JPH05257150A - 黒色微粒子およびその製造方法 - Google Patents

黒色微粒子およびその製造方法

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JPH05257150A
JPH05257150A JP5812592A JP5812592A JPH05257150A JP H05257150 A JPH05257150 A JP H05257150A JP 5812592 A JP5812592 A JP 5812592A JP 5812592 A JP5812592 A JP 5812592A JP H05257150 A JPH05257150 A JP H05257150A
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JP
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thin film
titanium oxide
fine particles
oxide thin
black
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Application number
JP5812592A
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English (en)
Inventor
Tatsuhiko Adachi
龍彦 足立
Kazuhiko Sakai
和彦 阪井
Mitsumasa Kimata
光正 木俣
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Ube Exsymo Co Ltd
Original Assignee
Ube Nitto Kasei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分な黒色化度を有し、光の透過を防止する
ことができるとともに、絶縁性にも優れ、液晶表示装置
用のスペーサーとして好適な黒色微粒子を提供する。 【構成】 本発明の黒色微粒子は、金属酸化物からなる
球状微粒子と、この球状微粒子の表面に設けられた黒色
酸化チタン薄膜と、この薄膜の表面に設けられた絶縁層
とを含むことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶表示装置の液晶の
厚みを制御するスペーサー等に使用するに好適な黒色微
粒子およびその製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】TN(Twisted Nematic)型の液晶表示装置
においては、液晶セルのギャップのバラツキが、応答速
度、視野角、コントラスト等の表示品質に大きく影響
し、表示ムラを生じさせる。特にSTN(Super Twiste
d Nematic)型液晶表示装置の液晶セルのギャップのバラ
ツキは0.05μm以下に制御される必要があるとさ
れ、スペーサーの精度が表示品位を大きく左右する。
【0003】一方液晶セルにおけるスペーサーの散布密
度を大きくすれば、ギャップのバラツキを小さくするこ
とができるが、反対にスペーサーからの光の漏れが増大
する。このため、スペーサー自体を黒色等に着色させ、
光がスペーサー内を透過しないようにすることが行われ
ている。
【0004】この種の技術として例えば、特開昭63−
89890号公報に提案されているように、ケイ素のア
ルコキシドを用いてゾルゲル法により得られたシリカ
(SiO2 )微粒子を250℃以上の温度で処理して黒
色化する方法がある。しかしながら、この方法は、粒子
内部の残留有機物(未反応ケイ素アルコキシド)を炭化
させて黒色化するものであり、有機物の残留量をコント
ロールするのが難しく、したがって黒色の度合いをコン
