JP3267640B2 - 黒色系微粒子及びその製造方法 - Google Patents
黒色系微粒子及びその製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置の液晶の
厚みを制御するスペーサー粒子等に使用可能な黒色系微
粒子及びその製造方法に関する。
厚みを制御するスペーサー粒子等に使用可能な黒色系微
粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】TN型の液晶においては、液
晶セルのギャップのバラツキが、応答速度、視野角、コ
ントラスト等の表示品質に大きく影響し、表示ムラを生
じさせる。特に、STN(Super Twisted
Nematic)型表示装置の液晶セルのギャップの
バラツキは、0.05μm以下の高精度に制御される必
要があるとされ、この形式の液晶セルでは、スペーサー
の精度が表示品位を大きく左右する。
晶セルのギャップのバラツキが、応答速度、視野角、コ
ントラスト等の表示品質に大きく影響し、表示ムラを生
じさせる。特に、STN(Super Twisted
Nematic)型表示装置の液晶セルのギャップの
バラツキは、0.05μm以下の高精度に制御される必
要があるとされ、この形式の液晶セルでは、スペーサー
の精度が表示品位を大きく左右する。
【0003】ところで、上記表示装置では、スペーサー
の散布密度を大きくすれば、ギャップのバラツキを小さ
くすることができるが、この手段では、スペーサーから
の光の漏れが増大する。このため、スペーサーの散布密
度を大きくする場合には、光がスペーサー内を透過しな
いようにスペーサー自体を黒色等に着色させることが要
請されている。
の散布密度を大きくすれば、ギャップのバラツキを小さ
くすることができるが、この手段では、スペーサーから
の光の漏れが増大する。このため、スペーサーの散布密
度を大きくする場合には、光がスペーサー内を透過しな
いようにスペーサー自体を黒色等に着色させることが要
請されている。
【0004】この種の技術として例えば、特開昭63−
89890号公報に提案されているように、金属アルコ
キシドの加水分解により得られた、酸化物微粒子を25
0℃以上の温度で処理して黒色化する方法、あるいは、
樹脂スペーサーのように、スペーサー合成時に染料等の
着色剤を加える方法、また、特開昭57−189117
号公報、特開昭59−24829号公報などに提案され
ている様に、染料及び顔料によって着色する方法等が知
られている。
89890号公報に提案されているように、金属アルコ
キシドの加水分解により得られた、酸化物微粒子を25
0℃以上の温度で処理して黒色化する方法、あるいは、
樹脂スペーサーのように、スペーサー合成時に染料等の
着色剤を加える方法、また、特開昭57−189117
号公報、特開昭59−24829号公報などに提案され
ている様に、染料及び顔料によって着色する方法等が知
られている。
【0005】しかしながら、金属アルコキシドからつく
った粒子を焼成して、粒子内部の残留有機物をカーボン
化させて黒色にする方法は、有機物の残留量をコントロ
ールするのが難しく、したがって黒色の度合いをコント
ロールするのが難しい。また、樹脂スペーサーは、一般
にシリカ微粒子等無機系の単分散微粒子と比べて粒径の
バラツキが大きいとされている。さらに、染料や顔料
は、遊離や溶出による脱色が生じ易く、安定性に欠ける
という問題がある。
った粒子を焼成して、粒子内部の残留有機物をカーボン
化させて黒色にする方法は、有機物の残留量をコントロ
ールするのが難しく、したがって黒色の度合いをコント
ロールするのが難しい。また、樹脂スペーサーは、一般
にシリカ微粒子等無機系の単分散微粒子と比べて粒径の
バラツキが大きいとされている。さらに、染料や顔料
は、遊離や溶出による脱色が生じ易く、安定性に欠ける
という問題がある。
【0006】そこで、本発明者らは上述の問題が解消で
きる新規な黒色系微粒子及びその製造方法、とりわけ粒
子径分布が非常にシャープでかつ黒色の無機物のスペー
サー粒子及びその合成について鋭意検討して本願発明を
完成した。
きる新規な黒色系微粒子及びその製造方法、とりわけ粒
子径分布が非常にシャープでかつ黒色の無機物のスペー
サー粒子及びその合成について鋭意検討して本願発明を
完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の黒色系微粒子は、シリコンアルコキシドの
アンモニア水溶液中での加水分解により得られるシリカ
微粒子と、このシリカ微粒子の表面に還元雰囲気下で焼
成することにより被覆形成された酸化チタン層とを有す
ることを特徴とする。また、同微粒子の製造方法とし
て、金属酸化物からなる母粒子を水・アルコール系分散
液に分散し、該分散液に酸化チタン被覆層を形成可能な
チタン化合物を添加して加水分解して該母粒子の表面に
酸化チタン層を形成せしめた後、該酸化チタン層を還元
雰囲気下で焼成して黒色化することを特徴とする。
に、本発明の黒色系微粒子は、シリコンアルコキシドの
アンモニア水溶液中での加水分解により得られるシリカ
微粒子と、このシリカ微粒子の表面に還元雰囲気下で焼
成することにより被覆形成された酸化チタン層とを有す
ることを特徴とする。また、同微粒子の製造方法とし
て、金属酸化物からなる母粒子を水・アルコール系分散
液に分散し、該分散液に酸化チタン被覆層を形成可能な
チタン化合物を添加して加水分解して該母粒子の表面に
酸化チタン層を形成せしめた後、該酸化チタン層を還元
雰囲気下で焼成して黒色化することを特徴とする。
【0008】本発明に使用できる金属酸化物からなる球
状微粒子としては、粒子径分布が非常にシャープなシリ
カ微粒子等が好適であり、その表面に酸化チタンの薄膜
をコーティングし、これを還元性雰囲気で黒色の酸化チ
タンとする。表面層は薄膜状であるため、下層の粒子の
単分散性を損なうことなくコーティングされる。酸化チ
タンの層の還元の方法は特に限定されないが、一般的に
