の官能基を有するジオールなどが挙げられる。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の脂肪族ジオールが好ましく、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記直鎖型脂肪族ジオールのジオール全体に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80mol%以上が好ましく、90mol%以上がより好ましい。前記含有量が、80mol%以上であると、樹脂の結晶性が向上し、低温定着性と耐熱保存性との両立性が良く、樹脂硬度が向上する傾向にある点で有利である。
前記直鎖型脂肪族ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられる。これらのうち、入手容易性を考慮するとエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。これらの中でも、鎖炭素数が2〜36の直鎖型脂肪族ジオールが好ましい。
前記分岐型脂肪族ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、鎖炭素数が2〜36の分岐型脂肪族ジオールが好ましい。前記分岐型脂肪族ジオールとしては、例えば、1,2−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36のアルキレンエーテルグリコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどが挙げられる。
前記炭素数4〜36の脂環式ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなどが挙げられる。
前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイドとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略記することがある)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記することがある)、ブチレンオキサイド(以下、BOと略記することがある)等の付加物などが挙げられる。前記付加物の付加モル数としては、例えば、付加モル数1〜30などが挙げられる。
前記ビスフェノール類のAO付加物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のAO(EO、PO、BO等)付加物などが挙げられる。前記付加物の付加モル数としては、例えば、付加モル数2〜30などが挙げられる。
前記ポリラクトンジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ−ε−カプロラクトンジオールなどが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアルキロールアルカン酸などが挙げられる。前記ジアルキロールアルカン酸の炭素数としては、例えば、6〜24などが挙げられる。炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸、2,2−ジメチロールオクタン酸などが挙げられる。
前記スルホン酸基又はスルファミン酸基を有するジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スルファミン酸ジオール、N,N−ビス(2−ヒドロキシアルキル)スルファミン酸(アルキル基の炭素数1〜6)のAO付加物(AOとしてはEO又はPOなど、AOの付加モル数1〜6)、ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフェートなどが挙げられる。
前記スルファミン酸ジオールとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸PO2モル付加物などが挙げられる。
これらの中和塩基を有するジオールの中和塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数3〜30の3級アミン(トリエチルアミン等)、アルカリ金属(ナトリウム塩等)などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数2〜12の脂肪族ジオール、カルボキシル基を有するジオール、ビスフェノール類のAO付加物、及びこれらの併用が好ましい。
また、必要に応じて用いられる前記3価〜8価又はそれ以上のポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール;トリスフェノール類のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂のAO付加物(付加モル数2〜30);ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニル系モノマーとの共重合物等のアクリルポリオールなどが挙げられる。
前記炭素数3〜36の3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
これらの中でも、3価〜8価又はそれ以上の多価脂肪族アルコール及びノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、ノボラック樹脂のAO付加物がより好ましい。
−−−−ポリカルボン酸−−−−
前記ポリカルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸、3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、直鎖型脂肪族ジカルボン酸、分岐型脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの中でも、直鎖型脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカンジカルボン酸、アルケニルコハク酸、アルケンジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
前記アルカンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルカンジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカルボン酸、デシルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケニルコハク酸としては、例えば、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸などが挙げられる。
前記アルケンジカルボン酸としては、例えば、炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数4〜36のアルケンジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸などが挙げられる。
前記脂環式ジカルボン酸としては、例えば、炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数6〜40の脂環式ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸(2量化リノール酸)などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
また、必要により用いられる前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、例えば、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸などが挙げられる。前記炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
なお、前記ジカルボン酸又は前記3価〜6価又はそれ以上のポリカルボン酸としては、上述のものの酸無水物又は炭素数1〜4のアルキルエステルを用いてもよい。前記炭素数1〜4のアルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。
前記ジカルボン酸の中でも、前記脂肪族ジカルボン酸を単独で用いることが好ましく、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、又はイソフタル酸を単独で用いることがより好ましい。また、前記脂肪族ジカルボン酸と共に前記芳香族ジカルボン酸を共重合したものも同様に好ましい。共重合する前記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、これら芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルが好ましい。前記アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなどが挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸の共重合量としては、20mol%以下が好ましい。
−−−−ラクトン開環重合物−−−−
前記ラクトン開環重合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の炭素数3〜12のモノラクトン(環中のエステル基数1個)等のラクトン類を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合させて得られるラクトン開環重合物;開始剤としてグリコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール等)を用い、前記炭素数3〜12のモノラクトン類を開環重合させて得られる、末端にヒドロキシル基を有するラクトン開環重合物などが挙げられる。
前記炭素数3〜12のモノラクトンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結晶性の観点からε−カプロラクトンが好ましい。
また、前記ラクトン開環重合物としては、市販品を用いてもよく、該市販品としては、例えば、ダイセル社製のPLACCELシリーズのH1P、H4、H5、H7等の高結晶性ポリカプロラクトンなどが挙げられる。
−−−−ポリヒドロキシカルボン酸−−−−
前記ポリヒドロキシカルボン酸の調製方法としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリコール酸、乳酸(L体、D体、ラセミ体等)等のヒドロキシカルボン酸を直接脱水縮合する方法;グリコリド、ラクチド(L体、D体、メソ体等)などのヒドロキシカルボン酸の2分子間又は3分子間脱水縮合物に相当する炭素数4〜12の環状エステル(環中のエステル基数2〜3個)を金属酸化物、有機金属化合物等の触媒を用いて、開環重合する方法などが挙げられるが、分子量の調整の観点から前記開環重合する方法が好ましい。
前記環状エステルの中でも、結晶性の観点からL−ラクチド及びD−ラクチドが好ましい。また、これらのポリヒドロキシカルボン酸は、末端がヒドロキシル基やカルボキシル基となるように変性したものであってもよい。
−−−ポリウレタンユニット−−−
前記ポリウレタンユニットとしては、ジオール、3価〜8価又はそれ以上のポリオール等のポリオールと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットなどが挙げられる。これらの中でも、前記ジオールと前記ジイソシアネートとから合成されるポリウレタンユニットが好ましい。
前記ポリオールとしては、前記ポリエステルユニットにおいて挙げた前記ポリオールと同様のものが挙げられる。
−−−−ポリイソシアネート−−−−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネートなどが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜20の芳香族ジイソシアネート、2〜18の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネート、8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートの変性物、これらの2種以上の混合物が好ましい。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、p−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記粗製MDIとしては、例えば、粗製ジアミノフェニルメタンのホスゲン化物、ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)などが挙げられる。前記粗製ジアミノフェニルメタンとしては、ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)又はその混合物との縮合生成物、ジアミノジフェニルメタンと少量(例えば、5質量%〜20質量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物などが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−2,6−ノルボルナンジイソシアネート、2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、m−キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
前記ジイソシアネートの変性物としては、例えば、ウレタン基含有変性物、カルボジイミド基含有変性物、アロファネート基含有変性物、ウレア基含有変性物、ビューレット基含有変性物、ウレトジオン基含有変性物、ウレトイミン基含有変性物、イソシアヌレート基含有変性物、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。具体的には、例えば、変性MDI、ウレタン変性TDIなどのジイソシアネートの変性物及びこれらの2種以上の混合物などが挙げられる。前記変性MDIとしては、例えば、ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなどが挙げられる。前記混合物としては、例えば、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との混合物などが挙げられる。
これらの中でも、NCO基中の炭素を除く炭素数が、6〜15の芳香族ジイソシアネート、4〜12の脂肪族ジイソシアネート、4〜15の脂環式ジイソシアネートが好ましく、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートがより好ましい。
−−−ポリウレアユニット−−−
前記ポリウレアユニットとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン等のポリアミンと、ジイソシアネート、3価以上のポリイソシアネート等のポリイソシアネートとから合成されるポリウレアユニットなどが挙げられる。
−−−−ポリアミン−−−−
前記ポリアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジアミン、芳香族ジアミンなどが挙げられる。これらの中でも炭素数2〜18の脂肪族ジアミン、炭素数6〜20の芳香族ジアミンが好ましい。また、必要により、3価以上のアミンを使用してもよい。
前記炭素数2〜18の脂肪族ジアミンとしては、例えば、炭素数2〜6のアルキレンジアミン、これらの炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体、脂環又は複素環含有脂肪族ジアミン、炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミンなどが挙げられる。
前記炭素数2〜6のアルキレンジアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記炭素数1〜4のアルキル又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル置換体としては、例えば、ジアルキルアミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなどが挙げられる。
前記脂環又は複素環含有脂肪族ジアミンとしては、例えば、炭素数4〜15の脂環式ジアミン、炭素数4〜15の複素環式ジアミンなどが挙げられる。前記炭素数4〜15の脂環式ジアミンとしては、例えば、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4’−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)などが挙げられる。前記炭素数4〜15の複素環式ジアミンとしては、例えば、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
前記炭素数8〜15の芳香環含有脂肪族アミンとしては、例えば、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなどが挙げられる。
前記炭素数6〜20の芳香族ジアミンとしては、例えば、非置換芳香族ジアミン、炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、これらの異性体の種々の割合の混合物、核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミン、二級アミノ基を有する芳香族ジアミンなどが挙げられる。
前記非置換芳香族ジアミンとしては、例えば、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミン、2,4’−ジフェニルメタンジアミン、4,4’−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなどが挙げられる。
前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3’−メチル−2’,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−2,2’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルスルホンなどが挙げられる。
前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの核置換電子吸引基としては、例えば、ハロゲン、アルコキシ基、ニトロ基などが挙げられる。前記ハロゲンとしては、例えば、Cl、Br、I、Fなどが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシなどが挙げられる。前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,5’−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4’−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4’−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなどが挙げられる。
前記二級アミノ基を有する芳香族ジアミンとしては、例えば、前記非置換芳香族ジアミン、前記炭素数1〜4の核置換アルキル基を有する芳香族ジアミン、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物、前記核置換電子吸引基を有する芳香族ジアミンの一級アミノ基の一部又は全部がメチル、エチル等の低級アルキル基で二級アミノ基に置き換ったものなどが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、例えば、ポリアミドポリアミン、ポリエーテルポリアミンなどが挙げられる。
前記ポリアミドポリアミンとしては、例えば、ジカルボン酸と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミンとの縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなどが挙げられる。前記ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸などが挙げられる。前記ポリアミンとしては、例えば、アルキレンジアミン、ポリアルキレンポリアミンなどが挙げられる。
前記ポリエーテルポリアミンとしては、例えば、ポリエーテルポリオールのシアノエチル化物の水素化物などが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリアルキレングリコールなどが挙げられる。