トロールするのが難しいという欠点がある。
【0005】そこで本発明者らは、粒子径分布が非常に
シャープなシリカ微粒子の表面に酸化チタン(Ti
2 )の薄膜をコーティングし、この薄膜を還元性雰囲
気で処理して、化学量論的組成(TiO2 )よりも酸素
が欠乏した黒色酸化チタン[TiOn (n<2)]の薄
膜を形成させることにより、黒色酸化チタン薄膜付きシ
リカ微粒子を得、これを液晶表示装置用スペーサーに用
いることを提案している(特願平3−184002
号)。
【0006】この特願平3−184002号明細書に記
載の液晶スペーサーにおいては、黒色層が薄膜であるた
め、母粒子であるシリカ微粒子の粒子径分布の単分散性
をそのまま保った高精度な黒色粒子が生成する。すなわ
ち、この粒子の黒色の度合いは、XYZの表色系におけ
るY値が5%程度というように良好な黒色を示す。
【0007】また、この特願平3−184002号明細
書に記載の液晶スペーサーは、黒色酸化チタン薄膜が化
学量論的組成よりも酸素が欠乏した酸化チタン薄膜であ
るにも拘らず、導電性を殆んど示さず、絶縁性を有す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、液晶表
示装置用スペーサーの黒色度をさらに上げるために、還
元処理時間を長くしたり、還元処理温度を高くすると、
絶縁抵抗が低下し、液晶スペーサーが導電性を示し出す
ことが明らかとなった。従って本発明の目的は、十分な
黒色化度を有し、光の透過を防止することができるとと
もに、絶縁性にも優れ、液晶表示装置用のスペーサーと
して好適な黒色微粒子およびその製造方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、液晶表示
装置用スペーサーの黒色度を向上させるための還元処理
において、その時間を長くしたり、その温度を高くする
と、液晶表示装置用スペーサーの絶縁抵抗が低下し、導
電性を示し出す理由について検討を加えた結果、還元処
理により、化学量論的組成(TiO2 )よりも酸素が欠
乏した酸化チタン[TiOn (n<2)]とともに、こ
の酸化チタンが還元雰囲気中のアンモニアガスなどの窒
素含有ガスと反応してチタンの窒化物(例えばTiNな
ど)を生じ、このチタン窒化物が絶縁抵抗を低下させる
ことを明らかにした。そしてこの絶縁抵抗の低下を防止
するために研究を行なった結果、黒色酸化チタン薄膜付
き金属酸化物微粒子の黒色酸化チタン薄膜表面に絶縁層
を設けることにより、不所望の絶縁抵抗の低下を防止で
きることを見い出した。本発明は、これらの知見に基づ
いてなされたものであり、本発明の黒色微粒子は、金属
酸化物からなる球状微粒子と、この球状微粒子の表面に
設けられた黒色酸化チタン薄膜と、この薄膜の表面に設
けられた絶縁層とを含むことを特徴とする。
【0010】また本発明の黒色微粒子を製造するための
方法は、金属酸化物からなる球状微粒子表面に、TiO
2 からなる酸化チタン薄膜を形成させて酸化チタン薄膜
付き球状微粒子を得る工程と、前記工程で得られた酸化
チタン薄膜付き球状微粒子を還元雰囲気で焼成して前記
酸化チタン薄膜を黒色化し、TiOn (n<2)を主成
分とする黒色酸化チタン薄膜付き球状微粒子を得る工程
と、前工程で得られた黒色酸化チタン薄膜付き球状微粒
子の黒色酸化チタン薄膜表面に絶縁層を設けて、黒色酸
化チタン薄膜および絶縁層付き球状微粒子を得る工程
と、を必須工程として含むことを特徴とする。
【0011】本発明の黒色微粒子を製造するための他の
方法は、金属酸化物からなる球状微粒子表面に、TiO
2 からなる酸化チタン薄膜を形成させて酸化チタン薄膜
付き球状微粒子を得る工程と、前工程で得られた酸化チ
タン薄膜付き球状微粒子の酸化チタン薄膜表面に絶縁層
を設ける工程と、前工程で得られた酸化チタン薄膜およ
び絶縁層付き球状微粒子を還元雰囲気で焼成して前記酸
化チタン薄膜を黒色化し、TiOn (n<2)を主成分