は顔料としての黒色酸化チタンの製法を応用することが
でき、例えばアンモニアガス中で800℃付近に加熱す
る方法が好適に使用できる。
状微粒子としては、粒子径分布が非常にシャープなシリ
カ微粒子等が好適であり、その表面に酸化チタンの薄膜
をコーティングし、これを還元性雰囲気で黒色の酸化チ
タンとする。表面層は薄膜状であるため、下層の粒子の
単分散性を損なうことなくコーティングされる。酸化チ
タンの層の還元の方法は特に限定されないが、一般的に
は顔料としての黒色酸化チタンの製法を応用することが
でき、例えばアンモニアガス中で800℃付近に加熱す
る方法が好適に使用できる。
【0009】粒子径分布のシャープなシリカ微粒子は、
シリコンアルコキシドのアンモニア水溶液中での加水分
解により得られる単分散シリカ微粒子が好適に用いられ
る。コーティングに使用する酸化チタンの原料としての
チタン化合物は、四塩化チタンやチタンアルコキシド等
加水分解可能な化合物であればよく、コーティングの製
法は限定しないが、チタンアルコキシドを用いるコーテ
ィング法が好適に使用される。
シリコンアルコキシドのアンモニア水溶液中での加水分
解により得られる単分散シリカ微粒子が好適に用いられ
る。コーティングに使用する酸化チタンの原料としての
チタン化合物は、四塩化チタンやチタンアルコキシド等
加水分解可能な化合物であればよく、コーティングの製
法は限定しないが、チタンアルコキシドを用いるコーテ
ィング法が好適に使用される。
【0010】すなわち、シリカ微粒子をアルコール等の
有機溶剤を含む液体中に分散させ、チタンのアルコキシ
ドを添加したのち、pHを調整した水を加えて加水分解
しコーティングする方法、あるいはシリカ微粒子とpH
を調整した水とを予め有機溶媒中で混合しておき、この
液にチタンアルコキシドを添加する方法もある。
有機溶剤を含む液体中に分散させ、チタンのアルコキシ
ドを添加したのち、pHを調整した水を加えて加水分解
しコーティングする方法、あるいはシリカ微粒子とpH
を調整した水とを予め有機溶媒中で混合しておき、この
液にチタンアルコキシドを添加する方法もある。
【0011】
【作用効果】本発明の黒色系微粒子は、酸化チタン層を
還元して黒色化したものであり、黒色度も良好なので、
液晶ディスプレイパネルのスペーサー等として好適に使
用できる。また、酸化チタン層の厚みを適宜調整するこ
とによって、黒色酸化チタン層の特性、例えば導電性、
帯電防止性、誘電性を利用した用途に応用できる。
還元して黒色化したものであり、黒色度も良好なので、
液晶ディスプレイパネルのスペーサー等として好適に使
用できる。また、酸化チタン層の厚みを適宜調整するこ
とによって、黒色酸化チタン層の特性、例えば導電性、
帯電防止性、誘電性を利用した用途に応用できる。
【0012】
【実施例】実施例1. 粒子径が3.4μmの単分散シリカ微粒子(変動係数
1.5%)10gをメタノール100gに添加し、10
分間超音波処理を行って分散させたのち、28%アンモ
ニア水20gを添加して混合した。次に2.4gのTi
(OisoC3H7)4を予め10gのtert−アミ
ルアルコールと混合したのち、60gのメタノールと混
合した液をつくり、30℃に保ったシリカ微粒子の分散
液に撹拌しながら一度に全量を混合した。
1.5%)10gをメタノール100gに添加し、10
分間超音波処理を行って分散させたのち、28%アンモ
ニア水20gを添加して混合した。次に2.4gのTi
(OisoC3H7)4を予め10gのtert−アミ
ルアルコールと混合したのち、60gのメタノールと混
合した液をつくり、30℃に保ったシリカ微粒子の分散
液に撹拌しながら一度に全量を混合した。
【0013】数時間撹拌後反応液を静置して粒子を沈降
させた後、デカンテーションにより上澄みを取り除い
た。水を加えて沈降,デカンテーションを数度繰り返し
た後、凍結乾燥した。乾燥粒子を石英ガラス製のルツボ
に入れ、これを石英ガラスチューブからなる炉心管内に
設置し、窒素ガスによって炉心管内の酸素をパージし
た。次いで毎時200℃の速さで昇温し、800℃に達
した時点で液体アンモニアボンベよりアンモニアガスを
炉心管内に導入し、その温度で3時間熱処理して酸化チ
タンを還元した。
させた後、デカンテーションにより上澄みを取り除い
た。水を加えて沈降,デカンテーションを数度繰り返し
た後、凍結乾燥した。乾燥粒子を石英ガラス製のルツボ
に入れ、これを石英ガラスチューブからなる炉心管内に
設置し、窒素ガスによって炉心管内の酸素をパージし
た。次いで毎時200℃の速さで昇温し、800℃に達
した時点で液体アンモニアボンベよりアンモニアガスを
炉心管内に導入し、その温度で3時間熱処理して酸化チ
タンを還元した。
【0014】得られた粒子は、JIS Z8701で定
められる色のXYZ系でY値が6.7%の黒色であり、
粒子径分布は母粒子であるシリカ微粒子の粒子径分布の
単分散性を保っていた。
められる色のXYZ系でY値が6.7%の黒色であり、
粒子径分布は母粒子であるシリカ微粒子の粒子径分布の
単分散性を保っていた。
【0015】実施例2. チタンのアルコキシドを加水分解するために、pHを2
に調整した塩酸水溶液を使用した以外は実施例1と同様
の方法で黒色粒子を作製した。得られた粒子は上述のY
値が5.8%の黒色でしかも母粒子であるシリカ微粒子
の単分散性を保っていた。
に調整した塩酸水溶液を使用した以外は実施例1と同様
の方法で黒色粒子を作製した。得られた粒子は上述のY
値が5.8%の黒色でしかも母粒子であるシリカ微粒子
の単分散性を保っていた。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/04 CA(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 シリコンアルコキシドのアンモニア水溶
液中での加水分解により得られるシリカ微粒子と、この
シリカ微粒子の表面に還元雰囲気下で焼成することによ
