JP2005022941A - 赤外線遮蔽ガラスおよびその製造方法 - Google Patents

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Hiroyuki Tomonaga
浩之 朝長
Kazuo Sunahara
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Abstract

【課題】耐熱性に優れ、可視光透過率が高く、赤外線透過率(特に、近赤外領域の赤外線透過率)が低く、電磁波透過性が高い赤外線遮蔽ガラスおよびその製造方法の提供。
【解決手段】ガラス基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有量が0.1〜10質量%であるフッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布することにより赤外線遮蔽膜が形成されてなることを特徴とする赤外線遮蔽ガラス。および前記フッ素含有ITO微粒子の平均一次粒子径が100nm以下である前記赤外線遮蔽ガラス。
【選択図】なし

Description

本発明は、車両用ガラス、建築用ガラス等に応用できる赤外線遮蔽ガラスであって、耐熱性に優れ、電磁波透過性を有する赤外線遮蔽ガラスに関する。
近年、車両用ガラスや建築用ガラスを通して車内や建物内に流入する赤外線(熱線)を遮蔽し、車内や建物内の温度上昇、冷房負荷を軽減する目的から赤外線遮蔽ガラスが採用されている。また、車両用ガラスや建築用ガラスでは、安全性の点や視界を確保するため、可視光透過率が高いことが要求されている。これらの要求に加えて、近年携帯電話の普及等により、電磁波障害を低減でき、電磁波透過性が高く、かつ可視光透過率の高いガラスが求められている。
ガラスに赤外線遮蔽性を付加させ熱線遮蔽性を高める手法は、これまでにも提案されており、例えば、ガラス素地に赤外線吸収性のイオンを加えることによりガラスそのものに赤外線遮蔽性を付加しようとしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、ガラス表面に導電膜を形成することにより赤外線遮蔽性を付加しようとしたものなどが提案されている(例えば、特許文献2、3および4参照。)。
しかし、ガラス素地に赤外線吸収性のイオンを加える方法では、可視光透過率を高く保ったまま赤外線吸収性を高めることは困難であり、特に波長1.5〜2.7μmの範囲の赤外線の遮蔽性を高めることは困難であった。また、スパッタリング法、電子ビーム法、蒸着法、スプレーパイロリシス法などの方法によってガラス表面にITO(スズドープ酸化インジウム)や銀などの導電膜を形成する方法では、被膜の高い電気伝導度のために電磁波がガラス中を透過することができず、可視光透過性、赤外線遮蔽性、および電磁波透過性を満足するガラスを得ることは困難であった。
上記問題点を解決するために、赤外線遮蔽粉末をマトリックス中に分散させた塗布液を形成し、その塗布液をガラス基板上に塗布し成膜することにより赤外線遮蔽ガラスを製造することが試みられている。前記赤外線遮蔽粉末としては、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ITOなどが例示される。このうち、ATOは可視光域に若干の吸収があり、自動車のフロントサイドガラスなどの高透過性が要求されている部位には使用しにくいため、ITOを含有する赤外線遮蔽膜が提案されている(例えば、特許文献5および6参照。)。
一方、開口部などに赤外線遮蔽ガラスを使用する場合、大気中に被膜が露出しているため、被膜の耐久性の要求が厳しい。耐久性を高めるためには、赤外線遮蔽粉末を無機質のマトリックスとともに混合して塗布液を作成し、その塗布液をガラス基板上に塗布した後、高温で熱処理して硬質の被膜を形成する必要がある。しかし、ITOは酸素欠損型の複合酸化物であり、特に高い赤外線遮蔽性を有するITOでは、結晶格子中の酸素欠損の程度が高く、高温の大気中で熱処理した場合にITOの酸化が進行し酸素欠損が失われる結果、赤外線遮蔽性が消失する問題があった。そのため、高温で熱処理するためには、大気が存在しない雰囲気、つまり不活性雰囲気や還元性雰囲気が必要となるため、経済性、生産性に劣っていた。
特開平4−187539号公報 特開昭63−206332号公報 特開平1−145351号公報 特開平7−315876号公報 特開平7−70481号公報 特開平8−41441号公報
本発明は、上述したような赤外線遮蔽ガラスの問題を解決すべく、耐熱性に優れ、可視光透過率が高く、赤外線透過率(特に、近赤外領域の赤外線透過率)が低く、電磁波透過性が高い赤外線遮蔽ガラスおよびその製造方法の提供を目的とする。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(8)を提供する。