とする黒色酸化チタン薄膜および絶縁層付き球状微粒子
を得る工程と、を必須工程として含むことを特徴とす
る。
【0012】本発明の黒色微粒子において母粒子を構成
する球状微粒子は、SiO2 ,Al2 3 ,ZrO2
どの金属酸化物からなる。この球状微粒子の粒径は、1
〜10μが好ましい。また粒径分布がシャープなものが
好ましく、例えばその変動係数(=標準偏差÷平均値)
は1.5%以下である。この金属酸化物からなる球状微
粒子は、加水分解性を有し、得られた加水分解生成物の
脱水重縮合反応により金属酸化物を生成し得る任意の金
属化合物(例えばアルコキシド、ハロゲン化物など)を
用いて、いわゆるゾルーゲル法により得ることができ
る。特にケイ素のアルコキシドのアンモニア触媒存在下
の加水分解重縮合反応により得られる単分散シリカ(S
iO2 )微粒子が好適である。
【0013】この球状微粒子の表面に設けられる黒色酸
化チタン薄膜は、化学量論的組成(TiO2 )よりも酸
素が欠乏した酸化チタン[TiOn (n<2)]を主成
分とする。このような酸素が欠乏した酸化チタンを主成
分とすることによって、微粒子は黒色を呈して光の透過
を防止し、その結果液晶表示装置用スペーサーとして用
いたときに光の漏れを防止する。上述の如く、この黒色
酸化チタン薄膜は、TiO2 (n<2)を主成分とする
が、他にチタン窒化物(例えばTiNなど)を少量含ん
でいてもよい。この黒色酸化チタン薄膜の膜厚は、光の
透過を防止し得る程度の厚さであれば特に限定されな
い。この黒色酸化チタン薄膜の膜厚は後記する絶縁層の
厚さよりも薄くてよい。
【0014】本発明の黒色微粒子は、上記黒色酸化チタ
ン薄膜の表面に絶縁層を有する。絶縁層としては、絶縁
性を有する金属酸化物であればその種類を問わないが、
化学的耐久性、熱的安定性に優れている点でシリカ(S
iO2 )が好ましく用いられる。なお酸化インジウム、
酸化すずなどの導電性金属酸化物を用いることができな
いことはもちろんである。絶縁層の厚さは、その下に存
在する黒色酸化チタン薄膜の導電性が発現しない厚み以
上であれば特に限定されないが0.05〜0.5μであ
るのが特に好ましい。本発明の黒色微粒子は、黒色度が
高く光の透過を防止できるとともに、電気絶縁性にも優
れており、特にコントラストが要求されるフルカラー表
示の液晶パネル用スペーサーとして好適に使用される。
【0015】次に本発明の黒色微粒子製造方法について
説明する。本発明の黒色微粒子を製造するための方法と
しては下記の方法(A)と方法(B)がある。以下、方
法(A)および方法(B)を順次説明する。
【0016】方法(A) この方法は、以下の3工程を必須工程として含む。 (a1 )金属酸化物からなる球状微粒子表面に、TiO
2 からなる酸化チタン薄膜を形成させて、酸化チタン薄
膜付き球状微粒子を得る工程 (a2 )工程(a1 )で得られた酸化チタン薄膜付き球
状微粒子を還元雰囲気で焼成して前記酸化チタン薄膜を
黒色化し、TiOn (n<2)を主成分とする黒色酸化
チタン薄膜付き球状微粒子を得る工程 (a3 )工程(a2 )で得られた黒色酸化チタン薄膜付
き球状微粒子の黒色酸化チタン薄膜表面に絶縁層を設け
て、黒色酸化チタン薄膜および絶縁層付き球状微粒子を
得る工程 方法(A)において、工程(a1 )は、金属酸化物から
なる球状微粒子表面に、TiO2 からなる酸化チタン薄
膜を形成する工程である。出発物質として用いられる金
属酸化物からなる球状微粒子は、ケイ素、アルミニウ
ム、ジルコニウムなどの金属のアルコキシドの加水分解
重縮合反応により得られた、対応する金属の酸化物から
なる球状微粒子が好ましく、特に単分散シリカ(SiO
2 )の球状微粒子が好ましい。球状微粒子の好ましい粒
径は、1〜10μである。球状微粒子の粒径分布はシャ
ープのものが好ましく、その変動係数は1.5%以下で
ある。
【0017】工程(a1 )において、上記球状微粒子表