ウレア結合の凝集エネルギーは、Solubility Parameter Values(Polymer handbook 4th Ed)によれば、50,230[J/mol]であり、ウレタン結合の凝集エネルギー(26,370[J/mol])の2倍程度あるため、少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できる。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂は、ポリウレタンユニット及びポリウレアユニットの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有することが好ましく、ポリウレタンユニットと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有することがより好ましい。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5,000〜50,000が好ましい。前記重量平均分子量が、5,000未満であると、トナーが低温で流動しやすくなり、耐熱保存性に劣る場合がある。また溶融時の粘性が低くなり、高温オフセット性に劣る場合がある。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜70℃が好ましい。前記融点が、50℃未満であると、低温で溶融しやすくトナーの耐熱保存性が低下することがあり、70℃を超えると、定着時の加熱によるトナーの粘弾性低下が不十分で、低温定着性が低下することがある。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂は、第1の結晶性樹脂と、該第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の結晶性樹脂を含有することが好ましい。この場合、前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂は、ポリウレタンユニット及びポリウレアユニットの少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂であることが好ましい。
前記第1の結晶性樹脂の重量平均分子量としては、低温定着性と耐熱保存性との両立性の点から10,000〜40,000が好ましく、15,000〜35,000がより好ましく、20,000〜30,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、10,000未満であると、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、40,000を超えると、トナーの低温定着性が低下することがある。
前記第2の結晶性樹脂の重量平均分子量としては、低温定着性と耐ホットオフセット性との両立の点から、40,000〜300,000が好ましく、50,000〜150,000がより好ましい。前記重量平均分子量が、40,000未満であると、トナーの耐ホットオフセット性が低下することがあり、300,000を超えると、特に低温での定着時にトナーが充分に溶融せず、画像の剥がれが生じ易くなり、トナーの低温定着性が低下することがある。
前記第1の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw1)と前記第2の結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw2)との差(Mw2−Mw1)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5,000以上が好ましく、10,000以上がより好ましい。前記差が、5,000未満であると、トナーの定着幅が狭くなることがある。
前記第1の結晶性樹脂(1)と、前記第2の結晶性樹脂結(2)との質量比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(1)/(2)=5/95〜60/40が好ましく、8/92〜50/50がより好ましく、12/88〜35/65が更に好ましく、15/85〜25/75が特に好ましい。この範囲よりも(1)の比率が多いと、トナーの耐ホットオフセット性が低下することがあり、この範囲よりも(2)の比率が多いと、トナーの低温定着性が低下することがある。
前記トナーは、水系媒体中で、イソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂を伸長して得られるトナーであって、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂は、前記イソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂を伸長して得られる樹脂を含有することが好ましい。前記伸長の方法としては、例えば、イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物と末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂のイソシアネート基とを反応させる方法などが挙げられる。前記イソシアネート基と反応する官能基を有する化合物としては、例えば、水、前述のポリアミンなどが挙げられる。前記伸長は、トナーを製造する際の水系媒体中で行われる。
前記ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、第1の結晶性樹脂と、該第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の結晶性樹脂を含有する場合、前記第2の結晶性樹脂は、前記イソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂を伸長して得られる樹脂であることが好ましい。
前記結着樹脂に対する前記結晶性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結晶性樹脂による優れた低温定着性と耐熱保存性との両立性を最大限に発現させる点から、50質量%以上が好ましく、65質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、95質量%以上が特に好ましい。前記含有量が、50質量%未満であると、結着樹脂の熱急峻性がトナーの粘弾特性上で発現できず、低温定着性と耐熱保存性との両立は困難になることがある。
<非結晶性樹脂>
前記非結晶性樹脂としては、非結晶性であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、活性水素基と反応可能な官能基を有するように変性されたこれらの樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結着樹脂における前記非結晶性樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、層状無機鉱物、離型剤、帯電制御剤、外添剤、造核剤などが挙げられる。
−着色剤−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu−フタロシアニン顔料、Zn−フタロシアニン顔料、Al−フタロシアニン顔料などが挙げられる。
前記トナーにおける前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜15質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、トナーの着色力が低下することがあり、15質量部を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記マスターバッチは、例えば、マスターバッチ用の樹脂と前記着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、前記着色剤と前記樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する、いわゆるフラッシング法と呼ばれる方法は、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−層状無機鉱物−
前記層状無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スメクタイト群粘土鉱物(モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等)、カオリン群粘土鉱物(カオリナイト等)、ベントナイト、アタパルジャイト、マガディアイト、カネマイトなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記層状無機鉱物は、平均厚み数nmの層が重ね合わさって形成される層状の無機鉱物である。
前記層状無機鉱物は、層間に存在するイオンの少なくとも一部が有機物イオンで変性された有機変性層状無機鉱物であってもよい。
前記「変性された」とは、前記層状無機鉱物の層間に存在するイオンに有機物イオンを導入すること、即ち、前記層状無機鉱物の層間に存在するイオンの一部が有機物イオンで置換されたこと及び前記層状無機鉱物の層間に更に有機物イオンが導入されたことの少なくともいずれかと同義であり、広義にはインターカレーションである。
前記有機変性層状無機鉱物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、スメクタイト系の基本結晶構造を持つスメクタイト群粘土鉱物の層間のイオンの少なくとも一部が有機カチオンで変性されたものが、トナー表面近傍における分散安定性の点で好ましく、モンモリロナイトの層間のイオンの少なくとも一部が有機カチオンで変性されたもの、ベントナイトの層間のイオンの少なくとも一部が有機カチオンで変性されたものがより好ましく、ステアラルコニウムベントナイト、クオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイト等の有機変性モンモリロナイトが特に好ましい。
前記有機変性層状無機鉱物としては、市販品を用いることができる。該市販品としては、例えば、Bentone 3、Bentone 38、Bentone 38V(以上、レオックス社製)、チクソゲルVP(United catalyst社製)、クレイトン34、クレイトン40、クレイトンXL(以上、サザンクレイプロダクツ社製)等のクオタニウム18ベントナイト;Bentone 27(レオックス社製)、チクソゲルLG(United catalyst社製)、クレイトンAF(以上、サザンクレイプロダクツ社製)等のステアラルコニウムベントナイト;クレイトンHT、クレイトンPS、クレイトンAPA(以上、サザンクレイプロダクツ社製)等のクオタニウム18/ベンザルコニウムベントナイト;クレイトンHY(サザンクレイプロダクツ社製)等の有機変性モンモリロナイト;ルーセンタイトSPN(コープケミカル株式会社製)等の有機変性スクメタイトなどが挙げられる。これらの中でも、クレイトンAF、クレイトンAPA、クレイトンHYが特に好ましい。
前記トナーにおける前記層状無機鉱物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜3.0質量部が好ましく、0.5質量部〜2.0質量部がより好ましく、1.0質量部〜1.5質量部が特に好ましい。前記含有量が、0.1質量部未満であると、層状無機鉱物の効果が発揮されづらくなることがあり、3.0質量部を超えると、低温定着性を阻害することがある。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。
前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜100℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が50℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、100℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラムを用いて、2回目の昇温時における融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、100℃における測定値として、5mPa・sec〜100mPa・secが好ましく、5mPa・sec〜50mPa・secがより好ましく、5mPa・sec〜20mPa・secが特に好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・sec未満であると、離型性が低下することがあり、100mPa・secを超えると、耐ホットオフセット性、及び低温での離型性が悪化することがある。
前記トナーにおける前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部〜20質量部が好ましく、3質量部〜10質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性、帯電性、転写性、及び耐ストレス性が悪化することがある。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記トナーにおける前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.02質量部〜2質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量部未満であると、帯電立ち上がり性、及び帯電量が十分ではなく、トナー画像が低下することがある。前記含有量が、5質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。
−外添剤−
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、脂肪酸金属塩、金属酸化物、疎水化処理された酸化チタン、フルオロポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記シリカの市販品としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
前記酸化チタンの市販品としては、例えば、P−25(日本アエロジル株式会社製)、STT−30、STT−65C−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−140(富士チタン工業株式会社製)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタンの市販品としては、例えば、T−805(日本アエロジル株式会社製)、STT−30A、STT−65S−S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF−500T、TAF−1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT−100S、MT−100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT−S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理の方法としては、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理する方法などが挙げられる。
前記トナーにおける前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部〜5質量部が好ましく、0.3質量部〜3質量部がより好ましい。
前記外添剤の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1nm〜100nmが好ましく、3nm〜70nmがより好ましい。前記平均粒径が、1nm未満であると、外添剤がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、感光体表面を不均一に傷つけることがある。
−造核剤−
前記造核剤は、前記結晶性樹脂より高い融点を持ち、かつ前記結晶性樹脂と非相溶であることが好ましい。そうすることで、トナー中において結晶性樹脂より高い温度で結晶化するため、前記結晶性樹脂の結晶化を促進させる。そのため、前記造核剤を用いることでトナーの製造工程中で前記結晶性樹脂の結晶化度を向上させる効果があり、トナーの耐熱保存性を向上させることが可能となる。また、定着後の画像の結晶化促進にも効果があり、トナー画像(印刷物)の耐ブロッキング性の向上も見込めるだけでなく、前記造核剤の効果により結晶核のサイズが均一に小さくできる。そのため、トナー画像表面が平滑となり光沢性を向上させることができる。前記造核剤の融点が、前記結晶性樹脂よりも低い場合には、前記造核剤による前記結晶性樹脂の結晶化促進効果が不十分となり、トナーの耐熱保存性、及び定着後のトナー画像の耐ブロッキング性が低下することがある。
前記造核剤としては、前記結晶性樹脂の再結晶化を促進するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機結晶核剤、有機結晶核剤などが挙げられる。
前記無機結晶核剤としては、例えば、シリカ、タルク、カオリン、アルミナ、ミョウバン、酸化チタンなどが挙げられる。
前記有機結晶核剤としては、例えば、低級アルキルジベンジリデンソルビトール、アルミニウムベンゾエート化合物、リン酸エステル金属塩化合物、直鎖脂肪酸金属塩、ロジン酸部分金属塩、脂肪酸アミド、脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記低級アルキルジベンジリデンソルビトールとしては、例えば、ジベンジリデンソルビトール、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトールなどが挙げられる。前記直鎖脂肪酸金属塩としては、例えば、モンタン酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記造核剤としては、リン酸エステル金属塩化合物、リン酸エステル金属塩化合物の複合体、含窒素化合物が好ましい。これらの化合物は、結晶性樹脂、特に結晶性ポリエステルの結晶化速度を速め、機械的強度を大幅に向上させる効果がある。また、ソルビトール系結晶核剤のように、高温での分解し易さや、分解による臭気及び性能の低下に注意を要する必要がないので好ましい。
前記造核剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0.10質量部〜5.0質量部が好ましく、0.30質量部〜2.0質量部がより好ましい。前記含有量が、0.10質量部未満であると、十分な結晶化促進効果が得られずトナー画像の耐ブロッキング性を向上する効果が発現しないことがあり、5.0質量部を超えると、通常、造核剤は結晶性樹脂及びトナーよりも高い融点を有することからトナーの粘弾性を上昇させ十分な低温定着性が得られないことがある。
<平均結晶子径>
前記トナーにおける前記結晶性樹脂の平均結晶子径は、20nm〜70nmであり、30nm〜60nmが好ましい。前記平均結晶子径が、20nm未満であると、結晶性樹脂特有のシャープメルト性が充分に発現せず低温定着性を損ない、また、十分な大きさの結晶が成長していない場合、定着機から与えられる熱量は結晶の融解に使われず、過剰熱量はトナー全体の軟化に使用されることから、端部オフセット及び光沢ムラが発生する。前記平均結晶子径が、70nmを超えると、トナー中での材料偏在が発生しやすく、端部オフセット、及び光沢ムラなどが発生する。
前記平均結晶子径を調整する方法としては、例えば、製造工程での加熱及び冷却時間調整、結晶化核剤の使用、及び材料の組合せによる調整などが挙げられる。
前記平均結晶子径とは、前記トナー中の結晶子の平均サイズである。前記結晶子は、結晶体を構成する最小の単結晶粒子である。
前記平均結晶子径は、X線回折装置を用いて前記トナーを測定し、以下の式から計算して求めることができる。
D=K×λ/(β×cosθ)
(D:平均結晶子径(Å)、K:Scherrer定数、λ:X線波長、β:結晶構造由来回折ピークの半値幅(°)、θ:ブラッグ角(2θ/θ)、K=0.94)
前記X線回折装置としては、例えば、ブルカー・エイエックスエス株式会社製のD8 DISCOVER with GADDSなどが挙げられる。
<重量平均分子量>
前記トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000〜60,000が好ましく、25,000〜55,000がより好ましく、30,000〜50,000が特に好ましい。前記重量平均分子量が、20,000未満であると、いくら高分子量成分が多く存在していたとしてもトナー溶融時の内部凝集力が低くなりすぎ、ホットオフセットや定着部材への紙の巻きつきを引き起こすことがあり、60,000を超えると、結着樹脂全体が高分子量すぎるため定着性が悪化し、光沢が低くなること、及び定着後の画像が外的ストレスで容易に欠落することがある。
トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分は、例えば、トナー30mgをテトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬株式会社製)20mLに投入し1時間攪拌後、0.2μmフィルターで濾過して得ることができる。
<高分子量成分の量>
前記トナーのTHF可溶分は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定の分子量分布における分子量100,000以上の成分を、ピーク面積で5.0%以上含むことが好ましく、7.0%以上含むことがより好ましく、10%以上含むことが特に好ましい。上限としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25%以下が好ましい。
前記トナーのTHF可溶分は、ゲル浸透クロマトグラフィー測定の分子量分布における分子量250,000以上の成分を、ピーク面積で1.0%以上含むことが、トナーの耐久性の点から好ましい。
分子量100,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量100,000と曲線の交点から調べることができる。
分子量250,000以上の成分の割合は、積分分子量分布曲線において、分子量250,000と曲線の交点から調べることができる。
ここで、前記重量平均分子量及び前記分子量分布は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定装置(例えば、HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて測定できる。カラムとしては、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を使用する。測定試料は、テトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬株式会社製)にて0.15質量%溶液にし、0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いる。THF試料溶液を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35mL/分間で測定する。
試料の分子量は、単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行い、得る。前記単分散ポリスチレン標準試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズ及びトルエンを用いる。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作製し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成する。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
溶液A:S−7450 2.5mg, S−678 2.5mg, S−46.5 2.5mg, S−2.90 2.5mg, THF 50mL
溶液B:S−3730 2.5mg, S−257 2.5mg, S−19.8 2.5mg, S−0.580 2.5mg, THF 50mL
溶液C:S−1470 2.5mg, S−112 2.5mg, S−6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50mL
<N元素量>
前記トナーのTHF可溶分のCHN分析を行った際のN元素量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.3質量%〜2.0質量%が好ましく、0.9質量%〜2.0質量%がより好ましい。前記N元素量が、0.3質量%未満であると、トナーの強靭性の低下による画像形成装置内での凝集や部材汚染、トナー溶融状態での粘弾性の低下による高温オフセットの発生の不具合が生じる可能性があり、2.0質量%を超えると、トナーの溶融状態での粘弾性が高くなりすぎることによる定着性の悪化や光沢の低下、帯電性の悪化などが発生する可能性がある。
前記N元素量は、樹脂中のウレタン結合、ウレア結合に由来するN元素の量である。
前記N元素量は、例えば、vario MICRO cube(Elementar社製)を使用し、燃焼炉950℃、還元炉550℃、ヘリウム流量200mL/min、酸素流量25mL/min〜30mL/minの条件でCHN同時測定を行い、2回測定した値の平均値から求めることができる。なお、本測定方法でN元素量が0.5質量%未満であった場合は、さらに微量窒素分析装置ND−100型(三菱化学株式会社製)により測定を行う。電気炉温度は(横型反応炉)熱分解部分800℃、触媒部分900℃、測定条件は、メインO流量300mL/min、O流量300mL/min、Ar流量400mL/min、感度Lowとし、ピリジン標準液で作成した検量線をともに定量を行う。
<結晶構造量〔C/(A+C)〕>
前記トナーのX線回折測定によって得られる回折スペクトルにおいて、結着樹脂の結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)と、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(A)との合計に対する前記Cの比率〔C/(A+C)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.15以上が好ましく、0.15〜0.50がより好ましく、0.20〜0.50が特に好ましい。前記比率〔C/(A+C)〕が、0.15未満であると、十分に結晶成長していないため、結晶性樹脂特有のシャープメルト性が損なわれることがある。前記比率〔C/(A+C)〕が、前記特に好ましい範囲内であると、低温定着性と耐熱保存性との両立の点で有利である。
前記比率〔C/(A+C)〕は、結着樹脂中の結晶化部位の量を示す指標であり、X線回折測定によって得られる回折スペクトルにおける、結着樹脂の結晶構造に由来する主回折ピークと非結晶構造に由来するハローとの面積比である。
前記X線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定できる。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用する。試料は、このキャピラリー管の上部まで詰めて測定する。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とする。測定の詳細条件を以下に示す。
管電流:40mA
管電圧:40kV
ゴニオメーター2θ軸:20.0000°
ゴニオメーターΩ軸:0.0000°
ゴニオメーターφ軸:0.0000°
検出器距離:15cm(広角測定)
測定範囲:3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間:600sec
入射光学系には、直径1mmのピンホールを持つコリメーターを用いる。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換する。
得られたX線回折測定結果を基に、前記比率〔C/(A+C)〕を算出する方法を、以下に説明する。X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1A及び図1Bに示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1AにおけるX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結着樹脂の結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2の主要なピークとハローをガウス関数、
p1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1/(2cp1 )}(式A(1))
p2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2/(2cp2 )}(式A(2))
(2θ)=aexp{−(2θ−b/(2c )} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、f(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数を表す。)で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+f(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1Bに図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行う。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、a、b、cの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bにはX線回折のピーク位置(図1Aの例では、bp1=21.3、bp2=24.2、b=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致させて得られた値を設定する。フィッティングは、例えば、Microsoft社製Excel2003のソルバーを利用して行うことができる。
フィッティング後の2つの主要なピーク(P1、P2)に対応するガウス関数fp1(2θ)、fp2(2θ)、及びハローに相当するガウス関数f(2θ)のそれぞれについての積分面積(SP1、p2、S)から、(Sp1+Sp2)を(C)、(S)を(A)としたとき、結晶化部位の量を示す指標である比率〔C/(A+C)〕を算出することができる。
<吸熱量の比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕>
前記トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、前記トナーのテトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕に対する不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕との比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.15以上が好ましく、0.20〜1.25がより好ましい。
前記ΔH(H)及び前記ΔH(T)は、例えば、DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定することができる。
具体的には、下記測定条件で測定して得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱ピーク温度及び吸熱量を求めることができる。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:−20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
前記不溶分は、テトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルとの混合溶液(混合比率は質量比で50:50)40gに対してトナー0.4gを添加し20分間振とう混合をした後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させることにより得ることができる。
なお、テトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕は、トナー中の高分子量成分(分子量20,000程度以上)を溶解しにくく、それ未満の低分子量成分は溶解しやすいため、上記の混合溶液を用いてトナーを処理することにより高分子量樹脂成分濃度を高めた試料を作製することができる。
前記比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕は、高分子量の成分の結晶性構造と結着樹脂全体の結晶性構造との割合を示す。
高分子量の成分としては、結着樹脂全体と樹脂構造が近いことが好ましく、結着樹脂が結晶性を有するのであれば、高分子量の成分も同様に結晶性を有することが好ましい。一方、高分子量の成分が他の樹脂成分と構造が大きく異なる場合、高分子の成分は容易に層分離し海島状態となるためトナー全体への粘弾性や凝集力の向上への寄与が期待できないことがある。
<融解熱の最大ピーク温度及び融解熱量>
前記トナーの示差走査熱量測定における前記トナーの昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度及び融解熱量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、低温定着性と耐熱保存性とをより高いレベルで両立し、耐ホットオフセット性も優れる点で、昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度が、50℃〜70℃であり、かつ、昇温2回目の融解熱量が、30J/g〜75J/gであることが好ましい。
前記融解熱の最大ピーク温度が、50℃未満であると、高温環境下でトナーのブロッキングが発生しやすくなることがあり、70℃を超えると、低温定着性が発現し難くなることがある。
前記融解熱の最大ピーク温度は、55℃〜68℃がより好ましく、58℃〜65℃が特に好ましい。
前記融解熱量が、30J/g未満であると、トナー中における結晶構造を有する部位が少なくなり、シャープメルト性が低下し、低温定着性と耐熱保存性とのバランスが得難くなることがあり、75J/gを超えると、トナーを溶融させて定着するために必要なエネルギーが大きくなり、定着装置によっては定着性が悪化してしまうことがある。
前記融解熱量は、45J/g〜70J/gがより好ましく、50J/g〜60J/gが特に好ましい。
前記融解熱の最大ピーク温度及び前記融解熱量は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60(株式会社島津製作所製))を用いて測定できる。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料を、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分間で昇温し、次いで降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、再び昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度とする。また、この時の前記最大ピーク温度を有する吸熱ピークの吸熱量を、昇温2回目の融解熱量とする。
<最大吸熱ピーク温度(T1)、及び最大発熱ピーク温度(T2)>
前記トナーの示差走査熱量測定における0℃〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピーク温度(T1)と、降温1回目の最大発熱ピーク温度(T2)との関係としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(1)及び式(2)を満たすことが好ましい。
T1−T2≦30℃ 式(1)
T2≧30℃ 式(2)
前記(T1−T2)が、30℃を超えると、加熱圧着定着時に画像上の結晶性樹脂が結晶化によって固化されていない状態で画像が出力されてしまい、印刷物がスタックされた際に画像と紙が融着して定着画像の剥離などが発生することがある。
前記T2が、30℃未満であると、画像が室温付近で融解した状態で存在することとなり、画像の耐ブロッキング性やストレス安定性が十分に得られないことがある。
前記T1及び前記T2は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60(株式会社島津製作所製))を用いて測定できる。測定に供する試料を、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分間で昇温し、次いで降温速度10℃/分間で−20℃まで冷却した後、再び昇温速度10℃/分間で150まで昇温する。そして、昇温2回目、及び降温1回目の吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描く。昇温2回目の吸熱量の最大ピークに対応する温度を、昇温2回目の最大吸熱ピーク温度(T1)とする。また、降温1回目の発熱量の最大ピークに対応する温度を、降温1回目の最大発熱ピーク温度(T2)とする。
<ウレア結合>
ウレア結合は少量であってもトナーの強靭性や定着時のオフセット耐性向上効果が期待できることから、前記トナーのTHF可溶分が、ウレア結合を有することが好ましい。
トナーのTHF可溶分のウレア結合の存在の確認は、13C NMRによって行うことができる。具体的には以下のようにして分析を行う。分析するサンプル2gを、濃度が0.1mol/Lである水酸化カリウムのメタノール溶液200mLに浸し50℃で24hrおいた後、溶液を除去し、残渣物をさらにイオン交換水でpHが中性になるまで洗浄し、残った固体を乾燥する。乾燥後のサンプルを、ジメチルアセトアミド(DMAc)と重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)の混合溶媒(体積比9:1)に、100mg/0.5mLの濃度で加え、70℃で12時間〜24時間溶解させた後50℃にし、13C NMR測定を行う。なお、測定周波数は、例えば、125.77MHz、1H 60°パルスは5.5μs、基準物質はテトラメチルシラン(TMS)を0.0ppmとする。
サンプルにおけるウレア結合の存在は、標品となるポリウレアのウレア結合部位のカルボニル炭素に由来するシグナルの化学シフトにシグナルが見られるかどうかで確認を行う。カルボニル炭素の化学シフトは一般に150ppm〜160ppmに見られる。ポリウレアの一例として、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)と水との反応物であるポリウレアのカルボニル炭素付近の13C NMRスペクトルを図2に示す。153.27ppmにカルボニル炭素に由来するシグナルが見られる。
<ウレタン結合>
前記トナーのTHF可溶分は、ウレタン結合を有することが好ましい。前記ウレタン結合は、13C NMRを用い、前記ウレア結合の確認方法と同様にして確認できる。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、混練粉砕法、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法などが挙げられる。これらの中でも、混練による分子切断が起こらない点、均一混練が困難な高分子量樹脂と低分子量樹脂との混練を回避できる点から、結着樹脂の混練を伴わない製造方法である、ケミカル工法が好ましい。
また、前記トナーは、特許第4531076号公報に示されるような粒子製造方法、即ち、トナーを構成する材料を液状又は超臨界状態の二酸化炭素に溶解させた後に、この液状又は超臨界状態の二酸化炭素を除去することによりトナー粒子を得る粒子製造方法によっても製造することができる。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる溶解懸濁法;溶解懸濁法において、活性水素基と反応可能な官能基を有する樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)を含む油相組成物を、水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法(製造方法(I));樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法、前記製造方法(I)、凝集法で得られるトナーが、結晶性樹脂による造粒性(粒度分布制御や、粒子形状制御等)の観点から好ましく、前記製造方法(I)で得られるトナーがより好ましい。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
−混練粉砕法−
前記混練粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂を含有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練は、前記トナー材料を混合して得られた混合物を溶融混練機に仕込んで行う。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。具体的には、例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダーなどが挙げられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕は、前記溶融混練で得られた混練物を粉砕する工程である。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を所定粒径の粒子に調整する工程である。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器などにより、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