(1)ガラス基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有量が0.1〜10質量%であるフッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布することにより赤外線遮蔽膜が形成されてなることを特徴とする赤外線遮蔽ガラス。
(2)前記フッ素含有ITO微粒子の平均一次粒子径が100nm以下である請求項1に記載の赤外線遮蔽ガラス。
(3)前記赤外線遮蔽膜の表面抵抗値が10MΩ/□以上である請求項1または2に記載の赤外線遮蔽ガラス。
(4)JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が35%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が20%以下である請求項1、2または3に記載の赤外線遮蔽ガラス。
(5)JIS−R3212(1998年)により定められるテーバー式磨耗試験において、CF−10F磨耗輪を用い、4.9Nの荷重で1000回転させた後、JIS−R3212(1998年)により定められるヘーズメータを用いて測定したヘーズ率が5%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽ガラス。
(6)前記塗布液中に前記フッ素含有ITO微粒子と前記マトリックス成分とが、質量比で、前記フッ素含有ITO微粒子:酸化物換算の前記マトリックス成分=1:9〜9:1の割合で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽ガラス。
(7)前記赤外線遮蔽膜の膜厚が0.1〜5μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽ガラス。
(8)ガラス基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有量が0.1〜10質量%であるフッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布した後、400〜750℃で1〜60分間加熱することを特徴とする赤外線遮蔽ガラスの製造方法。
本発明の赤外線遮蔽ガラスは、耐磨耗性が高く、大気中に赤外線遮蔽膜が露出している場所であっても充分に使用可能である。また、高い電磁波透過性を有するため、室内に電磁波受信体および/または電磁波発信体(アンテナなど)を配置している場合に電磁波受信体が受信すべき電磁波や電磁波発信体が発信した電磁波を減衰させることがない。また、プリントアンテナ付きガラスにプリントアンテナを覆って赤外線遮蔽膜を形成する場合でも、赤外線遮蔽膜によって電磁波が減衰してアンテナの利得が低下するのを防止できる。また、近年、普及が著しい携帯電話の電磁波障害も防止できる。また、本発明の赤外線遮蔽ガラスは、赤外線透過率が低く断熱性に優れ、可視光透過率も高いため、車両用ガラス、建築用ガラス等に有用である。
本発明における赤外線遮蔽膜は、ガラス基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有量0.1〜10質量%のフッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布することにより形成される。本発明は、ITO微粒子にフッ素を含有させたことを特徴としており、この含有により、形成される赤外線遮蔽膜の耐熱性が大幅に向上する。
また、本発明は、形成される赤外線遮蔽膜の抵抗値を高めたことを特徴としている。この特徴は、前記フッ素含有ITO微粒子を赤外線遮蔽膜中で凝集させることなく高度に分散させることによって、微粒子どうしのコンタクトを制限したことにより生じると考えられる。また、前記フッ素含有ITO微粒子を含む赤外線遮蔽膜は、可視光の透過率を高く保ったままフッ素含有ITO微粒子内の自由電子によるプラズマ振動によって赤外線を遮蔽することができる。
本発明におけるフッ素含有ITO微粒子としては、ITO微粒子の結晶格子中にフッ素が導入されているものが好ましく、単に吸着されているものでもよい。ITO微粒子中にフッ素を含有させることにより、耐熱性にすぐれた赤外線遮蔽膜を形成できる。
本発明のフッ素含有ITO微粒子に用いられるITO粉末は、例えば、以下に述べる方法で作成できる。