面へのTiO2 からなる酸化チタン薄膜の形成は、
(i)有機溶剤を含む液体中に球状微粒子を分散させ、
チタンのアルコキシド(例えばテトラアルコキシチタ
ン)を添加した後、pHを調整した水を加えて加水分解重
縮合させてTiO2 からなる酸化チタンの薄膜を形成す
る方法、(ii)球状微粒子とpHを調整した水を予め有機
溶剤中に混合しておき、これにチタンのアルコキシドを
添加して、加水分解重縮合させてTiO2 からなる酸化
チタンの薄膜を形成する方法などがある。球状微粒子:
チタンのアルコキシドのモル比は、1:0.6モル以
下、好ましくは1:0.05〜0.13モルである。酸
化チタン薄膜は球状微粒子の表面と均一に被覆される必
要はなく、光の漏れを防止できる程度に被覆されていれ
ばよい。上記チタンのアルコキシドの代りに四塩化チタ
ンなどのチタンのハロゲン化物を用いても良い。
【0018】チタンのアルコキシドやチタンのハロゲン
化物などのチタン化合物の加水分解に使用される有機溶
剤は、球状微粒子およびチタン化合物を良く分散させる
ものであれば特に限定されないが、水やメタノール、エ
タノール、プロパノール等のアルコールが好適に用いら
れる。用いられる有機溶剤の量は、球状微粒子の濃度が
20wt%以下、好ましくは5wt%程度となる量である。
また用いられるチタン化合物の種類によっては、加水分
解速度が非常に速く、そのまま溶剤中で反応させると不
均質なコーティングを生じることがあるが、その場合は
アセチルアセトン等のキレート剤やアミルアルコール等
の添加により加水分解速度を調節すればよい。加水分解
液のpHは1〜13.4の範囲とするのが好ましいので、
酢酸などの有機酸や塩酸などの無機酸によってまたはア
ンモニア水によってpHを上記の範囲に調整した水がチタ
ン化合物の加水分解に際して用いられる。これらのpHを
調製した水により、チタン化合物が加水分解重縮合反応
をおこし、酸化物粒子の表面に酸化チタンからなる薄膜
を形成する。
【0019】工程(a1 )によれば、球状微粒子の表面
にTiO2 からなる酸化チタン薄膜が形成されて、酸化
チタン薄膜付き球状微粒子が得られる。前記工程
(a1 )で得られた酸化チタン薄膜付き球状微粒子は、
工程(a2 )において還元雰囲気下で焼成処理される。
還元雰囲気下での焼成処理は、例えば、以下のように行
なわれる。すなわち、各10gの焼成試料を試料焼成容
器(100×100×5mm)に入れた後、複数個(例え
ば2個)の試料焼成容器をシリコニット石英チューブ
(105mmφ×1600mmL:14リットル)に入れ、
次いでチューブ内に400ml/min以上の窒素ガスを4時
間以上流してチューブ内を窒素置換する。次に同様に4
00ml/min以上の窒素ガスを流しながらチューブ内温度
を200℃/hrの昇温速度で室温から700℃に昇温す
る。700℃に到達後、さらに温度を上げながら124
ml/min程度のアンモニアガスを導入し、800℃になっ
た時点で、この温度を保持しつつ同量のアンモニアガス
を3時間以上導入して酸化チタン薄膜を還元する。次に
電気炉から粒子を取り出すため、および降温する間に黒
色チタン層が再び退色するのを防止するため、アンモニ
アガスの導入を停止して、400ml/min程度の窒素ガス
を導入して室温まで冷却する。上の例では酸化チタン薄
膜の還元を800℃で行なったが、還元温度は700〜
1000℃の範囲内で適宜選択できる。この処理によ
り、TiO2 からなる酸化チタン薄膜は還元されて、化
学量論的組成(TiO2 )よりも酸素が欠乏した酸化チ
タン[TiOn (n<2)]を主成分とする黒色の薄膜
が形成される。この黒色薄膜は、酸化チタンとアンモニ
アとの反応によって得られたチタンの窒化物(例えばT
iNなど)を少量含有していても差支えない。
【0020】得られた黒色酸化チタン薄膜付き球状微粒
子は、光を透過しない黒色薄膜を有するので、液晶表示
装置用スペーサーとして用いたときに、このスペーサー