−ケミカル工法−
前記ケミカル工法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも前記結着樹脂を含有するトナー材料液を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法が好ましい。
また、前記ケミカル工法としては、少なくとも前記結着樹脂及び前記結着樹脂前駆体の少なくともいずれかを含有するトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散してなる油相(トナー材料液)を、水系媒体中に分散乃至乳化して前記トナーの母体粒子を造粒する方法が好ましい。この場合、水系媒体中で、前記結着樹脂前駆体(活性水素基と反応可能な官能基を有する樹脂前駆体)と、活性水素基含有化合物とが反応する。
前記活性水素基含有化合物としては、水、ポリアミンなどが挙げられる。前記ポリアミンには、ケトンでブロックしたアミン化合物(ケチミン化合物)も含まれる。前記ポリアミンとしては、例えば、前記ポリウレアユニットの説明で例示した前述のものが挙げられる。
前記結着樹脂前駆体としては、例えば、末端にイソシアネート基を有する結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
前記溶解懸濁法やエステル伸長法では、結晶性樹脂を容易に造粒することが可能である。
−−有機溶剤−−
前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体を溶解乃至分散させる場合に用いる有機溶剤としては、沸点が100℃未満の揮発性であることが、後の溶媒除去が容易になる点から好ましい。
前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体を含有するトナー材料液の固形分濃度としては、40質量%〜80質量%が好ましい。前記固形分濃度が、40質量%未満であると、トナーの製造量が少なくなることがあり、80質量%を超えると、前記結着樹脂や前記結着樹脂前駆体の溶解又は分散が困難になり、また粘度が高くなって扱いづらいことがある。
前記着色剤、前記離型剤などの樹脂以外のトナー材料、及びそれらのマスターバッチなどは、それぞれ個別に有機溶剤に溶解乃至分散させ、前記トナー材料液に混合してもよい。
−−水系媒体−−
前記水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶媒を併用することもできる。前記混和可能な溶媒としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)などが挙げられる。
前記水系媒体の前記トナー材料液100質量部に対する使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、トナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがある。また、前記使用量が、2,000質量部を超えると、経済的でないことがある。
前記水系媒体中には、無機分散剤乃至有機樹脂微粒子をあらかじめ水系媒体中に分散させていることが、得られるトナーの粒度分布がシャープになるとともに分散安定性の点で好ましい。
前記無機分散剤としては、例えば、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ハイドロキシアパタイトなどが用いられる。
前記有機樹脂微粒子を形成する樹脂としては、水性分散体を形成しうる樹脂であれば、いかなる樹脂であっても使用でき、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすいという点から、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
水系媒体中への前記トナー材料液の乳化乃至分散の方法としては、特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。これらの中でも、粒子の小粒径化の点からは、高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000rpm〜30,000rpmであり、5,000rpm〜20,000rpmが好ましい。分散時の温度としては、通常、0℃〜150℃(加圧下)であり、20℃〜80℃が好ましい。
前記トナー材料液が前記結着樹脂前駆体を有する場合、前記結着樹脂前駆体が伸長乃至架橋反応するのに必要な前記活性水素基含有化合物などを、水系媒体中で前記トナー材料液を分散する前に前記トナー材料液にあらかじめ混合しておいてもよいし、水系媒体中で混合してもよい。
得られた乳化分散体から前記有機溶剤を除去するためには、公知の方法を使用することができ、例えば、常圧又は減圧下で系全体を徐々に昇温し、液滴中の前記有機溶剤を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。そうすることによりトナーの母体粒子が得られる。
水系媒体に分散されたトナーの母体粒子を洗浄、乾燥する工程は、公知の技術が用いられる。即ち、遠心分離機、フィルタープレスなどで固液分離した後、得られたトナーケーキを常温〜約40℃程度のイオン交換水に再分散させ、必要に応じて酸やアルカリでpH調整した後、再度固液分離するという工程を数回繰り返すことにより不純物や界面活性剤などを除去した後、気流乾燥機や循環乾燥機、減圧乾燥機、振動流動乾燥機などにより乾燥することによってトナー粉末を得る。この際、遠心分離などでトナーの微粒子成分を取り除いてもよいし、また、乾燥後に必要に応じて公知の分級機を用いて所望の粒径分布にしてもよい。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有する。前記現像剤は、一成分現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。中でも、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
−芯材−
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好ましい。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合、前記フェライトとしては、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、マンガンフェライト、マンガン−マグネシウムフェライト、マンガン−ストロンチウムフェライト、マンガン−マグネシウム−ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライトが好ましい。
−樹脂層−
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性シリコーン樹脂)、KR5208(アクリル変性シリコーン樹脂)、ES1001N(エポキシ変性シリコーン樹脂)、KR305(ウレタン変性シリコーン樹脂);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、SR2110(アルキド変性シリコーン樹脂)などが挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層を形成する成分の前記キャリアにおける含有量としては、0.01質量%〜5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができないことがあり、5.0質量%を超えると、前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られないことがある。
前記現像剤が二成分現像剤である場合の前記トナーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記キャリア100質量部に対して、2.0質量部〜12.0質量部が好ましく、2.5質量部〜10.0質量部がより好ましい。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成装置、及び前記画像形成方法に用いられるトナーは、本発明の前記トナーである。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に実施でき、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に実施でき、前記現像工程は、前記現像手段により好適に実施でき、前記転写工程は、前記転写手段により好適に実施でき、前記定着工程は、前記定着手段により好適に実施でき、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に実施できる。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
前記アモルファスシリコン感光体としては、例えば、支持体を50℃〜400℃に加熱し、該支持体上に真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、熱CVD(化学気相成長、Chemical Vapor Deposition)法、光CVD法、プラズマCVD法等の成膜法によりa−Siからなる光導電層を有する感光体を用いることができる。これらの中でも、プラズマCVD法、即ち、原料ガスを直流又は高周波あるいはマイクロ波グロー放電によって分解し、支持体上にa−Si堆積膜を形成する方法が好適である。
前記静電潜像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状が好ましい。前記円筒状の前記静電潜像担持体の外径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mm〜100mmが好ましく5mm〜50mmがより好ましく、10mm〜30mmが特に好ましい。
<静電潜像形成手段及び静電潜像形成工程>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
−帯電部材及び帯電−
前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電部材の形状としては、ローラの他にも、磁気ブラシ、ファーブラシ等どのような形態をとってもよく、前記画像形成装置の仕様や形態にあわせて選択することができる。
前記帯電部材として前記磁気ブラシを用いる場合、前記磁気ブラシとしては、例えば、Zn−Cuフェライト等の各種フェライト粒子を帯電部材として用い、これを支持させるための非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロールによって構成される。
前記帯電部材として前記ファーブラシを用いる場合、前記ファーブラシの材質としては、例えば、カーボン、硫化銅、金属又は金属酸化物により導電処理されたファーを用い、これを金属や他の導電処理された芯金に巻き付けたり張り付けたりすることで帯電部材とすることができる。
前記帯電部材としては、前記接触式の帯電部材に限定されるものではないが、帯電部材から発生するオゾンが低減された画像形成装置が得られるので、接触式の帯電部材を用いることが好ましい。
−露光部材及び露光−
前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光部材に用いられる光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)等の発光物全般などが挙げられる。
また、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルター等の各種フィルターを用いることもできる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段及び現像工程>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよい。
前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
前記現像手段内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体の表面に該トナーによる可視像が形成される。
<転写手段及び転写工程>
前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記転写工程としては、可視像を記録媒体に転写する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましい。
前記転写工程は、例えば、前記可視像を、転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。
ここで、前記記録媒体上に二次転写される画像が複数色のトナーからなるカラー画像である場合に、前記転写手段により、前記中間転写体上に各色のトナーを順次重ね合わせて当該中間転写体上に画像を形成し、前記中間転写手段により、当該中間転写体上の画像を前記記録媒体上に一括で二次転写する構成とすることができる。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写器としては、例えば、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<定着手段及び定着工程>
前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加熱ローラ(発熱した定着部材)と加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルト(発熱した定着部材)との組合せなどが挙げられる。
前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記定着工程は、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段は、発熱した定着部材を転写像に接触させて前記転写像を定着させる手段であることが好ましい。
前記定着工程は、発熱した定着部材を転写像に接触させて前記転写像を定着させる工程であることが好ましい。
前記定着手段は、前記定着部材を誘導加熱して発熱させる誘導加熱部材を有することが好ましい。
前記定着工程は、前記定着部材を誘導加熱して発熱させることが好ましい。
誘導加熱により発熱する前記定着部材としては、例えば、誘導加熱により発熱する発熱層を有する発熱回転体などが挙げられる。前記発熱回転体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ローラ状、ベルト状などが挙げられる。
前記誘導加熱部材は、前記発熱層を誘導加熱する励磁コイルを少なくとも有し、好ましくは前記励磁コイルが発生した磁束を打ち消す向きの磁束を発生可能な消磁コイルを有し、更に必要に応じて、その他の部を有する。
前記消磁コイルを有する前記誘導加熱部材を用いると、通常、前記消磁コイルの働きにより端部オフセットが起こりにくい。
しかし、トナーとして結晶性樹脂を含有する従来のトナーを用いると、前記消磁コイルを有する前記誘導加熱部材を用いた場合でも、端部オフセットが発生してしまうことを、発明者らは知見した。
そこで、鋭意検討を行った結果、結晶性樹脂を含有するトナーとして前記トナーを用いることにより、前記消磁コイルを有する前記誘導加熱部材を用いた場合でも生じる端部オフセットを防止できることを見出した。
前記定着工程における加熱としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃〜200℃が好ましい。
前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm〜80N/cmが好ましい。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の手段としては、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
前記その他の工程としては、例えば、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
−クリーニング手段及びクリーニング工程−
前記クリーニング手段としては、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
前記クリーニング工程としては、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
−除電手段及び除電工程−
前記除電手段としては、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
前記除電工程としては、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
−リサイクル手段及びリサイクル工程−
前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
−制御手段及び制御工程−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成方法及び画像形成装置の概略を、図を用いて説明する。図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略断面図である。画像形成装置100は、複写機、プリンタ、ファクシミリの複合機であってフルカラーの画像形成を行うことができるようになっている。画像形成装置100は、プリンタ、ファクシミリとして用いられる場合には、外部から受信した画像情報に対応する画像信号に基づき画像形成処理を行なう。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な複数の像担持体としての潜像担持体である円筒状の感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cを並設したタンデム構造を採用したタンデム構造、言い換えるとタンデム方式の画像形成装置である。
感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cは、直径24mmで同一径であり、画像形成装置100の本体99の内部のほぼ中央部に配設された無端ベルトである中間転写体たる自動原稿給送装置としての転写ベルト11の外周面側すなわち作像面側に、等間隔で並んでいる。転写ベルト11は、各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cに対峙しながら矢印A1方向に移動可能となっている。
感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cは、A1方向の上流側からこの順で並設されている。各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cはそれぞれ、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの画像を形成するための、画像形成部としての作像部たる作像手段である画像ステーション60BK、60Y、60M、60Cに備えられている。
各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cに形成された可視像すなわちトナー像は、矢印A1方向に移動する転写ベルト11に対しそれぞれ重畳転写され、その後、転写紙Sに一括転写されるようになっている。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cに形成されたトナー像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写されるよう、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cのそれぞれに対向する位置に配設された転写チャージャとしての1次転写ローラ12BK、12Y、12M、12Cによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして、各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cと転写ベルト11と対向位置である転写位置にて行われる。
画像形成装置100は、上下方向において中央位置を占める本体99と、本体99の上側に位置し原稿を読み取る原稿読み取り手段であるスキャナとしての読取装置21と、読取装置21の上側に位置し原稿を積載され積載された原稿を読取装置21に向けて送り出すADFといわれる自動原稿給送装置22と、本体99の下側に位置し感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cと転写ベルト11との間に向けて搬送される転写紙Sを積載した給紙テーブルとしてのシート給送装置23と、図2における本体99の右側面に配設された手差し給紙装置41とを有している。