まず、インジウムの水溶性塩とスズの水溶性塩とを含む水溶液をアルカリ性溶液と混合して、インジウムの水酸化物とスズの水酸化物とを共沈させる。この共沈物を大気中で加熱焼成して酸化物に変換させることによりITO粉末が形成される。水酸化物の混合物のみならず、インジウムの水酸化物および/または酸化物とスズの水酸化物および/または酸化物との混合物も広く使用できる。本発明においては、このような方法で作成されたITO粉末を利用することもできるし、導電性粉末として市販されているITO粉末をそのまま利用することもできる。上記ITO粉末中のスズとインジウムとの比率は、スズ/(インジウム+スズ)のモル比で0.01〜0.15であることが赤外線遮蔽性の点で好ましい。
上記ITO粉末を分散媒に分散させることにより、ITO微粒子の分散液を作成する。前記分散媒としては、水でもよく、有機溶媒でもよく、水と有機溶媒との混合溶媒でもよく、ITO粉末を分散性よく分散させ得る分散媒が採用される。前記有機溶媒としては、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などを適宜選択または混合して使用できる。この際、分散液に分散剤を添加して分散液の分散性を高めることもできる。分散剤としては、アクリルポリマー系分散剤が例示できる。溶媒として水を用いる場合は、分散性の点で、pHを2〜6としておくことが好ましい。分散液を作成後、より分散性を高めるために、超音波照射、ホモジナイザー、ビーズミル、サンドミル、ジェットミル、ナノマイザー等の装置を用いて分散処理を行ってもよい。
上記分散液中のITO粉末の濃度(固形分濃度)は、1〜50質量%であることが好ましい。1質量%未満であると効率の点で好ましくなく、50質量%超であると分散が困難となるため好ましくない。
上記分散液に、フッ素化合物を添加してITO微粒子にフッ素化合物を吸着(含浸)させることによりフッ素含有ITO微粒子を作成する。フッ素化合物としては、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化アルカリ(フッ化リチウム、フッ化ナトリウム等)、フッ化第1スズ、フッ化第2スズ、フッ化インジウム、フッ化水素アンモニウム、ケイフッ化水素酸、ケイフッ化アンモニウム、ホウフッ化水素酸、ホウフッ化アンモニウム、リンフッ化水素酸、リンフッ化アンモニウムなどの無機フッ素化合物や、フッ素含有樹脂などの有機フッ素化合物が挙げられるが、後述するような焼成による分解によってフッ素を放出できる化合物であれば特に限定はされない。これらのフッ素化合物のうち、取扱い性や含浸効率などを考慮すると、フッ化アンモニウム、フッ化第1スズ、フッ化インジウム、ケイフッ化アンモニウムが好ましく用いられる。
フッ素化合物は、そのまま分散液に添加してもよいが、あらかじめフッ素化合物を溶解させた溶液を分散液に加えることが、ITO微粒子に均質にフッ素化合物を吸着させることができる点で好ましい。フッ素化合物を溶解させるための溶媒としては、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類などを適宜選択または混合して使用できるが、分散液と均一に混合し得る溶媒である必要がある。分散液中のフッ素化合物の添加量は、フッ素化合物の種類やその後の処理条件によって異なるが、ITO微粒子に対して1〜100質量%であることが好ましい。1質量%未満では吸着されるフッ素の量が不足するおそれがあり充分な耐熱性が得られないおそれがあり、100質量%超ではフッ素が過剰になり経済性の点で好ましくない。
フッ素化合物を分散液に添加して得た混合液に対して、必要に応じて撹拌や加熱処理などを行う。その後、減圧下の大気中にて200℃以下での加熱、濾別、遠心分離などの公知の手法を用いて混合液中の液媒を除去し、フッ素化合物が吸着されたITO粉末が得られる。
上記方法で得られたフッ素化合物が吸着されたITO粉末を、非酸化性雰囲気で焼成してフッ素含有ITO粉末を形成する。非酸化性雰囲気とは、酸素や炭酸ガスといった酸化性ガスを実質的に含まない雰囲気であり、具体的には酸素濃度が1.0体積%以下、特に0.1体積%以下であることが焼成中のITOの酸化抑制という点で好ましい。フッ素化合物が吸着されたITO粉末の焼成を非酸化性雰囲気中で行うことにより、ITOの結晶格子中にフッ素を導入すると同時にITO中に酸素欠損を形成し、ITO粉末に高い赤外線遮蔽性を付与できると考えている。非酸化性雰囲気中には、窒素、アルゴン、アンモニアなどの非酸化性ガスを含む。焼成後のフッ素含有ITO粉末の赤外線遮蔽性を良好とするために、非酸化性雰囲気は水素を含むことが好ましく、水素の含有量は非酸化性雰囲気中に1〜5体積%、特に1〜4体積%であることが好ましい。
上記焼成の温度は、添加したフッ素化合物の種類によって最適な値が異なるが、300〜800℃とされる。300℃未満では吸着したフッ素化合物の分解が進みにくいためにITO粉末にフッ素が導入されにくく、800℃超ではこれ以上フッ素の導入効果は向上しないため、エネルギー効率的に好ましくない。上記焼成の時間は30分間〜24時間が好ましく、焼成後は室温付近まで同じ非酸化性雰囲気中で冷却されることが好ましい。