からの光の漏れを防止することができる。
【0021】工程(a2 )で得られた黒色酸化チタン薄
膜付き球状微粒子は、工程(a3 )において、その表面
に絶縁層が設けられる。この絶縁層は、上述の如く絶縁
性を有する金属酸化物であれば、その種類は問わない
が、化学的耐久性、熱的安定性に優れている点でシリカ
(SiO2 )が好ましく用いられる。シリカからなる絶
縁層の形成は、ケイ素のアルコキシド(テトラアルコキ
シシランなど)と、黒色酸化チタン薄膜付き球状微粒子
とを水−アルコール溶剤中でアンモニアによりpHをアル
カリ性に調整して混合して、ケイ素のアルコキシドを加
水分解重縮合させることにより行なうのが好ましい。黒
色酸化チタン薄膜付き球状微粒子:ケイ素アルコキシド
のモル比は、1:0.1〜10、好ましくは1:0.5
〜5である。また溶媒中の球状微粒子濃度は20wt%以
下、好ましくは、3wt%程度である。絶縁層の厚さは、
その下に存在する黒色酸化チタン膜の導電性が発現しな
い厚み以上であれば特に限定されないが、上述のように
0.05〜0.5μであるのが特に好ましい。
【0022】このようにして得られた、黒色酸化チタン
薄膜上に絶縁層を有する球状微粒子は、電気絶縁性に優
れており、また黒色酸化チタン薄膜によってもたらされ
る光の透過防止効果と相まって、液晶表示装置用スペー
サーとして好適に使用される。
【0023】方法(B) この方法は、以下の3工程を必須工程として含む。 (b1 )金属酸化物からなる球状微粒子表面に、TiO
2 からなる酸化チタン薄膜を形成させて酸化チタン薄膜
付き球状微粒子を得る工程 (b2 )工程(b1 )で得られた酸化チタン薄膜付き球
状微粒子の酸化チタン薄膜の表面に絶縁層を設けて、酸
化チタン薄膜および絶縁層付き球状微粒子を得る工程 (b3 )工程(b2 )で得られた酸化チタン薄膜および
絶縁層付き球状微粒子を還元雰囲気で焼成して前記酸化
チタン薄膜を黒色化し、TiOn (n<2)を主成分と
する黒色酸化チタン薄膜および絶縁層付き球状微粒子を
得る工程 方法(B)において、工程(b1 )は方法(A)におけ
る工程(a1 )と同一であり、酸化チタン薄膜付き球状
微粒子を得るものである。従ってその詳細は上記工程
(a1 )についての説明を参照されたい。
【0024】工程(b1 )で得られた酸化チタン薄膜
は、工程(b2 )において、その表面に絶縁層が形成さ
れる。形成される絶縁層の種類および厚さ並びに絶縁層
の形成条件は、方法(A)の工程(a3 )におけると同
一である。
【0025】工程(b2 )で得られた酸化チタン薄膜上
に絶縁層を有する。球状微粒子は、工程(b3 )におい
て、還元雰囲気で焼成処理され、酸化チタン薄膜が黒色
化されてTiOn (n<2)を主成分とする黒色酸化チ
タン薄膜となる。この還元雰囲気下での焼成処理の条件
は、方法(A)の工程(a2 )におけると基本的に同様
であるが、方法(B)の工程(b3 )においては、黒色
化されるべき酸化チタン薄膜上に絶縁層が存在し、酸化
チタン薄膜の還元による黒色化が、絶縁層中に存在する
空孔を介して流入した還元性ガス(例えばアンモニアガ
スなど)が酸化チタン薄膜と接触することによって行な
われるため、この点を考慮して還元処理条件を決定する
必要がある。例えば方法(A)の工程(a3 )において
は、700℃に昇温後に還元性ガスであるアンモニアガ
スを導入したが、方法(B)の工程(b3 )において
は、室温から800℃への昇温開始時からアンモニアガ
スを導入し、アンモニアガスによる還元時間を長くする
のが好ましい。
【0026】上述のように、方法(B)は、絶縁層を形
成したのち、酸化チタン薄膜の黒色化を行なっている点
で、酸化チタン薄膜の黒色化の後、絶縁層を形成する方
法(A)と異なるが、方法(B)で得られた黒色微粒子
も光の透過防止性、電気絶縁性に優れており、液晶表示
装置用スペーサーとして好適に用いられる。