り被覆形成された酸化チタン層とを有することを特徴と
する黒色系微粒子。 - 【請求項2】 金属酸化物からなる母粒子を水・アルコ
ール系分散液に分散し、該分散液に酸化チタン被覆層を
形成可能なチタン化合物を添加して加水分解して該母粒
子の表面に酸化チタン層を形成せしめた後、該酸化チタ
ン層を還元雰囲気下で焼成して黒色化することを特徴と
する黒色系微粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18400291A JP3267640B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 黒色系微粒子及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18400291A JP3267640B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 黒色系微粒子及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH059027A JPH059027A (ja) | 1993-01-19 |
JP3267640B2 true JP3267640B2 (ja) | 2002-03-18 |
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ID=16145607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18400291A Expired - Fee Related JP3267640B2 (ja) | 1991-06-28 | 1991-06-28 | 黒色系微粒子及びその製造方法 |
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Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3311111B2 (ja) * | 1993-10-18 | 2002-08-05 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置及び像加熱用回転体 |
JP2616433B2 (ja) * | 1994-04-25 | 1997-06-04 | 日本電気株式会社 | 画像形成装置の定着装置 |
JP3441820B2 (ja) * | 1994-11-01 | 2003-09-02 | キヤノン株式会社 | 加熱装置 |
WO1996015986A1 (fr) | 1994-11-21 | 1996-05-30 | Ube Nitto Kasei Co., Ltd. | Procede pour produire des particules enrobees |
US5783806A (en) * | 1994-12-28 | 1998-07-21 | Canon Kabushiki Kaiaha | Image heating device using electromagnetic induction |
JP3862313B2 (ja) | 1995-02-15 | 2006-12-27 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置 |
US5939337A (en) * | 1995-08-03 | 1999-08-17 | Canon Kabushiki Kaisha | Toner fixation film and toner fixation apparatus using it |
JPH0944014A (ja) * | 1995-08-03 | 1997-02-14 | Canon Inc | 加熱用フィルム、加熱加圧部材、加熱装置及び画像形成装置 |
US6014539A (en) * | 1996-04-05 | 2000-01-11 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating device |
JPH1074010A (ja) * | 1996-09-02 | 1998-03-17 | Canon Inc | 加熱装置及び画像形成装置 |
JPH10104975A (ja) * | 1996-09-27 | 1998-04-24 | Canon Inc | 像加熱装置 |
JP3337932B2 (ja) | 1997-02-06 | 2002-10-28 | キヤノン株式会社 | 管状体の製造方法 |
KR100348821B1 (ko) * | 1999-01-25 | 2002-08-17 | 주식회사 태평양 | 흑색계 산화티탄 분말의 제조방법 |
US6246843B1 (en) | 1999-04-27 | 2001-06-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Image heating apparatus |
JP2002083676A (ja) | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Canon Inc | 加熱装置及び画像形成装置 |
JP3870060B2 (ja) | 2001-10-12 | 2007-01-17 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置 |
JP3826008B2 (ja) | 2001-10-15 | 2006-09-27 | キヤノン株式会社 | 像加熱装置 |
US7009158B2 (en) | 2003-02-28 | 2006-03-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
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