上記方法によって製造されたフッ素含有ITO粉末は、耐熱性に優れ、特に車両用の赤外線遮蔽ガラスの赤外線遮蔽膜材料として有用である。フッ素含有ITO粉末中のスズの含有量は、スズ/(インジウム+スズ)のモル比で0.01〜0.15、特に0.04〜0.12であることが赤外線遮蔽性の点で好ましい。
本発明におけるフッ素含有ITO粉末のフッ素含有量(すなわちフッ素/(ITO+フッ素))は、0.1〜10質量%、特には1〜10質量%、さらには1〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%未満では、耐熱性向上の効果が低く、10質量%超では、赤外線遮蔽性そのものを低下させるおそれがある。フッ素含有の形態としては、混合している場合、吸着されている場合のいずれでもよいが、結晶格子に導入されていることが、耐熱性の点で好ましい。
フッ素含有ITO粉末の耐熱性は、フッ素含有ITO粉末の分光反射率により見積もることができる。前記分光反射率は、まず、ITO粉末をセルに充填し、充填したITO粉末の表面をJIS−Z8722(2000年)に従い積分球付きの分光光度計により全拡散反射を測定することにより求められる。前記分光反射率の極大波長は、測定されたITO粉末の赤外線遮蔽性と密接に関連しており、この分光反射率の極大波長が短波長側にあるほど赤外線遮蔽性が優れていることを意味する。つまり、焼成後であっても、分光反射率の極大波長が焼成前と同様に短波長側にあれば、耐熱性に優れているといえる。
フッ素含有ITO粉末は、フッ素が含まれていないITO粉末と比較して高い耐熱性を有するため、高温・大気中で焼成しても分光反射率が長波長側へ大きく移動することがない。焼成は、フッ素含有ITO粉末を含む被膜の耐久性を上げるためには、例えば700℃、10分間で行うことが好ましく、また生産性の点から大気中で行うことが好ましい。フッ素含有ITO粉末は、このような非常に過酷な焼成を経た後でも分光反射率の極大波長が550nm以下であり、充分な耐熱性を有する。焼成後のフッ素含有ITO粉末は、その分光反射率の極大波長が500nm以下であることが特に好ましく、460nm以下であることがさらに好ましい。
特に、フッ素含有ITO粉末を含む被膜が自動車用の窓ガラス上に形成されている場合には、前記窓ガラスを強化するために、大気中、700℃で3〜4分の加熱工程にて前記窓ガラスを処理させる必要があり、この加熱工程で充分な耐熱性を得るためには、例えば、大気中、700℃で10分間焼成し、耐熱性が良好であることを確認することが好ましい。
フッ素がITOに導入されることで、なぜ耐熱性が向上するかについては、明確にはわかっていない。しかし、フッ素はITO格子中の酸素欠損サイトにトラップされてこのサイトを占有していると考えられ、大気中で高温にさらされた際、酸素欠損サイトへ酸素が入るのを抑制していることから、耐熱性が優れるのではないかと推測される。
本発明におけるフッ素含有ITO微粒子は、フッ素含有ITO粉末を塗布液中で分散させることにより形成される。フッ素含有ITO微粒子は、塗布液中で凝集せずに高度に分散されていることが好ましく、あらかじめフッ素含有ITO微粒子を分散媒に分散したコロイド状分散液を塗布液として用いることが好ましい。これらフッ素含有ITO微粒子は、サンドミル、ビーズミルや超音波分散法などによって分散させることで得ることができる。また、この分散液はアルコール、水などで任意に希釈し、塗布液とすることができる。
また、フッ素含有ITO微粒子は、フッ素含有ITO粉末と同様、フッ素含有量(すなわちフッ素/(ITO+フッ素))が0.1〜10質量%、特には1〜10質量%、さらには1〜5質量%であることが好ましい。0.1質量%未満では耐熱性向上の効果が低く、10質量%超では赤外線遮蔽性そのものを低下させるおそれがある。
塗布液中のフッ素含有ITO微粒子の平均一次粒子径は、100nm以下、特に50nm以下、さらに20nm以下であることが好ましい。平均一次粒子径が100nm超であると、光の散乱により赤外線遮蔽膜の透明性が低下するため好ましくない。
本発明における赤外線遮蔽膜を形成する塗布液は、フッ素含有ITO微粒子の他にマトリックス成分をも含む。前記マトリックス成分は、前記フッ素含有ITO微粒子の分散媒体として機能し、フッ素含有ITO微粒子どうしのコンタクトを抑制し、また基板への密着性や膜硬度を増大させる。前記マトリックス成分としては、酸化ケイ素の前駆体であることが好ましく、具体的には、シラン化合物を加水分解、重縮合させて得られるものや、未変性のシリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、水ガラスなどが挙げられる。形成される被膜の機械的耐久性や基板への密着性などを考慮すると、シラン化合物を加水分解、重縮合させて得られる、いわゆるゾルゲル法を用いたマトリックス成分が好ましく用いられる。