画像形成装置100はまた、4つの画像ステーション60BK、60Y、60M、60Cと、各感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cの下方に対向して配設され、転写ベルト11を備えた中間転写装置である中間転写ユニットとしての転写ベルトユニット10と、転写ベルト11上のトナー像を転写紙Sに転写する2次転写手段である2次転写装置47とを有している。
画像形成装置100はまた、方向A1における2次転写装置47と画像ステーション60BKとの間において転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングする自動原稿給送装置クリーニング装置としての自動原稿給送装置クリーニングユニットであるクリーニング装置32と、方向A1における画像ステーション60Cの下流側であって転写ベルト11の上面に対向する位置に配設されたトナーマークセンサ33とを有している。
画像形成装置100はまた、画像ステーション60BK、60Y、60M、60Cの上方に対向して配設された書き込み手段である光書き込み装置としての潜像形成手段たる光走査装置8と、転写ベルトユニット10の下方において転写ベルトユニット10に対向するように配設された図示しない中間転写体用廃トナー収納部と、クリーニング装置32と中間転写体用廃トナー収納部とを接続した図示しないトナー搬送経路とを有している。
画像形成装置100はまた、シート給送装置23から搬送されてきた転写紙Sを、画像ステーション60BK、60Y、60M、60Cによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、転写ベルト11と2次転写装置47との間の2次転写部に向けて繰り出すレジストローラ対13と、転写紙Sの先端がレジストローラ対13に到達したことを検知する図示しないセンサとを有している。
画像形成装置100はまた、トナー像を転写され矢印C1方向に搬送されることで進入してきた転写紙Sに同トナー像(転写像)を定着させるための、電磁誘導加熱方式を採用した定着手段である定着ユニットとしての定着装置6と、定着装置6を経た転写紙Sを本体99の外部に排出する排紙ローラ7と、定着装置6を通過し片面に画像形成が行われた転写紙Sを反転させて再度レジストローラ対13に給紙する反転給送装置14とを有している。
画像形成装置100はまた、本体99の上部に配設され排紙ローラ7により本体99の外部に排出された転写紙Sを積載する排紙部としての排紙トレイ17と、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーを充填された図示しないトナーボトルとを有している。
画像形成装置100は、排紙トレイ17が本体99の上方でかつ読取装置21の下側に位置した胴内排紙型の画像形成装置である。排紙トレイ17上に積載された転写紙Sは、図2において左方に対応するD1方向下流側に取り出されるようになっている。
図2に示すように、クリーニング装置32は、転写入口ローラ73との対向位置において転写ベルト11に当接したクリーニングブレードとしての中間転写クリーニングブレード35を備えており、中間転写クリーニングブレード35により転写ベルト11上の転写残トナー、紙粉等の不要物を掻き取ることで転写ベルト11のクリーニングを行う。
光走査装置8は、光源としてレーザダイオードを用いたレーザビームスキャナであって、感光体ドラム20BK、20Y、20M、20Cの表面によって構成された被走査面をそれぞれ走査して露光し、静電潜像を形成するための、画像信号に基づくレーザービームとしてのレーザー光であるビームLBK、LY、LM、LCを発するものである。光走査装置8は、LEDを光源としてもよい。
読取装置21は、本体99の上方に位置し、画像形成装置100のD1方向上流側端部言い換えると画像形成装置100の奥側に配設された軸24により本体99に回動自在に一体化され本体99に対して開閉可能な開閉体として備えられている。
読取装置21は、原稿を載置するコンタクトガラス21a、コンタクトガラス21aに載置された原稿に光を照射する図示しない光源及び光源から原稿に照射され反射された光を反射する図示しない第1の反射体を備え図2における左右方向に走行する第1走行体21b、第1走行体21bの反射体によって反射された光を反射する図示しない第2の反射体を備えた第2走行体21c、第2走行体21cからの光を結像するための結像レンズ21d、結像レンズ21dを経た光を受け原稿の内容を読み取る読み取りセンサ21e等を備えている。
自動原稿給送装置22は、読取装置21の上方に位置し、画像形成装置100のD1方向上流側端部に配設された軸26により読取装置21に回動自在に一体化され読取装置21に対して開閉可能な開閉体として備えられている。
自動原稿給送装置22は原稿を載置する原稿台22aと、原稿第22aに載置された原稿を給送する、図示しないモータ等を備えた駆動部とを有している。画像形成装置100を用いて複写を行うときには、原稿を自動原稿給送装置22の原稿台22aにセットするか、自動原稿給送装置22を上方に向けて回動して手動でコンタクトガラス21a上に原稿を載置してから自動原稿給送装置22を閉じて原稿をコンタクトガラス21aに押圧する。読取装置21に対する自動原稿給送装置22の開放角度はほぼ90度であり、コンタクトガラス21a上に原稿を載置する作業、コンタクトガラス21aのメンテナンス作業等が容易となっている。
排紙ローラ7は、図3に示す制御部90の制御によって正逆回転されるようになっている。
反転給送装置14は、排紙ローラ7と、排紙ローラ7と定着装置6との間に配設され、制御部90の制御によって排紙ローラ7と同期して正逆回転される搬送ローラ37と、定着装置6を迂回しつつ搬送ローラ37からレジストローラ対13に向けて転写紙Sを反転して搬送する反転搬送経路38と、排紙ローラ7及び搬送ローラ37が逆回転されるときに転写紙Sを反転搬送経路38に案内する切換爪39とを有している。
シート給送装置23は、転写紙Sをそれぞれ積載した上下2段の給紙トレイ15と、各給紙トレイ15上に積載された転写紙Sを送り出す給紙搬送ローラとしての給紙コロ16と、給紙トレイ15それぞれに積載されている転写紙Sの大きさを検知する用紙サイズ検知手段としての図示しない用紙サイズ検知センサとを有している。各給紙トレイ15には種々のサイズの転写紙Sを縦向きあるいは横向きで積載することが可能となっている(例えば、図5(c)参照)が、本実施形態では、それぞれの給紙トレイ15に互いに異なるサイズの転写紙Sが積載されているものとする。
具体的には、上段の給紙トレイ15には小サイズ、例えばB5サイズの転写紙Sが縦向きで積載され、下段の給紙トレイ15には大サイズ、例えばA3サイズの転写紙Sが縦向きで積載されているものとする。ここで、縦向きとは、転写紙Sの短辺が、主走査方向に直交する方向である給紙方向を向く積載態様をいい、横向きとは、転写紙Sの長辺が給紙方向を向く積載態様を言う。また、B5サイズの転写紙Sが縦向きで積載され、給紙されることをB5縦、A3サイズの転写紙Sが縦向きで積載され、給紙されることをA3縦などということとする。
各給紙トレイ15は最大でA3縦かこれを上回る程度、最小でハガキ縦の転写紙Sを積載可能となっている。これは、画像形成装置100において形成可能な最大サイズの画像に合わせるとともに一般に必要とされる画像形成サイズに合わせたものである。給紙方向に直交する方向は、転写紙Sの幅方向すなわち紙幅方向X(図5(c)参照)であり、紙幅方向Xは主走査方向に一致するようになっている。
各給紙トレイ15は、転写紙Sを中央基準で積載している。これは、感光体ドラム20BK、20Y、20M、20C、転写ベルト11によるトナー像の担持が中央基準で行われることに合わせたものである。したがって、定着装置6に対する転写紙Sの進入も中央基準で行われるなど、転写紙Sは、シート給送装置23から供給され排紙トレイ17に廃止されるまで、常に中央基準で搬送される。ここで、中央基準とは、紙幅方向Xにおける転写紙Sの中心位置が、紙幅方向Xにおける感光体ドラム20BK、20Y、20M、20C、転写ベルト11によるトナー像の担持領域言い換えると画像形成領域の中心に一致することを意味している。なお、中央基準に対応するものとして端部基準があり、端部基準は、紙幅方向Xにおける転写紙Sの片方の側縁が画像形成領域の側縁に対応することを言うが、本実施形態では、端部基準は採用されていない。
用紙サイズ検知センサは、周知の構成であって、転写紙Sの積載方向を含めた大きさを検知するようになっている。なお、用紙サイズ検知センサは、給紙トレイ15に配設されたものに代えて、あるいはこれとともに、操作パネル40に配設された用紙サイズ指定キーや、画像形成装置100に接続されたパーソナルコンピュータ等の外部入力装置における、画像形成を行うべき用紙サイズを指定する機能を有する構成等によって構成してもよい。
手差し給紙装置41は、転写紙Sを積載する手差しトレイ42と、手差しトレイ42に積載された転写紙Sのうち最上位の転写紙Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ43と、手差しトレイ42上に転写紙Sが載置されたことを検知するとともに、載置された転写紙Sの大きさを検知する、各給紙トレイ15の用紙サイズ検知センサと同様の用紙センサとを有している。手差しトレイ42は給紙トレイ15と同様、最大でA3縦かこれを上回る程度、最小でハガキ縦の転写紙Sを積載可能となっている。
手差し給紙装置41は、給送ローラ43が図中時計回り方向に回転駆動されることにより、最上位の転写紙Sを本体99側の反転搬送経路38内に導くとともにレジストローラ13に向けて給送し、搬送された転写紙Sがレジストローラ13に突き当てて止められるようになっている。手差し給紙装置41には、主として、各給紙トレイ15に積載された転写紙Sの大きさとは異なる大きさ、例えばB5縦の転写紙Sを載置して給紙を行うために用いるものとする。
図4に示すように、定着装置6は、記録媒体である転写紙S及びこれに担持されたトナーの加熱を行う発熱回転体としての定着ローラ62と、定着ローラ62に圧接され、定着ローラ62との間で転写紙Sを挟持し搬送する加圧部材としての加圧回転体である加圧ローラ63と、定着ローラ62に対向配置され電磁誘導加熱方式を用いて定着ローラ62を昇温させる昇温手段として機能し得る電磁誘導加熱手段としての誘導加熱部である加熱装置64とを有している。
定着装置6はまた、トナー像を担持した転写紙Sを定着ローラ62と加圧ローラ63との圧接部である定着ニップとしてのニップ部たる定着部に導くガイド板65と、定着部を通過することで、熱と圧力との作用により、担持したトナー像をその表面に定着された転写紙Sを定着ローラ62と加圧ローラ63とから分離して定着装置6外に案内する分離板66とを有している。
定着装置6はまた、図5(b)に示すように、定着ローラ62の中央部に対応して設けられ、定着ローラ62の中央部の表面温度を非接触で検知する第1の温度検知センサ67としてのサーモパイルと、定着ローラ62の端部の表面温度を接触した状態で検知する第2の温度検知センサ68としてのサーミスタと、図3に示すように、定着装置6の制御全般を担う定着制御手段としての定着制御部69と、加圧ローラ63を回転駆動するモータ等の駆動源を含む、定着制御部69によって制御される定着駆動手段136とを有している。
本実施形態では、図3に示すように定着装置6の定着制御部69と画像形成装置100の制御部90とが信号の授受を行う構成としたが、定着制御部69を画像形成装置100の制御部90が兼ねる構成としてもよい。
第1の温度検知センサ67は接触式のサーミスタでもよい。また、第2の温度検知センサ68は非接触式のサーミスタやサーモパイルでもよい。さらに、第2の温度検知センサ68は、定着装置6に通紙可能な最大サイズの用紙幅の通紙領域外に配置されているが、消磁コイルが配置されている位置に対応する定着ローラの端部の位置に設けてもよい。
図4に示すように、定着ローラ62は、最も内側に配設された金属製、具体的にはステンレススチール(SUS)製の円筒状の芯金62aと、耐熱性を有するシリコーンゴムをソリッド状又は発泡状言い換えるとスポンジ状にして芯金62aを被覆した断熱層として機能する弾性層としての弾性部材62bと、弾性部材62bの外側に設けられた発熱回転体としての定着スリーブ62cとを有している。
定着ローラ62は、外径を約40mm程度とされている。芯金62aは、鉄等の他の金属材料で構成してもよい。弾性部材62bはその肉厚を9mm、軸上のアスカー硬度を30〜50度程度とされている。芯金62a及び弾性部材62bは、弾性部材62bが定着スリーブ62cの内周面に当接して、薄肉の定着スリーブ62cをローラ状に保持する保持部材として機能している。定着スリーブ62は弾性部材62bに対し相対回転自在となっている。なお芯金62a及び弾性部材62bは回転を禁止されてはいないため、定着スリーブ62cが回転すると、定着スリーブ62cに連れ回り可能となっている。
定着スリーブ62cと弾性部材62bとを接着し、定着スリーブ62cと弾性部材62bが一体となって回転してもよい。
定着スリーブ62cは、その内側から、金属材料からなる基材である基材層161、弾性層162、表層である離型層163によって構成されており、外径が40mmとなっている。
基材層161の材料には、鉄、コバルト、ニッケル、これらの合金等の磁性金属材料が用いられ、厚さは30μm〜50μmとされている。基材層161は加熱装置64によって発生される磁束によって発熱する発熱層として機能するものである。
弾性層162にはシリコーンゴム等の弾性材料が用いられ、厚さは150μmとされている。この構成により、熱容量が小さくなり、定着ムラのない良好な定着画像が得られる。
離型層163は転写紙S上のトナーが直接接する定着スリーブ62c表面のトナー離型性を高めるために配設されており、PFA等のフッ素化合物をチューブ状に弾性層162に被覆したものであって、その厚さは50μmとされている。
加圧ローラ63は、高熱伝導性金属材料、具体的には銅によって形成された円筒部材からなる芯金63aと、芯金63aの表面に設けられた耐熱性弾性層を構成した弾性部材63bと、弾性部材63bの表面に形成されたトナー離型性の高い図示しない離型層とを有し、外形が40mmとなっている。芯金63aはアルミニウム等によって構成してもよい。
弾性部材63bの肉厚は2mmとなっている。離型層はPFAチューブを弾性部材63bに被覆したものであって厚さが50μmとされている。
図4において左右方向に対応する定着ローラ62、加圧ローラ63の軸方向すなわち定着ローラ62、加圧ローラ63の延在方向は、紙幅方向Xに一致している。
加熱装置64は、発熱層である基材層161を誘導加熱する磁束を発生させる励磁コイル110と、励磁コイル110が発生した磁束を打ち消す向きの磁束を発生可能であり、かかる向きの磁束を発生したときに励磁コイル110が発生した磁束の一部を打ち消す消磁コイル120と、励磁コイル110、消磁コイル120に対応して設けられたコア部130と、励磁コイル110、消磁コイル120、コア部130を内部に収納し、定着スリーブ62cの外周の一部を覆うように配設されたコイルハウジングとしてのコイルガイド135とを有している。
励磁コイル110は、コイルガイド135上に細線を束ねたリッツ線を巻回して図4の紙面に垂直な方向である紙幅方向Xに延設されている。
加熱装置64は、電源部から励磁コイル110に10kHz〜1MHz、好ましくは20kHz〜800kHzの高周波交番電流を流すことで、定着ローラ62の近傍に磁束を発生させる。
励磁動作制御手段としての定着制御部69の制御回路が励磁コイル110に商用電源からの電力供給(通電)を行うと、励磁コイル110に対向する空間に磁力線が双方向に交互に切り換わるように出力され、交番磁界が形成される。定着スリーブ62cは、交番磁界によって、基材層161に渦電流が発生し、基材層161の電気抵抗によってジュール熱が生じて加熱され、昇温する。このように、定着スリーブ62cは、自身の基材層161の誘導加熱によって加熱される。
消磁コイル120は、励磁コイル110により発生する磁束のうち、転写紙Sの通紙領域外すなわち非通紙領域に作用する磁束を打ち消すことにより、非通紙領域における定着ローラ62の温度上昇を抑制するために配設されているものである。そのため、消磁コイル120は励磁コイル110上に重なるようにして、図5において符号O1で示す紙幅方向Xの中心位置に対して対称に配置されている。なお、図5において、(a)、(c)は励磁コイル110及び消磁コイル120を図4における矢印Aの方向から見た図であり、(b)は定着ローラ62及び加圧ローラ63を図4における矢印B方向から見た図である。
図5(a)に示されているように、消磁コイル120は、紙幅方向Xにおける転写紙Sの様々な幅に対応するために、3つの消磁コイル120a、120b、120cからなっている。消磁コイル120a、120b、120cはそれぞれ、紙幅方向Xの中心位置O1に対称に配置され、リッツ線の一方の端が図示しない導線で連結されているとともに、リッツ線の他方の端がスイッチ122a、122b、122cで連結可能とされ、リレースイッチであるスイッチ122a、122b、122cによって開閉される回路を構成している。
消磁コイル120は定着ロ一ラの片側に3個(両側では6個)配置しているが、消磁コイルの個数は片側3個に限定するものではなく、定着ロ一ラの片側1個(両側で2個)や2個(両側で4個)でもよい。
スイッチ122a、122b、122cは、定着制御部69の制御回路によって開閉(駆動)を制御される。スイッチ122a、122b、122cの開閉はそれぞれ独立に行うことが可能となっている。定着制御部69の制御回路は、消磁コイル120a、120b、120cのスイッチのオンオフの制御を行う消磁動作制御手段として機能する。同図に示されているように、消磁手段121は、消磁コイル120a、120b、120cの他、消磁動作制御手段として機能する定着制御部69、スイッチ122a、122b、122cを有している。
消磁手段121は、励磁コイル110が発生した磁束を打ち消す向きの磁束を発生させるための電源を有していないが、消磁コイル120a、120b、120cはそれぞれ、スイッチ122a、122b、122cが閉じられショートされた状態において、励磁コイル110への通電がなされると、2次誘導によって、励磁コイル110が発生した磁束を打ち消す向きの磁束を発生させる。
このように、消磁コイル120には電源から直接の通電はなされないが、ここでは消磁コイル120のスイッチのオンは「消磁コイル120への通電」を意味するものとする。
コア部130は、図4に示すように、フェライト等の、比透磁率が2500程度の強磁性体からなり、定着スリーブ62cに向けて効率よく磁束を形成するためのセンターコア131とサイドコア132とを有している。コイルガイド135は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、励磁コイル110、消磁コイル120を保持している。
定着駆動手段136は、加圧ローラ63を図4における時計回り方向に回転駆動し、加圧ローラ63に当接している定着スリーブ62cが同図における反時計回り方向に連れ回りする。定着スリーブ62cが回転駆動された状態で励磁手段111の励磁コイルに通電すると、定着スリーブ62cは主として励磁コイル110に対向する領域及びその近傍部において電磁誘導加熱され、定着スリーブ62cは回転に伴って周方向に均一に加熱されることとなる。
また、定着ロ一ラ62は加圧ローラ63とギアで連結されており、加圧ローラ63の駆動力を定着ロ一ラ62に伝えて加圧ローラ63と定着ロ一ラ62が共に回転する構造でもよい。
温度検知センサ67は主に励磁コイル110への通電を制御するために用いられ、温度検知センサ68は主に消磁コイル120のスイッチの駆動(オンオフ)を制御するために用いられる。温度検知センサ67はどのサイズの転写紙Sが通紙されたときでも通紙領域となる位置(ここでは定着ロ一ラ62の長手方向中央部)に配設されている。
温度検知センサ68はA3縦かこれを上回るサイズの転写紙Sが通紙されたときであっても非通紙領域となる位置、すなわち最大通紙幅の通紙領域外言い換えると常に非通紙領域となる位置(定着ロ一ラ62の長手方向一端側端部)に配設されている。温度検知センサ67、温度検知センサ68によって検知された温度は定着制御部69に入力され、フィードバック制御によって第1所定温度などの(制御中目標温度)や定着目標温度などの所定の基準温度に基づいて定着ローラ62の温度が制御される。
このような定着装置6において、トナー像(転写像)を担持した転写紙SがC1方向に搬送されて定着装置6に進入して来ると、ガイド板65の案内により、転写紙Sが定着部に案内される。励磁手段111によって定着に適した温度に加熱されている定着ローラ62によって、転写紙S上のトナーが加熱され溶融するとともに、ニップ部における定着ローラ62と加圧ローラ63との間の圧力によって、トナー像が転写紙Sに定着される。トナー像を定着された転写紙Sは、定着ローラ62及び加圧ローラ63の回転に伴って、分離板66によって定着ローラ62から分離されながらニップ部から送り出される。