【0027】
【実施例】以下実施例にしたがって本発明を詳細に説明
する。
【0028】実施例1(方法(A)) 粒子径が3.4μm の単分散シリカ微粒子(球状微粒
子)10gをメタノール100gに添加し、10分間超
音波処理を行って分散させのち、pHを2に調整した水2
0gを添加、混合してシリカ微粒子の分散液を得た。別
に4.8gのTi(Oi−C3 7 4 を予め10gの
tert−アミルアルコールと混合したのち60gのメタノ
ールと混合した液をつくり、これを30℃に保ったシリ
カ微粒子の分散液に撹拌しながら滴下混合した。数時間
撹拌後反応液を静置して目的の粒子を沈降させた後、デ
カンテーションにより液中に浮遊している微粒子を取り
除いた。水を加えて沈降、デカンテーションを数度繰り
返した後、凍結乾燥することにより、酸化チタン(Ti
2 )薄膜を有するシリカ微粒子を得た。次いで得られ
た乾燥微粒子各10gを各石英ガラス製ルツボに入れ、
2個のルツボを石英ガラスチューブからなる炉心管(シ
リコニット石英チューブ)内に設置し、炉心管内を窒素
ガスによってパージした(窒素ガス流量≧400ml/mi
n, 時間≧4hrs)。次いで同量の窒素ガスを流しながら
毎時200℃の速さで昇温し、700℃に達した時点で
液体アンモニアボンベより約124ml/minのアンモニア
ガスを炉心管内に導入し、800℃に到達後同量のアン
モニアガスを流しながらその温度で3時間加熱処理して
酸化チタンを還元して黒色化した。得られた粒子は黒色
(Y値0.5%)であり、X線回折測定の結果、黒色酸
化チタン層はTiOn (n<2)以外に窒化チタン(T
iN)を少量含んでいた。この粒子を電極の間に充填し
て本実施例の末尾に示す抵抗測定法により抵抗を測定し
たところ、導電性があることが確認された。この黒色酸
化チタン薄膜付きシリカ微粒子の5gを再びメタノール
100gに分散させ、超音波を30分照射して粒子を十
分に分散させた後、25%アンモニア水30gとメタノ
ール30gとの混合液を添加した。10分撹拌の後、テ
トラエトキシシラン17.3gとメタノール10gとの
混合液を滴下し、絶縁層としてシリカを黒色酸化チタン
薄膜の表面にコーティングした。得られた絶縁層を有す
る黒色粒子の分散液を沈降−デカンテーションにより洗
浄を繰り返して精製した後、乾燥することにより真球状
の黒色粒子が得られた(黒色度Y値:1.0%)。この
黒色酸化チタン層および絶縁層を有するシリカ微粒子を
電極の間に充填して絶縁抵抗を本実施例の末尾に示す方
法により測定した。
【0029】その結果、本実施例で得られた黒色酸化チ
タン層および絶縁層を有するシリカ微粒子の絶縁抵抗は
106 Ω以上であった。また粒子径分布は母粒子である
シリカ微粒子の粒子径分布の単分散性(CV値:1.5
%)を保っていた。
【0030】(抵抗測定法) 測定セルへの試料のセッティング 外径30mm、内径10mm、長さ50mmのアクリル製パイ
プに測定試料約0.15gを入れ、この試料を真鍮製ロ
ッド(直径10mm弱、長さ30mm)2本で上下から挟
み、圧縮させる(試料の厚み1mm以上)。 圧縮方法 下部を固定させ、上部に約6kgのおもりを乗せて圧縮す
る。 測定 真鍮製ロッドの試料に接していない面にテスターの端子
を接続した後、直接テスターの抵抗値を読み取る。 実施例2(方法B) 実施例1と同様の手順で単分散シリカ微粒子(球状微粒
子)の表面に酸化チタンをコーティングし、沈降−デカ
ンテーションを繰り返した後、凍結乾燥を行って酸化チ
タン(TiO2 )薄膜がコーティングされた白色単分散
粒子を得た。これをシード粒子として、実施例1と同様
に絶縁層としてシリカをコーティングし、沈降−デカン
テーションを繰り返して洗浄した後、凍結乾燥してシリ
カ−酸化チタン−シリカの三層構造の白色微粒子を得
た。得られた白色微粒子の還元処理は、昇温前の室温時
からアンモニアガスを導入した以外は実施例1と同様に