ここで、シラン化合物とは、一般式RSiY4−aで表される化合物(aは0、1または2であり、Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルケニル基または水素原子であり、aが2のとき2つのRは互いに同一でも異なっていてもよく、Yは炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などの加水分解性基であって、複数のYは互いに同一でも異なっていてもよい。)であり、特にYがメトキシ基またはエトキシ基であるものが好ましい。
前記シラン化合物は単独でも、2種以上混合しても用いることができる。また前記シラン化合物は、水および必要に応じ触媒を添加して加水分解および重縮合させてもよい。アルコキシ基などの加水分解性基が加水分解されることでバインダ性が発現し、加水分解条件を制御することで塗布液中において適度な重縮合構造を形成し、形成された被膜の膜硬度が増大する。
さらに、前記塗布液中に、マトリックス成分となり得るジルコニウム、チタン、アルミニウム、ホウ素、リン等の化合物を添加できる。特に、平均一次粒子径50nm以下のシリカやアルミナの微粒子を塗布液中に分散させるとより厚く硬い被膜を得られるため好ましい。
また、前記塗布液中には、前記フッ素含有ITO微粒子と酸化物換算した前記マトリックス成分とが質量比で1:9〜9:1となる割合で含まれていることが好ましく、3:7〜7:3となる割合で含まれていることが特に好ましい。前記フッ素含有ITO微粒子の含有量が1/9未満であると赤外線遮蔽性が低下するため好ましくなく、9/1超であると膜強度が低下するので好ましくない。また、塗布液中の固形分(前記フッ素含有ITO微粒子と前記マトリックス成分との合計量)の濃度は、1〜30質量%、特に5〜20質量%であることが塗布後の膜厚制御がしやすい点で好ましい。
本発明において、前記塗布液を基板へ塗布する方法は、特に限定されず、スプレー法、ディップ法、ロールコート法、メニスカスコート法、スピンコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法等が使用できる。また、塗布した後、赤外線遮蔽膜を硬化させ、高い耐磨耗性を得るため、加熱することが好ましく、350〜750℃で1〜60分間、大気中または不活性ガス中で加熱することが好ましい。350℃未満ではマトリックス成分のネットワークが充分に形成されず、耐久性が低下するおそれがあり、750℃超では、基板となるガラスが変形するおそれがある。特には、550〜750℃で1〜20分間である。また、加熱の温度が高い場合は、加熱時間を短くすることが経済性の点で好ましい。さらに、生産性、経済性の点で、不活性ガス中よりも大気中で加熱することが好ましい。フッ素含有ITO微粒子は、通常のITO微粒子では酸化が進行するため赤外線遮蔽性が低下するような大気中での加熱を経た後でも充分な耐熱性を有し、かつ高い耐磨耗性を有し、赤外線遮蔽ガラスの被膜の材料として有用である。
本発明における赤外線遮蔽膜の膜厚は、0.1〜5μmであることが好ましい。膜厚が0.1μm未満では充分な赤外線遮蔽性が発揮できないおそれがあり、膜厚が5μm超では赤外線遮蔽膜にクラックが発生したり、電磁波透過性が低下するおそれがある。特に好ましい膜厚は1〜5μmであり、さらには1〜3μmである。
本発明で用いられるガラス基板としては、JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率(以下、単に可視光透過率という。)が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が45%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が40〜70%であるガラス基板(以下、G1基板という。)を用いることが好ましい。具体的には、自動車ガラスなどに用いられる透過色調がグリーン系の熱線吸収ガラスが挙げられる。前記ガラス基板の厚さは、上記特性を有していれば特に限定されず、1.5〜7mmが好ましい。
上記G1基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布し形成された赤外線遮蔽膜を有する赤外線遮蔽ガラスは、耐熱性に優れ、可視光透過率が高くて透明性に優れ、かつ全赤外線領域(0.8〜2.7μm程度)において透過率が低い理想的な赤外線遮蔽ガラスとなる。