回転により定着部を通過した定着スリーブ62cは、かかる定着工程における転写紙S、トナー等による吸熱作用等によって温度が低下するが、温度検知センサ67によって温度低下が検知されると励磁コイル110への通電がなされ、通電状態の励磁コイル110との対向領域を通過する際に加熱され、昇温して、再度定着に適した温度となる。
定着ローラ62の温度低下は、転写紙Sの通紙領域において主に生ずるため、温度検知センサ67の検知温度に基づいて励磁コイル110へ通電すると、転写紙Sの幅がA3縦サイズやA4横サイズより小さいときには、定着ローラ62の端部においては過昇温が生じ得る。
そのため、温度検知センサ68が所定の温度よりも高い温度を検知すると、消磁コイル120の選択されたスイッチがオンされ、定着ローラ62の端部の発熱量を抑制して過昇温が防止される。
定着装置6のその余の詳細については後述する。
感光体ドラム20BKを備えた画像ステーション60BKは、感光体ドラム20BKの周囲に、図中時計回り方向であるその回転方向B1に沿って、1次転写ローラ12BKと、感光体ドラム20BKをクリーニングするためのクリーニング手段としてのクリーニング装置70BKと、感光体ドラム20BKを高圧に帯電するための帯電手段である帯電装置としての帯電チャージャたる帯電装置30BKと、感光体ドラム20Yを現像するための現像手段としての現像器である現像装置50BKとを有している。現像装置50BKは、現像ローラ51BKを有している。感光体ドラム20Y、20M、20Cについても感光体ドラム20BKと同様である。
操作パネル40は、図示を省略するが、画像形成装置100で転写紙Sの片面にのみ画像形成を行うことを指示する片面プリントキーと、画像形成装置100で転写紙Sの両面に画像形成を行うことを指示する両面プリントキーと、画像形成枚数等を指定するためのテンキーと、画像形成の開始を指示するプリントスタートキーと、画像形成を行う転写紙Sの大きさを指定する用紙サイズ指定キー等を有している。
制御部90は、CPU44と、画像形成装置100の動作プログラム及びこの動作プログラムの動作に必要な各種データを記憶した第1の記憶手段としてのROM45と、画像形成装置100の動作に必要なデータを記憶する第2の記憶手段としてのRAM46等を備えた構成となっている。各給紙トレイ15の用紙サイズ検知センサ等によって検知された転写紙Sのサイズは、制御部90に入力されるとともに、制御部90を介して定着制御部69に入力され、定着制御部69によって認識され、制御等に用いられる。
発熱回転体は、上述の定着ローラや定着スリーブ、発熱する定着ベルト、定着ベルトを巻き掛けられ定着ベルトを加熱する加熱ローラ等により構成してもよい。即ち、例えば、図6に示すように、発熱回転体として発熱する定着ベルトである定着発熱ベルト140を用い、定着発熱ベルト140を支持ローラ141と定着回転体142間に張架して回転駆動するよう構成してもよい。
また図7に示すように、加熱ローラ143と定着回転体145と間に定着ベルト144を巻き掛けた構成を発熱回転体とし、加熱ローラ143の熱を、定着ベルト144を介して転写紙Sに伝達するよう構成してもよい。
加圧回転体の変形例として、図8に示すように、図7に示した定着装置における加圧ローラ63の構成を変形し、加圧支持ローラ146と支持ローラ147との間に掛け回された加圧ベルト148とを備える構成を採用してもよい。
定着装置6の他の例を図9に示す。図9に示す定着装置6は、定着ローラ251と、定着ローラ251に並列に配置され非磁性材料からなる対向ローラ(加熱ローラ)252と、定着ローラ251と対向ローラ252との間に巻き掛けられ内部に磁性材料を有する無端状の走行移動部材としての定着ベルト(発熱回転体)253と、対向ローラ252の側方に配置されている電磁波発生手段としての誘導コイル(励磁コイル)254と、定着ベルト253を介して定着ローラ251を押圧し定着ベルト253にニップ部255を形成する加圧ローラ256とを備えている。
この電磁波発生手段としての誘導コイル254は、本実施形態において(電磁)誘導発熱体として使用される定着ベルト253を(電磁)誘導加熱するものである。定着ローラ251は、アルミ若しくは鉄等の芯金の外側にシリコーンゴム(スポンジを含む)などの断熱層を有し、外径が40mmに設定されている。対向ローラ252は、芯金が非磁性材料であるアルミ、SUS等で形成されている。加圧ローラ256は、芯金の外周にシリコーンゴム等の耐熱性弾性層が形成され、さらに耐熱性弾性層の外周にフッ素樹脂等からなる表面離型層が形成されている。転写紙Sの定着ベルト253からの分離性を良くするために、加圧ローラ256の表面硬度は定着ローラ251の表面硬度よりも硬く形成されている。
誘導コイル254は、フェライト又はパーマロイからなる断面略凹状の励磁コア257の周囲に巻き回されている。誘導コイル254に数kHz〜数百kHzの高周波電流を流すと、定着ベルト253には誘導電流が発生する。この誘導電流により、定着ベルト253は誘導コイル254付近で局部的に発熱し、急速に昇温する。また、電磁誘導加熱された定着ベルト253の温度を検出する温度センサ258と、この温度センサ258からの検出信号を取り込んで、誘導コイル254に流す高周波電流を制御する制御装置259とが設けられている。
さらに、対向ローラ252の下方には、転写紙Sを定着装置6に搬送するガイド板260が設けられている。
転写紙Sの表面には未定着トナーTが付着している。
また、定着ベルト253には、外周面上に、ベルトクリーニングローラ261が当接されて備えられている。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(各種測定)
実施例における各種測定方法を以下に示す。結果は、表4−1、表4−2、表9−1、及び表9−2に示す。
<テトラヒドロフラン(THF)可溶分の調製>
トナーのテトラヒドロフラン(THF)可溶分は、トナー30mgをテトラヒドロフラン(THF)(安定剤含有、和光純薬株式会社製)20mLに投入し1時間攪拌後、0.2μmフィルターで濾過して得た。
<分子量分布>
トナーのTHF可溶分の分子量分布は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定装置(HLC−8220GPC(東ソー株式会社製))を用いて測定した。カラムとしては、TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を使用した。測定試料であるトナーのテトラヒドロフラン可溶分は、前述の方法に従って調製し、0.15質量%溶液にして使用した。前記0.15質量%溶液を0.2μmフィルターで濾過した後、その濾液を試料として用いた。試料を測定装置に100μL注入し、温度40℃の環境下にて、流速0.35mL/分間で測定した。
試料の分子量は、単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線を用いて計算を行い得た。前記単分散ポリスチレン標準試料としては、昭和電工社製ShowdexSTANDARDシリーズ及びトルエンを用いた。以下の3種類の単分散ポリスチレン標準試料のTHF溶液を作製し上記の条件で測定を行い、ピークトップの保持時間を単分散ポリスチレン標準試料の光散乱分子量として検量線を作成した。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
溶液A:S−7450 2.5mg, S−678 2.5mg, S−46.5 2.5mg, S−2.90 2.5mg, THF 50mL
溶液B:S−3730 2.5mg, S−257 2.5mg, S−19.8 2.5mg, S−0.580 2.5mg, THF 50mL
溶液C:S−1470 2.5mg, S−112 2.5mg, S−6.93 2.5mg, トルエン2.5mg, THF 50mL
<N元素量>
前記N元素量は、以下の方法により求めた。
測定試料には、前述の調製方法により得られたトナーのTHF可溶分を用いた。
vario MICRO cube(Elementar社製)を使用し、燃焼炉950℃、還元炉550℃、ヘリウム流量200mL/min、酸素流量25mL/min〜30mL/minの条件でCHN同時測定を行い、2回測定した値の平均値からN元素量を求めた。なお、本測定方法でN元素量が0.5質量%未満であった場合は、さらに微量窒素分析装置ND−100型(三菱化学株式会社製)により測定を行った。電気炉温度は(横型反応炉)熱分解部分800℃、触媒部分900℃、測定条件は、メインO流量300mL/min、O流量300mL/min、Ar流量400mL/min、感度Lowとし、ピリジン標準液で作成した検量線をともに定量を行った。
<結晶構造量〔C/(A+C)〕>
前記結晶構造量〔C/(A+C)〕は、X線回折測定により測定した。その方法を以下に示す。
X線回折測定は、2次元検出器搭載X線回折装置(D8 DISCOVER with GADDS/Bruker社製)を用いて測定した。
測定に使用するキャピラリーは、マークチューブ(リンデンマンガラス)の直径0.70mmを使用した。試料(トナー)は、このキャピラリー管の上部まで詰めて測定した。また、サンプルを詰める際はタッピングを行い、タッピング回数は100回とした。測定の詳細条件を以下に示す。
管電流:40mA
管電圧:40kV
ゴニオメーター2θ軸:20.0000°
ゴニオメーターΩ軸:0.0000°
ゴニオメーターφ軸:0.0000°
検出器距離:15cm(広角測定)
測定範囲:3.2≦2θ(゜)≦37.2
測定時間:600sec
入射光学系には、直径1mmのピンホールを持つコリメーターを用いた。得られた2次元データを、付属のソフトで(χ軸が3.2°〜37.2°で)積分し、回折強度と2θの1次元データに変換した。
得られたX線回折測定結果を基に、前記比率〔C/(A+C)〕を算出する方法を、以下に説明する。X線回折測定によって得られる回折スペクトルの例を図1A及び図1Bに示す。横軸は2θ、縦軸はX線回折強度であり、両方とも線形軸である。図1AにおけるX線回折スペクトルにおいて、2θ=21.3°、24.2°に主要なピーク(P1、P2)があり、この2つのピークを含む広範囲にハロー(h)が見られる。ここで、前記主要なピークは、結着樹脂の結晶構造に由来するものであり、ハローは非晶構造に由来するものである。
この2の主要なピークとハローをガウス関数、
p1(2θ)=ap1exp{−(2θ−bp1/(2cp1 )}(式A(1))
p2(2θ)=ap2exp{−(2θ−bp2/(2cp2 )}(式A(2))
(2θ)=aexp{−(2θ−b/(2c )} (式A(3))
(fp1(2θ)、fp2(2θ)、f(2θ)はそれぞれ、主要ピークP1、P2、ハローに対応する関数を表す。)で表し、この3つの関数の和
f(2θ)=fp1(2θ)+fp2(2θ)+f(2θ) (式A(4))
をX線回折スペクトル全体のフィッティング関数(図1Bに図示する)とし、最小二乗法によるフィッティングを行った。
フィッティング変数は、ap1、bp1、cp1、ap2、bp2、cp2、a、b、cの9つである。各変数のフィッティングの初期値として、bp1、bp2、bにはX線回折のピーク位置(図1Aの例では、bp1=21.3、bp2=24.2、b=22.5)を、他の変数には適宜入力して2つの主要ピークとハローがX線回折スペクトルとできる限り一致させて得られた値を設定した。フィッティングは、Microsoft社製Excel2003のソルバーを利用した。
フィッティング後の2つの主要なピーク(P1、P2)に対応するガウス関数fp1(2θ)、fp2(2θ)、及びハローに相当するガウス関数f(2θ)のそれぞれについての積分面積(SP1、p2、S)から、(Sp1+Sp2)を(C)、(S)を(A)とし、結晶化部位の量を示す指標である比率〔C/(A+C)〕を算出した。
<混合溶液不溶分>
混合溶液不溶分は、テトラヒドロフラン(THF)と酢酸エチルとの混合溶液(混合比率は質量比で50:50)40gに対してトナー0.4gを添加し20分間振とう混合をした後、遠心分離機により不溶成分を沈降させて上澄み液を除去したものを真空乾燥させることにより得た。
<比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕>
前記比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕は、トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、トナーの前記混合溶剤不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕とから求めた。
示差走査熱量測定における測定条件は、以下のとおりである。
DSCシステム(示差走査熱量計)(「DSC−60」、島津製作所社製)を用いて測定した。下記測定条件で測定して得られるDSC曲線から、DSC−60システム中の解析プログラム『吸熱ピーク温度』を用いて、2回目の昇温時におけるDSC曲線を選択し、対象試料の昇温2回目における吸熱量を求めた。
〔測定条件〕
サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(フタあり)
サンプル量:5mg
リファレンス:アルミニウム製サンプルパン(アルミナ10mg)
雰囲気:窒素(流量50mL/min)
温度条件
開始温度:20℃
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
保持時間:なし
降温温度:10℃/min
終了温度:−20℃
保持時間:なし
昇温速度:10℃/min
終了温度:150℃
トナーの軟化温度は、高化式フローテスター(CFT−500D(株式会社島津製作所製))を用いて測定した。試料として1gのトナーを昇温速度3℃/分間で加熱しながら、プランジャーにより2.94MPaの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とした。
<融解熱の最大ピーク温度及び融解熱量>
融解熱の最大ピーク温度及び前記融解熱量は、示差走査熱量計(DSC)(TA−60WS及びDSC−60(株式会社島津製作所製))を用いて測定した。融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料を、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分間で昇温し、次いで降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、再び昇温速度10℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、吸熱量の最大ピークに対応する温度を、昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度とした。また、この時の前記最大ピーク温度を有する吸熱ピークの吸熱量を、昇温2回目の融解熱量とした。
<T1及びT2>
示差走査熱量測定における0℃〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピーク温度(T1)と、降温1回目の最大発熱ピーク温度(T2)とは、以下の方法により測定した。
示差走査熱量計(DSC)(TA−60WS及びDSC−60(株式会社島津製作所製))を用いて測定した。測定に供する試料を、20℃から150℃まで昇温速度10℃/分間で昇温し、次いで降温速度10℃/分間で−20℃まで冷却した後再び昇温速度10℃/分間で150まで昇温する。そして、昇温2回目、及び降温1回目の吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描いた。昇温2回目の吸熱量の最大ピークに対応する温度を、昇温2回目の最大吸熱ピーク温度(T1)とした。また、降温1回目の発熱量の最大ピークに対応する温度を、降温1回目の最大発熱ピーク温度(T2)とした。
(製造例A1−1〜A1−12)
<結晶性樹脂CH−1〜CH−8、及び結晶性樹脂CL−1〜CL−4の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を装備した反応槽中に、表1に示す酸成分、アルコール成分、及び縮合触媒を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで200℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及びアルコールを留去しながら8時間反応させ、更に5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応を行い結晶性樹脂を得た。
得られた結晶性樹脂の内、200部を、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を装備した反応槽中に移し、そこへ、酢酸エチル250部、及び表1に示すそれぞれのイソシアネート成分を加え、窒素気流下にて80℃で、30分間毎に微量サンプリングを行い、狙いの分子量に到達するまで反応を行った(最長5時間)。
次いで減圧下にて酢酸エチルを留去し、[結晶性樹脂CH−1]〜[結晶性樹脂CH−8]、及び[結晶性樹脂CL−1]〜[結晶性樹脂CL−4]を得た。
得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は、それぞれ表1に示す通りである。
表1中の配合量の単位は、「質量部」である。
(製造例A1−13)
<結晶性樹脂CH−9の製造>
結晶性樹脂CH−1の製造において、イソシアネート成分を配合しない以外は、結晶性樹脂CH−1の製造と同様にして、[結晶性樹脂CH−9]を得た。
得られた[結晶性樹脂CH−9]のMwは、23,000であった。
(製造例A2−1)
<結晶性樹脂前駆体1の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を装備した反応槽中に、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)250部、及び酢酸エチル250部を入れ、更に[結晶性樹脂CL−1]250部を酢酸エチル250部に溶解させた樹脂溶液を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させ、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体1]の50%酢酸エチル溶液を得た。
(製造例A2−2)
<結晶性樹脂前駆体2の製造>
製造例A2−1において、[結晶性樹脂CL−1]を[結晶性樹脂CL−2]に代えた以外は、製造例A2−1と同様にして、[結晶性樹脂前駆体2]の50%酢酸エチル溶液を得た。
(製造例A3)
<非結晶性樹脂1の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物230部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物100部、イソフタル酸165部、及びテトラブトキシチタネート1.0部を入れ、窒素気流下にて230℃一気圧条件下で、水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2mgKOH/gになった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、一気圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂1]を得た。得られた[非結晶性樹脂1]は、Mw7,500、Tg61℃であった。
(製造例A4)
<非結晶性樹脂前駆体の製造>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2mol付加物800部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物120部、テレフタル酸280部、及びテトラブトキシチタネート1部を入れ、窒素気流下にて230℃一気圧条件下で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[非結晶性樹脂前駆体中間体]を得た。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、得られた[非結晶性樹脂前駆体中間体]400部、イソホロンジイソシアネート105部、及び酢酸エチル500部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[非結晶性樹脂前駆体1]の50%酢酸エチル溶液を得た。
(製造例A5)
<着色剤マスターバッチA1〜A8の製造>
表2に示す結晶性樹脂100部に、顔料としてカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)100部、及びイオン交換水30部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス、日本コークス株式会社製)にて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と顔料の比率(質量比)が1:1である[マスターバッチA1]〜[マスターバッチA8]を作製した。
(製造例A6)
<層状無機鉱物マスターバッチ1の製造>