行なった。すなわち白色微粒子を収容したルツボを石英
ガラスチューブからなる炉心管内に設置し、炉心管内を
窒素ガスによってパージした。次いでアンモニアガスを
炉心管に導入し、その後アンモニアガスを流しながら毎
時200℃の速さで800℃まで昇温し、その温度で4
時間熱処理して中間層の酸化チタン(TiO2)をTi
n (n<2)に還元して黒色化させた(Y値1.0
%)。得られた黒色微粒子を電極の間に充填して絶縁抵
抗を測定したところ106 Ω以上であった。また粒子径
分布は母粒子であるシリカ微粒子の粒子径分布の単分散
性を保っていた。
【0031】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、黒
色度が高く光の透過を防止できるとともに電気絶縁性に
も優れている黒色微粒子およびその製造方法が提供され
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 3/06 PBT 6904−4J G09F 9/30 323 6447−5G

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物からなる球状微粒子と、この
    球状微粒子の表面に設けられた黒色酸化チタン薄膜と、
    この薄膜の表面に設けられた絶縁層とを含むことを特徴
    とする黒色微粒子。
  2. 【請求項2】 金属酸化物からなる球状微粒子表面に、
    TiO2 からなる酸化チタン薄膜を形成させて酸化チタ
    ン薄膜付き球状微粒子を得る工程と、 前記工程で得られた酸化チタン薄膜付き球状微粒子を還
    元雰囲気で焼成して前記酸化チタン薄膜を黒色化し、T
    iOn (n<2)を主成分とする黒色酸化チタン薄膜付
    き球状微粒子を得る工程と、 前工程で得られた黒色酸化チタン薄膜付き球状微粒子の
    黒色酸化チタン薄膜表面に絶縁層を設けて、黒色酸化チ
    タン薄膜および絶縁層付き球状微粒子を得る工程と、を
    必須工程として含むことを特徴とする黒色微粒子の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 金属酸化物からなる球状微粒子表面に、
    TiO2 からなる酸化チタン薄膜を形成させて酸化チタ
    ン薄膜付き球状微粒子を得る工程と、 前工程で得られた酸化チタン薄膜付き球状微粒子の酸化
    チタン薄膜の表面に絶縁層を設ける工程と、 前工程で得られた酸化チタン薄膜および絶縁層付き球状
    微粒子を還元雰囲気で焼成して前記酸化チタン薄膜を黒
    色化し、TiOn (n<2)を主成分とする黒色酸化チ
    タン薄膜および絶縁層付き球状微粒子を得る工程と、を
    必須工程として含むことを特徴とする黒色微粒子の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の黒色微粒子からなる液
    晶表示装置用スペーサー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997047417A1 (fr) * 1996-06-10 1997-12-18 Nittetsu Mining Co., Ltd. Revetement de poudre a couches minces multiples et son procede de fabrication
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US8779173B2 (en) 2012-06-08 2014-07-15 Fuji Xerox Co., Ltd. Method of preparing silica composite particles

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