G1基板上に前記赤外線遮蔽膜を形成された赤外線遮蔽ガラスにおいては、可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が35%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が20%以下であり、赤外線遮蔽ガラスの可視光透過率とG1基板の可視光透過率との差が10%以内であることが好ましい。さらに好ましくは、波長1.0μmにおける透過率が30%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が10%以下である。なお、前記赤外線遮蔽膜は、G1基板の片面のみならず、両面に形成されていてもよい。
さらに、本発明で用いられるガラス基板としては、可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が30%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が40〜50%であるガラス基板(以下、G2基板という。)を用いることも好ましい。具体的には、自動車用ガラスなどに用いられ、熱線吸収性を高めた、透過色調がグリーン系の高熱線吸収ガラスが挙げられる。前記ガラス基板の厚さは、上記特性を有していれば特に限定されず、1.5〜7mm程度が好ましい。
上記G2基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布し形成された赤外線遮蔽膜を有する赤外線遮蔽ガラスは、耐熱性に優れ、可視光透過率が高く透明性に優れ、かつ全赤外線領域(0.8〜2.7μm程度)において透過率が低い理想的な赤外線遮蔽ガラスとなる。
G2基板上に前記赤外線遮蔽膜を形成した赤外線遮蔽ガラスにおいては、可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が25%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が15%以下であり、赤外線遮蔽ガラスの可視光透過率とG2基板の可視光透過率との差が10%以内であることが好ましい。さらに好ましくは、波長1.0μmにおける透過率が20%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が10%以下である。なお、前記赤外線遮蔽膜は、ガラス基板上の片面のみならず、両面に形成されていてもよい。
また、本発明の赤外線遮蔽ガラスは、フッ素含有ITO微粒子がマトリックス中に分散された被膜を有し、微粒子どうしのコンタクトが制限されていると考えられることから、スプレー法や蒸着法で得られる通常の連続した導電膜を有するガラスと比較して表面抵抗値は非常に高くなり、電磁波は赤外線遮蔽ガラスの表面で反射することなく透過することができる。具体的には、赤外線遮蔽膜の表面抵抗値が10MΩ/□以上であることが好ましい、10MΩ/□未満では、高周波化が進む通信用電磁波の透過性を維持できなくなるおそれがある。前記表面抵抗値は100MΩ/□以上であることが、電磁波透過性の点から特に好ましい。
本発明の赤外線遮蔽ガラスの用途は、高い可視光透過性や高い電磁波透過性が要求される用途に好適に用いられ、例えば、自動車用や建築用などの用途が挙げられ、特に自動車用の単板のフロントサイドガラスとして好適に用いられる。
以下、本発明の実施例(例1〜4)および比較例(例5、6)を挙げてさらに説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、形成された赤外線遮蔽膜中のフッ素含有ITO微粒子の平均一次粒子径は透過型電子顕微鏡(日立製作所製:H−9000)観察により測定し、得られた赤外線遮蔽ガラスを以下のとおり評価した。
1)膜厚:触針式膜厚計(スローン社製:Dektak3030)により赤外線遮蔽膜の膜厚を測定した。
2)可視光透過率(T):分光光度計(日立製作所製:U−3500)により380〜780nmにおける赤外線遮蔽ガラスの透過率を測定し、JIS−R3106(1998年)により可視光透過率を算出した。
3)赤外線透過率:分光光度計(日立製作所製:U−3500)により、波長1.0μmにおける赤外線遮蔽ガラスの透過率(T)および波長2.0μmにおける赤外線遮蔽ガラスの透過率(T)を測定した。
4)表面抵抗値:表面抵抗測定器(三菱化学社製:ロレスタMCP−T250型)により赤外線遮蔽膜の表面抵抗値を測定した。
5)耐摩耗性:JIS−R3212(1998年)に示されるテーバー式摩耗試験により、CS−10F摩耗輪を用い、4.9Nの荷重で1000回転させた後のヘーズ率をJIS−R3212(1998年)に示されるヘーズメータを用いて測定した。7%以下、特には5%以下であることが実用上好ましい。