[結晶性樹脂CH−1]100部、少なくとも一部にベンジル基を有する第4級アンモニウム塩で変性したモンモリロナイト化合物(クレイトンAPA、サザンクレイプロダクツ社製)100部、及びイオン交換水50部をよく混合して、オープンロール型混練機(ニーデックス、日本コークス株式会社製)にて混練を行った。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却し、樹脂と層状無機鉱物の比率(質量比)が1:1である[層状無機鉱物マスターバッチ1]を作製した。
(製造例A7)
<離型剤分散液の製造>
冷却管、温度計、及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP−9、融点75℃、日本精蝋株式会社製)20部、及び酢酸エチル80部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間で30℃まで冷却を行った後、更にウルトラビスコミル(アイメックス社製)にて、送液速度1.0Kg/hr、ディスク周速度:10m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、[離型剤分散液A1]を得た。
(製造例A8)
<有機微粒子エマルションの合成>
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水720部、メタクリル酸のエチレンオキシド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)16部、スチレン85部、メタクリル酸85部、アクリル酸ブチル100部、及び過硫酸アンモニウム2部を仕込み、4,200rpmで1時間撹拌し、白色の乳濁液を得た。次に、系内温度を75℃まで昇温し、4時間反応させた。更に、1%の過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成し、[樹脂分散液1]を調製した。
得られた[樹脂分散液1]について、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定したところ、体積平均粒径が55nmであった。また、[樹脂分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離したところ、樹脂分は、ガラス転移温度(Tg)が55℃、重量平均分子量(Mw)が130,000であった。
(製造例A9)
<水相の調製>
イオン交換水800部、[樹脂分散液1]200部、及びノニオン性界面活性剤(DKS−NL−450、第一工業製薬株式会社製)70部を混合して撹拌し、均一に溶解させて[水相A1]を調製した。
(製造例A10)
<キャリアの製造>
現像剤に用いられるキャリアは以下のように製造した。
芯材として、Mnフェライト粒子(重量平均径:35μm)5,000部、並びに、被覆材として、トルエン450部、シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、不揮発分50%)450部、アミノシランSH6020(東レ・ダウコーニング・シリコーン製)10部、及びカーボンブラック(Printex35、デグサ社製)10部をスターラーで10分間分散して調製されたコート液を用いて、前記芯材と前記コート液とを、流動床内において回転式底板ディスクと攪拌羽根を設けた旋回流を形成させながらコートを行うコーティング装置に投入して、前記コート液を前記芯材上に塗布した。得られた塗布物を電気炉で250℃、2時間の条件で焼成し、[キャリアA1]を得た。
(実施例1)
<トナーA1の製造>
−油相の調製−
温度計、及び攪拌機を装備した容器に[結晶性樹脂CH]、[結晶性樹脂CL]、及び「非結晶性樹脂1」をそれぞれ表3に示す量加え、更に酢酸エチル80部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。続いて、[離型剤分散液A1]10部、並びに[層状無機鉱物マスターバッチ1]、及び[マスターバッチA1]をそれぞれ表3に示す量加え、更に酢酸エチル2部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[トナーA1]の原材料となる[油相A1]を得た。なお、[油相A1]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
−乳化スラリーの調製−
次に、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、50℃に加温された[水相A1]100部を加えた。一方、50℃に保たれた[油相A1]100部を[水相A1]に加え、40℃〜50℃にてTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数13,000rpmで1分間混合して、[乳化スラリーA1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリーA1]を投入し、50℃で8時間脱溶剤した後、45℃で5時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
得られた[分散スラリー1]100部を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
次に、得られた濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
次に、得られた濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
次に、得られた濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
次に、得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、[濾過ケーキ1]を得た。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、[トナー母体粒子A1]を作製した。
次に、得られた[トナー母体粒子A1]100部に疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部を、ヘンシェルミキサーを用いて混合して、[トナーA1]を得た。
<現像剤A1の製造>
[キャリアA1]100部に対し上記で作製したトナー7部を、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで3分間均一混合し帯電させた。本発明においては、[キャリア1]200gとトナー14gを内容積500mLのステンレス容器に入れて混合を行い、現像剤A1を得た。
(実施例2〜14、比較例1〜5)
<トナーA2〜A11、A13〜19の製造>
実施例1において、[乳化スラリーA1]を、下記方法で調製した[乳化スラリーA2]〜[乳化スラリーA11]、[乳化スラリーA13]〜[乳化スラリーA19]にそれぞれ代えた以外は、実施例1と同様にして、トナーA2〜A11、A13〜19を得た。
<トナーA12の製造>
実施例1において、[乳化スラリーA1]を、下記方法で調製した[乳化スラリーA12]に代えた以外は、実施例1と同様にして、[濾過ケーキ12]を得た。得られた[濾過ケーキ12]を循風乾燥機にて50℃で24時間でアニールを行い、その後目開き75μmのメッシュで篩い、[トナー母体粒子A12]を作製した。
以降の工程は、実施例1と同様にして、トナーA12を得た。
−油相A2〜A10、12〜19の調製−
実施例1の「油相の調製」と同様にして、表3に示す配合に従って[油相A2]〜[油相A10]、[油相A12]〜[油相A19]を調製した。
−油相A11の調製−
実施例1の「油相の調製」の際に[造核剤](ADEKA社製、アデカスタブNA−11、融点400℃、リン酸エステル金属塩化合物)を2.2部投入した以外は、実施例1と同様にして、表3に示す配合に従って、[油相A11]を調製した。
−乳化スラリーA2の調製−
次に、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、50℃に加温された[水相1]100部を加えた。一方、50℃に保たれた[油相A2]100部を[水相A1]に加え、更に[結晶性樹脂前駆体]、「非結晶性樹脂前駆体」、及びイソシアネートを、表3に示す質量比なるように加え、40℃〜50℃にてTKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で回転数13,000rpmで1分間混合して、[乳化スラリーA2]を得た。
−乳化スラリーA3〜A19の調製−
[乳化スラリーA2]の調製と同様にして、表3に示す配合に従って、[乳化スラリーA3]〜[乳化スラリーA19]を得た。
<現像剤A2〜A19の製造>
現像剤A1の製造において、トナーA1をトナーA2〜A19にそれぞれ代えた以外は、現像剤A1の製造と同様にして、現像剤A2〜A19を得た。
表3中、「HDI」は、ヘキサメチレンジイソシアネートを表し、「TDI」は、トリレンジイソシアネートを表す。
(トナーの測定)
トナーA1〜A19について、物性の測定を行った。結果を表4−1〜表4−2に示す。
(評価)
上記で製造した現像剤A1〜A19を用いて、画像形成を行い、端部オフセット、光沢ムラ、記録媒体の巻きつき、及び耐ブロッキング性の評価を行った。その方法を以下に示す。結果を表5に示す。
<画像形成装置>
画像形成には、図4に示す誘導加熱方式の定着装置を組み込んだ、図2に示す画像形成装置を用いた。
<端部オフセット評価>
定着条件は、定着圧を2.5kgf/cm、定着ニップ時間を80msecとした。最初にA4白紙(未定着画像なし、紙のみ)を、縦方向を搬送方向として連続100枚通紙し、直後に全ベタの未定着画像を形成したA3紙を定着機に縦方向に通紙し、定着画像を形成した。定着機(定着手段)の温度はA4通紙開始時から、温度を5℃ずつ変化させた温度に設定して一定の温度に制御するものとする。前述の定着画像形成を実施した際に、A3紙中央付近でのベタ画像の状態から、定着下限温度については定着画像中央部について表面を描画試験器AD−401(株式会社上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR〜320μmR、先端角60度)、荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。定着上限温度については画像中央部においてホットオフセットの発生しない上限の温度を定着上限温度とした。前述の評価により定着下限温度と定着上限温度を判断した後、その中央値の温度で端部オフセットの有無を評価した。中央値の温度は、定着下限温度と定着上限温度の平均値ないし平均値に最も近い下側温度(下限120℃かつ上限190℃の場合には155℃、下限120℃かつ上限185℃の場合には150℃)とした。中央値温度で前述の評価を行った際に、両端部(A4非通紙部)のオフセット発生の有無を評価し、これを端部オフセット評価とした。
端部オフセット評価は次のようなものである。全ベタ未定着画像を通紙してオフセットが発生した場合には、ベタ画像が紙面から剥ぎ取られ、白紙部が現れる。A4非通紙部の面積に対し、白紙部面積の比率を算出し、下記評価基準で評価した。評価結果としては、A及びBが好ましく、Aがより好ましい。Dは不十分な結果である。
なお、評価紙をスキャナで画像取り込みし、ついで画像をグレースケールとし、グレースケール中の最大濃色部位と最小淡色部位の中間値を境界とした二値化処理を行い、A4非通紙部の面積に対する白色部位の面積比率を算出した。
〔評価基準〕
A:白色部面積1%未満(端部オフセット発生なし)
B:白色部面積1%以上3%未満(端部オフセット発生が軽微)
C:白色部面積3%以上10%未満(端部オフセットが明確に発生)
D:白色部面積10%以上(端部オフセットが非常に明確に発生)
<光沢ムラ>
前述の端部オフセット評価に使用した中央値温度での定着画像において、画像中央付近の光沢度と画像両端部付近の光沢度をGloss Meter VG7000(日本電色工業株式会社製)で評価した。中央付近の画像光沢度をXとし、端部付近の画像光沢度をYとしたときに、X/Yの比を光沢ムラとして、下記基準で評価した。評価結果としては、A及びBが好ましく、Aがより好ましい。Dは不十分な結果である。
〔評価基準〕
A:0.9≦X/Y≦1.0 (光沢ムラなし)
B:0.8≦X/Y<0.9 又は 1.0<X/Y≦1.1(光沢ムラ軽微)
C:0.6≦X/Y<0.8 又は 1.1<X/Y≦1.3(光沢ムラ明確)
D:X/Y<0.6 又は 1.3<X/Y (光沢ムラ非常に明確)
<紙巻きつき>
前述の端部オフセット評価と同様の装置及び条件下で、定着ローラ温度が200℃となるよう設定し、端部オフセット評価と同様にA4白紙100枚を連続通紙後に未定着の全面ベタ画像を形成したA3紙を通紙し、定着ローラへの紙の巻きつきの有無を目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。評価結果としては、A及びBが好ましく、Aがより好ましい。Dは不十分な結果である。
〔評価基準〕
A:巻きつきなし
B:巻きつき軽微(定着ローラーへの巻きつきが発生するが、紙の自重でローラーからの分離が可能な程度)
C:巻きつき発生(定着ローラーへの巻きつきが紙の自重では解消されない、分離爪など物理的な分離機構が必要な程度)
D:巻きつきがひどく発生(定着ローラーへの巻きつきが、分離爪など物理的分離機構でも解消されない。)
<画像の耐ブロッキング性>
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した複写機MF2200(株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、タイプ6200紙(株式会社リコー社製)に複写テストを行った。具体的には、低温定着性の評価の際に求めた定着下限温度+20℃に定着温度を設定し、紙送りの線速度を120mm/秒間〜150mm/秒間、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を3mmとした。得られた定着画像と白紙を重ね合わせ、金属板で挟み込み、10kPaの圧力がかかるよう荷重を加えて、50℃で24時間保管した後、画像と白紙を引きはがしブロッキング性の判定を行った。
なお、画像ブロッキング性の評価基準は以下の通りとした。
〔評価基準〕
A:画像の剥離が全く見られず、引きはがし時に音が発生しない
B:画像の剥離は見られないが、引きはがし時に音が発生する
C:画像と白紙が接着しており、引きはがす際に画像が少し欠損する
D:画像と白紙が接着しており、引きはがす際に画像が大きく欠損する
(製造例B1−1)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−1(結晶性樹脂A−1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、アジピン酸15部(0.10mol)、1,6−ヘキサンジオール177部(1.50mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ12,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−1]は、Mw12,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−1]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル350部、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)30部(0.12mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−1]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−1]は、Mw22,000、融点62℃であった。
(製造例B1−2)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2(結晶性樹脂A−2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール189部(1.60mol)、及び縮合触媒としてジブチル錫オキサイド0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ6,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]は、Mw6,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)38部(0.15mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−2]は、Mw10,000、融点64℃であった。
(製造例B1−3)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3(結晶性樹脂A−3)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール106部(1.18mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ14,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]は、Mw14,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂A’−3]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル250部、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)12部(0.07mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−3]は、Mw39,000、融点63℃であった。
(製造例B1−4)
<結晶性ポリエステル樹脂A−4(結晶性樹脂A−4)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸185部(0.91mol)、アジピン酸13部(0.09mol)、1,4−ブタンジオール125部(1.39mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,4−ブタンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ10,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂A−4]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂A−4]は、Mw9,500、融点57℃であった。
(製造例B2−1)
<結晶性樹脂前駆体B−1(結晶性樹脂B−1)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール122部(1.03mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ25,000に達するまで反応を行い、[結晶性樹脂B’−1]を得た。
得られた[結晶性樹脂B’−1]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル300部、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)27部(0.16mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[結晶性樹脂前駆体B−1]の50%酢酸エチル溶液を得た。
得られた[結晶性樹脂前駆体B−1]の酢酸エチル溶液10部をテトラヒドロフラン(THF)10部と混合し、これにジブチルアミン1部を添加して、2時間撹拌させた。得られた溶液を試料としてGPC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B−1]のMwは54,000であった。また、前記溶液から溶媒を除去して得られた試料についてDSC測定を行った結果、[結晶性樹脂前駆体B−1]の融点は57℃であった。
(製造例B2−2)
<ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2(結晶性樹脂B−2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸113部(0.56mol)、テレフタル酸ジメチル109部(0.56mol)、1,6−ヘキサンジオール132部(1.12mol)、及び縮合触媒としてチタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート)0.5部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水及びメタノールを留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5mmHg〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ35,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]は、Mw34,000であった。