(1)フッ素含有ITO微粒子分散液Aの作成
スズ/(インジウム+スズ)のモル比で0.05となるように塩化スズと塩化インジウムとを溶解させた水溶液(金属濃度として0.1モル/リットル)中に、1質量%のアンモニア水溶液を滴下して、インジウムの水酸化物とスズの水酸化物とを共沈させた。その共沈物から遊離した塩化物イオン、アンモニウムイオンおよび水を遠心分離によって除去した後、大気中600℃で2時間焼成し、平均一次粒子径30nmのITO粉末を得た。
得られたITO粉末120gを、硝酸によってpH=3に調整したイオン交換水280g中に添加し、湿式ジェットミルを用いて分散処理を行い、ITO微粒子が分散した分散液を得た。得られた分散液中のITO微粒子の平均分散粒子径は100nmであり、得られた分散液の固形分濃度は26質量%であった。
この分散液100gを内容量500mlのポリプロピレン樹脂製の蓋つき容器に入れ、フッ素化合物として10質量%フッ化アンモニウム水溶液25.3g((ITO+フッ素)に対してフッ素5質量%に相当。)を添加して40℃で30分間、温浴中で撹拌を行った。この後、70℃で12時間の乾燥により水分を除去して得られた粉末を、アルミナ製の角型こう鉢に入れ、3体積%の水素を含む窒素雰囲気中にて400℃で2時間の焼成を行い、同じ3体積%の水素を含む窒素雰囲気中で炉冷した。この後、粉末の体積に対して100倍の体積を有する純水中に得られた粉末を投入し、濾過洗浄を行い、余剰のフッ化アンモニウムを取り除いた。得られた粉末を乳鉢で粗粉砕してフッ素含有ITO粉末を得た。
得られたフッ素含有ITO粉末中のフッ素濃度は、以下のようにして定量した。すなわち、フッ素含有ITO粉末に水酸化ナトリウムを加えて融解させ、冷却後純水中に溶解させた。得られた溶液に塩酸を加えて中和し、その後1.0モル/リットルのクエン酸ナトリウム水溶液を塩酸でpH=6に調整したクエン酸イオン強度緩衝液を加えて測定液とし、フッ素イオン電極を用いてフッ素濃度を測定した。フッ素含有ITO粉末中のフッ素濃度は1.8質量%であった。
得られたフッ素含有ITO粉末20gを、硝酸によってpH=3に調整したイオン交換水40gとエタノール40gとの混合溶媒中に添加し、湿式ジェットミルを用いて分散処理を行い、固形分濃度20質量%、平均一次粒子径90nmの分散液Aを得た。
(2)ITO微粒子分散液Bの作成
10質量%フッ化アンモニウム水溶液をまったく添加しなかったこと、および100倍体積の純水中で粉末を濾過洗浄する工程を行わなかったこと以外は、分散液Aと同様にして、フッ素が含有していないITO微粒子を得た。(1)と同様の方法でイオン電極を用いて測定したフッ素が含有していないITO微粒子中のフッ素濃度は0.0質量%であった。
得られたITO微粒子20gを、硝酸によってpH=3に調整したイオン交換水40gとエタノール40gとの混合溶媒中に添加し、湿式ジェットミルを用いて分散処理を行い、固形分濃度20質量%、平均一次粒子径90nmの分散液Bを得た。
(例1)
分散液A10gに、メチルトリメトキシシラン4g、テトラメトキシシラン0.5g、エタノール12gを混合し、40℃で2時間撹拌して塗布液とした。塗布液中の固形分濃度は15質量%、フッ素含有ITO微粒子の平均一次粒子径は30nmであった。得られた塗布液を、100mm×100mm×3.5mmの高熱線吸収グリーンガラス(旭硝子社製:商品名UVFL、T=76%、T=20%、T=47%)上にスピンコート法によって成膜した。120℃の大気中で5分間乾燥させ、乾燥後の赤外線遮蔽ガラスを得た。得られた赤外線遮蔽ガラスのT、TおよびTを測定した。
その後、660℃の大気中で5分間焼成を行い、焼成後の赤外線遮蔽ガラスを得た。得られた被膜の膜厚、T、T、T、表面抵抗値および耐磨耗性を測定した。赤外線遮蔽ガラスの製造条件を表1に、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスの評価結果を表2に示す。
(例2)
660℃の大気中で5分間焼成するかわりに、400℃の大気中で15分間焼成する以外は例1と同様に処理し、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスを評価した。赤外線遮蔽ガラスの製造条件を表1に、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスの評価結果を表2に示す。
(例3)
メチルトリメトキシシラン4gとテトラメトキシシラン0.5gとを併用するかわりに、メチルトリメトキシシランのみを4.5gを使用した以外は例1と同様に処理し、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスを評価した。赤外線遮蔽ガラスの製造条件を表1に、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスの評価結果を表2に示す。
(例4)
メチルトリメトキシシラン4gとテトラメトキシシラン0.5gとを併用するかわりに、メチルトリメトキシシラン3gとテトラメトキシシラン1.5gとを併用した以外は例1と同様に処理し、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスを評価した。赤外線遮蔽ガラスの製造条件を表1に、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスの評価結果を表2に示す。
(例5)
分散液Aを用いるかわりに、分散液B(つまり、フッ素を含まないITO微粒子の分散液)を用いた以外は、例1と同様に処理し、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスを評価した。赤外線遮蔽ガラスの製造条件を表1に、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスの評価結果を表2に示す。
(例6)
660℃5分間の大気中での焼成をまったく行わなかった以外は、例1と同様に処理し、乾燥後の赤外線遮蔽ガラスを評価した。乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスを評価した。赤外線遮蔽ガラスの製造条件を表1に、乾燥後および焼成後の赤外線遮蔽ガラスの評価結果を表2に示す。
Figure 2005022941
Figure 2005022941
表1および表2より明らかなように、例1〜4のフッ素含有ITO微粒子を含む被膜が形成された赤外線遮蔽ガラスでは、高温での熱処理を経た後でも赤外線遮蔽性、電磁波透過性を具備しており、また高温の焼成によって高い耐磨耗性を有する被膜が形成されているため耐久性が高い。
また、比較例である例5の赤外線遮蔽ガラスは、フッ素を含まないITO微粒子を材料としているため、高温の焼成によりTが著しく上昇しており、赤外線遮蔽ガラスとしては好ましくない。
また、比較例である例6の赤外線遮蔽ガラスは、フッ素含有ITO微粒子を用いているが、ITO微粒子の酸化が起こりにくい低温での硬化を行っているため、高い赤外線遮蔽性、電磁波透過性を有しているものの、被膜の耐磨耗性が低く、赤外線遮蔽ガラスとしては好ましくない。
フッ素を含有するITO微粒子を用いることにより、可視光透過性、赤外線遮蔽性、電磁波透過性、耐磨耗性を必要とする用途、特に自動車用ガラス等に適用できる。

Claims (8)

  1. ガラス基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有量が0.1〜10質量%であるフッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布することにより赤外線遮蔽膜が形成されてなることを特徴とする赤外線遮蔽ガラス。
  2. 前記フッ素含有ITO微粒子の平均一次粒子径が100nm以下である請求項1に記載の赤外線遮蔽ガラス。
  3. 前記赤外線遮蔽膜の表面抵抗値が10MΩ/□以上である請求項1または2に記載の赤外線遮蔽ガラス。
  4. JIS−R3106(1998年)により定められる可視光透過率が70%以上であり、波長1.0μmにおける透過率が35%以下であり、波長2.0μmにおける透過率が20%以下である請求項1、2または3に記載の赤外線遮蔽ガラス。
  5. JIS−R3212(1998年)により定められるテーバー式磨耗試験において、CF−10F磨耗輪を用い、4.9Nの荷重で1000回転させた後、JIS−R3212(1998年)により定められるヘーズメータを用いて測定したヘーズ率が7%以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽ガラス。
  6. 前記塗布液中に前記フッ素含有ITO微粒子と前記マトリックス成分とが、質量比で、前記フッ素含有ITO微粒子:酸化物換算の前記マトリックス成分=1:9〜9:1の割合で含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽ガラス。
  7. 前記赤外線遮蔽膜の膜厚が0.1〜5μmである請求項1〜6のいずれか1項に記載の赤外線遮蔽ガラス。
  8. ガラス基板の少なくとも一方の面上に、フッ素含有量が0.1〜10質量%であるフッ素含有ITO微粒子とマトリックス成分とを含む塗布液を塗布した後、350〜750℃で1〜60分間加熱することを特徴とする赤外線遮蔽ガラスの製造方法。
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