続いて、得られた[結晶性ポリエステル樹脂B’−2]を、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に移し、酢酸エチル200部、及びヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)10部(0.06mol)を加え、窒素気流下にて80℃で5時間反応させた。次いで減圧下にて酢酸エチルを留去して[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]を得た。得られた[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]は、Mw63,000、融点65℃であった。
(製造例B3−1)
<非結晶性樹脂C−1の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222部、ビスフェノールA PO2mol付加物129部、イソフタル酸166部、及びテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5mmHg〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2mgKOH/gになった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性樹脂C−1]を得た。得られた[非結晶性樹脂C−1]は、Mw8,000、Tg62℃であった。
(製造例B3−2)
<非結晶性樹脂前駆体C−2(非結晶性樹脂C−2)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物720部、ビスフェノールA PO2mol付加物90部、テレフタル酸290部、及びテトラブトキシチタネート1部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[非結晶性樹脂C’−2]を得た。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素導入管を備えた反応槽中に、得られた[非結晶性樹脂C’−2]400部、イソホロンジイソシアネート95部、及び酢酸エチル500部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[非結晶性樹脂前駆体C−2]の50%酢酸エチル溶液を得た。
(実施例15〜20、比較例6)
<トナーの製造>
−グラフト重合体の製造−
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480部、及び低分子量ポリエチレン(三洋化成工業社製、サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740部、アクリロニトリル100部、アクリル酸ブチル60部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36部、及びキシレン100部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]はMw24,000、Tg67℃であった。
−離型剤分散液の調製−
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(日本精鑞社製、HNP−9、炭化水素系ワックス、融点75℃、SP値8.8)50部、[グラフト重合体]30部、及び酢酸エチル420部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液B1]を得た。
−マスターバッチの作製−
・結晶性樹脂A−1 100部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチB1]を作製した。
表6に従って、[マスターバッチB1]と同様にして、[マスターバッチB2]〜[マスターバッチB4]を作製した。
−油相B1〜B3、及びB7の作製−
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−1]54部を入れ、固形分濃度が50%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50%酢酸エチル溶液20部、離型剤分散液B1]60部、及び[マスターバッチB1]12部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相B1]を得た。なお、[油相B1]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
油相B2、B3、及びB7についても、結晶性樹脂Aの種類、結晶性樹脂Aの添加量、結晶性樹脂Bの添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表7に従って変更しただけで、同様に作製した。なお、表7中の結晶性樹脂B、及び[非結晶性樹脂C−2]については、油相作製段階では添加せず、後述のトナー母体粒子作製時に前記油相に添加し、溶解乃至分散して用いた。
−油相B4〜B6の作製−
温度計及び撹拌機を備えた容器に、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂A−1]54部、[ウレタン変性結晶性ポリエステル樹脂B−2]20部を入れ、固形分濃度が50%となる量の酢酸エチルを加えて、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させた。これに、[非結晶性樹脂C−1]の50%酢酸エチル溶液20部、[離型剤分散液B1]60部、[マスターバッチB1]12部を加え、50℃にてTK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相B4]を得た。なお、[油相B4]の温度は容器内にて50℃に保つようにし、結晶化しないように作製から5時間以内に使用した。
油相B5、及びB6についても、結晶性樹脂Aの種類、結晶性樹脂Aの添加量、結晶性樹脂Bの種類、結晶性樹脂Bの添加量、非結晶性樹脂Cの添加量、及びマスターバッチの種類を、表8に従って変更しただけで、同様に作製した。
−樹脂微粒子の水分散液の製造−
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600部、スチレン120部、メタクリル酸100部、アクリル酸ブチル45部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業株式会社製)10部、及び過硫酸アンモニウム1部を仕込み、400回転/分間で20分間攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は80nmであり、樹脂分の重量平均分子量は160,000、Tgは74℃であった。
−水相の調製−
水990部、[樹脂微粒子の水分散液]83部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合撹拌し、[水相B1]を得た。
−トナー母体粒子B1〜B3、及びB7の作製−
撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、[水相B1]520部を入れて40℃まで加熱した。50℃に保たれた[油相B1]235部に[結晶性樹脂前駆体B−1]の酢酸エチル溶液25部を添加し、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相B1’]を調製した。40℃〜50℃に保持したままの前記[水相]をTK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相B1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリーB1]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーB1]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(1)を得た。
得られた濾過ケーキ(1)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子B1を作製した。
同様に、油相B2、B3、及びB7をそれぞれ用いて、トナー母体粒子B2、B3、及びB7を作製した。
−トナー母体粒子B4〜B6の作製−
撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、[水相B1]520部を入れて40℃まで加熱し、40℃〜50℃に保持したまま、TK式ホモミキサー(プライミクス株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相B4]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリーB4]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリーB4]を投入し、60℃で6時間脱溶剤して、[スラリー4]を得た。得られた[スラリー4]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ(4)を得た。
得られた濾過ケーキ(4)を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmのメッシュで篩い、トナー母体粒子B4を作製した。
同様に、油相B5、及びB6をそれぞれ用いて、トナー母体粒子B5、及びB6を作製した。
−トナーB1〜B7の作製−
得られたトナー母体粒子B1〜B7をそれぞれ100部と、外添剤としての疎水性シリカ(HDK−2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部とを、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、周速30m/秒間で30秒間混合し、1分間休止する処理を5サイクル行った後、目開きが35μmのメッシュで篩い、トナーB1〜トナーB7を作製した。
<キャリアの作製>
・シリコーン樹脂SR2400(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製、不揮発分50%)100部
・γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製)・トルエン 100部
上記の原材料を、ホモミキサーで20分間分散させて、樹脂層塗布液を調製した。その後、流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径が35μmの球状フェライト1,000部の表面に樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
<現像剤の作製>
トナーB1〜トナーB7のそれぞれを5部と、前記キャリア95部とを混合して、現像剤B1〜B7の各現像剤を作製した。
(トナーの測定)
トナーB1〜B7について、物性の測定を行った。結果を表9−1〜表9−2に示す。
(評価:実施例15〜22、及び比較例6)
上記で製造した現像剤B1〜B7を用いて、画像形成を行い、端部オフセット、光沢ムラ、記録媒体の巻きつき及びブロッキングの評価を行った。端部オフセット、光沢ムラ、記録媒体の巻きつき及びブロッキングの評価は、画像形成装置を下記画像形成装置に代えた以外は、実施例1と同様にして、評価を行った。結果を表10に示す。
<画像形成装置>
実施例15〜20及び比較例6の画像形成には、図9に示す誘導加熱方式の定着装置を組み込んだ、図2に示す画像形成装置を用いた。
実施例21の画像形成には、実施例15において、図5に示す消磁コイル120を除いた以外は、実施例15と同様の画像形成装置を用いた。
実施例22の画像形成には、実施例15において、誘導コイル254による加熱の代わりに、対向ローラ252の円筒状部分内部にハロゲンヒータを設置し、このハロゲンヒータにより加熱を行うベルト定着装置を用いた以外は、実施例15と同様の画像形成装置を用いた。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有し、
前記結晶性樹脂の平均結晶子径が、20nm〜70nmであることを特徴とするトナーである。
<2> トナーのX線回折測定によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)と、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(A)との合計に対する前記Cの比率〔C/(A+C)〕が、0.15以上である前記<1>に記載のトナーである。
<3> トナーの示差走査熱量測定における昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度が、50℃〜70℃であり、かつ昇温2回目の融解熱量が、30J/g〜75J/gである前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量100,000以上の成分を、ピーク面積で5.0%以上含む前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量250,000以上の成分を、ピーク面積で1.0%以上含む前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> トナーのテトラヒドロフラン可溶分のCHN分析を行った際のN元素量が、0.3質量%〜2.0質量%である前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
<7> トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、トナーのテトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕に対する不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕との比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕が、0.15以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載のトナーである。
<8> トナーの示差走査熱量測定における0℃〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピーク温度(T1)と、降温1回目の最大発熱ピーク温度(T2)とが、下記式(1)及び式(2)を満たす前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
T1−T2≦30℃ 式(1)
T2≧30℃ 式(2)
<9> ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、第1の結晶性樹脂と、該第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の結晶性樹脂を含有する前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーである。
<10> ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載のトナーである。
<11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤である。
<12> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを有し、
前記トナーが、前記<1>から<10>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<13> 定着手段が、発熱した定着部材を前記転写像に接触させて定着させる定着手段である前記<12>に記載の画像形成装置である。
<14> 定着手段が、定着部材を誘導加熱して発熱させる誘導加熱部材を有する前記<13>に記載の画像形成装置である。
6 定着装置
20BK、20Y、20M、20C 感光体ドラム
50BK、50Y、50M、50C 現像装置
62 定着ローラ
100 画像形成装置
特開2010−077419号公報 特開2009−014926号公報 特開2010−151996号公報

Claims (14)

  1. 結晶性樹脂を含有し、
    前記結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂を含有し、
    前記結晶性樹脂の平均結晶子径が、20nm〜70nmであることを特徴とするトナー。
  2. トナーのX線回折測定によって得られる回折スペクトルにおいて、結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(C)と、非結晶構造に由来するスペクトルの積分強度(A)との合計に対する前記Cの比率〔C/(A+C)〕が、0.15以上である請求項1に記載のトナー。
  3. トナーの示差走査熱量測定における昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度が、50℃〜70℃であり、かつ昇温2回目の融解熱量が、30J/g〜75J/gである請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
  4. トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量100,000以上の成分を、ピーク面積で5.0%以上含む請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. トナーのテトラヒドロフラン可溶分が、ゲル浸透クロマトグラフィーで測定される分子量分布において、分子量250,000以上の成分を、ピーク面積で1.0%以上含む請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. トナーのテトラヒドロフラン可溶分のCHN分析を行った際のN元素量が、0.3質量%〜2.0質量%である請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7. トナーの示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(T)、(J/g)〕と、トナーのテトラヒドロフランと酢酸エチルとの混合溶液〔テトラヒドロフラン/酢酸エチル=50/50(質量比)〕に対する不溶分の示差走査熱量測定における吸熱量〔ΔH(H)、(J/g)〕との比〔ΔH(H)/ΔH(T)〕が、0.15以上である請求項1から6のいずれかに記載のトナー。
  8. トナーの示差走査熱量測定における0℃〜150℃の範囲の昇温2回目の最大吸熱ピーク温度(T1)と、降温1回目の最大発熱ピーク温度(T2)とが、下記式(1)及び式(2)を満たす請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
    T1−T2≦30℃ 式(1)
    T2≧30℃ 式(2)
  9. ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、第1の結晶性樹脂と、該第1の結晶性樹脂よりも重量平均分子量が大きい第2の結晶性樹脂を含有する請求項1から8のいずれかに記載のトナー。
  10. ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有する結晶性樹脂が、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかと、結晶性ポリエステルユニットとを有する結晶性樹脂を含有する請求項1から9のいずれかに記載のトナー。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載のトナーを含有することを特徴とする現像剤。
  12. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段と、
    前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを有し、
    前記トナーが、請求項1から10のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  13. 定着手段が、発熱した定着部材を前記転写像に接触させて定着させる定着手段である請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 定着手段が、定着部材を誘導加熱して発熱させる誘導加熱部材を有する請求項13に記載の画像形成装置。
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